JP4097887B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関する。詳しくは、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を含み、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに所定の遊技価値が付与可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を含み、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに所定の遊技価値が付与可能となる遊技機があった。
【0003】
この種の遊技機では、可変表示装置の表示結果、およびリーチの成立の有無について事前決定され、可変表示装置は、その事前決定された内容に従って制御される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種の遊技機の可変表示装置においてリーチを成立させるにしても、画一的なリーチのみでは面白みに欠ける。そこで、可変表示動作の制御内容が異なる複数種類のリーチを規定し、さらには特定の表示態様とすることが事前決定された場合とそうでない場合とで各リーチ種別の選択率を異ならせることにより、特定の表示態様になりやすいリーチとそうでないリーチとが発生し得るようにすることが考えられる。
リーチをこのように構成することにより、遊技者はリーチの種別に強い関心を抱くようになる。そこで、リーチが成立した場合に、そのリーチ種別が報知されるように構成すれば遊技者にとって理解し易い遊技を提供できる。
【0005】
ところが、たとえば、特定の表示態様になりにくいリーチであることがリーチの成立時点で即座に遊技者にわかってしまうと、早期に遊技者の期待感を喪失させて遊技意欲を減退させる可能性がある。
そこで、いずれの種別のリーチであるかが事前決定されながらも、たとえば、あるリーチ種別があたかもその表示動作の途中で、特定の表示態様になりやすい他の種別に“発展”するかのように思わせるリーチ演出を可能にすることが考えられる。このようにした場合に重要なことは、リーチが成立したときに、そのリーチ種別を特定できてしまうような報知をすることを避け、リーチが“発展”したことを遊技者が容易に理解できるようにして、いわば“発展型リーチ”の演出が効果的に発揮されるようにすることである。
【0006】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、リーチ種別があたかもその表示動作の途中で、特定の表示態様へのより大きな期待が持てる他の種別に“発展”するかのごとき演出を可能にし、かつ、期待感が向上されるリーチの“発展”ポイントを遊技者が極力見逃すことのないようにして効果的な演出が無駄にならないようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置(4)を含み、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777のぞろめ)となったときに所定の遊技価値が付与可能となる(可変入賞球装置9の開閉板10が開成して打玉が入賞しやすい遊技者にとって有利な第1の状態となり、)遊技機であって、
前記可変表示装置の表示結果の表示態様を決定する表示態様決定手段(図3のS1、S2、S16)と、
該表示態様決定手段により決定された内容に従って前記可変表示装置を制御する可変表示制御手段(図2のLCD回路26、基本回路29)と、
該可変表示制御手段の制御により可変表示している前記可変表示装置においてリーチとなっていることを報知するリーチ報知手段(音,ランプ,LEDによる報知も併せて行なわれる)とを備え、
前記可変表示制御手段は、前記可変表示装置においてリーチとなったときの可変表示動作の制御として、
リーチが成立してから第1の識別情報数分の可変表示を継続させた後に前記表示態様決定手段により決定された内容に従う表示結果を導出表示させる通常リーチ表示動作(図6(A)通常リーチ)の制御と、
表示結果を前記特定の表示態様とすることが決定されたときに前記通常リーチ表示動作よりも実行される割合が高い一方、表示結果を前記特定の表示態様以外とすることが決定されたときに前記通常リーチ表示動作よりも実行される割合が低い複数種類(特別リーチ1、2)の特別リーチ表示動作(特別リーチ1、2)の制御とを実行可能であり、
前記特別リーチ表示動作の種類として、
リーチが成立してから前記第1の識別情報数分の可変表示を継続させ、さらに第2の識別情報数分の可変表示を継続させた後に前記表示態様決定手段により決定された内容に従う表示結果を導出表示させる第1特別リーチ表示動作(図6(B):特別リーチ1、リーチ状態となった後、低速スクロールされる状態が4周分スクロール表示されるまで続き・・・停止される。)と、
リーチが成立してから前記第1の識別情報数分の可変表示を継続させ、さらに前記第2の識別情報数分の可変表示を継続させた後に可変表示動作を一時停止させ、再度可変表示を行なった後に前記表示態様決定手段により決定された内容に従う表示結果を導出表示させる第2特別リーチ表示動作(図6(C)、特別リーチ2、一時停止後、低速スクロールが開始されてから1周分スクロール表示され、…停止表示される。)とが規定されており、
さらに、
複数種類のリーチ表示動作のうちのいずれを実行するかを選択するために用いられるリーチ表示動作選択用乱数を発生させるリーチ表示動作選択用乱数発生手段と、
前記リーチ表示動作選択用乱数の値に対応するリーチ表示動作を選択するリーチ表示動作選択手段(図3のS12、S13、S14、S30、S31、S32)とを備え、
前記リーチ表示動作選択用乱数発生手段は、前記リーチ表示動作の種類の数よりも多い数値範囲のリーチ表示動作選択用乱数を発生し、
前記表示態様決定手段により前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様とすることが決定されたときは前記リーチ表示動作の選択率が高い順から前記第2特別リーチ表示動作、前記第1特別リーチ表示動作、前記通常リーチ表示動作となる一方、前記表示態様決定手段により前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様以外とすることが決定されたときは前記リーチ表示動作の選択率が高い順から前記通常リーチ表示動作、前記第1特別リーチ表示動作、前記第2特別リーチ表示動作となるように、前記表示態様決定手段により前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様とすることが決定されたときと前記特定の表示態様以外とすることが決定されたときとで前記リーチ表示動作の種類 に対応するリーチ表示動作選択用乱数の値を1個以上設定するとともに、その設定個数が前記リーチ表示動作の種類毎に異なっており、
前記リーチ報知手段は、
前記第1特別リーチ表示動作において前記第1の識別情報数分の可変表示が終了し前記第2の識別情報数分の可変表示を行なう段階で前記通常リーチ表示動作のときとは異なる所定報知態様に報知の態様を変更し、
前記第2特別リーチ表示動作において前記第1の識別情報数分の可変表示が終了し前記第2の識別情報数分の可変表示を行なう段階で前記所定報知態様に報知の態様を変更し、前記第2の識別情報数分の可変表示が終了し可変表示動作が一時停止した後、再度可変表示を行なう段階でさらに報知の態様を変更することを特徴とする。
【0010】
【作用】
請求項1に記載の本発明によれば、表示態様決定手段の働きにより、前記可変表示装置の表示結果の表示態様が決定される。該表示態様決定手段により決定された内容に従って、可変表示制御手段の働きにより、前記可変表示装置が制御される。リーチ報知手段の働きにより、可変表示制御手段の制御により可変表示している前記可変表示装置においてリーチとなっていることが報知される。前記可変表示制御手段は、前記可変表示装置においてリーチとなったときの可変表示動作の制御として、リーチが成立してから第1の識別情報数分の可変表示を継続させた後に前記表示態様決定手段により決定された内容に従う表示結果を導出表示させる通常リーチ表示動作の制御と、表示結果を前記特定の表示態様とすることが決定されたときに前記通常リーチ表示動作よりも実行される割合が高い一方、表示結果を前記特定の表示態様以外とすることが決定されたときに前記通常リーチ表示動作よりも実行される割合が低い複数種類の特別リーチ表示動作の制御とを実行可能であり、前記特別リーチ表示動作の種類として、リーチが成立してから前記第1の識別情報数分の可変表示を継続させ、さらに第2の識別情報数分の可変表示を継続させた後に前記表示態様決定手段により決定された内容に従う表示結果を導出表示させる第1特別リーチ表示動作と、リーチが成立してから前記第1の識別情報数分の可変表示を継続させ、さらに前記第2の識別情報数分の可変表示を継続させた後に可変表示動作を一時停止させ、再度可変表示を行なった後に前記表示態様決定手段により決定された内容に従う表示結果を導出表示させる第2特別リーチ表示動作とが規定されており、リーチ表示動作選択手段の働きにより、リーチ表示動作選択用乱数発生手段の値に対応するリーチ表示動作が選択される。前記リーチ表示動作選択用乱数発生手段の働きにより、前記リーチ表示動作の種類の数よりも多い数値範囲のリーチ表示動作選択用乱数が発生される。前記表示態様決定手段により前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様とすることが決定されたときは前記リーチ表示動作の選択率が高い順から前記第2特別リーチ表示動作、前記第1特別リーチ表示動作、前記通常リーチ表示動作となる一方、前記表示態様決定手段により前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様以外とすることが決定されたときは前記リーチ表示動作の選択率が高い順から前記通常リーチ表示動作、前記第1特別リーチ表示動作、前記第2特別リーチ表示動作となるように、前記表示態様決定手段により前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様とすることが決定されたときと前記特定の表示態様以外とすることが決定されたときとで前記リーチ表示動作の種類に対応するリーチ表示動作選択用乱数の値を1個以上設定するとともに、その設定個数が前記リーチ表示動作の種類毎に異なっている。前記リーチ報知手段の働きにより、前記第1特別リーチ表示動作において前記第1の識別情報数分の可変表示が終了し前記第2の識別情報数分の可変表示を行なう段階で前記通常リーチ表示動作のときとは異なる所定報知態様に報知の態様が変更され、前記第2特別リーチ表示動作において前記第1の識別情報数分の可変表示が終了し前記第2の識別情報数分の可変表示を行なう段階で前記所定報知態様に報知の態様が変更され、前記第2の識別情報数分の可変表示が終了し可変表示動作が一時停止した後、再度可変表示を行なう段階でさらに報知の態様が変更される。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態においては遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、コイン遊技機やスロットマシン等でもよく、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を含み、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに所定の遊技価値が付与可能となる遊技機であればすべて対象となる。
【0014】
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊技盤面を示す正面図である。遊技者が図示しない打球操作ハンドルを操作すれば、打球待機樋(図示せず)に貯留されているパチンコ玉が1つずつ遊技盤1の前面に形成されている遊技領域3内に打込まれる。遊技領域3は、動画を表示可能なLCD表示装置5からなる可変表示装置4が設けられているとともに、始動入賞口7が設けられている。この始動入賞口7内に入賞したパチンコ玉は、始動入賞玉検出器8により検出される。
【0015】
始動入賞玉検出器8の検出信号に基づき、可変表示装置4のLCD表示装置5により複数種類の図柄等からなる識別情報が可変表示される。LCD表示装置5は横方向に並んだ3つの可変表示部を有し、後述するように、左図柄,中図柄,右図柄がスクロール表示される。そして、その可変表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777等のぞろめ)となった場合に可変入賞球装置9の開閉板10が開成して打玉が入賞しやすい遊技者にとって有利な第1の状態となり、所定の遊技価値が付与可能な状態となる。
【0016】
この可変入賞球装置9は、通常時は開閉板10が閉成した遊技者にとって不利な第2の状態となっているが、可変表示装置4の表示結果が前記予め定められた特定の表示態様となれば、ソレノイド11が励磁されて開閉板10が開成した第1の状態となり、大当り状態が発生する。この可変入賞球装置9の第1の状態は、打玉の所定個数(たとえば10個)の入賞あるいは所定期間(たとえば30秒間)の経過のいずれか早い方の条件が成立することにより終了して第2の状態となる。
【0017】
一方、可変入賞球装置9内には、特定入賞領域と通常入賞領域とが形成されており、第1の状態となっている可変入賞球装置9内に進入したパチンコ玉が特定入賞領域に入賞して特定入賞玉検出器12により検出されれば、その回の第1の状態が終了するのを待って可変入賞球装置9を再度第1の状態に駆動制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の上限回数はたとえば16回と定められている。図1中13は可変入賞球装置9内に形成された通常入賞領域に入賞した入賞玉を検出する通常入賞玉検出器であり、前記特定入賞玉検出器12と通常入賞玉検出器13とにより検出された入賞玉の合計個数が入賞個数表示器14により表示される。なお、この可変入賞球装置9の第2の状態としては、打玉が全く入賞できない状態ではなく打玉が入賞可能ではあるが入賞困難な状態であってもよい。
【0018】
可変表示装置4が可変表示中に再度パチンコ玉が始動入賞口7に入賞すれば、その始動入賞が記憶され、可変表示装置4が可変停止した後再度可変表示開始できる状態になってから前記始動入賞記憶に基づいて再度可変表示装置4が可変開始される。この始動入賞記憶の上限値はたとえば「4」と定められており、現時点における始動入賞記憶値が始動入賞記憶表示器6により表示される。
【0019】
図1中10、15は風車ランプ、17は肩ランプ、19は袖ランプ、40はアタッカーLED、21はレール飾りランプ、41は飾りLED、23は役物ランプであり、それぞれに遊技状態に応じて点灯または点滅する。遊技領域3内には、通常の入賞口13や通常の通過口16が設けられており、さらに、アウト玉を回収するアウト口22も設けられている。また、2は遊技領域を区画する区画レールであり、打球発射装置により弾発発射されたパチンコ玉がこの区画レール2間を通って遊技領域3内に打込まれる。図1中20はラッキーナンバー表示LEDであり、LEDが走行点灯することにより複数種類の数字が可変表示され、前記特定遊技状態の発生時における可変停止時の表示結果が遊技場が予め定めたラッキーナンバーに一致した場合には、ある特典が遊技者に与えられる。この特典は、たとえば、その特定遊技状態の発生に伴って遊技者が獲得した賞品玉を景品交換することなく引続き遊技に使用できる等が考えられる。
【0020】
図2は、パチンコ遊技機に設けられる制御回路を示すブロック図である。
パチンコ遊技機の制御回路は、各種機器を制御するためのプログラムに従って、遊技制御を行なうマイクロコンピュータを含む基本回路29と、電源投入時に基本回路29をリセットする初期リセット回路34と、基本回路29から与えられるクロック信号を分周して定期的(たとえば2msec毎)にリセットパルスを基本回路29に与えるための定期リセット回路35と、各スイッチやセンサに接続され、与えられるアドレス信号によって選択されるスイッチからの信号を基本回路29に与えるためのスイッチ回路25と、基本回路29等に接続され、基本回路29から与えられるアドレス信号をデコードして基本回路29等に与えるためのアドレスデコード回路33とを含む。さらに、パチンコ遊技機の制御回路には、基本回路29によって制御されるLED回路30と、基本回路29によって制御されるソレノイド回路31と、大当り情報を大当り情報出力端子38から出力するとともに可変表示装置を実際に可変開始するために有効に利用された始動入賞個数に関する情報である有効始動情報を有効始動情報出力端子39から出力するための情報出力回路27とを含む。さらに、制御回路は、可変表示装置4を構成するLCD表示装置5を表示駆動するためのLCD回路26が接続されているとともにスピーカ37から音を発生させるための音発生,増幅回路36が接続されている。
【0021】
スイッチ回路25には、始動入賞玉検出器8が接続されており、始動入賞玉検出信号が入力される。また、可変入賞球装置9内に入賞した入賞玉のうち特定入賞領域に入賞した特定入賞玉が特定入賞玉検出器12により検出され、その検出信号がスイッチ回路25に入力される。さらに、可変入賞球装置10内に入賞したパチンコ玉が通常入賞領域に入賞すればその入賞玉が入賞玉検出器13により検出され、その検出信号がスイッチ回路25に入力される。
【0022】
LED回路30には、7セグメントLEDにより構成された入賞個数表示器14と始動入賞記憶表示器6とラッキーナンバー表示LED20とアタッカーLED40と飾りLED41とが接続されており、特定入賞玉検出器12と入賞玉検出器13との検出信号に基づいて可変入賞球装置9内に入賞したパチンコ玉の合計入賞個数が入賞個数表示器14により表示され、始動入賞玉検出器8の検出信号に基づいて始動入賞記憶の個数が始動入賞記憶表示器6により表示される。また、ランプ回路32には種々のランプ15,17,19,21,23が接続されており、それぞれに、遊技状態に応じて点灯または点滅するように構成されている。なお、これら制御回路には、電源回路28から所定の直流電流が供給されるように構成されている。
【0023】
図3は、パチンコ遊技機における主として可変表示装置の制御動作を示すフローチャートである。
【0024】
ステップS(以下単にSという)1により、ランダム1カウンタのカウント値を読出す処理が行なわれる。このランダム1カウンタは、大当りを発生させるか否かを事前に決定するために用いられるカウンタであり、0から1ずつカウントアップしてその上限である209までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。そして、パチンコ玉が始動入賞口7に入賞して始動入賞玉検出器8からの検出信号が導出された時点におけるランダム1カウンタのカウント値が抽出されてメモリ内に記憶される。このメモリは、始動入賞記憶の上限がたとえば「4」である場合には、それに合わせて4つのカウント値記憶領域を有し、始動入賞の古い順に抽出されたカウント値が抽出順序に従って記憶される。そして、メモリ内の1番古いカウント値がこのS1により読出される。その読出されたカウント値(乱数)が、3のときにはS2以降に示す大当りを発生させるための制御がなされ、3以外のときにはS16以降に示す外れとなる制御が行なわれる。
【0025】
S2では、ランダム2カウンタのカウント値における可変表示装置の左図柄を決定する値に合わせて、左図柄=中図柄=右図柄とする処理が行なわれる。ランダム2カウンタは、0からカウントアップしてその上限である15進数のEEEまでカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものであり、可変表示装置4の停止図柄を決定するものである。そしてS2の処理により、ランダム2カウンタの左図柄用のカウント値部分により左図柄を決定し、その決定された左図柄と同じ図柄になるように中図柄と右図柄を揃える処理が行なわれる。その結果、可変表示装置4の可変停止時においては、左図柄と中図柄と右図柄とが同じ図柄となりぞろめの状態となり、大当り状態が発生する。次にS3に進み、ランダム3カウンタのカウント値を読出す処理が行なわれる。このランダム3カウンタは、0からカウントアップしてその上限である2までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。そして、読出されたカウント値が0のときにS4に進み、大当り予告1を行なうためのフラグがセットされる。ランダム3カウンタの値が1のときにはS5に進み、リーチ予告を行なうためのフラグがセットされる。リーチとは、複数の可変表示部が時期を異ならせて停止される場合に、一部の可変表示部が未だ可変表示している段階で既に停止している可変表示部の表示結果が大当りとなる特定の表示態様の条件を満たしている状態である。ランダム3カウンタの値が2のときにはS6に進み、予告なしの状態となり、直接S11に進む。S4,S5の処理が行なわれた後にS7に進み、ランダム4カウンタのカウント値が読出される。このランダム4カウンタは0からカウントアップしてその上限である2までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。そしてその読出されたカウント値が0のときにはS8に進み、音,ランプ,LEDを制御する処理が行なわれる。このS8の処理を行なうに際し、前記S4により大当り予告1を行なうためのフラグがセットされている場合には、レール飾りランプ21と飾りLED41とを可変表示装置の可変開始時から点滅させ、スピーカ37から大当り予告音を発生させ、大当り状態が発生することを事前に予告報知し、S5によるリーチ予告のフラグがセットされている場合は飾りLED41を可変開始時から点滅させるとともにスピーカ37からリーチ予告音を発生する。一方、ランダム4カウンタの値が1のときには、S9に進み、可変表示装置4のLCD表示装置5の表示動作制御を行ない、LCD表示装置5により大当り状態やリーチが発生することを事前に予告表示させる。このS9による表示動作の具体的内容は、S4による大当り予告1のフラグがセットされているときには、図4、図5のそれぞれの(B)に示された表示動作であり、S5によるリーチ予告のフラグがセットされている場合は、図4、図5のそれぞれの(A)に示された表示動作である。一方、ランダム4カウンタの値が2のときには、S10に進み、ラッキーナンバー表示LEDを変動制御させる処理が行なわれる。このS10による処理は、ラッキーナンバー表示LED20をLCD表示装置5の可変開始時から変動させ、大当りが発生して可変入賞球装置9の初回の開放時にその可変表示を停止させることにより、大当り状態が発生することを遊技者に認識させるようにしている。このラッキーナンバー表示LED20は、大当り発生の予告表示を行なわない通常時では、大当りの発生時に変動を開始し、可変入賞球装置9の初回の開放時に停止するように制御されており、S10によるラッキーナンバー表示LED20の表示動作が通常時の表示動作と異なるため、遊技者は、大当りが発生することが認識できる。このラッキーナンバー表示LEDの変動が停止した後に表示される停止ナンバーは、0から7までをカウントするランダム6カウンタのカウント値が大当り発生時に抽出されてその抽出されたカウント値(乱数)により決定される。
【0026】
S11ではランダム5カウンタのカウント値が読出される。このランダム5カウンタは、0からカウントアップしてその上限である5までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。ランダム5カウンタのカウント値が0のときにS12に進み、LCD表示装置5の表示状態を制御して図6(A)に基づいて後述する通常リーチの制御が行なわれる。ランダム5カウンタのカウント値が1または2のときには、LCD表示装置5を表示制御して図6(B)に基づいて後述する特別リーチ1の表示制御が行なわれる。ランダム5カウンタのカウント値が3,4,あるいは5のときには、S14に進み、LCD表示装置5を制御して図6(C)に基づいて後述する特別リーチ2の表示制御が行なわれる。次にS15に進み、可変入賞球装置9を第1の状態にする大当り制御が行なわれる。
【0027】
次に、S1により読出されたランダム1カウンタのカウント値が3以外のときには、S16に進み、ランダム2カウンタのカウント値を読出し、その読出されたランダム2カウンタのカウント値が、左図柄のカウント値と中図柄のカウント値と右図柄のカウント値とがすべて同じ値であった場合には、中図柄のカウント値に対し「1」を加算し、中図柄を強制的にずらしてぞろめとならないように制御される。これは、ランダム1カウンタのカウント値が3以外の場合すなわち外れとすることが事前に決定された場合であるにも関わらず、ランダム2カウンタのカウント値がたまたま左図柄と中図柄と右図柄とが同じ図柄となるぞろめ状態であり、そのままでは大当りが発生する特定の表示態様となってしまうために、S17によりぞろめが生じないように強制的に中図柄をずらしているのである。一方、ランダム2カウンタの値が左図柄と右図柄とが同じで中図柄だけ違う値であった場合には、そのままS18に進み、メモリ内のランダム1カウンタの値をチェックする処理が行なわれる。このメモリ内のランダム1カウンタの値とは、前記S1で説明したメモリに対応して古い順に記憶されているランダム1カウンタの値のことである。そして、記憶されているランダム1カウンタの値の中に「3」があるとき、すなわち、可変表示装置4の今回の可変表示が終了した以降の可変表示により大当りが発生する場合には、S19に進み、ランダム3カウンタのカウント値を読出す処理が行なわれる。このランダム3カウンタは0からカウントアップしてその上限である2までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。そしてランダム3カウンタのカウント値が0のときにS21に進み、大当り予告2を行なうためのフラグがセットされてS25に進む。一方、ランダム3カウンタの値が1のときにはS22に進み、リーチ予告を行なうためのフラグがセットされてS25に進む。ランダム3カウンタの値が2のときにはS23に進み、予告なしの状態となり直接S29に進む。
【0028】
S25では、ランダム4カウンタの値を読出し、その値が0のときにS26に進み、音,ランプ,LEDを制御する処理が行なわれる。このS26の処理は、大当り予告2を行なうためのフラグがセットされている場合には、レール飾りランプ21を可変表示装置の可変開始時から点滅させ、スピーカ37から大当り予告音を発生させ、S22によるリーチ予告のフラグがセットされているときは、飾りLED41を可変開始時から点滅させてスピーカ37からリーチ予告音を発生させる。一方ランダム4カウンタの値が1のときには、S27に進み、大当り予告2のフラグがセットされている場合には図4、図5のそれぞれの(C)に基づいて後述する大当り予告2のときのLCD表示装置5の表示動作を行ない、リーチ予告のフラグがセットされている場合には、図4、図5のそれぞれの(A)に基づいて後述するリーチ予告時のLCD表示装置5の表示動作制御を行なう。次に、ランダム4カウンタのカウント値が2のときには、S28に進み、ラッキーナンバー表示LED20をLCD表示装置の可変開始時から変動させ、LCD表示装置5の可変停止時にラッキーナンバー表示LED20の変動開始時と同じ位置に停止させる処理が行なわれる。
【0029】
一方、S18により読出されたメモリ内のランダム1カウンタの値の中に「3」がないときには、S20により、ランダム3カウンタの値を読出し、その値が0または1のときにはS24に進み、リーチ予告を行なうためのフラグがセットされてS25に進む。一方、ランダム3カウンタの値が2のときにはS23に進み、予告なしの状態となり直接S29に進む。
【0030】
S29では、ランダム5カウンタの値を読出す処理が行なわれる。ランダム5カウンタの値が0,1あるいは2のときにはS30に進み、図6(A)に基づいて説明する通常リーチの制御が行なわれた後S41に進む。ランダム5カウンタのカウント値が3あるいは4のときには、S31に進み、図6(B)に基づいて説明する特別リーチ1の表示制御が行なわれた後S41に進む。ランダム5カウンタの値が5のときにS32に進み、図6(C)に基づいて説明する特別リーチ2の表示制御が行なわれた後S41に進む。S41では、可変入賞球装置9を開成させない外れ制御が行なわれる。
【0031】
一方、S16により読出されたランダム2カウンタの値の左と右の図柄の値が一致しない場合にはS33に進み、メモリ内のランダム1カウンタのチェックがなされ、メモリ内に3が記憶されていないときにはそのままS41に進むが、メモリ内に3が記憶されている場合にはS34に進み、ランダム3カウンタの値を読出し、その値が0あるいは1のときにS35に進み、大当り予告2を行なうためのフラグがセットされた後S36に進む。一方、ランダム3カウンタの値が2のときにS40に進み、予告なしの状態となり直接S41に進む。
【0032】
S36では、ランダム4カウンタの値を読出す処理が行なわれる。そして、そのランダム4カウンタの値が0のときにはS37に進み、音,ランプ,LEDの制御がなされる。このS37の制御は、前記S26と同様の制御である。ランダム4カウンタの値が1のときにS38に進み、LCD表示装置5を制御して図4、図5のそれぞれの(C)に基づいて後述する大当り予告2の表示制御が行なわれる。ランダム4カウンタの値が2のときにS39に進み、前記S28と同様のラッキーナンバー表示LEDの変動制御が行なわれ、S41に進む。
【0033】
前述した大当りの事前報知やリーチの事前報知は、ランプ,LEDによる報知のみ、あるいは音による報知のみで行なってもよい。また、LCD表示装置5の表示動作による事前報知に加えて、音による報知やランプ,LEDによる報知を行なうようにしてもよい。また、事前報知の方法は、通常時とは異なった態様で報知し通常時とは区別できる方法であれば、どのような方法であってもよい。
【0034】
前記S1,S2,S16により、可変表示装置の表示結果の表示態様を決定する表示態様決定手段が構成されている。前記S3〜S6により、前記表示態様決定手段により決定された表示結果が前記特定の表示態様となる場合に、特定の表示態様となる前に報知するか否かを選択決定する選択決定手段が構成されている。前記S7〜S10により、前記選択決定手段により事前に報知する旨が決定された場合に、特定の表示態様となる旨を前記可変表示装置の表示結果が導出される前に報知する報知手段が構成されている。
【0035】
また、表示態様決定手段による決定時期は、最初に停止する図柄がどのような停止図柄であっても大当りが発生する可能性がある場合(最初に停止する図柄内に外れ図柄が存在しない場合)には、2番目の図柄が停止する以前であればいつでもよく、また、最初に停止する図柄内に外れ図柄が存在する場合には、最初の図柄が停止する以前であればいつでもよい。さらにリーチの図柄表示がなされて初めて大当りするか否かを決める遊技機の場合には、リーチになってから最後の図柄が停止する直前であればいつでもよい。また表示態様決定手段による表示態様の決定方法は、乱数で全ての予定停止図柄を直接決めるものばかりでなく、リーチするか否かを最初に決めたのち、最後の予定停止図柄を決めるものでもよい。
【0036】
また、S1により当りが決定されたことに従って選択決定手段の選択決定が行なわれ、その後S2による表示態様の決定を行なうようにしてもよい。
【0037】
さらに、報知手段による報知時期は、最初の図柄が停止した時点、リーチになった時点、リーチになった後最後の図柄が停止する前まで等、全ての図柄が停止する以前であればいつでもよい。
【0038】
図4は、可変表示装置のLCD表示装置5による可変表示状態を示す図である。
【0039】
(A)はリーチ予告を行なう場合の可変表示動作が示されている。LCD表示装置5には、パチンコ玉が始動入賞する以前の通常状態では、左図柄51と中図柄53と右図柄52とが停止表示されており、それぞれの図柄の前後に連続する図柄の一部も表示されている。そして、前述したリーチ予告を行なうことが事前決定されている場合には、パチンコ玉の始動入賞によりまず中図柄53が1/2図柄分逆方向(上方向)にスクロールした後元の位置まで戻ってから、左図柄51と中図柄53と右図柄52とが一斉に下方向にスクロール表示されて可変開始される。遊技者は、この可変開始毎における中図柄53の逆方向へのスクロールを見ることにより、リーチが発生することを事前に認識することができる。
【0040】
(B)は前述した大当り予告1のときのLCD表示装置5による可変表示動作が示されている。この大当り予告1の場合には、打玉の始動入賞により左図柄52と中図柄3と右図柄52との全図柄が逆方向に1/2図柄分だけスクロールした後元の位置まで戻ってから、全図柄が下方向にスクロール表示される可変表示が開始される。
【0041】
(C)は大当り予告2を行なう場合のLCD表示装置5による可変表示動作が示されている。この大当り予告2の場合には、打玉の始動入賞により全図柄51,52,53が下方向にスクロールして可変表示され、まず左図柄51が停止して、次に右図柄52が停止する際に、予定停止図柄(図面では1)がほぼ1図柄分通り過ぎてから停止位置まで逆スクロールして停止され、次に中図柄53が停止する際にも、予定停止図柄(図面では9)がほぼ1図柄分通り過ぎてから停止位置まで逆スクロールして停止される。
【0042】
図5は、可変表示中の画面を切換えて予告表示を行なう例を示す図である。
(A)はリーチ予告を行なう場合であり、LCD表示装置5によりすべての図柄51,52,53が可変表示されている最中に、「リーチ!」のメッセージ54を表示させ、その後通常の可変表示に戻り、左図柄51が停止され、右図柄52が停止され、最後に中図柄53が停止される。
【0043】
(B)は大当り予告1を行なう場合が示されており、LCD表示装置5によりすべての図柄51,52,53が可変表示されている最中に、「フィーバー!」のメッセージ55を表示させ、次に通常の可変表示に戻り左図柄51,右図柄52,中図柄53の順に停止する。
【0044】
(C)は大当り予告2を行なう場合が示されており、LCD表示装置5によりすべての図柄51,52,53が可変表示されている最中に、「チャンス!」のメッセージ56が表示され、次に通常の可変表示に戻り、左図柄51,右図柄52,中図柄53の順に停止する。
【0045】
図6は、通常リーチ,特別リーチ1,特別リーチ2を報知する場合の可変表示動作を示す図である。
【0046】
(A)は通常リーチの場合が示されている。LCD表示装置5によりすべての図柄51,52,53が可変表示され、まず左図柄51が停止し、次に右図柄52が停止し、リーチ状態(左=右)となったのち、中図柄53が低速でスクロール表示される状態となり、その低速スクロール表示が各図柄53,52を2周分行なった後、予定停止図柄がLCD表示装置5の停止位置に来た段階で停止される。
【0047】
(B)は特別リーチ1の場合が示されている。LCD表示装置5により全図柄51,52,53が可変表示され、まず左図柄51が停止し、次に右図柄52が停止し、リーチ状態(左=右)となったのち、中図柄53が低速スクロールされる状態となり、その状態が中図柄53を4周分スクロール表示されるまで続き、その後予定停止図柄がLCD表示装置5の停止位置に来た状態で停止される。さらに、この中図柄53の低速スクロールが3周目になった段階から通常リーチとは異なる態様で音,ランプ,LEDによる報知も併わせて行なわれる。
【0048】
(C)は前述した特別リーチ2の場合を示している。LCD表示装置5によりすべての図柄51,52,53が可変表示された後左図柄51が停止し、次に右図柄52が停止し、リーチ状態(左=右)となったのち、中図柄53が低速でスクロール表示される状態となり、その状態が中図柄53の4周分スクロールされるまで続行され、4周分スクロール表示された段階で中図柄53が一時停止し、さらに、その後低速スクロールが開始されてから中図柄53が1周分スクロール表示され、その後予定停止図柄がLCD表示装置5の停止表示位置に来たときに停止表示される。さらに、中図柄53の低速スクロールが3周目になった段階から前記特別リーチ1のときの態様で、さらには前記一時停止後再可変表示の開始時から特別リーチ1のときとは異なる態様で音,ランプ,LEDによる報知も併わせて行なわれる。
【0049】
図7は、当りラインが複数本設定されている可変表示装置の場合の予告報知動作を示す図である。当りラインとは、可変停止時の可変表示装置により表示される複数の停止図柄の組合せがそのライン上において予め定められた特定の組合せとなっている場合に大当りが発生するという大当り発生の判断対象となる停止図柄の組合せラインのことである。
【0050】
(A)は当りラインが、上段,中段,下段の横3本と斜め対角線上に2本との合計5本定められており、この5本の当りライン上において停止図柄の組合せがぞろめになれば、大当りが発生する。そして、リーチの予告報知を行なう場合には、すべての図柄57,58,59が可変表示中に、5本の当りライン上においてリーチが成立するラインをリーチライン61で表示させる。また、大当りを予告報知する場合には、5本の当りライン上において停止図柄がぞろめとなる当りが成立するラインを当りライン60で表示する。
【0051】
(B)は、横方向3本と縦方向3本と斜め対角線上に2本との合計8本の当りラインが定められている可変表示装置の場合を示している。リーチを予告報知する場合には、LCD表示装置5によりすべての図柄62a〜62iが可変表示されている最中に、8本の当りラインのうちリーチが成立するラインをリーチライン64で表示するとともに、そのリーチライン上の図柄表示領域をリーチ枠63g,63f,63bにより囲んで表示する。一方、大当りが発生する当り表示が行なわれることを予告報知する場合には、すべての図柄62a〜62iが可変表示されている最中に、8本の当りラインのうち停止図柄がぞろめとなり当りが成立するラインを当りライン65により表示するとともに、その当りライン上にある図柄表示領域を当り枠63a,63i,63bにより囲んで表示する。
【0052】
なお、(A),(B)の場合に、当りライン60,65とリーチライン61,64とを色を異ならせる等して区別できるようにしてもよい。
【0053】
この図7に示した当りラインが複数本ある可変表示装置の場合には、同時に複数本の当りライン上においてリーチが成立するといういわゆるダブルリーチが発生するようにしてもよい。また、可変表示装置の可変停止時の表示結果に従って大当りが発生した場合のその停止時の図柄(大当り図柄)の種類によって、以降の大当りが発生する確率が変動するようにしてもよい。このダブルリーチが発生する場合や確率変動が発生する場合には、ダブルリーチあるいは確率変動が生ずる大当り図柄(確率変動図柄)による大当りが発生する旨を通常のリーチや大当りとは別の態様で事前報知するようにしてもよい。
【0054】
また、以上説明した実施の形態においては、事前報知の内容として、リーチおよび大当りの両方を報知するものを示したが、大当りのみを事前報知するものであってもよい。また、大当りのみの事前報知を行なう場合には、すべての図柄の可変表示を同時に停止させてもよい。さらに、可変表示装置の種類はどのようなものであってもよく、たとえば、CRT,プラズマ,ドットマトリクスLED,エレクトロルミネセンス,蛍光表示管等の表示装置を利用したもの、あるいは、回転ドラム式や表面に複数種類の図柄が描かれたベルトを回転移動させるものや複数種類の図柄が描かれた円盤を回転させるもの(ロタミント)等の機械式のものであってもよい。さらに、ボクシングの映像表示を行ない、遊技者側のボクサーが勝てば大当りを発生させるものであってもよい。つまり、可変表示は識別情報のスクロール表示あるいは切換表示に限られず、さらに可変表示装置の表示結果が導出表示された後においても引続き表示状態が変化するものであってもよい。また、可変表示装置を利用した事前報知の方法はどのようなものであってもよく、たとえば、逆回転,可変開始時からスロー回転,点滅表示,画面が一瞬OFFになるもの,画面の明暗が反転するもの,表示図柄の形状や大きさが変形するものであってもよい。
【0055】
以上に示した実施の形態によれば、次のような効果を得ることができる。
可変表示装置4の停止図柄を大当りの表示結果とすることが決定された場合に、大当り予告の報知として、大当りの表示結果となる当りラインを図7(A)に示されるような当りライン60によって表示するために、この報知の実行により、大当りになることが決定されたという遊技者にとって喜ばしい状態を遊技者がいち早く知ることができ、期待感が高まって、それ以降の遊技を楽しく行なうことができる。しかも、大当りの表示結果となる当りラインを報知の内容により遊技者が把握することができるため、表示領域上で大当りの表示結果となる部位に遊技者が注目しやすくなる。これにより、表示領域上で大当りの表示結果となる部位に遊技者が容易に注目し得る大当り予告の報知をすることができる。その結果、このような報知により、可変表示を見る遊技者の興趣を十分に向上させることができる。
【0056】
また、前述した図7に示された当りラインの表示は、図3に示された制御動作により行なわれる大当り予告の報知の表示例の一例として説明されているので、図7に示された当りラインの報知については図3の制御内容が適用される。このため、可変表示装置4の停止図柄を大当りの表示結果とすることが決定された場合に、大当り予告として、大当りの表示結果となる当りライン60の表示が必ず行なわれるのではなく、ランダム3カウンタの値に基づいて選択的に行なわれるために、当りライン60による大当り予告が行なわれないにも関わらず特定の表示態様となる場合もあり、その結果、当りライン60による大当り予告が行なわれない場合には必ず大当りが発生しないと遊技者が思うことがなく、当りライン60による大当り予告が行なわれない場合にその時点で遊技者が完全に失望してしまうのを防止することができる。
【0057】
また、図7に示されるように、大当り予告の報知として、大当りの表示結果となる当りラインを可変表示装置4の表示領域において特定する表示が行なわれるため、当りラインにより行なう大当り予告の報知内容を、可変表示を見る遊技者にとってわかりやすく示すことができる。
【0058】
また、図7の(A),(B)に示されるように、大当り予告の報知として、大当りの表示結果となる当りラインが60,65が可変表示装置4の表示領域において線分である当りライン60,65の表示により示されるため、大当りの表示結果となる当りラインの予告報知内容を、可変表示を見る遊技者にとって視覚的に容易に判別可能な態様で示すことができる。
【0059】
また、図7の(B)に示されるように、大当り予告の報知として、大当りの表示結果となる当りラインが可変表示装置4の表示領域において当り枠63a,63i,63bの表示により示されるため、大当りの表示結果となる当りラインの予告報知内容を、可変表示を見る遊技者にとって視覚的に容易に判別可能な態様で示すことができる。
【0060】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0061】
本発明の原出願(特願平11−070529号)の段落番号0017ならびに図1等、および、当該原出願のさらに原出願(特願平5−220297号)の段落番号0009ならびに図1等に示されたパチンコ遊技機により、表示態様が変化可能な可変表示装置(可変表示装置4)を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当りの図柄の組合せ)となったことを条件として所定の遊技価値が付与可能(大当りの制御が実行可能)となる遊技機が構成されている。本発明の原出願の段落番号0027〜0030ならびに図3等、および、当該原出願のさらに原出願の段落番号0019〜0022ならびに図3等に示されたS1,S2,S16により、前記可変表示装置の表示態様を決定する表示態様決定手段が構成されている。本発明の原出願の段落番号0023等ならびに図2、および、当該原出願のさらに原出願の段落番号0015等ならびに図2に示された基本回路29、さらに具体的には、本発明の原出願の段落番号0027〜0035ならびに図3、および、当該原出願のさらに原出願の段落番号0019〜0027ならびに図3に示されたS9,S12〜S14,S27,S30〜S32,S38等により、前記表示態様決定手段による決定に応じて前記可変表示装置を制御する可変表示制御手段が構成されている。本発明の原出願の段落番号0029,0033ならびに図3等、および、当該原出願のさらに原出願の段落番号0021,0025ならびに図3等に示されたS11〜S14,S29〜S32等により、前記可変表示装置の表示結果が導出される前段階においてリーチ表示態様(リーチ状態)が前記可変表示装置に表示される場合に、特別なリーチ表示態様(特別リーチ状態)を含む複数種類のリーチ表示態様から選択的されたリーチ表示態様を表示する制御を行なうリーチ表示態様制御手段が構成されている。本発明の原出願の段落番号0029,0033,0051ならびに図3,図6(C)等、および、当該原出願のさらに原出願の段落番号0021,0025,0043ならびに図3,図6等に示されたS12〜S14等により、前記リーチ表示態様が前記可変表示装置に表示される場合に、リーチ表示態様である旨を報知(たとえば音,ランプ,LEDによる報知)するリーチ報知手段が構成されている。本発明の原出願の段落番号0029,0033ならびに図3等、および、当該原出願のさらに原出願の段落番号0021,0025ならびに図3等に示された大当り時と外れ時とにおける通常リーチと特別リーチとの発生割合を対比すると明らかなように、前記特別なリーチ表示態様は、前記特別なリーチ表示態様以外のリーチ表示態様から表示結果が導出される場合よりも前記特定の表示態様の表示結果が導出されやすい表示態様である(大当り時は1/6の割合で通常リーチが発生し、5/6の割合で特別リーチが発生し、一方、外れ時は3/6の割合で通常リーチが発生し、3/6の割合で特別リーチが発生することを根拠とする。)。本発明の原出願の段落番号0049〜0051ならびに図6等、および、当該原出願のさらに原出願の段落番号0041〜0043ならびに図6等に示されるように、前記リーチ表示態様制御手段は、リーチ表示態様を表示する場合に、前記特別なリーチ表示態様以外のリーチ表示態様(通常リーチ)から第1の特別なリーチ表示態様(特別リーチ1)に発展させて表示し(たとえば特別リーチ1は、低速スクロール表示が2周分行なわれるまで通常リーチと同様のリーチ表示態様となり、その後、通常リーチとは異なりスクロール表示が4周分続く特別リーチ1に発展する表示展開となっている)、さらに、該第1の特別なリーチ表示態様から第2の特別なリーチ表示態様(特別リーチ2)に発展させて表示する(たとえば特別リーチ2は、低速スクロール表示が2周分行なわれるまで通常リーチと同様のリーチ表示態様となり、その後、スクロール表示が4周分続くまで特別リーチ1と同様のリーチ表示態様となり、さらにその後、特別リーチ1とは異なり、スクロールが一時停止した後、再び1周分低速スクロール表示が行なわれる特別リーチ2に発展する表示展開となっている)。本発明の原出願の段落番号0051、および、当該原出願のさらに原出願の段落番号0043において、「一時停止後再可変表示の開始時から特別リーチ1のときとは異なる態様で音,ランプ,LEDによる報知も併せて行なわれる」旨示されるように、前記リーチ報知手段は、前記リーチ表示態様が前記第1の特別なリーチ表示態様から前記第2の特別なリーチ表示態様に発展する場合に、前記報知の態様を変更する。
【0062】
本発明の原出願の段落番号0029,0033ならびに図3等、および、当該原出願のさらに原出願の段落番号0021,0025ならびに図3等に示された大当り時と外れ時とにおける特別リーチ1と特別リーチ2との発生割合を対比すると明らかなように、前記第1の特別なリーチ表示態様と前記第2の特別なリーチ表示態様とでは、前記特定の表示態様の表示結果についての導出されやすさが異なる(大当り決定の場合のリーチ時は2/6の割合で特別リーチ1が発生し、3/6の割合で特別リーチ2が発生し、はずれ決定の場合のリーチ時には、2/6の割合で特別リーチ1が発生し、1/6の割合で特別リーチ2が発生することを根拠とする。)。
【0063】
本発明の原出願の段落番号0029,0033ならびに図3等、および、当該原出願のさらに原出願の段落番号0021,0025ならびに図3等に示された大当り時と外れ時とにおける特別リーチ1と特別リーチ2との発生割合を対比すると明らかなように、前記第2の特別なリーチ表示態様は、前記第1の特別なリーチ表示態様よりも前記特定の表示態様の表示結果が導出されやすい(大当り決定の場合のリーチ時は2/6の割合で特別リーチ1が発生し、3/6の割合で特別リーチ2が発生し、はずれ決定の場合のリーチ時には、2/6の割合で特別リーチ1が発生し、1/6の割合で特別リーチ2が発生することを根拠とする。)。
【0064】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、リーチ種別があたかもその表示動作の途中で、特定の表示態様へのより大きな期待が持てる他の種別に“発展”するかのごとき演出を可能にし、かつ、期待感が向上されるリーチの“発展”ポイントを遊技者が極力見逃すことのないようにして効果的な演出が無駄にならないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊技盤面を示す正面図である。
【図2】パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
【図3】パチンコ遊技機における主として可変表示装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図4】図柄の変動動作によって予告報知を行なう場合のLCD表示装置の表示動作を示す図である。
【図5】可変表示中の画面を切換えて予告報知を行なう場合のLCD表示装置の表示動作を示す図である。
【図6】通常リーチ,特別リーチ1,特別リーチ2を報知する場合のLCD表示装置の表示動作を示す図である。
【図7】当りラインが複数本設定されている可変表示装置のLCD表示装置による表示動作を示す図である。
【符号の説明】
4は可変表示装置、5はLCD表示装置、9は可変入賞球装置、29は基本回路である。
Claims (1)
- 複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を含み、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに所定の遊技価値が付与可能となる遊技機であって、
前記可変表示装置の表示結果の表示態様を決定する表示態様決定手段と、
該表示態様決定手段により決定された内容に従って前記可変表示装置を制御する可変表示制御手段と、
該可変表示制御手段の制御により可変表示している前記可変表示装置においてリーチとなっていることを報知するリーチ報知手段とを備え、
前記可変表示制御手段は、前記可変表示装置においてリーチとなったときの可変表示動作の制御として、
リーチが成立してから第1の識別情報数分の可変表示を継続させた後に前記表示態様決定手段により決定された内容に従う表示結果を導出表示させる通常リーチ表示動作の制御と、
表示結果を前記特定の表示態様とすることが決定されたときに前記通常リーチ表示動作よりも実行される割合が高い一方、表示結果を前記特定の表示態様以外とすることが決定されたときに前記通常リーチ表示動作よりも実行される割合が低い複数種類の特別リーチ表示動作の制御とを実行可能であり、
前記特別リーチ表示動作の種類として、
リーチが成立してから前記第1の識別情報数分の可変表示を継続させ、さらに第2の識別情報数分の可変表示を継続させた後に前記表示態様決定手段により決定された内容に従う表示結果を導出表示させる第1特別リーチ表示動作と、
リーチが成立してから前記第1の識別情報数分の可変表示を継続させ、さらに前記第2の識別情報数分の可変表示を継続させた後に可変表示動作を一時停止させ、再度可変表示を行なった後に前記表示態様決定手段により決定された内容に従う表示結果を導出表示させる第2特別リーチ表示動作とが規定されており、
さらに、
複数種類のリーチ表示動作のうちのいずれを実行するかを選択するために用いられるリーチ表示動作選択用乱数を発生させるリーチ表示動作選択用乱数発生手段と、
前記リーチ表示動作選択用乱数の値に対応するリーチ表示動作を選択するリーチ表示動作選択手段とを備え、
前記リーチ表示動作選択用乱数発生手段は、前記リーチ表示動作の種類の数よりも多い数値範囲のリーチ表示動作選択用乱数を発生し、
前記表示態様決定手段により前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様とすることが決定されたときは前記リーチ表示動作の選択率が高い順から前記第2特別リーチ表示動作、前記第1特別リーチ表示動作、前記通常リーチ表示動作となる一方、前記表示態様決定手段により前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様以外とすることが決定されたときは前記リーチ表示動作の選択率が高い順から前記通常リーチ表示動作、前記第1特別リーチ表示動作、前記第2特別リーチ表示動作となるように、前記表示態様決定手段により前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様とすることが決定されたときと前記特定の表示態様以外とすることが決定されたときとで前記リーチ表示動作の種類に対応するリーチ表示動作選択用乱数の値を1個以上設定するとともに、その設定個数が前記リーチ表示動作の種類毎に異なっており、
前記リーチ報知手段は、
前記第1特別リーチ表示動作において前記第1の識別情報数分の可変表示が終了し前記第2の識別情報数分の可変表示を行なう段階で前記通常リーチ表示動作のときとは異なる所定報知態様に報知の態様を変更し、
前記第2特別リーチ表示動作において前記第1の識別情報数分の可変表示が終了し前記第2の識別情報数分の可変表示を行なう段階で前記所定報知態様に報知の態様を変更し、前記第2の識別情報数分の可変表示が終了し可変表示動作が一時停止した後、再度可変 表示を行なう段階でさらに報知の態様を変更することを特徴とする、遊技機。
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