JP6326883B2 - プラスチック光ファイバコード - Google Patents

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Description

本発明はプラスチック光ファイバコードに関するものであって、装飾用途、工業通信用途、自動車用途、あるいは半導体分野等でセンサーとして使用する際に要求される105℃付近の高温環境下で長期間にわたって耐熱性に優れたプラスチック光ファイバコードに関するものである。
プラスチック光ファイバ(POF)は、加工性、取扱い性および製造コストなどの面でガラス系光ファイバに比べて優れているので、短距離の光通信伝送、光電センサーおよびライトガイドなどに好適に使用されている。例えば、車載の情報伝達用コードとしては、プラスチック光ファイバに、ナイロン(ポリアミド)等の熱可塑性樹脂を被覆したプラスチック光ファイバコードが採用されている。さらに近年では、特に自動車用途や半導体分野等において、使用環境温度として105℃付近が要求され、POFコードに対し105℃の環境下でも長期使用に耐えうる性能向上が図られている。
一般に、プラスチック光ファイバコード(POFコード)は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)のコアと、コアの外周部にコアよりも屈折率が低い材料からなるクラッドを設け、さらにその外周部を熱可塑性樹脂からなる被覆層によって被覆した形態で使用されている。これら材質の中で、クラッド材や被覆材を選択することによって、105℃付近での耐熱性を向上させる試みはこれまでにも多くなされてきた。
例えば、被覆材として、ポリエステル系エラストマーおよび遮光材を用いることや、ポリエステル系エラストマーに、ゴム状重合体やエチレン系共重合体を配合した材料が提案されている(例えば特許文献1〜3)。また、ポリエチレンとポリエステルエラストマーを混合させた樹脂組成物を用いた材料が提案されている(例えば、特許文献4)。さらには、耐熱ファイバの外皮として、1層目にポリエチレン、2層目にポリエステルエラストマーの構造が提案されている(例えば、特許文献5)。
特開2007−52095号公報 特開2002−275360号公報 特開2007−262418号公報 特開平11−116781号公報 特開2011−8240号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載のポリエステルエラストマーを用いた方法は、比較的融点が高く、被覆温度を高温にする必要があるため、ファイバにダメージを与え易く、透光性を悪化させやすいといった課題や、材料費が高いため安価にコードを作製できないといった課題があった。
また、特許文献4に記載の方法は、ポリエステルエラストマー組成物の重量%がポリエチレン系樹脂の重量%の同等以上で、ポリエステルエラストマーが主体の樹脂組成物であるので、比較的融点が高いため、透光性を悪化させ易く、安価なコードの作製が困難であるといった課題や、機械特性が不足するといった課題があった。また、特許文献5に記載の方法は、1層目のポリエチレンは低温での被覆が可能であるため透光性は良いが、さらに細径のファイバの場合は、105℃の環境下でファイバがさらに収縮しやすく、ピストニングの規定量が厳しい場合は、規格外れになる可能性が高いといった課題や、逆にピストニングを抑制するために、被覆温度を高くすると、透光損失が悪化するといった課題があり、105℃の環境下で透光性とピストニングの抑制を両立できる解が無かった。
本発明の目的は上述の問題を解決し、105℃付近の高温環境下であっても、長期間にわたって透光性とピストニングの抑制を両立しつつ、機械特性も良好で、且つ、安価に製造可能なプラスチック光ファイバコードを提供することである。
本発明はプラスチック光ファイバを外皮によって被覆した光ファイバコードであって、前記プラスチック光ファイバが、コアと、少なくとも1層のクラッドを有するプラスチック光ファイバであって、プラスチック光ファイバの最表層のクラッドが、エチレン10〜35重量%、テトラフルオロエチレン45〜69重量%、ヘキサフルオロプロピレン20〜45重量%、および、次式(1)
CH=CX(CF(1)
(式中、Xはフッ素原子または水素原子を示し、Xはフッ素原子、水素原子または炭化水素基を示し、nは1〜10の整数を示す。)
で示されるフルオロビニル化合物0.01〜10重量%を共重合成分とする共重合体からなり、前記最表層のクラッドに接する外皮は、(A)高密度ポリエチレンを51〜98重量%含み、(A)高密度ポリエチレン100重量部に対し、(B)ポリエステルエラストマー1〜96重量部、(C)カーボンブラック0.1〜20重量部を含むプラスチック光ファイバコードである。
本発明によれば、装飾用途、工業通信用途、自動車用途、あるいは半導体分野等でセンサーとして使用する際に要求される105℃付近の高温環境下であっても、長期間にわたって透光性とピストニング抑制を両立しつつ、機械特性が良好で、且つ、安価に製造可能なプラスチック光ファイバコードを提供することができる。
本発明のプラスチック光ファイバコードは、プラスチック光ファイバを外皮によって被覆した光ファイバコードであって、前記プラスチック光ファイバが、コアと、少なくとも1層のクラッドを有するプラスチック光ファイバであって、プラスチック光ファイバの最表層のクラッドが、エチレン10〜35重量%、テトラフルオロエチレン45〜69重量%、ヘキサフルオロプロピレン20〜45重量%、および、次式(1)
CH=CX(CF(1)
(式中、Xはフッ素原子または水素原子を示し、Xはフッ素原子、水素原子または炭化水素基を示し、nは1〜10の整数を示す。)
で示されるフルオロビニル化合物0.01〜10重量%を共重合成分とする共重合体からなり、前記最表層のクラッドに接する外皮は、(A)高密度ポリエチレンを51〜98重量%含み、(A)高密度ポリエチレン100重量部に対し、(B)ポリエステルエラストマー1〜96重量部、(C)カーボンブラック0.1〜20重量部を含むプラスチック光ファイバコードである。
本発明のプラスチック光ファイバのコア材料は、メチルメタクリレート(以下、MMAと略記することがある。)を共重合成分の主成分とする(共)重合体であることが好ましく、具体的には、ポリメチルメタクリレート(PMMA)またはMMAが共重合成分の70重量%以上である共重合体を含み、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、(置換)スチレンおよび(N−置換)マレイミドなどを共重合するか、あるいはそれらを高分子反応したグルタル酸無水物やグルタルイミドなどの変性重合体などが挙げられる。上記の(共)重合体は、重合体および共重合体を表している。同様に、(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステルおよびメタアクリル酸エステルを表している。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ボルニルメタクリレートおよびアダマンチルメタクリレートなどが、置換スチレンとしては、メチルスチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
N−置換マレイミドとしては、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミドおよびN−o−メチルフェニルマレイミドなどが挙げられる。
これら共重合成分は、複数で用いても良く、これら以外の成分を少量使用してもよい。また、耐酸化防止剤などの安定剤が透光性に悪影響しない量だけ含まれていても構わない。これらの(共)重合体の中で、コア材料としては、生産性、透光性および耐環境性などの点から、実質的にPMMAであることが最も好ましい態様である。
本発明のプラスチック光ファイバにおいて、最表層のクラッドは、エチレン10〜35重量%、テトラフルオロエチレン45〜69重量%、ヘキサフルオロプロピレン20〜45重量%および次式(1)
CH=CX(CF(1)
(式(1)中、Xはフッ素原子または水素原子を示し、Xはフッ素原子、水素原子または炭化水素基を示し、nは1〜10の整数を示す。)
で示されるフルオロビニル化合物0.01〜10重量%を共重合成分とする共重合体を含有することが必要である。なお、最表層のクラッドとは、クラッドを1層有する場合は当該クラッドを指し、クラッドを2層以上有する場合はその中で最も外側に位置するクラッドを指す。
上記の式(1)において、エチレンが10重量%未満の場合、成形安定性が低下する。35重量%を超える場合、結晶性が高くなり、透明性が低下し、伝送特性が低下する。11〜30重量%が好ましい。テトラフルオロエチレンが45重量%未満の場合、成形安定性が低下する。69重量%を超える場合、結晶性が高くなり、透明性が低下し、伝送特性が低下する。また、融点が高くなり、光ファイバの紡糸温度付近での流動性が低下する。ヘキサフルオロプロピレンが20重量%未満の場合、柔軟性が低下し、曲げ損失が低下する。45重量%を超える場合、粘着性が増すため、被覆層を被覆するときの加工性が低下する。
特に、コアのMMAを主成分とする(共)重合体への密着性や耐熱性に優れた特性を付与するために、上記の式(1)で示されるフルオロビニル化合物を0.01〜10重量%含有することが必要である。一方、他の共重合成分の含有量との関係から、その含有量は10重量%以下である。
上記の式(1)で示されるフルオロビニル化合物において、Xは、好ましくは、フッ素原子、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロプル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基などである。
前記式(1)で表されるフルオロビニル化合物としては、例えば、CH=CF(CFH、CH=CH(CFH、CH=CF(CFH、CH=CH(CFH、CH=CF(CFCH、CH=CF(CF、CH=CH(CFFなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
特に、前記式(1)で示されるフルオロビニル化合物が次式(2)
CH=CF(CFH (2)
で示される化合物の場合、生産性、コスト、環境性および品質面において優れている。
エチレン10〜35重量%、テトラフルオロエチレン45〜69重量%、ヘキサフルオロプロピレン20〜45重量%、および、次式(1)
CH=CX(CF(1)
(式(1)中、Xはフッ素原子または水素原子を示し、Xはフッ素原子、水素原子または炭化水素基を示し、nは1〜10の整数を示す。)
で示されるフルオロビニル化合物0.01〜10重量%を共重合成分として含む共重合体は、好ましくは、エチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、および、次式(1)
CH=CX(CF(1)
(式(1)中、Xはフッ素原子または水素原子、Xはフッ素原子、水素原子または炭化水素基、nは1〜10の整数を表す。)で示されるフルオロビニル化合物の総計が、100重量%である。
また、最表層のクラッドの共重合体が、ポリマー鎖の末端または側鎖に反応性官能基であるカルボニル基含有官能基を有する共重合体であると、クラッドが1層の場合には、コアのMMAを主成分とする(共)重合体や被覆層との密着性が更に向上し、また、2層以上のクラッドにおける最表層である場合は被覆層との密着性が更に向上する。共重合体組成のコントロールが容易で、安価に製造可能である点からポリマー鎖の末端に反応性官能基であるカルボニル基含有官能基を含むことが好ましい。
上記のカルボニル基含有官能基とは、一般に−OC(=O)O−の結合を有するカーボネート基や−COY[Yはハロゲン元素]の構造を有するカルボン酸ハライド基であり、特に含フッ素カーボネート基(R−O−C(=O)−RF’)、またはカルボン酸フルオライド基(−C(=O)F)が好ましい。RやRF’はフッ素基が含まれる官能基、例えばフッ化アルキル基やフッ化ビニリデン基などを表している。
ポリマー鎖の末端にカルボニル基含有官能基を有する含フッ素エチレン性重合体を得るためには、種々の方法を採用することができるが、経済性の面、耐熱性および耐薬品性など品質面で、パーオキシカーボネート系のパーオキサイドを重合開始剤として用いる方法が好ましく用いられる。
ポリマー鎖の末端カルボニル基含有官能基を導入するために用いられるパーオキシカーボネートとしては、例えば、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートおよびジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネートなどが好ましく用いられる。
本発明のプラスチック光ファイバの最表層のクラッドのメルトフローレート(以下、MFRと略記することがある。)値は、10〜100g/10分(条件:温度265℃、荷重5kg、オリフィス径2mm、長さ8mm)の範囲内であることが好ましい。特に好ましいMFRの範囲は、20〜60g/10分である。MFRを上記範囲内とすることで押出が容易となることから、紡糸が円滑に進む。また、コアとの密着性を適度に保つことができ、偏心することなく、プラスチック光ファイバとしての外径変動を抑制することができる。
本発明のプラスチック光ファイバコードは、プラスチック光ファイバを素線とし、クラッドに接する外皮は(A)高密度ポリエチレンを含み、(A)高密度ポリエチレン100重量部に対し、(B)ポリエステルエラストマー1〜96重量部、(C)カーボンブラック0.1〜20重量部を含むことを特徴としている。
外皮は多層であっても構わない。例えば、外皮が2層構造の場合、2層とも前記(A)〜(C)を含む外皮であってもよいし、クラッドに接する1層目が前記(A)〜(C)を含む外皮であれば、2層目は従来公知の樹脂や難燃樹脂が使用できる。
本発明におけるプラスチック光ファイバのクラッドと接する外皮は少なくとも、(A)高密度ポリエチレンを含む。(A)高密度ポリエチレンは外皮の51重量%〜98重量%の範囲である。(A)高密度ポリエチレンが外皮の51重量%より小さくなると、機械特性が悪化する。また、98重量%より大きくなると、105℃の環境下における光量の低下が増大する。好ましくは、60〜90重量%である。高密度ポリエチレンとは、密度0.942(g/cm)以上のものを示し、これを用いることで、機械特性が向上し、安価に製造が可能となる。さらに好ましくは、0.945(g/cm)以上である。また、マスフローレートは0.05(g/10min、JIS K7210:1999)以上であることが好ましい。0.05(g/10min)未満であると、高速での被覆が難しくなる。また、曲げ弾性率は、屈曲の観点から1200MPa(JIS K7171:2008)以下であることが好ましい。
本発明におけるプラスチック光ファイバのクラッドと接する外皮は少なくとも、(A)高密度ポリエチレン100重量部に対し、(B)ポリエステルエラストマーを1〜96重量部を含む。ポリエステルエラストマーが1重量部未満であると、被覆樹脂の柔軟性が低下する為、ファイバの熱収縮に対して被覆が追従しにくくなり、ピストニングが発生し易くなる。また、96重量部より大きくなると、被覆温度を高くさせる必要が生じ、その結果、透光損失が悪化する。好ましくは、1〜60重量部である。
ポリエステルエラストマーとしては、ハードセグメント単位(結晶相)と、ソフトセグメント単位(非晶相)とを有するブロック共重合体であることが好ましい。ハードセグメント単位は、成形加工性、耐薬品性、耐老化性などの観点から芳香族ポリエステルであることが好ましく、例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられ、その中でも、ポリブチレンテレフタレートが特に好ましい。ソフトセグメント単位は、例えば、分子量が200〜5000の範囲にある脂肪族ポリエーテル(例えば、ポリテトラメチレンオキシドグリコール(PTMG)など)とテレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルとの重縮合により合成されたものや、ポリ(ε−カプロラクトン)(PCL)やポリブチレンアジペート(PBA)などの脂肪族ポリエステルなどがある。このようなポリエステルエラストマーでは、分子量や、ハードセグメント/ソフトセグメントのモル比などを適宜調整することにより、PMMAをコアとするPOF素線に被覆層を形成する際の温度における溶融粘度を容易に調整できる。
上記、ポリエステルエラストマーについて、市販されているものとして、例えば、東レ・デュポン社製の、商品名ハイトレル(登録商標)2551、4047、4057、4767や、ポリプラスチック社製の商品名DURANEX(登録商標) 400LP、帝人化成社製の商品名ヌーベラン(登録商標)4400シリーズ、東洋紡社製の商品名ペルプレン(登録商標)Sタイプ、Pタイプ、三菱化学社製の商品名プリマロイ(登録商標)Bシリーズ等が挙げられる。これらを用いることで、柔軟性、耐熱性が優れたものとなる。
本発明におけるプラスチック光ファイバのクラッドと接する外皮は少なくとも、(A)高密度ポリエチレン100重量部に対し、(C)カーボンブラックを0.1〜20重量部を含む。カーボンブラックを含むことで、遮光材としての機能以外にも、105℃の環境下において光量の低下を抑制することができる。カーボンブラックが0.1重量部未満であると、105℃の環境下において、光量の初期の低下が大きくなり、また、20重量部を超えると、樹脂の吐出不良が発生し易くなる。好ましくは、0.1〜12重量部である。
以上、少なくとも(A)高密度ポリエチレン、(B)ポリエステルエラストマー、(C)カーボンブラックを含む組成物を、前記クラッドに接するように被覆することで、透光性とピストニングの抑制を両立しつつ、機械特性が良好なプラスチック光ファイバを、安価に製造可能となる。
外皮には、難燃剤の他、耐酸化防止剤、耐老化剤および紫外線(UV)安定剤などの安定剤、あるいは着色のための顔料を含んでいてもよい。
次に、本発明のプラスチック光ファイバコードの製造方法の例について説明する。プラスチック光ファイバコードは、前記プラスチック光ファイバを素線とし、そのクラッドに接する外皮として前記組成物を被覆し、プラスチック光ファイバコードを得る。外皮は、クロスヘッドダイを使用した溶融押出成形法等の方法によって形成することができる。
本発明のプラスチック光ファイバコードは、好ましくは、送線機等により10gから1400gの供給張力で送られてきたプラスチック光ファイバをクロスヘッドダイの後部から送り込み、ダイ内で押出機から押出された加熱溶融状態の被覆材をプラスチック光ファイバの周囲に融着することで被覆して製造する。また、プラスチック光ファイバへの単位時間当たりの受熱量増大による透光性の悪化を防止する目的で、プラスチック光ファイバの周囲に外皮を融着後急速に冷却固化する工程を設ける、すなわち冷却槽を設置することも可能である。冷却工程に使用する冷却媒体は、通常は水でよいが、他の冷却媒体を使用してもよい。また、構造の形態は、単芯でも多芯でも適用可能である。
本発明の製造方法により得られるPOFコードは、自動車や航空機、船舶、電車等の移動体内の配線、あるいは、FA、家庭内機器、オフィス機器等の短距離通信用配線に好適に用いることができる。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明する。評価は次の方法で行った。
屈折率:測定装置としてアッベ屈折率計を使用して、室温25℃雰囲気で測定した。
耐熱性:高温オーブン(ダバイエスペック社製PHH−200)内に、長さ22m(両末端各2mはオーブン外)のPOFコードを105℃の温度で1000時間投入し、熱処理前後の光量を測定してその変化量を算出した(マイナスは、光量ダウンを示す)。3サンプルについて熱処理前後の光量変化を測定して、その平均値を求めた。光量変化量の平均値が−1.0dB以内であれば合格とした。
ピストニング:試長500mmのプラスチック光ファイバコードを、高温オーブン(タバイエスペック社製PHH−200)内に105℃で24時間投入し、試験前後のプラスチック光ファイバコード端面部を小型測定顕微鏡(オリンパス社製STM6)で観察した。
プラスチック光ファイバが被覆層の先端から突き出している場合は、被覆層の先端から突きだしているプラスチック光ファイバ先端までの長さがピストニング部分となり、+(プラス)とする。プラスチック光ファイバが被覆層の先端から引っ込んでいる場合は被覆層の先端から引っ込んだプラスチック光ファイバの先端までの長さがピストニング部分となり、−(マイナス)となる。ピストニングが、±0.2mm以内の場合を合格とした。
透光性:ハロゲン平行光(波長650nm、入射NA=0.25)を使用して、30/2mカットバック法により測定した。180dB/km以下を合格とした。
機械的特性:JIS C 3005:2000により引張試験を行い、測定された引張破断強度に基づいて以下のように評価した。即ちファイバ径が500μm、750μm、1000μmのいずれの場合においても、降伏点強度30(N/mm)以上のものは機械的特性に優れるとして合格とし、30(N/mm)未満のものは不合格とした。
実施例、比較例において、コアおよびクラッドを構成する物質は、下記のように記載した。
PMMA :ポリメチルメタクリレ−ト
MMA :メタクリル酸メチル
Et :エチレン
4FM :2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート
5FM :2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート
2F :フッ化ビニリデン
4F :テトラフルオロエチレン
6F :ヘキサフルオロプロピレン
FVE :ヘプタフルオロプロピルビニルエーテル
単量体A :CH=CF(CF
実施例および比較例において、プラスチック光ファイバの外皮として用いた物質は下記のとおりである。
HZ5305E(製品名、プライムポリマー製):高密度ポリエチレン(密度:0.951(g/cm)、マスフローレート:0.80(g/10min)、曲げ弾性率:950(MPa))
P−150M(製品名、東洋紡社製):ポリエステルエラストマー
SEBS樹脂:スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体
また、実施例および比較例においては、(A)高密度ポリエチレンを100重量部とした場合での(B)ポリエステルエラストマーと(C)カーボンブラックの重量部を記入した。
製造例:POF素線の製造
表1に示す構成となるように、第1クラッドおよび/または第2クラッドの原料を複合紡糸機に供給した。さらに、連続塊状重合によって得られたPMMA(屈折率1.492)をコアとして複合紡糸機に供給して、235℃の温度でコアとクラッドを芯鞘複合溶融紡糸し、ファイバ径500μm(コア径486μm、第1クラッド厚7μm)のPOF素線(POF1)、ファイバ径750μm(コア径736μm、第一クラッド厚7μm)のPOF素線(POF2)、ファイバ径1000μm(コア径980μm、第1クラッド厚10.0μm)のPOF素線(POF3)、ファイバ径1000μm(コア径976μm、第1クラッド厚7.0μm、第2クラッド厚5.0μm)のPOF素線(POF4、5)を製造した。
Figure 0006326883
実施例1
表2に示すPOF1のプラスチック光ファイバに外皮をクロスヘッドダイにてクロスヘッドケーブルの被覆方式装置を用いて、被覆温度200℃で2度被覆し(1層目の厚み0.7mm、2層目の厚み1.0mm)、POFコードを得た。このようにして得られたPOFコードの透光損失、ピストニング、耐熱性による評価を実施した。評価結果を表4に示す。いずれもPOFコードとしての性能を満足していた。
実施例2〜25
表2および表3に示す構成のPOFコードを実施例1と同様の方法で製造し、評価結果を表4に示した。いずれもPOFコードとしての性能を満足していた。
実施例26〜30
表3に示す構成のPOFコードを、外皮の2層目にリン含有難燃剤を含んだSEBS樹脂を被覆した以外は、実施例1と同様の方法で製造し、評価結果を表4に示した。いずれもPOFコードとしての性能を満足していた。
Figure 0006326883
Figure 0006326883
Figure 0006326883
比較例1
表5に示す構成のPOFコードを、高密度ポリエチレンの含有量の範囲を満たさない以外は、実施例1と同様の方法で製造し、評価結果を表6に示した。その結果、比較例1は、降伏点を満たさなかった。
比較例2、3
表5に示す構成のPOFコードを、ポリエステルエラストマーの含有量の範囲を満たさない以外は、実施例1と同様の方法で製造し、評価結果を表6に示した。その結果、比較例2は、耐熱性で、比較例3は、ピストニング性と耐熱性を満たさない結果が得られた。
比較例4、5
表5に示す構成のPOFコードを、カーボンブラックの含有量の範囲を満たさない以外は、実施例1と同様の方法で製造し、評価結果を表6に示した。その結果、比較例4は、耐熱性を満たさなかった。また、比較例5は、コード表面に凸状の外観異常が多発したため、評価を中止した。
比較例6、7
表5に示す構成のPOFコードを、高密度ポリエチレンのみの場合と、ポリエステルエラストマーのみの場合で、実施例1と同様の方法で製造し、評価結果を表6に示した。その結果、比較例6は耐熱性とピストニングを満たさなかった。また、比較例7は、製造条件と同等の温度では吐出不良が発生したため、被覆温度を30℃上げた結果、透光損失が悪化した。また、降伏点も満たさなかった。
Figure 0006326883
Figure 0006326883

Claims (4)

  1. プラスチック光ファイバを外皮によって被覆した光ファイバコードであって、前記プラスチック光ファイバが、コアと、少なくとも1層のクラッドを有するプラスチック光ファイバであって、プラスチック光ファイバの最表層のクラッドが、エチレン10〜35重量%、テトラフルオロエチレン45〜69重量%、ヘキサフルオロプロピレン20〜45重量%、および、次式(1)
    CH=CX(CF(1)
    (式(1)中、Xはフッ素原子または水素原子を示し、Xはフッ素原子、水素原子または炭化水素基を示し、nは1〜10の整数を示す。)
    で示されるフルオロビニル化合物0.01〜10重量%を共重合成分とする共重合体からなり、前記最表層のクラッドに接する外皮が、(A)高密度ポリエチレンを51〜98重量%含み、(A)高密度ポリエチレン100重量部に対し、(B)ポリエステルエラストマー1〜96重量部、(C)カーボンブラック0.1〜20重量部を含むプラスチック光ファイバコード。
  2. 前記フルオロビニル化合物が、次式(2)
    CH=CF(CFH (2)
    で示される化合物である請求項1に記載のプラスチック光ファイバコード。
  3. 前記クラッドが反応性官能基末端を有することを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック光ファイバコード。
  4. 前記ポリエステルエラストマーのハードセグメント単位が芳香族ポリエステルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック光ファイバコード。
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