JP2006111885A - テトラフルオロエチレン共重合体 - Google Patents

テトラフルオロエチレン共重合体 Download PDF

Info

Publication number
JP2006111885A
JP2006111885A JP2005315677A JP2005315677A JP2006111885A JP 2006111885 A JP2006111885 A JP 2006111885A JP 2005315677 A JP2005315677 A JP 2005315677A JP 2005315677 A JP2005315677 A JP 2005315677A JP 2006111885 A JP2006111885 A JP 2006111885A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tetrafluoroethylene
copolymer
tetrafluoroethylene copolymer
mol
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005315677A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4135741B2 (ja
Inventor
Takahiro Kitahara
隆宏 北原
Kozo Asano
興三 浅野
Kazuo Ishiwari
和夫 石割
Yoshihide Tohata
好秀 東畑
Tatsuya Higuchi
達也 樋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2005315677A priority Critical patent/JP4135741B2/ja
Publication of JP2006111885A publication Critical patent/JP2006111885A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4135741B2 publication Critical patent/JP4135741B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【課題】フッ素樹脂の優れた耐薬品等の種々の性質を維持したまま、汎用樹脂などの他の材料に対して直接、強固に接着でき、従来のフッ素樹脂より低温で成形ができ、耐熱性のない汎用樹脂との熱融着、共押出が可能であり、低温成形が可能であるフッ素樹脂を提供する。
【解決手段】テトラフルオロエチレン30モル%〜81モル%と少なくとも1種の他のモノマー70〜19モル%からなり、ポリマー鎖末端がカーボネート末端であり、0.1〜100g/10分のメルトフローレート(200℃,5kg荷重)、および90〜200℃の融点を有するテトラフルオロエチレン共重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、テトラフルオロエチレン共重合体に関し、さらに詳しくは、種々の有機材料や無機材料からなる基材に対して強固に接着しうる透明性に優れるテトラフルオロエチレン共重合体に関する。
従来一般的に使用されている成形用フッ素樹脂には、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)などがある。
これらフッ素樹脂は、優れた耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、耐候性、摺動性、電気絶縁性、難燃性を有しているので、自動車、産業機械、OA機器、電気・電子機器などの分野で広く用いられている。
一方、フッ素樹脂は、一般的に機械的強度や寸法安定性が不十分であったり、価格的に高価であったりする。
そこでフッ素樹脂の長所を最大限に生かし、欠点を最小とするため、フッ素樹脂と他の有機材料または無機材料との接着または積層化の検討が行われている。
しかし、フッ素樹脂は表面エネルギーが小さいので、一般に他の材料との親和性が乏しく、接着力が低く、フッ素樹脂と他の材料(基材)とを直接接着することは困難である。フッ素樹脂と他の材料と熱融着しても、接着強度はなお不十分である。
フッ素樹脂と他の材料とを接着させる方法として、次のような方法が主に検討されている:
1.フッ素樹脂フィルムの表面を、ナトリウムエッチング、プラズマ処理、光化学的処理などの表面処理に付した後、両者を接着する方法。
2.基材の表面を、サンドブラスター処理などで物理的に粗面化した後、両者を接着する方法。
3.接着剤を用いて両者を接着する方法。
前記1および2の方法は、前処理工程を必要とし、全体の工程が複雑となるので、生産性が悪い。その上、接着力が不十分であり、得られた積層体の外観上の問題、例えば着色や傷も生じやすい。
前記3の方法で用いる接着剤の検討も種々行われている。一般にハイドロカーボン等の接着剤はフッ素樹脂との接着性が不十分であり、積層体も、接着剤層の耐薬品性、耐水性、耐候性が不十分であるために、温度変化や環境変化により接着力が維持できなくなり、信頼性に欠ける。
ところで、従来のフッ素樹脂の融点は250℃以上であるため、成形を通常300℃以上の温度で行う必要があるが、この成形温度は、汎用樹脂(例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS、ポリアセタール、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリウレタンなど)やこれら汎用樹脂を用いた繊維強化樹脂(FRP)の適切な成形温度範囲より高い。従って、このような汎用樹脂のフィルムとフッ素樹脂フィルムとを熱融着させるためには、300℃以上の温度を必要とするが、そのような高い温度では、汎用樹脂が分解、発泡または着色を起こし、実用的でない。またこれら汎用樹脂とフッ素樹脂を多層共押出をすることは、前記の成形温度の違いから困難である。
ポリテトラフルオロエチレンの性質を改良する為に、種々のコモノマーをテトラフルオロエチレンと共重合させることは、古くから知られている。
例えば、特開昭49−98488号公報は、テトラフルオロエチレン(TFE)20〜30モル%、エチレン(Et)40〜60モル%、およびヘキサフルオロプロピレン(HFP)10〜30モル%からなるターポリマーを開示している。この公開公報は、開示されたターポリマーの有利な性質が、特定した組成範囲内でのみ達成されうることを明記している。その実施例に挙げられたターポリマーは、46〜50モル%のEtを含んでいる。従って、TFEの含有量が相対的に少なく、フッ素樹脂特有の性質である耐候性、耐薬品性、難燃性、非粘着性、防汚性が低下する。
米国特許第4338237号は、TFE−Et−HFPターポリマーを含む安定したコロイド水性分散体の製造方法を開示している。モノマー組成は、TFE30〜60モル%、Et40〜60モル%、およびHFP0〜15モル%である。その実施例に挙げられたターポリマーは、4.5または4.7モル%のHFPとそれに対応して46.5または46.8モル%のEtを含んでいる。しかし、同特許明細書には、種々の基材に対する接着性を向上させるポリマー組成を示す記載は含まれていない。
特開平8−41131号公報は、TFE45〜55モル%、HFP10〜20モル%およびEt25〜40モル%を含み、約140〜170℃の融点を有するターポリマーを開示している。この公開公報は、重合開始剤としてパーオキシカーボネートを用いること、またはポリマー鎖末端をカーボネート末端とすることは記載していない。
特公昭52−24072号公報は、TFE、HFPおよびEtの懸濁重合を開示し、モノマー組成として、TFE20〜80モル%、HFP2〜30モル%およびEt20〜60モル%を記載している。しかし、得られたポリマーの性質として、融点以外は具体的に記載されていない。
近年、石油や石炭などの化石エネルギー源の枯渇が問題とされ、加えて、それらの燃焼時に発生するCOに起因する地球温暖化現象等の環境破壊が先進国および開発途上国を問わず、重要な問題となっている。そのような状況の下、太陽光発電は、無尽蔵の太陽輻射エネルギーを利用するクリーンな代替エネルギー源としてすでに実用化されている。
しかし、太陽電池の製造原価が高いので、広く一般に普及する段階まで至っていないのが現状である。そこで、結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、銅インジウムセレナイド、化合物半導体等の光起電力素子自体の光電変換効率の向上と同時に、太陽電池モジュール全体としての光電変換効率の向上や生産加工方法の改良を行う必要がある。
特に、太陽電池モジュールとしての光電変換効率の向上や生産加工方法の改良に関しては、光起電力素子の被覆材料特性、例えば透明性が大きく関係している。
太陽電池モジュールの基本構造の概略断面図を図3に示す。絶縁基板4に光起電力素子3が設けられ、該光起電力素子3の保護層として透明充填材層2、さらに最外層(表面に露出している層)として表面フィルム1が設けられている。したがって、表面フィルムとしては、光の透過性が良く、長期間屋外で太陽光に暴露されることから、耐候性や耐熱性に優れたものでなければならない。また外部からの衝撃に対して光起電力素子を保護できる耐衝撃性、透明性を疎外するような異物の付着防止性や、またそのような異物を簡単に除去できる防汚性が要求される。さらに透明充填材層または直接光起電力素子上に貼り合わせて使用する場合、充填材層や素子との接着性が必要となる。
こうした要求を考慮して、表面フィルム1としてテトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリフッ化ビニリデン共重合体などの含フッ素重合体を用い、充填材層2にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)またはブチラール樹脂を用いた太陽電池モジュールが特開平7−297439号公報に記載されている。しかし、含フッ素重合体は本質的に他の材料との接着性に劣り、その結果、表面フィルム1や充填材層2のズレ、剥離が生じてしまう。
そこで、含フッ素重合体に無水マレイン酸やビニルメトキシシランなどに代表されるカルボキシル基、カルボン酸無水物残基、エポキシ基、加水分解性シリル基を有するハイドロカーボン系単量体をグラフト重合した含フッ素重合体を接着剤に用いた発明(たとえば、特開平7−18035号公報、特開平7−25952号公報、特開平7−25954号公報、特開平7−173230号公報、特開平7−173446号公報、特開平7−173447号公報など)や、ヒドロキシルアルキルビニルエーテルのような官能基を含むハイドロカーボン系単量体をテトラフルオロエチレンやクロロトリフルオロエチレンと共重合した含フッ素共重合体とイソシアナート系硬化剤とを含む接着性組成物を硬化させ、ポリ塩化ビニルとコロナ放電処理されたETFEとの接着剤としてに用いる発明(たとえば、特開平7−228848号公報)が成されている。
これら、ハイドロカーボン系の官能基モノマーをグラフト重合または共重合した含フッ素樹脂を用いた接着剤組成物は耐熱性が不十分で、含フッ素樹脂フィルムとの複合体の製造工程において高温で加工するときに、分解や発泡が生じて、接着強度を低下させたり、剥離したり、着色したりする。
特開昭49−98488号公報 米国特許第4338237号 特開平8−41131号公報 特公昭52−24072号公報 特開平7−297439号公報 特開平7−18035号公報 特開平7−25952号公報 特開平7−25954号公報 特開平7−173230号公報 特開平7−173446号公報 特開平7−173447号公報 特開平7−228848号公報
本発明の第1の目的は、前記のような従来技術の問題点を解決し、フッ素樹脂の優れた耐薬品性、耐候性、耐溶剤性、非粘着性、電気絶縁性、防汚性、難燃性を維持したまま、汎用樹脂や金属、ガラス、結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどの他の材料に対して直接、強固に接着できるフッ素樹脂を提供することである。
本発明の第2の目的は、従来のフッ素樹脂より低温で成形ができ、耐熱性のない汎用樹脂との熱融着、共押出が可能であるフッ素樹脂を提供することである。
本発明の第3の目的は、従来のフッ素樹脂に比べて非常に透明性が高いフッ素樹脂を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、テトラフルオロエチレン30モル%〜81モル%と少なくとも1種の他のモノマー70〜19モル%からなり、ポリマー鎖末端がカーボネート末端であり、
0.1〜100g/10分のメルトフローレート(200℃,5kg荷重)、および
90〜200℃の融点、
を有するテトラフルオロエチレン共重合体を提供する。
好ましい態様では、テトラフルオロエチレン共重合体中のテトラフルオロエチレンの割合が40モル%〜81モル%であり、少なくとも1種の他のモノマーの割合が60〜19モル%であり、該共重合体のメルトフローレート(200℃,5kg荷重)は1.0〜100g/10分であり、更に該共重合体は、230℃で10〜10sec−1の臨界剪断速度を有する。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体の特徴の1つは、他の材料との接着性が優れていることであるが、この優れた接着性は、ポリマー鎖末端構造と共重合体の溶融粘度特性に起因していると考えられる。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体のポリマー鎖末端は、カーボネート末端である。このようなカーボネート末端は、重合開始剤としてパーオキシカーボネートを用いることにより導入することができる。
このカーボネート末端が、本発明のテトラフルオロエチレン共重合体の他の材料に対する接着性を非常に向上させている。
このカーボネート末端は、他の材料が、例えばポリアミドの場合は、主鎖のアミド結合や末端のアミノ基またはカルボキシル基との、芳香族ポリエステルの場合は主鎖のエステル結合や末端のヒドロキシ基またはカルボキシ基との、エポキシ樹脂の場合は主鎖中のヒドロキシ基やカルボキシル基との反応性が高い。
接着に寄与するカーボネート末端の含有量が、赤外線吸収スペクトルにおける主鎖のCH基に起因する2881cm−1での吸収ピークの高さに対する、末端カーボネート基に起因する1808cm−1での吸収ピークの高さの比(1808cm−1/2881cm−1)で表して、0.7以上であると、テトラフルオロエチレン共重合体は優れた接着性を有する。
この比の好ましい範囲は、0.7〜5.0であり、さらに好ましくは1.0〜3.0である。
この比が大きくなると、分子量が低くなり、上記範囲より大きいと機械的強度が低下し、実用上、好ましくない。
なお、上記の「吸収ピークの高さ」とは、赤外吸収スペクトルにおける1つの吸収ピークをとり、そのピークの両裾部を結ぶ線分およびピークの最高点からの垂線の交点と、ピーク最高点とを結ぶ線分の長さを意味する。
さらに本発明において重要なことは、熱融着において、相手基材の材料、例えば汎用樹脂が熱分解しない温度で融着できることであり、テトラフルオロエチレン共重合体が、そのような温度で、十分に流動できる粘度であることが必要である。例えば、ポリアミド12、ポリアミド6、ポリブチレンテレフタレート、ポリメタクリレート等の汎用樹脂の好ましい熱融着温度範囲は約150℃〜260℃である。従って、本発明のテトラフルオロエチレン共重合体もこの温度範囲で溶融でき、流動できる溶融粘度を有している必要がある。
そこで、本発明のテトラフルオロエチレン共重合体は、200℃、5kg荷重において、0.1〜100g/10分、好ましくは1.0〜100g/10分、さらに好ましくは1.0〜50g/10分のメルトフローレート(MFR)を有し、90〜200℃の融点を有している。
さらに本発明のテトラフルオロエチレン共重合体は、230℃で10〜10sec−1の範囲の臨界剪断速度を有しており、従来のフッ素樹脂よりも低温で成形できる。この臨界剪断速度の故に、本発明のテトラフルオロエチレン共重合体は、単独でフィルム、チューブ、パイプ等の成形品に成形できることはもちろんのこと、汎用樹脂との共押出成形もできる。
好ましい1つの形態では、本発明のテトラフルオロエチレン共重合体は、TFE40〜81モル%、Et6〜43モル%、HFP10〜30モル%のモノマー組成を有している。
TFEの割合があまり多くなると重合速度が低下するので、より好ましいモノマー組成は、TFE40〜60モル%、Et24〜43モル%、HFP10〜30モル%である。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体は、HFPの含有量の増加と共に連続的にその融点が降下し、また結晶性も低下するので透明性は向上する。
別の好ましい形態では、本発明のテトラフルオロエチレン共重合体は、TFE、HFPおよびEtに加えて、変性モノマーとして、式:
CH=CFRf (I)
(式中、Rfは炭素数2〜10のフルオロアルキル基である。)で示されるフルオロビニル化合物を含んでいてよい。
Rfの炭素数が2より少ないとテトラフルオロエチレン共重合体の改質(たとえば、共重合体の成形時や成形品のクラック発生の抑制)が十分になされず、一方10より多くなると重合反応性の点で不利になるので、好ましい炭素数範囲は2〜10である。
得られる共重合体の耐熱性の点からは、Rf基はパーフルオロアルキル基、ω−ハイドロまたはω−クロロパーフルオロアルキル基であるのが最も好ましい。
このようなフルオロビニル化合物のうち、共重合性、モノマーの製造時の経済性、得られた共重合体の物性から、式:
CH=CF(CF)H (II)
(式中、nは2〜10の数である。)
で表されるフルオロビニル化合物が好ましく、とりわけnが3〜5の数であるフルオロビニル化合物(II)が好ましい。
変性モノマーとしてフルオロビニル化合物(I)を用いる場合のモノマー組成は、テトラフルオロエチレンとエチレンのモル比が40:60〜90:10であり、フルオロビニル化合物の含有量が(共重合体全体に対して)0〜10モル%であり、ヘキサフルオロプロピレンの含有量が(共重合体全体に対して)10〜30モル%である
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体は、ETFEの重合に採用されている重合方法によって製造することができる。
ポリマー鎖末端にカーボネート基を導入する為に、本発明のテトラフルオロエチレン共重合体の製造には、パーオキシカーボネートを重合開始剤として用いる。パーオキシカーボネートとしては、下記式(1)〜(4):
Figure 2006111885

(式中、RおよびR'は、炭素数1〜15の直鎖状または分岐状の一価飽和炭化水素基、もしくは末端にアルコキシ基を含有する炭素数1〜15の直鎖状または分岐状の一価飽和炭化水素基、R"は、炭素数1〜15の直鎖状または分岐状の二価飽和炭化水素基、もしくは末端にアルコキシ基を含有する炭素数1〜15の直鎖状または分岐状の二価飽和炭化水素基を表す。)
で示される化合物が好ましく用いられる。
とりわけ、ジイソプロピルパーオキジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネートなどが好ましい。
重合方法としては、工業的にはフッ素系溶媒を用い、重合開始剤としてパーオキシカーボネートを使用した水性媒体中での懸濁重合が好ましいが、他の重合方法、例えば溶液重合、塊状重合、なども採用できる。
フッ素系溶媒としては、ハイドロクロロフルオロアルカン類(例えば、CHCClF,CHCClFCFCFCClH,CFClCFCFHCl)、クロロフルオロアルカン類(例えば、CFClCFClCFCF,CFCFClCFClCF)、パーフルオロアルカン類(例えば、パーフルオロシクロブタン,CFCFCFCF,CFCFCFCFCF,CFCFCFCFCFCF)が使用でき、中でもパーフルオロアルカン類が好ましい。
溶媒の使用量は、懸濁性、経済性の面から、水に対し10〜100重量%とするのが好ましい。
重合温度は特に限定されないが、0〜100℃でよい。共重合体中のエチレン−エチレン連鎖生成による耐熱性の低下を避けるためには、一般に低温が好ましい。
重合圧力は、用いる溶媒の種類、量および蒸気圧、重合温度などの他の重合条件に応じて適宜定められるが、通常0〜50kgf/cmGであってよい。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体の製造に際しては、分子量調整のために、通常の連鎖移動剤、例えばイソペンタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素;メタノール、エタノールなどのアルコール;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチルなどのハロゲン化炭化水素を用いることができる。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体を積層できる相手材料としては、
(本発明のテトラフルオロエチレン共重合体以外の)フッ素樹脂;
熱可塑性樹脂、例えばポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン46、ナイロン612など)、ポリエステル(ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなど)、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリ(メタ)アクリレート、スチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレンビニルアルコール樹脂、セルロース系プラスチック、変性ポリフェニレンエーテル;
熱硬化性樹脂、例えばエポキシ樹脂(グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型など)、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂(ノボラック樹脂)、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂;
珪素質材料、例えばガラス系材料(硬質ガラス、軟質ガラス、ガラス繊維など)、結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、粘土類、セメント;
金属材料、例えばアルミニウム系金属材料、鉄系金属材料、銅系金属材料、ニッケル、チタン:
合成ゴム;天然繊維;木材;紙類;皮革類
などが挙げられる。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体が積層できる相手材料の中でも、最も強固に接着しうる材料は、分子鎖中にアミド基または/およびエポキシ基を含有するポリマー材料であり、これを中間層とし、少なくとも1つの本発明のテトラフルオロエチレン共重合体の層を有する3層またはそれ以上の積層体を形成することができる。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体をポリアミド樹脂から成形された物品の表面に積層することにより、ポリアミド樹脂に、耐溶剤性、特にアルコール(例えば、メタノール、エタノールなど)またはメチル−t−ブチルエーテルなどを含む改質ガソリン、酸などに対する耐薬品性や不透過性を付与することができる。
中間層として使用できる分子鎖中にアミド基を有するポリマーの具体例として、(1)ポリアミド系樹脂、(2)ポリアミド系エラストマー、(3)ポリアミド系樹脂アロイなどが例示できる。
具体例は以下の通りである。
(1)環状脂肪族ラクタムの開環重合;脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸との縮合;アミノ酸の縮重合;不飽和脂肪酸の二量化により得られる炭素数36のジカルボン酸を主成分とするいわゆるダイマー酸と短鎖二塩基酸との共重合等で合成されるポリアミド系樹脂。
例えば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン10、ナイロン6,12、ナイロン4,6、ナイロン3,4、ナイロン6,9、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン4、またナイロン6/6,10、ナイロン6/6,12、ナイロン6/4,6、ナイロン6/12、ナイロン6/6,6、ナイロン6/6,6/6,10、ナイロン6/4,6/6,6、ナイロン6/6,6/6,12、ナイロン6/4,6/6,10、ナイロン6/4,6/12などの共重合ポリアミド類。
ポリアミド樹脂の平均分子量は、通常5,000〜500,000である。これらのポリアミド樹脂の中でも積層チューブに好ましく使用されるのは、ポリアミド11、12、6,10である。
(2)ポリアミド成分を結晶性のハードセグメントとし、ポリエーテルをソフトセグメントとするAB型ブロックタイプのポリエーテルエステルアミドおよびポリエーテルアミドエラストマーであるポリアミドエラストマー。これは、例えば、ラウリルラクタムとジカルボン酸およびテトラメチレングリコールとの縮合反応から得られる。
ハードセグメント部のポリアミドの炭素数およびソフトセグメント部の炭素数の種類並びにそれらの割合、あるいはそれぞれのブロックの分子量は、柔軟性と弾性回復性面から自由に設計できる。
(3)ポリアミド系アロイ
(3.1)ポリアミド/ポリオレフィン系アロイ
例えば、デュポン社製ザイテルST、旭化成株式会社製レオナ4300、三菱化学株式会社製ノパミッドST220、株式会社ユニチカ製ナイロンEX1020等。
(3.2)ポリアミド/ポリプロピレン系アロイ
例えば、昭和電工製システマーS。
(3.3)ポリアミド/ABS系アロイ
例えば、東レ株式会社製トヨラックSX。
(3.4)ポリアミド/ポリフェニレンエーテル系アロイ
例えば、日本GEプラスチックス製ノリルGTX600、三菱化学株式会社製レマロイB40等。
(3.5)ポリアミド/ポリアリレート系アロイ
例えば、株式会社ユニチカ製X9。
分子鎖中にエポキシ基を有するポリマーの具体例は、エポキシ基を含有したポリエチレン樹脂(例えば、日本ポリオレフィン株式会社製レクスパールRA3150)、エポキシ樹脂等である。
中間層をはさんで本発明のポリテトラフルオロエチレン共重合体の層と反対側の層を形成する材料の具体例は以下の通りである。
ポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリアラミド、ポリアセタール、ポリエーテルイミド、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル、セロハンなどの樹脂;
ニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンアクリロゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、多硫化ゴム、塩素化ポリエチレンゴム等の合成ゴムおよび天然ゴム。
スチレン系、塩化ビニル系、オレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、およびウレタン系熱可塑性エラストマー。
アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン、モリブデン、マグネシウム、マンガン、銅、銀、鉛、錫、クロム、ベリリウム、タングステン、コバルト等の金属や金属化合物、およびこれら金属の2種以上からなる合金類。
合金類の具体例としては、炭素鋼、Ni鋼、Cr鋼、Ni−Cr鋼、Cr−Mo鋼、ステンレス鋼、ケイ素鋼、パーマロイなどの合金鋼;Al−Cl、Al−Mg、Al−Si、Al−Cu−Ni−Mg、Al−Si−Cu−Ni−Mgなどのアルミニウム合金;黄銅、青銅(ブロンズ)、珪素青銅、珪素黄銅、洋白、ニッケル青銅などの銅合金;ニッケルマンガン(Dニッケル)、ニッケル−アルミニウム(Zニッケル)、ニッケル−珪素、モネルメタル、コンスタンタン、ニクロムインコネル、ハステロイなどのニッケル合金等が挙げられる。
また、金属の腐食防止などを目的として、金属表面に電気メッキ、溶融メッキ、クロマイジンク、シリコナイジンク、カロライジンク、シェラダイジング、溶射などによって他の金属を被膜したり、リン酸塩処理によりリン酸塩被膜を形成させたり、陽極酸化や加熱酸化により金属酸化物を形成させたり、電気化学的防食を施してもよい。
接着性をさらに向上させることを目的として、金属表面にリン酸塩、硫酸、クロム酸、シュウ酸などによる化成処理を施したり、サンドブラスト、ショットブラスト、グリットブラスト、ホーニング、ペーパースクラッチ、ワイヤースクラッチ、ヘアーライン処理などの表面粗面化処理を施してもよい。
アルミニウム系金属材料としては、純アルミニウム、アルミニウムの酸化物、Al−Cu系、Al−Si系、Al−Mg系およびAl−Cu−Ni−Mg系、Al−Si−Cu−Ni−Mg系合金、高力アルミニウム合金、耐食アルミニウム合金などの鋳造用または展伸用のアルミニウム合金を用いることができる。また、さらに上記アルミニウムまたはアルミニウム合金表面に、防食、表面硬化、接着性の向上などを目的に、苛性ソーダ、シュウ酸、硫酸、クロム酸を用いた陽極酸化を行って酸化被膜を形成したもの(アルマイト)や、そのほか前述の表面処理を施したものを用いることもできる。
鉄系金属材料としては、純鉄、酸化鉄、炭素鋼、Ni鋼、Cr鋼、Ni−Cr鋼、Cr−Mo鋼、Ni−Cr−Mo鋼、ステンレス鋼、ケイ素鋼、パーマロイ、不感磁性鋼、磁石鋼、鋳鉄類などを用いることができる。
さらに上記鉄系金属材料の表面に他の金属をメッキしたもの、例えば溶融亜鉛メッキ鋼板、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、亜鉛ニッケルメッキ鋼板、亜鉛アルミニウム鋼板など;浸透法、溶射法により他の金属を被膜したもの;クロム酸系やリン酸系の化成処理または加熱処理により酸化被膜を形成させたもの;電気的防食法を施したもの(例えば、ガルバニック鋼板)などを用いることができる。
結晶化ガラス、発泡ガラス、熱線反射ガラス、熱線吸収ガラス、複層ガラスなどのガラス系材料、タイル、大型陶板、セラミックパネル、レンガなどの窯業系基材、御影石、大理石などの天然石、高強度コンクリート、ガラス繊維強化コンクリート(GRC)、炭素繊維強化コンクリート(CFRC)、軽量気泡発泡コンクリート(ALC)、複合ALCなどのコンクリート系基材、押出成形セメント、複合成形セメントなどのセメント系基材、その他石綿スレート、ホーロー鋼板、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、粘土類、ホウ素系、炭素系材料など。
天然繊維、木材、紙類、皮革類などの天然の有機物。
反対側の層は、1種またはそれ以上の層から形成することができ、また、意匠性を目的として、反対側層の外側または内側に着色、印刷、エッチングなどを施してもよい。
また、本発明のテトラフルオロエチレン共重合体の層、中間層および反対側層それぞれが持つ特性を損なわない範囲で、それぞれの層に適当な補強剤、充填剤、安定剤、紫外線吸収剤、顔料、その他の適当な添加剤を含有させることも可能である。
このような添加剤によって、熱安定性、表面硬度、耐摩耗性、帯電性、耐候性、その他の性質を向上することができる。
このような積層体の製法は、本発明のテトラフルオロエチレン共重合体の形態、中間層に用いる材料の形態、および有機材料の種類や形態、無機材料の種類や形状に応じて、適宜選択される。
例えば、反対側層が熱可塑性樹脂の場合、多層共押出しで各層を同時に一体化し、フィルム形状、チューブ形状、ホース形状、ボトル形状、タンク形状の成形品を製造することができる。
また、そのようにして得られた多層フィルムの反対側層面に、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷により、意匠を付与してもよい。さらに、印刷されたフィルムを金属板、合板、石膏ボード、石綿スレート板等に貼り合わせ、建材の化粧パネルやシステムキッチン材として使用できる。
反対側層が金属、合板、ゴム、ガラス、シリコーンなどを含む場合は、あらかじめ、中間層と本発明のテトラフルオロエチレン共重合体を共押出しによりフィルム状、チューブ状、シート状、ホース状、ボトル状に成形し、熱活性化によって反対側層と積層すればよい。
このようにして得られた多層フィルムまたは多層シートは、SPモールド成形、インモールド成形等においてインサートフィルム表皮材として利用でき、成形品の最外層として、耐候性、耐汚染性、耐湿性、耐薬品性に優れた本発明のテトラフルオロエチレン共重合体の層を提供することができる。
このようにして得られる成形品の例として、自動車のバンパー、ドアトリム、計器板、装飾モール等、家庭電化製品、OA機器等の表示板、電照式看板、ディスプレイ、また、携帯電話等が挙げられる。
近年、自動車燃料配管におけるフィラーホースが、低級アルコールを含むガソリンに対するバリアー性改善の目的で、ゴム単体(NBR等)ホースから、ゴムとポリアミド樹脂の積層ホースやゴムとフッ素ゴムの積層ホース、ポリアミド単体ホース等へ移行している。
しかしながら、ポリアミド樹脂およびフッ素ゴムは共に、燃料透過に対するバリアー性の点で不十分である。
反対側層をゴム層、例えばNBR単体、又はNBRと塩化ビニルのコンパウンドとし、該層を最外層とした3層ホース、さらに、最内層に導電NBR層を用いた4層ホースは、フィラーホースとしての燃料透過バリアー性と、燃料等に添加されているアミンに対する耐食性に優れている。また、最外層のゴム層は、アラミド繊維等で補強してもよい。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体は、粉体の形状で使用することができ、この場合、あらかじめ形成された反体側層と中間層とからなる積層フィルム、チューブ、ホース、ボトル、タンク等に、テトラフルオロエチレン共重合体の粉体を静電塗装等で積層することができる。
また、本発明のテトラフルオロエチレン共重合体は、有機溶剤分散体または水性分散体として使用してもよく、この場合も粉体の場合と同じく、反対側層と中間層との積層フィルム、チューブ、ホース、ボトル、タンク等に、常套の方法でコーティングすることができる。
近年、農業ハウス用フィルムは、環境に与える影響を考慮して、塩化ビニル樹脂フィルムの代替としてのポリオレフィンフィルムを用いた農業ハウスの需要が増している。一方、長期耐候性に優れるフッ素樹脂(ETFE)のフィルムも市場を伸ばしつつある。しかしながら、フッ素樹脂フィルムは、流滴加工性や、防霧加工性に問題があり、その改善が望まれている。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体を用いた3層フィルムの反対側層として流滴剤と防霧剤(フッソ系界面活性剤、例えばダイキン工業(株)ユニダインDS−401)により処理したポリオレフィンを用いた場合、積層フィルムは、長期耐候性と流滴、防霧性に優れた農業ハウスフィルムとして使用することができる。
その他の用途例として、以下のような用途がある。
反対側層をポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレン)やポリアミド等から形成すると、積層体から形成したボトルは、薬液用ボトル(特に半導体用薬液ボトル)として使用できる。
反対側層を塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン、紙などから形成すると、積層フィルムは、建材用壁紙材として使用できる。
反対側層をポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなどから形成すると、積層体は、表面に撥水機能を必要とする傘、雨具、人工芝等にも使用できる。
反対側層を塩化ビニル樹脂等から形成すると、積層チューブまたはパイプは、配管として使用できる。
本発明に従った積層体は、雑貨、ごみ箱、漁業・養魚タンク、食品包装材、浴槽、ユニットバス、換気扇、照明枠等に使用できる。
反対側層をEPDM等のゴムから形成し、本発明のテトラフルオロエチレン共重合体を最内層とする積層チューブは、耐ロングライフクーラント(LLC)性に優れたラジエターチューブとして使用できる。
積層体の厚さは、3層の場合25〜10000μm、好ましくは40〜4000μmであってよい。本発明のテトラフルオロエチレン共重合体の厚さは、5〜2000μm、好ましくは10〜1000μmであってよい。
中間層の厚さは、5〜1000μm、好ましくは、5〜500μmであってよく、反対側層の厚さは、10〜5000μm、好ましくは15〜3000μmであってよい。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体を単独でフィルムとする場合、その厚さは用途や目的により選択され、特に限定されないが、通常10〜3000μm、好ましくは20〜500μm、より好ましくは20〜300μmである。
薄すぎるフィルムは、特殊な製造方法が必要であったり、接着操作を行う時の取り扱いが困難で、しわや破損、外観不良が起こりやすく、また接着強度、機械的強度、耐薬品性の点でも不十分となる場合がある。厚すぎるフィルムはコストや、接合して他の材料と一体化するときの作業の点で不利である。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体のフィルムには、特性を損なわない範囲で適当な補助剤、充填材、安定剤、紫外線吸収剤、顔料、その他適宜添加剤を含有させることもできる。
このような添加剤の配合によって、熱安定性、表面硬度、耐摩耗性、耐候性、帯電性、その他の性質を改良することができる。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体のフィルムは、目的とするフィルムの形状に応じて、溶融押出成形法、粉体塗装法、水性または有機溶剤分散体を塗装したのち連続した皮膜としてフィルムを得る方法などにより製造できる。特に、生産性、得られるフィルムの品質などの観点から、溶融押出成形法が好ましい。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体と他の材料との一体化は、テトラフルオロエチレン共重合体フィルムと他の材料の基材とを重ね合わせて圧縮成形する方法;一方の材料に他方を塗装する方法;多層共押出成形法、多層ブロー成形法、インサート成形法、多層トランスファー成形法、多層射出成形法などによりフィルム成形と同時に一体化する方法などが採用でき、なかでも、生産性や品質などの観点から、多層共押出成形法、多層ブロー成形法が好ましい。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体と他の材料との接着は、加熱などによる熱活性化によって行うことができ、さらには熱溶融接着が好ましい。代表的な接着方法として、熱ロール法や、熱プレス法が挙げられ、更に、高周波加熱法、マイクロ法、真空圧着法(真空プレスなど)、空気圧法なども採用でき、材料の種類や形状、などによって適宜選択できる。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体フィルムは、前記のごとく、種々の形状、大きさ、厚さを持つように製造でき、種々の材料に対する優れた接着性と、フッ素樹脂のもつ優れた特性により、広範囲の用途に使用されうる。
用途の具体例としては、化学プラント配管に巻き付ける防食テープ、船舶のデッキなどの配管に巻き付けるテープ、その他の配管用防食テープ;看板、農業用温室、その他の温室の屋根材あるいは側壁、外装材の表面のような、耐候性を付与する用途;太陽電池の光起電素子の光入射側表面に設ける透明な表面被覆材;耐汚染性に優れた内装材、などである。さらに、食品包装材、薬品包装材のような耐薬品性を必要とする用途にも使用できる。
さらに、本発明のテトラフルオロエチレン共重合体は、OA機器のハウジング、食品加工装置、調理機器などの防汚性、非粘着性、低摩擦性を必要とする装置・機器、撥水撥油性ガラス、液晶ディスプレイなどの液晶関連材料、自動車関連材料などに使用できる。
次に本発明のテトラフルオロエチレン共重合体層と他の材料の層とからなる積層体について、他の材料の具体例と共に説明する。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体層を中間層として、他のフッ素樹脂の層と熱可塑性樹脂層とを積層することができる。
そのような他のフッ素樹脂の具体例は、テトラフルオロエチレン−フルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ビニリデンフルオライド共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−含フッ素オレフィン系共重合体などである。
他のフッ素樹脂の平均分子量は、通常、2,000〜1,000,000であってよい。これらフッ素樹脂の中でも、比較的融点の低い、PVDF、ビニリデンフルオライド共重合体またはエチレン−含フッ素オレフィン系共重合体が好ましい。
ビニリデンフルオライド共重合体とは、ビニリデンフルオライドと、これと共重合可能な少なくとも一種の含フッ素モノマーからなる樹脂状共重合体である。ここでビニリデンフルオライドと共重合可能な含フッ素モノマーとしては、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロイソブチレン、ヘキサフルオロアセトン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、ビニルフルオライド、フルオロ(アルキルビニルエーテル)などが例示される。
エチレン−含フッ素オレフィン系共重合体とは、エチレンとTFEおよび/またはCTFEとの、モル比が10/90〜60/40である樹脂状共重合体である場合により、それらと共重合可能な第3の含フッ素モノマーを、エチレンとTFEおよび/またはCTFEとの合計量に対して0〜15モル%含んでいてよい。第3の含フッ素モノマーとしては、CZ=CZ(CF)wZ、CF=CFO(CF)wZ(式中、Zは水素原子またはフッ素原子、wは1〜8の整数である。)、CH=C(CF)で示される化合物が挙げられる。
このような比較的融点の低いPVDF、ビニリデンフルオライド共重合体またはエチレン−含フッ素オレフィン系共重合体を、熱可塑性樹脂としてのポリアミド樹脂と共押出しする場合、ポリアミド樹脂の著しい劣化を伴わない混練温度および成形温度範囲で充分な溶融流動性を確保するためには、剪断速度100sec−1で250℃での溶融粘度が10〜10poiseであるPVDF、ビニリデンフルオライド共重合体またはエチレン−含フッ素オレフィン系共重合体を使用することが好ましい。中でも、剪断速度100sec−1で250℃での溶融粘度が10〜10poiseであるエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体は、積層体の燃料透過性を低く維持しながら柔軟性、低温耐衝撃性などを保持し、しかも、本発明のテトラフルオロエチレン共重合体層を中間層として、熱可塑性樹脂との同時多層押出しにより積層体を作成するのに最適である。
エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体の特性を損なうことなく、比較的高価な第3の含フッ素モノマーの使用量を低減できる点において、エチレン/テトラフルオロエチレンのモル比が10/90〜38/62で、それらと共重合しうる第3の含フッ素モノマーがエチレンとテトラフルオロエチレン合計量に対して約0.1〜5モル%含まれるエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体が最も好ましい(特公昭62−58615号公報参照)。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体を用いた積層体におけるそれぞれの層は、本発明の目的を損なわない範囲で、ガラス繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウム繊維、アラミド繊維、芳香族ポリエステル繊維などの繊維状の強化材;炭酸カリシウム、タルク、マイカ、クレイ、カーボン粉末、グラファイト、ガラスピースなどの無機充填材料;金属粉末;ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミドなどの耐熱性樹脂;着色剤;難燃剤;摺動用添加剤などの充填材を含んでよい。その配合量は、樹脂100重量部に対して1〜70重量部である。
先に例示した珪素質材料のなかで、とりわけガラス系材料に対して本発明のテトラフルオロエチレン共重合体は良好な接着性を示す。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体の層とガラス系材料とからなる積層体は透明性を有し、テトラフルオロエチレン共重合体がガラス表面に撥水性、撥油性、反射防止性、低屈折率性などを与えるので、この積層体は、光学関連部品、液晶関連部品、自動車用ガラスなどに用いることができる。
また、この積層体は、難燃性、透明性、耐候性、破損時の飛散防止性を兼ね備えた建材用防火安全ガラスとして使用することができる。
車両、航空機、建築物などに用いる内壁、天井、ドアなどの表面材として、従来、樹脂板にウールやアクリルなどからなる布を貼り付けてなる積層体が知られているが、布を用いているので、防炎性に劣る。そこで、防炎性に優れた表面材としてガラスクロスなどのガラス繊維布を用いることが考えられるが、ガラス繊維は皮膚刺激性を有する場合がある。本発明のテトラフルオロエチレン共重合体は、ガラスクロスに対しても優れた接着性を示すので、これをガラスクロスに積層すれば、ガラスクロスの持つ欠点を解決することができる。
耐候性や耐汚染性に優れた化粧板として、ポリビニリデンフルオライドとアクリル樹脂を共押出して成膜した2層フィルムのアクリル樹脂面と塩化ビニル樹脂フィルムとを熱ラミネートした化粧板が知られている。しかし、ポリビニリデンフルオライドの耐溶剤性および耐汚染性は不十分である。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体は、ポリビニリデンフルオライドと同等またはそれ以上の溶融押出適性を有しているので、ポリビニリデンフルオライドと同様に共押出しによりアクリル樹脂との2層フィルムが製造でき、さらに塩化ビニルと熱ラミネートして化粧板を得ることができる。このようにして製造した化粧板は、優れた耐溶剤性、耐候性、耐汚染性を有している。
積層体の外側(ホース、チューブ、パイプなどの場合は外層)または内側(ホース、チューブ、パイプなどの場合は内層)に、補強、防汚、帯電防止、または低温衝撃性改良を目的として、熱可塑性樹脂層(例えばPVC)または熱可塑性エラストマーを含むゴム層(例えばEPDM)を同時共押出時にあるいは同時共押出後に設けることもできる。また、コルゲート加工によりチューブに柔軟性を付与することもできる。
積層体の形状は、成形体、例えばホース、パイプ、チューブ、シート、ガスケット、パッキング、フィルム、タンク、ローラー、ボトル、容器等であり、多層共押出成形、多層ブロー成形、多層射出成形を用いれば任意の形状の成形体が得られる。
積層体の特に好ましい用途は、耐サワーガソリン用、耐アルコール燃料用、耐メチルt−ブチルエーテル用、耐ガソリン添加剤(アミンなど)入燃料用、インク、塗料用、廃液輸送用、高温液体輸送用、スチーム配管用のチューブ、パイプ、容器や、ラジエーターホースなどである。積層体がチューブである場合、フッ素樹脂層が最内層であることが好ましい。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体は、図3に示した太陽電池モジュールの表面フィルム1として、及びまたは透明充填材層2として使用することができる。
本発明のテトラフルオロエチレン共重合体を表面フィルムとして使用する場合、その厚さは、通常10〜500μm、好ましくは30〜200μmである。表面フィルム中には、透明性、耐候性を損なわない程度にガラス等からなる繊維、不織布、ビーズ、紫外線吸収剤、顔料、その他適宜添加剤を添加することも可能である。
また、起電力素子は前記表面フィルムにて直接被覆することもできるし、外部からの衝撃からの保護、表面フィルム起電力素子との密着性をより強固にする目的で、透明充填材層を設けても良い。
その場合の透明充填材層には、従来から使用されているエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体、ウレタン樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、エポキシ基含有ポリエチレン、フッ素ゴム等があり、特にEVAが透明性、柔軟性、接着性、安価であることから好ましい。さらに、有機過酸化物で架橋したEVAが耐熱性、耐候性の面で好ましい。
一方、本発明のテトラフルオロエチレン共重合体を透明充填材層として使用する場合、その厚さは、通常10〜1000μm、好ましくは50〜500μmであり、表面フィルムとしては従来のフッ素樹脂表面フィルムを用いることが出来る。透明充填材層には、耐傷付性や耐衝撃性を改善する目的で、透明性等を損なわない程度にガラス等からなる繊維、不織布、ビーズを配合または一体成形してよい。その他、硬化促進剤、紫外線吸収剤などの添加剤を配合してもよい。
次に実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
実施例で得た共重合体の組成および物性は、次のようにして測定した。
ポリマー中のモノマー組成
19F−NMRチャートから求める。
融点
セイコー型DSC装置を用い、10℃/分の速度で昇温したときの融解ピークを記録し、極大値に対応する温度を融点とする。
MFR
東洋精機製作所株式会社製メルトインデクサーを用い、200℃、5kg荷重下で、直径2mm、長さ8mmのノズルから単位時間(10分間)に流出する共重合体の重量(g)を測定する。
赤外線吸収スペクトル(1808cm−1/2881cm−1の吸収比)
パーキンエルマー社製フーリエ変換赤外分光光度計を用い、約0.4mm厚のフィルムについて赤外線吸収スペクトルを測定し、1808cm−1での吸収ピークの高さの、2881cm−1での吸収ピークの高さに対する比を計算する。
ヘイズ値(曇度)
東洋精機製作所株式会社製ヘイズメーターを用いて測定した。試料の厚みは2mmである。
臨界剪断速度
東洋精機製作所株式会社製キャピログラフを使用し、キャピラリー(ダイ長さ10mm、ダイ穴直径1mm)を用いて230℃で測定し、メルトフラクチャーの発生しはじめる剪断速度を臨界剪断速度とする。
実施例1
内容積4Lのガラスライニング製オートクレーブに脱酸素した水1Lを入れ、真空にした後、パーフルオロシクロブタン400gおよびヘキサフルオロプロピレン800gを入れ、槽内温度を35℃、攪拌速度を580rpmに保った。さらに、CH=CF(CF)3H2.0gおよびシクロヘキサン1.5gを仕込んだ後、テトラフルオロエチレン/エチレン/パーフルオロシクロブタンの混合ガス(モル比=78.9:16.6:4.5)を12kgf/cmGまで圧入した。
次いで、ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート8.0gを仕込んで重合を開始した。重合の進行とともに圧力が低下するので、テトラフルオロエチレン/エチレン/パーフルオロシクロブタンの混合ガス(モル比=52.8:42.7:4.5)を追加圧入して重合圧力を12kgf/cm2Gに保ちながら重合を続け、途中、CH=CF(CF)3H1.15gを9回に分割してマイクロポンプで仕込んだ。また重合開始から5時間経過した時点でジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート4.0gを追加し、重合を合計で10時間行った。
重合終了後、内容物を回収し、水洗して、重合体粉末127gを得た。得られたポリマーの物性を表1に示す。
実施例2
シクロヘキサンの仕込量を0.85gにし、重合途中でジノルマルプロピルパーオキシジカーボネートを追加しない以外は実施例1と同様の手順を繰り返して、11時間の重合で粉末状重合体137gを得た。得られたポリマーの物性を表1に示す。
実施例3
最初に仕込むパーフルオロシクロブタンおよびヘキサフルオロプロピレンの量をそれぞれ600gおよび600gとし、シクロヘキサンの仕込量を1.6gとし、ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネートの量を10.0gとする以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、8時間の重合で、粉末状重合体153gを得た。得られたポリマーの物性を表1に示す。
実施例4
パーフルオロシクロブタンを仕込まずに、最初に仕込むヘキサフルオロプロピレンの量を1000gとし、重合途中でジノルマルプロピルパーオキシジカーボネートを追加しない以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、19時間の重合で、粉末状重合体130gを得た。得られたポリマーの物性を表1に示す。
比較例1
シクロヘキサンの量を0.3g、ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネートの量を6gとし、重合途中でジノルマルプロピルパーオキシジカーボネートを追加しない以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、9時間の重合で、粉末状重合体140gを得た。得られたポリマーの物性を表1に示す。
比較例2
最初に仕込むパーフルオロシクロブタンおよびヘキサフルオロプロピレンの量をそれぞれ700gおよび500gとし、シクロヘキサンの仕込量を1.5gとする以外は、同様の操作を繰り返して、4.5時間の重合で、粉末状重合体136gを得た。得られたポリマーの物性を表1に示す。
比較例3
最初に仕込むパーフルオロシクロブタンおよびヘキサフルオロプロピレンの量をそれぞれ1050gおよび150gとし、CH2=CF(CF2)3Hの仕込量を4.0g、シクロヘキサンの仕込量を5.0g、ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネートの量を4.0gとし、重合途中でジノルマルプロピルパーオキシジカーボネートを追加しない以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、4時間の重合で、粉末状重合体123gを得た。得られたポリマーの物性を表1に示す。
Figure 2006111885
応用例1
実施例1と実施例2で得たポリマーは200℃で、実施例3と比較例1で得たポリマーは230℃で、実施例4で得たポリマーは180℃で、比較例2で得たポリマーは250℃で、比較例3で得たポリマーは300℃で、それぞれ溶融させ、内径120mmの金型を用いて、約50kgf/cm2の圧力でプレスして、0.5mm厚のシートを作成した。
別途、ポリアミド12(宇部興産株式会社製、商品名:UBE 3035MJ1)を200℃で、上記と同様の方法によりプレスして0.5mm厚のシートを作成した。
次に、自動溶着機(嶋倉電子工業株式会社製型番SKD−FA48)を用い、ポリアミド12の適切な成形温度範囲である230℃で実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例3で得たポリマーから作成したシートそれぞれとポリアミド12を重ね、0.25kgf/cm2の圧力で50秒間加圧して、溶着させた。この時、重ね合わせた2枚のシートの一部の間に、ポリイミドのフィルムを挟み、フッ素樹脂とポリアミド12の非接触部分を作り、引張り測定時のつかみ部分とする。
得られた溶着シートの接着剥離強度を、オリエンテック株式会社製テンシロン万能試験機により測定した。測定値は、最大剥離強度である。結果を表2に示す。
Figure 2006111885
応用例2
応用例1と同様にして、実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例3で得たポリマーそれぞれから0.4mm厚のシートを作成し、図1に示すように、12mmの長さで端部分を重ね合わせた上側と下側のパイレックス(商標)ガラス板(幅20mm、長さ30mm、厚さ5mm)の間にはさみ、上側のガラス板の他端は、0.4mm厚のFEPフィルムをスペーサとして、もう一枚の下側ガラス板と重ね合わせ、全体を2枚のステンレス鋼(SUS)板の間に置き、ステンレス鋼板の重さと合わせて0.18kg/cm2になるように荷重をのせ、電気炉のなかで230℃(比較例3のみ300℃)、30分間放置して試験片を得た。
引張剪断法により、ポリマーで接着したガラス板間の接着強度を測定した。
図2に示すように、ポリマーで接着した2枚のガラス板の外形にあわせた試験用治具を、オリエンテック株式会社製テンシロン万能試験機にセットし、クロスヘッドスピード20mm/分で引張剪断試験を行った。測定値は最大接着強度である。結果を表3に示す。
Figure 2006111885
応用例3
マルチマニホールドダイを使用し、押出し速度8m/分で、表4に示した温度条件下、表5に示す樹脂を用いて3種3層の同時押出しにより多層チューブを成形した。
チューブは、内層、中間層および外層からなり、外径8mmおよび内径6mmであり、内層の厚みは0.2mmであり、中間層の厚みは0.1mmであり、外層の厚みは0.7mmであった。
応用例4
マルチマニホールドダイを使用し、押出し速度8m/分で、表4に示した温度条件下、表5に示す樹脂を用いて2種2層の同時押出しにより多層チューブを成形した。
チューブは、内層および外層からなり、外径8mmおよび内径6mmであり、内層の厚みは0.35mmであり、外層の厚みは0.65mmであった。
Figure 2006111885
比較応用例1
内径6mm、層厚み0.2mmのETFEの単層チューブを押出し、その表面をコロナ放電処理した後、PA12を0.8mmの層厚みで溶融被覆した。
応用例3〜8および比較応用例1で製造したチューブについて、以下の試験を行った。
剥離強度
チューブから5mm幅のテストピースを切り取り、50mm/分の引張速度で180度剥離試験を行って、層間の接着強度を測定した。
バリヤー性
チューブを30cmの長さに切り、fuelC(イソオクタン/トルエン 体積比50:50)/メタノール(体積比:85/15)をチューブ内部に充填し、両端をシールし、40℃で放置し、重量変化を測定して、燃料透過速度(1m2当たり、1日当たりの燃料減少量(g))を計算した。
低温衝撃強度
チューブを20cmの長さに切り、−40℃で5時間放置した後、−40℃の雰囲気のまま、チューブの上、高さ30.5cmから450gの荷重を落としチューブの割れを見る。10回測定を行う。n/10で示す(nは割れた数)。
上記試験の結果を、表5に示す。
Figure 2006111885
応用例5
本発明の実施例2で得た共重合体と、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)について、太陽電池用表面フィルムとして要求される耐候性、光透過性、接着性、耐傷付性、耐引裂性を、以下の方法により評価した。
耐候性
サンシャインウエザオメーターを用い、ASTM D638に準拠するテストピースに成形したサンプル(厚み500μm)を、以下の条件で2000時間暴露した。
条件:63℃、98%湿度雰囲気
純水を18分/2時間スプレー、光源カーボンアーク法
暴露前と暴露後の引張り強度を、テンシロン万能試験機(オリエンテック株式会社製)により測定した。最大破断強度と破断伸度の保持率(%)を、耐候性の尺度として示す。
また、暴露前と暴露後の色差をスガ試験機(株)製SMカラーコンンピューター(SM−7)を用い、白色標準板を合わせて測定した。尚、△E={(△L)2+(△a)2+(△b)2}1/2である。
光透過性
全光線透過率およびHAZE値を、東洋精機製作所(株)製ヘイズメーターを用いて測定した。
条件:室温
試料厚み:500μm
ガラスとの接着強度
応用例2と同様にして測定した。
フィルム引裂き強度
エルメンドルフ引裂き試験機を用い測定した。フィルム厚みは200μmであった。試験片の寸法およびスリット位置は図4に示す。
フィルムスクラッチ試験
カーボンスチール製ブレードの刃先に2ポンドの荷重を加え、厚み250μmのフィルム上を引っ掻いた後の傷の状態を、目視で観察した。
結果を表6に示す。
Figure 2006111885
注:1)ダイキン工業株式会社製ネオフロンETFE EP−543。
応用例6
3層のフィードブロックダイを使用し、押出し速度10m/分で表7に示した温度条件下、表8に示す樹脂を用いて3種3層の同時押出しにより多層フィルムを成形した。
フィルムは、ポリエチレン層(厚さ0.17mm)、中間層(レクスパールRA3150)(厚さ0.05mm)、実施例2の共重合体層(厚さ0.08mm)からなる3層フィルムであった。
応用例7
応用例6と同様に表7の温度条件下、表8に示す樹脂を用いて3層フィルムを成形した。フィルムは、ポリエステル層(厚さ0.17mm)、中間層(TPAE−8)(厚さ0.05mm)、実施例2の共重合体層(厚さ0.08mm)を有していた。
Figure 2006111885
Figure 2006111885
注:1)宇部興産株式会社製ポリエチレン樹脂(融点107℃)。
2)日本ポリオレフィン株式会社製エポキシ基含有ポリエチ
レン樹脂(融点100℃)。
3)三菱レイヨン株式会社製ポリエチレンテレフタレート樹脂
(融点240℃)。
4)富士化成工業株式会社製重合脂肪酸系ポリアミドエラスト
マー(ポリエーテルエステルアミド)。
剥離強度測定
応用例6および11で得たフィルムから1cm幅のテストピースを切り取り、中間層と反対側層間の剥離強度を、50mm/分の引張り速度での180度剥離試験で測定した。結果を上記表8に示す。
実施例における接着強度の測定に用いる試験片の製造方法を説明する図である。 引張剪断法による接着強度の測定方法を説明する図である。 太陽電池モジュールの基本構造の概略断面図である。 実施例におけるフィルム引裂き強度の測定に用いた試験片の平面図である。

Claims (7)

  1. テトラフルオロエチレン30モル%〜81モル%と少なくとも1種の他のモノマー70〜19モル%からなり、ポリマー鎖末端がカーボネート末端であり、
    0.1〜100g/10分のメルトフローレート(200℃,5kg荷重)、および
    90〜200℃の融点、
    を有するテトラフルオロエチレン共重合体。
  2. テトラフルオロエチレンの割合が40モル%〜81モル%であり、少なくとも1種の他のモノマーの割合が60〜19モル%であり、メルトフローレート(200℃,5kg荷重)は1.0〜100g/10分であり、
    さらに、230℃で10〜10sec−1の臨界剪断速度を有する請求項1に記載のテトラフルオロエチレン共重合体。
  3. メルトフローレート(200℃,5kg荷重)が1.0〜50g/10分である請求項1または2に記載のテトラフルオロエチレン共重合体。
  4. テトラフルオロエチレン共重合体が、テトラフルオロエチレン、エチレン、式:CH=CFRf(式中、Rfは炭素数2〜10のフルオロアルキル基である。)で示されるフルオロビニル化合物、およびヘキサフルオロプロピレンを含んでなり、テトラフルオロエチレンとエチレンのモル比が40:60〜90:10であり、フルオロビニル化合物の含有量が(共重合体全体に対して)0〜10モル%であり、ヘキサフルオロプロピレンの含有量が(共重合体全体に対して)10〜30モル%である請求項1〜3のいずれかに記載のテトラフルオロエチレン共重合体。
  5. フルオロビニル化合物が、式:
    CH=CF(CF)
    (式中、nは3〜5の整数である。)
    で示される化合物である請求項1〜4のいずれかに記載のテトラフルオロエチレン共重合体。
  6. 赤外線吸収スペクトルにおける主鎖のCH基に起因する2881cm−1での吸収ピークの高さに対する、末端カーボネート基に起因する1808cm−1での吸収ピークの高さの比が、少なくとも0.7である請求項1〜5のいずれかに記載のテトラフルオロエチレン共重合体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のテトラフルオロエチレン共重合体からなるフィルム。

JP2005315677A 1997-06-23 2005-10-31 テトラフルオロエチレン共重合体フィルム Expired - Fee Related JP4135741B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005315677A JP4135741B2 (ja) 1997-06-23 2005-10-31 テトラフルオロエチレン共重合体フィルム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16567997 1997-06-23
JP35352197 1997-12-22
JP2005315677A JP4135741B2 (ja) 1997-06-23 2005-10-31 テトラフルオロエチレン共重合体フィルム

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50411499A Division JP3981981B2 (ja) 1997-06-23 1998-04-14 テトラフルオロエチレン共重合体を用いた積層体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006111885A true JP2006111885A (ja) 2006-04-27
JP4135741B2 JP4135741B2 (ja) 2008-08-20

Family

ID=36380656

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005315677A Expired - Fee Related JP4135741B2 (ja) 1997-06-23 2005-10-31 テトラフルオロエチレン共重合体フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4135741B2 (ja)

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010525245A (ja) * 2007-04-20 2010-07-22 サン−ゴバン パフォーマンス プラスチックス パンプス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング メンテナンスフリー滑り軸受け
JP2010286832A (ja) * 2009-05-15 2010-12-24 Asahi Kasei E-Materials Corp プラスチック光ファイバ素線及びケーブル
JP2011008240A (ja) * 2009-05-26 2011-01-13 Toray Ind Inc プラスチック光ファイバおよびプラスチック光ファイバコード
JP2011052311A (ja) * 2009-09-04 2011-03-17 Yoshida Skt:Kk 電気めっき治具及びその製造方法
KR20120005434A (ko) * 2009-03-31 2012-01-16 도레이 카부시키가이샤 플라스틱 광파이버 및 플라스틱 광파이버 코드
JP2012227114A (ja) * 2011-04-07 2012-11-15 Hitachi Cable Ltd 接着フィルム及びそれを用いたフラットケーブル
JP2013086510A (ja) * 2011-10-14 2013-05-13 Evonik Industries Ag 光起電力モジュールの製造のための多層シートの使用
JP5532182B1 (ja) * 2012-12-25 2014-06-25 ダイキン工業株式会社 透明性に優れたフッ素樹脂フィルム
JP2015007218A (ja) * 2013-05-27 2015-01-15 ダイキン工業株式会社 フルオロポリマーの製造方法
WO2016021610A1 (ja) * 2014-08-06 2016-02-11 旭硝子株式会社 樹脂被覆金属管およびその製造方法
US9297416B2 (en) 2011-04-29 2016-03-29 Saint-Gobain Performance Plastics Pampus Gmbh Maintenance-free slide bearing with FEP or PFA in the adhesive layer
US9782956B2 (en) 2011-12-28 2017-10-10 Saint-Gobain Performance Plastics Corporation Polymer coating on substrates using thermal spray techniques
US9803690B2 (en) 2012-09-28 2017-10-31 Saint-Gobain Performance Plastics Pampus Gmbh Maintenance-free slide bearing with a combined adhesive sliding layer
US9981284B2 (en) 2011-12-28 2018-05-29 Saint-Gobain Performance Plastics Corporation Method of forming a laminate
US10113588B2 (en) 2012-06-29 2018-10-30 Saint-Gobain Performance Plastics Pampus Gmbh Slide bearing comprising a primer system as adhesion promoter
KR20190027489A (ko) * 2017-09-07 2019-03-15 (주)엘지하우시스 금속 질감이 부여된 창호용 합성수지 프로파일
KR20190072260A (ko) * 2017-12-15 2019-06-25 (주)엘지하우시스 금속 질감이 부여된 창호용 합성수지 프로파일
WO2023003036A1 (ja) * 2021-07-21 2023-01-26 ダイキン工業株式会社 粉体塗料組成物

Cited By (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010525245A (ja) * 2007-04-20 2010-07-22 サン−ゴバン パフォーマンス プラスチックス パンプス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング メンテナンスフリー滑り軸受け
US8802602B2 (en) 2007-04-20 2014-08-12 Saint-Gobain Performance Plastics Pampus Gmbh Maintenance-free plain bearing
KR101675413B1 (ko) * 2009-03-31 2016-11-11 도레이 카부시키가이샤 플라스틱 광파이버 및 플라스틱 광파이버 코드
KR20120005434A (ko) * 2009-03-31 2012-01-16 도레이 카부시키가이샤 플라스틱 광파이버 및 플라스틱 광파이버 코드
JP2010286832A (ja) * 2009-05-15 2010-12-24 Asahi Kasei E-Materials Corp プラスチック光ファイバ素線及びケーブル
JP2011008240A (ja) * 2009-05-26 2011-01-13 Toray Ind Inc プラスチック光ファイバおよびプラスチック光ファイバコード
JP2011052311A (ja) * 2009-09-04 2011-03-17 Yoshida Skt:Kk 電気めっき治具及びその製造方法
JP2012227114A (ja) * 2011-04-07 2012-11-15 Hitachi Cable Ltd 接着フィルム及びそれを用いたフラットケーブル
US9297416B2 (en) 2011-04-29 2016-03-29 Saint-Gobain Performance Plastics Pampus Gmbh Maintenance-free slide bearing with FEP or PFA in the adhesive layer
JP2013086510A (ja) * 2011-10-14 2013-05-13 Evonik Industries Ag 光起電力モジュールの製造のための多層シートの使用
US9981284B2 (en) 2011-12-28 2018-05-29 Saint-Gobain Performance Plastics Corporation Method of forming a laminate
US9782956B2 (en) 2011-12-28 2017-10-10 Saint-Gobain Performance Plastics Corporation Polymer coating on substrates using thermal spray techniques
US10563696B2 (en) 2012-06-29 2020-02-18 Saint-Gobain Performance Plastics Pampus Gmbh Slide bearing comprising a primer system as adhesion promoter
US10113588B2 (en) 2012-06-29 2018-10-30 Saint-Gobain Performance Plastics Pampus Gmbh Slide bearing comprising a primer system as adhesion promoter
US9803690B2 (en) 2012-09-28 2017-10-31 Saint-Gobain Performance Plastics Pampus Gmbh Maintenance-free slide bearing with a combined adhesive sliding layer
JP5532182B1 (ja) * 2012-12-25 2014-06-25 ダイキン工業株式会社 透明性に優れたフッ素樹脂フィルム
US9822225B2 (en) 2012-12-25 2017-11-21 Daikin Industries, Ltd. Fluororesin film having excellent transparency
WO2014103845A1 (ja) * 2012-12-25 2014-07-03 ダイキン工業株式会社 透明性に優れたフッ素樹脂フィルム
US9834631B2 (en) 2013-05-27 2017-12-05 Daikin Industries, Ltd. Fluoropolymer production method
JP2015007218A (ja) * 2013-05-27 2015-01-15 ダイキン工業株式会社 フルオロポリマーの製造方法
EP3006473A4 (en) * 2013-05-27 2016-11-23 Daikin Ind Ltd PROCESS FOR PRODUCING FLUORINATED POLYMERS
JPWO2016021610A1 (ja) * 2014-08-06 2017-06-29 旭硝子株式会社 樹脂被覆金属管およびその製造方法
EP3179146A4 (en) * 2014-08-06 2018-02-28 Asahi Glass Company, Limited Resin-coated metal pipe and method for manufacturing same
WO2016021610A1 (ja) * 2014-08-06 2016-02-11 旭硝子株式会社 樹脂被覆金属管およびその製造方法
KR20190027489A (ko) * 2017-09-07 2019-03-15 (주)엘지하우시스 금속 질감이 부여된 창호용 합성수지 프로파일
KR102153579B1 (ko) * 2017-09-07 2020-09-08 (주)엘지하우시스 금속 질감이 부여된 창호용 합성수지 프로파일
KR20190072260A (ko) * 2017-12-15 2019-06-25 (주)엘지하우시스 금속 질감이 부여된 창호용 합성수지 프로파일
KR102206069B1 (ko) * 2017-12-15 2021-01-21 (주)엘지하우시스 금속 질감이 부여된 창호용 합성수지 프로파일
WO2023003036A1 (ja) * 2021-07-21 2023-01-26 ダイキン工業株式会社 粉体塗料組成物
JP2023016184A (ja) * 2021-07-21 2023-02-02 ダイキン工業株式会社 粉体塗料組成物
JP7265192B2 (ja) 2021-07-21 2023-04-26 ダイキン工業株式会社 粉体塗料組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4135741B2 (ja) 2008-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3981981B2 (ja) テトラフルオロエチレン共重合体を用いた積層体
JP4135741B2 (ja) テトラフルオロエチレン共重合体フィルム
KR100587184B1 (ko) 함불소 접착성 재료 및 그를 이용한 적층체
JP4590812B2 (ja) 含フッ素接着性材料及びそれを用いた積層体
US6479161B1 (en) Fluorine-containing adhesive and adhesive film and laminated article made by using the same
JP3674044B2 (ja) 積層体
JP2006152234A (ja) 含フッ素共重合体及びその用途
JP3885805B2 (ja) 含フッ素接着剤ならびにそれを用いた接着性フィルム
WO2001014141A1 (fr) Stratifie en polymere fluore
JP3604055B2 (ja) 表面処理方法およびエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体成形体
JP2005170049A (ja) 積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070501

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070625

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070821

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070920

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20071120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071225

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080513

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080526

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130613

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees