JP2017000562A - 遊技機 - Google Patents

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Sachiko Taguchi
幸子 田口
和田 年晴
Toshiharu Wada
年晴 和田
清水 敦
Atsushi Shimizu
敦 清水
拓 友田
Taku Tomoda
拓 友田
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Abstract

【課題】擬似的なV領域を搭載している遊技機において、矛盾した状態が発生してしまうことを回避する。
【解決手段】可動入球役物装置30の内部には、特定領域に遊技球を誘導することが確定する確定領域(擬似的なV領域、演出スイッチ800)が配置されている。確定領域は、遊技球が特定領域を通過する前に通過する領域となる。大入賞口30bには有効時間が設定されている。有効時間内に遊技球が大入賞口30bに入球し、その後に確定領域を通過した場合は擬似V入賞演出を実行する(B)。一方、有効時間外に遊技球が大入賞口30bに入球し、その後に確定領域を通過した場合は擬似V入賞演出を実行しない(Aの状態まま)。有効時間外に大入賞口に入球した遊技球は、特定領域を通過しても大当り遊技は実行されないため、大当りが確定する擬似V入賞演出が実行されたにも関わらず、大当り遊技が実行されないという矛盾した状態を回避することができる。
【選択図】図68

Description

本発明は、図柄を変動表示させた後に停止表示させて内部抽選の結果を表示する遊技機に関する。
従来、この種の遊技機として、状態コマンドを用いて遊技を進行させる遊技機が開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の技術では、メイン制御装置は、当り外れの抽選を行う毎に抽選確率の設定状態を表す状態コマンドを表示制御装置に対して送信している。そして、表示制御装置は、状態コマンドを受信すると、この状態コマンドの内容を解析し、該状態コマンドが遊技者に有利となる確率状態であることを示している場合に、その旨を表示手段に表示している。
このため、特許文献1の技術によれば、確変状態であるにも拘らず、確変状態にある旨の表示が行われていないという矛盾した遊技状態をいち早く解消することができる。
特開2004−173765号公報
ここで、いわゆる羽根物と呼ばれる遊技機は、特別電動役物(役物装置)の内部に配置された特定領域を遊技球が通過すると大当りとなる。
そしてこのような羽根物と呼ばれる遊技機において、本来のV領域(特定領域)の上流に、擬似的なV領域を配置することがある。遊技球が擬似的なV領域を通過すると、遊技球は必ず特定領域を通過するため、遊技者から見れば「擬似的なV領域の通過=大当り」という認識となる。そして、この擬似的なV領域を遊技球が通過した時点で大当りに関する演出を実行する場合がある。
この場合、主制御装置側では、遊技球が擬似的なV領域を通過しても大当りとは判定しない。これは、遊技球が擬似的なV領域を通過した時点では、遊技状態は大当り前の状態(例えば小当り中の状態)のままであり、遊技球が本来のV領域(特定領域)を通過して初めて大当りと判定するからである。ただし、演出制御装置側(サブ制御側、遊技者側)では、遊技球が擬似的なV領域を通過した時点で大当りと判断することができるため、遊技球が擬似的なV領域を通過した時点で大当り演出を実行することができる。
この点、擬似的なV領域を搭載していない従来の遊技機では、遊技球が特定領域を通過した時点で大当りと判定するため、特別電動役物の無効時間内に入球した遊技球が特定領域を通過しても、主制御装置は入球自体を無効と判断しているため、特定領域の通過時にコマンドも送信されず大当り演出は実行されない。
ところが、擬似的なV領域を搭載している遊技機では、擬似的なV領域に有効時間や無効時間を設定していないため、特別電動役物の無効時間内に入球した遊技球が擬似的なV領域を通過すると、場合によっては大当り演出を実行してしまうという矛盾した状態が発生してしまうおそれがある。また、このような矛盾した状態は、状態コマンドによって内部状態を報知している特許文献1の技術でも回避することができない。
そこで本発明は、擬似的なV領域を搭載している遊技機において、矛盾した状態が発生してしまうことを回避することができる技術の提供を課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するため以下の手段を採用する。なお、括弧書中の文言はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
解決手段1:本解決手段の遊技機は、遊技の進行を制御する主制御装置と、前記主制御装置からの情報の通知に基づいて演出内容を制御する演出制御装置と、入賞口を有し、遊技中に作動契機が発生すると、所定の開放時間にわたり前記入賞口に遊技球が入球不能な閉止状態から前記入賞口に遊技球が入球可能な開放状態に移行する可動入球装置と、前記可動入球装置の前記入賞口に入球した遊技球が前記可動入球装置の内部に設けられた複数の特定領域のうちいずれかの特定領域を通過すると、遊技球が通過した前記特定領域に応じて得られる利益が異なる特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、前記可動入球装置の前記入賞口に入球した遊技球を、前記特定領域に誘導することが確定する確定領域を通過させるか、もしくは前記確定領域を通過させることなく排出するかの振り分けを行う当否振分部と、前記入賞口に対して遊技球の入球を有効とする有効時間を設定する入賞口有効時間設定手段と、遊技球が前記入賞口に入球した場合、遊技球が前記有効時間内に前記入賞口に入球したか否かを判定した情報を含む有効時間内入球判定情報を、前記主制御装置から前記演出制御装置に送信する有効時間内入球判定情報送信手段と、遊技球が前記確定領域を通過した場合、遊技球が前記確定領域を通過したことを示す内容の確定領域通過情報を、前記主制御装置から前記演出制御装置に送信する確定領域通過情報送信手段と、前記有効時間内入球判定情報として遊技球が前記有効時間内に前記入賞口に入球したことを示す情報を受信している状態で前記確定領域通過情報を受信した場合、遊技球が前記確定領域を通過したことを示す内容の確定領域通過時演出を実行する一方、前記有効時間内入球判定情報として遊技球が前記有効時間内に前記入賞口に入球したことを示す情報を受信していない状態で前記確定領域通過情報を受信した場合、前記確定領域通過時演出を実行しない確定領域通過時演出実行手段とを備えることを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機による遊技は、例えば以下に示される流れに沿って進行する。
(1)主制御装置により、遊技の進行が制御される。主制御装置は、制御動作の中枢となる装置であり、遊技機全体の動作を制御する。
(2)上記(1)の主制御装置からの情報(コマンド)の通知に基づいて、演出制御装置により演出内容が制御される。演出制御装置は、遊技機における遊技の進行に伴う演出の内容を制御する。
(3)入賞口(例えば、遊技球が入球することで賞球が得られる大入賞口)を有し、遊技中に作動契機が発生すると(例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると)、所定の開放時間にわたり入賞口に遊技球が入球不能な閉止状態から入賞口に遊技球が入球可能な開放状態に移行する可動入球装置が設けられている。
(4)上記(3)の可動入球装置の入賞口に入球した遊技球が上記(3)の可動入球装置の内部に設けられた複数の特定領域のうちいずれかの特定領域を通過すると、遊技球が通過した特定領域に応じて得られる利益が異なる特別遊技が実行される。
例えば、特定領域が3つ用意されており、遊技球が第1特定領域を通過した場合は遊技者に対して小利益を付与する特別遊技(3ラウンド大当り遊技)が実行され、遊技球が第2特定領域を通過した場合は遊技者に対して中利益を付与する特別遊技(7ラウンド大当り遊技)が実行され、遊技機が第3特定領域を通過した場合は遊技者に対して大利益を付与する特別遊技(16ラウンド大当り遊技)が実行される。
(5)上記(3)の可動入球装置の入賞口に入球した遊技球を、特定領域に誘導することが確定する確定領域を通過させるか、もしくは確定領域を通過させることなく排出するかの振り分けが行われる(当否振分部)。確定領域は、遊技球が特定領域を通過する場合にはその前に必ず通過する領域となる。このため、遊技球が確定領域を通過すれば、いずれは遊技球が特定領域を通過することになる。ただし、遊技球が確定領域を通過した時点では、未だ遊技球が特定領域を通過していないので、厳密な意味では大当りではない。しかし、遊技者から見れば、遊技球が確定領域を通過することが、事実上の大当りとなる(擬似的なV領域)。
(6)上記(3)の入賞口に対して遊技球の入球を有効とする有効時間を設定する入賞口有効時間設定手段が設けられている。有効時間は、例えば小当り遊技中の入賞口の開放時から閉鎖時まで又はこれらの期間の後に規定時間を加えることができる。
(7)遊技球が上記(3)の入賞口に入球した場合、遊技球が有効時間内に上記(3)の入賞口に入球したか否かを判定した情報を含む有効時間内入球判定情報を、上記(1)の主制御装置から上記(2)の演出制御装置に送信する有効時間内入球判定情報送信手段が設けられている。
例えば、遊技球が上記(6)の有効時間内に上記(3)の入賞口に入球した場合、有効時間内入球判定情報として遊技球が有効時間内に入賞口を通過したことを示す内容の有効時間内入賞口入球情報(カウントスイッチ通過有効指定コマンド;9401H)を、上記(1)の主制御装置から上記(2)の演出制御装置に送信する。
一方、遊技球が上記(6)有効時間外に上記(3)の入賞口に入球した場合、有効時間内入球判定情報として遊技球が有効時間外に入賞口を通過したことを示す内容の有効時間外入賞口入球情報(カウントスイッチ通過無効指定コマンド;9400H)を、上記(1)の主制御装置から上記(2)の演出制御装置に送信する。
(8)遊技球が上記(5)の確定領域を通過した場合、遊技球が確定領域を通過したことを示す内容の確定領域通過情報(演出スイッチ通過指定コマンド;9500H又は9501H)を、上記(1)の主制御装置から上記(2)の演出制御装置に送信する確定領域通過情報送信手段が設けられている。
(9)上記(7)の有効時間内入球判定情報として遊技球が有効時間内に入賞口に入球したことを示す情報を受信している状態で上記(8)の確定領域通過情報を受信した場合、遊技球が確定領域を通過したことを示す内容の確定領域通過時演出(擬似V入賞演出、擬似的な大当り演出)を実行する一方、上記(7)の有効時間内入球判定情報として遊技球が有効時間内に入賞口に入球したことを示す情報を受信していない状態で上記(9)の確定領域通過情報を受信した場合、確定領域通過時演出を実行しない確定領域通過時演出実行手段が設けられている。なお、上記(7)の有効時間内入球判定情報として遊技球が有効時間内に入賞口に入球したことを示す情報を受信していない状態で上記(9)の確定領域通過情報を受信した場合、確定領域通過時演出とは別の専用演出(エラー演出等)を実行してもよい。
このように、本解決手段によれば、主制御装置と演出制御装置との間における遊技状態の矛盾をなくすため、主制御装置側で入賞口に有効時間を設定し、遊技球が有効時間内に入賞口に入球したか否かを判定した情報を含む有効時間内入球判定情報を送信している。
例えば、有効時間内に遊技球が入賞口に入球した場合には有効時間内入球判定情報として有効時間内入賞口入球情報を送信し、有効時間外に遊技球が入賞口に入球した場合には有効時間内入球判定情報として有効時間外入賞口入球情報を送信する。
そして、演出制御装置側では、これらの情報と確定領域通過情報とに基づいて、確定領域通過時演出を実行するか否かを決定するため、矛盾した演出が実行されることを抑制することができ、遊技者に誤解を与える演出を実行してしまうことを回避することができる。
また、確定領域は、主制御装置の遊技状態を変更する領域ではなく、あくまで演出を実行するための領域であるため、このような確定領域に対して有効時間を設定することは制御処理を簡略化させるという観点からすると、あまり得策ではない。そこで、本解決手段では、入賞口だけに有効時間を設定することにより、確定領域及び入賞口に有効時間を設定する方式と比較して、主制御装置の制御負担を軽減させることができる。
解決手段2:本解決手段の遊技機は、上述したいずれかの解決手段において、前記確定領域通過時演出実行手段は、前記有効時間内入球判定情報として遊技球が前記有効時間内に前記入賞口に入球したことを示す情報を受信している状態で1回目の前記確定領域通過情報を受信した場合、前記確定領域通過時演出を実行する一方、前記有効時間内入球判定情報として遊技球が前記有効時間内に前記入賞口に入球したことを示す情報を受信している状態で2回目以降の前記確定領域通過情報を受信した場合、前記確定領域通過時演出を実行しないことを特徴とする遊技機である。
本解決手段の遊技機には、以下の特徴が追加される。
(1)有効時間内入球判定情報として遊技球が有効時間内に入賞口に入球したことを示す情報を受信している状態で1回目の確定領域通過情報を受信した場合、確定領域通過時演出を実行する。
(2)一方、有効時間内入球判定情報として遊技球が有効時間内に入賞口に入球したことを示す情報を受信している状態で2回目以降の確定領域通過情報を受信した場合、確定領域通過時演出を実行しない。
本解決手段によれば、1回目の確定領域通過情報の受信時に限って確定領域通過時演出を実行するため、2回目以降の確定領域通過情報の受信時に同じ確定領域通過時演出が重複して実行されてしまう状況を回避することができる。
解決手段3:本解決手段の遊技機は、上述したいずれかの解決手段において、前記確定領域は、遊技状態に関わらずに遊技球の通過を有効としており、前記確定領域通過情報送信手段は、遊技球が前記確定領域を通過した場合、遊技状態に関わらずに前記確定領域通過情報を送信することを特徴とする遊技機である。
本解決手段の遊技機には、以下の特徴が追加される。
(1)確定領域は、遊技状態に関わらずに遊技球の通過を有効としている。
(2)確定領域通過情報送信手段は、遊技球が確定領域を通過した場合、遊技状態に関わらずに確定領域通過情報を送信する。
本解決手段では、確定領域は遊技状態に関わらずに有効となっており、確定領域通過情報も遊技状態に関わらずに送信される。このため、主制御装置では、確定領域の有効無効を判定する必要がなくなり、主制御装置側の制御処理を簡素化することができる。
解決手段4:本解決手段の遊技機は、上述したいずれかの解決手段において、前記入賞口有効時間設定手段は、前記作動契機が発生して前記可動入球装置が前記開放状態に移行してから前記可動入球装置が前記閉止状態に移行して所定時間が経過するまでの時間を前記有効時間として設定することを特徴とする遊技機である。
本解決手段では、入賞口有効時間設定手段は、作動契機が発生して(特別図柄が小当りの態様で停止表示されて)可動入球装置が開放状態に移行してから可動入球装置が閉止状態に移行して所定時間(数秒程度)が経過するまでの時間(小当り遊技中の所定の時間)を有効時間として設定する。有効時間は、例えば、可動入球装置の可動片(いわゆる羽根部材)の開放時から可動片が閉鎖してその後に2秒程度の時間が経過するまでの時間とすることができる。
本解決手段によれば、可動入球装置が閉止状態に移行しても有効時間が継続するため、可動入球装置が閉止状態に移行する直前に入球した遊技球を無効球として判定してしまうことを回避することができる。
また、本解決手段によれば、作動契機が発生した後の所定の時間を有効時間とすることができるので、有効時間を小当り遊技中の所定の時間に限定することができ、大当り遊技中に有効時間が設定されてしまうこと(例えばこの設定により大当り遊技中に擬似V入賞演出が実行されてしまうこと)を回避することができる。
その他の解決手段:本解決手段の遊技機は、上述したいずれかの解決手段において、前記入賞口有効時間設定手段は、前記有効時間として、前記入賞口ではなく前記特定領域に関する有効時間を設定することを特徴とする遊技機である。
本解決手段によれば、入賞口有効時間設定手段は、有効時間として、入賞口ではなく特定領域に関する有効時間を設定するため、有効時間外に遊技球が入賞口に入球した場合であっても遊技球の払い出しは実行される。したがって、不正行為ではなく、偶然の事象(例えば球詰まり等)によって有効時間外に遊技球が入賞口に入球した場合には遊技球の払い出しを実行することにより、正当な遊技者の利益を保護することができる。
本発明の遊技機によれば、擬似的なV領域を搭載している遊技機において、矛盾した状態が発生してしまうことを回避することができる。
パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 遊技盤ユニットを単独で示す正面図である。 シーソー装置の振り分け動作について説明する図である。 左ルート振分部の構成の詳細を示す図である。 左ルート振分部の振り分け動作について説明する図である。 左ルート振分部の振り分け動作について説明する図である。 中央役物装置及びその周辺を左斜め上方から示した斜視図である。 当否振分部での振り分け動作について説明する図である。 当否振分部での振り分け動作について説明する図である。 振分装置及びその周辺を示す図である。 振分装置を分解して示す斜視図である。 振分装置の表カバーを前方側から示した斜視図である。 振分装置の表カバーを後方側から示した斜視図である。 確定領域孔に入球した遊技球が振分装置によって第1の方向に振り分けられる際の動作を説明する連続図である(1/2)。 確定領域孔に入球した遊技球が振分装置によって第1の方向に振り分けられる際の動作を説明する連続図である(2/2)。 確定領域孔に入球した遊技球が振分装置によって第2の方向に振り分けられる際の動作を説明する連続図である(1/2)。 確定領域孔に入球した遊技球が振分装置によって第2の方向に振り分けられる際の動作を説明する連続図である(2/2)。 第1上昇装置誘導路の構成の詳細を示す図である。 第2上昇装置誘導路の構成の詳細を示す図である。 タワー本体部の構成及び駆動機構の詳細を示す図である。 第1上昇装置及び第2上昇装置の構成及び駆動機構の詳細を示す図である。 振分装置により第1の方向に振り分けられた遊技球の上昇の様子を示す図である。 振分装置により第2の方向に振り分けられた遊技球の上昇の様子を示す図である。 第1上昇装置及び第2上昇装置の搬送速度について説明するための図である。 第1展望台ステージでの振り分け動作について説明するための図である。 第1展望台ステージの内部に位置しているタワー本体部の一部を抜き出して示した図である。 第2展望台ステージでの振り分け動作について説明するための図である。 第2展望台ステージの内部に位置しているタワー本体部の一部を抜き出して示した図である。 遊技盤ユニットの一部を拡大して示す正面図である。 パチンコ機に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。 パチンコ機による遊技の流れを一例として示すゲームフロー図である。 可動入球役物装置内で実行される1段階目の第1振分動作の流れを概略的に示すゲームフロー図である。 可動入球役物装置内で実行される2段回目の第2振分動作の流れを概略的に示すゲームフロー図である。 可動入球役物装置内で進行するゲームフローを通じて発生する各種状態の変化を示すタイミングチャートである。 可動入球役物装置内で進行するゲームフローを通じて発生する各種状態の変化を示すタイミングチャートである。 リセットスタート処理の手順例を示すフローチャート(1/2)である。 リセットスタート処理の手順例を示すフローチャート(2/2)である。 電源断発生チェック処理の手順例を示すフローチャートである。 割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。 割込管理処理の中で実行されるセキュリティ管理処理の手順例を示すフローチャートである。 スイッチ入力イベント処理の手順例を示すフローチャートである。 第1特別図柄記憶処理の手順例を示すフローチャートである。 第2特別図柄記憶処理の手順例を示すフローチャートである。 特別遊技管理処理の構成例を示すフローチャートである。 「特別遊技管理ステータス」の値と、それぞれの値に対応した特別遊技の進行状況を一覧にして示した図である。 特別図柄変動開始待ち処理の手順例を示すフローチャートである。 第1特別図柄停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。 第2特別図柄停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。 特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時役物装置開放処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時役物装置閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り中大当り判定処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時役物装置作動終了処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時エンディング開始時処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時エンディング終了時処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時役物装置作動開始処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時役物装置開放処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時役物装置閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時役物装置作動終了処理の手順例を示すフローチャートである。 ソレノイド制御処理の手順例を示すフローチャートである。 モータ管理処理の手順例を示すフローチャートである。 表示出力管理処理の手順例を示すフローチャートである。 「小当り1」に該当した場合に実行される演出の例を示す図である。 「小当り2」に該当した場合に実行される演出の例を示す連続図である(1/2)。 「小当り2」に該当した場合に実行される演出の例を示す連続図である(2/2)。 小当り時に開放した大入賞口に遊技球が入球した場合に実行される演出の例を示す図である。 確定領域孔に遊技球が入球した場合に実行される演出の例を示す図である。 遊技球が各種領域(特定領域や特殊領域等)を通過した場合に実行される演出の例を示す図である(1/2)。 遊技球が各種領域(特定領域や特殊領域等)を通過した場合に実行される演出の例を示す図である(2/2)。 「16ラウンド大当り」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出及びその後の演出例を部分的に示す連続図である(1/3)。 「16ラウンド大当り」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出及びその後の演出例を部分的に示す連続図である(2/3)。 「16ラウンド大当り」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出及びその後の演出例を部分的に示す連続図である(3/3)。 大入賞口の有効時間外に遊技球が大入賞口に入球した際に実行される演出例を示す連続図である(1/2)。 大入賞口の有効時間外に遊技球が大入賞口に入球した際に実行される演出例を示す連続図である(2/2)。 大入賞口に複数の遊技球が入球した際に実行される演出例を示す連続図である(1/2)。 大入賞口に複数の遊技球が入球した際に実行される演出例を示す連続図である(2/2)。 演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。 可動入球役物装置作動時演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り開始・終了指定コマンド受信時処理の手順例を示すフローチャートである。 カウントスイッチ用指定コマンド受信時処理の手順例を示すフローチャートである。 演出スイッチ通過指定コマンド受信時処理の手順例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠アセンブリ2、ガラス枠ユニット4、受け皿ユニット6及びプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を備えている。このうち外枠アセンブリ2は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠アセンブリ2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
その他のガラス枠ユニット4や受け皿ユニット6、プラ枠アセンブリ7は外枠アセンブリ2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみてプラ枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応してガラス枠ユニット4及び外枠アセンブリ2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠アセンブリ2に対してガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともにガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動してプラ枠アセンブリ7とともにガラス枠ユニット4及び受け皿ユニット6の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠アセンブリ2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、プラ枠アセンブリ7は施錠されたままでガラス枠ユニット4の施錠だけが解除され、ガラス枠ユニット4が開放可能となる。ガラス枠ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、ガラス枠ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6のロック機構(図示していない)が露出する。この状態でロック機構を解除すると、受け皿ユニット6をプラ枠アセンブリ7に対して前面側へ開放することができる。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、ガラス枠ユニット4の背後(内側)で上記のプラ枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えばガラス枠ユニット4を前面側へ開放した状態でプラ枠アセンブリ7に対して着脱可能である。ガラス枠ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、ガラス枠ユニット4の裏側に図示しないヒンジ機構を介して開閉式に取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。ガラス枠ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に外枠アセンブリ2から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の前面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きレバー6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きレバー6dを例えば左方向へスライドさせることで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置、球発射手段)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、障害釘及び風車は、図示を省略してある。
〔盤面の構成〕
遊技領域8a内の中央部には、比較的大型の可動入球役物装置30(可動入球装置、特別電動役物)が設置されている。可動入球役物装置30の左右には2つの普通入賞口21,22が設置されている。その他に、可動入球役物装置30の左下方位置には左始動入賞口26が設置され、中央位置には中始動入賞口28が配置され、右下方位置には右始動入賞口27が設置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に普通入賞口21,22に入球したり、左始動入賞口26、中始動入賞口28又は右始動入賞口27に入球したり、あるいは作動時(開放時)の可動入球役物装置30に入球したりする。
各入賞口に入球した遊技球は、透明樹脂板で構成された遊技板に形成された貫通穴を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
一方、可動入球役物装置30内に流入した遊技球は、さらにその内部で流下や転動、上昇等の過程を経て振り分け動作が行われた後に排出され、遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。なお、可動入球役物装置30内での振り分け動作については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
可動入球役物装置30は、大入賞口30bを有し、特定の条件が満たされた場合(特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、遊技球の流入を可能にする。すなわち可動入球役物装置30は、遊技領域8aの上部位置に設けられた可動片30a(いわゆる羽根部材)を有しており、この可動片30aは、例えば図示しない大入賞口ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って所定角度だけ往復回転する。
図示のように可動片30aは略直立した状態で大入賞口30bを閉止した状態にあり、このため可動入球役物装置30への遊技球の流入は不能となっている。可動入球役物装置30が作動すると、可動片30aがその基端部を中心として遊技領域8a内の左右方向へ倒れるようにして変位し、大入賞口30bを開放することで可動入球役物装置30への遊技球の流入(大入賞口30bへの遊技球の入球)を可能にする。可動片30a及び大入賞口30bは遊技領域8a内の上部位置、特に遊技球が最初に打ち込まれる位置の近くにあることから、可動入球役物装置30の作動時に遊技領域8a内に打ち込まれた遊技球は、上部位置の障害釘に誘導されて容易に可動片30aに到達し、そのまま可動片30aに案内されて大入賞口30bに入球する。
また、可動入球役物装置30は、規定の条件が満たされた場合(可動入球役物装置30の内部に設けられたいずれかの特定領域を遊技球が通過した場合)にも作動し、大入賞口30bへの入球を可能にする。なお、可動入球役物装置30内の特定領域についてはさらに後述する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各始動口に入球しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、可動入球役物装置30に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示されていないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
また、可動入球役物装置30の奥側であって透明な遊技板の裏側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には遊技の進行に対応させた各種の演出画像が表示される。
〔枠前面の構成〕
ガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50がガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして複数の箇所に設置されている。また、受け皿ユニット6には受け皿ランプ52が設置されており、この受け皿ランプ52とガラス枠トップランプ46,48及びガラス枠サイドランプ50とは、外見上、パチンコ機1の前面において一体的につながっているかのようにデザインされている。
上述した各種ランプ46〜52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、ガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のガラス枠上スピーカ54とその中央にガラス枠中スピーカ55が内蔵されており、そして受け皿ユニット6には、下皿6cの右側に受け皿スピーカ56が内蔵されている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで、遊技中の演出内容(例えばBGMの種類)を切り替えることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162(電源制御手段)や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図31)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報、セキュリティエラー情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔可動入球装置内部の構成〕
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。ここでは、可動入球役物装置30の内部の構成と遊技球の振り分け動作の概要について説明する。
可動入球役物装置30内には、上記の大入賞口30bを開放端として導入通路28cが形成されている。導入通路28cは、大入賞口30bから可動入球役物装置30内を鉛直下方に二股に延びており、下方のシーソー装置23に遊技球を案内する。可動入球役物装置30の作動時に大入賞口30bを通じて流入した遊技球は、全て導入通路28cを通じて可動入球役物装置30の内部に案内される。導入通路28cの途中(例えば、二股に分かれた誘導路のそれぞれの通路)にはカウントスイッチ84が設けられており、可動入球役物装置30に流入した全ての遊技球は、ここでカウントスイッチ84により検出される(入球検出手段)。
導入通路28cの下方には、シーソー装置23が配置されている。シーソー装置23は、左右に傾斜可能であり、遊技球を左ルート振分部誘導路202に誘導したり、遊技球を右ルート振分部誘導路232に誘導したりする。
また、可動入球役物装置30内には、左ルート振分部誘導路202に続いて左ルート振分部200が配置されており、右ルート振分部誘導路232に続いて右ルート振分部230が配置されている。左ルート振分部200は、遊技球をノーマルルートに誘導するかスペシャルルートに誘導するかの振り分け動作を行う。遊技球がノーマルルートに誘導されれば、その後に大当りとなる確率は低いが、遊技球がスペシャルルートに誘導されれば、遊技球がノーマルルートに誘導された場合と比較してその後に大当りとなる確率が高くなる。なお、左ルート振分部200の詳細は後述する。
また、右ルート振分部230も左ルート振分部200と同様に、遊技球をノーマルルートに誘導するかスペシャルルートに誘導するかの振り分け動作を行う。遊技球がノーマルルートに誘導されれば、その後に大当りとなる確率は低いが、遊技球がスペシャルルートに誘導されれば、遊技球がノーマルルートに誘導された場合と比較してその後に大当りとなる確率が高くなる。
また、可動入球役物装置30内には、左ルート振分部200及び右ルート振分部230に続いて当否振分部500が配置されている。当否振分部500は、可動入球役物装置30の大入賞口に入球した遊技球を、特定領域に遊技球を誘導することが確定する確定領域を通過させるか、もしくは確定領域を通過させることなく排出するかの振り分け動作を行う。
ここで、「確定領域」は、遊技球が特定領域を通過する場合にはその前に必ず通過する領域となるため、遊技球が確定領域を通過すれば、いずれは遊技球が特定領域を通過することになる。ただし、遊技球が確定領域を通過した時点では、未だ遊技球が特定領域を通過していないので、厳密な意味では大当りではないが、遊技者から見れば遊技球が確定領域を通過することが、事実上の大当りとなる。
いずれにしても、この当否振分部500により、遊技球を確定領域を通過させるか、もしくは確定領域を通過させることなく排出するかの振り分け動作が行われる。なお、当否振分部500の詳細は後述する。
また、当否振分部500の下流には、ラウンド振分部600(第1振分部、第2振分部)が配置されている。ラウンド振分部600は、可動入球役物装置30の左側部分の中段から下端までに配置された第1上昇装置(第1揚送装置)602、可動入球役物装置30の右側部分の上端から下端までに配置された第2上昇装置(第2揚送装置)610、可動入球役物装置30の中段部分に配置された第1展望台ステージ620(第1振分部)及び可動入球役物装置30の上段部分に配置された第2展望台ステージ630(第2振分部)等によって構成されている。
そして、ラウンド振分部600は、確定領域を通過した遊技球を、複数の特定領域のうちいずれかの特定領域を通過させた上で排出する振り分け動作を行う。すなわち、先の当否振分部500では、確定領域を通過させるか否かといった振り分け動作が行われたが、このラウンド振分部600では、確定領域を通過して事実上の大当りが確定した遊技球に対し、どのような利益を付与するかといった振り分け動作が行われる。なお、ラウンド振分部600の詳細は後述する。
図4は、シーソー装置23の振り分け動作について説明する図である。
シーソー装置23は、図示しないシーソー装置用ソレノイドによって左右に傾斜可能である。
図4中(A)に示すように、シーソー装置23は、右側に傾斜している状態では、遊技球を右ルート振分部誘導路232に誘導する。
一方、図4中(B)に示すように、シーソー装置23は、左側に傾斜している状態では、遊技球を左ルート振分部誘導路202に誘導する。
図5は、左ルート振分部200の構成の詳細を示す図である。
ここで、図5中(A)は左ルート振分部200の平面図であり、図5中(B)は左ルート振分部200を斜め上方から示した斜視図である。また、図5中(C)は左ルート振分部200の正面図であり、図5中(D)は左ルート振分部200の右側面図である。
左ルート振分部200は、進入してきた遊技球をノーマルルートかスペシャルルートかに振り分ける振り分け動作を行う。また、左ルート振分部200は、左ルート振分部誘導路202、ルート振分体204、スペシャルルート用孔206、ノーマルルート用孔208、スペシャルルート誘導路210、ノーマルルート誘導路212を有する。
左ルート振分部誘導路202は、シーソー装置23(図3参照)からの遊技球をルート振分体204に誘導するための通路であり、盤面の奧方向へ延び、最奧の位置から折り返して手前側のルート振分体204まで延びている。
ルート振分体204は、土台となる円形の回転部材204aと、回転部材204aの上に配置された構造体204b(小型のタワーを模した構造体)とを含む。回転部材204aは、例えば時計回りに回転可能であり、回転部材204aの回転に伴って構造体204bも回転する。構造体204bの脚部には四方に4つの逆U字型の貫通孔が形成されており、遊技球はその貫通孔を通り抜けることができる。本実施形態では、ルート振分体204は、パチンコ機1の電源投入時(電源OFF等の停電時以外)から電源遮断時まで回転を継続させている。
スペシャルルート用孔206は、ルート振分体204が配置されているベース部205aから遊技盤ユニット8の前方方向に凸状に延長された延長部205bの先端に配置されている。スペシャルルート用孔206は、スペシャルルート用孔206に入球した遊技球をスペシャルルート誘導路210に案内する。なお、スペシャルルート用孔206には、スペシャルルートスイッチ902が設けられており、スペシャルルート用孔206に入球した遊技球はスペシャルルートスイッチ902により検出される。
ノーマルルート用孔208は、スペシャルルート用孔206の両脇に2つ配置されており、ノーマルルート用孔208に入球した遊技球をノーマルルート誘導路212に案内する。
スペシャルルート誘導路210は、スペシャルルート用孔206から鉛直下方に延びた後、右下方向に延び、盤面奥方向に進んでさらに右下方向に延びている。スペシャルルート誘導路210により、遊技球は、当否振分部500の円形ステージ520(図8参照)に誘導される。
ノーマルルート誘導路212は、ノーマルルート用孔208から鉛直下方に延び、鉛直下方部分で2つのノーマルルート用孔208からのルートが合流し、合流した後に盤面奥方向に延びてさらに鉛直下方に延びている。ノーマルルート誘導路212により、遊技球は、当否振分部500の回転ステージ510(図8参照)に誘導される。
図6及び図7は、左ルート振分部200の振り分け動作について説明する図である。
なお、図6は、左ルート振分部200により遊技球がスペシャルルートに振り分けられる際の様子を示しており、図7は、左ルート振分部200により遊技球がノーマルルートに振り分けられる際の様子を示している。
〔スペシャルルートへの振分動作〕
図6中(A)に示すように、左ルート振分部誘導路202に遊技球が進入してきている。このとき、ルート振分体204は回転しており、この時点ではルート振分体204の脚部に形成された貫通孔204cは正面を向いていない。
図6中(B)に示すように、遊技球がルート振分体204に到達する時点では、ルート振分体204の脚部にある貫通孔204cが正面を向いている。そうすると、遊技球は、ルート振分体204の対向する2つの貫通孔204cを通り抜けて、スペシャルルート用孔206に入球する。
図6中(C)に示すように、スペシャルルート用孔206に入球した遊技球は、スペシャルルート誘導路210に誘導されて、当否振分部500の円形ステージ520に案内される。
〔ノーマルルートへの振分動作〕
図7中(A)に示すように、左ルート振分部誘導路202に遊技球が進入してきている。このとき、ルート振分体204は回転しており、この時点ではルート振分体204の脚部に形成された貫通孔204cが正面を向いている。
図7中(B)に示すように、遊技球がルート振分体204に到達する時点では、ルート振分体204の脚部にある貫通孔204cが正面を向いていない。そうすると、遊技球は、ルート振分体204の脚部に弾かれて進行方向が変化し、いずれはノーマルルート用孔208に入球する。
図7中(C)に示すように、ノーマルルート用孔208に入球した遊技球は、ノーマルルート誘導路212に誘導されて、当否振分部500の回転ステージ510に案内される。
右ルート振分部230は、左ルート振分部200と比較して左右対称となっており、基本な構造は左ルート振分部200と同一であるため詳細な説明は省略する。
ただし、右ルート振分部230では、ルート振分体の脚部にある貫通孔が正面を向いた状態で一定時間(2秒〜5秒程度)にわたり停止するため、左ルート振分部200よりも、遊技球がスペシャルルートに誘導されやすくなっている。
図8は、中央役物装置300及びその周辺を左斜め上方から示した斜視図である。
中央役物装置300は、例えば建築物(大型のタワー)を模したタワー本体部400を含み、大きく分けて当否振分部500と、ラウンド振分部600とに分けられる。当否振分部500での振り分け動作に成功した場合、遊技球はラウンド振分部600に進入することになる。
〔当否振分部〕
当否振分部500は、回転ステージ510及び円形ステージ520を有する。
回転ステージ510は、時計回りに回転可能なステージであり、その上面部分にY字形状の誘導溝512が形成されている。回転ステージ510の前方の中央部分には、遊技球が1つ入球できる程度の大きさの確定領域孔514が配置されており、確定領域孔514のさらに前方には、確定領域孔514よりも大きく開口したはずれ孔516が配置されている。確定領域孔514に入球した遊技球は、その後に確定領域を通過することになり、はずれ孔516に入球した遊技球は、その後に特定領域を通過することなく排出されることになる。
ここで、確定領域には図示しない演出スイッチ(確定領域検出手段)が設けられており、確定領域を通過する遊技球は演出スイッチにより検出される。
また、可動入球役物装置30の下縁部にはアウト通路が形成されている。このため、確定領域孔514に入球せずに、はずれ孔516に入球した遊技球はアウト通路に導かれ、確定領域や特定領域を通過することなく可動入球役物装置30から排出される。そして、アウト通路には図示しない排出検知スイッチが設けられており、アウト通路を通過する遊技球は排出検知スイッチにより検出される。
ここで、回転ステージ510には、タワー本体部400を支えるタワー脚部518が配置されており、回転ステージ510の回転に伴ってタワー本体部400も回転する。
円形ステージ520は、タワー脚部518の上方に形成された円形上のステージであり、ステージの中央部分には、円形ステージ520から回転ステージ510に遊技球を落下させるための落下孔522が形成されている。
〔ラウンド振分部〕
ラウンド振分部600は、第1上昇装置602、第2上昇装置610、第1展望台ステージ620(第1特殊振分部)及び第2展望台ステージ630(第2特殊振分部)を有する。
確定領域孔514に入球してその後に図示しない確定領域を通過した遊技球は、原則として、第1上昇装置602によって第1展望台ステージ620まで上昇され、そこで振り分け動作が行われる。また、第1展望台ステージ620での振り分け動作の結果、第1展望台ステージ620の内部の図示しない特殊領域を通過した遊技球は、第2上昇装置610によって第2展望台ステージ630まで上昇され、そこで再び振り分け動作が行われる。
〔振分装置〕
確定領域孔514の下部には、振分装置710が配置されている。振分装置710に進入した遊技球は、第1の方向(第1上昇装置602に向かう方向)又は第2の方向(第2上昇装置610に向かう方向)に振り分けられる。
図9及び図10は、当否振分部500での振り分け動作について説明する図である。
ここで、図9は、遊技球がスペシャルルートを経由して当否振分部500に進入し、確定領域孔514に入球する例を示している。また、図10は、遊技球がノーマルルートを経由して当否振分部500に進入し、はずれ孔516に入球する例を示している。
図9に示すように、左ルート振分部200のスペシャルルート用孔206(右ルート振分部230のスペシャルルート用孔であってもよい。)に入球した遊技球は、スペシャルルート誘導路210に誘導されて、当否振分部500の円形ステージ520に案内される。そして、円形ステージ520に案内された遊技球は、円形ステージ520の内部を回転し、回転速度の低下とともに中央の落下孔522に誘導され、下方の回転ステージ510に落下する。
回転ステージ510には、Y字形状の誘導溝512が形成されており、遊技球は誘導溝512の中央部分に落下することになる。そして、図示のように、回転ステージ510の誘導溝512の延長線上に確定領域孔514があれば、遊技球は誘導溝512に誘導されて確定領域孔514に入球することになる。
一方、図10に示すように、左ルート振分部200のノーマルルート用孔208(右ルート振分部230のノーマルルート用孔であってもよい。)に入球した遊技球は、ノーマルルート誘導路212に誘導されて、当否振分部500の回転ステージ510に案内される。ノーマルルート誘導路212からの遊技球は、回転ステージ510の方向に放出されるが、回転ステージ510の誘導溝512に誘導されるとは限らない。回転ステージ510の誘導溝512にうまく誘導されなかった遊技球は、移動方向が変化せずにはずれ孔516に落下することになる。
図11は、振分装置及びその周辺を示す図である。
振分装置710は、確定領域孔514(確定領域)の真下の位置に配置されている。
また、振分装置710の左右の領域は、はずれ孔516となっており、はずれ孔516に入球した遊技球は、その後に特定領域を通過することなく排出される。
さらに、振分装置710は、確定領域孔514に入球した遊技球(確定領域を通過した遊技球)を第1の方向(図中左側の方向)又は第2の方向(図中右側の方向)に振り分ける。
図12は、振分装置を分解して示す斜視図である。
振分装置710は、表カバー720、可動部材730、ベース部材740、裏カバー750、各種センサ760及び駆動装置770を含む。
表カバー720は、振分装置710の最も前面側に配置される部材である。
表カバー720は、上部に確定領域孔514が形成されており、前面側に可動部材730を収納する収納部722が形成されている。
可動部材730は、収納部722の内部に配置される部材である。
また、可動部材730は、確定領域孔514を通過した遊技球を受け入れ可能な入球口732及び可動部材730を回転させる回転軸734を有する。
可動部材730は、回転軸734の回転に伴って、入球口732を確定領域孔514に向けた状態と入球口732を確定領域孔514に向けていない状態との間で遷移可能であり、入球口732に入球した遊技球を第2の方向(図中右側)に案内する。
確定領域孔514に入球して入球口732に受け入れられた遊技球は、その後、ベース部材740に形成された丸孔742を通過し、裏カバー750に形成された裏カバー案内通路752を通過して、第2上昇装置610(図8参照)に案内される。
また、回転軸734は、ベース部材740に形成された第1軸受け孔744及び駆動装置770に形成された第2軸受け孔778に嵌め込まれており、駆動装置770の回転駆動に伴って回転する。
ベース部材740は、振分装置710の土台となる部材であり、ベース部材740を貫通する丸孔742及び回転軸734を嵌め込む第1軸受け孔744が形成されている。
また、ベース部材740の前面側には、各種スイッチ760のうちの中央のスイッチが格納される中空の格納部746が形成されている。
裏カバー750は、ベース部材740の後方に取り付けられる部材であり、ベース部材740に形成された丸孔742から進入してきた遊技球を受け入れる裏カバー案内通路752を有する。
裏カバー案内通路752は、第2上昇装置610に遊技球を案内する第2上昇装置誘導路554(図20参照)に繋がっている。
各種センサ760は、振分装置710の内部に配置されるセンサであり、例えば、磁気センサや振動センサ、電波センサ、近接センサ、遊技球通過検出センサ等である。各種センサ760は、ベース部材740や裏カバー750の後方側に配置された爪状のフックに取り付けられたり、格納部746に格納されたりする。
駆動装置770は、可動部材730を可動させる装置である。
駆動装置770は、駆動源となる駆動モータ772と、駆動モータ772の回転に伴って回転するモータギア774と、モータギア774に噛み合わされた扇型形状の駆動ギア776と、駆動ギア776の回転軸を中心として配置された第2軸受け孔778とを備えている。
駆動モータ772は、時計回り又は反時計回りに回転可能なモータである。駆動モータ772を駆動させることで、モータギア774を通して駆動ギア776を回転させ、その駆動ギア776の回転により第2軸受け孔778に嵌め込まれている回転軸734を回転させることができる。
そして、回転軸734は、可動部材730に固定されていることから、駆動モータ772を駆動させることにより、可動部材730を振り子状に往復運動させることができる。
図13は、振分装置710の表カバー720を前方側から示した斜視図であり、図14は、振分装置710の表カバー720を後方側から示した斜視図である。
振分装置710の表カバー720は、内部の遊技球の視認性を確保するために透明な部材で構成されている。このため、実際には例えば図13に示すように、振分装置710の表カバー720を前方側から見たとしても、振分装置710の表カバー720の内部の構造が透けて見える。
振分装置710の表カバー720の内部には、図14に示すように、確定領域孔514に入球して、可動部材730の入球口732(図12参照)に入球しなかった遊技球を第1の方向(図中右側の方向)に案内する表カバー案内通路724が形成されている。
表カバー案内通路724は、第1の方向(図中右側の方向)に向かって下り傾斜となっており、下り傾斜の先は、第1上昇装置602に案内する第1上昇装置誘導路552(図19参照)に繋がっている。
図15及び図16は、確定領域孔514に入球した遊技球が振分装置710によって第1の方向に振り分けられる際の動作を説明する連続図である。
図15に示すように、遊技球が確定領域孔514に入球している。そうすると、遊技球は確定領域孔514から真下に落下する。
この状況では、可動部材730の入球口732は、図中右方向に傾いており、確定領域孔514の方向を向いていない。このため、遊技球は、可動部材730の左側壁にぶつかる。
そして、可動部材730の左側壁は緩やかな曲線形状となっているため、図16に示すように、遊技球は左側壁に沿って図中左方向に落下する。
また、この状況では、可動部材730が反時計回りに回転しており、可動部材730の入球口732は、確定領域孔514の方向を向いている。このような回転動作によって、遊技球が可動部材730の左側壁に沿って落下することを促進する。
この場合、遊技球は、表カバー720の内部に形成された表カバー案内通路724によって第1上昇装置誘導路552(図19参照)に案内され、最終的には第1上昇装置602(図8参照)に導かれる。
なお、特に図示はしていないが、可動部材730の入球口732は、この状態からさらに図中左方向に傾くことも可能である。この場合、可動部材730の入球口732は、確定領域孔514の方向を向いていないため、遊技球は、可動部材730の右側壁にぶつかる。
そして、可動部材730の右側壁は緩やかな曲線形状となっているため、遊技球は右側壁に沿って図中右方向に落下する。この場合、遊技球は、表カバー720の内部に形成された表カバー案内通路724によって可動部材730の前方側を迂回しながら左方向に転動し、第1上昇装置誘導路552(図20参照)に案内され、最終的には第1上昇装置602(図8参照)に導かれる。
ここで、可動部材730は、入球口732を確定領域孔514(確定領域)に向けていない状態の時間(例えば5秒)よりも短い時間(例えば1秒)で入球口732を確定領域に向けた状態となる。このため、入球口732に遊技球が進入する確率よりも進入しない確率の方が高い。
図17及び図18は、確定領域孔514に入球した遊技球が振分装置710によって第2の方向に振り分けられる際の動作を説明する連続図である。
図17に示すように、遊技球が確定領域孔514に入球している。そうすると、遊技球は確定領域孔514から真下に落下する。
この状況では、可動部材730の入球口732は、確定領域孔514の方向を向いている。このため、遊技球は、可動部材730の入球口732に入球する。
そして、図18に示すように、可動部材730が時計回りに回転すると、可動部材730の入球口732と、ベース部材740に形成された丸孔742との位置が一致する。可動部材730の入球口732は、後方側に側壁がないため、遊技球は丸孔742に進入する。
この場合、遊技球は、裏カバー750の内部に形成された裏カバー案内通路752によって第2上昇装置誘導路554(図20参照)に案内され、最終的には第2上昇装置610(図8参照)に導かれる。
図19は、第1上昇装置誘導路552の構成の詳細を示す図である。
第1上昇装置誘導路552は、可動入球役物装置30の内部に設けられた通路であって、確定領域孔514と第1上昇装置602とを結ぶ通路である。第1上昇装置誘導路552は、確定領域孔514に入球して左側に振り分けられた遊技球を第1上昇装置602に導く。
第1上昇装置誘導路552には、その途中にスライド部材552aが配置されている。スライド部材552aは、図示しない第1上昇装置誘導路ソレノイドによって図中左右方向にスライド可能である。
図19中(A)に示すように、第1上昇装置誘導路ソレノイドが非作動(OFF)の状態であれば、スライド部材552aは初期位置にあり、スライド部材552aの上面を通過して、遊技球は第1上昇装置602に誘導される。
一方、図19中(B)に示すように、第1上昇装置誘導路ソレノイドが作動(ON)の状態であれば、スライド部材552aは図中右側にスライドすることになり、遊技球は第1上昇装置誘導路552の下流にある第1上昇装置602に誘導されず、可動入球役物装置30の内部のアウト通路に合流して排出検知スイッチにより検出されることになる。
このように、確定領域孔514に入球した遊技球を第1上昇装置602に誘導したり、第1上昇装置602に誘導せずに排出したりする理由は、通常の振り分け動作を行っている場合は第1上昇装置602に遊技球を誘導する必要があるが、一旦大当り状態に突入した場合には第1上昇装置602に遊技球を誘導する必要がないからである。
図20は、第2上昇装置誘導路554の構成の詳細を示す図である。
第2上昇装置誘導路554は、可動入球役物装置30の内部に設けられた通路であって、確定領域孔514と第2上昇装置610とを結ぶ通路である。第2上昇装置誘導路554は、確定領域孔514に入球して右側に振り分けられた遊技球を第2上昇装置610に導く。
第2上昇装置誘導路554には、その途中にスライド部材554aが配置されている。スライド部材552aは、図示しない第2上昇装置誘導路ソレノイドによって図中左右方向にスライド可能である。
図20中(A)に示すように、第2上昇装置誘導路ソレノイドが非作動(OFF)の状態であれば、スライド部材554aは初期位置にあり、スライド部材554aの上面を通過して、遊技球は第2上昇装置610に誘導される。
一方、図20中(B)に示すように、第2上昇装置誘導路ソレノイドが作動(ON)の状態であれば、スライド部材554aは図中左側にスライドすることになり、遊技球は第2上昇装置誘導路554の下流にある第2上昇装置610に誘導されず、可動入球役物装置30の内部のアウト通路に合流して排出検知スイッチにより検出されることになる。
このように、確定領域孔514に入球した遊技球を第2上昇装置610に誘導したり、第2上昇装置610に誘導せずに排出したりする理由は、通常の振り分け動作を行っている場合は第2上昇装置610に遊技球を誘導する必要があるが、一旦大当り状態に突入した場合には第2上昇装置610に遊技球を誘導する必要がないからである。
なお、同一ラウンド中(例えば小当り遊技中)においては、1個目の遊技球がいずれかの特定領域を通過して大当りが確定しても、その時点で可動入球役物装置30の動作を終了させずに、2個目以降の遊技球に対しても可動入球役物装置30の動作を継続させることが好ましい。
図21は、タワー本体部400の構成及び駆動機構の詳細を示す図である。
タワー本体部400の下部には、本体部モータ402が配置されている。本体部モータ402には、その出力軸に駆動ギヤ404が取り付けられており、この駆動ギヤ404に対して従動ギヤ406が噛み合わされている。駆動ギヤ404及び従動ギヤ406は、歯車列を構成しており、本体部モータ402の回転に伴い、駆動ギヤ404から従動ギヤ406に動力が伝達される。
従動ギヤ406には、従動ギヤ406と共に回転する回転軸408が結合されており、回転軸408には回転ステージ510が接続されている。このため、本体部モータ402が回転するとその動力によって回転ステージ510が回転し、さらに回転ステージ510に設置されているタワー本体部400も回転することになる。
ここで、第1展望台ステージ620及び第2展望台ステージ630は、タワー本体部400の外枠となる環状のステージであるため、本体部モータ402が回転してもステージ自体は回転しない。すなわち、タワー本体部400は、中心部分のみが回転し外枠のステージ部分は回転しない。なお、タワー本体部400は、下端部よりも上端部が遊技盤ユニット8の前方に突出しており、頂上部分が手前側に傾斜している。このような傾斜により各ステージに進入した遊技球は、遊技盤ユニット8の前方に転動しやすい状態となる。
また、回転軸408の下端部には、図示しない原点位置検出機構が配置されている。原点位置検出機構は、タワー本体部400の回転に関する原点位置の検出を行う装置であり、インデックスセンサやロータリエンコーダ等を適用することができる。
図22は、第1上昇装置602及び第2上昇装置610の構成及び駆動機構の詳細を示す図である。
〔第1上昇装置〕
第1上昇装置602は、確定領域孔514に入球して、振分装置710により第1の方向(図中左側の方向)に振り分けられた遊技球を第1展望台ステージ620まで上昇させる装置である。
また、第1上昇装置602は、筒状誘導路603及びスクリューコンベア604を有する。
筒状誘導路603は、内部にスクリューコンベア604が配置された円筒形状の通路である。
スクリューコンベア604は、筒状誘導路603と共に遊技球を上昇させるコンベアである。また、スクリューコンベア604は、コンベアモータ214の回転力を利用して遊技球を上昇させる回転体である。
そして、筒状誘導路603の下開口孔603aに入球した遊技球は、スクリューコンベア604によって上昇し、最終的に筒状誘導路603の上開口孔603bから放出され、図示しない第1展望台ステージに向かう。
〔第2上昇装置〕
第2上昇装置610は、確定領域孔514に入球して、振分装置710により第2の方向(図中右側の方向)に振り分けられた遊技球を第2展望台ステージ630まで上昇させる装置である。
また、第2上昇装置610は、筒状誘導路611及びスクリューコンベア612を有する。
筒状誘導路611は、内部にスクリューコンベア612が配置された円筒形状の通路である。スクリューコンベア612は、筒状誘導路611と共に遊技球を上昇させるコンベアである。また、スクリューコンベア612は、コンベアモータ214の回転力を利用して遊技球を上昇させる回転体である。
そして、筒状誘導路611の下開口孔611a又は中開口孔611bに入球した遊技球は、スクリューコンベア612によって上昇し、最終的に筒状誘導路611の上開口孔611cから放出され、図示しない第2展望台ステージに向かう。なお、中開口孔611bは、図示しない第1展望台ステージからの遊技球を、第2上昇装置610に誘導する孔である。
そして、第1上昇装置602及び第2上昇装置610は、駆動機構615を駆動源として駆動する。
駆動機構615は、筒状誘導路611の下部背面に配置されたコンベアモータ214と、コンベアモータ214の回転可能な出力軸に取り付けられた駆動ギヤ618aと、駆動ギヤ618aに噛み合わされた第2上昇装置従動ギヤ618bと、駆動ギヤ618aに噛み合わされた複数のギヤ列618cと、複数のギヤ列618cのギヤに噛み合わされた第1上昇装置従動ギヤ618dとを備える。
また、第2上昇装置従動ギヤ618bには、スクリューコンベア612の回転中心となる回転軸618eが取り付けられており、第1上昇装置従動ギヤ618dには、スクリューコンベア604の回転中心となる回転軸618fが取り付けられている。なお、特に図示はしていないが、駆動機構615には、先に説明したタワー本体部400と同様の原点位置検出機構が取り付けられている。
そして、駆動機構615によってスクリューコンベア604及びスクリューコンベア612を回転駆動させることにより、下開口孔603aに入球した遊技球を上開口孔603bまで上昇させたり、下開口孔611a又は中開口孔611bに入球した遊技球を上開口孔611cまで上昇させたりすることができる。
図23は、振分装置710により第1の方向(図中左側の方向)に振り分けられた遊技球の上昇の様子を示す図である。
確定領域孔514に入球して、振分装置710により第1の方向(図中左側の方向)に振り分けられた遊技球は、下開口孔603aから筒状誘導路603の内部に進入し、スクリューコンベア604の回転に押し出されながら、筒状誘導路603の内壁に案内されて筒状誘導路603の内部を上昇する。そして、上開口孔603bまで上昇すると、図示しない第1展望台ステージに向かう。
第1展望台ステージでの振り分けの結果、遊技球が特殊確定領域(UPに対応する領域)を通過した場合、遊技球は、中開口孔611bから筒状誘導路611の内部に進入し、スクリューコンベア612の回転に押し出されながら、筒状誘導路611の内壁に案内されて筒状誘導路611の内部を上昇する。そして、上開口孔611cまで上昇すると、図示しない第2展望台ステージに向かう。
図24は、振分装置710により第2の方向(図中右側の方向)に振り分けられた遊技球の上昇の様子を示す図である。
確定領域孔514に入球して、振分装置710により第2の方向(図中右側の方向)に振り分けられた遊技球は、下開口孔611aから筒状誘導路611の内部に進入し、スクリューコンベア612の回転に押し出されながら、筒状誘導路611の内壁に案内されて筒状誘導路611の内部を上昇する。そして、中開口孔611bを通過して上開口孔611cまで上昇すると、図示しない第2展望台ステージに向かう。
図25は、第1上昇装置602及び第2上昇装置610の搬送速度について説明するための図である。
図25中(A)に示すように、2つの遊技球が第1上昇装置602及び第2上昇装置610にて略同時に上昇を開始したものとする。
図25中(B)に示すように、第1上昇装置602で上昇している遊技球は1ピッチ程度しか上昇していない。このため、第1上昇装置602の遊技球は、ほとんど上昇が進んでいない。一方、第2上昇装置610で上昇している遊技球は、5ピッチ程度上昇している。このため、第2上昇装置610の遊技球は、既に半分程度まで上昇している。
図25中(C)に示すように、第1上昇装置602で上昇している遊技球は1ピッチ程度しか上昇していない。このため、第1上昇装置602の遊技球は、上昇が半分程度までにも至っていない。一方、第2上昇装置610で上昇している遊技球は5ピッチ程度上昇している。このため、第2上昇装置610の遊技球は、いまにも上昇が終了しそうな状態である。
このように、第1上昇装置602は、確定領域孔514に入球した遊技球を、所定の時間(例えば15秒程度)で第1展望台ステージに到達させる第1の搬送装置となっている。
また、第2上昇装置610は、確定領域孔514に入球した遊技球を、所定の時間よりも短い時間(例えば5秒程度)で第2展望台ステージに到達させる第2の搬送装置となっている。なお、上昇速度の相違は、第1上昇装置従動ギヤ618dと第2上昇装置従動ギヤ618bとのギヤ比を変更したり、スクリューコンベア604とスクリューコンベア612とのピッチを変更したりすることにより変化させることができる。
図26は、第1展望台ステージ620での振り分け動作について説明するための図である。
第1展望台ステージ用誘導路606に到達した遊技球は、第1展望台ステージ620に誘導され、その勢いによって第1展望台ステージ620を左右に転動する。第1展望台ステージ620は、ステージ自体が中心方向に傾斜している(すり鉢状である)ため、転動の勢いが失われた遊技球は、いずれは遊技球をタワー本体部400の内部に案内するための第1展望台ステージゲート622に進入する。
図27は、第1展望台ステージ620の内部に位置しているタワー本体部400の一部を抜き出して示した図である。
図27中(A)に示すように、第1展望台ステージ620の内部に位置しているタワー本体部400の一部は、円柱形状となっており、その側面に第1特定領域用窪み部624と、再上昇用窪み部626とを有する。
第1特定領域用窪み部624は、3ラウンド大当り用の第1特定領域に遊技球を誘導するための窪みであり、略正方形形状であって遊技球が1つ流入可能な程度の空間となっている。また、第1特定領域用窪み部624の上部には「3R」の文字情報が表示されている。
再上昇用窪み部626は、遊技球を第2上昇装置610に誘導するための窪みであり、略長方形形状であって、第1特定領域用窪み部624よりも鉛直方向の長さが長い空間となっている。また、再上昇用窪み部626の上部には「UP」の文字情報が表示されている。
そして、タワー本体部400には、手前側の側面に1つの第1特定領域用窪み部624と、2つの再上昇用窪み部626とが形成されており、奥側の側面にも同様に1つの第1特定領域用窪み部624と、2つの再上昇用窪み部626とが形成されている。
このため、タワー本体部400には、全体として2つの第1特定領域用窪み部624と、4つの再上昇用窪み部626とが形成されていることになる。したがって、第1展望台ステージ620に進入した遊技球は、3分の1の確率で第1特定領域用窪み部624に入球し、残りの3分の2の確率で再上昇用窪み部626に入球することになる。
〔第1特定領域用窪み部624への入球〕
ここで、遊技球が第1特定領域用窪み部624に入球した場合のその後の動作を説明する。
図27中(B)に示すように、第1展望台ステージ620の第1展望台ステージゲート622を通じて、第1特定領域用窪み部624に遊技球が入球すると、遊技球はその位置が維持される。
さらに、図27中(C)に示すように、タワー本体部400の回転に伴って、第1特定領域用窪み部624に入球した遊技球はそのまま左方向に移動していく。
そして、図27中(D)に示すように、タワー本体部400の回転に伴って、第1特定領域用窪み部624に入球した遊技球は、遊技盤ユニット8の裏側へ回収され、遊技盤ユニット8の裏側にある図示しない第1特定領域を通過することになる。第1特定領域には図示しない第1特定領域スイッチが設けられており、第1特定領域を通過する遊技球は第1特定領域スイッチにより検出される。
〔再上昇用窪み部626への入球〕
次に、遊技球が再上昇用窪み部626に入球した場合のその後の動作を説明する。
図27中(E)に示すように、第1展望台ステージ620の第1展望台ステージゲート622を通じて、再上昇用窪み部626に遊技球が入球すると、遊技球は再上昇用窪み部626の内部で下方に落下することになる。
さらに、図27中(F)に示すように、下方に落下した遊技球は、タワー本体部400の回転に伴って、左方向に移動していく。ここで、下方に落下した遊技球が配置される部分には、第1特殊開口孔628が形成されており、この時点で遊技球は、第1特殊開口孔628の正面に位置することになる。
そして、図27中(G)に示すように、遊技球は第1特殊開口孔628を通じて前方に転がり、そのまま再上昇誘導路613(図26参照)に案内されることになる。再上昇誘導路613には図示しない特殊領域が設けられており、その特殊領域には特殊領域スイッチが設けられている。そして、特殊領域を通過する遊技球は特殊領域スイッチにより検出される。
図28は、第2展望台ステージ630での振り分け動作について説明するための図である。
第2展望台ステージ用誘導路614に到達した遊技球は、第2展望台ステージ630に誘導され、その勢いによって第2展望台ステージ630を左右に転動する。第2展望台ステージ630は、ステージ自体が中心方向に傾斜している(すり鉢状である)ため、転動の勢いが失われた遊技球は、いずれは第2展望台ステージ開口孔631に進入する。
図29は、第2展望台ステージ630の内部に位置しているタワー本体部400の一部を抜き出して示した図である。
図29中(A)に示すように、第2展望台ステージ630の内部に位置しているタワー本体部400の一部は、下側を頂点とする円錐形状の先端部分を取り除いた形状となっており、その上面に第2特定領域孔632と、第3特定領域孔633とが形成されている。
第2特定領域孔632は、7ラウンド大当り用の第2特定領域に遊技球を誘導するための孔であり、その孔の下方に略正方形形状であって遊技球が1つ流入可能な第2特定領域用窪み部634が形成されている。また、第2特定領域用窪み部634の上部には「7R」の文字情報が表示されている。
第3特定領域孔633は、16ラウンド大当り用の第3特定領域に遊技球を誘導するための孔であり、その孔の下方に略長方形形状であって第2特定領域孔632よりも縦長の第3特定領域用窪み部635が形成されている。また、第3特定領域用窪み部635の上部には「16R」の文字情報が表示されている。
ここで、タワー本体部400には、第2特定領域孔632と、第3特定領域孔633とが交互に3つずつ形成されており、全体として3つの第2特定領域孔632と、3つの第3特定領域孔633とが形成されている。このため、第2展望台ステージ630に遊技球が辿りつけば、2分の1の確率で第2特定領域孔632に遊技球が入球し、残りの2分の1の確率で第3特定領域孔633に遊技球が入球することになる。
〔第2特定領域孔への入球〕
ここで、遊技球が第2特定領域孔632に入球した場合のその後の動作を説明する。
図29中(B)に示すように、第2特定領域孔632に遊技球が入球すると、遊技球はその下方にある第2特定領域用窪み部634に入り込み、遊技球はタワー本体部400の上方部分に停止される。
さらに、図29中(C)に示すように、タワー本体部400の回転に伴って、第2特定領域用窪み部634に進入した遊技球はそのまま左方向に移動していく。なお、タワー本体部400は、図中左方向(時計回り)に回転させている例で説明しているが、図中右方向(反時計回り)に回転させてもよい。
そして、図29中(D)に示すように、タワー本体部400の回転に伴って、第2特定領域用窪み部634に入球した遊技球は、遊技盤ユニット8の裏側へ回収され、遊技盤ユニット8の裏側にある第2特定領域を通過することになる。第2特定領域には図示しない第2特定領域スイッチが設けられており、第2特定領域を通過する遊技球は第2特定領域スイッチにより検出される。
〔第3特定領域孔への入球〕
次に、遊技球が第3特定領域孔633に入球した場合のその後の動作を説明する。
図29中(E)に示すように、第3特定領域孔633に遊技球が入球すると、遊技球は第3特定領域用窪み部635の内部で下方に落下することになる。
さらに、図29中(F)に示すように、下方に落下した遊技球は、タワー本体部400の回転に伴って、左方向に移動していく。ここで、下方に落下した遊技球が配置される部分には、第2特殊開口孔636が形成されており、この時点で遊技球は、第2特殊開口孔636の正面に位置することになる。
そして、図29中(G)に示すように、遊技球は第2特殊開口孔636を通じて前方に転がり、第2展望台ステージ630の前方にある第3特定領域誘導路670(図28参照)に案内されることになる。第3特定領域誘導路670には図示しない第3特定領域が設けられており、その第3特定領域には第3特定領域スイッチが設けられている。そして、第3特定領域を通過する遊技球は第3特定領域スイッチにより検出される。
図30は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35が設けられている。
第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、本実施形態において特別図柄に対応する作動記憶ランプや作動記憶数表示装置は設けられていない。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b,38cにそれぞれ対応する3つのLEDが含まれている。図30中、特に参照符号を付していない他のランプ(LED)は未使用(ブランク)のものである。本実施形態では、上述した第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図31は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、大当り判定用(又は小当り判定用)にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
遊技盤ユニット8には、左始動入賞口26、中始動入賞口28、右始動入賞口27及び可動入球役物装置30にそれぞれ対応して左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81、右始動入賞口スイッチ82及びカウントスイッチ84が装備されている。このうち左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81及び右始動入賞口スイッチ82は、それぞれの始動入賞口への遊技球の入球を検出するためのものである。また、カウントスイッチ84は、可動入球役物装置30(大入賞口30b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。
また、遊技盤ユニット8には、上述した第1特定領域、第2特定領域、第3特定領域、確定領域にそれぞれ対応して第1特定領域スイッチ701(特定領域検出手段、特定領域通過後排出検出手段)、第2特定領域スイッチ702(特定領域検出手段、特定領域通過後排出検出手段)、第3特定領域スイッチ703(特定領域検出手段、特定領域通過後排出検出手段)及び演出スイッチ800(中下スイッチ)が設けられている。主制御CPU72は、各スイッチからの検出信号を受信すると、それぞれについて領域通過コマンドを演出制御CPU126に送信する。
これらの他にも、可動入球役物装置30内には排出検知スイッチ900が設けられている。排出検知スイッチ900は、可動入球役物装置30から排出された遊技球を検出し、その検出信号を出力するものである(排出検出手段)。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口21,22への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、入賞口スイッチ86は全ての普通入賞口21,22について共通のものを用いてもよいし、複数ある普通入賞口21,22のそれぞれに別々の入賞口スイッチ86を設置してもよい。例えば、盤面の左右2箇所にそれぞれ別の入賞口スイッチ86を設置して各普通入賞口に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類80〜86,701〜703,800,900の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態では左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81、右始動入賞口スイッチ82、第1特定領域スイッチ701、第2特定領域スイッチ702及び第3特定領域スイッチ703からの検出信号は遊技者の利益に最も直接的に影響を及ぼす信号であるため特に中継物を介することなく主制御装置70に送信されており、その他の検出信号はパネル中継端子板87を中継して主制御装置70に送信されている。パネル中継端子板87には、それぞれの検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じて第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38に対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38は、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、可動入球役物装置30に対応して大入賞口ソレノイド90が設けられている。大入賞口ソレノイド90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、可動入球役物装置30を作動(開放)させる。
さらに遊技盤ユニット8には、可動入球役物装置30の内部に第1上昇装置誘導路ソレノイド95、第2上昇装置誘導路ソレノイド97及びシーソー装置用ソレノイド780が設けられている。これらのソレノイドは、主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、大当り遊技中の排出動作を行う。なお、大入賞口ソレノイド90、第1上昇装置誘導路ソレノイド95、第2上昇装置誘導路ソレノイド97及びシーソー装置用ソレノイド780は、上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
さらに遊技盤ユニット8には、左ルート振分部200のルート振分体204や、右ルート振分部230のルート振分体、タワー本体部400、スクリューコンベア612、振分装置710にそれぞれ対応して第1振分体モータ213、第2振分体モータ215、本体部モータ402、コンベアモータ214及び駆動モータ772(駆動源)が設けられている。このうち、第1振分体モータ213は、左ルート振分部200のルート振分体204を回転させるものであり、第2振分体モータ215は、右ルート振分部230のルート振分体を回転させるものである。また、本体部モータ402は、タワー本体部400を回転させるものである。コンベアモータ214は、スクリューコンベア604及びスクリューコンベア612を回転駆動させるものである。さらに、駆動モータ772は振分装置710の可動部材730を回転駆動させるものである。これらのモータについても同様に、上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
本実施形態では、各モータ213,215,402,214,772に対し、主制御装置70(主制御CPU72)から一定動作用の駆動信号が出力される。また、各モータ213,215,402,214,772については、それぞれ図示しないインデックスセンサ等の原点検出機構を用いて回転に関する原点位置の検出を行っている。このため主制御装置70には、これら原点検出機構からの原点位置検出信号が入力されている。
また、遊技盤ユニット8には、各種センサ760が設置されている。各種センサ760は、例えば、磁気センサや振動センサ、電波センサ、近接センサ、遊技球通過検出センサ等である。このうち磁気センサは、その設置位置で遊技盤ユニット8に飛来してくる磁束を検出し、その密度(磁気強度)に応じた検出信号を出力する。また、振動センサは、その設置位置で遊技盤ユニット8に伝わる加速度(振動)を検出し、その大きさに応じた検出信号を出力する。さらに、電波センサは、その設置位置で遊技盤ユニット8に到達する電波を検出し、電波の受信強度に応じた検出信号を出力する。これら各種センサ760の検出信号は、それぞれパネル中継端子板87を通じて主制御装置70(主制御CPU72)に入力されている。なお、各種センサ760には、振分装置710の内部に配置されているセンサ以外のセンサも含まれている。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。演出制御CPU126には、主制御CPU72よりも高速(高クロック周波数)で、データバス幅が広い(例えば64ビット)タイプのものを使用することができる。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は可動入球役物装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、ランプ駆動回路132からの駆動信号がパネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53に印加されている。
上記のように可動入球役物装置30の内部には、特殊領域スイッチ901及びスペシャルルートスイッチ902が設けられている。特殊領域スイッチ901及びスペシャルルートスイッチ902は、遊技球の通過を契機として何らかの演出動作を発生させるための球検出器である。特殊領域スイッチ901及びスペシャルルートスイッチ902の検出信号はパネル電飾基板138を中継して送信され、図示しない入出力ドライバを介して演出制御CPU126に入力される。なお、ここでは特殊領域スイッチ901及びスペシャルルートスイッチ902を演出制御装置124に接続する形態を例に挙げているが、特殊領域スイッチ901及びスペシャルルートスイッチ902を主制御装置70に接続してもよい。この場合、主制御CPU72が特殊領域スイッチ901又はスペシャルルートスイッチ902からの検出信号を受信すると、それぞれについて演出コマンドを演出制御CPU126に送信すればよい。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8の透明な遊技板を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜52等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらに、VDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。また、演出制御装置124を経由して演出駆動制御装置144に電力が供給されるとともに、演出駆動制御装置144から液晶表示器42に電力が分配されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
〔遊技フロー〕
次に図32は、本実施形態のパチンコ機1による遊技の流れを一例として示すゲームフロー図である。パチンコ機1による通常遊技は、遊技球を遊技領域8a内に打ち込む(発射する)ことで開始される。以下、遊技球の打ち出しを前提として遊技の流れについて説明する。
〔F01:始動入賞口への入球〕
遊技球が遊技領域8a内を流下する過程で、左始動入賞口26、中始動入賞口28又は右始動入賞口27のいずれかに入球すると、それぞれの始動入賞口に対応した左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81又は右始動入賞口スイッチ82によって遊技球の通過が検出され、これを契機として特別図柄抽選が行われる。
特別図柄抽選は、可動入球役物装置30を作動させるか否かに関わる抽選である。なお、いずれの始動入賞口にも遊技球が入球しなかった場合はひとまずゲームフローは終了となり、改めて始動入賞口への入球(F01)を目指してゲームフローを開始することになる。
また、特に図示していないが、特別図柄抽選が行われると、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35において特別図柄が所定の変動時間にわたり変動表示された後、抽選結果を表す態様で停止表示される。第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による特別図柄の変動パターンに関しては、抽選によってランダムに変化させても、一定の変動パターンに固定してもよい。
ここで、本実施形態では、左始動入賞口26又は右始動入賞口27への入球を契機として第1特別図柄抽選(内部抽選)が行われる一方、中始動入賞口28への入球を契機として第2特別図柄抽選(内部抽選)が行われる。
そして、特別図柄抽選の当り確率(小当り確率)は1(=1/1)に設定されているため、遊技球がいずれかの始動入賞口に入球すると、そのまま小当りに該当することになる。したがって、特に主制御装置70において内部的に当り判定乱数を取得する必要はないが、敢えて取得することとしてもよい。本実施形態では、特に各始動入賞口への入球を契機として直接的に大当り遊技が実行される当り(いわゆる直当り、直撃当り)を設けていないが、ここで取得した当り判定乱数を用いて直当り判定を行ってもよい。
また、本実施形態では、特別図柄に「はずれ」の表示態様がなく、第1特別図柄による抽選では「小当り1」に該当し、第2特別図柄による抽選では「小当り2」に該当することになっている。「小当り1」と「小当り2」の違いは、可動入球役物装置30の作動回数に関係しており、「小当り1」に該当した場合は可動入球役物装置30が1回作動し、「小当り2」に該当した場合は可動入球役物装置30が2回作動する。
〔F02:可動入球役物装置作動〕
いずれにしても、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35により特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、これを契機として可動入球役物装置30が作動(開放動作)する。可動入球役物装置30の作動は、上記のように可動片30aを開放位置に変化させるものであるが、本実施形態では所定の開放時間にわたり、「小当り1」に該当した場合は1回だけ(例えば0.5秒開放×1回)、「小当り2」に該当した場合は2回だけ(例えば0.5秒開放×2回、インターバル時間は1秒程度)可動片30aを短期間開放させるものとしている。
〔F03:大入賞口入球判定〕
次に、可動入球役物装置30の作動時に、遊技球が大入賞口30bに入球したか否かが判定される。ここで遊技球が大入賞口30bに入球した場合、ゲームフローはさらに可動入球役物装置30内での振り分け動作に進行していくことになる。なお、可動入球役物装置30の大入賞口30bに遊技球が入球しなかった場合はひとまずゲームフローが終了となり、改めて始動入賞口への入球(F01)を目指してゲームフローを開始することになる。
〔F04:特定領域通過判定〕
ゲームフローが可動入球役物装置30内に進行すると、上記のように様々な遊技球の振り分け動作を経て、最終的にいずれかの特定領域を遊技球が通過(V入賞)したか否かの判定が行われる。その結果、最終的に特定領域を通過することなく可動入球役物装置30から遊技球が排出された場合、残念ながらゲームフローはそこで終了となり、改めて始動入賞口への入球(F01)を目指してゲームフローを開始することになる。
〔F05:大当り遊技実行〕
これに対し、可動入球役物装置30内で遊技球の特定領域通過(V入賞)が発生した場合、再び可動入球役物装置30が作動する。具体的には、例えば所定の開放時間(例えば1秒)にわたり大入賞口が所定回数開放(例えば18回開放)するか、もしくは規定個数(例えば9個)の遊技球の入賞があるかのいずれかの条件が満たされるまでを1ラウンドとし、このラウンドを予め定められた連続作動回数にわたって繰り返すという特別遊技が実行される。
本実施形態において、連続作動回数は、遊技球が第1特定領域を通過した場合は3回に設定され、遊技球が第2特定領域を通過した場合は7回に設定され、遊技球が第3特定領域を通過した場合は16回に設定される。このような大当り遊技中(可動入球役物装置30の作動中)は、通常時に閉止状態にある大入賞口30bへの入球を短期間内に数多く発生させることができるため、その間に遊技者はまとまって多くの賞球を獲得することができる。なお、本実施形態では〔F02〕可動入球役物装置作動を1ラウンド目としている。
〔可動入球装置内でのゲームフロー〕
次に、可動入球役物装置30内で進行するゲームフローについて説明する。ここで、本実施形態の可動入球役物装置30内では、2段階の振分動作が実行される。
1段階目の第1振分動作は、はずれ孔516か、確定領域孔514かに遊技球を振り分ける動作が該当する。2段階目の第2振分動作は、3つの特定領域のうちいずれかの特定領域に遊技球を振り分ける動作が該当する。
図33は、可動入球役物装置30内で実行される1段階目の第1振分動作の流れを概略的に示すゲームフロー図である。なお、ここでいう「ゲームフロー」は、遊技球の転動や振り分け動作を伴って進行するゲームの流れに相当する。
〔F09:シーソー装置到達〕
可動入球役物装置30内に遊技球が流入すると、遊技球はまずシーソー装置23に到達する。
シーソー装置23に到達した遊技球は、シーソー装置23の傾斜により、左ルート振分部200又は右ルート振分部230に振り分けられる。
〔F10:ルート振分部到達〕
シーソー装置23の傾斜により左側に振り分けられた遊技球は左ルート振分部200に到達し、シーソー装置23の傾斜により右側に振り分けられた遊技球は右ルート振分部230に到達する。
〔F11:ルート振り分け〕
左ルート振分部200又は右ルート振分部230に到達した遊技球は、回転中のルート振分体(左ルート振分部200ではルート振分体204)の内部を通過したり、回転中のルート振分体に弾かれたりして、ルート振り分けが行われる。
〔F12:ノーマルルート〕
例えば、ルート振分体204の脚部に遊技球が弾かれると、遊技球の進行方向が変化するため、遊技球はノーマルルート用孔208に入り、遊技球はノーマルルートに振り分けられる。
〔F13:回転ステージ到達〕
ノーマルルートに振り分けられた遊技球は、ノーマルルート誘導路212に案内されて、回転ステージ510に進入する。ただし、回転ステージ510に進入した遊技球は、回転ステージ510の誘導溝512にうまく乗る場合もあれば、うまく乗らずに回転ステージ510をそのまま通り抜ける場合もある。
〔F14:スペシャルルート〕
一方、例えばルート振分体204の脚部に遊技球が弾かれずに、ルート振分体204の脚部の間を遊技球がうまく通り抜けると、遊技球はスペシャルルート用孔206に入るため、遊技球はスペシャルルートに振り分けられる。
〔F15:円形ステージ到達〕
スペシャルルートに振り分けられた遊技球は、スペシャルルート誘導路210に案内されて、円形ステージ520に到達する。
〔F13:回転ステージ到達〕
円形ステージ520に到達した遊技球は、円形ステージ520の内部を回転しながら次第に回転速度を落とし、最終的には円形ステージ520の中央に設けられた落下孔522を通じて、回転ステージ510に落下する。
ここで、本実施形態では、ノーマルルートを経由した場合も、スペシャルルートを経由した場合も、いずれは回転ステージ510に到達することになるが、スペシャルルートを経由した場合は遊技球が回転ステージ510の中央位置に落下するため、誘導溝512に誘導されやすい状態となり、それだけ確定領域孔514に入球しやすい状態となる。
〔F16:確定領域通過判定〕
第1振分動作の最終段階では、遊技球が確定領域孔514に入球して確定領域を通過したか否かの判定が行われる。遊技球が確定領域を通過したか否かは、演出スイッチ800からの検出信号により判断することができる。
その結果、最終的に確定領域を通過することなく可動入球役物装置30から遊技球が排出された場合、ゲームフローはそこで終了となり、改めて始動入賞口への入球(図32中F01)を目指してゲームフローを開始することになる。
〔F17:演出実行〕
これに対し、確定領域孔514に遊技球が入球すると、演出スイッチ800により遊技球が確定領域を通過したことが検出され、その旨を示す領域通過コマンドに基づいて、液晶表示器42では遊技球が確定領域を通過した内容の演出が実行される。この演出は、例えば「これからラウンド数を決定する振分動作が実行される」ということを教示する内容であり、それによって遊技球の行き先に遊技者の注意を惹き付けさせる効果を発揮する。そしてこの後は、役物装置内での第2振分動作に進む。
図34は、可動入球役物装置30内で実行される2段回目の第2振分動作の流れを概略的に示すゲームフロー図である。
〔F20a:振分装置による振り分け〕
確定領域を通過した遊技球は、振分装置710に到達し、そこでルートの振り分けが行われる。
〔F20b:第1の方向〕
確定領域を通過した遊技球が、振分装置710の可動部材730の入球口732に入球しなかった場合、遊技球は第1の方向(第1上昇装置602に向かう方向)に振り分けられる。そして、この後は、F21に進む。
〔F20c:第2の方向〕
確定領域を通過した遊技球が、振分装置710の可動部材730の入球口732に入球した場合、遊技球は第2の方向(第2上昇装置610に向かう方向)に振り分けられる。そして、この後は、F27に進む。
〔F21:第1上昇装置到達〕
振分装置710により第1の方向に振り分けられた遊技球は、第1上昇装置誘導路552に案内されて、第1上昇装置602に到達する。
〔F22:第1展望台ステージ到達〕
第1上昇装置602に到達した遊技球は、下開口孔603aから筒状誘導路603に入り込み、スクリューコンベア604によって上昇され、上開口孔603bから放出されて第1展望台ステージ620に到達する。
〔F23:第1特定領域通過判定〕
第1展望台ステージ620での振り分け動作の結果、遊技球が第1特定領域を通過すると、第1特定領域スイッチ701により遊技球が第1特定領域を通過したことが検出される。
〔F24:可動入球役物装置作動〕
遊技球が第1特定領域を通過したことが検出されると、可動入球役物装置30が作動して、3ラウンド大当り遊技が実行される。
〔F25:特殊領域通過〕
一方、遊技球が第1特定領域を通過しない場合(F23:No)、遊技球は特殊領域を通過することになる。ここで遊技球が特殊領域を通過すると、特殊領域スイッチ901により、遊技球が特殊領域を通過したことが検出される。
〔F26:演出実行〕
特殊領域スイッチ901からの検出信号に基づき、液晶表示器42では演出が実行される。この演出は、例えば「これから最後の振り分け動作が実行される」ということを教示する内容であり、それによって遊技球の行き先に遊技者の注意を惹き付けさせる効果を発揮する。
〔F27:第2上昇装置到達〕
特殊領域を通過した遊技球は、再上昇誘導路613に案内されて、第2上昇装置610に到達する。
また、振分装置710により第2の方向に振り分けられた遊技球は、第2上昇装置誘導路554に案内されて、第2上昇装置610に到達する。
〔F28:第2展望台ステージ到達〕
第2上昇装置610に到達した遊技球は、下開口孔611a又は中開口孔611bから筒状誘導路611に入り込み、スクリューコンベア612によって上昇され、上開口孔611cから放出されて第2展望台ステージ630に到達する。
〔F29:第2特定領域通過判定〕
第2展望台ステージ630での振り分け動作の結果、遊技球が第2特定領域を通過すると、第2特定領域スイッチ702により遊技球が第2特定領域を通過したことが検出される。
〔F30:可動入球役物装置作動〕
遊技球が第2特定領域を通過したことが検出されると、可動入球役物装置30が作動して、7ラウンド大当り遊技が実行される。
〔F31:第3特定領域通過〕
一方、遊技球が第2特定領域を通過しない場合(F29:No)、遊技球は第3特定領域を通過することになる。ここで遊技球が第3特定領域を通過すると、第3特定領域スイッチ703により、遊技球が第3特定領域を通過したことが検出される。
〔F32:可動入球役物装置作動〕
遊技球が第3特定領域を通過したことが検出されると、可動入球役物装置30が作動して、16ラウンド大当り遊技が実行される。
なお、いずれの特定領域の通過が検出されることもなく、排出検知スイッチ900により、可動入球役物装置30に入賞した全ての遊技球の排出が検出された場合、そこで可動入球役物装置30内でのゲームフローは終了となる。
〔基本的制御動作〕
図35及び図36は、可動入球役物装置内で進行するゲームフローを通じて発生する各種状態の変化を示すタイミングチャートである。
ここで、図35は、可動入球役物装置30における振り分け動作の結果、遊技球が確定領域を通過することなく排出される例を示しており(はずれ時)、図36は、可動入球役物装置30における振り分け動作の結果、遊技球が確定領域を通過し、その後に特定領域を通過して排出される例を示している(当り時)。
また、各図中(A)は特別図柄の変動又は停止の変化を示し、各図中(B)は可動入球役物装置30の作動又は非作動を示している。各図中(C)は各種モータの作動又は非作動を示し、各図中(D)はカウントスイッチ84のON又はOFFの状態を示している。また、図35中(E)は排出検知スイッチ900のON又はOFFの状態を示し、図36中(F)は演出スイッチ800のON又はOFFの状態を示している。また、図36中(G)は特定領域スイッチのON又はOFFの状態を示し、図36中(H)は第1上昇装置誘導路ソレノイド95及び第2上昇装置誘導路ソレノイド97の作動又は非作動の状態を示している。
〔はずれ時(振り分け失敗)〕
図35中(A):時刻t0において、特別図柄は変動中の状態である。ここでの特別図柄の変動は、第1特別図柄の変動であるものとする。時刻t0以前から開始された特別図柄の変動は時刻t1にて終了する。そして、時刻t1で特別図柄の変動が終了すると、時刻t1から時刻t2までの時間にわたって特別図柄が停止表示される。ここでの変動は、第1特別図柄による変動であるため、特別図柄は「小当り1」に該当する態様で停止表示される。なお、第2特別図柄による変動であれば、特別図柄は「小当り2」に該当する態様で停止表示される。
図35中(B):時刻t2にて、特別図柄の停止表示時間が経過すると、特別図柄が小当りの態様で停止表示されたことを契機として、可動入球役物装置30が小当り時の作動を行う。なお、可動入球役物装置30が作動状態に移行するまでには、特別図柄の停止表示が終了した後に多少のタイムラグが発生することもある。
図35中(C):また、時刻t2にて、可動入球役物装置30が小当り時の作動を開始したことを契機として、各種モータ(本体部モータ402)が作動を開始する。
図35中(D):可動入球役物装置30が作動状態である間に(時刻t2から時刻t3までの間)に、遊技球が1つ大入賞口30bに入球することで、カウントスイッチ84から検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(1)を付した波形)。
図35中(E):そして、可動入球役物装置30における振り分け動作の結果、時刻t4で遊技球がはずれ孔516に入球すると、遊技球はアウト通路に導かれ、アウト通路に設けられた排出検知スイッチ900から検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(2)を付した波形)。
図35中(C):この場合、可動入球役物装置30に入球した遊技球の個数(入球数)と、可動入球役物装置30から排出された遊技球の個数(排出数)とが一致するため可動入球役物装置30内での遊技は終了となる。このため、各種モータ(本体部モータ402)は、非作動状態に制御される。なお、入球数と排出数とが一致しない場合は、可動入球役物装置30内での遊技を継続させたり、所定のエラー処理を行ったりすることができる。
〔当り時(振り分け成功)〕
図36中(A):時刻t0において、特別図柄は変動中の状態である。ここでの特別図柄の変動は、第1特別図柄の変動であるものとする。時刻t0以前から開始された特別図柄の変動は時刻t1にて終了する。そして、時刻t1で特別図柄の変動が終了すると、時刻t1から時刻t2までの時間にわたって特別図柄が停止表示される。ここでの変動は、第1特別図柄による変動であるため、特別図柄は「小当り1」に該当する態様で停止表示される。なお、第2特別図柄による変動であれば、特別図柄は「小当り2」に該当する態様で停止表示される。
図36中(B):時刻t2にて、特別図柄の停止表示時間が経過すると、特別図柄が小当りの態様で停止表示されたことを契機として、可動入球役物装置30が小当り時の作動を行う。
図36中(C):また、時刻t2にて、可動入球役物装置30が小当り時の作動を開始したことを契機として、各種モータ(本体部モータ402)が作動を開始する。
図36中(D):可動入球役物装置30が作動状態である間に(時刻t2から時刻t3までの間)に、1個目の遊技球が大入賞口30bに入球することで、カウントスイッチ84から検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(1)を付した波形)。また、2個目の遊技球が大入賞口30bに入球することで、カウントスイッチ84から検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(1−2)を付した波形)。
図36中(F):そして、可動入球役物装置30における振り分け動作の結果、1個目の遊技球が確定領域孔514に入球すると、遊技球は確定領域を通過するため、演出スイッチ800から検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(2)を付した波形)。また、2個目の遊技球が確定領域孔514に入球すると、遊技球は確定領域を通過するため、演出スイッチ800から検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(2−2)を付した波形)。
図36中(G):次に、可動入球役物装置30における振り分け動作の結果、時刻t4で遊技球がいずれかの特定領域を通過すると、特定領域スイッチから検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(3)を付した波形)。例えば、確定領域を通過した2つの遊技球のうち1つの遊技球が振分装置710により第2の方向(第2上昇装置610に向かう方向)に振り分けられた場合、第2の方向に振り分けられた遊技球は先に第2展望台ステージ630に到達するため、遊技球が第2特定領域を通過した場合には、第2特定領域スイッチ702から検出信号が主制御CPU72に入力され、遊技球が第3特定領域を通過した場合には、第3特定領域スイッチ703から検出信号が主制御CPU72に入力される。なお、特定領域の通過が複数回検出された場合、最も早い特定領域の通過が有効となるため、その後に第1特定領域スイッチ701から検出信号が主制御CPU72に入力されたとしてもその入力(図中括弧書きで(3−2)を付した波形)は無効となる。
図36中(C):この場合、可動入球役物装置30に入球した遊技球の個数(入球数)と、可動入球役物装置30の内部で特定領域を通過した遊技球の個数(V入賞数)とが一致するため可動入球役物装置30内での遊技は終了となる。このため、各種モータ(本体部モータ402)は、非作動状態に制御される。
図36中(B):そして、時刻t5にて、いずれかの特定領域スイッチにより遊技球の通過が検出されたことを契機として、可動入球役物装置30が大当り時の作動を行う(時刻t7)。
図36中(H):また、時刻t5にて、可動入球役物装置30が大当り時の作動を開始すると、第1上昇装置誘導路ソレノイド95及び第2上昇装置誘導路ソレノイド97が作動状態に制御される。これにより、これ以降のタイミングでは第1上昇装置602及び第2上昇装置610に遊技球が誘導されない状態となる。
以上が本実施形態のパチンコ機1による遊技の流れであるが、このような遊技の進行やそれに伴う演出は、上記の主制御装置70及び演出制御装置124を中心とする電子機器によって制御されている。そこで、次に主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図37及び図38は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図38に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(供給電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートバッファをクリアし、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、また、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。なお、特別図柄に対応する変動パターン決定乱数については、必要に応じて発生させることができ、使用しない場合は乱数発生の処理を省略することができる。いずれにしても、これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図40中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図40中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図40)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図39は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図37)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図40は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76の乱数カウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する(入賞検出情報生成手段)。具体的には、左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81又は右始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号や第1特定領域スイッチ701、第2特定領域スイッチ702、第3特定領域スイッチ703又は演出スイッチ800からの通過検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:ここで主制御CPU72は、セキュリティ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の入力処理(ステップS203)でリードした入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)に基づいて、不正な入賞が発生したか否かの判定を行う(入賞正否判定手段)。そして、不正な入賞が発生したと判定した場合、主制御CPU72は不正入賞エラーコマンドを生成し(不正入賞情報生成手段)、不正入賞による入賞検出信号のビットをON→OFFへ書き換える(入賞検出情報消去手段)。また、主制御CPU72は、上記の各種センサ760による不正行為の監視を行ったり、過度な入賞が発生しているか否かの判定を行ったりする。なお、セキュリティ管理処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205:主制御CPU72は、遊技停止状態であるか否かを確認する。具体的には、遊技停止フラグがON(遊技停止機能がON)に設定されているか否かを確認する。その結果、遊技停止状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS206からステップS208までの処理を実行せずに、ステップS209以降の処理を行う。一方、遊技停止状態であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS206を実行する。なお、遊技停止フラグは、先のセキュリティ管理処理の中でエラーが発生したと判断された場合に設定される。
ステップS206:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、不正入賞として消去されずに維持されている信号に基づく処理を行う。例えば、主制御CPU72は左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81又は右始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号や第1特定領域スイッチ701、第2特定領域スイッチ702、第3特定領域スイッチ703又は演出スイッチ800からの通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じてさらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、左始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は第1特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、中始動入賞口スイッチ81から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、主制御CPU72は、左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81及び右始動入賞口スイッチ82について、いずれのスイッチにて内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したのかを区別するためのスイッチ別入賞コマンドを演出制御CPU126に送信してもよい。
ステップS207:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別遊技管理処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。この特別遊技管理処理では、主制御CPU72は先に述べた特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可動入球役物装置30の作動を制御したりする。なお、特別遊技管理処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,81,82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に対する賞球数コマンドを生成し、これをコマンドバッファに格納する。
ステップS209:主制御CPU72は、モータ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は各種モータ(第1振分体モータ213、第2振分体モータ215、本体部モータ402及びコンベアモータ214等)の回転に関する原点位置を検出し、また、各種モータに対して駆動信号を出力する場合、その駆動信号を対応するポート出力要求バッファに格納する。主制御CPU72は、このモータ管理処理において各モータに対応する動作パターンに基づく駆動信号を生成する。なお、モータ管理処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS210:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報、セキュリティエラー情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理することが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS211:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、特別図柄遊技管理状態、大当り中等)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS212:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別遊技管理処理(ステップS207)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示等を行う態様)で駆動されることになる。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS213:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS210)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている大入賞口ソレノイド90の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS214:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS215:そして主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS207〜ステップS214の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS216:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS217,ステップS218:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔セキュリティ管理処理〕
図41は、割込管理処理の中で実行されるセキュリティ管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿ってセキュリティ管理処理の内容を説明する。
ステップS220:先ず主制御CPU72は、不正入賞検出処理を実行する。この処理では、先の入力処理でリードした入賞検出信号の入力状態が「ON」のものについて、不正入賞に該当するか否かを判定する。具体的には、可動入球役物装置30に係る一連の動作中及び動作終了後から所定時間(例えば5秒程度)が経過するまでの期間以外に大入賞口30bへの入賞が発生した場合、不正入賞に該当すると判定することができる。主制御CPU72は、不正入賞に該当すると判定した場合、主制御CPU72は不正入賞カウンタの値を1加算する。
そして、上記の不正入賞エラーの発生について割込周期ごとに判定を行い、不正入賞カウンタの値が規定値(例えば5個)に達すると、主制御CPU72は内部情報として不正入賞エラーフラグをON(=1)にする。これにより、パチンコ機1において「不正入賞エラー」が発生することになる。
ステップS222:次に主制御CPU72は、磁気検出処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の各種センサ760のうち磁気センサからの検出信号に基づいて不正行為(いわゆる「磁石ゴト」)の有無を判断する。その結果、不正行為に相当する程度の磁束が検出された場合、主制御CPU72はセキュリティエラーフラグをON(=1)にする。これにより、パチンコ機1においてその他の「セキュリティエラー」が発生することになる。
ステップS224:また、主制御CPU72は、振動検出処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の各種センサ760のうち振動センサからの検出信号に基づいて不正行為(いわゆる「ドツキゴト」)の有無を判断する。その結果、不正行為と認められる程度の振動が検出された場合、主制御CPU72は同じくセキュリティエラーフラグをONにする。
ステップS226:次に主制御CPU72は、入賞超過検出処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は一定時間(例えば1分間)あたりの入賞発生回数をカウントし、不正行為に相当する程度の入賞超過が発生しているか否かを判断する。入賞超過と判断した場合、主制御CPU72は同じくセキュリティエラーフラグをONにする。
ステップS230:そして主制御CPU72は、上記の「不正入賞エラーフラグ」や「セキュリティエラーフラグ」の値をチェックする。いずれかのエラーフラグがON(=1)にセットされた場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS232を実行する。なお、いずれのエラーフラグもONにセットされなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS232を実行しない。
ステップS232:この場合、主制御CPU72はエラーコマンド処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124(演出制御CPU126)に対して送信するエラーコマンドを生成し、その値をコマンド送信バッファに転送する。なお、エラーコマンドは、発生したエラー別に異なる値をセットすることができる。例えば、「不正入賞エラーフラグ」がONの場合は「不正入賞エラー」として識別可能な値をエラーコマンドにセットし、「セキュリティエラーフラグ」がONの場合は「セキュリティエラー」として識別可能な値をエラーコマンドにセットする。なお、ここで生成されたエラーコマンドは、この後の演出制御出力処理(図40中のステップS214)で演出制御装置124に送信される。
ステップS234:また、主制御CPU72は、ここで不正入賞マスク処理を実行する。この処理では、先の不正入賞検出処理(ステップS220)で不正入賞エラーと判定した入賞検出信号をONからOFFに書き換える。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は割込管理処理に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図42は、スイッチ入力イベント処理(図40中のステップS206)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS11:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する左始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS13に進む。
ステップS13:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS14に進んで第2特別図柄記憶処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS15に進む。
ステップS15:主制御CPU72は、大入賞口30bに対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は可動入球役物装置30に入球した遊技球の数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS17に進む。
ステップS17:主制御CPU72は、可動入球役物装置30の内部に設けられた確定領域に対応する演出スイッチ800から検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS18に進んで確定領域通過時処理を実行する。確定領域通過時処理では、主制御CPU72は、演出スイッチ通過指定コマンド(9500H、確定領域通過情報)を生成する。演出スイッチ通過指定コマンド(中下スイッチ通過指定コマンド)は、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される(確定領域通過情報送信手段)。なお、確定領域は遊技状態に関わらずに有効となっており、演出スイッチ通過指定コマンドも遊技状態に関わらずに送信されるコマンドとなる。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS19に進む。
ステップS19:主制御CPU72は、可動入球役物装置30の内部に設けられた各特定領域に対応する特定領域スイッチから検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで特定領域通過時処理を実行する。特定領域通過時処理では、主制御CPU72は特定領域通過フラグをONにする処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、第1特定領域スイッチ701から検出信号が入力された場合は第1特定領域通過フラグをONにセットし、第2特定領域スイッチ702から検出信号が入力された場合は第2特定領域通過フラグをONにセットし、第3特定領域スイッチ703から検出信号が入力された場合は第3特定領域通過フラグをONにセットする。また、各特定領域通過フラグはRAM76に記憶されており、特定領域通過フラグがONにセットされると、遊技球がいずれかの特定領域を通過したことを示している。なお、特定領域通過フラグは大当り遊技の終了後にOFFにセットされる。また、特定領域通過フラグは、大入賞口30bに設定された有効時間内に遊技球が大入賞口30bに入球した場合に限ってONにすることができる。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図40)に復帰する。また、スイッチ入力イベント処理において、主制御CPU72は、排出検知スイッチ900及び各特定領域スイッチからの各検出信号に応じて排出球数カウンタの値を加算する処理を実行する。
〔第1特別図柄記憶処理〕
図43は、第1特別図柄記憶処理の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶処理について、手順例に沿って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は特別図柄について作動記憶があるか否かを確認する。作動記憶の有無についての確認は、第1特別図柄及び第2特別図柄の両方について行い、いずれかの特別図柄に作動記憶があれば、特別図柄について作動記憶があると判断する。本実施形態では、特別図柄に2個以上の作動記憶を設けていないため、ここでは例えば、既にRAM76の乱数記憶領域に転送済みの大当り決定乱数(1個)があれば、主制御CPU72は特別図柄について作動記憶があると判断する(Yes)。既に作動記憶がある状態であれば(Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図42)に復帰する。一方、作動記憶が特にない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS32に進む。なお、制御プログラムの構成上、ここで特別図柄作動記憶数カウンタ(上限数1個)を用いることとしてもよい。この場合、主制御CPU72は特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が1である場合は作動記憶があると判断する(Yes)。また、作動記憶数が1でなければ(=0)、主制御CPU72は作動記憶がないと判断する(No)。
ステップS32:先のステップS30で作動記憶がないと判断した場合(ステップS30:No)、主制御CPU72は、上記のサンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビットのデータバス幅を有する場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値をリードすると、これを大当り決定乱数として転送先(乱数記憶領域)のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、例えば変動パターン決定乱数を取得する。この乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスから変動パターン決定乱数を取得すると、これを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS36:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域(この時点で空き状態)に転送し、これら乱数をセットで記憶させる。
ステップS38:そして主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、例えば始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信する設定を行うためのものである。
以上の手順を終えるか、もしくは特別図柄作動記憶が既にあった場合(ステップS30:Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図42)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶処理〕
図44は、第2特別図柄記憶処理の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶処理について、手順例に沿って説明する。
ステップS40:ここでは先ず、主制御CPU72は特別図柄について作動記憶があるか否かを確認する。作動記憶の有無についての確認は、第1特別図柄及び第2特別図柄の両方について行い、いずれかの特別図柄に作動記憶があれば、特別図柄について作動記憶があると判断する。本実施形態では、特別図柄に2個以上の作動記憶を設けていないため、ここでは例えば、既にRAM76の乱数記憶領域に転送済みの大当り決定乱数(1個)があれば、主制御CPU72は特別図柄について作動記憶があると判断する(Yes)。既に作動記憶がある状態であれば(Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図42)に復帰する。一方、作動記憶が特にない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS42に進む。
ステップS42:先のステップS40で作動記憶がないと判断した場合(ステップS40:No)、主制御CPU72は、上記のサンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビットのデータバス幅を有する場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値をリードすると、これを大当り決定乱数として転送先(乱数記憶領域)のアドレスにセーブする。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関する乱数値として、例えば変動パターン決定乱数を取得する。この乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスから変動パターン決定乱数を取得すると、これを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS46:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数を第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域(この時点で空き状態)に転送し、これら乱数をセットで記憶させる。
ステップS48:そして主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、例えば始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信する設定を行うためのものである。
以上の手順を終えるか、もしくは特別図柄作動記憶が既にあった場合(ステップS40:Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図42)に復帰する。
〔特別遊技管理処理〕
次に、特別遊技管理処理の詳細について説明する。図45は、特別遊技管理処理の構成例を示すフローチャートである。特別遊技管理処理は、特別遊技制御モジュール選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動開始待ち処理(ステップS1500)、特別図柄変動中処理(ステップS2000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS2500)、役物装置作動開始待ち処理(ステップS3000)、小当り時役物装置開放処理(ステップS3500)、小当り時役物装置閉鎖処理(ステップS4000)、小当り時役物装置作動終了処理(ステップS4500)、大当り時役物装置作動開始処理(ステップS5000)、大当り時役物装置開放処理(ステップS5500)、大当り時役物装置閉鎖有効処理(ステップS5550)、大当り時役物装置閉鎖処理(ステップS6000)、大当り時役物装置作動終了処理(ステップS6500)、残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000)及びソレノイド制御処理(ステップS7500)のサブルーチン群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別遊技管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:特別遊技制御モジュール選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS1500〜ステップS6500のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000)のプログラムアドレスを「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動開始待ち処理(ステップS1500)を選択する。一方、既に特別図柄変動開始待ち処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS2000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS2500)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。
また、上記のように主制御CPU72が次のジャンプ先を選択するにあたり、現在までの処理の進行状況は「特別遊技管理ステータス」の値で表されている。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば、主制御CPU72は現在までの「特別遊技管理ステータス」の値を「00H」として設定している。一方、既に特別図柄変動開始待ち処理が完了していれば、主制御CPU72は現在までの「特別遊技管理ステータス」の値を「01H」に設定し、特別図柄変動中処理まで完了していれば、現在までの「特別遊技管理ステータス」の値を「02H」に設定するといった具合である。なお、このような「特別遊技管理ステータス」の値の設定についてはさらに後述する。いずれにしても、主制御CPU72は特別遊技制御モジュール選択処理において「特別遊技管理ステータス」の値を参照し、その時点でジャンプ先となる処理(ステップS1500〜ステップS6500のいずれか)を選択することができる。
なお、特別遊技制御モジュール選択処理(ステップS1000)でジャンプ先として選択されるのは、上記のようにステップS1500〜ステップS6500までであり、残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000)及びソレノイド制御処理(ステップS7500)はいずれも毎回の割り込みで実行される。
ステップS1500:上記のように「特別遊技管理ステータス」の値が「00H」である場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において特別図柄変動開始待ち処理を実行する。この特別図柄変動開始待ち処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。例えば主制御CPU72は特別図柄作動記憶数がない場合、特別図柄の当り決定乱数及び当り図柄乱数の記憶を共通記憶領域に保存する。また、主制御CPU72は、共通記憶領域に保存した当り決定乱数を当り値と比較し、当り判定を行う。なお、本実施形態では、特別図柄抽選の当り確率(いわゆる小当り確率)が1であるため、このときの当り判定は確認的な処理となる。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS2000:「特別遊技管理ステータス」の値が「01H」である場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において特別図柄変動中処理を実行する。この特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、2つある7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。この後、変動タイマのカウントが0になると、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「02H」に更新する。
ステップS2500:「特別遊技管理ステータス」の値が「02H」に更新された場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において特別図柄停止表示中処理を実行する。この特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止表示タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、2つある7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。なお、このとき特別図柄の停止表示態様は、先の特別図柄変動開始待ち処理で決定された当選種類に対応している。この後、停止表示タイマのカウントが0になると、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「03H」に更新する。
ステップS3000:「特別遊技管理ステータス」の値が「03H」に更新された場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において役物装置作動開始待ち処理を実行する。この役物装置作動開始待ち処理では、主制御CPU72は特別遊技タイマとして大入賞口開放開始タイマのカウントダウンを実行する。なお、大入賞口開放開始タイマのカウント時間は、上述した可動入球役物装置30(大入賞口)の開放開始を遊技者に意識させるために必要な演出時間(例えば数秒間)に基づいて設定されている。この後、大入賞口開放開始タイマのカウントが0になると、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「04H」に更新する。
ステップS3500:「特別遊技管理ステータス」の値が「04H」に更新された場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において小当り時役物装置開放処理を実行する。この小当り時役物装置開放処理では、主制御CPU72は可動入球役物装置30の開放動作を制御する。具体的には、主制御CPU72は大入賞口開放タイマをカウントしつつ、大入賞口30bから入賞した遊技球の個数をカウントし、大入賞口ソレノイド90に対する駆動信号を設定する。これにより、可動入球役物装置30の開放及び閉鎖の動作が行われる。また、可動入球役物装置30を開放した後に閉鎖する場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「05H」に更新する。なお、小当り時役物装置開放処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS4000:「特別遊技管理ステータス」の値が「05H」に更新された場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において小当り時役物装置閉鎖処理を実行する。この小当り時役物装置閉鎖処理では、主制御CPU72は可動入球役物装置30の閉鎖に伴う各種の内部処理を実行する。各種の内部処理には、例えば可動入球役物装置30の開放時に入賞した遊技球の排出完了を確認したり、特定領域通過の有無を確認したりする処理が含まれる。これら処理を終了する場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「06H」に更新する。なお、小当り時役物装置閉鎖処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、主制御CPU72は、この小当り時役物装置閉鎖処理において、遊技球がいずれかの特定領域を通過したことを検出した場合、大当りフラグに値(01H)をセットし、大当り種別コマンドを設定する。合わせて主制御CPU72は、通過した特定領域の種類に応じて、3ラウンド大当り、7ラウンド大当り、16ラウンド大当り等の情報が含まれた大当り種別コマンドを生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図40中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:「特別遊技管理ステータス」の値が「06H」に更新された場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において小当り時役物装置作動終了処理を実行する。この小当り時役物装置作動終了処理では、主制御CPU72は可動入球役物装置30の作動終了に伴う各種の内部処理を実行する。各種の内部処理には、例えば可動入球役物装置30の作動終了を確定させるエンディング時間の経過を確認したり、大当り状態移行コマンドを設定したりする処理が含まれる。ここで大当り状態移行コマンドを設定する場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「07H」に更新する。一方、大当り状態移行コマンドを設定しない場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」を初期値の「00H」に復帰させる。なお、小当り時役物装置作動終了処理の詳細についても、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS5000:大当り時役物装置作動開始処理は、先の小当り時役物装置作動終了処理において「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」に更新された場合に実行される。この大当り時役物装置作動開始処理では、主制御CPU72は可動入球役物装置30を再度作動させる際の前処理を実行する。すなわち、主制御CPU72は特別遊技タイマとして大当り開始待ち時間タイマのカウントダウンを実行し、タイマのカウントが0になると、可動入球役物装置30の作動条件(実行ラウンド数、ラウンドごとの開放時間及び開放回数、インターバル時間等)を設定する。また、主制御CPU72は、「特別遊技管理ステータス」の値を「08H」に更新する。以後、大当り遊技中は遊技の進行状況に応じて「特別遊技管理ステータス」の値が「08H」〜「0BH」まで更新され、そのときの値に応じてステップS5500〜ステップS6500が実行されることになる。また、大当り時役物装置作動開始処理の詳細については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS5500:「特別遊技管理ステータス」の値が「08H」に更新された場合、主制御CPU72は大当り時役物装置開放処理を実行する。この大当り時役物装置開放処理では、主制御CPU72は可動入球役物装置30の開閉動作を制御する。これにより、大当り遊技の1ラウンド分が実行されることになる。1ラウンド分の大当り遊技を終了して可動入球役物装置30を閉鎖する場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「09H」に更新する。大当り時役物装置開放処理の詳細についても、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS5550:「特別遊技管理ステータス」の値が「09H」に更新されると、主制御CPU72は次の大当り時役物装置閉鎖有効処理を実行する。この大当り時役物装置閉鎖有効処理では、主制御CPU72は大入賞口閉鎖有効時間タイマのカウントダウンを実行し、タイマのカウントが0になると、「特別遊技管理ステータス」の値を「0AH」に更新する。なお、この処理は可動入球役物装置30の開放から閉鎖に伴う時間を調整するために実行されるものである。
ステップS6000:「特別遊技管理ステータス」の値が「0AH」に更新されると、主制御CPU72は次の大当り時役物装置閉鎖処理を実行する。この大当り時役物装置閉鎖処理では、主制御CPU72は可動入球役物装置30の閉鎖完了に伴う内部処理を実行する。この内部処理において、主制御CPU72はこれまでに実行したラウンド数を確認し、実行済みのラウンド数が設定したラウンド数(連続作動回数)に達していなければ「特別遊技管理ステータス」の値を「08H」に復帰させる。この場合、次回の特別遊技制御モジュール選択処理(ステップS1000)において先の大当り時役物装置開放処理(ステップS5500)が再度選択されることになる。一方、既に実行済みのラウンド数が設定したラウンド数に達した場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「0BH」に更新する。なお、大当り時役物装置閉鎖処理の詳細については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS6500:「特別遊技管理ステータス」の値が「0BH」に更新された場合、主制御CPU72は大当り時役物装置作動終了処理を実行する。この大当り時役物装置作動終了処理では、主制御CPU72は大当りエンディング時間タイマのカウントダウンを実行する。タイマのカウントが0になると、「特別遊技管理ステータス」を初期値の「00H」に復帰させる(ステップS5000〜S6500:特別遊技実行手段)。これにより、以後は特別図柄の変動(又は作動記憶数の追加)が可能な状態となる。主制御CPU72は、可動入球役物装置30の大入賞口30bに入球した遊技球が可動入球役物装置30の内部に設けられた複数の特定領域のうちいずれかの特定領域を通過すると、遊技球が通過した特定領域に応じて得られる利益が異なる特別遊技(3ラウンド大当り遊技、7ラウンド大当り遊技又は16ラウンド大当り遊技)を実行する(特別遊技実行手段)。なお、大当り時役物装置作動終了処理の詳細についても、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
また、主制御CPU72は、以下の手順を「特別遊技管理ステータス」の値にかかわらず実行する。
ステップS7000:主制御CPU72は、残存球エラーコマンド設定処理を実行する。この残存球エラーコマンド設定処理では、主制御CPU72は、可動入球役物装置30の作動終了後に排出球不足エラーの監視を行うとともに、排出球不足エラー時の報知用コマンドを設定する。主制御CPU72は、例えば「特別遊技管理ステータス」の値が「04H」に更新されてから、次に「05H」に更新されるまでの間にカウントした入賞球数と、排出時間内にカウントした排出球数とが一致するかを確認する。また、主制御CPU72は、例えば「特別遊技管理ステータス」の値が「08H」に更新されてから、次に「09H」に更新されるまでの間にカウントした入賞球数と、排出時間内にカウントした排出球数とが一致するかを確認する。その結果、入賞球数と排出球数とが一致する場合は排出球不足状態フラグをリセット(00H)し、この処理を終了する。これに対し、両者が一致しない場合、主制御CPU72は排出球不足状態フラグをセット(01H)し、排出球不足エラー状態コマンドを設定する。ここで設定した排出球不足エラー状態コマンドは、演出制御出力処理(図40中のステップS214)で演出制御装置124に送信される。
ステップS7500:主制御CPU72は、ソレノイド制御処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は第1上昇装置誘導路ソレノイド95、第2上昇装置誘導路ソレノイド97及びシーソー装置用ソレノイド780の作動状態(ON又はOFF)を制御する。ソレノイド制御処理の詳細については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
〔特別遊技進行状況〕
図46は、特別遊技管理処理の実行に伴い変化していく「特別遊技管理ステータス」の値と、それぞれの値に対応した特別遊技の進行状況を一覧にして示した図である。本実施形態において特別遊技(特別図柄に対応する遊技)は、例えば(1)「特別図柄変動待ち状態」を初期状態として開始される。そこから左始動入賞口26、中始動入賞口28又は右始動入賞口27のうちいずれかの始動口に遊技球が入球すると、これを契機として特別遊技の進行状況は次の(2)「特別図柄変動表示中状態」に遷移し、さらに(3)「特別図柄停止図柄表示中状態」を経て(4)「小当り時役物装置作動開始演出中状態」に進み、(5)「小当り時役物装置開放状態」、(6)「小当り時役物装置開放後閉鎖状態」、(7)「小当り時役物装置作動終了演出中状態」へと遷移していく。
このとき、可動入球役物装置30(役物装置)内で特定領域の通過(V入賞)が発生しなかった場合、特別遊技の進行状況は(1)「特別図柄変動待ち状態」に戻り、そこから繰り返しとなる。一方、(5)「小当り時役物装置開放状態」以降に可動入球役物装置30(役物装置)内で特定領域の通過(V入賞)が発生すると、特別遊技の進行状況は(8)大当り開始演出中状態に遷移し、そこから(9)「大当り時役物装置開閉動作中状態」、(10)「大当り時役物装置開放後閉鎖状態」、(11)「大当り時役物装置閉鎖時間中状態」、(12)「大当りエンディング演出中状態」へと遷移していく。そして(12)「大当りエンディング演出中状態」まで終了すると、特別遊技の進行状況は(1)「特別図柄変動待ち状態」に戻り、そこから繰り返しとなる。以下、より具体的に説明する。
(1)「特別図柄変動待ち状態」
パチンコ機1による遊技の開始初期において、特別遊技の進行状況は(1)「特別図柄変動待ち状態」にある。この状態は、特別図柄の始動条件が満たされていることを意味し、例えば特別図柄が変動中でなく、前回の変動表示が行われた場合は特別図柄の停止表示が既に確定している。この状態で、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「00H」に設定しており、特別遊技管理処理において特別図柄変動開始待ち処理(ステップS1500)が選択される。
(2)「特別図柄変動表示中状態」
上記の(1)「特別図柄変動待ち状態」で左始動入賞口26、中始動入賞口28又は右始動入賞口27のうちいずれかの始動口に遊技球が入球した場合、特別図柄の変動表示が開始されて進行状況が(2)「特別図柄変動表示中状態」に遷移する。この状態は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35において特別図柄が変動表示中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「01H」に設定しており、特別遊技管理処理において特別図柄変動中処理(ステップS2000)が選択される。
(3)「特別図柄停止図柄表示中状態」
特別図柄の変動時間が経過して特別図柄が停止表示されると、進行状況が(3)「特別図柄停止図柄表示中状態」に遷移する。この状態は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35において特別図柄が停止表示中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「02H」に設定しており、特別遊技管理処理において特別図柄停止表示中処理(ステップS2500)が選択される。
(4)「小当り時役物装置作動開始演出中状態」
特別図柄の停止表示時間が経過することにより特別図柄の停止表示が確定すると、進行状況が(4)「小当り時役物装置作動開始演出中状態」に遷移する。この状態は、特別図柄の当選(小当りに該当)を契機とした可動入球役物装置30の作動開始待ちであることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「03H」に設定しており、特別遊技管理処理において役物装置作動開始待ち処理(ステップS3000)が選択される。
(5)「小当り時役物装置開放状態」
可動入球役物装置30が作動すると、進行状況が(5)「小当り時役物装置開放状態」に遷移する。この状態は、可動入球役物装置30の作動に伴う大入賞口30bの開放中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「04H」に設定しており、特別遊技管理処理において小当り時役物装置開放処理(ステップS3500)が選択される。また、主制御CPU72は、「特別遊技管理ステータス」の値が「04H」に更新されたことを契機として、モータ管理処理(図40中のステップS209)においてモータの駆動制御を開始する。
(6)「小当り時役物装置開放後閉鎖状態」
大入賞口30bが閉止されると、進行状況が(6)「小当り時役物装置開放後閉鎖状態」に遷移する。この状態は、可動入球役物装置30において大入賞口30bの閉止中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「05H」に設定しており、特別遊技管理処理において小当り時役物装置閉鎖処理(ステップS4000)が選択される。
(7)「小当り時役物装置作動終了演出中状態」
大入賞口30bの閉止後、さらに進行状況が(7)「小当り時役物装置作動終了演出中状態」に遷移する。この状態は、可動入球役物装置30内での遊技球の振り分け動作を用いた遊技を終了させる期間にあることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「06H」に設定しており、特別遊技管理処理において小当り時役物装置作動終了処理(ステップS4500)が選択される。なお、可動入球役物装置30内で特定領域の通過(V入賞)が発生しなかった場合、進行状況は(1)「特別図柄変動待ち状態」に復帰する。
(8)「大当り開始演出中状態」
可動入球役物装置30内で特定領域の通過(V入賞)が発生すると、進行状況は(8)「大当り開始演出中状態」に遷移する。この状態は、再度の可動入球役物装置30の作動開始待ち期間であることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「07H」に設定しており、特別遊技管理処理において大当り時役物装置作動開始処理(ステップS5000)が選択される。
(9)「大当り時役物装置開閉動作中状態」
可動入球役物装置30が再び作動を開始すると、進行状況は(9)「大当り時役物装置開閉動作中状態」に遷移する。この状態は、大入賞口30bの開放中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「08H」に設定しており、特別遊技管理処理において大当り時役物装置開放処理(ステップS5500)が選択される。
(10)「大当り時役物装置開放後閉鎖状態」
可動入球役物装置30により大入賞口が閉止されると、進行状況は(10)「大当り時役物装置開放後閉鎖状態」に遷移する。この状態は、ラウンドの終了に伴い大入賞口が閉止された直後の状態であることを意味する。このとき主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「09H」に設定しており、特別遊技管理処理において大当り時役物装置閉鎖有効処理(ステップS5550)が選択される。
(11)「大当り時役物装置閉鎖時間中状態」
可動入球役物装置30の閉止後、進行状況は(11)「大当り時役物装置閉鎖時間中状態」に遷移する。この状態は、ラウンド終了後の待機状態(ラウンド間インターバル)にあることを意味する。このとき主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「0AH」に設定しており、特別遊技管理処理において大当り時役物装置閉鎖処理(ステップS6000)が選択される。なお、大当り中のラウンド数を全て消化していない場合、この後の進行状況は(9)「大当り時役物装置開閉動作中状態」に復帰する。
(12)「大当りエンディング演出中状態」
大当り最終ラウンド終了後の待機時間が経過すると、進行状況は(12)「大当りエンディング演出中状態」に遷移する。この状態は、大当りエンディング演出状態にあることを意味する。このとき主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「0BH」に設定しており、特別遊技管理処理において大当り時役物装置作動終了処理(ステップS6500)が選択される。
以上のように、特別遊技管理処理(図45)において主制御CPU72は、特別遊技の進行状況の変化に応じて「特別遊技管理ステータス」の値を「00H」〜「0BH」に変化させ、そのときの進行状況に応じた特別遊技制御モジュールを選択することができる。また、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスの値を更新した場合、その値を反映させた特別遊技管理ステータスコマンド(特別図柄フェーズ指定コマンド)を生成する。特別遊技管理ステータスコマンドは、演出制御出力処理(図40中ステップS214)において演出制御装置124に送信される。
〔特別図柄変動開始待ち処理〕
図47は、特別図柄変動開始待ち処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2502のデモ設定処理を実行する。
ステップS2502:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図40中のステップS214)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、先ず主制御CPU72は、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を読み出す。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存され、乱数記憶領域からは作動記憶が消去(消費)される。次に主制御CPU72は、大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。ここで、各始動入賞口への入球を契機として直接的に大当り遊技が実行される当り(いわゆる直当り、直撃当り)を設ける場合は本処理が必要となるが、直当りを設定しなければ本処理を省略してもよい。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は大当り遊技を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に可動入球役物装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。そして、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。ただし、本実施形態では小当り確率を1に設定しているため、以下のステップS2404及びステップS2405が実行されることはない。ただし、小当り確率を完全な1ではなく、「略1」に設定している場合は稀に非当選となる場合もあるため、以下のステップS2404及びステップS2405が実行される。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図40中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。第1主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。特別図柄の変動時間については、一定の変動時間を有する変動パターンに固定して選択してもよいが、可動入球役物装置30が開放するまでの時間にばらつきを持たせるために、異なる変動時間を有する変動パターンを選択的に決定してもよい。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
ここで、本実施形態では特別図柄の当選種別として「小当り1」と「小当り2」の2種類が設けられており、主制御CPU72は、いずれの当選種別に該当するかを決定する。具体的には、第1特別図柄に基づく抽選である場合、「小当り1」に該当するものと決定し、第2特別図柄に基づく抽選である場合、「小当り2」に該当するものと決定する。なお、ここで決定した当り時停止図柄(「小当り1」又は「小当り2」)に基づいて、可動入球役物装置30の可動片30aの開放回数が決定されることになる。
ただし、本実施形態では特別図柄抽選での当選がそのまま大当りではなく、あくまで可動入球役物装置30の開放契機(=小当り)であり、実際に大当りに進むためには(再び可動入球役物装置30を開放させるためには)、可動入球役物装置30内でいずれかの特定領域に遊技球を通過させる必要がある。
〔小当り時の当選図柄〕
そして、本実施形態では、小当り時の当選図柄として2種類の図柄が用意されており、具体的な図柄は、1回開放の「小当り図柄1」と、2回開放の「小当り図柄2」とである。
〔第1特別図柄停止図柄選択テーブル〕
図48は、第1特別図柄停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の抽選結果が第1特別図柄に対応する場合、本テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、振分値に対応する「小当り図柄1」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する当り時には、「小当り図柄1」が選択される割合は100分の100(=100%)である。したがって、第1特別図柄での当選時には100%の割合で、「小当り図柄1」が選択されることになる。
今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため、今回の当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「小当り図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔第2特別図柄停止図柄選択テーブル〕
図49は、第2特別図柄停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の抽選結果が第2特別図柄に対応する場合、本テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、振分値に対応する「小当り図柄2」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する当り時においては、「小当り図柄2」が選択される割合は100分の100(=100%)である。したがって、第2特別図柄についても、当選時には100%の割合で、「小当り図柄2」が選択されることになる。
今回の抽選結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の小当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の小当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「小当り図柄2」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔図47:特別図柄変動開始待ち処理参照〕
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン決定手段、変動時間決定手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「01H」に更新し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
図50は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS2510:主制御CPU72は、特別図柄表示装置駆動制御処理を実行する。具体的には、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。主制御CPU72は、2つある7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。特別図柄の停止表示態様は、先の特別図柄変動開始待ち処理で決定された当選図柄の種類に対応している。
ステップS2512:次に主制御CPU72は、停止表示時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は予め「停止表示時間(例えば0.5秒程度)」として設定されている停止表示時間タイマのカウントダウンを実行する。具体的には、本モジュールの初回呼び出し時であれば、主制御CPU72はここで停止表示時間タイマの値に初期値を設定し、初回以降の呼び出し時であれば、主制御CPU72は設定済みの停止表示時間タイマの値をデクリメントする。
ステップS2514:続いて主制御CPU72は、停止表示時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の停止表示時間タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ停止表示時間タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は特別遊技管理処理(図45)に復帰する。そして、この処理を繰り返し実行することにより、停止表示時間が経過したと判断すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2516を実行する。
ステップS2516:主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「03H」に設定する。これにより、特別遊技進行状況が次段階へ移行することになる。
ステップS2518:主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスコマンド(8603H)を生成する。特別遊技管理ステータスコマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2520:主制御CPU72は、特別図柄確認指定コマンド(B100H又はB200H)を生成する。なお、主制御CPU72は、第1特別図柄が停止表示された場合には特別図柄確認指定コマンド(B100H)を生成し、第2特別図柄が停止表示された場合には特別図柄確認指定コマンド(B200H)を生成する。特別図柄確認指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
なお、特別遊技管理ステータスコマンドや特別図柄確認指定コマンドは、演出制御装置側でリセット等が発生した場合に復帰できるように確認的な意味合いで送信するコマンドである(以降の処理においても同様である)。
ステップS2522:主制御CPU72は、小当り開始指定コマンド(93xxH)を生成する。なお、主制御CPU72は、第1特別図柄が停止表示された場合には特別図柄確認指定コマンド(9300H)を生成し、第2特別図柄が停止表示された場合には特別図柄確認指定コマンド(9301H)を生成する。小当り開始指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別遊技管理処理(図45)に復帰する。
〔小当り時役物装置開放処理〕
図51は、小当り時役物装置開放処理(図45中のステップS3500)の手順例を示すフローチャートである。上記のように小当り時役物装置開放処理は、特別遊技管理処理において特別図柄の変動表示が行われ、特別図柄が小当り(当選確率1/1)の態様で停止表示された後、役物装置作動開始待ち処理(図45中のステップS3000)による大入賞口開放開始タイマのカウントダウンを経て実行される。この場合、「特別遊技管理ステータス」の値は「04H」に更新されている。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS3501:小当り時役物装置開放処理において先ず主制御CPU72は、大入賞口ソレノイドONフラグをセットする。このフラグは、例えばRAM76のフラグセット領域に格納される。
ステップS3501a:主制御CPU72は、有効時間タイマカウントダウン処理を実行する(入賞口有効時間設定手段)。この処理では、主制御CPU72は予め「有効時間」として設定されている有効時間タイマのカウントダウンを実行する。具体的には、本モジュールの初回呼び出し時であれば、主制御CPU72はここで有効時間タイマの値に初期値を設定し、初回以降の呼び出し時であれば、主制御CPU72は設定済みの有効時間タイマの値をデクリメントする。
ここで、主制御CPU72は、作動契機が発生して(特別図柄が小当りの態様で停止表示されて)、可動入球役物装置30が開放状態に移行してから可動入球装置30が閉止状態に移行して所定時間(2秒程度)が経過するまでの時間を有効時間として設定することができる(入賞口有効時間設定手段)。このため、主制御CPU72は、第1特別図柄による「小当り1」の該当時には、有効時間タイマの初期値に2.5秒(開放時間0.5秒+有効時間2秒)を設定し、第2特別図柄による「小当り2」の該当時には、有効時間タイマの初期値に4秒(開放時間0.5秒×2回+インターバル時間1秒+有効時間2秒)を設定する。
また、主制御CPU72は、有効時間として、大入賞口30bではなく特定領域に関する有効時間を設定する(入賞口有効時間設定手段)。すなわち、有効時間内に大入賞口30bに入球した遊技球は、特定領域の通過が有効になり、有効時間外に大入賞口30bに入球した遊技球は、特定領域の通過が無効になる。このため、有効時間内であっても有効時間外であっても、遊技球が大入賞口30bに入球すると賞球の払い出し処理は実行される。
ステップS3502:次に主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はカウントスイッチ84からの入賞検出信号に基づき、可動入球役物装置30(大入賞口30b)への入賞球数カウンタを更新する。入賞球数カウンタの値は、例えばRAM76のカウント数領域に記憶されている。また、スイッチ入力イベント処理においては、主制御CPU72は排出検知スイッチ900及び各特定領域スイッチからの各検出信号も合わせて確認する。なお、本モジュールを最初に呼び出した時点で大入賞口ソレノイド90は非作動であり、大入賞口30bは未だ開放していないので、初回に入賞球数カウンタが加算されることはない。
ステップS3504:次に主制御CPU72は、入賞球数カウンタの値が最大個数(例えば5個)に達したか否かを確認する。上記のように本モジュールの初回呼び出し時にカウンタは加算されていないので(No)、主制御CPU72は次にステップS3506に進む。
ステップS3506:この場合、開放タイマカウントダウン処理を実行する。なお、本モジュールの初回呼び出し時であれば、主制御CPU72はここで開放タイマを初期値に設定する。また、初回以降の呼び出し時であれば、主制御CPU72は設定済みの開放タイマの値をデクリメントする。
ステップS3508:そして主制御CPU72は、大入賞口開放時間が終了したか否かを確認する。開放タイマの値が0よりも大きい値である場合(No)、主制御CPU72はステップS3514に進む。
ステップS3514:この場合、主制御CPU72はRAM76のフラグセット領域から大入賞口ソレノイドONフラグを読み込み、その値に基づいて大入賞口ソレノイド90の制御信号として「作動(ON)」を設定する。これにより、大入賞口ソレノイド90が励磁されて大入賞口30bが開放された状態となる。
そして、次回以降に本モジュールが呼び出され、実際に大入賞口30bへの入賞が発生すると、スイッチ入力イベント処理(ステップS3502)において入賞球数カウンタの値が加算されることになる。
入賞球数カウンタの値が最大個数に達するか(ステップS3504:Yes)、もしくは開放タイマの値が0になった場合(ステップS3508:Yes)、主制御CPU72は次にステップS3509を実行する。
ステップS3509:この場合、主制御CPU72は大入賞口ソレノイドOFFフラグをセットする。これにより、RAM76のフラグセット領域にセットされていたONフラグがOFFフラグに書き換えられる。
ステップS3510:そして主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「05H」に設定する。これにより、次回以降の本モジュールの呼び出しはされなくなり、特別遊技進行状況が次段階へ移行することになる。ただし、第2特別図柄での抽選で「小当り2」に該当した場合、大入賞口30bは2回開放されることになるため、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を再度「04H」に設定する。これにより、もう一度、本モジュールでの一連の処理が実行されることになる。
ステップS3512:また、主制御CPU72は、役物装置閉鎖コマンドを設定する。このコマンドは、可動入球役物装置30の閉鎖を演出制御装置124(演出制御CPU126)に通知するためのものである。ここで設定されたコマンドは、演出制御出力処理(図40中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
ステップS3514:主制御CPU72は、RAM76のフラグセット領域にセットされている大入賞口ソレノイドOFFフラグの値に基づき、大入賞口ソレノイド90の制御信号として「非作動(OFF)」を設定する。これにより、大入賞口ソレノイド90の励磁が停止されて大入賞口30bが閉鎖された状態となる。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000)のプログラムアドレスに復帰する。また、上記のように、これ以降は「特別遊技管理ステータス」の値が「05H」に更新されているため、ひとまず(次回の特別図柄変動まで)本モジュールの呼び出しはされなくなる。
〔小当り時役物装置閉鎖処理〕
次に図52は、小当り時役物装置閉鎖処理(図45中のステップS4000)の手順例を示すフローチャートである。上記のように小当り時役物装置閉鎖処理は、「特別遊技管理ステータス」の値が「05H」に更新された場合に実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS4002:先ず主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主に排出検知スイッチ900からの検出信号を確認し、排出球数カウンタの値を加算する。排出球数カウンタの値は、例えばRAM76のカウント数領域に格納されている。
ステップS4004:主制御CPU72は、小当り中大当り判定処理を実行する。この処理において、主制御CPU72は、大当りか否かを判定する処理等を実行する。なお、詳細な処理の内容は後述する。
ステップS4014:主制御CPU72は、残存球排出チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上述した入賞球数カウンタの値と排出球数カウンタの値とを比較する。なお、排出球数カウンタの値には、排出検知スイッチ900によりそれぞれ検出された遊技球の数を合計した値のほか、各特定領域スイッチにより検出された遊技球の数も含まれる。
ステップS4016:そして主制御CPU72は、上記の比較結果に基づいて有効球の排出が完了したか否かを判断する。すなわち、入賞球数カウンタの値より排出球数カウンタの値が小さければ、主制御CPU72は未だ有効球の排出が完了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して特別遊技管理処理に復帰する。これに対し、入賞球数カウンタの値より排出球数カウンタの値が小さくなければ(両者が一致した場合)、主制御CPU72は有効球の排出が完了したと判断し(Yes)、次のステップS4028に進む。
ステップS4028:ここで主制御CPU72は、「特別遊技管理ステータス」の値を「06H」に設定する。これにより、正規の入賞球数と排出球数とが一致したこと(ステップS4016:Yes)を条件として役物ゲームが一旦終了となる。
ステップS4030:また、主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。特に大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。一方、大当りフラグの値がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72はステップS4032を実行する。
ステップS4032:この場合、主制御CPU72は大当り状態指定コマンドを設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。
〔小当り中大当り判定処理〕
次に図53は、小当り中大当り判定処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS4040:主制御CPU72は、有効時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、小当り時役物装置開放処理(図51)のステップS3501aで設定した有効時間タイマのカウントダウンを継続する処理を実行する。
ステップS4042:主制御CPU72は、大入賞口30bに対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS4044を実行する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は小当り時役物装置閉鎖処理(図52)に復帰する。
ステップS4044:主制御CPU72は、有効時間内であるか否かを確認する。具体的には、カウントダウン中の有効時間タイマが0よりも大きい場合には、有効時間内であると判断する。そして、有効時間内であるであると判断した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS4046を実行する。一方、有効時間外であると判断した場合(No)、主制御CPU72はステップS4048を実行する。
ステップS4046:主制御CPU72は、カウントスイッチ通過有効指定コマンド(9401H、有効時間内入賞口入球情報)を生成する。カウントスイッチ通過有効指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される(有効時間内入賞口入球情報送信手段、有効時間内入球判定情報送信手段)。カウントスイッチ通過有効指定コマンドは、遊技球が有効時間内に大入賞口に入球したことを示す情報である(有効時間内入球判定情報)。
ステップS4048:主制御CPU72は、カウントスイッチ通過無効指定コマンド(9400H、有効時間外入賞口入球情報)を生成する。カウントスイッチ通過無効指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される(有効時間外入賞口入球情報送信手段、有効時間内入球判定情報送信手段)。カウントスイッチ通過無効指定コマンドは、遊技球が有効時間外に大入賞口に入球したことを示す情報である(有効時間内入球判定情報)。
ステップS4050:主制御CPU72は、特定領域通過フラグ(第1特定領域通過フラグ、第2特定領域通過フラグ又は第3特定領域通過フラグのいずれかのフラグ)がONであるか否かを確認する。特定領域通過フラグがONである場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS4052を実行する。一方、特定領域通過フラグがOFFである場合(No)、主制御CPU72は小当り時役物装置閉鎖処理(図52)に復帰する。
ステップS4052:主制御CPU72は、大当りフラグに値(01H)をセットする処理を実行する。
また、主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)をセットした場合、大当り種別ステータスの値もセットする。具体的には、第1特定領域スイッチ701から通過検出信号が入力された場合、大当り種別ステータスに「01H」をセットし、第2特定領域スイッチ702から通過検出信号が入力された場合、大当り種別ステータスに「02H」をセットし、第3特定領域スイッチ703から通過検出信号が入力された場合、大当り種別ステータスに「03H」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り種別ステータスの値を設定した場合、その値を反映させた大当り種別コマンドを生成する。大当り種別コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。これを受けて演出制御装置124(演出制御CPU126)は、大当り時の演出の実行を制御することができる。
ステップS4054:主制御CPU72は、特定領域通過指定コマンド(96xxH)を生成する。特定領域通過指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。ここで、3ラウンド大当りに該当した場合(第1特定領域通過フラグがONである場合)には上記の「xx」には「00」が格納され、7ラウンド大当りに該当した場合(第2特定領域通過フラグがONである場合)には上記の「xx」には「01」が格納され、16ラウンド大当りに該当した場合(第3特定領域通過フラグがONである場合)には上記の「xx」には「02」が格納される。
ステップS4056:主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスコマンド(特別図柄フェーズ指定コマンド)を生成する。具体的には、「8606H」の値を有する特別遊技管理ステータスコマンドを生成する。特別遊技管理ステータスコマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4058:主制御CPU72は、特別図柄確認指定コマンド(B100H又はB200H)を生成する。特別図柄確認指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。ここで、第1特別図柄で大当りに該当した場合、「B100H」の値を有する特別図柄確認指定コマンドを生成し、第2特別図柄で大当りに該当した場合、「B200H」の値を有する特別図柄確認指定コマンドを生成する。
ステップS4060:主制御CPU72は、オープニング指定コマンド(90xxH)を生成する。オープニング指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。ここで、3ラウンド大当りに該当した場合(第1特定領域通過フラグがONである場合)には上記の「xx」には「00」が格納され、7ラウンド大当りに該当した場合(第2特定領域通過フラグがONである場合)には上記の「xx」には「01」が格納され、16ラウンド大当りに該当した場合(第3特定領域通過フラグがONである場合)には上記の「xx」には「02」が格納される。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、小当り時役物装置閉鎖処理(図52)に復帰する。
〔小当り時役物装置作動終了処理〕
次に図54は、小当り時役物装置作動終了処理(図45中のステップS4500)の手順例を示すフローチャートである。上記のように小当り時役物装置作動終了処理は、「特別遊技管理ステータス」の値が「06H」に更新された場合に実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS4501:主制御CPU72は、小当り時エンディング開始時処理を実行する。この処理は、小当り時のエンディング時間が開始された際に1回だけ実行される。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS4502:主制御CPU72は、エンディング時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はエンディング時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。また、液晶表示器42の表示部では、この「エンディング時間」を利用して、可動入球役物装置30内でのゲームフローを終了させるエンディング演出が行われる。
ステップS4504:次に主制御CPU72は、エンディング時間が終了したか否かを確認する。具体的には、エンディング時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72はエンディング時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して特別遊技管理処理に復帰する。
この後、時間の経過に伴ってエンディング時間タイマの値が0になると、主制御CPU72はエンディング時間が終了したと判断し(Yes)、ステップS4506以降を実行する。
ステップS4506:主制御CPU72は、上記の大当り状態指定コマンドの値(01H)がセットされているか否かを確認する。特に大当り状態指定コマンドの値がセットされていない場合(No)、主制御CPU72はステップS4512に進む。これに対し、大当り状態指定コマンドの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72はステップS4508に進む。
ステップS4508:この場合、主制御CPU72は大当り状態移行コマンドを設定する。
大当り状態指定コマンドの値がセットされていないか(ステップS4506:No)、もしくは大当り状態指定コマンドの値がセットされている場合(ステップS4506:Yes)にステップS4508を実行すると、主制御CPU72はステップS4512を実行する。
ステップS4512:ここで主制御CPU72は、エンディング時間終了コマンドを設定する。このエンディング時間終了コマンドは、演出制御装置124(演出制御CPU126)に対して小当り時の可動入球役物装置30内でのゲームフローが終了したことを通知するためのものである。ここで設定したエンディング時間終了コマンドは、演出制御出力処理(図40中のステップS214)で演出制御装置124に送信される。
ステップS4514:そして主制御CPU72は、大当り状態移行コマンドの値に基づいて「特別遊技管理ステータス」の値を設定する。すなわち、ここでは大当り状態移行コマンドの値(01H)が設定されているか否かによって結果が異なる。具体的には、先のステップS4508で大当り状態移行コマンドを設定した場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「07H」に設定(更新)する。この場合、上記のように特別遊技管理処理において大当り時役物装置作動開始処理(図45中のステップS5000)が実行されることになる。
ステップS4516:主制御CPU72は、小当り時エンディング終了時処理を実行する。この処理は、小当り時のエンディング時間が終了した際に1回だけ実行される。なお、具体的な処理の内容は後述する。
これに対し、ステップS4508を実行していない(大当り状態移行コマンドを設定していない)場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「00H」に復帰させる。この場合、以後の特別遊技管理処理において大当り時役物装置作動開始処理(図45中のステップS5000)は選択されず、特別図柄変動開始待ち処理(図45中のステップS1500)が実行されることになる。いずれにしても、以上の手順を実行すると主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。
〔小当り時エンディング開始時処理〕
図55は、小当り時エンディング開始時処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS4520:主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスコマンド(特別図柄フェーズ指定コマンド)を生成する。具体的には、「8605H」の値を有する特別遊技管理ステータスコマンドを生成する。特別遊技管理ステータスコマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4522:主制御CPU72は、特別図柄確認指定コマンド(B100H又はB200H)を生成する。特別図柄確認指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。ここで、第1特別図柄で大当りに該当した場合、「B100H」の値を有する特別図柄確認指定コマンドを生成し、第2特別図柄で大当りに該当した場合、「B200H」の値を有する特別図柄確認指定コマンドを生成する。
ステップS4524:主制御CPU72は、小当り終了指定コマンド(9302H)を生成する。小当り終了指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、小当り時役物装置作動終了処理(図54)に復帰する。
〔小当り時エンディング終了時処理〕
図56は、小当り時エンディング終了時処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS4530:主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスコマンド(特別図柄フェーズ指定コマンド)を生成する。具体的には、「8600H」の値を有する特別遊技管理ステータスコマンドを生成する。特別遊技管理ステータスコマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4532:主制御CPU72は、特別図柄確認指定コマンド(B100H又はB200H)を生成する。特別図柄確認指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。ここで、第1特別図柄で大当りに該当した場合、「B100H」の値を有する特別図柄確認指定コマンドを生成し、第2特別図柄で大当りに該当した場合、「B200H」の値を有する特別図柄確認指定コマンドを生成する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、小当り時役物装置作動終了処理(図54)に復帰する。
〔大当り時役物装置作動開始処理〕
図57は、大当り時役物装置作動開始処理(図45中のステップS5000)の手順例を示すフローチャートである。以下、大当り状態移行コマンドが設定された場合(「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」に更新された場合)の処理について説明する。
ステップS5002:先ず主制御CPU72は、大当り開始待ち時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り開始待ち時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。大当り開始待ち時間タイマの初期値は、小当り時の可動入球役物装置30の作動終了時から可動入球役物装置30を再び作動させるまでの待ち時間(例えば数秒程度)として設定される。また、液晶表示器42の表示部では、この「大当り開始待ち時間」を利用して、例えば大当り遊技の開始前演出が行われる。
ステップS5004:次に主制御CPU72は、大当り開始待ち時間が経過したか否かを確認する。すなわち、大当り開始待ち時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は大当り開始待ち時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して特別遊技管理処理に復帰する。
この後、時間の経過に伴って大当り開始待ち時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は大当り開始待ち時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5006以降を実行する。
ステップS5006:この場合、主制御CPU72は実行ラウンド数を設定する。本実施形態では、設定される実行ラウンド数(連続作動回数)は「3ラウンド」、「7ラウンド」、「16ラウンド」の3通りであり、いずれの実行ラウンド数を設定するかについては、大当り種別ステータスを確認することで実行ラウンド数を設定することができる。ただし、上述したように可動入球役物装置30の初回開放(小当りの動作)が1ラウンド目に相当する。したがって、ここでは実行ラウンド数として残りの「2ラウンド」、「6ラウンド」又は「15ラウンド」のいずれかを設定することとする。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(例えば15回なら「14」)として、RAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5008:次に主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可動入球役物装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。本実施形態では、大当り時開放タイマの値として1ラウンド分のトータル開放時間(例えば29.0秒程度)が設定される。この程度の開放時間であれば、その間に充分な数(例えば9個程度)の遊技球を大入賞口に入賞させることができる。
ステップS5010:そして主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマ(大入賞口閉鎖時間タイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間、又は最終ラウンド終了時の待機時間となる。なお、タイマの値は、例えば2〜3秒程度に設定される。
ステップS5012:そして主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「08H」に更新し、特別遊技管理処理に復帰する。
〔大当り時役物装置開放処理〕
図58は、大当り時役物装置開放処理(図45中のステップS5500)の手順例を示すフローチャートである。先の大当り時役物装置作動開始処理(図57中のステップS5012)で「特別遊技管理ステータス」の値が「08H」に更新されると、以後は大当り時役物装置開放処理が実行される。この処理は主に、大当り遊技(特別遊技)中の動作として可動入球役物装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大入賞口30bを開放させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可動入球役物装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
ステップS5504:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時役物装置作動開始処理(図57中のステップS5008)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5506:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5508を実行する。
ステップS5508:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可動入球役物装置30(開放中の大入賞口30b)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(9個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。そして、次に特別遊技管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大当り時役物装置開放処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5502〜ステップS5510の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5506で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5510でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5512を実行する。
ステップS5512:主制御CPU72は、大入賞口30bを閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可動入球役物装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
ステップS5514:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大当り時役物装置作動開始処理(図57中のステップS5010)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5518に進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5514から呼び出し元である特別遊技管理処理の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大当り時役物装置開放処理が実行されると、先頭のステップS5502からではなく直にステップS5514を実行する。
ステップS5518:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5520:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、「大当り中の1ラウンド内で可動入球役物装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。本実施形態では、1ラウンドに18回開放する開放パターンを採用しているので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで18回に設定されている。そして、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した回数(例えば「18」)に達した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5522に進むことになる。
なお、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していない場合(ステップS5520:No)、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰し、現段階ではジャンプ先が大当り時役物装置作動開始処理に設定されているので、上記のステップS5502〜ステップS5520までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5518で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5522に進むことになる。
ステップS5522:ここで主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスの値を「09H」に設定し、特別遊技管理処理に復帰する。このため、次に主制御CPU72が特別遊技管理処理を実行すると、ジャンプ先として次の大当り時役物装置閉鎖有効処理(図45中のステップS5550)が選択されることになる。
特に図示していないが、上記のように大当り時役物装置閉鎖有効処理は、可動入球役物装置30の開放から閉鎖に伴う時間を調整するために実行されるものである。この処理で主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「0AH」に更新し、特別遊技管理処理に復帰する。そして、次に主制御CPU72が特別遊技管理処理を実行すると、ジャンプ先として次の大当り時役物装置閉鎖処理(図45中のステップS6000)が選択される。
〔大当り時役物装置閉鎖処理〕
図59は、大当り時役物装置閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時役物装置閉鎖処理は、上記のように可動入球役物装置30の閉鎖有効時間が経過した後、次の動作に移る前の内部状態を整えるためのものである。以下、具体的に説明する。
ステップS6002:先ず主制御CPU72は、大入賞口閉鎖時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の大当り時役物装置作動開始処理(図57中のステップS5010)で設定した大当り時インターバルタイマ(大入賞口閉鎖時間タイマ)のカウントダウンを実行する。
ステップS6004:続いて主制御CPU72は、閉鎖時間(インターバル時間)が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大当り時インターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72はここで大当り時役物装置閉鎖処理を終了し、特別遊技管理処理に復帰する。そして、次に特別遊技管理処理を実行すると、現段階では特別遊技管理ステータスが「0AH」に設定されているため、主制御CPU72は大当り時役物装置閉鎖処理を選択し、上記のステップS6002及びステップS6004の手順を繰り返し実行する。そして、ステップS6004で閉鎖時間が終了したと判断すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS6006を実行する。
ステップS6006:主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値をインクリメントする。なお、ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS6008:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。なお、実行ラウンド数は、先の大当り時役物装置作動開始処理(図57中のステップS5006)で設定されたものである。このとき、ラウンド数カウンタの値が未だ実行ラウンド数に達していなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS6014に進む。
〔最終ラウンド終了前〕
ステップS6014:この場合、主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値に基づき、ラウンド数コマンドを設定する。ここで設定したラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図40中のステップS214)で演出制御装置124に送信される。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を認識し、その結果を大当り中の演出制御に反映させることができる。
ステップS6015:次に主制御CPU72は、通常ラウンド大入賞口閉鎖指定コマンドを設定する。このコマンドは、大当り時における各ラウンド後の可動入球役物装置30の閉鎖を演出制御装置124(演出制御CPU126)に通知するためのものである。なお、通常ラウンド大入賞口閉鎖指定コマンドは、最終ラウンド以外での可動入球役物装置30の閉鎖であることを示すコマンドである。ここで設定されたコマンドは、演出制御出力処理(図40中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
ステップS6016:そして主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスの値を「0AH」から変更して「08H」に設定する。これにより、次に主制御CPU72が特別遊技管理処理を実行すると、主制御CPU72は再び大当り時役物装置開放処理(図59)を選択し、次のラウンドでの可動入球役物装置30の開放動作が実行されることになる。
ステップS6018:また、主制御CPU72は、今回のラウンド内でカウントした入賞球数カウンタをリセットする。これにより、再び大当り時役物装置開放処理(図59)が実行された場合、次回のラウンド内での入賞球数が0からカウントされることになる。
〔最終ラウンド終了時〕
この後、ステップS6008でラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達したことを確認すると(ステップS6008:Yes)、主制御CPU72は次にステップS6010に進む。
ステップS6010:この場合、主制御CPU72は今回の大当りで用いたラウンド数カウンタをリセットする。
ステップS6011:次に主制御CPU72は、最終ラウンド大入賞口閉鎖指定コマンドを設定する(最終開閉動作終了情報通知手段)。このコマンドは、大当り時における最終ラウンドでの可動入球役物装置30の閉鎖を演出制御装置124(演出制御CPU126)に通知するためのものである。
ここで最終ラウンドは、3ラウンド大当りであれば3ラウンドが該当し、7ラウンド大当りであれば7ラウンドが該当し、16ラウンド大当りであれば16ラウンドが該当する。ここで設定されたコマンドは、演出制御出力処理(図40中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
ステップS6012:そして主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスの値を「0AH」から「0BH」に更新して設定する。
ステップS6018:また、主制御CPU72は、最終ラウンド内でカウントした入賞球数カウンタをリセットする。
最終ラウンド終了時に以上の手順を実行すると、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が特別遊技管理処理を実行すると、ジャンプ先として次に大当り時役物装置作動終了処理(図45中のステップS6500)が選択されることになる。
〔大当り時役物装置作動終了処理〕
図60は、大当り時役物装置作動終了処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時役物装置作動終了処理は、大当りエンディング時間の経過等を確認するとともに、大当り遊技終了後の内部状態(特別図柄状態)を整えるためのものである。以下、具体的に説明する。
ステップS6502:先ず主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主に排出検知スイッチ900からの検出信号を確認し、排出球数カウンタの値を加算する。排出球数カウンタの値は、例えばRAM76のカウント数領域に格納されている。
ステップS6504:主制御CPU72は、残存球排出チェック処理を実行する(球数判定手段)。この処理では、主制御CPU72は上述した入賞球数カウンタの値と排出球数カウンタの値とを比較する。なお、排出球数カウンタの値には、排出検知スイッチ900によりそれぞれ検出された遊技球の数を合計した値のほか、各特定領域スイッチにより検出された遊技球の数も含まれる。
ステップS6506:そして主制御CPU72は、上記の比較結果に基づいて有効球の排出が完了したか否かを判断する。すなわち、入賞球数カウンタの値より排出球数カウンタの値が小さければ、主制御CPU72は未だ有効球の排出が完了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は次にステップS6524を実行する。これに対し、入賞球数カウンタの値より排出球数カウンタの値が小さくなければ(両者が一致した場合)、主制御CPU72は有効球の排出が完了したと判断し(Yes)、ステップS6508を実行する。
ステップS6508:主制御CPU72は、大役終了コマンドが設定済みであるか否かを確認する。大役終了コマンドが設定済みであるか否かの判断は、大役終了コマンドの設定時にONにセットされる大役終了コマンド設定済みフラグにより実現することができる。
その結果、大役終了コマンドが設定済みであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、以下のステップS6510〜ステップS6514をスキップして、ステップS6516を実行する。一方、大役終了コマンドが設定済みでないことを確認した場合(No)、主制御CPU72はステップS6510を実行する。
ステップS6510:主制御CPU72は、大当りエンディング時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は予め「大当りエンディング時間(エンディング演出時間)」として設定されている大当りエンディング時間タイマのカウントダウンを実行する。具体的には、本モジュールの初回呼び出し時であれば、主制御CPU72はここで大当りエンディング時間タイマの値に初期値を設定し、初回以降の呼び出し時であれば、主制御CPU72は設定済みの大当りエンディング時間タイマの値をデクリメントする。このときの「大当りエンディング時間」を利用して、液晶表示器42の表示部内では大当り遊技のエンディング演出が実行される。
ステップS6512:主制御CPU72は、大当りエンディング時間が経過したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大当りエンディング時間タイマの値が0以下であるか否かを確認する。未だタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72はここで特別遊技管理処理(図45)に復帰する。そして、次に特別遊技管理処理を実行すると、現段階では特別遊技管理ステータスが「0BH」に設定されているため、主制御CPU72は大当り時役物装置作動終了処理を選択し、上記のステップS6510及びステップS6512の手順を繰り返し実行する。そして、ステップS6512で大当りエンディング時間が経過したと判断すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS6514を実行する。
ステップS6514:主制御CPU72は、大役終了コマンドを設定する(特別遊技終了情報通知手段)。このコマンドは、大当りエンディング時間が経過したことを演出制御装置124(演出制御CPU126)に通知するためのものである。ここで設定されたコマンドは、演出制御出力処理(図40中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。なお、主制御CPU72は、大役終了コマンドを設定した場合、大役終了コマンド設定済みフラグをONにセットする。大役終了コマンド設定済みフラグは、通常遊技に復帰した場合にOFFにセットされる。
ステップS6516:主制御CPU72は、客待ちタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は予め「客待ち時間(大役終了コマンドを設定してから客待ち演出を実行するまでの時間;例えば5秒程度)」として設定されている客待ちタイマのカウントダウンを実行する。具体的には、本モジュールの初回呼び出し時であれば、主制御CPU72はここで客待ちタイマの値に初期値を設定し、初回以降の呼び出し時であれば、主制御CPU72は設定済みの客待ちタイマの値をデクリメントする。
ステップS6518:主制御CPU72は、客待ち時間が経過したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の客待ちタイマの値が0以下であるか否かを確認する。未だタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72はここで特別遊技管理処理に復帰する。そして、次に特別遊技管理処理を実行すると、現段階では特別遊技管理ステータスが「0BH」に設定されているため、主制御CPU72は大当り時役物装置作動終了処理を選択し、上記のステップS6516及びステップS6518の手順を繰り返し実行する。そして、ステップS6518で客待ち時間が経過したと判断すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS6520を実行する。
ステップS6520:次に主制御CPU72は、客待ち指定コマンドを設定する(遊技待ち状態移行情報通知手段)。このコマンドは、大役終了コマンド設定後から一定時間が経過したことを演出制御装置124(演出制御CPU126)に通知するためのものである。ここで設定されたコマンドは、演出制御出力処理(図40中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
ステップS6522:そして主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスの値を「00H」に初期設定する。これにより、特別図柄に対応する遊技の進行状況が「変動待ち」の状態(始動条件を満たす状態)に遷移する。したがって、この状態に遷移することにより、各始動入賞口への新たな入賞を契機として作動記憶を追加し、特別図柄を変動(始動)させることが可能となる。
一方、ステップS6506にて未だ有効球の排出が完了していないと判断した場合(No)、主制御CPU72は以下の処理を実行する。
ステップS6524:主制御CPU72は、排出タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は予め「排出時間(入球球数と排出球数とが一致しているか否かを確認するための最大限の時間;例えば1分程度)」として設定されている排出タイマのカウントダウンを実行する。具体的には、本モジュールの初回呼び出し時であれば、主制御CPU72はここで排出タイマの値に初期値を設定し、初回以降の呼び出し時であれば、主制御CPU72は設定済みの排出タイマの値をデクリメントする。
ステップS6526:主制御CPU72は、排出時間が経過したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の排出タイマの値が0以下であるか否かを確認する。未だタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72はここで特別遊技管理処理に復帰する。そして、次に特別遊技管理処理を実行すると、現段階では特別遊技管理ステータスが「0BH」に設定されているため、主制御CPU72は大当り時役物装置作動終了処理を選択し、上記のステップS6524及びステップS6526の手順を繰り返し実行する。そして、ステップS6526で排出時間が経過したと判断すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS6528を実行する。なお、排出タイマのカウントダウンの最中に、ステップS6506にて有効球の排出が完了したと判断された場合は(ステップS6506:Yes)、制御処理は本ループを抜けることになるので、ステップS6528は実行されない。
ステップS6528:主制御CPU72は、排出球不足エラー状態コマンドを設定する(非終了情報通知手段)。このコマンドは、一定時間内に有効球の排出が完了しなかったことを演出制御装置124(演出制御CPU126)に通知するためのものである。ここで設定されたコマンドは、演出制御出力処理(図40中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
ステップS6522又はステップS6528の手順を終えると、主制御CPU72は特別遊技管理処理(図45)に復帰し、残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000)及びソレノイド制御処理(ステップS7500)を実行した後、割込管理処理(図40)に復帰する。これにより、以後の特別遊技管理処理では、特別図柄変動開始待ち処理(図45中のステップS1500)が選択されることになる。
〔ソレノイド制御処理〕
図61は、ソレノイド制御処理の手順例を示すフローチャートである。このソレノイド制御処理は、毎回の割り込みにおいて実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS7502:主制御CPU72は、各種ソレノイドについて電源投入時動作が完了しているか否かを確認する。このときパチンコ機1の電源投入直後であり、未だ各種ソレノイドについて電源投入時の動作が完了していなければ(No)、主制御CPU72はステップS7504を実行する。
ステップS7504:この場合、主制御CPU72は電源投入時動作処理を実行する。この処理では、例えばシーソー装置用ソレノイド780を所定の動作パターン(例えば、5秒に1回の割合でONとなる動作パターン)に基づいて駆動する。これにより、シーソー装置用ソレノイド780が電源投入時から一定の動作に基づいて常時駆動することになる。この後、電源投入時動作が完了すると、先のステップS7502で動作完了(Yes)と判定されるため、以後はステップS7504がスキップされる。なお、シーソー装置用ソレノイド780は、常時駆動ではなく、可動入球役物装置30の作動を契機として一定時間にわたり駆動させるようにしてもよい。
ステップS7510:主制御CPU72は、現在の「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」〜「0BH」のいずれかであるか否かを確認する。ここで、「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」〜「0BH」のいずれかに設定されるのは、遊技フロー上で大当り時に可動入球役物装置30が作動している状態である。
その結果、「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」〜「0BH」のいずれかであることを確認した場合、主制御CPU72は、ステップS7512を実行する。一方、「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」〜「0BH」のいずれでもないことを確認した場合、主制御CPU72は、ステップS7514を実行する。
ステップS7512:主制御CPU72は、第1上昇装置誘導路ソレノイド95及び第2上昇装置誘導路ソレノイド97を作動させる。これにより、大当り遊技中は、第1上昇装置602及び第2上昇装置610に遊技球が誘導されることなく排出される。
ステップS7514:主制御CPU72は、第1上昇装置誘導路ソレノイド95及び第2上昇装置誘導路ソレノイド97を非作動(OFF)にする。これにより、大当り遊技中以外の場合は、第1上昇装置602及び第2上昇装置610に遊技球が誘導される。
〔モータ管理処理〕
図62は、割込管理処理の中で実行されるモータ管理処理(図40中のステップS209)の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS2800:先ず主制御CPU72は、原点監視処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は各種モータ(第1振分体モータ213、第2振分体モータ215、本体部モータ402、コンベアモータ214及び駆動モータ772)の原点位置を監視する必要があるか否かを確認し、監視する必要があれば、各原点検出機構からの検出信号を取得する。
ステップS2802:次に主制御CPU72は、各種モータについて電源投入時動作が完了しているか否かを確認する。このときパチンコ機1の電源投入直後であり、未だ各種モータについて電源投入時の動作が完了していなければ(No)、主制御CPU72はステップS2804を実行する。
ステップS2804:この場合、主制御CPU72は電源投入時動作処理を実行する。これにより、例えば各種モータ(第1振分体モータ213、第2振分体モータ215、本体部モータ402、コンベアモータ214及び駆動モータ772)は、それぞれ一定方向に一定速度で回転を開始する。このうち、駆動モータ772に関しては、一定方向に一定速度で回転した後に、一定方向とは逆の方向に一定速度で回転する。そして、本体部モータ402は、所定の電源投入時動作パターンを実行した後に原点位置で停止する。また、第1振分体モータ213、第2振分体モータ215、コンベアモータ214及び駆動モータ772は、パチンコ機1の電源投入時(電源OFF等の停電時以外)から電源遮断時まで一定の動作パターンに基づいて動作する。この後、電源投入時動作が完了すると、先のステップS2802で動作完了(Yes)と判定されるため、以後はステップS2804がスキップされる。
ステップS2806:主制御CPU72は、可動入球役物装置30の小当り時の作動に備えて「特別遊技管理ステータス」の値が「04H」であるか否かを監視する。「特別遊技管理ステータス」の値が「04H」以外であれば、主制御CPU72はステップS2808をスキップする。一方、「特別遊技管理ステータス」の値が「04H」であれば、可動入球役物装置30の小当り時の作動契機が発生したものとして、主制御CPU72はステップS2808を実行する。
ステップS2808:主制御CPU72は、小当り時モータ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は例えば小当り時における本体部モータ402の駆動状態を制御する。具体的には、可動入球役物装置30が作動を開始してから一定の速度かつ一定の時間(例えば2秒程度)で回転を継続させる動作パターンによって本体部モータ402を制御する。これにより、本体部モータ402による正常な振り分け動作を実現することができる。
ステップS2810:主制御CPU72は、可動入球役物装置30の大当り時の作動に備えて「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」〜「0BH」であるか否かを監視する。「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」〜「0BH」以外であれば、主制御CPU72はステップS2812をスキップする。一方、「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」〜「0BH」の範囲内であれば、可動入球役物装置30の大当り時の作動契機が発生したものとして、主制御CPU72はステップS2812を実行する。
ステップS2812:主制御CPU72は、大当り時モータ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は例えば大当り中における本体部モータ402の駆動状態を制御する。具体的には、一定の速度かつ大当り遊技中に回転を継続させる動作パターンによって本体部モータ402を制御する。これにより、大当り遊技中には、本体部モータ402が回転を継続し、タワー本体部400を継続して回転させることができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は割込管理処理(図40)に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
図63は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図40中のステップS212)の手順例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1220)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35のLEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38b,38cの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数の値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38b,38cのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数で指定された大当りに対応するいずれかの表示ランプ38a,38b,38cである。
例えば、連続作動回数コマンドの値が「3ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「3ラウンド(3R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。また、連続作動回数コマンドの値が「7ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「7ラウンド(7R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。さらに主制御CPU72は連続作動回数コマンドの値が「16ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「16ラウンド(16R)」を表すランプ38cに対して点灯信号を出力する。
以上のように本実施形態のパチンコ機1では、主制御CPU72による制御処理の実行に伴って特別図柄遊技の進行状況が遷移していく。さらに特別図柄遊技では、可動入球役物装置30内での遊技球の振り分け動作の結果に応じて大当り遊技又は通常遊技へと進行状況が大きく分岐することになる。
このため本実施形態では、実際の遊技の進行状況に応じて主に液晶表示器42や各種ランプを用いた演出を行い、遊技者に進行状況の遷移を分かりやすく伝達している。例えば、液晶表示器42では、各種スイッチの通過信号に基づいて、振り分け動作中の演出を実行したり、大当り中の演出を実行したりする。以下、液晶表示器42を用いた演出について例を挙げて説明する。
〔小当り時演出〕
図64は「小当り1」に該当した場合に実行される演出の例を示す図である。なお、以下に示す演出では各部材の大きさや配置等は、適宜誇張したり省略したりして示してある。また、以下に示す演出は、各部材の後方に隠れてしまうことがあるが、各部材を透明な部材で構成することにより、演出画像の視認性を向上させることができる。
本実施形態では、特別図柄抽選での小当り当選を契機として可動入球役物装置30の大入賞口30bを開放させているため、大入賞口30bが開放している際には遊技球を大入賞口30bに入賞させることを促すために以下の演出を実行している。
〔演出開始前〕
図64中(A):パチンコ機1において遊技を開始した段階では、液晶表示器42ではこれといった演出が行われていない。ただし、一定期間、遊技が実行されていなければ、デモ演出用コマンドに基づいて図示しないデモ演出を実行することができる。そして、遊技者はグリップユニット16を操作して遊技領域に遊技球を打ち出す。
〔左始動入賞口への入球〕
図64中(B):遊技球が左始動入賞口26に入球すると、第1特別図柄が変動を開始する。第1特別図柄の変動時間は、極端に短い時間(例えば、0.6秒程度)に設定されている。また、第1特別図柄抽選の小当り確率は1であるため、第1特別図柄が変動を開始すると、「小当り1」に対応する態様により、第1特別図柄が停止表示される。そして、第1特別図柄が「小当り1」に対応する態様で停止表示されたことを契機として可動入球役物装置30が1回だけ作動し、大入賞口30bを1回開放する。そして、液晶表示器42では、この1回開放を教示するための演出(例えば、「1回」の文字情報を表示する演出)が実行されている。
〔可動入球役物装置の作動終了〕
図64中(C):可動入球役物装置30が規定の開放時間(例えば0.5秒)にわたって開放すると、可動入球役物装置30は大入賞口30bを閉じて作動を終了する。
図65及び図66は、「小当り2」に該当した場合に実行される演出の例を示す連続図である。
〔演出開始前〕
図65中(A):パチンコ機1において遊技を開始した段階では、液晶表示器42ではこれといった演出が行われない。遊技者は、グリップユニット16を操作して遊技領域に遊技球を打ち出す。
〔中始動入賞口への入球〕
図65中(B):遊技球が中始動入賞口28に入球すると、第2特別図柄が変動を開始する。第2特別図柄の変動時間も、極端に短い時間(例えば、0.6秒程度)に設定されている。また、第2特別図柄抽選の小当り確率は1であるため、第2特別図柄が変動を開始すると、「小当り2」に対応する態様により、第2特別図柄が停止表示される。そして、第2特別図柄が「小当り2」に対応する態様で停止表示されたことを契機として可動入球役物装置30が2回作動し、大入賞口30bを2回開放する。そして、液晶表示器42では、この2回開放を教示するために、「2回」の文字情報が表示されている。
〔可動入球役物装置の1回目の作動終了〕
図65中(C):可動入球役物装置30が規定の開放時間(例えば0.5秒)にわたって開放すると、可動入球役物装置30は大入賞口30bを閉じて1回目の作動を終了する。
〔可動入球役物装置の2回目の作動開始〕
図66中(D):第2特別図柄が「小当り2」に対応する態様で停止表示された場合、可動入球役物装置30は、2回開放することになる。そして、1回目の作動が終了し、1回目の作動と2回目の作動との間にあるインターバル時間が経過したことを契機として、可動入球役物装置30が再び大入賞口30bを開放する。ここでも同様に、液晶表示器42では、この2回開放を教示するために、「2回」の表示が継続されている。
〔可動入球役物装置の2回目の作動終了〕
図66中(E):可動入球役物装置30が規定の開放時間(例えば0.5秒)にわたって開放すると、可動入球役物装置30は大入賞口30bを閉じて2回目の作動を終了する。
〔大入賞口入球時演出〕
図67は、小当り時に開放した大入賞口に遊技球が入球した場合に実行される演出の例を示す図である。
〔大入賞口開放〕
図67中(A):第1特別図柄が「小当り1」に対応する態様で停止表示されたことを契機として可動入球役物装置30の大入賞口30bが開放している。そして、図示の例では、可動入球役物装置30の大入賞口30bに遊技球が入球している。
〔遊技球検出〕
図67中(B):可動入球役物装置30の大入賞口30bに遊技球が入球すると、遊技球は可動入球役物装置30の内部に進入し、カウントスイッチ84により遊技球の通過が検出される。カウントスイッチ84により遊技球の通過が検出されると、液晶表示器42ではセンタ入賞演出が実行される。センタ入賞演出は、例えば液晶表示器42の左側に動物のキャラクターを表示させる演出である。
〔センタ入賞演出継続〕
図67中(C):カウントスイッチ84を通過した遊技球は、この後、可動入球役物装置30内で特定領域を通過して排出されるか、特定領域を通過しないで排出されるかの振分動作が行われる。液晶表示器42でのセンタ入賞演出は、次に遊技球が演出スイッチ800により検出されるか、排出検知スイッチ900により検出されるまで継続される。
〔擬似V入賞演出〕
図68は、確定領域孔に遊技球が入球した場合に実行される演出の例を示す図である。
確定領域孔514は、第1振分動作に成功した場合に遊技球が入球する孔であり、確定領域孔514に遊技球が入球すると、その後にラウンド振り分けが実行されるが、この時点で大当りが事実上確定することになる。このため、演出内容としても、大当りが確定した内容の演出を実行することにしている。
〔回転ステージ到達〕
図68中(A):図示の例では、回転ステージ510に遊技球が到達しており、さらに遊技球は回転ステージ510の誘導溝512に乗っている。ここでは、液晶表示器42の表示領域でセンタ入賞演出が継続されている。
〔演出スイッチでの遊技球検出〕
図68中(B):そして、回転ステージ510から確定領域孔514に遊技球が入球すると、遊技球は確定領域孔514からさらに可動入球役物装置30の内部に進入し、確定領域孔514の下流にある演出スイッチ800により遊技球の通過が検出される。演出スイッチ800により遊技球の通過が検出されると、液晶表示器42では擬似V入賞演出が実行される。確定演出としては、例えば液晶表示器42の表示領域に事実上の大当りを示唆する演出(例えば、エフェクト及びVの文字情報を表示する演出)が実行される。
〔特定領域等通過時演出〕
図69及び図70は、遊技球が各種領域(特定領域や特殊領域等)を通過した場合に実行される演出の例を示す図である。
〔スペシャルルート〕
図69中(A):ルート振分部200での振り分け動作の結果、遊技球がスペシャルルート用孔206に入球すると、スペシャルルートスイッチ902により遊技球の通過が検出される。この場合、液晶表示器42では、遊技球がスペシャルルートに進んだことを示すスペシャルルート移行演出(例えば、スペシャルルートの文字情報及び動物のキャラクターの下半身を表示する演出)が実行される。
〔第1特定領域通過〕
図69中(B):第1展望台ステージ620での振り分け動作の結果、遊技球が第1特定領域を通過し、第1特定領域スイッチ701により遊技球の通過が検出されると、遊技上では3ラウンド大当り遊技が開始される。このとき、液晶表示器42では、第1特定領域通過時演出(3ラウンド大当りの文字情報及び1匹の動物のキャラクターを表示する演出)が実行される。
〔特殊領域通過〕
図69中(C):第1展望台ステージ620での振り分け動作の結果、遊技球が特殊領域を通過し、特殊領域スイッチ901により遊技球の通過が検出されると、遊技上では第1展望台ステージ620から第2展望台ステージ630に遊技球を上昇させる動作が実行される。このとき、液晶表示器42では、遊技球の上昇に合わせて上昇中演出(例えば、上昇を意味する「UP」の文字情報、全身が表示された1匹の動物のキャラクター、上半身が表示された1匹の動物のキャラクターを表示する演出)が実行される。
〔第2特定領域通過〕
図70中(D):第2展望台ステージ630での振り分け動作の結果、遊技球が第2特定領域を通過し、第2特定領域スイッチ702により遊技球の通過が検出されると、遊技上では7ラウンド大当り遊技が開始される。このとき、液晶表示器42では、第2特定領域通過時演出(7ラウンド大当りの文字情報及び2匹の動物のキャラクターを表示する演出)が実行される。
〔第3特定領域通過〕
図70中(E):第2展望台ステージ630での振り分け動作の結果、遊技球が第3特定領域を通過し、第3特定領域スイッチ703により遊技球の通過が検出されると、遊技上では16ラウンド大当り遊技が開始される。このとき、液晶表示器42では、第3特定領域通過時演出(16ラウンド大当りの文字情報及び3匹の動物のキャラクターを表示する演出)が実行される。
〔大役中演出〕
図71〜図73は、「16ラウンド大当り」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出及びその後の演出例を部分的に示す連続図である。なお、「3ラウンド大当り」に該当した場合や、「7ラウンド大当り」に該当した場合は、「16ラウンド大当り」と比較してラウンド数の相違はあるものの、基本的な演出の態様は同様である。
〔2ラウンド開始時〕
図71中(A):16ラウンド大当りに対応する第3特定領域を遊技球が通過すると、16ラウンド大当り遊技が開始される。そして16ラウンド大当り遊技が開始されたことにより、可動入球役物装置30の大入賞口30bが開放している。なお、大当り遊技は、小当り遊技での可動入球役物装置30の作動が1ラウンド目に該当するため、2ラウンド目から開始される。
そして、大当り遊技の2ラウンド目が開始されると、液晶表示器42の左側の表示領域には、現在のラウンド数を示す「2ラウンド」の文字情報が表示される。また、図示の例では、遊技球が未だ1つもカウントされていない状態であるため、液晶表示器42の右側の表示領域では、遊技球のカウント数を示す「0カウント」の文字情報が表示されている。
図71中(B):大当り遊技の2ラウンド目の実行中に、可動入球役物装置30の大入賞口30bに遊技球が入球する。入球した遊技球は可動入球役物装置30の内部に進入し、カウントスイッチ84により遊技球の通過が検出される。カウントスイッチ84により遊技球の通過が検出されると、液晶表示器42ではカウント数の更新演出が実行される。具体的には、液晶表示器42の右側の表示領域に表示されている「0カウント」の表示が「1カウント」の表示に変更される。なお、可動入球役物装置30は、大入賞口が所定回数開放(例えば18回開放)するか、もしくは規定個数(例えば9個)の遊技球の入球があるかのいずれかの条件が満たされるまで1回のラウンドを継続する。そして、ここでは、可動入球役物装置30は、大入賞口30bを閉じて閉鎖している。
図71中(C):大当り遊技の2ラウンド目の実行中に、再び可動入球役物装置30の大入賞口30bに遊技球が入球する。入球した遊技球は可動入球役物装置30の内部に進入し、カウントスイッチ84により遊技球の通過が検出される。カウントスイッチ84により遊技球の通過が検出されると、液晶表示器42ではカウント数の更新演出が実行される。具体的には、液晶表示器42の右側の表示領域に表示されている「1カウント」の表示が「2カウント」の表示に変更される。
図72中(D):そして、大当り遊技の2ラウンド目の実行中に、9個目の遊技球が可動入球役物装置30の大入賞口30bに入球し、入球した遊技球がカウントスイッチ84により検出される。カウントスイッチ84により遊技球の通過が検出されると、液晶表示器42ではカウント数の更新演出が実行される。具体的には、液晶表示器42の右側の表示領域に表示されている表示が「9カウント」に変更される。この場合、可動入球役物装置30は、規定個数(例えば9個)の遊技球の入球があったという条件を満たしたものとして、可動片30aを閉じて2ラウンド目を終了させる。
〔大入賞口閉鎖演出〕
図72中(E):2ラウンド目が終了したことを契機として大入賞口閉鎖演出が実行される。大入賞口閉鎖演出は、例えば液晶表示器42の表示領域に複数の女性キャラクターを表示する演出である。
〔3ラウンド目〕
図72中(F):2ラウンド目の大入賞口の閉鎖時間が終了すると、16ラウンド大当り遊技の3ラウンド目が開始される。そして3ラウンド目が開始されたことにより、可動入球役物装置30の可動片30aが開いて大入賞口30bが開放している。
そして、大当り遊技の3ラウンド目が開始されると、液晶表示器42の左側の表示領域には、現在のラウンド数を示す「3ラウンド」の文字情報が表示される。また、図示の例では、大当り遊技の3ラウンド目において、遊技球が未だ1つもカウントされていない状態であるため、液晶表示器42の右側の表示領域では、遊技球のカウント数を示す「0カウント」の文字情報が表示されている。
〔16ラウンド目〕
図73中(G):その後、順調に大当り遊技が進行し、最終の16ラウンド目に移行している。図示の例では、液晶表示器42の左側の表示領域では、現在のラウンド数を示す「16カウント」の文字情報が表示されている。そして、大当り遊技の16ラウンド目の実行中に、9個目の遊技球が可動入球役物装置30の大入賞口30bに入球し、入球した遊技球がカウントスイッチ84により検出される。カウントスイッチ84により遊技球の通過が検出されると、液晶表示器42ではカウント数の更新演出が実行される。具体的には、液晶表示器42の右側の表示領域に表示されている表示が「9カウント」に変更される。この場合、可動入球役物装置30は、規定個数(例えば9個)の遊技球の入球があったという条件を満たしたものとして、可動片30aを閉じて16ラウンド目を終了させる。
〔大入賞口閉鎖演出〕
図73中(H):16ラウンド目が終了したことを契機として大入賞口閉鎖演出が実行される。大入賞口閉鎖演出は、例えば液晶表示器42の表示領域に複数の女性キャラクターを表示する演出である。
〔大役終了演出〕
図73中(I):大当り遊技の最終ラウンド(16ラウンド)での大入賞口閉鎖演出が終了すると、大役終了演出(液晶表示器42の右側の表示領域に「END」の文字情報を表示する演出)が実行される。これにより、遊技者に対して大当り遊技が終了したということを教示することができる。
〔大入賞口への有効時間外の入球〕
図74及び図75は、大入賞口の有効時間外に遊技球が大入賞口に入球した際に実行される演出例を示す連続図である。
〔大入賞口開放〕
図74中(A):第1特別図柄が「小当り1」に対応する態様で停止表示されたことを契機として可動入球役物装置30の大入賞口30bが開放している。そして、図示の例では、可動入球役物装置30の大入賞口30bに今にも遊技球が入球しそうな状態となっている。
〔球噛み発生〕
図74中(B):図示の例では、球噛みが発生している。ここで「球噛み」とは、可動入球役物装置30の可動片30aと可動入球役物装置30の壁との間に、遊技球が挟まってしまうことである。このような球噛みが発生すると、遊技球の流下はそこで停止してしまう。
〔球噛み解除〕
図74中(C):図示の例では、球噛みが解除されている。ここでは、遊技球の自重により球噛みが自然と解消し、その後は自然に遊技球が落下している。ただし、ここでの遊技球の通過は、大入賞口30bの有効時間外の通過であるものとする。このため、カウントスイッチ84により遊技球の通過が検出されても、液晶表示器42ではセンタ入賞演出は実行されない。また、この遊技球がその後の特定領域を通過しても大当りは発生しない。なお、本実施形態では、有効時間外に大入賞口30bに入球しても、賞球の払い出しは実行しているが、賞球の払い出しを実行しないようにしてもよい。
〔回転ステージ到達〕
図75中(D):図示の例では、回転ステージ510に遊技球が到達しており、さらに遊技球は回転ステージ510の誘導溝512に乗っている。ここでは、液晶表示器42の表示領域でセンタ入賞演出が継続されている。
〔演出スイッチでの遊技球検出〕
図75中(E):そして、回転ステージ510から確定領域孔514に遊技球が入球したものとする。しかし、この場合には、液晶表示器42で擬似V入賞演出が実行されることはない。このような演出の流れを採用している理由は、有効時間外に大入賞口30bに入球した遊技球は特定領域を通過しても大当りは実行されないため、大当りが確定する擬似V入賞演出が実行されること回避するためである。
以上の演出例は、球噛みが発生して有効時間外に遊技球が大入賞口30bに入球した場合の演出例であるが、不正な行為(例えば手入れゴトや置き球ゴト)により有効時間外に遊技球が大入賞口30bに入球した場合にも同様の演出が実行される。
〔大入賞口への複数の遊技球の入球〕
図76及び図77は、大入賞口に複数の遊技球が入球した際に実行される演出例を示す連続図である。
〔大入賞口開放〕
図76中(A):第1特別図柄が「小当り1」に対応する態様で停止表示されたことを契機として可動入球役物装置30の大入賞口30bが開放している。そして、図示の例では、可動入球役物装置30の大入賞口30bに2つの遊技球が入球している。
〔遊技球検出〕
図76中(B):可動入球役物装置30の大入賞口30bに遊技球が入球すると、遊技球は可動入球役物装置30の内部に進入し、カウントスイッチ84により1個目の遊技球の通過が検出される。カウントスイッチ84により遊技球の通過が検出されると、液晶表示器42ではセンタ入賞演出が実行される。
〔遊技球検出〕
図76中(C):可動入球役物装置30の大入賞口30bに遊技球が入球すると、遊技球は可動入球役物装置30の内部に進入し、カウントスイッチ84により2個目の遊技球の通過が検出される。2個目の遊技球の通過が検出された場合には、改めてセンタ入賞演出が実行されることはない。図示の例で動物のキャラクターが表示されているのは、1回目のセンタ入賞演出が継続しているだけである。そして、カウントスイッチ84を通過した2つの遊技球は、この後、可動入球役物装置30内で特定領域を通過して排出されるか、特定領域を通過しないで排出されるかの振分動作が行われる。
〔回転ステージ到達〕
図77中(D):図示の例では、回転ステージ510に1個目の遊技球が到達しており、さらに遊技球は回転ステージ510の誘導溝512に乗っている。ここでは、液晶表示器42の表示領域でセンタ入賞演出が継続されている。
〔演出スイッチでの遊技球検出〕
図77中(E):そして、回転ステージ510から確定領域孔514に1個目の遊技球が入球すると、1個目の遊技球は確定領域孔514からさらに可動入球役物装置30の内部に進入し、確定領域孔514の下流にある演出スイッチ800により遊技球の通過が検出される。演出スイッチ800により遊技球の通過が検出されると、液晶表示器42では擬似V入賞演出が実行される。なお、回転ステージ510は回転を継続している。
〔演出スイッチでの遊技球検出〕
図77中(F):そして、回転ステージ510から確定領域孔514に2個目の遊技球が入球したものとする。しかし、この場合には、液晶表示器42で擬似V入賞演出が実行されることはない。このような演出の流れを採用している理由は、擬似V入賞演出が重複して実行されること回避するためである。
次に、各種演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。各種演出は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図78は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば、数ミリ秒周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、エラー演出管理処理(ステップS402)、可動入球役物装置非作動時演出管理処理(ステップS403)、可動入球役物装置作動時演出管理処理(ステップS404)、表示出力処理(ステップS405)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば機種指定コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド(客待ち指定コマンド)、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄指定コマンド、図柄停止コマンド、役物装置閉鎖コマンド、通常ラウンド大入賞口閉鎖指定コマンド、最終ラウンド大入賞口閉鎖指定コマンド、大当り状態指定コマンド、大当り種別コマンド、大当り状態移行コマンド、ラウンド数コマンド、大役終了コマンド、客待ち指定コマンド、エラーコマンド、特別遊技管理ステータスコマンド、振動検出コマンド、排出球不足エラー状態コマンド、領域通過コマンド、演出スイッチ通過指定コマンド、特別図柄確認指定コマンド、小当り開始指定コマンド、カウントスイッチ通過有効指定コマンド、カウントスイッチ通過無効指定コマンド、特定領域通過指定コマンド、オープニング指定コマンド、小当り終了指定コマンド等がある。
ステップS402:エラー演出管理処理において、演出制御CPU126はエラーコマンドや振動検出コマンド、排出球不足エラー状態コマンド等に基づいて液晶表示器42にエラーを表示させる演出パターンを選択する。
ステップS403:可動入球役物装置非作動時演出管理処理において、演出制御CPU126は可動入球役物装置30が作動していない状態での演出を制御する。具体的には、演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、主制御CPU72からデモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。そして、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択するデモ選択処理を実行する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
ステップS404:可動入球役物装置作動時演出管理処理において、演出制御CPU126は特別図柄抽選で小当りに該当(「小当り1」又は「小当り2」に該当)した後の演出を制御する。
ステップS405:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出駆動制御装置144(駆動制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、演出パターン番号等)を指示する。これにより、演出駆動制御装置144(駆動制御CPU146)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば可動入球役物装置30の開放動作中、可動入球役物装置30内での振り分け動作中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば演出内容が複数用意されている場合の演出選択用の乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出用に可動体がある場合、演出制御CPU126は可動体の駆動用ICに対して制御信号を出力する。特に図示していないが、可動体は例えばソレノイドやステッピングモータ等の駆動源によって動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行うものである。これらソレノイドやステッピングモータ等の駆動源は、例えば図31中のパネル電飾基板138に接続することができる。
〔可動入球役物装置作動時演出管理処理〕
図79は、可動入球役物装置作動時演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS500:演出制御CPU126は小当り開始・終了指定コマンド受信時処理を実行する。この処理は、小当り開始指定コマンド又は小当り終了指定コマンドを受信した場合に実行される。
ステップS502:演出制御CPU126はカウントスイッチ用指定コマンド受信時処理を実行する。この処理は、カウントスイッチ用指定コマンド(カウントスイッチ通過無効指定コマンド又はカウントスイッチ通過有効指定コマンド)を受信した場合に実行される。
ステップS504:演出制御CPU126は演出スイッチ通過指定コマンド受信時処理を実行する。この処理は、演出スイッチ通過指定コマンドを受信した場合に実行される。
ステップS506:演出制御CPU126は大当り時演出選択処理を実行する。この処理は、大当り遊技中に実行される。具体的には、演出制御CPU126は、図71〜図73に示す大当り時の演出を選択する処理を実行する。
ステップS508:演出制御CPU126はその他演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、遊技球が各種領域(特定領域や特殊領域等)を通過した場合に図69及び図70に示す演出パターンを選択する処理等を実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出制御処理(図78)に復帰する。
〔小当り開始・終了指定コマンド受信時処理〕
図80は、上記の小当り開始・終了指定コマンド受信時処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り開始指定コマンド(9300H,9301H)又は小当り終了指定コマンド(9302H)を受信した場合に実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、小当り遊技が開始されたか否かを確認する。この確認は、小当り開始指定コマンド(9300H又は9301H)を受信したか否かにより確認することができる。演出制御CPU126は、小当り開始指定コマンド(9300H又は9301H)を受信した場合、小当り遊技が開始されたと判断することができ、小当り終了指定コマンド(9302H)を受信した場合、小当り遊技が終了したと判断することができる。
その結果、小当り遊技が開始されたことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。一方、小当り遊技が開始されたことを確認できない場合(No)、すなわち、小当り遊技が終了したことを確認した場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、小当り中フラグをONにする処理を実行する。小当り中フラグは、RAM130に記憶されている。演出制御CPU126は、小当り中フラグがONである場合、小当り遊技が開始されていると判断し、小当り中フラグがOFFである場合、小当り遊技が開始されていない(小当り遊技が終了している)と判断することができる。
ステップS604:演出制御CPU126は、センタ有効入賞カウントをクリアする処理を実行する。センタ有効入賞カウントは、有効入賞が発生した場合(有効時間内に遊技球が大入賞口30bに入球した場合、有効時間内に遊技球がカウントスイッチ84を通過した場合)にカウントされる変数である。
ステップS606:演出制御CPU126は、擬似V入賞カウントをクリアする処理を実行する。擬似V入賞カウントは、擬似V入賞が発生した場合(遊技球が確定領域を通過した場合、遊技球が演出スイッチ800を通過した場合)にカウントされる変数である。センタ有効入賞カウント及び擬似V入賞カウントはRAM130に記憶されている。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り開始演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、小当り遊技が開始した際の演出を選択する処理を実行する。具体的には、小当り開始指定コマンド(9300H)を受信した場合、演出制御CPU126は、図64に示す演出パターンを選択する処理を実行する。また、小当り開始指定コマンド(9301H)を受信した場合、演出制御CPU126は、図65及び図66に示す演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、小当り中フラグをOFFにする処理を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、小当り終了演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、小当り遊技が終了した際の演出を選択する処理を実行する。具体的には、小当り終了指定コマンド(9302H)を受信した場合、演出制御CPU126は、小当り遊技が終了して通常状態又は大当り状態に移行する際の演出パターンを選択する処理を実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は可動入球役物装置作動時演出管理処理(図79)に復帰する。
〔カウントスイッチ用指定コマンド受信時処理〕
図81は、上記のカウントスイッチ用指定コマンド受信時処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、カウントスイッチ通過無効指定コマンド(9400H)又はカウントスイッチ通過有効指定コマンド(9401H)を受信した場合に実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS620:演出制御CPU126は、有効入賞が発生したか否かを確認する。具体的には、カウントスイッチ通過有効指定コマンド(9401H)を受信したか否かを確認する。
その結果、有効入賞が発生したことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS622を実行する。一方、有効入賞が発生したことを確認できない場合、すなわち、カウントスイッチ通過無効指定コマンド(9400H)を受信したことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS628を実行する。
ステップS622:演出制御CPU126は、センタ有効入賞カウントをインクリメントする処理を実行する。センタ有効入賞カウントは、RAM130に記憶されている。
ステップS624:演出制御CPU126は、センタ有効入賞カウントが「1」であるか否か(1回目の入賞であるか否か)を確認する。
その結果、センタ有効入賞カウントが「1」であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS626を実行する。一方、センタ有効入賞カウントが「1」であることを確認できない場合、すなわち、センタ有効入賞カウントが「2以上」である場合(No)、演出制御CPU126は、可動入球役物装置作動時演出管理処理(図79)に復帰する。
ステップS626:演出制御CPU126は、センタ入賞演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、図67中(B)等に示す演出を選択する処理を実行する。
ステップS628:演出制御CPU126は、無効入賞演出選択処理を実行する。この場合、演出制御CPU126は、無効入賞演出として何も演出を実行しないようにすることもできるし(図75中(E)参照)、規定のエラー演出を選択する処理を実行することもできる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は可動入球役物装置作動時演出管理処理(図79)に復帰する。
〔演出スイッチ通過指定コマンド受信時処理〕
図82は、上記の演出スイッチ通過指定コマンド受信時処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、演出スイッチ通過指定コマンド(9500H又は9501H)を受信した場合に実行される。なお、「9500H」と「9501H」とは値は異なるが、両方とも演出スイッチ通過指定コマンドであるということを示しているため、いずれか一方だけを用いてもよい。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS640:演出制御CPU126は、小当り中フラグがONであるか否かを確認する。
その結果、小当り中フラグがONであることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS642を実行する。一方、小当り中フラグがONであることを確認できない場合(No)、可動入球役物装置作動時演出管理処理(図79)に復帰する。
ステップS642:演出制御CPU126は、センタ有効入賞カウントの値が1以上であるか否か(有効時間中に遊技球がカウントスイッチ84を通過したか否か)を確認する。
その結果、センタ有効入賞カウントの値が1以上であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS644を実行する。一方、センタ有効入賞カウントの値が1以上であることを確認できない場合(No)、可動入球役物装置作動時演出管理処理(図79)に復帰する。なお、「センタ有効入賞カウントの値が1以上である」ということは、1個以上の遊技球が有効時間中にカウントスイッチ84を通過したということを示している。すなわち、演出制御CPU126は、カウントスイッチ通過有効指定コマンド(9401H、有効時間内入賞口入球情報)を受信していない状態で演出スイッチ通過指定コマンド(9500H、確定領域通過情報)を受信した場合、遊技球が確定領域を通過したことを示す内容の擬似V入賞演出(確定領域通過時演出)を実行しないことになる(確定領域通過時演出実行手段)。演出制御CPU126は、センタ有効入賞カウントの値が1以上である場合、遊技球が演出スイッチ800を通過すると、1個目の遊技球の通過に限り擬似V入賞演出を実行する。一方、演出制御CPU126は、その他の条件の場合は擬似V入賞演出を実行しない。
ステップS644:演出制御CPU126は、擬似V入賞カウントをインクリメントする処理を実行する。
ステップS646:演出制御CPU126は、擬似V入賞カウントが「1」であるか否か(1回目の擬似V入賞であるか否か)を確認する。
その結果、擬似V入賞カウントが「1」であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS648を実行する。一方、擬似V入賞カウントが「1」であることを確認できない場合、すなわち、擬似V入賞カウントが「2以上」である場合(No)、演出制御CPU126は、可動入球役物装置作動時演出管理処理(図79)に復帰する。
ステップS648:演出制御CPU126は、擬似V入賞演出選択処理を実行する(確定領域通過時演出実行手段)。具体的には、演出制御CPU126は、図68中(B)等に示す演出を選択する処理を実行する。すなわち、演出制御CPU126は、カウントスイッチ通過有効指定コマンド(9401H、有効時間内入賞口入球情報)を受信している状態で演出スイッチ通過指定コマンド(9500H、確定領域通過情報)を受信した場合、遊技球が確定領域を通過したことを示す内容の擬似V入賞演出(確定領域通過時演出)を実行することになる(確定領域通過時演出実行手段)。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は可動入球役物装置作動時演出管理処理(図79)に復帰する。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、主制御装置70と演出制御装置124との間における遊技状態の矛盾をなくすため、主制御装置70側で大入賞口30bに有効時間を設定し、有効時間内に遊技球が大入賞口30bに入球した場合にはカウントスイッチ通過有効指定コマンド(9401H、有効時間内入賞口入球情報、遊技球が有効時間内に大入賞口に入球したことを示す有効時間内入球判定情報)を送信し、有効時間外に遊技球が大入賞口30bに入球した場合にはカウントスイッチ通過無効指定コマンド(9400H、有効時間外入賞口入球情報、遊技球が有効時間外に大入賞口に入球したことを示す有効時間内入球判定情報)を送信している。
そして、演出制御装置124側では、これらのコマンドと演出スイッチ通過指定コマンド(9500H、確定領域通過情報)とに基づいて、擬似V入賞演出(確定領域通過時演出)を実行するか否かを決定するため、矛盾した演出が実行されることを抑制することができ、遊技者に誤解を与える演出を実行してしまうことを回避することができる。
(2)確定領域は、主制御装置70の遊技状態を変更する領域ではなく、あくまで演出を実行するための領域であるため、このような確定領域に対して有効時間を設定することは制御処理を簡略化させるという観点からすると、あまり得策ではない。そこで、本実施形態では、大入賞口30bだけに有効時間を設定することにより、確定領域及び大入賞口30bに有効時間を設定する方式と比較して、主制御装置70の制御負担を軽減させることができる。
(3)本実施形態によれば、1回目の演出スイッチ通過指定コマンドの受信時に限って擬似V入賞演出を実行するため、2回目以降の演出スイッチ通過指定コマンドの受信時に同じ擬似V入賞演出が重複して実行されてしまう状況を回避することができる。
(4)本実施形態では、確定領域は遊技状態に関わらずに有効となっており、演出スイッチ通過指定コマンドも遊技状態に関わらずに送信される。このため、主制御装置70では、確定領域の有効無効を判定する必要がなくなり、主制御装置70側の制御処理を簡素化することができる。
(5)本実施形態では、有効時間は、可動入球役物装置30の可動片30aの開放時から可動片30aが閉鎖してその後に2秒程度の時間が経過するまでの時間としているため、可動入球役物装置30が閉止状態に移行しても有効時間が継続することになり、可動入球役物装置30が閉止状態に移行する直前に入球した遊技球を無効球として判定してしまうことを回避することができる。
(6)本実施形態によれば、有効時間を小当り遊技中の所定の時間に限定することができるので、大当り遊技中に擬似V入賞演出が実行されてしまうことを回避することができる。
(7)本実施形態によれば、有効時間として、大入賞口30bではなく特定領域に関する有効時間を設定するため、有効時間外に遊技球が大入賞口30bに入球した場合であっても遊技球の払い出しは実行される。したがって、不正行為ではなく、偶然の事象(例えば球詰まり等)によって有効時間外に遊技球が入賞口に入球した場合には遊技球の払い出しを実行することにより、正当な遊技者の利益を保護することができる。
本発明は、上述した実施形態に制約されることなく、各種の変形を採用することができる。一実施形態では、特別図柄について作動記憶を設けない例を挙げているが、特別図柄について作動記憶(4個)を設けている態様であっても本発明を適用することができる。
上述した実施形態では、普通図柄及び普通電動役物を設けない例で説明しているが、普通図柄及び普通電動役物を搭載して、大当り遊技後に時間短縮状態に移行させる遊技性としてもよい。
その他、パチンコ機1の構造や盤面構成等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。
1 パチンコ機
8 遊技盤ユニット
8a 遊技領域
30 可動入球役物装置
34 第1特別図柄表示装置
35 第2特別図柄表示装置
42 液晶表示器
70 主制御装置
72 主制御CPU
74 ROM
76 RAM
124 演出制御装置
126 演出制御CPU
710 振分装置

Claims (4)

  1. 遊技の進行を制御する主制御装置と、
    前記主制御装置からの情報の通知に基づいて演出内容を制御する演出制御装置と、
    入賞口を有し、遊技中に作動契機が発生すると、所定の開放時間にわたり前記入賞口に遊技球が入球不能な閉止状態から前記入賞口に遊技球が入球可能な開放状態に移行する可動入球装置と、
    前記可動入球装置の前記入賞口に入球した遊技球が前記可動入球装置の内部に設けられた複数の特定領域のうちいずれかの特定領域を通過すると、遊技球が通過した前記特定領域に応じて得られる利益が異なる特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
    前記可動入球装置の前記入賞口に入球した遊技球を、前記特定領域に誘導することが確定する確定領域を通過させるか、もしくは前記確定領域を通過させることなく排出するかの振り分けを行う当否振分部と、
    前記入賞口に対して遊技球の入球を有効とする有効時間を設定する入賞口有効時間設定手段と、
    遊技球が前記入賞口に入球した場合、遊技球が前記有効時間内に前記入賞口に入球したか否かを判定した情報を含む有効時間内入球判定情報を、前記主制御装置から前記演出制御装置に送信する有効時間内入球判定情報送信手段と、
    遊技球が前記確定領域を通過した場合、遊技球が前記確定領域を通過したことを示す内容の確定領域通過情報を、前記主制御装置から前記演出制御装置に送信する確定領域通過情報送信手段と、
    前記有効時間内入球判定情報として遊技球が前記有効時間内に前記入賞口に入球したことを示す情報を受信している状態で前記確定領域通過情報を受信した場合、遊技球が前記確定領域を通過したことを示す内容の確定領域通過時演出を実行する一方、前記有効時間内入球判定情報として遊技球が前記有効時間内に前記入賞口に入球したことを示す情報を受信していない状態で前記確定領域通過情報を受信した場合、前記確定領域通過時演出を実行しない確定領域通過時演出実行手段と
    を備えることを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機において、
    前記確定領域通過時演出実行手段は、
    前記有効時間内入球判定情報として遊技球が前記有効時間内に前記入賞口に入球したことを示す情報を受信している状態で1回目の前記確定領域通過情報を受信した場合、前記確定領域通過時演出を実行する一方、前記有効時間内入球判定情報として遊技球が前記有効時間内に前記入賞口に入球したことを示す情報を受信している状態で2回目以降の前記確定領域通過情報を受信した場合、前記確定領域通過時演出を実行しないことを特徴とする遊技機。
  3. 請求項1又は2に記載の遊技機において、
    前記確定領域は、
    遊技状態に関わらずに遊技球の通過を有効としており、
    前記確定領域通過情報送信手段は、
    遊技球が前記確定領域を通過した場合、遊技状態に関わらずに前記確定領域通過情報を送信することを特徴とする遊技機。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、
    前記入賞口有効時間設定手段は、
    前記作動契機が発生して前記可動入球装置が前記開放状態に移行してから前記可動入球装置が前記閉止状態に移行して所定時間が経過するまでの時間を前記有効時間として設定することを特徴とする遊技機。
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