以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音(効果音)が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
下皿63の左部には、遊技者が操作可能な十字ボタン67(本発明の効果音調節手段に相当)が備えられており、その右側には確定ボタン68(本発明の効果音調節手段及び音量復帰手段に相当)を備えたものとなっている。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。また、本機は機外に賞球を払出す構成となっているが、所定数の遊技球を機内に封入し、発射した遊技球を遊技機内で回収して循環的に使用することで遊技を行う封入式遊技機としても何ら問題ない。また、本発明は、パチンコ遊技機だけではなく、後述する演出図柄表示装置と同等の演出用の表示装置を備えた回胴式遊技機等に採用しても同様の効果を発揮するものである。
図2は、本実施例におけるパチンコ機50の遊技盤1の正面図である。遊技盤1は、前記内枠70に対して着脱可能に取り付けられており、背面側が目視可能なように透明な合成樹脂性の板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。遊技盤1には公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が形成されている。
遊技領域3の中央付近には、それぞれが特図に対応する演出用の擬似演出図柄の変動表示を可能とするLCDパネルを有する第1演出図柄表示装置6(本発明の第1表示装置に相当)と、この第1演出図柄表示装置6と同一形状のLCDパネルを有する第2演出図柄表示装置106(本発明の第2表示装置に相当)とが、透明な遊技盤1を透して目視できるように、遊技盤1の背面側に上下2段に設けられている。なお、遊技領域3には風車や多数の遊技釘が植設されている。
遊技領域3は、第1演出図柄表示装置6と第2演出図柄表示装置106とを避けるように左右に分けられ、左側が第1遊技領域3a、右側が第2遊技領域3bとなる。従って、遊技球が所定の発射強度以上で発射され、図に示したA部まで到達すると第2遊技領域誘導路A1を転動し第2遊技領域3b(右側)に至り、所定の発射強度未満で発射されA部まで到達しなければ、遊技球は第1遊技領域3a(左側)を流下することになる。
遊技球を左側の第1遊技領域3aへ流下させるには発射ハンドル64を操作して遊技球を弱めに発射する「左打ち」を行う。これにより、第1演出図柄表示装置6と第2演出図柄表示装置106との直下に配置された第1始動口11への入球を狙える。第1始動口11は、常時、遊技球の入球が可能で、入球により第1特別図柄の当否判定(本発明の当否判定に相当)が実行される。
左側の第1遊技領域3aの下流部にはガイドレール2bの下端部沿いに、遊技盤1内へ遊技球を取り込むアウト口13bと、通常入球が可能な複数の普通入賞口31、32、33が配置されている。
一方、遊技球を右側の第2遊技領域3bへ流下させるには発射ハンドル64を操作して遊技球を強く発射する「右打ち」を行う。第2遊技領域3bには、常時、遊技球が通過可能に設けられた普通図柄作動用ゲート17、ミニアタッカー式の普通電動役物からなる第2始動口12、大入賞口14、及び通常入球が可能な普通入賞口34が配置されている。第2始動口12は普通電動役物(普電役物)の開放時にのみ入球可能となっているが、所謂電動チューリップ型とし、作動していない時でも入球可能な構成としてもよい。なお、遊技領域3の略中央に配置されたセンター役物5の樹脂成型部と遊技釘とによって、第2遊技領域3bを流下した遊技球は第1始動口11には入球不可となっている。
第2遊技領域3bの下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7、普通図柄保留数表示装置8と、セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10と、複数個のLEDからなる第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19とが配置されている。この位置に配置した各種表示装置の表示内容を遊技者が確実に認識することは困難となり、遊技中の遊技者は演出図柄表示装置6の表示内容に注目して遊技を行う。
上記のように遊技盤1を構成することによって、第1遊技領域3aに遊技流を流下させた場合に限り第1始動口11に遊技球が入球(第1始動口スイッチ11a(図4参照)が遊技球を検出)し、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。
第2遊技領域3bに遊技球を流下させると、普通図柄始動ゲート17に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ17a(図4参照)が遊技球を検出)し、普通図柄表示装置7で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普電役物ソレノイド12b(図4参照)を駆動させる。普電役物ソレノイド12bが駆動すると、ほぼ同期して普通電動役物のミニアタッカーが開放作動して、第2始動口12への入球(第2始動口スイッチ12a(図4参照)の検出)が可能となるように構成されている。従って、普通図柄始動ゲート17と第2始動口12とに遊技球を入球させるためには第2遊技領域3bへ遊技球を流下させなければならない。第2始動口12である普通電動役物に遊技球が入球(第2特図始動スイッチ12a(図4参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄(以降、第1特図ともいう)及び第2特別図柄(以降、第2特図ともいう)の変動中は、第1演出図柄表示装置6及び第2演出図柄表示装置106において各々の特別図柄の変動に連動した擬似図柄の変動演出態様(本発明の第1演出モードと第2演出モードとに相当)を表示する。また、第1特図と第2特図とは、同時に変動することはなく、第1始動口11と第2始動口12への入球順に関係なく、第2特図の変動(当否判定)を優先して実施する。具体的には、第1特図の保留記憶がある場合、第2特図の変動が停止し、且つ、第2特図保留記憶が無い状態となって、第1特図保留記憶分の変動を開始する。
第1特図及び第2特図の確定表示した態様に応じて、後述する大入賞口ソレノイド14b(図4参照)が駆動する。大入賞口ソレノイド14bが駆動すると、ほぼ同期して大入賞口14の扉部材が開放し、大入賞口14への遊技球の入球(カウントスイッチ14a(図4参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
普通図柄始動ゲート17と、普通電動役物からなる第2始動口12と、大入賞口14は第2遊技領域3b(センターケース5の右側)を流下する遊技球のみが入球可能な位置に配置されているため、遊技状態が開放延長状態の場合と大入賞口14が開放動作を行う大当り遊技状態の場合は、発射した遊技球の全てが第2遊技領域3bに到達するように発射ハンドルを右打ち調整することになる。
続いて、図3に本実施例におけるパチンコ機の裏面図を示し説明する。パチンコ機50の裏面は図3に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、第1演出図柄制御装置82、第2演出図柄制御装置182、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。
主制御装置80、第1演出図柄制御装置82、第2演出図柄制御装置182、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
続いて、図4に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図4には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。
パチンコ機50の電気的構成は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、第1演出図柄制御装置82、第2演出図柄制御装置182、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させる普通図柄始動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、普通入賞口31、32、33、34に入球した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ31aの検出信号が遊技盤中継端子板74を介して入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特図表示装置9、第2特図表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特図保留数表示装置18、第2特図保留数表示装置19、普図保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普電役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12となる普通電動役物の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。
払出制御装置81は、主制御装置80と双方向通信が可能に構成され、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を駆動させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット24(プリペイドカードユニット)と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。尚、払出制御装置81と発射制御装置84とは払出制御装置81から発射制御装置84への一方向通信回路として構成されている。
サブ制御装置に該当するサブ統合制御装置83は、CPU、ROM、RAM等の電気部品を備え、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は第1演出図柄制御装置82と第2演出図柄表示装置182とに送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
第1演出図柄制御装置82及び第2演出図柄制御装置182は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が主制御装置80からの入力及び遊技者の十字ボタン67、確定ボタン68の操作に基づいて生成したものとがある)に基づく制御を行い、擬似図柄等の演出画像をそれぞれが制御する第1演出図柄表示装置6(本発明の第1演出表示装置に相当)と2演出図柄表示装置106(本発明の第2演出表示装置に相当)とに表示させる。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とはサブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置83の音制御装置としての機能部は、音制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。また、サブ統合制御装置83の音制御は、遊技者の十字ボタン67の操作に応じて出力音量が調節可能な構成となっており、同時に表示される第1演出図柄表示装置6の演出態様と第2演出図柄表示装置106の表示態様とに対応するそれぞれの効果音が、個々に音量調節可能となっている。具体的な調節方法と該調整時に第1演出図柄表示装置6と第2演出図柄表示装置106とに表示される内容は、図を用いて後述する。
また、サブ統合制御装置83自体に十字ボタン67によって調節可能な効果音の出力範囲を設定可能とする音量レベル設定スイッチ83a(本発明の音量範囲設定手段に相当)が配置されており、遊技機の裏面に配置されていることにより、遊技場のスタッフのみが操作可能となっている。音量レベル設定スイッチ83aによる具体的な設定内容は、図17を用いて後述する。
また、サブ統合制御装置83には、上述した十字ボタン67の操作を検出する第1十字ボタンスイッチ67a、第2十字ボタンスイッチ67b、第3十字ボタンスイッチ67c、第1十字ボタンスイッチ67dと確定ボタンスイッチ68aが接続されており、遊技者が十字ボタン67又は確定ボタン68(どちらも本発明に係る効果音調節手段に相当)を操作すると、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
次に、本実施例のパチンコ遊技機50の作動内容について説明する。本実施例では、大当りが生起すると、全ての大当り遊技終了後は高確率状態且つ開放延長状態(時短状態)に移行し、特別図柄の変動回数が所定回数に至るまでその状態を保持する構成となっている。尚、高確率状態と開放延長状態は個別に移行可能な機能である。また開放延長状態は、普通図柄と共に特別図柄の変動時間が短縮されるので時短状態ともいう。
高確率状態は、後述する「確変フラグ」及び「確変カウンタ」により規制され、高確率状態に移行してからの特図の変動回数が予め決められた所定の回数に達するまで、又は大当りが生起するまで継続する。同様に開放延長遊技状態も、後述する「時短フラグ」及び「時短カウンタ」によって規制され、開放延長状態に移行してからの特図の変動回数が予め決められた所定の回数に達するまで、又は大当りが生起するまで継続する。
第1特別図柄と第2特別図柄の大当り確率は、ともに通常遊技状態では「1/300」であり、高確率状態では「1/30」となる。普通図柄の変動時間は、通常遊技状態では「6秒」、開放延長状態では「0.5秒」となる。普通電動役物(第2始動口12)の開放は、通常遊技状態では「1秒、又は6秒(所定の確率で実施される通常遊技状態時のロング開放)を1回」であり、開放延長遊技状態では「5秒を1回」となる。
本実施例のパチンコ遊技機50は、大当り遊技終了後から特別図柄が50回変動するまで高確率状態及び開放延長状態を継続する所謂STタイプと呼称される遊技仕様となっている。また、第1特別図柄と第2特別図柄とは共通して大当り図柄の種類として15ラウンド図柄、7ラウンド図柄、4ラウンド図柄の3種類を備え、それぞれの図柄が示すラウンド数は、当該図柄で大当りした場合の大当り遊技として大入賞口14が開放作動する回数(1回の開放動作は9カウント又は29秒の開放で終了)を示している。また、どの図柄で大当りした場合でも、大当り遊技終了後から特図が50回変動するまで高確率状態及び開放延長状態を継続する(所謂ST期間)。
また、第1特別図柄の場合、15ラウンド図柄には4/10で振り分けられ、7ラウンド図柄、4ラウンド図柄にはそれぞれ3/10で振り分けられ、第2特別図柄の場合、15ラウンド図柄には5/10で振り分けられ、7ラウンド図柄には3/10で振り分けられ、4ラウンド図柄には2/10で振り分けられる。従って、第2特別図柄が大当りした場合の方が、遊技者がより多くの遊技球を獲得する割合が多くなる。このことより、主に第2特図が変動する大当り遊技終了後のST期間は遊技者にとって期待感の高い遊技期間となる。
次に、図5を用いて、主制御装置80が実行するメインルーチンを説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S75までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS80の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
S10が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S80)に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理(S20)、大当り決定用乱数更新処理(S25)、大当り図柄決定用乱数1更新処理(S30)、大当り図柄決定用乱数2更新処理(S35)、小当り図柄判定用乱数更新処理(S40)、当り決定用乱数更新処理(S45)、リーチ判定用乱数更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数更新処理(S55)が行われる。
続く入賞確認処理(S60)では、第1始動口11、第2始動口12、普通入賞口31、32、33、34への入賞、及び普通図柄作動ゲート17、大入賞口14への入球、及びパチンコ機に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。続いて、当否判定処理(S65)、画像出力処理等の各出力処理(S70)、不正監視処理(S75)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S80)をループ処理する。
次に図6のフローチャートを用いて、図5の入賞確認処理S60の一つである始動入賞処理を説明する。始動入賞処理は、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置80に格納(記憶)するとともに、記憶した乱数が予め設定された値か否かを後述する当否判定を実施する以前に確認する処理(先読判定手段)を行い、第1始動口11及び第2始動口12への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を主とする。以後、第1始動口11に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口12に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄始動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置8、第1特図保留数表示装置18、第2特図保留数表示装置19による各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっているが、これに限るわけではなく、例えばそれぞれの最大記憶個数が8個であってもよい。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置80に格納される。
本処理を開始すると、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否か判定する(S100)。否定判定なら(S100:no)S130に進み、肯定判定なら(S100:yes)、主制御装置80に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S105)。否定判定なら(S105:no)S130に進み、肯定判定であれば(S105:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S110)。
S110に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S115)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、小当りを生起する値か否かを確認し、ハズレならリーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、記憶した乱数値が、遊技者が大当りの期待が持てる特定の値か否か(はずれでも大当りを期待させる演出が可能な否か)を判定する。
続いて、S115の判定結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S120)、S110で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S125)。
S125の処理、又はS100、S105の否定判定(S100:no、S105:no)に続いては、第2始動口スイッチ12aが遊技球を検出したか否か判定する(S130)。否定判定なら(S130:no)S160に進み、肯定判定なら(S130:yes)、主制御装置80に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S135)。否定判定なら(S135:no)S160に進み、肯定判定であれば(S135:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算し(S140)、S110と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S145)。
続いて、S145の判定結果から第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置83に送信し(S150)、S140で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S155)、S160に進む。
S160では、普通図柄作動スイッチ17aが遊技球を検出したか否か判定する(S160)。否定判定なら(S160:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S160:yes)、主制御装置80に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S165)。否定判定なら(S165:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S165:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S170)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S175)、リターンする。
サブ統合制御装置83は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する各保留記憶数を示す保留図柄の数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。また、先読判定コマンドを受信すると該コマンドの内容に応じて保留図柄の表示態様を変化させることで当否判定を行う前から大当りを期待させる演出を行う。本実施例では、第1演出図柄表示装置6及び第2演出図柄表示装置106上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物(第2始動口12)の開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。
次に図7,8,9,10を用いて主制御装置80が行う特図当否判定処理を説明する。この処理は、本発明における当否判定手段に相当し、主制御装置80が第1始動口11又は第2始動口12への遊技球の入球時に取得した大当り判定用乱数と当否判定時の遊技状態(通常遊技状態か高確率遊技状態か)とに応じて大当りを生起させるか否か判定(本発明の当否判定に相当)し、判定結果が大当りなら、大当り図柄判定用乱数に基づいて大当り遊技の内容及び大当り遊技終了後の遊技状態を選択し、選択した大当り遊技に対応した複数の大当り図柄の中から確定表示を行う大当り図柄を決定する。
図7に示す特図当否判定処理を開始すると、主制御装置80は条件装置が未作動か否か判定する(S200)。この判定は大当りフラグに基づいて行われる。大当りフラグとは、特別図柄の抽選で当選した場合(取得した大当り判定用乱数の値が予め定められた所定の値と一致していた場合)に立つフラグである。S200が否定判定なら(S200:no)、後述する特別遊技処理に進み、S200が肯定判定であれば(S200:yes)、特別図柄が変動停止中であるか(S205)、確定図柄の非表示期間であるか(S210)の判定が行われる。
S205、S210の両方が肯定判定なら(S205:yes、S210:yes)、図8に進み、第2保留記憶があるか否か判定する(S220)。肯定判定なら(S220:yes)、S230に進み、否定判定なら(S220:no)、第1保留記憶があるか否か判定する(S225)。S225が否定判定なら(S225:no)特別遊技処理に進み、肯定判定なら(S225:yes)、S230に進む。このS220とS225の判定順により、第2保留記憶の当否判定を第1保留記憶よりも優先して実施する構成となっている。
S230では、時短フラグが0か否か判定する(S230)。否定判定なら(S230:no)、時短状態中の処理に進むが、この処理は公知の処理と何ら変わりない(選択する変動パターンの時間設定が異なる)ため説明は割愛する。
時短フラグは、主制御装置80にて記憶される値であり、時短フラグの値が「0」のときは、時短状態ではないことを、時短フラグの値が「1」のときは、時短状態であることを主制御装置80が判断する。時短状態では、普通図柄、第1及び第2特別図柄の変動時間が短縮されるとともに、開放延長機能が作動し普通電動役物の作動回数が増加するとともに作動時間が通常状態よりも延長される。
S230が肯定判定なら(S230:yes)判定する第1保留記憶又は第2保留記憶のシフト処理を行い、これにより最も古い第1保留記憶又は第2保留記憶を当否判定の対象とするとともに、対象となった第1又は第2保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算し(S235)、該減算した保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S240)。
続く、大当り判定用乱数比較処理では、特図当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数と予め設定された特図当否判定テーブルとを比較して、大当り判定用乱数の値が特図当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する(S245)。特図当否判定テーブルは通常確率(低確率1/300)用と高確率用(1/30)の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常確率状態(通常遊技状態)であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率遊技状態であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
続いてS245の比較結果が大当りか否かを判定し(S250)、肯定判定なら(S250:yes)、図柄モード設定処理を行う(S255)。図柄モード設定処理では、判定対象となる第1又は第2保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容とを決定する図柄モードを設定する。
続いて、設定した図柄モードの種類と大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S260)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当り遊技の種類を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から確定表示する大当り図柄を決定する処理となる。
次にS255で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S265)。モードバッファは当否判定時に確定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、具体的な遊技内容に対応した値を記憶する構成となっている。
次に、S255で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S270)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S275)。
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置83へ送信する(S280)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、第1演出図柄制御装置82は第1演出図柄表示装置6を制御し、第2演出図柄制御装置182は第2演出図柄表示装置106を制御し、第1又は第2特別図柄の大当り図柄及び変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した擬似図柄の演出変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S250が否定判定、即ちハズレなら(S250:no)、S245の比較処理の結果が小当りであるか否か判定する(S285)。肯定判定なら(S285:yes)、小当り図柄を選択し(S290)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S270)、小当り図柄に対応する変動パターン選択処理を行い(S275)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S280)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき、第1演出図柄制御装置82は第1演出図柄表示装置6を制御し、第2演出図柄制御装置182は第2演出図柄表示装置106を制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は、第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S285が否定判定なら(S285:no)、ハズレ図柄を選択し(S295)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S275)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S280)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき、第1演出図柄制御装置82は第1演出図柄表示装置6を制御し、第2演出図柄制御装置182は第2演出図柄表示装置106を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した擬似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
図7の処理に戻り、S205が否定判定(S205:no)、即ち特別図柄が変動中なら、図9のフローチャートに進み、特図の変動時間(S275で選択した変動パターンに基づく)が経過したか否かを判定し(S300)、否定判定なら(S300:no)特別遊技処理に進み、肯定判定なら(S300:yes)、確定コマンドをサブ統合制御装置83に出力するとともに、第1特図表示装置9又は第2特図表示装置10を制御してS260、S290又はS295で決定した図柄を確定表示させる(S305)。確定コマンドを受信したサブ統合制御装置83は第1図柄制御装置82及び第2図柄制御装置12に予め決めておいた擬似(演出)図柄を確定表示させる指示信号を出力し、第1演出図柄制御装置82は、その信号により第1演出図柄表示装置6を制御して擬似(演出)図柄を確定表示させ、第2演出図柄制御装置182も第2演出図柄表示装置106を制御して、二つの演出図柄表示装置上の特図変動に係る演出を終了する。これにより、特別図柄と演出図柄表示装置に表示する擬似(演出)図柄の変動の開始と終了が同じタイミングになる(同期する)。
S305の処理に続いては、確定表示した特別図柄が大当りを示すか否かを判定し(S310)、肯定判定なら(S310:yes)、確定図柄表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S315)、確変フラグが1か否か(現在が高確率状態であるか否か)を判定する(S320)。S320が肯定判定なら(S320:yes)、確変フラグに0をセットし(S325)、S325、又はS320の否定判定(S320:no)に続いては時短フラグが0か否か判定する(S330)。S330が肯定判定なら(S330:yes)、時短フラグに0をセットし(S335)、S335、又はS330の否定判定(S330:no)に続いては、大当りフラグを立てる条件装置作動開始処理を行い(S340)、役物連続作動装置作動開始処理を行い(S345)、サブ統合制御装置83に大当り開始コマンドを送信し(S350)、上記処理に基づく遊技状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S355)、特別遊技処理に進む。
S310が否定判定(S310:no)、即ち、確定表示した特別図柄が大当りを示さない場合、確定図柄表示設定処理(確定図柄の表示時間設定)を行い(S360)、確変フラグが1か否か判定する(S365)。S365が肯定判定なら(S365:yes)、確変カウンタから−1するデクリメント処理を行い(S370)、確変カウンタの値が0か否か判定する(S375)。S375が否定判定なら(S375:no)S385に進み、肯定判定なら(S375:yes)、確変フラグに0を設定し(S380)、S380、又はS365、S375に否定判定(S365:no、S375:no)に続いては、時短フラグが1か否か判定し(S385)、否定判定なら(S385:no)S405にすすみ、肯定判定なら(S385:yes)時短カウンタから−1するデクリメント処理を行い(S390)、時短カウンタの値が0か否か判定する(S395)。S395肯定判定なら(S395:yes)、時短フラグに0を設定する(S400)。
続いて、上記処理(S365からS400)でST期間が終了したか否か判定し(S405)、肯定判定なら(S405:yes)、サブ統合制御装置83にST終了コマンドを送信する処理を行う(S410)。S410、又はS385、S395、S405の否定判定(S385:no、S395:no、S405:no)に続いては、確定表示された特別図柄が小当り図柄か否かを判定し(S415)、否定判定なら(S415:no)特別遊技処理に進み、肯定判定なら(S415:yes)、小当り開始演出指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して小当り遊技開始処理を行ない(S420)、特別遊技処理に進む。
図7に戻り、S210が否定判定(S210:no)、即ち、特別図柄が確定表示中なら、図10に進みS315又はS360で設定された確定図柄表示時間が終了したか否かを判定する(S450)。否定判定なら(S450:no)特別遊技処理に進み、肯定判定なら(S450:yes)、第1特図表示装置9又は第2特図表示装置10を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置83に指示信号を送信して擬似(演出)図柄の確定表示を終了させる確定図柄表示終了処理を行い(S455)特別遊技処理に進む。
以上が、主制御装置80が実行する特別当否判定処理となる。本実施例では、図6に示したように、始動入賞処理時に当否判定結果を報知する図柄の種類と変動パターンを選択する乱数(大当り図柄決定用乱数、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数)を取得したが、これらの乱数を当否判定処理時に取得する構成であってもよい。
次に、図11から図14を用いて、主制御装置80が実行する特別遊技処理を説明する。本処理は、図8のS270で設定された大入賞口14の開放パターンに基づいて、大入賞口14の開閉を制御する処理となり、本発明の特別遊技手段に相当する。
本処理を開始すると、大当りフラグに基づいて条件装置が未作動か否かを判定する(S500)。肯定判定、即ち、大当り中でなければ(S500:yes)、小当り遊技として大入賞口14が作動中か否かを判定する(S505)。S505が否定判定なら(S505:no)リターンし、肯定判定なら(S505:yes)、小当り開始インターバル中であるか否かを判定し(S510)、肯定判定なら(S510:yes)、小当り開始インターバル時間が経過したか否かを判定し(S515)、否定判定なら(S515:no)リターンし、肯定判定なら(S515:yes)、小当り遊技として大入賞口14を開放するとともに、サブ統合制御装置83に小当り演出指示コマンドを送信し(S520)リターンする。
S510が否定判定なら(S510:no)、小当り動作中か否かを判定し(S525)、肯定判定なら(S525:yes)、カウントスイッチ14aが遊技球を検出したか否か判定し(S530)、肯定判定なら(S530:yes)、当該小当り遊技時の大入賞口14への遊技球の入球数が9個未満か否か判定する(S535)。S530が否定判定(S530:no)、又はS535が肯定判定(S535:yes)なら、大入賞口14の小当り遊技の開放時間が経過したか否か判定し(S540)、否定判定なら(S540:no)リターンする。
S535が否定判定(S535:no)、又はS540が肯定判定(S540:yes)なら、小当り遊技を行う大入賞口14の閉鎖処理を行い(S545)、続いて小当り終了演出処理を行い(S550)リターンする。
S525が否定判定で小当り遊技中ではないなら(S525:no)、小当り終了演出の時間が経過したか否かを判定し(S555)、否定判定なら(S555:no)リターンし、肯定判定なら(S555:yes)、小当り遊技終了処理を行ない(S560)リターンに抜ける。
S500が否定判定、即ち大当りフラグが立っていれば(S500:no)、図12のフローチャートに進み、大入賞口14が閉鎖中か否か判定し(S600)、肯定判定なら(S600:yes)、大当り遊技の開始演出中か否か判定する(S605)。S605が肯定判定なら(S605:yes)、大当り遊技の開始演出時間が経過したか否かを判定し(S610)、否定判定なら(S610:no)リターンし、肯定判定なら(S610:yes)、大入賞口14の開放処理を行うとともに、サブ統合制御装置83に大入賞口開放演出を指示するコマンドを送信し(S615)リターンする。
S605が否定判定なら(S605:no)、即ち、大当り遊技の開始演出中ではないなら、ラウンド間インターバル中か否か判定し(S620)、否定判定なら(S620:no)、大当り遊技の終了演出中か否か判定し(S630)、否定判定なら(S630:no)、大当り開始演出処理を行いサブ統合制御装置83に大当り開始演出を指示するコマンドを送信し(S635)リターンする。
S635で主制御装置80がサブ統合制御装置83に大当り開始演出指示コマンドを送信すると、該コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、パチンコ機に設けられたランプ、LEDを大当り遊技演出用に激しく発光させたり、大当り遊技用の音をスピーカから出力させる。また、サブ統合制御装置83は、演出図柄制御装置82に信号を送信し、演出図柄表示装置6において大当り開始演出を表示させる。
S620が肯定判定、即ち、ラウンド間インターバル中なら(S620:yes)、インターバル時間が経過したか否か判定し(S625)、否定判定なら(S625:no)リターンし、肯定判定なら(S625:yes)、大入賞口14の開放処理を行い(S615)リターンする。
S600が否定判定、即ち、大入賞口14が開放中なら(S600:no)、図13のフローチャートに進み、カウントスイッチ14aが遊技球を検出したか否か判定し(S700)、肯定判定なら(S700:yes)、当該開放のカウントスイッチ14aの検出数が9個未満か否か判定する(S705)。S700の否定判定、又はS705が肯定判定(S700:no、S705:yes)なら、大入賞口14の開放時間が経過したか否か判定し(S710)、否定判定なら(S710:no)リターンし、S705が否定判定(S705:no)、又はS710が肯定判定なら(S710:yes)、大入賞口14の閉鎖処理を行い(S715)、終了した大入賞口14のラウンド遊技が最終ラウンドか否か判定する(S720)。
S720が肯定判定なら(S720:yes)、大当り終了演出処理を行い、サブ統合制御装置83に大当り終了演出を指示するコマンドを送信し(S725)リターンする。S720が否定判定なら(S720:no)、ラウンド遊技間インターバル処理を行い、サブ統合制御装置83にインターバル演出を開始する指示信号を送信し(S730)リターンする。
図12に戻り、S630が肯定判定、即ち、大当り終了演出中なら(S630:yes)、図14のフローチャートに進み、大当り終了演出時間が経過したか否か判定する(S800)。S800が否定判定なら(S800:no)リターンに抜け、S800が肯定判定なら(S800:yes)、役物連続作動装置の停止処理(S805)と条件装置の作動停止処理(S810)を行って大当り遊技を終了し、図8のS265(モードバッファ設定処理)で設定したモードバッファを参照して(S815)、確変フラグ(S820)、確変カウンタ(S825)、時短フラグ(S830)、時短カウンタ(S835)を設定し、モードバッファをクリアし(S840)、サブ統合制御装置83に終了コマンドと(S845)、設定した確変フラグと時短フラグに基づく状態指定コマンドを送信し(S850)、大当りフラグに0をセットして(S855)リターンする。
以上が特別遊技処理の説明となるが、S820からS835の設定によって、大当り遊技終了後は特図が50回変動するまでは高確率状態及び開放延長(時短)状態を継続する。
次に、図15を用いて、サブ統合制御装置83が実行する変動指示コマンド受信処理を説明する。本処理は、主制御装置80から受信した変動指示コマンドの内容と該受信時にサブ統合制御装置53が抽出する乱数値とに基づいて、第1演出図柄表示装置6及び第2演出図柄表示装置106上に表示する擬似演出の態様を選択し、選択した擬似演出の表示を指示する処理となり、本発明の第1演出表示手段と第2演出表示手段とに相当する。
本処理を開始すると、主制御装置80から変動指示コマンドを受信したか否か判定する(S900)。否定判定なら(S900:no)リターンし、肯定判定なら(S900:yes)、振分乱数を抽出し(S905)、受信した変動指示コマンドの内容とS905で抽出した振分乱数とに基づいて、サブ統合制御装置83が記憶する複数種類の第1擬似演出態様の中から第1演出図柄表示装置6に表示する1つの表示態様と確定表示する擬似(演出)図柄とを選択し(S910)、選択した擬似演出態様及び確定擬似図柄を第1演出図柄表示装置6に表示する指示信号を第1演出図柄制御装置82に送信する(S915)。
続いて、受信した変動指示コマンドの内容とS905で抽出した振分乱数とS910で選択した擬似演出態様とに基づいて、サブ統合制御装置83が記憶する複数種類の第2擬似演出態様の中から第2演出図柄表示装置106に表示する表示態様を選択し(S920)、選択した擬似演出態様を第2演出図柄表示装置106に表示する指示信号を第2演出図柄制御装置182に送信し(S925)リターンする。
以上が、本実施例のパチンコ遊技機50においてサブ統合制御装置83が実行する変動指示コマンド受信処理となり、1つの当否判定の結果から生成された変動指示コマンドに基づいて第1演出図柄表示装置6と第2演出図柄表示装置106との各々の表示装置にて異なる内容を表示する処理となる。
次に、図16を用いて、サブ統合制御装置83が実行する音量復帰処理を説明する。本処理は、パチンコ遊技機50が待機状態(前記当否判定、又は前記特別遊技を行っていないこと)であることを条件として、遊技者の所定の操作に応じて出力音量を初期状態に復帰させる処理となり、本発明の音量復帰手段に相当する処理となる。
本処理を開始すると、遊技機が待機状態か否か判定し(S950)、否定判定なら(S950:no)リターンし、肯定判定なら(S950:yes)、確定ボタンスイッチ68aからの信号を検出したか否か判定し(S955)、否定判定なら(S955:no)リターンし、肯定判定なら(S955:yes)、出力音量初期状態復帰処理を行い(S960)リターンする。
以上が本実施例においてサブ統合制御装置83が実行する音量復帰処理となり、この処理によって、個々の遊技者の好みに応じて十字ボタン67操作によって様々に調節された第1演出図柄表示装置6に対応する第1効果音と第2演出図柄表示装置106の対応する第2効果音とが、確定ボタン68を1回押すという簡潔な操作で初期状態に復帰(再設定)する(後述する図25,26参照)。
次に図17を用いて、音量レベル設定スイッチ83aによって設定可能な音量レベル(スピーカ66から出力される音の大きさ)の設定範囲について説明する。十字ボタン67によって調節可能な効果音出力の音量レベルは、レベル1からレベル10までの10段階あり、この範囲の中で4種類の範囲設定が行える構成となっている。具体的には、音量レベル設定スイッチ83aによって設定段階を1にすると、十字ボタン67によって調節可能な効果音出力の音量レベルは1から10まで全ての範囲において調節可能となり、これならば、遊技者が全ての音量レベルの中から好適な音量レベルを選択することができる。設定段階を2にすると、音量レベル3から10までの範囲において調節可能となり、遊技店として音量が小さすぎて閑散とした雰囲気を出したくない場合は音量レベルに下限を設けた本段階が好適である。設定段階を3にすると、音量レベル1から7までの範囲において調節可能となり、遊技店として音量が大きすぎて周りの遊技客に迷惑をかけたくない場合は音量レベルに上限を設けた本段階が好適である。設定段階を4にすると、音量レベル3から7までの範囲(最も狭い)において調節可能となり、音量レベルが小さすぎるのも大きすぎるのも避けたい場合に本段階が好適である。
全ての段階において遊技者が音量レベル1から10までの全ての範囲で音量調節可能としたうえで、各設定段階では出力音量の初期状態復帰処理が行われた場合の初期音量を設定する構成としてもよい。
次に図18,19を用いて、効果音の音量調節を行う場合の十字ボタン67の具体的な操作方法と、調節可能な選択項目について説明する。図18(1)は十字ボタン67を上から見た略図となる。十字ボタン67による効果音出力の具体的な調整方法は、十字ボタン67の選択(上)と選択(下)のボタンで図19(3)の選択項目から調節したい項目を選択し、確定ボタンで選択項目を確定する。選択した項目が図19(3)のA,B,Eのいずれかなら、十字ボタン67のUP(右)とDOWN(左)のボタンを操作し好みの音量(音の大きさ)に調節する。
図20から図24は、十字ボタン67を操作して効果音の音量調節をする場合の第1演出図柄表示装置6と第2演出図柄表示装置106との表示例となる。図20は、第1効果音の音量を調節する場合(十字ボタン67の選択(上下)ボタンで図19(3)の選択項目「1」を選択した場合)であり、この場合、(a)に示す第1演出図柄表示装置6には、画面のほぼ全域にS910で選択された第1演出モード(本発明の第1演出モードに相当)となる演出態様(図例では空手モード)を表示し、画面左上部に特図の変動に対応した擬似図柄(左中右)を表示し、画面左下部に第1特図の保留記憶数を示す保留図柄を表示し、画面右下部に当該第1演出モードに対応した効果音の出力状況として第1出力状況表示部を表示する。
この第1出力状況表示部には、表示している第1演出モードとなる演出態様に対応した第1効果音(本発明の第1効果音に相当)の名称と、現在の当該第1効果音の出力レベルを帯状のレベルメータ(10段階表示)で示す音量表示とが表示され、加えて、第1効果音の音量を調節が可能であることを示す音量調節有効表示が第1効果音の音量表示を囲むように表示される。
(b)に示す第2演出図柄表示装置106には、画面のほぼ全域にS920で選択された第2演出モード(本発明の第2演出モードに相当)となる演出態様(図例では熊の達吉の達吉モード)を表示し、画面左上部に第2特図の保留記憶数を示す保留図柄を表示し、画面右上部に当該第2演出モードに対応した効果音の出力状況として第2出力状況表示部を表示する。
この第2出力状況表示部には、表示している第2演出モードとなる演出態様に対応した第2効果音(本発明の第2効果音に相当)の名称と、現在の当該第2効果音の出力レベルを第1効果音と同態様の音量表示で表示する。
上述した表示内容により、遊技者は、音量調節有効表示が表示された第1効果音の音量調節が可能な状態であることが認識でき、この状態において十字ボタン67の左(DOWN)右(UP)を操作すると第1効果音の音量(音の大きさ)が変化する。
図21は、第2効果音の音量を調節する場合(十字ボタン67の選択(上下)ボタンで図19(3)の選択項目「2」を選択した場合)の表示例であり、この場合、図20で説明した音量調節有効表示が、第1演出図柄表示装置6ではなく第2演出モードを表示する第2演出図柄表示装置106の第2効果音音量表示部を囲うように表示される。従って、遊技者は第2効果音の音量調節が可能な状態であることが認識できる。
図22は、第1効果音の出力を停止した場合(十字ボタン67の選択(上下)ボタンで図19(3)の選択項目「1オフ」を選択した場合)の表示例であり、この場合、第1効果音の音量表示部にレベルメータの代わりに「OFF」の文字列が表示される。この表示により、遊技者は第1演出モードに対応した効果音が出力されていないことが認識できる。
図23は、第2効果音の出力を停止した場合(十字ボタン67の選択(上下)ボタンで図19(3)の選択項目「2オフ」を選択した場合)の表示例であり、この場合、第2効果音の音量表示部にレベルメータの代わりに「OFF」の文字列が表示される。この表示により、遊技者は第2演出モードに対応した効果音が出力されていないことが認識できる。
図24は、第1演出モードと第2演出モードとに共通の第3効果音を選択した場合(十字ボタン67の選択(上下)ボタンで図19(3)の選択項目「3」を選択した場合)の表示例となる。この場合、第1出力状況表示部と第2出力状況表示部の効果音名称が共通の第3効果音の名称(図例では「達吉統一曲」)となり、音量表示は、第3効果音の音量表示としてどちらの画面にも同一の音量を表示する。無論、効果音は同一でも、各々の音量を異なるレベルに調整可能としてもよいし、第3効果音を選択する前の設定レベルを維持する構成でもよい。誤選択で第3効果音を選択し、直ぐに元に戻すようなケースも考えられ、その場合は音量レベルを維持する構成の方が好適である。
次に、図25,26を用いて、パチンコ遊技機50が待機状態の場合に表示される効果音の初期状態への音量復帰を促す報知内容と復帰後の表示内容を説明する。この場合、第1演出図柄表示装置6には、確定表示したまま停止中の擬似図柄と、機種名と、十字ボタン67と確定ボタン68の模擬図形と、確定ボタン68を指す矢印と、現在設定されている第1効果音の音量を示す音量表示を表示し、第2演出図柄表示装置106には、現在設定されている第2効果音の音量を示す音量表示と、「矢印のボタンを押せば音量が元に戻ります」の文字列を表示する。
図25の表示に応じて、遊技者が確定ボタン68を操作すると、図26に示す表示内容に変化すると共に、第1効果音の音量と第2効果音の音量とが初期状態に復帰した状態となる。具体的な表示は、第1演出図柄表示装置6には、停止中の擬似図柄と機種名とが継続して表示され、第1効果音の音量が初期状態に復帰したことにより第1効果音の音量表示が初期状態であるレベル10の表示になる。また、第2演出図柄表示装置106には、「音量MAX」の文字列が表示されると共に、第1演出図柄表示装置6と同様に第2効果音の音量が初期状態に復帰したことにより第2効果音の音量表示が初期状態であるレベル10の表示になる。これならば、遊技者が変わった時などに、前に遊技していた遊技者の設定内容をイチイチ元に戻す作業を簡便な操作で行なうことができる。弾球遊技機や回胴遊技機は、一日に何人もの遊技者が遊技する特徴があり、人により好適な音量レベルが異なるため、これがあれば即座に初期状態に戻すことができる。
図27に効果音設定の変形例を示す。図27の変形例は、第1効果音又は第2効果音のどちらかを共通の効果音として設定可能とした場合の表示例となる。図例は、第2効果音を共通の効果音として設定した場合となり、第1演出モードの第1効果音を第2効果音に変更することで効果音を統一している。この変形例では、遊技中にどちらか気に入っている音声に統一することで、より快適に遊技を進行することができる。また、第1演出モードと第2演出モードとで異なる効果音を出力している状態で、ある程度聞き比べた後に好みに合わせてどちらかを選択したり、音量を上げたりすることができる。
以上が実施例の説明となる。本実施例のパチンコ遊技機50のように、特別図柄を複数備え、常時どちらか一方のみが変動表示(当否判定)を行う構成なら、二つの演出表示装置(第1演出図柄表示装置6と第2演出図柄表示装置106)の表示と各々の演出に応じた効果音は、どちらか一方の特別図柄に対応するため、その開始と終了とのタイミングは自ずと一致するが、複数(例えば2個)の特別図柄が個々に変動可能な構成(2種類の特図が同時に変動)とした場合は、第1演出図柄表示装置6と第2演出図柄表示装置106とで別々の特別図柄に対応した構成すると、表示と効果音の開始と終了とがばらばらのタイミングになってしまう。このような場合は、どちらの演出にも共通の第3効果音として、変動及び効果音出力の開始と終了に関連しないBGMをリピートする構成が考えられる。
実施例では、1つの当否判定結果に基づいた変動指示コマンドから第1演出図柄表示装置6と第2演出図柄表示装置106とに表示する二つの表示態様を選択したが、この選択は特定の変動パターン(特定のリーチ)の場合のみ実施し、それ以外は第1演出図柄表示装置6と第2演出図柄表示装置106とで統一した演出を行う構成としてもよく、この場合はリーチ演出の実施中のみ効果音の調節を可能としてもよい。
また、本実施例では効果音、音量のみで説明したが、同様に演出モードと組み合わせて選択可能としてもよい。また、効果音の選択と演出モードの選択が紐付されており、演出モードの選択が効果音の選択になる構成でもよい。その場合、その効果音に合った演出表示が行なわれるようになる。
また、輝度設定と組み合わせて選択可能としてもよい。遊技枠、遊技盤に設けられたLEDを第1演出モードにのみ対応させたり、第2演出モードのみに対応させたり、遊技者がどちらの演出モードをメインと捉えているかにより、周りの演出も合わせることができる。
また、待機状態時に音量復帰させる構成を示したが、変動中などに消音するための操作を備えても良い。遊技中に電話の応対を要する場合なども即座に消音することができる。