JP4646052B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、ぱちんこ遊技機等の弾球遊技機に関し、特に弾球遊技機の遊技性を向上させる技術に関する。
弾球遊技機として様々な機種のぱちんこ遊技機が親しまれている。従来のぱちんこ遊技機の中には、遊技盤上に形成された始動口に遊技球が落入すると、その結果として乱数が取得されるものもある。取得された乱数は保留球として、たとえば最大4個まで一時記憶される。保留球は順次、一つずつ読み出され、特別図柄とよばれる図柄が変動表示される。このとき、特別図柄の変動表示に連動して、装飾図柄と呼ばれる図柄が主として演出目的で変動表示される場合もある。読み出された乱数に基づいて、特別図柄の停止表示態様が決定される。
所定時間の変動表示後、特定態様にて特別図柄が停止表示されると、いわゆる「大当たり」として特別遊技に遊技状態が移行する。特別遊技は、複数回の単位遊技で構成される。遊技盤上に形成される大入賞口は単位遊技の開始時に開放される。単位遊技はその開始から、所定期間、たとえば30秒間経過するか、あるいは単位遊技中において遊技球が大入賞口へ9球以上入賞したときに終了する。このとき大入賞口も一旦閉鎖される。単位遊技中において、大入賞口内に設けられたVゾーンと呼ばれる特定領域を遊技球が通過していれば、単位遊技は次の単位遊技へと継続される。このとき再び大入賞口は開放される。単位遊技は所定回数、たとえば、15回を限度として継続され得る。遊技球が大入賞口に落入すると、通常よりも多くの遊技球が賞球として払い出される。
一般的な遊技者は多くの賞球を獲得するために大入賞口を開放させる、すなわち、特別遊技に遊技状態を移行させることを主たる目的として遊技を行う(例えば、特許文献1参照)。
弾球遊技機の中には、特別遊技が終了した後に、いわゆる確変や時短などとよばれる遊技者に有利な遊技状態へ移行するものもある。たとえば、時短状態に移行すると、始動口の入口が拡開しやすくなり、結果として、遊技球が始動口に入球しやすくなる。時短状態においては、単位時間当たりの抽選回数が増えることになるため、通常状態に比べて特別遊技に再移行しやすくなる。また、確変状態に移行すると、大当たりの発生確率が通常状態よりも高く設定される。結果として、確変状態においては通常状態に比べて大当たりが発生しやすくなるため、やはり特別遊技に再移行しやすくなる。
時短や確変は、たとえば、特別図柄が所定回数変動するまで継続する。あるいは、再び大当たりが発生するまで継続する。
特開2003−230714号公報 特開2003−169922号公報
本発明者は、特別図柄が特定態様にて停止表示されたことを条件として開始される特別遊技に加え、それとは異なる遊技条件が満たされたときに開始される特別遊技を設けることにより、弾球遊技機の遊技性を高めることができることに想到した。その上で、遊技者に有利な特定の遊技状態から、これら2種類の特別遊技のいずれにも移行し得るように遊技の制御を工夫することにより、遊技者の大当たりに対する期待感を更に高めることができると認識した。
本発明はこのように認識された課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、特別遊技への移行制御に関して新たな遊技性をもたせた弾球遊技機を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な第1始動口と、第1始動口への遊技球の入球に応じて第1抽選を実行して当否判定する第1抽選手段と、第1図柄の変動表示過程を示す表示パターンを複数種類記憶するパターン記憶手段と、パターン記憶手段からいずれかの表示パターンを選択するための選択条件を定めたパターン選択テーブルを参照し、記憶されている複数種類の表示パターンからいずれかの表示パターンを第1抽選の結果に応じて選択するパターン選択手段と、選択された表示パターンにて第1図柄を変動表示させる第1表示制御手段と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の受け入れ状態が遊技者に有利な状態に変化可能な可変入球装置と、第1特別遊技を実行するための条件である第1作動条件を保持する第1作動条件保持手段と、第1表示制御手段により変動表示される第1図柄が所定の当たり図柄で停止されたときに第1作動条件が成立したと判定し、可変入球装置の受け入れ状態を遊技者に有利な状態へ変化させることにより第1特別遊技を実行する第1特別遊技実行手段と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な第2始動口と、第2始動口への遊技球の入球に応じて第2抽選を実行して当否判定する第2抽選手段と、第2抽選の結果に応じて第2図柄を変動表示させる第2表示制御手段と、遊技領域の所定位置に設けられ、第2表示制御手段により変動表示される第2図柄が所定の当たり図柄で停止されたときに遊技球の受け入れ状態が遊技者に有利な状態に変化する可変入球口と、第2特別遊技を実行するための条件である第2作動条件を保持する第2作動条件保持手段と、可変入球口に遊技球が入球したときに第2作動条件が成立したと判定し、可変入球装置の受け入れ状態を遊技者に有利な状態に変化させ、可変入球装置内の特定領域へ遊技球が入球すると、可変入球装置の受け入れ状態を再度遊技者に有利な状態へ変化させることにより第2特別遊技を実行する第2特別遊技実行手段と、所定の特定遊技開始条件が成立したとき、可変入球口の受け入れ状態が遊技者に有利な状態へ変化しやすい特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、を備える。ここで、パターン選択手段は、特定遊技の実行中においては第1図柄の変動時間が第2図柄の変動時間以下となる表示パターンを選択する。
この態様における弾球遊技機としては、従来にいう、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と第2種ぱちんこ遊技機を混在させたような遊技機を主に想定する。可変入球口または可変入球装置において、遊技者に不利な状態とは、遊技球が入球すべき入口が閉鎖した状態ないしは狭い状態を指してもよく、遊技者に有利な状態とは、その入口が開放した状態ないしは相対的に広い状態を指してもよい。
特定遊技では通常遊技に比べて可変入球口へ遊技球が入球しやすくなるとしてもよい。たとえば、第2表示制御手段が図柄を変動表示させる期間に対する可変入球口の拡開期間の時間比が、特定遊技においては通常状態に比べて大きくなるように設定されてもよい。また、特定遊技では通常遊技よりも第1抽選や第2抽選の当たり確率が高くなるように設定されてもよい。このようにして、特定遊技においては通常状態に比べて第1特別遊技および第2特別遊技の双方または一方へ移行しやすくなるように制御されてもよい。
この態様における弾球遊技機は、第1特別遊技と第2特別遊技が同時に実行されないよう制御してもよい。遊技球が第2始動口に入球してから第2特別遊技が開始されるまでには、少なくとも第2図柄を変動表示させるための時間がかかる。そのため、この遊技球が第2始動口に入球してから第2特別遊技への移行可否が確定するまでの期間(以下、「確定待機期間」とよぶ)に別の遊技球が第1始動口に落入する可能性もある。このとき、特定遊技中、特に、確定待機期間中に第1特別遊技と第2特別遊技のいずれにも移行可能性が生じれば、遊技者の大当たりに対する期待感を大きく高めることも可能である。しかるに、特定遊技中の第1図柄の変動時間が長い場合には、その結果が確定する前に第2特別遊技に移行する可能性が高くなり、結果として特定遊技中においては第1抽選による遊技性が充分に発揮されなくなることがある。
この態様によれば、特定遊技中においては第1図柄の変動時間を少なくとも第2図柄の変動時間以下の短い時間に設定することにより、確定待機期間内であっても第1特別遊技への移行可否を確定させやすくなる。いいかえれば、特定遊技中は第1特別遊技への移行可否が早期に確定されるため、第1特別遊技への移行に失敗しても、第2特別遊技への移行可能性が残る状態となりやすくなり、第1特別遊技への移行可能性と第2特別遊技への移行可能性を共に活かしやすくなる。
また、たとえば、第1特別遊技を第2特別遊技よりも遊技者にとって更に有利な遊技状態とする場合には、第1特別遊技への移行が確定する前に第2特別遊技への移行が確定すると、遊技者の受益機会が充分に活かされなくなる可能性もある。この態様によれば、このようなときにも、遊技者の受益機会を確保しやすくなる。
このような態様によれば、弾球遊技機の遊技性の向上を図ることができる。また、2種類の特別遊技において使用される可変入球装置を共通化することにより、限られた遊技領域を有効活用できる。なお、特定遊技中における第1図柄の変動時間は、たとえば、1秒程度のごく短い時間としてもよい。
本発明の別の態様もまた、弾球遊技機である。この弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な第1始動口と、第1始動口への遊技球の入球に応じて第1抽選を実行して当否判定する第1抽選手段と、第1図柄の変動表示過程を示す表示パターンを複数種類記憶するパターン記憶手段と、パターン記憶手段からいずれかの表示パターンを選択するための選択条件を定めたパターン選択テーブルを参照し、第1抽選の結果に応じて記憶されている複数種類の表示パターンからいずれかの表示パターンを選択するパターン選択手段と、選択された表示パターンにて、第1図柄を変動表示させる第1表示制御手段と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の受け入れ状態が遊技者に有利な状態に変化可能な第1可変入球装置と、第1特別遊技を実行するための条件である第1作動条件を保持する第1作動条件保持手段と、第1表示制御手段により変動表示される第1図柄が所定の当たり図柄で停止されたときに第1作動条件が成立したと判定し、第1可変入球装置の受け入れ状態を遊技者に有利な状態へ変化させることにより第1特別遊技を実行する第1特別遊技実行手段と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な第2始動口と、第2始動口への遊技球の入球に応じて第2抽選を実行して当否判定する第2抽選手段と、第2抽選の結果に応じて第2図柄を変動表示させる第2表示制御手段と、遊技領域の所定位置に設けられ、第2表示制御手段により変動表示される第2図柄が所定の当たり図柄で停止されたときに遊技球の受け入れ状態が遊技者に有利な状態に変化する可変入球口と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の受け入れ状態が遊技者に有利な状態に変化可能な第2可変入球装置と、第2特別遊技を実行するための条件である第2作動条件を保持する第2作動条件保持手段と、可変入球口に遊技球が入球したときに第2作動条件が成立したと判定し、第2可変入球装置の受け入れ状態を遊技者に有利な状態に変化させることにより第2特別遊技における第1段階を実行し、その第1段階において第2可変入球装置内の特定領域へ遊技球が入球した場合に第2特別遊技における第2段階への移行条件が成立したと判定し、第1可変入球装置の受け入れ状態を有利な状態へ変化させることにより第2特別遊技における第2段階を実行する第2特別遊技実行手段と、所定の特定遊技開始条件が成立したとき、可変入球口の受け入れ状態が遊技者に有利な状態へ変化しやすい特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、を備える。ここで、パターン選択手段は、特定遊技の実行中においては第1図柄の変動時間が第2図柄の変動時間以下となる表示パターンを選択する。
この態様における弾球遊技機としても、従来にいう、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と第2種ぱちんこ遊技機を混在させたような遊技機を主に想定する。この態様においても、特定遊技中においては第1図柄の変動時間を第2図柄の変動時間以下に設定することにより、特定遊技中、特に、確定待機期間において第2特別遊技への移行可否が確定する前に、第1特別遊技への移行可否を確定させやすくすることができる。これにより、弾球遊技機の遊技性向上を図ることができる。また、第1および第2可変入球装置の2つの可変入球装置を設け、それぞれの役割を分離することにより弾球遊技機における技術介入性を高めることができる。
これらの遊技機のパターン選択手段は、特定遊技の実行中において第1作動条件が成立することを条件として、第1図柄の変動時間が第2図柄の変動時間以下となる表示パターンを選択してもよい。
この態様によれば、第1抽選が当たりであるときには、第1図柄の変動時間が短くなるため、特に、確定待機期間において第1特別遊技への移行を確定させやすくなる。また、たとえば、特定遊技の継続時間を、その開始から第1図柄が規定回数(以下、「継続回数」とよぶ)変動表示されるまでの期間と設定する場合、特定遊技中における第1図柄の変動時間を短くすると、結果的に継続時間が短縮されやすくなる。この態様によれば、特定遊技中、特に、確定待機期間において第1特別遊技への移行を確定させやすく、かつ、第2特別遊技への移行を期待するのに充分な長さの継続時間を確保しやすくなる。
これらの遊技機の特定遊技実行手段は、特定遊技の実行中において少なくとも第1作動条件か第2作動条件のいずれかが成立したときに特定遊技の実行を終了させてもよい。
このような態様によれば、特定遊技と第1特別遊技、第2特別遊技という遊技状態を区分しやすくなるため、出球設計を容易にするとともに、遊技の進行状況が遊技者に理解しやすい遊技を提供する上で効果がある。
これらの遊技機は、第2作動条件が成立してから第2特別遊技が継続する期間における第1作動条件の成立を回避させる作動回避手段を更に備えてもよい。
この態様によれば、第2特別遊技の実行中において第1特別遊技が開始されないように制御することができるので、出球設計を容易にするとともに、遊技の進行状況が遊技者に理解しやすい遊技を提供する上で効果がある。
特定遊技実行手段は、特定遊技開始条件が成立したとき、第1抽選の当たり確率が通常状態よりも高い確率に変更される特定遊技を実行してもよい。
このような態様によれば、特定遊技中においては通常の遊技状態に比べて第1特別遊技へ移行しやすくなる。そのため、特定遊技中に第1特別遊技への移行に対する遊技者の期待感を高める上で効果がある。また、特定遊技中における第2特別遊技への移行に対する期待感に加えて、第1特別遊技への移行に対する遊技者の期待感も共に高められるように制御することにより、より遊技性の高い弾球遊技機を提供することができる。
本発明によれば、特別遊技への移行可否に関して新たな遊技性を実現することにより遊技興趣を向上させた弾球遊技機を提供できる。
本実施例のぱちんこ遊技機は、通常遊技より有利な状態である特別遊技を複数の形態で提供する。すなわち、第1特別遊技として、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機における特別遊技に類似する遊技を提供し、第2特別遊技として、従来にいう第2種ぱちんこ遊技機における特別遊技に類似する遊技を提供する。ただし、第1特別遊技と第2特別遊技が同時に実行されないよう排他制御される。これらの特別遊技が終了すると、遊技者に有利な特定遊技に移行する。
この特定遊技中においては通常状態に比べて第2特別遊技に移行しやすくなるように制御される。特定遊技は、図柄変動の回数が所定の継続回数に達するまで継続されるが、特定遊技中に第1特別遊技や第2特別遊技に移行した場合には、特定遊技終了条件の成立として継続回数に達する前であっても特定遊技は終了する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。
以下、本実施例の弾球遊技機は、従来にいう、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機の特徴と第2種ぱちんこ遊技機の特徴とを混在させた構成を有する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じて効果音を出力する。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52が形成され、遊技領域52には、アウト口58、第1始動入賞口(以下、「第1始動口」という)24、普通電動役物26、第1大入賞口28、第2大入賞口30および普通図柄作動ゲート(以下、「第2始動口」という)68が設けられる。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動口24は、遊技球の入球を検出するための入球検出装置32を備える。普通電動役物26は、遊技球の入球を検出するための入球検出装置34と、普通電動役物26を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。第1大入賞口28は、遊技球の入球を検出するための入球検出装置78と、第1大入賞口28を開閉させるための大入賞口ソレノイド82を備える。第2大入賞口30は、遊技球の入球を検出するための入球検出装置81と、第2大入賞口30の羽根を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。第2始動口68は、遊技球の入球を検出するための入球検出装置38を備える。
普通電動役物26は、遊技球の受け入れ状態が遊技者に不利な状態と有利な状態の間で状態変化する。具体的には、普通電動役物26は、普通電動役物ソレノイド76の駆動制御に応じて開放状態および閉鎖状態への状態変化が可能な可変入球口として機能する。普通電動役物26は、第1始動口24のすぐ下方に設けられる。普通電動役物26が閉鎖状態にあるときはその入球口が第1始動口24に遮蔽されているため、遊技球は普通電動役物26に落入しない。普通電動役物26が開放状態となると遊技球は普通電動役物26の横方向から落入可能となる。普通電動役物26は、通常遊技中においては所定の期間、例えば0.8秒という短時間しか開放状態とならないので、ほとんど遊技球が落入することはない。後に詳述する特定遊技中においては普通電動役物26の開放期間が通常遊技中のそれと比べて長くなるので、遊技球は普通電動役物26に落入しやすくなる。
第1大入賞口28は、遊技球の受け入れ状態が遊技者に不利な状態と有利な状態の間で状態変化する。具体的には、第1大入賞口28は、大入賞口ソレノイド82の駆動制御に応じて開放状態および閉鎖状態への状態変化が可能な第1可変入球装置として機能する。第1大入賞口28は、特別遊技中に「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口であり、アウト口58の上方に設けられる。第1大入賞口28が閉鎖状態にあるとき、遊技球は第1大入賞口28に入球できず、開放状態となったときにはじめて入球可能となる。
第2大入賞口30も、遊技球の受け入れ状態が遊技者に不利な状態と有利な状態の間で状態変化する。具体的には、第2大入賞口30は、大入賞口ソレノイド80の駆動制御に応じて開放状態および閉鎖状態への状態変化が可能な第2可変入球装置として機能する。第2大入賞口30は、普通電動役物26への遊技球の入球を契機として開放状態となる。第2大入賞口30が閉鎖状態にあるとき、遊技球は第2大入賞口30に入球できず、開放状態となったときにはじめ入球可能となる。
遊技盤50の略中央に設けられた役物64には、装飾図柄表示装置60、特別図柄表示装置61、特別図柄変動用の保留ランプ20、普通図柄変動用の保留ランプ21が設けられている。特別図柄表示装置61は、特別図柄202を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。
特別図柄202は、第1始動口24への遊技球の入球を契機として行われる抽選(以下、「特別図柄抽選」とよぶ)の結果に応じた図柄であり、大当たりを発生させるか否かを示す役割をもつ。特別図柄表示装置61は、例えばLEDで構成される表示手段である。また、特別図柄表示装置61は、特定遊技への移行可否を示すための判定図柄203を特別図柄202とともに表示する。
図2は、特別図柄表示装置に表示される特別図柄および判定図柄を示す図である。
判定図柄203は、いわゆる7セグメントで表示された特別図柄202の近傍にて1ドットで表示される図柄である。判定図柄203は、その変動表示として点滅表示がなされ、変動停止時に点灯されたまま停止した場合は「特定遊技の実行あり」を表し、消灯されたまま停止した場合は「特定遊技の実行なし」を表す。判定図柄203がいずれの態様にて停止するかは、後述する判定図柄抽選によって決定される。
図1に戻り、装飾図柄表示装置60は、特別図柄202の変動表示と連動する形で装飾図柄200を変動させながら表示する。装飾図柄200は、特別図柄202で示される特別図柄抽選の結果を視覚的に演出するための図柄である。装飾図柄表示装置60は、装飾図柄200として、例えばスロットマシーンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。装飾図柄表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。
なお、特別図柄202は演出的な役割をもつ必要がないため、本実施例では装飾図柄表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示されるが、特別図柄202自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄200を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄202を装飾図柄表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。同様に、判定図柄203を装飾図柄表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
特別図柄変動用の保留ランプ20は4個のランプからなり、その点灯個数によって特別図柄202の変動の保留球数を表示する。この保留球数は、特別図柄202の変動中に第1始動口24へ入賞した抽選乱数(以下、「特図乱数」ともよぶ)の個数であり、特別図柄202の変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。同様に、普通図柄変動用の保留ランプ21も4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄204の変動の保留球数を表示する。この保留球数は、普通図柄204の変動中に第2始動口68へ入球した抽選乱数(以下、「普図乱数」ともよぶ)の個数であり、普通図柄204の変動がまだ実行されていない入球の数を示す。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が第1始動口24、普通電動役物26、第2大入賞口30、第1大入賞口28等の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。第1始動口24等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、「入球」は、「落入」「入賞」「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動口24に落入すると、特別図柄表示装置61および装飾図柄表示装置60において特別図柄202および装飾図柄200がそれぞれ変動表示される。特別図柄202および装飾図柄200の変動表示は、表示に先だって決定された変動時間の経過後に停止される。また、変動表示の開始にあたっては特別図柄抽選が実行され、変動表示が終了するときにその抽選結果に応じた停止図柄が表示される。停止時の特別図柄202が大当たりを示す図柄である場合、第1大入賞口28の開閉動作が開始され、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行する。
本実施例において、特別図柄202が大当たり図柄で停止した場合に実行される特別遊技を「第1特別遊技」と呼ぶ。特別図柄202が大当たりの図柄で停止されるとき、スロットマシーンのゲームを模した装飾図柄200は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。第1特別遊技に移行すると、第1大入賞口28は約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。第1特別遊技は、1回以上の単位遊技で構成される。単位遊技の回数は、最大で15回であり、第1特別遊技に移行するたびにその回数が抽選で決定される。1回の単位遊技において1回の開閉動作がなされるので、第1大入賞口28の開閉動作は単位遊技の回数分繰り返される。
第1特別遊技に移行するとき判定図柄抽選が実行される。この判定図柄抽選が当たりとなれば、判定図柄203が点灯表示され、第1特別遊技の終了後に特定遊技が開始される。特定遊技中における特別図柄202および装飾図柄200の図柄変動が特定遊技の実行期間を定める継続回数に達すると特定遊技は終了する。また、特定遊技中に第1特別遊技や第2特別遊技に移行するときには、図柄変動の回数が継続回数に達していなくとも特定遊技は終了する。継続回数は、第1特別遊技または第2特別遊技が開始するときに特別図柄202に応じて決定されるが、予め定められた一定回数であってもよい。通常遊技においては特別図柄202および装飾図柄200の図柄変動の時間が10秒、30秒、1分など様々な時間が設定されるが、特定遊技においてはこれらの図柄変動の時間は概ね短縮される。
第2始動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄204と呼ばれる図柄が変動表示される。普通図柄204は装飾図柄表示装置60の画面右下隅にて変動表示される。なお、普通図柄204は他の表示装置において変動表示されてもよい。普通図柄204が装飾図柄表示装置60にて表示される場合、装飾図柄表示装置60は普通図柄表示装置としても機能することになる。普通図柄204の変動開始にあたっては抽選(以下、「普通図柄抽選」とよぶ)が実行され、その当否が判定される。普通図柄抽選の当否に応じて変動表示後に停止表示される普通図柄204が決定される。普通図柄204が変動表示後に所定の当たり図柄で停止すると、普通電動役物26が所定時間開放される。
特定遊技中に普通図柄抽選が当たりとなると普通電動役物26は3秒間の開放を間欠的に2回繰り返す。また、特定遊技開始を契機として普通図柄204の変動表示時間が短縮されると共に、普通図柄抽選の当たり確率が通常遊技時に比べて高確率に変動する。普通図柄抽選の当たり確率は、通常遊技中には65000分の1程度の低確率に設定され、特定遊技中には1.003分の1程度の高確率に設定されてもよい。このように、特定遊技中でないと普通図柄抽選がほとんど当たらないように制御してもよい。
特定遊技中は、更に普通電動役物26の開放時間が長くなる。例えば、通常遊技中における普通電動役物26の開放は、0.8秒の開放が1回であるのに対し、特定遊技中の開放は3秒間の開放が2回となる。このため、特定遊技中には通常遊技中に比べて普通電動役物26へ遊技球を入球させやすくなる。このように、特定遊技の通常遊技に対する優位性を明確にすることによって遊技性を明快にしてもよい。
普通電動役物26に遊技球が落入して普通図柄抽選が当たりとなると、第2大入賞口30が開放されて、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行する。このような普通電動役物26に遊技球が入球した場合に実行される特別遊技を「第2特別遊技」と呼ぶ。また、第2特別遊技において第2大入賞口30が開放される状態を第2特別遊技の第1段階と呼ぶ。
第2大入賞口30には、特定領域22および流出領域66が設けられている。役物64の内部は、開放された第2大入賞口30を通じて遊技球が流入するよう形成されており、役物64内に流入した遊技球は特定領域22および流出領域66のいずれかへ入球する。開放された第2大入賞口30への入球は入球検出装置81により検出され、開放中の第2大入賞口30へのトータルの入球数が計数される。
役物64の内部には、第2大入賞口30から流入した遊技球を特定領域22および流出領域66のいずれかへ誘導する誘導装置62がさらに設けられている。誘導装置62は、それぞれが長短複数の羽根を有する二つの回転体からなる。これら二つの回転体はつねに回転しており、それぞれの長い羽根同士が近接したときに、その上へ落下した遊技球を特定領域22へ誘導する。長い羽根同士が近接していないときは、その上へ落下した遊技球は流出領域66へ入球する。
特定領域22への入球は入球検出装置36により検出され、流出領域66への入球は流出検出装置37により検出される。入球検出装置36および流出検出装置37は、特定領域22および流出領域66のそれぞれに入球した遊技球を計数し、それぞれの入球数の和が、入球検出装置81により計数された入球数と一致すると、第2大入賞口30に入球した全ての遊技球が、特定領域22または流出領域66に入球したと判定される。
遊技球が役物64の内部の特定領域22に入球することが、第2特別遊技の第1段階から第2段階へ移行するための継続条件となる。継続条件が成立すると、第1特別遊技と同様に、第1大入賞口28の開閉動作が残りの単位遊技の回数分繰り返される。すなわち、第2特別遊技もまた1回以上の15回以内の単位遊技で構成される。単位遊技の回数は第2特別遊技へ移行するたびに抽選で決定されるが、予め定められた一定回数としてもよい。第2特別遊技の第1段階は1回目の単位遊技に相当し、第2段階が2回目以降の単位遊技に相当する。第2段階に移行すると、第1大入賞口28の開閉動作は2回目以降の残りの単位遊技の回数分繰り返される。本実施例では、第1特別遊技における第1大入賞口28の開閉回数が最大15回であるのに対し、第2特別遊技の第2段階における第1大入賞口28の開閉回数は最大14回である。
本実施例のぱちんこ遊技機10では、第1特別遊技と第2特別遊技とで、連続的に状態変化する可変入球装置として同一の第1大入賞口28を用いることにより、遊技領域52上のスペースを有効活用できる。また、連続的に状態変化する可変入球装置を共通とすることで、特別遊技の動作制御を単純にすることができ、また製造コストの削減にもつながる。変形例として、第2大入賞口30が第1大入賞口28の機能を兼ねてもよいし、その逆に、第1大入賞口28が第2大入賞口30の機能を兼ねてもよい。この場合、更に遊技領域52のスペースを有効活用することができる。
図3は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。
電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板41は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に第1始動口24および第2始動口68へ入球したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板49は、液晶ユニット42を備え、装飾図柄表示装置60および特別図柄表示装置61における表示内容を制御し、特にメイン基板41による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板41およびサブ基板49は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図4は、ぱちんこ遊技機の機能ブロック図である。
ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動口24、第2始動口68、普通電動役物26、第1大入賞口28、第2大入賞口30、装飾図柄表示装置60、特別図柄表示装置61、スピーカ18のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄の変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板41と、図柄の演出等を制御するサブ基板49とに機能を分担させた形態で構成される。
遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。遊技制御装置100は、各入球口への入球を判定する入球判定手段110、第1始動口24への遊技球の入球に基づき特別図柄抽選を実行する第1抽選手段112、第2始動口68への遊技球の入球に基づき普通図柄抽選を実行する第2抽選手段114、判定図柄抽選を実行する第3抽選手段115と、特別図柄202、装飾図柄200、普通図柄204のそれぞれの変動表示パターンを保持するパターン記憶手段116、変動表示中における各始動口への入球を保留球として上限個数以内で記憶する入賞記憶手段117、図柄変動の停止図柄および変動表示の表示パターンを決定する図柄決定手段120、図柄や電飾等の表示を制御する表示制御手段130、特別遊技を制御する特別遊技制御手段140、特定遊技を制御する特定遊技制御手段160、および可変入球口または可変入球装置の開閉を制御する開閉制御手段170を備える。
入賞記憶手段117は、第1表示制御手段131による特別図柄202の変動表示中に遊技球が第1始動口24へ入球したとき、その入球に対応する特図乱数を上限個数である4個まで保留球として記憶する第1記憶手段118と、第2表示制御手段132による普通図柄204の変動表示中に遊技球が第2始動口68へ入球したとき、その入球に対応する普図乱数を上限個数である4個まで保留球として記憶する第2記憶手段119と、を含む。
入球検出装置32は第1始動口24に設けられたセンサであり、第1始動口24への遊技球の落入を検出し、落入を示す第1始動入賞情報を生成する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口24に入球したものと判定する。第1始動口24への入球が判定されると、第1抽選手段112は、保留球数が上限に達しているか否かを調べる。保留球数の上限は予め4つに設定されている。保留球数が上限に達していない場合、入球判定手段110が第1始動入賞情報を受け取ったタイミングで、第1抽選手段112は始動入賞に対する特図乱数を取得する。第1抽選手段112は、数学的に乱数を生成して取得してもよく、また図示しないカウンタにより生成されるカウント値を特図乱数として取得してもよい。第1抽選手段112は、取得した特図乱数に基づいて、特別図柄抽選の当否を判定する。なお、特別図柄抽選の当否判定のタイミングは、特図乱数の取得とともに行われてもよく、また特別図柄の変動を開始する直前に行われてもよい。
図柄決定手段120における特別図柄決定手段122および装飾図柄決定手段124は、第1抽選手段112による特別図柄抽選の判定結果に応じた停止図柄と、図柄変動の表示パターンとを決定する。パターン記憶手段116は、特別図柄202や装飾図柄200を変動表示させるときの表示パターンとして複数種類の表示パターンを保持する。特別図柄決定手段122は、特図乱数と表示パターンのIDを対応づけたパターン選択テーブルを記憶する。特別図柄決定手段122は、このパターン選択テーブルを参照し、パターン記憶手段116に記憶されている複数種類の表示パターンから特図乱数に対応する表示パターンを選択する。装飾図柄決定手段124は、特別図柄202の変動時間に対応する変動時間を持つ装飾図柄200の表示パターンをパターン記憶手段116から選択する。すなわち、特別図柄202の変動表示と、装飾図柄200の変動表示は結果的に連動することになる。
停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄であり、抽選の当否を遊技者に示す役割を担う。装飾図柄200の表示パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターン、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。また、リーチ状態を経るときのパターンとして、長短様々な変動表示時間をもつパターンが含まれる。
これら各表示パターンは、変動時間が通常の長さである通常表示パターンと、変動時間が通常より短い特定遊技用の特殊表示パターンとに分類される。通常表示パターンの場合、例えば通常の外れ図柄を表示するときのパターンとして10秒間のパターンが格納され、リーチ状態を経て外れ図柄や大当たり図柄を表示するときのパターンとして30秒間や1分間のパターンが格納される。特殊表示パターンの場合、例えば外れか当たりかを問わず、1秒間から10秒間の比較的短い変動時間範囲に収まる表示パターンとなる。
各表示パターンに基づく図柄変動は、その終了条件として定められた表示時間が経過すると停止し、抽選の結果を示す停止図柄が表示される。
特別図柄決定手段122は、第1抽選手段112による特別図柄抽選の結果に応じて特別図柄202の停止図柄を決定する。装飾図柄決定手段124は、特別図柄決定手段122により選択された表示パターンに応じた表示パターンをパターン記憶手段116から選択し、抽選結果に応じた装飾図柄200の停止図柄を決定する。装飾図柄決定手段124は、大当たりの場合に3つの同じ数字が揃った大当たり図柄を決定する。
通常遊技においては、特別図柄決定手段122および装飾図柄決定手段124は通常表示パターンを選択するが、特定遊技中においては特殊表示パターンを選択する。特殊表示パターンは、通常表示パターンより短い変動時間の表示パターンであるため、保留球の消化が促進される。
第2始動口68に設けられたセンサである入球検出装置38は、第2始動口68への遊技球の落入を検出し、落入を示す第2始動入球情報を生成する。入球判定手段110は、第2始動入球情報を受け取ると遊技球が第2始動口68に入球したことを判定する。第2始動口68への入球が判定されると、第2抽選手段114は、保留球数が上限に達しているか否かを調べる。保留球数の上限は予め4つに設定されている。保留球数が上限に達していない場合、入球判定手段110が第2始動入球情報を受け取ったタイミングで、第2抽選手段114は始動入賞に対する普図乱数を取得する。第2抽選手段114は、数学的に普図乱数を生成して取得してもよく、また図示しないカウンタにより生成されるカウント値を普図乱数として取得してもよい。第2抽選手段114は、取得した普図乱数に基づいて、普通図柄抽選の当否を判定する。なお、普通図柄抽選の当否判定のタイミングは、普図乱数の取得とともに行われてもよく、また普通図柄204の変動を開始する直前に行われてもよい。
普通図柄決定手段126は、第2抽選手段114による普通図柄抽選の結果に応じてパターン記憶手段116からいずれかのパターンを選択し、普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄204の停止図柄を決定する。普通図柄決定手段126により決定された停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段170は可変入球口である普通電動役物26を所定時間拡開させる。パターン記憶手段116は、普通図柄204の表示パターンとして、変動時間が通常の長さである通常表示パターンと、変動時間が通常より短い特定遊技用の特殊表示パターンとを記憶する。通常表示パターンとしては30秒間のパターンが格納され、特殊表示パターンとしてはたとえば10秒間のパターンが格納される。
各表示パターンの図柄変動は、その図柄変動の終了条件として定められた表示時間が経過したときに停止される。
表示制御手段130は、特別図柄202、装飾図柄200、および判定図柄203を変動表示させる第1表示制御手段131と、普通図柄204を変動表示させる第2表示制御手段132を備える。
第1表示制御手段131は、特別図柄表示装置61に特別図柄202および判定図柄203を変動表示後停止表示させる。また同時に、第1表示制御手段131は、装飾図柄表示装置60に装飾図柄200を変動表示後停止表示させる。判定図柄203の変動表示は、第1特別遊技または第2特別遊技が開始された直後から最初の単位遊技が開始される前まで特別遊技の初期画面が表示される間に実行される。第1表示制御手段131は、装飾図柄表示装置60に表示させる初期画面の中で、実行される特別遊技の単位遊技数を表示させる。第1表示制御手段131による特別図柄202および判定図柄203を表示させる機能はメイン基板41側の処理として実行され、装飾図柄200を表示させる機能はサブ基板49側の処理として実行される。
第2表示制御手段132は、普通図柄決定手段126により選択された表示パターンおよび停止図柄をもとに、装飾図柄表示装置60に普通図柄204を表示させる。なお、表示制御手段130は、遊技効果ランプや保留ランプ20、21などのランプ表示も制御する。
本実施例において、特別遊技制御手段140は、2種類の特別遊技を選択的に実行する。条件保持手段142は、2種類の特別遊技の作動条件を保持する。特別遊技実行手段148は、所定の作動条件が成立したことに基づいて特別遊技を実行する。
第1条件保持手段143は、第1特別遊技を実行するための条件である第1作動条件を保持する。第1作動条件は、第1表示制御手段131により変動表示される特別図柄202が特別図柄表示装置61において所定の当たり図柄で停止されることである。あるいは、特別図柄抽選が当たり判定された時点で第1作動条件が成立するとしてもよい。すなわち、ここでいう第1作動条件とは、特別図柄抽選が当たりとなり第1特別遊技へ移行することであるともいえる。
第2条件保持手段144は、第2特別遊技を実行するための条件である第2作動条件を保持する。第2作動条件は、普通電動役物26に遊技球が落入することである。すなわち、ここでいう第2作動条件とは、第2特別遊技へ遊技状態が移行することであるともいえる。条件判定手段146は、遊技状況を監視し、特別遊技への移行条件である第1作動条件または第2作動条件の成否を判定する。条件判定手段146は、それぞれの作動条件の判定結果をもとに、各種作動フラグをオンオフ設定する。
特別遊技実行手段148は、いずれかの作動条件が成立すると、第1または第2特別遊技を実行する。第1特別遊技実行手段149は、第1特別遊技を実行する。第2特別遊技実行手段150は、第2特別遊技を実行する。
作動回避手段152は、第1作動条件および第2作動条件のいずれか一方の作動条件が成立したとき、他方の作動条件の成立を回避させる機能をもつ。第2特別遊技は、第1段階と第2段階の2段階に分けられた遊技として実行される。第2作動条件の成立は、第2特別遊技の第1段階への移行条件が成立したことを示し、第1段階および第2段階を通して第2特別遊技が続く限り第2作動条件が成立している。第2作動条件の成立中であって、第2特別遊技の第1段階または第2段階が実行されている間は、第1作動条件の成立が回避される。一方、第1作動条件の成立中は、第2作動条件の成立が回避され、第2特別遊技の第1段階および第2段階のいずれも実行されない。
特定遊技制御手段160は、特別遊技とは異なる遊技者に有利な特定遊技を制御する。特定遊技中は、特別図柄202、装飾図柄200、普通図柄204のそれぞれについて図柄変動時間が短縮される。特定遊技制御手段160は、所定の特定遊技開始条件が成立してから所定の特定遊技終了条件が成立するまでの間、図柄変動時間の短縮および普通図柄抽選の確率変動を実行する。特定遊技開始条件は、第1特別遊技または第2特別遊技が終了し、かつ、判定図柄抽選が当たりとなることである。特定遊技終了条件は、特定遊技中に第1作動条件か第2作動条件のいずれかが成立し、第1特別遊技か第2特別遊技のいずれかが開始されることである。また、特定遊技は、特別図柄202の変動表示が継続回数に達したときにも終了する。特定遊技中において、特別図柄202の変動表示が継続回数に達しなくても、特定遊技終了条件が成立した場合には特定遊技は終了する。
特定遊技制御手段160は、特定遊技を実行する特定遊技実行手段162を含む。特定遊技実行手段162は、特定遊技の開始時において所定範囲内の回数を継続回数として抽選により決定する。特定遊技実行手段162は特定遊技開始条件が成立したとき特定遊技を開始し、特定遊技終了条件が成立するか、特別図柄202の変動表示回数が継続回数に達したときに特定遊技の実行を終了させる。
特定遊技中においては、通常状態と異なり以下のような制御がなされる。
1.第1表示制御手段131による特別図柄202および装飾図柄200の変動表示が短縮される。これにより、特別図柄202の単位時間当たりの変動回数が増加するため、保留球の消化が促進される。特に、特別図柄抽選が当たりとなるときの特別図柄202の変動時間は、普通図柄204の変動時間よりも短くなる。
2.第2表示制御手段132による普通図柄204の変動表示時間が短縮される。これにより、普通図柄204の単位時間当たりの変動回数が増加するため、第2特別遊技に移行しやすくなる。
3.普通図柄抽選が当たりとなる確率が高確率に変動する。これにより、普通電動役物26が開放されやすくなるため、第2特別遊技に移行しやすくなる。
4.普通図柄204が特定の当たり図柄で停止したときの普通電動役物26の開閉を間欠的な複数回の開閉を連続して2回行う動作に切り替える。これにより、普通電動役物26に遊技球が落入しやすくなるため、第2特別遊技に移行しやすくなる。
5.普通電動役物26の1回当たりの開放時間が3秒間の比較的長い時間に設定される。これにより、普通電動役物26に遊技球が落入しやすくなるため、第2特別遊技に移行しやすくなる。
以上の制御により、通常遊技中に比べて、特定遊技中は第2特別遊技がより発生しやすくなる。言い換えれば、通常遊技中には遊技球は普通電動役物26に落入しにくく、また、普通図柄抽選もほとんど当たらないため通常遊技から第2特別遊技へ移行する確率は極めて小さい。
特定遊技終了条件が成立したときは、特定遊技中における特別図柄202の変動表示回数が継続回数に達したか否かにかかわらずその計数をいったん終了する。特別遊技の終了後に再び特定遊技に移行すると、特別図柄202の変動表示回数は最初から計数される。
(第1特別遊技)
条件判定手段146により第1作動条件が成立したと判定されると、第1特別遊技実行手段149は、第1特別遊技を構成する単位遊技の回数を1回から15回の範囲内で抽選により決定した上で、第1特別遊技を実行する。第1大入賞口28の開閉は単位遊技の回数分だけ繰り返される。第1特別遊技に移行すると、遊技者は相当数の出玉を期待できる。第1特別遊技実行手段149は、開閉制御手段170を制御して、第1大入賞口28の開閉を実行する。開閉制御手段170は、大入賞口ソレノイド82に開放指示を送り、第1大入賞口28を開放させる。第1大入賞口28は、Vゾーンと一般に呼ばれる領域を有しておらず、遊技球のVゾーン通過を第1特別遊技の継続条件としない。したがって、遊技者は、第1特別遊技を、あらかじめ決定された単位遊技の回数をすべて消化するまで継続しやすくなる。
第1特別遊技の実行中、作動回避手段152は、第2特別遊技の第2作動条件の成立を回避させる。これにより、遊技者は、継続中の第1特別遊技を中断されることなく、第1特別遊技による利益を享受できる。
(第2特別遊技)
条件判定手段146により第2作動条件が成立したと判定されると、第2特別遊技実行手段150は、第2特別遊技を構成する単位遊技の回数を1回から15回の範囲内で抽選により決定した上で、第2特別遊技を実行する。第2特別遊技は、第1段階と第2段階の2段階に分けられる。第1段階では、第2大入賞口30の羽根が開き、遊技球が第2大入賞口30から役物64内に流入可能となる。第1段階では、第2特別遊技実行手段150が開閉制御手段170を制御して、第2大入賞口30を所定時間開放させる。開閉制御手段170は、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、第2大入賞口30を開放させる。
開放した第2大入賞口30から役物64内に流入した遊技球は、特定領域22および流出領域66のいずれかへ入球する。入球検出装置36は特定領域22への入球を検出し、流出検出装置37は流出領域66への入球を検出する。特定領域22への入球は、第2特別遊技を継続させるための継続条件であり、第1段階から第2段階への移行条件であるとも言える。第1段階において遊技球が特定領域22へ入球すると、第2特別遊技は第2段階に移行する。
第2特別遊技の第2段階においては、第1大入賞口28の開閉が単位遊技の回数から初めの1回、すなわち第1段階における単位遊技数を除いた回数分だけ繰り返される。第2段階に移行すると、遊技者は相当数の出玉を期待できる。第2特別遊技実行手段150は、開閉制御手段170を制御して、第1大入賞口28の開閉を実行する。開閉制御手段170は、大入賞口ソレノイド82に開放指示を送り、第1大入賞口28を開放させる。第1大入賞口28は、Vゾーンと一般に呼ばれる領域を有しておらず、遊技球のVゾーン通過を第2特別遊技の継続条件としない。したがって、遊技者は、第2段階の第2特別遊技を、あらかじめ決定された単位遊技の回数をすべて消化するまで継続しやすくなる。
第2特別遊技の実行中、作動回避手段152は、第1特別遊技の第1作動条件の成立を回避させる。具体的には、作動回避手段152は普通電動役物26へ遊技球が入球したとき、すなわち、第2大入賞口30が開放されたとき、所定の解除条件が満たされるまで第1作動条件の成立を回避させる。ここでいう解除条件とは、第2特別遊技が終了することである。例えば第1段階において開放された第2大入賞口30内の特定領域22に遊技球が入球せず第2大入賞口30へ入球した遊技球がすべて流出領域66へ流出された場合や、あらかじめ決定された回数分だけ第2特別遊技の単位遊技が消化された場合に解除条件が満たされる。これにより、遊技者は、継続中の第2特別遊技を中断されることなく、第2特別遊技による利益を享受できる。
図5は、ぱちんこ遊技機における基本的な処理過程を示すフローチャートである。
まず、条件判定手段146が、第1作動条件判定処理を実行する(S10)。第1作動条件の成立の可否は、特別図柄抽選の結果により決定される。第1作動条件が成立すると、第1特別遊技実行手段149が、第1特別遊技実行処理を行う(S12)。条件判定手段146は、第2作動条件判定処理を実行する(S14)。第2作動条件の成立の可否は、主に特定遊技中において普通電動役物26に遊技球が落入したか否かに基づいて決定される。第2作動条件が成立すると、第2特別遊技実行手段150が、第2特別遊技実行処理を行う(S16)。
なお、図5に示すフローチャートでは、第2特別遊技が第1特別遊技の後に実行されるように示されているが、通常遊技の普通図柄抽選が当たりとなり、遊技球が普通電動役物26に入球する場合には、第2特別遊技が単独で実行されることもあり得る。
図6は、図5のS10における第1作動条件判定処理のフローチャートを示す。
まず、第1抽選手段112が乱数取得処理を実行し(S20)、第1表示制御手段131が、図柄変動処理を実行する(S22)。
図7は、図6のS20における乱数取得処理の詳細を示すフローチャートである。
入球判定手段110は、遊技球が第1始動口24に入賞したか否かを判定する(S30)。遊技球が第1始動口24に入賞すると(S30のY)、第1抽選手段112は第1記憶手段118が保留球として記憶する特図乱数の個数が上限個数である4個に達しているか否かを判定する(S32)。保留球の数が上限に達していない場合(S32のY)、第1抽選手段112は、その入賞に対する特図乱数を取得し(S34)、保留球数に1を加算する。このとき、遊技盤50上に設けられた4つの保留ランプ20の1つが新たに点灯される。取得した特図乱数は保留球として第1記憶手段118に記憶される(S36)。第1始動口24に入賞しない場合(S30のN)、および保留球数が上限の4個に達している場合(S32のN)、S20のフローは終了する。
図8は、図6のS22における図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。
この図柄変動処理では、まず、特別図柄202および装飾図柄200の表示パターンおよび停止図柄を決定し、決定した表示パターンおよび停止図柄にしたがって、特別図柄表示装置61および装飾図柄表示装置60に、特別図柄202および装飾図柄200のそれぞれを変動表示させる。特別図柄202および装飾図柄200は、それぞれ連動して変動表示されるものであり以下において特に区別する必要はないが、説明の便宜上、代表して特別図柄202の変動処理について説明する。なお、装飾図柄200についても、以下に示す図柄変動処理フローにより図柄変動がなされる。
第1特別遊技が実行されておらず(S50のN)、特別図柄202の変動表示がなされていない場合(S52のN)、第1抽選手段112は、第1記憶手段118に保留球が存在しているか調査する(S53)。第1特別遊技が実行中である場合や(S50のY)、保留球が存在しない場合は(S53のN)、S22の図柄変動処理は終了する。保留球が存在している場合(S53のY)、第1抽選手段112は、第1記憶手段118から特図乱数を読み出す(S54)。
第1抽選手段112は、特別図柄抽選を実行する。すなわち、第1抽選手段112は、当たりとなるべき特図乱数の範囲を定めた当否判定テーブルを参照して、読み出した特図乱数が当たりであるか否かを判定する(S56)。特別図柄決定手段122は、特別図柄抽選の結果に応じて特別図柄202の停止図柄を決定する(S58)。この時点で、特定遊技中であることを示す特定遊技フラグがオンされていなければ(S60のN)、特別図柄決定手段122はパターン記憶手段116に記憶された通常表示パターンを選択する(S61)。特定遊技フラグがオンされているとき(S60のY)、すなわち、特定遊技中であって、特別図柄抽選が当たりであれば(S62のY)、特別図柄決定手段122はパターン記憶手段116に記憶された第1特殊表示パターンを選択する(S64)。ここでいう第1特殊表示パターンは、少なくとも特定遊技中における普通図柄204の変動時間よりも短い、たとえば、1.0秒程度の一定の長さを変動時間とする表示パターンである。
一方、特別図柄抽選が外れであれば(S62のN)、特別図柄決定手段122はパターン記憶手段に記憶された第2特殊表示パターンを選択する(S66)。ここでいう第2特殊表示パターンは、第1特殊表示パターンより長く、通常表示パターンと同等またはそれ以下の長さの変動時間とする表示パターンである。なお、特別図柄抽選が外れであるときにも、通常表示パターンが選択されるとしてしてもよい。第1表示制御手段131は、決定された表示パターンおよび停止図柄を用いて、特別図柄表示装置61に特別図柄202を変動表示させる(S67)。図柄変動表示の開始とともに表示タイマ(図示せず)がセットされ(S68)、表示タイマのカウントが開始される(S69)。
S52において図柄変動の表示中であった場合(S52のY)、S53〜S69がスキップされる。
ここで、第2特別遊技が実行中であることを示す第2作動フラグがオンされていれば(S280のY)、特別図柄決定手段122は外れ図柄をセットする(S282)。その上で、特別図柄202の変動表示は停止され(S284)、表示タイマはリセットされる(S286)。特定遊技中であることを示す特定遊技フラグがオンされていれば(S290のY)、特定遊技実行手段162は特定遊技フラグをオフし(S292)、特定遊技終了処理を実行して(S294)、S22の図柄変動処理は終了する。特定遊技フラグがオフであった場合には(S290のN)、S22の図柄変動処理はそのまま終了する。特定遊技終了処理は、特定遊技における遊技条件の設定を通常遊技における遊技条件の設定に戻す処理であり、その処理内容は次の図9のS82における特定遊技終了処理と同等である。
一方、S280において第2作動フラグがオンされていない場合であって(S280のN)、特別図柄202について設定された表示時間が経過していなければ(S72のN)、S22の図柄変動処理を終了して図柄の変動表示を続けさせる。この表示時間が経過した場合(S72のY)、第1表示制御手段131は特別図柄202の変動表示を停止し(S75)、表示タイマはリセットされる(S76)。
この態様においては、S282に示すように特別図柄202の変動表示中に第2特別遊技に移行する場合には、特別図柄202の変動表示が外れ図柄により強制的に変動停止されることになる。そのため、特別図柄202の変動表示と第2特別遊技を明確に区別し、遊技者から見て遊技の進行状態が認識しやすくなる。また、第2特別遊技実行中において、保留球の消化が促進されることになるため、結果的に遊技の進行が促進される。
図9は、図8の図柄変動処理の続きを示すフローチャートである。
特別図柄202の変動表示が停止され(S75)、表示タイマがリセットされたあと(S76)、第1抽選手段112による特別図柄抽選が当たりであるときには(S77のY)、条件判定手段146は第1作動フラグをオンする(S78)。これは、第1特別遊技への移行許可を意味する。特定遊技フラグがオンされているとき(S80のY)、すなわち、特定遊技中であるときには、特定遊技実行手段162は特定遊技フラグをオフする(S81)。特定遊技実行手段162は特定遊技から通常の遊技に遊技状態を戻す(S82)。具体的には、普通図柄抽選の当たり確率や普通電動役物26の開放時間を通常遊技における設定値に戻すなど、先述した特定遊技に固有の設定を通常の設定に戻す処理が実行される。このとき表示カウンタ値もリセットされる。S80において特定遊技フラグがオンでなければ(S80のN)、すなわち、特定遊技中でないときには、S22の図柄変動処理はそのまま終了する。
一方、特別図柄抽選が外れの場合であって(S77のN)、特定遊技フラグがオンされているときには(S84のY)、特定遊技実行手段162は表示回数カウンタ値を1減らす(S86)。ここでいう表示回数カウンタ値とは、特定遊技中における特別図柄202の変動表示が実行されるごとにデクリメントされる数値であり、特定遊技の開始時においては継続回数にセットされる数値である。表示回数カウンタ値が0となったとき(S88のY)、すなわち、特定遊技中において特別図柄202の変動回数が継続回数に達したとき、処理はS81に移行する。表示回数カウンタ値が1以上であれば(S88のN)、すなわち、継続回数に達していなければ、特定遊技状態が維持されたままS22の図柄変動処理を終了する。
図10は、図5のS12における第1特別遊技実行処理を詳細に示すフローチャートである。
第1作動フラグがオフである場合(S90のN)、S12の第1特別遊技実行処理は終了する。第1作動フラグがオンに設定されている場合であって(S90のY)、第1特別遊技実行フラグがオフに設定されていれば(S91のN)、第3抽選手段115は判定図柄抽選を実行する(S92)。たとえば、第3抽選手段115は、0から300の範囲で乱数を生成し、その乱数値が200以下であれば判定図柄抽選を当たりと判定し、それ以外であれば外れと判定する。判定図柄抽選の結果に応じて判定図柄203の停止図柄が決定される(S93)。すなわち、S92における判定図柄抽選が当たりである場合には判定図柄203は点滅表示後に点灯表示され、外れであれば点滅表示後に消灯される。第1特別遊技実行手段149は単位遊技数Mを抽選により決定し(S96)、第1特別遊技実行フラグをオンに設定する(S97)。第1特別遊技実行フラグのオンは、第1特別遊技が実行中であることを示し、第1特別遊技実行フラグのオフは、第1特別遊技が実行されていないことを示す。
第1表示制御手段131は、第1特別遊技の開始を示す初期画面として、実行される特別遊技の単位遊技数Mを装飾図柄表示装置60へ表示させる(S98)。第1表示制御手段131は判定図柄抽選の結果に応じて特別図柄表示装置61へ判定図柄203を変動表示させる(S99)。このとき、第1特別遊技の終了後に特定遊技が行われるか否かを示唆する予告的な演出が実行されてもよい。
第1特別遊技では、第1大入賞口28における遊技球の受け入れ状態が遊技者に不利な状態と有利な状態の間で変化するように、第1大入賞口28の状態変化を継続的に繰り返す動作が実行される。この遊技者に不利な状態から有利な状態への状態変化は第1特別遊技において最大で単位遊技数M回だけ繰り返される。ここでいう遊技者に不利な状態とは第1大入賞口28が閉鎖した状態である。遊技者に有利な状態とは第1大入賞口28が開放した状態である。
第1特別遊技実行手段149は、第1大入賞口28の開放タイマをセットする(S100)。開放タイマは、1ラウンドにおける第1大入賞口28の開放時間であり、具体的には30秒にセットされる。開放タイマのセット後、第1特別遊技実行手段149は開閉制御手段170を制御して大入賞口ソレノイド82を駆動させることにより第1大入賞口28が開放する(S101)。なお、S91において第1特別遊技実行フラグがオンであった場合(S91のY)、すなわち、第1特別遊技がすでに実行中で第1大入賞口28が開放中である場合は、S92〜S101の処理はスキップされる。
第1大入賞口28が開放された後、第1特別遊技実行手段149は第1大入賞口28の閉鎖条件が成立したか否かを判定する(S102)。閉鎖条件は、第1大入賞口28が30秒間開放されたこと、または第1大入賞口28に9球以上の遊技球が落入したことである。閉鎖条件が成立していないければ(S102のN)、S12の処理を終了して第1大入賞口28の開放状態を継続する。
閉鎖条件が成立すると(S102のY)、第1特別遊技実行手段149は開閉制御手段170に指示して大入賞口ソレノイド82を駆動し、第1大入賞口28が閉鎖する(S104)。第1特別遊技実行手段149は開放タイマをリセットし(S106)、単位遊技数Mを1減算する(S108)。1を減算された単位遊技数Mは、第1特別遊技における残り単位遊技数を示す。単位遊技数Mが1未満でなければ(S110のN)、S100〜S108を再度実行して、第1大入賞口28の状態変化を継続的に繰り返す。
単位遊技数Mが0になると(S110のY)、第1特別遊技実行手段149は第1特別遊技実行フラグをオフに設定する(S112)。条件判定手段146は第1作動フラグをオフに設定する(S114)。これにより、第1特別遊技が終了する。
S92において判定図柄抽選が当たりとなっていなければ(S116のN)、特定遊技に移行することなくS12の特別遊技実行処理は終了する。判定図柄抽選が当たりとなっていれば(S116のY)、特定遊技実行手段162は特定遊技フラグをオンし(S118)、特定遊技開始処理を実行する(S120)。具体的には、特定遊技実行手段162は、第2抽選手段114による普通図柄抽選の判定テーブルを高確率で当たりとなる確変用テーブルに変更する。また、特定遊技においては、特別図柄変動だけでなく、普通図柄変動も短縮される。特定遊技実行手段162は継続回数を抽選によって決定すると共に、表示回数カウンタの値に継続回数をセットし、普通図柄抽選が当たりとなったときの普通電動役物26の開放期間の値に3秒をセットする。このようにして、特定遊技のための設定条件が有効化される。
図11は、図5のS14における第2作動条件判定処理を詳細に示すフローチャートである。
まず第2抽選手段114が乱数取得処理を実行し(S140)、第2表示制御手段132が、図柄変動処理を実行する(S142)。
図12は、図11のS140における乱数取得処理を詳細に示すフローチャートである。
入球判定手段110は、遊技球が第2始動口68へ入球したか否かを判定する(S150)。遊技球が第2始動口68に入球すると(S150のY)、第2抽選手段114は第2記憶手段119による記憶状態を調査して普図乱数の保留数が上限個数である4個に達しているか否かを判定する(S152)。保留球として記憶される普図乱数の数が上限に達していなければ(S152のY)、第2抽選手段114は、その入球に対する普図乱数を取得し(S154)、保留球数に1を加算する。このとき、遊技盤50上に設けられた4つの保留ランプ21の1つが新たに点灯される。第2抽選手段114は、取得した普図乱数を第2記憶手段119に格納する(S156)。遊技球が第2始動口68に入球していない場合や(S150のN)、保留球数が上限の4個に達している場合には(S152のN)、S154およびS156はスキップされる。
図13は、図11のS142における図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。
この図柄変動処理では、まず、普通図柄204の表示パターンおよび停止図柄を決定し、決定した表示パターンおよび停止図柄にしたがって、装飾図柄表示装置60の右下隅に、普通図柄204が変動表示される。
まず、普通図柄204の変動表示中でなければ(S170のN)、第2抽選手段114は、保留球が存在しているか第2記憶手段119の記憶状態を調査する(S172)。保留球があれば(S172のY)、第2抽選手段114は第2記憶手段119から普図乱数を読み出して(S174)、普図乱数が当たりであるか否かを判定する(S176)。特定遊技中には、確変用テーブルによって普通図柄抽選の当否を判定することは先述の通りである。普通図柄決定手段126は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄204の停止図柄を決定する(S178)。特定遊技フラグがオンされていなければ(S179のN)、すなわち、特定遊技中でなければ、30秒間の通常表示パターンがパターン記憶手段116から選択される(S180)。特定遊技フラグがオンされていれば(S179のY)、すなわち、特定遊技中であれば、10秒間の特殊表示パターンがパターン記憶手段116から選択される(S181)。
第2表示制御手段132は、決定された表示パターンおよび停止図柄を用いて、装飾図柄表示装置60に普通図柄204を変動表示させる(S182)。図柄変動表示の開始とともに表示タイマ(図示せず)がセットされる(S184)。なお、S170においてすでに普通図柄204が変動表示中であれば(S170のY)、S172〜S184がスキップされる。また、S172において保留球が存在しない場合は(S172のN)、S174〜S202までの処理はスキップされ、普通図柄204の変動表示は行われない。
ここで、第1特別遊技の実行中でない場合であって(S186のN)、表示タイマが停止中であれば(S187のY)、表示タイマがオンされる(S188)。所定の表示時間が経過していなければ(S191のN)、S192〜S202までの処理はスキップされ、図柄の変動表示は継続する。一方、第1特別遊技の実行中であって(S186のY)、作動回避手段152が第1特別遊技と第2特別遊技の同時実行を回避させるために、表示タイマが動作中であれば(S189のY)、表示タイマはオフされ(S190)、S191〜S202の処理はスキップされ、図柄の変動表示は継続される。
第1特別遊技中に表示タイマがオフされた場合、装飾図柄表示装置60における普通図柄204の変動表示が続行されるが、内部的には表示タイマの進行が停止される。そして、第1特別遊技の終了後に表示タイマの進行が再開される。これにより、第1特別遊技中に第2特別遊技が開始されるのを回避でき、遊技者は、開始された第1特別遊技を、その終了条件が成立するまで楽しむことができ、設計上で想定している第1特別遊技の利益を遊技者に還元することが可能となる。
所定の表示時間が経過すると(S191のY)、第2表示制御手段132は普通図柄204の変動表示を停止し(S192)、表示タイマがリセットされる(S194)。普通図柄204の停止図柄が当たりを示す態様である場合(S198のY)、開放カウンタの値に普通電動役物26の開放回数がセットされる(S199)。開放回数は、通常時は1で、特定遊技時は2である。開放タイマに所定の開放期間の値がセットされ(S200)、開閉制御手段170は普通電動役物ソレノイド76を制御して、普通電動役物26を開放させる。開放期間は、通常時は0.8秒で、特定遊技時は3秒である。開放タイマがセットされると、開閉制御手段170は普通電動役物ソレノイド76に指示して、普通電動役物26を開放させる(S202)。S198において、普通図柄204の停止図柄が外れを示す態様である場合(S198のN)、S199からS202の処理はスキップされる。
普通電動役物26が開放中である場合(S203のY)、入球判定手段110は普通電動役物26に入球があったか否かを判定する(S204)。普通電動役物26が開放中でなければ(S203のN)、S142の図柄変動処理は終了する。S204において普通電動役物26への入球が検出されれば(S204のY)、条件判定手段146は第2作動フラグをオンに設定する(S206)。入球が検出されなければ(S204のN)、S206の処理はスキップされる。第2作動フラグのオンは、第2条件保持手段144に保持されている第2作動条件が成立したことを示す。第2作動フラグがオンされたとき、特定遊技終了条件が成立したものとして、特定遊技実行中である場合には、特定遊技は終了する。すなわち、普通図柄抽選の当たり確率は通常の低確率に変動し、普通電動役物26の開閉態様も通常遊技における設定に戻される。普通電動役物26の開放時間が経過していなければ(S208のN)、S142の図柄変動処理は終了し普通電動役物26の開放状態が維持される。開放時間が経過すると(S208のY)、普通電動役物26が閉鎖される(S209)。開放カウンタの値から1が減算され(S210)、開放カウンタの値が1以上であれば(S212のY)、S200へ移行して再び普通電動役物26の開放を開始し、開放カウンタの値がゼロであれば(S212のN)、S142の図柄変動処理は終了する。
図14は、図5のS16における第2特別遊技実行処理を詳細に示すフローチャートである。
まず、第2作動フラグがオフの場合は(S220のN)、S16の第2特別遊技実行処理は終了する。第2作動フラグがオンに設定されていて(S220のY)、第2特別遊技の第1段階であることを示す第1段階フラグがオフに設定され(S222のN)、第2特別遊技の第2段階であることを示す第2段階フラグもオフに設定されている場合(S223のN)、判定図柄抽選が実行される(S224)。判定図柄抽選の結果に応じて判定図柄203の停止図柄が決定される(S226)。
第2特別遊技実行手段150が、第2特別遊技の単位遊技数Nを決定し(S228)、第1段階フラグをオンに設定する(S229)。第2段階フラグがオンに設定されている場合(S223のY)、処理はS254へ移行する。第2特別遊技は、第1段階と第2段階の2段構成をとる。第1段階フラグのオンは、第1段階にあることを示し、第2段階フラグのオンは、第2段階にあることを示す。S222およびS223は、第2特別遊技のどの段階にあるかを特定するために実行される。S229で第1段階フラグをオンに設定すると、第2特別遊技における第1段階の遊技が開始される。
S229にて、第1段階フラグがオンされた後、第2特別遊技実行手段150は、第2大入賞口30の開放タイマをセットする(S230)。開放タイマは、第2作動条件が成立したときに、第2大入賞口30の遊技球の受け入れ状態を遊技者に有利な状態に保つ時間を定めるものであり、具体的には1.8秒にセットされる。第1表示制御手段131は特別図柄表示装置61に判定図柄203を変動表示させる(S231)。第2特別遊技実行手段150は開閉制御手段170に指示して大入賞口ソレノイド80を駆動させ、第2大入賞口30が開放される(S232)。なお、S222においてすでに第1段階フラグがオンになっていた場合は(S222のY)、S223〜S232までの処理がスキップされる。
第2大入賞口30の開放時間が経過していない場合は(S233のN)、S16の処理は終了し、第2大入賞口30の開放状態が維持される。第2大入賞口30の開放時間が経過すると(S233のY)、第2特別遊技実行手段150は開閉制御手段170に指示して大入賞口ソレノイド80を駆動させ、第2大入賞口30は閉鎖する(S234)。第1表示制御手段131は、特別図柄表示装置61への判定図柄の変動表示を停止させる(S235)。このとき、第2特別遊技の終了後に特定遊技が行われるか否かを示唆する予告的な演出を実行してもよい。第2特別遊技実行手段150は、開放タイマをリセットし(S236)、第1段階フラグをオフに設定し(S237)、単位遊技数Nから1を減算して(S238)、第1段階を終了する。単位遊技数Nがゼロになった場合(S239のY)、S266へ移行して第2特別遊技を終了し、単位遊技数Nがゼロでなければ(S239のN)、S240へ移行する。
第2特別遊技の第1段階において、遊技球が第2大入賞口30に設けられた特定領域22に入球した場合(S240のY)、第2特別遊技実行手段150が、第2段階フラグをオンに設定して(S242)、第1段階から第2段階に移行する。一方、遊技球が特定領域22に入球しない場合(S240のN)、第2段階へ移行せず、条件判定手段146が第2作動フラグをオフに設定し(S266)、これにより、第2特別遊技が終了する。
S242において第2段階フラグがオンに設定されると、第2特別遊技実行手段150は、第1大入賞口28の開放タイマをセットする(S246)。開放タイマは、1ラウンドにおける第1大入賞口28の開放時間を定めるものであり、具体的には30秒にセットされる。
開放タイマのセット後、第2特別遊技実行手段150は開閉制御手段170に指示して大入賞口ソレノイド82を駆動させ、第1大入賞口28が開放する(S248)。第1大入賞口28の開放中、第2特別遊技実行手段150は、第1大入賞口28の閉鎖条件が成立したか否かを判定する(S254)。閉鎖条件が成立していない場合(S254のN)、S16の第2特別遊技実行処理は終了して、第1大入賞口28の開放状態を継続させる。閉鎖条件が成立すると(S254のY)、第2特別遊技実行手段150は開閉制御手段170に指示して大入賞口ソレノイド82を駆動させ、第1大入賞口28が閉鎖する(S256)。第2特別遊技実行手段150は開放タイマをリセットし(S258)、単位遊技数Nを1減算する(S260)。1を減算された単位遊技数Nは、第2特別遊技の第2段階における残り単位遊技数を示す。単位遊技数Nが1未満でなければ(S262のN)、S246に戻って再び第1大入賞口28を開放させることにより第1大入賞口28の状態変化を継続的に繰り返す。
単位遊技数Nが0になると(S262のY)、第2特別遊技実行手段150は第2段階フラグをオフに設定し(S264)、条件判定手段146は第2作動フラグをオフに設定する(S266)。第3抽選手段115により実行された判定図柄抽選が当たりであれば(S267のY)、特定遊技実行手段162は特定遊技フラグをオンし(S268)、図10のS120と同様の特定遊技開始処理を実行する(S270)。一方、S267において判定図柄抽選が外れであれば(S267のN)、特定遊技に移行することなくS16の第2特別遊技実行処理は終了する。
図15は、特定遊技から第1特別遊技または第2特別遊技への移行過程を示すタイミングチャートである。
横軸は時間を示し、7段に並べられたタイミングチャートは、上から順に、第1始動口24への遊技球の入球の有無、特別図柄202の変動表示の有無、第1特別遊技の実行の有無、特定遊技の実行の有無、第2始動口68への遊技球の入球の有無、普通図柄204の変動表示の有無、第2特別遊技の実行の有無についての各状態を示す。なお、同タイミングチャートは、ぱちんこ遊技機10制御内容を説明するために、ある典型的な遊技状況下におけるこれら各状態の時間変化を模式的に示している。
同図の時刻tに、第1始動口24に遊技球が入球している。このため、時刻tに特別図柄202の変動表示が開始される。特別図柄202は時刻tまで、すなわち、時刻tからtまでの期間、変動表示される。この特別図柄202の変動表示後に、当たり図柄が停止表示され、第1特別遊技が時刻tから開始される。なお、実際には特別図柄202の変動表示後、第1特別遊技が開始されるまでには、処理上の遅延時間等を生じるがここではこれらを考慮しない理想的なタイムチャートとして図15を示す。これは、以下に示す各状況においても同様である。
時刻tから開始された第1特別遊技は時刻tまで継続する。この第1特別遊技の開始に当たって実行された、図10のS92に相当する判定図柄抽選は当たりとなり、第1特別遊技が終了した時刻tから特定遊技に遊技状態が移行する。これは図10のS118やS120において示したとおりである。特定遊技は時刻tから時刻t14まで継続している。
ここで特定遊技中の時刻tにおいて第1始動口24に遊技球が落入し、時刻tから時刻tまで特別図柄202が変動表示されている。このときの特別図柄抽選は外れとなる。特定遊技中の特別図柄202の変動表示であるので、図8のS66にて示したように通常状態に比べて特別図柄202の変動時間が相当短く設定されている。
特定遊技中の時刻tにおいて第2始動口68に遊技球が入球し、時刻tから時刻t10まで普通図柄204が変動表示されている。特定遊技中における普通図柄204の変動時間は10秒程度の短い時間であるが、それよりも特別図柄202の変動時間は短くなるように設定されている。この変動が終了したときには、第2特別遊技への移行に失敗している。特定遊技中の時刻t11において、再び遊技球が第2始動口68に入球し、時刻t12からt13にかけて普通図柄204が変動表示されている。このとき、遊技球は普通電動役物26に入球し、時刻t14に第2作動条件が成立したとする。
第2作動条件が成立すると、特定遊技は終了し、第2特別遊技が開始される。第2特別遊技は時刻t14からt16まで継続される。ここで、第2特別遊技実行中の時刻t15において、遊技球が第1始動口24に落入している。ただし、図8のS51にて示したように、第2特別遊技の実行中には特別図柄202の変動表示は開始されない。第2特別遊技が終了する時刻t16から、このときの入球に応じて特別図柄202の変動表示が開始される。また、第2特別遊技の終了後の時刻t16からは特定遊技に遊技状態が移行している。すなわち、この第2特別遊技実行時における判定図柄抽選は当たりとなっている。なお、時刻t16から開始された特別図柄202の変動表示についての特別図柄抽選は外れとなっている。
特定遊技中の時刻t18において、遊技球が第1始動口24に落入し、時刻t19から特別図柄202が変動表示されている。このとき、特別図柄202は当たり図柄で停止表示される。そのため、特別図柄202の変動表示が終了する時刻t20において特定遊技は終了し、第1特別遊技が開始される。
ここで、特定遊技中の時刻t21に遊技球が第2始動口68に落入し、時刻t22からt23まで普通図柄204が変動表示されている。この変動表示について第2特別遊技への移行可否が確定する前の時刻t20の段階で、第1特別遊技への移行が確定するため、第1特別遊技が終了するまで第2特別遊技への移行は回避される。
たとえ、特別図柄抽選が当たりであっても、当たり表示がなされ第1特別遊技への移行が確定されるまでに第2特別遊技へ移行すると実質的には特別図柄抽選の結果に伴う処理が完結しなくなってしまう。いいかえれば、第1特別遊技と第2特別遊技が同時に実行されないように制御する場合、第2特別遊技に移行しやすい特定遊技においては、特別図柄抽選によって第1特別遊技へ移行することに対し遊技者はあまり期待をしなくなってしまう可能性がある。そのため、仮に特定遊技中に第1特別遊技への移行可否を確定させようとするならば、遊技者はその確定まで第2特別遊技が開始されないように打球停止を余儀なくされることになる。
本実施例において示したように、特定遊技中の特別図柄202の変動時間を短く、少なくとも、特定遊技中における普通図柄204の変動時間よりも短く設定することにより、特定遊技中であっても特別図柄抽選の結果を早期に確定させやすくなる。そのため、特定遊技中において第1特別遊技と第2特別遊技のいずれか一方の特別遊技しか実行されないように排他制御する場合であっても、本来遊技者に有利な特定遊技中において遊技者の打球意欲が喚起しやすくなるため、特定遊技の興趣が損なわれないように処置することができる。
本実施例に示したぱちんこ遊技機10によれば、特定遊技中でなければ普通電動役物26に遊技球はほとんど落入しない。そのため、遊技者はまず特別図柄抽選を経て第1特別遊技を実行することを第1目的とする。そして、第1特別遊技が終了して特定遊技に移行すると、第2特別遊技には第1特別遊技にくらべて比較的容易に移行する。第2特別遊技が終了して再び特定遊技に移行すれば、第2特別遊技に再移行しやすくなる。判定図柄抽選の当たり確率を1.5分の1程度の高い確率に設定すれば、第1特別遊技への移行後は、長期間にわたって特定遊技と特別遊技を繰り返し継続することも可能となる。このような態様によれば、遊技球を普通電動役物26に落入させ第2特別遊技へ遊技状態を移行させる上での技術介入性と、特別遊技の後に特定遊技に移行するための判定図柄抽選による不確実性をバランスさせることにより、遊技性の高いぱちんこ遊技機10を提供することができる。また、判定図柄抽選の確率もさまざまに変動してもよい。
なお、請求項に記載のパターン選択手段の機能は、本実施例においては主として図柄決定手段120により実現される。これら請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、本実施例において示された各機能ブロックの単体もしくはそれらの連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本実施例においては、第2特別遊技に移行しやすい遊技として特定遊技を示したが、特定遊技は、第1特別遊技に移行しやすい遊技であってもよい。具体的には、特定遊技中においては、特別図柄抽選が当たりとなる確率が高い確率に設定されてもよい。このような態様によれば、特定遊技中において第1特別遊技への移行に対する遊技者の期待感を更に高めることができる。また、特定遊技中においては、第1特別遊技か第2特別遊技のいずれかに対する移行容易性が高められるのではなく、それらいずれの特別遊技にも共に移行しやすくなるように制御されてもよい。具体的には、普通電動役物26や第1始動口24、第2始動口68、第2大入賞口30などの各入球口の入球容易性を高め、特別図柄抽選、普通図柄抽選、さらには、判定図柄抽選が当たりとなる確率を高めることにより、特定遊技を遊技者にとって特に有利な遊技状態とすることができる。さらには、特定遊技中において第1特別遊技や第2特別遊技への移行容易性が、これらのパラメータ制御によりさまざまな段階に制御されてもよい。たとえば、第1特別遊技には通常状態よりも移行しにくいかわりに、特に第2特別遊技へ移行しやすい特定遊技としてもよい。
本実施例においては、特定遊技は、特別図柄202の変動表示回数が継続回数に達するか、第1または第2特別遊技が開始される、すなわち、第1または第2作動条件が成立することを条件として終了する。変形例として、特定遊技は、第1または第2作動条件が成立しない限り継続する遊技であってもよい。この場合、図9のS84、S86およびS88の処理を実行する必要がない。このような態様によれば、遊技者は特定遊技においては第1または第2特別遊技への移行が保証されるので、遊技者の遊技継続意欲を喚起する上で効果的な弾球遊技機を提供することができる。
また、本実施例においては、第1大入賞口と第2大入賞口をそれぞれ別の可変入球口として示したが、変形例としてはこれらをまとめた一つの大入賞口として構成されてもよい。たとえば、本実施例に示した第2大入賞口が、第1大入賞口の機能を兼ねてもよい。この場合には、遊技領域のスペースを更に節約できるため、更に別の役物などを設けることも可能となる。
本実施例において、第1特別遊技は第1大入賞口に基づく単位遊技により構成され、第2特別遊技は、第1大入賞口と第2大入賞口の両方に基づく単位遊技により構成される。その変形例として、第1特別遊技は第1大入賞口に基づく単位遊技により構成され、第2特別遊技は第2大入賞口のみによって実行されるとすることにより、2種類の大入賞口の役割をさらに明確化してもよい。
さらに変形例として、第1特別遊技と第2特別遊技において2種類の大入賞口がその遊技中に有効または無効のいずれかに変化してもよい。具体的には、たとえば、第1特別遊技の1回目の単位遊技では第1大入賞口への遊技球の入球が単位遊技を継続するための条件となるが第2大入賞口への遊技球の入球はそのような条件とはならず、2回目の単位遊技においてはその逆となるように制御してもよい。第2特別遊技の場合にも、単位遊技ごとに2種類の大入賞口の有効無効が変化するように制御してもよい。この場合、遊技者は特別遊技の実行中において遊技球の入球が単位遊技を継続するための条件となる大入賞口を狙って打球する必要があるため、特別遊技における技術介入性を高めることができる。
また、各大入賞口ごとに払い出される賞球数は同じであることは必須ではなく、それぞれ異なってもよい。大入賞口の賞球数は遊技過程において変化してもよい。たとえば、第1特別遊技の各単位遊技ごとに、第1大入賞口の賞球数が変化してもよい。この場合にも、より多くの賞球を獲得できる大入賞口に向けて打球調整する遊技者は、結果的により多くの賞球を得ることができるため、特別遊技における技術介入性を高めることができる。また、特別遊技中に短い時間間隔で各大入賞口の賞球数を変化させれば、さらに特別遊技における技術介入性を高めることができる。
本実施例においては、装飾図柄表示装置60の画面のほぼ全面にわたって装飾図柄を表示させる構成を説明した。変形例としては、装飾図柄表示装置60の画面を上下で2分割し、一方には従来にいう第1種ぱちんこ遊技機における表示内容に相当する装飾図柄を表示させ、他方には従来にいう第2種ぱちんこ遊技機における遊技進行に関連する内容を表示させてもよい。
本実施例においては、特定遊技の例として、普通図柄抽選の当たり確率を増加させ、特別図柄202、装飾図柄200、普通図柄204の変動表示時間を短縮させ、普通電動役物26の開放時間を増加させる構成を説明した。特定遊技の変形例としては、普通図柄抽選の当たり確率増加、各図柄変動表示時間の短縮、普通電動役物26の開放時間増加、の3機能のうち少なくともいずれかを省略した構成としてもよいし、これら3機能のうちいずれか一つを単独で実行する構成としてもよい。また、これら3機能をいわゆる時間短縮機能として実現してもよい。
本実施例においては、第1特別遊技および第2特別遊技の単位遊技数をそれぞれ抽選で決定する構成を説明した。変形例においては、第1特別遊技および第2特別遊技の単位遊技数を抽選での決定ではなく、その回数を固定した構成としてもよい。別の変形例としては、回数を抽選で決定するか否かを問わず、第1特別遊技の単位遊技数と第2特別遊技の単位遊技数が等しい回数に設定される構成としてもよい。その場合、第1特別遊技の単位遊技数が抽選で決定され、その次に発生した第2特別遊技の単位遊技数が自動的に第1特別遊技の単位遊技数と等しい回数に設定される構成であってもよい。さらに別の変形例としては、単位遊技数を固定的な初期値、例えば15回に設定するとともに、単位遊技が実行されるたびに次の単位遊技へ移行するか否かの抽選を実行する構成としてもよい。
本実施例においては、特定遊技における継続回数を、第1作動条件または第2作動条件が成立した直後、すなわち第1特別遊技または第2特別遊技が開始される前に決定する構成を説明した。変形例においては、第1特別遊技または第2特別遊技の実行中や実行後に継続回数を決定してもよい。例えば、第1特別遊技または第2特別遊技の終了時に装飾図柄表示装置60へ表示される終了画面の中で、判定図柄抽選の結果と継続回数や継続回数や特別図柄202の変動時間から想定される特定遊技の継続時間を表示させてもよい。
継続回数は、所定の確率でランダムに決定されてもよいし、普通図柄抽選や判定図柄抽選の結果に応じて対応づけられた回数に決定されてもよい。そのほかにも、特図乱数や大当たり回数など、さまざまな遊技条件に基づいて継続回数が決定されてもよい。
本実施例において、第1特別遊技が実行される場合はその初期画面が表示されるときに特別図柄表示装置61へ判定図柄203を表示させ、第2特別遊技が実行される場合は第1段階の実行中に特別図柄表示装置61へ判定図柄203を表示させる構成を説明した。変形例としては、第1特別遊技における各単位遊技の実行中に特別図柄表示装置61へ判定図柄203を表示させてもよいし、第2特別遊技における第2段階の各単位遊技の実行中に特別図柄表示装置61へ判定図柄203を表示させてもよい。その場合、判定図柄203の表示とともに、装飾図柄表示装置60へ継続回数を示唆する数字を表示させ、その数字を単位遊技の進行にあわせて増減させることによって、予告的な演出を行ってもよい。
本実施例においては、図8に示したように第2特別遊技が開始されると特別図柄202の変動表示は停止される。変形例として、特別図柄202の変動表示中において第2特別遊技が開始される場合には、特別図柄202の変動表示を一時的に停止し、第2特別遊技が終了した後にその変動を再開させてもよい。たとえば、特別図柄202の変動表示時間が30秒間に設定されており、変動を開始してから10秒後に第2特別遊技が開始されたとする。この場合、第2特別遊技開始時に特別図柄202や装飾図柄200の変動表示を一時的に停止させ、第2特別遊技が終了したときに残り20秒の変動表示を再開してもよい。また、第2特別遊技の実行中において特別図柄202や装飾図柄200は、所定の表示パターンにて変動表示を継続することにより、結果として第2特別遊技の実行期間に相当する時間分が延長された図柄変動となるように処置してもよい。たとえば、先の例において第2特別遊技が300秒間継続された場合には、第2特別遊技の開始前に変動を開始していた特別図柄202は、その第2特別遊技の実行時間を含めた計330秒間変動表示を継続してもよい。
図16はこのような変形例に対応して、図6のS22における図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。
同図において図8と同一の符号を付した処理は図8に関連して説明した処理内容と同等である。同図のS160において、第2特別遊技の実行中であって(S160のY)、表示タイマが動作中であれば(S164のY)、表示タイマはオフされ(S166)、S22の図柄変動処理は終了する。これにより、第1作動条件の成立が回避される。表示タイマが動作中でなければ(S164のN)、S22の図柄変動処理は終了する。
一方、S160において、第2特別遊技が実行されていない場合(S160のN)、表示タイマが停止中であれば(S162のY)、表示タイマをオンして(S69)、S72に移行する。表示タイマが停止中でなければ(S162のN)、すなわち表示タイマがすでに動作中であればS69はスキップされる。
図16に示したフローチャートにおいては、図8のS282に示した態様と異なり特別図柄202の変動表示を強制的に外れ停止させない。このような態様によれば、特別図柄抽選による当否判定結果が活かされやすくなるため、第1特別遊技への移行機会が拡大される。また、第2特別遊技中に保留球がたまりやすくなることも遊技者にとってのメリットとなる。これにより、本実施例として図8に示した処理における遊技性とは異なる遊技性を発揮させることができる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 特別図柄表示装置に表示される特別図柄および判定図柄を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の機能ブロック図である。 ぱちんこ遊技機における基本的な処理過程を示すフローチャートである。 図5のS10における第1作動条件判定処理のフローチャートを示す図である。 図6のS20における乱数取得処理の詳細を示すフローチャートである。 図6のS22における図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。 図8の図柄変動処理の続きを示すフローチャートである。 図5のS12における第1特別遊技実行処理を詳細に示すフローチャートである。 図5のS14における第2作動条件判定処理を詳細に示すフローチャートである。 図11のS140における乱数取得処理を詳細に示すフローチャートである。 図11のS142における図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。 図5のS16における第2特別遊技実行処理を詳細に示すフローチャートである。 特定遊技から第1特別遊技または第2特別遊技への移行過程を示すタイミングチャートである。 変形例として、図6のS22における図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。
符号の説明
10 ぱちんこ遊技機、24 第1始動口、26 普通電動役物、28 第1大入賞口、30 第2大入賞口、52 遊技領域、60 装飾図柄表示装置、61 特別図柄表示装置、68 第2始動口、100 遊技制御装置、112 第1抽選手段、114 第2抽選手段、115 第3抽選手段、116 パターン記憶手段、117 入賞記憶手段、120 図柄決定手段、122 特別図柄決定手段、124 装飾図柄決定手段、126 普通図柄決定手段、130 表示制御手段、131 第1表示制御手段、132 第2表示制御手段、140 特別遊技制御手段、142 条件保持手段、143 第1条件保持手段、144 第2条件保持手段、146 条件判定手段、148 特別遊技実行手段、149 第1特別遊技実行手段、150 第2特別遊技実行手段、152 作動回避手段、160 特定遊技制御手段、162 特定遊技実行手段、170 開閉制御手段。

Claims (6)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な第1始動口と、
    前記第1始動口への遊技球の入球に応じて第1抽選を実行して当否判定する第1抽選手段と、
    第1図柄の変動表示過程を示す表示パターンを複数種類記憶するパターン記憶手段と、
    前記パターン記憶手段からいずれかの表示パターンを選択するための選択条件を定めたパターン選択テーブルを参照し、前記記憶されている複数種類の表示パターンからいずれかの表示パターンを前記第1抽選の結果に応じて選択するパターン選択手段と、
    前記選択された表示パターンにて前記第1図柄を変動表示させる第1表示制御手段と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の受け入れ状態が遊技者に有利な状態に変化可能な可変入球装置と、
    第1特別遊技を実行するための条件である第1作動条件を保持する第1作動条件保持手段と、
    前記第1表示制御手段により変動表示される前記第1図柄が所定の当たり図柄で停止されたときに前記第1作動条件が成立したと判定し、前記可変入球装置の受け入れ状態を遊技者に有利な状態へ変化させることにより前記第1特別遊技を実行する第1特別遊技実行手段と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な第2始動口と、
    前記第2始動口への遊技球の入球に応じて第2抽選を実行して当否判定する第2抽選手段と、
    前記第2抽選の結果に応じて第2図柄を変動表示させる第2表示制御手段と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記第2表示制御手段により変動表示される前記第2図柄が所定の当たり図柄で停止されたときに遊技球の受け入れ状態が遊技者に有利な状態に変化する可変入球口と、
    第2特別遊技を実行するための条件である第2作動条件を保持する第2作動条件保持手段と、
    前記可変入球口に遊技球が入球したときに前記第2作動条件が成立したと判定し、前記可変入球装置の受け入れ状態を遊技者に有利な状態に変化させ、前記可変入球装置内の特定領域へ遊技球が入球すると、前記可変入球装置の受け入れ状態を再度遊技者に有利な状態へ変化させることにより前記第2特別遊技を実行する第2特別遊技実行手段と、
    所定の特定遊技開始条件が成立したとき、前記可変入球口の受け入れ状態が遊技者に有利な状態へ変化しやすい特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、を備え、
    前記パターン選択手段は、前記特定遊技の実行中においては前記第1図柄の変動時間が前記第2図柄の変動時間以下となる表示パターンを選択することを特徴とする弾球遊技機。
  2. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な第1始動口と、
    前記第1始動口への遊技球の入球に応じて第1抽選を実行して当否判定する第1抽選手段と、
    第1図柄の変動表示過程を示す表示パターンを複数種類記憶するパターン記憶手段と、
    前記パターン記憶手段からいずれかの表示パターンを選択するための選択条件を定めたパターン選択テーブルを参照し、前記第1抽選の結果に応じて前記記憶されている複数種類の表示パターンからいずれかの表示パターンを選択するパターン選択手段と、
    前記選択された表示パターンにて、前記第1図柄を変動表示させる第1表示制御手段と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の受け入れ状態が遊技者に有利な状態に変化可能な第1可変入球装置と、
    第1特別遊技を実行するための条件である第1作動条件を保持する第1作動条件保持手段と、
    前記第1表示制御手段により変動表示される前記第1図柄が所定の当たり図柄で停止されたときに前記第1作動条件が成立したと判定し、前記第1可変入球装置の受け入れ状態を遊技者に有利な状態へ変化させることにより前記第1特別遊技を実行する第1特別遊技実行手段と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な第2始動口と、
    前記第2始動口への遊技球の入球に応じて第2抽選を実行して当否判定する第2抽選手段と、
    前記第2抽選の結果に応じて第2図柄を変動表示させる第2表示制御手段と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記第2表示制御手段により変動表示される前記第2図柄が所定の当たり図柄で停止されたときに遊技球の受け入れ状態が遊技者に有利な状態に変化する可変入球口と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の受け入れ状態が遊技者に有利な状態に変化可能な第2可変入球装置と、
    第2特別遊技を実行するための条件である第2作動条件を保持する第2作動条件保持手段と、
    前記可変入球口に遊技球が入球したときに前記第2作動条件が成立したと判定し、前記第2可変入球装置の受け入れ状態を遊技者に有利な状態に変化させることにより前記第2特別遊技における第1段階を実行し、その第1段階において前記第2可変入球装置内の特定領域へ遊技球が入球した場合に第2特別遊技における第2段階への移行条件が成立したと判定し、前記第1可変入球装置の受け入れ状態を有利な状態へ変化させることにより前記第2特別遊技における第2段階を実行する第2特別遊技実行手段と、
    所定の特定遊技開始条件が成立したとき、前記可変入球口の受け入れ状態が遊技者に有利な状態へ変化しやすい特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、を備え、
    前記パターン選択手段は、前記特定遊技の実行中においては前記第1図柄の変動時間が前記第2図柄の変動時間以下となる表示パターンを選択することを特徴とする弾球遊技機。
  3. 前記パターン選択手段は、前記特定遊技の実行中において前記第1作動条件が成立することを条件として、前記第1図柄の変動時間が前記第2図柄の変動時間以下となる表示パターンを選択することを特徴とする請求項1または2に記載の弾球遊技機。
  4. 前記特定遊技実行手段は、前記特定遊技の実行中において少なくとも前記第1作動条件と前記第2作動条件のいずれかが成立したときに前記特定遊技の実行を終了させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の弾球遊技機。
  5. 前記第2作動条件が成立してから前記第2特別遊技が継続する期間における前記第1作動条件の成立を回避させる作動回避手段を更に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の弾球遊技機。
  6. 前記特定遊技実行手段は、前記特定遊技開始条件が成立したとき、前記第1抽選の当たり確率が通常状態よりも高い確率に変更される特定遊技を実行することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の弾球遊技機。
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