以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠アセンブリ2、ガラス枠ユニット4、受け皿ユニット6及びプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を備えている。このうち外枠アセンブリ2は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠アセンブリ2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
その他のガラス枠ユニット4や受け皿ユニット6、プラ枠アセンブリ7は外枠アセンブリ2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみてプラ枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応してガラス枠ユニット4及び外枠アセンブリ2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠アセンブリ2に対してガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともにガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動してプラ枠アセンブリ7とともにガラス枠ユニット4及び受け皿ユニット6の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠アセンブリ2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、プラ枠アセンブリ7は施錠されたままでガラス枠ユニット4の施錠だけが解除され、ガラス枠ユニット4が開放可能となる。ガラス枠ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、ガラス枠ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6のロック機構(図示していない)が露出する。この状態でロック機構を解除すると、受け皿ユニット6をプラ枠アセンブリ7に対して前面側へ開放することができる。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤8を備えている。遊技盤8は、ガラス枠ユニット4の背後(内側)で上記のプラ枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤8は、例えばガラス枠ユニット4を前面側へ開放した状態でプラ枠アセンブリ7に対して着脱可能である。ガラス枠ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、ガラス枠ユニット4の裏側に図示しないヒンジ機構を介して開閉式に取り付けられる。遊技盤8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。ガラス枠ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に外枠アセンブリ2から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の前面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きレバー6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きレバー6dを例えば左方向へスライドさせることで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置、球発射手段)。発射された遊技球は、遊技盤8の左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。
〔盤面の構成〕
遊技領域8a内の中央部には、比較的大型の可動入球役物装置30(可動入球装置、特別電動役物)が設置されている。可動入球役物装置30の左右には4つの普通入賞口21,22,23,24が設置されている。その他に、可動入球役物装置30の左下方位置には左始動入賞口26が設置され、中央位置には中始動入賞口28が配置され、右下方位置には右始動入賞口27が設置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に普通入賞口21〜24に入球したり、左始動入賞口26、中始動入賞口28又は右始動入賞口27に入球したり、あるいは作動時(開放時)の可動入球役物装置30に入球したりする。
各入賞口に入球した遊技球は遊技板(遊技盤8を構成する合板材)に形成された貫通穴を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
一方、可動入球役物装置30内に流入した遊技球は、さらにその内部で流下や転動、上昇等の過程を経て振り分け動作が行われた後に排出され、遊技盤8の裏側へ回収される。なお、可動入球役物装置30内での振り分け動作については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
可動入球役物装置30は、特定の条件が満たされた場合(特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、遊技球の流入を可能にする。すなわち可動入球役物装置30は、遊技領域8aの上部位置に設けられた可動片30a(いわゆる羽根部材)を有しており、この可動片30aは、例えば図示しない大入賞口ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って所定角度だけ往復回転する。
図示のように可動片30aは略直立した状態で大入賞口30bを閉止した状態にあり、このため可動入球役物装置30への遊技球の流入は常に不能となっている。可動入球役物装置30が作動すると、可動片30aがその基端部を中心として遊技領域8a内の左右方向へ倒れるようにして変位し、大入賞口30bを開放することで可動入球役物装置30への遊技球の流入(大入賞口30bへの遊技球の入球)を可能にする。可動片30a及び大入賞口30bは遊技領域8a内の上部位置、特に遊技球が最初に打ち込まれる位置の近くにあることから、可動入球役物装置30の作動時に遊技領域8a内に打ち込まれた遊技球は、上部位置の障害釘に誘導されて容易に可動片30aに到達し、そのまま可動片30aに案内されて大入賞口30bに流入する。
また、可動入球役物装置30は、規定の条件が満たされた場合(可動入球役物装置30の内部に設けられたいずれかの特定領域を遊技球が通過した場合)にも作動し、大入賞口30bへの入球を可能にする。なお、可動入球役物装置30内の特定領域についてはさらに後述する。
さらに可動入球役物装置30の中央右側には、ラウンド数装飾ランプ51が設置されている。ラウンド数装飾ランプ51は、内蔵された発光器による演出動作を行うものであり、通過した特定領域に対応した数字部分のランプが点灯する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各始動口に入球しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。また、可動入球役物装置30に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示されていないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
〔枠前面の構成〕
ガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50がガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして複数の箇所に設置されている。また、受け皿ユニット6には受け皿ランプ52が設置されており、この受け皿ランプ52とガラス枠トップランプ46,48及びガラス枠サイドランプ50とは、外見上、パチンコ機1の前面において一体的につながっているかのようにデザインされている。
上述した各種ランプ46〜52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、ガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のガラス枠上スピーカ54とその中央にガラス枠中スピーカ55が内蔵されており、そして受け皿ユニット6には、下皿6cの右側に受け皿スピーカ56が内蔵されている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで、遊技中の演出内容(例えばBGMの種類)を切り替えることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162(電源制御手段)や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図20)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報、セキュリティエラー情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔可動入球装置内部の構成〕
図3は、遊技盤8を単独で示した正面図である。ここでは、可動入球役物装置30の内部の構成と遊技球の振り分け動作の概要について説明する。
可動入球役物装置30内には、上記の大入賞口30bを開放端として導入通路28cが形成されている。導入通路28cは、大入賞口30bから可動入球役物装置30内を鉛直下方に二股に延びた後その先で合流し、さらに屈曲されて左下方向に延びている。可動入球役物装置30の作動時に大入賞口30bを通じて流入した遊技球は、全て導入通路28cを通じて可動入球役物装置30の内部に案内される。導入通路28cの途中(例えば、二股に分かれた誘導路のそれぞれの通路)にはカウントスイッチ84が設けられており、可動入球役物装置30に流入した全ての遊技球は、ここでカウントスイッチ84により検出される。
また、可動入球役物装置30内には、導入通路28cに続いてルート振分部200が配置されている。ルート振分部200は、遊技球をノーマルルートに誘導するかスペシャルルートに誘導するかの振り分け動作を行う。遊技球がノーマルルートに誘導されれば、その後に大当りとなる確率は低いが、遊技球がスペシャルルートに誘導されれば、遊技球がノーマルルートに誘導された場合と比較してその後に大当りとなる確率が高くなる。なお、ルート振分部200の詳細は後述する。
また、可動入球役物装置30内には、ルート振分部200に続いて第1振分動作部500(第1振分動作手段)が配置されている。第1振分動作部500は、可動入球役物装置30の大入賞口に入球した遊技球を、特定領域に遊技球を誘導することが確定する確定領域を通過させるか、もしくは確定領域を通過させることなく排出するかの振り分け動作を行う。
ここで、「確定領域」は、遊技球が特定領域を通過する場合にはその前に必ず通過する領域となるため、遊技球が確定領域を通過すれば、いずれは遊技球が特定領域を通過することになる。ただし、遊技球が確定領域を通過した時点では、未だ遊技球が特定領域を通過していないので、厳密な意味では大当りではないが、遊技者から見れば遊技球が確定領域を通過することが、事実上の大当りとなる。
いずれにしても、この第1振分動作部500により、遊技球を確定領域を通過させるか、もしくは確定領域を通過させることなく排出するかの振り分け動作が行われる。なお、第1振分動作部500の詳細は後述する。
また、第1振分動作部500の下流には、第2振分動作部600(第2振分動作手段)が配置されている。第2振分動作部600は、可動入球役物装置30の右側部分の上端から下端までに配置された上昇装置610、可動入球役物装置30の中段部分に配置された第1展望台ステージ620及び可動入球役物装置30の上段部分に配置された第2展望台ステージ630等によって構成されている。
そして、第2振分動作部600は、確定領域を通過した遊技球を、複数の特定領域のうちいずれかの特定領域を通過させた上で排出する振り分け動作を行う。すなわち、先の第1振分動作部500では、確定領域を通過させるか否かといった振り分け動作が行われたが、この第2振分動作部600では、確定領域を通過して事実上の大当りが確定した遊技球に対し、どのような利益を付与するかといった振り分け動作が行われる。なお、第2振分動作部600の詳細は後述する。
図4は、ルート振分部200の構成の詳細を示す図である。
ここで、図4中(A)はルート振分部200の平面図であり、図4中(B)はルート振分部200を斜め上方から示した斜視図である。また、図4中(C)はルート振分部200の正面図であり、図4中(D)はルート振分部200の右側面図である。
ルート振分部200は、進入してきた遊技球をノーマルルートかスペシャルルートかに振り分ける振り分け動作を行う。また、ルート振分部200は、ルート振分部誘導路202、ルート振分体204、スペシャルルート用孔206、ノーマルルート用孔208、スペシャルルート誘導路210、ノーマルルート誘導路212を有する。
ルート振分部誘導路202は、導入通路28c(図3参照)からの遊技球をルート振分体204に誘導するための通路であり、盤面の奧方向へ延び、最奧の位置から折り返して手前側のルート振分体204まで延びている。
ルート振分体204は、土台となる円形の回転部材204aと、回転部材204aの上に配置された構造体204b(小型の東京タワーを模した構造体)とを含む。回転部材204aは、例えば時計回りに回転可能であり、回転部材204aの回転に伴って構造体204bも回転する。構造体204bの脚部には四方に4つの逆U字型の貫通孔が形成されており、遊技球はその貫通孔を通り抜けることができる。本実施形態では、ルート振分体204は、可動入球役物装置30が作動を開始してから回転を開始させることとしているが、パチンコ機1の電源投入時(電源OFF等の停電時以外)から回転を継続させてもよい。
スペシャルルート用孔206は、ルート振分体204が配置されているベース部205aから遊技盤の前方方向に凸状に延長された延長部205bの先端に配置されている。スペシャルルート用孔206は、スペシャルルート用孔206に入球した遊技球をスペシャルルート誘導路210に案内する。なお、スペシャルルート用孔206には、スペシャルルートスイッチ902が設けられており、スペシャルルート用孔206に入球した遊技球はスペシャルルートスイッチ902により検出される。
ノーマルルート用孔208は、スペシャルルート用孔206の両脇に2つ配置されており、ノーマルルート用孔208に入球した遊技球をノーマルルート誘導路212に案内する。
スペシャルルート誘導路210は、スペシャルルート用孔206から鉛直下方に延びた後、右下方向に延び、盤面奥方向に進んでさらに右下方向に延びている。スペシャルルート誘導路210により、遊技球は、第1振分動作部500の円形ステージ520(図7参照)に誘導される。
ノーマルルート誘導路212は、ノーマルルート用孔208から鉛直下方に延び、鉛直下方部分で2つのノーマルルート用孔208からのルートが合流し、合流した後に盤面奥方向に延びてさらに鉛直下方に延びている。ノーマルルート誘導路212により、遊技球は、第1振分動作部500の回転ステージ510(図7参照)に誘導される。
図5及び図6は、ルート振分部200の振り分け動作について説明する図である。
なお、図5は、ルート振分部200により遊技球がスペシャルルートに振り分けられる際の様子を示しており、図6は、ルート振分部200により遊技球がノーマルルートに振り分けられる際の様子を示している。
〔スペシャルルートへの振分動作〕
図5中(A)に示すように、ルート振分部誘導路202に遊技球が進入してきている。このとき、ルート振分体204は回転しており、この時点ではルート振分体204の脚部に形成された貫通孔204cは正面を向いていない。
図5中(B)に示すように、遊技球がルート振分体204に到達する時点では、ルート振分体204の脚部にある貫通孔204cが正面を向いている。そうすると、遊技球は、ルート振分体204の対向する2つの貫通孔204cを通り抜けて、スペシャルルート用孔206に入球する。
図5中(C)に示すように、スペシャルルート用孔206に入球した遊技球は、スペシャルルート誘導路210に誘導されて、第1振分動作部500の円形ステージ520に案内される。
〔ノーマルルートへの振分動作〕
図6中(A)に示すように、ルート振分部誘導路202に遊技球が進入してきている。このとき、ルート振分体204は回転しており、この時点ではルート振分体204の脚部に形成された貫通孔204cが正面を向いている。
図6中(B)に示すように、遊技球がルート振分体204に到達する時点では、ルート振分体204の脚部にある貫通孔204cが正面を向いていない。そうすると、遊技球は、ルート振分体204の脚部に弾かれて進行方向が変化し、いずれはノーマルルート用孔208に入球する。
図6中(C)に示すように、ノーマルルート用孔208に入球した遊技球は、ノーマルルート誘導路212に誘導されて、第1振分動作部500の回転ステージ510に案内される。
図7は、中央役物装置300を左斜め上方から示した斜視図である。
中央役物装置300は、例えば建築物(大型の東京タワー)を模したタワー本体部400を含み、大きく分けて第1振分動作部500と、第2振分動作部600とに分けられる。第1振分動作部500での振り分け動作に成功した場合、遊技球は第2振分動作部600に進入することになる。
〔第1振分動作部〕
第1振分動作部500は、回転ステージ510及び円形ステージ520を有する。
回転ステージ510は、時計回りに回転可能なステージであり、その上面部分にY字形状の誘導溝512が形成されている。回転ステージ510の前方の中央部分には、遊技球が1つ入球できる程度の大きさの確定領域孔514が配置されており、確定領域孔514のさらに前方には、確定領域孔514よりも大きく開口したはずれ孔516が配置されている。確定領域孔514に入球した遊技球は、その後に確定領域を通過することになり、はずれ孔516に入球した遊技球は、その後に特定領域を通過することなく排出されることになる。
ここで、確定領域には図示しない演出スイッチ(確定領域検出手段)が設けられており、確定領域を通過する遊技球は演出スイッチにより検出される。
また、可動入球役物装置30の下縁部にはアウト通路が形成されている。このため、確定領域孔514に入球せずに、はずれ孔516に入球した遊技球はアウト通路に導かれ、確定領域や特定領域を通過することなく可動入球役物装置30から排出される。そして、アウト通路には図示しない排出検知スイッチが設けられており、アウト通路を通過する遊技球は排出検知スイッチにより検出される。
ここで、回転ステージ510には、タワー本体部400を支えるタワー脚部518が配置されており、回転ステージ510の回転に伴ってタワー本体部400も回転する。
円形ステージ520は、タワー脚部518の上方に形成された円形上のステージであり、ステージの中央部分には、円形ステージ520から回転ステージ510に遊技球を落下させるための落下孔522が形成されている。
〔第2振分動作部〕
第2振分動作部600は、上昇装置610、第1展望台ステージ620(第1特殊振分部)及び第2展望台ステージ630(第2特殊振分部)を有する。
確定領域孔514に入球してその後に図示しない確定領域を通過した遊技球は、上昇装置610によって第1展望台ステージ620まで上昇され、そこで振り分け動作が行われる。また、第1展望台ステージ620での振り分け動作の結果、第1展望台ステージ620の内部の図示しない特殊領域を通過した遊技球は、上昇装置610によって第2展望台ステージ630まで再び上昇され、そこで再び振り分け動作が行われる。
図8及び図9は、第1振分動作部500での振り分け動作について説明する図である。
ここで、図8は、遊技球がスペシャルルートを経由して第1振分動作部500に進入し、確定領域孔514に入球する例を示している。また、図9は、遊技球がノーマルルートを経由して第1振分動作部500に進入し、はずれ孔516に入球する例を示している。
図8に示すように、ルート振分部200のスペシャルルート用孔206に入球した遊技球は、スペシャルルート誘導路210に誘導されて、第1振分動作部500の円形ステージ520に案内される。そして、円形ステージ520に案内された遊技球は、円形ステージ520の内部を回転し、回転速度の低下とともに中央の落下孔522に誘導され、下方の回転ステージ510に落下する。
回転ステージ510には、Y字形状の誘導溝512が形成されており、遊技球は誘導溝512の中央部分に落下することになる。そして、図示のように、回転ステージ510の誘導溝512の延長線上に確定領域孔514があれば、遊技球は誘導溝512に誘導されて確定領域孔514に入球することになる。
一方、図9に示すように、ルート振分部200のノーマルルート用孔208に入球した遊技球は、ノーマルルート誘導路212に誘導されて、第1振分動作部500の回転ステージ510に案内される。ノーマルルート誘導路212からの遊技球は、回転ステージ510の方向に放出されるが、回転ステージ510の誘導溝512に誘導されるとは限らない。回転ステージ510の誘導溝512にうまく誘導されなかった遊技球は、移動方向が変化せずにはずれ孔516に落下することになる。
図10は、上昇装置誘導路611の構成の詳細を示す図である。
上昇装置誘導路611は、可動入球役物装置30の内部に設けられた通路であって、確定領域孔514と上昇装置610とを結ぶ通路である。上昇装置誘導路611は、確定領域孔514から鉛直下方に延び、そこからさらに右側に屈曲して上昇装置610の下開口孔610a(図12参照)まで延びている。
確定領域孔514に入球した遊技球は、確定領域に配置された演出スイッチ800により検出され、上昇装置誘導路611によって上昇装置610まで案内される。
ここで、上昇装置誘導路611には、その途中にスライド部材612が配置されている。スライド部材612は、図示しない上昇装置誘導路ソレノイドによって図中左右方向にスライド可能である。
図10中(A)に示すように、上昇装置誘導路ソレノイドが非作動(OFF)の状態であれば、スライド部材612は初期位置にあり、スライド部材612の上面を通過して、遊技球は上昇装置610に誘導される。
一方、図10中(B)に示すように、上昇装置誘導路ソレノイドが作動(ON)の状態であれば、スライド部材612は図中左側にスライドすることになり、遊技球は上昇装置610に誘導されず、可動入球役物装置30の内部のアウト通路に合流して排出検知スイッチにより検出されることになる。
このように、確定領域孔514に入球した遊技球を上昇装置610に誘導したり、上昇装置610に誘導せずに排出したりする理由は、通常の振り分け動作を行っている場合は上昇装置610に遊技球を誘導する必要があるが、一旦大当り状態に突入すると、上昇装置610の作動を停止するため、上昇装置610に遊技球を誘導せずに排出する必要があるからである。
図11は、タワー本体部400の構成及び駆動機構の詳細を示す図である。
ここで、図11中(A)はタワー本体部400の平面図であり、図11中(B)はタワー本体部400の正面図であり、図11中(C)はタワー本体部400の右側面図である。
タワー本体部400の下部には、本体部モータ402が配置されている。本体部モータ402には、その出力軸に駆動ギヤ404が取り付けられており、この駆動ギヤ404に対して従動ギヤ406が噛み合わされている。駆動ギヤ404及び従動ギヤ406は、歯車列を構成しており、本体部モータ402の回転に伴い、駆動ギヤ404から従動ギヤ406に動力が伝達される。
従動ギヤ406には、従動ギヤ406と共に回転する回転軸408が結合されており、回転軸408には回転ステージ510が接続されている。このため、本体部モータ402が回転するとその動力によって回転ステージ510が回転し、さらに回転ステージ510に設置されているタワー本体部400も回転することになる。
ここで、第1展望台ステージ620及び第2展望台ステージ630は、タワー本体部400の外枠となる環状のステージであるため、本体部モータ402が回転してもステージ自体は回転しない。すなわち、タワー本体部400は、中心部分のみが回転し外枠のステージ部分は回転しない。なお、タワー本体部400は、図11中(C)に示すように、下端部よりも上端部が遊技盤の前方に突出しており、頂上部分が手前側に傾斜している。このような傾斜により各ステージに進入した遊技球は、遊技盤の前方に転動しやすい状態となる。
また、回転軸408の下端部には、原点位置検出機構410が配置されている。原点位置検出機構410は、タワー本体部400の回転に関する原点位置の検出を行う装置であり、インデックスセンサやロータリエンコーダ等を適用することができる。図示の例では、原点位置検出機構410は、フォトセンサ412と回転板414とにより構成されている。
フォトセンサ412は、光を照射する照射部及び光を受光する受光部を有し、照射部と受光部とは所定の間隔を空けて対向配置されている。
回転板414は、フォトセンサ412の照射部と受光部との間に配置され、回転軸408と一体に回転する回転体であり、回転板414には原点位置に図示しない開口孔が設けられている。
そして、回転板414が回転し、図示しない開口孔が原点位置にあるとき、フォトセンサ412が非遮光状態となる。このため、主制御CPU72は、フォトセンサ412が非遮光状態であるときに(フォトセンサ412から遮光状態である旨の検出信号を受信していないときに)、回転板414が原点位置にあると判断することができる。
図12は、上昇装置610の構成及び駆動機構の詳細を示す図である。
ここで、図12中(A)は上昇装置610の平面図であり、図12中(B)は上昇装置610の正面図であり、図12中(C)は上昇装置610の右側面図である。
上昇装置610は、確定領域を通過した遊技球を上昇させる装置であり、確定領域を通過した遊技球を第1展望台ステージ620まで上昇させる第1上昇装置と、第1展望台ステージ620に設けられた特殊確定領域を通過した遊技球を第2展望台ステージ630まで上昇させる第2上昇装置とによって構成され、第1上昇装置と第2上昇装置とは、同一の上昇装置の下側部分と上側部分とによって構成されている。
また、上昇装置610は、筒状誘導路611、第1展望台ステージ用誘導路612、再突入誘導路613、第2展望台ステージ用誘導路614、駆動機構615及び原点位置検出機構616を有する。
筒状誘導路611は、内部にスクリューコンベア617が配置された円筒形状の通路である。スクリューコンベア617は、筒状誘導路611と共に遊技球を上昇させるコンベアである。
第1展望台ステージ用誘導路612は、中央左開口孔610bから放出された遊技球を第1展望台ステージ620まで誘導する通路であり、筒状誘導路611から第1展望台ステージ620に向かって延びている。
再突入誘導路613は、第1展望台ステージ620からの遊技球を、上昇装置610の中央右開口孔610cに誘導する通路であり、第1展望台ステージ620から筒状誘導路611に向かって延びている。
第2展望台ステージ用誘導路614は、上開口孔610dから放出された遊技球を第2展望台ステージ630まで誘導する通路であり、筒状誘導路611から第2展望台ステージ630に向かって延びている。
駆動機構615は、筒状誘導路611の下部背面に配置された上昇装置モータ618と、上昇装置モータ618の出力軸に取り付けられた駆動ギヤ618aと、駆動ギヤ404に噛み合わされた第1従動ギヤ618bと、第1従動ギヤ618bに噛み合わされた第2従動ギヤ618cと、第2従動ギヤ618cと共に回転し、スクリューコンベア617の回転中心となる回転軸618dとを有する。
原点位置検出機構616は、スクリューコンベア617の回転に関する原点位置の検出を行う装置であり、先に説明したタワー本体部400の原点位置検出機構と同様の構成である。
そして、駆動機構615によってスクリューコンベア617を回転駆動させることにより、下開口孔610aに入球した遊技球を中央左開口孔610bまで上昇させたり、中央右開口孔610cに入球した遊技球を上開口孔610dまで上昇させたりすることができる。
図13及び図14は、上昇装置610での遊技球の上昇の様子を示す図である。
ここで、図13は、下開口孔610aに入球した遊技球を中央左開口孔610bまで上昇させる様子を示しており、図14は、中央右開口孔610cに入球した遊技球を上開口孔610dまで上昇させる様子を示している。なお、図中、スクリューコンベア617及び遊技球以外の構成は理解を容易にするために破線で示している。
図13に示すように、下開口孔610aに入球した遊技球は、スクリューコンベア617の回転に押し出されながら、筒状誘導路611の内壁に案内されて、筒状誘導路611の左側ルートを上昇する。そして、中央左開口孔610bまで上昇すると、第1展望台ステージ用誘導路612によって第1展望台ステージ620に誘導される。
また、図14に示すように、中央右開口孔610cに入球した遊技球は、スクリューコンベア617の回転に押し出されながら、筒状誘導路611の内壁に案内されて、最初は筒状誘導路611の右側ルートを上昇する。そして、中央左開口孔610bを超えた辺りで、遊技球を左側ルートに誘導するための誘導傾斜部619に接触する。
誘導傾斜部619に接触した遊技球は、誘導傾斜部619の上縁部に案内されて誘導方向が変化し、筒状誘導路611の右側ルートから左側ルートに押し出される。そして、遊技球は、左側ルートをそのまま上昇していき、最終的には、左側ルートの上部に形成された上開口孔610dに到達する。そして、上開口孔610dに到達した遊技球は、第2展望台ステージ用誘導路614によって第2展望台ステージ630に誘導される。
図15は、第1展望台ステージ620での振り分け動作について説明するための図である。
第1展望台ステージ用誘導路612によって第1展望台ステージ620に誘導されてきた遊技球は、その勢いによって第1展望台ステージ620を左右に転動する。第1展望台ステージ620は、ステージ自体が中心方向に傾斜している(すり鉢状である)ため、転動の勢いが失われた遊技球は、いずれは遊技球をタワー本体部400の内部に案内するための第1展望台ステージゲート622に進入する。
図16は、第1展望台ステージ620の内部に位置しているタワー本体部400の一部を抜き出して示した図である。
図16中(A)に示すように、第1展望台ステージ620の内部に位置しているタワー本体部400の一部は、円柱形状となっており、その側面に第1特定領域用窪み部624と、再上昇用窪み部626とを有する。
第1特定領域用窪み部624は、3ラウンド大当り用の第1特定領域に遊技球を誘導するための窪みであり、略正方形形状であって遊技球が1つ流入可能な程度の空間となっている。また、第1特定領域用窪み部624の上部には「3R」の文字情報が表示されている。
再上昇用窪み部626は、遊技球を再度、上昇装置610に誘導するための窪みであり、略長方形形状であって、第1特定領域用窪み部624よりも鉛直方向の長さが長い空間となっている。また、再上昇用窪み部626の上部には「UP」の文字情報が表示されている。
そして、タワー本体部400には、手前側の側面に1つの第1特定領域用窪み部624と、2つの再上昇用窪み部626とが形成されており、奥側の側面にも同様に1つの第1特定領域用窪み部624と、2つの再上昇用窪み部626とが形成されている。
このため、タワー本体部400には、全体として2つの第1特定領域用窪み部624と、4つの再上昇用窪み部626とが形成されていることになる。したがって、第1展望台ステージ620に進入した遊技球は、3分の1の確率で第1特定領域用窪み部624に入球し、残りの3分の2の確率で再上昇用窪み部626に入球することになる。
〔第1特定領域用窪み部624への入球〕
ここで、遊技球が第1特定領域用窪み部624に入球した場合のその後の動作を説明する。
図16中(B)に示すように、第1展望台ステージ620の第1展望台ステージゲート622を通じて、第1特定領域用窪み部624に遊技球が入球すると、遊技球はその位置が維持される。
さらに、図16中(C)に示すように、タワー本体部400の回転に伴って、第1特定領域用窪み部624に入球した遊技球はそのまま左方向に移動していく。
そして、図16中(D)に示すように、タワー本体部400の回転に伴って、第1特定領域用窪み部624に入球した遊技球は、遊技盤8の裏側へ回収され、遊技盤8の裏側にある図示しない第1特定領域を通過することになる。第1特定領域には図示しない第1特定領域スイッチが設けられており、第1特定領域を通過する遊技球は第1特定領域スイッチにより検出される。
〔再上昇用窪み部626への入球〕
次に、遊技球が再上昇用窪み部626に入球した場合のその後の動作を説明する。
図16中(E)に示すように、第1展望台ステージ620の第1展望台ステージゲート622を通じて、再上昇用窪み部626に遊技球が入球すると、遊技球は再上昇用窪み部626の内部で下方に落下することになる。
さらに、図16中(F)に示すように、下方に落下した遊技球は、タワー本体部400の回転に伴って、左方向に移動していく。ここで、下方に落下した遊技球が配置される部分には、第1特殊開口孔628が形成されており、この時点で遊技球は、第1特殊開口孔628の正面に位置することになる。
そして、図16中(G)に示すように、遊技球は第1特殊開口孔628を通じて前方に転がり、そのまま再突入誘導路613(図15参照)に案内されることになる。再突入誘導路613には図示しない特殊領域が設けられており、その特殊領域には特殊領域スイッチが設けられている。そして、特殊領域を通過する遊技球は特殊領域スイッチにより検出される。
図17は、第2展望台ステージ630での振り分け動作について説明するための図である。
第2展望台ステージ用誘導路614によって第2展望台ステージ630に誘導されてきた遊技球は、その勢いによって第2展望台ステージ630を左右に転動する。第2展望台ステージ630は、ステージ自体が中心方向に傾斜している(すり鉢状である)ため、転動の勢いが失われた遊技球は、いずれは第2展望台ステージ開口孔631に進入する。
図18は、第2展望台ステージ630の内部に位置しているタワー本体部400の一部を抜き出して示した図である。
図18中(A)に示すように、第2展望台ステージ630の内部に位置しているタワー本体部400の一部は、下側を頂点とする円錐形状の先端部分を取り除いた形状となっており、その上面に第2特定領域孔632と、第3特定領域孔633とが形成されている。
第2特定領域孔632は、7ラウンド大当り用の第2特定領域に遊技球を誘導するための孔であり、その孔の下方に略正方形形状であって遊技球が1つ流入可能な第2特定領域用窪み部634が形成されている。また、第2特定領域用窪み部634の上部には「7R」の文字情報が表示されている。
第3特定領域孔633は、16ラウンド大当り用の第3特定領域に遊技球を誘導するための孔であり、その孔の下方に略長方形形状であって第2特定領域孔632よりも縦長の第3特定領域用窪み部635が形成されている。また、第3特定領域用窪み部635の上部には「16R」の文字情報が表示されている。
ここで、タワー本体部400には、第2特定領域孔632と、第3特定領域孔633とが交互に3つずつ形成されており、全体として3つの第2特定領域孔632と、3つの第3特定領域孔633とが形成されている。このため、第2展望台ステージ630に遊技球が辿りつけば、2分の1の確率で第2特定領域孔632に遊技球が入球し、残りの2分の1の確率で第3特定領域孔633に遊技球が入球することになる。
〔第2特定領域孔への入球〕
ここで、遊技球が第2特定領域孔632に入球した場合のその後の動作を説明する。
図18中(B)に示すように、第2特定領域孔632に遊技球が入球すると、遊技球はその下方にある第2特定領域用窪み部634に入り込み、遊技球はタワー本体部400の上方部分に停止される。
さらに、図18中(C)に示すように、タワー本体部400の回転に伴って、第2特定領域用窪み部634に進入した遊技球はそのまま左方向に移動していく。
そして、図18中(D)に示すように、タワー本体部400の回転に伴って、第2特定領域用窪み部634に入球した遊技球は、遊技盤8の裏側へ回収され、遊技盤8の裏側にある第2特定領域を通過することになる。第2特定領域には図示しない第2特定領域スイッチが設けられており、第2特定領域を通過する遊技球は第2特定領域スイッチにより検出される。
〔第3特定領域孔への入球〕
次に、遊技球が第3特定領域孔633に入球した場合のその後の動作を説明する。
図18中(E)に示すように、第3特定領域孔633に遊技球が入球すると、遊技球は第3特定領域用窪み部635の内部で下方に落下することになる。
さらに、図18中(F)に示すように、下方に落下した遊技球は、タワー本体部400の回転に伴って、左方向に移動していく。ここで、下方に落下した遊技球が配置される部分には、第2特殊開口孔636が形成されており、この時点で遊技球は、第2特殊開口孔636の正面に位置することになる。
そして、図18中(G)に示すように、遊技球は第2特殊開口孔636を通じて前方に転がり、第2展望台ステージ630の前方にある第3特定領域誘導路670(図17参照)に案内されることになる。第3特定領域誘導路670には図示しない第3特定領域が設けられており、その第3特定領域には第3特定領域スイッチが設けられている。そして、第3特定領域を通過する遊技球は第3特定領域スイッチにより検出される。
図19は、遊技盤8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤8には、例えば窓4a内の右下位置に第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35が設けられている。
第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、本実施形態において特別図柄に対応する作動記憶ランプや作動記憶数表示装置は設けられていない。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b,38cにそれぞれ対応する3つのLEDが含まれている。図19中、特に参照符号を付していない他のランプ(LED)は未使用(ブランク)のものである。本実施形態では、上述した第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に取り付けられている。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図20は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、大当り判定用(又は小当り判定用)にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
遊技盤8には、左始動入賞口26、中始動入賞口28、右始動入賞口27及び可動入球役物装置30にそれぞれ対応して左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81、右始動入賞口スイッチ82及びカウントスイッチ84が装備されている。このうち左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81及び右始動入賞口スイッチ82は、それぞれの始動入賞口への遊技球の入球を検出するためのものである。また、カウントスイッチ84は、可動入球役物装置30(大入賞口30b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。
また、遊技盤8には、上述した第1特定領域、第2特定領域、第3特定領域、確定領域にそれぞれ対応して第1特定領域スイッチ701(特定領域検出手段)、第2特定領域スイッチ702(特定領域検出手段)、第3特定領域スイッチ703(特定領域検出手段)及び演出スイッチ800が設けられている。主制御CPU72は、各スイッチからの検出信号を受信すると、それぞれについて領域通過コマンドを演出制御CPU126に送信する。
これらの他にも、可動入球役物装置30内には排出検知スイッチ900が設けられている。排出検知スイッチ900は、可動入球役物装置30から排出された遊技球を検出し、その検出信号を出力するものである。
同様に遊技盤8には、普通入賞口21〜24への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、入賞口スイッチ86は全ての普通入賞口21〜24について共通のものを用いてもよいし、複数ある普通入賞口21〜24のそれぞれに別々の入賞口スイッチ86を設置してもよい。例えば、盤面の左右4箇所にそれぞれ別の入賞口スイッチ86を設置して各普通入賞口に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類80〜86,701〜703,800,900の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤8の構成上、本実施形態では左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81、右始動入賞口スイッチ82、第1特定領域スイッチ701、第2特定領域スイッチ702及び第3特定領域スイッチ703からの検出信号は遊技者の利益に最も直接的に影響を及ぼす信号であるため特に中継物を介することなく主制御装置70に送信されており、その他の検出信号はパネル中継端子板87を中継して主制御装置70に送信されている。パネル中継端子板87には、それぞれの検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じて第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38に対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38は、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤8には、可動入球役物装置30に対応して大入賞口ソレノイド90が設けられている。大入賞口ソレノイド90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、可動入球役物装置30を作動(開放)させる。
さらに遊技盤8には、可動入球役物装置30の内部に上昇装置誘導路ソレノイド95が設けられている。上昇装置誘導路ソレノイド95は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、大当り遊技中の排出動作を行う。なお、大入賞口ソレノイド90及び上昇装置誘導路ソレノイド95は、上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
さらに遊技盤8には、可動入球役物装置30の内部にあるルート振分体204やタワー本体部400、スクリューコンベア617にそれぞれ対応して振分体モータ213、本体部モータ402及びコンベアモータ214が設けられている。このうち振分体モータ213はルート振分体204を回転させるものである。また、本体部モータ402は、タワー本体部400を回転させるものである。コンベアモータ214は、スクリューコンベア617を回転駆動させるものである。これらのモータについても同様に、上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
本実施形態では、各モータ212〜214に対し、主制御装置70(主制御CPU72)から一定動作用の駆動信号が出力される。また、各モータ212〜214については、それぞれ図示しないインデックスセンサ等の原点検出機構を用いて回転に関する原点位置の検出を行っている。このため主制御装置70には、これら原点検出機構からの原点位置検出信号が入力されている。
また、遊技盤8には、磁気センサ204や振動センサ206(振動検出手段)が設置されており、このうち磁気センサ204は、その設置位置で遊技盤8に飛来してくる磁束を検出し、その密度(磁気強度)に応じた検出信号を出力する。また、振動センサ206は、その設置位置で遊技盤8に伝わる加速度(振動)を検出し、その大きさに応じた検出信号を出力する。これら磁気センサ204や振動センサ206の検出信号は、それぞれパネル中継端子板87を通じて主制御装置70(主制御CPU72)に入力されている。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。演出制御CPU126には、主制御CPU72よりも高速(高クロック周波数)で、データバス幅が広い(例えば64ビット)タイプのものを使用することができる。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は可動入球役物装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤8にはパネル電飾基板138が設置されており、ランプ駆動回路132からの駆動信号がパネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53に印加されている。
上記のように可動入球役物装置30の内部には、特殊領域スイッチ901及びスペシャルルートスイッチ902が設けられている。特殊領域スイッチ901及びスペシャルルートスイッチ902は、遊技球の通過を契機として何らかの演出動作を発生させるための球検出器である。特殊領域スイッチ901及びスペシャルルートスイッチ902の検出信号はパネル電飾基板138を中継して送信され、図示しない入出力ドライバを介して演出制御CPU126に入力される。なお、ここでは特殊領域スイッチ901及びスペシャルルートスイッチ902を演出制御装置124に接続する形態を例に挙げているが、特殊領域スイッチ901及びスペシャルルートスイッチ902を主制御装置70に接続してもよい。この場合、主制御CPU72が特殊領域スイッチ901又はスペシャルルートスイッチ902からの検出信号を受信すると、それぞれについて演出コマンドを演出制御CPU126に送信すればよい。
演出用表示装置42は、可動入球役物装置30の上方に設置されており、遊技盤8の前面からその表示画面が視認可能となっている。さらに、遊技盤8の裏側には演出駆動制御装置144が設置されており、演出用表示装置42による表示動作は、演出駆動制御装置144により制御されている。演出駆動制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である駆動制御CPU146を実装した回路基板(演出駆動制御基板)が装備されている。この駆動制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、演出用表示装置42を用いた表示演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、駆動制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った駆動制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用表示装置42の点灯状態を個別に制御する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。また、演出制御装置124を経由して演出駆動制御装置144に電力が供給されるとともに、演出駆動制御装置144から演出用表示装置42に電力が分配されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
〔遊技フロー〕
次に図21は、本実施形態のパチンコ機1による遊技の流れを一例として示すゲームフロー図である。パチンコ機1による通常遊技は、遊技球を遊技領域8a内に打ち込む(発射する)ことで開始される。以下、遊技球の打ち出しを前提として遊技の流れについて説明する。
〔F01:始動入賞口への入球〕
遊技球が遊技領域8a内を流下する過程で、左始動入賞口26、中始動入賞口28又は右始動入賞口27のいずれかに入球すると、それぞれの始動入賞口に対応した左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81又は右始動入賞口スイッチ82によって遊技球の通過が検出され、これを契機として特別図柄抽選が行われる。
特別図柄抽選は、可動入球役物装置30を作動させるか否かに関わる抽選である。なお、いずれの始動入賞口にも遊技球が入球しなかった場合はひとまずゲームフローは終了となり、改めて始動入賞口への入球(F01)を目指してゲームフローを開始することになる。
また、特に図示していないが、特別図柄抽選が行われると、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35において特別図柄が所定の変動時間にわたり変動表示された後、抽選結果を表す態様で停止表示される。第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による特別図柄の変動パターンに関しては、抽選によってランダムに変化させても、一定の変動パターンに固定してもよい。
ここで、本実施形態では、左始動入賞口26又は右始動入賞口27への入球を契機として第1特別図柄抽選(内部抽選)が行われる一方、中始動入賞口28への入球を契機として第2特別図柄抽選(内部抽選)が行われる。
そして、特別図柄抽選の当り確率(小当り確率)は1(=1/1)に設定されているため、遊技球がいずれかの始動入賞口に入球すると、そのまま小当りに該当することになる。したがって、特に主制御装置70において内部的に当り判定乱数を取得する必要はないが、敢えて取得することとしてもよい。本実施形態では、特に各始動入賞口への入球を契機として直接的に大当り遊技が実行される当り(いわゆる直当り、直撃当り)を設けていないが、ここで取得した当り判定乱数を用いて直当り判定を行ってもよい。
また、本実施形態では、特別図柄に「はずれ」の表示態様がなく、第1特別図柄による抽選では「小当り1」に該当し、第2特別図柄による抽選では「小当り2」に該当することになっている。「小当り1」と「小当り2」の違いは、可動入球役物装置30の作動回数に関係しており、「小当り1」に該当した場合は可動入球役物装置30が1回作動し、「小当り2」に該当した場合は可動入球役物装置30が2回作動する。
〔F02:可動入球役物装置作動〕
いずれにしても、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35により特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、これを契機として可動入球役物装置30が作動(開放動作)する。可動入球役物装置30の作動は、上記のように可動片30aを開放位置に変化させるものであるが、本実施形態では所定の開放時間(例えば1秒程度)にわたり、「小当り1」に該当した場合は1回だけ、「小当り2」に該当した場合は2回だけ可動片30aを短期間開放させるものとしている。
〔F03:大入賞口入球判定〕
次に、可動入球役物装置30の作動時に、遊技球が大入賞口30bに入球したか否かが判定される。ここで遊技球が大入賞口30bに入球した場合、ゲームフローはさらに可動入球役物装置30内での振り分け動作に進行していくことになる。なお、可動入球役物装置30の大入賞口30bに遊技球が入球しなかった場合はひとまずゲームフローが終了となり、改めて始動入賞口への入球(F01)を目指してゲームフローを開始することになる。
〔F04:特定領域通過判定〕
ゲームフローが可動入球役物装置30内に進行すると、上記のように様々な遊技球の振り分け動作を経て、最終的にいずれかの特定領域を遊技球が通過(V入賞)したか否かの判定が行われる。その結果、最終的に特定領域を通過することなく可動入球役物装置30から遊技球が排出された場合、残念ながらゲームフローはそこで終了となり、改めて始動入賞口への入球(F01)を目指してゲームフローを開始することになる。
〔F05:大当り遊技実行〕
これに対し、可動入球役物装置30内で遊技球の特定領域通過(V入賞)が発生した場合、再び可動入球役物装置30が作動する。具体的には、例えば所定の開放時間(例えば1秒)にわたり大入賞口が所定回数開放(例えば18回開放)するか、もしくは規定個数(例えば10個)の遊技球の入賞があるかのいずれかの条件が満たされるまでを1ラウンドとし、このラウンドを予め定められた連続作動回数にわたって繰り返すという特別遊技が実行される。
本実施形態において、連続作動回数は、遊技球が第1特定領域を通過した場合は3回に設定され、遊技球が第2特定領域を通過した場合は7回に設定され、遊技球が第3特定領域を通過した場合は16回に設定される。このような大当り遊技中(可動入球役物装置30の作動中)は、通常時に閉止状態にある大入賞口30bへの入球を短期間内に数多く発生させることができるため、その間に遊技者はまとまって多くの賞球を獲得することができる。なお、本実施形態では〔F02〕可動入球役物装置作動を1ラウンド目としている。
〔可動入球装置内でのゲームフロー〕
次に、可動入球役物装置30内で進行するゲームフローについて説明する。ここで、本実施形態の可動入球役物装置30内では、2段階の振分動作が実行される。
1段階目の第1振分動作は、はずれ孔516か、確定領域孔514かに遊技球を振り分ける動作が該当する。2段階目の第2振分動作は、3つの特定領域のうちいずれかの特定領域に遊技球を振り分ける動作が該当する。
図22は、可動入球役物装置30内で実行される1段階目の第1振分動作の流れを概略的に示すゲームフロー図である。なお、ここでいう「ゲームフロー」は、遊技球の転動や振り分け動作を伴って進行するゲームの流れに相当する。
〔F10:ルート振分部到達〕
可動入球役物装置30内に遊技球が流入すると、遊技球はまずルート振分部200に到達する。
〔F11:ルート振り分け〕
ルート振分部200に到達した遊技球は、回転中のルート振分体204の内部を通過したり、回転中のルート振分体204に弾かれたりして、ルート振り分けが行われる。
〔F12:ノーマルルート〕
ルート振分体204の脚部に遊技球が弾かれると、遊技球の進行方向が変化するため、遊技球はノーマルルート用孔208に入り、遊技球はノーマルルートに振り分けられる。
〔F13:回転ステージ到達〕
ノーマルルートに振り分けられた遊技球は、ノーマルルート誘導路212に案内されて、回転ステージ510の左側から回転ステージ510に進入する。ただし、回転ステージ510に進入した遊技球は、回転ステージ510の誘導溝512にうまく乗る場合もあれば、うまく乗らずに回転ステージ510をそのまま通り抜ける場合もある。
〔F14:スペシャルルート〕
一方、ルート振分体204の脚部に遊技球が弾かれずに、ルート振分体204の脚部の間を遊技球がうまく通り抜けると、遊技球はスペシャルルート用孔206に入るため、遊技球はスペシャルルートに振り分けられる。
〔F15:円形ステージ到達〕
スペシャルルートに振り分けられた遊技球は、スペシャルルート誘導路210に案内されて、円形ステージ520に到達する。
〔F13:回転ステージ到達〕
円形ステージ520に到達した遊技球は、円形ステージ520の内部を回転しながら次第に回転速度を落とし、最終的には円形ステージ520の中央に設けられた落下孔522を通じて、回転ステージ510に落下する。
ここで、本実施形態では、ノーマルルートを経由した場合も、スペシャルルートを経由した場合も、いずれは回転ステージ510に到達することになるが、スペシャルルートを経由した場合は遊技球が回転ステージ510の中央位置に落下するため、誘導溝512に誘導されやすい状態となり、それだけ確定領域孔514に入球しやすい状態となる。
〔F16:確定領域通過判定〕
第1振分動作の最終段階では、遊技球が確定領域孔514に入球して確定領域を通過したか否かの判定が行われる。遊技球が確定領域を通過したか否かは、演出スイッチ800からの検出信号により判断することができる。
その結果、最終的に確定領域を通過することなく可動入球役物装置30から遊技球が排出された場合、ゲームフローはそこで終了となり、改めて始動入賞口への入球(図22中F01)を目指してゲームフローを開始することになる。
〔F17:演出実行〕
これに対し、確定領域孔514に遊技球が入球すると、演出スイッチ800により遊技球が確定領域を通過したことが検出され、その旨を示す領域通過コマンドに基づいて、演出用表示装置42では遊技球が確定領域を通過した内容の演出が実行される。この演出は、例えば「これから第2振分動作が実行される」ということを教示する内容であり、それによって遊技球の行き先に遊技者の注意を惹き付けさせる効果を発揮する。そしてこの後はは、役物装置内での第2振分動作に進む。
図23は、可動入球役物装置30内で実行される2段回目の第2振分動作の流れを概略的に示すゲームフロー図である。
〔F21:上昇装置到達〕
確定領域を通過した遊技球は、上昇装置誘導路611に案内されて、上昇装置610に到達する。
〔F22:第1展望台ステージ到達〕
上昇装置610に到達した遊技球は、下開口孔610aから筒状誘導路611に入り込み、スクリューコンベア617によって上昇され、中央左開口孔610bから放出されて第1展望台ステージ620に到達する。
〔F23:第1特定領域通過判定〕
第1展望台ステージ620での振り分け動作の結果、遊技球が第1特定領域を通過すると、第1特定領域スイッチ701により遊技球が第1特定領域を通過したことが検出される。
〔F24:可動入球役物装置作動〕
遊技球が第1特定領域を通過したことが検出されると、可動入球役物装置30が作動して、3ラウンド大当り遊技が実行される。
〔F25:特殊領域通過〕
一方、遊技球が第1特定領域を通過しない場合(F23:No)、遊技球は特殊領域を通過することになる。ここで遊技球が特殊領域を通過すると、特殊領域スイッチ901により、遊技球が特殊領域を通過したことが検出される。
〔F26:演出実行〕
特殊領域スイッチ901からの検出信号に基づき、演出用表示装置42では演出が実行される。この演出は、例えば「これから最後の振り分け動作が実行される」ということを教示する内容であり、それによって遊技球の行き先に遊技者の注意を惹き付けさせる効果を発揮する。
〔F27:上昇装置到達〕
特殊領域を通過した遊技球は、再突入誘導路613に案内されて、再び上昇装置610に到達する。
〔F28:第2展望台ステージ到達〕
再び上昇装置610に到達した遊技球は、中央右開口孔610cから筒状誘導路611に入り込み、スクリューコンベア617によって上昇され、上開口孔610dから放出されて第2展望台ステージ630に到達する。
〔F29:第2特定領域通過判定〕
第2展望台ステージ630での振り分け動作の結果、遊技球が第2特定領域を通過すると、第2特定領域スイッチ702により遊技球が第2特定領域を通過したことが検出される。
〔F30:可動入球役物装置作動〕
遊技球が第2特定領域を通過したことが検出されると、可動入球役物装置30が作動して、7ラウンド大当り遊技が実行される。
〔F31:第3特定領域通過〕
一方、遊技球が第2特定領域を通過しない場合(F29:No)、遊技球は第3特定領域を通過することになる。ここで遊技球が第3特定領域を通過すると、第3特定領域スイッチ703により、遊技球が第3特定領域を通過したことが検出される。
〔F32:可動入球役物装置作動〕
遊技球が第3特定領域を通過したことが検出されると、可動入球役物装置30が作動して、16ラウンド大当り遊技が実行される。
なお、いずれの特定領域の通過が検出されることもなく、排出検知スイッチ900により、可動入球役物装置30に入賞した全ての遊技球の排出が検出された場合、そこで可動入球役物装置30内でのゲームフローは終了となる。
〔基本的制御動作〕
図24及び図25は、可動入球役物装置内で進行するゲームフローを通じて発生する各種状態の変化を示すタイミングチャートである。
ここで、図24は、可動入球役物装置30における振り分け動作の結果、遊技球が確定領域を通過することなく排出される例を示しており(はずれ時)、図25は、可動入球役物装置30における振り分け動作の結果、遊技球が確定領域を通過し、その後に特定領域を通過して排出される例を示している(当り時)。
また、各図中(A)は特別図柄の変動又は停止の変化を示し、各図中(B)は可動入球役物装置30の作動又は非作動を示している。各図中(C)は各種モータの作動又は非作動を示し、各図中(D)はカウントスイッチ84のON又はOFFの状態を示している。また、図24中(E)は排出検知スイッチ900のON又はOFFの状態を示し、図25中(F)は演出スイッチ800のON又はOFFの状態を示している。また、図25中(G)は特定領域スイッチのON又はOFFの状態を示し、図25中(H)は上昇装置誘導路ソレノイド95の作動又は非作動の状態を示している。
〔はずれ時(振り分け失敗)〕
図24中(A):時刻t0において、特別図柄は変動中の状態である。ここでの特別図柄の変動は、第1特別図柄の変動であるものとする。時刻t0以前から開始された特別図柄の変動は時刻t1にて終了する。そして、時刻t1で特別図柄の変動が終了すると、時刻t1から時刻t2までの時間にわたって特別図柄が停止表示される。ここでの変動は、第1特別図柄による変動であるため、特別図柄は「小当り1」に該当する態様で停止表示される。なお、第2特別図柄による変動であれば、特別図柄は「小当り2」に該当する態様で停止表示される。
図24中(B):時刻t2にて、特別図柄の停止表示時間が経過すると、特別図柄が小当りの態様で停止表示されたことを契機として、可動入球役物装置30が小当り時の作動を行う。なお、可動入球役物装置30が作動状態になるまでには、特別図柄の停止表示が終了した後に多少のタイムラグが発生することもある。
図24中(C):また、時刻t2にて、可動入球役物装置30が小当り時の作動を開始したことを契機として、各種モータ(振分体モータ213、本体部モータ402及びコンベアモータ214のすべてのモータ)が作動を開始する。
図24中(D):可動入球役物装置30が作動状態である間に(時刻t2から時刻t3までの間)に、遊技球が1つ大入賞口30bに入球することで、カウントスイッチ84から検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(1)を付した波形)。
図24中(E):そして、可動入球役物装置30における振り分け動作の結果、遊技球がはずれ孔516に入球すると、遊技球はアウト通路に導かれ、アウト通路に設けられた排出検知スイッチ900から検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(2)を付した波形)。
図24中(C):この場合、可動入球役物装置30に入球した遊技球の個数(入球数)と、可動入球役物装置30から排出された遊技球の個数(排出数)とが一致するため可動入球役物装置30内での遊技は終了となる。このため、各種モータは、非作動状態に制御される。なお、入球数と排出数とが一致しない場合は、可動入球役物装置30内での遊技を継続させたり、所定のエラー処理を行ったりすることができる。
〔当り時(振り分け成功)〕
図25中(A):時刻t0において、特別図柄は変動中の状態である。ここでの特別図柄の変動は、第1特別図柄の変動であるものとする。時刻t0以前から開始された特別図柄の変動は時刻t1にて終了する。そして、時刻t1で特別図柄の変動が終了すると、時刻t1から時刻t2までの時間にわたって特別図柄が停止表示される。ここでの変動は、第1特別図柄による変動であるため、特別図柄は「小当り1」に該当する態様で停止表示される。なお、第2特別図柄による変動であれば、特別図柄は「小当り2」に該当する態様で停止表示される。
図25中(B):時刻t2にて、特別図柄の停止表示時間が経過すると、特別図柄が小当りの態様で停止表示されたことを契機として、可動入球役物装置30が小当り時の作動を行う。
図25中(C):また、時刻t2にて、可動入球役物装置30が小当り時の作動を開始したことを契機として、各種モータ(振分体モータ213、本体部モータ402及びコンベアモータ214のすべてのモータ)が作動を開始する。
図25中(D):可動入球役物装置30が作動状態である間に(時刻t2から時刻t3までの間)に、遊技球が1つ大入賞口30bに入球することで、カウントスイッチ84から検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(1)を付した波形)。ここまでは、はずれ時(振り分け失敗時)の流れと同様である。
図25中(F):そして、可動入球役物装置30における振り分け動作の結果、遊技球が確定領域孔514に入球すると、遊技球は確定領域を通過するため、演出スイッチ800から検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(2)を付した波形)。
図25中(G):次に、可動入球役物装置30における振り分け動作の結果、遊技球がいずれかの特定領域を通過すると、特定領域スイッチから検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(3)を付した波形)。例えば遊技球が第1特定領域を通過した場合を想定すると、第1特定領域スイッチ701から検出信号が主制御CPU72に入力される。
図25中(C):この場合、可動入球役物装置30に入球した遊技球の個数(入球数)と、可動入球役物装置30の内部で特定領域を通過した遊技球の個数(V入賞数)とが一致するため可動入球役物装置30内での遊技は終了となる。このため、各種モータは、非作動状態に制御される。
図25中(H):また、時刻t4にて、上昇装置誘導路ソレノイドが作動状態に制御される。これにより、これ以降のタイミングでは上昇装置610に遊技球が誘導されない状態となる。
図25中(B):そして、いずれかの特定領域スイッチにより遊技球の通過が検出されたことを契機として、可動入球役物装置30が大当り時の作動を行う(時刻t5)。
以上が本実施形態のパチンコ機1による遊技の基本的な流れであるが、特に可動入球役物装置30内で行われる遊技球の振り分け動作の結果(特定領域を通過するか否か)は、その後の遊技の流れに大きく影響する。
そして、この振り分け動作は、遊技球を用いて実行される動作となるため、振り分け動作を実行している最中に不正な振動が加えられると、遊技者に付与される利益も大きく異なったものとなる。例えば、遊技球がはずれ孔516に落下しそうになったときに、遊技台を揺すって遊技球がはずれ孔516に落下することを回避するような不正行為は、公平な遊技を歪めることになる。
ただし、本実施形態のパチンコ機1では、上述したように、1段階目の振り分け動作で成功の結果が得られた場合(遊技球が確定領域を通過した場合)、2段階目の振り分け動作に進むことになるが、2段階目の振り分け動作では、実行される大当りラウンドを決定するための振り分け動作となる。このため、遊技球が確定領域を通過するということは、事実上の大当りが確定することになる。
そして、事実上の大当りが確定した後に振動が発生した場合、遊技者の故意による不正な振動であればその後の大当り遊技を無効にしてもよいが、遊技者の故意でない振動を検出した場合、大当り遊技を一律に無効にすることは、遊技者の利益を極端に損ねるおそれがある。そこで、本実施形態では、以下に示すエラー処理を採用し、遊技者に極端な不利益が生じることを抑止している。
〔エラー処理(その1)〕
図26は、遊技球が演出スイッチを通過する前に振動を検出した場合のエラー処理を示すタイミングチャートである。
ここで、図中(A)は大入賞口ソレノイド90の作動又は非作動を示し、図中(B)はカウントスイッチ84のON又はOFFの状態を示している。図中(C)は演出スイッチ800のON又はOFFの状態を示し、図中(D)は特定領域スイッチのON又はOFFの状態を示している。図中(E)は振動センサ206のON又はOFFの状態を示し、図中(F)は特定領域の有効又は無効を示している。図中(G)は遊技停止機能のON又はOFFの状態を示し、図中(H)は主電源スイッチのON又はOFFを示している。なお、これらの表記は、図27においても同様である。以下、各種のタイミングについて順を追って説明する。
図26中(A):例えば第1特別図柄が「小当り1」に該当する態様で停止表示された場合を想定する。そうすると、時刻t1にて大入賞口ソレノイド90が作動状態となり、所定の開放時間(例えば1秒)の経過後に、時刻t2にて大入賞口ソレノイド90が非作動状態となる。この間は、大入賞口30bが開放状態となるため、可動入球役物装置30の上部付近に向かって遊技球を打ち込むことにより、大入賞口30bを通じて遊技球が可動入球役物装置30に進入することになる。
図26中(F):この場合、大入賞口ソレノイド90が作動状態となったこと、すなわち、可動入球役物装置30が作動を開始したことを契機として、特定領域が有効となる。ここで、特定領域が有効である場合、特定領域スイッチにて遊技球の通過が検出されると、遊技球の検出は有効なものとなり、その後に大当り遊技が実行される。一方、特定領域が無効である場合、特定領域スイッチにて遊技球の通過が検出されても、遊技球の検出は無効なものとなり、その後に大当り遊技は実行されない。
図26中(E):ここで、時刻t3にて遊技者によりパチンコ機1に振動が加えられた場合を想定する。そうすると、振動センサ206により振動が検出され、振動センサ206から検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(2)を付した波形)。
図26中(G):この振動検出は、「遊技球が演出スイッチを通過する前に振動を検出した場合」に該当するため、主制御CPU72は、直ちに遊技停止機能をONにする。
図26中(F):これにより、特定領域は有効状態から無効状態に設定される。したがって、これ以降にいずれかの特定領域スイッチにて遊技球の通過が検出されても、遊技球の検出は無効なものとなり、その後に大当り遊技は実行されない。
図26中(C):可動入球役物装置30における振り分け動作の結果、遊技球が確定領域孔514に入球すると、遊技球は確定領域を通過するため、演出スイッチ800から検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(3)を付した波形;時刻t4)。
図26中(D):また、可動入球役物装置30における振り分け動作の結果、遊技球がいずれかの特定領域を通過すると、特定領域スイッチから検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(4)を付した波形;時刻t5)。例えば遊技球が第1特定領域を通過した場合を想定すると、第1特定領域スイッチ701から検出信号が主制御CPU72に入力される。ただし、この場合、遊技球の検出は無効なものとなる。
図26中(H):そして、時刻t6にて主電源スイッチをONからOFFにし、時刻t7で再び主電源スイッチをONにすることにより、電源断復帰が行われる。この場合、遊技球は特定領域を通過しているが、振動を検出した時点で遊技停止状態がONとなっているため、遊技球が特定領域を通過したという情報は保持されておらず、通常の遊技状態に復帰することになる。
〔エラー処理(その2)〕
図27は、遊技球が演出スイッチを通過した後に振動を検出した場合のエラー処理を示すタイミングチャートである。以下、各種のタイミングについて順を追って説明する。
図27中(A):例えば第1特別図柄が「小当り1」に該当する態様で停止表示された場合を想定する。そうすると、時刻t1にて大入賞口ソレノイド90が作動状態となり、所定の開放時間(例えば1秒)の経過後に、時刻t2にて大入賞口ソレノイド90が非作動状態となる。この間は、大入賞口30bが開放状態となるため、可動入球役物装置30の上部付近に向かって遊技球を打ち込むことにより、大入賞口30bを通じて遊技球が可動入球役物装置30に進入することになる。
図27中(F):この場合、大入賞口ソレノイド90が作動状態となったこと、すなわち、可動入球役物装置30が作動を開始したことを契機として、特定領域が有効となる。
図27中(C):そして、可動入球役物装置30における振り分け動作の結果、遊技球が確定領域孔514に入球したものとする。そうすると、遊技球は確定領域を通過するため、時刻t3にて演出スイッチ800から検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(2)を付した波形)。
図27中(E):ここで、時刻t4にて遊技者によりパチンコ機1に振動が加えられた場合を想定する。そうすると、振動センサ206により振動が検出され、振動センサ206から検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(3)を付した波形)。
図27中(G):この振動検出は、「遊技球が演出スイッチを通過した後に振動を検出した場合」に該当するため、主制御CPU72は、その時点では遊技停止機能をONにしない。
図27中(D):可動入球役物装置30における振り分け動作の結果、遊技球がいずれかの特定領域を通過すると、特定領域スイッチから検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(4)を付した波形:時刻t5)。例えば遊技球が第1特定領域を通過した場合を想定すると、第1特定領域スイッチ701から検出信号が主制御CPU72に入力される。そして、この遊技球の検出は有効なものとなる。
図27中(G):そして、主制御CPU72は、いずれかの特定領域スイッチから検出信号が入力されたことを契機として遊技停止機能をONにする(時刻t5)。
図27中(F):これにより、特定領域は有効状態から無効状態に設定される。したがって、これ以降にいずれかの特定領域スイッチにて遊技球の通過が検出されても、遊技球の検出は無効なものとなる。
図27中(H):そして、時刻t6にて主電源スイッチをONからOFFにし、時刻t7で再び主電源スイッチをONにすることにより、電源断復帰が行われる。この場合、遊技球がいずれかの特定領域を通過した後に遊技を停止しているため、遊技を停止しても遊技球が特定領域を通過したという情報は保持されている(バックアップされている)ことになる。これにより、遊技球が特定領域を通過したという情報はクリアされずにそのまま保持され、結果として、大当り遊技状態に復帰する(大当り遊技が開始される)ことになる。
〔不正処理フロー〕
次に図28は、本実施形態のパチンコ機1による不正処理の流れを一例として示す不正処理フロー図である。
〔F41:始動入賞口への入球〕
遊技球が遊技領域8a内を流下する過程で、左始動入賞口26、中始動入賞口28又は右始動入賞口27のいずれかに入球すると、それぞれの始動入賞口に対応した左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81又は右始動入賞口スイッチ82によって遊技球の通過が検出され、これを契機として特別図柄抽選が行われる。
〔F42:大入賞口開放〕
特別図柄抽選により小当りに該当すると、これを契機として可動入球役物装置30が作動し、大入賞口30bが開放する。
〔F43:振動検出〕
パチンコ機1に振動が加えられると、振動センサ206により振動が検出され、振動センサ206から検出信号が主制御CPU72に入力される。
〔F45:振動検出演出実行〕
振動センサ206からの検出信号に基づき、振動検出演出が実行される。この演出は、演出用表示装置42で不正な振動を検出したことを示す演出を実行したり、スピーカから警報音を出力したりする演出である。
〔F46:演出スイッチ通過判定〕
そしてこの後の処理は、演出スイッチ800の通過前か通過後かで分岐することになる。
すなわち、振動の検出が演出スイッチ800の通過後である場合(F46:Yes)、制御処理は〔F47〕に進む。一方、振動の検出が演出スイッチ800の通過後である場合(F46:No)、制御処理は〔F52〕に進む。
〔F47:特定領域通過〕
振動の検出が演出スイッチ800の通過後である場合(F46:Yes)、主制御CPU72は遊技球が特定領域を通過するまで(V入賞するまで)待機する。このため、特定領域の通過は有効となる(V入賞有効)。
〔F48:遊技停止状態に移行〕
そして、主制御CPU72は遊技球が特定領域を通過した後に遊技停止状態に移行させる。
〔F49:電源断復帰〕
遊技停止状態は、電源断復帰しなければ回復しない状態であるため、主電源スイッチをONからOFFにし、再び主電源スイッチをONにすることにより、電源断復帰が行われる。
〔F50:ラムクリア判定〕
そして、電源断復帰時にラムクリアしなければ(F50:No)、〔F51〕大当り遊技状態に復帰し、電源断復帰時にラムクリアすれば(F50:Yes)、〔F55〕通常遊技状態に復帰することになる。
〔F52:遊技停止状態に移行〕
一方、振動の検出が演出スイッチ800の通過前である場合(F46:No)、主制御CPU72は直ちに遊技停止状態に移行させる。
〔F53:特定領域通過〕
そして、この後に遊技球が特定領域することも想定されるが、既に遊技停止状態に移行しているため、特定領域の通過は無効となる(V入賞無効)。
〔F54:電源断復帰〕
遊技停止状態は、電源断復帰しなければ回復しない状態であるため、主電源スイッチをONからOFFにし、再び主電源スイッチをONにすることにより、電源断復帰が行われる。
〔F55:通常遊技状態に復帰〕
この場合、ラムクリアを実行してもしなくても、特定領域の通過は無効となっているため、通常遊技状態に復帰することになる。
このように、本不正処理フローによれば、振動検出に対する不正処理を遊技状態に応じて効果的に行うことができるため、セキュリティを低下させずに、故意ではない振動検出により遊技者にとって極端な不利益が発生することを抑止することができる。
以上が本実施形態のパチンコ機1による遊技の流れであるが、このような遊技の進行やそれに伴う演出は、上記の主制御装置70及び演出制御装置124を中心とする電子機器によって制御されている。そこで、次に主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図29及び図30は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図30に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(供給電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートバッファをクリアし、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、また、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。なお、特別図柄に対応する変動パターン決定乱数については、必要に応じて発生させることができ、使用しない場合は乱数発生の処理を省略することができる。いずれにしても、これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図32中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図32中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図32)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図31は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図29)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図32は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76の乱数カウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する(入賞検出情報生成手段)。具体的には、左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81又は右始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号や第1特定領域スイッチ701、第2特定領域スイッチ702、第3特定領域スイッチ703又は演出スイッチ800からの通過検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:ここで主制御CPU72は、セキュリティ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の入力処理(ステップS203)でリードした入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)に基づいて、不正な入賞が発生したか否かの判定を行う(入賞正否判定手段)。そして、不正な入賞が発生したと判定した場合、主制御CPU72は不正入賞エラーコマンドを生成し(不正入賞情報生成手段)、不正入賞による入賞検出信号のビットをON→OFFへ書き換える(入賞検出情報消去手段)。また、主制御CPU72は、上記の磁気センサ204や振動センサ206による不正行為の監視を行ったり、過度な入賞が発生しているか否かの判定を行ったりする。なお、セキュリティ管理処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205:主制御CPU72は、遊技停止状態であるか否かを確認する。具体的には、遊技停止フラグがON(遊技停止機能がON)に設定されているか否かを確認する。その結果、遊技停止状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS206からステップS208までの処理を実行せずに、ステップS209以降の処理を行う。一方、遊技停止状態であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS206を実行する。なお、遊技停止フラグは、先のセキュリティ管理処理の中で設定される。
ステップS206:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、不正入賞として消去されずに維持されている信号に基づく処理を行う。例えば、主制御CPU72は左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81又は右始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号や第1特定領域スイッチ701、第2特定領域スイッチ702、第3特定領域スイッチ703又は演出スイッチ800からの通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じてさらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、左始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は第1特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、中始動入賞口スイッチ81から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、主制御CPU72は、左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ81及び右始動入賞口スイッチ82について、いずれのスイッチにて内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したのかを区別するためのスイッチ別入賞コマンドを演出制御CPU126に送信してもよい。
ステップS207:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別遊技管理処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。この特別遊技管理処理では、主制御CPU72は先に述べた特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可動入球役物装置30の作動を制御したりする。なお、特別遊技管理処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,81,82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に対する賞球数コマンドを生成し、これをコマンドバッファに格納する。
ステップS209:主制御CPU72は、モータ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は各種モータ(振分体モータ213、本体部モータ402及びコンベアモータ214等)の回転に関する原点位置を検出し、また、各種モータに対して駆動信号を出力する場合、その駆動信号を対応するポート出力要求バッファに格納する。主制御CPU72は、このモータ管理処理において各モータに対応する回転パターンに基づく駆動信号を生成する。なお、モータ管理処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS210:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報、セキュリティエラー情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理することが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS211:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、特別図柄遊技管理状態、大当り中等)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS212:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別遊技管理処理(ステップS207)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示等を行う態様)で駆動されることになる。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS213:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS210)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている大入賞口ソレノイド90の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS214:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS215:そして主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS207〜ステップS214の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS216:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS217,ステップS218:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔セキュリティ管理処理〕
図33は、割込管理処理の中で実行されるセキュリティ管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿ってセキュリティ管理処理の内容を説明する。
ステップS220:先ず主制御CPU72は、不正入賞検出処理を実行する。この処理では、先の入力処理でリードした入賞検出信号の入力状態が「ON」のものについて、不正入賞に該当するか否かを判定する。具体的には、可動入球役物装置30に係る一連の動作中及び動作終了後から所定時間(例えば5秒程度)が経過するまでの期間以外に大入賞口30bへの入賞が発生した場合、不正入賞に該当すると判定することができる。主制御CPU72は、不正入賞に該当すると判定した場合、主制御CPU72は不正入賞カウンタの値を1加算する。
そして、上記の不正入賞エラーの発生について割込周期ごとに判定を行い、不正入賞カウンタの値が規定値(例えば5個)に達すると、主制御CPU72は内部情報として不正入賞エラーフラグをON(=1)にする。これにより、パチンコ機1において「不正入賞エラー」が発生することになる。
ステップS222:次に主制御CPU72は、磁気検出処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の磁気センサ204からの検出信号に基づいて不正行為(いわゆる「磁石ゴト」)の有無を判断する。その結果、不正行為に相当する程度の磁束が検出された場合、主制御CPU72はセキュリティエラーフラグをON(=1)にする。これにより、パチンコ機1においてその他の「セキュリティエラー」が発生することになる。
ステップS224:また、主制御CPU72は、振動検出処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の振動センサ206からの検出信号に基づいて不正行為(いわゆる「ドツキゴト」)の有無を判断する。その結果、不正行為と認められる程度の振動が検出された場合、主制御CPU72は同じくセキュリティエラーフラグをONにする。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS226:次に主制御CPU72は、入賞超過検出処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は一定時間(例えば1分間)あたりの入賞発生回数をカウントし、不正行為に相当する程度の入賞超過が発生しているか否かを判断する。入賞超過と判断した場合、主制御CPU72は同じくセキュリティエラーフラグをONにする。
ステップS230:そして主制御CPU72は、上記の「不正入賞エラーフラグ」や「セキュリティエラーフラグ」の値をチェックする。いずれかのエラーフラグがON(=1)にセットされた場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS232を実行する。なお、いずれのエラーフラグもONにセットされなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS232を実行しない。
ステップS232:この場合、主制御CPU72はエラーコマンド処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124(演出制御CPU126)に対して送信するエラーコマンド(エラー状態指定コマンド)を生成し、その値をコマンド送信バッファに転送する。なお、エラーコマンドは、発生したエラー別に異なる値をセットすることができる。例えば、「不正入賞エラーフラグ」がONの場合は「不正入賞エラー」として識別可能な値をエラーコマンドにセットし、「セキュリティエラーフラグ」がONの場合は「セキュリティエラー」として識別可能な値をエラーコマンドにセットする。なお、ここで生成されたエラーコマンドは、この後の演出制御出力処理(図32中のステップS214)で演出制御装置124に送信される。
ステップS234:また、主制御CPU72は、ここで不正入賞マスク処理を実行する。この処理では、先の不正入賞検出処理(ステップS220)で不正入賞エラーと判定した入賞検出信号をONからOFFに書き換える。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は割込管理処理に復帰する。
〔振動検出処理〕
図34は、上記の振動検出処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS250:先ず主制御CPU72は、振動センサ206により特定の振動(例えば一定の閾値以上の振動)が検出されたか否かを確認する。特定の振動としている理由は、不正行為には至らない僅かな振動を除外するためである。
その結果、特定の振動が検出されたことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS252を実行し、特定の振動が検出されたことを確認できない場合(No)、主制御CPU72はセキュリティ管理処理(図33)に復帰する。
ステップS252:主制御CPU72は、振動検出コマンドを生成する。この振動検出コマンドは、特定の振動が検出された場合に、演出用表示装置42にてエラー教示演出を実行するためのコマンドである。ここで生成された振動検出コマンドは、演出制御出力処理(図32中のステップS214)で演出制御装置124に送信される。
ステップS254:主制御CPU72は、特定の振動を検出したタイミングが、演出スイッチ通過後であるか否かを確認する。具体的には、確定領域通過フラグがONに設定されていれば演出スイッチ通過後であると判断し、演出スイッチ通過フラグがONに設定されていなければ演出スイッチ通過前であると判断する。
その結果、演出スイッチ通過後であると判断した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS256を実行し、演出スイッチ通過前であると判断した場合(No)、主制御CPU72はステップS258を実行する。
ステップS256:主制御CPU72は、遊技球がいずれかの特定領域を通過したか否かを判断する。具体的には、いずれかの特定領域通過フラグがONに設定されていれば遊技球がいずれかの特定領域を通過したものと判断する。
その結果、遊技球がいずれかの特定領域を通過したと判断した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS258を実行し、遊技球が未だいずれの特定領域も通過していないと判断した場合(No)、セキュリティ管理処理(図33)に復帰する。この判断処理により、主制御CPU72は遊技球がいずれかの特定領域を通過するまで、ステップS256(No)の制御ルートを繰り返し実行することになる。
ステップS258:主制御CPU72は、遊技停止状態に移行させる(遊技停止手段)。具体的には、遊技停止フラグをONにすることにより、遊技停止機能をONにする。
以上の処理を終了すると、制御処理は、セキュリティ管理処理(図33)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図35は、スイッチ入力イベント処理(図32中のステップS206)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS11:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する左始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS13に進む。
ステップS13:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS14に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS15に進む。
ステップS15:主制御CPU72は、大入賞口30bに対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は可動入球役物装置30に入球した遊技球の数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS17に進む。
ステップS17:主制御CPU72は、可動入球役物装置30の内部に設けられた確定領域に対応する演出スイッチ800から検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS18に進んで確定領域通過フラグをONにセットする。確定領域通過フラグはRAM76に記憶されており、確定領域通過フラグがONにセットされると、遊技球が確定領域を通過したことを示している。なお、確定領域通過フラグは大当り遊技の終了後にOFFにセットされる。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS19に進む。
ステップS19:主制御CPU72は、可動入球役物装置30の内部に設けられた各特定領域に対応する特定領域スイッチから検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで特定領域通過フラグをONにセットする。なお、第1特定領域スイッチ701から検出信号が入力された場合は第1特定領域通過フラグをONにセットし、第2特定領域スイッチ702から検出信号が入力された場合は第2特定領域通過フラグをONにセットし、第3特定領域スイッチ703から検出信号が入力された場合は第3特定領域通過フラグをONにセットする。また、各特定領域通過フラグはRAM76に記憶されており、特定領域通過フラグがONにセットされると、遊技球がいずれかの特定領域を通過したことを示している。なお、特定領域通過フラグは大当り遊技の終了後にOFFにセットされる。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図32)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶処理〕
図36は、第1特別図柄記憶処理の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶処理について、手順例に沿って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は特別図柄について作動記憶があるか否かを確認する。作動記憶の有無についての確認は、第1特別図柄及び第2特別図柄の両方について行い、いずれかの特別図柄に作動記憶があれば、特別図柄について作動記憶があると判断する。本実施形態では、特別図柄に2個以上の作動記憶を設けていないため、ここでは例えば、既にRAM76の乱数記憶領域に転送済みの大当り決定乱数(1個)があれば、主制御CPU72は特別図柄について作動記憶があると判断する(Yes)。既に作動記憶がある状態であれば(Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図35)に復帰する。一方、作動記憶が特にない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS32に進む。なお、制御プログラムの構成上、ここで特別図柄作動記憶数カウンタ(上限数1個)を用いることとしてもよい。この場合、主制御CPU72は特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が1である場合は作動記憶があると判断する(Yes)。また、作動記憶数が1でなければ(=0)、主制御CPU72は作動記憶がないと判断する(No)。
ステップS32:先のステップS30で作動記憶がないと判断した場合(ステップS30:No)、主制御CPU72は、上記のサンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビットのデータバス幅を有する場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値をリードすると、これを大当り決定乱数として転送先(乱数記憶領域)のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、例えば変動パターン決定乱数を取得する。この乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスから変動パターン決定乱数を取得すると、これを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS36:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域(この時点で空き状態)に転送し、これら乱数をセットで記憶させる。
ステップS38:そして主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、例えば始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信する設定を行うためのものである。
以上の手順を終えるか、もしくは特別図柄作動記憶が既にあった場合(ステップS30:Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図35)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶処理〕
図37は、第2特別図柄記憶処理の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶処理について、手順例に沿って説明する。
ステップS40:ここでは先ず、主制御CPU72は特別図柄について作動記憶があるか否かを確認する。作動記憶の有無についての確認は、第1特別図柄及び第2特別図柄の両方について行い、いずれかの特別図柄に作動記憶があれば、特別図柄について作動記憶があると判断する。本実施形態では、特別図柄に2個以上の作動記憶を設けていないため、ここでは例えば、既にRAM76の乱数記憶領域に転送済みの大当り決定乱数(1個)があれば、主制御CPU72は特別図柄について作動記憶があると判断する(Yes)。既に作動記憶がある状態であれば(Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図35)に復帰する。一方、作動記憶が特にない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS42に進む。
ステップS42:先のステップS40で作動記憶がないと判断した場合(ステップS40:No)、主制御CPU72は、上記のサンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビットのデータバス幅を有する場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値をリードすると、これを大当り決定乱数として転送先(乱数記憶領域)のアドレスにセーブする。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関する乱数値として、例えば変動パターン決定乱数を取得する。この乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスから変動パターン決定乱数を取得すると、これを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS46:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数を第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域(この時点で空き状態)に転送し、これら乱数をセットで記憶させる。
ステップS48:そして主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、例えば始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信する設定を行うためのものである。
以上の手順を終えるか、もしくは特別図柄作動記憶が既にあった場合(ステップS40:Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図35)に復帰する。
〔特別遊技管理処理〕
次に、特別遊技管理処理の詳細について説明する。図38は、特別遊技管理処理の構成例を示すフローチャートである。特別遊技管理処理は、特別遊技制御モジュール選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動開始待ち処理(ステップS1500)、特別図柄変動中処理(ステップS2000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS2500)、役物装置作動開始待ち処理(ステップS3000)、小当り時役物装置開放処理(ステップS3500)、小当り時役物装置閉鎖処理(ステップS4000)、小当り時役物装置作動終了処理(ステップS4500)、大当り時役物装置作動開始処理(ステップS5000)、大当り時役物装置開放処理(ステップS5500)、大当り時役物装置閉鎖処理(ステップS6000)、大当り時役物装置作動終了処理(ステップS6500)、残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000)及びソレノイド制御処理(ステップS7500)のサブルーチン群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別遊技管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:特別遊技制御モジュール選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS1500〜ステップS6500のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000)のプログラムアドレスを「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動開始待ち処理(ステップS1500)を選択する。一方、既に特別図柄変動開始待ち処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS2000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS2500)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。
また、上記のように主制御CPU72が次のジャンプ先を選択するにあたり、現在までの処理の進行状況は「特別遊技管理ステータス」の値で表されている。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば、主制御CPU72は現在までの「特別遊技管理ステータス」の値を「00H」として設定している。一方、既に特別図柄変動開始待ち処理が完了していれば、主制御CPU72は現在までの「特別遊技管理ステータス」の値を「01H」に設定し、特別図柄変動中処理まで完了していれば、現在までの「特別遊技管理ステータス」の値を「02H」に設定するといった具合である。なお、このような「特別遊技管理ステータス」の値の設定についてはさらに後述する。いずれにしても、主制御CPU72は特別遊技制御モジュール選択処理において「特別遊技管理ステータス」の値を参照し、その時点でジャンプ先となる処理(ステップS1500〜ステップS6500のいずれか)を選択することができる。
なお、特別遊技制御モジュール選択処理(ステップS1000)でジャンプ先として選択されるのは、上記のようにステップS1500〜ステップS6000までであり、残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000)及びソレノイド制御処理(ステップS7500)はいずれも毎回の割り込みで実行される。
ステップS1500:上記のように「特別遊技管理ステータス」の値が「00H」である場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において特別図柄変動開始待ち処理を実行する。この特別図柄変動開始待ち処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。例えば主制御CPU72は特別図柄作動記憶数がない場合、特別図柄の当り決定乱数及び当り図柄乱数の記憶を共通記憶領域に保存する。また、主制御CPU72は、共通記憶領域に保存した当り決定乱数を当り値と比較し、当り判定を行う。なお、本実施形態では、特別図柄抽選の当り確率(いわゆる小当り確率)が1であるため、このときの当り判定は確認的な処理となる。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS2000:「特別遊技管理ステータス」の値が「01H」である場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において特別図柄変動中処理を実行する。この特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、2つある7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。この後、変動タイマのカウントが0になると、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「02H」に更新する。
ステップS2500:「特別遊技管理ステータス」の値が「02H」に更新された場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において特別図柄停止表示中処理を実行する。この特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止表示タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、2つある7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。なお、このとき特別図柄の停止表示態様は、先の特別図柄変動開始待ち処理で決定された当選種類に対応している。この後、停止表示タイマのカウントが0になると、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「03H」に更新する。
ステップS3000:「特別遊技管理ステータス」の値が「03H」に更新された場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において役物装置作動開始待ち処理を実行する。この役物作動開始待ち処理では、主制御CPU72は特別遊技タイマとして大入賞口開放開始タイマのカウントダウンを実行する。なお、大入賞口開放開始タイマのカウント時間は、上述した可動入球役物装置30(大入賞口)の開放開始を遊技者に意識させるために必要な演出時間(例えば数秒間)に基づいて設定されている。この後、大入賞口開放開始タイマのカウントが0になると、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「04H」に更新する。
ステップS3500:「特別遊技管理ステータス」の値が「04H」に更新された場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において小当り時役物装置開放処理を実行する。この小当り時役物装置開放処理では、主制御CPU72は可動入球役物装置30の開放動作を制御する。具体的には、主制御CPU72は大入賞口初回開放タイマをカウントしつつ、大入賞口30bから入賞した遊技球の個数をカウントし、大入賞口ソレノイド90に対する駆動信号を設定する。これにより、可動入球役物装置30の開放及び閉鎖の動作が行われる。また、可動入球役物装置30を開放した後に閉鎖する場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「05H」に更新する。なお、小当り時役物装置開放処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS4000:「特別遊技管理ステータス」の値が「05H」に更新された場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において小当り時役物装置閉鎖処理を実行する。この小当り時役物装置閉鎖処理では、主制御CPU72は可動入球役物装置30の閉鎖に伴う各種の内部処理を実行する。各種の内部処理には、例えば可動入球役物装置30の開放時に入賞した遊技球の排出完了を確認したり、特定領域通過の有無を確認したりする処理が含まれる。これら処理を終了する場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「06H」に更新する。なお、小当り時役物装置閉鎖処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、主制御CPU72は、この小当り時役物装置閉鎖処理において、遊技球がいずれかの特定領域を通過したことを検出した場合、大当りフラグに値(01H)をセットし、大当り種別コマンドを設定する。合わせて主制御CPU72は、通過した特定領域の種類に応じて、3ラウンド大当り、7ラウンド大当り、16ラウンド大当り等の情報が含まれた大当り種別コマンドを生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図32中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:「特別遊技管理ステータス」の値が「06H」に更新された場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理において小当り時役物装置作動終了処理を実行する。この小当り時役物装置作動終了処理では、主制御CPU72は可動入球役物装置30の作動終了に伴う各種の内部処理を実行する。各種の内部処理には、例えば可動入球役物装置30の作動終了を確定させるエンディング時間の経過を確認したり、大当り状態移行コマンドを設定したりする処理が含まれる。ここで大当り状態移行コマンドを設定する場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「07H」に更新する。一方、大当り状態移行コマンドを設定しない場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」を初期値の「00H」に復帰させる。なお、小当り時役物装置作動終了処理の詳細についても、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS5000:大当り時役物装置作動開始処理は、先の小当り時役物装置作動終了処理において「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」に更新された場合に実行される。この大当り時役物装置作動開始処理では、主制御CPU72は可動入球役物装置30を再度作動させる際の前処理を実行する。すなわち、主制御CPU72は特別遊技タイマとして大当り開始待ち時間タイマのカウントダウンを実行し、タイマのカウントが0になると、可動入球役物装置30の作動条件(実行ラウンド数、ラウンドごとの開放時間及び開放回数、インターバル時間等)を設定する。また、主制御CPU72は、「特別遊技管理ステータス」の値を「08H」に更新する。以後、大当り遊技中は遊技の進行状況に応じて「特別遊技管理ステータス」の値が「08H」〜「0BH」まで更新され、そのときの値に応じてステップS5500〜ステップS6500が実行されることになる。また、大当り時役物装置作動開始処理の詳細については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS5500:「特別遊技管理ステータス」の値が「08H」に更新された場合、主制御CPU72は大当り時役物装置開放処理を実行する。この大当り時役物装置開放処理では、主制御CPU72は可動入球役物装置30の開閉動作を制御する。これにより、大当り遊技の1ラウンド分が実行されることになる。1ラウンド分の大当り遊技を終了して可動入球役物装置30を閉鎖する場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「09H」に更新する。大当り時役物装置開放処理の詳細についても、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS5550:「特別遊技管理ステータス」の値が「09H」に更新されると、主制御CPU72は次の役物装置大当り時閉鎖有効処理を実行する。この役物装置大当り時閉鎖有効処理では、主制御CPU72は大入賞口閉鎖有効時間タイマのカウントダウンを実行し、タイマのカウントが0になると、「特別遊技管理ステータス」の値を「0AH」に更新する。なお、この処理は可動入球役物装置30の開放から閉鎖に伴う時間を調整するために実行されるものである。
ステップS6000:「特別遊技管理ステータス」の値が「0AH」に更新されると、主制御CPU72は次の大当り時役物装置閉鎖処理を実行する。この大当り時役物装置閉鎖処理では、主制御CPU72は可動入球役物装置30の閉鎖完了に伴う内部処理を実行する。この内部処理において、主制御CPU72はこれまでに実行したラウンド数を確認し、実行済みのラウンド数が設定したラウンド数(連続作動回数)に達していなければ「特別遊技管理ステータス」の値を「08H」に復帰させる。この場合、次回の特別遊技制御モジュール選択処理(ステップS1000)において先の大当り時役物装置開放処理(ステップS5500)が再度選択されることになる。一方、既に実行済みのラウンド数が設定したラウンド数に達した場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「0BH」に更新する。なお、大当り時役物装置閉鎖処理の詳細については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS6500:「特別遊技管理ステータス」の値が「0BH」に更新された場合、主制御CPU72は大当り時役物装置作動終了処理を実行する。この大当り時役物装置作動終了処理では、主制御CPU72は大当りエンディング時間タイマのカウントダウンを実行する。タイマのカウントが0になると、「特別遊技管理ステータス」を初期値の「00H」に復帰させる(ステップS5000〜S6500:特別遊技実行手段)。これにより、以後は特別図柄の変動(又は作動記憶数の追加)が可能な状態となる。なお、大当り時役物装置作動終了処理の詳細についても、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
また、主制御CPU72は、以下の手順を「特別遊技管理ステータス」の値にかかわらず実行する。
ステップS7000:主制御CPU72は、残存球エラーコマンド設定処理を実行する。この残存球エラーコマンド設定処理では、主制御CPU72は、可動入球役物装置30の作動終了後に排出球不足エラーの監視を行うとともに、排出球不足エラー時の報知用コマンドを設定する。主制御CPU72は、例えば「特別遊技管理ステータス」の値が「04H」に更新されてから、次に「05H」に更新されるまでの間にカウントした入賞球数と、排出時間内にカウントした排出球数とが一致するかを確認する。その結果、入賞球数と排出球数とが一致する場合は排出球不足状態フラグをリセット(00H)し、この処理を終了する。これに対し、両者が一致しない場合、主制御CPU72は排出球不足状態フラグをセット(01H)し、排出球不足エラー状態コマンドを設定する。ここで設定した排出球不足エラー状態コマンドは、演出制御出力処理(図32中のステップS214)で演出制御装置124に送信される。
ステップS7500:主制御CPU72は、ソレノイド制御処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上昇装置誘導路ソレノイド95の作動状態(ON又はOFF)を制御する。また、主制御CPU72は、特にこの処理において大当り遊技中の排出処理を実行することができる。ソレノイド制御処理の詳細については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
〔特別遊技進行状況〕
図39は、特別遊技管理処理の実行に伴い変化していく「特別遊技管理ステータス」の値と、それぞれの値に対応した特別遊技の進行状況を一覧にして示した図である。本実施形態において特別遊技(特別図柄に対応する遊技)は、例えば(1)「特別図柄変動待ち状態」を初期状態として開始される。そこから左始動入賞口26、中始動入賞口28又は右始動入賞口27のうちいずれかの始動口に遊技球が入球すると、これを契機として特別遊技の進行状況は次の(2)「特別図柄変動表示中状態」に遷移し、さらに(3)「特別図柄停止図柄表示中状態」を経て(4)「小当り時役物装置作動開始演出中状態」に進み、(5)「小当り時役物装置開放状態」、(6)「小当り時役物装置開放後閉鎖状態」、(7)「小当り時役物装置作動終了演出中状態」へと遷移していく。
このとき、可動入球役物装置30(役物装置)内で特定領域の通過(V入賞)が発生しなかった場合、特別遊技の進行状況は(1)「特別図柄変動待ち状態」に戻り、そこから繰り返しとなる。一方、(5)「小当り時役物装置開放状態」以降に可動入球役物装置30(役物装置)内で特定領域の通過(V入賞)が発生すると、特別遊技の進行状況は(8)大当り開始演出中状態に遷移し、そこから(9)「大当り時役物装置開閉動作中状態」、(10)「大当り時役物装置開放後閉鎖状態」、(11)「大当り時役物装置閉鎖時間中状態」、(12)「大当りエンディング演出中状態」へと遷移していく。そして(12)「大当りエンディング演出中状態」まで終了すると、特別遊技の進行状況は(1)「特別図柄変動待ち状態」に戻り、そこから繰り返しとなる。以下、より具体的に説明する。
(1)「特別図柄変動待ち状態」
パチンコ機1による遊技の開始初期において、特別遊技の進行状況は(1)「特別図柄変動待ち状態」にある。この状態は、特別図柄の始動条件が満たされていることを意味し、例えば特別図柄が変動中でなく、前回の変動表示が行われた場合は特別図柄の停止表示が既に確定している。この状態で、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「00H」に設定しており、特別遊技管理処理において特別図柄変動開始待ち処理(ステップS1500)が選択される。
(2)「特別図柄変動表示中状態」
上記の(1)「特別図柄変動待ち状態」で左始動入賞口26、中始動入賞口28又は右始動入賞口27のうちいずれかの始動口に遊技球が入球した場合、特別図柄の変動表示が開始されて進行状況が(2)「特別図柄変動表示中状態」に遷移する。この状態は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35において特別図柄が変動表示中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「01H」に設定しており、特別遊技管理処理において特別図柄変動中処理(ステップS2000)が選択される。
(3)「特別図柄停止図柄表示中状態」
特別図柄の変動時間が経過して特別図柄が停止表示されると、進行状況が(3)「特別図柄停止図柄表示中状態」に遷移する。この状態は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35において特別図柄が停止表示中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「02H」に設定しており、特別遊技管理処理において特別図柄停止表示中処理(ステップS2500)が選択される。
(4)「小当り時役物装置作動開始演出中状態」
特別図柄の停止表示時間が経過することにより特別図柄の停止表示が確定すると、進行状況が(4)「小当り時役物装置作動開始演出中状態」に遷移する。この状態は、特別図柄の当選(小当りに該当)を契機とした可動入球役物装置30の作動開始待ちであることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「03H」に設定しており、特別遊技管理処理において役物装置作動開始待ち処理(ステップS3000)が選択される。
(5)「小当り時役物装置開放状態」
可動入球役物装置30が作動すると、進行状況が(5)「小当り時役物装置開放状態」に遷移する。この状態は、可動入球役物装置30の作動に伴う大入賞口30bの開放中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「04H」に設定しており、特別遊技管理処理において小当り時役物装置開放処理(ステップS3500)が選択される。また、主制御CPU72は、「特別遊技管理ステータス」の値が「04H」に更新されたことを契機として、モータ管理処理(図32中のステップS209)においてモータの駆動制御を開始する。
(6)「小当り時役物装置開放後閉鎖状態」
大入賞口30bが閉止されると、進行状況が(6)「小当り時役物装置開放後閉鎖状態」に遷移する。この状態は、可動入球役物装置30において大入賞口30bの閉止中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「05H」に設定しており、特別遊技管理処理において小当り時役物装置閉鎖処理(ステップS4000)が選択される。
(7)「小当り時役物装置作動終了演出中状態」
大入賞口30bの閉止後、さらに進行状況が(7)「小当り時役物装置作動終了演出中状態」に遷移する。この状態は、可動入球役物装置30内での遊技球の振り分け動作を用いた遊技を終了させる期間にあることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「06H」に設定しており、特別遊技管理処理において小当り時役物装置作動終了処理(ステップS4500)が選択される。なお、可動入球役物装置30内で特定領域の通過(V入賞)が発生しなかった場合、進行状況は(1)「特別図柄変動待ち状態」に復帰する。
(8)「大当り開始演出中状態」
可動入球役物装置30内で特定領域の通過(V入賞)が発生すると、進行状況は(8)「大当り開始演出中状態」に遷移する。この状態は、再度の可動入球役物装置30の作動開始待ち期間であることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「07H」に設定しており、特別遊技管理処理において大当り時役物装置作動開始処理(ステップS5000)が選択される。
(9)「大当り時役物装置開閉動作中状態」
可動入球役物装置30が再び作動を開始すると、進行状況は(9)「大当り時役物装置開閉動作中状態」に遷移する。この状態は、大入賞口30bの開放中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「08H」に設定しており、特別遊技管理処理において大当り時役物装置開放処理(ステップS5500)が選択される。
(10)「大当り時役物装置開放後閉鎖状態」
可動入球役物装置30により大入賞口が閉止されると、進行状況は(10)「大当り時役物装置開放後閉鎖状態」に遷移する。この状態は、ラウンドの終了に伴い大入賞口が閉止された直後の状態であることを意味する。このとき主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「09H」に設定しており、特別遊技管理処理において役物装置大当り時閉鎖有効処理(ステップS5550)が選択される。
(11)「大当り時役物装置閉鎖時間中状態」
可動入球役物装置30の閉止後、進行状況は(11)「大当り時役物装置閉鎖時間中状態」に遷移する。この状態は、ラウンド終了後の待機状態(ラウンド間インターバル)にあることを意味する。このとき主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「0AH」に設定しており、特別遊技管理処理において大当り時役物装置閉鎖処理(ステップS6000)が選択される。なお、大当り中のラウンド数を全て消化していない場合、この後の進行状況は(9)「大当り時役物装置開閉動作中状態」に復帰する。
(12)「大当りエンディング演出中状態」
大当り最終ラウンド終了後の待機時間が経過すると、進行状況は(12)「大当りエンディング演出中状態」に遷移する。この状態は、大当りエンディング演出状態にあることを意味する。このとき主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「0BH」に設定しており、特別遊技管理処理において大当り時役物装置作動終了処理(ステップS6500)が選択される。
以上のように、特別遊技管理処理(図38)において主制御CPU72は、特別遊技の進行状況の変化に応じて「特別遊技管理ステータス」の値を「00H」〜「0BH」に変化させ、そのときの進行状況に応じた特別遊技制御モジュールを選択することができる。また、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスの値を更新した場合、その値を反映させた特別遊技管理ステータスコマンドを生成する。特別遊技管理ステータスコマンドは、演出制御出力処理(図32中ステップS214)において演出制御装置124に送信される。
〔特別図柄変動開始待ち処理〕
図40は、特別図柄変動開始待ち処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図32中のステップS214)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、先ず主制御CPU72は、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を読み出す。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存され、乱数記憶領域からは作動記憶が消去(消費)される。次に主制御CPU72は、大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。ここで、各始動入賞口への入球を契機として直接的に大当り遊技が実行される当り(いわゆる直当り、直撃当り)を設ける場合は本処理が必要となるが、直当りを設定しなければ本処理を省略してもよい。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は大当り遊技を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に可動入球役物装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。そして、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。ただし、本実施形態では小当り確率を1に設定しているため、以下のステップS2404及びステップS2405が実行されることはない。ただし、小当り確率を完全な1ではなく、「略1」に設定している場合は稀に非当選となる場合もあるため、以下のステップS2404及びステップS2405が実行される。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図32中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。第1主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
ここで、本実施形態では特別図柄の当選種別として「小当り1」と「小当り2」の2種類が設けられており、主制御CPU72は、いずれの当選種別に該当するかを決定する。具体的には、第1特別図柄に基づく抽選である場合、「小当り1」に該当するものと決定し、第2特別図柄に基づく抽選である場合、「小当り2」に該当するものと決定する。なお、ここで決定した当り時停止図柄(「小当り1」又は「小当り2」)に基づいて、可動入球役物装置30の可動片30aの開放回数が決定されることになる。
ただし、本実施形態では特別図柄抽選での当選がそのまま大当りではなく、あくまで可動入球役物装置30の開放契機(=小当り)であり、実際に大当りに進むためには(再び可動入球役物装置30を開放させるためには)、可動入球役物装置30内でいずれかの特定領域に遊技球を通過させる必要がある。
〔小当り時の当選図柄〕
そして、本実施形態では、小当り時の当選図柄として2種類の図柄が用意されており、具体的な図柄は、1回開放の「小当り図柄1」と、2回開放の「小当り図柄2」とである。
〔第1特別図柄停止図柄選択テーブル〕
図41は、第1特別図柄停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の抽選結果が第1特別図柄に対応する場合、本テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、振分値に対応する「小当り図柄1」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する当り時には、「小当り図柄1」が選択される割合は100分の100(=100%)である。したがって、第1特別図柄での当選時には100%の割合で、「小当り図柄1」が選択されることになる。
今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため、今回の当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「小当り図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔第2特別図柄停止図柄選択テーブル〕
図42は、第2特別図柄停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の抽選結果が第2特別図柄に対応する場合、本テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、振分値に対応する「小当り図柄2」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する当り時においては、「小当り図柄2」が選択される割合は100分の100(=100%)である。したがって、第2特別図柄についても、当選時には100%の割合で、「小当り図柄2」が選択されることになる。
今回の抽選結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の小当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の小当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「小当り図柄2」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔図40:特別図柄変動開始待ち処理参照〕
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン決定手段、変動時間決定手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「01H」に更新し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔小当り時役物装置開放処理〕
図43は、小当り時役物装置開放処理(図38中のステップS3500)の手順例を示すフローチャートである。上記のように小当り時役物装置開放処理は、特別遊技管理処理において特別図柄の変動表示が行われ、特別図柄が小当り(当選確率1/1)の態様で停止表示された後、役物装置作動開始待ち処理(図38中のステップS3000)による大入賞口開放開始タイマのカウントダウンを経て実行される。この場合、「特別遊技管理ステータス」の値は「04H」に更新されている。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS3501:小当り時役物装置開放処理において先ず主制御CPU72は、大入賞口ソレノイドONフラグをセットする。このフラグは、例えばRAM76のフラグセット領域に格納される。
ステップS3502:次に主制御CPU72はスイッチ入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はカウントスイッチ84からの入賞検出信号に基づき、可動入球役物装置30(大入賞口30b)への入賞球数カウンタを更新する。入賞球数カウンタの値は、例えばRAM76のカウント数領域に記憶されている。また、スイッチ入力処理においては、主制御CPU72は排出検知スイッチ900及び各特定領域スイッチからの各検出信号も合わせて確認する。なお、本モジュールを最初に呼び出した時点で大入賞口ソレノイド90は非作動であり、大入賞口30bは未だ開放していないので、初回に入賞球数カウンタが加算されることはない。
ステップS3504:次に主制御CPU72は、入賞球数カウンタの値が最大個数(例えば5個)に達したか否かを確認する。上記のように本モジュールの初回呼び出し時にカウンタは加算されていないので(No)、主制御CPU72は次にステップS3506に進む。
ステップS3506:この場合、初回開放タイマカウントダウン処理を実行する。なお、本モジュールの初回呼び出し時であれば、主制御CPU72はここで初回開放タイマを初期値(例えば1秒)に設定する。また、初回以降の呼び出し時であれば、主制御CPU72は設定済みの初回開放タイマの値をデクリメントする。
ステップS3508:そして主制御CPU72は、大入賞口初回開放時間が終了したか否かを確認する。初回開放タイマの値が0よりも大きい値である場合(No)、主制御CPU72はステップS3514に進む。
ステップS3514:この場合、主制御CPU72はRAM76のフラグセット領域から大入賞口ソレノイドONフラグを読み込み、その値に基づいて大入賞口ソレノイド90の制御信号として「作動(ON)」を設定する。これにより、大入賞口ソレノイド90が励磁されて大入賞口30bが開放された状態となる。
そして、次回以降に本モジュールが呼び出され、実際に大入賞口30bへの入賞が発生すると、スイッチ入力処理(ステップS3502)において入賞球数カウンタの値が加算されることになる。
入賞球数カウンタの値が最大個数に達するか(ステップS3504:Yes)、もしくは初回開放タイマの値が0になった場合(ステップS3508:Yes)、主制御CPU72は次にステップS3509を実行する。
ステップS3509:この場合、主制御CPU72は大入賞口ソレノイドOFFフラグをセットする。これにより、RAM76のフラグセット領域にセットされていたONフラグがOFFフラグに書き換えられる。
ステップS3510:そして主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「05H」に設定する。これにより、次回以降の本モジュールの呼び出しはされなくなり、特別遊技進行状況が次段階へ以降することになる。ただし、第2特別図柄での抽選で「小当り2」に該当した場合、大入賞口30bは2回開放されることになるため、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を再度「04H」に設定する。これにより、もう一度、本モジュールでの一連の処理が実行されることになる。
ステップS3512:また、主制御CPU72は、役物装置閉鎖コマンドを設定する。このコマンドは、可動入球役物装置30の閉鎖を演出制御装置124(演出制御CPU126)に通知するためのものである。ここで設定されたコマンドは、演出制御出力処理(図32中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
ステップS3514:主制御CPU72は、RAM76のフラグセット領域にセットされている大入賞口ソレノイドOFFフラグの値に基づき、大入賞口ソレノイド90の制御信号として「非作動(OFF)」を設定する。これにより、大入賞口ソレノイド90の励磁が停止されて大入賞口30bが閉鎖された状態となる。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000)のプログラムアドレスに復帰する。また、上記のように、これ以降は「特別遊技管理ステータス」の値が「05H」に更新されているため、ひとまず(次回の特別図柄変動まで)本モジュールの呼び出しはされなくなる。
〔小当り時役物装置閉鎖処理〕
次に図44は、小当り時役物装置閉鎖処理(図38中のステップS4000)の手順例を示すフローチャートである。上記のように小当り時役物装置閉鎖処理は、「特別遊技管理ステータス」の値が「05H」に更新された場合に実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS4002:先ず主制御CPU72は、スイッチ入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主に排出検知スイッチ900からの検出信号を確認し、排出球数カウンタの値を加算する。排出球数カウンタの値は、例えばRAM76のカウント数領域に格納されている。また、主制御CPU72は、この処理において第1特定領域スイッチ701、第2特定領域スイッチ702、第3特定領域スイッチ703からの通過検出信号の有無を確認する。各特定領域スイッチの有効時間内に通過検出信号が入力された場合、ここで主制御CPU72は大当りフラグの値(01H)をセットする。
また、主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)をセットした場合、大当り種別ステータスの値もセットする。具体的には、第1特定領域スイッチ701から通過検出信号が入力された場合、大当り種別ステータスに「01H」をセットし、第2特定領域スイッチ702から通過検出信号が入力された場合、大当り種別ステータスに「02H」をセットし、第3特定領域スイッチ703から通過検出信号が入力された場合、大当り種別ステータスに「03H」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り種別ステータスの値を設定した場合、その値を反映させた大当り種別コマンドを生成する。大当り種別コマンドは、演出制御出力処理(図32中ステップS214)において演出制御装置124に送信される。これを受けて演出制御装置124(演出制御CPU126)は、大当り時の演出の実行を制御することができる。
ステップS4014:主制御CPU72は、残存球排出チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上述した入賞球数カウンタの値と排出球数カウンタの値とを比較する。なお、排出球数カウンタの値には、排出検知スイッチ900によりそれぞれ検出された遊技球の数を合計した値のほか、各特定領域スイッチにより検出された遊技球の数も含まれる。
ステップS4016:そして主制御CPU72は、上記の比較結果に基づいて有効球の排出が完了したか否かを判断する。すなわち、入賞球数カウンタの値より排出球数カウンタの値が小さければ、主制御CPU72は未だ有効球の排出が完了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して特別遊技管理処理に復帰する。これに対し、入賞球数カウンタの値より排出球数カウンタの値が小さくなければ(両者が一致した場合)、主制御CPU72は有効球の排出が完了したと判断し(Yes)、次のステップS4028に進む。
ステップS4028:ここで主制御CPU72は、「特別遊技管理ステータス」の値を「06H」に設定する。これにより、正規の入賞球数と排出球数とが一致したこと(ステップS4016:Yes)を条件として役物ゲームが一旦終了となる。
ステップS4030:また、主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。特に大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。一方、大当りフラグの値がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72はステップS4032を実行する。
ステップS4032:この場合、主制御CPU72は大当り状態指定コマンドを設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。
〔小当り時役物装置作動終了処理〕
次に図45は、小当り時役物装置作動終了処理(図38中のステップS4500)の手順例を示すフローチャートである。上記のように小当り時役物装置作動終了処理は、「特別遊技管理ステータス」の値が「06H」に更新された場合に実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS4502:主制御CPU72は、エンディング時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はエンディング時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。また、演出用表示装置42の表示部では、この「エンディング時間」を利用して、可動入球役物装置30内でのゲームフローを終了させるエンディング演出が行われる。
ステップS4504:次に主制御CPU72は、エンディング時間が終了したか否かを確認する。具体的には、エンディング時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72はエンディング時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して特別遊技管理処理に復帰する。
この後、時間の経過に伴ってエンディング時間タイマの値が0になると、主制御CPU72はエンディング時間が終了したと判断し(Yes)、ステップS4506以降を実行する。
ステップS4506:主制御CPU72は、上記の大当り状態指定コマンドの値(01H)がセットされているか否かを確認する。特に大当り状態指定コマンドの値がセットされていない場合(No)、主制御CPU72はステップS4512に進む。これに対し、大当り状態指定コマンドの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72はステップS4508に進む。
ステップS4508:この場合、主制御CPU72は大当り状態移行コマンドを設定する。
大当り状態指定コマンドの値がセットされていないか(ステップS4506:No)、もしくは大当り状態指定コマンドの値がセットされている場合(ステップS4506:Yes)にステップS4508を実行すると、主制御CPU72はステップS4512を実行する。
ステップS4512:ここで主制御CPU72は、エンディング時間終了コマンドを設定する。このエンディング時間終了コマンドは、演出制御装置124(演出制御CPU126)に対して小当り時の可動入球役物装置30内でのゲームフローが終了したことを通知するためのものである。ここで設定したエンディング時間終了コマンドは、演出制御出力処理(図32中のステップS214)で演出制御装置124に送信される。
ステップS4514:そして主制御CPU72は、大当り状態移行コマンドの値に基づいて「特別遊技管理ステータス」の値を設定する。すなわち、ここでは大当り状態移行コマンドの値(01H)が設定されているか否かによって結果が異なる。具体的には、先のステップS4508で大当り状態移行コマンドを設定した場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「07H」に設定(更新)する。この場合、上記のように特別遊技管理処理において大当り時役物装置作動開始処理(図38中のステップS5000)が実行されることになる。
これに対し、ステップS4508を実行していない(大当り状態移行コマンドを設定していない)場合、主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「00H」に復帰させる。この場合、以後の特別遊技管理処理において大当り時役物装置作動開始処理(図38中のステップS5000)は選択されず、特別図柄変動開始待ち処理(図38中のステップS1500)が実行されることになる。いずれにしても、以上の手順を実行すると主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。
〔大当り時役物装置作動開始処理〕
図46は、大当り時役物装置作動開始処理(図38中のステップS5000)の手順例を示すフローチャートである。以下、大当り状態移行コマンドが設定された場合(「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」に更新された場合)の処理について説明する。
ステップS5002:先ず主制御CPU72は、大当り開始待ち時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り開始待ち時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。大当り開始待ち時間タイマの初期値は、小当り時の可動入球役物装置30の作動終了時から可動入球役物装置30を再び作動させるまでの待ち時間(例えば数秒程度)として設定される。また、演出用表示装置42の表示部では、この「大当り開始待ち時間」を利用して、例えば大当り遊技の開始前演出が行われる。
ステップS5004:次に主制御CPU72は、大当り開始待ち時間が経過したか否かを確認する。すなわち、大当り開始待ち時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は大当り開始待ち時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して特別遊技管理処理に復帰する。
この後、時間の経過に伴って大当り開始待ち時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は大当り開始待ち時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5006以降を実行する。
ステップS5006:この場合、主制御CPU72は実行ラウンド数を設定する。本実施形態では、設定される実行ラウンド数(連続作動回数)は「3ラウンド」、「7ラウンド」、「16ラウンド」の3通りであり、いずれの実行ラウンド数を設定するかについては、大当り種別ステータスを確認することで実行ラウンド数を設定することができる。ただし、上述したように可動入球役物装置30の初回開放(小当りの動作)が1ラウンド目に相当する。したがって、ここでは実行ラウンド数として残りの「2ラウンド」、「6ラウンド」又は「15ラウンド」のいずれかを設定することとする。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(例えば15回なら「14」)として、RAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5008:次に主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可動入球役物装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。本実施形態では、大当り時開放タイマの値として1ラウンド分のトータル開放時間(例えば29.0秒程度)が設定される。この程度の開放時間であれば、その間に充分な数(例えば10個程度)の遊技球を大入賞口に入賞させることができる。
ステップS5010:そして主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマ(大入賞口閉鎖時間タイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間、又は最終ラウンド終了時の待機時間となる。なお、タイマの値は、例えば2〜3秒程度に設定される。
ステップS5012:そして主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「08H」に更新し、特別遊技管理処理に復帰する。
〔大当り時役物装置開放処理〕
図47は、大当り時役物装置開放処理(図38中のステップS5500)の手順例を示すフローチャートである。先の大当り時役物装置作動開始処理(図46中のステップS5012)で「特別遊技管理ステータス」の値が「08H」に更新されると、以後は大当り時役物装置開放処理が実行される。この処理は主に、大当り遊技(特別遊技)中の動作として可動入球役物装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大入賞口30bを開放させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可動入球役物装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
ステップS5504:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時役物装置作動開始処理(図46中のステップS5008)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5506:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5508を実行する。
ステップS5508:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可動入球役物装置30(開放中の大入賞口30b)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。そして、次に特別遊技管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大当り時役物装置開放処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5502〜ステップS5510の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5506で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5510でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5512を実行する。
ステップS5512:主制御CPU72は、大入賞口30bを閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可動入球役物装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
ステップS5514:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大当り時役物装置作動開始処理(図46中のステップS5010)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5518に進む。
ステップS5518:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5520:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、「大当り中の1ラウンド内で可動入球役物装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。本実施形態では、1ラウンドに18回開放する開放パターンを採用しているので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで18回に設定されている。そして、インクリメント後の開放回数カウンタの値が0に達した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5522に進むことになる。
なお、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していない場合(ステップS5520:No)、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰し、現段階ではジャンプ先が大当り時役物装置作動開始処理に設定されているので、上記のステップS5502〜ステップS5520までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5518で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5522に進むことになる。
ステップS5522:ここで主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスの値を「09H」に設定し、特別遊技管理処理に復帰する。このため、次に主制御CPU72が特別遊技管理処理を実行すると、ジャンプ先として次の役物装置大当り時閉鎖有効処理(図38中のステップS5550)が選択されることになる。
特に図示していないが、上記のように役物装置大当り時閉鎖有効処理は、可動入球役物装置30の開放から閉鎖に伴う時間を調整するために実行されるものである。この処理で主制御CPU72は「特別遊技管理ステータス」の値を「0AH」に更新し、特別遊技管理処理に復帰する。そして、次に主制御CPU72が特別遊技管理処理を実行すると、ジャンプ先として次の大当り時役物装置閉鎖処理(図38中のステップS6000)が選択される。
〔大当り時役物装置閉鎖処理〕
図48は、大当り時役物装置閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時役物装置閉鎖処理は、上記のように可動入球役物装置30の閉鎖有効時間が経過した後、次の動作に移る前の内部状態を整えるためのものである。以下、具体的に説明する。
ステップS6002:先ず主制御CPU72は、大入賞口閉鎖時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の大当り時役物装置作動開始処理(図46中のステップS5010)で設定した大当り時インターバルタイマ(大入賞口閉鎖時間タイマ)のカウントダウンを実行する。
ステップS6004:続いて主制御CPU72は、閉鎖時間(インターバル時間)が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大当り時インターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72はここで大当り時役物装置閉鎖処理を終了し、特別遊技管理処理に復帰する。そして、次に特別遊技管理処理を実行すると、現段階では特別遊技管理ステータスが「0AH」に設定されているため、主制御CPU72は大当り時役物装置閉鎖処理を選択し、上記のステップS6002及びステップS6004の手順を繰り返し実行する。そして、ステップS6004で閉鎖時間が終了したと判断すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS6006を実行する。
ステップS6006:主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値をインクリメントする。なお、ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS6008:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。なお、実行ラウンド数は、先の大当り時役物装置作動開始処理(図46中のステップS5006)で設定されたものである。このとき、ラウンド数カウンタの値が未だ実行ラウンド数に達していなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS6014に進む。
〔最終ラウンド終了前〕
ステップS6014:この場合、主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値に基づき、ラウンド数コマンドを設定する。ここで設定したラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図32中のステップS214)で演出制御装置124に送信される。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を認識し、その結果を大当り中の演出制御に反映させることができる。
ステップS6016:そして主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスの値を「0AH」から変更して「08H」に設定する。これにより、次に主制御CPU72が特別遊技管理処理を実行すると、主制御CPU72は再び大当り時役物装置開放処理(図42)を選択し、次のラウンドでの可動入球役物装置30の開放動作が実行されることになる。
ステップS6018:また、主制御CPU72は、今回のラウンド内でカウントした入賞球数カウンタをリセットする。これにより、再び大当り時役物装置開放処理(図42)が実行された場合、次回のラウンド内での入賞球数が0からカウントされることになる。
〔最終ラウンド終了時〕
この後、ステップS6008でラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達したことを確認すると(ステップS6008:Yes)、主制御CPU72は次にステップS6010に進む。
ステップS6010:この場合、主制御CPU72は今回の大当りで用いたラウンド数カウンタをリセットする。
ステップS6012:そして主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスの値を「0AH」から「0BH」に更新して設定する。
ステップS6018:また、主制御CPU72は、最終ラウンド内でカウントした入賞球数カウンタをリセットする。
最終ラウンド終了時に以上の手順を実行すると、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が特別遊技管理処理を実行すると、ジャンプ先として次に大当り時役物装置作動終了処理(図38中のステップS6500)が選択されることになる。
〔大当り時役物装置作動終了処理〕
図49は、大当り時役物装置作動終了処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時役物装置作動終了処理は、大当りエンディング時間の経過を確認するとともに、大当り遊技終了後の内部状態(特別図柄状態)を整えるためのものである。以下、具体的に説明する。
ステップS6502:先ず主制御CPU72は、大当りエンディング時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は予め「大当りエンディング時間(エンディング演出時間)」として設定されている大当りエンディング時間タイマのカウントダウンを実行する。このときの「大当りエンディング時間」を利用して、演出用表示装置42の表示部内では大当り遊技のエンディング演出が実行される。
ステップS6504:主制御CPU72は、大当りエンディング時間が経過したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大当りエンディング時間タイマの値が0以下であるか否かを確認する。未だタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72はここで特別遊技管理処理に復帰する。そして、次に特別遊技管理処理を実行すると、現段階では特別遊技管理ステータスが「0BH」に設定されているため、主制御CPU72は大当り時役物装置作動終了処理を選択し、上記のステップS6502及びステップS6504の手順を繰り返し実行する。そして、ステップS6504で大当りエンディング時間が経過したと判断すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS6506を実行する。
ステップS6506:主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスの値を「00H」に初期設定する。これにより、特別図柄に対応する遊技の進行状況が「変動待ち」の状態(始動条件を満たす状態)に遷移する。したがって、この状態に遷移することにより、各始動入賞口への新たな入賞を契機として作動記憶を追加し、特別図柄を変動(始動)させることが可能となる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別遊技管理処理(図38)に復帰し、残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000)及びソレノイド制御処理(ステップS7500)を実行した後、割込管理処理(図32)に復帰する。これにより、以後の特別遊技管理処理では、特別図柄変動開始待ち処理(図38中のステップS1500)が選択されることになる。
〔ソレノイド制御処理〕
図50は、ソレノイド制御処理の手順例を示すフローチャートである。このソレノイド制御処理は、上記のように「特別遊技管理ステータス」の値にかかわらず、毎回の割り込みにおいて実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS7502:主制御CPU72は、現在の「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」〜「0BH」のいずれかであるか否かを確認する。ここで、「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」〜「0BH」のいずれかに設定されるのは、遊技フロー上で大当り時に可動入球役物装置30が作動している状態である。
その結果、「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」〜「0BH」のいずれかであることを確認した場合、主制御CPU72は、ステップS7504を実行する。一方、「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」〜「0BH」のいずれでもないことを確認した場合、主制御CPU72は、ステップS7506を実行する。
ステップS7508:主制御CPU72は、上昇装置誘導路ソレノイド95を作動させる。これにより、大当り遊技中は、上昇装置610に遊技球が誘導されることなく排出される。
ステップS7510:主制御CPU72は、上昇装置誘導路ソレノイド95を非作動(OFF)にする。これにより、大当り遊技中以外の場合は、上昇装置610に遊技球が誘導される。
〔モータ管理処理〕
図51は、割込管理処理の中で実行されるモータ管理処理(図32中のステップS209)の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS2800:先ず主制御CPU72は、原点監視処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は各種モータ(振分体モータ213、本体部モータ402及びコンベアモータ214)の原点位置を監視する必要があるか否かを確認し、監視する必要があれば、各原点検出機構からの検出信号を取得する。
ステップS2802:次に主制御CPU72は、各種モータについて電源投入時動作が完了しているか否かを確認する。このときパチンコ機1の電源投入直後であり、未だ各種モータについて電源投入時の動作が完了していなければ(No)、主制御CPU72はステップS2804を実行する。
ステップS2804:この場合、主制御CPU72は電源投入時動作処理を実行する。これにより、例えば各種モータ(振分体モータ213、本体部モータ402及びコンベアモータ214)は、それぞれ一定方向に一定速度で回転を開始する。そして、各種モータは、所定の電源投入時動作パターンを実行した後に原点位置で停止する。この後、電源投入時動作が完了すると、先のステップS2802で動作完了(Yes)と判定されるため、以後はステップS2804がスキップされる。
ステップS2806:主制御CPU72は、可動入球役物装置30の小当り時の作動に備えて「特別遊技管理ステータス」の値が「04H」〜「06H」であるか否かを監視する。「特別遊技管理ステータス」の値が「04H」〜「06H」以外であれば、主制御CPU72はステップS2808をスキップする。一方、「特別遊技管理ステータス」の値が「04H」〜「06H」の範囲内であれば、可動入球役物装置30の小当り時の作動契機が発生したものとして、主制御CPU72はステップS2808を実行する。
ステップS2808:主制御CPU72は、小当り時モータ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は例えば小当り時における各種モータ(振分体モータ213、本体部モータ402及びコンベアモータ214)の駆動状態を制御する。具体的には、各種モータを一定の速度で回転させる動作パターンによって各種モータを制御する。これにより、各種モータによる正常な振り分け動作を実現することができる。
ステップS2810:主制御CPU72は、可動入球役物装置30の大当り時の作動に備えて「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」〜「0BH」であるか否かを監視する。「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」〜「0BH」以外であれば、主制御CPU72はステップS2812をスキップする。一方、「特別遊技管理ステータス」の値が「07H」〜「0BH」の範囲内であれば、可動入球役物装置30の大当り時の作動契機が発生したものとして、主制御CPU72はステップS2812を実行する。
ステップS2812:主制御CPU72は、大当り時モータ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は例えば大当り中における各種モータ(振分体モータ213、本体部モータ402及びコンベアモータ214)の駆動状態を制御する。具体的には、各種モータの駆動を停止させる。これにより、大当り遊技中には、各種モータによる振り分け動作を停止させることができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は割込管理処理(図32)に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
図52は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図32中のステップS212)の手順例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1220)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35のLEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38b,38cの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数の値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38b,38cのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数で指定された大当りに対応するいずれかの表示ランプ38a,38b,38cである。
例えば、連続作動回数コマンドの値が「3ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「3ラウンド(3R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。また、連続作動回数コマンドの値が「7ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「7ラウンド(7R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。さらに主制御CPU72は連続作動回数コマンドの値が「16ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「16ラウンド(3R)」を表すランプ38cに対して点灯信号を出力する。
以上のように本実施形態のパチンコ機1では、主制御CPU72による制御処理の実行に伴って特別図柄遊技の進行状況が遷移していく。さらに特別図柄遊技では、可動入球役物装置30内での遊技球の振り分け動作の結果に応じて大当り遊技又は通常遊技へと進行状況が大きく分岐することになる。
このため本実施形態では、実際の遊技の進行状況に応じて主に演出用表示装置42を用いた演出を行い、遊技者に進行状況の遷移を分かりやすく伝達している。以下、演出用表示装置42を用いた演出について例を挙げて説明する。
〔演出例〕
演出用表示装置42は、3つの(3桁の)7セグメントLED(ドット付き)により各種演出を表示することができる(演出実行手段)。3つの7セグメントLEDのうち、2つの7セグメントLEDは、演出用表示装置42の左側領域に配置され、残りの1つの7セグメントLEDは、演出用表示装置42の右側領域に配置されている。
〔小当り時演出〕
図53は「小当り1」に該当した場合に実行される演出の例を示す図である。また、図54及び図55は、「小当り2」に該当した場合に実行される演出の例を示す連続図である。
本実施形態では、特別図柄抽選での小当り当選を契機として可動入球役物装置30の大入賞口30bを開放させているため、大入賞口30bが開放している際には遊技球を大入賞口30bに入賞させることを促すために以下の演出を実行している。
〔演出開始前〕
図53中(A):パチンコ機1において遊技を開始した段階では、演出用表示装置42ではこれといった演出が行われていない。ただし、一定期間、遊技が実行されていなければ、デモ演出用コマンドに基づいて図示しないデモ演出を実行することができる。そして、遊技者はグリップユニット16を操作して遊技領域に遊技球を打ち出す。
〔左始動入賞口への入球〕
図53中(B):遊技球が左始動入賞口26に入球すると、第1特別図柄が変動を開始する。第1特別図柄の変動時間は、極端に短い時間(例えば、0.6秒程度)に設定されている。また、第1特別図柄抽選の小当り確率は1であるため、第1特別図柄が変動を開始すると、「小当り1」に対応する態様により、第1特別図柄がすぐさま停止表示される。そして、第1特別図柄が「小当り1」に対応する態様で停止表示されたことを契機として可動入球役物装置30が1回だけ作動し、大入賞口30bを1回開放する。そして、演出用表示装置42では、この1回開放を教示するための演出(例えば、「1」の文字情報を表示する演出)が実行されている。
〔可動入球役物装置の作動終了〕
図53中(C):可動入球役物装置30が規定の開放時間(例えば1秒)にわたって開放すると、可動入球役物装置30は大入賞口30bを閉じて作動を終了する。
〔演出開始前〕
図54中(A):パチンコ機1において遊技を開始した段階では、演出用表示装置42ではこれといった演出が行われない。遊技者は、グリップユニット16を操作して遊技領域に遊技球を打ち出す。
〔中始動入賞口への入球〕
図54中(B):遊技球が中始動入賞口28に入球すると、第2特別図柄が変動を開始する。第2特別図柄の変動時間も、極端に短い時間(例えば、0.6秒程度)に設定されている。また、第2特別図柄抽選の小当り確率は1であるため、第2特別図柄が変動を開始すると、「小当り2」に対応する態様により、第2特別図柄がすぐさま停止表示される。そして、第2特別図柄が「小当り2」に対応する態様で停止表示されたことを契機として可動入球役物装置30が2回作動し、大入賞口30bを2回開放する。そして、演出用表示装置42では、この2回開放を教示するために、「2」の表示がなされている。
〔可動入球役物装置の1回目の作動終了〕
図54中(C):可動入球役物装置30が規定の開放時間(例えば1秒)にわたって開放すると、可動入球役物装置30は大入賞口30bを閉じて1回目の作動を終了する。
〔可動入球役物装置の2回目の作動開始〕
図55中(D):第2特別図柄が「小当り2」に対応する態様で停止表示された場合、可動入球役物装置30は、2回開放することになる。そして、1回目の作動が終了し、1回目の作動と2回目の作動との間にあるインターバル時間が経過したことを契機として、可動入球役物装置30が再び作動を開始し、大入賞口30bを開放する。ここでも同様に、演出用表示装置42では、この2回開放を教示するために、「2」の表示が継続されている。
〔可動入球役物装置の2回目の作動終了〕
図55中(E):可動入球役物装置30が規定の開放時間(例えば1秒)にわたって開放すると、可動入球役物装置30は大入賞口30bを閉じて2回目の作動を終了する。
〔大入賞口入球時演出〕
図56は、小当り時に開放した大入賞口30bに遊技球が入球した場合に実行される演出の例を示す図である。
〔大入賞口開放〕
図56中(A):第1特別図柄が「小当り1」に対応する態様で停止表示されたことを契機として可動入球役物装置30の大入賞口30bが開放している。そして、図示の例では、可動入球役物装置30の大入賞口30bに遊技球が入球している。
〔遊技球検出〕
図56中(B):可動入球役物装置30の大入賞口30bに遊技球が入球すると、遊技球は可動入球役物装置30の内部に進入し、カウントスイッチ84により遊技球の通過が検出される。カウントスイッチ84により遊技球の通過が検出されると、演出用表示装置42では入球演出が実行される。入球演出は、例えば演出用表示装置42の表示領域で小さな丸印を上下に移動させる演出である。
〔入球演出継続〕
図56中(C):カウントスイッチ84を通過した遊技球は、この後、可動入球役物装置30内で特定領域を通過して排出されるか、特定領域を通過しないで排出されるかの振分動作が行われる。演出用表示装置42での入球演出は、次に遊技球が演出スイッチ800により検出されるか、排出検知スイッチ900により検出されるまで継続される。
〔確定領域孔入球時演出〕
図57は、確定領域孔に遊技球が入球した場合に実行される演出の例を示す図である。
確定領域孔514は、第1振分動作に成功した場合に遊技球が入球する孔であり、確定領域孔514に遊技球が入球すると、その後にラウンド振り分けが実行されるが、この時点で大当りが事実上確定することになる。このため、演出内容としても、大当りが確定した内容の演出を実行することにしている。
〔回転ステージ到達〕
図57中(A):図示の例では、回転ステージ510に遊技球が到達しており、さらに遊技球は回転ステージ510の誘導溝512に乗っている。ここでは、演出用表示装置42の表示領域で小さな丸印を上下に移動させる入球演出が継続されている。
〔演出スイッチでの遊技球検出〕
図57中(B):そして、回転ステージ510から運良く確定領域孔514に遊技球が入球すると、遊技球は確定領域孔514からさらに可動入球役物装置30の内部に進入し、確定領域孔514の下流にある演出スイッチ800により遊技球の通過が検出される。演出スイッチ800により遊技球の通過が検出されると、演出用表示装置42では確定演出が実行される。確定演出としては、例えば演出用表示装置42の表示領域に事実上の大当りを示唆する演出(例えば、フィーバーの頭文字であるFの文字を表示する演出)が実行される。
〔特定領域等通過時演出〕
図58及び図59は、遊技球が各種領域(特定領域や特殊領域等)を通過した場合に実行される演出の例を示す図である。
〔スペシャルルート〕
図58中(A):ルート振分部200での振り分け動作の結果、遊技球がスペシャルルート用孔206に入球すると、スペシャルルートスイッチ902により遊技球の通過が検出される。この場合、演出用表示装置42では、遊技球がスペシャルルートに進んだことを示すスペシャルルート移行演出(例えば、スペシャルルートの頭文字である「SP」の文字を表示する演出)が実行される。
〔第1特定領域通過〕
図58中(B):第1展望台ステージ620での振り分け動作の結果、遊技球が第1特定領域を通過し、第1特定領域スイッチ701により遊技球の通過が検出されると、遊技上では3ラウンド大当り遊技が実行される。このとき、演出用表示装置42では、3ラウンド大当り遊技の実行に合わせて大当り遊技中演出(例えば、「3」の文字を表示する演出)が実行される。
〔特殊領域通過〕
図58中(C):第1展望台ステージ620での振り分け動作の結果、遊技球が特殊領域を通過し、特殊領域スイッチ901により遊技球の通過が検出されると、遊技上では第1展望台ステージ620から第2展望台ステージ630に遊技球を上昇させる動作が実行される。このとき、演出用表示装置42では、遊技球の上昇に合わせて上昇中演出(例えば、上昇を意味する「UP」の文字を表示する演出)が実行される。
〔第2特定領域通過〕
図59中(A):第2展望台ステージ630での振り分け動作の結果、遊技球が第2特定領域を通過し、第2特定領域スイッチ702により遊技球の通過が検出されると、遊技上では7ラウンド大当り遊技が実行される。このとき、演出用表示装置42では、7ラウンド大当り遊技の実行に合わせて大当り遊技中演出(例えば、「7」の文字を表示する演出)が実行される。
〔第3特定領域通過〕
図59中(B):第2展望台ステージ630での振り分け動作の結果、遊技球が第3特定領域を通過し、第3特定領域スイッチ703により遊技球の通過が検出されると、遊技上では16ラウンド大当り遊技が実行される。このとき、演出用表示装置42では、16ラウンド大当り遊技の実行に合わせて大当り遊技中演出(例えば、「16」の文字を表示する演出)が実行される。
〔振動検出時演出〕
図60は、振動検出時に実行される振動検出教示演出の例を示す図である。振動検出教示演出は、振動センサ206により特定の振動が検出された際に実行される演出である。具体的な演出例としては、例えば以下の3つの例を挙げることができる。
〔第1例〕
図60中(A):演出用表示装置42にて、エラーの頭文字に該当する「E」の文字を表示する演出が実行される。
〔第2例〕
図60中(B):演出用表示装置42にて、7セグメントLEDをすべて点灯させた「8」の文字を表示する演出が実行される。
〔第3例〕
図60中(C):演出用表示装置42にて、救助を求める状態にあることを示す「SOS」の文字を表示する演出が実行される。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した各種演出は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図61は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば、数ミリ秒周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、エラー演出管理処理(ステップS402)、可動入球役物装置作動時演出管理処理(ステップS404)、表示出力処理(ステップS405)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば機種指定コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄指定コマンド、図柄停止コマンド、役物装置閉鎖コマンド、大当り状態指定コマンド、大当り種別コマンド、大当り状態移行コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、特別遊技管理ステータスコマンド、振動検出コマンド、領域通過コマンド等がある。
ステップS402:エラー演出管理処理において、演出制御CPU126はエラー通知コマンドや振動検出コマンドに基づいて演出用表示装置42に表示させる演出パターンを選択する(振動検出教示演出実行手段)。具体的には、演出制御CPU126はエラー教示演出(図60等)に該当する演出パターンを選択する。
ステップS404:可動入球役物装置作動時演出管理処理において、演出制御CPU126は特別図柄抽選で小当りに該当(「小当り1」又は「小当り2」に該当)した後の演出を制御する。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS405:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、演出パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて演出用表示装置42による表示動作を制御する。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば可動入球役物装置30の開放動作中、可動入球役物装置30内での振り分け動作中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば演出内容が複数用意されている場合の演出選択用の乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出用に可動体がある場合、演出制御CPU126は可動体の駆動用ICに対して制御信号を出力する。特に図示していないが、可動体は例えばソレノイドやステッピングモータ等の駆動源によって動作し、演出用表示装置42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行うものである。これらソレノイドやステッピングモータ等の駆動源は、例えば図20中のパネル電飾基板138に接続することができる。
〔可動入球役物装置作動時演出管理処理〕
図62は、可動入球役物装置作動時演出管理処理の構成例を示すフローチャートである。可動入球役物装置作動時演出管理処理は、例えば実行選択処理(ステップS500)、小当り時演出選択処理(ステップS502)、役物内遊技時演出選択処理(ステップS504)、領域通過時演出選択処理(ステップS506)、大当り時演出選択処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして可動入球役物装置作動時演出管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、演出制御CPU126は最初のジャンプ先として小当り時演出選択処理(ステップS502)を選択する。一方、既に小当り時演出選択処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として役物内遊技時演出選択処理(ステップS504)を選択し、役物内遊技時演出選択処理まで完了していれば、次のジャンプ先として領域通過時演出選択処理(ステップS506)を選択する。なお、大当り時演出選択処理(ステップS508)は、主制御CPU72において大当り時役物装置作動開始処理(図38中のステップS5000)が選択された場合にのみ、以降のジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:小当り時演出選択処理では、演出制御CPU126は可変始動入賞装置26を作動させる場合の演出パターン(図53、図54、図55等)を選択する。このような演出を実行することで、遊技者が漫然と遊技を消化するのを防止し、目的意識を再確認させて遊技意欲の低下を防止することができる。
ステップS504:役物内遊技時演出選択処理において、演出制御CPU126は上記の入球演出(図56中(B)(C)、図57中(A)等)に該当する演出パターンを選択する(確定演出実行手段)。これにより、可動入球役物装置30内での遊技の流れを遊技者に対して訴求させることができる。
ステップS506:領域通過時演出選択処理では、演出制御CPU126は遊技球が特定領域や特殊領域等を通過した際に実行される演出(図57中(B)、図58、図59等)の演出パターンを選択する。これにより、各種領域を通過した際に、遊技を盛り上げることができる。
ステップS508:大当り時演出選択処理では、演出制御CPU126は大当り中の演出内容を制御する。例えば、演出制御CPU126は演出用表示装置42に表示する演出内容として大当り中に専用の演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。また、演出制御CPU126は、大当り中の遊技の進行状況(例えば、ラウンドの進行状況)に合わせて演出パターンを選択すると、これらを適宜、演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、演出用表示装置42の表示画面では大当り中に専用の演出が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出制御処理(図61)に復帰する。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機1によれば、事実上の大当りが確定する演出スイッチ800を遊技球が通過した後に特定の振動が検出された場合には、遊技球がいずれかの特定領域を通過した後に遊技を停止するので、事実上の大当りが確定した後に大当りが無効になってしまうという極端な不利益を回避することができる。
また、本実施形態のパチンコ機1では、確定領域を通過した遊技球を上昇装置610によって上昇させ、上昇させた位置で振り分け動作を行うため、遊技球が確定領域を通過してからその後にいずれかの特定領域を通過するまでにある程度の時間を要することになる。ここで、遊技球が確定領域を通過するということは、事実上の大当りが確定することになるが、本実施形態のパチンコ機1では、その後に様々な振り分け動作を行っているため、最終的に遊技球がいずれかの特定領域を通過するまでにそれだけ時間がかかることになる。
この場合、振動を検出する機会も増加するため、遊技者にとって故意でない振動を検出してしまう機会も増加することになる。したがって、遊技球が確定領域を通過する前であるか後であるかによって遊技停止処理の態様を変化させることにより、遊技者に極端な不利益が生じることをより一層抑制することができる。
本発明は、上述した実施形態に制約されることなく、各種の変形を採用することができる。一実施形態では、特別図柄について作動記憶を設けない例を挙げているが、特別図柄について作動記憶(4個)を設けている態様であっても本発明を適用することができる。
上述した実施形態では、普通図柄及び普通電動役物を設けない例で説明しているが、普通図柄及び普通電動役物を搭載して、大当り遊技後に時間短縮状態に移行させる遊技性としてもよい。
その他、パチンコ機1の構造や盤面構成等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。