JP2015092955A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技の単調化を防止することができる技術を提供する。
【解決手段】遊技領域8a内の構造体を2つのグループG1,G2に分類し、グループG1の構造体を用いて行われる役物ゲーム、グループG2の構造体を用いて行われる役物ゲームの2つを設ける。グループG1では、左始動入賞口26又は右始動入賞口27への入賞により可動役物装置28が作動し、上大入賞口28bへの入賞が可能となる。入賞した遊技球が可動役物装置28内の特定領域を通過すると、大当りとなる。またグループG2では、始動ゲート20の通過により可変始動入賞装置29が作動し、中始動入賞口29aに入賞すると可変入賞装置30が作動し、下大入賞口への入賞が可能となる。可変入賞装置30内で遊技球が特定領域を通過したときも大当りとなる。
【選択図】図9

Description

本発明は、入賞装置内に設けられた特定領域を遊技球が通過すると特別遊技が実行される遊技機に関する。
従来、始動口への入賞により当否判定を行って図柄の変動表示を開始し、変動時間が経過すると図柄を停止表示し、小当り図柄で停止表示されると、特定入球口を開口して小当り遊技を開始するタイプの遊技機がある(例えば、特許文献1参照。)。このタイプの遊技機では、役物装置の内部に特定領域が設けられており、開放中の特定入球口に遊技球が入賞して役物装置内で特定領域を通過すれば、特典として大当り遊技が開始されるものとなっている。
特開2010−35833号公報
上記の先行技術(特許文献1)による遊技の手法は、先ず、始動口への入賞により小当り図柄が停止すると、盤面中央の役物装置内で遊技球が特定領域を通過するか否かの小当り遊技を行い、大当りとなった場合は盤面下部の大入賞口で大当たり遊技を行うというものである。
しかし、先行技術の手法では、大当たり遊技が終了すると、また始動口への入賞により小当り図柄を停止させ、盤面中央の役物装置内で遊技球が特定領域を通過するか否かの小当り遊技から再開するだけであり、遊技が単調になりやすいという問題がある。
また、遊技球が特定領域を通過する際の確率(通過率)は、役物装置内の構造(3穴クルーン等)に依存して常に一定である。この場合、例えば最初の大当たり遊技の終了後に小当り遊技に進みやすくなる有利な状態に移行させたとしても、特定領域の通過率は最初と同じであるため、次回の大当たり遊技が開始されるまでの時間を短縮することはできず、有利な状態での遊技が間延びしてしまうという問題がある。
そこで本発明は、遊技の単調化を防止することができる技術を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するため以下の解決手段を採用する。なお、以下の括弧書中の文言はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
解決手段1:本解決手段の遊技機は、遊技中に第1の作動契機が発生すると、第1の入賞口を閉鎖状態から開放状態へ変化させた後に閉鎖状態に復帰させる開閉動作を実行する第1の入賞装置と、前記第1の入賞装置の前記開閉動作に伴い前記第1の入賞口に入球した遊技球が前記第1の入賞装置内に設けられた第1の特定領域を通過したことを条件として、特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、前記特別遊技とは異なる遊技中に前記第1の作動契機又は前記第1の作動契機とは別の第2の作動契機が発生すると、前記第1の入賞口とは別の第2の入賞口を閉鎖状態から開放状態へ変化させた後に閉鎖状態に復帰させる開閉動作を実行する第2の入賞装置と、前記特別遊技実行手段により前記特別遊技が実行される条件に対し、前記第1の特定領域を遊技球が通過したことの他に、前記第2の入賞装置の前記開閉動作に伴い前記第2の入賞口に入球した遊技球が前記第2の入賞装置内に設けられた第2の特定領域を通過したことを追加の条件として設定する追加条件設定手段とを備える。
本解決手段の遊技機によれば、以下の態様で遊技を実行することができる。
(1)遊技中は、第1の作動契機又は第2の作動契機(一方又は両方)が発生する可能性がある。
(2)いずれにしても、第1の作動契機が発生すると、第1の入賞装置による開閉動作が実行され、第2の作動契機が発生すると、第2の入賞装置による開閉動作が行われることになる。
(3)上記(2)で第1の入賞装置又は第2の入賞装置による開閉動作が実行されたことで、それぞれの入賞口(第1の入賞口、第2の入賞口)に遊技球が入球可能となる。
(4)第1の入賞装置及び第2の入賞装置のいずれにも、それぞれ内部に特定領域(第1の特定領域、第2の特定領域)が設けられており、上記(3)で各入賞口(第1の入賞口、第2の入賞口)に入球した遊技球は、いずれも特定領域(第1の特定領域、第2の特定領域)を通過する可能性がある。
(5)そして、実際に遊技球が第1の特定領域を通過すると、そのこと条件として特別遊技が実行されるが、遊技球が第2の特定領域を通過した場合も、そのことを条件(追加の条件)として特別遊技が実行される。なお、ここでは「追加の条件」としているが、「特別遊技が実行される」という意味において条件としての差異はない。
上記(1)〜(5)により、以下の遊技性が得られる。
〔1〕遊技中に第1の作動契機を発生させて第1の入賞装置を開閉動作させ、第1の入賞口へ遊技球を入球させることで、第1の特定領域の通過により特別遊技の実行を得ることができるという遊技性。
〔2〕上記〔1〕の遊技性に加えて、遊技中に第2の作動契機を発生させて第2の入賞装置を開閉動作させ、第2の入賞口へ遊技球を入球させることで、第2の特定領域の通過によっても特別遊技の実行を得ることができるという遊技性。
これにより、主に2つの役物ゲーム「入賞装置内での遊技球の動き(特定領域を通過するか否か)によるゲーム」を提供することができ、それだけ遊技性の幅を広げることができる。
この点、単独の入賞装置内に唯一の特定領域が設けられている構成では、役物ゲームが低調になると、遊技そのものが単調で興趣性に乏しくなりやすいが、本解決手段によれば、2つの役物ゲームを提供することにより、一方が低調でも他方が好調となったり、他方が低調でも一方が好調となったり、あるいは両方が好調となったり、といった多様な遊技のバリエーションを実現できるので、意欲の減退を抑えることができる。
解決手段2:本解決手段の遊技機は、解決手段1において、前記第1の入賞装置内で前記第1の特定領域を遊技球が通過するための難易度に応じて(難易度を第1の度合に設定することで)、前記特別遊技実行手段により前記特別遊技が実行される条件を第1の難易度に設定する難易度設定手段と、前記第2の入賞装置内で前記第2の特定領域を遊技球が通過するための難易度に応じて(難易度を前記第1の度合とは異なる第2の度合に設定することで)、前記特別遊技実行手段により前記特別遊技が実行される追加の条件を前記第1の難易度とは異なる第2の難易度に設定する追加難易度設定手段とさらにを備えたものである。
本解決手段によれば、以下の特徴が追加される。
すなわち、2つの特定領域について、それぞれの遊技球が通過する難易度に高低差を設けることにより、第1の入賞装置の開閉動作により遊技球を第1の入賞口に入球させた場合と、第2の入賞装置の開閉動作により遊技球を第2の入賞口に入球させた場合とでは、特定領域を通過する難易度の低い方が特別遊技への期待度を高くすることができる。
これにより、例えば遊技球が第1の特定領域を通過する難易度が比較的高く、第2の特定領域を通過する難易度が比較的低いとした場合、遊技中は第1の作動契機を発生させるよりも、第2の作動契機を発生させた方が、その先の「第2の入賞口への入球による第2の特定領域の通過」という流れにもより期待できることになる。したがって、単に「第1の作動契機又は第2の作動契機のどちらかを発生させればよい」というのではなく、「なるべく多く第2の作動契機の方を発生させよう」とする動機付けを与え、遊技を進める上での楽しみ方や戦略を特徴付けることができる。
その結果、実際の遊技中に第2の作動契機を発生させ、第1の入賞装置が開閉動作した際に第2の入賞口に遊技球を入球させることができれば、その先の「第2の特定領域の通過」に対する遊技者の期待感を一気に高めることができるので、それによって大きな遊技の山場(盛り上がり)を設けることができる。
解決手段3:本解決手段の遊技機は、解決手段1,2において、前記特別遊技実行手段による前記特別遊技が終了すると、遊技中に通常の頻度で前記第1の作動契機又は前記第2の作動契機の発生が可能となる通常遊技状態から、前記通常遊技状態に比較して高い頻度で前記第1の作動契機又は前記第2の作動契機の発生が可能となる特定遊技状態に移行させる特定遊技状態移行手段をさらに備え、前記第1の入賞装置及び前記第2の入賞装置は、いずれか一方が前記通常遊技状態の間に前記特別遊技を実行するための条件を発生させるために用いられ、他方が前記特定遊技状態の間に前記特別遊技を実行するための条件を発生させるために用いられるものである。
本解決手段によれば、以下の特徴がさらに追加される。
(1)通常遊技状態では、第1の作動契機又は第2の作動契機の発生する可能性(発生頻度)が比較的低いため、第1の入賞装置又は第2の入賞装置の開閉動作が実行される可能性(頻度)も比較的低く、そこから第1の特定領域又は第2の特定領域を遊技球が通過することによる特別遊技の実行への可能性(頻度)も比較的低くなっている。
(2)このとき、第1の入賞装置又は第2の入賞装置のいずれか一方を用いて、遊技球が特定領域(第1の特定領域又は第2の特定領域のいずれか一方)を通過するか否かの遊技(役物ゲーム)が行われ、実際に遊技球が特定領域を通過すると、上記のように特別遊技が実行される。
(3)そして、特別遊技が終了すると特定遊技状態に移行し、第1の作動契機又は第2の作動契機の発生する可能性(発生頻度)が比較的高くなる。この場合、第1の入賞装置又は第2の入賞装置の開閉動作が実行される可能性(頻度)も比較的高くなるので、そこから第1の特定領域又は第2の特定領域を遊技球が通過することによる特別遊技の実行への可能性(頻度)も比較的高くなっている。
(4)このとき、第1の入賞装置又は第2の入賞装置については、他方(通常遊技状態での遊技に用いられない方)を用いて遊技球が特定領域(通常遊技状態のときとは別の方)を通過するか否かの遊技(役物ゲーム)が行われ、実際に遊技球が特定領域を通過すると、同じく特別遊技が実行される。なお、特別遊技の終了後は、例えば上記(3)のように特定遊技状態に移行することとしてもよい。
(5)これにより、遊技の状態別に2つある入賞装置の役割が異なることとなり、「2つある入賞装置のどちらを用いても遊技ができる」という有用性からさらに進んで、「通常遊技状態では一方の入賞装置で特別遊技を実行するための条件を発生させ、その後の特定遊技状態では他方の入賞装置で特別遊技を実行するための条件を発生させる」という特徴的な遊技性を実現することができる。
解決手段4:あるいは、解決手段2の遊技機において、前記特別遊技実行手段による前記特別遊技が終了すると、遊技中に通常の頻度で前記第2の作動契機の発生が可能となる通常遊技状態から、前記通常遊技状態に比較して高い頻度で前記第2の作動契機の発生が可能となる特定遊技状態に移行させる特定遊技状態移行手段をさらに備え、前記第1の入賞装置は、前記通常遊技状態の間に前記特別遊技を実行するための条件を発生させるために用いられ、前記第2の入賞装置が前記特定遊技状態の間に前記特別遊技を実行するための条件を発生させるために用いられるものであり、前記追加難易度設定手段は、前記第2の度合を前記第1の度合より低く設定することで、前記第2の難易度を前記第1の難易度により低く設定していることとしてもよい。
本解決手段によれば、以下の特徴が得られる。
(1)通常遊技状態では、第1の入賞装置を用いて遊技球が第1の特定領域を通過するか否かの遊技(役物ゲーム)が行われる。そして、実際に遊技球が第1の特定領域を通過すると、上記のように特別遊技が実行される。
(2)特別遊技が終了すると特定遊技状態に移行し、第2の入賞装置を用いて遊技球が第2の特定領域を通過するか否かの遊技(役物ゲーム)が行われる。特定遊技状態では、第2の作動契機の発生する可能性(発生頻度)が通常遊技状態よりも高くなり、第2の入賞装置の開閉動作が実行される可能性(頻度)が比較的高くなるので、そこから第2の特定領域を遊技球が通過することによる特別遊技の実行への可能性(頻度)も比較的高くなっている。
(3)このとき、第1の特定領域よりも第2の特定領域の方が、より低い難易度(第2の度合)で遊技球が通過することが可能となっている。このため、特定遊技状態移行に移行した場合、上記(2)でより高い頻度で第2の作動契機が発生し、第2の入賞口に遊技球が入賞したときは、より低い難易度(第2の度合)で第2の特定領域を遊技球が通過する可能性があるため、それだけ特別遊技が実行されるための条件(第2の難易度)が緩和されることになる。
したがって、通常遊技状態から最初の特別遊技の実行(例えば大当り遊技)を経て特定遊技状態に移行すると、次回の特別遊技が実行されるまでの時間が通常遊技状態に比較して短縮されるため、よりテンポのよいスピーディな遊技性を実現することができる。
なお、特別遊技の終了後は、例えば上記(2)のように特定遊技状態に移行することとしてもよいので、特定遊技状態の間に高頻度で第2の作動契機を発生させ、第2の入賞口に入球した遊技球が第2の特定領域を通過することができれば、特別遊技の実行と特定遊技状態への移行という遊技の好循環を生み出すことができる。
解決手段5:解決手段1から4のいずれかにおいて、前記第1の入賞装置及び前記第2の入賞装置は、一体の構造物として形成されている。
この場合、遊技盤ユニット等の構造体に対し、第1の入賞装置及び第2の入賞装置を組み付ける作業の容易かが図られる。
解決手段6:あるいは、解決手段1から4において、前記第1の入賞装置及び前記第2の入賞装置は、互いに別体の構造物として形成されていることとしてもよい。
この場合、遊技盤ユニット等の構造体(盤面)に第1の入賞装置及び第2の入賞装置をそれぞれ配置する際の自由度を高めることができる。
本発明によれば、遊技の単調化を防止することができる。
パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 遊技領域を拡大して示した図である。 遊技盤ユニットの一部を拡大して示す正面図である。 可動役物装置内の振り分けステージを部分的に示す平面図である。 可動役物装置内の振り分けステージを部分的に示す平面図である。 可変入賞装置を拡大して示す正面図である。 パチンコ機に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。 パチンコ機による遊技の流れを一例として示すゲームフロー図である(1/2)。 パチンコ機による遊技の流れを一例として示すゲームフロー図である(2/2)。 リセットスタート処理の手順例を示すフローチャート(1/2)である。 リセットスタート処理の手順例を示すフローチャート(2/2)である。 電源断発生チェック処理の手順例を示すフローチャートである。 割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。 割込管理処理の中で実行されるセキュリティ管理処理の手順例を示すフローチャートである。 スイッチ入力イベント処理の手順例を示すフローチャートである。 第1特別図柄記憶処理の手順例を示すフローチャートである。 第2特別図柄記憶処理の手順例を示すフローチャートである。 第1特別遊技管理処理の構成例を示すフローチャートである。 「第1特別遊技管理ステータス」の値と、それぞれの値に対応した第1特別遊技の進行状況を一覧にして示した図である。 第1特別図柄変動開始待ち処理の手順例を示すフローチャートである。 第1特別図柄停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。 第2特別図柄停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。 小当り時第1特別電動役物開放処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時第1特別電動役物閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時第1特別電動役物作動終了処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時第2特別電動役物作動開始処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時第2特別電動役物開放処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時第2特別電動役物閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。 普通遊技管理処理の構成例を示すフローチャートである。 普通図柄変動開始待ち処理の手順例を示すフローチャートである。 可変始動入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。 第2特別遊技管理処理の構成例を示すフローチャートである。 割込管理処理の中で実行されるモータ管理処理の手順例を示すフローチャートである。 割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理の構成例を示すフローチャートである。 パチンコ機によるゲームフロー(2)を示す図である。 ゲームフロー(3)の実施に適した盤面構成の例を示す正面図である。 可変入賞装置を拡大して示す正面図である。 パチンコ機によるゲームフロー(3)を示す図(1/2)である。 パチンコ機によるゲームフロー(3)を示す図(2/2)である。 可動役物装置と可変入賞装置を構造的に一体とした実施形態を示した図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠アセンブリ2、ガラス枠ユニット4、受け皿ユニット6及びプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を備えている。このうち外枠アセンブリ2は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠アセンブリ2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
その他のガラス枠ユニット4や受け皿ユニット6、プラ枠アセンブリ7は外枠アセンブリ2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみてプラ枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応してガラス枠ユニット4及び外枠アセンブリ2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠アセンブリ2に対してガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともにガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動してプラ枠アセンブリ7とともにガラス枠ユニット4及び受け皿ユニット6の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠アセンブリ2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、プラ枠アセンブリ7は施錠されたままでガラス枠ユニット4の施錠だけが解除され、ガラス枠ユニット4が開放可能となる。ガラス枠ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。またガラス枠ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6のロック機構(図示していない)が露出する。この状態でロック機構を解除すると、受け皿ユニット6をプラ枠アセンブリ7に対して前面側へ開放することができる。
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、ガラス枠ユニット4の背後(内側)で上記のプラ枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えばガラス枠ユニット4を前面側へ開放した状態でプラ枠アセンブリ7に対して着脱可能である。ガラス枠ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、ガラス枠ユニット4の裏側に図示しないヒンジ機構を介して開閉式に取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。ガラス枠ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と遊技盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に外枠アセンブリ2から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の前面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きレバー6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きレバー6dを例えば左方向へスライドさせることで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図示されていない)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。
〔枠前面の構成〕
ガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50がガラスユニット8を取り巻くようにして複数の箇所に設置されている。また、受け皿ユニット6には受け皿ランプ52が設置されており、この受け皿ランプ52とガラス枠トップランプ46,48及びガラス枠サイドランプ50とは、外見上、パチンコ機1の前面において一体的につながっているかのようにデザインされている。
上述した各種ランプ46〜52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。またガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のガラス枠上スピーカ54とその中央にガラス枠中スピーカ55が内蔵されており、そして受け皿ユニット6には、下皿6cの右側に受け皿スピーカ56が内蔵されている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン41が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン41を操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、複合サブ制御基板ユニット171、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。このうち主制御基板ユニット170及び複合サブ制御基板ユニット171は、上記の遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、複合サブ制御基板ユニット171は、裏側からみて裏カバーユニット178に覆われている。
この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図8)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのインタフェースであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。なお、主制御装置70で生成された外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から出力される。
〔盤面の構成〕
図3は、遊技領域8a内の盤面構成を示す正面図である。なお、図3には遊技盤ユニット8から遊技領域8aを特に抜き出した状態で示しており、遊技盤ユニット8を構成する構造部材(板材や樹脂部品等)の図示は省略されている。
遊技領域8a内には、始動ゲート20や普通入賞口22、左始動入賞口26、右始動入賞口27、可変始動入賞装置29、可変入賞装置30(第2の入賞装置)等が設置されている。可変始動入賞装置29には中始動入賞口29aが設けられており、可動役物装置28には下大入賞口(第2の入賞口:参照符号なし)が設けられている。また、遊技領域8aの中央位置には、比較的大型の可動役物装置28(第1の入賞装置)が設置されており、可動役物装置28には上大入賞口28b(第1の入賞口)が設けられている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に始動ゲート20を通過したり、普通入賞口22に入球したり、左右の始動入賞口26,27に入球したり、あるいは、作動時(開放時)の可変始動入賞装置29に入球したり、同じく作動時(開放時)の可動役物装置28に入球したりする。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、入賞した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材)に形成された貫通穴を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
本実施形態では、可動役物装置28内に流入した遊技球は、さらにその内部で流下や転動、貯留(保留)等の過程を経て振り分け動作が行われた後に排出され、遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。なお、可動役物装置28内での遊技球の振り分け動作については、別の拡大図を参照しながらさらに後述する。
さらに本実施形態では、可変入賞装置30内に流入した遊技球についても、その内部で振り分け動作が行われた後に排出され、遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。可変入賞装置30内での遊技球の振り分け動作についても、別の拡大図を参照しながらさらに後述する。
上記の可変始動入賞装置29は、所定の条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って中始動入賞口29aへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置29は、例えば一対の可動片29bを有しており、これら一対の可動片29bは、例えば図示しない普通電動役物ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して左右方向に往復動作する。すなわち、一対の可動片29bは、図中に二点鎖線で示される直立した位置(閉止位置)にある状態で中始動入賞口29aへの入賞を困難にしているが、図中に実線で示されるように左右に拡開した位置(開放位置)に移動すると、中始動入賞口29aの開口幅を左右に拡大し、遊技球の中始動入賞口29aへの流入を案内する。この間に可変始動入賞装置29は遊技球の流入が可能な状態となり、中始動入賞口29aへの入球(入賞)を発生させる。
〔第1の入賞装置〕
可動役物装置28は、特定の条件が満たされた場合(特別図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、遊技球の流入を可能にする。すなわち可動役物装置28は、遊技領域8aの上部位置に設けられた左右一対の可動片28a(いわゆる羽根部材)を有しており、これら一対の可動片28aは、例えば図示しない上大入賞口ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って所定角度で往復回転する。図中に二点鎖線で示されるように、一対の可動片28aは略直立した状態(閉鎖状態)で上大入賞口28bを閉鎖した状態にあり、このため可動役物装置28への遊技球の流入は常に困難又は不能となっている。可動役物装置28が作動すると、図中に実線で示されるように一対の可動片28aがそれぞれ基端部を中心として遊技領域8a内の左右方向へ倒れるようにして変位(拡開)し、開放状態となる。このとき上大入賞口28bが開放されることで可動役物装置28への入球(上大入賞口28bへの遊技球の流入)を可能にする。一対の可動片28a及び上大入賞口28bは遊技領域8a内の上部位置、特に遊技球が最初に打ち込まれる位置の近くにあることから、可動役物装置28の作動時に遊技領域8a内に打ち込まれた遊技球は、上部位置の障害釘に誘導されて容易に可動片28aに到達し、そのまま可動片28aに案内されて入球(上大入賞口28bに流入)しやすくなる。なお、可動役物装置28内には、上大入賞口28bの内側位置にカウントスイッチ(図示していない)が設けられており、上大入賞口28bに入球した遊技球はカウントスイッチにより検出される。
また上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(可動役物装置28内に設けられた特定領域を遊技球が通過した場合)に作動し、下大入賞口(参照符号なし)への入球を可能にする(特別電動役物)。なお、可動役物装置28内の特定領域についてはさらに後述する。またこれとは別に、特別図柄が当りの態様で停止表示されたことを契機として可変入賞装置30が作動することとしてもよい。可変入賞装置30は例えば1つの開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aは、例えば図示しない下大入賞口ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材30aは、盤面に沿って直立した状態で閉位置(閉止状態)にあり、このとき下大入賞口への入賞は常に不能(下大入賞口は閉鎖中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、図示のように下大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、下大入賞口への入賞という特別な事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは下大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
なお、上記は可動役物装置28内に設けられた特定領域を遊技球が通過すると可変入賞装置30を作動させる場合の例であるが、可動役物装置28内の特定領域を遊技球が通過すると、同じ可動役物装置28をさらに作動させて大当たり遊技を実行する態様とすることもできる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、可変始動入賞装置29や可動役物装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示されていないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
上記の可動役物装置28には、装飾ユニット40が一体に設けられており、装飾ユニット40は、可動役物装置28の左右の上縁部及び右側縁部にかけて拡がっている。この装飾ユニット40は各種の装飾部品40a,40b,40c,40dを備えており、これら装飾部品40a,40b,40c,40dはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。
また、可動役物装置28の内側領域には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には普通図柄や特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や装飾ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。なお、遊技盤ユニット8にベニヤ板でなく透明板(例えばアクリル板)を用いる場合、透明板の前面や背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性が付加される。
さらに、可動役物装置28内にはルート振分体44が設置されている。このルート振分体44は、可動役物装置28内の上部位置で左右方向に延びた形状をなしており、その上面には遊技球の転動を案内する案内路(符号なし)が形成されている。ルート振分体44は、その長手方向でみた中央位置を支点として左右方向に傾斜するようにして動作(いわゆるシーソー運動)することができる。ルート振分体44は、例えば図示しないルート振分体モータ(ソレノイドでもよい)を用いた動力伝達機構の働きにより、左右いずれかに傾斜した状態に変化しつつ往復動作する。上記の上大入賞口28bに入球した遊技球は流下の過程でルート振分体44に案内され、その下り傾斜に沿って可動役物装置28内で左右いずれかへ流下方向を振り分けられる。
〔左ルート〕
可動役物装置28内の左側縁部には、案内通路28d及び流下通路28gが設けられている。ルート振分体44によって左方向へ振り分けられた遊技球は、案内通路28内に流下して流下通路28gへ案内され、さらに流下通路28g内を流下していく。なお、案内通路28d及び流下通路28gは透明(又は半透明)な樹脂材料を用いて形成されているため、可動役物装置28内での遊技球の存在や流下の態様は遊技者から容易に視認可能である。
〔球振り分け動作〕
流下通路28gの途中には、例えば図示しない第1ストッパが設けられている。第1ストッパは、同じく図示しない第1ストッパソレノイドにより往復動作可能であり、この往復動作に伴い、流下通路28gを途中で堰き止める貯留位置(制止状態)と流下通路28gを流通させる解除位置(解除状態)とに移動(位置又は状態が変化)する。第1ストッパが上記の貯留位置に移動すると、流下通路28gを流下する遊技球が一旦そこで堰き止められ、一時的に流下を貯留(保留)される。この状態で第1ストッパが解除位置に移動すると、それまで貯留されていた遊技球が再び流下していく。なお、流下通路28g内に2個以上の遊技球が流下していた場合、第1ストッパは1個目の遊技球だけを貯留し、2個目以降の遊技球を可動役物装置28から排出する(排出経路は図示されていない)。
可動役物装置28内には、その下側縁部に振り分けステージ(参照符号なし)が形成されており、第1ストッパの解除に伴い、上記の流下通路28gから放出された遊技球は、振り分けステージ上を転動する。
振り分けステージには第1回転体440が設けられており、この第1回転体440は、図示しない第1回転体モータを用いた動力伝達機構の働きにより、一定方向に回転している。図3には第1回転体440の一部のみが示されているが、第1回転体440は全体として円盤形状をなしており、その周縁部に沿って回転方向に複数の凹部(Vルート穴、アウト穴、逆転ルート穴等の種類)が形成されている。流下通路28gから放出された遊技球は、振り分けステージ上を転動して第1回転体440に到達し、いずれかの凹部に入り込む。このとき入り込んだ凹部の種類(Vルート穴、アウト穴、逆転ルート穴に応じて遊技球の振り分け動作が行われる。第1回転体440の下方には、特定領域(第1の特定領域)として図示しないV入賞通路が形成されており、凹部のうち「Vルート穴」に入り込んだ遊技球は、V入賞通路を通過した後に可動役物装置28から排出される。また、V入賞通路には図示しない第1特定領域スイッチが設けられており、V入賞通路を通過する遊技球は第1特定領域スイッチにより検出される。一方、凹部のうち「アウト穴」に入り込んだ遊技球は、V入賞通路を通過することなく可動役物装置28から排出される。なお、ここでの振り分け動作については、別の図面を参照してさらに後述する。
〔右ルート〕
可動役物装置28内の右側縁部には、2つの振り分け動作体28e,28fが設けられている。これら振り分け動作体28e,28fは、例えば上記のルート振分体モータを用いた動力伝達機構の働きにより、それぞれ一方向に回転している。このうち、一方の振り分け動作体28eは図中の時計回り方向に回転し、他方の振り分け動作体28gは反時計回り方向に回転する。各振り分け動作体28e,28fには、その外縁部にそって複数の凹部(図示していない)が周方向に形成されており、各凹部には遊技球を1個ずつ受け入れ可能となっている。ルート振分体44によって右方向へ振り分けられた遊技球は、流下方向でみて上流側に位置する振り分け動作体28eのいずれかの凹部内に入り込み、その回転に伴ってさらに右方向へ移動(運搬)されていく。この後、遊技球は振り分け動作体28eの回転に伴って凹部から放出され、次の下流側に位置する振り分け動作体28fに到達する。そして、遊技球は振り分け動作体28fのいずれかの凹部内に入り込み、その回転に伴って今度は左方向へ移動(運搬)される。なお、振り分け動作体28e,28fにも透明又は半透明の樹脂材料が用いられており、凹部内に受け入れられた遊技球の存在が遊技者から容易に視認可能となっている。
可動役物装置28内の右側縁部には、振り分け動作体28fに隣接して流下通路28mが形成されており、振り分け動作体28fの凹部から放出された遊技球は、流下通路28mを通じて案内される。右ルートにおける流下通路28mの途中にも、図示しない第2ストッパが設けられている。第2ストッパもまた、図示しない第2ストッパソレノイドにより往復動作可能であり、この往復動作に伴い、遊技球の移動を制止する貯留位置(制止状態)とその移動を許容する開放位置(解除状態)とに移動(状態が変化)する。第2ストッパが上記の貯留位置に移動すると、振り分け動作体28fから放出された遊技球が第2ストッパによって一時的に保留(貯留)される。この状態で第2ストッパが開放位置に移動すると、それまで貯留されていた遊技球が第2ストッパから開放されてさらに流下する。
〔球振り分け動作〕
流下通路28mは盤面の手前方向に開放されており、流下通路28mに案内された遊技球は開放端から放出される。なお、流下通路28mもまた透明又は半透明の樹脂材料により形成されている。流下通路28mの開放端より下方には案内通路28nが設けられており、この案内通路28nは右方向に下り傾斜を有している。流下通路28mに流入した遊技球は、その下端開放から放出されると案内通路28nに受け止められ、その下り傾斜に沿って右方向へ転動する。なお、案内通路28nにも透明(又は半透明)な樹脂材料が用いられている。
〔最終振分動作体〕
さらに、可動役物装置28内には、第2回転体442が設けられている。この第2回転体442は上記の案内通路28nの下端に隣接して位置しており、案内通路28nを転動してきた遊技球は、最終的に第2回転体442によって振り分けられる。
第2回転体442もまた、例えばパチンコ機1の電源投入時は盤面に沿って一方向(例えば時計回り)に回転している。また、第2回転体442には、その周縁部に2つのアウト穴442aと1つのVルート穴442bが形成されている。
案内通路28nから放出された遊技球は、そのときの第2回転体442の回転角度(回転位置)に応じてアウト穴442a又はVルート穴442bのいずれかに入り込む。第2回転体442の下方には、特定領域(第1の特定領域)としてV入賞通路450が形成されており、上記のVルート穴442b内に入り込んだ遊技球は、このV入賞通路450を通過した後に可動役物装置28から排出される。また、V入賞通路450には図示しない特定領域スイッチが設けられており、V入賞通路450を通過する遊技球は第1特定領域スイッチにより検出される。また、アウト穴442aに入り込んだ遊技球は、アウト通路に放出され、V入賞通路450を通過することなく可動役物装置28から排出される。なお、アウト穴442aには透明(又は半透明)な樹脂材料が用いられているため、アウト穴442aに入り込んだ遊技球の存在は遊技者から容易に視認可能である。また、Vルート穴442bは盤面の手前側が開放されているため、Vルート穴442bに入り込んだ遊技球の存在はそのまま遊技者から視認可能である。
このように、可動役物装置28内での遊技球の振り分け動作は、先ず(1)ルート振分体44による左ルート又は右ルートへの振り分けを行った後、(2)左ルートに振り分けられた場合は第1回転体440による振り分け、(3)右ルートに振り分けられた場合は第2回転体442による振り分けが行われる。このとき、(2)の第1回転体440による振り分けでは例えば8分の1の確率で特定領域を通過するが、(3)の第2回転体442による振り分けでは3分の1の比較的高い確率で特定領域を通過することになる。なお、いずれの特定領域も、可動役物装置28内に設けられているという点で同じ機能を有する。
このため、可動役物装置28内に遊技球が流入した場合、先ず「左ルート又は右ルートのどちらに振り分けられるか」に関して遊技者の興味を惹き付けた後、次に「各ルートにおいて特定領域(第1の特定領域)を遊技球が通過するかどうか」に関してさらに遊技者の興味を惹き付けることができる。特に右ルートへの振り分けが行われた場合、特定領域を通過する確率が3分の1と極めて高くなるため、そこで一気に遊技者の興味や期待感を高めることができる。
〔逆転パターンによる振り分け動作〕
上記のように本実施形態では、左ルートに振り分けられた遊技球が第1回転体440による振り分け動作によって「アウト穴」又は「Vルート穴」である凹部には入り込まず、「逆転ルート穴」である凹部に入り込む場合もある。この場合、遊技球はV入賞通路又はアウト通路のいずれにも放出されず、上述した第2回転体442での振り分け動作を受ける機会を与えられる。
具体的には、可動役物装置28の下縁部には第1回転体440よりも右側領域に右方向へ下り傾斜した逆転誘導通路(参照符号なし)が形成されている。逆転ルート穴に入り込んだ遊技球は、第1回転体440の回転に伴い、その右側領域で逆転誘導通路に放出される。そして遊技球は、逆転誘導通路の下り傾斜に沿って右方向へ転動する。可動役物装置28内には、逆転誘導通路の終端位置にる逆転装飾部材290が設けられており、この逆転装飾部材290に図示しない第3ストッパが設けられている。上記の逆転誘導通路を通じて右方向へ転動した遊技球は、第3ストッパにて受け止められる。なお、逆転装飾部材290は第3ストッパの手前に位置しており、逆転装飾部材290には透明(又は半透明)な樹脂材料が用いられているため、第3ストッパ194に受け止められた遊技球の存在は遊技者から容易に視認可能である。
なお、第3ストッパは、図示しない第3ストッパモータ(第1,第2ストッパ同様にソレノイドでもよい)を用いた昇降機構により上下方向に往復動作可能である。そして第3ストッパはこの往復動作に伴い、遊技球を受け止める貯留位置(制止状態)と遊技球を上記の案内通路28nに放出する放出位置(開放状態)とに移動(状態が変化)することができる。第3ストッパ、上記の貯留位置にある状態で逆転ルート誘導路から転動してきた遊技球を貯留し、その移動を制止する。この状態で第3ストッパが放出位置まで上昇すると、それまで貯留されていた遊技球の移動が許容されて右方向へ転動し、案内通路28nに放出される。また、第3ストッパの近傍(ここでは下方)位置には近接方式の逆転検知スイッチ(図示されていない)が設置されており、第3ストッパに遊技球が受け止められると、その遊技球の存在が逆転検知スイッチにより検出される。
これにより、一旦は左ルート(特定領域の通過確率8分の1)に振り分けられた遊技球についても、第1回転体440の逆転ルート穴から逆転誘導通路を経て第3ストッパに受け止められた場合は、そこから一気に逆転して右ルートへの振り分けが行われた場合と同様のチャンス(第2回転体442による特定領域の通過確率3分の1の振り分け)を与えられる可能性が残されていることになる。これにより、左ルートについても遊技者の興味を最後まで持続し、興趣の低下を抑えることができる。
上記は、盤面中央の可動役物装置28内で行われる遊技球の振り分け動作についてであるが、本実施形態では、盤面下部位置の可変入賞装置30内にも別の振り分け動作を行う部材として、第3回転体462が設けられている。可変入賞装置30に入球した遊技球は、例えば大入賞口内部の傾斜誘導路(符号なし)に沿って右方向へ転動し、下大入賞口に対応したカウントスイッチ208でカウントされた後、上記の第3回転体462に到達する。
〔可変入賞装置内での球振り分け動作〕
第3回転体462は、可動役物装置28内に設けられている第2回転体442と同等の構造をなしており、例えばパチンコ機1の電源投入時は盤面に沿って一方向(例えば時計回り)に回転している。第3回転体462にもまた、その周縁部に2つのアウト穴462aと1つのVルート穴462bが形成されている。
第3回転体462に到達した遊技球は、そのときの第3回転体462の回転角度(回転位置)に応じてアウト穴462a又はVルート穴462bのいずれかに入り込む。第3回転体462の後方には、可動役物装置28内とは別の特定領域(第2の特定領域)としてV入賞通路460が形成されており、上記のVルート穴462b内に入り込んだ遊技球は、このV入賞通路460を通過した後に可変入賞装置30から排出される。また、V入賞通路460には図示しない第2特定領域スイッチが設けられており、V入賞通路460を通過する遊技球は第2特定領域スイッチにより検出される。また、アウト穴462aに入り込んだ遊技球はアウト通路に放出され、V入賞通路460を通過することなく可変入賞装置30から排出される。なお、アウト穴462aに透明(又は半透明)な樹脂材料が用いられているため、アウト穴462aに入り込んだ遊技球の存在が遊技者から容易に視認可能である点は第2回転体442と同様である。また、Vルート穴462bは盤面の手前側が開放されているため、Vルート穴462bに入り込んだ遊技球の存在はそのまま遊技者から視認可能である点も同様である。
図4は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、状態表示ランプ36,37,39、大当り種別表示装置38が設けられている。このうち、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、本実施形態において特別図柄に対応する作動記憶ランプや作動記憶数表示装置は設けられていない。
また、普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)で構成されており、このうち1つが当り図柄に対応し、もう1つが非当選図柄に対応する。そして普通図柄表示装置33は、これら2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄の変動状態を表示し、その停止表示時には普通図柄に対応する作動抽選の結果に応じていずれかのランプ(LED)を点灯させる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば普通図柄表示装置33による普通図柄の変動表示中(確定停止表示時間を含む)に始動ゲート20を遊技球が通過すると、その通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その変動が停止した後、次に普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。このように、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない始動ゲート20の通過の回数を表している。
状態表示ランプ36,37、39は、それぞれLEDで構成されている。本実施形態では、これら3つの状態表示ランプ36,37,39の点灯又は消灯により、遊技に関する内部状態の遷移を表示することができる。表示する内部状態としては、例えば変動時間短縮機能の作動状態(時短ON)又は非作動状態(時短OFF)のいずれか、遊技球発射位置の指定等である。なお、ここでは3つの状態表示ランプ36,37,39を用いて内部状態を表示しているが、例えば2つの状態表示ランプ36,37だけを用いてもよい。
また、大当り種別表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b,38cにそれぞれ対応する3つのLEDが含まれている。本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、状態表示ランプ36,37,39及び大当り種別表示装置38が1枚の統合表示基板230に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。なお、図4中、特に参照符号を付していない他のランプ(LED)は未使用(ブランク)のものである。
〔第1回転体による振り分け動作の詳細〕
図5及び図6は、可動役物装置28内の振り分けステージを部分的に示す平面図である。これら図5,図6には、第1回転体440による各種の振り分け動作の様子が示されている。以下、第1回転体440による各種の振り分け動作について、それぞれ補足的に説明する。また、以下では第1ストッパが貯留位置から解除位置に移動したことで、流下通路28g内で第1ストッパより先に遊技球の移動が許容された場合を想定している。
また、可動役物装置28の下縁部には円形状の窪み部分(図示されていない)が形成されており、この窪み部分は、第1回転体440をその周囲よりも一段低く陥没させるようにして収容している。そして、この窪み部分より左側に流下通路28gの終端部分が形成されている。上記のように第1ストッパが解除位置に移動すると、それまで移動を制止されていた遊技球が開放され、第1ストッパより下流(下方)の流下通路28gを転動する。そして遊技球は、流下通路28gの終端から第1回転体440の外周縁に到達する。なお、流下通路28g内には排出口284が形成されており、この排出口284は、第1ストッパに1球目の遊技球が既に貯留されている状態で、続いて流下してきた2球目以降の遊技球を排出するためのものである。
第1回転体440には、その周縁部に6つのアウト穴440a(全ては図示されていない)と1つのVルート穴440b、そして1つの逆転ルート振り分け部(図3には示されていない)が形成されている。このうちVルート穴440bと逆転ルート穴とは、第1回転体440の回転中心を挟んで互いに対称となる位置(多角形でいう対角線上)に形成されている。したがって逆転ルート穴は、図3中でみてVルート穴440bのちょうど真裏に位置することになる。その他の6つのアウト穴440aは、周方向でみてVルート穴440bと逆転ルート穴との間に、それぞれ3つずつ等間隔で配置されている。
上記のように、遊技球が流下通路28gの終端から第1回転体440の外周縁に到達すると、そこで遊技球は上記のアウト穴440a、Vルート穴440b又は逆転ルート穴のいずれかに入り込む。この状態で遊技球は、第1回転体440の回転に伴ってその回転方向に移送されていく。
特に図示していないが、可動役物装置28の下縁部の内部(第1回転体440の下方)には特定領域としてV入賞通路が形成されており、第1回転体440はその回転に伴い、V入賞通路への落下口(V入賞落下口)の真上となる位置でVルート穴440bを回転方向に通過させる。このため上記のVルート穴440b内に入り込んだ遊技球は、第1回転体440の回転に伴い、V入賞通路を通過した後に可動役物装置28から排出される。また、V入賞通路には図示しない第1特定領域スイッチが設けられており、V入賞通路(第1の特定領域)を通過する遊技球は第1特定領域スイッチにより検出される。
またV入賞通路とは別に、可動役物装置28の下縁部の内部(第1回転体440の下方)にはアウト通路が形成されており、第1回転体440はその回転に伴い、アウト通路への落下口(アウト落下口)の真上となる位置で各アウト穴440aを回転方向に通過させる。このため上記のアウト穴440aに入り込んだ遊技球は、V入賞通路を通過することなくアウト通路を通って可動役物装置28から排出される。なお、逆転ルート穴に入り込んだ遊技球の振り分け先についてはさらに後述する。
図5中(A),(B)等に示されるように、振り分けステージ上で流下通路28gは溝形状をなしており、盤面の手前から奧方向へ一旦延びた後、そこでUターンするようにして手前方向へ折り返し、その終端は緩やかに右方向へ湾曲して第1回転体440の外周縁に到達している。
また、上記のように第1回転体440は全体として円盤形状(笠形状)をなしており、その周縁部にアウト穴440aやVルート穴440b、逆転ルート穴440c等が一定間隔で形成されている。可動役物装置28の下縁部(振り分けステージ)は、第1回転体440を収容できるだけの奥行きを有しており、そのさらに奧側に液晶表示器42が配置されている。これにより、遊技者に対して盤面の中央部分に奥行き感や立体感を抱かせ、視覚的なインパクトを与えることができる。上記の流下通路28gは、この奥行きを利用して液晶表示器42の左側方に配置されている。
また、可動役物装置28の下縁部には、その内部に図示しない第1特定領域スイッチ及び排出検知スイッチがそれぞれ配置されている。このうち第1特定領域スイッチは上記のV入賞通路上に設けられており、また排出検知スイッチは上記のアウト通路上に設けられている。このため第1回転体440のアウト穴440aに入り込んだ遊技球は、上記のアウト通路を通って排出される過程で、排出検知スイッチにより検出される。またVルート穴440bに入り込んだ遊技球は、特定領域(第1の特定領域)としてのV入賞通路を通過したことが第1特定領域スイッチにより検出される。
また、図5中(A),(B)等には、上記の逆転誘導通路28hが示されている。逆転誘導通路28hは、振り分けステージ上で第1回転体440の右側方に形成されており、第1回転体440の逆転ルート穴440cに入り込んだ遊技球は、その回転に伴い逆転誘導通路28hに放出される。なお、上記の第3ストッパは、その貯留位置(下降位置)で逆転誘導通路28hの終端に隣接している。
以下、第1回転体440による振り分け動作について説明する。
〔アウト振り分け時〕
図5中(A):ここでは、いずれかのアウト穴440aに遊技球が入り込んだ場合の振り分け動作が示されている。先ず、アウト穴440aとVルート穴440bとでは、Vルート穴440bに比較してアウト穴440aの方が第1回転体440の回転中心に近い位置に形成されている。すなわち、図中の二点鎖線で示されているように、アウト穴440aに入り込んだ遊技球は、Vルート穴440bと比較して第1回転体440の回転中心に近い位置で保持され、その回転方向に移送されていくことになる。
また、第1回転体440の下方にはアウト落下口444及びV入賞落下口446がそれぞれ形成されている。このうちV入賞落下口446に比較して、アウト落下口444の方が第1回転体440の回転中心に近い位置に形成されており、アウト落下口444が回転方向でみて上流側に位置している。そして、第1回転体440の回転に伴い、個々のアウト穴440aがアウト落下口444の真上を通過する際、アウト穴440aはその全体がアウト落下口444の内側に収まった状態となる。このため、いずれかのアウト穴440aに入り込んでいた遊技球は、そのアウト穴440aがアウト落下口444の内側に収まる位置に到達すると、そこでアウト落下口444内に落下する。なお、第1回転体440が収容されている円形状の窪み部分は、アウト落下口444やV入賞落下口446以外が全体的に底板(参照符号なし)で塞がれているため、アウト落下口444やV入賞落下口446以外のところで遊技球がアウト穴440aやVルート穴440bから落下することはない。
〔V入賞振り分け時〕
図5中(B):次に、ここではVルート穴440bに遊技球が入り込んだ場合の振り分け動作が示されている。図中の二点鎖線で示されているように、Vルート穴440bに入り込んだ遊技球は、アウト穴440aよりも第1回転体440の回転中心から遠い位置で保持され、その回転方向に移送されていくことになる。
そして、Vルート穴440bがアウト落下口444の真上に到達しても、回転中心からの距離の違いにより、Vルート穴440bはアウト落下口444と部分的に重なり合うものの、遊技球の投影面積より大きい範囲にわたって重なり合うことはない。したがって、遊技球はVルート穴440bからアウト落下口444へは落下することなく、第1回転体440の回転に伴ってさらに移送される。
次にVルート穴440bがV入賞落下口446の真上を通過する際、Vルート穴440bはその全体がV入賞落下口446の内側に収まった状態となる。このとき遊技球はVルート穴440bからV入賞落下口446に落下し、第1の特定領域としてのV入賞通路(第1特定領域スイッチ)を通過することになる。
〔逆転振り分け時〕
図6:ここでは、逆転ルート穴440cに遊技球が入り込んだ場合の振り分け動作が示されている。逆転ルート穴440cは、アウト穴440aやVルート穴440bと違って底が抜けていない。このため、逆転ルート穴440cがアウト落下口444やVルート穴440bの上方を通過しても、逆転ルート穴440cから遊技球が落下することはない。
また第1回転体440(回転面)は、全体的に盤面の手前側へ下り傾斜している。このため、回転中心より手前側で逆転ルート穴440cが逆転誘導通路28hに対向すると、遊技球は下り傾斜に沿って移動し、逆転ルート穴440cから逆転誘導通路28hに放出される。この後、遊技球は隣接する第3ストッパに到達し、そこで貯留されることになる。なお、第3ストッパで貯留された遊技球がさらに第2回転体442による振り分け動作の対象となることは既に説明した通りである。
図7は、可変入賞装置30を拡大して示す正面図である。可変入賞装置30は、上記のように開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aを前後方向に往復移動させて大入賞口(符号なし)を開放又は閉鎖する。なお、図7では可変入賞装置30が開放状態で示されている。ここでは、可変入賞装置30内での遊技球が特定領域(第2の特定領域)を通過するか否かの振り分け動作(役物ゲーム)について補足的に説明する。
可変入賞装置30内には、開閉部材30aにより開放された大入賞口の奥に傾斜面30cが形成されており、大入賞口に入球(入賞)した遊技球は、傾斜面30cの傾斜に沿って右方向に転動する。傾斜面30cの終端位置にはカウントスイッチ208が設置されており、大入賞口に入球した遊技球はカウントスイッチ208により検出される。
可変入賞装置30内には、カウントスイッチ208を通過した先の位置に上記の第3回転体462が設けられており、第3回転体462とカウントスイッチ208との間には誘導通路462cが形成されている。カウントスイッチ208を通過した遊技球は、誘導通路462cを介して第3回転体462に到達する。
〔アウト振り分け時〕
図7に示されるように、第3回転体462のアウト穴462aが誘導通路462cに対向するタイミング(回転角度)で遊技球が到達した場合、その遊技球はアウト穴462aに入り込む。そして、第3回転体462の回転に伴い、遊技球はその回転方向に移送されていく。
ここで、第3回転体462の奥はその回転領域の大部分が閉塞されているが、第3回転体462を挟んで誘導通路462cの反対側にアウト落下口462dが開口して形成されている。一方、アウト穴462aは奥側が開放された状態となっており、かつ、アウト穴462aの内部は、誘導通路462cに対向する位置では遊技球を自重により受け入れ可能であるが、アウト落下口462dと重なり合う位置では遊技球を奥側へ転動させる形状となっている。したがって、第3回転体462の回転に伴いアウト穴462aがアウト落下口462dと重なり合う位置に到達すると、アウト穴462aに入り込んでいた遊技球はアウト落下口462dに放出される。なお、2つあるアウト穴462aについては、いずれも同様の振り分け動作となる。
〔V入賞振り分け時〕
ここでは図示されていないが、Vルート穴462bが誘導通路462cに対向するタイミング(回転角度)で遊技球が到達した場合、その遊技球はVルート穴462bに入り込む。そして、第3回転体462の回転に伴い、遊技球はその回転方向に移送されていく。
上記のアウト穴462aと異なり、Vルート穴462bは、その奥側が壁で閉塞された構造となっている。このため、Vルート穴462bがアウト落下口462dと重なり合う位置に到達しても、Vルート穴462bに入り込んだ遊技球がアウト落下口462dに放出されることはない。したがって、Vルート穴462bに入り込んだ遊技球は、第3回転体462の回転に伴ってアウト落下口462dの位置を通り過ぎ、さらに回転方向へ移送される。
可変入賞装置30内には、第3回転体462の下方位置にV入賞通路460が形成されており、V入賞通路460の奥には第2特定領域スイッチ(図示していない)が配置されている。第3回転体462の回転に伴い、Vルート穴462bがV入賞通路460に対向する位置に到達すると、Vルート穴462bに入り込んでいた遊技球はV入賞通路460に落下し、第2の特定領域(図示しない第2特定領域スイッチ)を通過することになる。なお、V入賞通路460を含む第3回転体462の前面側は透明樹脂材料のカバーで覆われており、可変入賞装置30内での遊技球の振り分け動作は遊技者から容易に視認可能となっている。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図8は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。
また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力ドライバ(I/O)79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するための始動ゲートスイッチ80が内蔵して設けられている。また遊技盤ユニット8には、可動役物装置28に対応して上記の第1特定領域スイッチ82が設けられている。なお、可動役物装置28の詳細で先に述べたとおり、第1特定領域スイッチ82は、第1回転体440と第2回転体442のそれぞれに対応して2箇所(中央と右側)にそれぞれ配置されている。さらに遊技盤ユニット8には、可変入賞装置30にも対応して上記の第2特定領域スイッチ85が設けられている。
また、遊技盤ユニット8には、左始動入賞口26に対応して左始動入賞口スイッチ78が設けられている他、右始動入賞口27に対応して右始動入賞口スイッチ81が設けられている。さらに、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置29に対応して中始動入賞口スイッチ83が設けられている。これらの他にも、可動役物装置28内には上述した上大入賞口スイッチ200や排出検知スイッチ206が設けられている。なお排出検知スイッチ206は、可動役物装置28から排出された遊技球を検出し、その検出信号を出力するものである。これら検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。また排出検知スイッチ206は、第1回転体440と第2回転体442のそれぞれに対応して2箇所に配置されていてもよい。
この他にも遊技盤ユニット8には、カウントスイッチ208及び入賞口スイッチ210が設けられている。このうちカウントスイッチ208は、可動役物装置28(上大入賞口28b)に対応するものと、可変入賞装置30(下大入賞口)に対応するものがある。いずれにしても、カウントスイッチ208は、可動役物装置28(上大入賞口28b)又は可変入賞装置30(下大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。また入賞口スイッチ210は、普通入賞口22への遊技球の入賞(入球)を検出するものである。これらスイッチ類208,210の入賞検出信号もまた主制御装置70に送信され、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態では始動ゲートスイッチ80、第1特定領域スイッチ82及び第2特定領域スイッチ85からの検出信号が特に中継物を介することなく主制御装置70に送信されており、その他の検出信号はパネル中継端子板87を中継して主制御装置70に送信されている。パネル中継端子板87には、それぞれの検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
また、遊技盤ユニット8には、上述した普通電動役物ソレノイド212や上大入賞口ソレノイド214及び下大入賞口ソレノイド216が設けられている。これらソレノイド212,214,216には、主制御装置70(主制御CPU72)からパネル中継端子板87を経由して駆動信号が入力されるものとなっている。
また可動役物装置28内には、ルート振分体モータ218や第1ストッパソレノイド220、第2ストッパソレノイド222、第3ストッパモータ224が設けられている他、第1回転体モータ226、第2回転体モータ228及び第3回転体モータ229が設けられている。このうちルート振分体モータ218は、ルート振分体44を往復運動させたり、振り分け動作体28e,28fを回転させたりするものである。また、第1回転体モータ226及び第2回転体モータ228は、それぞれ第1回転体440及び第2回転体442を回転させるためのものであり、第3回転体モータ229は、第3回転体462を回転させるためのものである。
また、第1ストッパソレノイド220及び第2ストッパソレノイド222は、それぞれ第1ストッパ及び第2ストッパを貯留位置又は解除位置に切り換えるためのものである。第3ストッパモータ224は、第3ストッパを上記の貯留位置と放出位置との間で移動させるためのものである。なお、ここではルート振分体44及び振り分け動作体28e,28fを専用のルート振分体モータ218で動作又は回転させる例を挙げているが、ルート振分体44及び振り分け動作体28e,28fの駆動源を第2回転体モータ228で兼用してもよい。この場合、モータの部品点数を削減して省スペースやコストダウンを図ることができる。
〔ソレノイドの機能〕
上記の第1ストッパソレノイド220は、例えば図示しないリンク機構を介して第1ストッパや可動装飾体280を作動させる。第1ストッパソレノイド220が非通電(通常OFF)の状態にある場合、第1ストッパは解除位置に保持されている。
〔OFF→ON時〕
第1ストッパソレノイド220が通電状態(OFF→ON)になると、第1ストッパは解除位置から制止位置に変位する。この状態で左ルートに振り分けられた遊技球が流下してくると、第1ストッパにて遊技球の移動を制止することができる。
〔ON→OFF時〕
第1ストッパソレノイド220が通電状態から非通電状態になると(ON→OFF)、第1ストッパは制止位置から解除位置に復帰する(解除動作)。これにより、第1ストッパで貯留されていた遊技球が第1回転体440に向けて放出される。
第2ストッパソレノイド222もまた、図示しないリンク機構を介して第2ストッパを作動させる。第2ストッパソレノイド222が非通電(通常OFF)の状態にある場合、第2ストッパは解除位置に保持されている。
〔OFF→ON時〕
第2ストッパソレノイド222が通電状態(OFF→ON)になると、第2ストッパは解除位置から制止位置に変位する。この状態で右ルートに振り分けられた遊技球が流下してくると、第2ストッパにて遊技球の移動を制止することができる。
〔ON→OFF時〕
第2ストッパソレノイド222が通電状態から非通電状態になると(ON→OFF)、第2ストッパは制止位置から解除位置に復帰する(解除動作)。これにより、第2ストッパで貯留されていた遊技球が球誘導体28kに向けて放出される。
なお、上記の例とは別に、第1ストッパソレノイド220や第2ストッパソレノイド222は、それぞれ通電時と非通電時とで逆の動作を発生させてもよい。
その他に可動役物装置28内には、第3ストッパに対応して第3ストッパ位置検出スイッチ225が設けられている。第3ストッパ位置検出スイッチ225は、例えば第3ストッパが上記の貯留位置にある場合、位置検出信号(ON信号)を出力し、貯留位置以外にある場合は論理を反転した位置検出信号(OFF信号)を出力する。この位置検出信号(ON又はOFF)に基づき、主制御CPU72は第3ストッパが貯留位置にあるのか、それとも貯留位置以外にあるのかを判断することができる。
本実施形態では、電源投入後からルート振分体44や振り分け動作体28e,28f、第1回転体440、第2回転体442、第3回転体462等がそれぞれ一定動作を行っている。このうちルート振分体モータ218や第1回転体モータ226、第2回転体モータ228、第3回転体モータ229については、図示しないインデックスセンサを用いてこれらの回転に関する原点位置の検出を行っている。このため主制御装置70には、これらインデックスセンサからの原点位置検出信号が入力されている。
なお、ルート振分体44や振り分け動作体28e,28f、第1回転体440、第2回転体442、第3回転体462等の一定動作は、遊技状態(大当り遊技状態とそれ以外の状態)の変化に関わらず、パチンコ機1の電源がオフにされるまで同じ条件で継続する。
本実施形態では、遊技盤ユニット8に例えば1枚の統合表示基板230が設けられており、この統合表示基板230に実装された状態で普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、状態表示ランプ36,37,39及び大当り種別表示装置38が設置されている。統合表示基板230には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信されており、普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、状態表示ランプ36,37,39及び大当り種別表示装置38は、いずれも主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34、35及びランプ33a,36〜39に対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(ステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
またパチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
またパチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には受皿中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、受皿中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、受皿中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、受皿中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6にはCR基板122が内蔵されており、このCR基板122には上記の球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチや、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号がCR基板122から受皿中継端子板118、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120から受皿中継端子板118を経由してCR基板122に送信される。CR基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124を備えている。この演出制御装置124は、上記の複合サブ制御基板ユニット171に内蔵されている。演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行うものである。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置29、可動役物装置28、可変入賞装置30、装飾ユニット40等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、ガラス枠上スピーカ54及び受け皿スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン41が接続されており、遊技者が演出切替ボタン41を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン41を接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン41は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、ランプ駆動回路132からの駆動信号がパネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53に印加されている。また、可動役物装置28内には演出用の球検出器として、上述した左ルートスイッチ202や右ルートスイッチ204、逆転検知スイッチ205が設けられている。これらの検出信号は、パネル電飾基板138を中継して送信され、図示しない入出力ドライバを介して演出制御CPUに入力される。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてのその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライトに印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なおVRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。
また、プラ枠アセンブリ7の裏側には外部端子板160が設置されている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報(特別図柄変動開始情報、特別図柄停止図柄確定回数情報、賞球払出情報、大当り中、時間短縮機能作動中といった遊技ステータス情報)を出力することができる。盤用外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータで集計される。
〔ゲームフロー(1)〕
次に、パチンコ機1におけるゲームフローについて説明する。
図9及び図10は、本実施形態のパチンコ機1による遊技の流れを一例として示すゲームフロー図である。本実施形態では、複数通りのゲームフロー(1),(2),(3)が存在するが、ここでは先ず、図9及び図10を用いて1つ目のゲームフロー(1)について説明する。
〔構造体グループ〕
ゲームフロー(1)では、遊技領域8a内にある構造体(構造物)を以下の2グループG1,G2に分類し、グループ別の構造体を用いて役物ゲームを行うものとする。先ず、各グループG1,G2の構成について説明する。
図9中の太い破線で囲まれたグループG1には、盤面中央位置の可動役物装置28、左始動入賞口26、右始動入賞口27等の構造体が含まれる。また、図9中の太い一点鎖線で囲まれたグループG2には、始動ゲート20、可変始動入賞装置29、可変入賞装置30等の構造体が含まれる。
〔グループG1の役物ゲーム〕
図9には、グループG1の構造体を用いた遊技の流れがフローチャートの形式で示されている。パチンコ機1による通常遊技は、遊技球を遊技領域8a内に打ち込む(発射する)ことで開始される。以下、遊技球の打ち出しを前提として遊技の流れについて説明する。
〔G01:左・右始動口に入賞〕
遊技球が遊技領域8a内を流下する過程で、遊技球が左始動入賞口26又は右始動入賞口27に入球(入賞)すると、主制御CPU72による制御上で内部抽選に必要な要素(各種の乱数)が取得される(第1の作動契機)。
〔G02:第1特別図柄変動・停止〕
第1特別図柄に対応する内部抽選が行われると、第1特別図柄が変動表示され、変動時間経過後に停止表示される。このとき、内部抽選で当り(小当り図柄当選)となる確率を極めて高確率(例えば65536分の65535程度)にすることで、第1特別図柄はほとんどの場合で小当り図柄の態様により停止表示される。
〔小当り発生〕
上記のように、第1特別図柄が小当り図柄の表示態様で停止表示されると、フロー上で小当りが発生する。なお、G02の遊技手順は適宜省略することができる。この場合、G01の手順を契機として小当りを発生させることとする。
〔G04:上大入賞口開放〕
小当り発生により、中央位置の可動役物装置28が作動する。具体的には、一対の可動片28aが閉鎖状態から開放状態となり、上大入賞口28b(第1の入賞口)が開放される。これにより、上大入賞口28bに遊技球が入球することが可能となる。なお、上大入賞口28bの開放回数や開放時間は適宜に設定することができる。
〔上大入賞口入賞時〕
上大入賞口28bの開放時、実際に遊技球が入球(入賞)すると、可動役物装置28内での球振り分け動作による役物ゲームが行われる。特に図示していないが、上大入賞口28bが開放されても、入球(入賞)が発生しなかった場合、以下の遊技手順は実行されない。
〔G06:球振り分け動作(1/12)〕
可動役物装置28内では、ルート振分体44や振り分け動作体28e,28f、第1回転体440、第2回転体442等を用いた球振り分け動作が行われる。ここでは球振り分け動作として、第1回転体440のVルート穴440bに遊技球が入り込み、V入賞通路(第1の特定領域)を通過するか否かを決定するか、もしくは、第2回転体442のVルート穴442bに遊技球が入り込み、V入賞通路450(第1の特定領域)を通過するか否かを決定する役物ゲームが行われる。いずれにしても、可動役物装置28内で第1の特定領域を遊技球が通過する確率(難易度)は12分の1程度に設定されているものとする(難易度設定手段)。
〔G08:通過判定〕
上記の球振り分け動作の結果、第1の特定領域を遊技球が通過しなければ(No)、ひとまず役物ゲームは終了となる。具体的には、第1回転体440で遊技球がアウト穴440aに振り分けられたか、第2回転体442で遊技球がアウト穴442aに振り分けられた場合である。
〔G10:大当り遊技実行〕
これに対し、第1の特定領域を遊技球が通過すると(Yes)、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。ここでの大当り遊技は、同じグループG1に属する可動役物装置28を用いて行ってもよいし、他のグループG2に属する可変入賞装置30を用いて行ってもよい。いずれにしても、大当り遊技(特別遊技)が実行されると、大入賞口(上大入賞口28b又は下大入賞口)がある程度の開放時間(例えば最長で29秒程度)にわたって開放され、その間に遊技球を入球(入賞)させることが可能となる。なお、開放時間が経過するか、もしくは開放時間内に入球した遊技球が規定個数(例えば9個)に達すると、大入賞口は閉鎖される。
〔グループG2の役物ゲーム〕
次に図10には、グループG2の構造体を用いた遊技の流れがフローチャートの形式で示されている。この場合も同様に、パチンコ機1による通常遊技は、遊技球を遊技領域8a内に打ち込む(発射する)ことで開始される。
〔G20:始動ゲート通過〕
遊技球が遊技領域8aを流下する過程で始動ゲート20を通過すると、普通図柄に対応した抽選の実行に必要な要素(各種乱数)が取得される。
〔G22:普通図柄変動・停止〕
取得された要素を用いて普通図柄抽選(作動抽選)が行われ、普通図柄表示装置33による普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。
〔G24:抽選結果〕
抽選の結果が非当選であり、普通図柄が非当選の態様で停止表示されると(No)、ここでひとまず遊技手順は終了する。これに対し、抽選の結果が当選であり、普通図柄が当選の態様で停止表示されると(Yes)、以下の遊技手順が実行される。なお、本実施形態では普通図柄の当選確率が1分の1に近いので、ほとんどの場合は以下の遊技手順となる。
〔G26:普通電動役物作動〕
普通電動役物としての可変始動入賞装置29が作動し、中始動入賞口29aの開口幅が拡開(拡張)される。
〔G28:中始動入賞口に入賞〕
遊技球が遊技領域8a内を流下する過程で中始動入賞口29aに入球(入賞)すると、主制御CPU72による制御上で内部抽選に必要な要素(各種の乱数)が取得される(第2の作動契機)。
〔G30:第2特別図柄変動・停止〕
グループG2のゲームにおいては、第2特別図柄に対応する内部抽選が行われる。そして、第2特別図柄が変動表示され、変動時間経過後に停止表示される。このとき、内部抽選で当り(小当り図柄当選)となる確率を極めて高確率(例えば65536分の65535程度)にすることで、第2特別図柄もまた、ほとんどの場合で小当り図柄の態様により停止表示される。
〔小当り発生〕
上記のように、第2特別図柄が小当り図柄の表示態様で停止表示されると、フロー上で小当りが発生する。なお、G30の遊技手順もまた適宜省略することができる。この場合、G28の手順を契機として小当りを発生させることとする。
〔G32:下大入賞口開放〕
また、グループG2のゲームにおいては、小当り発生により、下部位置の可変入賞装置30が作動する。具体的には、開閉部材30aが閉鎖状態から開放状態となり、下入賞口(第2の入賞口)が開放される。これにより、下大入賞口に遊技球が入球することが可能となる。なお、下大入賞口の開放回数や開放時間は適宜に設定することができる。
〔下大入賞口入賞時〕
グループG2のゲームでは、下大入賞口の開放時、実際に遊技球が入球(入賞)すると、可変入賞装置30内での球振り分け動作による役物ゲームが行われる。特に図示していないが、下大入賞口が開放されても、入球(入賞)が発生しなかった場合、以下の遊技手順は実行されない。
〔G34:球振り分け動作(1/3)〕
そして、グループG2のゲームでは、可変入賞装置30内で第3回転体462を用いた球振り分け動作が行われる。ここでは球振り分け動作として、第3回転体462のVルート穴462bに遊技球が入り込み、V入賞通路460(第2の特定領域)を通過するか否かを決定する役物ゲームが行われる。このとき、可変入賞装置30内で第2の特定領域を遊技球が通過する確率(難易度)は3分の1程度に設定されており、グループG1のゲームよりも通過率が高く設定されている(追加難易度設定手段)。
〔G36:通過判定〕
上記の球振り分け動作の結果、第2の特定領域を遊技球が通過しなければ(No)、ひとまず役物ゲームは終了となる。具体的には、第3回転体462で遊技球がアウト穴462aに振り分けられた場合である。
〔G38:大当り遊技実行〕
これに対し、第2の特定領域を遊技球が通過すると(Yes)、この場合にも大当り遊技が実行される(追加条件設定手段、特別遊技実行手段)。また、ここでの大当り遊技は、同じグループG2に属する可変入賞装置30を用いて行ってもよいし、他のグループG1に属する可動役物装置28を用いて行ってもよい。そして、大当り遊技(特別遊技)が実行されると、大入賞口(上大入賞口28b又は下大入賞口)がある程度の開放時間(例えば最長で29秒程度)にわたって開放され、その間に遊技球を入球(入賞)させることが可能となる。なお、開放時間が経過するか、もしくは開放時間内に入球した遊技球が規定個数(例えば9個)に達すると、大入賞口が閉鎖されることは上記と同じである。
〔ゲームフロー(1)のまとめ〕
(1)構造体をグループG1,G2に分類することで、ゲームフロー(1)ではグループ別に2つの役物ゲームを実現することができる。これにより、単一の役物ゲームしかない態様による遊技の単調化を防止し、遊技性の幅を広げることができる。
(2)また、上記(1)において、グループG1の役物ゲームで第1の特定領域を通過する確率(1/12)に比較して、グループG2の役物ゲームで第2の特定領域を通過する確率(1/3)が高く設定されているため、遊技中はグループG1の役物ゲームよりも、グループG2の役物ゲームを実行したときの大当りへの期待度(大当り遊技が実行される可能性の度合)を高くすることができる。これにより、2つの役物ゲームを提供できることに加えて、両者にそれぞれ異なった意義を持たせることができ、さらに遊技性の幅を広げることができる。
(3)上記(2)に関して、グループG1の役物ゲームは、2つある固定された左始動入賞口26及び右始動入賞口27への入球を契機として行われるため、遊技中に実行される頻度は比較的高いものの、その分、大当りとなる確率(第1の特定領域の通過率)は低く抑えられている。一方でグループG2の役物ゲームは、始動ゲート20の通過による作動抽選で当りとなり、可変始動入賞装置29の作動を経た上で、中始動入賞口29aへの入球を契機として行われる。したがって、グループG2の役物ゲームが遊技中に実行される頻度はグループG2の役物ゲームに比較して低いものの、その分、大当りとなる確率(第2の特定領域の通過率)は相対的に高く設定されており、ゲームフロー(1)全体として2つの役物ゲームのバランスが図られている。
以上が本実施形態で用いるゲームフロー(1)の概要であるが、このようなゲームフロー(1)を含めたパチンコ機1の動作は、上記の主制御装置70を中心とする電子機器により制御されている。以下、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について、電源投入時を含めて説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図11及び図12は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図12に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(供給電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は上大入賞口ソレノイド214及び下大入賞口ソレノイド216に対応する出力ポートバッファをクリアし、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、また、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。なお、特別図柄に対応する変動パターン決定乱数については、必要に応じて発生させることができ、使用しない場合は乱数発生の処理を省略することができる。いずれにしても、これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図14中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図14中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図14)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図13は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように上大入賞口ソレノイド214及び下大入賞口ソレノイド216に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図11)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図14は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76の乱数カウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する(入賞検出情報生成手段)。具体的には、左始動入賞口スイッチ78、中始動入賞口スイッチ83又は右始動入賞口スイッチ81からの入賞検出信号や第1特定領域スイッチ82からの通過検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:ここで主制御CPU72は、セキュリティ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の入力処理(ステップS203)でリードした入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)に基づいて、不正な入賞が発生したか否かの判定を行う(入賞正否判定手段)。そして、不正な入賞が発生したと判定した場合、主制御CPU72は不正入賞エラーコマンドを生成し(不正入賞情報生成手段)、不正入賞による入賞検出信号のビットをON→OFFへ書き換える(入賞検出情報消去手段)。また、主制御CPU72は、磁気センサや振動センサによる不正行為の監視を行ったり、過度な入賞が発生しているか否かの判定を行ったりする。図示されていないが、磁気センサや振動センサは遊技盤ユニット8内に設置されており、それぞれ検出範囲内の磁束や加速度を検出すると、検出信号を出力する。なお、セキュリティ管理処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205:主制御CPU72は、遊技停止状態であるか否かを確認する。具体的には、遊技停止フラグがON(遊技停止機能がON)に設定されているか否かを確認する。その結果、遊技停止状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS206からステップS208までの処理を実行せずに、ステップS209以降の処理を行う。一方、遊技停止状態であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS206を実行する。なお、遊技停止フラグは、先のセキュリティ管理処理の中で設定される。
ステップS206:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、不正入賞として消去されずに維持されている信号に基づく処理を行う。例えば、主制御CPU72は左始動入賞口スイッチ78、中始動入賞口スイッチ83又は右始動入賞口スイッチ81からの入賞検出信号や第1特定領域スイッチ82、第2特定領域スイッチ85からの通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じてさらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、左始動入賞口スイッチ78又は右始動入賞口スイッチ81から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は第1特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、中始動入賞口スイッチ83から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、主制御CPU72は、左始動入賞口スイッチ78、中始動入賞口スイッチ83及び右始動入賞口スイッチ81について、いずれのスイッチにて内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したのかを区別するためのスイッチ別入賞コマンドを演出制御CPU126に送信してもよい。
ステップS207a:主制御CPU72は、割込管理処理中において第1特別遊技管理処理を実行する。この処理は、パチンコ機1における遊技(グループG1の役物ゲーム)を具体的に進行させるためのものである。なお、第1特別遊技管理処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS207b:また、主制御CPU72は、割込管理処理中において第2特別遊技管理処理を実行する。この処理もまた、パチンコ機1における遊技(グループG2の役物ゲーム)を具体的に進行させるためのものである。第2特別遊技管理処理の詳細についても、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS208a:また、主制御CPU72は、普通遊技管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置29の作動を制御したりする。普通遊技管理処理の詳細についても、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS208b:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ78,81,83,200,208,210から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に対する賞球数コマンドを生成し、これをコマンドバッファに格納する。
ステップS209:次に主制御CPU72は、モータ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は各種モータ(ルート振分体モータ218、第3ストッパモータ224、第1回転体モータ226、第2回転体モータ228、第3回転体モータ229等)の回転に関する原点位置を検出し、また、各種モータに対して駆動信号を出力する場合、その駆動信号を対応するポート出力要求バッファに格納する。なお、モータ管理処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS210:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報、セキュリティエラー情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(大当りした役物ゲームの別、大当りラウンド数等)を図示しないホールコンピュータで集計・管理することが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。なお、本実施形態でどのような情報を大当り情報信号として出力するかは、ゲームフローに応じて適宜に設定することができる。いずれにしても、この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS211:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、第1特別図柄遊技管理状態、第2特別図柄遊技管理状態、大当り中(ゲームフローにより時短中)等)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS212:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、状態表示ランプ36,37,39、大当り種別表示装置38等の点灯状態を制御する。例えば、先の第1特別遊技管理処理(ステップS207a)や第2特別遊技管理処理(ステップS207b)等においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示等を行う態様)で駆動されることになる。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS213:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS210)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている上大入賞口ソレノイド214や下大入賞口ソレノイド216の他、他のソレノイドの各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS214:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS215:そして主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS207a〜ステップS214の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS216:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS217,ステップS218:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔セキュリティ管理処理〕
図15は、割込管理処理の中で実行されるセキュリティ管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿ってセキュリティ管理処理の内容を説明する。
ステップS220:先ず主制御CPU72は、大入賞口不正監視処理を実行する。この処理では、上大入賞口28bや下大入賞口に関するエラー(不正入賞エラー又は入賞超過エラー)を監視し、エラーが発生するとエラーフラグ(不正入賞エラーフラグ又は入賞超過エラーフラグ)をON(=1)にする。また、エラーの種類に対応した処理をさらに実行する。例えば、エラーの種類が「不正入賞エラー」に該当していた場合、遊技停止フラグをONに設定し、不正入賞エラー発生時以降の遊技を停止する処理が行われる。
ステップS222:次に主制御CPU72は、磁気検出処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の磁気センサからの検出信号に基づいて不正行為(いわゆる「磁石ゴト」)の有無を判断する。その結果、不正行為に相当する程度の磁束が検出された場合、主制御CPU72はセキュリティエラーフラグをON(=1)にする。これにより、パチンコ機1においてその他の「セキュリティエラー」が発生することになる。
ステップS224:また、主制御CPU72は、振動検出処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は振動センサからの検出信号に基づいて不正行為(いわゆる「ドツキゴト」)の有無を判断する。その結果、不正行為と認められる程度の振動が検出された場合、主制御CPU72は同じくセキュリティエラーフラグをONにする。
ステップS230:そして主制御CPU72は、上記の「エラーフラグ(不正入賞エラーフラグ又は入賞超過エラーフラグ)」や「セキュリティエラーフラグ」の値をチェックする。いずれかのエラーフラグがON(=1)にセットされた場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS232を実行する。なお、いずれのエラーフラグもONにセットされなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS232を実行しない。
ステップS232:この場合、主制御CPU72はエラーコマンド処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124(演出制御CPU126)に対して送信するエラーコマンドを生成し、その値をコマンド送信バッファに転送する。なお、エラーコマンドは、発生したエラー別に異なる値をセットすることができる。例えば、「不正入賞エラーフラグ」がONの場合は「不正入賞エラー」として識別可能な値をエラーコマンドにセットし、「入賞超過エラーフラグ」がONの場合は「入賞超過エラー」として識別可能な値をエラーコマンドにセットし、「セキュリティエラーフラグ」がONの場合は「セキュリティエラー」として識別可能な値をエラーコマンドにセットする。
ここで生成されたエラーコマンドは、この後の演出制御出力処理(図14中のステップS214)で演出制御装置124に送信され、エラーコマンドの種類に対応したエラー報知処理(警告音の出力、LEDランプの点灯(点滅)表示等)が行われることとなる。また、生成されたエラーコマンドに対応した遊技場のホールコンピュータ(ホールコン)向けの外部情報を生成する。この生成された外部情報は、この後の外部情報処理(図14中のステップS210)で外部端子板160を通じてホールコンピュータに出力される。
なお、このエラーコマンド処理において、エラーコマンドが生成されると、エラーが解消される(例えば、所定時間経過(60秒経過)、エラー解除ボタンの押下、電源の遮断等)までエラーフラグをONのまま維持される。また、このエラーコマンド処理において所定時間経過したか否か等のカウント処理も行われ、その時間が経過した場合等のエラーが解除されたことが確認されると、エラーフラグをOFFにリセットする処理が行われる。そして、エラーフラグがOFFにされたことに伴い、エラー報知処理(警告音の出力、LEDランプの点灯(点滅)表示等)も終了することとなる。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は割込管理処理に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図16は、スイッチ入力イベント処理(図14中のステップS206)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS11:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する左始動入賞口スイッチ78又は右始動入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS13に進む。
ステップS13:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ83から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS14に進んで第2特別図柄記憶処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS15に進む。
ステップS15:主制御CPU72は、上大入賞口28bに対応するカウントスイッチ208(図には「上カウントスイッチ」と表記)から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで上大入賞口カウント処理を実行する。上大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は可動役物装置28に入球した遊技球の数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS17に進む。
ステップS17:主制御CPU72は、下大入賞口に対応するカウントスイッチ208(図には「下カウントスイッチ」と表記)から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS18に進んで下大入賞口カウント処理を実行する。下大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は可変入賞装置30に入球した遊技球の数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS19に進む。
ステップS19:主制御CPU72は、可動役物装置28の内部に設けられた第1特定領域スイッチ82から検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで第1特定領域通過時処理を実行し、第1特定領域通過フラグをONにセットする。第1特定領域通過フラグはRAM76に記憶されており、第1特定領域通過フラグがONにセットされると、主制御CPU72は大当り遊技を開始することができる状態となる。なお、第1特定領域通過フラグは大当り遊技の終了後にOFFにセットされる。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS21を実行する。
ステップS21:主制御CPU72は、可変入賞装置30の内部に設けられた第2特定領域スイッチ85から検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS22に進んで第2特定領域通過時処理を実行し、第2特定領域通過フラグをONにセットする。第2特定領域通過フラグもまたRAM76に記憶されており、第2特定領域通過フラグがONにセットされると、主制御CPU72は大当り遊技を開始することができる状態となる(追加条件設定手段)。なお、第2特定領域通過フラグもまた、大当り遊技の終了後にOFFにセットされる。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS23を実行する。
ステップS23:主制御CPU72は、可動役物装置28の内部に設けられた排出検知スイッチ206から検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで排出数カウント処理を実行する。排出数カウント処理では、主制御CPU72は排出検知スイッチ206からの検出信号に応じて排出球数カウンタの値を加算する処理を実行する。これにより、主制御CPU72は、可動役物装置28から排出された遊技球の数をカウントすることができる。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図14)に復帰する。なお、排出検知スイッチ206については、第1特定領域を通過した遊技球も通過する位置に配置することにより、排出検知スイッチ206のみで可動役物装置28からの排出数を確認することができる。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込管理処理(図14)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶処理〕
図17は、第1特別図柄記憶処理の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶処理について、手順例に沿って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は特別図柄について作動記憶があるか否かを確認する。作動記憶の確認は、第1特別図柄及び第2特別図柄の両方について行い、いずれかの特別図柄について作動記憶があれば、主制御CPU72は特別図柄について作動記憶があると判断する。また、本実施形態では、各特別図柄について2個以上の作動記憶を設けていないため、ここでは例えば、既にRAM76の乱数記憶領域に転送済みの大当り決定乱数(1個)があれば、主制御CPU72は第1特別図柄又は第2特別図柄について作動記憶があると判断する(Yes)。既に作動記憶がある状態であれば(Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図16)に復帰する。一方、作動記憶が特にない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS32に進む。なお、制御プログラムの構成上、ここで第1特別図柄作動記憶数カウンタ又は第2特別図柄作動記憶数カウンタ(いずれも上限数1個)を用いることとしてもよい。この場合、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタ又は第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が1である場合は作動記憶があると判断する(Yes)。また、作動記憶数が1でなければ(=0)、主制御CPU72は作動記憶がないと判断する(No)。
ステップS32:先のステップS30で作動記憶がないと判断した場合(ステップS30:No)、主制御CPU72は、上記のサンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビットのデータバス幅を有する場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値をリードすると、これを大当り決定乱数として転送先(乱数記憶領域)のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、例えば変動パターン決定乱数を取得する。この乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスから変動パターン決定乱数を取得すると、これを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS36:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域(この時点で空き状態)に転送し、これら乱数をセットで記憶させる。
ステップS38:そして主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、例えば始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信する設定を行うためのものである。
以上の手順を終えるか、もしくは特別図柄作動記憶が既にあった場合(ステップS30:Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図16)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶処理〕
図18は、第2特別図柄記憶処理の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶処理について、手順例に沿って説明する。
ステップS40:ここでは先ず、主制御CPU72は特別図柄について作動記憶があるか否かを確認する。作動記憶の有無についての確認は、第1特別図柄及び第2特別図柄の両方について行い、いずれかの特別図柄に作動記憶があれば、特別図柄について作動記憶があると判断する。そして、既に作動記憶がある状態であれば(Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図16)に復帰する。一方、作動記憶が特にない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS42に進む。
ステップS42:先のステップS40で作動記憶がないと判断した場合(ステップS40:No)、主制御CPU72は、上記のサンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビットのデータバス幅を有する場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値をリードすると、これを大当り決定乱数として転送先(乱数記憶領域)のアドレスにセーブする。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関する乱数値として、例えば変動パターン決定乱数を取得する。この乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスから変動パターン決定乱数を取得すると、これを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS46:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数を第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域(この時点で空き状態)に転送し、これら乱数をセットで記憶させる。
ステップS48:そして主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、例えば始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信する設定を行うためのものである。
以上の手順を終えるか、もしくは特別図柄作動記憶が既にあった場合(ステップS40:Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図16)に復帰する。
〔第1特別遊技管理処理〕
次に、第1特別遊技管理処理の詳細について説明する。図19は、第1特別遊技管理処理の構成例を示すフローチャートである。第1特別遊技管理処理は、第1特別遊技制御モジュール選択処理(ステップS1000)、第1特別図柄変動開始待ち処理(ステップS1500)、第1特別図柄変動中処理(ステップS2000)、第1特別図柄停止表示中処理(ステップS2500)、第1特別電動役物作動開始待ち処理(ステップS3000)、小当り時第1特別電動役物開放処理(ステップS3500)、小当り時第1特別電動役物閉鎖処理(ステップS4000)、小当り時第1特別電動役物作動終了処理(ステップS4500)、大当り時第2特別電動役物作動開始処理(ステップS5000)、大当り時第2特別電動役物開放処理(ステップS5500)、大当り時第2特別電動役物閉鎖有効処理(ステップS5550)、大当り時第2特別電動役物閉鎖処理(ステップS6000)、大当り時第2特別電動役物作動終了処理(ステップS6500)、及び、残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000)及びソレノイド制御処理(ステップS7500)のサブルーチン群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って第1特別遊技管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:第1特別遊技制御モジュール選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS1500〜ステップS6500のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000)のプログラムアドレスを「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として第1特別図柄変動開始待ち処理(ステップS1500)を選択する。一方、既に第1特別図柄変動開始待ち処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として第1特別図柄変動中処理(ステップS2000)を選択し、第1特別図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として第1特別図柄停止表示中処理(ステップS2500)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。
また、上記のように主制御CPU72が次のジャンプ先を選択するにあたり、現在までの処理の進行状況は「第1特別遊技管理ステータス」の値で表されている。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば、主制御CPU72は現在までの「第1特別遊技管理ステータス」の値を「00H」として設定している。一方、既に第1特別図柄変動開始待ち処理が完了していれば、主制御CPU72は現在までの「第1特別遊技管理ステータス」の値を「01H」に設定し、第1特別図柄変動中処理まで完了していれば、現在までの「第1特別遊技管理ステータス」の値を「02H」に設定するといった具合である。なお、このような「第1特別遊技管理ステータス」の値の設定についてはさらに後述する。いずれにしても、主制御CPU72は第1特別遊技制御モジュール選択処理において「第1特別遊技管理ステータス」の値を参照し、その時点でジャンプ先となる処理(ステップS1500〜ステップS6500のいずれか)を選択することができる。
なお、第1特別遊技制御モジュール選択処理(ステップS1000)でジャンプ先として選択されるのは、上記のようにステップS1500〜ステップS6500までであり、残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000)及びソレノイド制御処理(ステップS7500)はいずれも毎回の割り込みで実行される。
ステップS1500:上記のように「第1特別遊技管理ステータス」の値が「00H」である場合、主制御CPU72は第1特別遊技管理処理において第1特別図柄変動開始待ち処理を実行する。この第1特別図柄変動開始待ち処理では、主制御CPU72は第1特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。例えば主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数がない場合、第1特別図柄の当り決定乱数及び当り図柄乱数の記憶を共通記憶領域に保存する。また、主制御CPU72は、共通記憶領域に保存した当り決定乱数を当り値と比較し、当り判定を行う。なお、本実施形態では、特別図柄抽選の当り確率(いわゆる小当り確率)が1であるため、このときの当り判定は確認的な処理となる。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS2000:「第1特別遊技管理ステータス」の値が「01H」である場合、主制御CPU72は第1特別遊技管理処理において第1特別図柄変動中処理を実行する。この第1特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって第1特別図柄の変動表示が行われる。この後、変動タイマのカウントが0になると、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「02H」に更新する。
ステップS2500:「第1特別遊技管理ステータス」の値が「02H」に更新された場合、主制御CPU72は第1特別遊技管理処理において第1特別図柄停止表示中処理を実行する。この第1特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止表示タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより第1特別図柄の停止表示が行われる。なお、このとき第1特別図柄の停止表示態様は、先の第1特別図柄変動開始待ち処理で決定された当選種類に対応している。この後、停止表示タイマのカウントが0になると、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「03H」に更新する。
ステップS3000:「第1特別遊技管理ステータス」の値が「03H」に更新された場合、主制御CPU72は第1特別遊技管理処理において第1特別電動役物作動開始待ち処理を実行する。この第1特別電動役物作動開始待ち処理では、主制御CPU72は特別遊技タイマとして上大入賞口開放開始タイマのカウントダウンを実行する。なお、上大入賞口開放開始タイマのカウント時間は、上述した可動役物装置28(上大入賞口28b)の開放開始を遊技者に意識させるために必要な演出時間(例えば数秒間)に基づいて設定されている。この後、上大入賞口開放開始タイマのカウントが0になると、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「04H」に更新する。
ステップS3500:「第1特別遊技管理ステータス」の値が「04H」に更新された場合、主制御CPU72は第1特別遊技管理処理において小当り時第1特別電動役物開放処理を実行する。この小当り時第1特別電動役物開放処理では、主制御CPU72は可動役物装置28の開放動作を制御する。具体的には、主制御CPU72は上大入賞口初回開放タイマをカウントしつつ、上大入賞口28bに入球(入賞)した遊技球の個数をカウントし、上大入賞口ソレノイド214に対する駆動信号を設定する。これにより、可動役物装置28の開放及び閉鎖の動作が行われる。また、可動役物装置28を開放した後に閉鎖する場合、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「05H」に更新する。なお、小当り時第1特別電動役物開放処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS4000:「第1特別遊技管理ステータス」の値が「05H」に更新された場合、主制御CPU72は第1特別遊技管理処理において小当り時第1特別電動役物閉鎖処理を実行する。この小当り時第1特別電動役物閉鎖処理では、主制御CPU72は可動役物装置28の閉鎖に伴う各種の内部処理を実行する。各種の内部処理には、例えば可動役物装置28の開放時に入賞した遊技球の排出完了を確認したり、特定領域通過の有無を確認したりする処理が含まれる。これら処理を終了する場合、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「06H」に更新する。なお、小当り時第1特別電動役物閉鎖処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、主制御CPU72は、この小当り時第1特別電動役物閉鎖処理において、遊技球が可動役物装置28内の特定領域(第1の特定領域)を通過したことを検出した場合、大当りフラグに値(01H)をセットし、大当り種別コマンドを設定する。合わせて主制御CPU72は、小当り時の特別図柄の停止図柄(当選図柄)の種類に応じて、3ラウンド大当り、7ラウンド大当り、16ラウンド大当り等の情報が含まれた大当り種別コマンドを生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図14中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:「第1特別遊技管理ステータス」の値が「06H」に更新された場合、主制御CPU72は第1特別遊技管理処理において小当り時第1特別電動役物作動終了処理を実行する。この小当り時第1特別電動役物作動終了処理では、主制御CPU72は可動役物装置28の作動終了に伴う各種の内部処理を実行する。各種の内部処理には、例えば可動役物装置28の作動終了を確定させるエンディング時間の経過を確認したり、大当り状態移行コマンドを設定したりする処理が含まれる。ここで大当り状態移行コマンドを設定する場合、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「07H」に更新する。一方、大当り状態移行コマンドを設定しない場合、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」を初期値の「00H」に復帰させる。なお、小当り時第1特別電動役物作動終了処理の詳細についても、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS5000:大当り時第2特別電動役物作動開始処理は、先の小当り時第1特別電動役物作動終了処理において「第1特別遊技管理ステータス」の値が「07H」に更新された場合に実行される。この大当り時第2特別電動役物作動開始処理では、主制御CPU72は可変入賞装置30を作動させる際の前処理を実行する。すなわち、主制御CPU72は特別遊技タイマとして大当り開始待ち時間タイマのカウントダウンを実行し、タイマのカウントが0になると、可変入賞装置30の作動条件(実行ラウンド数、ラウンドごとの開放時間及び開放回数、インターバル時間等)を設定する。また、主制御CPU72は、「第1特別遊技管理ステータス」の値を「08H」に更新する。以後、大当り遊技中は遊技の進行状況に応じて「第1特別遊技管理ステータス」の値が「08H」〜「0BH」まで更新され、そのときの値に応じてステップS5500〜ステップS6500が実行されることになる。また、大当り時第2特別電動役物作動開始処理の詳細については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS5500:「第1特別遊技管理ステータス」の値が「08H」に更新された場合、主制御CPU72は大当り時第2特別電動役物開放処理を実行する。この大当り時第2特別電動役物開放処理では、主制御CPU72は可変入賞装置30の開閉動作を制御する。これにより、大当り遊技の1ラウンド分が実行されることになる。1ラウンド分の大当り遊技を終了して可変入賞装置30を閉鎖する場合、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「09H」に更新する。大当り時第2特別電動役物開放処理の詳細についても、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS5550:「第1特別遊技管理ステータス」の値が「09H」に更新されると、主制御CPU72は次の大当り時第2特別電動役物閉鎖有効処理を実行する。この大当り時第2特別電動役物閉鎖有効処理では、主制御CPU72は下大入賞口閉鎖有効時間タイマのカウントダウンを実行し、タイマのカウントが0になると、「第1特別遊技管理ステータス」の値を「0AH」に更新する。なお、この処理は可変入賞装置30の開放から閉鎖に伴う時間を調整するために実行されるものである。
ステップS6000:「第1特別遊技管理ステータス」の値が「0AH」に更新されると、主制御CPU72は次の大当り時第2特別電動役物閉鎖処理を実行する。この大当り時第2特別電動役物閉鎖処理では、主制御CPU72は可変入賞装置30の閉鎖完了に伴う内部処理を実行する。この内部処理において、主制御CPU72はこれまでに実行したラウンド数を確認し、実行済みのラウンド数が設定したラウンド数(連続作動回数)に達していなければ「第1特別遊技管理ステータス」の値を「08H」に復帰させる。この場合、次回の第1特別遊技制御モジュール選択処理(ステップS1000)において先の大当り時第2特別電動役物開放処理(ステップS5500)が再度選択されることになる。一方、既に実行済みのラウンド数が設定したラウンド数に達した場合、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「0BH」に更新する。なお、大当り時第2特別電動役物閉鎖処理の詳細については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS6500:「第1特別遊技管理ステータス」の値が「0BH」に更新された場合、主制御CPU72は大当り時第2特別電動役物作動終了処理を実行する。この大当り時第2特別電動役物作動終了処理では、主制御CPU72は大当りエンディング時間タイマのカウントダウンを実行する。タイマのカウントが0になると、「第1特別遊技管理ステータス」を初期値の「00H」に復帰させる(ステップS5000〜S6500:特別遊技実行手段)。これにより、以後は特別図柄の変動(又は作動記憶数の追加)が可能な状態となる。
また、主制御CPU72は、以下の手順を「第1特別遊技管理ステータス」の値にかかわらず実行する。
ステップS7000:主制御CPU72は、残存球エラーコマンド設定処理を実行する。この残存球エラーコマンド設定処理では、主制御CPU72は、可動役物装置28の作動終了後に排出球不足エラーの監視を行うとともに、排出球不足エラー時の報知用コマンドを設定する。主制御CPU72は、例えば「第1特別遊技管理ステータス」の値が「04H」に更新されてから、次に「05H」に更新されるまでの間にカウントした入賞球数と、排出時間内にカウントした排出球数とが一致するかを確認する。その結果、入賞球数と排出球数とが一致する場合は排出球不足状態フラグをリセット(00H)し、この処理を終了する。これに対し、両者が一致しない場合、主制御CPU72は排出球不足状態フラグをセット(01H)し、排出球不足エラー状態コマンドを設定する。ここで設定した排出球不足エラー状態コマンドは、演出制御出力処理(図14中のステップS214)で演出制御装置124に送信される。
ステップS7500:主制御CPU72は、ソレノイド制御処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は可動役物装置28に設けられた第1ストッパソレノイド及び第2ストッパソレノイドの作動状態(ON又はOFF)を制御する。
〔第1特別遊技進行状況〕
図20は、第1特別遊技管理処理の実行に伴い変化していく「第1特別遊技管理ステータス」の値と、それぞれの値に対応した第1特別遊技の進行状況を一覧にして示した図である。図中、右端カラムの見出し行に「特別遊技管理ステータス」とあるのは、ここでいう「第1特別遊技管理ステータス」を意味する。
本実施形態において第1特別遊技(第1特別図柄に対応する遊技、可動役物装置28を用いた役物ゲーム)は、例えば(1)「第1特別図柄変動待ち状態」を初期状態として開始される。そこから左始動入賞口26又は右始動入賞口27のいずれかの始動口に遊技球が入球すると、これを契機として第1特別遊技の進行状況は次の(2)「第1特別図柄変動表示中状態」に遷移し、さらに(3)「第1特別図柄停止図柄表示中状態」を経て(4)「小当り時第1特別電動役物作動開始演出中状態」に進み、(5)「小当り時第1特別電動役物開放状態」、(6)「小当り時第1特別電動役物開放後閉鎖状態」、(7)「小当り時第1特別電動役物作動終了演出中状態」へと遷移していく。
このとき、可動役物装置28内で特定領域(第1の特定領域)の通過が発生しなかった場合、第1特別遊技の進行状況は(1)「第1特別図柄変動待ち状態」に戻り、そこから繰り返しとなる。一方、(5)「小当り時第1特別電動役物開放状態」以降に可動役物装置28内で特定領域(第1の特定領域)の通過が発生すると、第1特別遊技の進行状況は(8)大当り開始演出中状態に遷移し、そこから(9)「大当り時第2特別電動役物開閉動作中状態」、(10)「大当り時第2特別電動役物開放後閉鎖状態」、(11)「大当り時第2特別電動役物閉鎖時間中状態」、(12)「大当りエンディング演出中状態」へと遷移していく。そして(12)「大当りエンディング演出中状態」まで終了すると、第1特別遊技の進行状況は(1)「第1特別図柄変動待ち状態」に戻り、そこから繰り返しとなる。以下、より具体的に説明する。
(1)「第1特別図柄変動待ち状態」
パチンコ機1による遊技の開始初期において、第1特別遊技の進行状況は(1)「第1特別図柄変動待ち状態」にある。この状態は、第1特別図柄の始動条件が満たされていることを意味し、例えば第1特別図柄及び第2特別図柄がともに変動中でなく、前回の変動表示が行われた場合は第1特別図柄及び第2特別図柄の停止表示が既に確定している。この状態で、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「00H」に設定しており、第1特別遊技管理処理において第1特別図柄変動開始待ち処理(ステップS1500)が選択される。
(2)「第1特別図柄変動表示中状態」
上記の(1)「第1特別図柄変動待ち状態」で左始動入賞口26又は右始動入賞口27のうちいずれかの始動口に遊技球が入球した場合、第1特別図柄の変動表示が開始されて進行状況が(2)「第1特別図柄変動表示中状態」に遷移する。この状態は、第1特別図柄表示装置34において第1特別図柄が変動表示中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「01H」に設定しており、第1特別遊技管理処理において第1特別図柄変動中処理(ステップS2000)が選択される。
(3)「第1特別図柄停止図柄表示中状態」
第1特別図柄の変動時間が経過して第1特別図柄が停止表示されると、進行状況が(3)「第1特別図柄停止図柄表示中状態」に遷移する。この状態は、第1特別図柄表示装置34において第1特別図柄が停止表示中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「02H」に設定しており、第1特別遊技管理処理において第1特別図柄停止表示中処理(ステップS2500)が選択される。
(4)「小当り時第1特別電動役物作動開始演出中状態」
第1特別図柄の停止表示時間が経過することにより第1特別図柄の停止表示が確定すると、進行状況が(4)「小当り時第1特別電動役物作動開始演出中状態」に遷移する。この状態は、第1特別図柄の当選(小当りに該当)を契機とした可動役物装置28の作動開始待ちであることを意味する。この間、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「03H」に設定しており、第1特別遊技管理処理において第1特別電動役物作動開始待ち処理(ステップS3000)が選択される。
(5)「小当り時第1特別電動役物開放状態」
可動役物装置28が作動すると、進行状況が(5)「小当り時第1特別電動役物開放状態」に遷移する。この状態は、可動役物装置28の作動に伴う上大入賞口28bの開放中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「04H」に設定しており、第1特別遊技管理処理において小当り時第1特別電動役物開放処理(ステップS3500)が選択される。また、第1回転体モータ226や第2回転体モータ228、ルート振分体モータ218等が常時駆動しないタイプである場合、主制御CPU72は、「第1特別遊技管理ステータス」の値が「04H」に更新されたことを契機として、モータ管理処理(図14中のステップS209)において各モータの駆動制御を開始してもよい。
(6)「小当り時第1特別電動役物開放後閉鎖状態」
上大入賞口28bが閉鎖されると、進行状況が(6)「小当り時第1特別電動役物開放後閉鎖状態」に遷移する。この状態は、可動役物装置28において上大入賞口28bの閉鎖中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「05H」に設定しており、第1特別遊技管理処理において小当り時第1特別電動役物閉鎖処理(ステップS4000)が選択される。
(7)「小当り時第1特別電動役物作動終了演出中状態」
上大入賞口28bの閉鎖後、さらに進行状況が(7)「小当り時第1特別電動役物作動終了演出中状態」に遷移する。この状態は、可動役物装置28内での遊技球の振り分け動作を用いた遊技を終了させる期間にあることを意味する。この間、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「06H」に設定しており、第1特別遊技管理処理において小当り時第1特別電動役物作動終了処理(ステップS4500)が選択される。なお、可動役物装置28内で特定領域(第1の特定領域)の通過が発生しなかった場合、進行状況は(1)「第1特別図柄変動待ち状態」に復帰する。
(8)「大当り開始演出中状態」
可動役物装置28内で特定領域(第1の特定領域)の通過が発生すると、進行状況は(8)「大当り開始演出中状態」に遷移する。この状態は、可変入賞装置30の作動開始待ち期間であることを意味する。この間、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「07H」に設定しており、第1特別遊技管理処理において大当り時第2特別電動役物作動開始処理(ステップS5000)が選択される。
(9)「大当り時第2特別電動役物開閉動作中状態」
可変入賞装置30が新たに作動を開始すると、進行状況は(9)「大当り時第2特別電動役物開閉動作中状態」に遷移する。この状態は、下大入賞口の開放中であることを意味する。この間、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「08H」に設定しており、第1特別遊技管理処理において大当り時第2特別電動役物開放処理(ステップS5500)が選択される。
(10)「大当り時第2特別電動役物開放後閉鎖状態」
可変入賞装置30により下大入賞口が閉鎖されると、進行状況は(10)「大当り時第2特別電動役物開放後閉鎖状態」に遷移する。この状態は、ラウンドの終了に伴い下大入賞口が閉鎖された直後の状態であることを意味する。このとき主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「09H」に設定しており、第1特別遊技管理処理において大当り時第2特別電動役物閉鎖有効処理(ステップS5550)が選択される。
(11)「大当り時第2特別電動役物閉鎖時間中状態」
可変入賞装置30の閉鎖後、進行状況は(11)「大当り時第2特別電動役物閉鎖時間中状態」に遷移する。この状態は、ラウンド終了後の待機状態(ラウンド間インターバル)にあることを意味する。このとき主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「0AH」に設定しており、第1特別遊技管理処理において大当り時第2特別電動役物閉鎖処理(ステップS6000)が選択される。なお、大当り中のラウンド数を全て消化していない場合、この後の進行状況は(9)「大当り時第2特別電動役物開閉動作中状態」に復帰する。
(12)「大当りエンディング演出中状態」
大当り最終ラウンド終了後の待機時間が経過すると、進行状況は(12)「大当りエンディング演出中状態」に遷移する。この状態は、大当りエンディング演出状態にあることを意味する。このとき主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「0BH」に設定しており、第1特別遊技管理処理において大当り時第2特別電動役物作動終了処理(ステップS6500)が選択される。
以上のように、第1特別遊技管理処理(図19)において主制御CPU72は、第1特別遊技の進行状況の変化に応じて「第1特別遊技管理ステータス」の値を「00H」〜「0BH」に変化させ、そのときの進行状況に応じた特別遊技制御モジュールを選択することができる。また、主制御CPU72は、第1特別遊技管理ステータスの値を更新した場合、その値を反映させた第1特別遊技管理ステータスコマンドを生成する。第1特別遊技管理ステータスコマンドは、演出制御出力処理(図14中ステップS214)において演出制御装置124に送信される。
〔第1特別図柄変動開始待ち処理〕
図21は、第1特別図柄変動開始待ち処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2502のデモ設定処理を実行する。
ステップS2502:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンド(客待ち指定コマンド)を生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図14中のステップS214)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。なお、ここでデモ設定処理を実行しても、第2特別遊技管理処理の中でデモ設定処理が実行されなければ、デモ演出用コマンドはキャンセル(消去)されるものとなっている。
これに対し、第1特別図柄作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する(抽選実行手段)。この処理では、先ず主制御CPU72は、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を読み出す。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存され、乱数記憶領域からは作動記憶が消去(消費)される。次に主制御CPU72は、大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。ここで、各始動入賞口への入球を契機として直接的に大当り遊技が実行される当り(いわゆる直当り、直撃当り)を設ける場合は本処理が必要となるが、本実施形態では直当りを設定しないため、本処理を省略してもよい。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は大当り遊技を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし第1特別図柄における「小当り」は、可動役物装置28を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。そして、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。ただし、本実施形態では小当り確率を1に設定しているため、以下のステップS2404及びステップS2405が実行されることはない。ただし、小当り確率を完全な1ではなく、「略1」に設定している場合は稀に非当選となる場合もあるため、以下のステップS2404及びステップS2405が実行される。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図14中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する。変動パターン番号は、第1特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、第1特別図柄について今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。第1特別図柄の変動時間については、一定の変動時間を有する変動パターンに固定して選択してもよいが、可変入賞装置30が開放するまでの時間にばらつきを持たせるために、異なる変動時間を有する変動パターンを選択的に決定してもよい。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
なお、ここまで大当り時の処理について説明したが、本実施形態では特別図柄について大当りを設けないので、基本的に大当り時の処理が実行されることはない。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
ここで、本実施形態では特別図柄の当選種別として「小当り1」〜「小当り6」の6種類が設けられており、主制御CPU72は、いずれの当選種別に該当するかを決定する。具体的には、ここでは第1特別図柄に基づく抽選であるため、「小当り1」、「小当り2」、「小当り3」に該当するものと決定する。なお、第2特別図柄に基づく抽選である場合、「小当り4」、「小当り5」、「小当り6」に該当するものと決定するが、本処理では「小当り4」、「小当り5」、「小当り6」を決定しない。ここで決定した当り時停止図柄(「小当り1」〜「小当り3」のいずれか)に基づいて、可動役物装置28の開放回数が決定されることになる。
ただし、本実施形態では特別図柄抽選での当選がそのまま大当りではなく、あくまで可動役物装置28の開放契機(=小当り)であり、実際に大当りに進むためには(新たに可変入賞装置30を開放させるためには)、可動役物装置28内で特定領域に遊技球を通過させる必要がある。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄として3種類ずつ図柄が用意されている。このうち、「小当り図柄1」及び「小当り図柄2」が1回開放に対応し、「小当り図柄3」が2回開放に対応する。
〔第1特別図柄停止図柄選択テーブル〕
図22は、第1特別図柄停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の抽選結果が第1特別図柄に対応する場合、本テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、振分値に対応する「小当り図柄1」、「小当り図柄2」、「小当り図柄3」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する当り時には、「小当り図柄1」が選択される割合は100分の33(=33%)であり、「小当り図柄2」が選択される割合は100分の33(=33%)であり、「小当り図柄3」が選択される割合は100分の34(=34%)である。したがって、第1特別図柄での当選時には33%の割合で「小当り図柄1」が選択され、残りの33%の割合で「小当り図柄2」が選択され、残りの34%の割合で「小当り図柄3」が選択されることになる。
なお、小当り中に可動役物装置28内の特定領域を遊技球が通過した場合、この当選図柄の種類に応じて大当り種別ステータスや大当り時の実行ラウンド数が設定されることとなる。具体的には、「小当り図柄1」に対応して大当り種別ステータスが「01H」に設定され、それに応じて大当り時の実行ラウンド数が「3ラウンド(小当りを1ラウンドとしたものを含む)」に設定される。同様に、「小当り図柄2」に対応して大当り種別ステータスが「02H」に設定され、それに応じて大当り時の実行ラウンド数が「7ラウンド(小当りを1ラウンドとしたものを含む)」に設定され、「小当り図柄3」に対応して大当り種別ステータスが「03H」に設定され、それに応じて大当り時の実行ラウンド数が「16ラウンド(小当りを1ラウンドとしたものを含む)」に設定される。
今回の小当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため、今回の当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「小当り図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔第2特別図柄停止図柄選択テーブル〕
図23は、第2特別図柄停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。図21の処理で第2特別図柄停止図柄選択テーブルを用いることはないが、第1特別図柄との対比のためにここで本テーブルを挙げている。すなわち、主制御CPU72は、処理上の抽選結果が第2特別図柄に対応する場合、本テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、振分値に対応する「小当り図柄4」、「小当り図柄5」、「小当り図柄6」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する当り時には、「小当り図柄4」が選択される割合は100分の33(=33%)であり、「小当り図柄5」が選択される割合は100分の33(=33%)であり、「小当り図柄6」が選択される割合は100分の34(=34%)である。したがって、第2特別図柄での当選時には33%の割合で「小当り図柄4」が選択され、残りの33%の割合で「小当り図柄5」が選択され、残りの34%の割合で「小当り図柄6」が選択されることになる。
そして、第2特別図柄に対応する小当り中に可変入賞装置30内の特定領域(第2の特定領域)を遊技球が通過した場合、この当選図柄の種類に応じて大当り種別ステータスや大当り時の実行ラウンド数が設定されることとなる。具体的には、「小当り図柄4」に対応して大当り種別ステータスが「01H」に設定され、それに応じて大当り時の実行ラウンド数が「3ラウンド(小当りを1ラウンドとしたものを含む)」に設定される。同様に、「小当り図柄5」に対応して大当り種別ステータスが「02H」に設定され、それに応じて大当り時の実行ラウンド数が「7ラウンド(小当りを1ラウンドとしたものを含む)」に設定され、「小当り図柄6」に対応して大当り種別ステータスが「03H」に設定され、それに応じて大当り時の実行ラウンド数が「16ラウンド(小当りを1ラウンドとしたものを含む)」に設定される。
処理上の抽選結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の小当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の小当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「小当り図柄4」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔図21:第1特別図柄変動開始待ち処理参照〕
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン決定手段、変動時間決定手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「01H」に更新し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔小当り時第1特別電動役物開放処理〕
図24は、小当り時第1特別電動役物開放処理(図19中のステップS3500)の手順例を示すフローチャートである。上記のように小当り時第1特別電動役物開放処理は、第1特別遊技管理処理において第1特別図柄の変動表示が行われ、第1特別図柄が小当り(当選確率1/1)の態様で停止表示された後、第1特別電動役物作動開始待ち処理(図19中のステップS3000)による上大入賞口開放開始タイマのカウントダウンを経て実行される。この場合、「第1特別遊技管理ステータス」の値は「04H」に更新されている。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS3501:小当り時第1特別電動役物開放処理において先ず主制御CPU72は、上大入賞口ソレノイドONフラグをセットする。このフラグは、例えばRAM76のフラグセット領域に格納される。
ステップS3502:次に主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はカウントスイッチ208からの入賞検出信号に基づき、可動役物装置28(上大入賞口28b)への入賞球数カウンタを更新する。入賞球数カウンタの値は、例えばRAM76のカウント数領域に記憶されている。また、スイッチ入力イベント処理においては、主制御CPU72は排出検知スイッチ206及び第1特定領域スイッチ82からの各検出信号も合わせて確認する。なお、本モジュールを最初に呼び出した時点で上大入賞口ソレノイド214は非作動であり、上大入賞口28bは未だ開放していないので、初回に入賞球数カウンタが加算されることはない。
ステップS3504:次に主制御CPU72は、入賞球数カウンタの値が最大個数(例えば8個)に達したか否かを確認する。上記のように本モジュールの初回呼び出し時にカウンタは加算されていないので(No)、主制御CPU72は次にステップS3506に進む。
ステップS3506:この場合、初回開放タイマカウントダウン処理を実行する。なお、本モジュールの初回呼び出し時であれば、主制御CPU72はここで初回開放タイマを初期値(例えば1秒)に設定する。また、初回以降の呼び出し時であれば、主制御CPU72は設定済みの初回開放タイマの値をデクリメントする。
ステップS3508:そして主制御CPU72は、上大入賞口初回開放時間が終了したか否かを確認する。初回開放タイマの値が0よりも大きい値である場合(No)、主制御CPU72はステップS3514に進む。
ステップS3514:この場合、主制御CPU72はRAM76のフラグセット領域から上大入賞口ソレノイドONフラグを読み込み、その値に基づいて上大入賞口ソレノイド214の制御信号として「作動(ON)」を設定する。これにより、上大入賞口ソレノイド214が励磁されて上大入賞口28bが開放された状態となる。
そして、次回以降に本モジュールが呼び出され、実際に上大入賞口28bへの入賞が発生すると、スイッチ入力イベント処理(ステップS3502)において入賞球数カウンタの値が加算されることになる。
入賞球数カウンタの値が最大個数に達するか(ステップS3504:Yes)、もしくは初回開放タイマの値が0になった場合(ステップS3508:Yes)、主制御CPU72は次にステップS3509を実行する。
ステップS3509:この場合、主制御CPU72は上大入賞口ソレノイドOFFフラグをセットする。これにより、RAM76のフラグセット領域にセットされていたONフラグがOFFフラグに書き換えられる。
ステップS3510:そして主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「05H」に設定する。これにより、次回以降の本モジュールの呼び出しはされなくなり、第1特別遊技進行状況が次段階へ以降することになる。ただし、2回開放の小当りに該当した場合、上大入賞口28bは2回開放されることになるため、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を再度「04H」に設定する。これにより、もう一度、本モジュールでの一連の処理が実行されることになる。
ステップS3512:また、主制御CPU72は、第1特別電動役物閉鎖コマンドを設定する。このコマンドは、可動役物装置28の閉鎖を演出制御装置124(演出制御CPU126)に通知するためのものである。ここで設定されたコマンドは、演出制御出力処理(図14中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
ステップS3514:主制御CPU72は、RAM76のフラグセット領域にセットされている上大入賞口ソレノイドOFFフラグの値に基づき、上大入賞口ソレノイド214の制御信号として「非作動(OFF)」を設定する。これにより、上大入賞口ソレノイド214の励磁が停止されて上大入賞口28bが閉鎖された状態となる。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000)のプログラムアドレスに復帰する。また、上記のように、これ以降は「第1特別遊技管理ステータス」の値が「05H」に更新されているため、ひとまず(次回の特別図柄変動まで)本モジュールの呼び出しはされなくなる。
〔小当り時第1特別電動役物閉鎖処理〕
次に図25は、小当り時第1特別電動役物閉鎖処理(図19中のステップS4000)の手順例を示すフローチャートである。上記のように小当り時第1特別電動役物閉鎖処理は、「第1特別遊技管理ステータス」の値が「05H」に更新された場合に実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS4002:先ず主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主に排出検知スイッチ206からの検出信号を確認し、排出球数カウンタの値を加算する。排出球数カウンタの値は、例えばRAM76のカウント数領域に格納されている。また、主制御CPU72は、この処理において第1特定領域スイッチ82からの通過検出信号の有無を確認する。第1特定領域スイッチ82の有効時間内に通過検出信号が入力された場合、ここで主制御CPU72は大当りフラグの値(01H)をセットする。なお、ここでは通過検出信号の有無を確認するとしているが、上述した第1特定領域通過時フラグの値を確認することとしてもよい。
また、主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)をセットした場合、小当り時の特別図柄の停止図柄(当選図柄)の種類に応じて大当り種別ステータスの値もセットする。具体的には、第1特別図柄での抽選で「小当り1」に該当した場合、大当り種別ステータスに「01H」をセットし、第1特別図柄での抽選で「小当り2」に該当した場合、大当り種別ステータスに「02H」をセットし、第1特別図柄での抽選で「小当り3」に該当した場合、大当り種別ステータスに「03H」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り種別ステータスの値を設定した場合、その値を反映させた大当り種別コマンドを生成する。大当り種別コマンドは、演出制御出力処理(図14中ステップS214)において演出制御装置124に送信される。これを受けて演出制御装置124(演出制御CPU126)は、大当り時の演出の実行を制御することができる。
ステップS4014:主制御CPU72は、残存球排出チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上述した入賞球数カウンタの値と排出球数カウンタの値とを比較する。なお、排出球数カウンタの値には、排出検知スイッチ206によりそれぞれ検出された遊技球の数を合計した値のほか、第1特定領域スイッチ82により検出された遊技球の数も含まれる。
ステップS4016:そして主制御CPU72は、上記の比較結果に基づいて有効球の排出が完了したか否かを判断する。すなわち、入賞球数カウンタの値より排出球数カウンタの値が小さければ、主制御CPU72は未だ有効球の排出が完了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して第1特別遊技管理処理に復帰する。これに対し、入賞球数カウンタの値より排出球数カウンタの値が小さくなければ(両者が一致した場合)、主制御CPU72は有効球の排出が完了したと判断し(Yes)、次のステップS4028に進む。
ステップS4028:ここで主制御CPU72は、「第1特別遊技管理ステータス」の値を「06H」に設定する。これにより、正規の入賞球数と排出球数とが一致したこと(ステップS4016:Yes)を条件として可動役物装置28を用いた役物ゲームが一旦終了となる。
ステップS4030:また、主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。特に大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は第1特別遊技管理処理に復帰する。一方、大当りフラグの値がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72はステップS4032を実行する。
ステップS4032:この場合、主制御CPU72は大当り状態指定コマンドを設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別遊技管理処理に復帰する。
〔小当り時第1特別電動役物作動終了処理〕
次に図26は、小当り時第1特別電動役物作動終了処理(図19中のステップS4500)の手順例を示すフローチャートである。上記のように小当り時第1特別電動役物作動終了処理は、「第1特別遊技管理ステータス」の値が「06H」に更新された場合に実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS4502:主制御CPU72は、エンディング時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はエンディング時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。また、演出用表示装置42の表示部では、この「エンディング時間」を利用して、可動役物装置28内でのゲームフローを終了させるエンディング演出が行われる。
ステップS4504:次に主制御CPU72は、エンディング時間が終了したか否かを確認する。具体的には、エンディング時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72はエンディング時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して第1特別遊技管理処理に復帰する。
この後、時間の経過に伴ってエンディング時間タイマの値が0になると、主制御CPU72はエンディング時間が終了したと判断し(Yes)、ステップS4506以降を実行する。
ステップS4506:主制御CPU72は、上記の大当り状態指定コマンドの値(01H)がセットされているか否かを確認する。特に大当り状態指定コマンドの値がセットされていない場合(No)、主制御CPU72はステップS4512に進む。これに対し、大当り状態指定コマンドの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72はステップS4508に進む。
ステップS4508:この場合、主制御CPU72は大当り状態移行コマンドを設定する。
大当り状態指定コマンドの値がセットされていないか(ステップS4506:No)、もしくは大当り状態指定コマンドの値がセットされている場合(ステップS4506:Yes)にステップS4508を実行すると、主制御CPU72はステップS4512を実行する。
ステップS4512:ここで主制御CPU72は、エンディング時間終了コマンドを設定する。このエンディング時間終了コマンドは、演出制御装置124(演出制御CPU126)に対して小当り時の可動役物装置28内でのゲームフローが終了したことを通知するためのものである。ここで設定したエンディング時間終了コマンドは、演出制御出力処理(図14中のステップS214)で演出制御装置124に送信される。
ステップS4514:そして主制御CPU72は、大当り状態移行コマンドの値に基づいて「第1特別遊技管理ステータス」の値を設定する。すなわち、ここでは大当り状態移行コマンドの値(01H)が設定されているか否かによって結果が異なる。具体的には、先のステップS4508で大当り状態移行コマンドを設定した場合、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「07H」に設定(更新)する。この場合、上記のように第1特別遊技管理処理において大当り時第2特別電動役物作動開始処理(図19中のステップS5000)が実行されることになる。
これに対し、ステップS4508を実行していない(大当り状態移行コマンドを設定していない)場合、主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「00H」に復帰させる。この場合、以後の第1特別遊技管理処理において大当り時第2特別電動役物作動開始処理(図19中のステップS5000)は選択されず、第1特別図柄変動開始待ち処理(図19中のステップS1500)が実行されることになる。いずれにしても、以上の手順を実行すると主制御CPU72は第1特別遊技管理処理に復帰する。
〔大当り時第2特別電動役物作動開始処理〕
図27は、大当り時第2特別電動役物作動開始処理(図19中のステップS5000)の手順例を示すフローチャートである。以下、大当り状態移行コマンドが設定された場合(「第1特別遊技管理ステータス」の値が「07H」に更新された場合)の処理について説明する。
ステップS5002:先ず主制御CPU72は、大当り開始待ち時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り開始待ち時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。大当り開始待ち時間タイマの初期値は、小当り時の可動役物装置28の作動終了時から可変入賞装置30を新たに作動させるまでの待ち時間(例えば数秒程度)として設定される。また、演出用表示装置42の表示部では、この「大当り開始待ち時間」を利用して、例えば大当り遊技の開始前演出が行われる。
ステップS5004:次に主制御CPU72は、大当り開始待ち時間が経過したか否かを確認する。すなわち、大当り開始待ち時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は大当り開始待ち時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して第1特別遊技管理処理に復帰する。
この後、時間の経過に伴って大当り開始待ち時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は大当り開始待ち時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5006以降を実行する。
ステップS5006:この場合、主制御CPU72は実行ラウンド数を設定する。本実施形態では、設定される実行ラウンド数(連続作動回数)は「3ラウンド」、「7ラウンド」、「16ラウンド」の3通りであり、いずれの実行ラウンド数を設定するかについては、大当り種別ステータスを確認することで実行ラウンド数を設定することができる。具体的には、大当り種別ステータス(小当り図柄)が「01H」(小当り1図柄)であった場合には実行ラウンド数は「3ラウンド」が設定され、大当り種別ステータス(小当り図柄)が「02H」(小当り2図柄)であった場合には実行ラウンド数は「7ラウンド」が設定され、大当り種別ステータス(小当り図柄)が「03H」(小当り3図柄)であった場合には実行ラウンド数は「16ラウンド」が設定される。ただし、上述したように可動役物装置28の初回開放(小当りの動作)が1ラウンド目に相当する。したがって、ここでは実行ラウンド数として残りの「2ラウンド」、「6ラウンド」又は「15ラウンド」のいずれかを設定することとする。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(例えば15回なら「14」)として、RAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5008:次に主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。本実施形態では、大当り時開放タイマの値として1ラウンド分のトータル開放時間(例えば29.0秒程度)が設定される。この程度の開放時間であれば、その間に充分な数(例えば8個程度)の遊技球を下大入賞口に入賞させることができる。
ステップS5010:そして主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマ(下大入賞口閉鎖時間タイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間、又は最終ラウンド終了時の待機時間となる。なお、タイマの値は、例えば2〜3秒程度に設定される。
ステップS5012:そして主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「08H」に更新し、第1特別遊技管理処理に復帰する。
〔大当り時第2特別電動役物開放処理〕
図28は、大当り時第2特別電動役物開放処理(図19中のステップS5500)の手順例を示すフローチャートである。先の大当り時第2特別電動役物作動開始処理(図27中のステップS5012)で「第1特別遊技管理ステータス」の値が「08H」に更新されると、以後は大当り時第2特別電動役物開放処理が実行される。この処理は主に、大当り遊技(特別遊技)中の動作として可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、下大入賞口を開放させる。具体的には、下大入賞口ソレノイド216に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
ステップS5504:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時第2特別電動役物作動開始処理(図27中のステップS5008)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5506:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5508を実行する。
ステップS5508:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の下大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ208から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が規定数(8個又は9個)未満であるか否かを確認する。この規定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が規定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は第1特別遊技管理処理に復帰する。そして、次に第1特別遊技管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大当り時第2特別電動役物開放処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5502〜ステップS5510の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5506で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5510でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5512を実行する。
ステップS5512:主制御CPU72は、下大入賞口を閉鎖させる。具体的には、下大入賞口ソレノイド216に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。
ステップS5514:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大当り時第2特別電動役物作動開始処理(図27中のステップS5010)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5518に進む。
ステップS5518:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5520:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、「大当り中の1ラウンド内で可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。本実施形態では、1ラウンド内に複数回開放する開放パターンを採用していないが、例えば1ラウンド内に8回程度開放する開放パターンの場合、「現ラウンド内で設定した回数」は各ラウンドで8回に設定される。そして、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した回数(例えば「1」や「8」)に達した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5522に進むことになる。
なお、1ラウンド内で複数回開放する場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していなければ(ステップS5520:No)、主制御CPU72は第1特別遊技管理処理に復帰し、現段階ではジャンプ先が大当り時第2特別電動役物作動開始処理に設定されているので、上記のステップS5502〜ステップS5520までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5518で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5522に進むことになる。
ステップS5522:ここで主制御CPU72は、第1特別遊技管理ステータスの値を「09H」に設定し、第1特別遊技管理処理に復帰する。このため、次に主制御CPU72が第1特別遊技管理処理を実行すると、ジャンプ先として次の大当り時第2特別電動役物閉鎖有効処理(図19中のステップS5550)が選択されることになる。
特に図示していないが、上記のように大当り時第2特別電動役物閉鎖有効処理は、可変入賞装置30の開放から閉鎖に伴う時間を調整するために実行されるものである。この処理で主制御CPU72は「第1特別遊技管理ステータス」の値を「0AH」に更新し、第1特別遊技管理処理に復帰する。そして、次に主制御CPU72が第1特別遊技管理処理を実行すると、ジャンプ先として次の大当り時第2特別電動役物閉鎖処理(図19中のステップS6000)が選択される。
〔大当り時第2特別電動役物閉鎖処理〕
図29は、大当り時第2特別電動役物閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時第2特別電動役物閉鎖処理は、上記のように可変入賞装置30の閉鎖有効時間が経過した後、次の動作に移る前の内部状態を整えるためのものである。以下、具体的に説明する。
ステップS6002:先ず主制御CPU72は、下大入賞口閉鎖時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の大当り時第2特別電動役物作動開始処理(図27中のステップS5010)で設定した大当り時インターバルタイマ(大入賞口閉鎖時間タイマ)のカウントダウンを実行する。
ステップS6004:続いて主制御CPU72は、閉鎖時間(インターバル時間)が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大当り時インターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72はここで大当り時第2特別電動役物閉鎖処理を終了し、第1特別遊技管理処理に復帰する。そして、次に第1特別遊技管理処理を実行すると、現段階では第1特別遊技管理ステータスが「0AH」に設定されているため、主制御CPU72は大当り時第2特別電動役物閉鎖処理を選択し、上記のステップS6002及びステップS6004の手順を繰り返し実行する。そして、ステップS6004で閉鎖時間が終了したと判断すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS6006を実行する。
ステップS6006:主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値をインクリメントする。なお、ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS6008:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。なお、実行ラウンド数は、先の大当り時第2特別電動役物作動開始処理(図27中のステップS5006)で設定されたものである。このとき、ラウンド数カウンタの値が未だ実行ラウンド数に達していなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS6014に進む。
〔最終ラウンド終了前〕
ステップS6014:この場合、主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値に基づき、ラウンド数コマンドを設定する。ここで設定したラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図14中のステップS214)で演出制御装置124に送信される。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を認識し、その結果を大当り中の演出制御に反映させることができる。
ステップS6015:次に主制御CPU72は、通常ラウンド下大入賞口閉鎖指定コマンドを設定する。このコマンドは、大当り時における各ラウンド後の可変入賞装置30の閉鎖を演出制御装置124(演出制御CPU126)に通知するためのものである。なお、通常ラウンド下大入賞口閉鎖指定コマンドは、最終ラウンド以外での可変入賞装置30の閉鎖であることを示すコマンドである。ここで設定されたコマンドは、演出制御出力処理(図14中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
ステップS6016:そして主制御CPU72は、第1特別遊技管理ステータスの値を「0AH」から変更して「08H」に設定する。これにより、次に主制御CPU72が第1特別遊技管理処理を実行すると、主制御CPU72は再び大当り時第2特別電動役物開放処理(図29)を選択し、次のラウンドでの可変入賞装置30の開放動作が実行されることになる。
ステップS6018:また、主制御CPU72は、今回のラウンド内でカウントした入賞球数カウンタをリセットする。これにより、再び大当り時第2特別電動役物開放処理(図29)が実行された場合、次回のラウンド内での入賞球数が0からカウントされることになる。
〔最終ラウンド終了時〕
この後、ステップS6008でラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達したことを確認すると(ステップS6008:Yes)、主制御CPU72は次にステップS6010に進む。
ステップS6010:この場合、主制御CPU72は今回の大当りで用いたラウンド数カウンタをリセットする。
ステップS6011:次に主制御CPU72は、最終ラウンド下大入賞口閉鎖指定コマンドを設定する(最終開閉動作終了情報通知手段)。このコマンドは、大当り時における最終ラウンドでの可変入賞装置30の閉鎖を演出制御装置124(演出制御CPU126)に通知するためのものである。
ここで最終ラウンドは、3ラウンド大当りであれば3ラウンドが該当し、7ラウンド大当りであれば7ラウンドが該当し、16ラウンド大当りであれば16ラウンドが該当する。ここで設定されたコマンドは、演出制御出力処理(図14中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
ステップS6012:そして主制御CPU72は、第1特別遊技管理ステータスの値を「0AH」から「0BH」に更新して設定する。
ステップS6018:また、主制御CPU72は、最終ラウンド内でカウントした入賞球数カウンタをリセットする。
最終ラウンド終了時に以上の手順を実行すると、主制御CPU72は第1特別遊技管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が第1特別遊技管理処理を実行すると、ジャンプ先として次に大当り時第2特別電動役物作動終了処理(図19中のステップS6500)が選択されることになる。
以上は、可動役物装置28を用いた役物ゲームを経て大当り遊技を実行するまでの手順であるが、本実施形態では、可変入賞装置30を用いた役物ゲームを経て大当り遊技を実行するというゲームフローも含んでいる。以下、可変入賞装置30を用いた役物ゲームを行う場合の制御手法について説明する。
〔普通遊技管理処理〕
図30は、普通遊技管理処理の構成例を示すフローチャートである。普通遊技管理処理は、普通遊技制御モジュール選択処理(ステップS1001)、普通図柄変動開始待ち処理(ステップS2001)、普通図柄変動中処理(ステップS3001)、普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)、可変始動入賞装置管理処理(ステップS5001)のサブルーチン群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って普通遊技管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1001:普通遊技制御モジュール選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2001〜ステップS5001のいずれかの制御モジュール)のジャンプ先を選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして普通遊技管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ普通図柄が変動表示を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として普通図柄変動開始待ち処理(ステップS2001)を選択する。一方、既に普通図柄変動開始待ち処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として普通図柄変動中処理(ステップS3001)を選択し、普通図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2001:普通図柄変動開始待ち処理では、主制御CPU72は普通図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3001:普通図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、普通図柄表示装置33の駆動制御を行う。具体的には、2つあるLEDに対してON又はOFFの駆動信号を出力する。駆動信号は2つのLEDについて対称に出力され、そのパターンが時間の経過に伴って変化するため、それによって普通図柄の変動表示(2つのLEDが交互に点灯表示)が行われる。
ステップS4001:普通図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33の駆動制御を行う。ここでも同様に、2つあるLEDに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより普通図柄の停止表示が行われる。なお、このとき普通図柄に対応する抽選結果が当選であれば、当選図柄を表す方のLEDについて駆動信号がONになり、抽選結果が非当選であれば、非当選図柄を表す方のLEDについて駆動信号がONになる。
ステップS5001:可変始動入賞装置管理処理は、先の普通図柄停止表示中処理において当りの態様(「当選A」又は「当選B」)で普通図柄が停止表示された場合に選択される。普通図柄が当りの表示態様で停止すると、この処理において主制御CPU72は、可変始動入賞装置29を予め設定された作動条件に基づいて作動させる。
可変始動入賞装置29の作動中は、先の普通遊技制御モジュール選択処理(ステップS1001)においてジャンプ先が可変始動入賞装置管理処理にセットされ、普通図柄の変動表示は行われない。また可変始動入賞装置管理処理においては、普通電動役物ソレノイド212が一定時間、規定回数(例えば1回)だけ励磁され、これにより可変始動入賞装置29が決まったパターンで開放動作する(普通電動役物の作動)。この間に可変始動入賞装置29に対して遊技球を入賞させることで、上述したゲームフロー上で可動役物装置28の作動契機を発生させることができる。
〔普通図柄変動開始待ち処理〕
次に図31は、普通図柄変動開始待ち処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS3100:先ず主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている普通図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72は普通遊技管理処理に復帰する。
これに対し、普通図柄作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS3200を実行する。
ステップS3200:主制御CPU72は、普通図柄記憶シフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の普通図柄乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(普通図柄当り決定乱数、当り図柄乱数)を読み出し、これらを例えば別の共通記憶領域に保存する。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は第1セクションから順に乱数を読み出し、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。共通記憶領域に保存された各乱数は、次の当り判定処理で作動抽選に使用される。
ステップS3250:次に主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数減算処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、RAM76に記憶されている普通図柄作動記憶数カウンタの値を1つ減算し、減算後の値を「普通図柄変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図14中のステップS212)の中で普通図柄作動記憶ランプ33aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS3300を実行する。
ステップS3300:主制御CPU72は、当り判定処理(作動抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(作動抽選実行手段)。なお本実施形態では、このとき設定される当り値の範囲は一定である。そして、読み出した乱数値が当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は当りフラグをセットし、次にステップS3400に進む。なお、本実施形態ではプログラム上で当り値の範囲を設定して当り判定を行っているが、予め当り判定テーブルをROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら当り判定を行うプログラミング例もある。
ステップS3400:主制御CPU72は、先の当り判定処理で当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS3404を実行する。
ステップS3404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄表示装置33によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄指定コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図14中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、普通図柄表示装置33に2つのLEDを用いているため、主制御CPU72の制御上、全ての停止図柄番号データに対して普通図柄表示装置33による表示態様(非当選のLEDが点灯表示)は共通である。このため、例えば、はずれ時の停止図柄番号データを1つの値(例えば01H)に固定することができる。
ステップS3406:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄についてはずれ時の変動パターン番号を決定する。変動パターン番号は、変動パターンの種類を区別したり、そのときの変動時間を規定したりするものである。なおリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は、例えばステップS3250で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて決定される。
以上のステップS3404,ステップS3406は、当り判定結果がはずれ時の制御手順であるが、判定結果が当り(ステップS3400:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。
ステップS3410:主制御CPU72は、当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は当り図柄乱数に基づき、当選図柄の種類(当り時停止図柄番号)を決定する。当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め普通図柄判定データテーブルで規定されている。このため主制御CPU72は、当り時停止図柄決定処理において普通図柄判定テーブルを参照し、その記憶内容から当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。なお本実施形態では、上述したように当選種別に大きく分けて2種類が用意されている。そのうち1つは「当選A」であり、もう1つは「当選B」である。
ステップS3412:次に主制御CPU72は、当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76のカウンタ領域から上記の変動パターン決定乱数を取得すると、その値に基づいて普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定する。
ステップS3413:主制御CPU72は、当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は当り時停止図柄番号に基づいて、普通図柄表示装置33による停止図柄(当り図柄)の表示態様を決定する。ただし主制御CPU72の制御上、全ての当り時停止図柄番号に対して普通図柄表示装置33による表示態様(当選のLEDが点灯表示)は共通である。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS3414:次に主制御CPU72は、普通図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットする。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に普通図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は普通遊技管理処理に復帰する。
〔図30:普通図柄変動中処理,普通図柄停止表示中処理〕
普通遊技管理処理に復帰すると、主制御CPU72は普通図柄変動中処理(ステップS3001)を次のジャンプ先に設定する。普通図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように普通図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)を次のジャンプ先に設定する。
また普通図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図31中のステップS3404,ステップS3410)で決定した停止図柄に基づいて普通図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。第2特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔可変始動入賞装置管理処理〕
次に、可変始動入賞装置管理処理について説明する。図32は、可変始動入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変始動入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5101)、開放パターン設定処理(ステップS5201)、開閉動作処理(ステップS5301)、閉鎖処理(ステップS5401)、終了処理(ステップS5501)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5101:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5201〜ステップS5501のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変始動入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変始動入賞装置29の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として開放パターン設定処理(ステップS5201)を選択する。一方、既に開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として開閉動作処理(ステップS5301)を選択し、開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として閉鎖処理(ステップS5401)を選択する。また、開閉動作処理及び閉鎖処理を実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5501)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔開放パターン設定処理〕
ステップS5201:開放パターン設定処理では、主制御CPU72は可変始動入賞装置29の作動条件として、例えば開放時間と開放回数を設定する。ここで、開放時間の設定については、時間短縮機能の作動時と非作動時とで異なる。なお、上述したゲームフロー(1)で時間短縮機能の作動には言及していないが、その他のゲームフローで時間短縮機能が関係するため、適宜ここで時間短縮機能にも言及するものとする。
〔当選A〕
先ず「当選A」図柄については、上述したように時間短縮機能の非作動時と作動時で当り確率(1/54)は変化しない。ただし、変動時間については通常中が比較的長時間(通常変動時間)に設定されているのに対し、時短中は短縮された変動時間(1.0秒)に設定されている。通常変動時間は、例えば変動パターン決定乱数を用いて複数通り(例えば数秒〜百数十秒の範囲内)に設定されるため、時短中の変動時間に比較して長くなっている。なお、作動時間や作動回数の条件については通常中と時短中で同じである。
〔当選B〕
「当選B」図柄についても、上述したように時間短縮機能の非作動時と作動時で当り確率(1/1.04)は変化しない。ただし、変動時間については通常中が比較的長時間(通常変動時間)に設定されているのに対し、時短中は短縮された変動時間(0.5秒)に設定されている。さらに、作動時間の条件は通常中に比較して時短中は延長されている(0.08秒→5.8秒)。なお、作動回数の条件については通常中と時短中で同じである。
主制御CPU72は、開放パターン設定処理(図32中のステップS5201)において時間短縮機能作動フラグの値(「01H」又は「00H」)を参照し、値「01H」がセットされていれば、時短中の作動条件(特に作動時間)を設定する。これにより、時短中は当り確率の高い「当選B」に対応する開放時間が通常中に比較して延長されるため、それだけ頻繁に可変始動入賞装置29への入賞が発生しやすくなる。
なお主制御CPU72は、先の変動パターン決定処理(図31中のステップS3406,ステップS3412)で変動パターン(変動時間)を設定する場合についても、図31の作動条件設定テーブルを使用することができる。
ステップS5301:次の開閉動作処理では、主制御CPU72は先のステップS5201で設定した作動条件(開放時間)に基づいて普通電動役物ソレノイド212を駆動する。これにより、特に時短中は「当選A」及び「当選B」のいずれに該当しても、開放時間が延長(5.8秒)された状態となる。また主制御CPU72は、次のジャンプ先として閉鎖処理(ステップS5401)を設定する。
ステップS5401:閉鎖処理では、主制御CPU72は開放時間の経過をタイマカウンタ値に基づいてカウントする。そして、タイマカウンタの値が0以下になれば、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド212を非作動状態に切り替える。そして主制御CPU72は、次のジャンプ先として終了処理(ステップS5501)を設定する。
ステップS5501:終了処理では、主制御CPU72は可変始動入賞装置29の作動を終了する際の条件を整える。例えば、主制御CPU72は普通電動役物作動フラグの値(01H)をリセットする。そして主制御CPU72は、普通図柄遊技処理の中の普通遊技制御モジュール選択処理(図30中のステップS1001)でのジャンプ先を普通図柄変動開始待ち処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変始動入賞装置管理処理に復帰する。
可変入賞装置30を用いた役物ゲームの制御では、可変始動入賞装置29を作動させて中始動入賞口29aへの入球(入賞)を可能とし、それによって第2特別図柄を変動させている。このため可変入賞装置30を用いた役物ゲームの制御では、以下の第2特別遊技管理処理を実行することになる。なお、第2特別遊技管理処理と上記の第1特別遊技管理処理には重複する内容もあるが、発明の実施を容易にするため重複内容も含めて説明する。
〔第2特別遊技管理処理〕
図33は、第2特別遊技管理処理の構成例を示すフローチャートである。第2特別遊技管理処理は、第2特別遊技制御モジュール選択処理(ステップS1000B)、第2特別図柄変動開始待ち処理(ステップS1500B)、第2特別図柄変動中処理(ステップS2000B)、第2特別図柄停止表示中処理(ステップS2500B)、第2特別電動役物作動開始待ち処理(ステップS3000B)、小当り時第2特別電動役物開放処理(ステップS3500B)、小当り時第2特別電動役物閉鎖処理(ステップS4000B)、小当り時第2特別電動役物作動終了処理(ステップS4500B)、大当り時第2特別電動役物作動開始処理(ステップS5000B)、大当り時第2特別電動役物開放処理(ステップS5500B)、大当り時第2特別電動役物閉鎖有効処理(ステップS5550B)、大当り時第2特別電動役物閉鎖処理(ステップS6000B)、大当り時第2特別電動役物作動終了処理(ステップS6500B)及び残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000B)のサブルーチン群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って第2特別遊技管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000B:第2特別遊技制御モジュール選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS1500B〜ステップS6500Bのいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000B)のプログラムアドレスを「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として第2特別図柄変動開始待ち処理(ステップS1500B)を選択する。一方、既に第2特別図柄変動開始待ち処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として第2特別図柄変動中処理(ステップS2000B)を選択し、第2特別図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として第2特別図柄停止表示中処理(ステップS2500B)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。
また、上記のように主制御CPU72が次のジャンプ先を選択するにあたり、現在までの処理の進行状況は「第2特別遊技管理ステータス」の値で表されている。「第2特別遊技管理ステータス」は、上述した「第1特別遊技管理ステータス」と同様の機能を有するものである。ただし、主制御CPU72による制御上で「第1特別遊技管理ステータス」と「第2特別遊技管理ステータス」は値として区別されている。
例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば、主制御CPU72は現在までの「第2特別遊技管理ステータス」の値を「00H」として設定している。一方、既に第2特別図柄変動開始待ち処理が完了していれば、主制御CPU72は現在までの「第2特別遊技管理ステータス」の値を「01H」に設定し、第2特別図柄変動中処理まで完了していれば、現在までの「第2特別遊技管理ステータス」の値を「02H」に設定するといった具合である。なお、このような「第2特別遊技管理ステータス」の値の設定についてはさらに後述する。いずれにしても、主制御CPU72は第2特別遊技制御モジュール選択処理において「第2特別遊技管理ステータス」の値を参照し、その時点でジャンプ先となる処理(ステップS1500B〜ステップS6500Bのいずれか)を選択することができる。
なお、第2特別遊技制御モジュール選択処理(ステップS1000B)でジャンプ先として選択されるのは、上記のようにステップS1500B〜ステップS6000Bまでであり、残存球エラーコマンド設定処理(ステップS7000B)は毎回の割り込みで実行される。
ステップS1500B:上記のように「第2特別遊技管理ステータス」の値が「00H」である場合、主制御CPU72は第2特別遊技管理処理において第2特別図柄変動開始待ち処理を実行する。この第2特別図柄変動開始待ち処理では、主制御CPU72は第2特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。特に図示していないが、例えば主制御CPU72は第2特別図柄作動記憶数がある場合、第2特別図柄の当り決定乱数及び当り図柄乱数の記憶を共通記憶領域に保存する。また主制御CPU72は、共通記憶領域に保存した当り決定乱数を当り値と比較し、当り判定を行う。なお本実施形態では、特別図柄抽選の当り確率(いわゆる小当り確率)が1であるため、このときの当り判定は確認的な処理となる。
ステップS2000B:「第2特別遊技管理ステータス」の値が「01H」である場合、主制御CPU72は第2特別遊技管理処理において第2特別図柄変動中処理を実行する。この第2特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって第2特別図柄の変動表示が行われる。この後、変動タイマのカウントが0になると、主制御CPU72は「第2特別遊技管理ステータス」の値を「02H」に更新する。
ステップS2500B:「第2特別遊技管理ステータス」の値が「02H」に更新された場合、主制御CPU72は第2特別遊技管理処理において第2特別図柄停止表示中処理を実行する。この第2特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止表示タイマをカウントしつつ、第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより第2特別図柄の停止表示が行われる。なお、このとき第2特別図柄の停止表示態様は、先の第2特別図柄変動開始待ち処理で決定された当選図柄に対応している。この後、停止表示タイマのカウントが0になると、主制御CPU72は「第2特別遊技管理ステータス」の値を「03H」に更新する。
ステップS3000B:「第2特別遊技管理ステータス」の値が「03H」に更新された場合、主制御CPU72は第2特別遊技管理処理において第2特別電動役物作動開始待ち処理を実行する。この役物作動開始待ち処理では、主制御CPU72は特別遊技タイマとして下大入賞口開放開始タイマのカウントダウンを実行する。なお下大入賞口開放開始タイマのカウント時間は、可変入賞装置30(下大入賞口)の開放開始を遊技者に意識させるために必要な演出時間(例えば数秒間)に基づいて設定されている。この後、下大入賞口開放開始タイマのカウントが0になると、主制御CPU72は「第2特別遊技管理ステータス」の値を「04H」に更新する。
ステップS3500B:「第2特別遊技管理ステータス」の値が「04H」に更新された場合、主制御CPU72は第2特別遊技管理処理において小当り時第2特別電動役物開放処理を実行する。この小当り時第2特別電動役物開放処理では、主制御CPU72は可変入賞装置30の開閉動作を制御する。具体的には、主制御CPU72は下大入賞口開放時間タイマ又は待機時間タイマをカウントしつつ、下大入賞口ソレノイド216に対する駆動信号(ON又はOFF)を設定する。これにより、可変入賞装置30の開放及び閉鎖の動作が行われる。また可変入賞装置30の開閉動作を終了して可変入賞装置30を閉鎖する場合、主制御CPU72は「第2特別遊技管理ステータス」の値を「05H」に更新する。
ステップS4000B:「第2特別遊技管理ステータス」の値が「05H」に更新された場合、主制御CPU72は第2特別遊技管理処理において小当り時第2特別電動役物閉鎖処理を実行する。この小当り時第2特別電動役物閉鎖処理では、主制御CPU72は可変入賞装置30の閉鎖に伴う各種の内部処理を実行する。各種の内部処理には、例えば可変入賞装置30の開放時に入球(入賞)した遊技球が特定領域(第2の特定領域)を通過したか否かを確認したり、回数切り機能の作動状態を確認したりする処理が含まれる。これら処理を終了する場合、主制御CPU72は「第2特別遊技管理ステータス」の値を「06H」に更新する。
また主制御CPU72は、この小当り時第2特別電動役物閉鎖処理において特定領域の通過を検出した場合、大当りフラグに値(01H)をセットし、大当り状態指定コマンドを設定する。合わせて主制御CPU72は、その時点で記憶されている抽選結果フラグに基づき、大当り種別コマンドを生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図14中のステップS214)において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500B:「第2特別遊技管理ステータス」の値が「06H」に更新された場合、主制御CPU72は第2特別遊技管理処理において小当り時第2特別電動役物作動終了処理を実行する。この小当り時第2特別電動役物作動終了処理では、主制御CPU72は可変入賞装置30の作動終了に伴う各種の内部処理を実行する。各種の内部処理には、例えば可変入賞装置30の作動終了を確定させるエンディング時間の経過を確認したり、大当り状態移行コマンドや時間短縮状態指定コマンドを設定したりする処理が含まれる。ここで大当り状態移行コマンドを設定する場合、主制御CPU72は「第2特別遊技管理ステータス」の値を「07H」に更新する。一方、大当り状態移行コマンドを設定しない場合、主制御CPU72は「第2特別遊技管理ステータス」を初期値の「00H」に復帰させる。
ステップS5000B:大当り時第2特別電動役物作動開始処理は、先の小当り時第2特別電動役物作動終了処理において「第2特別遊技管理ステータス」の値が「07H」に更新された場合に実行される。この大当り時第2特別電動役物作動開始処理では、主制御CPU72は大当り時における可変入賞装置30の作動開始に先立つ前処理を実行する。すなわち、主制御CPU72は特別遊技タイマとして大当り開始待ち時間タイマのカウントダウンを実行し、タイマのカウントが0になると、可変入賞装置30の作動条件(実行ラウンド数、ラウンドごとの開放時間及び開放回数、インターバル時間等)を設定する。また主制御CPU72は、「第2特別遊技管理ステータス」の値を「08H」に更新する。以後、大当り遊技中は遊技の進行状況に応じて「第2特別遊技管理ステータス」の値が「08H」〜「0BH」まで更新され、そのときの値に応じてステップS5500B〜ステップS6500Bが実行されることになる。
ステップS5500B:「第2特別遊技管理ステータス」の値が「08H」に更新された場合、主制御CPU72は大当り時第2特別電動役物開放処理を実行する。この大当り時第2特別電動役物開放処理では、主制御CPU72は可変入賞装置30の開閉動作を制御する。これにより、大当り遊技の1ラウンド分が実行されることになる。1ラウンド分の大当り遊技を終了して可変入賞装置30を閉鎖する場合、主制御CPU72は「第2特別遊技管理ステータス」の値を「09H」に更新する。
ステップS5550B:「第2特別遊技管理ステータス」の値が「09H」に更新されると、主制御CPU72は次の大当り時第2特別電動役物閉鎖有効処理を実行する。この大当り時第2特別電動役物閉鎖有効処理では、主制御CPU72は大入賞口閉鎖有効時間タイマのカウントダウンを実行し、タイマのカウントが0になると、「第2特別遊技管理ステータス」の値を「0AH」に更新する。なお、この処理は可変入賞装置30の開放から閉鎖に伴う時間を調整するために実行されるものであり、その詳細については省略する。
ステップS6000B:「第2特別遊技管理ステータス」の値が「0AH」に更新されると、主制御CPU72は次の大当り時第2特別電動役物閉鎖処理を実行する。この大当り時第2特別電動役物閉鎖処理では、主制御CPU72は可変入賞装置30の閉鎖完了に伴う内部処理を実行する。この内部処理において、主制御CPU72はこれまでに実行したラウンド数を確認し、実行済みのラウンド数が設定したラウンド数(連続作動回数)に達していなければ「第2特別遊技管理ステータス」の値を「08H」に復帰させる。この場合、次回の第2特別遊技制御モジュール選択処理(ステップS1000B)において先の大当り時第2特別電動役物開放処理(ステップS5500B)が再度選択されることになる。一方、既に実行済みのラウンド数が設定したラウンド数に達した場合、主制御CPU72は「第2特別遊技管理ステータス」の値を「0BH」に更新する(ステップS3000B〜S6000B:特別遊技実行手段)。
ステップS6500B:「第2特別遊技管理ステータス」の値が「0BH」に更新された場合、主制御CPU72は大当り時第2特別電動役物作動終了処理を実行する。この大当り時第2特別電動役物作動終了処理では、主制御CPU72は大当りエンディング時間タイマのカウントダウンを実行する。タイマのカウントが0になると、主制御CPU72は特別図柄状態フラグを設定し、また、特別図柄停止図柄種別に応じて時間短縮機能の作動回数(上限回数)を設定する。そして主制御CPU72は、特別図柄状態指定コマンドを設定し、「第2特別遊技管理ステータス」を初期値の「00H」に復帰させる。これにより、以後は特別図柄の変動が可能な状態となる。
また主制御CPU72は、以下の手順を「第2特別遊技管理ステータス」の値にかかわらず実行する。
ステップS7000B:主制御CPU72は、残存球エラーコマンド設定処理を実行する。この残存球エラーコマンド設定処理では、主制御CPU72は、可変入賞装置30の作動終了後に残存球エラーの監視を行うとともに、残存球エラー時の報知用コマンドを設定する。ここで設定した残存球エラー状態コマンドは、演出制御出力処理(図14中のステップS214)で演出制御装置124に送信される。
なお、図33中のステップS1000B〜S7000Bは、図19の第1特別遊技管理処理で挙げたステップS1000〜S7000にそれぞれ対応しており、各処理の具体的な内容は、上述した各ステップS1000〜S7000の説明から容易に理解できるため、ここでは個別の説明を省略する。
〔モータ管理処理〕
次に図34は、割込管理処理の中で実行されるモータ管理処理(図14中のステップS209)の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、このモータ管理処理において第3ストッパでの排出処理を実行することができる。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS2800:先ず主制御CPU72は、原点監視処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は第3ストッパモータ224の原点位置(貯留位置又はそれ以外)を監視する必要があるか否かを確認し、監視する必要があれば、第3ストッパモータ位置検出スイッチ225からの検出信号を取得する。なお、その他の各種モータ(ルート振分体モータ218、第1回転体モータ226、第2回転体モータ228、第3回転体モータ229)についても、それぞれの原点位置を検出する必要があれば、所望により各モータインデックスセンサ(図示していない)からインデックス信号を取得することとしてもよい。
ステップS2802:次に主制御CPU72は、各種モータについて電源投入時動作が完了しているか否かを確認する。このときパチンコ機1の電源投入直後であり、未だ各種モータについて電源投入時の動作が完了していなければ(No)、主制御CPU72はステップS2804を実行する。
ステップS2804:この場合、主制御CPU72は電源投入時動作処理を実行する。これにより、例えばルート振分体モータ218、第1回転体モータ226、第2回転体モータ228及び第3回転体モータ229は、それぞれ一定方向に一定速度で回転を開始する。また第3ストッパモータ224は、所定の電源投入時動作パターンを実行した後に原点位置で停止する。この後、第3ストッパモータ224について電源投入時動作が完了すると、先のステップS2802で動作完了(Yes)と判定されるため、以後はステップS2804がスキップされる。
ステップS2806:また主制御CPU72は、可動役物装置28の作動に備えて「第1特別遊技管理ステータス」の値が「03H」に更新されたか否かを監視する。未だ値が「03H」に更新されていない間(No)、主制御CPU72はステップS2808をスキップする。遊技フローの中で可動役物装置28の作動契機(第1特別図柄の確定停止時)が発生し、「第1特別遊技管理ステータス」が「03H」に更新されると(Yes)、主制御CPU72はステップS2808を実行する。
ステップS2808:この場合、主制御CPU72は作動契機発生後第3ストッパモータ動作パターン設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は作動契機発生時の第3ストッパモータ224が行う動作パターンを設定する。この動作パターンは、例えば〔1〕第1停止時間の停止、〔2〕第1回転時間のCW方向回転、〔3〕第2停止時間の停止、〔4〕CCW方向回転、〔5〕原点位置停止(ここまで不正球の排出動作)、〔6〕第3停止時間の停止、〔7〕第1回転時間のCW方向回転、〔8〕第2停止時間の停止、〔9〕CCW方向回転、そして〔10〕原点位置停止(ここまで正規の解除動作)である。したがって主制御CPU72は、ここで上記〔1〕〜〔10〕の動作に必要な各種タイマの値を設定し、また、モータ駆動パターンテーブルの設定を行う。モータ駆動パターンテーブルは、第3ストッパモータ224に対する駆動信号の印加パターンを回転方向(CW/CCW)別に規定したものである。なお「不正球の排出動作」とは、可動役物装置28の作動前から第3ストッパに遊技球が置かれていた場合、そのような不正球を排出する動作である。
ステップS2810:次に主制御CPU72は、動作パターンが設定済みであるか否かを確認する。先のステップS2808で排出動作パターンを設定済みであれば(Yes)、主制御CPU72はステップS2812を実行する。
ステップS2812:ここで主制御CPU72は、可動役物装置28を用いた役物ゲームの終了に備えて「第1特別遊技管理ステータス」の値が「06H」に更新されたか否かを監視する。未だ値が「06H」に更新されていなければ(No)、主制御CPU72はステップS2814を実行する。
ステップS2814:主制御CPU72は、第3ストッパモータ管理処理を実行する。この処理では、先のステップS2808で設定した動作パターンに基づいて第3ストッパモータ224の駆動状態を制御する。これにより、第3ストッパモータ224が上記〔1〕〜〔10〕の動作を順に実行し、第3ストッパでの排出処理が行われた後、正規の解除が行われる。
この後、全ての動作パターンを実行すると、主制御CPU72はステップS2814の中で動作パターンの設定をリセットする。これにより、以後はステップS2810で動作パターンが未設定である(No)と判断されるため、ステップS2812,S2814はスキップされることになる。
一方、全ての動作パターンを実行し終える前に役物ゲームが終了すると、「第1特別遊技管理ステータス」が「06H」に更新される(ステップS2812:Yes)。この場合、主制御CPU72はステップS2816を実行する。
ステップS2816:この場合、主制御CPU72は設定済みの動作パターンをリセットする。これにより、同じく以後はステップS2810で動作パターンが未設定である(No)と判断されるため、ステップS2812,S2814はスキップされることになる。
ステップS2818:また主制御CPU72は、大当り遊技に備えて「第1特別遊技管理ステータス」が「06H」より大きい値に更新されたか否かを監視する。特に「第1特別遊技管理ステータス」が「06H」より大きい値に更新されていなければ(No)、主制御CPU72はステップS2820をスキップし、割込管理処理に復帰する。
これに対し、遊技フローが大当り開始演出中状態以降に進行すると、「第1特別遊技管理ステータス」の値が「07H」に更新される(ステップS2818:Yes)。この場合、主制御CPU72は(ステップS)2820を実行する。
ステップS2820:そして主制御CPU72は、大当り時モータ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は例えば大当り遊技中の第3ストッパモータ224の動作パターンを設定し、その動作パターンに基づいて第3ストッパモータ224の駆動状態を制御する。これにより、大当り遊技中に第3ストッパが予め設定されたパターンで動作(例えばラウンド間に昇降)する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は割込管理処理に復帰する。
以上のようにモータ管理処理では、第1特別図柄の確定停止を作動契機とした第3ストッパモータ224の動作パターンを設定し、その後は動作パターン終了又はリセットまで動作パターンに基づいて第3ストッパモータ224の駆動を制御している。このため、「第1特別遊技管理ステータス」が「03H」から「04H」、「05H」に更新されていく過程で、上大入賞口28bの開放や閉鎖と並行して排除処理を行った後、正規のタイミングで解除動作を実行することができる。
〔表示出力管理処理〕
図35は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図14中のステップS212)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、普通図柄作動記憶表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、普通図柄作動記憶表示設定処理(ステップS1240)については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)については、状態表示ランプ36,37,39の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。すなわち状態表示設定処理では、主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は状態表示ランプ36,37,39や大当り種別表示装置38に対応するLEDに対して点灯信号を出力する。一方、時間短縮機能作動フラグがクリア(00H)されていれば、主制御CPU72は状態表示ランプ36,37,39や大当り種別表示装置38に対応するLEDに対する点灯信号を出力しない。これにより、特別図柄状態に応じて状態表示ランプ36,37,39や大当り種別表示装置38のON又はOFFが制御されることになる。
以上が、先に挙げたゲームフロー(1)を実行する場合の制御例である。続いて、以下に他のゲームフロー(2),(3)を挙げるが、これらゲームフローについても、上述した制御例を基本として実現することができる。
〔ゲームフロー(2)〕
図36は、本実施形態のパチンコ機1によるゲームフロー(2)を示す図である。以下、ゲームフロー(2)について説明する。
〔構造体グループ〕
ゲームフロー(2)では、遊技領域8a内にある構造体(構造物)を以下の2グループG100,G300に分類し、グループ別の構造体を用いて役物ゲームを行うものとする。先ず、各グループG100,G300の構成について説明する。
図36中の太い破線で大きく囲まれたグループG100には、盤面中央位置の可動役物装置28、左始動入賞口26、右始動入賞口27等の構造体が含まれる他、始動ゲート20及び下部中央位置(いわゆるヘソ)の可変始動入賞装置29も含まれている点がゲームフロー(1)と異なっている。また、図36中の太い一点鎖線で小さく囲まれたグループG300には、可変入賞装置30が含まれる。
先に挙げたゲームフロー(1)では、構造体のグループG1の役物ゲーム、グループG2の役物ゲームというように、遊技に使用する構造体によって2つの役物ゲームが別々に行われることとなっていたが、このゲームフロー(2)では、先ずグループG100の構造体で遊技を開始し、小当り時の当選図柄(小当り図柄)に応じてグループG100の役物ゲームを実行するか、グループG300の役物ゲームを実行するかの分岐が行われるものとなっている。また、ゲームフロー(2)では第1特別図柄だけを使用し、第2特別図柄については不使用となる(第1特別図柄と第2特別図柄を共通のものとしてもよい)。以下、より具体的に説明する。
〔G50:左・中・右始動口に入賞〕
遊技球が遊技領域8a内を流下する過程で、遊技球が左始動入賞口26、右始動入賞口27又は中始動入賞口29aのいずれかに入球(入賞)すると、主制御CPU72による制御上で内部抽選に必要な要素(各種の乱数)が取得される(第1の作動契機)。
〔G52:第1特別図柄変動・停止〕
第1特別図柄に対応する内部抽選が行われると、第1特別図柄が変動表示され、変動時間経過後に停止表示される。このとき、内部抽選で当り(小当り図柄当選)となる確率を極めて高確率(例えば65536分の65535程度)にすることで、第1特別図柄はほとんどの場合で小当り図柄の態様により停止表示される。また、当選時の図柄(小当り図柄)によって「第1小当り」又は「第2小当り」が決定される。具体的には、上述した制御例における「小当り1」及び「小当り2」を「第1小当り」とし、「小当り3」を「第2小当り」とすることができる。また、ここでは「第1小当り」の選択比率を比較的高く(49/50)、「第2小当り」の選択比率を比較的低く(1/50)することができる。
〔第1小当り時〕
上記のように、第1特別図柄が小当り図柄の表示態様で停止表示され、そのときの図柄が「第1小当り」に該当すると、フロー上で第1小当りが発生する。
〔G54:上大入賞口開放〕
第1小当り発生により、中央位置の可動役物装置28が作動する。具体的には、一対の可動片28aが閉鎖状態から開放状態となり、上大入賞口28b(第1の入賞口)が開放される。これにより、上大入賞口28bに遊技球が入球することが可能となる。なお、上大入賞口28bの開放回数や開放時間は適宜に設定することができる。
〔上大入賞口入賞時〕
上大入賞口28bの開放時、実際に遊技球が入球(入賞)すると、可動役物装置28内での球振り分け動作による役物ゲームが行われる。特に図示していないが、上大入賞口28bが開放されても、入球(入賞)が発生しなかった場合、以下の遊技手順は実行されない。
〔G56:球振り分け動作(1/12)〕
可動役物装置28内では、ルート振分体44や振り分け動作体28e,28f、第1回転体440、第2回転体442等を用いた球振り分け動作が行われる。ここでは球振り分け動作として、第1回転体440のVルート穴440bに遊技球が入り込み、V入賞通路(第1の特定領域)を通過するか否かを決定するか、もしくは、第2回転体442のVルート穴442bに遊技球が入り込み、V入賞通路450(第1の特定領域)を通過するか否かを決定する役物ゲームが行われる。いずれにしても、可動役物装置28内で第1の特定領域を遊技球が通過する確率(難易度)は12分の1程度に設定されているものとする(難易度設定手段)。
〔G58:通過判定〕
上記の球振り分け動作の結果、第1の特定領域を遊技球が通過しなければ(No)、ひとまず役物ゲームは終了となる。具体的には、第1回転体440で遊技球がアウト穴440aに振り分けられたか、第2回転体442で遊技球がアウト穴442aに振り分けられた場合である。
〔G60:大当り遊技実行〕
これに対し、第1の特定領域を遊技球が通過すると(Yes)、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。ここでの大当り遊技は、同じグループG100に属する可動役物装置28を用いて行ってもよいし、他のグループG300に属する可変入賞装置30を用いて行ってもよい。いずれにしても、大当り遊技(特別遊技)が実行されると、大入賞口(上大入賞口28b又は下大入賞口)がある程度の開放時間(例えば最長で29秒程度)にわたって開放され、その間に遊技球を入球(入賞)させることが可能となる。なお、開放時間が経過するか、もしくは開放時間内に入球した遊技球が規定個数(例えば9個)に達すると、大入賞口は閉鎖される。
〔第2小当り時〕
一方、第1特別図柄が小当り図柄の表示態様で停止表示され、そのときの図柄が「第2小当り」に該当すると、フロー上で第2小当りが発生する(第2の作動契機)。この場合、遊技手順は〔G52〕から以下に分岐する。
〔G62:下大入賞口開放〕
第2小当り発生により、グループG300に属する下部位置の可変入賞装置30が作動し、可変入賞装置30を用いた役物ゲームが行われる。具体的には、開閉部材30aが閉鎖状態から開放状態となり、下入賞口(第2の入賞口)が開放される。これにより、下大入賞口に遊技球が入球することが可能となる。なお、下大入賞口の開放回数や開放時間は適宜に設定することができる。
〔下大入賞口入賞時〕
下大入賞口の開放時、実際に遊技球が入球(入賞)すると、可変入賞装置30内での球振り分け動作による役物ゲームが行われる。特に図示していないが、下大入賞口が開放されても、入球(入賞)が発生しなかった場合、以下の遊技手順は実行されない。
〔G64:球振り分け動作(1/3)〕
そして、可変入賞装置30内で第3回転体462を用いた球振り分け動作が行われる。ここでは球振り分け動作として、第3回転体462のVルート穴462bに遊技球が入り込み、V入賞通路460(第2の特定領域)を通過するか否かを決定する役物ゲームが行われる。このとき、可変入賞装置30内で第2の特定領域を遊技球が通過する確率(難易度)は3分の1程度に設定されており、第1小当り時よりも通過率が高く設定されている(追加難易度設定手段)。
〔G66:通過判定〕
上記の球振り分け動作の結果、第2の特定領域を遊技球が通過しなければ(No)、ひとまず役物ゲームは終了となる。具体的には、第3回転体462で遊技球がアウト穴462aに振り分けられた場合である。
〔G68:大当り遊技実行〕
これに対し、第2の特定領域を遊技球が通過すると(Yes)、この場合にも大当り遊技が実行される(追加条件設定手段、特別遊技実行手段)。また、ここでの大当り遊技は、同じグループG300に属する可変入賞装置30を用いて行ってもよいし、他のグループG100に属する可動役物装置28を用いて行ってもよい。そして、大当り遊技(特別遊技)が実行されると、大入賞口(上大入賞口28b又は下大入賞口)がある程度の開放時間(例えば最長で29秒程度)にわたって開放され、その間に遊技球を入球(入賞)させることが可能となる。なお、開放時間が経過するか、もしくは開放時間内に入球した遊技球が規定個数(例えば9個)に達すると、大入賞口が閉鎖されることは上記と同じである。
〔ゲームフロー(2)のまとめ〕
(1)構造体をグループG100,G300に分類しつつ、最初はグループG100で遊技を開始し、発生した小当りの種類(第1小当り、第2小当り)に応じて役物ゲームを使い分けることができる。これにより、単一の役物ゲームしかない態様による遊技の単調化を防止し、遊技性の幅を広げることができる。
(2)また、上記(1)において、第1小当りとなった場合の役物ゲームで第1の特定領域を通過する確率(1/12)に比較して、第2小当りとなった場合の役物ゲームで第2の特定領域を通過する確率(1/3)が高く設定されているため、遊技中は第1小当り時の役物ゲームよりも、第2小当り時の役物ゲームを実行したときの大当りへの期待度(大当り遊技が実行される可能性の度合)を高くすることができる。これにより、小当りの種類に応じて2つの役物ゲームを提供できることに加えて、両者にそれぞれ異なった意義を持たせることができ、さらに遊技性の幅を広げることができる。
(3)上記(2)に関して、遊技中に第1小当りとなる確率は、第2小当りとなる確率に比較して高く設定されているため、遊技中に第1小当り時の役物ゲームが実行される頻度は比較的高いものの、その分、大当りとなる確率(第1の特定領域の通過率)は低く抑えられている。一方で、遊技中に第2小当りとなる確率は、第1小当りとなる確率に比較して低く設定されている。このため、遊技中に第2小当り時の役物ゲームが実行される頻度は比較的低いものの、その分、大当りとなる確率(第2の特定領域の通過率)は相対的に高く設定されており、ゲームフロー(2)全体として2つの役物ゲームのバランスが図られている。
〔ゲームフロー(3)〕
次に、ゲームフロー(3)について説明する。ゲームフロー(3)は、大当り遊技の終了後に時間短縮機能を作動させることを前提としており、時間短縮機能の非作動時と作動時とで、使用する構造体のグループを分けているところがゲームフロー(1),(2)と異なる。そこで、ゲームフロー(3)の実施に適した盤面構成の例を挙げて説明する。
図37は、ゲームフロー(3)の実施に適した盤面構成の例を示す正面図である。以下、ゲームフロー(1),(2)で用いた盤面の構成と異なる部分を中心として説明する。なお、ゲームフロー(1),(2)で用いた構造体と符号を共通化している場合、それは構造体としての形態は違っていても、遊技を実行する上で機能が同じであることを意味している。
〔始動入賞口〕
この盤面構成の例では、遊技領域8a内の左側部分に1つの左始動入賞口26が配置されている。
〔可動役物装置〕
可動役物装置28は、遊技領域8a内の中央位置に配置されている。この可動役物装置28もまた、一対の可動片28aを有しており、これら可動片28aの開閉動作により上大入賞口28bを開放又は閉鎖する。また、可動役物装置28は、上大入賞口28bに入球(入賞)した遊技球の流下方向を2つに振り分けることなく、流下通路28gを通じて流下させる。流下通路28gは可動役物装置28内の上部中央から左斜め下方に屈曲して延びており、流下通路28g内を流下する遊技球は、可動役物装置28内で左側へ誘導される。
なお、可動役物装置28内に液晶表示器は設けられておらず、代わりに2つのドットマトリクス表示器421が前面に設置されている。なお、これらドットマトリクス表示器421はドット図柄を用いた演出を実行するものである。
可動役物装置28内には、流下通路28gの下端に連なって回転体480が設置されている。回転体480は全体として円形状をなしており、その外周縁には複数の凹部480aが周方向に等間隔で形成されている。回転体480は、図示しない回転体モータを動力源として、パチンコ機1の電源投入時から一定の回転運動を行っている。なお、回転体480は正面からみて時計回り方向に回転する。
個々の凹部480aは、遊技球を1個ずつ受け入れ可能な形状をなしており、流下通路28gから放出された遊技球は、いずれかの凹部480a内に入り込む。凹部480a内に入り込んだ遊技球は、回転体480の回転に伴ってその回転方向に移送されていく。
〔可動体〕
可動役物装置28内には、回転体480の外側に隣接して可動体480bが設けられている。この可動体480bは、図37に示されるように回転体480の外周から離隔した排出位置と、外周に沿って近接した誘導位置とに移動することができる。なお、可動体480bの移動には図示しない可動体ソレノイドを駆動源として用いることができる。
〔排出位置〕
可動体480bが上記の排出位置にある状態では、凹部480a内に入り込んでいた遊技球が可動体480bに近接する位置で右下方向の支えを失い、凹部480aから放出される。可動役物装置28内には、可動体480bから下方に延びた排出通路480cが形成されており、凹部480aから放出された遊技球は、排出通路480cに落下する。この場合、可動役物装置28内で遊技球は特定領域(第1の特定領域)を通過することなく排出される。
〔誘導位置〕
これに対し、可動体480bが上記の誘導位置にある状態では、凹部480a内に入り込んでいた遊技球が可動体480bに近接する位置で可動体480bに支えられるので、遊技球は凹部480aから放出されることなく、引き続き回転体480の回転方向に移送される。この後、回転体480の回転に伴い、凹部480a内に入り込んでいた遊技球は、凹部480aの開口が下方を向く位置で落下し、回転体480の下方へ放出される。
〔振り分け回転体〕
可動役物装置28内には、回転体480の下方位置に振り分け回転体482が設置されている。この振り分け回転体482もまた、パチンコ機1の電源投入時から一定の回転を行っている。回転体480の回転方向は、正面からみて反時計回りである。振り分け回転体482は、その外周縁に沿って4つのアウト凹み482aと1つのVルート穴482bを有しており、このうちVルート穴482bがゲームフロー(1),(2)における「Vルート穴」に相当し、アウト凹み482aは「アウト穴」に相当する。
〔アウト振り分け時〕
回転体480から放出された遊技球が振り分け回転体482に到達したタイミングで、その遊技球がいずれかのアウト凹み482aに受け止められると、回転体480の回転に伴って遊技球は移送され、回転体480の左下方向へ放出される。放出先の位置にも排出通路480cが形成されており、回転体480から放出された遊技球は排出通路480cに落下する。この場合、可動役物装置28内で遊技球は特定領域(第1の特定領域)を通過することなく排出されることになる。
〔V入賞時〕
これに対し、回転体480から放出された遊技球が振り分け回転体482に到達したタイミングで、その遊技球がVルート穴482bに入り込むと、特定領域の通過が確定する。具体的には、振り分け回転体482の奥には図示しないV入賞通路が開口して形成されており、Vルート穴482bとV入賞通路が振り分け回転体482の頂上位置(いわゆる12時の位置)で前後に重なり合うものとなっている。これにより、Vルート穴482bに入り込んだ遊技球は、回転体480の頂上位置でV入賞通路に放出され、特定領域(第1の特定領域)としての図示しない第1特定領域スイッチを通過する。
〔右側領域〕
この盤面構成の例では、遊技領域8aの右側部分(可動役物装置28の右側)に始動ゲート20や可変始動入賞装置29、可変入賞装置30が遊技球の流下方向に配列されている。したがって、これらの構造体を使用する場合、遊技球が右側部分に打ち込まれること(いわゆる「右打ち」)が必要になる。
〔可変始動入賞装置〕
この盤面構成の例では、可変始動入賞装置29がいわゆるベロタイプとなっている。具体的には、可変始動入賞装置29は舌片形状の可動片29bを有しており、この可動片29bは、図示しない始動入賞口ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向へスライドするようにして往復動作する。右始動入賞口29aは前面に向けて開口しているが、可動片29bが奥側へ引っ込んだ閉鎖位置にある状態で遊技球が右始動入賞口29aに入球することはなく、その前面側を単に流下するだけである(閉鎖状態)。この状態から可動片29bが前面側へ突出した開放位置に移動すると、右始動入賞口29aの下端縁に沿って可動片29bが突出した状態(開放状態)となる。この状態で可動片29bは流下する遊技球を受け止め、右始動入賞口29aへの入球を案内する。これにより、右始動入賞口29aへの入球が可能となる。
〔可変入賞装置〕
可変入賞装置30は、構造としてはこれまでの盤面構成の例と共通しているが、第3回転体462の配置が異なっている。すなわち、第3回転体462は可変入賞装置30の内部に設けられているが、配置の関係上、右下大入賞口の下方に位置している。
図38は、可変入賞装置30を拡大して示す正面図である。
これまでの盤面構成の例と同様に、可変入賞装置30は開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aを前後方向に開閉させて右下大入賞口を開放又は閉鎖する。また、右下大入賞口の奥には傾斜面30cが形成されており、右下大入賞口に入球(入賞)した遊技球は、傾斜面30cの傾斜に沿って右方向に転動する。
ここで、傾斜面30cの終端には下方に延びた誘導通路462cが連結されており、傾斜面30cに沿って転動してきた遊技球は、その終端から誘導通路462c内に落下する。誘導通路462cの途中にカウントスイッチ208が設置されており、右下大入賞口に入球した遊技球はカウントスイッチ208により検出される。
可変入賞装置30内には、カウントスイッチ208を通過したさらに下方位置に上記の第3回転体462が設けられている。カウントスイッチ208を通過した遊技球は、誘導通路462cを介して第3回転体462に到達する。なお、カウントスイッチ208より下方で誘導通路462cは斜め左下方向へ屈曲している。
〔アウト振り分け時〕
第3回転体462のアウト穴462aが誘導通路462cに対向するタイミング(回転角度)で遊技球が到達した場合、その遊技球はアウト穴462aに入り込む。そして、第3回転体462の回転に伴い、遊技球はその回転方向に移送されていく。なお、第3回転体462は時計回り方向に一定回転するものとする。
これまでの盤面構成の例と同様に、第3回転体462の奥はその回転領域の大部分が閉塞されているが、誘導通路462cの下端より直下の位置にアウト落下口462dが開口して形成されている。そして、アウト穴462aは奥側が開放された状態となっており、かつ、アウト穴462aの内部は、誘導通路462cに対向する位置では遊技球を自重により受け入れ可能であるが、アウト落下口462dと重なり合う位置では遊技球を奥側へ転動させる形状となっている。したがって、第3回転体462の回転に伴いアウト穴462aがアウト落下口462dと重なり合う位置に到達すると、アウト穴462aに入り込んでいた遊技球はアウト落下口462dに放出される。なお、2つあるアウト穴462aについては、いずれも同様の振り分け動作となる。
〔V入賞振り分け時〕
これに対し、Vルート穴462bが誘導通路462cに対向するタイミング(回転角度)で遊技球が到達した場合、その遊技球はVルート穴462bに入り込む。そして、第3回転体462の回転に伴い、遊技球はその回転方向に移送されていく。
上記のアウト穴462aと異なり、Vルート穴462bは、その奥側が壁で閉塞された構造となっている。このため、Vルート穴462bがアウト落下口462dと重なり合う位置に到達しても、Vルート穴462bに入り込んだ遊技球がアウト落下口462dに放出されることはない。したがって、Vルート穴462bに入り込んだ遊技球は、第3回転体462の回転に伴ってアウト落下口462dの位置を通り過ぎ、さらに回転方向へ移送される。
可変入賞装置30内には、第3回転体462の下方位置にV入賞通路460が形成されており、V入賞通路460の奥には第2特定領域スイッチ(図示していない)が配置されている。第3回転体462の回転に伴い、Vルート穴462bがV入賞通路460に対向する位置に到達すると、Vルート穴462bに入り込んでいた遊技球はV入賞通路460に落下し、第2の特定領域(図示しない第2特定領域スイッチ)を通過することになる。なお、V入賞通路460を含む第3回転体462の前面側は透明樹脂材料のカバーで覆われており、可変入賞装置30内での遊技球の振り分け動作は遊技者から容易に視認可能となっている。
〔ゲームフロー(3)〕
次に、ゲームフロー(3)について説明する。
図39及び図40は、本実施形態のパチンコ機1によるゲームフロー(3)を示す図である。このうち図39の遊技手順が通常遊技状態(時間短縮機能非作動時)を示し、図40の遊技手順が時間短縮状態(時間短縮機能作動時)を示している。
〔構造体グループ〕
ゲームフロー(3)では、遊技領域8a内にある構造体(構造物)を以下の2グループG1,G2に分類し、遊技状態別にグループ別の構造体を用いて役物ゲームを行うものとする。先ず、各グループG1,G2の構成について説明する。
〔グループG1〕
図39中の太い破線で囲まれたグループG1には、左始動入賞口26、可動役物装置28等の構造体が含まれる。これらグループG1の構造体は通常遊技状態で大当りを発生させるために用いられる。
〔グループG2〕
図39中の太い一点鎖線で囲まれたグループG2には、遊技領域8aの右側部分に配列された始動ゲート20、可変始動入賞装置29、可変入賞装置30等の構造体が含まれる。これらグループG2の構造体は、時間短縮状態(特定遊技状態)で大当りを発生させるために用いられる。
〔通常遊技開始:「左打ち」〕
図39に示されているように、通常遊技中は遊技領域の左側部分に遊技球が打ち込まれること(いわゆる「左打ち」)が前提となっている。
〔G100:左始動入賞口に入賞〕
遊技球が遊技領域8a内を流下する過程で、遊技球が左始動入賞口26に入球(入賞)すると、主制御CPU72による制御上で内部抽選に必要な要素(各種の乱数)が取得される(第1の作動契機)。
〔G102:第1特別図柄変動・停止〕
第1特別図柄に対応する内部抽選が行われると、第1特別図柄が変動表示され、変動時間経過後に停止表示される。このとき、内部抽選で当り(小当り図柄当選)となる確率を極めて高確率(例えば65536分の65535程度)にすることで、第1特別図柄はほとんどの場合で小当り図柄の態様により停止表示される。
〔第1小当り発生〕
上記のように、第1特別図柄が小当り図柄の表示態様で停止表示されると、フロー上で第1小当りが発生する。なお、ゲームフロー(3)では、第1特別図柄の小当りを「第1小当り」とする。また、G102の遊技手順は適宜省略することができる。この場合、G100の手順を契機として小当りを発生させることとする。
〔G104:上大入賞口開放〕
第1小当り発生により、中央位置の可動役物装置28が作動する。具体的には、一対の可動片28aが閉鎖状態から開放状態となり、上大入賞口28b(第1の入賞口)が開放される。これにより、上大入賞口28bに遊技球が入球することが可能となる。なお、上大入賞口28bの開放回数や開放時間は適宜に設定することができる。
〔上大入賞口入賞時〕
上大入賞口28bの開放時、実際に遊技球が入球(入賞)すると、可動役物装置28内での球振り分け動作による役物ゲームが行われる。特に図示していないが、上大入賞口28bが開放されても、入球(入賞)が発生しなかった場合、以下の遊技手順は実行されない。
〔G106:球振り分け動作(1/12)〕
可動役物装置28内では、上述した回転体480や可動体480b、振り分け回転体482等を用いた球振り分け動作が行われる。ここでは球振り分け動作として、回転体480の凹部480aに入り込んだ遊技球が可動体480bにより排出されるか否か、排出されなかった場合は振り分け回転体482のVルート穴482bに入り込み、V入賞通路(第1の特定領域)を通過するか否かを決定する役物ゲームが行われる。このとき、可動役物装置28内で第1の特定領域を遊技球が通過する確率(難易度)は12分の1程度に設定されているものとする(難易度設定手段)。
〔G108:通過判定〕
上記の球振り分け動作の結果、第1の特定領域を遊技球が通過しなければ(No)、ひとまず役物ゲームは終了となる。具体的には、回転体480の凹部480a内に入り込んだ遊技球が可動体480bにより排出されたか、振り分け回転体482で遊技球がアウト凹み482aに振り分けられた場合である。
〔G110:大当り遊技実行〕
これに対し、第1の特定領域を遊技球が通過すると(Yes)、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。ここでの大当り遊技は、同じグループG1に属する可動役物装置28を用いて行ってもよいが、大当り後の遊技球の発射位置を右方向とする関係上、グループG2に属する可変入賞装置30を用いて行うことが好ましい。いずれにしても、大当り遊技(特別遊技)が実行されると、大入賞口(上大入賞口28b又は可変入賞装置30の大入賞口)がある程度の開放時間(例えば最長で29秒程度)にわたって開放され、その間に遊技球を入球(入賞)させることが可能となる。なお、開放時間が経過するか、もしくは開放時間内に入球した遊技球が規定個数(例えば9個)に達すると、大入賞口は閉鎖される。
〔G112:時間短縮状態へ移行〕
大当り遊技が終了すると、時間短縮機能が作動し、時間短縮状態に移行する(特定遊技状態移行手段)。このような制御は、例えば図19の大当り時第2特別電動役物作動終了処理(ステップS6500)において、特別図柄停止図柄種別に応じて時間短縮機能作動回数を設定することにより実現される。なお、「特別図柄停止図柄種別」は、例えば図21の大当り時停止図柄決定処理(ステップS2410)で決定された当選図柄に対応する。ここで決定される当選図柄には、その種別に応じて大当たり終了後の時間短縮機能作動回数(例えば3回、5回、10回、それ以上等)が設定されている。
〔時短中遊技開始:「右打ち」〕
図40に示されているように、時間短縮機能作動中は遊技領域の右側部分に遊技球が打ち込まれること(いわゆる「右打ち」)が前提となっている。「右打ち」する場合、グループG2の構造物を用いた役物ゲームが行われる。また、時間短縮機能の作動中は、以下の特徴が顕著となる。
(1)普通図柄に対応した作動抽選において、「当選B」図柄が選択される。
(2)「当選B」では、通常遊技状態より短縮された変動時間(0.5秒)に設定される。
(3)可変始動入賞装置29の作動時間の条件は通常遊技状態に比較して延長されている(0.08秒→5.8秒)。
上記(1)〜(3)により、「右打ち」によって始動ゲート20を通過すると、短縮された変動時間で普通図柄が「当選B」の態様で停止表示され、可変始動入賞装置29が延長された開放時間で開放する。これにより、可変始動入賞装置29(右始動入賞口)に入球する頻度が通常遊技状態よりも高くなり、可変入賞装置30を用いた役物ゲームを通常遊技状態よりも高い頻度で実行することができる。以下、順を追って説明する。
〔G200:始動ゲート通過〕
「右打ち」により、遊技球が遊技領域8aの右側部分を流下する過程で始動ゲート20を通過すると、普通図柄に対応した抽選の実行に必要な要素(各種乱数)が取得される。取得された要素を用いて普通図柄抽選(作動抽選)が行われ、普通図柄表示装置33による普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。
〔G202:抽選結果〕
抽選の結果が非当選であり、普通図柄が非当選の態様で停止表示されると(No)、ここでひとまず遊技手順は終了する。これに対し、抽選の結果が当選であり、普通図柄が当選の態様で停止表示されると(Yes)、以下の遊技手順が実行される。なお、本実施形態では普通図柄の当選確率が1分の1に近いので、ほとんどの場合は以下の遊技手順となる。
〔G204:普通電動役物作動〕
普通電動役物としての可変始動入賞装置29が作動し、ベロタイプの始動入賞口29aが開放される。このとき、上記のように開放時間が延長されている。
〔G206:始動入賞口に入賞〕
遊技球が遊技領域8a内を流下する過程で始動入賞口29aに入球(入賞)すると、主制御CPU72による制御上で内部抽選に必要な要素(各種の乱数)が取得される(第2の作動契機)。
〔G208:第2特別図柄変動・停止〕
グループG2のゲームにおいては、第2特別図柄に対応する内部抽選が行われる。そして、第2特別図柄が変動表示され、変動時間経過後に停止表示される。このとき、内部抽選で当り(小当り図柄当選)となる確率を極めて高確率(例えば65536分の65535程度)にすることで、第2特別図柄もまた、ほとんどの場合で小当り図柄の態様により停止表示される。
〔第2小当り発生〕
上記のように、第2特別図柄が小当り図柄の表示態様で停止表示されると、フロー上で第2小当りが発生する。なお、G208の遊技手順もまた適宜省略することができる。この場合、G206の手順を契機として第2小当りを発生させることとする。
〔G210:右下大入賞口開放〕
また、グループG2のゲームにおいては、第2小当り発生により、右下位置の可変入賞装置30が作動する。具体的には、開閉部材30aが閉鎖状態から開放状態となり、右下入賞口(第2の入賞口)が開放される。これにより、右下大入賞口に遊技球が入球することが可能となる。なお、右下大入賞口の開放回数や開放時間は適宜に設定することができる。
〔右下大入賞口入賞時〕
グループG2のゲームでは、右下大入賞口の開放時、実際に遊技球が入球(入賞)すると、可変入賞装置30内での球振り分け動作による役物ゲームが行われる。特に図示していないが、右下大入賞口が開放されても、入球(入賞)が発生しなかった場合、以下の遊技手順は実行されない。
〔G212:球振り分け動作(1/3)〕
そして、グループG2のゲームでは、可変入賞装置30内で第3回転体462を用いた球振り分け動作が行われる。ここでは球振り分け動作として、第3回転体462のVルート穴462bに遊技球が入り込み、V入賞通路460(第2の特定領域)を通過するか否かを決定する役物ゲームが行われる。このとき、可変入賞装置30内で第2の特定領域を遊技球が通過する確率(難易度)は3分の1程度に設定されており、グループG1のゲームよりも通過率が高く設定されている(追加難易度設定手段)。
〔G214:通過判定〕
上記の球振り分け動作の結果、第2の特定領域を遊技球が通過しなければ(No)、ひとまず役物ゲームは終了となる。具体的には、第3回転体462で遊技球がアウト穴462aに振り分けられた場合である。
〔G216:大当り遊技実行〕
これに対し、第2の特定領域を遊技球が通過すると(Yes)、この場合にも大当り遊技が実行される(追加条件設定手段、特別遊技実行手段)。また、ここでの大当り遊技は、同じグループG2に属する可変入賞装置30を用いて行うことが好ましい。ただし、他のグループG1に属する可動役物装置28を用いて行ってもよい。そして、大当り遊技(特別遊技)が実行されると、右下大入賞口(又は上大入賞口28b)がある程度の開放時間(例えば最長で29秒程度)にわたって開放され、その間に遊技球を入球(入賞)させることが可能となる。なお、開放時間が経過するか、もしくは開放時間内に入球した遊技球が規定個数(例えば9個)に達すると、大入賞口が閉鎖されることは上記と同じである。
〔G218:時間短縮状態へ移行〕
大当り遊技が終了すると、時間短縮機能が作動し、時間短縮状態に移行する(特定遊技状態移行手段)。このような制御は、例えば図33の大当り時第2特別電動役物作動終了処理(ステップS6500B)において、特別図柄停止図柄種別に応じて時間短縮機能作動回数を設定することにより実現される。なお、「特別図柄停止図柄種別」は、例えば図33の第2特別図柄変動開始待ち処理(ステップS1500B)の中の大当り時停止図柄決定処理(図21のステップS2410に相当する)で決定された当選図柄に対応する。ここで決定される当選図柄には、その種別に応じて大当たり終了後の時間短縮機能作動回数(例えば3回、5回、10回、それ以上等)が設定されているものとする。
〔ゲームフロー(3)のまとめ〕
(1)構造体をグループG1,G2に分類しつつ、グループG1の構造体は通常遊技状態で大当りを発生させるために用いられ、グループG2の構造体は時間短縮状態で大当りを発生させるために用いられる。
(2)また、通常遊技状態ではグループG1の構造体で遊技を開始し、大当りを発生させることで時間短縮状態への移行を果たすと、グループG2の構造体での遊技が可能となるので、遊技状態別に役物ゲームを使い分けることができる。これにより、遊技状態が変化することに加えて、遊技状態が変化しても単一の役物ゲームしかない態様による遊技の単調化を防止し、遊技性の幅を広げることができる。
(3)また、上記(1)及び(2)において、通常状態での役物ゲームで第1の特定領域を通過する確率(1/12)に比較して、時間短縮状態の役物ゲームで第2の特定領域を通過する確率(1/3)が高く設定されているため、時間短縮状態に移行した場合に役物ゲームで次回の大当りが発生するまでの時間を短縮することができる。これにより、遊技者にとって有利な状態に移行した場合の遊技のテンポを高め、スピーディな遊技の流れを生み出すことができる。
〔構造体の特徴〕
図41は、可動役物装置28と可変入賞装置30を構造的に一体とした実施形態を示した図である。すなわち、これまでに示される盤面構成の例では、可動役物装置28(第1の入賞装置)と可変入賞装置30(第2の入賞装置)が構造的に別体で構成されているが、ここでは両者を構造的に一体としている。
この場合、遊技盤ユニット8に構造体を組み付ける過程で、可動役物装置28と可変入賞装置30をそれぞれ別々に組み付ける必要がなく、両者を一体として組み付けることができるので、それだけ作業効率を向上させることができる。
一方で、可動役物装置28と可変入賞装置30を互いに別体の構造とした場合、遊技領域8a内でそれぞれを所望に配置する際の自由度が高まり、それだけ盤面構成を多様化することが容易になる。
本発明は、上述した実施形態に制約されることなく、各種の変形を採用することができる。一実施形態で挙げた抽選の確率や図柄の変動時間、可変始動入賞装置29の開放時間、可動役物装置28の開放時間、可変入賞装置30の開放時間等の各種条件はあくまで例示であり、これらは適宜に変形してもよい。また、遊技領域8aの構成や可動役物装置28内の具体的な構成、可変入賞装置30内の構成、各種回転体による振り分け確率(特定領域の通過率)は適宜に変更して実施してもよい。
その他、パチンコ機1の構造や盤面構成等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。
1 パチンコ機
8 遊技盤ユニット
8a 遊技領域
20 始動ゲート
28 可変始動入賞装置
33 普通図柄表示装置
33a 普通図柄作動記憶ランプ
34 第1特別図柄表示装置
35 第2特別図柄表示装置
34a 第1特別図柄作動記憶ランプ
35a 第2特別図柄作動記憶ランプ
38 遊技状態表示装置
42 液晶表示器
45 演出切替ボタン
70 主制御装置
72 主制御CPU
74 ROM
76 RAM
124 演出制御装置
126 演出制御CPU

Claims (4)

  1. 遊技中に第1の作動契機が発生すると、第1の入賞口を閉鎖状態から開放状態へ変化させた後に閉鎖状態に復帰させる開閉動作を実行する第1の入賞装置と、
    前記第1の入賞装置の前記開閉動作に伴い前記第1の入賞口に入球した遊技球が前記第1の入賞装置内に設けられた第1の特定領域を通過したことを条件として、特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
    前記特別遊技とは異なる遊技中に前記第1の作動契機又は前記第1の作動契機とは別の第2の作動契機が発生すると、前記第1の入賞口とは別の第2の入賞口を閉鎖状態から開放状態へ変化させた後に閉鎖状態に復帰させる開閉動作を実行する第2の入賞装置と、
    前記特別遊技実行手段により前記特別遊技が実行される条件に対し、前記第1の特定領域を遊技球が通過したことの他に、前記第2の入賞装置の前記開閉動作に伴い前記第2の入賞口に入球した遊技球が前記第2の入賞装置内に設けられた第2の特定領域を通過したことを追加の条件として設定する追加条件設定手段と
    を備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機において、
    前記第1の入賞装置内で前記第1の特定領域を遊技球が通過するための難易度を第1の度合に設定することで、前記特別遊技実行手段により前記特別遊技が実行される条件を第1の難易度に設定する難易度設定手段と、
    前記第2の入賞装置内で前記第2の特定領域を遊技球が通過するための難易度を前記第1の度合とは異なる第2の度合に設定することで、前記特別遊技実行手段により前記特別遊技が実行される追加の条件を前記第1の難易度とは異なる第2の難易度に設定する追加難易度設定手段と
    をさらに備えたことを特徴とする遊技機。
  3. 請求項1又は2に記載の遊技機において、
    前記特別遊技実行手段による前記特別遊技が終了すると、遊技中に通常の頻度で前記第1の作動契機又は前記第2の作動契機の発生が可能となる通常遊技状態から、前記通常遊技状態に比較して高い頻度で前記第1の作動契機又は前記第2の作動契機の発生が可能となる特定遊技状態に移行させる特定遊技状態移行手段をさらに備え、
    前記第1の入賞装置及び前記第2の入賞装置は、いずれか一方が前記通常遊技状態の間に前記特別遊技を実行するための条件を発生させるために用いられ、他方が前記特定遊技状態の間に前記特別遊技を実行するための条件を発生させるために用いられることを特徴とする遊技機。
  4. 請求項2に記載の遊技機において、
    前記特別遊技実行手段による前記特別遊技が終了すると、遊技中に通常の頻度で前記第2の作動契機の発生が可能となる通常遊技状態から、前記通常遊技状態に比較して高い頻度で前記第2の作動契機の発生が可能となる特定遊技状態に移行させる特定遊技状態移行手段をさらに備え、
    前記第1の入賞装置は、前記通常遊技状態の間に前記特別遊技を実行するための条件を発生させるために用いられ、前記第2の入賞装置が前記特定遊技状態の間に前記特別遊技を実行するための条件を発生させるために用いられるものであり、
    前記追加難易度設定手段は、
    前記第2の度合を前記第1の度合より低く設定することで、前記第2の難易度を前記第1の難易度により低く設定していることを特徴とする遊技機。
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