JP5184437B2 - 多芯プラスチック光ファイバ裸線及びケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、多芯プラスチック光ファイバに関する。
プラスチック光ファイバは、透明樹脂からなる芯の周囲を該透明樹脂より低屈折率の樹脂からなる鞘層で囲んだ構造を有し、芯と鞘層の境界で光を反射させることにより芯内で光信号を伝送する媒体である。プラスチック光ファイバは石英ガラス光ファイバに比較して柔軟性に優れており、接続時の芯あわせの容易な直径の大きいものを使用することができる。単芯プラスチック光ファイバは直径が大きすぎると曲げによる光損失の発生が大きくなるが、多芯プラスチック光ファイバとすることで上記光損失の発生を抑制することができるので、近年多芯プラスチック光ファイバが種々の用途で採用されるようになってきた。
プラスチック光ファイバの芯を構成する透明樹脂としては、透明度の高いポリメチルメタクリレート系樹脂(PMMA系樹脂)が広く採用されている。PMMA系樹脂を芯とする多芯プラスチック光ファイバの鞘層を構成する樹脂については、特許文献1に記載されているビニリデンフロライド80モル%とテトラフロロエチレン20モル%からなる2元共重合体や、特許文献2に記載されている特定組成からなるビニリデンフロライドとテトラフロロエチレンとヘキサフロロプロペン共重合体が特に有名であり、実用化されている。
上述した芯と鞘層とからなるプラスチック光ファイバ裸線は、物理的あるいは化学的な損傷を防止するためにさらに外側に被覆層を設けたプラスチック光ファイバケーブルとして使用されることが多い。
特開平5−134120号公報 特開平11−95048号公報
近年多芯プラスチック光ファイバの曲げ特性のよさを買って、多方面の光通信用途にこの多芯プラスチック光ファイバを使用したいという要求が非常に強くなっている。かつて光ファイバケーブルは固定配線で使用する使われ方をしていたが、通信速度の高速化による光ファイバの利用が拡大し、光ファイバ配線が身の回りの可動配線にまで使用されるようになるに従い、多芯プラスチック光ファイバの適用の範囲が急激に拡大して来た。
特にビニリデンフロライド系樹脂からなる鞘層を用いた多芯プラスチック光ファイバは、芯間の保持性に優れ、機械的にも繰り返し屈曲や振動に耐える能力に著しく優れているので、期待が大きい。それに伴い、多芯プラスチック光ファイバの適用環境が、従来の70℃以下の範囲から、さらに高温、高湿度側に広がりつつある。例えば、80℃で湿度95%程度の中程度温度領域、そしてさらに80℃〜110℃程度の高温領域の環境に耐える多芯プラスチック光ファイバが望まれるようになって来た。
然るに、特許文献1記載のビニリデンフロライド80モル%とテトラフロロエチレン20モル%からなる2元共重合体を鞘層に用いた多芯プラスチック光ファイバでは、80℃で95%の相対湿度に対して伝送損失の安定したものを得ることは出来なかった。
また、特許文献2記載の特定組成からなるビニリデンフロライドとテトラフロロエチレンとヘキサフロロプロペンからなる共重合体を鞘層に用いた多芯プラスチック光ファイバでは、80℃で95%の相対湿度に対して伝送損失は安定しているものの、鞘層を構成する樹脂が非常に柔らかい。そのため、80℃以上のより高い耐熱性を要求される場合には芯と鞘層からなるプラスチック光ファイバ裸線の該鞘層の外周に保護層を形成したプラスチック光ファイバ素線とする必要があった。
本発明の目的は、高い温度や湿度下でも伝送損失が安定で、寸法も安定な耐熱性の改善された多芯プラスチック光ファイバ裸線、およびケーブルを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、芯を構成する樹脂(以下、「芯樹脂」ともいう。)としてポリメチルメタクルリレート系樹脂を用い、鞘層を構成する樹脂(以下、「鞘樹脂」ともいう。)としてカーボネート基を反応性官能基末端とするエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体であってナトリウムD線で20℃で測定した屈折率が1.37〜1.41の範囲にあり、23℃におけるショアD硬度(ASTM D2240)の値が60〜80の範囲にあり、メルトフローインデックス(230℃、荷重3.8Kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mm条件)が5g/10分〜100g/10分の流動性を示す樹脂を用いた多芯プラスチック光ファイバ裸線が優れた耐熱性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]ポリメチルメタクルリレート系の芯樹脂からなる7本以上10000本以下の芯繊維と、その各々の芯繊維の周りを、鞘樹脂としてカーボネート基を有するエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体であってナトリウムD線で20℃で測定した屈折率が1.37〜1.41の範囲にあり、23℃におけるショアD硬度(ASTM 2240)の値が60〜80の範囲にあり、メルトフローインデックス(230℃、荷重3.8Kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mm条件)が5g/10分〜100g/10分の流動性を示す樹脂でとり囲み、それらを一纏めになるように複合紡糸してなる多芯プラスチック光ファイバ裸線。
[2]上記[1]に記載の多芯プラスチック光ファイバ裸線の外側に、熱可塑性樹脂からなる被覆層を形成してなる多芯プラスチック光ファイバケーブル。
本発明の多芯プラスチック光ファイバ裸線及びケーブルは、高い温度や湿度下でも伝送損失が安定で、寸法も安定である。
本実施形態の多芯プラスチック光ファイバケーブルの一態様の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
図1に本発明の多芯プラスチック光ファイバケーブルの一実施形態の断面模式図を示す。図中、1は芯、2は鞘、3は被覆層、4は多芯プラスチック光ファイバ裸線、5は多芯プラスチック光ファイバケーブルである。多芯プラスチック光ファイバケーブル5は、芯1が鞘層2によって被覆されている多芯プラスチック光ファイバ裸線4の外周を被覆層3により被覆形成されている。そして、被覆層3の外周に外被覆層(図示せず。)を更に設けてもよい。これにより屋外での長期的使用や接触する化学薬品等の影響から光ファイバ素線をより確実に保護することができる。
本発明において、芯の直径は5〜500μmが好ましく、断面における芯の本数は7〜10000本が好ましい。より好ましい芯の直径は10〜250μmであり、より好ましい芯の本数は19〜1000本である。芯の直径が5μm以上であれば通過する光量を大きくすることができる。また、芯の直径が500μm以下であれば、曲げによる透過光量の低下を少なくできる。芯の本数が7本以上であれば曲げた時の光量損失が抑制される。また、芯の本数が10000本以下であれば、鞘層の断面積に対する芯の断面積の割合を高く保つことができ通過する光量を大きくすることができる。
また、芯と鞘層からなる多芯プラスチック光ファイバ裸線(以下、単に「裸線」ともいう。)の直径は200〜3000μmが好ましい。より好ましい裸線の直径は500〜1500μmである。裸線の直径が250μm以上であれば接続時の芯あわせが容易である。また、裸線の直径が3000μm以下であれば曲げに対する柔軟性を維持することができる。
本発明の裸線において、芯樹脂としては、PMMA系樹脂を用いる。PMMA系樹脂としては、メチルメタクリレート単独重合体(PMMA)や、メチルメタクリレート成分を50重量%以上含んだ共重合体が好ましい。メチルメタクリレート成分と共重合可能な成分としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのメタクリル酸エステル類、イソプロピルマレイミドのようなマレイミド類、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンなどがあげられ、これらの中から一種以上適宜選択して共重合させることができる。
PMMA系樹脂の分子量は、メルトフロー(成形しやすさ)の観点から、重量平均分子量として8万〜20万程度のものが好ましく、特に10万〜12万が好ましい。
PMMA系樹脂からなる芯樹脂に対し、鞘樹脂としては一般にビニリデンフロライド80モル%とテトラフロロエチレン20モル%からなる共重合体が使用されてきた。該鞘樹脂はPMMA系樹脂からなる芯樹脂との界面において相溶層を形成するので、芯と鞘層との接着性に優れる。しかしながら、このような構成のファイバにおいては、80℃以上の高温で該相溶層の透明性が低下するために伝送損失値が増加するという問題があった。
また、PMMA系樹脂からなる芯樹脂に対し、ビニリデンフロライド成分が30〜92モル%、テトラフロロエチレン成分が0〜55モル%、ヘキサフロロプロペン成分が8〜25モル%の範囲にあり、23℃におけるショアD硬度が30〜55の範囲にある共重合体からなる鞘樹脂も提案されている。該鞘樹脂を使用した場合は、80℃で95%の湿度に対して伝送損失が安定し、屈曲にも強いものの、鞘樹脂が非常に柔らかいことにより80℃以上のより高い耐熱性を要求される場合には該多芯プラスチック光ファイバ裸線に保護層を形成して多芯プラスチック光ファイバ素線として使用する必要があった。該鞘樹脂の成分の組成比を調整してショアD硬度を55より高くすることは可能であるが、該鞘樹脂はPMMA系樹脂とは相溶しないので、鞘樹脂が硬い場合は芯と鞘層との摩擦力が弱くなり、鞘樹脂が芯から剥離し易く、芯が鞘から飛び出したりするという問題があった。
そこで、本発明の裸線において、鞘樹脂としては、カーボネート基を有するエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体樹脂を使用する。ここでカーボネート基を有するエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体樹脂とは、全部または一部の水素原子がフッ素原子で置換されたエチレン性モノマー(塩素等のフッ素以外のハロゲン原子を含んでいてもよい。以下、「含フッ素モノマー」ともいう。)の重合体、または該含フッ素モノマーと共重合可能な単量体との共重合体であって、主鎖あるいは側鎖に反応性官能基であるカーボネート基(カルボニルジオキシ基)を導入して変性させたものをいう。該反応性官能基を導入することで、裸線の場合は芯との接着性、ケーブルの場合は芯及び被覆層との接着性を向上させることができる。
カーボネート基を有するエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体樹脂は、該樹脂の重合時に重合開始剤としてパーオキシカーボネートを用いることで容易に導入できることや、幅広い樹脂との接着性が優れることや、それらのなかでも特にナイロン12等のポリアミド樹脂との接着性が特に優れること等の利点を有する。カーボネート基の導入は公知の方法によって行うことができるが、重合開始剤として共重合体に導入することが好ましく、得られる共重合体100質量部に対して、該重合開始剤0.05〜20質量部であることが好ましい。
エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体における、エチレン/テトラフルオロエチレンのモル比は、特に限定されないが、成形性と耐薬品性のバランスの観点から、70/30〜30/70であることが好ましい。
さらに、テトラフルオロエチレン、及びエチレンとともに、これらと共重合可能な他の単量体(例えば、ヘキサフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブテン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、ヘキサフルオロイソブテン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)等のオレフィンを共重合させたものであってもよい。
この場合、エチレン/テトラフルオロエチレン/共重合可能な他の単量体のモル比は、特に限定されないが、成形性と耐薬品性のバランスの観点から、(10〜80)/(20〜80)/(0〜40)であることが好ましい。
より好ましいエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体としては、テトラフルオロエチレン62〜80モル%、エチレン20〜38モル%、及びこれらと共重合可能な単量体0〜10モル%からなる単量体成分から得られるポリマー鎖を有するカルボニルジオキシ基含有共重合体;テトラフルオロエチレン20〜80モル%、エチレン10〜80モル%、ヘキサフルオロプロピレン0〜30モル%、及びこれらと共重合可能な単量体0〜10モル%からなる単量体成分から得られるポリマー鎖を有するカルボニルジオキシ基含有共重合体が挙げられる。上記エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体は、耐熱性、耐薬品性に優れるために好ましい。
上記エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体の融点は150℃から200℃の範囲にあることが好ましい。融点がかかる温度範囲であることにより、ポリメチルメタクリレート系樹脂の熱分解が許容できる300℃以下の温度で紡糸可能であるので好ましい。融点の測定は、示差走査熱量測定によって行うことができる。例えば、セイコーインスツルメンツ社製の示差走査熱量計(EXSTAR DSC6200)を用いて、サンプルを昇温速度20℃/分で昇温することで、測定できる。
上記エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体のメルトフローインデックス(230℃、荷重3.8Kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mm条件)は、5g/10分〜100g/10分の範囲にあるものが好ましい。メルトフローインデックス値が5以上であれば、多芯プラスチック光ファイバの各芯を万遍なく被覆することができる。また、メルトフローインデックス値が100以下であれば、強度が強く芯を強固に支持出来る。好ましくは5〜40g/10分である。
上記エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体のナトリウムD線で20℃で測定した屈折率は、1.37〜1.41の範囲にあることが好ましく、23℃におけるショアD硬度(ASTM D2240)の値が60〜80の範囲にあることが好ましい。ショアD硬度は高くなるが、鞘樹脂に反応性官能基を導入することで芯との接着性が生じ、固い鞘樹脂でも芯から容易に剥離し難く、芯が鞘から飛び出したりするという問題は生じないと考えられる。
カルボニルジオキシ基を含有するカーボネート変性エチレン、テトラフルオロエチレン系共重合体としては、市販品として、ダイキン工業社製のネオフロンEFEP RP5000及びRP4020が挙げられる。
本発明の多芯プラスチック光ファイバ裸線は、85℃95%の湿度下に1000時間放置しても吸湿による理論的な光量ロスに匹敵する程度の32dB/km程度の光量ロスの増加で安定する。更に80℃以上のより高い耐熱性を要求する場合でも、該多芯プラスチック光ファイバ裸線の外側に熱可塑性樹脂を被覆した多芯プラスチック光ファイバケーブル(以下、単に「ケーブル」ともいう。)とするだけで、伝送損失は80℃〜110℃でも安定になることが判明した。
多芯プラスチック光ファイバ裸線は、公知の複合紡糸ダイにより紡糸することができる。複合紡糸ダイ出口のストランドを、機械的強度を付与するため通常110℃〜150℃程度の温度で1.3〜5倍に延伸させ、その後歪みをとるため同様の温度で熱処理して裸線とする。この裸線を、クロスヘッドダイにより熱溶融させた熱可塑性樹脂で被覆することによって被覆層を形成してケーブルとする。被覆層を形成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ナイロン、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロペンなどの樹脂があげられる。これらの中でもナイロン樹脂が好ましく、特にナイロン12及びナイロン11が鞘樹脂との接着性が強く耐熱性を付与するので好ましい。
本発明にかかる被覆層の厚さは20〜1000・高ェ好ましい。より好ましくは50〜700μmである。厚さが20μm以上であれば、機械強度が向上して好ましい。また、厚さが1000μm以下であればケーブルに適度な柔軟性を保持させることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
芯樹脂として、ナトリウムD線によって20℃で測定した屈折率が1.492のポリメチルメタクリレート樹脂であって、メルトフローインデックスが230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mmの条件で、1.5g/10分であるものを用いた。
鞘樹脂として、反応性官能基末端としてカーボネート基を有するエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体であって、屈折率が1.385、メルトフローインデックスが11g/10分、ショアD硬度が67、融点が166℃のカーボネート変性エチレン、テトラフルオロエチレン系共重合体樹脂(ダイキン工業社製 ネオフロンEFEP RP4020)を用いた。
上記芯樹脂、鞘樹脂を容積の比率が80対20になるように37芯からなる複合ダイに導入し、ダイの温度を245℃で紡糸した。ダイから吐出されたストランドを2倍に延伸し熱処理して、直径1.00mmの多芯プラスチック光ファイバ裸線を製造した。この多芯プラスチック光ファイバ裸線の伝送損失は650nmの波長で、入射NA0.60で測定して332dB/kmであった。該多芯プラスチック光ファイバ裸線を85℃で95%の相対湿度のオーブンに1000時間放置したときの伝送損失値は367dB/kmと安定していた。
次に、上記プラスチック光ファイバ裸線を電線被覆用のクロスヘッドダイに導入し、205℃で溶融させたナイロン12で被覆し、直径2.2mmの多芯プラスチック光ファイバケーブルを得た。この多芯プラスチック光ファイバケーブルの伝送損失は650nmの波長で、入射NA0.15で測定して149dB/kmであった。該多芯プラスチック光ファイバケーブルを110℃のオーブンに10時間放置したときの伝送損失値は176dB/kmであった。
さらに該ケーブルを2mの長さに切断し、両端を、コネクタに装着し、650nmのLED光付のテスタ(ハクトロニクス社製、オプティカルパワーメーター PHOTOM205)に接続した。光ファイバケーブルの中間点に屈曲点を設け、2kgの荷重をかけながら曲げ半径15mmで屈曲運動を行い、光パワーの変化をみた。曲げ角度は180度で−90度と+90度の間を2秒で屈曲を繰り返した。その結果、光パワーの変化は10000回の繰り返しで変動はなかった。また、芯と鞘層間の剥離による芯の飛び出しは発生せず寸法も安定であった。
[比較例1]
芯樹脂として、ナトリウムD線によって20℃で測定した屈折率が1.492のポリメチルメタクリレート樹脂であって、メルトフローインデックスが230℃、荷重3.8kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mmの条件で、1.5g/10分であるものを用いた。
鞘樹脂として、ビニリデンフロライド80モル%とテトロフロロエチレン20モル%からなる共重合体で屈折率が1.403、ショアD硬度が60の樹脂を用いた。
上記芯樹脂、鞘樹脂を容積の比率が80対20になるように37芯からなる複合ダイに導入し、ダイの温度を225℃で紡糸した。ダイから吐出されたストランドを2倍に延伸し熱処理して、直径1.00mmの多芯プラスチック光ファイバ裸線を製造した。この多芯プラスチック光ファイバ裸線の伝送損失は650nmの波長で、入射NA0.60で測定して318dB/kmであった。該多芯プラスチック光ファイバ裸線を85℃で95%の湿度のオーブンに1000時間放置したときの伝送損失値は565dB/kmと劣化していた。
次に、上記プラスチック光ファイバ裸線を電線被覆用のクロスヘッドダイに導入し、205℃で溶融させたナイロン12で被覆し、直径2.2mmの多芯プラスチック光ファイバケーブルを得た。この多芯プラスチック光ファイバケーブルの伝送損失は650nmの波長で、入射NA0.15で測定して145dB/kmであった。本多芯プラスチック光ファイバケーブルを110℃のオーブンに10時間放置したときの伝送損失値は335dB/kmと劣化していた。
以上より、本実施形態のプラスチック光ファイバ裸線及びケーブルは、耐熱、耐湿性に優れ、伝送損失の低下が少ないことが確認された。
本発明の多芯プラスチック光ファイバ裸線及びケーブルは、耐熱性と引き回し性の要求される車載ケーブルやパソコン、オーディオの配線や、光電センサーなどに好適に使用することができる。
1 芯
2 鞘層
3 被覆層
4 多芯プラスチック光ファイバ裸線
5 多芯プラスチック光ファイバケーブル

Claims (2)

  1. ポリメチルメタクルリレート系の芯樹脂からなる7本以上10000本以下の芯繊維と、その各々の芯繊維の周りを、鞘樹脂としてカーボネート基を有するエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体であってナトリウムD線で20℃で測定した屈折率が1.37〜1.41の範囲にあり、23℃におけるショアD硬度(ASTM D2240)の値が60〜80の範囲にあり、メルトフローインデックス(230℃、荷重3.8Kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mm条件)が5g/10分〜100g/10分の流動性を示す樹脂でとり囲み、それらを一纏めになるように複合紡糸してなる多芯プラスチック光ファイバ裸線。
  2. 請求項1記載の多芯プラスチック光ファイバ裸線の外側に、熱可塑性樹脂からなる被覆層を形成してなる多芯プラスチック光ファイバケーブル。
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