JP4639409B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はパチンコ機等の遊技機に関するものであり、詳細には、図柄を変動表示可能な図柄表示装置を複数有する遊技機の図柄変動開始時間の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、実公平6−15611号公報に記載されているように、同一の遊技領域内に図柄を変動表示可能な複数の図柄表示装置を設け、その各々の図柄表示装置に対応した大入賞口をそれぞれ備えて、複数の遊技機の遊技内容を一つの遊技機に複合した遊技機(以下、「複合機」という。)が知られている。この複合機では、一つの遊技機で、二種類の遊技機の遊技を楽しめるという利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の複合機では、個々の図柄表示装置内部の制御機構はそれぞれ独立し関連性を持たない構成となっているため、一方の図柄表示装置の遊技内容が当たりとなっているときに、もう一方の図柄表示装置の遊技内容においても当たりが発生した場合には、遊技者はどちらかを優先して遊技を進行しなければならず、せっかく二つの遊技内容にて当たったにも係わらず、得られる対価は一つであり、複合機としての遊技性を損なうこととなっていた。
【0004】
本発明は、かかる事態を鑑み考え出されたものであり、複合機において、複数の当たりが同時に発生することを防止して、複合型の遊技機の遊技性を高めることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明の遊技機は、遊技機の主制御を司る主基板と、当該主基板からの図柄変動開始コマンドを受信して図柄を変動表示可能な複数の図柄表示装置と、当該複数の図柄表示装置の各々に対応して設けられ、前記複数の図柄表示装置に確定表示された図柄が所定図柄の場合には、遊技者に有利な特定遊技状態に変換可能な個別の変動入賞口を有する遊技機において、所定の条件の充足により特定遊技状態を生起するか否かを決定する当たり判定手段と、前記当たり判定手段にて、特定遊技状態を生起するか否かを決定した後に、図柄の変動を開始し、所定時間経過後、図柄を前記図柄表示装置に確定表示する図柄表示制御手段と、前記当たり判定手段が特定遊技状態を生起すると決定したときに、前記図柄表示装置に表示する当たり図柄を決定する当たり図柄決定手段と、少なくとも一つの図柄表示装置に確定表示される図柄が当たり図柄であると決定されているか、又は、少なくとも一つの変動入賞口が遊技者に有利な特定遊技状態に変換されている場合に、その他の図柄表示装置の図柄が変動を開始するまでの時間を、その他の場合より長時間にする遅延制御手段とを備え、前記遅延制御手段は、少なくとも一つの図柄表示装置に確定表示される図柄が当たり図柄であると決定されているか、又は、少なくとも一つの変動入賞口が遊技者に有利な特定遊技状態に変換されている場合に、変動前ディレーフラグをONにし、変動前ディレーフラグがONの場合には、前記主基板から前記その他の図柄表示装置に図柄の変動開始コマンドを送信せず、変動前ディレーフラグがOFFの場合には、前記主基板から前記その他の図柄表示装置に図柄の変動開始コマンドを送信することを特徴とする。
【0006】
この構成の遊技機では、少なくとも一つの図柄表示装置に確定表示される図柄が当たり図柄であると決定されているか、又は、少なくとも一つの変動入賞口が遊技者に有利な特定遊技状態に変換されている場合に、遅延制御手段は、その他の図柄表示装置の図柄が変動を開始するまでの時間を、その他の場合より長時間にする。従って、複合機において、当たりが同時に発生することを防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0008】
まず、本発明の実施例であるパチンコ機1についての機械的構成について、図面を参照して説明する。図1はパチンコ機1の正面図である。図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、略正方形の遊技盤2が設けられ、遊技盤2には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。パチンコ機1の遊技盤2の下方部には、図示外の発射機に遊技球を供給し、賞品球を受ける上皿5が設けられ、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には、発射ハンドル7が設けられている。
【0009】
次に、パチンコ機1の遊技盤2の機械的構造について、図1を参照して説明する。遊技盤2のガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4内の左側には、3桁の7セグメントのLED(発光ダイオード)表示装置を備えた左特別図柄表示装置8が設けられ、その左特別図柄表示装置8の右隣にも、3桁の7セグメントのLED表示装置を備えた右特別図柄表示装置9が設けられている。また、左特別図柄表示装置8の左上方には電飾風車10が設けられ、右特別図柄表示装置9の右上方にも電飾風車11が設けられている。さらに、左特別図柄表示装置8の直下には左特別図柄始動ゲート12が設けられ、右特別図柄表示装置9の直下にも右特別図柄始動ゲート13が設けられている。
【0010】
また、左特別図柄始動ゲート12の直下には、普通入賞口14が設けられており、右特別図柄始動ゲート13の直下にも、普通入賞口15が設けられている。さらに、右特別図柄始動ゲート13の右横には、後述する右大入賞口17を開閉するための始動口を備えた回転体16が設けられ、回転体16の直下には、開閉部材を備えた右大入賞口17が設けられている。また、普通入賞口14の直下には開閉蓋を備えた左大入賞口18が設けられ、普通入賞口15の直下には、前記右大入賞口17を開閉させるための権利を取得するための遊技球の停留部を内部に備えた電動役物19が設けられている。
【0011】
また、左大入賞口18の左上方には、普通入賞口20が設けられ、遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収するアウト口21が設けられている。このパチンコ機1は、上記の説明でも分かるように遊技領域4の左半分が第1種の遊技機(以下、「左側装置4a」という。)となっており、また、遊技領域4の右半分が第3種の遊技機(以下、「右側装置4b」という。)となっている所謂複合機である。
【0012】
また、左特別図柄表示装置8の左右の枠部分には各々2個ずつのLEDから成る特別図柄始動保留部(図示外)が設けられており、左特別図柄始動ゲート12を通過した所謂保留球の数を表示することができるようになっている。また、右特別図柄表示装置9の左右の枠部分にも各々2個ずつのLEDから成る特別図柄始動保留部(図示外)が設けられており、右特別図柄始動ゲート13を通過した所謂保留球の数を表示することができるようになっている。なお、遊技盤2には、上記以外に、種々の電飾ランプ、風車及び多数の障害釘等が設けられている。
【0013】
次に、左特別図柄表示装置8及び右特別図柄表示装置9の構造を説明する。左特別図柄表示装置8は、3桁の7セグメントLEDからなる表示部で、3桁の7セグメントLEDの左から、第1停止図柄表示部、第3停止図柄表示部、第2停止図柄表示部となっており、この左特別図柄表示装置8の3桁の7セグメントLEDに変動表示される数字は、左、右、中の順で停止するようになっている。また、右特別図柄表示装置9も、3桁の7セグメントLEDからなる表示部で、3桁の7セグメントLEDの左から、第1停止図柄表示部、第3停止図柄表示部、第2停止図柄表示部となっており、この右特別図柄表示装置9の3桁の7セグメントLEDに変動表示される数字も、左、右、中の順で停止するようになっている。なお、上記左特別図柄表示装置8及び右特別図柄表示装置9は、7セグメントLEDに限られず、液晶表示装置、CRT、ドットマトリクスLED等の各種の画像表示装置が使用可能であることは言うまでもない。
【0014】
上記左特別図柄表示装置8及び右特別図柄表示装置9の第1停止図柄表示部、第2停止図柄表示部、第3停止図柄表示部に各々表示される図柄の一例としては、数字の「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」の10種類があり、左特別図柄始動ゲート12を遊技球が通過して、左特別図柄表示装置8の第1停止図柄表示部、第2停止図柄表示部、第3停止図柄表示部の3つの図柄が特定の同じ数字で揃った場合(例えば、「7」が3つ揃った場合)には、左側装置4aが当たりとなり、また、右特別図柄始動ゲート13を遊技球が通過して、右特別図柄表示装置9の第1停止図柄表示部、第2停止図柄表示部、第3停止図柄表示部の3つの図柄が特定の同じ数字で揃った場合には、右側装置4bが当たりとなる。
【0015】
また、前記10図柄の内、「1,3,5,7,9 」を確率変動図柄(特定当たり図柄)とし、これらの内の何れかの図柄が第1停止図柄表示部、第2停止図柄表示部、第3停止図柄表示部に同じ図柄で揃った場合には、確率変動突入とし、次の当たりを引く確率を高くするように変更する。当たりの確率は、一例としては、通常状態では、359分の1であり、確率変動状態では、89.75分の1であるが、必ずしもこの値に限られるものではない。なお、「0,2,4,6,8」を非確率変動図柄(非特定当たり図柄又は通常図柄)とする。
【0016】
次に、本実施例のパチンコ機1の電気的構成について図2に示すブロック図を参照して説明する。パチンコ機1の制御部40は、パチンコ機1の裏側に設けられ、主基板41と、電飾基板42と、中継基板43とから構成されている。主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行うCPUユニット44が設けられている。このCPUユニット44には、各種の演算処理を行うCPU44aと、後述するフラグやカウンタ値等を記憶するRAM45と、制御プログラム及び各種の初期値のデータやテーブルデータ等を記憶したROM46とが設けられており、これらは一つのLSIとして一体にモールディングされている。また、主基板41には、電飾基板42、中継基板43等とデータ信号の送受信を行うI/Oインターフェース47が設けられている。このI/Oインターフェース47には、左特別図柄表示装置8、右特別図柄表示装置9、スピーカー48に接続された音源装置48a、賞品球払出装置49、及び、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート58が接続されている。
【0017】
また、電飾基板42には、図示外の制御回路が設けられ、さらに、特別図柄始動保留部を構成する特別図柄記憶数表示LED60、その他のLED62及び電飾ランプ63が接続されている。さらに、中継基板43には、左大入賞口開放ソレノイド50、右大入賞口開放ソレノイド51、左特別図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する左始動口スイッチ52、右特別図柄始動ゲート13を通過した遊技球を検出する右始動口スイッチ53、左大入賞口17内のVゾーンに入賞した遊技球を検出する左Vスイッチ54、電動役物19の停留部に停留した遊技球を検出する右Vスイッチ55、左大入賞口18に入賞した遊技球数を計数するための左カウントスイッチ56、右大入賞口17に入賞した遊技球数を計数するための右カウントスイッチ65、普通入賞口14,15,20に入賞して遊技盤2の裏面に設けられた図示外の案内通路により入賞球集合部(図示外)に集められた入賞球を検出する入賞口スイッチ66、回転体16の始動口への遊技球の入賞を検出する回転体入賞スイッチ61,電動役物19を開閉する電動役物開放ソレノイド64とが接続されている。
【0018】
次に、図3を参照して、RAM45の記憶エリアについて説明する。RAM45には、ループカウンタ記憶エリア45a、左特別図柄乱数記憶エリア45b、右特別図柄乱数記憶エリア45c、左特別図柄始動入賞数記憶エリア45d、右特別図柄始動入賞数記憶エリア45e、初期設定記憶エリア45f、左当たりフラグ記憶エリア45g、右当たりフラグ記憶エリア45h、左確率変動フラグ記憶エリア45i、右確率変動フラグ記憶エリア45j、左変動開始フラグ記憶エリア45k、右変動開始フラグ記憶エリア45l、左変動許可フラグ記憶エリア45m、右変動許可フラグ記憶エリア45n、左図柄変動中フラグ記憶エリア45o、右図柄変動中フラグ記憶エリア45p、左変動前ディレーフラグ記憶エリア45q、右変動前ディレーフラグ記憶エリア45rが設けられている。
【0019】
また、パチンコ機1のRAM45のループカウンタ記憶エリア45aには、当たり判定用ループカウンタLC1、特別図柄作成カウンタLC2,LC3,LC4、リーチ判定カウンタLC5、リーチパターン決定カウンタLC6等が各々記憶されている。これらのカウンタは設定された範囲の数値内を循環するように、図2に示すリセット回路57からのリセット信号に従って、一定間隔の時間(例えば、0.002秒、以下「2ms」と略す。)毎に所定量ずつインクリメントされ、各々設定されている最大値になると、次は、「0」に戻るように構成されている。
【0020】
次に、各カウンタについて以下に詳述する。まず、当たり判定用ループカウンタLC1のカウント値は、当たりを判定するために使用され、電源投入時は「0」からスタートし、1割込毎(2ms)に1加算され、359以上で0クリアされるので、カウント値は、「0」から「358」までの何れかの値になる。
【0021】
次に、特別図柄作成カウンタLC2のカウント値は、左側装置4a及び右側装置4bのそれぞれにおいて、当たりの場合の当たり図柄を決定するために使用され、電源投入時は「0」からスタートし、1割込毎(2ms)に1加算され、10以上で0クリアされるので、カウント値は、「0」から「9」までの何れかの値になる。
【0022】
また、特別図柄作成カウンタLC2のカウント値は、はずれリーチの場合に、第1停止図柄、第2停止図柄を決定するために使用され、電源投入時は「0」からスタートし、1割込毎(2ms)に1加算され、10以上で0クリアされるので、カウント値は、「0」から「9」までの何れかの値になる。さらに、はずれの場合は、第1停止図柄を決定するために使用される。また、特別図柄作成カウンタLC3のカウント値は、はずれの場合は、第2停止図柄を決定するために使用され、特別図柄作成カウンタLC2が「9」から「0」にクリアする時に1加算され、10以上で0クリアされるので、カウント値は、「0」から「9」までの何れかの値になる。さらに、特別図柄作成カウンタLC4のカウント値は、はずれの場合は、第3停止図柄を決定するために使用され、特別図柄作成カウンタLC3が「9」から「0」にクリアする時に1加算され、10以上で0クリアされるので、カウント値は、「0」から「9」までの何れかの値になる。なお、上記の場合の停止図柄は、特別図柄作成カウンタLC2,LC3,LC4のカウント値「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」に対応して、各々「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」の図柄が表示される。
【0023】
次に、リーチ判定カウンタLC5のカウント値は、はずれリーチを判定するために使用される。また、リーチパターン決定カウンタLC6のカウント値は、当たり又ははずれリーチと判定された場合のリーチパターンを決定するために使用され、また、はずれリーチ時の第3停止図柄を決定するためにも使用される。
【0024】
次に、図4を参照して、ROM46の記憶エリアについて説明する。図4は、ROM46の記憶エリアを示す模式図である。図4に示すように、ROM46には、各種の制御プログラムを記憶した制御プログラム記憶エリア46aが設けられている。
【0025】
次に、本実施例のパチンコ機1の作動内容の詳細について、図5のフローチャートにしたがって説明する。フローチャートのステップについては、以下「S」と略す。図5は、パチンコ機1のメインルーチンのフローチャートである。図5に示すフローチャートのメインルーチンは、一定間隔の時間(例えば、2ms)で、図2に示すリセット回路57が発生するリセット信号に従って、主基板41のCPU44aがスタートから順に処理を行い、スタートから終了までの処理を、2ms以内で行うようになっている。従って、2ms間隔でリセット信号が入力されるごとに、スタートから処理が繰り返し行われる。なお、図5に示すフローチャートの処理を行うプログラムはROM46の制御プログラム記憶エリア46aに記憶されている。
【0026】
図5に示すフローチャートでは、まず、最初のリセット信号が入ると、スタックポインタの指定アドレスをセットするためのスタックポインタセット処理を行う(S1)。次いで、RAM45の記憶内容をチェックするRAMチェックが行われる(S2)。このRAMチェック(S2)は、電源投入時の初期設定処理が行われているか否かを判断するものである。このとき、RAM45の初期設定記憶エリア45fにS3に示す電源投入時初期設定処理で書き込まれる所定の数値が書き込まれているか否かが判断される。初期設定記憶エリア45fに所定の数値が書き込まれていない場合は(S2:NO)、電源投入後の初期処理が行われていない状態であるので、電源投入時初期設定処理が行われる(S3)。この処理では、RAM45の各記憶エリアの記憶値をリセットし、さらに、ループカウンタ記憶エリア45aに記憶されている各ループカウンタの値を各々初期値(例えば、「0」)にセットし、初期設定記憶エリア45fに所定の数値を記憶させる。
【0027】
次のリセット信号で、また、スタートから処理が行われる。まず、RAMチェック(S2)では、初期設定記憶エリア45fに所定の数値が書き込まれているので、RAM45は正常と判断され(S2:YES)、次の液晶画面コマンド出力処理(S4)に移行する。この液晶画面コマンド出力処理(S4)では、I/Oインターフェース47を介して、左特別図柄表示装置8に液晶画面の表示を制御する信号が送られる。次いで、音コマンド出力処理(S5)に移行する。この音コマンド出力処理(S5)では、I/Oインターフェース47を介して、音源装置48aにスピーカー48を駆動するための信号が送られる。次いで、ランプコマンド出力処理を行う(S6)。このランプコマンド出力処理(S6)では、パチンコ機1に設けられている各種のランプの点滅の制御を行う信号を電飾基板42へ出力する。次いで、ポート出力処理を行う(S7)。このポート出力処理(S7)では、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の当たり情報、始動情報、確率変動情報、時間短縮情報等の各種の情報を出力ポート58を介して出力する。
【0028】
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S8)。このスイッチ読込処理(S8)では、左特別図柄始動ゲート12、右特別図柄始動ゲート13、回転体16、右大入賞口17、左大入賞口18、電動役物19、普通入賞口14、普通入賞口15、普通入賞口20等への遊技球の入賞を検出するものである。
【0029】
左特別図柄始動ゲート12を遊技球が通過した場合は、4個まで、入賞数がRAM45の左特別図柄始動入賞数記憶エリア45dに記憶され、所謂、保留状態になる。また、右特別図柄始動ゲート13を遊技球が通過した場合は、4個まで、入賞数がRAM45の右特別図柄始動入賞数記憶エリア45eに記憶され、保留状態になる。
【0030】
また、左特別図柄始動ゲート12を遊技球が通過した場合は、左特別図柄始動ゲート12に設けられている左始動口スイッチ52が遊技球の通過を検出し、ループカウンタ記憶エリア45aに記憶されている当たり判定用ループカウンタLC1、特別図柄作成カウンタLC2,LC3,LC4、リーチ判定カウンタLC5、リーチパターン決定カウンタLC6の値をRAM45の左特別図柄乱数記憶エリア45bに記憶する。また、右特別図柄始動ゲート13を遊技球が通過した場合は、当該右特別図柄始動ゲート13に設けられている右始動口スイッチ53が遊技球の通過を検出し、ループカウンタ記憶エリア45aに記憶されている当たり判定用ループカウンタLC1、特別図柄作成カウンタLC2,LC3,LC4、リーチ判定カウンタLC5、リーチパターン決定カウンタLC6の値をRAM45の右特別図柄乱数記憶エリア45cに記憶する。
【0031】
ここで、図6及び図7を参照して、左特別図柄乱数記憶エリア45b及び右特別図柄乱数記憶エリア45cについて説明する。図6は、左特別図柄乱数記憶エリア45bの模式図であり、図7は、右特別図柄乱数記憶エリア45cの模式図である。左特別図柄乱数記憶エリア45bには、左特別図柄始動ゲート12への遊技球の通過時に、当たり判定用ループカウンタLC1、特別図柄作成カウンタLC2,LC3,LC4、リーチ判定カウンタLC5、リーチパターン決定カウンタLC6の各々のカウント値を乱数として取得して記憶できる記憶エリア1乃至記憶エリア4の4つの記憶エリアと、当たりの判定処理を行うために記憶エリア1に記憶された前記各乱数をシフトして記憶する判定エリアが1つ設けられており、併せて5つの記憶エリアが設けられている。
【0032】
同様に、右特別図柄乱数記憶エリア45cにも、右特別図柄始動ゲート13への遊技球の通過時に、当たり判定用ループカウンタLC1、特別図柄作成カウンタLC2,LC3,LC4、リーチ判定カウンタLC5、リーチパターン決定カウンタLC6の各々のカウント値を乱数として取得して記憶できる記憶エリア1乃至記憶エリア4の4つの記憶エリアと、当たりの判定処理を行うために記憶エリア1に記憶された前記各乱数をシフトして記憶する判定エリアが1つ設けられており、併せて5つの記憶エリアが設けられている。
【0033】
なお、前記スイッチ読込処理(S8)では、左特別図柄始動ゲート12への遊技球の通過数を4個まで、左特別図柄始動入賞数記憶エリア45dに記憶でき、また、右特別図柄始動ゲート13への遊技球の通過数を4個まで、右特別図柄始動入賞数記憶エリア45eに記憶できる。ここで、左特別図柄始動ゲート12を遊技球が通過すると、入賞球数が4未満であれば、当たり判定用ループカウンタLC1、特別図柄作成カウンタLC2,LC3,LC4、リーチ判定カウンタLC5、リーチパターン決定カウンタLC6の各乱数を左特別図柄乱数記憶エリア45bの記憶エリア1乃至記憶エリア4に順次記憶させ、それに対応した特別図柄始動保留部のLEDが点灯する。従って、最大の保留数は4回である。また、右特別図柄始動ゲート13を遊技球が通過すると、入賞球数が4未満であれば、当たり判定用ループカウンタLC1、特別図柄作成カウンタLC2,LC3,LC4、リーチ判定カウンタLC5、リーチパターン決定カウンタLC6の各乱数を右特別図柄乱数記憶エリア45cの記憶エリア1乃至記憶エリア4に順次記憶させ、それに対応した特別図柄始動保留部のLEDが点灯する。従って、この場合も最大の保留数は4回である。
【0034】
スイッチ読込処理(S8)が終了すると、次いで、ループカウンタ更新処理(S9)を行う。このループカウンタ更新処理(S9)では、ループカウンタ記憶エリア45aに各々記憶されている当たり判定用ループカウンタLC1、特別図柄作成カウンタLC2,LC3,LC4、リーチ判定カウンタLC5、リーチパターン決定カウンタLC6の値を所定量だけ増加する(インクリメントする)。なお、各ループカウンタに設定されている最大値を越える場合には、各ループカウンタの値は0クリアされ、「0」に戻るようにプログラムされている。従って、当たり判定用ループカウンタLC1のカウント値は、「0」〜「358」の何れかとなる。
【0035】
次に、パチンコ機1にエラーが発生しているか否かが判断され(S10)、パチンコ機1にエラーが発生してる場合には(S10:YES)、条件装置処理(S11)、特別図柄処理(S12)を飛ばして処理を行い、左特別図柄表示装置8にエラー表示等をさせる。エラーが発生していないときには(S10:NO)、条件装置処理(S11)に進む。
【0036】
次いで、この条件装置処理(S11)では、右大入賞口17、左大入賞口18の開放、閉鎖、左特別図柄表示装置8、右特別図柄表示装置9のLEDへの当たりデモ表示処理等が行われる。一巡目の処理では、後述する特別図柄処理(S12)での当たり判定処理がまだ行われていないので、条件装置処理(S11)では、何も行われず次の処理に進む。次いで、特別図柄処理(S12)が行われる。この特別図柄処理(S12)では、後述する図柄変動許可判定処理、当たり判定処理、遊技状態判定処理、図柄変動開始処理が行われる。
【0037】
なお、特別図柄処理(S12)が終了すると、次に、賞品球の払い出しを行う払出制御(S13)が行われ、枠ランプ制御(S14)を経てメインルーチンの処理が終了する。なお、このメインルーチンの処理は各サブルーチンの処理を含めて、2ms以内に終了する。そして、リセット回路57からのリセット信号により、CPU44aは、図5に示すメインルーチンの処理を、スタートから繰り返し行う。従って、図5に示すメインルーチンの処理が、2ms単位で繰り返されていることになる。先の一巡目のメインルーチンの処理の特別図柄処理(S12)で当たり状態と判定されれば、RAM45の左当たりフラグ記憶エリア45g又は右当たりフラグ記憶エリア45hに「1」が記憶され、当たりフラグがONし、次の二巡目の条件装置処理(S11)では、右大入賞口17、左大入賞口18の開放、閉鎖の動作が所定回数(例えば、16回等)行われる。
【0038】
なお、上記のパチンコ機1は、遊技盤2の下側に設けられた発射ハンドル7を操作することによって、遊技球を遊技領域4に打ち込めるようになっており、その遊技球が右大入賞口17、左大入賞口18に入賞した場合には、例えば、15個の賞品球を、その他の入賞口に入賞した場合には、例えば、5個の賞品球を、賞品球払出装置49により払い出すようになっている。なお、右側装置4bは、第3種の遊技機であるため、右特別図柄表示装置9に同じ数字が揃って当たり状態になったときには、まず、電動役物19が略5秒間開放されるので、電動役物19の中央部に設けられている停留部に遊技球を1個停留する。すると、右Vスイッチ55が、遊技球を検出して、権利が発生する。次いで、回転体16の上部に遊技球を1個乗せると回転体16の回転に伴って、遊技球が回転体16の入賞口に入賞して、回転体入賞スイッチ61により検出される、右大入賞口開放ソレノイド51が起動して、右大入賞口17が略20秒間開放される。なお、右カウントスイッチ65が右大入賞口17への遊技球の入賞を10個カウントした場合には、右大入賞口17は閉鎖される。
【0039】
ここで、遊技者が、遊技盤2の下側に設けられた発射ハンドル7を操作することによって、遊技球を遊技領域4の左側装置4aに打ち込み、遊技球が左特別図柄始動ゲート12を通過すると、図5に示すメインルーチンのスイッチ読込処理(S8)において、遊技球の左特別図柄始動ゲート12の通過が検出される。具体的には、左特別図柄始動ゲート12に設けられている左始動口スイッチ52が遊技球の通過を検出したときに、ループカウンタ記憶エリア45aに記憶されている当たり判定用ループカウンタLC1、特別図柄作成カウンタLC2,LC3,LC4、リーチ判定カウンタLC5、リーチパターン決定カウンタLC6の値を乱数として左特別図柄乱数記憶エリア45bの記憶エリア1乃至記憶エリア4の何れかに記憶する。
【0040】
左始動口スイッチ52が1個目の遊技球の通過を検出したときは、上記各カウンタの値を左特別図柄乱数記憶エリア45bの記憶エリア1に記憶し、2個目の遊技球の通過を検出したときは上記各カウンタの値を左特別図柄乱数記憶エリア45bの記憶エリア2に記憶し、3個目の遊技球を検出したときは左特別図柄乱数記憶エリア45bの記憶エリア3に記憶し、4個目の遊技球を検出したときは左特別図柄乱数記憶エリア45bの記憶エリア4に記憶する。
【0041】
また、遊技球を遊技領域4の右側装置4bに打ち込み、遊技球が右特別図柄始動ゲート13を通過すると、図5に示すメインルーチンのスイッチ読込処理(S8)において、遊技球の右特別図柄始動ゲート13の通過が検出される。具体的には、右特別図柄始動ゲート13に設けられている右始動口スイッチ53が遊技球の通過を検出したときに、ループカウンタ記憶エリア45aに記憶されている当たり判定用ループカウンタLC1、特別図柄作成カウンタLC2,LC3,LC4、リーチ判定カウンタLC5、リーチパターン決定カウンタLC6の値を乱数として右特別図柄乱数記憶エリア45cの記憶エリア1乃至記憶エリア4の何れかに記憶する。
【0042】
右始動口スイッチ53が1個目の遊技球の通過を検出したときは、上記各カウンタの値を右特別図柄乱数記憶エリア45cの記憶エリア1に記憶し、2個目の遊技球の通過を検出したときは上記各カウンタの値を右特別図柄乱数記憶エリア45cの記憶エリア2に記憶し、3個目の遊技球を検出したときは右特別図柄乱数記憶エリア45cの記憶エリア3に記憶し、4個目の遊技球を検出したときは右特別図柄乱数記憶エリア45cの記憶エリア4に記憶する。
【0043】
以上の処理が終了すると、ループカウンタ更新処理(S9)を経てS10に進む。通常時はパチンコ機1にエラーが発生していないので(S10:NO)、条件装置処理(S11)に進むが、まだ、当たりの判定がなされていないので、条件装置処理(S11)では何もされず、特別図柄処理(S12)を行う。
【0044】
この特別図柄処理(S12)では、左側装置4a、右側装置4bのそれぞれについて後述する各判定処理が各々行われる。まず、左側装置4aを例にとって説明する。はじめに、図8に示す図柄変動許可判定処理を行う。この図柄変動許可判定処理は、左特別図柄表示装置8の図柄の変動を許可するか否かを示す変動許可フラグをONするために行うものである。まず、RAM45の左変動開始フラグ記憶エリア45kに記憶されている変動開始フラグがONか否かを判断する(S21)。変動開始フラグがONとなっている場合には(S21:YES)、既に、変動許可フラグがONされて、後述する当たり判定処理及び図柄変動開始処理が行われているので、メインルーチンにリターンする。変動開始フラグがONとなっていない場合には(S21:NO)、RAM45の左変動前ディレーフラグ記憶エリア45qに記憶されている変動前ディレーフラグがONか否かを判断する(S22)。変動前ディレーフラグがONとなっている場合には(S22:YES)、既に、左特別図柄表示装置8に表示される第1停止図柄表示部、第2停止図柄表示部、第3停止図柄表示部の図柄の変動を遅らせる遅延状態になっているので、メインルーチンにリターンする。
【0045】
次いで、変動前ディレーフラグがOFFの場合には(S22:NO)、左特別図柄表示装置8の第1停止図柄表示部、第2停止図柄表示部、第3停止図柄表示部の図柄が、現在、変動中か否かをRAM45の左図柄変動中フラグ記憶エリア45oに記憶されている左図柄変動中フラグがONか否かで判断する(S23)。図柄が既に変動中の場合(左図柄変動中フラグがONの場合)には(S23:YES)、図柄の変動開始を遅らせることはできないので、メインルーチンにリターンする。
【0046】
図柄が変動中でない場合には(S23:NO)、図柄作動保留があるか否かを判断する(S24)。即ち、所謂、保留球が有るか否かを判断する。この図柄作動保留があるか否かは、左特別図柄始動入賞数記憶エリア45dに左特別図柄始動ゲート12へ入賞した遊技球の数の記憶が有るか否かで判断される。即ち、左特別図柄始動入賞数記憶エリア45dに1乃至4の何れかの保留球数が記憶されていれば、図柄作動保留があると判断される(S24:YES)。図柄作動保留が無い場合には(S24:NO)、当たり判定の必要が無く、左特別図柄表示装置8の第1停止図柄表示部、第2停止図柄表示部、第3停止図柄表示部へ表示される図柄も変動しないので、メインルーチンにリターンする。
【0047】
図柄作動保留があると判断された場合には(S24:YES)、左特別図柄乱数記憶エリア45bの記憶値をシフトする(S25)。即ち、左特別図柄乱数記憶エリア45bの記憶エリア1に記憶されている入賞球数「1」に対応する乱数の値を左特別図柄乱数記憶エリア45bの判定エリアへシフトさせ左特別図柄乱数記憶エリア45b中の残りの各記憶エリア2〜4の値を各記憶エリア1〜3へ各々シフトする(S25)。すなわち、左特別図柄乱数記憶エリア45bで入賞球数「N」(N=2,3,4)に各々対応して記憶している各乱数の値を、入賞球数「N−1」に対応する乱数記憶エリアにシフトさせて記憶させる。なお、このS25の処理では、左特別図柄始動入賞数記憶エリア45dの記憶数も「1」減算する。次いで、RAM45の左変動許可フラグ記憶エリア45mに「1」を記憶して変動許可フラグをONし(S26)、メインルーチンにリターンする。
【0048】
次いで、図9に示す当たり判定処理を行う。この当たり判定処理では、まず、左変動前ディレーフラグ記憶エリア45qに記憶されている変動前ディレーフラグがONか否かを判断する(S31)。変動前ディレーフラグがONの場合には、既に、図柄の変動開始を遅らせるための遅延動作に入っているので(S31:YES)、メインルーチンにリターンする。変動前ディレーフラグがOFFの場合には(S31:NO)、左特別図柄表示装置8の第1停止図柄表示部、第2停止図柄表示部、第3停止図柄表示部の図柄が、現在、変動中か否かを判断する(S32)。図柄が既に変動中の場合(図柄変動中フラグがONの場合)には(S32:YES)、図柄の変動開始を遅らせることはできないので、メインルーチンにリターンする。図柄が変動中でない場合(図柄変動中フラグがOFFの場合)には(S32:NO)、左変動許可フラグ記憶エリア45mに記憶されている変動許可フラグがONか否かを判断する(S33)。この判断は具体的には、左変動許可フラグ記憶エリア45mの記憶値が「1」で有ればONと判断され(S33:YES)、S34の遊技状態判定処理を行う。また、左変動許可フラグ記憶エリア45mの記憶値が「0」であればOFFと判断され(S33:NO)、メインルーチンにリターンする。
【0049】
次いで、S34の処理では、図10に示す遊技状態判定処理を行う。この遊技状態判定処理は、現在判定処理を行っている左側装置4aから見て他の装置である右側装置4bが当たり図柄となっているか(当たりが決定しているか)又は右側装置4bが当たり動作中であるか否かを判定して、変動開始フラグのON又は変動前ディレーフラグのONを行うものである。
【0050】
この遊技状態判定処理では、まず、変動許可フラグをクリアする(S41)。この処理は、具体的には、左変動許可フラグ記憶エリア45mの記憶値を「0」として、フラグをクリア(OFF)する(S41)。次いで、他の図柄が当たりか、即ち、右側装置4bの右特別図柄表示装置9に表示されている図柄が当たりか否かを判断する(S42)。具体的には、右当たりフラグ記憶エリア45hの当たりフラグがONか否かで判断する。S42の処理で、右側装置4bの図柄が当たりであると判断された場合には(S42:YES)、右側装置4bが既に当たりになっているので、左側装置4aの図柄の変動を遅らせるために、左変動前ディレーフラグ記憶エリア45qの変動前ディレーフラグをONする(S45)。
【0051】
また、S42の処理で、右側装置4bの図柄が当たりであると判断されない場合には(S42:NO)、現在判定処理を行っている左側装置4aから見て他の装置である右側装置4bが当たり動作中か否かを判断する(S43)。右側装置4bが当たり動作中の場合(例えば、右大入賞口17の開閉が行われている場合)には(S43:YES)、左側装置4aの図柄の変動を遅らせるために、左変動前ディレーフラグ記憶エリア45qの変動前ディレーフラグをONする(S45)。他の装置である右側装置4bが当たり動作中でない場合には(S43:NO)、左変動開始フラグ記憶エリア45kに記憶されている変動開始フラグをONし、左変動前ディレーフラグ記憶エリア45qに記憶されている左変動前ディレーフラグをOFFする(S44)。
【0052】
次いで、図9に示す前記当たり判定処理にリターンし、S35の判断を行う。このS35の処理では、前記図柄変動許可判定処理のS25の処理で、左特別図柄乱数記憶エリア45bの判定エリアに読み出した特別図柄乱数(当たり判定値)が当たりと決められている数値か否か判断する(S35)。本実施例では、「7」が当たりと決められているので、前記左特別図柄乱数記憶エリア45bの判定エリアに読み出した特別図柄乱数が「7」の場合には、当たり数値と判断され(S35:YES)、左当たりフラグ記憶エリア45gに「1」を記憶して、当たりフラグをONする(S36)。その後メインルーチンにリターンする。
【0053】
次に、図11に示す図柄変動開始処理を行う。この図柄変動開始処理では、まず、左変動前ディレーフラグ記憶エリア45qに記憶されている変動前ディレーフラグがONか否かを判断する(S51)。変動前ディレーフラグがONの場合には、左側装置4aの左特別図柄表示装置8は図柄の変動開始を遅らせるための遅延動作中なので(S51:YES)、メインルーチンにリターンする。
【0054】
次いで、左変動前ディレーフラグ記憶エリア45qに記憶されている変動前ディレーフラグがOFFの場合には(S51:NO)、変動開始フラグがONになっているか否かを判断する(S52)。この判断は具体的には、左変動開始フラグ記憶エリア45kに「1」が記憶されているか否かで判断する。もし、左変動開始フラグ記憶エリア45k「1」が記憶されていなければ、変動開始フラグはOFFなので(S52:NO)、メインルーチンにリターンする。変動開始フラグがONになっている場合には(S52:YES)、図柄の変動開始が既に決定されているので、左図柄変動中フラグ記憶エリア45oに「1」を記憶して、図柄変動中フラグをONする(S53)。そして、図柄変動開始コマンドをCPU44aからI/Oインターフェース47を経由して左特別図柄表示装置8の制御回路(図示外)に送信する(S54)。この図柄変動開始コマンドにより左特別図柄表示装置8の第1停止図柄表示部、第2停止図柄表示部、第3停止図柄表示部に表示されている図柄は変動を開始し、左変動開始フラグ記憶エリア45kの記憶値を「0」にして、変動開始フラグをクリアする(S55)。そして、メインルーチンにリターンする。
【0055】
なお、上記の図柄変動中フラグは、図柄の変動の停止時にクリアされ、また、左変動前ディレーフラグ記憶エリア45qの変動前ディレーフラグは、右側装置4bの当たり動作の終了時にクリアされる。
【0056】
次に、右側装置4bを例にとって説明する。右側装置4bの判定処理を行う場合にも、まず、図8に示す図柄変動許可判定処理を行う。この図柄変動許可判定処理は、右特別図柄表示装置9の図柄の変動を許可するか否かを示す変動許可フラグをONするために行うものである。まず、RAM45の右変動開始フラグ記憶エリア45lに記憶されている変動開始フラグがONか否かを判断する(S21)。変動開始フラグがONとなっている場合には(S21:YES)、既に、変動許可フラグがONされて、後述する当たり判定処理及び図柄変動開始処理が行われているので、メインルーチンにリターンする。変動開始フラグがONとなっていない場合には(S21:NO)、RAM45の右変動前ディレーフラグ記憶エリア45rに記憶されている変動前ディレーフラグがONか否かを判断する(S22)。変動前ディレーフラグがONとなっている場合には(S22:YES)、既に、右特別図柄表示装置9に表示される第1停止図柄表示部、第2停止図柄表示部、第3停止図柄表示部の図柄の変動を遅らせる遅延状態になっているので、メインルーチンにリターンする。
【0057】
次いで、変動前ディレーフラグがOFFの場合には(S22:NO)、右特別図柄表示装置9の第1停止図柄表示部、第2停止図柄表示部、第3停止図柄表示部の図柄が、現在、変動中か否かをRAM45の右図柄変動中フラグ記憶エリア45pに記憶されている右図柄変動中フラグがONか否かで判断する(S23)。図柄が既に変動中の場合(右図柄変動中フラグがONの場合)には(S23:YES)、図柄の変動開始を遅らせることはできないので、メインルーチンにリターンする。
【0058】
図柄が変動中でない場合には(S23:NO)、図柄作動保留があるか否かを判断する(S24)。即ち、所謂、保留球が有るか否かを判断する。この図柄作動保留があるか否かは、右特別図柄始動入賞数記憶エリア45eに右特別図柄始動ゲート13へ入賞した遊技球の数の記憶が有るか否かで判断される。即ち、右特別図柄始動入賞数記憶エリア45eに1乃至4の何れかの保留球数が記憶されていれば、図柄作動保留があると判断される(S24:YES)。図柄作動保留が無い場合には(S24:NO)、当たり判定の必要が無く、右特別図柄表示装置9の第1停止図柄表示部、第2停止図柄表示部、第3停止図柄表示部へ表示される図柄も変動しないので、メインルーチンにリターンする。
【0059】
図柄作動保留があると判断された場合には(S24:YES)、右特別図柄乱数記憶エリア45cの記憶値をシフトする。即ち、右特別図柄乱数記憶エリア45cの記憶エリア1に記憶されている入賞球数「1」に対応する乱数の値を右特別図柄乱数記憶エリア45cの判定エリアへシフトさせ右特別図柄乱数記憶エリア45c中の残りの各記憶エリア2〜4の値を各記憶エリア1〜3へ各々シフトする(S25)。すなわち、右特別図柄乱数記憶エリア45cで入賞球数「N」(N=2,3,4)に各々対応して記憶している各乱数の値を、入賞球数「N−1」に対応する乱数記憶エリアにシフトさせて記憶させる。なお、このS25の処理では、右特別図柄始動入賞数記憶エリア45eの記憶数も「1」減算する。次いで、RAM45の右変動許可フラグ記憶エリア45nに「1」を記憶して変動許可フラグをONし(S26)、メインルーチンにリターンする。
【0060】
次いで、図9に示す当たり判定処理を行う。この当たり判定処理では、まず、右変動前ディレーフラグ記憶エリア45rに記憶されている変動前ディレーフラグがONか否かを判断する(S31)。変動前ディレーフラグがONの場合には、既に、図柄の変動開始を遅らせるための遅延動作に入っているので(S31:YES)、メインルーチンにリターンする。変動前ディレーフラグがOFFの場合には(S31:NO)、右特別図柄表示装置9の第1停止図柄表示部、第2停止図柄表示部、第3停止図柄表示部の図柄が、現在、変動中か否かを判断する(S32)。図柄が既に変動中の場合には(S32:YES)、図柄の変動開始を遅らせることはできないので、メインルーチンにリターンする。図柄が変動中でない場合には(S32:NO)、右変動許可フラグ記憶エリア45nに記憶されている変動許可フラグがONか否かを判断する(S33)。この判断は具体的には、右変動許可フラグ記憶エリア45nの記憶値が「1」で有ればONと判断され(S33:YES)、S34の遊技状態判定処理を行う。また、右変動許可フラグ記憶エリア45nの記憶値が「0」であればOFFと判断され(S33:NO)、メインルーチンにリターンする。
【0061】
次いで、S34の処理では、図10に示す遊技状態判定処理を行う。この遊技状態判定処理は、現在判定処理を行っている右側装置4bから見て他の装置である左側装置4aが当たり図柄となっているか(当たりが決まっているか)又は左側装置4aが当たり動作中であるか否かを判定して、変動開始フラグのON又は変動前ディレーフラグのONを行うものである。
【0062】
この遊技状態判定処理では、まず、変動許可フラグをクリアする(S41)。この処理は、具体的には、右変動許可フラグ記憶エリア45nの記憶値を「0」として、フラグをクリア(OFF)する(S41)。次いで、他の図柄が当たりか、即ち、左側装置4aの左特別図柄表示装置8に表示されている図柄が当たりか否かを判断する(S42)。具体的には、左当たりフラグ記憶エリア45gの当たりフラグがONか否かで判断する。S42の処理で、左側装置4aの図柄が当たりであると判断された場合には(S42:YES)、左側装置4aが既に当たりになっているので、右側装置4bの図柄の変動を遅らせるために、右変動前ディレーフラグ記憶エリア45rの変動前ディレーフラグをONする(S45)。
【0063】
また、S42の処理で、左側装置4aの図柄が当たりであると判断されない場合には(S42:NO)、現在判定処理を行っている右側装置4bから見て他の装置である左側装置4aが当たり動作中か否かを判断する(S43)。左側装置4aが当たり動作中の場合(例えば、左大入賞口18の開閉が行われている場合)には(S43:YES)、右側装置4bの図柄の変動を遅らせるために、右変動前ディレーフラグ記憶エリア45rの変動前ディレーフラグをONする(S45)。他の装置である左側装置4aが当たり動作中でない場合には(S43:NO)、右変動開始フラグ記憶エリア45lに記憶されている変動開始フラグをONし、右変動前ディレーフラグ記憶エリア45rに記憶されている右変動前ディレーフラグをOFFする(S44)。
【0064】
次いで、図9に示す前記当たり判定処理にリターンし、S35の判断を行う。このS35の処理では、前記図柄変動許可判定処理のS25の処理で、RAM45の右特別図柄乱数記憶エリア45cの判定エリアに読み出した特別図柄乱数(当たり判定値)が当たりと決められている数値か否か判断する(S35)。本実施例では、「7」が当たりと決められているので、前記右特別図柄乱数記憶エリア45cの判定エリアに読み出した特別図柄乱数が「7」の場合には、当たり数値と判断され(S35:YES)、右当たりフラグ記憶エリア45hに「1」を記憶して、当たりフラグをONする(S36)。その後メインルーチンにリターンする。
【0065】
次に、図11に示す図柄変動開始処理を行う。この図柄変動開始処理では、まず、右変動前ディレーフラグ記憶エリア45rに記憶されている変動前ディレーフラグがONか否かを判断する(S51)。変動前ディレーフラグがONの場合には、右側装置4bの右特別図柄表示装置9は図柄の変動開始を遅らせるための遅延動作中なので(S51:YES)、メインルーチンにリターンする。
【0066】
次いで、右変動前ディレーフラグ記憶エリア45rに記憶されている変動前ディレーフラグがOFFの場合には(S51:NO)、変動開始フラグがONになっているか否かを判断する(S52)。この判断は具体的には、右変動開始フラグ記憶エリア45lに「1」が記憶されているか否かで判断する。もし、右変動開始フラグ記憶エリア45l「1」が記憶されていなければ、変動開始フラグはOFFなので(S52:NO)、メインルーチンにリターンする。変動開始フラグがONになっている場合には(S52:YES)、図柄の変動開始が既に決定されているので、右図柄変動中フラグ記憶エリア45pに「1」を記憶して、図柄変動中フラグをONする(S53)。そして、図柄変動開始コマンドをCPU44aからI/Oインターフェース47を経由して右特別図柄表示装置9の制御回路(図示外)に送信する(S54)。この図柄変動開始コマンドにより右特別図柄表示装置9の第1停止図柄表示部、第2停止図柄表示部、第3停止図柄表示部に表示されている図柄は変動を開始し、右変動開始フラグ記憶エリア45lの記憶値を「0」にして、変動開始フラグをクリアする(S55)。そして、メインルーチンにリターンする。
【0067】
なお、上記の図柄変動中フラグは、図柄の変動の停止時にクリアされ、また、右変動前ディレーフラグ記憶エリア45rの変動前ディレーフラグは、左側装置4aの当たり動作の終了時にクリアされる。
【0068】
以上説明したように、本実施例では、右側装置4b又は左側装置4aの何れか一方の装置の当たり判定処理を行うときに、遊技領域4に設けられている他の装置(左側装置4aの判定を行っているときは右側装置4b、右側装置4bの判定を行っているときは左側装置4a)が当たりの図柄を表示しているか(当たりになったか)又は、当たり動作をしているかを判断して、もし他の装置が上記の状態になっているならば、現在当たり判定を行っている装置側の当たり判定処理や図柄の変動開始を遅らせるようにしているので、複合機において、当たりが同時に発生することを防止することができる。
【0069】
上記の実施例は、遊技機の一例としてパチンコ機を用いて説明したが、本発明は、パチンコ機に限らず、パチコン機、パチスロ機等に転用可能であることはいうまでもない。また、上記の実施例では、第1種の遊技機と第3種の遊技機を組み合わせているが、第1種の遊技機と第2種の遊技機を組み合わせても良い。また、第2種と第3種とを組み合わせても良い。さらに、同一の種類の遊技機を組み合わせても良い。また、遊技機の組み合わせは、2つに限られず、3つ、4つ等の複数の遊技機を組み合わせることもできる。また、上記の実施例では、左側装置4aと右側装置4bとで、当たり判定用ループカウンタLC1、特別図柄作成カウンタLC2,LC3,LC4、リーチ判定カウンタLC5、リーチパターン決定カウンタLC6を共用していたが、右側装置4bと左側装置4aとで個別に各ループカウンタを設けても良い。また、当たりの確率は、右側装置4bと左側装置4aとで異なるようにしても良い。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る発明の遊技機では、複数の遊技機の遊技内容を一つの遊技機に複合した遊技機において、少なくとも一つの図柄表示装置に確定表示される図柄が当たり図柄であると判定されているか、又は、少なくとも一つの変動入賞口が遊技者に有利な特定遊技状態に変換されている場合に、遅延制御手段は、その他の図柄表示装置の図柄が変動を開始するまでの時間を、その他の場合より長時間にする。従って、複数の遊技内容を複合した遊技機において、複数の当たりが同時に発生することを防止することができる。従って、同時に当たりが発生して、何れかを選択して当たり遊技をする必要が無くなり、複合型の遊技機本来の遊技性を損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例であるパチンコ機の正面図である。
【図2】 実施例のパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】 実施例のパチンコ機のRAMの記憶エリアを示した模式図である。
【図4】 実施例のパチンコ機のROMの記憶エリアを示した模式図である。
【図5】 実施例のパチンコ機のメインルーチンのフローチャートである。
【図6】 実施例のパチンコ機の左特別図柄乱数記憶エリア45bの模式図である。
【図7】 実施例のパチンコ機の右特別図柄乱数記憶エリア45cの模式図である。
【図8】 実施例のパチンコ機の図柄変動許可判定処理のフローチャートである。
【図9】 実施例のパチンコ機の当たり判定処理のフローチャートである。
【図10】 実施例のパチンコ機の遊技状態判定処理のフローチャートである。
【図11】 実施例のパチンコ機の図柄変動開始処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ機
2 遊技盤
4 遊技領域
4a 左側装置
4b 右側装置
8 左特別図柄表示装置
9 右特別図柄表示装置
12 左特別図柄始動ゲート
13 右特別図柄始動ゲート
16 回転体
17 右大入賞口
18 左大入賞口
19 電動役物
40 制御部
44a CPU
45 RAM
45q 左変動前ディレーフラグ記憶エリア
45r 右変動前ディレーフラグ記憶エリア
46 ROM
Claims (1)
- 遊技機の主制御を司る主基板と、当該主基板からの図柄変動開始コマンドを受信して図柄を変動表示可能な複数の図柄表示装置と、当該複数の図柄表示装置の各々に対応して設けられ、前記複数の図柄表示装置に確定表示された図柄が所定図柄の場合には、遊技者に有利な特定遊技状態に変換可能な個別の変動入賞口を有する遊技機において、
所定の条件の充足により特定遊技状態を生起するか否かを決定する当たり判定手段と、
前記当たり判定手段にて、特定遊技状態を生起するか否かを決定した後に、図柄の変動を開始し、所定時間経過後、図柄を前記図柄表示装置に確定表示する図柄表示制御手段と、
前記当たり判定手段が特定遊技状態を生起すると決定したときに、前記図柄表示装置に表示する当たり図柄を決定する当たり図柄決定手段と、
少なくとも一つの図柄表示装置に確定表示される図柄が当たり図柄であると決定されているか、又は、少なくとも一つの変動入賞口が遊技者に有利な特定遊技状態に変換されている場合に、その他の図柄表示装置の図柄が変動を開始するまでの時間を、その他の場合より長時間にする遅延制御手段と
を備え、
前記遅延制御手段は、少なくとも一つの図柄表示装置に確定表示される図柄が当たり図柄であると決定されているか、又は、少なくとも一つの変動入賞口が遊技者に有利な特定遊技状態に変換されている場合に、変動前ディレーフラグをONにし、変動前ディレーフラグがONの場合には、前記主基板から前記その他の図柄表示装置に図柄の変動開始コマンドを送信せず、変動前ディレーフラグがOFFの場合には、前記主基板から前記その他の図柄表示装置に図柄の変動開始コマンドを送信することを特徴とする遊技機。
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