以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前側の位置に演出切替ボタン45が設置されている(操作入力受付手段)。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状のボタン(押下式の入力装置)により構成されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作することで演出モード(例えば遊技中のBGMの種類)を切り替えることができる。
また、演出切替ボタン45の周囲には、演出切替ボタン45を取り囲むようにジョグダイアル45aが設置されている(操作入力受付手段、回転式の入力装置)。遊技者は、このジョグダイアル45aを回転操作することで音演出の音量を切り替えることができる。
さらに、上皿6bには上皿ランプ51(光による光演出を実行するランプ)が配置されている。上皿ランプ51は、演出切替ボタン45の両脇(両側)に6個ずつ配置された合計12個のLEDランプ51L1〜51L6,51R1〜51R6(ボタンサイドLED)と、演出切替ボタン45の内部に配置されたLEDランプ51S(ボタン内蔵LED)とを含んでいる。
LEDランプ51L1〜51L6,51R1〜51R6は、白色の単色LEDランプにより構成されており、音量設定の際に用いられる。LEDランプ51Sは、赤色LEDランプ、緑色LEDランプ、及び、青色LEDランプが内蔵されたフルカラーLEDランプにより構成されており、演出上のモード変更の際に用いられる。
〔盤面の構成〕
遊技領域8a内の中央上部には第1特別電動役物30(第1可変入球装置)が設置されており、遊技領域8a内の中央下部には第2特別電動役物31(第2可変入球装置)が設置されている。また、第1特別電動役物30の左右には2つの普通入賞口22が設置されており、第1特別電動役物30の左下方位置には左始動入賞口26が設置されている。さらに、第1特別電動役物30の下方位置には中始動入賞口28が配置され、第1特別電動役物30の右下方位置には右始動入賞口27が設置されている。
また、第2特別電動役物31の前面には、演出用表示装置42が配置されている。演出用表示装置42は、2つの(2桁の)7セグメントLED(ドット無し)により各種演出を表示することができる(演出実行手段)。演出用表示装置42には、例えば機種情報が表示されたり、大当り遊技中にラウンド数が表示されたり、小当り遊技中(役物ゲーム中)に所定の演出が表示されたりする。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に普通入賞口22に入球したり、左始動入賞口26、中始動入賞口28又は右始動入賞口27に入球したり、あるいは作動時(開放時)の第1特別電動役物30又は作動時(開放時)の第2特別電動役物31に入球したりする。
各入賞口に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
一方、第1特別電動役物30内に流入した遊技球は、さらにその内部で流下や転動等の過程を経て振り分け動作が行われた後に排出され、遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
第1特別電動役物30は、特定の条件が満たされた場合(特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、遊技球の流入を可能にする。第1特別電動役物30は、遊技領域8aの上部位置に設けられた可動片30a(いわゆる羽根部材)を有しており、この可動片30aは、例えば図示しない上大入賞口ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って所定角度だけ往復回転する。
図示のように可動片30aは略直立した状態で上大入賞口30bを閉止した状態にあり、この状態では第1特別電動役物30への遊技球の流入は不能となっている。第1特別電動役物30が作動すると、可動片30aがその基端部を中心として遊技領域8a内の左右方向へ倒れるようにして変位し、上大入賞口30bを開放することで第1特別電動役物30への遊技球の入球(上大入賞口30bへの遊技球の入球)を可能にする。可動片30a及び上大入賞口30bは遊技領域8a内の上部位置、特に遊技球が最初に打ち込まれる位置の近くにあることから、第1特別電動役物30の作動時に遊技領域8a内に打ち込まれた遊技球は、上部位置の障害釘に誘導されて可動片30aに到達し、そのまま可動片30aに案内されて上大入賞口30bに流入する。
一方、第2特別電動役物31は、規定の条件が満たされた場合(第1特別電動役物30の内部に設けられた特定領域を遊技球が通過した場合、すなわち、V入賞した場合)に作動し、下大入賞口31bへの入球を可能にする。第2特別電動役物31は、遊技領域8aの下部位置に設けられた可動片31a(いわゆる羽根部材)を有しており、この可動片31aは、例えば図示しない下大入賞口ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って所定角度だけ往復回転する。
図示のように可動片31aは斜めに倒れた状態で下大入賞口31bを閉止した状態にあり、この状態では第2特別電動役物31への遊技球の流入は不能となっている。第2特別電動役物31が作動すると、可動片31aがその基端部を中心として遊技領域8a内の鉛直方向へ起立するようにして変位し、下大入賞口31bを開放することで第2特別電動役物31への遊技球の入球(下大入賞口31bへの遊技球の入球)を可能にする。可動片31a及び下大入賞口31bは遊技領域8a内の下部位置、特に遊技球が最後に到達する位置の近くにあることから、第2特別電動役物31の作動時よりも少し前に遊技領域8a内に打ち込まれた遊技球は、下部位置の障害釘に誘導されて下大入賞口31bに流入する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各始動口に入球しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、第1特別電動役物30又は第2特別電動役物31に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示されていないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162(電源制御手段)や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図5)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報、セキュリティエラー情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔遊技盤ユニット〕
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。ここでは、第1特別電動役物30の内部の構成と遊技球の振り分け動作の概要を中心に説明する。
第1特別電動役物30の入口付近には、2つの上カウントスイッチ84が設けられており、第1特別電動役物30に流入した全ての遊技球は、この上カウントスイッチ84により検出される。これにより、主制御CPU72は、第1特別電動役物30に入球した遊技球の数(入球数)を把握することができる。そして、上カウントスイッチ84を通過した遊技球は、上ステージ500に放出される。
〔上ステージ〕
上ステージ500は、薄板状のプレートであり、手前側から奥側に向けて傾斜している。このため、上ステージ500に到達した遊技球は、上ステージ500の傾斜により、手前側から奥側に転動する。
〔回転体〕
上ステージ500の後方には、回転体510が配置されている。回転体510は、駆動源となる回転体モータによって回転する。回転体モータは、電源投入時から電源遮断時まで一定の動作パターンに基づいて常時可動している。回転体510の胴体部分には、逆U字型の貫通孔512が形成されており、貫通孔512に遊技球が進入すると、遊技球は下ステージ520に案内される。なお、逆U字型の貫通孔512は、回転体510の胴体部分に3つ形成されている。
〔上はずれ孔〕
また、回転体510の両脇には、上はずれ孔514が形成されており、上はずれ孔514に入球した遊技球はアウト通路に導かれ、特定領域を通過することなく第1特別電動役物30から排出される。そして、アウト通路には図示しない排出検知スイッチが設けられており、アウト通路を通過する遊技球は排出検知スイッチにより検出される。
〔下ステージ〕
下ステージ520は、薄板状のプレートであり、上ステージ500とは反対に、奥側から手前側に向けて傾斜している。このため、下ステージ520に到達した遊技球は、下ステージ520の傾斜により、奥側から手前側に転動する。なお、上記の回転体510の内部を経由しない限り、遊技球は下ステージ520に到達することはない。
下ステージ520の前方の中央位置には、遊技球が1つ入球できる程度の大きさの特定領域孔530が配置されており、特定領域孔530の両脇には、下はずれ孔532が配置されている。特定領域孔530に入球した遊技球は、その後に特定領域を通過することになり、下はずれ孔532に入球した遊技球は、その後に特定領域を通過することなく排出される。
ここで、特定領域には特定領域スイッチ700が配置されており、特定領域を通過する遊技球は特定領域スイッチ700により検出される。なお、遊技球が特定領域を通過すると大当りとなり、第2特別電動役物31が作動を開始する。
一方、特定領域孔530に入球せずに、下はずれ孔532に遊技球が入球すると、遊技球はアウト通路に導かれ、特定領域を通過することなく第1特別電動役物30から排出される。そして、アウト通路には図示しない排出検知スイッチが設けられており、アウト通路を通過する遊技球は排出検知スイッチにより検出される。
そして、このような第1特別電動役物30の構成により、第1特別電動役物30に入球した遊技球を、特定領域を通過させて排出するか又は特定領域を通過させることなく排出するかの振り分け動作が行われる。
図4は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35が設けられている。
第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、本実施形態において特別図柄に対応する作動記憶ランプや作動記憶数表示装置は設けられていない。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b,38cにそれぞれ対応する3つのLEDが含まれている。図4中、特に参照符号を付していない他のランプ(LED)は未使用(ブランク)のものである。本実施形態では、上述した第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図5は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、大当り判定用(又は小当り判定用)にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
遊技盤ユニット8には、左始動入賞口26、中始動入賞口28、右始動入賞口27、第1特別電動役物30及び第2特別電動役物31にそれぞれ対応して左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81、右始動入賞口スイッチ82、上カウントスイッチ84及び下カウントスイッチ85が装備されている。このうち左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81及び右始動入賞口スイッチ82は、それぞれの始動入賞口への遊技球の入球を検出するためのものである。また、上カウントスイッチ84は、第1特別電動役物30(上大入賞口30b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、下カウントスイッチ85は、第2特別電動役物31(下大入賞口31b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。
また、遊技盤ユニット8には、上述した特定領域に対応して特定領域スイッチ700が設けられている。主制御CPU72は、特定領域スイッチ700からの検出信号を受信すると、特定領域通過コマンドを演出制御CPU126に送信する。
これらの他にも、第1特別電動役物30内には排出検知スイッチ900が設けられている。排出検知スイッチ900は、第1特別電動役物30から排出された遊技球を検出し、その検出信号を出力するものである(排出検出手段)。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、入賞口スイッチ86は全ての普通入賞口22について共通のものを用いてもよいし、複数ある普通入賞口22のそれぞれに別々の入賞口スイッチ86を設置してもよい。例えば、盤面の左右の2箇所にそれぞれ別の入賞口スイッチ86を設置して各普通入賞口に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類80,81,82,84,85,86,700,900の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態では左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81、右始動入賞口スイッチ82、特定領域スイッチ700からの検出信号は遊技者の利益に最も直接的に影響を及ぼす信号であるため、特に中継物を介することなく主制御装置70に送信されており、その他の検出信号はパネル中継端子板87を中継して主制御装置70に送信されている。パネル中継端子板87には、それぞれの検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じて第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38に対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38は、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、第1特別電動役物30に対応して上大入賞口ソレノイド90が設けられている。上大入賞口ソレノイド90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、第1特別電動役物30を作動(開放)させる。
これと同様に、遊技盤ユニット8には、第2特別電動役物31に対応して下大入賞口ソレノイド95が設けられている。下大入賞口ソレノイド95は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、第2特別電動役物31を作動(開放)させる。なお、上大入賞口ソレノイド90及び下大入賞口ソレノイド95は、上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
さらに、遊技盤ユニット8には、第1特別電動役物30の内部にある回転体510に対応して回転体モータ213(駆動源)が設けられている。回転体モータ213は回転体510を回転させるアクチュエータである。回転体モータ213についても同様に、上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
本実施形態では、回転体モータ213に対し、主制御装置70(主制御CPU72)から一定動作用の駆動信号が出力される。また、回転体モータ213については、図示しないインデックスセンサ等の原点検出機構を用いて回転に関する原点位置の検出を行っている。このため主制御装置70には、これら原点検出機構からの原点位置検出信号が入力されている。
また、遊技盤ユニット8には、磁気センサ204や振動センサ206(振動検出手段)が設置されており、このうち磁気センサ204は、その設置位置で遊技盤ユニット8に飛来してくる磁束を検出し、その密度(磁気強度)に応じた検出信号を出力する。また、振動センサ206は、その設置位置で遊技盤ユニット8に伝わる加速度(振動)を検出し、その大きさに応じた検出信号を出力する。これら磁気センサ204や振動センサ206の検出信号は、それぞれパネル中継端子板87を通じて主制御装置70(主制御CPU72)に入力されている。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。演出制御CPU126には、主制御CPU72よりも高速(高クロック周波数)で、データバス幅が広い(例えば64ビット)タイプのものを使用することができる。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,上皿ランプ51、受け皿ランプ52が含まれる。盤面ランプ53は第1特別電動役物30や第2特別電動役物31、各種入賞口又はその付近等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらに、ガラス枠電飾基板136には、上記のジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aは受け皿電飾基板に接続してもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、ランプ駆動回路132からの駆動信号がパネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53に印加されている。
また、パチンコ機1の裏側には、音量切替スイッチ902が設けられている。音量切替スイッチ902は、例えば回転式のロータリースイッチであり、「0」から「9」までの10段階の設定が可能となっている。音量切替スイッチ902の値は「電源投入時に設定される音量」の初期値の設定という位置付けになる。ただし、音量切替スイッチ902については、パチンコ機1の裏側に配置されているため、遊技者は音量切替スイッチ902の調整を行うことはできず、遊技場の店員等に限り音量切替スイッチ902の調整を行うことができる。音量切替スイッチ902からの信号は、パネル電飾基板138を中継して演出制御CPU126に入力される。
演出用表示装置42は、第2特別電動役物31の前面に設置されており、遊技盤ユニット8の手前側からその表示画面が視認可能となっている。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出駆動制御装置144が設置されており、演出用表示装置42による表示動作は、演出駆動制御装置144により制御されている。演出駆動制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である駆動制御CPU146を実装した回路基板(演出駆動制御基板)が装備されている。この駆動制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、各種ランプ46〜52や、盤面ランプ53、スピーカ54,55,56等を用いた演出の制御が含まれる他、演出用表示装置42を用いた表示演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、駆動制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った駆動制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用表示装置42の点灯状態を個別に制御する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。また、演出制御装置124を経由して演出駆動制御装置144に電力が供給されるとともに、演出駆動制御装置144から演出用表示装置42に電力が分配されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
〔遊技フロー〕
次に図6は、本実施形態のパチンコ機1による遊技の流れを一例として示すゲームフロー図である。パチンコ機1による通常遊技は、遊技球を遊技領域8a内に打ち込む(発射する)ことで開始される。以下、遊技球の打ち出しを前提として遊技の流れについて説明する。
〔F01:始動入賞口への入球〕
遊技球が遊技領域8a内を流下する過程で、左始動入賞口26、中始動入賞口28又は右始動入賞口27のいずれかに入球すると、それぞれの始動入賞口に対応した左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81又は右始動入賞口スイッチ82によって遊技球の通過が検出され、これを契機として特別図柄抽選が行われる。
特別図柄抽選は、第1特別電動役物30を作動させるか否かに関わる抽選である。なお、いずれの始動入賞口にも遊技球が入球しなかった場合はひとまずゲームフローは終了となり、改めて始動入賞口への入球(F01)を目指してゲームフローを開始することになる。
また、特に図示していないが、特別図柄抽選が行われると、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35において特別図柄が所定の変動時間にわたり変動表示された後、抽選結果を表す態様で停止表示される。第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による特別図柄の変動パターンに関しては、抽選によってランダムに変化させても、一定の変動パターンに固定してもよい。
ここで、本実施形態では、左始動入賞口26又は右始動入賞口27への入球を契機として第1特別図柄抽選(内部抽選)が行われる一方、中始動入賞口28への入球を契機として第2特別図柄抽選(内部抽選)が行われる。
そして、特別図柄抽選の当り確率(小当り確率)は1(=1/1)に設定されているため、遊技球がいずれかの始動入賞口に入球すると、そのまま小当りに該当することになる。したがって、特に主制御装置70において内部的に当り判定乱数を取得する必要はないが、敢えて取得することとしてもよい。本実施形態では、特に各始動入賞口への入球を契機として直接的に大当り遊技が実行される当り(いわゆる直当り、直撃当り)を設けていないが、ここで取得した当り判定乱数を用いて直当り判定を行ってもよい。
また、本実施形態では、特別図柄に「はずれ」の表示態様がなく、第1特別図柄による抽選では「小当り1」、「小当り2」又は「小当り3」に該当し、第2特別図柄による抽選では「小当り4」、「小当り5」又は「小当り6」に該当することになっている。第1特別図柄に関する「小当り1」〜「小当り3」と第2特別図柄に関する「小当り4」〜「小当り6」の違いは、第1特別電動役物30の作動回数に関係しており、第1特別図柄に関する「小当り1」〜「小当り3」に該当した場合は第1特別電動役物30が1回作動し、第2特別図柄に関する「小当り4」〜「小当り6」に該当した場合は第1特別電動役物30が2回作動する。
〔F02:第1特別電動役物30作動〕
いずれにしても、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35により特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、これを契機として第1特別電動役物30が作動(開放動作)する。第1特別電動役物30の作動は、上記のように可動片30aを開放位置に変化させるものであるが、本実施形態では、第1特別図柄に関する「小当り1」〜「小当り3」に該当した場合は規定の開放時間(例えば0.4秒)にわたり1回だけ可動片30aを短期間開放させ、第2特別図柄に関する「小当り4」〜「小当り6」に該当した場合は所定の開放時間(例えば0.7秒)にわたり2回だけ可動片30aを短期間開放させるものとしている。
〔F03:上大入賞口入球判定〕
次に、第1特別電動役物30の作動時に、遊技球が上大入賞口30bに入球したか否かが判定される。ここで遊技球が上大入賞口30bに入球した場合、ゲームフローはさらに第1特別電動役物30内での振り分け動作に進行していくことになる。なお、第1特別電動役物30の上大入賞口30bに遊技球が入球しなかった場合はひとまずゲームフローが終了となり、改めて始動入賞口への入球(F01)を目指してゲームフローを開始することになる。
〔F04:特定領域通過判定〕
ゲームフローが第1特別電動役物30内での遊技に進行すると、第1特別電動役物30内での遊技球の振り分け動作を経て、最終的に特定領域を遊技球が通過(V入賞)したか否かの判定が行われる。その結果、最終的に特定領域を通過することなく第1特別電動役物30から遊技球が排出された場合、残念ながらゲームフローはそこで終了となり、改めて始動入賞口への入球(F01)を目指してゲームフローを開始することになる。
〔F05:大当り遊技実行〕
これに対し、第1特別電動役物30内にて遊技球の特定領域通過(V入賞)が発生した場合、第1特別電動役物30とは異なる第2特別電動役物31が作動する。具体的には、例えば所定の開放時間(例えば29秒)にわたり下大入賞口31bが所定回数開放(例えば8回開放)するか、もしくは規定個数(例えば8個)の遊技球の入賞があるかのいずれかの条件が満たされるまでを1ラウンドとし、このラウンドを予め定められた連続作動回数にわたって繰り返すという特別遊技が実行される。
本実施形態において、連続作動回数は、第1特別図柄による抽選や第2特別図柄による抽選で得られた当りの種類に基づいて設定される。具体的には、第1特別図柄による抽選の結果が「小当り1」に該当していた場合や、第2特別図柄による抽選の結果が「小当り4」に該当していた場合、連続作動回数は3回に設定される。他にも、第1特別図柄による抽選の結果が「小当り2」に該当していた場合や、第2特別図柄による抽選の結果が「小当り5」に該当していた場合、連続作動回数は7回に設定され、第1特別図柄による抽選の結果が「小当り3」に該当していた場合や、第2特別図柄による抽選の結果が「小当り6」に該当していた場合、連続作動回数は16回に設定される。このような大当り遊技中(第2特別電動役物31の作動中)は、通常時に閉止状態にある下大入賞口31bへの入球を短期間内に数多く発生させることができるため、その間に遊技者はまとまって多くの賞球を獲得することができる。なお、本実施形態では〔F02〕第1特別電動役物30作動を1ラウンド目としている。
以上が本実施形態のパチンコ機1による遊技の流れであるが、このような遊技の進行やそれに伴う演出は、上記の主制御装置70及び演出制御装置124を中心とする電子機器によって制御されている。そこで、次に主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図7及び図8は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図8に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(供給電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は上大入賞口ソレノイド90及び下大入賞口ソレノイド95に対応する出力ポートバッファをクリアし、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、また、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。なお、特別図柄に対応する変動パターン決定乱数については、必要に応じて発生させることができ、使用しない場合は乱数発生の処理を省略することができる。いずれにしても、これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図10中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図10中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図10)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図9は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように上大入賞口ソレノイド90及び下大入賞口ソレノイド95に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図7)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図10は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76の乱数カウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する(入賞検出情報生成手段)。具体的には、左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81又は右始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号や特定領域スイッチ700からの通過検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:ここで主制御CPU72は、セキュリティ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の入力処理(ステップS203)でリードした入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)に基づいて、不正な入賞が発生したか否かの判定を行う(入賞正否判定手段)。そして、不正な入賞が発生したと判定した場合、主制御CPU72は不正入賞エラーコマンドを生成し(不正入賞情報生成手段)、不正入賞による入賞検出信号のビットをON→OFFへ書き換える(入賞検出情報消去手段)。また、主制御CPU72は、上記の磁気センサ204や振動センサ206による不正行為の監視を行ったり、過度な入賞が発生しているか否かの判定を行ったりする。なお、セキュリティ管理処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205:主制御CPU72は、遊技停止状態であるか否かを確認する。具体的には、遊技停止フラグがON(遊技停止機能がON)に設定されているか否かを確認する。その結果、遊技停止状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS206からステップS208までの処理を実行せずに、ステップS209以降の処理を行う。一方、遊技停止状態であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS206を実行する。なお、遊技停止フラグは、先のセキュリティ管理処理の中で設定される。
ステップS206:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、不正入賞として消去されずに維持されている信号に基づく処理を行う。例えば、主制御CPU72は左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81又は右始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号や特定領域スイッチ700からの通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じてさらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、左始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は第1特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、中始動入賞口スイッチ81から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、主制御CPU72は、左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81及び右始動入賞口スイッチ82について、いずれのスイッチにて内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したのかを区別するためのスイッチ別入賞コマンドを演出制御CPU126に送信してもよい。
ステップS207:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別遊技管理処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。この特別遊技管理処理では、主制御CPU72は先に述べた特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1特別電動役物30及び第2特別電動役物31の作動を制御したりする。なお、特別遊技管理処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,81,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に対する賞球数コマンドを生成し、これをコマンドバッファに格納する。
ステップS209:主制御CPU72は、モータ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は回転体モータ213の回転に関する原点位置を検出し、また、回転体モータ213に対して駆動信号を出力する場合、その駆動信号を対応するポート出力要求バッファに格納する。主制御CPU72は、このモータ管理処理において回転体モータ213に対応する動作パターンに基づく駆動信号を生成する。なお、モータ管理処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS210:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報、セキュリティエラー情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理することが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS211:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、特別図柄遊技管理状態、大当り中等)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS212:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別遊技管理処理(ステップS207)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示等を行う態様)で駆動されることになる。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS213:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS210)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている上大入賞口ソレノイド90及び下大入賞口ソレノイド95の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS214:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS215:そして主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS207〜ステップS214の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS216:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS217,ステップS218:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔セキュリティ管理処理〕
図11は、割込管理処理の中で実行されるセキュリティ管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿ってセキュリティ管理処理の内容を説明する。
ステップS220:先ず主制御CPU72は、大入賞口不正監視処理を実行する。この処理では、上大入賞口30bや下大入賞口31bに関するエラー(不正入賞エラー又は入賞超過エラー)を監視し、エラーが発生するとエラーフラグ(不正入賞エラーフラグ又は入賞超過エラーフラグ)をON(=1)にする。また、エラーの種類に対応した処理をさらに実行する。例えば、エラーの種類が「不正入賞エラー」に該当していた場合、遊技停止フラグをONに設定し、不正入賞エラー発生時以降の遊技を停止する処理が行われる。
ステップS222:次に主制御CPU72は、磁気検出処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の磁気センサ204からの検出信号に基づいて不正行為(いわゆる「磁石ゴト」)の有無を判断する。その結果、不正行為に相当する程度の磁束が検出された場合、主制御CPU72はセキュリティエラーフラグをON(=1)にする。これにより、パチンコ機1においてその他の「セキュリティエラー」が発生することになる。
ステップS224:また、主制御CPU72は、振動検出処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の振動センサ206からの検出信号に基づいて不正行為(いわゆる「ドツキゴト」)の有無を判断する。その結果、不正行為と認められる程度の振動が検出された場合、主制御CPU72は同じくセキュリティエラーフラグをONにする。
ステップS230:そして主制御CPU72は、上記の「エラーフラグ(不正入賞エラーフラグ又は入賞超過エラーフラグ)」や「セキュリティエラーフラグ」の値をチェックする。いずれかのエラーフラグがON(=1)にセットされた場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS232を実行する。なお、いずれのエラーフラグもONにセットされなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS232を実行しない。
ステップS232:この場合、主制御CPU72はエラーコマンド処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124(演出制御CPU126)に対して送信するエラーコマンドを生成し、その値をコマンド送信バッファに転送する。なお、エラーコマンドは、発生したエラー別に異なる値をセットすることができる。例えば、「不正入賞エラーフラグ」がONの場合は「不正入賞エラー」として識別可能な値をエラーコマンドにセットし、「入賞超過エラーフラグ」がONの場合は「入賞超過エラー」として識別可能な値をエラーコマンドにセットし、「セキュリティエラーフラグ」がONの場合は「セキュリティエラー」として識別可能な値をエラーコマンドにセットする。
ここで生成されたエラーコマンドは、この後の演出制御出力処理(図10中のステップS214)で演出制御装置124に送信され、エラーコマンドの種類に対応したエラー報知処理(警告音の出力、LEDランプの点灯(点滅)表示等)が行われることとなる。また、生成されたエラーコマンドに対応した遊技場のホールコンピュータ(ホールコン)向けの外部情報を生成する。この生成された外部情報は、この後の外部情報処理(図10中のステップS210)で外部端子板160を通じてホールコンピュータに出力される。
なお、このエラーコマンド処理において、エラーコマンドが生成されると、エラーが解消される(例えば、所定時間経過(60秒経過)、エラー解除ボタンの押下、電源の遮断等)までエラーフラグをONのまま維持される。また、このエラーコマンド処理において所定時間経過したか否か等のカウント処理も行われ、その時間が経過した場合等のエラーが解除されたことが確認されると、エラーフラグをOFFにリセットする処理が行われる。そして、エラーフラグがOFFにされたことに伴い、エラー報知処理(警告音の出力、LEDランプの点灯(点滅)表示等)も終了することとなる。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は割込管理処理に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図12は、スイッチ入力イベント処理(図10中のステップS206)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS11:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する左始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS13に進む。
ステップS13:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS14に進んで第2特別図柄記憶処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS15に進む。
ステップS15:主制御CPU72は、上大入賞口30bに対応する上カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで上大入賞口カウント処理を実行する。上大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は第1特別電動役物30に入球した遊技球の数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS17に進む。
ステップS17:主制御CPU72は、下大入賞口31bに対応する下カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS18に進んで下大入賞口カウント処理を実行する。下大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は第2特別電動役物31に入球した遊技球の数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS19に進む。
ステップS19:主制御CPU72は、第1特別電動役物30の内部に設けられた特定領域に対応する特定領域スイッチ700から検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで特定領域通過フラグをONにセットする。特定領域通過フラグはRAM76に記憶されており、特定領域通過フラグがONにセットされると、主制御CPU72は大当り遊技を開始することができる状態となる。なお、特定領域通過フラグは大当り遊技の終了後にOFFにセットされる。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS21を実行する。
ステップS21:主制御CPU72は、第1特別電動役物30の内部に設けられた排出検知スイッチ900から検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS22に進んで排出数カウント処理を実行する。排出数カウント処理では、主制御CPU72は排出検知スイッチ900からの検出信号に応じて排出球数カウンタの値を加算する処理を実行する。これにより、主制御CPU72は、第1特別電動役物30から排出された遊技球の数をカウントすることができる。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図10)に復帰する。なお、排出検知スイッチ900については、特定領域を通過した遊技球も通過する位置に配置することにより、排出検知スイッチ900のみで第1特別電動役物30からの排出数を確認することができる。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込管理処理(図10)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶処理〕
図13は、第1特別図柄記憶処理の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶処理について、手順例に沿って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は特別図柄について作動記憶があるか否かを確認する。作動記憶の有無についての確認は、第1特別図柄及び第2特別図柄の両方について行い、いずれかの特別図柄に作動記憶があれば、特別図柄について作動記憶があると判断する。本実施形態では、特別図柄に2個以上の作動記憶を設けていないため、ここでは例えば、既にRAM76の乱数記憶領域に転送済みの大当り決定乱数(1個)があれば、主制御CPU72は特別図柄について作動記憶があると判断する(Yes)。既に作動記憶がある状態であれば(Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図12)に復帰する。一方、作動記憶が特にない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS32に進む。なお、制御プログラムの構成上、ここで特別図柄作動記憶数カウンタ(上限数1個)を用いることとしてもよい。この場合、主制御CPU72は特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が1である場合は作動記憶があると判断する(Yes)。また、作動記憶数が1でなければ(=0)、主制御CPU72は作動記憶がないと判断する(No)。
ステップS32:先のステップS30で作動記憶がないと判断した場合(ステップS30:No)、主制御CPU72は、上記のサンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビットのデータバス幅を有する場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値をリードすると、これを大当り決定乱数として転送先(乱数記憶領域)のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、例えば変動パターン決定乱数を取得する。この乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスから変動パターン決定乱数を取得すると、これを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS36:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域(この時点で空き状態)に転送し、これら乱数をセットで記憶させる。
ステップS38:そして主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、例えば始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信する設定を行うためのものである。
以上の手順を終えるか、もしくは特別図柄作動記憶が既にあった場合(ステップS30:Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図12)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶処理〕
図14は、第2特別図柄記憶処理の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶処理について、手順例に沿って説明する。
ステップS40:ここでは先ず、主制御CPU72は特別図柄について作動記憶があるか否かを確認する。作動記憶の有無についての確認は、第1特別図柄及び第2特別図柄の両方について行い、いずれかの特別図柄に作動記憶があれば、特別図柄について作動記憶があると判断する。本実施形態では、特別図柄に2個以上の作動記憶を設けていないため、ここでは例えば、既にRAM76の乱数記憶領域に転送済みの大当り決定乱数(1個)があれば、主制御CPU72は特別図柄について作動記憶があると判断する(Yes)。既に作動記憶がある状態であれば(Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図12)に復帰する。一方、作動記憶が特にない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS42に進む。
ステップS42:先のステップS40で作動記憶がないと判断した場合(ステップS40:No)、主制御CPU72は、上記のサンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビットのデータバス幅を有する場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値をリードすると、これを大当り決定乱数として転送先(乱数記憶領域)のアドレスにセーブする。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関する乱数値として、例えば変動パターン決定乱数を取得する。この乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスから変動パターン決定乱数を取得すると、これを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS46:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数を第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域(この時点で空き状態)に転送し、これら乱数をセットで記憶させる。
ステップS48:そして主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、例えば始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信する設定を行うためのものである。
以上の手順を終えるか、もしくは特別図柄作動記憶が既にあった場合(ステップS40:Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図12)に復帰する。
〔特別遊技管理処理〕
次に、特別遊技管理処理の詳細について説明する。図15は、特別遊技管理処理の構成例を示すフローチャートである。特別遊技管理処理は、特別遊技制御モジュール選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動開始待ち処理(ステップS1500)、特別図柄変動中処理(ステップS2000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS2500)、第1特別電動役物作動開始待ち処理(ステップS3000)、小当り時第1特別電動役物開放処理(ステップS3500)、小当り時第1特別電動役物閉鎖処理(ステップS4000)、小当り時第1特別電動役物作動終了処理(ステップS4500)、大当り時第2特別電動役物作動開始処理(ステップS5000)、大当り時第2特別電動役物開放処理(ステップS5500)、大当り時第2特別電動役物閉鎖有効処理(ステップS5550)、大当り時第2特別電動役物閉鎖処理(ステップS6000)、大当り時第2特別電動役物作動終了処理(ステップS6500)、及び、残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000)のサブルーチン群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別遊技管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:特別遊技制御モジュール選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS1500〜ステップS6500のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000)のプログラムアドレスを「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動開始待ち処理(ステップS1500)を選択する。一方、既に特別図柄変動開始待ち処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS2000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS2500)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。
また、上記のように主制御CPU72が次のジャンプ先を選択するにあたり、現在までの処理の進行状況は「特別遊技管理ステータス」の値で表されている。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば、主制御CPU72は現在までの「特別遊技管理ステータス」の値を「00H」として設定している。一方、既に特別図柄変動開始待ち処理が完了していれば、主制御CPU72は現在までの「特別遊技管理ステータス」の値を「01H」に設定し、特別図柄変動中処理まで完了していれば、現在までの「特別遊技管理ステータス」の値を「02H」に設定するといった具合である。なお、このような「特別遊技管理ステータス」の値の設定についてはさらに後述する。いずれにしても、主制御CPU72は特別遊技制御モジュール選択処理において「特別遊技管理ステータス」の値を参照し、その時点でジャンプ先となる処理(ステップS1500〜ステップS6500のいずれか)を選択することができる。
なお、特別遊技制御モジュール選択処理(ステップS1000)でジャンプ先として選択されるのは、上記のようにステップS1500〜ステップS6500までであり、残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000)はいずれも毎回の割り込みで実行される。
ステップS1500:上記のように「特別遊技管理ステータス」の値が「00H」である場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において特別図柄変動開始待ち処理を実行する。この特別図柄変動開始待ち処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。例えば主制御CPU72は特別図柄作動記憶数がない場合、特別図柄の当り決定乱数及び当り図柄乱数の記憶を共通記憶領域に保存する。また、主制御CPU72は、共通記憶領域に保存した当り決定乱数を当り値と比較し、当り判定を行う。なお、本実施形態では、特別図柄抽選の当り確率(いわゆる小当り確率)が1であるため、このときの当り判定は確認的な処理となる。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS2000:「特別遊技管理ステータス」の値が「01H」である場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において特別図柄変動中処理を実行する。この特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、2つある7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。この後、変動タイマのカウントが0になると、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「02H」に更新する。
ステップS2500:「特別遊技管理ステータス」の値が「02H」に更新された場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において特別図柄停止表示中処理を実行する。この特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止表示タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、2つある7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。なお、このとき特別図柄の停止表示態様は、先の特別図柄変動開始待ち処理で決定された当選種類に対応している。この後、停止表示タイマのカウントが0になると、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「03H」に更新する。
ステップS3000:「特別遊技管理ステータス」の値が「03H」に更新された場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において第1特別電動役物作動開始待ち処理を実行する。この第1特別電動役物作動開始待ち処理では、主制御CPU72は特別遊技タイマとして上大入賞口開放開始タイマのカウントダウンを実行する。なお、上大入賞口開放開始タイマのカウント時間は、上述した第1特別電動役物30(上大入賞口30b)の開放開始を遊技者に意識させるために必要な演出時間(例えば数秒間)に基づいて設定されている。この後、上大入賞口開放開始タイマのカウントが0になると、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「04H」に更新する。
ステップS3500:「特別遊技管理ステータス」の値が「04H」に更新された場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において小当り時第1特別電動役物開放処理を実行する。この小当り時第1特別電動役物開放処理では、主制御CPU72は第1特別電動役物30の開放動作を制御する。具体的には、主制御CPU72は上大入賞口初回開放タイマをカウントしつつ、上大入賞口30bから入賞した遊技球の個数をカウントし、上大入賞口ソレノイド90に対する駆動信号を設定する。これにより、第1特別電動役物30の開放及び閉鎖の動作が行われる。また、第1特別電動役物30を開放した後に閉鎖する場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「05H」に更新する。なお、小当り時第1特別電動役物開放処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS4000:「特別遊技管理ステータス」の値が「05H」に更新された場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において小当り時第1特別電動役物閉鎖処理を実行する。この小当り時第1特別電動役物閉鎖処理では、主制御CPU72は第1特別電動役物30の閉鎖に伴う各種の内部処理を実行する。各種の内部処理には、例えば第1特別電動役物30の開放時に入賞した遊技球の排出完了を確認したり、特定領域通過の有無を確認したりする処理が含まれる。これら処理を終了する場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「06H」に更新する。なお、小当り時第1特別電動役物閉鎖処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、主制御CPU72は、この小当り時第1特別電動役物閉鎖処理において、遊技球が特定領域を通過したことを検出した場合、大当りフラグに値(01H)をセットし、大当り種別コマンドを設定する。合わせて主制御CPU72は、小当り時の特別図柄の停止図柄(当選図柄)の種類に応じて、3ラウンド大当り、7ラウンド大当り、16ラウンド大当り等の情報が含まれた大当り種別コマンドを生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図10中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:「特別遊技管理ステータス」の値が「06H」に更新された場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において小当り時第1特別電動役物作動終了処理を実行する。この小当り時第1特別電動役物作動終了処理では、主制御CPU72は第1特別電動役物30の作動終了に伴う各種の内部処理を実行する。各種の内部処理には、例えば第1特別電動役物30の作動終了を確定させるエンディング時間の経過を確認したり、大当り状態移行コマンドを設定したりする処理が含まれる。ここで大当り状態移行コマンドを設定する場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「07H」に更新する。一方、大当り状態移行コマンドを設定しない場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」を初期値の「00H」に復帰させる。なお、小当り時第1特別電動役物作動終了処理の詳細についても、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS5000:大当り時第2特別電動役物作動開始処理は、先の小当り時第1特別電動役物作動終了処理において「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」に更新された場合に実行される。この大当り時第2特別電動役物作動開始処理では、主制御CPU72は第2特別電動役物31を再度作動させる際の前処理を実行する。すなわち、主制御CPU72は特別遊技タイマとして大当り開始待ち時間タイマのカウントダウンを実行し、タイマのカウントが0になると、第2特別電動役物31の作動条件(実行ラウンド数、ラウンドごとの開放時間及び開放回数、インターバル時間等)を設定する。また、主制御CPU72は、「特別遊技管理ステータス」の値を「08H」に更新する。以後、大当り遊技中は遊技の進行状況に応じて「特別遊技管理ステータス」の値が「08H」〜「0BH」まで更新され、そのときの値に応じてステップS5500〜ステップS6500が実行されることになる。また、大当り時第2特別電動役物作動開始処理の詳細については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS5500:「特別遊技管理ステータス」の値が「08H」に更新された場合、主制御CPU72は大当り時第2特別電動役物開放処理を実行する。この大当り時第2特別電動役物開放処理では、主制御CPU72は第2特別電動役物31の開閉動作を制御する。これにより、大当り遊技の1ラウンド分が実行されることになる。1ラウンド分の大当り遊技を終了して第2特別電動役物31を閉鎖する場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「09H」に更新する。大当り時第2特別電動役物開放処理の詳細についても、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS5550:「特別遊技管理ステータス」の値が「09H」に更新されると、主制御CPU72は次の大当り時第2特別電動役物閉鎖有効処理を実行する。この大当り時第2特別電動役物閉鎖有効処理では、主制御CPU72は下大入賞口閉鎖有効時間タイマのカウントダウンを実行し、タイマのカウントが0になると、「特別遊技管理ステータス」の値を「0AH」に更新する。なお、この処理は第2特別電動役物31の開放から閉鎖に伴う時間を調整するために実行されるものである。
ステップS6000:「特別遊技管理ステータス」の値が「0AH」に更新されると、主制御CPU72は次の大当り時第2特別電動役物閉鎖処理を実行する。この大当り時第2特別電動役物閉鎖処理では、主制御CPU72は第2特別電動役物31の閉鎖完了に伴う内部処理を実行する。この内部処理において、主制御CPU72はこれまでに実行したラウンド数を確認し、実行済みのラウンド数が設定したラウンド数(連続作動回数)に達していなければ「特別遊技管理ステータス」の値を「08H」に復帰させる。この場合、次回の特別遊技制御モジュール選択処理(ステップS1000)において先の大当り時第2特別電動役物開放処理(ステップS5500)が再度選択されることになる。一方、既に実行済みのラウンド数が設定したラウンド数に達した場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「0BH」に更新する。なお、大当り時第2特別電動役物閉鎖処理の詳細については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS6500:「特別遊技管理ステータス」の値が「0BH」に更新された場合、主制御CPU72は大当り時第2特別電動役物作動終了処理を実行する。この大当り時第2特別電動役物作動終了処理では、主制御CPU72は大当りエンディング時間タイマのカウントダウンを実行する。タイマのカウントが0になると、「特別遊技管理ステータス」を初期値の「00H」に復帰させる(ステップS5000〜S6500:特別遊技実行手段)。これにより、以後は特別図柄の変動(又は作動記憶数の追加)が可能な状態となる。なお、大当り時第2特別電動役物作動終了処理の詳細についても、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
また、主制御CPU72は、以下の手順を「特別遊技管理ステータス」の値にかかわらず実行する。
ステップS7000:主制御CPU72は、残存球エラーコマンド設定処理を実行する。この残存球エラーコマンド設定処理では、主制御CPU72は、第1特別電動役物30の作動終了後に排出球不足エラーの監視を行うとともに、排出球不足エラー時の報知用コマンドを設定する。主制御CPU72は、例えば「特別遊技管理ステータス」の値が「04H」に更新されてから、次に「05H」に更新されるまでの間にカウントした入賞球数と、排出時間内にカウントした排出球数とが一致するかを確認する。その結果、入賞球数と排出球数とが一致する場合は排出球不足状態フラグをリセット(00H)し、この処理を終了する。これに対し、両者が一致しない場合、主制御CPU72は排出球不足状態フラグをセット(01H)し、排出球不足エラー状態コマンドを設定する。ここで設定した排出球不足エラー状態コマンドは、演出制御出力処理(図10中のステップS214)で演出制御装置124に送信される。
〔特別遊技進行状況〕
図16は、特別遊技管理処理の実行に伴い変化していく「特別遊技管理ステータス」の値と、それぞれの値に対応した特別遊技の進行状況を一覧にして示した図である。本実施形態において特別遊技(特別図柄に対応する遊技)は、例えば(1)「特別図柄変動待ち状態」を初期状態として開始される。そこから左始動入賞口26、中始動入賞口28又は右始動入賞口27のうちいずれかの始動口に遊技球が入球すると、これを契機として特別遊技の進行状況は次の(2)「特別図柄変動表示中状態」に遷移し、さらに(3)「特別図柄停止図柄表示中状態」を経て(4)「小当り時第1特別電動役物作動開始演出中状態」に進み、(5)「小当り時第1特別電動役物開放状態」、(6)「小当り時第1特別電動役物開放後閉鎖状態」、(7)「小当り時第1特別電動役物作動終了演出中状態」へと遷移していく。
このとき、第1特別電動役物30内で特定領域の通過(V入賞)が発生しなかった場合、特別遊技の進行状況は(1)「特別図柄変動待ち状態」に戻り、そこから繰り返しとなる。一方、(5)「小当り時第1特別電動役物開放状態」以降に第1特別電動役物30内で特定領域の通過(V入賞)が発生すると、特別遊技の進行状況は(8)大当り開始演出中状態に遷移し、そこから(9)「大当り時第2特別電動役物開閉動作中状態」、(10)「大当り時第2特別電動役物開放後閉鎖状態」、(11)「大当り時第2特別電動役物閉鎖時間中状態」、(12)「大当りエンディング演出中状態」へと遷移していく。そして(12)「大当りエンディング演出中状態」まで終了すると、特別遊技の進行状況は(1)「特別図柄変動待ち状態」に戻り、そこから繰り返しとなる。以下、より具体的に説明する。
(1)「特別図柄変動待ち状態」
パチンコ機1による遊技の開始初期において、特別遊技の進行状況は(1)「特別図柄変動待ち状態」にある。この状態は、特別図柄の始動条件が満たされていることを意味し、例えば特別図柄が変動中でなく、前回の変動表示が行われた場合は特別図柄の停止表示が既に確定している。この状態で、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「00H」に設定しており、特別遊技管理処理において特別図柄変動開始待ち処理(ステップS1500)が選択される。
(2)「特別図柄変動表示中状態」
上記の(1)「特別図柄変動待ち状態」で左始動入賞口26、中始動入賞口28又は右始動入賞口27のうちいずれかの始動口に遊技球が入球した場合、特別図柄の変動表示が開始されて進行状況が(2)「特別図柄変動表示中状態」に遷移する。この状態は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35において特別図柄が変動表示中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「01H」に設定しており、特別遊技管理処理において特別図柄変動中処理(ステップS2000)が選択される。
(3)「特別図柄停止図柄表示中状態」
特別図柄の変動時間が経過して特別図柄が停止表示されると、進行状況が(3)「特別図柄停止図柄表示中状態」に遷移する。この状態は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35において特別図柄が停止表示中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「02H」に設定しており、特別遊技管理処理において特別図柄停止表示中処理(ステップS2500)が選択される。
(4)「小当り時第1特別電動役物作動開始演出中状態」
特別図柄の停止表示時間が経過することにより特別図柄の停止表示が確定すると、進行状況が(4)「小当り時第1特別電動役物作動開始演出中状態」に遷移する。この状態は、特別図柄の当選(小当りに該当)を契機とした第1特別電動役物30の作動開始待ちであることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「03H」に設定しており、特別遊技管理処理において第1特別電動役物作動開始待ち処理(ステップS3000)が選択される。
(5)「小当り時第1特別電動役物開放状態」
第1特別電動役物30が作動すると、進行状況が(5)「小当り時第1特別電動役物開放状態」に遷移する。この状態は、第1特別電動役物30の作動に伴う上大入賞口30bの開放中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「04H」に設定しており、特別遊技管理処理において小当り時第1特別電動役物開放処理(ステップS3500)が選択される。また、回転体モータ213が常時駆動しないタイプである場合、主制御CPU72は、「特別遊技管理ステータス」の値が「04H」に更新されたことを契機として、モータ管理処理(図10中のステップS209)においてモータの駆動制御を開始してもよい。
(6)「小当り時第1特別電動役物開放後閉鎖状態」
上大入賞口30bが閉止されると、進行状況が(6)「小当り時第1特別電動役物開放後閉鎖状態」に遷移する。この状態は、第1特別電動役物30において上大入賞口30bの閉止中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「05H」に設定しており、特別遊技管理処理において小当り時第1特別電動役物閉鎖処理(ステップS4000)が選択される。
(7)「小当り時第1特別電動役物作動終了演出中状態」
上大入賞口30bの閉止後、さらに進行状況が(7)「小当り時第1特別電動役物作動終了演出中状態」に遷移する。この状態は、第1特別電動役物30内での遊技球の振り分け動作を用いた遊技を終了させる期間にあることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「06H」に設定しており、特別遊技管理処理において小当り時第1特別電動役物作動終了処理(ステップS4500)が選択される。なお、第1特別電動役物30内で特定領域の通過(V入賞)が発生しなかった場合、進行状況は(1)「特別図柄変動待ち状態」に復帰する。
(8)「大当り開始演出中状態」
第1特別電動役物30内で特定領域の通過(V入賞)が発生すると、進行状況は(8)「大当り開始演出中状態」に遷移する。この状態は、再度の第1特別電動役物30の作動開始待ち期間であることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「07H」に設定しており、特別遊技管理処理において大当り時第2特別電動役物作動開始処理(ステップS5000)が選択される。
(9)「大当り時第2特別電動役物開閉動作中状態」
第2特別電動役物31が新たに作動を開始すると、進行状況は(9)「大当り時第2特別電動役物開閉動作中状態」に遷移する。この状態は、下大入賞口31bの開放中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「08H」に設定しており、特別遊技管理処理において大当り時第2特別電動役物開放処理(ステップS5500)が選択される。
(10)「大当り時第2特別電動役物開放後閉鎖状態」
第2特別電動役物31により下大入賞口31bが閉止されると、進行状況は(10)「大当り時第2特別電動役物開放後閉鎖状態」に遷移する。この状態は、ラウンドの終了に伴い下大入賞口31bが閉止された直後の状態であることを意味する。このとき主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「09H」に設定しており、特別遊技管理処理において大当り時第2特別電動役物閉鎖有効処理(ステップS5550)が選択される。
(11)「大当り時第2特別電動役物閉鎖時間中状態」
第2特別電動役物31の閉止後、進行状況は(11)「大当り時第2特別電動役物閉鎖時間中状態」に遷移する。この状態は、ラウンド終了後の待機状態(ラウンド間インターバル)にあることを意味する。このとき主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「0AH」に設定しており、特別遊技管理処理において大当り時第2特別電動役物閉鎖処理(ステップS6000)が選択される。なお、大当り中のラウンド数を全て消化していない場合、この後の進行状況は(9)「大当り時第2特別電動役物開閉動作中状態」に復帰する。
(12)「大当りエンディング演出中状態」
大当り最終ラウンド終了後の待機時間が経過すると、進行状況は(12)「大当りエンディング演出中状態」に遷移する。この状態は、大当りエンディング演出状態にあることを意味する。このとき主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「0BH」に設定しており、特別遊技管理処理において大当り時第2特別電動役物作動終了処理(ステップS6500)が選択される。
以上のように、特別遊技管理処理(図15)において主制御CPU72は、特別遊技の進行状況の変化に応じて「特別遊技管理ステータス」の値を「00H」〜「0BH」に変化させ、そのときの進行状況に応じた特別遊技制御モジュールを選択することができる。また、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスの値を更新した場合、その値を反映させた特別遊技管理ステータスコマンドを生成する。特別遊技管理ステータスコマンドは、演出制御出力処理(図10中ステップS214)において演出制御装置124に送信される。
〔特別図柄変動開始待ち処理〕
図17は、特別図柄変動開始待ち処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2502のデモ設定処理を実行する。
ステップS2502:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンド(客待ち指定コマンド)を生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図10中のステップS214)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する(抽選実行手段)。この処理では、先ず主制御CPU72は、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を読み出す。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存され、乱数記憶領域からは作動記憶が消去(消費)される。次に主制御CPU72は、大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。ここで、各始動入賞口への入球を契機として直接的に大当り遊技が実行される当り(いわゆる直当り、直撃当り)を設ける場合は本処理が必要となるが、直当りを設定しなければ本処理を省略してもよい。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は大当り遊技を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、第1特別電動役物30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。そして、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。ただし、本実施形態では小当り確率を1に設定しているため、以下のステップS2404及びステップS2405が実行されることはない。ただし、小当り確率を完全な1ではなく、「略1」に設定している場合は稀に非当選となる場合もあるため、以下のステップS2404及びステップS2405が実行される。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図10中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。第1主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。特別図柄の変動時間については、一定の変動時間を有する変動パターンに固定して選択してもよいが、第2特別電動役物31が開放するまでの時間にばらつきを持たせるために、異なる変動時間を有する変動パターンを選択的に決定してもよい。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
ここで、本実施形態では特別図柄の当選種別として「小当り1」〜「小当り6」の6種類が設けられており、主制御CPU72は、いずれの当選種別に該当するかを決定する。具体的には、第1特別図柄に基づく抽選である場合、「小当り1」、「小当り2」、「小当り3」に該当するものと決定し、第2特別図柄に基づく抽選である場合、「小当り4」、「小当り5」、「小当り6」に該当するものと決定する。なお、ここで決定した当り時停止図柄(「小当り1」〜「小当り6」のいずれか)に基づいて、第1特別電動役物30の可動片30aの開放回数が決定されることになる。
ただし、本実施形態では特別図柄抽選での当選がそのまま大当りではなく、あくまで第1特別電動役物30の開放契機(=小当り)であり、実際に大当りに進むためには(新たに第2特別電動役物31を開放させるためには)、第1特別電動役物30内で特定領域に遊技球を通過させる必要がある。
〔小当り時の当選図柄〕
そして、本実施形態では、小当り時の当選図柄として6種類の図柄が用意されており、具体的な図柄は、1回開放の「小当り図柄1」、「小当り図柄2」、「小当り図柄3」と、2回開放の「小当り図柄4」、「小当り図柄5」、「小当り図柄6」とである。
〔第1特別図柄停止図柄選択テーブル〕
図18は、第1特別図柄停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の抽選結果が第1特別図柄に対応する場合、本テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、振分値に対応する「小当り図柄1」、「小当り図柄2」、「小当り図柄3」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する当り時には、「小当り図柄1」が選択される割合は100分の33(=33%)であり、「小当り図柄2」が選択される割合は100分の33(=33%)であり、「小当り図柄3」が選択される割合は100分の34(=34%)である。したがって、第1特別図柄での当選時には33%の割合で「小当り図柄1」が選択され、残りの33%の割合で「小当り図柄2」が選択され、残りの34%の割合で「小当り図柄3」が選択されることになる。
なお、小当り中に第1特別電動役物30内の特定領域を遊技球が通過した場合、この当選図柄の種類に応じて大当り種別ステータスや大当り時の実行ラウンド数が設定されることとなる。具体的には、「小当り図柄1」に対応して大当り種別ステータスが「01H」に設定され、それに応じて大当り時の実行ラウンド数が「3ラウンド(小当りを1ラウンドとしたものを含む)」に設定される。同様に、「小当り図柄2」に対応して大当り種別ステータスが「02H」に設定され、それに応じて大当り時の実行ラウンド数が「7ラウンド(小当りを1ラウンドとしたものを含む)」に設定され、「小当り図柄3」に対応して大当り種別ステータスが「03H」に設定され、それに応じて大当り時の実行ラウンド数が「16ラウンド(小当りを1ラウンドとしたものを含む)」に設定される。
今回の小当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため、今回の当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「小当り図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔第2特別図柄停止図柄選択テーブル〕
図19は、第2特別図柄停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の抽選結果が第2特別図柄に対応する場合、本テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、振分値に対応する「小当り図柄4」、「小当り図柄5」、「小当り図柄6」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する当り時には、「小当り図柄4」が選択される割合は100分の33(=33%)であり、「小当り図柄5」が選択される割合は100分の33(=33%)であり、「小当り図柄6」が選択される割合は100分の34(=34%)である。したがって、第2特別図柄での当選時には33%の割合で「小当り図柄4」が選択され、残りの33%の割合で「小当り図柄5」が選択され、残りの34%の割合で「小当り図柄6」が選択されることになる。
なお、小当り中に第1特別電動役物30内の特定領域を遊技球が通過した場合、この当選図柄の種類に応じて大当り種別ステータスや大当り時の実行ラウンド数が設定されることとなる。具体的には、「小当り図柄4」に対応して大当り種別ステータスが「01H」に設定され、それに応じて大当り時の実行ラウンド数が「3ラウンド(小当りを1ラウンドとしたものを含む)」に設定される。同様に、「小当り図柄5」に対応して大当り種別ステータスが「02H」に設定され、それに応じて大当り時の実行ラウンド数が「7ラウンド(小当りを1ラウンドとしたものを含む)」に設定され、「小当り図柄6」に対応して大当り種別ステータスが「03H」に設定され、それに応じて大当り時の実行ラウンド数が「16ラウンド(小当りを1ラウンドとしたものを含む)」に設定される。
今回の抽選結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の小当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の小当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「小当り図柄4」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔図17:特別図柄変動開始待ち処理参照〕
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン決定手段、変動時間決定手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「01H」に更新し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔小当り時第1特別電動役物開放処理〕
図20は、小当り時第1特別電動役物開放処理(図15中のステップS3500)の手順例を示すフローチャートである。上記のように小当り時第1特別電動役物開放処理は、特別遊技管理処理において特別図柄の変動表示が行われ、特別図柄が小当り(当選確率1/1)の態様で停止表示された後、第1特別電動役物作動開始待ち処理(図15中のステップS3000)による上大入賞口開放開始タイマのカウントダウンを経て実行される。この場合、「特別遊技管理ステータス」の値は「04H」に更新されている。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS3501:小当り時第1特別電動役物開放処理において先ず主制御CPU72は、上大入賞口ソレノイドONフラグをセットする。このフラグは、例えばRAM76のフラグセット領域に格納される。
ステップS3502:次に主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上カウントスイッチ84からの入賞検出信号に基づき、第1特別電動役物30(上大入賞口30b)への入賞球数カウンタを更新する。入賞球数カウンタの値は、例えばRAM76のカウント数領域に記憶されている。また、スイッチ入力イベント処理においては、主制御CPU72は排出検知スイッチ900及び特定領域スイッチ700からの各検出信号も合わせて確認する。なお、本モジュールを最初に呼び出した時点で上大入賞口ソレノイド90は非作動であり、上大入賞口30bは未だ開放していないので、初回に入賞球数カウンタが加算されることはない。
ステップS3504:次に主制御CPU72は、入賞球数カウンタの値が最大個数(例えば8個)に達したか否かを確認する。上記のように本モジュールの初回呼び出し時にカウンタは加算されていないので(No)、主制御CPU72は次にステップS3506に進む。
ステップS3506:この場合、初回開放タイマカウントダウン処理を実行する。なお、本モジュールの初回呼び出し時であれば、主制御CPU72はここで初回開放タイマを初期値(例えば1秒)に設定する。また、初回以降の呼び出し時であれば、主制御CPU72は設定済みの初回開放タイマの値をデクリメントする。
ステップS3508:そして主制御CPU72は、上大入賞口初回開放時間が終了したか否かを確認する。初回開放タイマの値が0よりも大きい値である場合(No)、主制御CPU72はステップS3514に進む。
ステップS3514:この場合、主制御CPU72はRAM76のフラグセット領域から上大入賞口ソレノイドONフラグを読み込み、その値に基づいて上大入賞口ソレノイド90の制御信号として「作動(ON)」を設定する。これにより、上大入賞口ソレノイド90が励磁されて上大入賞口30bが開放された状態となる。
そして、次回以降に本モジュールが呼び出され、実際に上大入賞口30bへの入賞が発生すると、スイッチ入力イベント処理(ステップS3502)において入賞球数カウンタの値が加算されることになる。
入賞球数カウンタの値が最大個数に達するか(ステップS3504:Yes)、もしくは初回開放タイマの値が0になった場合(ステップS3508:Yes)、主制御CPU72は次にステップS3509を実行する。
ステップS3509:この場合、主制御CPU72は上大入賞口ソレノイドOFFフラグをセットする。これにより、RAM76のフラグセット領域にセットされていたONフラグがOFFフラグに書き換えられる。
ステップS3510:そして主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「05H」に設定する。これにより、次回以降の本モジュールの呼び出しはされなくなり、特別遊技進行状況が次段階へ以降することになる。ただし、第2特別図柄での抽選で「小当り4」、「小当り5」、「小当り6」のいずれかに該当した場合、上大入賞口30bは2回開放されることになるため、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を再度「04H」に設定する。これにより、もう一度、本モジュールでの一連の処理が実行されることになる。
ステップS3512:また、主制御CPU72は、第1特別電動役物閉鎖コマンドを設定する。このコマンドは、第1特別電動役物30の閉鎖を演出制御装置124(演出制御CPU126)に通知するためのものである。ここで設定されたコマンドは、演出制御出力処理(図10中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
ステップS3514:主制御CPU72は、RAM76のフラグセット領域にセットされている上大入賞口ソレノイドOFFフラグの値に基づき、上大入賞口ソレノイド90の制御信号として「非作動(OFF)」を設定する。これにより、上大入賞口ソレノイド90の励磁が停止されて上大入賞口30bが閉鎖された状態となる。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000)のプログラムアドレスに復帰する。また、上記のように、これ以降は「特別遊技管理ステータス」の値が「05H」に更新されているため、ひとまず(次回の特別図柄変動まで)本モジュールの呼び出しはされなくなる。
〔小当り時第1特別電動役物閉鎖処理〕
次に図21は、小当り時第1特別電動役物閉鎖処理(図15中のステップS4000)の手順例を示すフローチャートである。上記のように小当り時第1特別電動役物閉鎖処理は、「特別遊技管理ステータス」の値が「05H」に更新された場合に実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS4002:先ず主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主に排出検知スイッチ900からの検出信号を確認し、排出球数カウンタの値を加算する。排出球数カウンタの値は、例えばRAM76のカウント数領域に格納されている。また、主制御CPU72は、この処理において特定領域スイッチ700からの通過検出信号の有無を確認する。特定領域スイッチ700の有効時間内に通過検出信号が入力された場合、ここで主制御CPU72は大当りフラグの値(01H)をセットする。
また、主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)をセットした場合、小当り時の特別図柄の停止図柄(当選図柄)の種類に応じて大当り種別ステータスの値もセットする。具体的には、第1特別図柄での抽選で「小当り1」又は第2特別図柄での抽選で「小当り4」に該当した場合、大当り種別ステータスに「01H」をセットし、第1特別図柄での抽選で「小当り2」又は第2特別図柄での抽選で「小当り5」に該当した場合、大当り種別ステータスに「02H」をセットし、第1特別図柄での抽選で「小当り3」又は第2特別図柄での抽選で「小当り6」に該当した場合、大当り種別ステータスに「03H」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り種別ステータスの値を設定した場合、その値を反映させた大当り種別コマンドを生成する。大当り種別コマンドは、演出制御出力処理(図10中ステップS214)において演出制御装置124に送信される。これを受けて演出制御装置124(演出制御CPU126)は、大当り時の演出の実行を制御することができる。
ステップS4014:主制御CPU72は、残存球排出チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上述した入賞球数カウンタの値と排出球数カウンタの値とを比較する。なお、排出球数カウンタの値には、排出検知スイッチ900によりそれぞれ検出された遊技球の数を合計した値のほか、特定領域スイッチ700により検出された遊技球の数も含まれる。
ステップS4016:そして主制御CPU72は、上記の比較結果に基づいて有効球の排出が完了したか否かを判断する。すなわち、入賞球数カウンタの値より排出球数カウンタの値が小さければ、主制御CPU72は未だ有効球の排出が完了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して特別遊技管理処理に復帰する。これに対し、入賞球数カウンタの値より排出球数カウンタの値が小さくなければ(両者が一致した場合)、主制御CPU72は有効球の排出が完了したと判断し(Yes)、次のステップS4028に進む。
ステップS4028:ここで主制御CPU72は、「特別遊技管理ステータス」の値を「06H」に設定する。これにより、正規の入賞球数と排出球数とが一致したこと(ステップS4016:Yes)を条件として役物ゲームが一旦終了となる。
ステップS4030:また、主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。特に大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。一方、大当りフラグの値がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72はステップS4032を実行する。
ステップS4032:この場合、主制御CPU72は大当り状態指定コマンドを設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。
〔小当り時第1特別電動役物作動終了処理〕
次に図22は、小当り時第1特別電動役物作動終了処理(図15中のステップS4500)の手順例を示すフローチャートである。上記のように小当り時第1特別電動役物作動終了処理は、「特別遊技管理ステータス」の値が「06H」に更新された場合に実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS4502:主制御CPU72は、エンディング時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はエンディング時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。また、演出用表示装置42の表示部では、この「エンディング時間」を利用して、第1特別電動役物30内でのゲームフローを終了させるエンディング演出が行われる。
ステップS4504:次に主制御CPU72は、エンディング時間が終了したか否かを確認する。具体的には、エンディング時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72はエンディング時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して特別遊技管理処理に復帰する。
この後、時間の経過に伴ってエンディング時間タイマの値が0になると、主制御CPU72はエンディング時間が終了したと判断し(Yes)、ステップS4506以降を実行する。
ステップS4506:主制御CPU72は、上記の大当り状態指定コマンドの値(01H)がセットされているか否かを確認する。特に大当り状態指定コマンドの値がセットされていない場合(No)、主制御CPU72はステップS4512に進む。これに対し、大当り状態指定コマンドの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72はステップS4508に進む。
ステップS4508:この場合、主制御CPU72は大当り状態移行コマンドを設定する。
大当り状態指定コマンドの値がセットされていないか(ステップS4506:No)、もしくは大当り状態指定コマンドの値がセットされている場合(ステップS4506:Yes)にステップS4508を実行すると、主制御CPU72はステップS4512を実行する。
ステップS4512:ここで主制御CPU72は、エンディング時間終了コマンドを設定する。このエンディング時間終了コマンドは、演出制御装置124(演出制御CPU126)に対して小当り時の第1特別電動役物30内でのゲームフローが終了したことを通知するためのものである。ここで設定したエンディング時間終了コマンドは、演出制御出力処理(図10中のステップS214)で演出制御装置124に送信される。
ステップS4514:そして主制御CPU72は、大当り状態移行コマンドの値に基づいて「特別遊技管理ステータス」の値を設定する。すなわち、ここでは大当り状態移行コマンドの値(01H)が設定されているか否かによって結果が異なる。具体的には、先のステップS4508で大当り状態移行コマンドを設定した場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「07H」に設定(更新)する。この場合、上記のように特別遊技管理処理において大当り時第2特別電動役物作動開始処理(図15中のステップS5000)が実行されることになる。
これに対し、ステップS4508を実行していない(大当り状態移行コマンドを設定していない)場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「00H」に復帰させる。この場合、以後の特別遊技管理処理において大当り時第2特別電動役物作動開始処理(図15中のステップS5000)は選択されず、特別図柄変動開始待ち処理(図15中のステップS1500)が実行されることになる。いずれにしても、以上の手順を実行すると主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。
〔大当り時第2特別電動役物作動開始処理〕
図23は、大当り時第2特別電動役物作動開始処理(図15中のステップS5000)の手順例を示すフローチャートである。以下、大当り状態移行コマンドが設定された場合(「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」に更新された場合)の処理について説明する。
ステップS5002:先ず主制御CPU72は、大当り開始待ち時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り開始待ち時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。大当り開始待ち時間タイマの初期値は、小当り時の第1特別電動役物30の作動終了時から第2特別電動役物31を新たに作動させるまでの待ち時間(例えば数秒程度)として設定される。また、演出用表示装置42の表示部では、この「大当り開始待ち時間」を利用して、例えば大当り遊技の開始前演出が行われる。
ステップS5004:次に主制御CPU72は、大当り開始待ち時間が経過したか否かを確認する。すなわち、大当り開始待ち時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は大当り開始待ち時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して特別遊技管理処理に復帰する。
この後、時間の経過に伴って大当り開始待ち時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は大当り開始待ち時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5006以降を実行する。
ステップS5006:この場合、主制御CPU72は実行ラウンド数を設定する。本実施形態では、設定される実行ラウンド数(連続作動回数)は「3ラウンド」、「7ラウンド」、「16ラウンド」の3通りであり、いずれの実行ラウンド数を設定するかについては、大当り種別ステータスを確認することで実行ラウンド数を設定することができる。具体的には、大当り種別ステータス(小当り図柄)が「01H」(小当り1図柄又は小当り4図柄)であった場合には実行ラウンド数は「3ラウンド」が設定され、大当り種別ステータス(小当り図柄)が「02H」(小当り2図柄又は小当り5図柄)であった場合には実行ラウンド数は「7ラウンド」が設定され、大当り種別ステータス(小当り図柄)が「03H」(小当り3図柄又は小当り6図柄)であった場合には実行ラウンド数は「16ラウンド」が設定される。ただし、上述したように第1特別電動役物30の初回開放(小当りの動作)が1ラウンド目に相当する。したがって、ここでは実行ラウンド数として残りの「2ラウンド」、「6ラウンド」又は「15ラウンド」のいずれかを設定することとする。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(例えば15回なら「14」)として、RAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5008:次に主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、第2特別電動役物31を作動する際の1回あたりの開放時間となる。本実施形態では、大当り時開放タイマの値として1ラウンド分のトータル開放時間(例えば29.0秒程度)が設定される。この程度の開放時間であれば、その間に充分な数(例えば8個程度)の遊技球を下大入賞口31bに入賞させることができる。
ステップS5010:そして主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマ(下大入賞口閉鎖時間タイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間、又は最終ラウンド終了時の待機時間となる。なお、タイマの値は、例えば2〜3秒程度に設定される。
ステップS5012:そして主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「08H」に更新し、特別遊技管理処理に復帰する。
〔大当り時第2特別電動役物開放処理〕
図24は、大当り時第2特別電動役物開放処理(図15中のステップS5500)の手順例を示すフローチャートである。先の大当り時第2特別電動役物作動開始処理(図23中のステップS5012)で「特別遊技管理ステータス」の値が「08H」に更新されると、以後は大当り時第2特別電動役物開放処理が実行される。この処理は主に、大当り遊技(特別遊技)中の動作として第2特別電動役物31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、下大入賞口31bを開放させる。具体的には、下大入賞口ソレノイド95に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第2特別電動役物31が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
ステップS5504:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時第2特別電動役物作動開始処理(図23中のステップS5008)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5506:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5508を実行する。
ステップS5508:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第2特別電動役物31(開放中の下大入賞口31b)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に下カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(8個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。そして、次に特別遊技管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大当り時第2特別電動役物開放処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5502〜ステップS5510の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5506で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5510でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5512を実行する。
ステップS5512:主制御CPU72は、下大入賞口31bを閉止させる。具体的には、下大入賞口ソレノイド95に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第2特別電動役物31が開放状態から閉止状態に復帰する。
ステップS5514:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大当り時第2特別電動役物作動開始処理(図23中のステップS5010)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5518に進む。
ステップS5518:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5520:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、「大当り中の1ラウンド内で第2特別電動役物31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。本実施形態では、1ラウンドに8回開放する開放パターンを採用しているので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで8回に設定されている。そして、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した回数(例えば「8」)に達した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5522に進むことになる。
なお、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していない場合(ステップS5520:No)、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰し、現段階ではジャンプ先が大当り時第2特別電動役物作動開始処理に設定されているので、上記のステップS5502〜ステップS5520までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5518で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5522に進むことになる。
ステップS5522:ここで主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスの値を「09H」に設定し、特別遊技管理処理に復帰する。このため、次に主制御CPU72が特別遊技管理処理を実行すると、ジャンプ先として次の大当り時第2特別電動役物閉鎖有効処理(図15中のステップS5550)が選択されることになる。
特に図示していないが、上記のように大当り時第2特別電動役物閉鎖有効処理は、第2特別電動役物31の開放から閉鎖に伴う時間を調整するために実行されるものである。この処理で主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「0AH」に更新し、特別遊技管理処理に復帰する。そして、次に主制御CPU72が特別遊技管理処理を実行すると、ジャンプ先として次の大当り時第2特別電動役物閉鎖処理(図15中のステップS6000)が選択される。
〔大当り時第2特別電動役物閉鎖処理〕
図25は、大当り時第2特別電動役物閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時第2特別電動役物閉鎖処理は、上記のように第2特別電動役物31の閉鎖有効時間が経過した後、次の動作に移る前の内部状態を整えるためのものである。以下、具体的に説明する。
ステップS6002:先ず主制御CPU72は、下大入賞口閉鎖時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の大当り時第2特別電動役物作動開始処理(図23中のステップS5010)で設定した大当り時インターバルタイマ(大入賞口閉鎖時間タイマ)のカウントダウンを実行する。
ステップS6004:続いて主制御CPU72は、閉鎖時間(インターバル時間)が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大当り時インターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72はここで大当り時第2特別電動役物閉鎖処理を終了し、特別遊技管理処理に復帰する。そして、次に特別遊技管理処理を実行すると、現段階では特別遊技管理ステータスが「0AH」に設定されているため、主制御CPU72は大当り時第2特別電動役物閉鎖処理を選択し、上記のステップS6002及びステップS6004の手順を繰り返し実行する。そして、ステップS6004で閉鎖時間が終了したと判断すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS6006を実行する。
ステップS6006:主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値をインクリメントする。なお、ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS6008:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。なお、実行ラウンド数は、先の大当り時第2特別電動役物作動開始処理(図23中のステップS5006)で設定されたものである。このとき、ラウンド数カウンタの値が未だ実行ラウンド数に達していなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS6014に進む。
〔最終ラウンド終了前〕
ステップS6014:この場合、主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値に基づき、ラウンド数コマンドを設定する。ここで設定したラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図10中のステップS214)で演出制御装置124に送信される。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を認識し、その結果を大当り中の演出制御に反映させることができる。
ステップS6015:次に主制御CPU72は、通常ラウンド下大入賞口閉鎖指定コマンドを設定する。このコマンドは、大当り時における各ラウンド後の第2特別電動役物31の閉鎖を演出制御装置124(演出制御CPU126)に通知するためのものである。なお、通常ラウンド下大入賞口閉鎖指定コマンドは、最終ラウンド以外での第2特別電動役物31の閉鎖であることを示すコマンドである。ここで設定されたコマンドは、演出制御出力処理(図10中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
ステップS6016:そして主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスの値を「0AH」から変更して「08H」に設定する。これにより、次に主制御CPU72が特別遊技管理処理を実行すると、主制御CPU72は再び大当り時第2特別電動役物開放処理(図25)を選択し、次のラウンドでの第2特別電動役物31の開放動作が実行されることになる。
ステップS6018:また、主制御CPU72は、今回のラウンド内でカウントした入賞球数カウンタをリセットする。これにより、再び大当り時第2特別電動役物開放処理(図25)が実行された場合、次回のラウンド内での入賞球数が0からカウントされることになる。
〔最終ラウンド終了時〕
この後、ステップS6008でラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達したことを確認すると(ステップS6008:Yes)、主制御CPU72は次にステップS6010に進む。
ステップS6010:この場合、主制御CPU72は今回の大当りで用いたラウンド数カウンタをリセットする。
ステップS6011:次に主制御CPU72は、最終ラウンド下大入賞口閉鎖指定コマンドを設定する(最終開閉動作終了情報通知手段)。このコマンドは、大当り時における最終ラウンドでの第2特別電動役物31の閉鎖を演出制御装置124(演出制御CPU126)に通知するためのものである。
ここで最終ラウンドは、3ラウンド大当りであれば3ラウンドが該当し、7ラウンド大当りであれば7ラウンドが該当し、16ラウンド大当りであれば16ラウンドが該当する。ここで設定されたコマンドは、演出制御出力処理(図10中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
ステップS6012:そして主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスの値を「0AH」から「0BH」に更新して設定する。
ステップS6018:また、主制御CPU72は、最終ラウンド内でカウントした入賞球数カウンタをリセットする。
最終ラウンド終了時に以上の手順を実行すると、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が特別遊技管理処理を実行すると、ジャンプ先として次に大当り時第2特別電動役物作動終了処理(図15中のステップS6500)が選択されることになる。
〔モータ管理処理〕
図26は、割込管理処理の中で実行されるモータ管理処理(図10中のステップS209)の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS2800:先ず主制御CPU72は、原点監視処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は回転体モータ213の原点位置を監視する必要があるか否かを確認し、監視する必要があれば、各原点検出機構からの検出信号を取得する。
ステップS2802:次に主制御CPU72は、回転体モータ213について電源投入時動作が完了しているか否かを確認する。このときパチンコ機1の電源投入直後であり、未だ回転体モータ213について電源投入時の動作が完了していなければ(No)、主制御CPU72はステップS2804を実行する。
ステップS2804:この場合、主制御CPU72は電源投入時動作処理を実行する。これにより、例えば回転体モータ213は、それぞれ一定方向に一定速度で回転を開始する。また、回転体モータ213は、パチンコ機1の電源投入時(電源OFF等の停電時以外)から電源遮断時まで一定の動作パターンに基づいて動作する。この後、電源投入時動作が完了すると、先のステップS2802で動作完了(Yes)と判定されるため、以後はステップS2804がスキップされる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は割込管理処理(図10)に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
図27は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図10中のステップS212)の手順例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1220)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35のLEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38b,38cの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数の値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38b,38cのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数で指定された大当りに対応するいずれかの表示ランプ38a,38b,38cである。
例えば、連続作動回数コマンドの値が「3ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「3ラウンド(3R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。また、連続作動回数コマンドの値が「7ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「7ラウンド(7R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。さらに主制御CPU72は連続作動回数コマンドの値が「16ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「16ラウンド(16R)」を表すランプ38cに対して点灯信号を出力する。
以上のように本実施形態のパチンコ機1では、主制御CPU72による制御処理の実行に伴って特別図柄遊技の進行状況が遷移していく。さらに特別図柄遊技では、第1特別電動役物30内での遊技球の振り分け動作の結果に応じて大当り遊技又は通常遊技へと進行状況が大きく分岐することになる。
このため本実施形態では、実際の遊技の進行状況に応じて主に演出用表示装置42を用いた演出を行い、遊技者に進行状況の遷移を分かりやすく伝達している。以下、演出用表示装置42を用いた演出について例を挙げて説明する。
〔小当り時演出〕
図28及び図29は「小当り1」に該当した場合に実行される演出の例を示す連続図である。また、図30及び図31は、「小当り4」に該当した場合に実行される演出の例を示す連続図である。なお、「小当り2」又は「小当り3」に該当した場合は「小当り1」に該当した場合と同様の演出例となり、「小当り5」又は「小当り6」に該当した場合は「小当り4」に該当した場合と同様の演出例となる。
本実施形態では、特別図柄抽選での小当り当選を契機として第1特別電動役物30の上大入賞口30bを開放させているため、上大入賞口30bが開放している際には遊技球を上大入賞口30bに入賞させることを促すために以下の演出を実行している。
〔演出開始前〕
図28中(A):パチンコ機1において遊技を開始する前の段階では、演出用表示装置42ではデモ演出が行われている。デモ演出は、演出用表示装置42の7セグメントLEDの中央のバーの部分を点灯させる演出である。デモ演出は、デモ演出用コマンドに基づいて実行される。そして、遊技者がグリップユニット16を操作して遊技領域に遊技球を打ち出したものとする。
〔左始動入賞口への入球〕
図28中(B):遊技球が左始動入賞口26に入球すると、第1特別図柄が変動を開始する。第1特別図柄の変動時間は、極端に短い時間(例えば、0.3〜2.5秒程度)に設定されている。また、第1特別図柄抽選の小当り確率は1であるため、第1特別図柄が変動を開始すると、「小当り1」〜「小当り3」のいずれかに対応する態様により、第1特別図柄がすぐさま停止表示される。そして、第1特別図柄が例えば「小当り1」に対応する態様で停止表示されたことを契機として第1特別電動役物30が1回だけ作動し、上大入賞口30bを1回開放する。そして、演出用表示装置42では、第1特別図柄の変動が開始されたことを契機として、7セグメントLEDの中央のバーの部分が点滅する演出が実行される。
このとき、第1特別電動役物30の1回の開放動作に付随して、スピーカ54,55,56から、1回の開放動作に対応する効果音MA1が出力される。この効果音MA1は、Aモードでの1回開放に対応する効果音である。出力される効果音は、滞在しているモードに応じて出力される。例えば、Bモードが選択されていればBモードに対応する効果音が出力され、Cモードが選択されていればCモードに対応する効果音が出力される。
〔第1特別電動役物の作動終了〕
図29中(C):第1特別電動役物30が規定の開放時間(例えば0.4秒)にわたって開放すると、第1特別電動役物30は上大入賞口30bを閉じて作動を終了する。
図29中(D):上大入賞口30bに遊技球が入球しない場合、上カウントスイッチ84にて遊技球の通過は検出されないため、その後に特別図柄は変動待ちの状態となる。そして、特別図柄が変動待ちの状態となったことを契機として、7セグメントLEDの中央のバーの部分が点灯するデモ演出が開始される。
〔演出開始前〕
図30中(A):パチンコ機1において遊技を開始する前の段階では、演出用表示装置42ではデモ演出が行われている。デモ演出は、演出用表示装置42の7セグメントLEDの中央のバーの部分を点灯させる演出である。そして、遊技者がグリップユニット16を操作して遊技領域に遊技球を打ち出したものとする。
〔中始動入賞口への入球〕
図30中(B):遊技球が中始動入賞口28に入球すると、第2特別図柄が変動を開始する。第2特別図柄の変動時間も、極端に短い時間(例えば、0.3〜2.5秒程度)に設定されている。また、第2特別図柄抽選の小当り確率は1であるため、第2特別図柄が変動を開始すると、「小当り4」〜「小当り6」に対応する態様により、第2特別図柄がすぐさま停止表示される。そして、第2特別図柄が例えば「小当り4」に対応する態様で停止表示されたことを契機として第1特別電動役物30が2回作動し、上大入賞口30bを2回開放する。そして、演出用表示装置42では、第2特別図柄の変動が開始されたことを契機として、7セグメントLEDの中央のバーの部分が点滅する演出が実行される。
このとき、第1特別電動役物30の1回目の開放動作に付随して、スピーカ54,55,56から、1回目の開放動作に対応する効果音MA2が出力される。この効果音MA2は、Aモードでの2回開放に対応する効果音である。ここで、効果音MA2は、効果音MA1よりも長く出力される音である。これは、1回開放の小当りに該当した場合の1回の開放時間よりも、2回開放の小当りに該当した場合の1回の開放時間の方が長いことを示唆するためである。
〔第1特別電動役物の1回目の作動終了〕
図30中(C):第1特別電動役物30が所定の開放時間(例えば0.7秒)にわたって開放すると、第1特別電動役物30は上大入賞口30bを閉じて1回目の作動を終了する。
〔第1特別電動役物の2回目の作動開始〕
図31中(D):第2特別図柄が「小当り4」に対応する態様で停止表示された場合、第1特別電動役物30は、2回開放することになる。そして、1回目の作動が終了し、1回目の作動と2回目の作動との間にあるインターバル時間が経過したことを契機として、第1特別電動役物30が再び作動を開始し、上大入賞口30bを開放する。演出用表示装置42では、7セグメントLEDの中央のバーの部分が点滅する演出が継続して実行されている。
このとき、第1特別電動役物30の2回目の開放動作に付随して、スピーカ54,55,56から、2回目の開放動作に対応する効果音MA2が出力される。この効果音MA2は、1回目の開放動作の効果音と同様である。
〔第1特別電動役物の2回目の作動終了〕
図31中(E):第1特別電動役物30が所定の開放時間(例えば0.7秒)にわたって開放すると、第1特別電動役物30は上大入賞口30bを閉じて2回目の作動を終了する。
図31中(F):上大入賞口30bに遊技球が入球しない場合、上カウントスイッチ84にて遊技球の通過は検出されないため、その後に特別図柄は変動待ちの状態となる。そして、特別図柄が変動待ちの状態となったことを契機として、7セグメントLEDの中央のバーの部分が点灯するデモ演出が開始される。
〔上大入賞口入球時演出〕
図32は、小当り時に開放した上大入賞口30bに遊技球が入球した場合に実行される演出の例を示す図である。
〔上大入賞口開放〕
図32中(A):第1特別図柄が「小当り1」に対応する態様で停止表示されたことを契機として第1特別電動役物30の上大入賞口30bが開放している。このとき、第1特別電動役物30の1回の開放動作に付随して、スピーカ54,55,56から、1回の開放動作に対応する効果音MA1が出力される。そして、図示の例では、第1特別電動役物30の上大入賞口30bに遊技球が入球している。
〔遊技球検出〕
図32中(B):第1特別電動役物30の上大入賞口30bに遊技球が入球すると、遊技球は第1特別電動役物30の内部に進入し、上カウントスイッチ84により遊技球の通過が検出される。上カウントスイッチ84により遊技球の通過が検出されると、演出用表示装置42では入球演出が実行される。入球演出は、演出用表示装置42にて、7セグメントLEDの中央のバーの部分が点滅する演出を継続することにより実行される。
〔入球演出継続〕
図32中(C):上カウントスイッチ84を通過した遊技球は、この後、第1特別電動役物30内で特定領域を通過して排出されるか、特定領域を通過しないで排出されるかの振分動作が行われる。演出用表示装置42での入球演出は、次に遊技球が特定領域スイッチ700により検出されるか、排出検知スイッチ900により検出されるまで継続される。
〔特定領域孔入球時演出〕
図33は、特定領域孔に遊技球が入球した場合に実行される演出の例を示す図である。
特定領域孔530は、第1特別電動役物30内での振分動作に成功した場合に遊技球が入球する孔である。特定領域孔530に遊技球が入球すると、大当りとなり、かつ、遊技者に対して大当りのラウンド数が伝達される。また、ここでは、「小当り3」に該当して第1特別電動役物30が作動しているものとする。
〔下ステージ到達〕
図33中(A):図示の例では、下ステージ520に遊技球が到達している。ここでは、演出用表示装置42の表示領域で7セグメントLEDの中央のバーの部分が点滅する演出が継続されている。
〔演出スイッチでの遊技球検出〕
図33中(B):そして、下ステージ520から運良く特定領域孔530に遊技球が入球すると、特定領域孔530の下流にある特定領域スイッチ700により遊技球の通過が検出される。特定領域スイッチ700により遊技球の通過が検出されると、演出用表示装置42ではラウンド数伝達演出が実行される。ラウンド数伝達演出としては、例えば演出用表示装置42の表示領域に当選図柄に応じたラウンド数を表示する演出(例えば、「3」「7」又は「16」の数字を表示する演出)が実行される。
また、特定領域スイッチ700により遊技球の通過が検出されると、スピーカ54,55,56から、V入賞を祝福する効果音MA3が出力される。
〔大役中演出〕
図34〜図36は、「16ラウンド大当り」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出及びその後の演出例を部分的に示す連続図である。なお、「3ラウンド大当り」に該当した場合や、「7ラウンド大当り」に該当した場合、「16ラウンド大当り」と比較してラウンド数の相違はあるものの、基本的な演出の態様は同様である。
〔2ラウンド開始時〕
図34中(A):16ラウンド大当りに対応する小当り図柄(小当り図柄3又は小当り図柄6)に該当し、遊技球が特定領域を通過すると、16ラウンド大当り遊技が開始される。そして16ラウンド大当り遊技が開始されたことにより、第2特別電動役物31の下大入賞口31bが開放している。なお、大当り遊技は、小当り遊技での第1特別電動役物30の作動が1ラウンド目に該当するため、2ラウンド目から開始される。そして、大当り遊技の2ラウンド目が開始されると、演出用表示装置42では、現在のラウンド数を示す「2」の数字が表示されている。
また、Aモードで大当りした場合、大当り遊技中は、スピーカ54,55,56から、Aモードに対応する効果音MA4(大役中BGM)が出力される。効果音MA4は、大当り遊技が終了するまで出力され続ける。
図34中(B):大当り遊技の2ラウンド目の実行中に、第2特別電動役物31の下大入賞口31bに遊技球が入球している。入球した遊技球は第2特別電動役物31の内部に進入し、下カウントスイッチ85により遊技球の通過が検出される。下カウントスイッチ85により遊技球の通過が検出されると、規定数(例えば10個)の遊技球の払い出しが行われる。なお、第2特別電動役物31は、下大入賞口31bが所定回数開放(例えば8回開放)するか、もしくは規定個数(例えば8個)の遊技球の入球があるかのいずれかの条件が満たされるまで1回のラウンドを継続する。そして、ここでは、第2特別電動役物31は、下大入賞口31bを閉じて閉鎖している。なお、特に図示はしていないが、遊技球のカウント数に応じて、各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を徐々に点灯させていく演出を実行してもよい。
図34中(C):大当り遊技の2ラウンド目の実行中に、再び第2特別電動役物31の下大入賞口31bに遊技球が入球する。入球した遊技球は第2特別電動役物31の内部に進入し、下カウントスイッチ85により遊技球の通過が検出される。下カウントスイッチ85により遊技球の通過が検出されると、規定数(例えば10個)の遊技球の払い出しが行われる。
図34中(D):そして、大当り遊技の2ラウンド目の実行中に、8個目の遊技球が第2特別電動役物31の下大入賞口31bに入球し、入球した遊技球が下カウントスイッチ85により検出される。下カウントスイッチ85により遊技球の通過が検出されると、規定数(例えば10個)の遊技球の払い出しが行われる。この場合、第2特別電動役物31は、規定個数(例えば8個)の遊技球の入球があったという条件を満たしたものとして、可動片31aを閉じて2ラウンド目を終了させる。
〔下大入賞口閉鎖演出〕
図34中(E):2ラウンド目が終了したことを契機として下大入賞口閉鎖演出が実行される。下大入賞口閉鎖演出は、例えば演出用表示装置42の表示領域で小さな丸印を上下に移動させる演出である。
また、遊技球のカウント数の更新演出に付随して、各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を徐々に点灯させていく演出を実行している場合は、それらを消灯させる演出(更新演出をリセットする演出)も合わせて実行する。
〔下大入賞口閉鎖演出継続〕
図35中(F):演出用表示装置42での下大入賞口閉鎖演出は、下大入賞口31bの閉鎖時間が終了するまで継続される。図示の例では、演出用表示装置42の表示領域で小さな丸印を上下に移動させる演出が継続されている。
〔3ラウンド目〕
図35中(G):2ラウンド目の下大入賞口の閉鎖時間が終了すると、16ラウンド大当り遊技の3ラウンド目が開始される。そして3ラウンド目が開始されたことにより、第2特別電動役物31の可動片31aが開いて下大入賞口31bが開放している。そして、大当り遊技の3ラウンド目が開始されると、演出用表示装置42では、現在のラウンド数を示す「3」の数字が表示される。
〔16ラウンド目〕
図35中(H):その後、順調に大当り遊技が進行し、最終の16ラウンド目に移行している。図示の例では、演出用表示装置42の表示領域にて、現在のラウンド数を示す「16」の数字が表示されている。そして、大当り遊技の16ラウンド目の実行中に、8個目の遊技球が第2特別電動役物31の下大入賞口31bに入球すると、入球した遊技球が下カウントスイッチ85により検出される。この場合、第2特別電動役物31は、規定個数(例えば8個)の遊技球の入球があったという条件を満たしたものとして、可動片31aを閉じて16ラウンド目を終了させる。
〔下大入賞口閉鎖演出〕
図35中(I):16ラウンド目が終了したことを契機として下大入賞口閉鎖演出が実行される。下大入賞口閉鎖演出は、例えば演出用表示装置42の表示領域で小さな丸印を上下に移動させる演出である。なお、16ラウンド目の下大入賞口閉鎖演出は、2ラウンドの終了後に実行される下大入賞口閉鎖演出と同様の内容である。
〔下大入賞口閉鎖演出継続〕
図35中(J):演出用表示装置42での下大入賞口閉鎖演出は、下大入賞口31bの閉鎖時間が終了するまで継続される。図示の例では、演出用表示装置42の表示領域で小さな丸印を上下に移動させる演出が継続されている。
〔大役終了演出〕
図36中(K):大当り遊技の最終ラウンド(16ラウンド)での下大入賞口閉鎖演出が終了すると、大役終了演出が実行される。図示の例では、演出用表示装置42の右側の表示領域に英語の「E」の文字が表示されている。大役終了演出は大当り遊技のエンディング時間を利用して実行される演出である。
〔大役終了演出継続〕
図36中(L):図示の例では大役終了演出が継続して実行されている。具体的には、演出用表示装置42の左側の表示領域に英語の「E」の文字が表示され、右側の表示領域に英語の「n」の文字が表示される。
〔大役終了演出継続〕
図36中(M):ここでも、大役終了演出が継続して実行されている。具体的には、演出用表示装置42の左側の表示領域に英語の「n」の文字が表示され、右側の表示領域に英語の「d」の文字が表示される。
〔大役終了演出継続〕
図36中(N):図示の例では、大役終了演出が継続して実行されている。具体的には、演出用表示装置42の左側の表示領域に英語の「d」の文字が表示されている。これにより、「End」の文字が完成することになり、遊技者に対して大当り遊技が終了したということを教示することができる。そして、この時点で大役終了演出は終了となる。
〔デモ演出〕
図36中(O):大役終了演出が終了すると、今度はデモ演出(客待ち演出)が実行される。デモ演出は、演出用表示装置42の左右の表示領域に「バー」の情報を表示する演出である。このような演出を実行することにより、遊技者に対して次の大当り遊技を目指して通常遊技を開始させるということを教示することができる。そしてこの後は、再び第1特別電動役物30を用いた小当り遊技が再開される。
図37は、モード変更及び音量変更に関する遊技の流れの概略を示す図である。ここでは、モード変更及び音量変更の大まかな流れについて説明する。
〔遊技中:G01〕
例えば、特別図柄の変動中等は、遊技中の状態となり、上皿ランプ51はすべて消灯している。
〔デモ演出中(誘導パターンA):G02〕
遊技中の状態が終了して特別図柄の変動待ちの状態に移行すると、デモ演出中の状態となり、上皿ランプ51を用いて誘導パターンAによる誘導演出が実行される。
〔誘導パターンA〕
誘導パターンAは、演出切替ボタン45の押下を誘導する態様により上皿ランプ51が点灯するパターンである。具体的には、演出切替ボタン45に向かって光が流れるパターンである。
〔デモ演出中(誘導パターンB):G03〕
誘導パターンAによる誘導演出が実行されてから所定時間が経過すると、上皿ランプ51を用いて誘導パターンBによる誘導演出が実行される。
〔誘導パターンB〕
誘導パターンBは、ジョグダイアル45aの回転を誘導する態様により上皿ランプ51が点灯するパターンである。具体的には、演出切替ボタン45の左右方向に光が流れる演出パターンである。
このように、デモ演出中には、誘導パターンA及び誘導パターンBの誘導演出が交互に実行される。なお、誘導パターンAによる誘導演出(モード切替誘導演出)及び誘導パターンBによる誘導演出(音量設定誘導演出)の詳細は後述する。
〔モード切替演出:G04〕
デモ演出中に、遊技者により演出切替ボタン45が押下されると、モード切替演出が実行される。モード切替演出は、演出切替ボタン45に内蔵されているボタン内蔵LEDランプの発光色を、演出切替ボタン45が押下されるたびに変化させることにより実行される。なお、モード切替演出の詳細は後述する。
〔設定音量表示演出:G05〕
デモ演出中に、遊技者によりジョグダイアル45aが回転されると、ジョグダイアル45aの回転量に応じて音量が変化し、設定後の音量を表示する設定音量表示演出が実行される。設定音量表示演出は、演出切替ボタン45の両脇に配置されているボタンサイドLEDの点灯の個数を変化させることにより実行される。
そして、〔G04〕モード切替演出又は〔G05〕設定音量表示演出を実行した場合、操作入力が受け付けられずに一定時間(例えば3秒程度)が経過すると、〔G02〕デモ演出中(誘導パターンA)に移行する。
図38は、デモ演出中に実行されるモード切替誘導演出の演出例を示す連続図である。
モード切替誘導演出は、上皿ランプ51を用いて実行される演出であり、演出切替ボタン45を押下してモードを切り替えることを促す演出である。モード切替誘導演出は、以下に示す第1点灯パターンから第6点灯パターンまでの点灯パターンを繰り返し実行することにより実行される。なお、各点灯パターンによる点灯時間は、例えば0.1〜2.0秒程度とすることができる。
〔第1点灯パターン〕
図38中(A)に示すように、第1点灯パターンは、LEDランプ51L6,51R6を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。
〔第2点灯パターン〕
図38中(B)に示すように、第2点灯パターンは、LEDランプ51L5,51R5を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。
〔第3点灯パターン〕
図38中(C)に示すように、第3点灯パターンは、LEDランプ51L4,51R4を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。
〔第4点灯パターン〕
図38中(D)に示すように、第4点灯パターンは、LEDランプ51L3,51R3を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。
〔第5点灯パターン〕
図38中(E)に示すように、第5点灯パターンは、LEDランプ51L2,51R2を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。
〔第6点灯パターン〕
図38中(F)に示すように、第6点灯パターンは、LEDランプ51L1,51R1を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。
図39は、デモ演出中に実行される音量設定誘導演出の演出例を示す連続図である。
音量設定誘導演出は、上皿ランプ51を用いて実行される演出であり、ジョグダイアル45aを回転させて音演出の音量を設定することを促す演出である。音量設定誘導演出は、以下に示す第1点灯パターンから第9点灯パターンまでの点灯パターンを繰り返し実行することにより実行される。なお、各点灯パターンによる点灯時間は、例えば0.1〜2.0秒程度とすることができる。
〔第1点灯パターン〕
図39中(A)に示すように、第1点灯パターンは、LEDランプ51L6,51R1,51R2を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。
〔第2点灯パターン〕
図39中(B)に示すように、第2点灯パターンは、LEDランプ51L5,51R3を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。
〔第3点灯パターン〕
図39中(C)に示すように、第3点灯パターンは、LEDランプ51L4,51R4を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。
〔第4点灯パターン〕
図39中(D)に示すように、第4点灯パターンは、LEDランプ51L3,51R5を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。
〔第5点灯パターン〕
図39中(E)に示すように、第5点灯パターンは、LEDランプ51L1,51L2,51R6を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。
〔第6点灯パターン〕
図39中(F)に示すように、第6点灯パターンは、LEDランプ51L3,51R5を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。
〔第7点灯パターン〕
図39中(G)に示すように、第7点灯パターンは、LEDランプ51L4,51R4を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。
〔第8点灯パターン〕
図39中(H)に示すように、第8点灯パターンは、LEDランプ51L5,51R3を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。
〔第9点灯パターン〕
図39中(I)に示すように、第9点灯パターンは、LEDランプ51L6,51R1,51R2を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。
図40は、デモ演出中に実行されるモード切替演出の演出例を示す連続図である。
モード切替演出は、演出切替ボタン45に内蔵されたLEDランプ51Sを用いて実行される演出である。モード切替演出は、以下に示す第1点灯パターンから第3点灯パターンまでの点灯パターンを繰り返し実行することにより実行される。なお、各点灯パターンは、演出切替ボタン45を押下すると、次の点灯パターンに移行する。
〔第1点灯パターン〕
図40中(A)に示すように、第1点灯パターンは、演出切替ボタン45(LEDランプ51S)を第1表示色(例えば、緑色)で点灯させるパターンである。演出切替ボタン45を押下して演出切替ボタン45(LEDランプ51S)が第1表示色(例えば、緑色)で点灯した場合、スピーカ54,55,56から、「Aサウンド」という音声が出力される。
〔第2点灯パターン〕
図40中(B)に示すように、第2点灯パターンは、演出切替ボタン45(LEDランプ51S)を第2表示色(例えば、黄色)で点灯させるパターンである。演出切替ボタン45を押下して演出切替ボタン45(LEDランプ51S)が第2表示色(例えば、黄色)で点灯した場合、スピーカ54,55,56から、「Bサウンド」という音声が出力される。
〔第3点灯パターン〕
図40中(C)に示すように、第3点灯パターンは、演出切替ボタン45(LEDランプ51S)を第3表示色(例えば、青色)で点灯させるパターンである。演出切替ボタン45を押下して演出切替ボタン45(LEDランプ51S)が第3表示色(例えば、青色)で点灯した場合、スピーカ54,55,56から、「Cサウンド」という音声が出力される。
図41は、デモ演出中に実行される設定音量表示演出の演出例を示す連続図である。
設定音量表示演出は、上皿ランプ51を用いて実行される演出であり、ジョグダイアル45aにより設定された音演出の音量を表示する演出である。設定音量表示演出は、以下に示す第1点灯パターンから第6点灯パターンまでの点灯パターンを設定音量に応じて実行することにより実行される。なお、各点灯パターンは、ジョグダイアル45aを右に回転させると、上位の点灯パターンに移行し、ジョグダイアル45aを左に回転させると、下位の点灯パターンに移行する。
〔第1点灯パターン〕
図41中(A)に示すように、第1点灯パターンは、LEDランプ51L1,51R1を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。音量調整の段階が6段階である場合、この点灯パターンが最も小さい音を表現していることになる。
ジョグダイアル45aを回転させて第1点灯パターンでの点灯となった場合、スピーカ54,55,56からは音量「1」の「ド」の音が出力される。
〔第2点灯パターン〕
図41中(B)に示すように、第2点灯パターンは、LEDランプ51L1,51L2,51R1,51R2を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。
ジョグダイアル45aを回転させて第2点灯パターンでの点灯となった場合、スピーカ54,55,56からは音量「2」の「レ」の音が出力される。
〔第3点灯パターン〕
図41中(C)に示すように、第3点灯パターンは、LEDランプ51L1〜51L3,51R1〜51R3を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。
ジョグダイアル45aを回転させて第2点灯パターンでの点灯となった場合、スピーカ54,55,56からは音量「3」の「ミ」の音が出力される。
〔第4点灯パターン〕
図41中(D)に示すように、第4点灯パターンは、LEDランプ51L1〜51L4,51R1〜51R4を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。
ジョグダイアル45aを回転させて第2点灯パターンでの点灯となった場合、スピーカ54,55,56からは音量「4」の「ファ」の音が出力される。
〔第5点灯パターン〕
図41中(E)に示すように、第5点灯パターンは、LEDランプ51L1〜51L5,51R1〜51R5を点灯させ、その他のLEDランプを消灯させるパターンである。
ジョグダイアル45aを回転させて第2点灯パターンでの点灯となった場合、スピーカ54,55,56からは音量「5」の「ソ」の音が出力される。
〔第6点灯パターン〕
図41中(F)に示すように、第6点灯パターンは、LEDランプ51L1〜51L6,51R1〜51R6を点灯させるパターンである。音量調整の段階が6段階である場合、この点灯パターンが最も大きい音を表現していることになる。
ジョグダイアル45aを回転させて第2点灯パターンでの点灯となった場合、スピーカ54,55,56からは音量「6」の「ラ」の音が出力される。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した各種演出は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図42は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば、数ミリ秒周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、初期設定処理(ステップS401a)、モード演出管理処理(ステップS401b)、エラー演出管理処理(ステップS402)、特別電動役物非作動時演出管理処理(ステップS403)、特別電動役物作動時演出管理処理(ステップS404)、表示出力処理(ステップS405)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば機種指定コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄指定コマンド、図柄停止コマンド、役物装置閉鎖コマンド、通常ラウンド大入賞口閉鎖指定コマンド、最終ラウンド大入賞口閉鎖指定コマンド、大当り状態指定コマンド、大当り種別コマンド、大当り状態移行コマンド、ラウンド数コマンド、大役終了コマンド、客待ち指定コマンド、エラーコマンド、特別遊技管理ステータスコマンド、排出球不足エラー状態コマンド、特定領域通過コマンド等がある。
ステップS401a:初期設定処理において、演出制御CPU126は電源投入時等の初期設定を行う。例えば、演出制御CPU126は音量切替スイッチ902の値に基づいて音量ステータスの値をセットする処理を実行する。なお、この初期設定処理は、電源投入時や音量切替スイッチ902の変更時に1回だけ実行される。
ここで、「音量ステータス」とは、音演出の音量に関する識別番号を保持する変数であり、音量の調整が行われるたびにその値が更新される。本実施形態では、音量「0」から音量「7」までの8段階の音量が用意されており、各音量には固有の識別番号(例えば「01H」〜「07H」)が割り当てられている。演出制御CPU126は、音量ステータスの値を確認することにより、スピーカ54,55,56から、いずれの音量にて音を出力すればよいかを把握することができる。
音量ステータスは、RAM130に記憶されており、音量ステータスの初期値は、音量切替スイッチ902の値が設定される。ただし、音量切替スイッチ902の値は、「0」から「9」までの10段階の設定が可能となっている。このため、本実施形態では、音量切替スイッチ902の値が「0」から「6」までの場合は音量ステータスの値に「0」から「6」までの値を格納し、音量切替スイッチ902の値が「7」から「9」までの場合は音量ステータスの値に「7」を格納する。
ステップS401b:モード演出管理処理において、演出制御CPU126はモードステータスを参照しながら、各種モード専用の音データを選択的に用いてモード演出を実行する(モード演出実行手段)。ここで、「モードステータス」とは、各モードに対応する識別番号を保持する変数であり、モード切替が行われるたびにその値が更新される。本実施形態では、Aモード、Bモード、Cモードといった3つのモードが用意されており、各モードには固有の識別番号(例えば「01H」,「02H」,「03H」)が割り当てられている。演出制御CPU126は、モードステータスの値を確認することにより、いずれのモードにて遊技が実行されているかを確認することができる。なお、モードステータスは、RAM130に記憶されており、モードステータスの初期値は、Aモード用の値(「01H」)が設定されている。例えば、「モードステータス」がAモードに対応している場合、演出制御CPU126は、Aモード用の開放音や、Aモード用の大役中BGMを選択する処理を実行する。
ステップS402:エラー演出管理処理において、演出制御CPU126はエラーコマンドや排出球不足エラー状態コマンド等に基づいて演出用表示装置42にエラーを表示させる演出パターンを選択する。
ステップS403:特別電動役物非作動時演出管理処理において、演出制御CPU126は、第1特別電動役物30又は第2特別電動役物31が作動していない状態での演出を制御する。具体的には、演出制御CPU126は、デモ演出の内容を制御したり、特別図柄の変動中の演出を制御したり、モード切替や音量調整の内容を制御したりする。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS404:特別電動役物作動時演出管理処理において、演出制御CPU126は特別図柄抽選で小当りに該当した後の演出を制御する。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS405:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出駆動制御装置144(駆動制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、演出パターン番号等)を指示する。これにより、演出駆動制御装置144(駆動制御CPU146)は指示された演出内容に基づいて演出用表示装置42による表示動作を制御する。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126はモードステータスに基づいて、音響駆動回路134に対して演出内容(例えば第1特別電動役物30の開放動作中、第1特別電動役物30内での振り分け動作中、第2特別電動役物31を用いた大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する(音演出実行手段)。これにより、スピーカ54,55,56(音演出実行手段)から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば演出内容が複数用意されている場合の演出選択用の乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出用に可動体がある場合、演出制御CPU126は可動体の駆動用ICに対して制御信号を出力する。特に図示していないが、可動体は例えばソレノイドやステッピングモータ等の駆動源によって動作し、演出用表示装置42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行うものである。これらソレノイドやステッピングモータ等の駆動源は、例えば図5中のパネル電飾基板138に接続することができる。
〔特別電動役物非作動時演出管理処理〕
図43は、上記の特別電動役物非作動時演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS550:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。
その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS554を実行し、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS552を実行する。
ステップS552:演出制御CPU126は、主制御CPU72から変動パターンコマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、変動パターンコマンドが保存されているか否かを確認する。
その結果、変動パターンコマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS559を実行し、変動パターンコマンドが保存されていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出制御処理(図42)に復帰する。
ステップS554:演出制御CPU126は、デモ演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する(待機状態演出実行手段)。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。具体的には、演出制御CPU126は、演出用表示装置42にて7セグメントLEDの中央のバーの部分を点灯させる演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS556:演出制御CPU126は、演出切替管理処理を実行する(演出切替手段)。この処理では、演出制御CPU126は演出モードを変更したり、音演出の音量を調整したりする。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS558:演出制御CPU126は、音量初期化処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、遊技がしばらく行われない場合に、遊技者が設定した音量を初期値に戻す処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS559:演出制御CPU126は、変動時演出管理処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、特別図柄の変動中に、演出用表示装置42の7セグメントLEDの中央のバーの部分を点滅させる演出パターンを選択する処理を実行する。
そして、ステップS558又はステップS559の手順を終えると、演出制御CPU126は演出制御処理(図42)に復帰する。
〔演出切替管理処理〕
図44は、上記の演出切替管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS560:演出制御CPU126は、演出切替ボタン45の操作入力を有効に設定する。これにより、遊技者による演出切替ボタン45の押下操作を受け付けることができる状態となる。
ステップS561:演出制御CPU126は、ジョグダイアル45aの操作入力を有効に設定する。これにより、遊技者によるジョグダイアル45aの回転操作を受け付けることができる状態となる。
ステップS561a:演出制御CPU126は、操作入力後一定時間が経過したか否かを確認する。一定時間は、演出切替ボタン45又はジョグダイアル45aの最終操作からの時間であり、例えば例えば3秒程度に設定することができる。一定時間は、所定のタイマをカウントダウンすることにより計測することができる。
その結果、操作入力後一定時間が経過したことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS562を実行する。一方、操作入力後一定時間が経過したことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS568を実行する。
なお、このような確認処理を実行する理由は、モード切替演出や音量切替演出に関しては、遊技者の操作入力がなくても一定時間は表示を継続するためである。
ステップS562:演出制御CPU126は、演出切替タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は演出切替タイマに初期値(例えば6秒に対応する値)を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS563:次に演出制御CPU126は、演出切替タイマが第1設定値(例えば3秒)に到達したか否かを確認する。具体的には、演出切替タイマの値と第1設定値の値との大小を比較することにより、演出切替タイマが第1設定値に到達したか否かを確認する。
そして、演出切替タイマの値が未だ第1規定値に到達していなければ、演出制御CPU126はステップS565を実行する。一方、演出切替タイマの値が第1規定値に到達していれば、演出制御CPU126はステップS564を実行する。
ステップS564:次に演出制御CPU126は、演出切替タイマが第2設定値(例えば0秒)に到達したか否かを確認する。具体的には、演出切替タイマの値と第2設定値の値との大小を比較することにより、演出切替タイマが第2設定値に到達したか否かを確認する。
そして、演出切替タイマの値が未だ第2規定値に到達していなければ、演出制御CPU126はステップS566を実行する。一方、演出切替タイマの値が第2規定値に到達していれば、演出制御CPU126はステップS567を実行する。
ステップS565:演出制御CPU126は、誘導パターンAによる誘導演出を選択する処理を実行する(モード切替誘導演出実行手段)。誘導パターンAによる誘導演出は、遊技者に対して演出切替ボタン45の押下を促す演出である。
ステップS566:演出制御CPU126は、誘導パターンBによる誘導演出を選択する処理を実行する(音量設定誘導演出実行手段)。誘導パターンBによる誘導演出は、遊技者に対してジョグダイアル45aの回転を促す演出である。
ステップS567:演出制御CPU126は、タイマ再設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は演出切替タイマに初期値(例えば6秒に対応する値)を設定する処理を実行する。
ステップS568:演出制御CPU126は、演出切替ボタン45が押下されたか否かを確認する。具体的には、演出切替ボタン45から操作(押下)信号が出力されたか否かを確認する。
その結果、演出切替ボタン45が押下されたことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS569を実行する。一方、演出切替ボタン45が押下されたことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS569を実行しない。
ステップS569:演出制御CPU126は、モード切替演出選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、演出切替ボタン45の押下回数に応じたモード変更処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS570:演出制御CPU126は、ジョグダイアル45aが回転されたか否かを確認する。具体的には、ジョグダイアル45aから操作(回転)信号が出力されたか否かを確認する。
その結果、ジョグダイアル45aが回転されたことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS571を実行する。一方、ジョグダイアル45aが回転されたことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS571を実行しない。
ステップS571:演出制御CPU126は、音量切替演出選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、ジョグダイアル45aが回転量に応じた音量設定処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、特別電動役物非作動時演出管理処理(図43)に復帰する。
〔モード切替演出選択処理〕
図45は、上記のモード切替演出選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS580:演出制御CPU126は、モードステータスをロードする処理を実行する。
ステップS582:演出制御CPU126は、ロードしたモードステータスを更新する処理を実行する(モード切替手段)。具体的には、現在のモードステータスの値がAモードに対応する「01H」であれば、モードステータスの値をBモードに対応する「02H」に設定する処理を実行する。また、現在のモードステータスの値がBモードに対応する「02H」であれば、モードステータスの値をCモードに対応する「03H」に設定する処理を実行する。さらに、現在のモードステータスの値がCモードに対応する「03H」であれば、モードステータスの値をAモードに対応する「01H」に設定する処理を実行する。
ステップS584:演出制御CPU126は、ボタン内蔵LED点灯色選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、後述する点灯色選択テーブルを参照しながら、先のモードステータス更新処理(ステップS582)で更新したモードステータスの値に基づいてLEDランプ51Sの点灯色を選択する処理を実行する。
ステップS586:演出制御CPU126は、モード設定後音データ選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、先のモードステータス更新処理(ステップS582)で更新したモードステータスの値に基づいて設定後のモードに対応するサウンドの名称を音声により出力する処理を実行する。例えば、設定後のモードがAモードである場合には「Aサウンド!」といった音声を出力する演出パターンを選択し、設定後のモードがBモードである場合には「Bサウンド!」といった音声を出力する演出パターンを選択し、設定後のモードがCモードである場合には「Cサウンド!」といった音声を出力する演出パターンを選択する処理を実行する。
そして、以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出切替管理処理(図44)に復帰する。
〔音量切替演出選択処理〕
図46は、上記の音量切替演出選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS590:演出制御CPU126は、音量ステータスをロードする処理を実行する。
ステップS592:演出制御CPU126は、回転方向確認処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、ジョグダイアル45aからの回転信号に基づいて、いずれ回転方向に(右回転の方向に又は左回転の方向に)、ジョグダイアル45aが回転されたかを確認する。
ステップS594:演出制御CPU126は、ロードした音量ステータスを更新する処理を実行する(音量設定手段)。具体的には、先の回転方向確認処理(ステップS592)にて確認した回転方向に基づいて、音量ステータスを更新する。例えば、現在の音量ステータスの値が「03H」である場合、左回転と判定すれば「02H」に更新し、右回転と判定すれば「04H」に更新する。
なお、音量ステータスの値が下限値の「00H」である場合、左回転を検出しても音量ステータスの値は更新しない。これと同様に、音量ステータスの値が上限値の「07H」である場合、右回転を検出しても音量ステータスの値は更新しない。
また、本実施形態では、音量切替スイッチ902の値によって設定可能な音量の幅が異なっている。具体的には、音量切替スイッチ902の値が「0」〜「2」の場合、音量は「0」から「7」までの8段階で設定可能である。一方、音量切替スイッチ902の値が「3」〜「9」の場合、音量は「2」から「7」までの6段階で設定可能である。
このため、音量「0」が消音に設定されている場合には、音量切替スイッチ902の値が「3」以上であれば遊技者は消音を設定することができない。また、音量切替スイッチ902の値が「3」に設定されており、音量ステータスの値が「02H」である場合、左回転を検出しても音量ステータスの値は更新されない。これにより、遊技者による意図しない無音遊技を回避することができる。
ステップS596:演出制御CPU126は、ボタンサイドLED点灯パターン選択処理を実行する(設定音量表示演出実行手段)。具体的には、演出制御CPU126は、後述する音量設定時点灯ランプ選択テーブルを参照しながら、先の音量ステータス更新処理(ステップS594)で更新した音量ステータスの値に基づいてLEDランプ51L1〜51L6,51R1〜51R6の点灯パターンを選択する処理を実行する。
ステップS598:演出制御CPU126は、音量設定後音データ選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、先の音量ステータス更新処理(ステップS594)で更新した音量ステータスの値に基づいて設定後の音量に対応する音を出力する処理を実行する。例えば、設定後の音量が「2」である場合には85デシベルの音量にて「ド」の音を出力する演出パターンを選択し、設定後の音量が「3」である場合には95デシベルの音量にて「レ」の音を出力する演出パターンを選択する処理を実行する。
そして、以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出切替管理処理(図44)に復帰する。
〔音量初期化処理〕
図47は、上記の音量初期化処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS700:演出制御CPU126は、音量ステータスの値が音量切替スイッチの値よりも大きいか否かを確認する。すなわち、演出制御CPU126は、遊技者が設定した音量が音量切替スイッチの値よりも大きいか否かを確認する。
その結果、音量ステータスの値が音量切替スイッチの値よりも大きいことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS702を実行する。一方、音量ステータスの値が音量切替スイッチの値よりも大きいことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS704を実行する。
ステップS702:演出制御CPU126は、長待機時間が経過したか否かを確認する。長待機時間は、ジョグダイアル45aの最終操作又はデモ演出用コマンド(客待ち指定コマンド)の受信後からの時間であり、例えば9時間に設定することができる。長待機時間は、所定のタイマをカウントアップすることにより計測することができる。
その結果、長待機時間が経過したことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。一方、長待機時間が経過したことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は特別電動役物非作動時演出管理処理(図43)に復帰する。
ステップS702:演出制御CPU126は、短待機時間が経過したか否かを確認する。短待機時間は、ジョグダイアル45aの最終操作又はデモ演出用コマンド(客待ち指定コマンド)の受信後からの時間であり、例えば5分に設定することができる。短待機時間は、所定のタイマをカウントアップすることにより計測することができる。
その結果、短待機時間が経過したことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。一方、短待機時間が経過したことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は特別電動役物非作動時演出管理処理(図43)に復帰する。
ステップS706:演出制御CPU126は、音量ステータスリセット処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、音量切替スイッチの値を音量ステータスの値に設定する処理を実行する。これにより、長待機時間又は短待機時間が経過した際には、遊技者が設定した音量を音量切替スイッチに対応する値に戻すことができる。
そして、以上の手順を終えると、演出制御CPU126は特別電動役物非作動時演出管理処理(図43)に復帰する。
〔誘導パターンA点灯ランプ選択テーブル〕
図48は、誘導パターンA点灯ランプ選択テーブルを示す図である。
このテーブルは、誘導パターンAを用いてモード切替誘導演出を実行する際に用いられるテーブルである。このテーブルは、演出切替管理処理(図44)のステップS565にて用いられる。
図中の左カラムには、期間が示されており、第1期間から第6期間までが表示されている。図中の中カラムには、点灯の対象となる対象ランプが示されている。
第1期間では、点灯対象ランプは、LEDランプ51L6,51R6となる。
第2期間では、点灯対象ランプは、LEDランプ51L5,51R6となる。
第3期間では、点灯対象ランプは、LEDランプ51L4,51R4となる。
第4期間では、点灯対象ランプは、LEDランプ51L3,51R3となる。
第5期間では、点灯対象ランプは、LEDランプ51L2,51R2となる。
第6期間では、点灯対象ランプは、LEDランプ51L1,51R1となる。
第1期間から第6期間までの時間はLEDの光の流れる速さに合わせて自由に設定することができるが、例えば第1期間は0.0秒(演出開始時)から0.2秒までとし、第2期間は0.2秒から0.4秒までとし、第3期間は0.4秒から0.6秒までとし、第4期間は0.6秒から0.8秒までとし、第5期間は0.8秒から1.0秒までとし、第6期間は1.0秒から1.2秒までとすることができる。
〔誘導パターンB点灯ランプ選択テーブル〕
図49は、誘導パターンB点灯ランプ選択テーブルを示す図である。
このテーブルは、誘導パターンBを用いて音量設定誘導演出を実行する際に用いられるテーブルである。このテーブルは、演出切替管理処理(図44)のステップS566にて用いられる。
図中の左カラムには、期間が示されており、第1期間から第9期間までが表示されている。図中の中カラムには、点灯の対象となる対象ランプが示されている。
第1期間では、点灯対象ランプは、LEDランプ51L6,51R1,51R2となる。
第2期間では、点灯対象ランプは、LEDランプ51L5,51R3となる。
第3期間では、点灯対象ランプは、LEDランプ51L4,51R4となる。
第4期間では、点灯対象ランプは、LEDランプ51L3,51R5となる。
第5期間では、点灯対象ランプは、LEDランプ51L1,51L2,51R6となる。
第6期間では、点灯対象ランプは、LEDランプ51L3,51R5となる。
第7期間では、点灯対象ランプは、LEDランプ51L4,51R4となる。
第8期間では、点灯対象ランプは、LEDランプ51L5,51R3となる。
第9期間では、点灯対象ランプは、LEDランプ51L6,51R1,51R2となる。
第1期間から第6期間までの時間はLEDの流れる速さに合わせて自由に設定することができるが、例えば第1期間は0.0秒(演出開始時)から0.1秒までとし、第2期間は0.1秒から0.2秒までとし、第3期間は0.2秒から0.3秒までとし、第4期間は0.3秒から0.4秒までとし、第5期間は0.4秒から0.5秒までとし、第6期間は0.5秒から0.6秒までとし、第7期間は0.6秒から0.7秒までとし、第8期間は0.7秒から0.8秒までとし、第9期間は0.8秒から0.9秒までとすることができる。
また、LEDの光の流れる速さに関しては、音量ステータスの値と音量切替スイッチ902との関係を踏まえて光の流れる速さを変更するようにしてもよい。例えば、音量ステータスの値が小さい場合には、音量を大きくすることを促すために右に回す方向への光の流れる速さを上昇させる制御を行うことができる。
〔点灯色選択テーブル〕
図50は、点灯色選択テーブルを示す図である。
このテーブルは、演出切替ボタン45を用いて遊技者がモードを変更した際にいずれの点灯色にてLEDランプを点灯させかを決定するためのテーブルである。このテーブルは、モード切替演出選択処理(図45)のステップS584にて用いられる。
図中の左カラムには、モードステータスが表示されており、「01H」〜「03H」が示されている。図中の中カラムには、点灯の対象となる対象ランプが示されており、モードステータスがいずれの値をとる場合であっても、点灯対象ランプはLEDランプ51Sである。図中の右カラムには、点灯色が表示されており、「緑色」、「黄色」、「青色」が示されている。
モードステータスが「01H」である場合、点灯対象ランプはLEDランプ51Sであり、点灯色は「緑色」である。
モードステータスが「02H」である場合、点灯対象ランプはLEDランプ51Sであり、点灯色は「黄色」である。
モードステータスが「03H」である場合、点灯対象ランプはLEDランプ51Sであり、点灯色は「青色」である。
〔音量設定時点灯ランプ選択テーブル〕
図51は、音量設定時点灯ランプ選択テーブルを示す図である。
このテーブルは、ジョグダイアル45aを用いて遊技者が音量を設定した際にいずれのランプを点灯させかを参照するためのテーブルである。このテーブルは、音量切替演出選択処理(図46)のステップS596にて用いられる。
図中の左カラムには、音量段階が示されており、音量「0」から音量「7」までが表示されている。図中の中カラムには、点灯又は消灯の制御の対象となる対象ランプが示されており、図中の右カラムには、ON(点灯)又はOFF(消灯)の状態が示されている。
音量「0」又は音量「1」の場合、LEDランプ51L1〜51L6,51R1〜51R6は、OFFとなる。
ただし、音量「0」又は音量「1」に関しては、音量切替スイッチ902の値が「0」〜「2」に設定されていなければ、遊技者は選択することができない。
音量「2」の場合、LEDランプ51L1,51R1は、ONとなる。
音量「3」の場合、LEDランプ51L1,51L2,51R1,51R2は、ONとなる。
音量「4」の場合、LEDランプ51L1〜51L3,51R1〜51R3は、ONとなる。
音量「5」の場合、LEDランプ51L1〜51L4,51R1〜51R4は、ONとなる。
音量「6」の場合、LEDランプ51L1〜51L5,51R1〜51R5は、ONとなる。
音量「7」の場合、LEDランプ51L1〜51L6,51R1〜51R6は、ONとなる。
〔特別電動役物作動時演出管理処理〕
図52は、特別電動役物作動時演出管理処理の構成例を示すフローチャートである。特別電動役物作動時演出管理処理は、例えば実行選択処理(ステップS500)、小当り時演出選択処理(ステップS502)、特定領域通過時演出選択処理(ステップS504)、大当り時演出選択処理(ステップS506)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS506のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別電動役物作動時演出管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、演出制御CPU126は最初のジャンプ先として小当り時演出選択処理(ステップS502)を選択する。一方、既に小当り時演出選択処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として特定領域通過時演出選択処理(ステップS504)を選択する。なお、大当り時演出選択処理(ステップS506)は、主制御CPU72において大当り時第2特別電動役物作動開始処理(図15中のステップS5000)が選択された場合に、以降のジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502及びステップS504は実行されない。
ステップS502:小当り時演出選択処理では、演出制御CPU126は第1特別電動役物30を作動させる場合の演出パターン(図29〜図31等)を選択する。このような演出を実行することで、遊技者が漫然と遊技を消化するのを防止し、目的意識を再確認させて遊技意欲の低下を防止することができる。
ステップS504:特定領域通過時演出選択処理では、演出制御CPU126は遊技球が特定領域を通過した際に実行される演出(図33等)の演出パターンを選択する。このように、遊技球が特定領域を通過した際に、演出用表示装置42の表示部にラウンド数を表示することにより、遊技を盛り上げることができる。
ステップS506:大当り時演出選択処理では、演出制御CPU126は大当り中の演出内容を制御する。例えば、演出制御CPU126は演出用表示装置42に表示する演出内容として大当り中に専用の演出パターンを選択し、これを演出駆動制御装置144(駆動制御CPU146)に対して指示する。また、演出制御CPU126は、大当り中の遊技の進行状況(例えば、ラウンドの進行状況)に合わせて演出パターンを選択すると、これらを適宜、演出駆動制御装置144(駆動制御CPU146)に対して指示する。これにより、演出用表示装置42の表示画面では大当り中に専用の演出が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出制御処理(図42)に復帰する。
〔大当り時演出選択処理〕
図53は、大当り時演出選択処理の構成例を示すフローチャートである。大当り時演出選択処理は、例えば実行選択処理(ステップS600)、下大入賞口開放演出選択処理(ステップS602)、下大入賞口閉鎖演出選択処理(ステップS604)、大役終了演出選択処理(ステップS606)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS600:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS602〜ステップS606のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして大当り時演出選択処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、演出制御CPU126は最初のジャンプ先として下大入賞口開放演出選択処理(ステップS602)を選択する。また、下大入賞口開放演出選択処理(ステップS602)が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として下大入賞口閉鎖演出選択処理(ステップS604)を選択する。なお、大役終了演出選択処理(ステップS606)の処理は、大当り遊技における最終ラウンドの下大入賞口閉鎖演出選択処理(ステップS604)が実行された後に、以降のジャンプ先として選択される。
ステップS602:下大入賞口開放演出選択処理では、演出制御CPU126は大当り遊技中に第2特別電動役物31を作動させる場合の演出パターンを選択する。このような演出を実行することで、遊技者が漫然と大当り遊技を消化することを抑止することができる。具体的には、制御CPU126は、大当り遊技の進行ラウンドに応じてラウンド数を表示する演出パターン(図34中(A)等)を選択する処理を実行する。
ステップS604:下大入賞口閉鎖演出選択処理において、演出制御CPU126は大入賞口が閉鎖している場合の演出パターンを選択する。このような演出を実行することで、ラウンド数が更新されるので、次なるラウンドに向かう前に遊技者の気持ちをリフレッシュさせることができる。本実施形態では、各ラウンドで実行される大入賞口閉鎖演出は、演出用表示装置42の表示領域で小さな丸印を上下に移動させる共通の演出としているため、各ラウンドにおいて同一の大入賞口閉鎖演出パターンを設定する。具体的には、演出制御CPU126は大入賞口が閉鎖している場合の演出パターン(図35中(I)(J)等)を選択する処理を実行する。
ステップS606:大役終了演出選択処理では、演出制御CPU126は大当り遊技が終了した場合の演出パターンを選択する。このような演出を実行することで、大当り遊技が終了したことを遊技者に教示することができる。具体的には、演出制御CPU126は大当り遊技が終了した場合の演出パターン(図36中(K)〜(N)等)を選択する処理を実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は特別電動役物作動時演出管理処理(図52)に復帰する。
以上説明したように、本実施形態によれば、上皿ランプ51を用いて音量設定誘導演出やモード切替誘導演出を実行するため、液晶表示器を搭載していない遊技機であっても、音量調整機能とモード切替機能との両方の機能の搭載を遊技者に効果的に伝達することができる。
また、本実施形態によれば、上皿ランプ51を用いて音量設定誘導演出やモード切替誘導演出を実行するため、音量調整機能の説明を遊技盤の表示面(セル等)に直接表示する必要はなく、遊技盤のデザイン性を損ねることがない。
さらに、本実施形態によれば、上皿ランプ51を用いて設定音量表示演出が実行されるため、遊技者によって設定された音量を視覚的に伝達することができる。
そして、上皿ランプ51は、一般的な遊技機には通常備えられている要素であるため、音量設定誘導演出や設定音量表示演出のために新たな表示装置を設置する必要はなくなり、音量調整機能が搭載されているということや設定後の音量を、既存のランプを用いて効率よく遊技者に伝達することができる。
本実施形態によれば、演出切替ボタン45を押下することよってモードを切り替えることができ、ジョグダイアル45aを回転させることによって音量を調整することができる。このため、押下はモード変換であり、回転は音量調整であるといったように、入力装置の役割を明確にすることができ、遊技者にとって直感的に分かりやすい操作態様を提供することができる。
上皿ランプ51は、演出切替ボタン45を間に挟んで両脇に配置されているため、上皿ランプ51の中心に演出切替ボタン45を配置することができ、上皿ランプ51による誘導演出の演出効果を向上させることができる。
本実施形態によれば、音量設定誘導演出の上皿ランプ51の点灯態様は、右側に向かった後に左側に向かう態様となるため、遊技者に対して左右方向を強く意識させることができる。そして、左右方向を意識させることにより、そこから左右方向につながる回転方向を連想させることができ、結果として遊技者に対してジョグダイアル45aを回転させて音量を調整することができるということを暗示的に伝達することができる。
本実施形態では、モード切替誘導演出は、上皿ランプ51の左右方向の両端側から演出切替ボタン45に向かって順番にランプを点灯させる態様により実行されるため、遊技者に対しては中心に向かう方向を強く意識させることができる。そして、中心に向かう方向を意識させることにより、そこから上皿ランプ51の中心に配置されている演出切替ボタン45の押下を連想させることができ、結果として遊技者に対して演出切替ボタン45を押下してモードを変更することができるということを暗示的に伝達することができる。
本実施形態によれば、デモ出の実行中に、音量設定誘導演出とモード切替誘導演出とが交互に実行されるため、これらの誘導演出が基本的な遊技の進行の邪魔をすることがなくなる。これにより、既存の演出と融合させながらも効果的な誘導演出を実行することができる。
本実施形態では、遊技者がジョグダイアル45aを回転させることにより音量が変化した場合には、設定後の音量が実際に出力される。このため、遊技者は自らがどのような音量に設定したのかということを聴覚的に確認することができる。
また、本実施形態では、設定した音量毎に用意されている専用の効果音が出力されるため、専用の効果音をそれぞれ音の高さが異なる効果音(「ド」〜「ラ」)とすることができる。これにより、設定後の音量を変化させるだけでなく、高さの異なる音を出力することができ、遊技者に対しては、音量の変化を確実に伝達することができる。
本発明は、上述した実施形態に制約されることなく、各種の変形を採用することができる。一実施形態では、特別図柄について作動記憶を設定しない例を挙げているが、特別図柄について作動記憶(4個)を設定する態様であっても本発明を適用することができる。
上述した実施形態では、普通図柄及び普通電動役物を設けない例で説明しているが、普通図柄及び普通電動役物を搭載して、大当り遊技後に時間短縮状態に移行させる遊技性としてもよい。
上述した実施形態では、モード変更や音量変更の際に上皿ランプ51を用いる例で説明したが他のランプを用いてもよい。また、上皿ランプ51の数は、上記の例に限定されるものではない。
上述した実施形態では、3ラウンド大当り、7ラウンド大当り、16ラウンド大当りの2ラウンド目以降は、すべての大当りで共通して1回のラウンドで8回分のショート開放を繰り返す例で説明したが、大当りの種別毎に開放パターンを変化させてもよい。例えば、16ラウンド大当りの場合は1回のラウンドで1回のロング開放(29秒開放)を行い、3ラウンド大当り及び7ラウンド大当りの場合は1回のラウンドで9回分のショート開放を繰り返す開放パターンを採用してもよい。
その他、パチンコ機1の構造や盤面構成等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。