JP3299767B2 - 多芯プラスチック光ファイバを用いた光信号伝送方法。 - Google Patents
多芯プラスチック光ファイバを用いた光信号伝送方法。Info
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Description
タ、ロボット、携帯用機器、車載用機器などの光信号伝
送に特定の多芯プラスチック光ファイバを用いた光信号
伝送方法に関するものである。詳細には、本発明は、振
動や運動で屈曲を伴うケーブルとして用い、固定されて
いない機器との間で光信号伝送しても、光量変化の極め
て小さな光信号伝送を可能とする、特定の多芯プラスチ
ック光ファイバを用いた光信号伝送方法に関するもので
ある。
は汎用化されてきた。これらのプラスチック光ファイバ
ケーブルは、通常一本の芯とその周りを薄く同心円状に
鞘を被覆した構造からなる光ファイバ裸線を熱可塑性樹
脂で被覆したものが使用されている。このようなプラス
チック光ファイバでは、芯の直径は通常0.5〜1.5
mmである。その他の光ファイバケーブルの構造として
は0.1〜0.2mm程度の細いプラスチック光ファイ
バを数10本程度束にし、それを熱可塑性樹脂で被覆し
たバンドルケーブルも使用されている。
バの特徴は、可撓性があるので口径の大きなファイバが
使用でき、大量の入射光が得られるので、簡単な端末処
理で光ファイバの接続が可能となる特徴がある。しか
し、光ファイバの口径が大きいことは、ファイバの曲げ
による光ロスが大きいという欠点にもなる。そこで、プ
ラスチック光ファイバの口径を小さくすれば、入射光量
が少なくなるということになって細いファイバでは数本
束ねる必要が生じる。
した光ファイバでも腰が強いのでバンドル化が比較的容
易であっても、プラスチック光ファイバの場合には芯の
直径が100μmを大きく下回るようなものでは綿毛の
ように腰がなく、静電気によって反発し、ケーブル化は
もとより、コネクタへの端末固定等のハンドリングが繁
雑となる。しかも、個々のプラスチック光ファイバが相
互に融着していないので部分的にズレが生じたり、先端
が飛び出したり、引っ込んだりして、光量に大きな減少
が生じたりする。さらに、このような細いファイバを束
ねた場合には、ファイバが断線し易く、伝送損失が大き
くなる。
を解決するために種々検討した結果、屈折率の高い透明
な芯樹脂からなる、多数の細径芯繊維が個別に仕切られ
るように、屈折率の低い鞘樹脂で充満され一纏めにされ
た、断面がほぼ円状の特定の多芯プラスチック光ファイ
バを振動や運動で屈曲を伴うケーブルとして用い、固定
されていない機器との間で光信号伝送することにより、
曲げ半径5mmで曲げ角度360度の屈曲時に光損失が
0.2dB以下であると言う光量変化の極めて小さな光
信号伝送を可能とすることを見出し、本発明を完成する
に至った。
芯樹脂からなる、多数の細径芯繊維が個別に仕切られる
ように、屈折率の低い鞘樹脂で充満され一纏めにされ
た、断面がほぼ円状の多芯プラスチック光ファイバであ
って、該多芯プラスチック光ファイバは各芯繊維の直径
が50μm以下で且つ芯繊維の個数が少なくとも500
個以上であり、上記多芯プラスチック光ファイバを振動
や運動で屈曲を伴うケーブルとして用い、固定されてい
ない機器との間で光信号伝送することにより、曲げ半径
5mmで曲げ角度360度の屈曲時に光損失が0.2d
B以下である光信号伝送を可能とする光信号伝送方法を
提供する。また、 前記固定されていない機器に光デ
ータリンクの送信モジュールまたは受信モジュールが設
置されており、光信号を送信または受信するにも特徴を
有する。
発明で用いる特定の多芯プラスチック光ファイバは、後
述する既に公知のものであるが、従来の多芯プラスチッ
ク光ファイバの用途は、イメージファイバとしての利用
で、その先端面に結像させた画像や光の強弱パターンの
位置関係を保持させつつ、他端面に像を送る用途に使用
するものであり、個々の芯は画素として利用されている
ものであった。これに対し、本発明の多芯プラスチック
光ファイバを用いた光信号伝送方法は、個々の芯の配置
を利用(画素として)するということではなく、全体の
芯を一纏めにし、固定されていない機器に設置された光
データリンクの送信モジュールまたは受信モジュールへ
1組の光信号を送信または受信するのに使用される点で
異なる。
れば、細い多数のプラスチック光ファイバを多数束ねた
ものとは異なり、外見的にはあたかも1本の芯の光ファ
イバのように取り扱え、コネクター等への端末の固定方
法は、保護被覆層のかしめや接着剤による接着などでで
き、構成する芯がばらばらに引っ込んだり、飛び出した
りすることはない。本発明に使用する特定の多芯プラス
チック光ファイバは、基本的に、屈折率の高い透明な芯
樹脂からなる、多数の細径芯繊維が個別に仕切られるよ
うに、屈折率の低い鞘樹脂で充満され、一纏めにされ
た、断面がほぼ円状の多芯プラスチック光ファイバであ
る。即ち、個々の芯の直径が50μm以下で且つ芯繊維
の個数が少なくとも500個以上の多数の細径芯繊維が
個別に仕切られるように、屈折率の低い鞘樹脂で充満さ
れ一纏めにされた、断面がほぼ円状の多芯プラスチック
光ファイバである。その断面の直径は0.1〜2mm程
度であり、通常は0.3〜1.0mm程度である。ここ
で、芯の直径が50μmより大きいと、ファイバの曲げ
に対する光ロスが大きいので出来るだけ小さい方が良
い。好ましい大きさとしては5μm〜40μm程度であ
る。芯の数も500個以上にして出来るだけ多芯プラス
チック光ファイバの断面の均一化をはかる必要がある。
光ファイバは、多数の芯とそれを取り巻く鞘樹脂は、図
2に示すように、芯鞘構造にしっかりと一体化されお
り、断面の直径が1mm程度の多芯光ファイバを小さく
折り曲げても光ロスが極めて少ないという優れた特徴が
見出された。そのロスは通常の単芯のプラスチック光フ
ァイバで裸線の直径が1mm程度のものの曲げによる光
ロスの数分の1から数十分の一でしかない。
れる所は、必ずしも固定された所だけではなく、携帯用
のオーデイオ機器であったり、車載用の機器であった
り、ロボットのような工作機械であったりするから、振
動や運動によるケーブルの屈曲が生じることは避けられ
ない。通常、それらの変動を見越して十分な設計がなさ
れてはいるが、ケーブルに何かを引掛けたときなどの様
に、極端な外乱がノイズとなる状況が常に潜んでいる。
本発明によると、多芯プラスチック光ファイバの曲げに
対する影響が極力小さくできるので、この様な外乱によ
るノイズの影響を避けることができる。このように、ケ
ーブルが屈曲や振動しても光パワーの変動が少く、極端
な屈曲にも影響を受けない特徴は、デイジタル通信の場
合にも好ましいことであるが、電気信号をそのまま周波
数と光強度で伝送するNTSC方式の光データリンクに
採用することも可能にするのである。
バは、芯材としてはPMMA系樹脂、ポリカーボネート
系樹脂、或はポリスチレン系樹脂等であり、鞘樹脂とし
ては、これらの芯樹脂に対応する通常のプラスチック光
ファイバの鞘樹脂として公知のものを使用することが出
来る。特に好ましいものとしては、芯樹脂がPMMA、
鞘樹脂がVdFとTFEの共重合体でVdF(ビニリデ
ンフロライド)の量が70モル%〜91モル%程度のも
の;VdFとトリフロロエチレンとヘキサフロロアセト
ン共重合体からなるもので、例えば特開昭64−687
01号公報に記載されているようなものが伝送損失が低
いので好ましい。これらの組合わせでは、660nmの
LED(発光ダイオード)に対し350〜700dB/
kmのものが、830nmのLEDに対し2500〜3
500dB/kmのものが得られる。更に、芯をPMM
A樹脂とし、鞘にVdFを91モル%以上含む、樹脂の
融点が130℃〜155℃であり、且つ樹脂のショアD
硬度が60以上の、VdFを主体とする鞘樹脂を使用す
る場合には、耐熱光ファイバとして、120℃以上にも
達する車のエンジンルームでの信号伝送用途にも使用可
能なものとなる。
る場合として、さらに、芯樹脂をポリカーボネート系樹
脂、鞘樹脂をPMMA系樹脂とする多芯光ファイバケー
ブルを使用するのが特に好ましい。PMMA系樹脂はポ
リカーボネート系樹脂によく接着するので、特に高湿度
の雰囲気での光ファイバの信頼性に優れているが、単芯
光ファイバの場合には高温下では鞘のPMMA系樹脂が
流動して、伝送損失が低下したり、機械強度が低下す
る。しかし、多芯化した、芯がポリカーボネート系樹脂
/鞘がPMMA系樹脂の光ファイバケーブルではその問
題が解決されるからである。
る光信号伝送方法あるので、イメージファイバとしての
解像度などは問わないが、多芯光ファイバ断面におけ
る、芯の面積と鞘の面積の比率は芯/鞘=9/1〜4/
6程度が好ましい。鞘の量を多くするのは、耐熱性の鞘
を用いて、PMMA樹脂の芯を包み込み、耐熱を上げる
ような時に特に有効であるが、伝送光量を多くしたい時
には伝送損失値が維持される範囲で鞘の量は少ないほう
が良い。本発明に用いる多芯プラスチック光ファイバ
は、それ自体公知の複合紡糸法により容易に製造でき
る。
バの外側は、ポリエチレンやPVCなどの熱可塑性樹脂
で被覆してケーブル化し、端末のコネクタ付けなどは、
通常の単芯のプラスチック光ファイバケーブルと同様
に、外被をかしめて固定したり、接着剤で固定したりす
ることができるし、多芯光ファイバの裸線そのものの先
端を熱板で融着処理することや、先端を膨大化させるこ
ともできる。接着剤で固定することもできる。
るが、これらは本発明の範囲を制限するものでない。 (実施例1) 芯をPMMA樹脂、鞘をビニリデンフロライド85.5
モル%とテトラフロロエチレン14.5モル%との共重
合体からなる鞘樹脂を用いた、図2に示す海島構造の多
芯プラスチック光ファイバであって、芯の平均径25μ
m、断面の直径が1.0mmの多芯光ファイバでは、そ
の伝送損失は660nmに発光中心を持つLED光に対
し、450dB/kmであった。
リエチレンの被覆を施し、2mの長さに切断し、両端を
コネクタに装着し、光源として660nmLEDを用
い、受光部には、光パワメータを用い光出力をレコーダ
ーに繋いだ。比較のために、芯の直径0.98mm、鞘
の外径1.00mmの裸線からなるプラスチツク光ファ
イバ(単芯)を2.2mmの黒色ポリエチレンで被覆し
たケーブルを同様にテストした。光ファイバケーブルの
中間点に屈曲点を設け、500gの荷重をかけながら曲
げ半径5mmで屈曲運動を行い、両例の光パワーの変化
を見た。曲げ角度は90度で、0度と90度の間を7秒
で屈曲を繰り返した。その結果、本発明の多芯光ファイ
バの場合には光パワーの変化は図3に示すように0.1
dBの変動しかないのに対し、比較例とした通常のプラ
スチック光ファイバ(単芯)では図4に示すように2.
4dBの変動となった。
ーブル2m及び比較のために単芯光ファイバケーブルの
両例について、静的にケーブルを曲げた時の光パワーの
減少を調べた。曲げ角度は360度である。実施結果を
表1に示す。この結果からも明らかに、曲げに対する光
減衰量が小さいことが分かる。
動や運動で屈曲を伴う光通信ケーブルとして用いること
により、固定されていない機器との間で曲げや振動に対
して曲げ半径5mmで曲げ角度360度の屈曲時に光損
失が0.2dB以下であると言う光量変化の極めて小さ
な光信号伝送を可能にする、光信号伝送方法を提供でき
る。
示すグラフである。
バケーブルの断面を示す模式図である。
による光パワー変化を示すグラフである。
イバケーブル(単芯)の屈曲試験による 光パワー変化
を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 屈折率の高い透明な芯樹脂からなる、多
数の細径芯繊維が個別に仕切られるように、屈折率の低
い鞘樹脂で充満され一纏めにされた、断面がほぼ円状の
多芯プラスチック光ファイバであって、該多芯プラスチ
ック光ファイバは各芯繊維の直径が50μm以下で且つ
芯繊維の個数が少なくとも500個以上であり、上記多
芯プラスチック光ファイバを振動や運動で屈曲を伴うケ
ーブルとして用い、固定されていない機器との間で光信
号伝送することにより、曲げ半径5mmで曲げ角度36
0度の屈曲時に光損失が0.2dB以下である光信号伝
送を可能とする光信号伝送方法。 - 【請求項2】 前記固定されていない機器に光データリ
ンクの送信モジュールまたは受信モジュールが設置され
ており、光信号を送信または受信することを特徴とす
る、請求項1記載の光信号伝送方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21057791A JP3299767B2 (ja) | 1991-08-22 | 1991-08-22 | 多芯プラスチック光ファイバを用いた光信号伝送方法。 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21057791A JP3299767B2 (ja) | 1991-08-22 | 1991-08-22 | 多芯プラスチック光ファイバを用いた光信号伝送方法。 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0553035A JPH0553035A (ja) | 1993-03-05 |
JP3299767B2 true JP3299767B2 (ja) | 2002-07-08 |
Family
ID=16591618
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21057791A Expired - Lifetime JP3299767B2 (ja) | 1991-08-22 | 1991-08-22 | 多芯プラスチック光ファイバを用いた光信号伝送方法。 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3299767B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3073485U (ja) | 2000-05-24 | 2000-11-30 | 船井電機株式会社 | ディスク装置 |
JP5184437B2 (ja) * | 2009-05-15 | 2013-04-17 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | 多芯プラスチック光ファイバ裸線及びケーブル |
-
1991
- 1991-08-22 JP JP21057791A patent/JP3299767B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0553035A (ja) | 1993-03-05 |
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