(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、飾り図柄)を変動表示させた後表示結果を導出表示させる第1の変動表示部(たとえば、第1飾り変動表示部8k)、および、各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、飾り図柄)を変動表示させた後表示結果を導出表示させる第2の変動表示部(たとえば、第2飾り変動表示部9k)を備え、前記第1の変動表示部を変動表示させるための第1の始動条件(たとえば、第1始動入賞口14への遊技球の入賞)が成立したことを条件として、前記第1の変動表示部において変動表示を実行した後表示結果を導出表示し(飾り図柄を停止表示し)、前記第2の変動表示部を変動表示させるための第2の始動条件(たとえば、第2始動入賞口16への遊技球の入賞)が成立したことを条件として、前記第2の変動表示部において変動表示を実行した後表示結果を導出表示し(たとえば、飾り図柄を停止表示し)、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部のいずれかにおいて予め定められた特定表示結果(たとえば、大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り状態)に制御される遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、コイン遊技機、スロット機等)であって、
前記第1の始動条件が成立したことを条件として前記第1の変動表示部に前記特定表示結果が導出表示されることを予告する予告演出を実行するか否かを判定する予告判定手段(たとえば、図29、図30の第1予告演出決定処理におけるS501〜S525、図15のS637、S638、図17のS128、S128a)と、
該予告判定手段により前記予告演出を実行すると判定されたときに、前記第2の変動表示部においてリーチ状態になることを該第2の変動表示部で予告するリーチ予告演出を実行していない場合に前記予告演出を実行するタイミングを決定するタイミング決定手段(たとえば、第1表示制御プロセス処理における図38のS891m、S891n)と、
前記タイミング決定手段により決定されたタイミングで、前記第2の変動表示部において前記予告演出を実行させる制御を行なう予告演出制御手段(たとえば、第1表示制御プロセス処理における図38のS892、図40のS910〜S920)とを含むことを特徴とする、遊技機。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、たとえば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよく、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示させた後表示結果を導出表示させる第1の変動表示部、および、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示させた後表示結果を導出表示させる第2の変動表示部を備え、前記第1の変動表示部を変動表示させるための第1の始動条件が成立したことを条件として、前記第1の変動表示部において変動表示を実行した後表示結果を導出表示し、前記第2の変動表示部を変動表示させるための第2の始動条件が成立したことを条件として、前記第2の変動表示部において変動表示を実行した後表示結果を導出表示し、前記第1の変動表示部または前記第2の変動表示部のいずれかにおいて予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)と、を含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)4、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7中には、所定の始動条件の成立(たとえば、打球が第1始動入賞口14へ入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)の変動表示(可変表示ともいう)を行なって表示結果を導出表示する第1特別図柄表示器8と、所定の始動条件の成立(たとえば、打球が第2始動入賞口16へ入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第2特別図柄表示器9と、が所定間隔を隔てて配置されている。また、第1特別図柄表示器8を左右から挟むように、第1特別図柄保留記憶表示器10が設けられている。同様に、第2特別図柄表示器9を左右から挟むように、第2保留記憶表示器11が設けられている。
なお、この実施の形態では、特別図柄が数字図柄である場合を例として示したが、これに限らず、特別図柄は、数字以外の文字、図形、模様等のその他の識別情報が示された図柄であってもよい。また、変動表示は、所定方向に図柄をスクロールさせることにより更新表示するものでもよく、図柄を切換えることにより更新表示するものでもよく、仮想軸を中心に図柄を回転させながら更新表示するものでもよい。また、本実施の形態においては、7セグメント表示器を用いた例について説明するが、これに限らず、液晶表示装置、CRT、プラズマ表示やエレクトロルミネセンスあるいはドットマトリックス表示を利用したもの等、画像表示式のものであってもよい。また、回転ドラム式の表示装置等、機械式のものであってもよい。また、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9における変動表示は、図柄を点滅させながら前述した更新表示することをいい、また、表示結果を導出表示するとは、図柄を点灯させて停止表示することをいう。しかし、これに限らず、遊技者に対して、「変動表示」を行なっていることと、変動表示が終了し「表示結果が導出表示」されていることとを区別して認識させることのできる態様であればよい。
第1特別図柄表示器8の下には、その第1特別図柄表示器8に対応する識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第1飾り変動表示部8kが設けられ、第2特別図柄表示器9の下にはその第2特別図柄表示器9に対応する識別情報(たとえば、「0」〜「9」の全10種類の数字図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第2飾り変動表示部9kが設けられている。
本実施の形態では、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9はそれぞれ7セグメントLED表示器により構成されている。第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kは、それぞれ液晶表示装置(LCD)により構成され、左・中・右の3つの表示領域(たとえば、図41等で示される第1飾り図柄8a〜8c、第2飾り図柄9a〜9c)に識別情報が表示制御されるものである。これら左・中・右の3つの表示領域で変動表示される飾り図柄は、左図柄、中図柄、右図柄と呼ばれる。
第1特別図柄表示器8の表示結果が大当りの発生する第1特図特定表示結果(たとえば、奇数図柄)の場合には、第1飾り変動表示部8kの表示結果も大当りが発生する第1飾り特定表示結果(たとえば、左図柄、中図柄、右図柄が同一となる大当り図柄の組合せ、すなわちゾロ目)となるように制御され、第2特別図柄表示器9の表示結果が大当りの発生する第2特図特定表示結果(たとえば、奇数図柄)となる場合には、第2飾り変動表示部9kの表示結果も大当りの発生する第2飾り特定表示結果(たとえば、左図柄、中図柄、右図柄が同一となる大当り図柄の組合せ、すなわちゾロ目)となるように制御され、両表示結果の整合性が保たれるように制御される。
なお、第1特別図柄表示器8で変動表示される識別情報は第1特別図柄と呼ばれ、第2特別図柄表示器9で変動表示される識別情報は第2特別図柄と呼ばれる。
また、第1飾り変動表示部8kで変動表示される識別情報は第1飾り図柄と呼ばれ(第1図柄とも呼ぶ)、第1特別図柄表示器8における第1特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために第1特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄をいう。
また、第2飾り変動表示部9kで変動表示される識別情報は第2飾り図柄と呼ばれ(第2図柄とも呼ぶ)、第2特別図柄表示器9における第2特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために第2特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄をいう。
所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始される関係や、特別図柄の変動表示が終了し表示結果が表示されたときに飾り図柄の変動表示が終了し表示結果が表示される関係等が含まれる。
第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて第1変動表示部と呼ぶ場合がある。また、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて第2変動表示部と呼ぶ場合がある。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8に第1特図特定表示結果が、第1飾り変動表示部8kに第1飾り特定表示結果が導出表示されたことにより発生する特定遊技状態と、第2特別図柄表示器9に第2特図特定表示結果が、第2飾り変動表示部9kに第2飾り特定表示結果が導出表示されたことにより発生する特定遊技状態とを同一(たとえば、大当りラウンド数、入賞払出数、等)の特定遊技状態としているが、一方の特定遊技状態を他方の特定遊技状態と比べてさらに有利となるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kと、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kとの2系統の表示部により識別情報の変動表示を行なう構成となっているが、これに限らず複数系統の表示部を備え、複数(2〜∞のうちの任意の自然数)の表示部にて識別情報の変動表示を行なう構成としてもよい。
次に、第1特別図柄表示器8における変動表示に用いられる第1特別図柄、第1飾り変動表示部8kにおける変動表示に用いられる第1飾り図柄、第2特別図柄表示器9における変動表示に用いられる第2特別図柄、および第2飾り変動表示部9kにおける変動表示に用いられる第2飾り図柄の種類について説明する。
第1特別図柄表示器8は、0〜9の10種類の数字からなる第1特別図柄を表示する。第1飾り変動表示部8kは、0〜9の10種類の数字からなる第1飾り図柄を表示する。第1特別図柄表示器8により、大当り図柄として予め定められた奇数(1,3,5,7,9)の第1特別図柄が表示結果として導出表示されたときには第1特図特定表示結果となり、大当りが発生する(以下、第1大当りという)。第1特別図柄表示器8により奇数が表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kにゾロ目となる第1飾り特定表示結果が表示結果として導出表示される。
本実施形態における第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kに表示される図柄は、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kに表示される図柄と同様である。また、第2特別図柄表示器9により奇数(1,3,5,7,9)の第2特別図柄が表示結果として導出表示されたときには第2特図特定表示結果となり、大当りが発生する(以下、第2大当りという)。第2特別図柄表示器9により奇数が表示結果として導出表示されるときには、第2飾り変動表示部9kにゾロ目となる第2飾り特定表示結果が表示結果として導出表示される。
第1特別図柄表示器8により「3、5、7」のいずれかが表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kに奇数図柄のいずれかのゾロ目が表示結果として導出表示される。また、第2特別図柄表示器9により「3、5、7」のいずれかが表示結果として導出表示されるときには、第2飾り変動表示部9kに奇数図柄のいずれかのゾロ目が表示結果として導出表示される。第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kを含む第1変動表示部と、第2特別図柄表示器8および第2飾り変動表示部8kを含む第2変動表示部とのいずれか一方でこのような表示結果が導出表示されたときには、確率変動制御モード(以下に示す実施の形態においては、確率変動を確変という略称で呼ぶ場合がある。たとえば、確変制御モード)に制御された後に、変動時間短縮制御モード(以下に示す実施の形態においては、変動時間短縮を時短という略称で呼ぶ場合がある。たとえば、時短制御モード)に制御可能である。確率制御モードへの制御は、確変フラグがセットされることにより開始される。また、時短制御モードへの制御は、時短フラグがセットされることにより開始される。本実施の形態における確変フラグおよび時短フラグは、確変大当り図柄を停止図柄として決定するタイミングでセットし、確変大当り図柄となる変動表示が開始されるときに確率制御モードへの制御が開始されている例について説明するが、これに限らず、確変大当り図柄が導出表示され発生した大当り遊技状態が終了したタイミングでセットし、当該大当り遊技状態が終了したときに確率制御モードへの制御が開始されるものであってもよい。その場合には、例えば大当り終了処理において確変大当りに基づく大当り遊技状態であったのか否かを判断し、確変大当りであるときには確変フラグをセットするようにすればよい。そのように構成すれば、大当りとなる変動を実行している変動表示部とは逆の変動表示部の変動時間が短くなる(変動時間が確変時のときには短いので)ことにより大当り変動が実行されていることを遊技者に認識されてしまうことがない。
確変制御モードに制御されたときは、後述する確率変動状態である確変状態に制御される。時短制御モードに制御されたときは、後述する変動時間短縮状態である時短状態に制御される。本実施の形態において確変制御モードに制御されたときには、確変状態に制御されるとともに、時短状態にも制御される。この状態を第1状態という。また、本実施の形態において時短制御モードに制御されたときには、時短状態に制御される。この状態を第2状態という。
確変状態とは、大当りの発生確率が確変状態とは異なる通常遊技状態時に比べて向上した制御状態をいう。このような確変状態が発生する大当り図柄を確変大当り図柄という。本実施の形態における確変状態は、確変大当り図柄が導出表示された大当り遊技状態の終了後において、特別図柄および飾り図柄の変動表示の変動表示回数が所定の変動表示回数(たとえば、100回)に到達する範囲内で継続される。なお、確変状態中に、第1特図特定表示結果のうち確変大当り図柄と異なる非確変大当り図柄の表示結果となったときには、所定回数特別図柄および飾り図柄の変動表示が行なわれていない場合であっても、当該確変状態は終了する。
本実施の形態における確変状態は、特別図柄および飾り図柄の変動表示の変動表示回数が所定の変動表示回数に到達したとき、または、非確変大当り図柄の表示結果となったときに終了する例について説明するが、これに限らず、確変状態は、変動表示が行なわれるごとに確変状態を終了させるか否かの転落抽選を行ない転落抽選に当選したとき、または、非確変大当り図柄の表示結果となったときに終了するものであってもよい。
また、時短状態とは、時短状態以外の通常状態に比べて、第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9、第1飾り変動表示部8k、第2飾り変動表示部9k、後述する第1普通図柄表示器12、および、後述する第2普通図柄表示器13のそれぞれの変動表示時間として、短い時間を選択する制御状態をいう。確変大当り図柄の表示結果となり大当り遊技状態が発生したときには、確変大当り図柄が導出表示された大当り遊技状態の終了後であって、かつ、確変状態が終了した後に、特別図柄および飾り図柄の変動表示の変動表示回数が所定の変動表示回数(たとえば、100回)に到達するまで時短状態に制御される。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に当りの表示結果を導出表示できるという遊技者にとって有利な遊技状態となる。
また、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の各々については、「1」または「9」が表示結果として導出表示されたときには、大当り遊技状態のみが発生し、前述のような確変状態や時短状態は生じない。そして、第1特別図柄表示器8で「1」または「9」が表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kに「0」または偶数のゾロ目が表示結果として導出表示される。第2特別図柄表示器9で「1」または「9」が表示結果として導出表示されるときには、第2飾り変動表示部9kに「0」または偶数のゾロ目が表示結果として導出表示される。また、第1特別図柄表示器8で「0」または偶数図柄のいずれかが表示結果として導出表示されるときには、第1飾り変動表示部8kにばらけ目(ゾロ目以外の組合せ)が表示結果として導出表示される。第2特別図柄表示器9で「0」または偶数図柄のいずれかが表示結果として導出表示されるときには、第2飾り変動表示部9kにばらけ目(ゾロ目以外の組合せ)が表示結果として導出表示される。
第1特図特定表示結果のうち、前述の確変状態が発生する第1特図特定表示結果(ここでは、「3,5,7」)を「第1特図特別表示結果(確変大当り図柄)」といい、確変状態が発生しない第1特図特定表示結果(ここでは、「1,9」)を「第1特図非特別表示結果(非確変大当り図柄)」という。また、第2特図特定表示結果のうち、前述の確変状態が発生する第2特図特定表示結果(ここでは、「3,5,7」)を「第2特図特別表示結果(確変大当り図柄)」といい、確変状態が発生しない第2特図特定表示結果(ここでは、「1,9」)を「第2特図非特別表示結果(非確変大当り図柄)」という。
なお、本実施の形態においては、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kと、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kとで表示する図柄の種類が各々同一となる例について説明するが、これに限らず、第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kと、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kとで表示する図柄の種類が各々異なるものであってもよい。
以上に説明したように、第1変動表示部または第2変動表示部のいずれか一方において確変大当り図柄が導出表示されることにより、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9との両方で確変状態に制御されるとともに、時短状態に制御される。
本実施の形態の場合は、確変大当り図柄の表示結果となり大当り遊技状態が発生したときには、その大当り遊技状態の終了後において、確変状態および時短状態が開始されるが、その後の変動表示回数が前述のような所定の変動表示回数に到達することにより、または、非確変大当り図柄による大当り遊技状態が発生することにより確変状態が終了する。そして、確変状態が終了してから所定の変動表示回数分の変動表示が実行されるまで、時短状態は継続される。
打球が第1始動入賞口14へ入賞したときに、第1抽出手段は、数値データ更新手段によって更新された数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)を抽出する。第1抽出手段によって抽出された数値データは、保留記憶手段としての第1保留記憶バッファ(たとえば、主基板31に搭載されるRAM55(図2参照))に抽出順番を特定可能に記憶される。前述した第1特別図柄保留記憶表示器10のLEDの点灯数により、この保留記憶手段としての第1保留記憶バッファに記憶されている数値データの個数を遊技者に報知される。このように記憶される数値データは、第1始動入賞記憶データとも呼ばれる。この第1特別図柄保留記憶表示器10は、4個のLEDから構成されており、有効始動入賞(この実施の形態では、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに打球が第1始動入賞口14に入賞)がある毎にLEDの点灯数を増加させ、第1特別図柄表示器8の変動表示が開始される毎にLEDの点灯数を1減らす。
打球が第2始動入賞口16へ入賞したときに、第2抽出手段は、数値データ更新手段によって更新された数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)を抽出する。第2抽出手段によって抽出された数値データは、保留記憶手段としての第2保留記憶バッファ(たとえば、主基板31に搭載されるRAM55(図2参照))に抽出順番を特定可能に記憶される。前述した第2特別図柄保留記憶表示器11のLEDの点灯数により、この保留記憶手段としての第2保留記憶バッファに記憶されている数値データの個数を遊技者に報知される。このように記憶される数値データは、第2始動入賞記憶データとも呼ばれる。この第2特別図柄保留記憶表示器11は、4個のLEDから構成されており、有効始動入賞(この実施の形態では、第2保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに打球が第2始動入賞口16に入賞)がある毎にLEDの点灯数を増加させ、第2特別図柄表示器9の変動表示が開始される毎にLEDの点灯数を1減らす。
なお、第1保留記憶バッファに記憶される数値データ(乱数)は、第1特別図柄表示器8の変動表示の開始条件が成立したときに第1特別図柄表示器8の変動表示を開始するための始動条件である。第2保留記憶バッファに記憶される数値データは、第2特別図柄表示器9の変動表示の開始条件が成立したときに第2特別図柄表示器9の変動表示を開始するための始動条件である。このため、各保留記憶バッファに記憶される数値データは、保留記憶データとも呼ばれる。
また、この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、抽出手段(たとえば、S44等)によって抽出された数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、等)のうち未だ開始条件(たとえば、大当り遊技状態および前回の変動表示の終了)が成立していない数値データが予め定められた上限数として4個まで記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶可能となる数値データの上限数は上記のものに限らず、たとえば、上限数を20(または0〜∞のうち任意の整数)としてもよい。また、所定条件が成立した(たとえば、表示結果が特別表示結果となったことに基づいて特定遊技状態に移行する)ことに基づいて、上限値を変更する(たとえば、4個から20個に変更する)構成としてもよい。
第1特別図柄表示器8の下方には、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口14が設けられている。第1始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ62によって検出される。
また、第1特別図柄表示器8の下方には、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口14を有する第1可変入賞装置15が設けられている。第1始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ62によって検出される。また、第1始動入賞口14を有する開閉動作を行なう第1可変入賞装置15には、左右一対の可動片が設けられている。第1可変入賞装置15の可動片は、ソレノイド74によって開状態とされる。ソレノイド74により第1可変入賞装置15の可動片が開状態となることにより、遊技球が第1始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
また、第2特別図柄表示器9の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口16を有する第2入賞装置17が設けられている。第2始動入賞口16に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ67によって検出される。
第1始動入賞口14の下方には、第1特別図柄表示器8に第1特図特定表示結果が導出表示されたことに基づく大当りにおいて、ソレノイド72によって開状態とされる第1特別可変入賞装置20が設けられている。第1特別可変入賞装置20は、内部に第1大入賞口21を備えている。ソレノイド72は、第1特別可変入賞装置20の前面に設けられている開閉扉を開閉する手段である。
第1特別可変入賞装置20の第1大入賞口21には、V入賞領域とV入賞領域とは異なる10カウント入賞領域が備えられている。第1大入賞口20から入賞して、遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球は第1V入賞スイッチ64で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球は第1カウントスイッチ63で検出される。遊技盤6の背面には、第1大入賞口21内の経路を切換えるためのシーソーを可動するソレノイド73も設けられている。
第2入賞装置17の下方には、第2特別図柄表示器9に第2特図特定表示結果が導出表示されたことに基づく大当りにおいて、ソレノイド75によって開状態とされる第2特別可変入賞装置22が設けられている。第2特別可変入賞装置22は、内部に第2大入賞口23を備えている。ソレノイド75は、第2特別可変入賞装置22の前面に設けられている開閉扉を開閉する手段である。
第2特別可変入賞装置22の第2大入賞口23には、V入賞領域とV入賞領域とは異なる10カウント入賞領域とが備えられている。第2大入賞口23から入賞して、遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球は第2V入賞スイッチ69で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球は第2カウントスイッチ68で検出される。遊技盤6の背面には、第2大入賞口23内の経路を切換えるためのシーソーを可動するソレノイド76も設けられている。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8に第1特図特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉する第1特別可変入賞装置20と第2特別図柄表示器9に第2特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉する第2特別可変入賞装置22とを備えているが、特別可変入賞装置を1つだけ備えるように構成してもよい。すなわち、第1特別図柄表示器8に第1特図特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉制御される特別可変入賞装置と、第2特別図柄表示器9に第2特図特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉制御される特別可変入賞装置と、を同一の特別可変入賞装置を用いて構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8の始動条件成立に関わる第1可変入賞装置15と、第2特別図柄表示器9の始動条件成立に関わる第2入賞装置17とをそれぞれ備えている例について説明したが、これに限らず、始動条件成立に関わる可変入賞装置をいずれか一方の特別図柄表示器に対応して備えるようにしてもよい。また、このように可変入賞装置を1つだけ備える構成において、この可変入賞装置がいずれか一方の変動表示部(たとえば、第1特別図柄表示器8のみ)の始動条件の成立に関わるように構成してもよく、また、この可変入賞装置が2つの変動表示部(第1特別図柄表示器8,第2特別図柄表示器9)の始動条件の成立に関わるようにしてもよい。その場合には、可変入賞装置の始動入賞口に遊技球が入賞したときにいずれの変動表示部(たとえば、第1特別図柄表示器8または第2特別図柄表示器9のいずれか)にて変動表示を実行するかを選択する構成としてもよく、また、2つの変動表示部(たとえば、第1特別図柄表示器8,第2特別図柄表示器9)について予め定められた所定の順序(たとえば、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9とを交互に変動表示)で変動表示を実行するように構成してもよい。
また、第1大入賞口21および第2大入賞口23には、各々、V入賞領域とV入賞領域とは異なる10カウント入賞領域が備えられているものを例にして説明するが、これに限らず、V入賞領域が設けられていないものであってもよい。この場合、たとえば、遊技者に対して常に規定ラウンド数を常に消化できる大当り遊技状態を提供することができる。
第1飾り変動表示部8kの左下方には、「○」および「×」と付された一対のLEDからなる第1普通図柄表示器12が設けられている。この第1普通図柄表示器12は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示可能なものである。
第1ゲート28を遊技球が通過し第1ゲートスイッチ61で検出されると普通図柄当り判定用乱数が抽出されて主基板31に搭載されるRAM55の第1普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55の第1普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当り判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。そして、第1普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が上限に達していなければ、つまり、第1普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が4個に達していなければ、普通図柄当り判定用乱数が抽出される。そして、第1普通図柄表示器12において普通図柄の表示状態が変化(「○」および「×」が交互に点灯)する変動表示を開始できる状態であれば、第1普通図柄表示器12において普通図柄の変動表示が開始される。第1普通図柄表示器12において表示状態が変化する変動表示を開始できる状態でなければ、普通図柄当り判定用乱数を第1普通図柄バッファに格納することで普通図柄当り判定用乱数の記憶数が1増加する。また、第1普通図柄表示器12のさらに下方には、普通図柄当り判定用乱数の記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDを有する第1普通図柄保留記憶表示器18が設けられている。この第1普通図柄保留記憶表示器18は、第1ゲート28を遊技球が通過し、第1ゲートスイッチ61で遊技球が検出される毎に点灯するLEDを1つ増やす。そして、第1普通図柄表示器12にて普通図柄(たとえば、「○」および「×」)の変動表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。
この実施の形態では、第1普通図柄表示器12にて、「○」と「×」の付された左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の変動表示が行なわれ、変動表示は通常では標準変動時間(たとえば、29.2秒)継続する。そして、変動表示の終了時に「○」の付された上側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、第1ゲート28を遊技球が通過し、第1ゲートスイッチ61で遊技球が検出されたときに抽出された数値データ(普通図柄当り判定用乱数)の値が所定の普通図柄当り判定値と合致したか否かによって決定される。第1普通図柄表示器12における変動表示の表示結果が当りである場合には、第1可変入賞装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が第1始動入賞口14に入賞しやすい状態になる。すなわち、第1可変入賞装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
なお、時短状態では、前述した変動時間の短縮制御に加えて、第1可変入賞装置15において、開放時間と開放回数とのうちの一方または双方を通常遊技状態より高める制御が行なわれる。第1可変入賞装置15の開放時間または開放回数が通常遊技状態より高められると、第1始動入賞口14への始動入賞が起こりやすくなり、所定期間内での第1特別図柄表示器8における変動表示回数が増加して当り図柄となる確率が通常遊技状態より高まるため、遊技者にとってさらに有利な状態となる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ40、枠ランプ左41および枠ランプ右42が設けられている。また、枠ランプ左41の近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が、枠ランプ右42の近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が、設けられている。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
本実施の形態では、たとえば、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9におけるリーチ表示態様とは、特定表示結果(「1,3,5,7,9」)が点滅表示している状態をリーチ表示態様またはリーチという。
また、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kにおけるリーチ表示態様とは、予め定められた図柄が停止することで当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、第1飾り変動表示部8k,第2飾り変動表示部9kにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(特別図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、第1飾り変動表示部8kおよび/または第2飾り変動表示部9kの背景の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
また、第1の変動表示部と第2の変動表示部とのそれぞれについては、大当りとなることを報知する予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。また、第1の変動表示部と第2の変動表示部とのそれぞれについては、リーチとなることを報知する予告演出であるリーチ予告が行なわれる場合がある。本実施の形態の場合には、予告対象の変動表示部が自ら予告を行う自己予告演出と、予告対象の変動表示部とは異なる変動表示部が予告を行う代理予告演出とがある。また、自己予告演出と代理予告演出とが同時に行われる場合もある。
また、パチンコ遊技機1には打球操作ハンドル5を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置45(図2参照)が設けられている。打球発射装置45から発射された遊技球は、遊技盤6に遊技領域7を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
打球が第1始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ62で検出されると、第1特別図柄表示器8の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の変動表示の終了)、第1特別図柄表示器8の変動表示を開始する。第1特別図柄表示器8の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶バッファに記憶される数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)の記憶数を1増やし、第1特別図柄保留記憶表示器10のLEDの点灯数を増加させる。
また、打球が第2始動入賞口16に入り第2始動口スイッチ67で検出されると、第2特別図柄表示器9の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の変動表示の終了)、第2特別図柄表示器9の変動表示を開始する。第2特別図柄表示器9の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶バッファに記憶される数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)の記憶数を1増やし、第2特別図柄保留記憶表示器11のLEDの点灯数を増加させる。
第1特別図柄表示器8の変動表示は、変動パターン毎に予め定められた変動時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄表示器8が大当り図柄となると、第1の特定遊技状態としての第1大当り遊技状態に移行する。第1大当り遊技状態では、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第1大入賞口21に入賞するまで第1特別可変入賞装置20によって第1大入賞口21が開放される。なお、第1特別可変入賞装置20によって第1大入賞口21が開閉されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第1大入賞口21に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、第1特別可変入賞装置20による第1大入賞口21の開放中に打球が第1大入賞口21内のV入賞領域に入賞し、第1V入賞スイッチ64で検出されると、継続権が発生し第1特別可変入賞装置20により第1大入賞口21の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば、15ラウンド)許容される。
前述したように、第1特別図柄表示器8の変動停止時の停止図柄が確変大当り図柄である場合には、第1大当り遊技状態に制御され、第1大当り遊技状態終了後に、確変状態となる。
第2特別図柄表示器9の変動表示は、変動パターン毎に予め定められた変動時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄表示器9が大当り図柄となると、第2の特定遊技状態としての第2大当り遊技状態に移行する。第2大当り遊技状態では、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第2大入賞口23に入賞するまで第2特別可変入賞装置22によって第2大入賞口23が開放される。なお、第2特別可変入賞装置22によって第2大入賞口23が開閉されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が第2大入賞口23に入賞するまで、が大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、第2特別可変入賞装置22による第2大入賞口23の開放中に打球が第2大入賞口23内のV入賞領域に入賞し、第2V入賞スイッチ69で検出されると、継続権が発生し第2特別可変入賞装置22により第2大入賞口23の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば、15ラウンド)許容される。
前述したように、第2特別図柄表示器9の変動停止時の停止図柄が確変大当り図柄である場合には、第2大当り遊技状態に制御され、第2大当り遊技状態終了後に、確変状態となる。
なお、本発明に係る特定遊技状態は、上記に限らず以下に示す1〜5の制御のうちいずれか1つの制御または組合せた制御を実行する状態であればよい。
1.打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞し難い第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
2.特定の入賞または通過領域での打球の検出を介在させ、打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞し難い第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
3.打球の入賞に関わらず所定数の景品球を直接排出する制御
4.有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御
5.得点があることに基づいて遊技可能な弾球遊技機に対して得点を付与する制御
図2は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って遊技の信号を制御するCPU56、および表示制御基板80等に制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、1チップマイクロコンピュータである。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ53では、CPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ53またはCPU56が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ53またはCPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されている制御用マイクロコンピュータまたはCPUについても同様である。
また、第1ゲートスイッチ61、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65、第2ゲートスイッチ66、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、余剰球受皿4がいっぱいになったときに検出する満タンスイッチ(図示しない)、カウントスイッチ短絡信号(図示しない)、からの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与えるスイッチ回路32、第1特別可変入賞装置20を開閉するソレノイド72、第1大入賞口21内に設けられたシーソーを可動するソレノイド73、第1可変入賞装置15を開閉するソレノイド74、第2特別可変入賞装置22を開閉するソレノイド75、第2大入賞口23内に設けられたシーソーを可動するソレノイド76、等を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動するソレノイド回路33、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ53をリセットするためのシステムリセット回路(図示しない)、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるデータに従って、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報、等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路34、も主基板31に搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、LED駆動回路71に対して第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9等を駆動させるための駆動信号を出力する。LED駆動回路71には、第1特別図柄表示器8、第2特別図柄表示器9、第1特別図柄保留記憶表示器10、第2特別図柄保留記憶表示器11、第1普通図柄表示器12、第2普通図柄表示器13、第1普通図柄保留記憶表示器18、第2普通図柄保留記憶表示器19が接続されている。
主基板31は、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9各々において、変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、駆動信号を第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9各々に出力し表示制御を行なう。これにより、主基板31と第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9との間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した特別図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の表示制御を行なう場合と比較して、大当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
主基板31は、第1特別図柄保留記憶表示器10および第2特別図柄保留記憶表示器11各々において、対応する保留記憶バッファに記憶されている数値データの記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、保留記憶バッファの保留記憶数に応じた駆動信号を第1特別図柄保留記憶表示器10および第2特別図柄保留記憶表示器11各々に出力し制御を行なう。
また、主基板31は、第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13各々において、変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、駆動信号を第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13各々に出力し表示制御を行なう。これにより、主基板31と第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13との間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した普通図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13の表示制御を行なう場合と比較して、普通図柄の当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
主基板31は、第1普通図柄保留記憶表示器18および第2普通図柄保留記憶表示器19各々において、対応する保留記憶バッファに記憶されている数値データの記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従い、保留記憶バッファの保留記憶数に応じた駆動信号を第1普通図柄保留記憶表示器18および第2普通図柄保留記憶表示器19各々に出力し制御を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50からの球貸要求信号に応じて貸球の払出しを行なうとともに、遊技盤6に設けられた各入賞口にて遊技球の入賞を検出したことにより賞球払出しを行なう装置である球払出装置44を制御する払出制御基板36に払出制御信号を送信する。また、打球操作ハンドル5を操作することにより打球発射装置45を駆動制御して遊技球を遊技領域7に向けて発射する発射基板37がパチンコ遊技機1に設けられている。この発射基板37は、打球操作ハンドル5のタッチセンサに遊技者の手が触れていることを示すタッチ検出信号が打球操作ハンドル5から入力されるとともに、遊技機用のプリペードカードを用いて球貸しを行うためのカードユニット(カード処理装置とも言い図示を省略する)がパチンコ遊技機1に接続されていることを示す接続信号が入力される。それらタッチ検出信号と接続信号とが共に入力されていることを条件として、電源回路(図示省略)からの電力を打球発射装置45の打球発射モータに供給して、打球を発射させる。なお、余剰球受皿4が満タンになった場合または払出すべきパチンコ球がなくなった場合に、発射停止指令信号が払出制御基板36から発射基板37に入力され、発射基板37はその発射停止指令信号を受けて打球発射装置45の打球発射モータへの電力の供給を停止する。なお、発射停止指令信号を払出制御基板36から発射基板37に入力しないようにしてもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、中継基板722を介して表示制御基板80に演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御コマンドを受信することにより表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータ800(表示制御用CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、等の周辺回路)が第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの表示制御を行なう。なお、表示制御用マイクロコンピュータ800は、演出制御用マイクロコンピュータ800とも言う。演出制御コマンドには、第1飾り変動表示部8kの表示を指定する第1演出制御コマンドと、第2飾り変動表示部9kの表示を指定する第2演出制御コマンドとが含まれ、表示制御用マイクロコンピュータ800は、受信したコマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)を表示制御する。
表示制御用CPUは、ROMに格納されたプログラムに従って動作し、主基板31から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに従って受信したコマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)の表示制御を行なう。具体的には、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有するVDP(図示しない)により変動表示部の表示制御を行なう。表示制御用CPUは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kに表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、怪物、文字、図形または記号等を予め格納しておくためのものである。
そして、表示制御用CPUはキャラクタROMから読出したデータをVDPに出力する。VDPは表示制御用CPUからデータが入力されたことに基づいて動作する。この実施の形態では、第1飾り変動表示部8kの表示制御を行なう第1VDP(図示しない)と、第2飾り変動表示部9kの表示制御を行なう第2VDP(図示しない)との2つのVDPが表示制御基板80に搭載されている。なお、変動表示部を3つとした場合にはVDPが3つ搭載される。すなわち、変動表示部の数に対応した数のVDPが表示制御基板80に搭載される。また、第1VDPおよび第2VDPは、それぞれ、表示制御用CPUとは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこに第1VRAM(図示しない)および第2VRAM(図示しない)をマッピングしている。なお、1つのVDPで複数の変動表示部の表示制御を行なう構成としてもよい。たとえば、第1飾り変動表示部8kと第2飾り変動表示部9kとの両方の表示制御を行なうVDPを1つ備える構成としてもよい。
第1VDPまたは第2VDPはキャラクタ画像データに従って受信したコマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)に表示するための画像データを生成し、第1VDPは第1VRAMに、第2VDPは第2VRAMに展開する。第1RAMは第1VDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリであり、第2VRAMは第2VDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。そして、受信したコマンドに応じた変動表示部(第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9k)に出力する。
また、この実施の形態では、表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータ800が音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力し、スピーカ27の音声出力制御を行なうともに、ランプドライバ基板35にランプ・LEDの駆動信号を出力し、パチンコ遊技機1に設けられたランプ・LEDの発光制御を行なう。すなわち、表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータ800は、主基板31から送信される第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの表示制御、ランプ・LEDの点灯制御、遊技音発生等の演出の制御に関する制御信号としての演出制御コマンドに基づいて第1飾り変動表示部8k、第2飾り変動表示部9k、スピーカ27、パチンコ遊技機1に設けられるランプ・LED等の発光体の制御を行なう演出制御用マイクロコン
ピュータである。
次に、この実施の形態のパチンコ遊技機1での制御に用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタについて説明する。図3は、遊技制御用マイクロコンピュータが遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図3には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタR1〜R8の8種類のランダムカウンタが示されている。
R1は、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれの変動表示について大当り状態を発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるための大当り判定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「658」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR1は、2msec毎に所定数(たとえば、1ずつ)加算更新されることとなる。第1始動口スイッチ62または第2始動口スイッチ67により有効な始動入賞が検出されると、それに応じてこのR1の乱数が抽出されて第1始動入賞記憶のデータまたは第2始動入賞記憶のデータとしてRAM55に記憶される。そして、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれについて、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、そのようにRAM55に記憶された抽出値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、変動表示の表示結果を大当り図柄の組合せとして大当りを発生させることが決定されて大当り図柄が表示されたときに前述した大当り遊技状態の制御が行なわれ、一致しない場合には、変動表示の表示結果をはずれとすることが決定されてはずれ図柄が表示され、遊技状態が変化しない。確変状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。確変状態においては、大当り判定値が複数個の数値(この場合、大当り判定値は、大当り判定に偏りが生じなくするために、数値順番が隣接した数値とならないように設定してもよい)に設定されることにより、非確変状態の場合よりも大当りの発生確率が向上する。
図3の各ランダムカウンタについての範囲の欄に示されている数値範囲は、このようなランダムカウンタのカウント範囲であって、R1で説明したように初期値から上限値までカウントアップした後、再度初期値からカウントアップし直すものである。したがって、説明を簡略化するために、以下の各種カウンタの説明においては、カウント範囲およびカウント方法についての説明を省略する。
R2は、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させることが事前決定されているときに、どの種類の大当り図柄を第1特別図柄表示器8(第1飾り変動表示部8kも含む)および第2特別図柄表示器9(第2飾り変動表示部9kも含む)に表示させるかをランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタである。なお、2msec毎に所定数更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
本実施の形態においては、第1特別図柄表示器8での変動表示の表示結果を大当りとすることが決定されているときに、R2から抽出された乱数が奇数である場合には、第1特別図柄表示器8において「3、5、7」のいずれかが第1飾り変動表示部8kにおいて奇数図柄のいずれかによるゾロ目が各々表示結果として導出表示され、大当りが終了した後に確変状態に制御される。一方、R2から抽出された乱数が偶数である場合には、第1特別図柄表示器8において「1、9」のいずれかが第1飾り変動表示部8kにおいて「0」または偶数図柄のいずれかによるゾロ目が各々表示結果として導出表示され、大当りが発生する。このように、本実施形態においては、大当り図柄により大当り後に確変状態に制御させるか否かが決定されるため、R2は、確変状態に制御させるか否かの判定(確変開始判定)をするために用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタでもある。
R3は、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれについて、はずれとなる表示結果における停止図柄を事前にランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるためのはずれ図柄決定用のランダムカウンタである。R3は、2msecごとおよび割込み処理余り時間にそれぞれ所定数(たとえば、1ずつ)加算更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
本実施の形態におけるはずれ図柄は、R1を用いて大当りに制御されないことが決定されているときには、はずれ図柄(「0,2,4,6,8」)から、このランダムカウンタR3の抽出値に従って決定される。
本実施の形態においては、R3を用いて、第1特別図柄表示器8の図柄として「0,2,4,6,8」のいずれかが決定されたときには、第1飾り変動表示部8kにおいてゾロ目とならないはずれ図柄が導出表示されるように、第2特別図柄表示器9の図柄として「0,2,4,6,8」のいずれかが決定されたときには、第2飾り変動表示部9kにおいてゾロ目とならないはずれ図柄が導出表示されるように制御される。
ここで、R3等の所定のランダムカウンタにおいて行なわれる割込み処理余り時間におけるカウントアップ動作について説明する。遊技制御用マイクロコンピュータのCPU56は、定期的な割込み処理の実行により、各種制御を行なうが、ある割込み処理について、割込み処理が実行された後に、その割込み処理の次回の実行開始までの期間は割込み処理待ち状態となる。そのような割込み処理待ち状態である割込み処理の余り時間において、無限ループを利用してランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行することを割込み処理余り時間におけるカウントアップという。
R4は、第1特別図柄表示器8(第1飾り変動表示部8kも含む)および第2特別図柄表示器9(第2飾り変動表示部9kも含む)の変動表示のパターンである変動パターンをランダムに決定するために用いられる乱数を発生するための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R4は、2msec毎および割込処理余り時間に所定数ずつ加算され、0から更新されてその上限である99まで更新された後再度0から更新される。特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで変動時間決定用のランダムカウンタR4から抽出されたカウンタの値により、予め定められた複数種類の変動パターンの中から、変動表示に用いる変動パターンが選択決定される。各変動パターンには、変動時間(変動表示を開始してから表示結果が導出表示されるまでの時間であり、変動表示時間ともいう)が予め定められており、変動パターンを選択決定することにより、変動表示時間が選択決定されることとなる。
R7は、第1特別図柄表示器8(第1飾り変動表示部8kも含む)および第2特別図柄表示器9(第2飾り変動表示部9kも含む)のそれぞれについて、前述の大当り判定においてはずれとする判定がされたときに、変動表示中に前述したリーチ表示態様を形成する(以下、リーチはずれという)か、リーチ表示態様を形成しない(以下、非リーチはずれという)か、のいずれにするかをランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるためのリーチ判定用のランダムカウンタである。このR7は、2msecごとおよび割込み処理余り時間に1ずつ加算される。第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8kおよび第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9k各々に停止させる図柄を決定する前の段階で、R7から抽出された乱数が予め定められたリーチ判定値と一致するか否かが判断される。そして、これらの値が一致した場合には、リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態とする制御が行なわれる。一方、これらの値が一致した場合には、非リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態としない制御が行なわれる。
R8は、第1普通図柄表示器12および第2普通図柄表示器13のそれぞれの変動表示について当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタである。第1ゲートスイッチ61または第2ゲートスイッチ66により有効な始動通過が検出されると、それに応じて、このR8の乱数が抽出されて通過記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、普通図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が予め定められた当り判定値と一致するか否かが判断され、一致した場合には普通図柄の当りを発生させることが決定されて前述のような制御が行なわれ、不一致の場合にははずれとすることが決定されて前述のような制御が行なわれる。
図4は、第1変動表示部(第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8k)および第2変動表示部(第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9k)における変動パターンを選択決定するために用いる判定値を記憶したデータテーブルを説明するための図である。本実施の形態におけるデータテーブルは、R1を用いての大当り判定の結果およびR7を用いてのリーチ判定の結果に基づき異なるように判定値が振分けられており、前述したROM54に予め記憶されている。
図4(a)は、前述した確変制御モードおよび時短制御モードのいずれにも制御されていない通常遊技状態であるときにルックアップされるデータテーブルである。判定結果が、R1を用いた大当り判定結果がはずれであり、かつ、R7を用いたリーチ判定結果がリーチを発生させない非リーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「通常A変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「通常B変動パターン」が選択決定される。
また、判定結果が、R1を用いての大当り判定結果がはずれであり、かつ、R7を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させるリーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「リーチA変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜79」の範囲内の場合には変動表示時間が20秒の「リーチB変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「80〜99」の範囲内の場合には変動表示時間が25秒の「リーチC変動パターン」が選択決定される。
また、判定結果が、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなる大当り決定時であるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜19」の範囲内の場合には変動表示時間が15秒の「大当りA変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「20〜49」の範囲内の場合には変動表示時間が20秒の「大当りB変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には変動表示時間が30秒の「大当りC変動パターン」が選択決定される。
図4(b)は、前述した時短制御モードに制御されている第2状態であるときにルックアップされるデータテーブルである。なお、本実施の形態において、図4(b)のデータテーブルがルックアップされて決定された変動パターンを短縮変動パターンという。
判定結果が、R1を用いての大当り判定結果がはずれであり、かつ、R7を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させない非リーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には変動表示時間が5秒の「通常C変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が5秒の「通常D変動パターン」が選択決定される。
また、判定結果が、R1を用いての大当り判定結果がはずれであり、かつ、R7を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させるリーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜69」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「リーチD変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「70〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「リーチE変動パターン」が選択決定される。
また、判定結果が、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなる大当り決定時であるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜29」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「大当りD変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「30〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「大当りE変動パターン」が選択決定される。
図4(c)は、前述した確変制御モードに制御されている第1状態であるときにルックアップされるデータテーブルである。なお、本実施の形態において、図4(c)のデータテーブルがルックアップされて決定された変動パターンを確変変動パターンという。また、この確変変動パターンが決定されたときには、前述した短縮変動パターンと同様に、変動時間が短縮される。
判定結果が、R1を用いての大当り判定結果がはずれであり、かつ、R7を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させない非リーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が5秒の「確変時通常E変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が5秒の「確変時通常F変動パターン」が選択決定される。
また、判定結果が、R1を用いての大当り判定結果がはずれであり、かつ、R7を用いてのリーチ判定結果がリーチを発生させるリーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜69」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「確変時リーチF変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「70〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「確変時リーチG変動パターン」が選択決定される。
また、判定結果が、R1を用いての大当り判定結果が大当りとなる大当り決定時であるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜29」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「確変時大当りF変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「30〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「確変時大当りG変動パターン」が選択決定される。
なお、本実施の形態における変動表示に用いられる変動パターンは、後述するように第1変動表示部(第1特別図柄表示器8、第1飾り変動表示部8k)または第2変動表示部(第2特別図柄表示器9、第2飾り変動表示部9k)において変動表示が開始されるときに、図13を用いて後述する第1特別図柄プロセス処理におけるS302および第2特別図柄プロセス処理における同様のステップにおいて、図4で説明したデータテーブルをルックアップして、決定される。
図5は、表示制御用マイクロコンピュータ800が表示制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図5には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタRS,RT,RU−1〜RU−3の3種類のランダムカウンタが示されている。
RSは、第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9kにおいて表示される予告内容および演出内容を決定するために用いられる乱数を発生させるための演出内容決定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「232」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このRSは、33msec毎に1ずつ加算更新される。ここに、予告内容の決定とは、予告演出を実行するか否か、および実行する場合にリーチ予告演出か大当り予告演出かを決定することである。演出予告内容の決定とは、短演出(予告1)、中演出(予告2)、長演出(予告3)、デモ中専用演出、停止中専用演出の5種類の予告演出内容のいずれを実行するかを決定することである。
RTは、予告演出を実行させる飾り変動表示部を選択するために用いられる乱数を発生させるための予告演出実行変動表示部(予告演出を実行する変動表示部)の選択用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「8」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このRTは、33msec毎に1ずつ加算更新される。
RU−1〜RU−3は、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのそれぞれについて、停止図柄を事前にランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるための飾り図柄停止図柄決定用のランダムカウンタである。RU−1は、左図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−2は、中図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−3は、右図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−1〜RU−3のそれぞれについては、RU−1が33msecごとに、RU−2がRU−1の桁上げごと、RU−3がRU−2の桁上げごとにそれぞれ加算更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
なお、飾り図柄は、予め定められた図柄の配列順序に従って変動(更新)表示されていく。複数種類の飾り図柄のそれぞれには飾り図柄停止図柄決定用の数値データが対応付けられており、大当り判定ではずれとする判定がされた場合であってリーチ判定によりリーチ状態としないことが判定された場合には、所定のタイミングでRU−1〜RU−3のそれぞれから抽出された乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の飾り図柄の停止図柄として決定される。なお、大当り判定ではずれとする判定がされた場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当りの図柄と一致する場合には、はずれの図柄となるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、大当り判定ではずれとする判定がされた場合であってリーチ判定によりリーチ状態とすることが判定された場合には、前述したタイミングで抽出された乱数のうち、RU−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各飾り図柄の停止図柄として決定され、RU−2から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれの図柄となるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、大当り判定で大当りとする判定がされた場合であって大当り図柄の決定により確変状態とすることが決定された場合には、所定のタイミングでRU−1から抽出された乱数に対応する確変大当り図柄(奇数の飾り図柄)が左,中,右の各飾り図柄の停止図柄として決定される。また、大当り判定で大当りとする判定がされた場合であって大当り図柄の決定により確変状態としないことが決定された場合には、所定のタイミングでRU−1から抽出された乱数に対応する非確変大当り図柄(0または偶数の図柄)が左,中,右の各飾り図柄の停止図柄として決定される。
図6、図7は、表示制御用マイクロコンピュータ800が予告内容の決定に用いる予告内容決定テーブルを説明するための図である。本実施の形態における予告内容決定テーブルは、後述する判定結果コマンドに基づき異なるように判定値が振り分けられており、前述した表示制御基板80に搭載されるROMに予め記憶されている。
予告内容決定テーブルは、確変状態であるか否かおよび単発予告か繰返し予告かに応じて、4種類設定されている。ここに、「単発予告」とは、前回の飾り図柄変動表示部の変動表示において予告演出(大当り予告演出およびリーチ予告演出の両方を含む)が行なわれておらず、今回の変動により予告演出が行なわれるとするならば単発的な予告演出となる状態をいう。「繰返し予告」とは、前回の飾り変動表示部の変動表示時において予告演出(リーチ予告演出および大当り予告演出の両方を含む)が行なわれており、今回の変動により予告演出を行なうとするならば繰返し予告演出になる状態をいう。
たとえば、通常遊技状態である低確率時において単発予告の場合には図6(a)に示す予告内容決定用テーブル(単発予告低確率時テーブル)が用いられ、単発予告で高確率時においては図6(b)に示す予告内容決定用テーブル(単発予告高確率時テーブル)が用いられ、繰返し予告で低確率時においては図7(a)に示す予告内容決定用テーブル(繰返し予告低確率時テーブル)が用いられ、繰返し予告で高確率時においては図7(b)に示す予告内容決定用テーブル(繰返し予告高確率時テーブル)が用いられる。以下それぞれのテーブルについて具体的に説明する。
図6(a)は、遊技状態が通常遊技状態(低確率時)でありかつ単発予告の状態であるときにルックアップされる単発予告低確率時テーブルである。遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ800に送信されてくる判定結果コマンドは、後述するように、はずれ事前判定コマンド、リーチ事前判定コマンド、非確変大当り事前判定コマンド、確変大当り事前判定コマンドの4種類である。この4種類の判定結果コマンド毎に、振分け確率が異なるようにテーブルデータが構成されている。つまり、この4種類の判定結果コマンド毎に「予告演出なし」「リーチ予告演出」「「大当り予告演出」を選択する予告内容および演出内容決定用ランダムカウンタの抽出値の範囲が記憶されている。たとえば、「はずれ事前判定コマンド」が表示制御用マイクロコンピュータ800に入力された場合においては、抽出値が「0〜219」の範囲内の場合には「予告演出なし」が選択され、抽出値が「220〜227」の範囲内の場合には「リーチ予告演出」が選択され、抽出値が「228〜232」の範囲内の場合には「大当り予告演出」が選択される。このように、「はずれ事前判定コマンド」が表示制御用マイクロコンピュータ800に入力された場合は、大当りとならない場合であるが、このような場合であっても、「大当り予告演出」が選択されて実行されるときがある。このように予告通りの結果が得られない予告は、ガセ予告と呼ばれる。
また、たとえば、確変大当り事前判定コマンドが表示制御用マイクロコンピュータ800に入力された場合においては、抽出値が「0〜16」の範囲内の場合には「予告演出なし」が選択され、抽出値が「17〜69」の範囲内の場合には「リーチ予告演出」が選択され、抽出値が「70〜232」の範囲内の場合には「大当り予告演出」が選択される。
図6(b)は、単発予告で高確率時にルックアップされる単発予告高確率時テーブル(予告内容決定用)である。このテーブルにおいても、前述の単発予告低確率時テーブルと同様に、4種類の判定結果コマンド毎に「予告演出なし」「リーチ予告演出」「大当り予告演出」を選択する予告内容および演出内容決定用ランダムカウンタRSの抽出値の範囲が記憶されている。但し、判定結果コマンドがはずれ事前判定コマンドの場合には、予告内容および演出内容決定用ランダムカウンタRSの抽出値の取り得る全範囲「0〜232」が、「予告演出なし」となっているために、100%の確率で「予告演出なし」が選択されることとなる。
図6(a)(b)に示すように、リーチ予告演出や大当り予告演出が選択される割合は、「はずれ事前判定コマンド」のときに一番低く、「リーチ事前判定コマンド」「非確変大当り事前判定コマンド」「確変大当り事前判定コマンド」となる毎に予告演出が選択される確率が高くなる。
図7(a)は、繰返し予告時でかつ低確率時においてルックアップされる繰返し予告低確率時テーブル(予告内容決定用)である。このテーブルも、前述のテーブルと同様に、4種類の判定結果コマンド毎に「予告演出なし」「リーチ予告演出」「大当り予告演出」を選択する予告内容および演出内容決定用ランダムカウンタRSの抽出値の範囲が記憶されている。たとえば、「非確変大当り事前判定コマンド」を示す判定結果コマンドが表示制御用マイクロコンピュータ800に入力された場合においては、抽出値が「0〜25」の範囲内の場合には「予告演出なし」が選択され、抽出値が「26〜108」の範囲内の場合には「リーチ予告演出」が選択され、抽出値が「109〜232」の範囲内の場合には「大当り予告演出」が選択される。
図7(b)は、繰返し予告時でかつ高確率時にルックアップされる繰返し予告高確率時テーブル(予告内容決定用)である。このテーブルも、前述と同様に、4種類の判定結果コマンド毎に「予告演出なし」「リーチ予告演出」「大当り予告演出」を選択する予告内容および演出内容決定用ランダムカウンタRSの抽出値の範囲が記憶されている。たとえば、「リーチ事前判定コマンド」を示す判定結果コマンドが表示制御用マイクロコンピュータ800に入力された場合においては、抽出値が「0〜70」の範囲内の場合には「予告演出なし」が選択され、抽出値が「71〜203」の範囲内の場合には「リーチ予告演出」が選択され、抽出値が「204〜232」の範囲内の場合には「大当り予告演出」が選択される。なお、図7(b)に示す繰返し予告高確率時テーブルにおいては、はずれ事前判定コマンドが表示制御用マイクロコンピュータ800に入力された場合においては、予告内容および演出内容決定用ランダムカウンタRSの取り得る全範囲「0〜232」に亘って「予告演出なし」が選択されるようにテーブルデータが記憶されている。
図7(a)(b)に示す繰返し予告時におけるテーブルにおいては、図6(a)(b)に示す単発予告時におけるテーブルに比べて、リーチ予告演出や大当り予告演出が選択される割合が高くなるようにテーブルデータが設定されている。その結果、前回の飾り図柄変動表示部において何らかの予告演出が実行されている場合においては、今回の飾り図柄変動表示部においては、高い確率で何らかの予告演出が選択されて実行されることとなる。
図8(a)は、表示制御用マイクロコンピュータ800のROMに記憶されている予告演出時間テーブルを示す図である。この予告演出時間テーブルは、短演出(演出1)、中演出(演出2)、長演出(演出3)の3種類の演出毎に、実行される予告演出の時間を記憶している。具体的には、予告演出の時間は、リーチ予告と大当り予告(ステップ1〜ステップ3を含む)の2種類の予告状態に分け、かつ各予告状態が短演出(演出1)、中演出(演出2)、長演出(演出3)の3種類に場合分けされ、各場合における予告演出の実行時間が記憶されている。
ここに、「短演出(演出1)」は、たとえばUFO等の物からなるキャラクタが表示されて予告演出(リーチ予告演出または大当り予告演出)を行なうものであり、演出実行時間が一番短い予告演出である。「中演出(演出2)」は、たとえば亀等の動物のキャラクタにより予告演出(リーチ予告演出または大当り予告演出)を行なうものであり、演出実行時間が短演出(演出1)よりも長い予告演出である。「長演出(演出3)」は、たとえば人間のキャラクタが表示されて予告演出(リーチ予告演出または大当り予告演出)するものであり、演出実行時間が一番長い予告演出である。
図8(a)における「ステップ1」「ステップ2」「ステップ3」を説明する。前述したように、本発明では、前回の飾り変動表示部において予告演出が実行されており、今回の変動表示によって予告演出が連続的に繰返される場合がある。このような繰返し予告演出の場合には、前回の予告演出内容に続いてそれを発展させたステップアップ型の予告演出を行なう。たとえば、前回の予告演出により長演出(演出3)の種類が選択されそれがステップ1の予告(リーチ予告演出または大当り予告演出)であった場合には、人間のキャラクタが1人表示されて予告演出を行ない、今回の変動表示により大当り予告演出が実行される場合には、2人目の人間のキャラクタが表示されて予告演出を行なうというステップ2の予告演出を行なう。さらに、次回の変動表示において大当り予告演出が行なわれる場合には、3人目の人間のキャラクタが表示されて予告演出を行なうステップ3の大当り予告演出が実行される。
なお、ステップ2やステップ3のステップアップ型の予告演出が実行されるのは、大当り予告の場合に限られているが、リーチ予告についても、ステップ2やステップ3のステップアップ型の予告演出を行なうようにしてもよい。
また、「短演出(演出1)」「中演出(演出2)」「長演出(演出3)」は前述したように、予告演出実行時間が異なり、代理予告演出を実行する変動表示部の変動表示残り時間あるいは代理予告演出が繰返し実行された場合の予告対象となっている方の飾り変動表示部の変動表示残り時間に応じて、いずれの演出内容にするかが選択されて実行されるように制御される。その関係上、「短演出(演出1)」「中演出(演出2)」「長演出(演出3)」の3種類の場合に分けて、それぞれに予告演出時間が記憶されている。また大当り予告においては、ステップ1、ステップ2、ステップ3に応じて予告演出時間が異なることはなく、同じ演出内容であれば全て同じ演出実行時間となる。
たとえば、演出の種類として「中演出(演出2)」が選択され、大当り予告(ステップ1)が選択されている場合においては、予告演出時間はTF2となる。また、演出の種類として「長演出(演出3)」が選択されており、大当り予告(ステップ2)が選択されている場合においては、予告演出時間はTF3となる。
図8(b)は、変動表示部選択テーブルを示す図である。この変動表示部選択テーブルは、表示制御用マイクロコンピュータ800のROMに記憶されており、複数(2つ)の飾り変動表示部のうちから予告演出を行なわせる飾り変動表示部を選択するためのテーブルである。
この変動表示部選択テーブルは、単発予告時と繰返し予告時とに場合分けされ、かつ、それぞれの場合において、予告対象の飾り変動表示部とは別の非予告対象変動表示部の保留記憶数に応じて場合分けされている。そして、予告演出実行変動表示部の選択用のランダムカウンタRTの抽出値の範囲がテーブルデータとして記憶されている。たとえば、単発予告時において非予告対象変動表示部の保留記憶数が「2」であった場合には、予告演出実行変動表示部の選択用のランダムカウンタRTの抽出値が「0〜4」の範囲内の場合には非予告対象変動表示部が選択され、抽出値が「5〜8」の範囲内の場合には予告対象変動表示部が選択され、抽出値が「9」の場合には両方の変動表示部8k、9kが選択される。その選択された飾り変動表示部において、予告演出が実行される。
また、たとえば、繰返し予告時において、非予告対象変動表示部の保留記憶数が「1」の場合においては、ランダムカウンタRTの抽出値が「0〜6」の範囲内の場合には非予告対象変動表示部が選択され、抽出値が「7〜9」の場合には予告対象変動表示部が選択される。この場合には、両方の変動表示部が選択されることはない。
この変動表示部選択テーブルは、単発予告時に比べて繰返し予告時の場合には、非予告対象変動表示部が選択される割合が高くなっており、かつ、単発予告時および繰返し予告時ともに、非予告対象変動表示部の保留記憶数が多くなるほど、予告対象変動表示部に比べて非予告対象変動表示部が選択される割合が高くなるように設定されている。
このように、表示制御用マイクロコンピュータ800は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から送信された判定結果コマンド、確変状態,低確率状態、演出内容決定用ランダムカウンタRSおよび予告演出実行変動表示部の選択用ランダムカウンタRTの抽出値にもとづいて第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kにおいて「予告演出」を表示させる制御を行なっている。また、表示制御用マイクロコンピュータ800は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から送信された変動パターンコマンドと予告演出に対応させて、遊技音発生に関する音制御コマンドと装飾ランプ等の点灯パターンに関するランプ制御コマンドをそれぞれ音声出力基板70とランプドライバ基板35に送信を行なう。これにより、予告演出の実行が決定された場合に予告演出に同調して遊技音の発生・ランプの点灯を実行させる制御コマンドを送信することができるため第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kに表示される演出等と遊技音・ランプの点灯が相互にずれる不都合を未然に防止することができる。また、表示制御基板80が選択されて表示される予告演出の種類は、短演出(演出1)、中演出(演出2)、長演出(演出3)の3種類の演出内容×リーチ予告、大当り予告演出(ステップ1)、大当り予告演出(ステップ2)、大当り予告演出(ステップ3)の4種類+「予告演出なし」=13種類となる。しかも、予告演出を実行させる飾り変動表示部の選択も、予告対象変動表示部のみ、非予告対象変動表示部のみ、予告対象変動表示部および非予告対象変動表示部の両方の、3種類ある。そのため、予告演出を多様化することが可能となり、飽きることなく遊技を続行することができ興趣を向上させることができる。
図9は、予告演出内容選択テーブルであり、表示制御用マイクロコンピュータ800のROMに記憶されている。この予告演出内容選択テーブルは、複数(2つ)の飾り変動表示部のうち、予告演出を実行させると決定された飾り変動表示部の状態に応じて、どの予告演出内容を選択するかをランダムに決定するためのテーブルである。
予告演出を実行すると決定された飾り変動表示部の状態としては、変動中で短,中,長演出すなわち演出1、演出2、演出3のすべての演出が実行可能な場合、変動中で中,短すなわち演出2および演出1が実行可能な場合、変動中で短演出(演出1)のみが実行可能な場合、デモ表示中、表示結果としての飾り図柄の停止表示中の、5種類に場合分けされている。そして、予告演出内容としては、前述したように、短演出(演出1)、中演出(演出2)、長演出(演出3)、デモ専用演出、停止中専用演出の、5種類がある。デモ専用演出は、飾り変動表示部がデモ表示中の場合に実行される予告演出であり、デモ表示中に飾り変動表示部に表示される人間のキャラクタを用いて、予告演出を行なうものである。停止中専用演出とは、飾り変動表示部の前回の変動表示における表示結果として導出表示された飾り図柄が停止表示されているときに実行される演出内容であり、停止中専用の人間のキャラクタが表示されて予告演出が実行される。
そして、予告演出を実行する飾り変動表示部に分類されて各予告演出内容毎に、予告内容および演出内容決定用ランダムカウンタRSの抽出値の属する範囲がテーブルデータとして記憶されている。
たとえば、予告演出を実行する飾り変動表示部の状態が「変動中で長,中,短演出可能時」の場合には、RSの抽出値が「0〜40」の範囲内の場合には、短演出(演出1)が選択され、「41〜110」の範囲内の場合には中演出(演出2)が選択され、「111〜232」の範囲内の場合には長演出(演出3)が選択される。この場合には、デモ中専用演出と停止中専用演出は選択されることがない。
予告演出を実行する飾り変動表示部の状態がたとえば「変動中で中,短演出可能時」の場合には、RSの抽出値が「0〜80」の範囲内の場合には短演出(演出1)が選択され、「81〜232」の範囲内の場合には中演出(演出2)が選択される。この場合には、長演出(演出3)とデモ中専用演出と停止中専用演出とは、選択されることはあり得ない。
予告演出を実行する飾り変動表示部の状態が「変動中で短演出可能時」の場合には、RSの抽出値の全範囲「0〜232」において、短演出(演出1)が選択されることとなる。この場合には、中演出(演出2)、長演出(演出3)、デモ中専用演出、停止中専用演出は、選択されることがない。
予告演出を実行する飾り変動表示部の状態が「デモ中」の場合には、RSの抽出値の全範囲「0〜232」に亘って、デモ中専用演出が選択される。それ以外の予告演出内容が選択されることはない。
予告演出を実行する飾り変動表示部の状態が「停止中」の場合には、RSの抽出値の取り得る全範囲「0〜232」に亘って、停止中専用演出が選択される。この場合には他の予告演出内容が選択されることはない。
よって、変動中で短演出可能時の場合には100%の確率で短演出(演出1)が選択され、デモ中の場合には100%の確率でデモ中専用演出が選択され、停止中の場合には100%の確率で停止中専用演出が選択されることとなる。
図10は、確変状態および時短状態における第1変動表示部(第1特別図柄変動表示部8、第1飾り変動表示部8k)および第2変動表示部(第2特別図柄変動表示部9、第2飾り変動表示部9k)の動作を説明するタイミングチャートである。図10において、(a)では確変状態と非確変状態とのどちらに制御されているかが示され、(b)では時短状態と非時短状態とのどちらに制御されているかが示され、(c)では大当り状態と非大当り状態とのどちらに制御されているかが示され、(d)では1変動表示部が変動状態と停止状態とのどちらに制御されているかが示され、(e)では2変動表示部が変動状態と停止状態とのどちらに制御されているかが示されている。なお、図10中の下欄に示す丸付き数字は、(a)〜(e)のそれぞれにおけるタイミングを示しており、以下、単に数字で、タイミング1〜タイミング7と表示する。
タイミング1は、第1変動表示部で確変大当り図柄の組合せの変動表示結果に基づく大当り遊技状態を発生させる変動表示が開始されたときのタイミングを示している。タイミング2は、タイミング1で開始された変動表示が終了し、確変大当り図柄の組合せが変動表示結果として導出表示され大当り状態が発生したときのタイミングを示している。タイミング3は、タイミング2で開始された大当り状態が終了したときのタイミングを示している。タイミング4は、確変状態を終了させる確変終了条件の一つである非確変大当りとなる変動表示が開始されたときのタイミングを示している。タイミング5は、タイミング4で開始された変動表示が終了し、非確変大当り図柄の組合せが変動表示結果として導出表示され大当り状態が発生したときのタイミングを示している。タイミング6は、タイミング5で開始された大当り状態が終了したときのタイミングを示している。タイミング7は、タイミング5以降に所定回数(たとえば100回)の変動表示が実行されたときのタイミングを示している。
タイミング1以前においては、確変フラグおよび時短フラグがセットされていないため、通常の大当り発生確率に基づき後述する大当り判定が行なわれ、図4(a)で説明した遊技状態が通常遊技状態であるときにルックアップされるデータテーブルを用いて変動パターンが決定されている。なお、タイミング1において、第2変動表示部で実行中の変動表示についても、同様に、通常の大当り発生確率に基づき後述する大当り判定が行なわれ、図4(a)で説明した遊技状態が時短状態ではない通常遊技状態であるときにルックアップされるデータテーブルを用いて変動パターンが決定されている。タイミング1からタイミング4に至るまでに開始される変動表示については、通常の大当り発生確率よりも向上させた高確率状態で大当り判定が行なわれる。タイミング1からタイミング4に至るまでに開始される変動表示については、図4(c)で説明した遊技状態が第1状態であるときにルックアップされるデータテーブルを用いて変動パターンが決定される。また、タイミング4からタイミング7に至るまでに開始される変動表示については、図4(b)で説明した遊技状態が第2状態であるときにルックアップされるデータテーブルを用いて変動パターンが決定される。
本実施の形態においては、第1変動表示部で確変大当り図柄の組合せの変動表示結果に基づく大当り遊技状態を発生させる変動表示が開始されるタイミング1において、確変フラグがセットされるとともに、時短フラグがセットされる((a),(b)参照)。これにより、パチンコ遊技機1は、確変状態に制御されるとともに、時短状態に制御される。確変フラグおよび時短フラグ等の遊技制御用マイクロコンピュータ53において用いられる各種フラグのデータは、RAM55に記憶され、更新される。
確変状態は、大当り図柄の組合せの表示結果が導出表示されることなくタイミング1以降に所定回数(たとえば100回)の変動表示が実行されるという第1の確変終了条件が成立するまで、または、タイミング1以降に所定回数(たとえば100回)の変動表示が実行されるまでに非確変大当り図柄の組合せの表示結果が導出表示される変動表示の開始という第2の確変終了条件が成立するまで継続する。図10においては、タイミング4に示すように、非確変大当りとなる変動表示が開始されることにより第2の確変終了条件が成立し、当該変動表示が開始されるときに確変フラグがリセットされた場合を示している。一方、第1の確変終了条件が成立した場合には、確変状態において大当り図柄の組合せの表示結果が導出表示されることがなかったときの所定回数(たとえば100回)目の変動表示が開始されるときに、確変フラグがリセットされる。このように、確変フラグは、確変状態において第1の確変終了条件または第2の確変終了条件が成立した場合に、当該第1の確変終了条件または第2の確変終了条件を成立させることとなる変動表示の開始時にリセットされる。なお、当該第1の確変終了条件または第2の確変終了条件を成立させることとなる変動表示は、確変フラグがリセットされた直後に開始するものであってもよい。また、当該第1の確変終了条件または第2の確変終了条件を成立させることとなる変動表示を開始した直後に確変フラグをリセットするものであってもよい。本実施の形態における第1の確変終了条件、第2の確変終了条件、または第1の確変終了条件および第2の確変終了条件を、第1終了条件という。
また、時短状態は、確変フラグをリセットさせることとなった変動表示が終了したタイミング5以降に所定回数(たとえば100回)の変動表示が実行されるという時短終了条件が成立するまで継続し、その所定回数の変動表示が実行されるまでに非確変大当り図柄の組合せの表示結果が導出表示されても、継続する。図10においては、タイミング7において開始される変動表示が、タイミング5以降から所定回数(たとえば100回)目の変動表示である場合を示している。タイミング7において変動表示が開始されることにより時短終了条件が成立し、当該変動表示が開始されるときに、時短フラグがリセットされる。このように、時短フラグは、時短状態において時短終了条件が成立した場合に、当該時短終了条件を成立させることとなる変動表示の開始時にリセットされる。本実施の形態における時短終了条件を、第2終了条件という。
確変状態と時短状態との関係は、本実施の形態において次のとおりである。確変大当りとなると、確変状態と時短状態とに制御される。確変フラグと時短フラグとは、確変大当りとなる変動表示が開始されるときにセットされる(タイミング1参照)。確変フラグは、第1の確変終了条件(所定回数の変動表示)が成立するまでに第2の確変終了条件(非確変大当り)が成立すると、当該第2の確変終了条件が成立する変動表示の開始時にリセットされる(タイミング4)。また、確変フラグは、第1の確変終了条件(所定回数の変動表示)が成立すると、当該第1の確変終了条件が成立する変動表示の開始時にリセットされる。時短フラグは、第1の確変終了条件(所定回数の変動表示)または第2の確変終了条件(非確変大当り)が成立する変動表示が終了してから時短終了条件(所定回数の変動表示)が成立すると、当該時短終了条件が成立する変動表示の開始時にリセットされる。本実施の形態における確率変動制御モードとは、確変フラグと時短フラグとがセットされており、確変状態と時短状態とに制御されている状態をいう。また、変動時間短縮制御モードとは、確変フラグがリセットされ時短フラグがセットされており、時短状態にのみ制御されている状態をいう。
タイミング7以降に開始される変動表示においては、確変フラグおよび時短フラグがセットされていないため、通常の大当り発生確率に基づき後述する大当り判定が行なわれ、図4(a)で説明した遊技状態が時短状態ではない通常遊技状態であるときにルックアップされるデータテーブルを用いて変動パターンが決定される。
図11は、遊技制御用マイクロコンピュータによる特別図柄表示器の制御および演出制御用マイクロコンピュータによる可変表示装置(飾り変動表示部)の制御のタイミングチャートを示す図である。
まず、始動入賞球が第1始動口スイッチ62により検出されればその検出信号である信号入賞Aが遊技制御用マイクロコンピュータ53に入力される。その始動入賞に基づいて第1特別図柄表示器8が変動を開始する。この変動が図11の特別図柄A(大当り)として示されており、この変動表示の後第1特別図柄表示器8に大当りの表示結果が導出表示される。大当りの表示結果が導出表示されれば、大当りが発生するとともに、第1飾り変動表示部8kに大当り遊技演出が表示される。
一方、始動入賞Aの後連続して始動入賞球が第2始動口スイッチ67により検出され、始動入賞a、始動入賞b、始動入賞cの検出信号が遊技制御用マイクロコンピュータ53に入力される。始動入賞aの入力時点においては、第2特別図柄表示器9である第2特別図柄表示器9は変動表示しておらず、その結果、始動入賞aの信号入力後すぐに特図変動aが開始される。この特図変動aは、第1特別図柄表示器8の前述の特図変動a(大当り)に比べて、変動時間が短い。これは、図4で説明したように、大当りの表示結果が導出表示される特別図柄表示器の変動時間は、はずれが導出表示される特別図柄表示器の変動表示時間よりも長い時間が選択される割合が高く構成されているためである。図11の場合においては、たとえば特図変動A(大当り)が、図4に示す大当りC変動パターン(30秒)であり、特図変動aは、通常A変動パターン(10秒)である。
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、第1特別図柄表示器8の特図変動A(大当り)の変動開始時点において、予告演出を実行するか否かおよび実行する場合における予告演出の種類を決定する。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、その決定内容を演出制御用マイクロコンピュータ800にコマンドとして送信する。演出制御用マイクロコンピュータ800は、そのコマンドを受けて、第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9kの中から予告演出を実行させる飾り変動表示部を選択する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ53変動パターンコマンドも演出制御用マイクロコンピュータ800に送信する。図11の場合には、第2飾り変動表示部9kにより予告演出を実行することが決定された例である。第1特別図柄表示器8の特図変動A(大当り)の変動開始以前では第2飾り変動表示部9kである第2飾り変動表示部9kによりデモ表示が実行されている。そして、第1特別図柄表示器8の特図変動A(大当り)の変動開始時から第2飾り変動表示部9kによりデモ中専用の予告演出が実行される。その後、特図変動aの変動に対応する第2飾り変動表示部9kにより変動が開始され、予告1(ステップ1)の予告演出が実行される。
特図変動aが実行されている最中、始動入賞bと始動入賞cとが保留記憶された状態となっている。特図変動aが終了した段階で、始動入賞bの保留記憶に基づいた特図変動bが開始される。この特図変動bに対応する第2飾り変動表示部9kによる飾り変動bにおいて、予告2(ステップ2)の予告演出が実行される。さらにこの特図変動bが終了した後始動入賞cの保留記憶に基づいた特図変動cが開始される。この特図変動cに対応する第2飾り変動表示部9kによる飾り変動cにおいて、予告3(ステップ3)の予告演出が実行される。この予告1、予告2、予告3は、前述した発展型のステップアップ予告のことである。たとえば、予告1が大当り予告(ステップ1)であり、予告2が大当り予告(ステップ2)であり、予告3が大当り予告(ステップ3)である。具体的には、予告1で、人間のキャラクタが1人表示されて予告演出が行なわれ、予告2で、人間のキャラクタが2人表示されて予告演出が行なわれ、予告3で、人間のキャラクタが3人表示されて予告演出が実行される。
そして、特図変動cが停止するタイミングで遊技制御用マイクロコンピュータ53から演出制御用マイクロコンピュータ800に対して第2飾り図柄停止コマンド(入賞c)が送信される。その結果、演出制御用マイクロコンピュータ800は、第2飾り変動表示部9kの飾り変動cを停止させる。また、第1特別図柄表示器8の特図変動A(大当り)が停止するタイミングで第1飾り図柄停止コマンド(入賞A)が遊技制御用マイクロコンピュータ53から演出制御用マイクロコンピュータ800へ送信される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、そのコマンドを受けて、第1飾り変動表示部8kの飾り変動A(大当り)を停止させる制御を行なう。第1飾り変動表示部8kでは、その後大当り遊技演出を表示する。この特図変動A(大当り)が停止する以前の段階においては、遊技状態は非大当り状態となっており、特図変動A(大当り)が終了した後に、第1特別可変入賞球装置20が開成して大当り状態となる。
図12は、遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される遊技制御用メイン処理およびタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。図12においては、(a)に遊技制御用メイン処理が示され、(b)にタイマ割込処理が示されている。このタイマ割込処理は、たとえば2msec毎に1回実行される。
(a)に示す遊技制御用メイン処理においては、まずステップS(以下、単にSという)11において内蔵デバイスレジスタ等の初期化をする初期化処理が行なわれ、S12においてランダムカウンタを更新するための乱数更新処理が行なわれる。S12における乱数更新処理は前述のR3〜R8の値を更新するための処理であり、Mの値の初期値として「3」をセットし、サブルーチンプログラムが開始される。ここで、Mの値とは、前述したランダムカウンタR1〜R8のうち一のランダムカウンタを特定するための値であって、ランダムカウンタR(Mの値)となる。たとえば、Mの値が「3」であるときにはR3が特定される。よって、S12により実行されるランダムカウンタ更新処理においては、R3から更新処理が開始され、R8まで更新処理が行なわれることとなる。これにより、S12での乱数更新処理においては、ランダムカウンタR3〜R8のそれぞれの値が更新される。なお、本実施形態において、2msec毎の割込処理が実行された後次回の割込処理が実行されるまでの割込待ち処理余り時間に、無限にS12の処理が繰返し行なわれることとなる。
次に、(b)に示すタイマ割込処理について説明する。タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(S21)を行なった後、S22〜S36の割込処理である遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路32を介して、第1ゲートスイッチ61、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65、第2ゲートスイッチ66、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S22)。
そして、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行なう(S23)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8、第1特別可変入賞装置20、等を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次に、CPU56は、S24において、ランダムカウンタの値を更新するための乱数更新処理を行なう。S24における乱数更新処理は、前述のR1〜R8を更新するための処理であり、Mの値として「1」をセットし、ランダムカウンタ更新処理のサブルーチンプログラムが開始される。よって、S24により実行されるランダムカウンタ更新処理においては、ランダムカウンタR1から更新処理が開始されることとなる。
次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行なう(S25)。第2特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器9、第2特別可変入賞装置22等を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第2特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、第1普通図柄プロセス処理を行なう(S26)。第1普通図柄プロセス処理では、第1普通図柄表示器12の表示状態を所定の順序で制御するための第1普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第1普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。次いで、第2普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。第2普通図柄プロセス処理では、第2普通図柄表示器13の表示状態を所定の順序で制御するための第2普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第2普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。第1普通図柄プロセス処理を実行することにより第1普通図柄表示器12の表示制御が実行される。そして、このような第1普通図柄表示器12の表示制御の状態に対応して、後述するソレノイド出力処理(S33)によりソレノイド74が駆動されることにより、第1可変入賞装置15の開閉制御が実行される。第2普通図柄プロセス処理を実行することにより第2普通図柄表示器13の表示制御が実行される。
次いで、CPU56は、第1飾り変動表示部8kにおける変動表示および第2飾り変動表示部9kにおける変動表示に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行なう(飾り図柄コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、等のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置44を駆動する。
そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(S31)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(S32)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路33に駆動指令を行なう(S33)。第1可変入賞装置15、第1特別可変入賞装置20、第2特別可変入賞装置を開状態または閉状態としたり、第1大入賞口21、第2大入賞口23、内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド72〜76を駆動する。
次に、特別図柄表示制御処理が行なわれる。特別図柄表示制御処理では、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる(S33)。また、普通図柄表示制御処理が行なわれる。普通図柄表示制御処理では、第1普通図柄表示装置12および第2普通図柄表示装置13の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる(S34)。その後、レジスタの内容を復帰させ(S36)、割込許可状態に設定する(S37)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
上述したようにこの実施の形態では、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9との2つの表示器によって特別図柄の変動表示が実行され、第1飾り変動表示部8kと第2飾り変動表示部9kとの2つの変動表示部によって第1飾り図柄8a〜8cおよび第2飾り図柄9a〜9cの変動表示が実行される。そして、第1特別図柄表示器8と第2特別図柄表示器9とのうちいずれかの表示器にて大当り図柄が導出表示されたときに大当り遊技状態に移行する制御が実行される。なお、以下の説明においては、主に第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kを制御する処理について説明するが、第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9kを制御する処理も同様の制御が実行される。
次に、第1特別図柄プロセス処理(S23)および第2特別図柄プロセス処理(S25)の処理内容を説明する。第1特別図柄プロセス処理および第2特別図柄プロセス処理の処理内容は、第1特別図柄プロセス処理が第1変動表示部(第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8k)を対象として処理を行ない、第2特別図柄プロセス処理が第2変動表示部(第2特別図柄表示器9および第2飾り変動表示部9k)を対象として処理を行なう点で異なるが、処理の対象となる変動表示部を制御するための処理内容は同様である。このため、ここでは、第1特別図柄プロセス処理をこれらの特別図柄プロセス処理の代表例として説明し、第2特別図柄プロセス処理の処理内容についての重複した説明は繰り返さない。なお、以下に説明する第1特別図柄プロセス処理の処理内容は、第1特別図柄プロセス処理での第1変動表示部という処理対象を第2変動表示部という処理対象に置き換えることで、第2特別図柄プロセス処理の処理内容となる。
図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ53が実行する第1特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。第1特別図柄プロセス処理では、第1変動表示部を制御する処理が実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、第1特別図柄プロセス処理を行なう際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ62がオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(S311)、第1始動口スイッチ通過処理(S312)を行なった後に、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
なお、第1始動口スイッチ通過処理では、CPU56は、RAM55の第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達しているかどうか確認し、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が最大値に達していなければ、保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタのカウント値を1増やす。そして、数値データ更新手段としての大当り判定用ランダムカウンタ(たとえば、CPU56の機能であって数値データ(大当り判定用乱数等)を更新(カウントアップ)する部分)から大当り判定用乱数等の各数値データ(乱数)の値を抽出し、それらを第1保留記憶バッファの抽出順番に対応する(第1保留記憶カウンタの値に対応する)保存領域に格納する処理が実行される。このように第1始動口スイッチ62がオンし、かつ、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達していないときに、数値データを抽出する条件が成立する。なお、数値データ(乱数)を抽出するとは、数値データ(乱数)を生成させるためのカウンタから乱数を読出して、読出した乱数を数値データの値(乱数)とすることである。
第1特別図柄通常処理(S300):第1特別図柄表示器8の変動表示を開始できる状態になるのを待つ。第1特別図柄表示器8の変動表示が開始できる状態になると、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(第1保留記憶数)を確認する。第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、第1保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄表示器8の変動表示の結果、大当りとするか否か(第1特図特定表示結果とするか否か)を決定する。大当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS301に移行するように更新する。
第1特別図柄停止図柄設定処理(S301):前述の大当り図柄決定用のランダムカウンタR2の抽出値または前述のはずれ図柄決定用のランダムカウンタR3の抽出値を用いて、変動表示後の第1特別図柄表示器8の停止図柄(大当り図柄またははずれ図柄)を決定する。さらに、はずれ停止図柄を決定するときには、前述のリーチ判定用のランダムカウンタR7の抽出値を用いてリーチ判定を行ない、リーチとするときには、R3の抽出値を用いて決定されたはずれ図柄の手前の大当り図柄をリーチ図柄として決定する。これは、前述したように、第1特別図柄表示器8および第2特別図柄表示器9のそれぞれにおけるリーチ表示態様とは、特定表示結果(「1,3,5,7,9」)が点滅表示している状態であるので、はずれ図柄(「0,2,4,6,8」)の手前の大当り図柄(「9,1,3,5,7」)を点滅させるリーチ図柄と決定するためである。また、このような各種決定および判定の結果に基づいて、第1事前判定結果コマンドがセットされるとともに、第1停止図柄コマンドがセットされる。ここでセットされた第1事前判定結果コマンドおよび第1停止図柄コマンドのそれぞれは、図12のS28において表示制御用マイクロコンピュータ800に対して出力される。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS302に移行するように更新する。
なお、第1特別図柄表示器8の停止図柄は、確変大当り図柄となるときに、確変大当り図柄として定められた「3,5,7」の図柄のうちからランダムに決定する。第1特別図柄表示器8の停止図柄は、非確変大当りとなるときに、非確変大当り図柄として定められた「1,9」の識別情報のうちからランダムに決定する。第1特別図柄表示器8の停止図柄は、はずれとなるときに、はずれ図柄として定められた「0,2,4,6,8」の識別情報のうちからランダムに決定する。また、第2特別図柄表示器9の停止図柄についても同様である。
第1変動パターン設定処理(S302):第1特別図柄表示器8の変動表示の変動表示の変動パターン(変動表示データ)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用のランダムカウンタR4の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターン(変動表示データ)の中から選択決定する。変動パターンは、図4で説明したデータテーブルを用いて選択決定される。すなわち、確変フラグと時短フラグがセットされた第1状態であるときには、図4(c)のデータテーブルがルックアップされて、変動パターンが選択決定される。時短フラグがセットされた第2状態であるときには、図4(b)のデータテーブルがルックアップされて、変動パターンが選択決定される。確変フラグおよび時短フラグがセットされていない通常遊技状態であるときには、図4(a)のデータテーブルがルックアップされて、変動パターンが選択決定される。変動パターンには変動パターンの種類と、変動表示を実行する時間(変動時間)とを特定可能な情報が含まれている。また、選択決定された変動パターンに基づいて、第1特別図柄表示器8において変動時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を第1特別図柄プロセスタイマにセットした後、第1特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、第1特別図柄の変動表示を開始させるための駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図12のS34において出力される。また、第1飾り図柄の変動表示の変動時間の長さの情報を含む変動パターンを指令するコマンドである第1変動パターンコマンドがセットされる。ここでセットされた第1変動パターンコマンドは、図12のS28において表示制御用マイクロコンピュータ800に対して出力される。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS303に移行するように更新する。
第1特別図柄変動処理(S303):第1変動パターン設定処理で選択決定された変動パターンでの変動時間が経過(S302でセットされた第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、第1特別図柄プロセスフラグをS304に移行するように更新する。
第1特別図柄停止処理(S304):第1特別図柄表示器8および第1飾り変動表示部8kのそれぞれにおいて変動表示される図柄が停止されるように制御する。具体的には、第1特別図柄を停止する駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図12のS34において出力される。そして、第1飾り図柄を停止させるための第1図柄停止コマンドがセットされる。ここでセットされた第1図柄停止コマンドは、図12のS28において表示制御用マイクロコンピュータ800に対して出力される。そして、第1大当りフラグがセットされている場合には、第1特別図柄プロセスフラグをS305に移行するように更新する。そうでない場合には、第1特別図柄プロセスフラグをS300に移行するように更新する。
第1大入賞口開放前処理(S305):第1大入賞口21を開放する制御を開始する。具体的には、大当り遊技状態での制御に用いるカウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド72を駆動して第1特別可変入賞装置20を開状態とすることで第1大入賞口21を開放する。また、プロセスタイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、第1特別図柄プロセスフラグをS306に移行するように更新する。
第1大入賞口開放中処理(S306):第1大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを表示制御基板80に送出する制御や第1大入賞口21の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。最後の第1大入賞口21の閉成条件が成立したら、第1大入賞口21内に設けられた第1V入賞スイッチ64の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行なう。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、第1特別図柄プロセスフラグをS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、第1特別図柄プロセスフラグをS307に移行するように更新する。
第1大当り終了処理(S307):第1大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を表示制御基板80に行なわせるための制御を行なう。そして、第1特別図柄プロセスフラグをS300に移行するように更新する。
図14は、図13の第1特別図柄プロセス処理で説明した第1始動口スイッチ通過処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
まず、第1始動入賞口14への始動入賞があったか否かの判別がなされる(S41)。始動入賞がなかった場合は以降の処理を実行することなく終了し、始動入賞があった場合は第1保留記憶カウンタのカウント値を示す第1始動記憶数が「4」であるか否かの判別がなされる(S42)。始動入賞記憶数が「4」であった場合は終了し、第1始動記憶数が「4」でなかった場合には第1始動記憶数に「1」加算する処理が行なわれる(S43)。すなわち、第1保留記憶カウンタのカウント値に1加算する処理が行なわれる。
次に、前述したR1、R2、R7から乱数を抽出する処理が行なわれる(S44)。次に、S44において抽出した乱数をそれぞれ対応した第1保留記憶バッファに記憶する処理が行なわれる(S46)。
本実施の形態において第1特別図柄停止図柄設定処理で設定される第1確変大当り事前判定コマンド、第1非確変大当り事前判定コマンド、第1リーチ事前判定コマンド、および第1はずれ事前判定コマンドを、まとめて第1事前判定結果コマンドという。なお、図12のS25の第2特別図柄プロセス処理において同様に実行される第2特別図柄停止図柄設定処理においても、R1,R2,およびR7から抽出した乱数に応じて、第2確変大当り事前判定コマンド,第2非確変大当り事前判定コマンド,第2リーチ事前判定コマンド,および第2はずれ事前判定コマンドが設定される。この第2特別図柄停止図柄設定処理で設定される第2確変大当り事前判定コマンド、第2非確変大当り事前判定コマンド、第2リーチ事前判定コマンド、および第2はずれ事前判定コマンドをまとめて第2事前判定結果コマンドという。第1事前判定結果コマンドおよび第2事前判定結果コマンドは、図12のS28における飾り図柄コマンド制御処理において、始動入賞時に遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ800へ送信される。
図15は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(S140)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、第1特別図柄通常処理において、以下のような処理を行なう。
まず、第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S631)。第2大当り実行中フラグは、第2特別図柄表示器9に大当り図柄(第2特図特定表示結果)が導出表示されて第2大当り遊技状態(特定遊技状態)が開始するときに第2特別図柄プロセス処理(S15)における第2特別図柄変動処理(図示しない)にてセットされ、第2大当り遊技状態(特定遊技状態)が終了するときに第2大当り終了処理(図示しない)にてリセットされる。第2大当り実行中フラグがセットされているときには、リターンする。
次いで、第2大当り実行中フラグがセットされていないときには、第1保留記憶カウンタの値を確認し、第1保留記憶数が「0」であるか否かを判別する(S632)。なお、第1特別図柄通常処理は、第1特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合に実行される。第1保留記憶数が0であれば、リターンする。
一方、第1保留記憶数が0でなければ、RAM55の第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する第1保留記憶バッファに格納されている各乱数(数値データ)を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(S633)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S634)。すなわち、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、変動表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数が抽出された順番を特定することができる。
次に、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数コマンド送信を設定する(S635)。この設定された第1保留記憶数コマンドがS28により表示制御用マイクロコンピュータ800に送信される。これにより、現時点の第1保留記憶数が表示制御用マイクロコンピュータ800に通知される。
次に、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(R1の抽出データ)を読出し(S636)、図16を用いて後述する大当り判定処理を実行する(S637)。大当り判定処理の結果、第1大当り遊技状態とすることに決定した場合には(S638においてY)、第1大当りフラグをセットする(S639)。一方、第1大当り遊技状態としないことに決定した場合には(S638においてN)、第1大当りフラグをセットしない。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理(S301)に対応した値に更新し(S640)、リターンする。
以上の処理により、第2特別図柄表示器9に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態が発生したときには第1特別図柄表示器8にて特別図柄の変動表示を開始させない制御がなされる。すなわち、第2特別図柄表示器9に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態が発生したときに第2大当り実行中フラグがセットされて、大当り遊技状態が終了するまで第2大当り実行中フラグがリセットされないため、第2特別図柄表示器9に大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了するまでは第1特別図柄通常処理(S300)におけるS631でNが選択され、S632〜S640の処理が実行されない。
図16は、第1特別図柄通常処理および第2特別図柄通常処理における大当り判定処理(図15のS637)を示すフローチャートである。大当り判定処理においては、まず、確変フラグがセットされているか否かを判別する(S111)。確変フラグがセットされているときには、大当り判定に用いる大当り判定値Aに確変時大当り判定値として予め定められている「7,17,41,57,107」を設定する(S112)。確変フラグがセットされていないときには、大当り判定に用いる大当り判定値Aに非確変時大当り判定値として予め定められている「7」を設定する(S113)。そして、第1特別図柄通常処理のS300または第2特別図柄通常処理における対応する処理で読出した大当り判定用乱数と大当り判定値Aとを比較して大当りとするか否かを決定し(S114)、大当り判定処理を終了する。
図17は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理(S301)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、第1大当りフラグがセットされているか否かを判別する(S121)。第1大当りフラグがセットされていないときにはR3から乱数を抽出し、その抽出値に基づいてはずれ図柄を決定する(S128)。すなわち、R3から抽出した乱数に基づいて、「0」または偶数図柄から表示結果として導出表示する図柄を決定する。そして、S128aに移行する。
一方、第1大当りフラグがセットされているときには、始動入賞時にR2から抽出している乱数に基づいて大当り図柄を決定する(ステップ122)。すなわち、R2から抽出している乱数に基づいて、奇数図柄から表示結果として導出表示する図柄を決定する。本実施の形態においては、前述したように、R2から抽出された乱数が奇数である場合には、奇数図柄のうち「3、5、7」のいずれかが停止図柄として決定され、また、R2から抽出された乱数が偶数である場合には、奇数図柄のうち「1、9」のいずれかが停止図柄として決定される。
次に、S122で決定された大当り図柄が確変大当り図柄である「3、5、7」のいずれかであるか否かを判別する(S123)。確変大当り図柄であると判断されたときには、確変フラグをセットする(S124)とともに、時短フラグをセットする(S125)。これにより、確変制御モードに制御されるときには、確変フラグおよび時短フラグがともにセットされる。そして、第1確変大当り事前判定コマンド送信を設定する(S125a)。設定された第1確変大当り事前判定コマンドがS28により表示制御用マイクロコンピュータ800に送信される。第1確変大当り事前判定コマンドは、第1特別図柄表示器8により確変大当り図柄が表示されることが事前判定されていることを示すコマンドである。
次に、第1停止図柄コマンド送信を設定した後(S125b)、S129へ移行する。この設定された第1停止図柄コマンドがS28により表示制御用マイクロコンピュータ800に送信される。この第1停止図柄コマンドは、S122またはS128により決定された第1特別図柄の予定停止図柄を示すコマンドである。表示制御用マイクロコンピュータ800は、この第1停止図柄コマンドにより示された第1特別図柄の予定停止図柄に対応する第1飾り図柄が表示結果として導出表示されるように飾り変動表示部8kを表示制御する。
一方、S123でNOの判断がなされた場合には、CPU56は、第1非確変大当り事前判定コマンド送信を設定する(S127a)。この設定された第1非確変大当り事前判定コマンドがS28により表示制御用マイクロコンピュータ800に送信される。第1非確変大当り事前判定コマンドは、第1特別図柄表示器8により非確変大当り図柄が表示されることが事前判定されていることを示すコマンドである。
S128の処理の後において、CPU56は、リーチ判定用ランダムカウンタR7の値が「5、14、31」のいずれかか否かの判定を行う(S128a)。いずれかの場合には、第1飾り変動表示部8kによりリーチを発生させることが事前判定され、第1リーチ事前判定コマンド送信を設定する(S128b)。この設定された第1リーチ事前判定コマンドがS28により表示制御用マイクロコンピュータ800に送信される。第1リーチ事前判定コマンドは、第1飾り変動表示部8kによりリーチを発生させることが事前判定されたことを示すコマンドである。一方、S128aによりNOの判定がなされた場合には、CPU56は、第1はずれ事前判定コマンド送信を設定する(S128c)。この設定された第1はずれ事前判定コマンドがS28により表示制御用マイクロコンピュータ800に送信される。第1はずれ事前判定コマンドは、第1飾り変動表示部8kによりリーチを発生させることなくはずれを表示結果として導出表示させることが事前判定されたことを示すコマンドである。
次に、S129においては、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(S302)に対応した値に更新する。
図18は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(S302)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、第1変動パターン設定処理において、以下のような処理を行なう。
まず、第1大当りフラグがセットされているか否かを判断することにより、第1変動表示部側の変動表示について大当りとする決定がされているか否かを判断する(S61)。大当りとする決定がされていないと判断されたときは、後述するS65に進む。一方、大当りとする決定がされていると判断されたときは、時短フラグがセットされているか否かを判断する(S62)。ここで、時短フラグは、変動パターンとして短縮変動パターンを選択する状態を示すフラグであり、確変制御モードおよび時短制御モードのどちらの制御状態においてもセットされているフラグである。
時短フラグがセットされていないと判断されたときは、確変制御モードおよび時短制御モードのいずれにも制御されていない通常遊技状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、非短縮変動パターンデータテーブルのうち大当り決定時データテーブルを選択し(S63)、S69に進む。一方、時短フラグがセットされていると判断されたときは、確変制御モードおよび時短制御モードのどちらかの遊技状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、短縮変動パターンデータテーブルのうち大当り決定時データテーブルを選択し(S64)、S69に進む。
また、S65に進んだときは、変動表示結果をはずれとすることが決定されているので、R6から乱数を抽出し、その抽出値に基づいてリーチ判定をする(S65)。この場合のリーチ判定結果は、リーチフラグ等のデータにより保存される。そして、時短フラグがセットされているか否かを判断する(S66)。
時短フラグがセットされていないと判断されたときは、確変制御モードおよび時短制御モードのいずれにも制御されていない通常遊技状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、非短縮変動パターンデータテーブルのうち、非リーチはずれ決定時データテーブルと、リーチはずれ決定時データテーブルとのいずれかを選択し(S67)、S69に進む。一方、時短フラグがセットされていると判断されたときは、確変制御モードおよび時短制御モードのどちらかの遊技状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、短縮変動パターンデータテーブルのうち、非リーチはずれ決定時データテーブルと、リーチはずれ決定時データテーブルとのいずれかを選択し(S68)、S69に進む。S67およびS68のそれぞれにおいては、S65でリーチとしないことが決定されているときには、非リーチはずれ決定時データテーブルが選択され、リーチとすることが決定されているときには、リーチはずれ決定時データテーブルが選択される。
S69では、R4から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて、S63,S64,S67,S68により選択された変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択する。そして、確変制御モードおよび時短制御モードを含む特別遊技状態を管理する処理としての特別遊技処理が行なわれる(S70)。特別遊技処理の処理内容については、図19を用いて後述する。
次に、第1特別図柄表示器8において、第1特別図柄の変動表示を開始させるための処理を行なう(S71)。具体的には、第1特別図柄表示器8で第1特別図柄の変動表示を開始させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図12のS34で出力される。そして、S69により選択された変動パターンに対応する第1変動パターンコマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S72)。このように変動パターンコマンドが設定されると、図12のS28において第1変動パターンコマンドが出力される。そして、選択決定された変動パターンに基づいて、第1特別図柄表示器8において変動表示時間を第1特別図柄プロセスタイマにセットした後、第1特別図柄プロセスタイマをスタートさせる(S73)。第1特別図柄プロセスタイマは、変動表示時間を管理するために用いられるタイマである。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動処理(S303)に対応した値に更新し(S74)、リターンする。
図19は、特別遊技処理(S70)を示すフローチャートである。特別遊技処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、以下のような処理を行なう。
まず、第1大当りフラグがセットされているか否かを判断することにより、第1変動表示部側の変動表示について大当りとする決定がされているか否かを判断する(S701)。大当りとする決定がされていないと判断されたときは、後述するS710に進む。一方、大当りとする決定がされていると判断されたときは、第1確変大当りフラグがセットされているか否かを判断することにより、第1変動表示部側の変動表示について確変大当りとする決定がされているか否かを判断する(S702)。確変大当りとする決定がされていると判断されたときは、リターンする。
一方、確変大当りとする決定がされていないと判断されたときは、確変フラグがセットされているか否かを判断する(S705)。確変フラグがセットされているとき、確変制御モードのときには、確変フラグをリセットする(S706)これにより、確変制御モードにおいて非確変大当りが生じると、確変制御モードが終了し、確変フラグがリセットされて時短フラグのみがセットされている状態、すなわち、時短制御モードに制御される。そして、確変制御モードにおいて計数される変動表示回数としての確変時変動回数のデータを初期化し(S707)、リターンする。ここで、確変時変動回数とは、確変状態、すなわち、確変制御モードであるときに第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が開始される毎に1ずつ加算されるものであって、RAM55の記憶領域に記憶される。この確変時変動回数は、第1変動パターン設定処理および第2変動パターン設定処理のそれぞれの特別遊技処理で共通に用いられる。
一方、確変フラグがセットされていないときにはリターンする。ここで、時短時変動回数とは、時短制御モードであるときに第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が開始される毎に1ずつ加算されるものであって、RAM55の記憶領域に記憶される。この確変時変動回数は、第1変動パターン設定処理および第2変動パターン設定処理のそれぞれの特別遊技処理で共通に用いられる。一方、時短フラグがセットされていないとき、すなわち、確変制御モードおよび時短制御モードのいずれでもないときには、リターンする。
また、S701で大当りとする決定がされていないと判断されてS710に進んだときは、確変フラグがセットされているか否かを判別する。つまり、確変制御モードであるか否かが判断される。確変フラグがセットされていないときには、後述するS715に進む。
一方、確変フラグがセットされているときには、確変時変動回数を1加算する(S711)。そして、確変時変動回数が予め設定されている確変終了回数(100回)に到達したか否かを判別する(S712)。S712においては、ROM54から確変終了回数のデータを読込んで確変終了回数を設定し、判別に用いる。到達していないときには、リターンする。一方、到達しているときには、確変フラグをリセットし(S713)、確変時変動回数を初期化し(S714)、リターンする。このように、本実施の形態での確変制御モードにおいては、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのそれぞれが開始される毎にS711において確変時変動回数が1ずつ加算される。そして、確変制御モードは、S712において確変時変動回数が確変終了回数に到達したと判断されると、S713において確変フラグがリセットされることにより終了する。
一方、S710で確変フラグがセットされていないと判別されてS715に進んだときは、時短フラグがセットされているか否かを判別する。ここでは、確変フラグがセットされておらず、かつ、時短フラグがセットされている状態、すなわち、時短制御モードの状態にあるか否かが判別される。時短フラグがセットされていないときには、リターンする。
一方、時短フラグがセットされているときには、時短制御モードであるので、時短時変動回数を1加算する(S716)。そして、時短時変動回数が予め設定されている時短終了回数(100回)に到達したか否かを判別する(S717)。S717においては、ROM54から時短終了回数のデータを読込んで時短時終了回数を設定し、判別に用いる。到達していないときにはリターンする。一方、到達しているときには、時短フラグをリセットして(S718)、時短時変動回数を初期化し(S719)、リターンする。このように、本実施の形態において、時短制御モードは、確変フラグがリセットされてから、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が開始される毎にS716で時短時変動回数が1ずつ加算され、時短時変動回数がS717において時短終了回数に到達したと判断されると、S719において時短フラグがリセットされることにより終了する。
以上のように、本実施の形態においては、確変大当りが発生するときに、確変フラグと時短フラグとがセットされ、確変制御モードに制御される。また、確変制御モードでの確変状態中において非確変大当りが発生するときおよび確変変動回数が確変終了回数に達したときに、確変フラグがリセットされて、確変状態が終了することにより、確変制御モードが終了する。また、時短制御モードでの時短状態中において時短変動回数が時短終了回数に達したときに、時短フラグがリセットされて、時短状態が終了することにより、時短制御モードが終了する。この特別遊技処理が第1変動パターン設定処理の実行時すなわち第1特別図柄の変動開始時に行われるために、これら確変フラグおよび時短フラグのリセットも、第1特別図柄の変動開始時に行われる。その結果、当該変動開始される第1特別図柄の変動表示が前述の確変フラグや時短フラグのリセット条件に合致するときには、当該変動表示の開始時に確変フラグや時短フラグがリセットされることとなる。
図20は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動処理(S303)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、以下のような処理を行なう。
まず、第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S80)。第2大当りフラグがセットされていない場合には、第1特別図柄プロセスタイマを1減算し(S81)、第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたら(S82)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(S144)に対応した値に更新する(S85)。S82で第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ第1特別図柄プロセスフラグの値を更新しない。すなわち、再び第1特別図柄プロセス処理が実行されると第1特別図柄変動処理が再び行なわれる。また、S84で第1大当り実行中フラグがセットされることにより第2特別図柄プロセス処理(S25)で第2特別図柄表示器9における特別図柄の変動表示を中断させる処理が実行される。
S80で第2大当りフラグがセットされていれば、第1中断フラグがセットされているか否か確認する(S86)。第1中断フラグがセットされていなければ(S86)、第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認し(S87)、第2大当り実行中フラグがセットされていなければ、前述のS81に進む。一方、第2大当り実行中フラグがセットされていれば、第1中断フラグをセットする(S88)。そして、第1特別図柄の変動表示を中断するための処理を行なう(S88a)。具体的には、第1特別図柄表示器8で変動表示を行なっている第1特別図柄の変動表示を中断させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図12の特別図柄表示制御処理(S24)で出力される。さらに、第1中断コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして(S89)、リターンする。第1中断コマンドは、第1飾り変動表示部8kで変動表示を行なっている第1飾り図柄の変動表示を中断させる旨を指示するコマンドである。また、S89でセットされた第1中断コマンドは、図12の飾り図柄コマンド制御処理(S18)で表示制御基板80に送信される。すなわち、S87で第2大当り実行中フラグがセットされていると判定すると、S81の処理を実行しないため、第1特別図柄プロセスタイマを減算しないとともに、第1中断フラグをセットし、第1中断コマンドを表示制御基板80に送信する。表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータ800は、第1中断コマンドを受信すると、第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄の変動表示を中断させる制御を実行する。
このように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8にて第1特別図柄の変動表示を実行しているときに(第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないとき)に第2大当り実行中フラグがセットされると、変動時間を計測する第1特別図柄プロセスタイマの減算を中断するとともに、表示制御基板80に第1飾り図柄の変動表示の中断を指示するコマンドを送信することにより、第2特別図柄表示器9に大当り図柄(第2特図特定表示結果)が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態(特定遊技状態)が発生してから、大当り遊技状態が終了するまでは第1特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示および第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄の変動表示を中断させる処理を行なっている。
図21は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、次のような処理を行なう。
まず、第1特別図柄の変動表示を停止させるための処理を行なう(S90)。具体的には、第1特別図柄表示器8で変動表示を行なっている第1特別図柄の変動表示を停止させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図12の特別図柄表示制御処理(S34)で出力される。これにより、第1特別図柄が前述のように決定された停止図柄で停止表示される。さらに、第1図柄停止コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S91)。第1図柄停止コマンドは、第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄の変動表示を停止させる旨を指示するコマンドである。S91でセットされた第1図柄停止コマンドは、図12の飾り図柄コマンド制御処理(S28)で表示制御基板80に送信される。表示制御用マイクロコンピュータ800は、第1図柄停止コマンドを受信すると、第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させる制御を実行する。
次に、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S92)。S92で第1大当りフラグがセットされていれば、すなわち、第1特別図柄通常処理(S300)におけるS637で大当りと判定されて第1大当りフラグがセットされたときには、第1大当り実行中フラグをセットし(S84)、第1大当りが開始されることを示す第1大当り開始コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S93)。S93でセットされた第1大当り開始コマンドは、図12の飾り図柄コマンド制御処理(S28)により表示制御基板80に送信される。表示制御用マイクロコンピュータ800は、第1大当り開始コマンドを受信すると、第1飾り変動表示部8kに大当り遊技状態を開始する旨の表示制御を行なう。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S94)、リターンする。
また、前述のS92で第1大当りフラグがセットされていないと判断されたときには、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S95)、リターンする。
なお、第1特別図柄停止処理においては、図20の第1特別図柄変動処理におけるS80,S86〜S89のステップと同様の処理を行なうことにより、第1飾り図柄の変動表示を中断させる処理を行なうようにしてもよい。
図22は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、第1大当り実行中フラグをリセットした後(S104)、第2特別図柄プロセス処理(S27)における第2特別図柄変動処理でセットされた第2中断フラグをリセットするとともに(S105)、第1大当りフラグをリセットする(S106)。さらに、再開コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S107)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S108)。
第2特別図柄プロセス処理(S25)における、S104〜S106に対応する処理が実行されることにより、第2大当り実行中フラグ、第1中断フラグ、第2大当りフラグ、の各フラグがリセットされ、第1特別図柄プロセス処理(S23)における第1特別図柄通常処理が実行されて第1特別図柄表示器8における特別図柄の変動を開始させる処理と、第1特別図柄変動処理が実行されて特別図柄の変動時間を計測する特別図柄プロセスタイマの減算処理(図20のS81〜S85の処理)とが実行可能な状態になる。また、S107でセットされた再開コマンドは、第2飾り変動表示部9kにて中断している第2飾り図柄の変動表示の再開を指示するコマンドであり、飾り図柄コマンド制御処理(S28)で表示制御基板80に送信される。表示制御用マイクロコンピュータ800は、再開コマンドを受信すると、第2飾り変動表示部9kにおける第2飾り図柄の変動表示を再開する制御を行なう。
図23は、表示制御用マイクロコンピュータ800が実行する表示制御メイン処理およびタイマ割込処理を示すフローチャートである。図23においては、(a)に表示制御メイン処理が示され、(b)にタイマ割込処理が示される。
(a)に示す表示制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また表示制御処理の起動間隔を決めるための33msタイマの初期設定等を行なうための初期化処理が行なわれる(S201)。その後、タイマ割込フラグの監視(S202)の確認を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、(b)に示すタイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットし(S209)、割込許可が行なわれる(S210)。そして、表示制御用メイン処理においては、タイマ割込フラグがセットされていたら、そのフラグをクリアし(S203)、以下の演出制御処理を実行する。
この実施の形態では、タイマ割込は33ms毎にかかる。すなわち、表示制御メイン処理は、33ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御は、表示制御メイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で表示制御メイン処理を実行してもよい。
演出制御処理においては、まず、受信した演出制御コマンドを解析するコマンド解析処理を行なう(S204)。次いで、主基板31側から送信される第1変動パターンコマンド等の第1飾り変動表示部8kの表示制御に関する第1演出コマンドに基づき、第1飾り変動表示部8kの表示制御を行なう第1表示制御プロセス処理を行なう(S205)。第1表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。
また、主基板31側から送信される第2変動パターンコマンド等の第2飾り変動表示部9kの表示制御に関する第2演出コマンドに基づき、第2飾り変動表示部9kの表示制御を行なう第2表示制御プロセス処理を行なう(S206)。第2表示制御プロセス処理では、第1表示制御プロセス処理と同様に、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、主基板31側から送信される演出制御コマンドに基づき、特別図柄と対応する飾り図柄の変動表示の演出内容(予告演出内容)を決定するために用いるランダムカウンタRS、予告演出実行変動表示部の選択に用いるランダムカウンタRT、および、変動表示結果として導出表示する飾り図柄の組合せを決定するために用いるランダムカウンタRU−1〜RU3を更新する乱数更新処理を実行する(S207)。そして、受信した変動パターンコマンド等の演出制御コマンドに基づき選択された演出内容に対応した音の出力およびランプの発光を行なうために、音声出力基板70に駆動信号を出力するとともに、ランプドライバ基板35に駆動信号を出力する音ランプ制御処理を行なう(S208)。これにより、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kでの表示と、音の出力およびランプの発光とで同期がとれた演出を行なうことができる。その後、S202に戻る。
次に、図23のS204によるコマンド解析処理を説明する。図24は、コマンド解析処理を説明するためのフローチャートである。コマンド解析処理においては、コマンド受信バッファに受信コマンドがあるか否かを判断し(S321)、受信コマンドがないときには、リターンする。一方、受信コマンドがあるときには、受信コマンドを読出す(S322)。ここで読出されたコマンドのデータは、コマンド受信バッファにおいて消去される。そして、読出した受信コマンドが飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)の停止図柄を指定する停止図柄コマンド(第1停止図柄コマンドまたは第2停止図柄コマンドのいずれか)であるか否かを判断する(S323)。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、第1飾り図柄または第2飾り図柄のいずれを指定するコマンドかが特定できるように停止図柄コマンドを送信する。第1飾り図柄を指定する場合には第1停止図柄コマンドを送信し、第2飾り図柄を指定する場合には第2停止図柄コマンドを送信する。第1または第2のいずれかの停止図柄コマンドであるときには、前述の飾り図柄の停止図柄決定用のランダムカウンタRU−1〜3の値に基づいて、停止図柄コマンドに対応する飾り図柄の停止図柄の組合せを決定する(S324)。つまり、第1停止図柄コマンドのときには第1飾り図柄の停止図柄の組合せを決定し、第2停止図柄コマンドのときには第2飾り図柄の停止図柄の組合せを決定する。
具体的に、S324では、次のように第1飾り図柄または第2飾り図柄の停止図柄の組合せを決定する。まず、RU−1〜3の値を抽出する。そして、停止図柄コマンドとして確変大当り図柄コマンドを受信したときには、RU−1の値と確変大当り図柄(奇数の飾り図柄)との関係が予め定められた確変大当り図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1の抽出値から対応する確変大当り図柄を選択し、その確変大当り図柄の組合せを飾り図柄の停止図柄の組合せとして決定する。また、停止図柄コマンドとして非確変大当り図柄コマンドを受信したときには、RU−1の値と非確変大当り図柄(偶数の飾り図柄)との関係が予め定められた非確変大当り図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1の抽出値から、対応する非確変大当り図柄を選択し、その非確変大当り図柄の組合せを飾り図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
また、停止図柄コマンドとしてリーチはずれ図柄コマンド(第1リーチはずれ図柄コマンドまたは第2リーチはずれ図柄コマンド)を受信したときには、そのリーチはずれ図柄コマンドが指定する方の飾り図柄について、RU−1の値とリーチ図柄との関係が予め定められたリーチ図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1の抽出値から対応するリーチ図柄を選択し、そのリーチ図柄の組合せを左,右飾り図柄の停止図柄の組合せ(リーチ図柄)として決定する。そして、予め定められたRU−2と中飾り図柄との関係が予め定められた中飾り図柄決定用データテーブルを用いて、RU−2の抽出値から対応する中飾り図柄を選択する。ただし、RU−2の抽出値に対応する中飾り図柄がリーチ図柄と一致するときには、リーチ図柄と一致しないように中飾り図柄を変更する補正を行なう。また、停止図柄コマンドとして非リーチはずれ図柄コマンドを受信したときには、RU−1の値と左飾り図柄との関係が予め定められた左飾り図柄決定用データテーブル、RU−2の値と中飾り図柄との関係が予め定められた中飾り図柄決定用データテーブル、および、RU−3の値と右飾り図柄との関係が予め定められた右飾り図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1〜3のそれぞれの抽出値から、対応する飾り図柄を選択し、その飾り図柄の組合せを飾り図柄の停止図柄の組合せとして決定する。ただし、RU−1〜3のそれぞれの抽出値に対応する飾り図柄の組合せが一致するときには、一致しないように中飾り図柄を変更する補正を行なう。また、RU−1,3のそれぞれの抽出値に対応する左飾り図柄と右飾り図柄とが一致するときに、これらが一致してリーチ図柄とならないように右飾り図柄を変更する補正を行なう。
そして、S324で決定された各飾り図柄の停止図柄の図柄番号を各図柄停止格納エリアに格納し(S325)、受信したコマンドに対応した有効フラグ(停止図柄コマンドフラグ)をセットして(S326)、S321に戻る。ここで、有効フラグは、どのようなコマンドを有効に受信したかを示すフラグである。有効フラグ等の表示制御用マイクロコンピュータ800において用いられる各種フラグのデータは、表示制御用マイクロコンピュータ800のRAMに記憶され、更新される。
一方、前述のS323において、受信コマンドが各図柄指定コマンドでなければ、受信コマンドが変動パターンコマンド(第1変動パターンまたは第2変動パターン)であるか否かを判断する(S327)。受信コマンドがいずれかの変動パターンコマンドであれば、受信したコマンドで指定される方の飾り図柄について、受信したコマンドに対応した有効フラグ(変動パターンコマンドフラグ)をセットし(S328)、確変状態が終了したか否かの判定を行なう確変終了判定処理(S329)を実行し、その後、S321に戻る。確変終了判定処理の処理内容については、図25を用いて後述する。
また、前述のS327において、受信コマンドが変動パターンコマンドでなければ、受信コマンドが前述の事前判定結果コマンド(第1事前判定結果コマンドまたは第2事前判定結果コマンド)であるか否かを判断する(S330)。受信コマンドが事前判定結果コマンドであるときは、受信コマンドが事前判定結果コマンドのうち第1事前判定結果コマンドであるか否かを判断する(S331)。第1事前判定結果コマンドであると判断されたときは、第1飾り変動表示部8kで行なう変動表示に対する予告演出に関する処理を行なう第1予告演出決定処理を実行し(S332)、S321に戻る。一方、第1事前判定結果コマンドでないと判断されたとき、すなわち、第1事前判定結果コマンドであるときは、第2飾り変動表示部9kで行なう変動表示に対する予告演出に関する処理を行なう第2予告演出決定処理を実行し(S333)、S321に戻る。
前述のS329において受信コマンドが事前判定結果コマンドでないと判別された場合には、第1保留記憶数コマンドであるか否かを判別し(S334)、第1保留記憶数コマンドである場合には、有効フラグ(第1保留記憶数)をセットする処理を行なう(S337)。そしてS321に戻る。
一方、S334により第1保留記憶数コマンドでないと判別された場合には、第2保留記憶数コマンドであるか否かを判別し(S335)、第2保留記憶数コマンドである場合には、有効フラグ(第2保留記憶数)をセットして(S338)、S321に戻る。S337、S338によりセットされた第1保留記憶数、第2保留記憶数は、表示制御用マイクロコンピュータ800のRAMに記憶され、後に制御に用いられる。
S335による判断の答えがNOの場合には、受信コマンドがデモ表示コマンドであるか否か判断する(S337)。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、第1特別図柄表示器8が変動表示しておらずかつ保留記憶もない場合には、第1デモ表示コマンドを表示制御用マイクロコンピュータ800へ送信する。また、第2特別図柄表示器9が変動表示しておらずかつ保留記憶もない場合には、第2デモ表示コマンドを表示制御用マイクロコンピュータ800へ送信する。その第1または第2デモ表示コマンドを表示制御用マイクロコンピュータ800が受信すれば、S337によりYESの判断を行ない、その受信コマンドにより指定された方の飾り変動表示部にデモ表示の開始を行なわせるためのデモ開始タイマをセットする(S338)。第1デモ表示コマンドを受信しておれば、第1飾り変動表示部8k用の第1デモ開始タイマをセットし、第2デモ表示コマンドを受信しておれば、第2飾り変動表示部9k用の第2デモ開始タイマをセットする。次に、デモ表示移行処理を実行して(S339)、S321へ戻る。第1デモ表示コマンドを受信している場合には、第1デモ表示移行処理を行ない、第2デモ表示コマンドを受信している場合には、第2デモ表示移行処理を行なう。
また、前述のS337において受信コマンドがデモ表示コマンドでないと判別された場合(前述したコマンド以外のその他のコマンドである場合)には、その他の受信コマンドがいかなるコマンドか判断(S336)し、受信コマンドに対応した有効フラグをセットしてS321に戻る。すなわち、S336は、前述した停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、判定結果コマンド、第1保留記憶数コマンド、および、第2保留記憶数コマンド以外の各種コマンドの受信に対応した処理をまとめて説明するものである。
次に、図24のS329による確変終了判定処理を説明する。図25は、確変終了判定処理を説明するためのフローチャートである。
受信した変動パターンコマンド(第1変動パターンコマンド、第2変動パターンコマンド)が、図4の(c)に示すような第1状態において用いられる確変変動パターンコマンドであるか否かを判断する(S401)。確変変動パターンコマンドであると判断したときには、第1状態に制御されていることを示すフラグである確変変動フラグをセットし(S402)、リターンする。一方、確変変動パターンコマンドではないと判断したとき、つまり、図4の(a)または(b)がルックアップされて決定された変動パターンコマンドであるときには、確変変動フラグがセットされているか否かを判断する(S403)。
そして、確変変動フラグがセットされていないと判断したときは、リターンする。一方、確変変動フラグがセットされていると判断したときは、確変変動フラグをリセットし(S404)、リターンする。
図26は、図24のS339に示したデモ表示移行処理(第1デモ表示移行処理)を示すフローチャートである。前述したように、S339では、第1飾り変動表示部用の第1デモ表示移行処理または第2飾り変動表示部9k用の第2デモ表示移行処理のいずれかを、受信したデモ表示コマンドに応じて実行する。図26は、第1デモ表示コマンドを受信したときに実行される第1デモ表示移行処理のフローチャートである。第2デモ表示移行処理は、第1デモ表示移行処理と同じ制御内容のために、ここでは第1デモ表示移行処理を説明し、第2デモ表示移行処理の説明を省略する。
まず、表示制御用マイクロコンピュータ800は、第1デモ開始タイマが「0」以上であるか否かの判別を行なう(S340)。この第1デモ開始タイマは、図24のS338によりセットされるタイマであり、たとえば2分程度の時間を計時するものである。第1デモ開始タイマがまだタイムアップしていない場合には、第1デモ開始タイマを「1」減算更新する処理を行なう(S341)。その後、第1デモ開始タイマが「0」になったか否かの判別を行なう(S342)。未だに「0」になっていない場合には、第1停止時予告演出処理を行ない(S344)、リターンする。一方、S342により、第1デモ開始タイマが「0」になったと判別されたときには、第1デモ表示処理を実行し(S343)、リターンする。この第1デモ表示処理343は、S340によりNOの判断がなされた場合にも実行される。
図27は、図26の第1デモ表示処理(S343)を示すフローチャートである。まず、第1図柄代理予告実行フラグがセットされているか否かの判別を行なう(S350)。この第1図柄代理予告実行フラグとは、予告対象である第2図柄のための予告演出を第1飾り変動表示部が代わりに実行することが決定されていることを記憶するためのフラグである。なお、第2図柄代理予告実行フラグは、その逆であり、予告対象である第1図柄のための予告演出を第2飾り変動表示部が代わりに実行することが決定されていることを記憶するためのフラグであり、後述するS823、S819によりセットされ、S871によりリセットされる場合があるがS871によりリセットされなかった場合には、S803によりリセットされる。
第1図柄代理予告実行フラグがセットされていない場合には、第1デモ表示制御を実行して(S359)、リターンする。この第1デモ表示制御は、第1飾り変動表示部8kにより、デモ表示用のキャラクタを表示させて客寄せのための動作を行なわせる表示制御である。一方、第1図柄代理予告実行フラグがセットされている場合には、代理予告演出実行中であるか否かの判別を行なう(S351)。既に代理予告演出実行中である場合には制御がS354へ進むが、代理予告演出実行中でない場合には、第1予告演出フラグの値に応じた種類の予告演出用プロセスデータを選択する処理を行なう(S352)。この第1予告演出フラグは、後に詳しく説明するが、予告を実行するか否かの有無、実行する場合の予告内容(リーチ予告、大当り予告)と予告演出内容とを記憶するためのものである(図31(a)参照)。この第1予告演出フラグにより記憶されている予告演出内容(短演出(演出1)、中演出(演出2)、長演出(演出3)に応じた種類の予告演出用プロセスデータを選択する処理が、このS352により行なわれる。
次にその選択された予告演出用プロセスデータに従って第1図柄予告演出の実行を開始する(S353)。そして、第1図柄予告演出実行フラグをセットする(S353a)。この第1図柄予告演出実行フラグは、第1図柄により予告演出を実行したことを記憶しておくフラグである。次に、予告演出用プロセスタイマを更新する処理を行なう(S354)。この更新された予告演出用プロセスタイマがタイムアウトしたか否かの判別をS355により行なう。タイムアウトしていない場合にはS357へ進むが、タイムアウトしたと判別した場合には、予告演出用表示制御実行データの切替えを行なった後(S356)、S357へ進む。
本実施の形態では、予告演出用プロセスデータは、プロセスタイマと表示制御実行データとの組合せが複数集まったデータで構成され、表示制御用CPUは第1予告演出フラグの値に応じた種類の予告演出用プロセスデータを選択するとともに該プロセスデータを参照してプロセスタイマに設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で飾り変動表示部を変動表示させる制御を行なう。その予告演出用のプロセスタイマがタイムアップすれば(S355によりYESの判断がなされれば)、次の予告演出用表示制御実行データに切替え(S356)、その切替えられた予告演出用表示制御実行データに基づいた予告演出表示制御をそのデータに対応する予告演出用プロセスタイマの時間だけ実行する。これを繰返し実行し、予告演出用表示制御実行データが終了したか否かを判別する(S357)。終了していなければリターンするが、終了した場合には、第1図柄予告演出を終了させ(S358)、リターンする。このS358により、第1図柄予告演出が一通り終了することになるが、終了した後におけるこの第1デモ表示処理の次回の実行において、第1図柄代理予告実行フラグがまだセットされている場合(デモ中専用演出において予告対象の図柄の変動が停止する前)には、再度S351〜S358の処理が実行され、再度第1図柄予告演出が繰返し行なわれることとなる。
図28は、図26の第1停止時予告演出処理(S344)を示すフローチャートである。まず、第1図柄代理予告実行フラグがセットされているか否かの判別を行なう(S378)。セットされていない場合には、前回の変動表示時において表示結果として導出表示された飾り図柄をそのまま停止表示する制御を行ない(S387)、リターンする。一方、第1図柄代理予告実行フラグがセットされている場合には、既に代理予告演出を実行中であるか否かの判別を行なう(S379)。既に代理予告演出を実行中である場合には制御がS382へ進むが、未だ実行中でない場合には、第1予告演出フラグの値に応じた種類の予告演出用プロセスデータを選択する処理を行なう(S380)。この選択された予告演出用プロセスデータに従って第1図柄予告演出の実行を開始する(S381)。なお、後述するように、第1停止時予告演出処理において予告演出が実行される場合には、第1予告演出フラグには、予告演出内容として停止中専用演出を指定するデータが記憶されており、停止中専用演出がS381により実行開始される。そして、第1図柄予告演出実行フラグをセットする(S381a)。
次に予告演出用プロセスタイマを更新し(S382)、予告演出用プロセスタイマがタイムアウトしたか否かの判別を行ない(S383)、タイムアウトした場合には予告演出用表示制御実行データの切替えを行ない(S384)、その後予告演出用表示制御実行データが終了したか否かの判別を行ない(S385)、終了している場合には第1図柄予告演出を終了させる処理を行ない(S386)、リターンする。S380〜S386の処理は、図21において説明したS353〜S358の処理と同様の処理であり、詳細な説明の繰返しを省略する。
次に、図24のS332による第1予告演出決定処理を説明する。図29は、第1予告演出決定処理を説明するためのフローチャートである。第1予告演出決定処理では、受信した第1事前判定結果コマンドと遊技状態の大当り確率とに基づいて決定される図6の単発予告低確率時テーブルまたは単発予告高確率時テーブル、図7の繰返し予告低確率時テーブルまたは繰返し予告高確率時テーブルにより設定された確率にしたがって第1飾り変動表示部8kで行なわれる予告の演出内容である第1予告演出内容の決定が行なわれるとともに、予告を実行した旨が記憶される。
まず、第1図柄予告演出実行フラグまたは第2図柄予告演出実行フラグがセット(「1」以上の値)されているか否かを判別する(S500)。この第1図柄予告演出実行フラグは、第1飾り変動表示部8kにおける前回の変動表示において何らかの予告が行なわれたことを記憶するためのフラグである。前回の変動において1回予告演出が実行されておれば「1」にセットされ、前回および前々回において連続して予告演出が実行されておれば「2」にセットされ、3回連続して予告演出が実行されておれば「3」にセットされる。このセットは後述する図38のS895によりおこなわれる。またS897によりリセットされる。一方、第2図柄予告演出実行フラグは、第2飾り変動表示部9kによる前回の変動表示時において何らかの予告を行なったことを記憶するためのフラグである。
S500により、いずれの予告演出実行フラグもセットされていない場合すなわち第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kのいずれにおいても前回の変動表示時において予告演出が実行されていない場合には、制御がS501へ進む。一方、S500においてYESの判断がなされた場合には、図30のS516に移行する。
図29と図30とでは、ほぼ同様の制御を行なうが、相違点としては、ルックアップするテーブルが異なる。図29においては、図6(a)の単発予告低確率時テーブル(S502)または図6(b)に示す単発予告高確率時テーブル(S511)がルックアップされる。一方、図30の制御においては、図7(a)に示す繰返し予告低確率時テーブル(S512)または図7(b)に示す繰返し予告高確率時テーブル(S521)がルックアップされる。
つまり、前回において第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9kにより予告演出が行なわれておれば、今回の変動により予告演出を行なうとするならば繰返し予告になるために、ルックアップするテーブルを単発予告のテーブルではなく繰返し予告のテーブルにする必要があり、その場合にS500によりYESの判断を行なって図30のS516以降の処理に移行するのである。
S500によりNOの判断がなされた場合には、確変中であるか否かの判別がなされる(S501)。具体的には、確変状態であるときに図25の確変終了判定処理におけるS402においてセットされる確変変動フラグがセットされているか否かにより判別が行なわれる。確変中でなかったときには、予告演出内容の決定に際して、図6の(a)に示す単発予告低確率時テーブルRS1をルックアップする(S502)。そして、受信した第1事前判定結果コマンドが第1はずれ事前判定コマンドであるか否かを判断する(S503)。第1はずれ事前判定コマンドであると判断したときには、図6のRS1−1に示す抽出値の振分範囲に基づき対応した予告演出フラグ(第1予告演出フラグ)のセットを行なう(S504)。S503で第1はずれ事前判定コマンドではないと判断したとき、および、S504の後は、受信した第1事前判定結果コマンドが第1リーチ事前判定コマンドであるか否かを判別する(S505)。第1リーチ事前判定コマンドであると判断したときには、図6のRS1−2に示す抽出値の振分範囲に基づき対応した予告演出フラグ(第1予告演出フラグ)のセットを行なう(S506)。
S505で第1リーチ事前判定コマンドではないと判断したとき、および、S506の後は、受信した第1事前判定結果コマンドが第1非確変大当り事前判定コマンドであるか否かを判断する(S507)。第1非確変大当り事前判定コマンドであると判断したときには、図6のRS1−3に示す抽出値の振分範囲に基づき対応した予告演出フラグ(第1予告演出フラグ)のセットを行なう(S508)。S507で第1非確変大当り事前判定コマンドではないと判断したとき、および、S508の後は、第1受信した判定結果コマンドが第1確変大当り事前判定コマンドであるか否かを判断する(S509)。第1確変大当り事前判定コマンドであると判断したときには、図6のRS1−4に示す抽出値の振分範囲に基づき対応した予告演出フラグ(第1予告演出フラグ)のセットを行ない(S510)、リターンする。
また、前述のS501において、確変中であったときには、予告演出内容の決定に際して、図6の(b)に示す単発予告高確率時テーブルRS2をルックアップする(S511)。そして、受信した第1事前判定結果コマンドが第1リーチ事前判定コマンドであるか否かを判断する(S512)。第1リーチ事前判定コマンドであると判断したときには、図6のRS2−2に示す抽出値の振分範囲に基づき対応した予告演出フラグ(第1予告演出フラグ)のセットを行なう(S513)。次に、S512で第1リーチ事前判定コマンドではないと判断したとき、および、S513の後は、受信した第1事前判定結果コマンドが第1非確変大当り事前判定コマンドであるか否かを判断する(S512a)。第1非確変大当り事前判定コマンドであると判断したときには、図6のRS2−3に示す抽出値の振分範囲に基づき対応した予告演出フラグ(第1予告演出フラグ)のセットを行なう(S513a)。次に、S512aで第1非確変大当り事前判定コマンドではないと判断したとき、および、S513aの後は、受信した第1事前判定結果コマンドが第1確変大当り事前判定コマンドであるか否かを判断する(S514)。第1確変大当り事前判定コマンドであると判断したときには、S515において図6のRS2−4に示す抽出値の振分範囲に基づき対応した予告演出フラグ(第1予告演出フラグ)のセットを行ない、リターンする。一方、第1確変大当り事前判定コマンドでないと判断したときには、そのままリターンする。なお、前述したS504,S506,S508,S510,S513,S513a,S515においては、単発予告低確率時テーブルRS1または単発予告高確率時テーブルRS2に基づいて、予告演出をすることが決定されかつリーチ予告か大当り予告かが決定されるときと、予告演出をしないことが決定されるときとがある。この予告演出の有無、予告演出を実行するときのリーチ予告か大当り予告かの予告内容が、第1予告演出フラグに記憶される。第1予告演出フラグの記憶データについては、図31(a)に基づいて後述する。
S500によりYESの判断がなされた場合には、図30に示すS516の処理に移行し、確変中でなければS516aにより、図7(a)に示す繰返し予告低確率時テーブルRS1がルックアップされる一方、確変中であればS521により、図7(b)に示す繰返し予告高確率時テーブルRS2がルックアップされる。なお、S516b〜S520の各処理は、図29に示したS503〜S510の処理およびS512〜S515の処理と同じであるため、ここでは説明の繰返しを省略する。
また、第2予告演出決定処理(S333)では、第2事前判定コマンドに基づき、第2飾り変動表示部9kで行なう予告演出について、第1予告演出決定処理と同様の処理を行なうことにより、予告演出に関する処理を行なう。ここでは、第2予告演出決定処理の内容が、予告演出を決定するために用いる事前判定コマンドが異なるが、その他は第1予告演出決定処理の内容と同様であるため、重複した説明を繰り返さない。
次に、図23のS205による第1表示制御プロセス処理および図23のS206による第2表示制御プロセス処理について説明する。第1表示制御プロセス処理および第2表示制御プロセス処理の処理内容は、第1表示制御プロセス処理が第1飾り変動表示部8kを対象として処理を行ない、第2表示制御プロセス処理が第2飾り変動表示部9kを対象として処理を行なう点で異なるが、処理の対象となる変動表示部を制御するための処理内容は同様である。このため、ここでは、第1表示制御プロセス処理をこれらの表示制御プロセス処理の代表例として説明し、第2表示制御プロセス処理についての処理内容の重複した説明は繰り返さない。なお、以下に説明する第1表示制御プロセス処理の処理内容は、第1表示制御プロセス処理での第1飾り変動表示部8kおよびそれに関連する装置という処理対象を第2飾り変動表示部9kおよびそれに関連する装置という処理対象に置き換えることで、第2表示制御プロセス処理の処理内容となる。
図31(a)は、予告演出フラグの記憶データを説明するものであり、ここでは、第1予告演出フラグが示されており、第2予告演出フラグも第1予告演出フラグと同様の記憶データの構成となっている。
第1予告演出フラグは、D7〜D0の8ビットのデータを記憶する。D7〜D5の上位3ビットは未使用である。D4のビットは、予告を実行するか否かの決定結果を記憶するものであり、「0」の場合には予告なし、「1」の場合には予告ありとなる。D3は、決定された予告内容を記憶するビットであり、「0」のときにはリーチ予告を示し、「1」のときには大当り予告を示す。D2〜D0の3ビットにより、決定された予告演出内容を記憶する。予告演出内容は、前述したように、短演出(演出1)、中演出(演出2)、長演出(演出3)、デモ中専用演出、停止中専用演出の、5種類ある。そして、D2〜D0のビットのデータが、「000」のときには短演出(演出1)を示し、「001」のときには中演出(演出2)を示し、「010」のときには、長演出(演出3)を示し、「011」のときにはデモ中専用演出を示し、「100」のときには停止中専用演出を示す。
図31(b)は、第1表示制御プロセス処理を説明するフローチャートである。第1表示制御プロセス処理では、S799の代理予告演出内容決定処理を実行した後、第1表示制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S805のうちのいずれかの処理が行なわれる。各処理においては、以下のような処理が実行される。
代理予告演出内容決定処理(S799):予告対象変動表示部ではない非予告対象変動表示部により予告を行なう場合(代理予告を行なう場合)の、実行する予告演出内容を決定する。
第1変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):コマンド受信割込処理によって、第1変動パターンコマンド(変動表示コマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、第1変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(第1変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。
第1図柄変動開始処理(S801):飾り図柄8a〜8cの変動が開始されるように制御する。
第1図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。
第1図柄停止待ち処理(S803):変動時間タイマがタイムアウトした後に飾り図柄8a〜8cの停止を指示する演出制御コマンド(第1図柄停止コマンド)を受信していたら、飾り図柄8a〜8cの変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行なう。なお、この第1図柄停止待ち処理(S803)により、飾り図柄8a〜8cの変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御の実行時に、第2図柄代理予告実行フラグがセットされている場合にはそれをリセットする。一方、第2表示制御プロセス処理(S206)におけるS803と同様のステップにより、飾り図柄9a〜9cの変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御の実行時に、第1図柄代理予告実行フラグがセットされている場合にはそれをリセットする。この第2図柄代理予告実行フラグは、予告対象である第1図柄のための予告演出を第2飾り変動表示部が代わりに実行することが決定されていることを記憶するためのフラグであり、前述のように、飾り図柄8a〜8cの変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示するときに、リセットされる。一方、予告対象である第2図柄のための予告演出を第1飾り変動表示部が代わりに実行することが決定されていることを記憶するためのフラグが、第1図柄代理予告実行フラグである。第2図柄代理予告実行フラグは、後述するS823、S819によりセットされ、第2表示制御プロセス処理におけるS871と同様のステップによりリセットされる場合があるがS871によりリセットされなかった場合には、前述のようにS803によりリセットされる。
第1大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行なう。
第1大当り遊技中処理(S805):大当り遊技中の制御を行なう。たとえば、ソレノイド72により第1特別可変入賞装置20を駆動して第1大入賞口21を開放させることを示す第1大入賞口開放前表示や第1大入賞口21が開放中であることを示す第1大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行なう。
図32は、図31(b)の代理予告演出内容決定処理(S799)を示すフローチャートである。まず、第1図柄代理予告実行フラグがセットされているか否かを判別する(S930)、セットされていない場合にはリターンするが、セットされている場合には、既に代理予告を実行中であるか否かの判断を行なう(S931)。既に代理予告を実行中である場合にはリターンするが、実行中でない場合には、長,中,短演出フラグ、第1飾り変動表示部の状態、RSの値に基づいて、予告演出内容選択テーブル(図9参照)をルックアップして、予告演出内容を決定する処理を行なう(S932)。ここで、長,中,短演出フラグとは、前述した長演出、中演出、短演出のうち代理予告を行なう飾り変動表示部が実行可能であると判断された予告演出内容を記憶しておくフラグであり、後述する図34のS838、S840、S842によりセットされる。
長演出フラグがセットされている場合には、図9の予告演出内容選択テーブルの変動中で長,中,短演出可能時の振分けテーブル部分をルックアップする。中演出フラグがセットされている場合には、変動中で中,短演出可能時の振分けテーブル部分をルックアップする。短演出フラグがセットされている場合には、変動中で短演出可能時の振分けテーブル部分をルックアップする。そして、RSの抽出値がそれぞれの振分けテーブル部分のどの範囲に属するかに応じて、その属する部分の予告演出内容を決定する。なお、第1飾り変動表示部がデモ中である場合には、図9の予告演出内容選択テーブルにおけるデモ中の振分けテーブル部分がルックアップされ、その場合には、RSの取り得るすべての範囲においてデモ中専用演出が選択されることとなる。また、第1飾り変動表示部が停止中である場合には、図9の予告演出内容選択テーブルにおける停止中の振分けテーブル部分がルックアップされる。この場合には、RSの取り得る全範囲について停止中専用演出が選択されることとなる。
次に、決定した予告演出内容を第1予告演出フラグにセットする処理を行ない(S933)、リターンする。前述したように、第1予告演出フラグは、D2〜D0の下位3ビットにより予告演出内容が記憶されるように構成されており、この下位3ビット部分に決定した予告演出内容をセット(記憶)する。
図33は、図31(b)の第1図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。
まず、受信したコマンドに対応した変動表示パターンを設定する(S810)。具体的に、S810では、変動表示に用いられるデータが設定されることにより、変動表示パターンが設定される。
次に、第1予告演出フラグがセットされているか否かを判別する(S811)。前述のS504、S506、S508、S510、S513、S513a、S514、S516c、S516e、S518、S520、S523、S523a、S525によりセットされた第1予告演出フラグの内容をこのS811により判別する。第1予告演出フラグの内容が、「予告演出なし」の場合には、S811によりNOの判断がなされ、第1図柄代理予告実行フラグがセットされているか否かの判別を行ない(S812)、セットされていない場合にはS814へ移行する。
S811によりYESの判断がなされた場合には、予告実行変動表示装置選択処理を行なう(S817)。この処理の詳細は、図34に基づいて後述する。次に、予告実行変動表示装置選択処理の結果、複数(2つ)の飾り変動表示部の中から選択された予告演出を実行する変動表示部は、両方の飾り変動表示部であるか否かの判別を行なう(S818)。両方の飾り変動表示部で予告演出を実行すると判別された場合には、第2図柄代理予告実行フラグをセットし(S819)、かつ代理予告演出開始時間タイマをセットする(S819a)。この代理予告演出開始時間タイマは、予告対象変動表示部(この場合には第1飾り変動表示部8k)が変動開始してから代理予告演出を開始するまでの時間(たとえば3秒)を計時するものであり、S813でセットされる「第1図柄による予告演出開始時間タイマ」が計時する時間(たとえば3秒)と同じ時間を計時する。一方、第1図柄のみにより予告演出を実行することが選択された場合にはS822によりYESの判断がなされて、S819による第2図柄代理予告実行フラグのセットおよびS819aによる代理予告演出開始時間タイマのセットが行なわれることなく、第1図柄予告種類決定処理を行なう(S820)。この第1図柄予告種類決定処理は、図36に基づいて後述する。
この第1図柄予告種類決定処理の後、決定された予告演出に応じた予告演出用プロセスデータを選択する処理を行なう(S821)。次に、第1変動表示部による予告演出開始時間タイマをセットする(S813)。次に、その第1変動時間タイマをスタートさせ(S814)、S810により設定された変動表示パターンにて変動表示を開始する(S815)。その後、第1表示制御プロセスフラグを第1図柄変動中処理(S802)に更新し(S816)、リターンする。
図33のS821により選択された予告演出用プロセスデータに従った予告演出表示の一例が、図43に示されている。図43では、人間のキャラクタ91a〜91cが表示されて所定の動作を行なうことにより大当り予告演出が行なわれる。
一方、S817の処理の結果第2飾り変動表示部9kのみにより予告演出を行なうことが選択されている場合には、第2図柄代理予告実行フラグをセットし(S823)、かつ代理予告演出開始時間タイマをセットした後(S823a)、S814へ移行する。この代理予告演出開始時間タイマは、前述のS823aでセットされるタイマと同じ時間(たとえば3秒)を計時するものである。
S811によりNOの判断がなされた場合には、第1図柄代理予告実行フラグがセットされているか否かの判別を行なう(S812)。この第1図柄代理予告実行フラグは、第2変動表示部9kの変動開始時に第1飾り変動表示部8kにより予告演出を実行することが選択されている場合にセットされる。具体的には、第2図柄変動開始処理におけるS819、S823に対応するステップによりセットされる。よって、第1図柄の変動開始時点でこの第1図柄変動開始処理におけるS812により第1図柄代理予告実行フラグが既にセットされていると判別される場合においては、今回が2回目または3回目の代理予告演出であることになる。
但し、前回の代理予告が、デモ表示中において実行された場合も考えられる(図11参照)。このような場合においては、今回の代理予告が最初の代理予告であるとみなして後述するS892による代理予告演出実行処理で対応する。そのために、S812によりYESの判断がなされた場合には、第1図柄予告演出実行フラグがセットされているか否かを判別する処理を行なう(S812a)。この第1図柄予告演出実行フラグは、飾り変動表示部の変動終了時点において、今回の変動により予告演出を実行したと判断される場合に(S894)、S895によりセットされるフラグであり、デモ表示中あるいは停止表示中においていくら代理予告演出を実行していたとしてもこの第1図柄予告演出実行フラグはセットされない(図27、図28参照)。よって、デモ表示中や停止表示中において代理予告が実行されている場合にはS812aによりNOの判断がなされてS814へ進み、変動表示中において代理予告が実行されている場合にのみ、S812aによりYESの判断がなされて、代理予告繰返し処理を実行する(S824)。この代理予告繰返し処理は、図37に基づいて後述する。
一方、S812によりNOの判断がなされた場合には、制御がS814へ移行する。
図34、図35は、図33の予告実行変動表示装置選択処理(S817)を示すフローチャートである。まず、第2図柄が変動中であるか否かの判断がなされる(S830)。変動中でない場合には、図35のS843へ進む。一方、第2図柄が変動中である場合には、代理予告演出の開始時に第2飾り変動表示部9kにおいて予告演出が実行中であるか否かの判別を行なう(S832)。具体的にはS832では、第2図柄変動開始処理における図33のS813に対応するステップによりセットされる第2図柄による予告演出開始時間タイマの値と、第1図柄変動開始処理におけるS823aによりセットされる代理予告演出開始時間タイマの値とを監視し、代理予告演出開始時間タイマがタイムアップした時点で、第2図柄による予告演出開始時間タイマが既にタイムアップしているか否かを判断し、タイムアップしているときに、代理予告演出の開始時に第2飾り変動表示部9kにおいて予告演出が実行中であると判別する。前述したように、代理予告演出は、予告対象変動表示部が変動開始してから代理予告演出開始時間タイマがタイムアップしてから開始される。ゆえに、代理予告演出開始時間タイマのタイムアップ時点で第2飾り変動表示部9kにおいて予告演出が実行中であるか否かの判別がS832により行なわれる。代理予告演出の開始時に第2飾り変動表示部9kにおいて予告演出が実行中であると判別された場合には、S832aへ移行する。
表示制御用マイクロコンピュータ800は、S832aにおいて、現在予告演出のものがリーチ予告演出であるか否かの判別を行なう。リーチ予告演出でない場合すなわち大当り予告演出の場合にはS831に移行し、予告演出を実行させる飾り変動表示部を第1図柄(第1飾り変動表示部8k)のみ選択してリターンする。つまり、S832aによりNOの判断がなされる場合としては、第2飾り変動表示部9kが代理予告ではなく前述した自己予告を行なっており、かつその自己予告が大当り予告の場合である。その場合においては、第2飾り変動表示部を選択することなく第1飾り変動表示部のみが選択されることとなる。なお、この予告実行変動表示装置選択処理が実行される第1図柄変動開始時点において、第2飾り変動表示部9kが代理予告を実行していることはあり得ない。なぜならば、遅くとも前回の第1飾り変動表示部8kの変動停止時点において第2図柄代理予告実行フラグがリセットされているためである(図31のS803の説明参照)。
S832aによりリーチ予告演出であると判断された場合には、リーチ予告演出終了後の残り変動時間を算出する(S832b)。このリーチ予告演出終了後の残り変動時間において、代理予告演出が実行できるだけの残り変動時間があるか否かを後に判断するためである。この残り変動時間の算出処理後、制御がS833へ進む。
一方、予告演出中でない場合には、S833〜S845において、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの中から予告演出を実行する変動表示部を選択する処理がなされる。この処理の概要は、短,中,長の各演出時間(図8(a)参照)を検索し、第2図柄の変動残り時間と短,中,長の各演出時間とを比較して実行可能な短,中,長の演出を決定し、「短演出」の時間すら第2変動表示部9kの変動残り時間がない場合には第1変動表示部のみを選択する一方、それ以外の場合には変動表示部選択テーブル(図8(b)参照)をルックアップしてランダムに選択決定する。以下に、詳細に説明する。
まず、第2図柄予告演出実行フラグがセットされているか否かを判別する(S833)。セットされている場合には、第1予告演出フラグは大当り予告演出であるか否かの判別を行なう(S834)。S834によりYESの判断がなされる場合には、前回の変動時に実行した予告演出の種類と同じ種類のステップアップ大当り予告演出に応じた長,中,短演出フラグをセットし、その予告演出の時間を、図8(a)の予告演出時間テーブルをルックアップして検索する(S835)。
そして、その検索された時間と変動残り時間とを比較して、変動残り時間≧検索した時間であるか否かの判断を行なう(S835a)。判断の答がNOの場合には制御がS831へ進むが、YESの判断の場合には制御がS843へ進む。
S833およびS834によりYESの判断がなされるということは、前回の第2飾り変動表示部9kにおける変動表示により既に予告演出が行なわれており、しかも今回実行する予告演出が大当り予告演出の場合のために、前述したように、前回の第2飾り変動表示部9kにより実行された予告演出(演出1または演出2または演出3)と同じ演出種類でかつステップ2またはステップ3の発展型の予告演出を実行する必要がある。そこで、S835により、前回の第2飾り変動表示部9kの変動時に実行した予告演出の種類と同じ種類のステップアップ大当り予告演出に従った時間を予告演出時間テーブルをルックアップして検索するとともに、長,中,短演出フラグをセットするのである。
一方、S833またはS834のいずれかにおいてNOの判断がなされた場合には、第1予告演出フラグのD3ビットに従った予告内容の短演出,中演出,長演出の各時間を、図8(a)の予告演出時間テーブルをルックアップして検索する(S836)。つまり、第1予告演出フラグのD3ビットにより指定されるリーチまたは大当りのいずれの予告かに応じて、図8(a)の予告演出時間テーブルをルックアップして、短演出,中演出,長演出の各時間が検索可能となる。
次に、第2飾り変動表示部9kの変動残り時間と、S835またはS836により検索された各演出時間との長さの比較を行なう(S837、S839、S841)。具体的には、変動残り時間≧長演出時間の判断を行ない(S837)、YESの判断の場合には長演出フラグをセットする(S838)。S837によりNOの判断がなされた場合には、変動残り時間≧中演出時間の判断を行なう(S839)。YESの判断の場合には、中演出フラグをセットする(S840)。S839によりNOの判断の場合には、変動残り時間≧短演出時間であるか否かの判別を行なう(S841)。YESの判断の場合には短演出フラグをセットする(S842)。一方、S841によりNOの判断がなされた場合には、予告演出を実行する飾り変動表示部として、第1飾り変動表示部8aのみを選択する処理がなされて、リターンする。つまり、今回実行しようとしている予告演出に必要な最小限の短演出時間すら第2飾り変動表示部9kの変動残り時間が残っていないために、第2飾り変動表示部9kにおいて予告演出を実行することができないのであり、その場合にはS831により第1飾り変動表示部8kのみが選択されることとなる。
S838、S840、S842の処理の後、制御が、図35に示すS843へ進む。そして、第2図柄予告演出実行フラグがセットされているか否かの判別を行なう(S843)。このフラグは、第2変動表示部9kによる前回の変動時に予告演出が行なわれたことを記憶するためのフラグであり、第2飾り変動表示部9kによる前回の変動時に予告演出が行なわれておれば、S843によりYESの判断がなされて、変動表示部選択データテーブル(図8(b)参照)の繰返し予告時部分を第2保留記憶数とランダムカウンタRTの抽出値とに基づいてルックアップし、いずれの飾り変動表示部を選択するかを決定する処理を行なう(S844)。一方、第2飾り変動表示部9kの前回の変動時に予告演出が行なわれていない場合にはS843によりNOの判断がなされて、変動表示部選択テーブル(図8(b)参照)の単発予告時部分を第2保留記憶数とランダムカウンタRTの抽出値とに基づいてルックアップして、いずれの飾り変動表示部を選択するかの決定を行なう(S845)。
図36は、図33の第1図柄予告種類決定処理を示すフローチャートである。まず、第1図柄予告演出実行フラグがセットされているか否かの判別を行なう(S850)。第1飾り変動表示部8kの前回の変動表示において予告演出が行なわれていなければ、S850によりNOの判断がなされて、予告演出内容選択テーブル(図9参照)の「変動中で長,中,短演出可能時」の振分けテーブル部分をRSの値に基づいてルックアップして、予告演出内容を決定する処理を行なう(S851)。
一方、第1飾り変動表示部8kの前回の変動時において予告演出が実行されている場合には、第1図柄予告演出実行フラグがセットされているために、S850によりYESの判断がなされ、第1予告演出フラグは大当り予告であるか否かの判別を行なう(S852)。大当り予告でない場合すなわちリーチ予告の場合には、S851に移行するが、大当り予告の場合には、前回の変動時に実行した予告演出の種類と同じ種類のステップアップ大当り予告に決定する処理を行なう(S853)。たとえば、第1飾り変動表示部8kの前回の変動時において演出2の演出種類(動物のキャラクタが表示される演出)が実行され、それが大当り予告(ステップ1)であった場合に、今回の予告演出では、S853により、同じ演出2における大当り予告(ステップ2)を実行することが決定される。その結果、2匹目の動物のキャラクタが表示されて所定の動作を行なって大当り予告演出を行なうこととなる。また、前回の第1飾り変動表示部8kにより演出2の演出種類でかつ大当り予告(ステップ2)が実行されている場合においては、今回の変動時において、演出2による大当り予告(ステップ3)を実行することが決定される。その結果、3匹目の動物のキャラクタが表示されて所定の動作を行なって大当り予告の演出が行なわれる。今回の予告演出が何回目の繰返し予告演出であるかは、第1図柄予告演出実行フラグの値により判別する。第1図柄予告演出実行フラグの値が「1」のときには今回が2回目でありステップ2の予告演出を実行し、値が「2」のときには今回が3回目でありステップ3の予告演出を実行する。
図37は、図33の代理予告繰返し処理(S824)のフローチャートである。まずS860により、第2変動表示部の変動残り時間から代理予告演出が実行可能な許容残り時間を算出する処理を行なう(S860)。この代理予告繰返し処理は、第1飾り変動表示部8kが代理予告を実行するときの制御を示すものである。ところが、S860では、第2図柄すなわち第2飾り変動表示部9kの変動残り時間から代理予告演出が実行可能な許容残り時間を算出する処理を行なっている。これは、この代理予告繰返し処理が、前述したように、2回目または3回目の代理予告演出の処理であり、第1飾り変動表示部8kの方は変動開始時から予告を行なうため、短,中,長のうちの長時間の予告を実行することができるが、第2飾り変動表示部9kの変動残り時間が短くなっている場合が考えられる。その場合においては、第2飾り変動表示部9kの方の変動残り時間に基づいてで、短,中,長の時間のいずれにするかを決める必要がある。そこで、S860では、第2飾り変動表示部9kの方の変動残り時間から代理予告演出が実行可能な許容残り時間を算出する処理を行なっている。許容残り時間と変動残り時間とは必ずしも同じとは限らない。たとえばリーチ予告の場合には、リーチが発生するまでまたはリーチが発生しないことが確定するまでに、リーチ予告演出を完了させておかなければならず、この場合には、許容残り時間の方が変動残り時間よりも短くなる。
次に、今回の予告演出が大当り予告であるか否かの判別を行なう(S861)。大当り予告の場合には、前回実行した予告演出と同じ種類(演出1、演出2、演出3のうちのいずれか)のステップアップ大当り予告(ステップ2またはステップ3の大当り予告)に応じた長,中,短演出フラグをセットし、その予告演出時間を図8(a)の予告演出時間テーブルをルックアップして検索する処理を行なう(S863)。
そして、その検索された時間と第2図柄の許容残り時間とを比較する(S863a)。具体的には、第2飾り変動表示部9kの許容残り時間≧検索した時間の判断を行ない、その判断の答がNOの場合には制御がS871へ進むが、YESの判断の場合には制御がS870へ進む。
一方、大当り予告演出でない場合すなわちリーチ予告演出の場合には、S861によりNOの判断がなされ、第2予告演出フラグに従った予告内容の短,中,長の各演出時間を検索する処理がなされる。
次に、S862により検索された第2飾り変動表示部の許容残り時間≧長演出時間であるか否かの判別を行なう(S864)。判別結果がYESの場合には、長演出フラグをセットする(S865)。一方、S864によりNOの判断がなされた場合には、第2飾り変動表示部9kの許容残り時間≧中演出時間であるか否かの判別を行なう(S866)。判別結果がYESの場合には、中演出フラグをセットする(S867)。S866によりNOの判断がなされた場合には、第2飾り変動表示部9kの許容残り時間≧短演出時間であるか否かの判別を行なう(S868)。判別結果がYESの場合には、短演出フラグをセットする(S869)。S868によりNOの判別結果がなされた場合には、第1図柄代理予告実行フラグをリセットし(S871)、リターンする。一方、S865、S867、S869の各処理がなされた後において、ランダムカウンタRSの抽出値≦220であるか否かの判断を行なう。判断の答えがNOの場合すなわちランダムカウンタRSの抽出値が0〜220の範囲内であった場合には、S871の処理を行なうことなくリターンする。S871により第1図柄代理予告実行フラグがリセットされれば、図33のS812によりNOの判断がなされ、S824による代理予告繰返し処理が実行されないこととなる。その結果、221/232の確率で、代理予告が繰返し実行されることとなる。
次に、図27の第1デモ表示処理または図28の第1停止時予告演出処理の段階で既に第1図柄により代理予告演出が実行されている状態で第1始動口スイッチ62により始動入賞球が検出されて第1図柄が変動開始したときの予告演出制御について説明する。この場合には、デモ表示または第1図柄の停止時の段階で、既に第1図柄代理予告実行フラグがセットされているとともに第1図柄予告演出実行フラグがセットされている(S353a、S381a)。第1図柄代理予告実行フラグは第2図柄の変動停止時にリセットされるため、第2図柄が変動停止していなければ、第1図柄変動開始処理(図33)のS812とS812aとでともにYESの判断がなされ、代理予告繰返し処理(S824)が実行される。そして、大当り予告の場合にはデモ中専用演出または停止中専用演出で表示されたキャラクタすなわち人間のキャラクタによるステップアップ予告演出が選択され(S863)、リーチ予告の場合には、第2予告演出フラグに従った予告内容が選択される(S862)。
なお、図27の第1デモ表示処理または図28の第1停止時予告演出処理の段階で既に第1図柄により代理予告演出が実行されている状態で第1始動口スイッチ62により始動入賞球が検出されて第1図柄が変動開始したときの予告演出として、デモ中専用演出または停止中専用演出を引続き継続させるようにしてもよい。
図38は、第1表示制御プロセス処理における第1図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。第1図柄変動中処理において表示制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。まず、第1変動中断フラグがセットされているか否か確認し(S881)、第1変動中断フラグがセットされていなければ第1中断コマンドを受信したか否か確認する(S885)。ここで、中断コマンドとは、前述した特別図柄の変動表示の中断に合わせて変動飾り図柄の変動表示を中断する状態であることを示すフラグである。そして、S885で第1中断コマンドを受信していれば第1変動中断フラグをセットし(S886)、第1飾り変動表示部8kにおいて、第1飾り図柄8a〜8cの変動表示が見かけ上中断する表示を行なうとともに、実際には変動表示の制御が継続中である旨を示す変動中メッセージ100を表示する変動中断表示を行なう(S887)。この変動中断表示においては、第1飾り図柄8a〜8cの変動表示がはずれ図柄の組合せで仮停止されることにより、第1飾り図柄8a〜8cの変動表示が見かけ上中断する。このように仮停止される第1飾り図柄は、予め定められた図柄の組合せであってもよく、また、ランダムに決定された図柄の組合せでもよい。このような変動中断表示は、変動中断表示が行なわれている方の変動表示部での変動時間を計測する飾り図柄プロセスタイマの減算が中断されている旨を意味する表示でもある。
また、S881で第1変動中断フラグがセットされていれば、第1再開コマンドを受信したか否か確認する(S882)。S882で第1再開コマンドを受信していれば、第1変動中断フラグをリセットするとともに(S883)、第1飾り変動表示部8kに第1飾り図柄8a〜8cの変動表示を再開する旨を示す変動再開表示を行なう(S884)。S882で第1再開コマンドを受信していなければS887へ移行する。
S885で第1中断コマンドを受信していないとき、および、S884の後は、第1変動時間タイマ・プロセスタイマを更新する(S888)。第1変動時間タイマは、図33のS814によりセットされたタイマである。プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し(S889)、タイムアウトしていれば表示制御実行データの切替を行なう(S890)。この実施の形態では、飾り図柄の変動態様を示すプロセスデータが変動パターン毎に設けられている(記憶されている)。プロセスデータは、プロセスタイマと表示制御実行データの組合せが複数集まったデータで構成され、表示制御用CPUは変動パターンコマンドに応じたプロセスデータを選択するとともに該プロセスデータを参照してプロセスタイマに設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を変動表示させる制御を行なう。また、S813によりセットされた予告演出開始時間タイマがタイムアップした時点で、表示制御用CPUは、S821により選択された予告演出用プロセスデータに基づいたS888〜S890の処理も開始する。その結果、飾り図柄の変動表示が進行するとともに予告演出の表示も進行する。
次に、第1図柄代理予告実行フラグがセットされているか否かの判断を行なう(S891)。判断の答えがNOの場合にはS893へ移行するが、判断の答えがYESの場合には、代理予告演出開始時間タイマがタイムアウトしたか否かの判断を行なう(S891m)。この代理予告演出開始時間タイマは、前述のS819aまたはS823aによりセットされたものである。代理予告演出開始時間タイマがタイムアウトしていない場合には制御がS893へ進むが、タイムアウトしている場合には、現在第1飾り変動表示部8kが自己予告演出を実行中であるか否かの判断を行う(S891n)。なお、第1図柄代理予告実行フラグがセットされている状態で第1飾り変動表示部8kが自己予告演出を実行している場合とせては、リーチ予告演出しかありえない。なぜならば、大当り予告演出の場合には図34のS832aでNOの判断がなされ、S831で第1図柄のみ選択されることになり、図33のS822によりYESの判断が行われて第1図柄代理予告実行フラグがセットされないためである。現在第1飾り変動表示部8kが自己予告演出(リーチ予告演出)を実行中である場合には、制御がS893へ進むが、自己予告演出(リーチ予告演出)を初めから実行していない場合または実行していたがその自己予告演出(リーチ予告演出)が終了した場合には、代理予告演出実行処理を行なう(S892)。この代理予告演出実行処理は、図40に基づいて後述する。
次に、第1変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを判断する(S893)。第1変動時間タイマがタイムアウトしていなければ、リターンする。一方、第1変動時間タイマがタイムアウトしていれば、今回の変動により予告演出を実行したか否かの判断を行なう(S894)。実行していなければ、第1図柄予告演出実行フラグをリセットし(S897)、第1表示制御プロセスフラグを第1図柄停止待ち処理(図31(b)のS803)に更新する処理を行ない、リターンする。
一方、今回の変動により予告演出を実行した場合には、S894によりYESの判断がなされ、第1図柄予告演出実行フラグをセットし(S895)、実行した予告演出の種類を、表示制御用マイクロコンピュータ800のRAMに上書き保存し(S896)、S898へ進む。このS896により実行した予告演出の種類が上書き保存されることにより、前述のS835、S853、S863等における前回実行した予告演出と同じ種類のステップアップを割出すことが可能となる。S895によりセットされる第1図柄予告演出実行フラグは、前回の変動において1回予告演出が実行されておれば「1」にセットされ、前回および前々回において連続して予告演出が実行されておれば「2」にセットされ、3回連続して予告演出が実行されておれば「3」にセットされる。
以上の処理によって、第2飾り変動表示部9kに大当り図柄の組合せが導出表示されて大当り遊技状態となったときには、第1中断コマンドを受信したことに基づいて第1変動中断フラグをセットするとともに、第1飾り変動表示部8kにおいて、変動中断表示を行なう。そして、第1再開コマンドを受信するまでS888以降の処理を実行しないように制御する。すなわち、第1飾り図柄8a〜8cの変動表示を行なわない制御がなされる。
このように上述した実施の形態では、一方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ53から中断コマンドが表示制御基板80に送信され、中断コマンドを受信したことに基づいて表示制御用マイクロコンピュータ800は他方の変動表示部での変動表示を中断させる制御が行なわれる。また、このような変動表示を中断させる制御が行なわれている状態で、前述した大当り遊技状態が終了するときには、遊技制御用マイクロコンピュータ53から再開コマンドが表示制御基板80に送信され、再開コマンドを受信したことに基づいて、表示制御用マイクロコンピュータ800により、中断されていた変動表示を再開させる制御を行なわれる。
図39は、図38の変動中断表示(S887)のフローチャートである。まず、第1確変大当り事前判定コマンドまたは第1非確変大当り事前判定コマンドを受信しているか否かの判断を行なう(S900)、受信していれば、飾り図柄における左と右を同じ図柄にするとともに中図柄を、左と右の図柄の±1ずれた図柄(1コマずれ図柄の組合せ)にして停止表示させる制御を行なう(S901)。このS901により、たとえば、第1飾り変動表示部8kにおいて、たとえば「767」が中断表示される。つまり、中断される第1図柄の表示結果が大当りとなる場合においては、「767」等のような、大当り図柄の組合せに対して1コマずれの図柄組合せが中断停止表示されるために、遊技者は、その中断停止表示された図柄の組合せを見ることにより、その中断された飾り図柄が再変動して表示結果が導出表示されたときに大当りが発生する可能性が高いことを認識でき、大当り発生への期待感を向上させることができる。1コマずれ図柄の組合せの種類は、乱数を発生させてその乱数によりランダムに決定する。
なお、図39に示す場合には、大当りとなる場合においては、中断される第1図柄の表示結果として、必ず「767」等のような、大当り図柄の組合せに対して1コマずれの図柄組合せが中断停止表示されるので、100%大当り遊技状態となることが遊技者に把握されてしまう。なお、このように100%大当り遊技状態となることが遊技者に把握されないようにするために、大当りとならない場合においても、所定の確率で、中断される第1図柄の表示結果として、「767」等のような、大当り図柄の組合せに対して1コマずれの図柄組合せが中断停止表示されるように制御してもよい。他の方法として、S902において、乱数によりはずれ図柄の組合せをランダムに決定して表示するようにしてもよい。その場合には、S902により、左=右=中±1が表示される場合もあり、100%大当り遊技状態となることが遊技者に把握されなくなる。
一方、S900によりNOの判断がなされた場合には、左≠右≠中の飾り図柄の組合せを中断停止表示させる処理を行なう(S902)。この左≠右≠中の飾り図柄の組合せは、乱数を利用してランダムに決定する。
図40は、代理予告演出実行処理(図38のS892)のフローチャートである。まず、第1飾り変動表示部8kにより代理予告演出を実行中であるか否かの判断を行なう(S910)。この代理予告演出とは、大当り予告演出ばかりでなくリーチ予告演出も含む。大当り予告演出およびリーチ予告演出のいずれも実行中でない場合には、今回実行する代理予告演出が大当り予告演出であるか否かの判断を行なう(S911)。今回行なう代理予告演出がリーチ予告演出の場合にはS911によりNOの判断がなされ、第2予告演出フラグのD2、D1、D0ビットの予告演出内容に応じた予告演出用プロセスデータを選択する処理を行なう(S915)。一方、今回行なう代理予告演出が大当り予告の場合には、第1図柄予告演出実行フラグがセットされているか否かの判断を行なう(S912)。第1飾り変動表示部8kによる前回の変動表示において何らかの予告演出が実行されておれば第1図柄予告演出実行フラグがセットされているために、前回実行した予告演出と同じ種類のステップアップ予告演出でかつ長,中,短演出フラグに応じた予告演出用プロセスデータを選択する処理を行なう(S914)。一方、S912によりNOの判断がなされた場合には、第2予告演出フラグのD2、D1、D0ビットの予告演出内容に応じた予告演出用に従った大当り予告演出(ステップ1)の予告演出用プロセスデータを選択する処理を行なう(S913)。
次に、S915、S913、S914により選択された予告演出用プロセスデータに従って第2図柄用予告演出すなわち第2飾り図柄9kによる予告演出の実行を開始する(S916)。
次に、予告演出用プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判断する(S917)。タイムアウトしていない場合にはS919へ進むが、タイムアウトした場合には、予告演出用表示制御用実行データの切換処理を行なう(S918)。次に、予告演出用表示制御用実行データが終了したか否かの判断を行なう(S919)。終了していなければリターンするが、終了していれば、長,中,短演出フラグをリセットした後(S920)、リターンする。
図41は、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kの演出表示の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り変動表示部8kと第2飾り変動表示部9kとの2つの変動表示部が設けられ、それぞれの変動表示部にて特別図柄の変動表示を並行して行なっている。すなわち、図41(A)において第1飾り変動表示部8kにおいて第1特別図柄8a〜8cの変動表示が実行されているときにも、第2飾り変動表示部9kにおいて第2特別図柄9a〜9cの変動表示が並行して実行される。
なお、主基板31からは表示制御基板80に第1飾り変動表示部8kにおける第1特別図柄8a〜8cの変動態様を指示する第1変動パターンコマンドと、第2飾り変動表示部9kにおける第2特別図柄9a〜9cの変動態様を指示する第2変動パターンコマンドとが送信される。表示制御用マイクロコンピュータ800は、受信した変動パターンコマンドに応じた変動表示部にて飾り図柄の変動表示が行なわれるように制御する。
また、この実施の形態で主基板31から送信される演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。第1飾り変動表示部8kにおける第1飾り図柄8a〜8cの変動パターンを指示するコマンドと、第2飾り変動表示部9kにおける第2飾り図柄9a〜9cの変動パターンを指示するコマンドと、MODEまたはEXTを異ならせることにより主基板31から送信される変動パターンコマンドがいずれの変動表示部における特別図柄の変動パターンであるかを特定することが可能となる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図41(B)に示すように、第1飾り変動表示部8kにおいて第1飾り図柄8a〜8cの変動表示が実行されている間に、すなわち、図20に示す第1特別図柄変動処理におけるS82で第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないときに、第2特別図柄プロセス処理(S25)における第2特別図柄変動処理(または第2特別図柄停止処理)で大当り図柄(特定表示結果)が導出表示されたことに基づいて第2大当り実行中フラグがセットされるとともに第2特別図柄停止処理で第2大当り開始コマンドを表示制御基板80に送信するための処理が行なわれる。
また、第1特別図柄変動処理(S303)が実行されたときにS87で第2大当り実行中フラグがセットされていると判定され、S88で中断フラグがセットされるとともに、S89で中断コマンドを表示制御基板80に送信するための処理が行なわれる。表示制御用マイクロコンピュータ800は、S885で中断コマンドを受信したときにS886で変動中断フラグをセットするとともに、S887で変動中断表示を行なう。
図41(C)に示すように、中断コマンドを受信すると、表示制御用マイクロコンピュータ800は、第1飾り変動表示部8kの今回の変動表示の表示結果により大当りが発生するか否か判定し(図39のS900参照)、第1飾り変動表示部8kに、変動中メッセージ100を表示するとともに、大当り図柄の組合わせに対し1コマずれのはずれ図柄(たとえば767)を仮停止表示させる(図39のS901参照)。つまり、変動表示を中断する第1飾り変動表示部8kに非特定表示結果を停止表示させる。変動表示を中断する方の変動表示部にて非特定表示結果を停止表示することにより遊技者に不信感を与えることなく飾り図柄の変動表示を中断させることができるとともに、大当り図柄の組合せに対し1コマずれのはずれ図柄のために、大当りの期待感を増長させることができる。なお、このとき、第2飾り変動表示部9kに大当り図柄の組合せ(特定表示結果)が導出表示されている。
また、この実施の形態では大当り遊技状態が終了するまで(図41(D)および(E)参照)変動中メッセージ100を表示する構成となっているため、大当り遊技状態が終了するまで遊技者に不信感を与えることなく飾り図柄の変動表示を中断させることができる。なお、図41(D)には、大当り遊技状態における第1ラウンドの例が示されている。
また、大当り遊技状態が終了するときには、主基板31から第2大当り終了コマンド(確変大当り終了コマンドまたは非確変大当り終了コマンド)が表示制御基板80に送信される。図41(E)には、第2大当り終了コマンドとしての確変大当り終了コマンドの受信に応じて、表示制御用マイクロコンピュータ800が、第2飾り変動表示部9kに、大当り遊技状態が終了したとともに確変状態になったことを報知する表示を行なったことが例示されている。上述した第1実施形態では主基板31から表示制御基板80にさらに再開コマンドが送信され、表示制御用マイクロコンピュータ800は再開コマンドを受信したことに基づいてS823で変動再開表示103として「変動再開」と表示させるとともにS888以降の処理が実行されて変動表示を再開させる制御が実行される(図41(F)参照)。なお、図41に示された例では、第1飾り変動表示部8kにおける変動再開後、最後に導出される表示結果は大当り図柄である(図41(H)参照)。その場合、図41(E)に示す第1飾り変動表示部8kにおける表示状態を、その旨を示すような表示(たとえば、「もう1回当たる」)に変えるようにしてもよい。その場合には、大当り遊技状態についての演出表示を第1飾り変動表示部8kと第2飾り変動表示部9kとの両方を用いて行なうことになり(第2飾り変動表示部9kで当該大当り遊技の終了報知を行なうと同時に、第1飾り変動表示部8kで次の大当り発生の報知が予告的に行なわれるので)、視覚効果が高まり遊技者の興趣を向上させることができる。
このように、一方の変動表示部における特別図柄および飾り図柄の変動表示中に他方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となった場合には一方の変動表示部に変動表示を中断する旨を示す変動中メッセージ100を表示するとともにはずれ図柄を仮停止表示させ、大当り遊技状態が終了したときに一方の変動表示部における特別図柄および飾り図柄の変動表示を再開させる旨を示す変動再開表示103を行なうため、遊技者に不信感を与えることなく特別図柄および飾り図柄の変動表示を中断させることができる。
なお、前述の実施の形態においては、変動を中断させる側の変動表示部において大当りが発生することが事前決定されている場合には、当該変動表示部の中断中に特別な表示(大当りの飾り図柄の組合せに対して1こまずれの表示)により停止表示させるものを示した。しかし、これに限らず、前述の変動時間の計測中断中においても見た目上変動表示を続行させるように構成してもよい。このように構成した場合、図33のS887の変動中断表示においては、見た目上変動表示を続行させる間、当該変動の回で大当りが発生することが事前に決定されているか否か(S900の判断)に基づき、異なる背景画面(たとえば、異なる色、異なるキャラクタを表示等)を表示するようにしてもよい。これにより、変動表示期間の計測中断中に表示結果が導出されないために、遊技者に誤解を与えることがない。
図41には、さらに、第2飾り変動表示部9kにおいて新たな飾り図柄の変動が実行される様子が示されている(図41(F)〜(H)参照)。すなわち、大当り遊技状態が終了した後、再び第2飾り変動表示部9kにおいて飾り図柄の変動表示が開始され(図41(F))、主基板31から第1大当り開始コマンド(または、第1実施形態における第2飾り変動表示部9kについての中断コマンド)が送信されたことに応じて、表示制御用マイクロコンピュータ800が、第2飾り変動表示部9kに、変動中メッセージ100とともにはずれ図柄を停止表示させたことが示されている(図41(H))。
なお、図42には、再び第2飾り変動表示部9kにおいて飾り図柄の変動表示が開始された後、第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたことに基づいて第1飾り変動表示部8kについての飾り図柄停止を示す演出制御コマンド(図柄停止コマンド)は主基板31から送信されたが、第2飾り変動表示部9kについての中断コマンドが送信されなかったときに、表示制御用CPUが、第1飾り変動表示部8kにはずれ図柄を導出表示させたことが示されている(図42(H))。この場合には、第2飾り変動表示部9kにおいて、はずれ図柄が停止表示されることなく、飾り図柄の変動表示は継続する。また、第1飾り変動表示部8kにおいて中断時に表示される図柄の組合わせは、乱数によってランダムに選ばれたはずれ図柄の組合わせ(たとえば、図42(C)〜(E)の349)である(図39のS902参照)。
なお、表示制御用マイクロコンピュータ800は、第1飾り変動表示部8kまたは第2飾り変動表示部9kに変動中メッセージ100とともにはずれ図柄を停止表示させる際に、停止表示させる時点において可視表示(たとえば変動表示部の中央に表示されていること)させていた飾り図柄を乱数に応じて決定して停止表示させてもよいが(停止図柄が大当り図柄となる場合には左中右のうち任意の図柄をずらす)、予め決められている順序で停止図柄を選択したりしてよく、停止図柄の選定の方法は任意である。
図43は、第1飾り変動表示部8kおよび第2飾り変動表示部9kでの予告演出を示す説明図である。図43においては、(A),(B)の一連の変動表示が実行され、次に(C),(D)の一連の変動表示が実行され、その次に(E),(F)の一連の変動表示が実行されたときの繰返し予告演出の態様が示されている。
繰返し予告演出は、大当りが発生することを予告する演出であって、複数回の変動表示にわたって繰返し実行される予告報知である。この実施の形態において、繰返し予告は、いずれか一方の変動表示部において行なわれる。いずれか一方の変動表示部において繰返し予告が行なわれたときには、他方の変動表示部において大当りが発生することを予告する代理予告を行っていることとなる。つまり、第1飾り変動表示部8kの側で繰返し予告が行なわれたときには、第2飾り変動表示部9kの側での大当りの発生を予告していることとなる。逆に、第2飾り変動表示部9kの側で繰返し予告が行なわれたときには、第1飾り変動表示部8kの側での大当りの発生を予告していることとなる。
繰返し予告は、たとえば、図37、図40のフローチャートにしたがって制御され、2回目、3回目の繰返し予告の場合にはその回数に応じたステップアップ予告が選ばれ、表示されるキャラクタの数が1づつ増加する。図43の(A)に示す1回目の予告演出時には人間のキャラクタ91aが1人表示され、(C)に示す2回目の予告演出時には2人のキャラクタ91a、91bが表示され、(E)に示す3回目の予告演出時には3人のキャラクタ91a、91b、91cが表示されるとともに、予告用の背景画像90(たとえば、背景画像90の色が予告用の所定の色になる)が表示される。この例では、繰返し予告は、繰返し予告が行なわれる方の変動表示部の側での各回の変動表示の実行中に行なわれる。図43に示される例では、第2飾り変動表示部9kにおいて実行される(A),(C),(E)に示されるような繰返し予告は、第1飾り変動表示部8kにおいて(F)に示される大当りが表示されることに対する予告表示となる。なお、この実施の形態では、繰返し予告の対象となる変動表示、たとえば大当り図柄の組合せの表示結果が導出表示される回の変動表示と同時に行なわれる変動表示の回を含むが、大当り図柄の組合せの表示結果が導出表示される回の変動表示と同時に行なわれる変動表示の回を含まないようにしてもよい。
このように、複数回の変動表示にわたり予告用のキャラクタおよび背景の表示が連続的に行なわれる予告が実行されると、遊技者は、大当りが発生することについて期待感を持ち、興趣が向上する。
次に、図44〜図46に基づいて、別実施の形態を説明する。前述した実施の形態では、繰返して代理予告を行なう場合において、代理予告を行なう方の飾り変動表示部の変動開始時に繰返し代理予告を行なうか否かを判定するものを示したが、この別実施の形態においては、予告対象の方の飾り変動表示部の変動中において、定期的に代理予告を実行する方の飾り変動表示部の保留数の減少の有無を判別し、保留数の減少が生じれば代理予告の方の飾り変動表示部において繰返し代理予告を実行させるという制御内容のものである。
図44は、第2図柄変動中処理を示すフローチャートであり、図38に示した第1図柄変動中処理に対応する第2図柄側の処理である。図38の各ステップと対応するステップについては、ステップ番号の最後にaを付して示している。図38との内容的な相違点は、図44のS888aのステップの前に、S999の代理予告繰返しチェック処理が挿入されている点である。
図45は、この代理予告繰返しチェック処理(S999)を示すフローチャートである。まず、第1図柄代理予告実行フラグがセットされているか否かの判別を行なう(S930)。セットされていない場合にはこの代理予告繰返しチェック処理が終了してリターンするが、第1飾り変動表示部8kの前回の変動表示において予告演出が実行されておれば、第1図柄代理予告実行フラグがセットされているために、S930によりYESの判断がなされ、第1保留記憶数が減少したか否かの判別を行なう(S931)。このS931の判別は、前述したように33ms毎に実行される。第1保留記憶数が減少していない場合にはこの代理予告繰返しチェック処理が終了してリターンするが、減少したと判別された場合には、第1図柄代理予告繰返しフラグをセットし(S932)、リターンする。
図46は、第1図柄変動開始処理のフローチャートであり、図33に示した第1図柄変動開始処理の別実施の形態を示すものである。図33に示した第1図柄変動開始処理の各ステップと同様のステップについては、各ステップ番号の最後にaを付して示している。図33の第1図柄変動開始処理と内容的に相違する点は、図46のS811aによりNOの判断がなされた場合に、S824とS825とS826のステップを実行する点である。
具体的には、S811aによりNOの判断がなされた場合に、第1図柄代理予告繰返しフラグがセットされているか否かの判別を行なう(S824)。セットされていない場合には制御がS814aへ進むが、セットされている場合には代理予告繰返し処理を実行した後(S825)、第1図柄代理予告繰返しフラグをリセットし(S826)、S813aへ進む。このS825の代理予告繰返し処理の内容は、図37に示した代理予告繰返し処理のフローチャートと同じである。ここで、変動表示が実行されるときには、第1保留記憶数が図15のS634により減算された後、第2図柄変動中処理のS892aにより実行される代理予告演出実行処理において、第1図柄代理予告繰返しフラグがセットされるので、第1図柄についての変動パターンコマンドが送信される前の段階での第1保留記憶数が代理予告演出実行処理においてチェックされる。一方、S824による第1図柄代理予告繰返しフラグがセットされているか否かの判別は、図15のS634での第1保留記憶数の減少に基づいて大当り判定された後に送信される第1図柄についての変動パターンコマンドの受信に応じて、図31のS801により実行されるので、第1保留記憶数の減少に基づいて大当り判定された変動表示について、S824による第1図柄代理予告繰返しフラグがセットされているか否かの判別が行なわれることとなり、判別のタイミングに問題は生じない。
以上説明したように、この別実施の形態においては、第2飾り変動表示部9kが予告対象となっており、この第2飾り変動表示部9kに対する予告を第1飾り変動表示部8kが代理して実行する場合において、代理予告を実行する方の第1飾り変動表示部8kの保留記憶数(第1保留記憶数)が減少したか否かを、定期的(たとえば33ms毎)にチェックし(S931)、減少したと判別された場合に、第1図柄代理予告繰返しフラグをセットし(S932)、第1飾り変動表示部8kの変動開始時において、第1図柄代理予告繰返しフラグがセットされているか否か判別し(S824)、セットされていれば代理予告繰返し処理を実行する(S825)。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図29、図30の第1予告演出決定処理により予告演出を実行することが決定されたときに、図34、図35の予告実行変動表示装置選択処理によりいずれかの飾り変動表示部により予告演出を実行させるかを選択し、予告対象となる飾り変動表示部とは異なる飾り変動表示部で代理予告を実行することが決定された場合に、第2図柄代理予告実行フラグがセットされ(S823)、第2飾り変動表示部9kの状態に応じて予告演出内容を選択し(S932、図9の予告演出内容選択テーブル)、その選択された予告演出内容を第2飾り変動表示部9kに実行させる。その結果、いずれの飾り変動表示部で予告演出が実行されるかわからないために、いずれの飾り変動表示部の変動に対する予告かがわからなくなり、複数の変動表示部を連動させて予告を実行することができ、複数の変動表示部の表示結果に対して遊技者の期待感を抱かせることができる。たとえば第2飾り変動表示部9kにおいて予告演出を実行させるときに、当該第2飾り変動表示部9kの状態を判断することなく予告演出の種類を決定してしまうと、第2飾り変動表示部9kにおいて実行されているひとつの変動表示中に決定された予告演出を終了できないような不自然な予告演出を提供することとなる。しかし、前述した実施の形態では、第2飾り変動表示部9kが、変動中で短,中,長演出が実行可能な状態、変動中で中,短演出が実行可能な状態、変動中で短演出のみが実行可能な状態、デモ表示中の状態、および表示結果としての飾り図柄の停止表示中の状態のいずれの状態であるかを判断し、状態に応じた予告演出の種類を決定するため、第2飾り変動表示部9kにおいて実行されているひとつの変動表示中に決定された予告演出を終了できないような不自然に予告演出が行なわれることを防止することができる。
(2) 確変状態や時短状態の終了条件が成立したか否かを判定し、成立している場合には確変フラグや時短フラグをリセットする処理を行なう図19に示す特別遊技処理が、図18に示す第1変動パターン設定処理すなわち第1特別図柄表示器8の変動開始時点において実行されるために(図13参照)、終了条件の判定が行なわれた変動表示における変動表示期間の長短に拘らず、当該判定が行なわれた変動表示の開始時点から通常状態のときに用いられる変動表示パターンデータテーブル(図4(a)参照)の中から変動表示パターンデータの選択が行なわれ、当該判定が行なわれた変動表示における変動表示期間の長短に起因した遊技者の有利不利が生じない。
具体的には、時短中は選択された変動表示の変動時間が短いので、特別遊技状態が終了する回の変動で変動時間の長いもの(大当りやリーチ等)が選択されたときに、他方の変動表示部で実行される変動の回数が多くなる割合が高く、逆に変動時間の短いもの(通常のはずれ変動等)が選択されたときには他方の変動表示部で実行される変動の回数が少なくなる割合が高くなる。結果的に、特別遊技状態が終了するときの変動時間の選択により、時間効率に差が出るようになり、遊技者に有利不利が発生することとなる。しかし、前述の実施の形態のように、時短の終了回数に到達したときの変動の開始時に時短フラグをクリアして時短状態から通常状態に移行させることにより、その後の変動時間は通常時の変動パターンテーブルから選択されるので、時短の終了する回の変動で選択された変動時間により遊技者に時間効率の有利不利が生ずることを防止できる。
また、確変中は通常時よりも大当りと判定する判定値が増加して高い確率で大当りの判定が行なわれるが、時短のときと同様に、確変が終了する回の変動で選択された変動時間が長いときには他方の変動表示部で実行される変動が、確変状態で大当り判定が実行される回数が多くなる割合が高くなり、逆に変動時間の短いものが選択されたときには確変状態で大当り判定が実行される回数が少なくなる割合が高くなる。それにより確変が終了する回の変動で選択された変動時間により遊技者に有利不利が発生することとなる。しかし、前述の実施の形態では、変動の開始時に確変フラグをリセットして通常状態に戻すために、確変状態で大当り判定される回数に有利不利が発生することを防止できる。
(3) 第1図柄変動中処理(S802)のS885でYESとなりS888以降の処理を実行しない制御を行なうことにより、たとえば、第2飾り変動表示部9kにて特定表示結果が導出表示されたときに第1飾り変動表示部8kにおける変動表示時間の計測を中断するので、複数の変動表示部にて同時に特定遊技状態が発生することを防ぐことができる。また、第1図柄変動中処理(S802)のS882でYESとなりS883以降の処理を実行する制御を行なうことにより、たとえば、第2飾り変動表示部9kに特定表示結果が導出表示されるまで第1飾り変動表示部8kにて特別図柄の変動表示が行なわれるため、たとえば、2つの飾り変動表示部の両方で重複して表示結果が特定表示結果となることを防ぐために、一方の変動表示部での表示結果が特定表示結果となるときに、当該一方の変動表示部での特定遊技状態が終了するまで、他方の変動表示部での変動表示の開始が遅延させられる場合と比べて、第2飾り変動表示部9kに特定表示結果が導出表示されることを遊技者に把握され難くすることができる。
(4) 前述の実施の形態で説明したように、S887により、中断中の飾り変動表示部に飾り図柄の変動表示を継続させた場合には、変動時間の計測中断中に表示結果が導出表示されないので、遊技者に誤解を与えることを防止できる。
(5) 図41(C)および図42(C)に示されるように、一方の変動表示部にて大当り図柄の組合せが導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が開始され、他方の変動表示部における変動表示時間の計測を中断しているときには、他方の変動表示部においてはずれ図柄の組合せが停止表示される(図39の変動中断表示参照)。このため、変動時間の計測中断中に特定表示結果が停止表示されることがないので、遊技者に誤解を与えることを防止できる。また、遊技者に、大当りの表示結果となる変動表示が中止されてしまったのではないかというような不信感を与えることなく、他方の変動表示部における変動表示を中断させることができる。さらに、他方の変動表示部で識別情報の変動表示が停止表示されるので、一方の変動表示部の方に遊技者を注目させることができる。
より具体的に説明すると、たとえば2つの変動表示部で大当りが同時に発生しないようにするために、一方の変動表示部で大当りが発生するときに他方の変動表示での変動開始を遅延させるものがある(特開2001−62080号公報、特開2001−62081号公報)。しかし、この遅延方式の技術では、一方の変動表示部で大当りが発生するときに他方の変動表示の変動開始を遅延させるために、変動開始が遅延されることにより大当りが発生することが遊技者に認識されてしまうおそれがあった。これに対して、本実施の形態においては、一方の変動表示で大当りが発生したときに他方の変動表示の変動開始を遅延させるのではなく、実行されている変動表示の変動時間の計測を中断し、見かけ上変動を継続させておく(またははずれ図柄を停止表示させておく)ようにしているために、他方の変動により一方の変動で大当りが発生することを遊技者が認識してしまうことを極力防止することができる。
(6) 変動時間の計測中断中に、その中断中の飾り変動表示部により大当りの表示結果が導出表示される予定の場合には(S900によりYESの判断がなされる場合には)、中断中に特別な表示を実行させる(S901参照)。この特別な表示は、大当り飾り図柄の組合せ(ぞろ目の組合せ)に対し1こまずれのはずれ図柄を表示させる(S901参照)。その結果、変動が中断されている変動に対する大当り発生の期待感も煽ることもできる。
(7) 図8(b)の変動表示部選択テーブルにも示されているように、代理予告が繰返し実行される繰返し予告時においては、単発予告時に比べて、非予告対象変動表示部に代理予告を実行させる割合が高くなる。その結果、複数回の変動にわたって予告演出が繰返し実行される割合が高くなり、特定遊技状態への期待感を煽ることができる。
(8) 前述したいわゆるガセ予告が実行された場合においても、そのガセ予告の実行が行なわれたことが記憶され(図38のS894、S895さらに参照)、その記憶に基づいて変動表示部選択テーブルの繰返し予告時部分がルックアップされることとなり(図35参照)、単発予告時に比べて高い確率で非予告対象変動表示部が選択されることとなる(図8(b)参照)。その結果、ガセ予告をも含んで予告演出の実行が繰返される確実がより一層高まり、より一層頻繁に複数回の変動にわたった特定遊技状態発生への期待感を煽ることができる。
(9) 前回実行した予告演出の種類が図38のS896により記憶され、次回の変動において繰返し予告演出を実行するときには、その前回実行した予告演出の種類を発展させたステップアップ予告が実行される(S835、S853、S863、S914、図8(a)参照)。その結果、複数回の変動にわたって特定遊技状態への期待感を煽ることができるとともに、期待感を徐々に向上させることができる。
(10) 予告演出をいずれの飾り変動表示部により実行させるかを決定するために用いられるテーブル(図8(b)の変動表示部選択テーブル)が備えられ、予告対象変動表示部とは異なる飾り変動表示部の方で予告演出を実行可能な状態のときには、前述のテーブルを使ってどの飾り変動表示部で予告を実行するかを決定(両方の変動表示部で実行する場合も含む)する。そして、前述のテーブルは、保留記憶数に対応して複数設けられ、保留記憶数が多いときに対応したテーブルには所定の状態(リーチ,大当り状態を含む)が発生する変動を実行する予告対象変動表示部でない方の非予告対象変動表示部で予告を実行することに決定する判定値が多く設定されている(図8(b)参照)。その結果、複数回の変動にわたり特定遊技状態への期待感を煽ることができる可能性が高くなる。なぜならば、大当り時の変動は変動時間が長く、通常のはずれ変動時には変動時間が短いことが多いために、予告対象変動表示部で大当りが発生する場合にはその予告対象変動表示部が長い時間変動表示する一方、非予告対象変動表示部はそれに比べて短い時間の変動で表示結果が導出表示される可能性が高く、その短い時間で表示結果が導出表示される非予告対象変動表示部により繰返し予告演出を実行させるためである。
(11) 変動中メッセージ100を表示するS887、さらに、第2表示制御プロセス処理における同様のステップにより、第1変動表示部または第2変動表示部における変動表示時間の計測を中断したときに、第2の変動表示部における変動表示が継続している旨が表示されるため、変動表示が中止されてしまったのではないかというような不信感を与えることなく、変動表示部における識別情報の変動表示を中断させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、確変図柄が表示されることにより所定の移行条件が成立して遊技者に有利な特別遊技状態(確変状態,時短状態)に移行させるものを説明した。しかし、これに限らず、たとえば飾り変動表示部においてキャラクタがバトルを行なう演出表示を行ない、所定のキャラクタがバトルに勝った演出結果が表示される等により、所定の移行条件が成立して遊技者に有利な特別遊技状態(確変状態,時短状態)に移行させるようにしてもよい。
(2) 前述の実施の形態においては、変動を中断させる側の変動表示部において大当りが発生することが事前決定されている場合には、当該変動表示部の中断中に特別な表示(大当りの飾り図柄の組合せに対して1こまずれの表示)により停止表示させるものを示した。しかし、これに限らず、前述の変動時間の計測中断中においても見た目上変動表示を続行させる場合において、当該変動の回で大当りが発生することが事前に決定されている場合には、背景の色等を変化させるようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、予告演出が繰返し実行される場合には、前回の予告演出と同じ種類の予告演出であってかつ発展型のステップアップ予告演出を行なうようにした。しかし、これに限らず、発展型のステップアップ予告演出の代わりに、同一種類の予告演出を繰返し実行するようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、予告演出をいずれの飾り変動表示部で実行するかの決定を、表示制御用マイクロコンピュータ800が行なうものを説明した。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御負担が軽減される。しかし、これに限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ53により、予告演出を実行させる変動表示部を選択するようにしてもよい。この場合には、遊技制御用マイクロコンピュータにおいて、予告演出を実行する飾り変動表示部の決定結果をコマンドとして表示制御用マイクロコンピュータ800へ送信し、表示制御用マイクロコンピュータ800がそのコマンドに従って指定された飾り変動表示部において予告演出を実行させる制御を行なう。
(5) 前述した実施の形態においては、確変状態の終了が、非確変図柄による大当りの発生または確変状態における所定回数の変動表示の実行で終了するものを説明した。しかし、これに限らず、たとえば、変動開始時において確変転落抽選用の乱数を抽出し、その抽出値が確変転落用の判定値と一致すれば、確変状態を終了させるようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態においては、時短状態の終了は、確変状態が終了してから所定回数の変動で終了するものを説明した。しかし、これに限らず、確変状態において非確変図柄による大当りが発生する回の変動表示の開始時に時短フラグをリセットして時短状態を終了させるようにしてもよい。
(7) 前述の実施の形態においては、変動開始時点において確変状態や時短状態の終了判定を行ない、変動開始時点における変動開始数が所定開始数に達してる場合あるいは変動開始時点において当該変動により非確変図柄による大当りが発生する場合に、確変フラグ等をリセットして確変状態や時短状態を終了させるものを説明した。しかし、これに限らず、確変状態や時短状態の終了条件の判定を変動終了時点で行なうようにしてもよい。前述の変動開始時点により終了条件の判定を行なう方式の場合には、たとえば時短フラグがクリアされて変動時間が長くなった場合にその変動時間が長くなった変動表示部とは逆の変動表示部により非確変図柄による大当りが発生する可能性が高いことが遊技者に見破られてしまう。しかし、前述の変動終了時点における終了条件の判定方式の場合には、変動時間の変化により非確変図柄による大当りが発生することを遊技者に見破られる事態を防止することができる。
(8) 前述した実施の形態においては、図37にも示したように、代理予告を繰返し実行する場合において、予告対象変動表示部の許容残り時間が予告演出を実行する3種類の時間である長時間、中時間、短時間のいずれの時間以上あるか否かを判定し、それに基づいて予告演出の時間(長時間、中時間、短時間)を選択するものを説明した。しかし、これに限らず、予告対象変動表示部における予告演出に必要となる最小限の時間(短時間)以上の許容残りの時間があるか否かを判定し、ある場合には、非予告対象変動表示部の処理において変動表示時間の長さにより予告の長さと種類を決めるようにしてもよい。
(9) 前述の実施の形態においては、たとえば、第1図柄側の変動表示が終了した時点で第1図柄において予告演出を実行しなかったときに第1図柄予告演出実行フラグをリセットし(S897)、第2図柄の変動表示の終了時点で第2図柄において予告演出を実行しなかった場合に第2図柄予告演出実行フラグをリセットするものを説明した。しかし、これに代えてまたはこれに加えて、たとえば、第1図柄で大当りが発生する変動表示が行なわれている最中において第2図柄側で通常のはずれ変動を行なわれるときに、第1図柄側の変動中に第2図柄側で何回で予告演出を行なった後に、第1図柄側の変動が止まって大当りになるときに、第2図柄予告演出実行フラグをリセットするようにしてもよい。このように構成すれば、大当り終了後のいわゆるガセ予告で、たとえば突然ステップアップ予告の最終段階が表示される等のような、期待の高い予告が出てしまうことを防止することができる。
(10) 前述した実施の形態においては、確変大当り図柄の組合せの変動表示結果に基づく大当り遊技状態の発生に起因させて、確変フラグおよび時短フラグが同時にセットされる例について説明した。しかし、これに限らず、確変大当り図柄の組合せの変動表示結果に基づく大当り遊技状態の発生に起因させて確変フラグをセットし、確変終了条件の成立に起因させて時短フラグをセットするようにしてもよい。この場合、確変フラグがセットされているときには、前述した確変状態および時短状態に制御し、時短フラグがセットされているときには、前述した時短状態にのみ制御するように構成してもよい。確変フラグがセットされるタイミングは、確変大当り図柄を表示結果として導出表示する変動表示が開始されるタイミングの前後であればよく、当該変動表示が開始されるときにセットされるように制御するものや、当該変動表示が開始される直前にセットされるように制御するものであってもよい。また、確変フラグがリセットされるタイミングは、確変終了条件を成立させることとなる変動表示が開始されるタイミングの前後であればよく、当該変動表示が開始されるときにリセットされるように制御するものや、当該変動表示が開始される直前にリセットされるように制御するものであってもよい。時短フラグがセットされるタイミングは、確変終了条件を成立させることとなる変動表示が開始されるタイミングの前後であればよく、当該変動表示が開始されるときにセットされるように制御するものや、当該変動表示が開始される直前にセットされるように制御するものであってもよい。時短フラグがリセットされるタイミングは、時短終了条件を成立させることとなる変動表示が開始されるタイミングの前後であればよく、当該変動表示が開始されるときにリセットされるように制御するものや、当該変動表示が開始される直前にリセットされるように制御するものであってもよい。
(11) 前述した実施の形態においては、確変終了回数と時短終了回数とが同じ回数(たとえば、100回)に予め設定されている例について説明したが、これに限らず、確変終了回数よりも時短終了回数の方が多くなるように予め設定してもよく、逆に、時短終了回数よりも確変終了回数の方が多くなるように予め設定してもよい。また、確変終了回数と時短終了回数とをランダムカウンタ等を用いて決定するように構成してもよい。確変終了回数と時短終了回数とを決定するタイミングとして、たとえば、確変フラグをセットするときに、確変終了回数を決定するためのランダムカウンタから乱数を抽出し、当該抽出された乱数を用いて確変終了回数を決定するように構成してもよい。同様に、時短フラグをセットするときに、時短終了回数を決定するためのランダムカウンタから乱数を抽出し、当該抽出された乱数を用いて時短終了回数を決定するように構成してもよい。
(12) 前述した実施の形態では、保留記憶できる上限数を、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファとで同じとなるように設定した例について説明したが、これに限らず、いずれか一方の保留記憶バッファに保留記憶できる上限数を他の保留記憶バッファに保留記憶できる上限数よりも多くなるように設定してもよい。たとえば、図14のステップS42において判断の対象となる上限数を、たとえば、第1始動口スイッチ通過処理においては「10」に、第2始動口スイッチ通過処理においては「5」に、それぞれの上限数を異ならせるようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態では、始動入賞が発生したときに、大当り判定用ランダムカウンタR1等の各ランダムカウンタの値を抽出し、保留記憶バッファに格納し(図14のステップS46参照)、対応する特別図柄表示器において変動表示が行なわれていないときに、格納された順に値を読出し(ステップS636)、大当り判定(ステップS637等)を行ない、変動表示させる例について説明した。しかし、これに限るものではない。たとえば、大当り判定用ランダムカウンタR1等の各ランダムカウンタから抽出した値を、対応する特別図柄表示器において変動表示が行なわれていないときに保留記憶バッファに一時的に記憶し、対応する特別図柄表示器において変動表示が行なわれているときに格納するものであってもよい。そして、対応する特別図柄表示器において変動表示が行なわれていないときには、一時的に記憶された値をすぐに読出し、大当り判定を行ない、変動表示させるものであってもよい。
(14) 前述した実施の形態では、図1に示す弾球遊技機において、遊技領域7の中央部の向かって左側に第1飾り変動表示部8kを、右側に第2飾り変動表示部9kを設け、第1飾り変動表示部8kの上方に第1特別図柄表示器8を、第2飾り変動表示部9kの下方に第2特別図柄表示器81を設けた例について説明した。しかしながら、これに限らず、第1および第2飾り変動表示部、第1および第2特別図柄表示器の配置は、パチンコ遊技機1の構成や仕様などに応じて任意に変更可能である。また、第1および第2飾り変動表示部、第1および第2特別図柄表示器は、各々、独立した表示装置として構成される必要はなく、たとえば1つの表示装置が有する表示領域を分割して複数の表示領域が形成されるように構成してもよい。
(15) 前述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56が、特別図柄表示器において特別図柄の変動表示を開始するときに、変動表示時間を示す変動パターンを決定し、さらに、変動パターンに応じた飾り図柄変動パターンコマンドを表示制御基板80に送信する。そして、表示制御用CPUが、変動表示部において飾り図柄の変動表示を開始するときに受信した飾り図柄変動パターンコマンドから変動パターンを決定し、飾り図柄を表示制御する例について説明した。しかし、これに限らず、始動入賞口14への始動入賞が生じたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56が飾り図柄変動パターンコマンドを表示制御基板80に送信するように構成してもよい。
(16) 前述した実施の形態では、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を個別に行なうことが可能な第1の変動表示部と第2の変動表示部とを含む複数の変動表示部を有し、いずれかの変動表示部における変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される遊技機について説明したが、これに限らず、たとえば、1ゲームに対して賭け数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、変動表示部の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該変動表示部の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能であるスロットマシンなどであってもよい。
また、弾球遊技機において表示装置を有するものであれば、たとえば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行なうCR式弾球遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行なう弾球遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる表示装置を有し、識別情報としての図柄を変動表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。また、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
また、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(17) 前述した実施の形態では、変動表示が所定回数実行されるまで継続する時短状態が、確変状態の開始と同時に開始される例を説明した。しかし、これに限らず、時短状態は、確変状態が終了したときに開始され、その後、変動表示が所定回数実行されるまで継続するように制御してもよい。その場合には、確変状態中には、時短状態としてもよく、時短状態としなくてもよい。
(18) 第1特別図柄プロセス処理における図17のS124、図19のS713、さらに、第2特別図柄プロセス処理における同様のステップにより、確率変動状態制御手段(第1特別図柄プロセス処理における図16のS112,S114、さらに、第2特別図柄プロセス処理における同様のステップ)により確率変動状態(確変状態)に制御されているときにおいて、前記確率変動終了条件(図19で非確変大当りが発生する、図19で確変時変動回数が確変終了回数になる)が成立したときに、確率変動状態記憶手段(図2の遊技制御用マイクロコンピュータ53のRAM55)に記憶されている前記確率変動状態データ(セットされた確変フラグのデータ)を、前記確率変動状態ではないことを示す非確率変動状態データ(リセットされた確変フラグのデータ)に更新する確率変動状態データ更新手段が構成されている。前記確率変動状態データ更新手段は、前記確率変動終了条件が成立し、前記表示制御手段により識別情報の変動表示を開始するとき、前記確率変動状態データを前記非確率変動状態データに更新する(第1特別図柄プロセス処理における図13のS302、図18のS70、さらに、第2特別図柄プロセス処理における同様のステップ)。このような更新が行なわれるときの「前記表示制御手段により識別情報の変動表示を開始するとき」には、図19のS706、S713に示したような確変フラグをリセット状態に更新した直後に変動表示が開始される場合における「変動表示を開始するとき」という意味合いの他に、変動表示が開始された直後に確変フラグをリセット状態に更新する場合における「変動表示を開始するとき」も含まれる。
(19) 前述した実施形態においては、図20の第1特別図柄変動処理におけるS84において第1大当り実行中フラグをセット、すなわち、大当り図柄の組合せを停止させるときに第1大当り実行中フラグをセットし、図20の第1特別図柄変動処理に対応する第2特別図柄変動処理において変動表示時間の計測を中断する計測中断手段について説明した。同様に、図20の第1特別図柄変動処理に対応する第2特別図柄変動処理において第2大当り実行中フラグをセット、すなわち、大当り図柄の組合せを停止させるときに第2大当り実行中フラグをセットし、図20の第1特別図柄変動処理のS88において中断フラグをセットし変動表示時間の計測を中断する計測中断手段について説明した。しかし、これに限らず、図13のS304からS305に移行されたときの第1大入賞口開放前
処理において第1大当り実行中フラグをセット、すなわち、大当りを開始させるときに第1大当り実行中フラグをセットし、図20の第1特別図柄変動処理に対応する第2特別図柄変動処理において変動表示時間の計測を中断する計測中断手段であってもよい。同様に、第2特別図柄プロセス処理において対応する第2大入賞口開放前処理において第2大当り実行中フラグをセット、すなわち、大当りを開始させるときに第2大当り実行中フラグをセットし、図20の第1特別図柄変動処理のS88において中断フラグをセットし変動表示時間の計測を中断する計測中断手段であってもよい。
(20) 前述した実施の形態においては、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ800に入力される変動パターンコマンドが、図4の確変状態であるときにルックアップされる(c)のデータテーブルを用いて決定された確変変動パターンコマンド(確変時通常E変動パターンコマンド等)であるか否かに基づき、図25のS401において確変状態が終了したか否かを判定する例について説明した。しかし、これに限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、図17のS124において確変フラグがリセットされたときに、演出制御コマンドとして確変終了コマンドを表示制御用マイクロコンピュータ800へ出力し、表示制御用マイクロコンピュータ800は確変終了コマンドを受信したときに確変状態が終了したか否かを判定するように構成してもよい。
(21) 第1表示制御プロセス処理における図38のS894、S895に対応する第2表示制御プロセス処理における同様のステップでは、前回実行された予告演出が前述したガセ予告であった場合にもフラグのセット(「1」加算)を行なうものを示した。しかし、それに限らず、ガセ予告は予告演出と見なさずS895によるフラグのセット(「1」加算)を行なわないようにしてもよい。
(22) 前述の実施の形態では、予告対象変動表示部の変動開始時から一定時間(たとえば、3秒)遅れて予告演出(自己予告演出および代理予告演出)が開始されるものを説明した。しかし、これに限らず、予告対象変動表示部の変動開始時から予告演出(自己予告演出および代理予告演出)が開始されるまでの遅延時間を乱数によりランダムに決定するように制御してもよい。
さらには、予告対象変動表示部の変動開始と同時に予告演出(自己予告演出および代理予告演出)が開始されるように制御してもよい。この場合には、図34のS832のステップが、「予告演出実行中?」となり、予告対象変動表示部の変動開始時に既に非予告対象変動表示部により予告演出が実行されているか否かを判定する内容となり、かつ、図38のS891m、図44のS891maが不要となる。
また、前述の実施の形態では、自己予告演出(リーチ予告演出)と代理予告演出との実行時期が重複する場合に、代理予告演出の実行時期の方を遅らせて重複を回避するものを説明したが、これに限らず、代理予告演出の実行時期を早めて重複を回避するように制御してもよい。
さらに、前述の実施の形態では、重複する予告演出として、代理予告演出とリーチ予告演出の自己予告演出(S832a、S891n参照)とを対象にしている。しかし、それに限らず、代理予告演出と、リーチ予告演出の自己予告演出およびガセの大当り予告の自己予告演出とを、対象にし、自己予告演出(ガセの大当り予告演出)と代理予告演出との実行時期が重複する場合にも、代理予告演出の実行時期をずらせて(遅らせるまたは早める)、重複を回避するように制御してもよい。
(23) 前述した実施の形態においては、図38のS891m、S891n、および図44のS891ma、S891naの判断処理により予告演出開始タイミングをずらす例について説明した。しかし、これに限らず、S819aおよびS823aにおいてセットする値を異ならせることにより予告演出開始タイミングをずらすように構成してもよい。
(24) 前述の実施の形態では、乱数(RTの抽出値)を利用して予告演出を実行させる飾り変動表示部を選択するものを説明した(図35参照)。しかし、これに限らず、或る飾り変動表示部についての予告演出を必ず他の飾り変動表示部で実行させるようにし、代理予告演出しか行なわないように制御してもよい。
(25) 前述した実施の形態においては、図6、図7に示す予告内容決定用のテーブルを利用して図29、図30の第1予告演出決定処理により予告実行の有無と予告内容(リーチ予告か大当り予告かの内容)を決定し、図8(a)の予告演出時間テーブルと図9の予告演出内容選択テーブルを利用して図36の第1図柄予告種類決定処理により予告演出内容(演出1〜3、デモ中専用演出、停止中専用演出)の選択を行い、図8(b)の変動表示部選択テーブルを利用して図34、図35の予告実行変動表示装置選択処理により何れの変動表示部で予告演出を実行するかを選択し、また図38のS891nにより予告実行タイミングを決定している。しかし、これに限らず、1つのランダムカウンタから抽出された乱数により1つの総合テーブルをルックアップして同時に、予告実行の有無と予告内容と予告演出内容と何れの変動表示部で予告演出を実行するかと予告実行タイミングとを決定するようにしてもよい。たとえば、図29、図30のS506、S506、S508、S510、S513、S513a、S515、S516c、S516e、S518、S520、S523、S523a、S525、図36のS851、S853、図35のS844、S845、図38のS891nの各ステップの代わりに、1つのランダムカウンタから乱数を抽出し、その抽出された乱数により総合テーブルをルックアップして同時に、予告実行の有無と予告内容と予告演出内容と何れの変動表示部で予告演出を実行するかと予告実行タイミングとを決定する制御ステップにする。総合テーブルは、抽出乱数の属する範囲によって、予告実行の有無と予告内容と予告演出内容と何れの変動表示部で予告演出を実行するかと予告実行タイミングとが所定の確率で振分けられて決定されるように構成する。なお、総合テーブルをルックアップして同時に決定するものとしては、必ずしも予告実行の有無と予告内容と予告演出内容と何れの変動表示部で予告演出を実行するかと予告実行タイミングとの5つ全てでなくてもよく、そのうちの4つ、3つあるいは2つを同時に決定してもよい、
ようするに、第1の始動条件が成立したことを条件として第1の変動表示部に所定の表示結果が導出表示されることを予告する予告演出を実行するか否かを判定する予告判定手段と、該予告判定手段により前記予告演出を実行すると判定されたときに、前記第1の変動表示部および前記第2の変動表示部の中から前記予告演出を実行させる変動表示部を決定する予告演出変動表示部決定手段と、前記予告演出変動表示部決定手段により決定された変動表示部に実行させる前記予告演出の種類を複数種類の前記予告演出の中から選択する予告演出種類選択手段と、予告演出を実行するタイミングを決定するタイミング決定手段との各手段のうちの任意の2つ以上の手段が、予告演出を実行の有無と予告演出変動表示部の決定と予告演出種類の選択と予告演出を実行するタイミングとのうちの任意の2つ以上を所定の確率に従って決定するための確率振分けテーブルと、数値データ更新手段から数値データを抽出し、該数値データに基づいて前記確率振分けテーブルを参照して予告演出を実行の有無と予告演出変動表示部の決定と予告演出種類の選択と予告演出を実行するタイミングとのうちの任意の2つ以上を同時に決定する同時決定手段とで構成されている。
(26) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
8 第1特別図柄表示器、8k 第1飾り変動表示部、9 第2特別図柄表示器、9k 第2飾り変動表示部、1 パチンコ遊技機、53 遊技制御用マイクロコンピュータ、55 RAM、800 表示制御用マイクロコンピュータ。