JP5430086B2 - プラスチック光ファイバケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、3層以上の被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルに関するものであって、特に100〜115℃程度の高温環境下における長期耐熱性に優れた、柔軟性の高いプラスチック光ファイバケーブルに関する。
従来、光ファイバとしては、広い波長領域にわたって優れた光伝送を行うことができる石英系光ファイバが幹線系を中心に実用化されているが、この石英系光ファイバは高価で加工性が低い。そのため、より安価で軽量、大口径であり、端面加工や取り扱いが容易である等の長所を有するプラスチック光ファイバ(以下、POFと略する。)が、ライティング用途やセンサー用途、あるいはFA、OA、LAN等の屋内配線用途の分野で実用化されている。
なかでも、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)をコア材とし、低屈折率の含フッ素オレフィン系共重合体をクラッド材とするコア−クラッド構造を有するステップインデックス型(SI型)のPOFの外周に被覆層が形成されたPOFケーブルは、高速データ通信が可能で、軽量化や通信システムの低コスト化、電磁ノイズ対策等に優れる観点から自動車内LAN通信用配線として実用化されつつある。
上記のようなPOFケーブルが自動車内において使用される場合、環境温度が100〜105℃付近に達することから、耐熱性に優れることが要求されている。特に、エンジン近傍等のような高温環境下に敷設される場合には、オイルや電解液、ガソリン等の引火性物質が存在するため、耐熱性と同時に耐薬品性に優れることも要求される。そのため、POFケーブルの被覆材として、耐熱性、耐薬品性等に優れるナイロン11やナイロン12、ナイロン6/12、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/66等のポリアミド系樹脂(ナイロン系樹脂)を用いる技術が数多く提案されている。
例えば、特許文献1(特開平10−319281号公報)、特許文献2(特開平11−242142号公報)には、POFの外周に黒色ポリアミド樹脂からなる一次被覆層と、着色ポリアミド樹脂からなる二次被覆層が形成されたPOFケーブルが提案されており、ポリアミド樹脂としてナイロン6やナイロン11、ナイロン12が挙げられている。
特許文献3(国際公開01/48526号パンフレット)や特許文献4(特開2003−315638号公報)には、POF素線の外周に、ポリアミド系重合体を含む材料からなる密着層、一次被覆層、二次被覆層を順次形成したPOFケーブルが開示されており、ポリアミド系重合体としてナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12が挙げられている。
特許文献5(特開2003−255202号公報)には、POF素線の外周に、レアメタルベースの無機顔料を含むポリアミド系樹脂からなる被覆層が形成されたPOFケーブルが提案されており、ポリアミド系樹脂としてポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6/12、ポリアミド66、ポリアミド66/6が挙げられている。特許文献6(特開2004−226925号公報)には、POF素線の外周に、群青無機顔料を含むポリアミド系樹脂からなる被覆層が形成されたPOFケーブルが提案されており、ポリアミド系樹脂として、ナイロン11,ナイロン12、ナイロン6、ナイロン66が挙げられている。
特許文献7(特開2000−231045号公報)には、POF素線の外周に、融点が200℃以下のナイロン系樹脂からなる一次被覆層が設けられ、この一次被覆層の外周に酸素指数25以上のナイロン12や塩化ビニル樹脂等からなる二次被覆層が設けられたPOFケーブルが記載されている。
しかしながら、POFケーブルの被覆層の材料にポリアミド系樹脂(ナイロン系樹脂)を用いると次のような問題が生じる。
一般的に、ナイロン12等のポリアミド系樹脂は、工業的にはアミンとカルボン酸の重縮合反応により得られる。しかし、ポリアミド系樹脂の重合は化学平衡反応であるため、生成ポリマー中にポリアミド系樹脂の原料に由来するモノマー、オリゴマーが残存することは避けられない。
本発明者らの検討によれば、上記の特許文献に記載されているようにPOF素線に接するように、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6−12樹脂からなる一次被覆層を設けたり、あるいはこれらのポリアミド系樹脂からなる二次被覆層を設けたPOFケーブルは、100℃以上の高温環境下に長期間放置された場合、POFの伝送損失が著しく増大する現象が見られた。
本発明者らはこの原因についての詳細な解析を行ない、その結果、高温(あるいは高温高湿)環境下で、プラスチック光ファイバケーブル(POFケーブル)の伝送損失が増加する要因は、被覆材中に含まれている低分子量化合物がプラスチック光ファイバ素線(POF素線)中に移行してレイリー散乱を増大すること及び、POFケーブルが放置されている環境中の酸素が被覆材を通過してPOF素線内に浸透、拡散して酸化劣化を引き起こし、電子遷移吸収が増大することによることを見出した。
また、融点が比較的高いナイロン66などのナイロン系樹脂をPOFの外周に被覆する場合は、POFに過剰なストレスが加わり、POFの光学性能を著しく損なってしまう例が報告されている。例えば、特許文献7(特開2000−231045号公報)には、提案された発明に対する比較例(比較例2、比較例8)として、POFの外周に、ナイロン66樹脂からなる一次被覆材を直接形成したPOFケーブルが開示されている。このPOFケーブルにおいては、高融点のポリアミド66樹脂を、高い被覆温度でPOF素線の外周に直接被覆しているために、POFの外形の変化や伝送損失の増大が生じ、高融点のナイロン系樹脂は、POFの被覆材料としては適さない旨が記載されている。
上記の課題を解決するため、POF素線の上に特定の材料を用いた保護被覆層、光遮断被覆層、機能被覆層を用いることで、伝送損失、耐熱性、難燃性に優れたPOFケーブルが報告されている。例えば特許文献8(国際公開08/38791号パンフレット)には、POF素線の外周に、保護被覆層、光遮断被覆層、機能被覆層が設けられたPOFケーブルが提案されており、機能被覆層に用いるポリアミド系樹脂として、ある特定の難燃剤と有彩色の無機顔料を含んだ、融点及び酸素透過率が特定の範囲にあるナイロン6、ナイロン66が上げられており、優れた伝送特性、耐熱性、難燃性が得られるPOFケーブルが例示されている。しかし、これらナイロン66などの樹脂の曲げ弾性率が高いナイロン系樹脂をPOFの外周に被覆する場合は、POFケーブルの敷設時や、プラグ(フェルール)を取り付ける際、加工や取り扱いが悪くなり、POFケーブルへのダメージが増大したり、生産性が低下する恐れがあった。
特開平10−319281号公報 特開平11−242142号公報 国際公開01/48526号パンフレット 特開2003−315638号公報 特開2003−255202号公報 特開2004−226925号公報 特開2000−231045号公報 国際公開08/38791号パンフレット
本発明の目的は、高温環境下での伝送損失の増加量が小さく、長期耐熱性に優れ、且つ柔軟性の高い取り扱いの容易なプラスチック光ファイバケーブルを提供することにある。
本発明は、コアと該コアの外周に形成された1層又は2層以上からなるクラッド層を有するプラスチック光ファイバ素線と、その外周に被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルであって、
前記コアは、ポリメタクリル酸メチル又はメタクリル酸メチルを主成分とする共重合体からなり、
前記クラッド層は、テトラフルオロエチレン単位を含み且つ示差走査熱量測定(DSC)における結晶融解熱が40mJ/mg以下である含フッ素オレフィン系樹脂からなる層を少なくとも最外層に有し、
前記被覆層は、内側から順に、光遮断被覆層、機能被覆層(C)、機能被覆層(D)からなり、
前記光遮断被覆層は、遮光剤を含有し、ナイロン11及びナイロン12の少なくとも一種のナイロン系樹脂を主成分として含有する樹脂組成物から形成され、前記ナイロン系樹脂は、ナイロン系樹脂由来のモノマー化合物及びオリゴマー化合物の合計含有量がナイロン系樹脂中1.5質量%以下であり、
前記機能被覆層(C)は、
ポリブチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする樹脂組成物である樹脂組成物(I)から形成され、前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂が、JIS K7215規格に準じて測定したショアD硬度が38〜85であり、ハードセグメント単位(結晶相)として後述する一般式(4)で示されるセグメントを有し、ソフトセグメント単位(非晶相)として後述する一般式(5)で示されるセグメントを有し、
前記機能被覆層(D)は、
示差走査熱量測定(DSC)による結晶融点が240℃以上280℃以下の範囲にあり、且つISO14663−2:1999(Annex C)に定められた方法で測定した温度T(K)における酸素透過率P(cm・cm/(cm・sec・Pa))が、下記一般式(1)
P<8×10−2×exp(−5600/T) (1)
を満たす、無着色の又は無機顔料により着色されたナイロン系樹脂組成物である樹脂組成物(II)から形成され、
前記機能被覆層(C)の厚みc(μm)と前記機能被覆層(D)の厚みd(μm)が、下記一般式(2)を満たすことを特徴とするプラスチック光ファイバケーブルに関するものである。
0.39 ≦ c/(c+d) ≦ 0.9 (2)
また、本発明は、コアと該コアの外周に形成された1層又は2層以上からなるクラッド層を有するプラスチック光ファイバ素線と、その外周に被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルであって、
前記コアは、ポリメタクリル酸メチル又はメタクリル酸メチルを主成分とする共重合体からなり、
前記クラッド層は、テトラフルオロエチレン単位を含み且つ示差走査熱量測定(DSC)における結晶融解熱が40mJ/mg以下である含フッ素オレフィン系樹脂からなる層を少なくとも最外層に有し、
前記被覆層は、内側から順に、光遮断被覆層、機能被覆層(C)、機能被覆層(D)からなり、
前記光遮断被覆層は、遮光剤を含有し、ナイロン11及びナイロン12の少なくとも一種のナイロン系樹脂を主成分として含有する樹脂組成物から形成され、前記ナイロン系樹脂は、ナイロン系樹脂由来のモノマー化合物及びオリゴマー化合物の合計含有量がナイロン系樹脂中1.5質量%以下であり、
前記機能被覆層(C)は、
示差走査熱量測定(DSC)による結晶融点が240℃以上280℃以下の範囲にあり、且つISO14663−2:1999(Annex C)に定められた方法で測定した温度T(K)における酸素透過率P(cm・cm/(cm・sec・Pa))が、下記一般式(1)
P<8×10−2×exp(−5600/T) (1)
を満たす、無着色の又は無機顔料により着色されたナイロン系樹脂組成物である樹脂組成物(II)から形成され、
前記機能被覆層(D)は、
ポリブチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする樹脂組成物である樹脂組成物(I)から形成され、前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂が、JIS K7215規格に準じて測定したショアD硬度が38〜85であり、ハードセグメント単位(結晶相)として後述する一般式(4)で示されるセグメントを有し、ソフトセグメント単位(非晶相)として後述する一般式(5)で示されるセグメントを有し、
前記機能被覆層(C)の厚みc(μm)と前記機能被覆層(D)の厚みd(μm)が、下記一般式(3)を満たすことを特徴とするプラスチック光ファイバケーブルに関するものである。
0.15 ≦ c/(c+d) ≦ 0.7 (3)
本発明によれば、耐熱性や難燃性に優れ、且つ柔軟性の高い取り扱いの容易なプラスチック光ファイバケーブルを提供することができる。
以下に、本発明のPOFケーブルの好適な実施の形態について説明する。
[POFケーブルの基本構造]
本発明のPOFケーブルは、図1に示すように、コアと、その外周に形成された少なくとも一層のクラッドからなるコア/クラッド構造を有するPOF素線101と、その外周に設けられた、内層側から順に、光遮断被覆層102、機能被覆層(C)103、機能被覆層(D)104からなる被覆層を有する。
[POF素線]
本発明のPOFケーブルでは、POF素線のコアを構成する材料(コア材)は、特に限定されるものではないが、105℃付近での長期耐熱性を満足する観点からは、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)又はメタクリル酸メチル(MMA)単位を主成分とする共重合体が好ましい(以下、これらをPMMA系樹脂と呼ぶ。)。この共重合体としては、メタクリル酸メチル(MMA)単位と1種類以上のビニル系単量体単位からなる共重合体が好ましい。PMMA系樹脂のなかでも、透明性と機械的強度のバランスに優れたPMMAが特に好ましい。コア材がMMAを主成分とする共重合体である場合には、透明性を十分に確保する点から、MMA単位の含有量は50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。MMAに対する共重合成分としては、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル等の、POF用コア材の原料としてこれまでに提案されている材料に使用されている成分を適宜選択することができる。
コアの外周に形成されるクラッドは、1層から形成されていてもよいし、2層以上の複数層から形成されてもよい。このクラッドは、コアあるいは内層クラッドの保護材として機能するための機械特性や耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性、また、屈曲時の光ロスを十分低減できる程度に低屈折率であるといった光学特性の点から、含フッ素オレフィン系樹脂からなる層を少なくとも最外層に有する。この含フッ素オレフィン系樹脂としては、テトラフルオロエチレン(TFE)単位を少なくとも有し、結晶融解熱が40mJ/mg以下の含フッ素オレフィン系重合体を用いる。
TFE単位を含む含フッ素オレフィン系重合体としては、TFE単位と、フッ化ビニリデン(VdF)単位、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)単位、パーフルオロ(フルオロ)アルキルビニルエーテル(FVE)単位のうちの少なくとも1種とを共重合して得られる共重合体、VdF単位とTFE単位とヘキサフルオロアセトン単位との共重合体、TFE単位とHFP単位とエチレン単位との共重合体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。TFEに対する共重合成分としては、コスト、透明性、耐熱性の点から、VdF単位、HFP単位あるいはFVE単位が特に好ましい。
また、TFE単位を含む含フッ素オレフィン系重合体中にVdF単位とHFP単位のうち少なくとも1種類を含む樹脂は、POFの溶融紡糸時の安定性に優れている点で好ましい。
上記のTFE単位を含む含フッ素オレフィン系重合体の具体例としては、VdF単位60〜90質量%とTFE単位10〜40質量%からなる2元共重合体、VdF単位10〜60質量%と、TFE単位20〜70質量%と、HFP単位5〜35質量%とからなる3元共重合体、VdF単位5〜25質量%と、TFE単位50〜80質量%と、FVE単位5〜25質量%からなる3元共重合体、エチレン単位5〜60質量%と、TFE単位25〜70質量%と、HFP単位5〜45質量%とからなる3元共重合体、VdF単位10〜30質量%と、TFE単位40〜80質量%と、HFP単位5〜40質量%と、FVE単位0.1〜15質量%とからなる4元共重合体、TFE単位40〜90質量%と、FVE単位10〜60質量%とからなる2元共重合体、TFE単位30〜75質量%とHFP単位25〜70質量%からなる2元共重合体、等を挙げることができる。
FVE単位としては、CF=CFOCF、CF=CFOCFCF、CF=CFOCFCFCF、CF=CFOCHCF、CF=CFOCHCFCF、CF=CFOCHCFCFCF、CF=CFOCH、CF=CFOCHCH及びCF=CFOCHCHCHからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物の単位は、原料が低コストで得られる点から好ましい。
さらに、本発明においては、少なくともクラッド最外層を形成する含フッ素オレフィン系重合体として、示差走査熱量測定(DSC)による結晶融解熱の値が40mJ/mg以下の樹脂を用いる必要があり、20mJ/mg以下の樹脂が好ましく、15mJ/mg以下の樹脂がより好ましい。結晶融解熱が高すぎると、特に40mJ/mgを超えると、樹脂の結晶性が高くなり、高温環境下においては樹脂の透明性の低下が起こって、POFケーブルの初期および高温環境下での伝送損失が増大する原因となる。少なくともクラッド最外層を構成する含フッ素オレフィン系重合体として、結晶融解熱が上記の範囲内において、例えば1mJ/mg以上の樹脂を用いることができる。
クラッドが複数層で形成されている場合、その内層側の内層クラッドを形成する樹脂としては、フッ素化メタクリレート系重合体、フッ化ビニリデン系重合体等のPOF用クラッド材として提案されている材料を適宜選択することができる。特にフッ素化メタクリレート系重合体は、屈折率の調整が容易で、良好な透明性及び耐熱性を有しながら、屈曲性及び加工性に優れる重合体であるため好ましい。
上記フッ素化メタクリレート系重合体としては、例えば、良好な透明性及び耐熱性を有しながら、屈曲性及び加工性に優れる重合体として、
下記一般式(7)
CH=CX−COO(CH−R1f (7)
(式中、Xは水素原子、フッ素原子、又はメチル基、R1fは炭素数1〜12の(フルオロ)アルキル基、mは1又は2の整数を示す。)
で表される(メタ)アクリル酸フッ素化アルキルエステルの単位(A)15〜90質量%と、単位(A)の単量体と共重合可能な単量体の単位(B)10〜85質量%からなり、屈折率が1.39〜1.475の範囲にある共重合体を用いることができる。
(メタ)アクリル酸フッ素化アルキルエステルの単位(A)としては、(メタ)アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチル(3FM)、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(4FM)、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(5FM)、(メタ)アクリル酸−2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(6FM)、(メタ)アクリル酸−1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(8FM)、(メタ)アクリル酸−2−(パーフルオロブチル)エチル(9FM)、(メタ)アクリル酸−2−(パーフルオロヘキシル)エチル(13FM)、(メタ)アクリル酸−1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(16FM)、(メタ)アクリル酸−2−(パーフルオロオクチル)エチル(17FM)、(メタ)アクリル酸−1H,1H,11H−(イコサフルオロウンデシル)(20FM)、(メタ)アクリル酸−2−(パーフルオロデシル)エチル(21FM)等を挙げることができるが、特に限定されるものではない。
一方、単位(A)の単量体と共重合可能な単量体の単位(B)として、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、メタアクリル酸等の化合物の単位を挙げることができるが、特に限定されるものではない。
これらの中から、クラッド材としての透明性や耐熱性を満足するように、1種類以上の化合物を適宜選択すればよい。中でも、(メタ)アクリル酸メチルは、(メタ)アクリル酸フッ素化アルキルエステルと共重合することによって、クラッド材の透明性や耐熱性、さらに機械的強度をバランス良く向上させることができる点から好ましい。また、メタアクリル酸の単位を、フッ素化メタクリレート系重合体中に0.5〜5質量%の範囲で含有させることによって、POFのコア材及びクラッド最外層の樹脂の両方に対する密着性を向上できる。
POFに低曲げ損失が要求される場合には、(メタ)アクリル酸−2−(パーフルオロオクチル)エチル(17FM)の単位10〜40質量%と、(メタ)アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチル(3FM)、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(4FM)、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(5FM)のうち少なくとも1種類からなる単位40〜90質量%と、メタクリル酸メチルの単位0〜20質量%からなり、屈折率が1.39〜1.43の範囲にある共重合体が好ましい。
POFに高い伝送帯域が要求される場合には、(メタ)アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチル(3FM)、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(4FM)、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(5FM)のうち少なくとも1種類からなる単位15〜30質量%と、メタクリル酸メチルの単位70〜95質量%からなり、屈折率が1.45〜1.475の範囲にある共重合体が好ましい。
尚、前述のようにクラッド層は2層以上の複数層から形成されてもよいが、製造コストを低減する観点からは、最外層クラッドとコアの間に内層クラッドとして第1クラッドのみを備え、第1クラッド及びその外周に最外層クラッドとして第2クラッド層を備えた2層構造とすることが好ましい。
[光遮断被覆層]
次に本発明のPOFケーブルを構成する光遮断被覆層について説明する。
本発明のPOFケーブルには、上述したコア−クラッド構造からなるPOF素線の外周に、外光の入射を防止するためカーボンブラック等の遮光剤を含有させたナイロン系樹脂(ポリアミド系樹脂)からなる光遮断被覆層が設けられる。
POFケーブルが、自動車内LAN通信用配線として、自動車のエンジンルーム近傍等のような高温環境下に敷設される場合には、オイルや電解液、ガソリン等の引火性物質が存在するため、耐熱性と同時に耐薬品性に優れることも要求される。そのため、POFケーブルの被覆材としてのナイロン系樹脂としては、耐熱性、耐屈曲性、耐薬品性等に優れたナイロン11(単独重合体)又はナイロン12(単独重合体)が適している。ナイロン11、ナイロン12は、被覆工程における成形性が良好で、かつ適度な融点を有しているため、PMMA系樹脂をコア材とするPOFケーブルの伝送性能を低下させることなく容易にPOF素線を被覆することができる。
光遮断被覆層は、ナイロン11及びナイロン12の一方のナイロン系樹脂から形成してもよいし、両方を混合して使用してもよい。また、必要に応じて、その他の重合体や化合物を添加して使用することもできる。このように他の重合体や化合物などの他成分を配合する場合には、50質量%以下の範囲内で他成分を添加することが好ましい。他成分が50質量%より多い場合には、ナイロン11、ナイロン12による特性が不十分になるため、バッテリー液耐性が低下したり、POFケーブルの熱寸法安定性が低下する傾向ある。本発明における光遮断被覆層を構成する材料は、ナイロン系樹脂を主成分とし、ナイロン系樹脂成分の含有量(ナイロン11とナイロン12の両方を含有するときは合計含有量)は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。
一般的に、ナイロン12等のナイロン系樹脂は、工業的にはアミンとカルボン酸の重縮合反応により得られる。しかし、ナイロン系樹脂の重合は化学平衡反応であるため、生成ポリマー中にナイロン系樹脂の原料に由来するモノマー、オリゴマーが残存することは避けられない。
本発明者らの検討によれば、POF素線に接するように、ナイロン11又はナイロン12からなる一次被覆層を設けたPOFケーブルは、105℃の高温環境下に長期間放置された場合、POFの伝送損失が著しく増大する現象が見られた。
本発明者らは、この原因についての詳細な解析を行い、その結果、上記の伝送損失が増大する原因は、これら原料由来の残存モノマーやオリゴマーが、一次被覆層や二次被覆層からPOF素線の内部に溶解・拡散して、POFの伝送損失の増大を引き起こしていることをつき止めた。
さらに、この現象は、クラッド最外層が、テトラフルオロエチレン(TFE)単位を含む含フッ素オレフィン系樹脂であって、その結晶融解熱がある一定以上の値であるものからなる場合に、この伝送損失の増大が著しいことを見出した。
上記のナイロン系樹脂原料に由来するモノマーとしては、ナイロン系樹脂を構成する脂肪族ジアミノ酸化合物、脂肪族ジカルボン酸化合物、アミノ脂肪族カルボン酸化合物等があり、具体的には、ナイロン11では11−アミノウンデカン酸、ナイロン12では12−アミノドデカン酸が挙げられる。さらに、アミノカルボン酸化合物の分子鎖末端が分子内でエステル環化結合して、環内にアミド結合(−CONH−)を有する環状ラクタム化合物等の副生成物も挙げられ、具体的には、ナイロン12ではラウリルラクタムが挙げられる。ここで、原料に由来するモノマーには、原料合成時に副生成物として生成した低分子化合物も含まれる。
一方、上記のナイロン系樹脂原料に由来するオリゴマーとしては、ナイロン系樹脂製造時の縮重合反応の過程で、前述した原料モノマー(前述の脂肪族ジアミノ酸化合物、脂肪族ジカルボン酸化合物、アミノ脂肪族カルボン酸化合物等)の2分子以上の分子鎖末端同士が分子間でエステル結合し、分子鎖末端にアミノ基(−NH)とカルボキシル基(−COOH)の両方、またはどちらか一方の官能基を有する化合物、あるいは、その化合物の分子鎖末端がさらに分子内でエステル環化結合して環内にアミド結合(−CONH−)を有する環状ラクタム化合物、さらに上記の化合物の分子間エステル結合した化合物、さらに分子内/分子間で副反応(脱アミノ化反応あるいは脱カルボキシル化反応)を起こし生成した化合物等が挙げられる。
前記モノマーやオリゴマーが直鎖状である場合は、その末端アミノ基が含フッ素オレフィン系重合体と高い親和性を有し、含フッ素オレフィン系重合体からなるクラッド層の内部に留まりやすい。そのため、クラッド材の透明性が低下し、POFケーブルの伝送特性が著しく低下する傾向がある。一方、前記モノマーやオリゴマーが環状ラクタム化合物である場合は、クラッド層の内層側(コアまたは第1クラッド層)の界面付近にまで移行して粒子状構造体を形成しやすい。そのため、POFのコア−クラッド界面、又はクラッドが多層である場合は、クラッド−クラッド界面における構造不整が増大し、POFケーブルの伝送特性が著しく低下する傾向がある。
上記オリゴマーは、低分子量である程、POF素線中への溶解・拡散が起こりやすくなる傾向があり、分子量2000以下ではその影響が特に顕著に現れる。
前述の通りPOFケーブルには耐熱性に優れていることが求められており、特に自動車内でPOFケーブルが使用される場合には、105℃環境下において5000時間を超える長期間にわたり伝送損失の増加量が小さいことが要求されている。
本発明のPOFケーブルでは、POFケーブルの長期耐熱性をより高いものとするために、光遮断被覆層が、ナイロン11及びナイロン12の少なくとも一方のナイロン系樹脂を主成分とする樹脂材料であって、かつこの材料中に含まれるナイロン系樹脂由来のモノマー化合物及びオリゴマー化合物の合計含有量が1.5質量%以下の範囲にある樹脂材料で形成されている必要がある。このモノマー化合物及びオリゴマー化合物の合計含有量は1.3質量%以下の範囲にあることが好ましく、1.0質量%以下の範囲にあることがより好ましく、0.8質量%以下の範囲であれば特に好ましい。光遮断被覆層中のモノマー化合物及びオリゴマー化合物の含有量が多すぎると、特に1.5質量%より多ければ、光遮断被覆層中のモノマー化合物及びオリゴマー化合物のPOF素線へ移行する量が大きくなり、伝送損失の低下が著しくなる。このように光遮断被覆層中のモノマー化合物及びオリゴマー化合物の合計含有量が上記の範囲内であれば、光遮断被覆層中のモノマー化合物及びオリゴマー化合物のPOF素線への移行が抑制される。
上記のオリゴマー化合物は、低分子量である程、POF素線中への溶解・拡散が起こりやすくなる傾向があり、分子量2000以下ではその影響が特に顕著に表れるため、分子量2000以下のオリゴマー化合物及びモノマー化合物の合計含有量が1.5質量%以下であることが好ましく、1.3質量%以下の範囲にあることがより好ましく、1.0質量%以下の範囲にあることがさらに好ましく、0.8質量%以下の範囲であれば特に好ましい。
ナイロン系樹脂中のモノマー化合物及びオリゴマー化合物を低減する方法としては、ナイロン系樹脂の重縮合反応時の温度、水分率、反応系内の原料/生成物濃度を制御する方法や、重合後のナイロン系樹脂を熱水抽出塔に供給して熱水で向流抽出する方法や、溶融したナイロン系樹脂を高温・高真空下で脱モノマー処理する方法など、公知の技術を用いることができる。
上記のようなモノマー化合物及びオリゴマー化合物の合計含有量が1.3質量%以下のナイロン系樹脂としては、例えば、ナイロン12ではダイセル・エボニック社製のDaiamide−L1600、L1640(商品名)、ナイロン11ではアルケマ社のRilsan BMF−0(商品名)等が挙げられる。
[機能被覆層(C又はD)を形成する樹脂組成物(I)]
本発明のプラスチック光ファイバケーブルは、光遮断被服層の外側に、機能被覆層(C)及び機能被覆層(D)を有する。機能被覆層(C)及び機能被覆層(D)は、後述する樹脂組成物(I)又は樹脂組成物(II)から形成され、機能被覆層(C)が樹脂組成物(I)から形成される場合は、機能被覆層(D)は樹脂組成物(II)から形成され、機能被覆層(C)が樹脂組成物(II)から形成される場合は、機能被覆層(D)は樹脂組成物(I)から形成される。
樹脂組成物(I)は、POFケーブルの柔軟性を確保するための機能を有し、樹脂組成物(II)は、優れた耐熱特性及び光学特性を確保するための機能を有するものである。機能被覆層として、樹脂組成物(I)と樹脂組成物(II)とを組み合わせて積層することにより、柔軟性を保持したまま、優れた耐熱特性及び光学特性を得ることが可能となり、敷設・加工時の取り扱いを容易にすることが可能となる。さらに後述するように、機能被覆層に難燃剤を含有させると、高い難燃特性を得ることが可能となる。
樹脂組成物(I)は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする樹脂組成物又はエチレン−ビニルアルコール共重合体を主成分とする樹脂組成物である。
樹脂組成物(I)で用いるポリブチレンテレフタレート系樹脂(以下、PBT樹脂と略す。)とは、1,4−ブタンジオール(テトラメチレングリコール)とテレフタル酸のエステル化反応、または1,4ブタンジオールとテレフタル酸ジメチルのエステル交換反応により得られたビスヒドロキシブチルテレフタレート(BHT)ないしはそのオリゴマーを重縮合して合成された、下記一般式(4)
で示されるオリゴポリ1,4−ブチレンテレフタレートの単位を主構成単位として含有する重合体のことである。
本発明に適しているPBT樹脂として、より具体的には、上記一般式(4)で示されるオリゴポリ1,4−ブチレンテレフタレートをハードセグメント単位(結晶相)として含有し、ソフトセグメント単位(非晶相)として、分子量が200〜5000の範囲にある脂肪族ポリエーテル(例えば、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)など)と、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジプロピル、テレフタル酸ジブチルのうち少なくとも1種類との重縮合で合成された下記一般式(5)で示されるブロック単位、又は下記一般式(6)で示されるポリ(ε−カプロラクトン)(PCL)やポリブチレンアジペート(PBA)のような脂肪族ポリエステルのブロック単位を含有することが好ましい。
(式中、pは4〜12の整数、qは2〜20の整数を示す。)
上記のPBT樹脂の中でも、特に、高温高湿下における、POFケーブルの光学性能や被覆層の引抜強度の耐久性を維持する点で、上記一般式(5)で示される脂肪族ポリエーテル単位を含むブロック単位をソフトセグメント単位として有するPBT樹脂が好適である。特に、オリゴポリ1,4−ブチレンテレフタレートからなるハードセグメント部分(A)(式(4)に示される構造)と、テレフタル酸あるいはテレフタレートと分子量が200〜600の範囲にあるポリテトラメチレングリコール(PTMG)との重縮合体からなるソフトセグメント部分(B)(式(5)においてp=4の場合の構造)とを含むブロック共重合体であるPBT樹脂が、高温高湿下における、POFケーブルの光学性能やPOFケーブルの柔軟性向上の点に優れていることから好ましい。
さらに、上記PBT樹脂においては、ハードセグメント部分(A)に含まれる1,4−ブチレンテレフタレート単位の総モル数(a)と、ソフトセグメント部分(B)に含まれる1,4−ブチレンテレフタレート単位の総モル数(b)の比(a/b)は、15/85〜30/70の範囲が好ましい。この比(a/b)が小さすぎると、ポリマー主鎖中のエーテル結合単位の数が増えるため、高温高湿下でPBT樹脂が加水分解による劣化を受けやすくなったり、ソフトセグメント含有量が増大するため、材料自体が柔軟になりすぎて変形を受け易くなるために引抜強度が低下する。逆に、この比(a/b)が大きすぎると、ハードセグメントの含有量が増大するために、融点が高くなり、保護被覆層の被覆安定性が低下したり、被覆工程における光遮断被覆層と保護被覆層(C)の間、又は機能被覆層(C)と機能被覆層(D)との間の熱融着性が低下したりする傾向がある。この比(a/b)は18/82以上がより好ましく、22/78以上がさらに好ましい。一方、この比は27/73以下がより好ましく、25/75以下がさらに好ましい。
さらに、上記PBT樹脂の融点は、155℃以上230℃以下の範囲にあることが好ましい。融点が低すぎると、後述する樹脂組成物(II)との結晶融解温度の差が大きくなりすぎて、機能被覆層を設ける際の成形安定性が低下する恐れがある。一方、融点が高すぎると、後述するような共押出被覆装置を用いて、POF素線の外周に機能被覆層を設ける際の熱履歴の影響によりPOFの光学特性を低下する恐れがある。PBT樹脂の融点は220℃以下がより好ましく、210℃以下がさらに好ましい。またPBT樹脂の融点は165℃以上がより好ましく、175℃以上がさらに好ましい。
さらに、上記PBT樹脂は、JIS K7215規格に準じて測定したショアD硬度が38〜85の範囲にあることが好ましい。ショアD硬度が低すぎると、高温での流動性が高くなる傾向があるため、被覆安定性が低下したり、材料自体が柔軟になりすぎ、変形しやすくなったりする傾向があるため、POF素線と光遮断被覆層との間の引き抜き強度が低下する。ショアD硬度が高すぎると、被覆工程における、POF素線と保護被覆層の間、及び/又は保護被覆層と光遮断被覆層の間の熱融着性が低下するため、POF素線と光遮断被覆層との間の引き抜き強度が低下する恐れがあったり、適度な柔軟性を発現させることが難しくなる。このショアD硬度は40以上がより好ましく、45以上がさらに好ましい。また、このショアD硬度は80以下がより好ましく、75以下がさらに好ましい。
このようなPBT樹脂の融点やショアD硬度は、上記ハードセグメント単位と上記ソフトセグメント単位の構成比や各々の分子量、あるいは重合体全体の分子量を調整することによって調整できる。
このようなPBT樹脂としては、例えば、東レ・デュポン社製のハイトレル(Hytrel)2551、2474、4047、4057、4767、7237F(商品名)や、ポリプラスチック社製のDYURANEX 400LP(商品名)、帝人化成社製のヌーベラン4400シリーズ(商品名)、東洋紡社製のペルプレンSタイプ、Pタイプ(P150M)(商品名)、三菱化学社製のプリマロイBシリーズ(商品名)等の中から選ぶことができる。中でも、難燃性に優れている点から、東レ・デュポン社製のハイトレル(Hytrel)7237F(商品名)を用いることがより好ましい。
上記のようなPBT樹脂を樹脂組成物(I)に用いることによって、POFケーブルの柔軟性をより一層向上することができる。
樹脂組成物(I)で用いるエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVAL共重合体と略す。)としては、特に制限されないが、エチレン単位とビニルアルコール単位の含有量比が、エチレン単位20〜70モル%、ビニルアルコール単位30〜80モル%の範囲にある共重合体が好ましい。特に、共重合体の融点が195℃以下、より好ましくは180℃以下の範囲にあり、210℃、荷重5kgf(49N)で測定したメルトフローインデックスが25〜80g/10分の範囲にあるものが、POFケーブルの成形安定性に優れ、柔軟性が高い点から好ましい。
また、EVAL共重合体は酸素遮断性が高いことから、高温環境下におけるPOFの酸化劣化による伝送損失の増大も抑制できる。
EVAL共重合体としては、例えば、クラレ社製のエバールE105、G156、F104、FP104、EP105、EU105(商品名)等が挙げられる。
[機能被覆層(C又はD)を形成する樹脂組成物(II)]
本発明のPOFケーブルにおける特徴の一つは、光遮断被覆層の外側に、特定の範囲にある酸素透過率を持つナイロン系樹脂組成物である樹脂組成物(II)からなる機能被覆層を設けて、POFケーブルが高温環境下で使用される場合の電子遷移吸収の増大を抑制することにある。この機能被覆層を設けることによりPOFケーブルに、耐熱性を損なわずに識別性を付与することができるばかりでなく、場合によっては耐熱性をさらに向上させることが可能なる。
樹脂組成物(II)は、示差走査熱量測定(DSC)による結晶融点が240℃以上280℃以下であり、且つISO14663−2:1999(Annex C)に定められた方法で測定した温度T(K)における酸素透過率P(cm・cm/(cm・sec・Pa))が、下記一般式(1)
P<8×10−2×exp(−5600/T) (1)
を満たすナイロン系樹脂組成物である。
なお、ここで一般式(1)が成立する温度T(K)の範囲は、283K(10℃)以上、333K(60℃)以下である。高分子材料の酸素透過率は、温度に対してアレニウス依存性を有することが良く知られており、さらにガラス転移温度の前後において、アレニウス依存性が変化する。本発明のナイロン66樹脂組成物のガラス転移温度は、それぞれ温度55〜65℃に存在している。従って、温度T(K)の上限は333K(60℃)である。一方、下限については、酸素透過率の測定精度の点から283K(10℃)以上である。
このようなナイロン系樹脂組成物としては、より高い耐熱性向上効果を得る点から、ナイロン66を主成分とするナイロン系樹脂組成物が好ましく、特に、その酸素透過率(P)が、T=296K(23℃)を一般式(1)に代入して得られる条件を満たすものが好ましい。
まず、ナイロン系樹脂組成物の結晶融点が240℃以上280℃以下である必要性について説明する。
ナイロン系樹脂においては、Brill転移温度と呼ばれる温度が存在することが知られている。このBrill転移温度においては、Brill転移と呼ばれる現象、すなわちポリマー主鎖のメチレンーアミド基間のねじれ運動が活発となり、アミド基の水素結合は保持されつつも、メチレン鎖のコンフォメーションの揺らぎや規則性の乱れを伴った大きな運動がおこりはじめる現象が起こり始める(Polymer,44(2003)、p6407−6417)。
Brill転移現象は、約40℃の温度範囲にわたって発現する現象であり、そのピーク最大値の温度をBrill転移温度と呼ばれている。ナイロン12(融点約180℃)のBrill転移温度は約140〜150℃付近、ナイロン6−12(融点約155〜160℃)のBrill転移温度は約120〜130℃付近に存在することが知られている。本発明者らの検討によれば、機能性被覆層の材料として、ナイロン12やナイロン6−12を含有するナイロン系樹脂組成物を用いた場合、POFケーブルが100℃の環境下に長期間放置された場合、ナイロン12やナイロン6−12中に含まれるナイロン樹脂由来の残存モノマーや残存オリゴマーがPOF素線中に移行して、光伝送性能が著しく低下することが判明した。そこで、本発明者らは、このナイロン12やナイロン6−12では、Brill転移温度は約120〜145℃付近に存在することから、残存モノマーや残存オリゴマーのブリーディングが起こりやすいと考え、より高いBrill転移温度を有するナイロン系樹脂組成物を機能性被覆層の材料として用いれば、この問題は改善できると考えた。
しかし、Brill転移温度は測定に特別な装置を使用するため、容易に測定できる指標値ではない。そこで本発明者らは、比較的容易に測定可能な指標値として、示差操作型熱量分析計(DSC)により測定する結晶融解温度(結晶融点)を用いることを検討した。その結果、機能性被覆層に用いるナイロン系樹脂組成物の結晶融点をある温度範囲に設定することにより、POFケーブルの耐久性能を十分なものにできることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち、機能被覆層を構成するナイロン系樹脂組成物の結晶融点が240℃より低ければ、POFケーブルが105℃の環境下に長期間おかれた場合、機能被覆層を構成するナイロン系樹脂の原料に由来する残存モノマーやオリゴマーが、機能被覆層からブリードアウトしてPOF素線に移行する現象を、抑制できないおそれがある。一方、結晶融点が280℃より高ければ、機能被覆層を被覆形成する温度を高く設定しなければならないため、特に300℃以上に設定すると、PMMAやMMAを主成分とする共重合体からなるコアを有するPOF素線や、ナイロン11やナイロン12等の比較的融点の低いナイロン系樹脂からなる光遮断被覆層が熱変形しやすくなり、POFケーブルの光学特性や熱収縮特性が損なわれる可能性がある。機能被覆層を構成するナイロン系樹脂組成物の結晶融点は240℃以上が好ましく、250℃以上がより好ましく、260℃以上がさらに好ましい。また、この結晶融点は、280℃以下が好ましく、275℃以下がより好ましく、270℃以下がさらに好ましい。
結晶融点が240℃以上280℃以下であるナイロン系樹脂組成物に含有されるナイロン系樹脂としては、具体的には、ナイロン66の単独重合体、または後述するようなナイロン66を主成分とするナイロン系樹脂組成物を挙げることができる。ここで、主成分とするとは、ナイロン系樹脂組成物の全体量を100質量%とした時、ナイロン66を50質量%以上含有することを意味し、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
ナイロン66(Bril温度の最大値は約150〜160℃、Polymer,42(2001)、p10119−10132)は、融点が265℃であり、温度23℃における酸素透過率は、P=約3×10−10〜4×10−10cm・cm/(cm・sec・Pa)、温度105℃における酸素透過率は、P=約1×10−8〜2×10−8cm・cm/(cm・sec・Pa)である。
樹脂組成物(II)に含まれるナイロン系樹脂由来のモノマー化合物及びオリゴマー化合物の合計含有量については、一般的に工業化されているナイロン系樹脂の含有レベルにあれば、本発明によるPOFケーブルは十分な耐熱性を得ることができる。樹脂組成物(II)中のモノマー化合物及びオリゴマー化合物の合計含有量は15質量%以下の範囲にあることが好ましく、10質量%以下の範囲にあることがより好ましく、5.0質量%以下の範囲であれば特に好ましい。これらの化合物の合計含有量の下限については特に制限はない。樹脂組成物(II)中のモノマー化合物及びオリゴマー化合物の合計含有量が上記の範囲内であれば、より十分な耐熱性を有するPOFケーブルが得られる。例えば、ナイロン系樹脂由来のモノマー化合物及びオリゴマー化合物の合計含有量が、0.1質量%以上、さらには0.5質量%以上であっても、機能被覆層として用いる場合には、十分な耐熱性を有するPOFケーブルを得ることができる。
なお、ナイロン系樹脂由来のモノマー化合物及びオリゴマー化合物とは、上述した通りであるが、具体的には、ナイロン66の場合、モノマーとはヘキサメチレンジアミンとアジピン酸、オリゴマーとはヘキサメチレンジアミンとアジピン酸からなる縮合化合物の4量体以下の環状オリゴマー及び鎖状オリゴマーを意味する。
ナイロン66としては、宇部興産社製のUBEナイロン2015B、2020B、2026B(商品名)や、東レ社製のアミランCM3007、CM3001−N、CM3006、CM3301、CM3304、CM3004(商品名)、旭化成ケミカルズ社製のレオナ1200S、1300S、1500、1700(商品名)や、BASF社製のUltramid 1000、1003、A3、N322、A3X2G5(商品名)、EMS・CHEMIE AG社製のGRILON ASシリーズ、AZシリーズ、AR、ATシリーズ(商品名)、DuPont社製のZytel 101、103、42A、408(商品名)を挙げることができる。
上述したPOFケーブルの波長650nmの伝送損失値は、105℃の高温環境下でも、長期間にわたり安定である。
次に、樹脂組成物(II)であるナイロン系樹脂組成物の酸素透過率(P)についてさらに説明する。
ナイロン系樹脂組成物の酸素透過率(P)が、前記式(1)の右辺の値より高くなると、POFケーブルが105℃の高温環境下に長期間置かれた場合、POFが置いてある環境中の酸素が、光遮断被覆層を透過して、POF素線の内部に溶解・拡散して、POF素線が酸化劣化を受ける傾向が大きくなる。その結果、POF素線のコア部やクラッド部における電子遷移吸収が増大して、伝送損失が増大する。酸素透過率(P)が、上記式(1)を満たせば、伝送損失の増大を大きく抑えることができる。
ナイロン系樹脂組成物の酸素透過率(P)は、さらに下記一般式(8)を満たすことが好ましく、
P<8×10−2×exp(−5800/T) (8)
下記一般式(9)を満たすことがより好ましく、
P<8×10−2×exp(−6000/T) (9)
下記一般式(10)を満たすことが特に好ましい。
P<8×10−2×exp(−6300/T) (10)
ナイロン系樹脂組成物の酸素透過率を低くするための方法としては、結晶化度を一定の範囲に制御する方法や、球晶サイズを一定の範囲に制御する方法を用いることが好ましい。
機能被覆層としてのナイロン系樹脂組成物の結晶化度は30%以上55%以下の範囲にあることが好ましい。結晶化度をこのような範囲に制御することにより、所望の酸素透過率を有するナイロン系樹脂組成物を得やすくなる。結晶化度が小さすぎると、POFケーブルが高温下で処理された際に後結晶化が発生するため、POFケーブルの寸法変化が生じたり、所望の酸素透過率が得られないため、105℃の環境下に長期間置かれた場合に、伝送損失の増加を抑制することが困難になったりする。結晶化度が大きすぎると、POFケーブルの曲げ弾性率が高くなるため、POFケーブルが取り扱い難くなったり、POFケーブルをボビンに巻き取って長期間保管しておくと巻き癖が付き易くなったりする等の問題が生じる。ナイロン系樹脂組成物の結晶化度の好ましい範囲の下限側は35%以上がより好ましく、上限側は50%以下がより好ましく、45%以下がさらに好ましい。
なお、結晶化度(X)とは、密度から下記一般式に従って算出するものとする。
結晶化度(X)=(ds−da)/(dc−da)
(da:非晶質の密度、dc:結晶質の密度、ds:試料の密度)。
機能被覆層を形成するナイロン系樹脂組成物は、顕微鏡観察による球晶サイズの平均直径が0.01μm以上40μm以下の範囲にあることが好ましい。
ここで、球晶サイズは、POFケーブルの機能被覆層から超薄切片を作製し、その切片を顕微鏡で観察し、球晶の写真を撮影した後、画像解析装置で球晶の直径の数平均を算出して得られる値である。
球晶サイズが小さすぎると、POFケーブルの機械的強度(特に、引っ張り強度)が低下する傾向がある。また、球晶サイズが大きすぎると、所望の酸素透過率が得られないため、POFケーブルが105℃の環境下に長期間置かれた場合に伝送損失が増加したり、POFケーブルの耐熱寸法安定性が損なわれたりする傾向がある。この球晶サイズ(平均直径)の好ましい範囲の下限側は1.0μm以上がより好ましく、5μm以上がさらに好ましく、上限側は30μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましく、10μm以下が特に好ましい。
ナイロン66の結晶化度や球晶サイズを一定の範囲に制御する方法としては、製造時の成形温度や冷却速度等を適当な範囲に制御する等の方法を挙げることができる。しかし、POFケーブルの性能を損なわずに製造することが可能な条件範囲では、所望する結晶化度や球晶サイズに制御することが困難である。そこで、本発明のPOFケーブルでは、樹脂組成物(II)としてのナイロン系樹脂組成物に結晶化促進剤(造核剤)や、後述する特定の難燃剤を含有させることが好ましく、これにより、球晶サイズを小さくしたり、結晶化度を上げたりすることができる。
結晶化促進剤としては、POF素線中に移行して、POFケーブルの光学性能に影響を与えない化合物が好ましい。このような結晶化促進剤としては、酸化マグネシウムや酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化鉄等の金属酸化物や、タルク、シリカ、グラファイト、炭化珪素等の無機微粒子、ナイロン6T、ナイロン66/6Tなどの高融点ポリアミドを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
樹脂組成物(II)としてのナイロン系樹脂組成物中の結晶化促進剤の含有量は、POFケーブルの105℃での耐熱性を損なわない範囲で適宜設定することができるが、ナイロン系樹脂組成物100質量%に対し、0.01〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.05〜5質量%の範囲がより好ましく、0.3〜3質量%の範囲がさらに好ましい。
[樹脂組成物(II)中の難燃剤]
本発明において、樹脂組成物(II)としてのナイロン系樹脂組成物に特定の難燃剤を含有させることにより、機能被覆層の酸素透過性を小さくすることができる。
自動車内通信用途で用いられるPOFケーブルには高い難燃性が要求されるため、機能被覆層に難燃剤を含有させることが好ましい。機能被覆層に難燃剤を含有させる場合、本発明のPOFケーブルでは、PMMA系樹脂からなるPOF素線、光遮断被覆層には難燃剤を含ませないことが好ましく、また各々の被覆層の材料は自己消火性を有さない点から、機能被覆層に難燃機能を担わせることが好ましい。
一般的にナイロン系樹脂に用いられる難燃剤としては、リン系化合物、臭素系化合物、塩素系化合物、トリアジン系化合物、水和金属系化合物が良く知られており、様々な用途で利用されている。
しかし、本発明者らの検討によれば、ある種の難燃剤は、POFケーブルが105℃の高温環境下に長期間置かれた場合に、光遮断被覆層とより内層に付与された機能被覆層を通過してPOF素線部に移行して、伝送損失の著しい増大を引き起こしたり、被覆材自体の劣化を引き起こしたり、あるいは十分な難燃性を達成するにはかなりの高配合量が必要となることから被覆層の機械的強度が著しく低下することが判明した。
本発明者らは、このような問題を解決できる難燃剤の探索・検討を行った結果、高分子量タイプの臭素系難燃剤を単独、又は高分子量タイプの臭素系難燃剤と酸化アンチモンを併用して、ナイロン系樹脂に対して特定の範囲内の量を添加して用いることが、本発明のPOFケーブルに最適であることを見出した。
すなわち、樹脂組成物(II)としてのナイロン系樹脂組成物の全体を100質量%とした場合に、臭素系難燃剤を樹脂組成物中の臭素原子含有量が1.5〜30質量%の範囲となる量で含有させることが好ましい。また、酸化アンチモンについては、ナイロン系樹脂組成物の全体を100質量%とした場合に、0.1〜20質量%の範囲の量で含有させることが好ましい。臭素原子の含有量が、1.5質量%より小さい場合にはPOFケーブルに十分な難燃性を付与することが困難となる傾向にあり、30質量%より大きい場合にはPOFケーブルの耐摩耗性や機械的強度が低下したり、POFケーブルの曲げ弾性率が高くなりすぎて取り扱い性が低下したりする恐れがある。臭素原子の含有量は5質量%以上がより好ましく、8質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上が特に好ましい。また、臭素原子の含有量は25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下が特に好ましい。
このような臭素系難燃剤の中でも、数平均分子量が900以上60,000以下の範囲にある臭素化ポリスチレン、ポリジブロモスチレン及びポリ(ペンタブロモベンジルアクリレート)から選ばれる少なくとも一種が特に好ましい。尚、ここで数平均分子量(Mn)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算分子量のMnを意味する。
上記臭素系難燃剤の分子量が900より小さい場合には、POFケーブルが105℃の高温環境下の長期間置かれた場合に臭素系難燃剤が機能被覆層からブリードアウトする傾向にあり、光遮断被覆層とより内層に付与された機能被覆層を通過してPOF素線に移行して伝送損失の著しい増大を引き起こしたり、あるいはPOFケーブルの表面に臭素系難燃剤がブリードアウトしてPOFケーブルの難燃性が低下したりするおそれがある。
上記臭素系難燃剤の分子量が60,000より大きい場合には、臭素系難燃剤の流動性や、ナイロン系樹脂組成物中への溶解性・分散性が低下することにより、POFケーブルの難燃性や機械的強度が低下したり、ケーブルの外観が損なわれたりする傾向がある。
臭素化ポリスチレン(BrPS)又はポリジブロモスチレン(PDBS)としては、下記一般式(11)で示される分子量900〜60,000の化合物を挙げることができる。
(ポリジブロモスチレンの場合はm=2、臭素化ポリスチレンの場合はm=2〜5。nは整数)
例えば、ブロモケム社製のFR−803P(商品名)、アルベマール社製のSAYTEX−HP−7010、HP−3010、PYROCHEK−68PB(商品名)、GLC社製のPB−411、PBDS−80、PBS−64HW、CP−411(商品名)、マナック社製のプラセフテイ−1200(商品名)が挙げられる。
臭素系難燃剤は単独で使用しても難燃性の向上効果が得られるが、酸化アンチモンと併用することにより、さらに難燃性を高めることができる。酸化アンチモンは、POFケーブルが高温環境下に長期間置かれた場合でもPOF素線へ移行することがないため、本発明のPOFケーブルに適している。このような酸化アンチモンとしては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンを挙げることができるが、低価格という点から五酸化アンチモンが好ましい。酸化アンチモンの含有量は、樹脂組成物(II)としてのナイロン系樹脂組成物の全体を100質量%としたとき、臭素原子含有量が1.5〜30質量%の範囲となる量の臭素系難燃剤に対して、酸化アンチモンを0.1〜20質量%の範囲で添加することが好ましい。
酸化アンチモンの含有量が20質量%を超える場合には、POFケーブルの耐摩耗性や機械的強度が低下したり、あるいはPOFケーブルの曲げ弾性率が高くなりすぎて取り扱い性が低下したりするなどの恐れがある。酸化アンチモンの含有量は15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。また臭素系難燃剤と酸化アンチモンを併用する場合には、臭素系難燃剤と酸化アンチモンの質量比(臭素系難燃剤/酸化アンチモン)を1/1以上4/1以下の範囲となるように設定することが好ましい。この質量比が高すぎると、酸化アンチモンを添加したことによる難燃化の相乗効果は不十分であり、この質量比が低すぎると、酸化アンチモンを過剰に添加していることになり、難燃性の著しい向上は見られない一方で、POFケーブルの耐摩耗性や機械的強度が低下したり、あるいはPOFケーブルの曲げ弾性率が高くなったりするおそれがある。臭素系難燃剤と酸化アンチモンの質量比は1.5/1以上がより好ましく、2/1以上がさらに好ましい。また、この質量比は3/1以下がより好ましく、2.5/1以下がさらに好ましい。
三酸化アンチモンは、日本精鉱社製のPATOXシリーズ(CZ等)、STOXシリーズ(商品名)、鈴裕化学社製のFCP AT−3、AT−3CN(商品名)等を挙げることができ、五酸化アンチモンは、日産化学社製のサンエポック(商品名)を挙げることができる。
[樹脂組成物(II)におけるの着色剤]
本発明のPOFケーブルでは、樹脂組成物(II)としてのナイロン系樹脂組成物に、特定の着色剤を添加したり、上述した難燃剤と特定の着色剤を組み合わせて添加することにより、機能被覆層の材料の結晶化度を高めたり、球晶サイズを小さくしたりして、酸素透過性を制御することができる。これにより、POFケーブルが高温環境下で使用される場合に波長650nmの伝送特性を安定に維持できる。
一般的な熱可塑性樹脂の着色剤としては、有機系色素と無機顔料が広く用いられているが、本発明であるPOFケーブルを識別するための着色剤としては、有彩色の無機系顔料を用いる。
本発明者らの検討によれば、機能被覆層に有機系色素を含有させたPOFケーブルが105℃の高温環境下の長期間置かれた場合、これらの有機色素が、光遮断被覆層とより内層に付与された機能被覆層を通過してPOF素線中に移行し、伝送損失の著しい増大を引き起こすことが判明した。一方で、無機顔料を用いた場合には、このような移行現象は見られず、POFケーブルが105℃の高温環境下で長期間置かれた場合でも、伝送損失に影響を与えないことを明らかにした。
無機顔料の含有量は、ナイロン系樹脂組成物の全体を100質量%とした場合に、0.1質量%以上10質量%以下の範囲にあることが好ましい。無機顔料の含有量が0.1質量%未満であると着色効果が不十分であり、鮮やかな色合いを出すことが困難になる傾向にある。無機顔料の含有量が10質量%を超える場合には、被覆材の機械的強度が低下して、耐摩耗性や耐接傷性が低下するおそれがある。無機顔料の含有量は0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、3質量%以上が特に好ましい。また、無機顔料の含有量は7質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。
無機顔料として、例えば、緑色が要求される場合にはセリウム又はランタンのうち少なくとも1つを含むレアメタル系化合物や、青色の場合には群青、紺青、黄色の場合は黄酸化鉄、赤色の場合は弁柄(三酸化二鉄)、白色の場合は酸化チタン、タルク、カオリン、黒色の場合はカーボンブラック、黒色酸化鉄等を挙げることができる。なかでも、群青、紺青、酸化鉄、弁柄、酸化チタン、レアメタル系化合物、カーボンブラックから選択される少なくとも一種の着色剤を好適に用いることができる。
[POFケーブルの構造と機能被覆層(C)及び機能被覆層(D)の配置の関係]
本発明のプラスチック光ファイバケーブルは、光遮断被服層の外側に、機能被覆層(C)及び機能被覆層(D)を有する。機能被覆層(C)及び機能被覆層(D)は、前述したように樹脂組成物(I)又は樹脂組成物(II)から形成されるが、機能被覆層(C)が樹脂組成物(I)から形成される場合は、機能被覆層(D)は樹脂組成物(II)から形成され、機能被覆層(C)が樹脂組成物(II)から形成される場合は、機能被覆層(D)は樹脂組成物(I)から形成される。
ただし、機能被覆層(C)が樹脂組成物(I)から形成され、機能被覆層(D)が樹脂組成物(II)から形成される場合と、機能被覆層(C)が樹脂組成物(II)から形成され、機能被覆層(D)が樹脂組成物(I)から形成される場合とでは、それぞれの厚みの関係が異なるので注意が必要である。以下に光遮断被覆層、機能被覆層(C)及び機能被覆層(D)の各層の厚みと、機能被覆層全体(機能被覆層(C)+機能被覆層(D)に対する機能被覆層(C)及び機能被覆層(D)の厚みの関係について説明する。
本発明では、コア−クラッド構造を有するPOF素線の外径をa(μm)、光遮断被覆層の厚みをb(μm)、機能被覆層(C)の厚みをc(μm)、機能被覆層(D)の厚みをd(μm)とした時、機械特性および耐熱特性の双方を両立する観点から、a,b,c,dの値を下記の式を満たす範囲に設定することが好ましい。
900≦a≦1100
200≦b≦350
500≦b+c+d≦660
光遮断被覆層の厚みbが200μmより小さい場合には、POFケーブルの耐薬品性が低下する恐れがあり、350μmより大きい場合には、光遮断被覆層に由来する残存モノマーやオリゴマーがPOF素線の光学特性に影響を及ぼす恐れがある。
被覆層全体の厚み(b+c+d)については、550μmより小さい場合には、自動車内における振動や、高温多湿な環境からPOF素線を保護する効果等、各層による効果が不十分になるおそれがある。逆に被覆層全体の厚みが660μmより大きい場合には、POFケーブルの曲げ弾性が大きくなり、ケーブル加工時の取り扱い性が低下する。
機能被覆層(C)の厚みc(μm)と機能被覆層(D)の厚みd(μm)は、下記式(2)又は(3)を満たすように設定する必要がある。
機能被覆層(C)が樹脂組成物(I)から形成され、機能被覆層(D)が樹脂組成物(II)から形成される場合は、下記式(2)を満たす必要がある。
0.39 ≦ c/(c+d) ≦0.9 (2)
この場合、機能被覆層(C)および機能被覆層(D)を合わせた厚み(c+d)に対する機能被覆層(C)の厚みcが占める割合が0.9よりも大きくなると、ケーブルの柔軟性が向上する反面、機能被覆層(D)がもつ酸化劣化の抑制機能が十分発現されず、高温環境下での伝送損失増大を招く恐れがある。反対に機能被覆層(C)の厚みcが占める割合が0.39よりも小さくなると、POFケーブルの曲げ弾性率が大きくなり、ケーブル加工時の取り扱い性が低下する問題が発生する恐れがある。
また、樹脂組成物(I)と樹脂組成物(II)の融点の違いにより、被覆層の燃焼時、内側に存在する樹脂組成物(I)が樹脂組成物(II)よりも先に溶融し、液状の溜りとなって落下する、いわゆるドロッピングを起こし、樹脂組成物(II)で形成された機能被覆層(D)の内層に空気の滞留する領域が生じるため、POFケーブルの難燃効果が低下する恐れがある。
以上の観点から、式(2)の上限値は、0.8以下が好ましく、0.75以下がより好ましい。また、式(2)の下限値は0.40以上が好ましく、0.41以上がより好ましい。
一方、機能被覆層(C)が樹脂組成物(II)から形成され、機能被覆層(D)が、樹脂組成物(I)から形成される場合は、下記式(3)を満たす必要がある。
0.15 ≦ c/(c+d) ≦0.7 (3)
この場合、機能被覆層(C)および機能被覆層(D)を合わせた厚み(c+d)に対する機能被覆層(C)の厚みcが占める割合が0.7より大きくなると、高い耐熱特性を発現する反面、POFケーブルの曲げ弾性率が大きくなり、ケーブル化工事の取り扱い性が低下する問題が発生する恐れがある。反対に機能被覆層(C)の厚みcが占める割合が0.15よりも小さくなると、POFケーブルの曲げ弾性率が小さくなり、より柔軟で取り扱いの容易なケーブルが得られる一方、酸化劣化抑制効果が十分発現されず、高温環境下での伝送損失増大を招く恐れがある。
以上の観点から、式(3)の上限値は、0.65以下が好ましく、0.6以下がより好ましい。また下限は0.20以上が好ましい。
[POFケーブルの被覆層の形成方法]
次に、本発明のPOFケーブルの被覆層の形成方法について説明する。
本発明におけるPOFケーブルの製造プロセスにおける被覆工程は、クロスヘッドダイを備えた押出被覆装置を用いて、POF素線の外周を被覆材で被覆することにより行うことができる。
POF素線を被覆する際の被覆温度Tの範囲は、光遮断被覆層の場合、190℃以上230℃以下であることが好ましい。被覆温度が190℃より低いと、被覆する樹脂が十分に溶融されず、塊となって被覆の厚み変動が大きくなったり、被覆樹脂の被覆装置配管中の流れが悪くなり、樹脂吐出不足を起こし、所望の厚み制御が困難になる。被覆温度が230℃より高くなると、POF素線が溶融しやすくなり、被覆工程の被覆樹脂供給圧力で外径変動を起こしたり、熱劣化による伝送損失の増加等を招く恐れがある。被覆層の厚みをより薄く均一に制御し、且つPOF素線の光学特性を維持するためには、被覆温度Tは200℃から220℃の範囲にあることがより好ましい。
機能被覆層(C)及び機能被覆層(D)を被覆する場合は、樹脂組成物の主材料にもよるが、機能被覆材料の融点M℃と示すとき、M+3℃以上、M+15℃以下とすることが好ましい。被覆温度がM+3℃より低いと、被覆する樹脂が十分に溶融されず、塊となって被覆の厚み変動が大きくなったり、被覆樹脂の被覆装置配管中の流れが悪くなり、樹脂吐出不足を起こし、所望の厚み制御が困難になる。被覆温度がM+15℃より高くなると、POF素線もしくは一次被覆ケーブルが溶融しやすくなり、被覆工程の被覆樹脂供給圧力で外径変動を起こしたり、熱劣化による伝送損失の増加等を招く恐れがある。被覆層の厚みをより薄く均一に制御し、且つPOF素線の光学特性を維持するためには、被覆温度Tは、M+5度以上、M+10℃以下の範囲にあることがより好ましい。但し、機能被覆層(C)と機能被覆層(D)の二層を一括で被覆する場合にはクロスヘッド部及びダイス・ニップル部の温度設定は機能被覆層(D)の設定に合わせて実施することが好ましい。
被覆装置は、図3に示すようなクロスヘッドを備えた装置(クロスヘッドダイ)を用いることが好ましい。POF素線は、クロスヘッドのダイス201とニップル202に設けられた軸線204に沿った経路を通過し、被覆された後に、ダイス201の先端面201aの開口からPOFケーブルとして外部へ押し出される。その際、このクロスヘッド内では、被覆樹脂流路203からの樹脂がPOF素線の外周へ被覆される。ダイス−ニップル部での被覆樹脂流路205と軸線204とのなす角度θ(ダイス−ニップルのテーパー角)が20度から70度となっていることが好ましい。すなわち、POF素線と被覆層を形成する材料が、POF素線の中心軸と被覆材料の流路205の流れ方向とのなす角が20度から70度の範囲で接触することが好ましい。θが20度未満では、POF素線に均一な厚みで被覆層を形成することがすることが困難であり、一方、70度を超えると、高温に加熱された被覆材料がPOF素線に与える熱や応力が大きくなり、POF素線の光学特性が劣化する場合がある。光遮断被覆層や、保護被覆層を形成する場合には角度θが30〜45度となるように形成されていることが好ましく、機能被覆層(C)及び機能被覆層(D)を形成する場合には、角度θが30〜60度となるように形成されていることが好ましい。
機能被覆層(C)として、樹脂組成物(I)、特にPBT樹脂を主成分とする樹脂を用いる場合には、光遮断被覆層と機能被覆層(C)との間に十分な密着性が発現されにくいため、クロスヘッド内の樹脂流路を減圧状態にし、光遮断被覆層と機能被覆層(C)の密着強度を高めることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
本発明の各実施例に対して実施した各種の評価は、下記に記載の評価方法に従って行った。各実施例のPOFケーブルの構成および評価結果を比較例とともに各表に示した。
[結晶融解熱(△H)及び結晶融点(Tm)の測定]
示差走査熱量計(DSC)(セイコーインスツル社製、商品名:DSC−220)を使用して測定を行った。サンプルを、昇温速度10℃/分で200℃まで昇温して5分間保持して溶融させた後、10℃/分で0℃まで降温して、再度昇温速度10℃/分で昇温、5分間保持、10℃/分で降温を行い、この時の結晶融解熱(△H)を求めた。また、結晶融解ピークの最大点を結晶融点とした。
[屈折率の測定]
溶融プレスにより厚さ200μmのフィルム状の試験片を形成し、アッベの屈折計を用い、室温23℃におけるナトリウムD線の屈折率(23)を測定した。
[ナイロン系樹脂中の低分子化合物(モノマー化合物およびオリゴマー化合物)の定量分析および定性分析方法]
ナイロン系樹脂のペレット50gとメタノール100mlを300mlナスフラスコに入れ24時間、攪拌しながら還流した。還流後、メタノールをビーカーに移し、新たなメタノールをナスフラスコに入れて更に24時間還流を行った。還流後、抽出したメタノール溶液の合計200mlを乾固させ、得られた乾固物の質量(Xg)を測定した。
この乾固物について、質量分析計(MS)(日本電子(株)製、商品名:SX−102)、熱抽出GC−MS(Agilent社製、商品名:HP5890/5972)による定性分析を行った。
また、この乾固物をメタノールに再度適当量溶解し、分取型サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(日本分析工業(株)製、商品名:LC−10)により、乾固物を分子量別に分けて採取した。さらに、採取物に対して、核磁気共鳴スペクトル測定(NMR)(日本電子(株)製、商品名:EX−270)による定性分析を行った。
なお、ナイロン系樹脂のペレット中に含まれる低分子化合物の含有量(モノマー化合物とオリゴマー化合物の合計含有量)は下記式(iX)により算出した。
〔含有量〕=X/50×100(質量%) (iX)。
[結晶化度(X)の測定]
25℃に管理された恒温水槽にn−ヘプタンと四塩化炭素からなる密度勾配管を作製し、試料を5mm×5mm程度の大きさにサンプリングして投入し、24時間後に読み取り、この読み取り値より密度dsを決定した。次いで、この密度dsを用いて、結晶化度(X)を下記一般式に従って算出した。
結晶化度(X)=(ds−da)/(dc−da)
(ここで、da:非晶質の密度、dc:結晶質の密度、ds:試料の密度)
ds、dcの値はX線回折法や赤外線スペクトルから求めた。ナイロン66の場合、da=1.09、dc=1.24を用いた。
[球晶サイズの測定]
POFケーブルの機能被覆層からミクロトームで超薄切片を切り出し、その切片を偏光顕微鏡で観察し、球晶の写真を撮影した後、画像解析装置で球晶の直径を20点測定して数平均を算出して、これを球晶サイズとした。
[耐熱試験方法]
波長650nm、励振NA=0.1の光を用い、25−1mのカットバック法により、初期のPOFケーブルの伝送損失及び、105℃のオーブン内にで5000時間放置した後のPOFケーブルの伝送損失を測定した。
[酸素透過率の測定]
ISO14663−2:1999(Annex C)に定められた方法に従って、以下のようにして被覆材料の酸素透過率を測定した。
機能被覆層を形成するためのナイロン系樹脂組成物を、圧縮成形機により加熱下に圧縮成形し、厚さ100μmのフィルム状試験片を作製し、米国、モコン(MOCON)社製の酸素透過率測定装置(機種名:OXTRAN(登録商標))を用い、温度23℃、湿度0%RHの条件下で酸素透過率[cm・cm/(cm・sec・Pa)]を測定した。
[難燃性試験]
難燃性試験は、DIN72551−5に準拠するに測定方法に基づいて行った。
なお、この測定方法は、電線用の難燃性測定法であるDIN72551−5を、光ファイバケーブルの難燃性を測定するために、次のように変更したものである。
すなわち、この測定法においては、燃焼時または燃焼後の電線を斜め45°に維持することが必要とされている。しかし、光ファイバケーブルは電線とは異なり、光ファイバが燃焼した際に光ファイバケーブルをこのような斜め45°に維持することが困難である。よって、光ファイバケーブルを燃焼時または燃焼後に斜め45°に維持するために、光ファイバケーブルの周囲に螺旋状に一対の銅線を、互いが交差するように巻き付けた状態で難燃性を測定する。この銅線としては直径0.7mmφのものを用い、螺旋周期は光ファイバケーブルの長手方向に20mm周期とする。
また、難燃性試験の合否の判定基準は、光ファイバケーブルにバーナーの炎を7秒間あてて着火した後、この炎を試料から遠ざけ、30秒以内に炎が消えたものを可とし、消えなかったものを不可とする。このような試験を10本のサンプルに対して行って、可の本数が8本以上である場合を「○」とし、それ未満の場合を「×」とした。併せて、30秒以内に炎が消えたものの本数を記録した。
[POFケーブルの曲げ弾性率の測定]
POF二次ケーブルを2つの固定点で固定し、ケーブル曲げ具を用いてPOFケーブルを中心軸に対して垂直に押圧した。固定点の間隔は15mmとした。押圧時、POFケーブルは、曲率半径5mmの円弧形状となった。ケーブル曲げ具が押圧開始から1mm変位したときのケーブル曲げ具にかかる応力(N)を測定し、曲げ弾性率(N/mm)とした。この結果から、二次ケーブルの曲げ弾性率の判定を、次のように行なった。
○:曲げ弾性率が、10N以上18N以内、
×:曲げ弾性率が、6N以上10N未満、又は、18Nを超過
曲げ弾性率が低すぎると、POFケーブルが軟らかくなるため、取り扱いの最中にPOFケーブルがねじれやすくなる。逆に、曲げ弾性率が高すぎると、POFケーブルが固くなるため、取り扱い性が低下したり、POFケーブルを専用ボビンに巻き取った状態で保管しておくと、POFケーブルに“巻き癖”が付きやすくなる。
[実施例1]
コア材としてPMMA(屈折率1.492)、第1クラッド材として3FM/17FM/MMA/MAA(組成比で51/31/17/1(質量%))からなる共重合体(屈折率1.416〜1.417)、第2クラッド材としてVdF/TFE/HFP(組成比で43/48/9(質量%)、屈折率1.375、結晶融解熱(△H)14mJ/mg)からなる共重合体をそれぞれ用いた。これらの重合体を溶融して、220℃の紡糸ヘッドに供給し、同心円状複合ノズルを用いて複合紡糸した後、140℃の熱風加熱炉中で繊維軸方向に2倍に延伸し、各クラッドの厚みが10μmで直径が1mmのPOF素線を得た。得られたPOF素線の波長650nmの伝送損失は130dB/kmと良好であった。
作製したPOF素線の外周に、光遮断被覆層として、カーボンブラックを1質量%添加した市販のナイロン12(ダイセル・エボニック社製、商品名:ダイアミド−L1640)を、210℃に設定したクロスヘッドダイを用いたクロスヘッドケーブル被覆装置で被覆し、光遮断被覆層(厚み250μm)を有する外径1.51mmのPOF一次ケーブルを得た。
得られたPOF一次ケーブルは、波長650nmの初期の伝送損失が134dB/kmと良好であった。光遮断被覆層のナイロン12に含まれるモノマーおよびオリゴマーの合計含有量は、1.18質量%であった。抽出後のメタノール溶液から得られた採取物の定性分析を行ったところ、抽出物は、ナイロン12の原料であるモノマー単量体(12−アミノドデカン酸およびω−ラウロラクタム)及びこのモノマーの二量体、三量体、四量体、さらにそれ以上の多量体(アミノ脂肪族カルボン酸化合物と環状ラクタム化合物)であった。
機能被覆層(C)として、群青(着色剤)を1.5質量%添加した難燃ポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂(東レ・デュポン社、商品名:ハイトレル(Hytrel)7237F)(樹脂組成物(I))、機能被覆層(D)として、ナイロン66(宇部興産社製、商品名:UBEナイロン2015B)を43.5質量%、臭素化ポリスチレン(アルベマール社製、商品名:HP−3010、GPCで測定したポリスチレン換算分子量50,000)を40質量%、五酸化アンチモン(日産化学社製、商品名:サンエポック)を15質量%、群青(着色剤)を2.0質量%の比率で配合したナイロン66樹脂組成物(樹脂組成物(II))を、それぞれ、235℃および275℃に設定した押出機へ供給し、275℃に設定したクロスヘッドダイを用いたクロスヘッドケーブル被覆装置で、POF一次ケーブルの外周に二層一括被覆し、機能被覆層(C)(厚み160μm)、機能被覆層(D)(厚み240μm)を有する外径2.31mmのPOF二次ケーブルを得た。
得られたPOF二次ケーブルは、波長650nmの初期の伝送損失が134dB/kmと良好であり、耐熱試験後の伝送損失も190dB/kmと良好であった。また、曲げ弾性率試験の結果は15Nであり、柔軟性の高いPOFケーブルを得た。また得られたPOFケーブルの難燃性も良好であった。
[実施例2〜4]
機能被覆層(C)と機能被覆層(D)の厚みを変更した以外は、実施例1と同様にしてPOFケーブルを得た。得られたPOFケーブルは伝送損失、耐熱性、柔軟性、難燃性いずれにおいても良好であった。それぞれの評価結果を表2に示す。
[実施例5〜7]
機能被覆層(D)に用いる樹脂組成物(II)を表3に示すPA66(B)〜PA66(D)に変更した以外は、実施例1と同様にしてPOFケーブルを得た。得られたPOFケーブルは伝送損失、耐熱性、柔軟性、難燃性いずれにおいても良好であったが、難燃剤である臭素化ポリスチレン及び五酸化アンチモンの添加量の違いにより耐熱性や曲げ弾性率に若干の違いが見られた。それぞれの評価結果を表2に示す。
[実施例8〜10]
機能被覆層(C)として樹脂組成物(II)を、機能被覆層(D)として樹脂組成物(I)を、表1に示すように用いた以外は、実施例1と同様にしてPOFケーブルを得た。得られたPOFケーブルは伝送損失、耐熱性、柔軟性、難燃性いずれにおいても良好であった。それぞれの評価結果を表2に示す。
[比較例1]
機能被覆層(C)を付与しなかった以外は実施例1と同様にしてPOFケーブルを得た。得られたPOFケーブルは、伝送損失、耐熱性、難燃性は非常に良好なものであったが、曲げ弾性率が26Nと高く、加工時等取り扱いの難しいPOFケーブルであった。得られた結果を表2に示す。
[比較例2〜3]
機能被覆層(C)の厚みを変更した以外は、実施例1と同様にしてPOFケーブルを得た。実施例1〜4と比較して、機能被覆層(C)の厚みが小さい比較例2〜3は、伝送損失、耐熱性は良好なものの、曲げ弾性率や難燃試験に不十分な結果が得られた。結果を表2に示す。
[比較例4]
機能被覆層(D)を付与しなかった以外は、実施例1と同様にしてPOFケーブルを得た。得られたPOFケーブルは、伝送損失、難燃性、柔軟性に優れるケーブルであったが、耐熱性に不十分な結果が得られた。結果を表2に示す。
[比較例5]
機能被覆層(C)の厚みを変更した以外は、実施例8〜10と同様にしてPOFケーブルを得た。得られたPOFケーブルは、初期伝損、耐熱性、難燃性は非常に良好なものであったが、機能被覆層(C)が厚いため曲げ弾性率が大きく増大した。結果を表2に示す。
[比較例6]
機能被覆層(C)の厚みを変更した以外は、実施例8〜10と同様にしてPOFケーブルを得た。得られたPOFケーブルは、初期伝損、難燃性、柔軟性は非常に良好なものであったが、機能被覆層(C)が薄いため耐熱性に不十分な結果が得られた。結果を表2に示す。
[比較例7]
光遮断被覆層としてカーボンブラックを1質量%添加した市販のナイロン12樹脂(EMS−CHEMIE社製、商品名:Grilamide L16A、モノマー及びオリゴマーの合計含有量が1.69質量%)を用いた以外は、実施例1と同様にしてPOFケーブルを得た。得られたPOFケーブルは、初期伝損、難燃性、柔軟性は非常に良好なものであったが、耐熱性が著しく劣る結果が得られた。結果を表2に示す。
[比較例8]
第2クラッド材としてVdF/TFE(組成比で80/20(質量%)、屈折率1.402、結晶融解熱(△H)60mJ/mg)からなる共重合体を用いた以外は、実施例1と同様にしてPOFケーブルを得た。得られたPOFケーブルは、初期伝損、難燃性、柔軟性は非常に良好なものであったが、耐熱性が著しく劣る結果が得られた。結果を表2に示す。
表中及び明細書中の略号は下記の化合物を示す。
VdF:フッ化ビニリデン、
TFE:テトラフルオロエチレン、
HFP:ヘキサフルオロプロピレン、
MMA:メタクリル酸メチル、
MAA:メタクリル酸、
3FM:メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、
17FM:メタクリル酸2−(パーフルオロオクチル)エチル、
PBT樹脂:ポリブチレンテレフタレート系樹脂(東レ・デュポン社、商品名:ハイトレル(Hytrel)7237F)、
PA12(A):ナイロン12(ダイセル・エボニック社製、商品名:ダイアミド−L1640)、
PA12(B):ナイロン12(EMS/CHEMIE社製、商品名:Grilamide L16A)、
PA66:ナイロン66(宇部興産社製、商品名:UBEナイロン2015B)、
BrPSt:臭素化ポリスチレン(アルベマール社製、商品名:HP−3010)、
AnOx:五酸化アンチモン(日産化学社製、商品名:サンエポック)、
本発明によるプラスチック光ファイバケーブルの一例の断面図である。 本発明に用いた被覆装置の一例の断面図である。
符号の説明
101 プラスチック光ファイバ素線(POF素線)
102 光遮断被覆層
103 機能被覆層(C)
104 機能被覆層(D)
201 ダイス
201a 先端面
202 ニップル
203 被覆材料の流路
204 POF素線101が通る経路の軸線
205 ダイス−ニップル部での被覆材料の流路

Claims (6)

  1. コアと該コアの外周に形成された1層又は2層以上からなるクラッド層を有するプラスチック光ファイバ素線と、その外周に被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルであって、
    前記コアは、ポリメタクリル酸メチル又はメタクリル酸メチルを主成分とする共重合体からなり、
    前記クラッド層は、テトラフルオロエチレン単位を含み且つ示差走査熱量測定(DSC)における結晶融解熱が40mJ/mg以下である含フッ素オレフィン系樹脂からなる層を少なくとも最外層に有し、
    前記被覆層は、内側から順に、光遮断被覆層、機能被覆層(C)、機能被覆層(D)からなり、
    前記光遮断被覆層は、遮光剤を含有し、ナイロン11及びナイロン12の少なくとも一種のナイロン系樹脂を主成分として含有する樹脂組成物から形成され、前記ナイロン系樹脂は、ナイロン系樹脂由来のモノマー化合物及びオリゴマー化合物の合計含有量がナイロン系樹脂中1.5質量%以下であり、
    前記機能被覆層(C)は、
    ポリブチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする樹脂組成物である樹脂組成物(I)から形成され、前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂が、JIS K7215規格に準じて測定したショアD硬度が38〜85であり、ハードセグメント単位(結晶相)として下記一般式(4)で示されるセグメントを有し、ソフトセグメント単位(非晶相)として下記一般式(5)で示されるセグメントを有し、

    (式中、pは4〜12の整数、qは2〜20の整数を示す。)
    前記機能被覆層(D)は、
    示差走査熱量測定(DSC)による結晶融点が240℃以上280℃以下の範囲にあり、且つISO14663−2:1999(Annex C)に定められた方法で測定した温度T(K)における酸素透過率P(cm・cm/(cm・sec・Pa))が、下記一般式(1)
    P<8×10−2×exp(−5600/T) (1)
    を満たす、無着色の又は無機顔料により着色されたナイロン系樹脂組成物である樹脂組成物(II)から形成され、
    前記機能被覆層(C)の厚みc(μm)と前記機能被覆層(D)の厚みd(μm)が、下記一般式(2)を満たすことを特徴とするプラスチック光ファイバケーブル。
    0.39 ≦ c/(c+d) ≦ 0.9 (2)
  2. コアと該コアの外周に形成された1層又は2層以上からなるクラッド層を有するプラスチック光ファイバ素線と、その外周に被覆層を有するプラスチック光ファイバケーブルであって、
    前記コアは、ポリメタクリル酸メチル又はメタクリル酸メチルを主成分とする共重合体からなり、
    前記クラッド層は、テトラフルオロエチレン単位を含み且つ示差走査熱量測定(DSC)における結晶融解熱が40mJ/mg以下である含フッ素オレフィン系樹脂からなる層を少なくとも最外層に有し、
    前記被覆層は、内側から順に、光遮断被覆層、機能被覆層(C)、機能被覆層(D)からなり、
    前記光遮断被覆層は、遮光剤を含有し、ナイロン11及びナイロン12の少なくとも一種のナイロン系樹脂を主成分として含有する樹脂組成物から形成され、前記ナイロン系樹脂は、ナイロン系樹脂由来のモノマー化合物及びオリゴマー化合物の合計含有量がナイロン系樹脂中1.5質量%以下であり、
    前記機能被覆層(C)は、
    示差走査熱量測定(DSC)による結晶融点が240℃以上280℃以下の範囲にあり、且つISO14663−2:1999(Annex C)に定められた方法で測定した温度T(K)における酸素透過率P(cm・cm/(cm・sec・Pa))が、下記一般式(1)
    P<8×10−2×exp(−5600/T) (1)
    を満たす、無着色の又は無機顔料により着色されたナイロン系樹脂組成物である樹脂組成物(II)から形成され、
    前記機能被覆層(D)は、
    ポリブチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする樹脂組成物である樹脂組成物(I)から形成され、前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂が、JIS K7215規格に準じて測定したショアD硬度が38〜85であり、ハードセグメント単位(結晶相)として下記一般式(4)で示されるセグメントを有し、ソフトセグメント単位(非晶相)として下記一般式(5)で示されるセグメントを有し、

    (式中、pは4〜12の整数、qは2〜20の整数を示す。)
    前記機能被覆層(C)の厚みc(μm)と前記機能被覆層(D)の厚みd(μm)が、下記一般式(3)を満たすことを特徴とするプラスチック光ファイバケーブル。
    0.15 ≦ c/(c+d) ≦ 0.7 (3)
  3. 前記樹脂組成物(II)が、ナイロン66を主成分とするナイロン系樹脂組成物である、請求項1又は2のいずれかに記載のプラスチック光ファイバケーブル。
  4. 前記樹脂組成物(II)が、臭素含有ポリスチレン又はポリ(臭素化ベンジルアクリレート)を臭素原子の含有量で1.5質量%以上30質量%以下含有するナイロン系樹脂組成物である、請求項1又は2のいずれかに記載のプラスチック光ファイバケーブル。
  5. 前記樹脂組成物(II)が、酸化アンチモンを0.1質量%以上20質量%以下含有するナイロン系樹脂組成物である、請求項1又は2のいずれかに記載のプラスチック光ファイバケーブル。
  6. 前記樹脂組成物(II)が、無機顔料を0.1質量%以上10質量%以下含有するナイロン系樹脂組成物である、請求項1又は2のいずれかに記載のプラスチック光ファイバケーブル。
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