JP2006111885A - テトラフルオロエチレン共重合体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】テトラフルオロエチレン30モル%〜81モル%と少なくとも1種の他のモノマー70〜19モル%からなり、ポリマー鎖末端がカーボネート末端であり、0.1〜100g/10分のメルトフローレート(200℃,5kg荷重)、および90〜200℃の融点を有するテトラフルオロエチレン共重合体。
【選択図】なし
Description
そこでフッ素樹脂の長所を最大限に生かし、欠点を最小とするため、フッ素樹脂と他の有機材料または無機材料との接着または積層化の検討が行われている。
しかし、フッ素樹脂は表面エネルギーが小さいので、一般に他の材料との親和性が乏しく、接着力が低く、フッ素樹脂と他の材料(基材)とを直接接着することは困難である。フッ素樹脂と他の材料と熱融着しても、接着強度はなお不十分である。
1.フッ素樹脂フィルムの表面を、ナトリウムエッチング、プラズマ処理、光化学的処理などの表面処理に付した後、両者を接着する方法。
2.基材の表面を、サンドブラスター処理などで物理的に粗面化した後、両者を接着する方法。
3.接着剤を用いて両者を接着する方法。
前記3の方法で用いる接着剤の検討も種々行われている。一般にハイドロカーボン等の接着剤はフッ素樹脂との接着性が不十分であり、積層体も、接着剤層の耐薬品性、耐水性、耐候性が不十分であるために、温度変化や環境変化により接着力が維持できなくなり、信頼性に欠ける。
例えば、特開昭49−98488号公報は、テトラフルオロエチレン(TFE)20〜30モル%、エチレン(Et)40〜60モル%、およびヘキサフルオロプロピレン(HFP)10〜30モル%からなるターポリマーを開示している。この公開公報は、開示されたターポリマーの有利な性質が、特定した組成範囲内でのみ達成されうることを明記している。その実施例に挙げられたターポリマーは、46〜50モル%のEtを含んでいる。従って、TFEの含有量が相対的に少なく、フッ素樹脂特有の性質である耐候性、耐薬品性、難燃性、非粘着性、防汚性が低下する。
特に、太陽電池モジュールとしての光電変換効率の向上や生産加工方法の改良に関しては、光起電力素子の被覆材料特性、例えば透明性が大きく関係している。
本発明の第2の目的は、従来のフッ素樹脂より低温で成形ができ、耐熱性のない汎用樹脂との熱融着、共押出が可能であるフッ素樹脂を提供することである。
本発明の第3の目的は、従来のフッ素樹脂に比べて非常に透明性が高いフッ素樹脂を提供することである。
0.1〜100g/10分のメルトフローレート(200℃,5kg荷重)、および
90〜200℃の融点、
を有するテトラフルオロエチレン共重合体を提供する。
好ましい態様では、テトラフルオロエチレン共重合体中のテトラフルオロエチレンの割合が40モル%〜81モル%であり、少なくとも1種の他のモノマーの割合が60〜19モル%であり、該共重合体のメルトフローレート(200℃,5kg荷重)は1.0〜100g/10分であり、更に該共重合体は、230℃で10〜103sec−1の臨界剪断速度を有する。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体のポリマー鎖末端は、カーボネート末端である。このようなカーボネート末端は、重合開始剤としてパーオキシカーボネートを用いることにより導入することができる。
このカーボネート末端は、他の材料が、例えばポリアミドの場合は、主鎖のアミド結合や末端のアミノ基またはカルボキシル基との、芳香族ポリエステルの場合は主鎖のエステル結合や末端のヒドロキシ基またはカルボキシ基との、エポキシ樹脂の場合は主鎖中のヒドロキシ基やカルボキシル基との反応性が高い。
この比の好ましい範囲は、0.7〜5.0であり、さらに好ましくは1.0〜3.0である。
この比が大きくなると、分子量が低くなり、上記範囲より大きいと機械的強度が低下し、実用上、好ましくない。
さらに本発明において重要なことは、熱融着において、相手基材の材料、例えば汎用樹脂が熱分解しない温度で融着できることであり、テトラフルオロエチレン共重合体が、そのような温度で、十分に流動できる粘度であることが必要である。例えば、ポリアミド12、ポリアミド6、ポリブチレンテレフタレート、ポリメタクリレート等の汎用樹脂の好ましい熱融着温度範囲は約150℃〜260℃である。従って、本発明のテトラフルオロエチレン共重合体もこの温度範囲で溶融でき、流動できる溶融粘度を有している必要がある。
TFEの割合があまり多くなると重合速度が低下するので、より好ましいモノマー組成は、TFE40〜60モル%、Et24〜43モル%、HFP10〜30モル%である。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体は、HFPの含有量の増加と共に連続的にその融点が降下し、また結晶性も低下するので透明性は向上する。
CH2=CFRf (I)
(式中、Rfは炭素数2〜10のフルオロアルキル基である。)で示されるフルオロビニル化合物を含んでいてよい。
CH2=CF(CF2)nH (II)
(式中、nは2〜10の数である。)
で表されるフルオロビニル化合物が好ましく、とりわけnが3〜5の数であるフルオロビニル化合物(II)が好ましい。
ポリマー鎖末端にカーボネート基を導入する為に、本発明のテトラフルオロエチレン共重合体の製造には、パーオキシカーボネートを重合開始剤として用いる。パーオキシカーボネートとしては、下記式(1)〜(4):
(式中、RおよびR'は、炭素数1〜15の直鎖状または分岐状の一価飽和炭化水素基、もしくは末端にアルコキシ基を含有する炭素数1〜15の直鎖状または分岐状の一価飽和炭化水素基、R"は、炭素数1〜15の直鎖状または分岐状の二価飽和炭化水素基、もしくは末端にアルコキシ基を含有する炭素数1〜15の直鎖状または分岐状の二価飽和炭化水素基を表す。)
で示される化合物が好ましく用いられる。
溶媒の使用量は、懸濁性、経済性の面から、水に対し10〜100重量%とするのが好ましい。
重合圧力は、用いる溶媒の種類、量および蒸気圧、重合温度などの他の重合条件に応じて適宜定められるが、通常0〜50kgf/cm2Gであってよい。
(本発明のテトラフルオロエチレン共重合体以外の)フッ素樹脂;
熱可塑性樹脂、例えばポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン46、ナイロン612など)、ポリエステル(ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなど)、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリ(メタ)アクリレート、スチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレンビニルアルコール樹脂、セルロース系プラスチック、変性ポリフェニレンエーテル;
熱硬化性樹脂、例えばエポキシ樹脂(グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型など)、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂(ノボラック樹脂)、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂;
珪素質材料、例えばガラス系材料(硬質ガラス、軟質ガラス、ガラス繊維など)、結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、粘土類、セメント;
金属材料、例えばアルミニウム系金属材料、鉄系金属材料、銅系金属材料、ニッケル、チタン:
合成ゴム;天然繊維;木材;紙類;皮革類
などが挙げられる。
(1)環状脂肪族ラクタムの開環重合;脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸との縮合;アミノ酸の縮重合;不飽和脂肪酸の二量化により得られる炭素数36のジカルボン酸を主成分とするいわゆるダイマー酸と短鎖二塩基酸との共重合等で合成されるポリアミド系樹脂。
例えば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン10、ナイロン6,12、ナイロン4,6、ナイロン3,4、ナイロン6,9、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン4、またナイロン6/6,10、ナイロン6/6,12、ナイロン6/4,6、ナイロン6/12、ナイロン6/6,6、ナイロン6/6,6/6,10、ナイロン6/4,6/6,6、ナイロン6/6,6/6,12、ナイロン6/4,6/6,10、ナイロン6/4,6/12などの共重合ポリアミド類。
ポリアミド樹脂の平均分子量は、通常5,000〜500,000である。これらのポリアミド樹脂の中でも積層チューブに好ましく使用されるのは、ポリアミド11、12、6,10である。
ハードセグメント部のポリアミドの炭素数およびソフトセグメント部の炭素数の種類並びにそれらの割合、あるいはそれぞれのブロックの分子量は、柔軟性と弾性回復性面から自由に設計できる。
(3.1)ポリアミド/ポリオレフィン系アロイ
例えば、デュポン社製ザイテルST、旭化成株式会社製レオナ4300、三菱化学株式会社製ノパミッドST220、株式会社ユニチカ製ナイロンEX1020等。
(3.2)ポリアミド/ポリプロピレン系アロイ
例えば、昭和電工製システマーS。
(3.3)ポリアミド/ABS系アロイ
例えば、東レ株式会社製トヨラックSX。
(3.4)ポリアミド/ポリフェニレンエーテル系アロイ
例えば、日本GEプラスチックス製ノリルGTX600、三菱化学株式会社製レマロイB40等。
(3.5)ポリアミド/ポリアリレート系アロイ
例えば、株式会社ユニチカ製X9。
分子鎖中にエポキシ基を有するポリマーの具体例は、エポキシ基を含有したポリエチレン樹脂(例えば、日本ポリオレフィン株式会社製レクスパールRA3150)、エポキシ樹脂等である。
ポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリアラミド、ポリアセタール、ポリエーテルイミド、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル、セロハンなどの樹脂;
ニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンアクリロゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、多硫化ゴム、塩素化ポリエチレンゴム等の合成ゴムおよび天然ゴム。
スチレン系、塩化ビニル系、オレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、およびウレタン系熱可塑性エラストマー。
合金類の具体例としては、炭素鋼、Ni鋼、Cr鋼、Ni−Cr鋼、Cr−Mo鋼、ステンレス鋼、ケイ素鋼、パーマロイなどの合金鋼;Al−Cl、Al−Mg、Al−Si、Al−Cu−Ni−Mg、Al−Si−Cu−Ni−Mgなどのアルミニウム合金;黄銅、青銅(ブロンズ)、珪素青銅、珪素黄銅、洋白、ニッケル青銅などの銅合金;ニッケルマンガン(Dニッケル)、ニッケル−アルミニウム(Zニッケル)、ニッケル−珪素、モネルメタル、コンスタンタン、ニクロムインコネル、ハステロイなどのニッケル合金等が挙げられる。
さらに上記鉄系金属材料の表面に他の金属をメッキしたもの、例えば溶融亜鉛メッキ鋼板、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、亜鉛ニッケルメッキ鋼板、亜鉛アルミニウム鋼板など;浸透法、溶射法により他の金属を被膜したもの;クロム酸系やリン酸系の化成処理または加熱処理により酸化被膜を形成させたもの;電気的防食法を施したもの(例えば、ガルバニック鋼板)などを用いることができる。
天然繊維、木材、紙類、皮革類などの天然の有機物。
このような添加剤によって、熱安定性、表面硬度、耐摩耗性、帯電性、耐候性、その他の性質を向上することができる。
また、そのようにして得られた多層フィルムの反対側層面に、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷により、意匠を付与してもよい。さらに、印刷されたフィルムを金属板、合板、石膏ボード、石綿スレート板等に貼り合わせ、建材の化粧パネルやシステムキッチン材として使用できる。
しかしながら、ポリアミド樹脂およびフッ素ゴムは共に、燃料透過に対するバリアー性の点で不十分である。
反対側層をポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレン)やポリアミド等から形成すると、積層体から形成したボトルは、薬液用ボトル(特に半導体用薬液ボトル)として使用できる。
反対側層を塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン、紙などから形成すると、積層フィルムは、建材用壁紙材として使用できる。
反対側層をポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなどから形成すると、積層体は、表面に撥水機能を必要とする傘、雨具、人工芝等にも使用できる。
反対側層を塩化ビニル樹脂等から形成すると、積層チューブまたはパイプは、配管として使用できる。
反対側層をEPDM等のゴムから形成し、本発明のテトラフルオロエチレン共重合体を最内層とする積層チューブは、耐ロングライフクーラント(LLC)性に優れたラジエターチューブとして使用できる。
このような添加剤の配合によって、熱安定性、表面硬度、耐摩耗性、耐候性、帯電性、その他の性質を改良することができる。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体層を中間層として、他のフッ素樹脂の層と熱可塑性樹脂層とを積層することができる。
先に例示した珪素質材料のなかで、とりわけガラス系材料に対して本発明のテトラフルオロエチレン共重合体は良好な接着性を示す。
車両、航空機、建築物などに用いる内壁、天井、ドアなどの表面材として、従来、樹脂板にウールやアクリルなどからなる布を貼り付けてなる積層体が知られているが、布を用いているので、防炎性に劣る。そこで、防炎性に優れた表面材としてガラスクロスなどのガラス繊維布を用いることが考えられるが、ガラス繊維は皮膚刺激性を有する場合がある。本発明のテトラフルオロエチレン共重合体は、ガラスクロスに対しても優れた接着性を示すので、これをガラスクロスに積層すれば、ガラスクロスの持つ欠点を解決することができる。
実施例で得た共重合体の組成および物性は、次のようにして測定した。
ポリマー中のモノマー組成
19F−NMRチャートから求める。
融点
セイコー型DSC装置を用い、10℃/分の速度で昇温したときの融解ピークを記録し、極大値に対応する温度を融点とする。
東洋精機製作所株式会社製メルトインデクサーを用い、200℃、5kg荷重下で、直径2mm、長さ8mmのノズルから単位時間(10分間)に流出する共重合体の重量(g)を測定する。
パーキンエルマー社製フーリエ変換赤外分光光度計を用い、約0.4mm厚のフィルムについて赤外線吸収スペクトルを測定し、1808cm−1での吸収ピークの高さの、2881cm−1での吸収ピークの高さに対する比を計算する。
東洋精機製作所株式会社製ヘイズメーターを用いて測定した。試料の厚みは2mmである。
臨界剪断速度
東洋精機製作所株式会社製キャピログラフを使用し、キャピラリー(ダイ長さ10mm、ダイ穴直径1mm)を用いて230℃で測定し、メルトフラクチャーの発生しはじめる剪断速度を臨界剪断速度とする。
内容積4Lのガラスライニング製オートクレーブに脱酸素した水1Lを入れ、真空にした後、パーフルオロシクロブタン400gおよびヘキサフルオロプロピレン800gを入れ、槽内温度を35℃、攪拌速度を580rpmに保った。さらに、CH2=CF(CF2)3H2.0gおよびシクロヘキサン1.5gを仕込んだ後、テトラフルオロエチレン/エチレン/パーフルオロシクロブタンの混合ガス(モル比=78.9:16.6:4.5)を12kgf/cm2Gまで圧入した。
重合終了後、内容物を回収し、水洗して、重合体粉末127gを得た。得られたポリマーの物性を表1に示す。
シクロヘキサンの仕込量を0.85gにし、重合途中でジノルマルプロピルパーオキシジカーボネートを追加しない以外は実施例1と同様の手順を繰り返して、11時間の重合で粉末状重合体137gを得た。得られたポリマーの物性を表1に示す。
最初に仕込むパーフルオロシクロブタンおよびヘキサフルオロプロピレンの量をそれぞれ600gおよび600gとし、シクロヘキサンの仕込量を1.6gとし、ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネートの量を10.0gとする以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、8時間の重合で、粉末状重合体153gを得た。得られたポリマーの物性を表1に示す。
パーフルオロシクロブタンを仕込まずに、最初に仕込むヘキサフルオロプロピレンの量を1000gとし、重合途中でジノルマルプロピルパーオキシジカーボネートを追加しない以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、19時間の重合で、粉末状重合体130gを得た。得られたポリマーの物性を表1に示す。
シクロヘキサンの量を0.3g、ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネートの量を6gとし、重合途中でジノルマルプロピルパーオキシジカーボネートを追加しない以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、9時間の重合で、粉末状重合体140gを得た。得られたポリマーの物性を表1に示す。
最初に仕込むパーフルオロシクロブタンおよびヘキサフルオロプロピレンの量をそれぞれ700gおよび500gとし、シクロヘキサンの仕込量を1.5gとする以外は、同様の操作を繰り返して、4.5時間の重合で、粉末状重合体136gを得た。得られたポリマーの物性を表1に示す。
最初に仕込むパーフルオロシクロブタンおよびヘキサフルオロプロピレンの量をそれぞれ1050gおよび150gとし、CH2=CF(CF2)3Hの仕込量を4.0g、シクロヘキサンの仕込量を5.0g、ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネートの量を4.0gとし、重合途中でジノルマルプロピルパーオキシジカーボネートを追加しない以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、4時間の重合で、粉末状重合体123gを得た。得られたポリマーの物性を表1に示す。
実施例1と実施例2で得たポリマーは200℃で、実施例3と比較例1で得たポリマーは230℃で、実施例4で得たポリマーは180℃で、比較例2で得たポリマーは250℃で、比較例3で得たポリマーは300℃で、それぞれ溶融させ、内径120mmの金型を用いて、約50kgf/cm2の圧力でプレスして、0.5mm厚のシートを作成した。
応用例1と同様にして、実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例3で得たポリマーそれぞれから0.4mm厚のシートを作成し、図1に示すように、12mmの長さで端部分を重ね合わせた上側と下側のパイレックス(商標)ガラス板(幅20mm、長さ30mm、厚さ5mm)の間にはさみ、上側のガラス板の他端は、0.4mm厚のFEPフィルムをスペーサとして、もう一枚の下側ガラス板と重ね合わせ、全体を2枚のステンレス鋼(SUS)板の間に置き、ステンレス鋼板の重さと合わせて0.18kg/cm2になるように荷重をのせ、電気炉のなかで230℃(比較例3のみ300℃)、30分間放置して試験片を得た。
図2に示すように、ポリマーで接着した2枚のガラス板の外形にあわせた試験用治具を、オリエンテック株式会社製テンシロン万能試験機にセットし、クロスヘッドスピード20mm/分で引張剪断試験を行った。測定値は最大接着強度である。結果を表3に示す。
マルチマニホールドダイを使用し、押出し速度8m/分で、表4に示した温度条件下、表5に示す樹脂を用いて3種3層の同時押出しにより多層チューブを成形した。
チューブは、内層、中間層および外層からなり、外径8mmおよび内径6mmであり、内層の厚みは0.2mmであり、中間層の厚みは0.1mmであり、外層の厚みは0.7mmであった。
マルチマニホールドダイを使用し、押出し速度8m/分で、表4に示した温度条件下、表5に示す樹脂を用いて2種2層の同時押出しにより多層チューブを成形した。
チューブは、内層および外層からなり、外径8mmおよび内径6mmであり、内層の厚みは0.35mmであり、外層の厚みは0.65mmであった。
内径6mm、層厚み0.2mmのETFEの単層チューブを押出し、その表面をコロナ放電処理した後、PA12を0.8mmの層厚みで溶融被覆した。
剥離強度
チューブから5mm幅のテストピースを切り取り、50mm/分の引張速度で180度剥離試験を行って、層間の接着強度を測定した。
チューブを30cmの長さに切り、fuelC(イソオクタン/トルエン 体積比50:50)/メタノール(体積比:85/15)をチューブ内部に充填し、両端をシールし、40℃で放置し、重量変化を測定して、燃料透過速度(1m2当たり、1日当たりの燃料減少量(g))を計算した。
チューブを20cmの長さに切り、−40℃で5時間放置した後、−40℃の雰囲気のまま、チューブの上、高さ30.5cmから450gの荷重を落としチューブの割れを見る。10回測定を行う。n/10で示す(nは割れた数)。
上記試験の結果を、表5に示す。
本発明の実施例2で得た共重合体と、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)について、太陽電池用表面フィルムとして要求される耐候性、光透過性、接着性、耐傷付性、耐引裂性を、以下の方法により評価した。
サンシャインウエザオメーターを用い、ASTM D638に準拠するテストピースに成形したサンプル(厚み500μm)を、以下の条件で2000時間暴露した。
条件:63℃、98%湿度雰囲気
純水を18分/2時間スプレー、光源カーボンアーク法
暴露前と暴露後の引張り強度を、テンシロン万能試験機(オリエンテック株式会社製)により測定した。最大破断強度と破断伸度の保持率(%)を、耐候性の尺度として示す。
また、暴露前と暴露後の色差をスガ試験機(株)製SMカラーコンンピューター(SM−7)を用い、白色標準板を合わせて測定した。尚、△E={(△L)2+(△a)2+(△b)2}1/2である。
全光線透過率およびHAZE値を、東洋精機製作所(株)製ヘイズメーターを用いて測定した。
条件:室温
試料厚み:500μm
応用例2と同様にして測定した。
フィルム引裂き強度
エルメンドルフ引裂き試験機を用い測定した。フィルム厚みは200μmであった。試験片の寸法およびスリット位置は図4に示す。
カーボンスチール製ブレードの刃先に2ポンドの荷重を加え、厚み250μmのフィルム上を引っ掻いた後の傷の状態を、目視で観察した。
結果を表6に示す。
3層のフィードブロックダイを使用し、押出し速度10m/分で表7に示した温度条件下、表8に示す樹脂を用いて3種3層の同時押出しにより多層フィルムを成形した。
フィルムは、ポリエチレン層(厚さ0.17mm)、中間層(レクスパールRA3150)(厚さ0.05mm)、実施例2の共重合体層(厚さ0.08mm)からなる3層フィルムであった。
応用例6と同様に表7の温度条件下、表8に示す樹脂を用いて3層フィルムを成形した。フィルムは、ポリエステル層(厚さ0.17mm)、中間層(TPAE−8)(厚さ0.05mm)、実施例2の共重合体層(厚さ0.08mm)を有していた。
2)日本ポリオレフィン株式会社製エポキシ基含有ポリエチ
レン樹脂(融点100℃)。
3)三菱レイヨン株式会社製ポリエチレンテレフタレート樹脂
(融点240℃)。
4)富士化成工業株式会社製重合脂肪酸系ポリアミドエラスト
マー(ポリエーテルエステルアミド)。
応用例6および11で得たフィルムから1cm幅のテストピースを切り取り、中間層と反対側層間の剥離強度を、50mm/分の引張り速度での180度剥離試験で測定した。結果を上記表8に示す。
Claims (7)
- テトラフルオロエチレン30モル%〜81モル%と少なくとも1種の他のモノマー70〜19モル%からなり、ポリマー鎖末端がカーボネート末端であり、
0.1〜100g/10分のメルトフローレート(200℃,5kg荷重)、および
90〜200℃の融点、
を有するテトラフルオロエチレン共重合体。 - テトラフルオロエチレンの割合が40モル%〜81モル%であり、少なくとも1種の他のモノマーの割合が60〜19モル%であり、メルトフローレート(200℃,5kg荷重)は1.0〜100g/10分であり、
さらに、230℃で10〜103sec−1の臨界剪断速度を有する請求項1に記載のテトラフルオロエチレン共重合体。 - メルトフローレート(200℃,5kg荷重)が1.0〜50g/10分である請求項1または2に記載のテトラフルオロエチレン共重合体。
- テトラフルオロエチレン共重合体が、テトラフルオロエチレン、エチレン、式:CH2=CFRf(式中、Rfは炭素数2〜10のフルオロアルキル基である。)で示されるフルオロビニル化合物、およびヘキサフルオロプロピレンを含んでなり、テトラフルオロエチレンとエチレンのモル比が40:60〜90:10であり、フルオロビニル化合物の含有量が(共重合体全体に対して)0〜10モル%であり、ヘキサフルオロプロピレンの含有量が(共重合体全体に対して)10〜30モル%である請求項1〜3のいずれかに記載のテトラフルオロエチレン共重合体。
- フルオロビニル化合物が、式:
CH2=CF(CF2)nH
(式中、nは3〜5の整数である。)
で示される化合物である請求項1〜4のいずれかに記載のテトラフルオロエチレン共重合体。 - 赤外線吸収スペクトルにおける主鎖のCH2基に起因する2881cm−1での吸収ピークの高さに対する、末端カーボネート基に起因する1808cm−1での吸収ピークの高さの比が、少なくとも0.7である請求項1〜5のいずれかに記載のテトラフルオロエチレン共重合体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のテトラフルオロエチレン共重合体からなるフィルム。
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