以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール8cの内側に上記の遊技領域8aが形成されている。
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、有利遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域)である。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が分布して設置されている。
このうち中始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されており、始動ゲート20、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30は、遊技領域8aの右側部分に上からこの順番で配置されている。また、左側の3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分に配置されており、右側の1つの普通入賞口24は遊技領域8aの右側部分に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、中始動入賞口26、普通入賞口22,24に入球したり、あるいは、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の可変入賞装置30に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に中始動入賞口26に入球するか、普通入賞口22に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に始動ゲート20を通過するか、普通入賞口24に入球するか、開放動作時の可変入賞装置30に入球するか、作動時の可変始動入賞装置28に入球する可能性がある。
始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下することができるが、中始動入賞口26、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入球した遊技球は遊技板8bに形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。なお、本実施形態では遊技板8b(遊技盤ユニット8を構成する透明板)の背面側に迂回路300が設けられているが、この迂回路300の構造については詳しく後述する。
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、中始動入賞口26や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
一方、遊技球を発射して始動ゲート20を通過させるか、もしくは、可変始動入賞装置28や可変入賞装置30、普通入賞口24に入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
上記の可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口(参照符号なし)への入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば1つの開閉部材28bを有しており、この開閉部材28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図3中に点線で示されるように、1つの開閉部材28bは先端が上を向いた状態で閉鎖位置(閉止位置)にあり、このとき右始動入賞口への入球は不能(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、開閉部材28bは閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、右側に開口幅を拡大して右始動入賞口を開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、右始動入賞口への入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28bは右始動入賞口への遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口(参照符号なし)への入球を可能にする(特別電動役物、特別入賞事象発生手段)。
可変入賞装置30は、可変始動入賞装置28の下方に配置された装置であり、例えば1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように開閉部材30aは平板状のものであるが、盤面に対して前方に突出した状態で閉鎖位置(閉止位置)にあり、このとき大入賞口への入球は不能(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。開閉部材30aが閉鎖位置にある場合、流下してきた遊技球は開閉部材30aの上面を転動し、やがて開閉部材30a上から落下する。一方、可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aは閉鎖位置から開放位置に向けて変位(後方へスライド)し、盤面の奥に後退して大入賞口を上方に向けて大きく開放する。この間に可変入賞装置30は遊技球の入球が可能な状態となり、大入賞口への入球を発生させることができる(可変入賞手段)。なお、開閉部材30aの後退時にその上面を転動していた遊技球は、開閉部材30aの後退に伴って大入賞口への入球が可能となる場合もある。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変入賞装置30(開放時の大入賞口)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変入賞装置30に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
遊技盤ユニット8には、その中央位置に上記の演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40c等(図示しないものも含まれる)を備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の下方には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄や第4図柄等をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、本実施形態のように遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40f(例えばスペードの形状の装飾物)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下流には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24や中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口)、可変入賞装置30(大入賞口)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図4は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の左下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、中始動入賞口26に遊技球が流入するごとに、中始動入賞口26に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28に遊技球が入球するごとに、右始動入賞口に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b,38c、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応する複数のLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図5は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82及びカウントスイッチ84が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口)への遊技球の入球を検出するためのものである。また、カウントスイッチ84は、可変入賞装置30(大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,24への遊技球の入球を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,24について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22に対する遊技球の入球を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口24に対する遊技球の入球を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、カウントスイッチ84及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらに、ガラス枠電飾基板136には、上記のジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aは受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらに、VDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット164は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図6及び図7は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御コマンド生成処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対して送信するための復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド、電源復帰指定コマンド、発射位置指定コマンド等)を生成する。なお、生成されたコマンドは後述する処理(演出制御出力処理:ステップS123)において演出制御装置124にポート出力される。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ここで、電源復帰指定コマンドとは遊技機に電源が投入されて復帰されている状態を表すコマンド(例えば、8100H)である。また、機種指定コマンドとは、遊技機の機種情報を表すコマンド(例えば、9xzzH(zzにはバックアップ情報を元に遊技状態を表す値が入力される))であり、具体的には、演出内容は略同一のまま流用しつつ大当りの抽選確率などを異ならせた複数のタイプの遊技機が存在していた場合、使用している本遊技機がいずれのタイプの遊技機であるのかを機種情報として表すコマンド(例えば、マックスタイプ:90zz、ミドルタイプ:91zz、甘デジタイプ:92zz)である。発射位置指定コマンドとは、遊技者に有利となる遊技球の発射位置を表すコマンドである(例えば、C0lrH(lrには左打ち時に00、右打ち時に01が入力される))。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御コマンド生成処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を生成する。例えば、RAMクリア報知コマンド(電源投入要因指定コマンド)、機種指定コマンド等が生成される。なお、生成されたコマンドは後述する処理(演出制御出力処理:ステップS123)において演出制御装置124にポート出力される。
ステップS115a:主制御CPU72は、回数指定コマンド管理処理を実行する(高確率状態限度回数情報送信手段、時間短縮状態限度回数情報送信手段)。この処理では、主制御CPU72は、回数切りカウンタに関するコマンドを管理する処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、時短回数指定コマンド、特殊回数指定コマンド、ST回数指定コマンドを生成する処理を実行する。
ここで、時短回数指定コマンドとは、時間短縮状態が終了するまでに行われる特別図柄の変動表示の回数を表すコマンドである(例えば、86jjH(jjには対応する数値又は0が入力される))。特殊回数指定コマンドとは、特別な変動パターン選択テーブルの選択処理が終了するまでに行われる特別図柄の変動表示の回数を表すコマンドである(例えば、C3kkH(kkには対応する数値が入力される))。ST回数指定コマンドとは、特別図柄に関する抽選確率が高確率である状態が終了するまでに行われる特別図柄の変動表示の回数を表すコマンドである(例えば、87ssH(ssには対応する数値又は127(7FH)が入力される))。
回数指定コマンド管理処理の具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながら後述する。また、ここで生成されたコマンドは後述する処理(演出制御出力処理:ステップS123)において演出制御装置124にポート出力される。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図7に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図9中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図9中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS123:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する(高確率状態限度回数情報送信手段、時間短縮状態限度回数情報送信手段)。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。具体的には、RAM76の所定のバッファ(リングバッファ)にセットされたコマンドがあるか否かを確認し、バッファ内にコマンドがある場合に出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS124:そして、主制御CPU72は、先の処理(ステップS123)でコマンドを演出制御装置124にポート出力した場合、その所定のバッファ(ポート出力要求バッファ)をクリアする。
ステップS125,ステップS126:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図9)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図8は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図6)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図9は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、大入賞口ソレノイド90の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
なお、本実施形態では、ステップS205〜ステップS211の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図10は、スイッチ入力イベント処理(図9中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、可変入賞装置30の大入賞口に対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図9)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図11は、第1特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別で4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が上限値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図9中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32〜S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図12は、第2特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図11)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図9中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図11)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図11)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図11)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図11)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS42〜S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信する準備が行われる(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図13は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS37,図12中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(先判定実行手段)。上記のように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図12中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成していもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72はステップS82の判定結果管理処理を実行した後に取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図11)又は第2特別図柄記憶更新処理(図12)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「確変図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「非確変(通常)図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また、確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。なお、ここでは「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に事前の当り判定を行う例を挙げているが、単純に現在の確率状態に基づいて事前の当り判定を行う場合、このステップS56と以降のステップS58,ステップS60,ステップS62,ステップS76等を省略してもよい。
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお、低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして、主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段)。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして、主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は上記のはずれ時変動パターン情報事前判定処理(ステップS80)を実行する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである(抽選結果先判定手段)。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図12中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、上記のステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「非確変(通常)図柄」又は「確変図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして、主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「非確変(通常)図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「非確変(通常)図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。ただし、上記のように現在の確率状態だけで事前の当り判定を行う場合、以下のステップS56,ステップS58,ステップS60,ステップS62、及びステップS76を実行する必要はない。
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、上記のように直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、上記のように確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
ステップS62:そして、主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(低確率状態→高確率状態、高確率状態→低確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図11)又は第2特別図柄記憶更新処理(図12)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図9)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図14は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、大当り時可変入賞装置管理処理(ステップS5000)、小当り時可変入賞装置管理処理(ステップS6000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:大当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が2ラウンド大当りや14ラウンド大当り、16ラウンド大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が大当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。大当り時可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間若しくは0.1秒又は10個の遊技球の入球をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば2回、14回、16回)にわたって励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段、特殊遊技実行手段)。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で16回あれば、これらを「16ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、大当りの種類として16ラウンド大当りだけでなく、その他に14ラウンド大当りや2ラウンド大当りが設けられているが、16ラウンド大当りや14ラウンド大当り、2ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられていてもよい。
また、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図7中のステップS123)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる(高確率時間短縮状態移行手段、有利状態設定手段、特別状態設定手段)。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段、有利利状態設定手段)。また、「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、上記のように普通図柄の作動抽選が高確率になり、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる。特別状態設定手段)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
ステップS6000:小当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において小当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から小当り遊技状態に移行する契機が発生する。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が小当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。小当り遊技においては、可変入賞装置30が所定の開放時間(例えば、0.1秒)で所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、大入賞口への入球はほとんど発生しない。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として以下のものが用意されている。
14ラウンド大当りは、以下の8種類である。
(1)「14ラウンド通常大当り1」
(2)「14ラウンド通常大当り2」
(3)「14ラウンド通常大当り3」
(4)「14ラウンド確変大当り1」
(5)「14ラウンド確変大当り2」
(6)「14ラウンド確変大当り3」
(7)「14ラウンド確変大当り4」
(8)「14ラウンド確変大当り5」
16ラウンド大当りは、以下の2種類である。
(9)「16ラウンド確変大当り1」
(10)「16ラウンド確変大当り2」
2ラウンド大当りは、以下の5種類である。
(11)「2ラウンド通常大当り1」
(12)「2ラウンド通常大当り2」
(13)「2ラウンド通常大当り3」
(14)「2ラウンド確変大当り1」
(15)「2ラウンド確変大当り2」
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「14ラウンド通常大当り1」は「14ラウンド通常図柄1」の大当りに対応し、「14ラウンド通常大当り2」は「14ラウンド通常図柄2」の大当りに対応する。なお、その他の大当りに関しても同様の対応関係となる。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔14ラウンド通常図柄1〜3〕
上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「14ラウンド通常図柄1〜3」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが4ラウンドまで継続する。そして5ラウンド目から最終の14ラウンド目に関しては、極端に短い開放時間(無作為に流下する遊技球の入球が困難となる時間:例えば0.1秒)で終了する(高速開放又は短期開放)。このため、「14ラウンド通常図柄1〜3」の大当り遊技は、4ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与するものとなる。なお、大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。この場合、「確率変動機能」は作動されないため、「高確率状態」に移行する特典は遊技者に付与されないが、「時間短縮機能」が作動するため、「時間短縮状態」に移行する特典は遊技者に付与される。すなわち、大当り遊技終了後に行われる特別図柄の変動表示及び停止表示の回数が時短回数(特定回数)に達するまでの限定期間内に「時間短縮状態」が設定される(特別状態設定手段)。なお、「14ラウンド通常図柄1〜3」の各図柄の相違点は、付与される時短回数が異なる点である(10回、20回又は30回)。
〔14ラウンド確変図柄1〜5〕
上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「14ラウンド確変図柄1〜5」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが4ラウンドまで継続する。そして5ラウンド目から最終の14ラウンド目に関しては、極端に短い開放時間(無作為に流下する遊技球の入球が困難となる時間:例えば0.1秒)で終了する(高速開放又は短期開放)。このため、「14ラウンド確変図柄1〜5」の大当り遊技は、4ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与するものとなる。この場合、「確率変動機能」及び「時間短縮機能」が作動するため、「高確率時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。なお、「14ラウンド確変図柄1〜5」の各図柄の相違点は、付与される時短回数が異なる点である(10回、20回、30回又は10000回)。このため、時短回数が比較的少ない「14ラウンド確変図柄1〜3」での当選の場合(10回〜30回)、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与されたとしても、「時間短縮状態」が終了して「高確率非時間短縮状態(いわゆる潜伏確変状態)」に移行することもある。
〔16ラウンド確変図柄1〕
上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「16ラウンド確変図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが4ラウンドまで継続する。そして5ラウンド目から最終の16ラウンド目に関しては、極端に短い開放時間(無作為に流下する遊技球の入球が困難となる時間:例えば0.1秒)で終了する(高速開放又は短期開放)。このため、「16ラウンド確変図柄1」の大当り遊技は、4ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与するものとなる。この場合、「確率変動機能」及び「時間短縮機能」が作動するため、「高確率時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。なお、「16ラウンド確変図柄1」に該当した場合、付与される時短回数は10000回となるため、実質的に「高確率時間短縮状態」が終了することはない。
〔16ラウンド確変図柄2〕
上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「16ラウンド確変図柄2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが16ラウンドまで継続する。このため、「16ラウンド確変図柄2」の大当り遊技は、16ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与するものとなる。この場合、「確率変動機能」及び「時間短縮機能」が作動するため、「高確率時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。なお、「16ラウンド確変図柄2」に該当した場合、付与される時短回数は10000回となるため、実質的に「高確率時間短縮状態」が終了することはない。
〔2ラウンド通常図柄1〜3〕
先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「2ラウンド通常図柄1〜3」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特殊遊技実行手段)。2ラウンドの大当り遊技は、14ラウンドの大当り遊技や16ラウンドの大当り遊技に比較して極端に短時間内で終了するため、大入賞口への入賞はほとんど発生することがない。したがって、「2ラウンド通常図柄1〜3」の大当り遊技は、実質的な出球(賞球)を遊技者に付与することなく短期間内で終了する。そして、当選種類が「2ラウンド通常図柄1〜3」に該当していた場合、大当り遊技の終了後には、「時間短縮機能」は作動されるが「確率変動機能」は作動されない。このため、「2ラウンド通常図柄1〜3」は、「高確率状態」を終了させる意義を有している。なお、「2ラウンド通常図柄1〜3」の各図柄の相違点は、付与される時短回数が異なる点である(10回、20回又は30回)。
〔2ラウンド確変図柄1,2〕
先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「2ラウンド確変図柄1,2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特殊遊技実行手段)。2ラウンドの大当り遊技は、14ラウンドの大当り遊技や16ラウンドの大当り遊技に比較して極端に短時間内で終了するため、大入賞口への入賞はほとんど発生することがない。したがって「2ラウンド確変図柄1,2」の大当り遊技は、実質的な出球(賞球)を遊技者に付与することなく短期間内で終了する。その代わり、当選種類が「2ラウンド確変図柄1,2」に該当していた場合、大当り遊技の終了後に「確率変動機能」を作動させることで「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。なお、「2ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、「時間短縮機能」が作動されないので、「高確率非時間短縮状態(いわゆる潜伏確変状態)」に移行するが、「2ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、「時間短縮機能」が合わせて作動されるため、いわゆる突然確率変動状態となり、「高確率時間短縮状態」に移行する。
いずれにしても、当選図柄が上記の「14ラウンド確変図柄1〜5」、「16ラウンド確変図柄1,2」又は「2ラウンド確変図柄1,2」に該当すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。また、「高確率状態」において内部抽選に当選し、そのときの当選図柄が「14ラウンド確変図柄1〜5」、「16ラウンド確変図柄1,2」又は「2ラウンド確変図柄1,2」に該当すると、その大当り遊技終了後も「高確率状態」が継続(再開)される。一方、「高確率状態」で内部抽選に当選し、上記の「14ラウンド通常図柄1〜3」又は「2ラウンド通常図柄1〜3」に該当すると、大当り遊技終了後に内部状態は低確率状態(通常確率状態)に復帰する。また、低確率状態で内部抽選に当選し、「14ラウンド通常図柄1〜3」又は「2ラウンド通常図柄1〜3」に該当すると、大当り遊技終了後も内部状態は低確率状態に維持される。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当り遊技が行われて可変入賞装置30が開閉動作する(特殊遊技実行手段)。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、低確率状態又は高確率状態の中で小当り遊技(可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される(なお、本実施形態では、第2特別図柄に関しては小当りを設定していない)。このような小当り遊技では可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、大入賞口への入球はほとんど発生しない。また、小当り遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。なお、本実施形態では、小当りを設定する遊技仕様としているが、小当りを設定しない遊技仕様とすることもできる。
〔特別図柄変動前処理〕
図15は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図7中のステップS123)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。またこの処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図9中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(内部抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、低確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では低確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(内部抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、低確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図7中のステップS123)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば、2.0秒程度)に設定される(短縮時変動時間決定手段)。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出、ストーリーバトルリーチ演出、バトルリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔はずれ時変動パターン選択テーブルの例〕
図16は、はずれ時変動パターン選択テーブル(非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率又は高確率の非時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」〜「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」〜「5」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「6」〜「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。このうち、変動パターン番号「7」は、スーパーリーチ後にはずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「8」は、ストーリーバトルリーチ後にはずれとなる変動パターン(特定のリーチ発生条件を満たす変動パターン)に対応している。なお、変動パターン選択テーブルは、変動開始時作動記憶数に応じて異なるテーブル内容としてもよい(以下、同様)。
ここで、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば作動記憶数に応じて2.0秒〜13.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はその倍以上の長い変動時間(例えば30秒〜150秒程度)に対応するものである。
そして、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段、図柄表示手段としての選択)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
図17は、はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「21」〜「28」が割り当てられている。
変動パターン番号「21」〜「25」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「26」〜「28」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。このうち、変動パターン番号「27」は、スーパーリーチ後にはずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「28」は、バトルリーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。一方、変動パターン番号「21」〜「25」は、時間短縮変動での非リーチ変動となるため、通常状態の変動時間として短縮した変動時間(例えば、2.0秒程度)が設定されている。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段、図柄表示手段としての選択)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「22」を選択する。
図18は、はずれ時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「41」〜「48」が割り当てられている。
変動パターン番号「41」〜「47」までは、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応している。このうち、変動パターン番号「41」〜「45」は、高確率時間短縮状態での高速変動を実現するために、通常状態の変動時間として極端に短縮した変動時間(例えば、0.5秒程度)が設定されている(通常変動時間)。
その他の変動パターン番号「48」は、高確率時間短縮状態に特有の高確中バトルリーチ演出が行われた後、はずれとなる変動パターンに対応している。したがって、変動パターン番号「48」は、リーチ演出時間(演出尺)を確保するために充分な変動時間(例えば150秒程度)に設定されている(特別変動時間)。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「42」を選択する。
図19は、はずれ時変動パターン選択テーブル(特殊区間)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態又は低確率時間短縮状態の特殊区間で、非当選に該当した場合に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。なお、特殊区間とは、「14ラウンド通常図柄1〜3」又は「14ラウンド確変図柄1〜5」に該当した場合の大当り遊技終了後の1回目の特別図柄の変動区間をいう。
ここで、高確率時間短縮状態又は低確率時間短縮状態の特殊区間でのはずれ時の変動パターンは、大当り終了後の1変動目に限定した演出(詳細は「お宝チャレンジ演出」として後述)を実現するため、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば60秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ特殊変動パターン50)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「50」を選択する。なお、非リーチ特殊変動パターン50は、変動時間が固定された特殊変動パターンであり、記憶数によって変動時間が短縮されることはない。
なお、ここでは特殊区間での変動パターンを1種類(変動パターン番号「50」)としているが、演出内容の違い(例えば「成功演出」と「失敗演出」の違い等)に応じて変動パターンを2種類以上(変動パターン番号「50」,「51」等)とし、それぞれの演出内容に応じて異なる変動時間を設定することとしてもよい。
〔図15:特別図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて15種類が用意されている。15種類の内訳は、「14ラウンド通常図柄1〜3」、「14ラウンド確変図柄1〜5」、「16ラウンド確変図柄1,2」、「2ラウンド通常図柄1〜3」、「2ラウンド確変図柄1,2」である。なお、15種類の当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「14ラウンド通常図柄1」であれば、「14ラウンド通常図柄1a」、「14ラウンド通常図柄1b」、「14ラウンド通常図柄1c」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図20は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「12」,「6」,「2」,「1」,「1」,「1」,「7」,「50」,「4」,「15」,「1」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「14ラウンド通常図柄1〜3」、「14ラウンド確変図柄1〜5」、「16ラウンド確変図柄1」、「2ラウンド確変図柄1,2」が示されている。
第1特別図柄に対応する大当り時には、「14ラウンド通常図柄1」が選択される割合は100分の12(=12%)であり、「14ラウンド通常図柄2」が選択される割合は100分の6(=6%)である。また、「14ラウンド通常図柄3」が選択される割合は100分の2(=2%)であり、「14ラウンド確変図柄1〜3」が選択される割合はそれぞれ100分の1(=1%)である。さらに、「14ラウンド確変図柄4」が選択される割合は100分の7(=7%)であり、「14ラウンド確変図柄5」が選択される割合はそれぞれ100分の50(=50%)である。さらにまた、「16ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の4(=4%)であり、「2ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の15(=15%)であり、「2ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の1(=1%)である。
各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。したがって、全体として第1特別図柄についての確変図柄の選択比率は80%である。なお、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、「16ラウンド確変図柄2」、「2ラウンド通常図柄1〜3」についての振分値は設定されていない。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」〜「0FH」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「14ラウンド通常図柄2」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H02H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔確変回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から4番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数(高確率状態で内部抽選を実行することができる限度回数)の値が示されている。
本実施形態では、「14ラウンド通常図柄1〜3」に該当した場合は、確変回数は付与されない(0回が付与される)。一方、「14ラウンド確変図柄1〜5」、「16ラウンド確変図柄1」又は「2ラウンド確変図柄1,2」のいずれかに該当した場合は、確変回数は10000回付与される。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から3番目カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(時間短縮状態で内部抽選を実行することができる限度回数)の値が示されている。
本実施形態では、「14ラウンド通常図柄1」又は「14ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、時短回数は10回付与される。また、「14ラウンド通常図柄2」又は「14ラウンド確変図柄2」に該当した場合は、時短回数は20回付与される。さらに、「14ラウンド通常図柄3」又は「14ラウンド確変図柄3」に該当した場合は、時短回数は30回付与される。さらにまた、「14ラウンド確変図柄4,5」、「16ラウンド確変図柄1」又は「2ラウンド確変図柄2」に該当した場合は、時短回数は10000回付与される。一方、「2ラウンド確変図柄2」に該当した場合は、時短回数は付与されない(0回が付与される)。なお、時短回数の付与に関しては、時間短縮状態の有無によって異なる値を設定してもよい。
〔特殊変動回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に実行される特殊変動回数(大当り遊技の終了後に特殊変動を実行することができる限度回数)の値が示されている。
本実施形態では、「14ラウンド通常図柄1〜3」又は「14ラウンド確変図柄1〜5」に該当した場合は、特殊変動回数は1回に設定される。一方、「16ラウンド確変図柄1」又は「2ラウンド確変図柄1,2」に該当した場合は、特殊変動回数は0回に設定される。なお、特殊変動回数の設定に関しては、時間短縮状態の有無によって異なる値を設定してもよい。
〔役割〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、各当選図柄が果たす遊技進行上の役割が示されている。
「14ラウンド通常図柄1〜3」は、後述するお宝チャレンジ演出にて失敗演出を実行し、時短回数をそれぞれ10回、20回、30回付与する役割を持っている。この場合、時間短縮状態が終了すると、内部状態としては低確率非時間短縮状態に移行する。
「14ラウンド確変図柄1〜3」は、お宝チャレンジ演出にて失敗演出を実行し、時短回数をそれぞれ10回、20回、30回付与する役割を持っている。この場合、時間短縮状態が終了すると、内部状態としては高確率非時間短縮状態に移行する。
「14ラウンド確変図柄4」は、お宝チャレンジ演出にて失敗演出を実行するが、次回大当りまで時間短縮状態を終了させない役割を持っている。
「14ラウンド確変図柄5」は、お宝チャレンジ演出にて成功演出を実行し、次回大当りまで時間短縮状態を終了させない役割を持っている。
「16ラウンド確変図柄1」は、お宝チャレンジ演出を実行せずに、高確率時間短縮状態である花火ラッシュに直通させる役割を持っている。
「2ラウンド確変図柄1」は、モード移行演出を実行し、高確率非時間短縮状態(潜伏確変状態)に移行させる役割を持っている。
「2ラウンド確変図柄2」は、モード移行演出を実行し、高確率時間短縮状態に移行させる役割を持っている。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図21は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「76」,「16」,「3」,「1」,「4」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「16ラウンド確変図柄2(高利益当選種類、第1当選種類)」、「2ラウンド通常図柄1〜3(低利益当選種類、第2当選種類)」、及び「2ラウンド確変図柄2(低利益当選種類、第1当選種類)」が示されている。
第2特別図柄に対応する大当り時においては、「16ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の76(=76%)であり、「2ラウンド通常図柄1」が選択される割合は100分の16(=16%)である。また、「2ラウンド通常図柄2」が選択される割合は100分の3(=3%)であり、「2ラウンド通常図柄3」が選択される割合は100分の1(=1%)である。さらに、「2ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の4(=4%)である。したがって、第2特別図柄についても、全体として確変図柄の選択比率は80%である。なお、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、「14ラウンド通常図柄1〜3」、「14ラウンド確変図柄1〜5」、「16ラウンド確変図柄1」、「2ラウンド確変図柄1」についての振分値は設定されていない。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「0AH」〜「0FH」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「16ラウンド確変図柄2」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H0AH」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔確変回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から4番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数の値が示されている。
本実施形態では、「16ラウンド確変図柄2」又は「2ラウンド確変図柄2」のいずれかに該当した場合は、確変回数は10000回付与される。一方、「2ラウンド通常図柄1〜3」に該当した場合は、確変回数は付与されない(0回が付与される)。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から3番目カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。
本実施形態では、「16ラウンド確変図柄2」、「2ラウンド確変図柄2」に該当した場合は、時短回数は10000回付与される。
一方、「2ラウンド通常図柄1」に該当した場合は、時短回数は10回付与される。また、「2ラウンド通常図柄2」に該当した場合は、時短回数は20回付与される。さらに、「2ラウンド通常図柄3」に該当した場合は、時短回数は30回付与される。なお、時短回数の付与に関しては、時間短縮状態の有無によって異なる値を設定してもよい。
〔特殊変動回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に実行される特殊変動回数の値が示されている。
本実施形態では、「16ラウンド通常図柄2」、「2ラウンド通常図柄1〜3」又は「2ラウンド確変図柄2」に該当した場合は、特殊変動回数は0回に設定される。なお、特殊変動回数の設定に関しては、時間短縮状態の有無によって異なる値を設定してもよい。
〔役割〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、各当選図柄が果たす遊技進行上の役割が示されている。
「16ラウンド確変図柄2」は、花火ラッシュ中のバトルリーチ演出にて勝利して16ラウンド大当りを実行させる役割を持っている。この場合、大当り遊技の終了後には、高確率時間短縮状態が継続する。
「2ラウンド通常図柄1〜3」は、花火ラッシュ中のバトルリーチ演出にて敗北して2ラウンド大当りを実行し、時短回数をそれぞれ10回、20回、30回付与する役割を持っている。この場合、時間短縮状態が終了すると、内部状態としては低確率非時間短縮状態に移行する。
「2ラウンド確変図柄2」は、花火ラッシュ中のバトルリーチ演出にて敗北して2ラウンド大当りを実行し、内部的に高確率状態に移行しつつ時短回数を10000回付与する役割を持っている。この場合、低確率時間短縮状態であるとみせかけた海岸モードが30変動以上継続すると、高確率時間短縮状態である花火ラッシュに復帰する。したがって、一時的に演出上では花火ラッシュが終了するが、実際には(30変動以内に当選が得られない場合に)花火ラッシュを継続させる役割となる。
なお、上記のように第1特別図柄と第2特別図柄とで、当選図柄の選択比率が異なっているのは、例えば以下の理由による。すなわち、「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行した場合、通常時(時間短縮機能の非作動時)に比較して高頻度で可変始動入賞装置28が作動するため、第1特別図柄についての作動記憶よりも、第2特別図柄についての作動記憶の方が蓄積されやすくなっている。この場合、第2特別図柄について「16ラウンド確変図柄2」の選択比率を高めておけば、通常時よりも「16ラウンド確変図柄2」に該当しやすくなるため、それだけ遊技者の利益を高めることができるという利点があるからである。
〔図15:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される(特別変動時間)。
本実施形態では、内部抽選の結果、14ラウンド大当り等に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行っている。そして、「大当り時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、14ラウンド大当り等に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出、ストーリーバトルリーチ演出、バトルリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。また、時間短縮機能が作動している状態での当選時には、長い変動時間を有する変動パターンを選択せずに、短い変動時間を有する変動パターン(リーチ演出を行わない変動パターン)を選択してもよい。
また、本実施形態では、大当りの種別(当選図柄)によって変動パターンを大きく分けて2種類に区別している。1つは、14ラウンド大当りや16ラウンド大当り等の出球有り大当り時に選択される変動パターンであり、もう1つは、2ラウンド大当り等の出球無し大当り時に選択される変動パターンである。以下、順番に説明する。
〔出球有り大当り時変動パターン選択テーブルの例〕
図22は、出球有り大当り時変動パターン選択テーブル(非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率又は高確率の非時間短縮状態での出球有り大当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「61」〜「68」が割り当てられている。
変動パターン番号「61」〜「68」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。このうち、変動パターン番号「61」〜「64」は、ストーリーバトルリーチ後に当りとなる変動パターン(特定のリーチ発生条件を満たす変動パターン)に対応しており、変動パターン番号「65」,「66」は、スーパーリーチ後に当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段、図柄表示手段としての選択)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「62」を選択する。
図23は、出球有り大当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率時間短縮状態での出球有り大当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「81」〜「88」が割り当てられている。
変動パターン番号「81」〜「88」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。このうち、変動パターン番号「81」〜「84」は、バトルリーチ後に当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「85」,「86」は、スーパーリーチ後に当りとなる変動パターンに対応している。なお、「ストーリーバトルリーチ」とは、非時間短縮状態で実行される対戦リーチであり、「バトルリーチ」とは、時間短縮状態で実行される対戦リーチである。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段、図柄表示手段としての選択)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「82」を選択する。
図24は、出球有り大当り時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態での出球有り大当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「101」〜「108」が割り当てられている。
変動パターン番号「101」〜「108」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している(特別変動時間)。また、すべての変動パターン番号「101」〜「108」は、バトルリーチ後に当りとなる変動パターンに対応している。なお、高確率時間短縮状態での当選時には、リーチ演出を実行せずに当りとなる変動パターンを設定してもよい。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段、図柄表示手段としての選択)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「102」を選択する。
図25は、出球有り大当り時変動パターン選択テーブル(特殊区間)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態又は低確率時間短縮状態の特殊区間で、出球有り大当りに該当した場合に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。
ここで、高確率時間短縮状態又は低確率時間短縮状態の特殊区間での出球有り大当り時の変動パターンは、大当り終了後の変動1回目で特殊な当選時の演出(例えば、たったいま終了した大当り遊技の開始前まで演出内容を巻き戻すような演出)を実現するため、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば60秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ当り特殊変動パターン170)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「170」を選択する。なお、非リーチ当り特殊変動パターン170は、変動時間が固定された特殊変動パターンであり、記憶数によって変動時間が短縮されることはない。
〔出球無し大当り時変動パターン選択テーブルの例〕
図26は、出球無し大当り時変動パターン選択テーブル(非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率又は高確率の非時間短縮状態での出球無し大当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「121」〜「128」が割り当てられている。
変動パターン番号「121」〜「124」は、スーパーリーチ演出後に当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「125」,「126」は、リーチ演出後(ノーマルリーチ演出後)に当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「127」,「128」は、リーチ演出が実行されずに当りとなる変動パターンに対応している。このように、本実施形態において、出球無し大当りは、「スーパーリーチ演出後」、「リーチ演出後」又は「非リーチ後」に実行されるため、「ストーリーバトルリーチ演出後」に実行されることはない。このため、ストーリーバトルリーチ演出が実行された際には、「出球無し大当り」が否定されることになる。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段、図柄表示手段としての選択)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「122」を選択する。
図27は、出球無し大当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率時間短縮状態での出球無し大当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「141」〜「148」が割り当てられている。
変動パターン番号「141」〜「144」は、スーパーリーチ演出後に当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「145」,「146」は、リーチ演出後(ノーマルリーチ演出後)に当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「147」,「148」は、リーチ演出が実行されずに当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段、図柄表示手段としての選択)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「142」を選択する。
図28は、出球無し大当り時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態での出球無し大当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「161」〜「168」が割り当てられている。
変動パターン番号「161」〜「168」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。また、すべての変動パターン番号「161」〜「168」は、バトルリーチ後に当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段、図柄表示手段としての選択)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「162」を選択する。
図29は、出球無し大当り時変動パターン選択テーブル(特殊区間)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態又は低確率時間短縮状態の特殊区間で、出球無し大当りに該当した場合に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。
ここで、高確率時間短縮状態又は低確率時間短縮状態の特殊区間での出球無し大当り時の変動パターンは、上記のお宝チャレンジ演出を実現するため、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば60秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ当り特殊変動パターン180)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「180」を選択する。なお、非リーチ当り特殊変動パターン180は、変動時間が固定された特殊変動パターンであり、記憶数によって変動時間が短縮されることはない。
なお、ここでは特殊区間での変動パターンを1種類(変動パターン番号「180」)としているが、演出内容の違い(例えば「成功演出」と「失敗演出」の違い等)に応じて変動パターンを2種類以上(変動パターン番号「180」,「181」等)とし、それぞれの演出内容に応じて異なる変動時間を設定することとしてもよい。
〔図15:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「14ラウンド確変図柄1〜5」、「16ラウンド確変図柄1,2」又は「2ラウンド確変図柄1,2」である場合、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(高確率状態設定手段)。また、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類が「14ラウンド通常図柄1〜3」又は「2ラウンド通常図柄1〜3」である場合、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値をリセットする(低確率状態設定手段)。
また、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「14ラウンド確変図柄1〜5」、「16ラウンド確変図柄1,2」、「2ラウンド確変図柄2」、「14ラウンド通常図柄1〜3」又は「2ラウンド通常図柄1〜3」である場合、主制御CPU72は遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段、特別状態設定手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「2回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「1回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段、図柄表示手段としての選択)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもできるし、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。
〔小当り時変動パターン選択テーブルの例〕
図30は、小当り時変動パターン選択テーブル(非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率又は高確率の非時間短縮状態での小当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「191」〜「198」が割り当てられている。
変動パターン番号「191」〜「194」は、スーパーリーチ演出後に小当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「195」,「196」は、リーチ演出後(ノーマルリーチ演出後)に小当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「197」,「198」は、リーチ演出が実行されずに小当りとなる変動パターンに対応している。このように、本実施形態において、小当りは、「スーパーリーチ演出後」、「リーチ演出後」又は「非リーチ後」に実行されるため、「ストーリーバトルリーチ演出後」に実行されることはない。このため、ストーリーバトルリーチ演出が実行された際には、「小当り」が否定されることになる。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段、図柄表示手段としての選択)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「192」を選択する。
図31は、小当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率時間短縮状態での小当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「201」〜「208」が割り当てられている。
変動パターン番号「201」〜「208」は、いずれも非リーチ変動の後に小当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段、図柄表示手段としての選択)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「202」を選択する。
図32は、小当り時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態での小当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「211」〜「218」が割り当てられている。
変動パターン番号「211」〜「218」は、いずれも非リーチ変動の後に小当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段、図柄表示手段としての選択)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「212」を選択する。
図33は、小当り時変動パターン選択テーブル(特殊区間)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態又は低確率時間短縮状態の特殊区間で、小当りに該当した場合に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。
ここで、高確率時間短縮状態又は低確率時間短縮状態の特殊区間での小当り時の変動パターンは、上記のお宝チャレンジ演出を実現するため、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば60秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ小当り特殊変動パターン220)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「220」を選択する。なお、非リーチ小当り特殊変動パターン220は、変動時間が固定された特殊変動パターンであり、記憶数によって変動時間が短縮されることはない。
なお、ここでは特殊区間での変動パターンを1種類(変動パターン番号「220」)としているが、演出内容の違い(例えば「成功演出」と「失敗演出」の違い等)に応じて変動パターンを2種類以上(変動パターン番号「220」,「221」等)とし、それぞれの演出内容に応じて異なる変動時間を設定することとしてもよい。
〔図15:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図14:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図15中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔はずれ時変動パターン決定処理〕
図34は、上記のはずれ時変動パターン決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2600:主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値をRAM76からロードして、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいか否かを確認する。「変動パターン選択用カウンタ値」は、主制御CPU72で管理しているカウンタ値であり、特殊変動を実行する際に参照する変数である。なお、変動パターン選択用カウンタ値は、後述する特殊変動設定処理(図49)で設定される。
その結果、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2606を実行する。これに対して、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きくないことを確認した場合、すなわち、変動パターン選択用カウンタ値が「0」であることを確認した場合(No)、主制御CPU72はステップS2602を実行する。
なお、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きい場合とは、特殊変動を実行することを意味しており、変動パターン選択用カウンタ値が「0」である場合とは、特殊変動を実行しないことを意味している。
ステップS2602:主制御CPU72は、内部状態が高確率時間短縮状態であるか否かを確認する。内部状態は、確率変動機能作動フラグ及び時間短縮機能作動フラグにより確認することができる(以下、同様)。
その結果、内部状態が高確率時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2608を実行する。これに対して、内部状態が高確率時間短縮状態であることを確認できない場合、主制御CPU72はステップS2604を実行する。
ステップS2604:主制御CPU72は、内部状態が低確率時間短縮状態であるか否かを確認する。
その結果、内部状態が低確率時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2610を実行する。これに対して、内部状態が低確率時間短縮状態であることを確認できない場合、主制御CPU72はステップS2612を実行する。
ステップS2606:主制御CPU72は、特殊区間用のはずれ時変動パターン選択テーブル(図19)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2608:主制御CPU72は、高確率時間短縮状態用のはずれ時変動パターン選択テーブル(図18)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2610:主制御CPU72は、低確率時間短縮状態用のはずれ時変動パターン選択テーブル(図17)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2612:主制御CPU72は、非時間短縮状態用のはずれ時変動パターン選択テーブル(図16)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図15)に復帰する。
〔大当り時変動パターン決定処理〕
図35は、上記の大当り時変動パターン決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2700:主制御CPU72は、今回の当選が出球有り大当りに該当するか否かを確認する。当選種類は、大当り時停止図柄番号によって確認することができる。なお、出球有り大当りとは、「14ラウンド大当り」又は「16ラウンド大当り」を意味しており、出球無し大当りとは、「2ラウンド大当り」を意味している。
その結果、今回の当選が出球有り大当りに該当することを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2702を実行する。これに対して、今回の当選が出球有り大当りに該当することを確認できない場合(No)、すなわち、出球無し大当りに該当することを確認した場合、主制御CPU72はステップS2704を実行する。
ステップS2702:主制御CPU72は、出球有り大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理において、主制御CPU72は、「14ラウンド大当り」又は「16ラウンド大当り」に該当している場合の変動パターンを決定する処理を実行する。なお、具体的な理理の内容については、別の図面を参照しながら後述する。
ステップS2704:主制御CPU72は、出球無し大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理において、主制御CPU72は、「2ラウンド大当り」に該当している場合の変動パターンを決定する処理を実行する。なお、具体的な理理の内容については、別の図面を参照しながら後述する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図15)に復帰する。
〔出球有り大当り時変動パターン決定処理〕
図36は、上記の出球有り大当り時変動パターン決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2710:主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値をRAM76からロードして、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいか否かを確認する。
その結果、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2716を実行する。これに対して、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きくないことを確認した場合、すなわち、変動パターン選択用カウンタ値が「0」であることを確認した場合(No)、主制御CPU72はステップS2712を実行する。
ステップS2712:主制御CPU72は、内部状態が高確率時間短縮状態であるか否かを確認する。
その結果、内部状態が高確率時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2718を実行する。これに対して、内部状態が高確率時間短縮状態であることを確認できない場合、主制御CPU72はステップS2714を実行する。
ステップS2714:主制御CPU72は、内部状態が低確率時間短縮状態であるか否かを確認する。
その結果、内部状態が低確率時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2720を実行する。これに対して、内部状態が低確率時間短縮状態であることを確認できない場合、主制御CPU72はステップS2722を実行する。
ステップS2716:主制御CPU72は、特殊区間用の出球有り大当り時変動パターン選択テーブル(図25)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2718:主制御CPU72は、高確率時間短縮状態用の出球有り大当り時変動パターン選択テーブル(図24)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2720:主制御CPU72は、低確率時間短縮状態用の出球有り大当り時変動パターン選択テーブル(図23)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2720:主制御CPU72は、非時間短縮状態用の出球有り大当り時変動パターン選択テーブル(図22)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大当り時変動パターン決定処理(図35)に復帰する。
〔出球無し大当り時変動パターン決定処理〕
図37は、上記の出球無し大当り時変動パターン決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2730:主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値をRAM76からロードして、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいか否かを確認する。
その結果、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2736を実行する。これに対して、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きくないことを確認した場合、すなわち、変動パターン選択用カウンタ値が「0」であることを確認した場合(No)、主制御CPU72はステップS2732を実行する。
ステップS2732:主制御CPU72は、内部状態が高確率時間短縮状態であるか否かを確認する。
その結果、内部状態が高確率時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2738を実行する。これに対して、内部状態が高確率時間短縮状態であることを確認できない場合、主制御CPU72はステップS2734を実行する。
ステップS2734:主制御CPU72は、内部状態が低確率時間短縮状態であるか否かを確認する。
その結果、内部状態が低確率時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2740を実行する。これに対して、内部状態が低確率時間短縮状態であることを確認できない場合、主制御CPU72はステップS2742を実行する。
ステップS2736:主制御CPU72は、特殊区間用の出球無し大当り時変動パターン選択テーブル(図29)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2738:主制御CPU72は、高確率時間短縮状態用の出球無し大当り時変動パターン選択テーブル(図28)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2740:主制御CPU72は、低確率時間短縮状態用の出球無し大当り時変動パターン選択テーブル(図27)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2742:主制御CPU72は、非時間短縮状態用の出球無し大当り時変動パターン選択テーブル(図26)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大当り時変動パターン決定処理(図35)に復帰する。
〔小当り時変動パターン決定処理〕
図38は、上記の小当り時変動パターン決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2800:主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値をRAM76からロードして、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいか否かを確認する。
その結果、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2806を実行する。これに対して、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きくないことを確認した場合、すなわち、変動パターン選択用カウンタ値が「0」であることを確認した場合(No)、主制御CPU72はステップS2802を実行する。
ステップS2802:主制御CPU72は、内部状態が高確率時間短縮状態であるか否かを確認する。
その結果、内部状態が高確率時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2808を実行する。これに対して、内部状態が高確率時間短縮状態であることを確認できない場合、主制御CPU72はステップS2804を実行する。
ステップS2804:主制御CPU72は、内部状態が低確率時間短縮状態であるか否かを確認する。
その結果、内部状態が低確率時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2810を実行する。これに対して、内部状態が低確率時間短縮状態であることを確認できない場合、主制御CPU72はステップS2812を実行する。
ステップS2806:主制御CPU72は、特殊区間用の小当り時変動パターン選択テーブル(図33)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2808:主制御CPU72は、高確率時間短縮状態用の小当り時変動パターン選択テーブル(図32)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2810:主制御CPU72は、低確率時間短縮状態用の小当り時変動パターン選択テーブル(図31)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2812:主制御CPU72は、非時間短縮状態用の小当り時変動パターン選択テーブル(図30)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図15)に復帰する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図39は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図15中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、優先して消費する方の第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」であるか否かを確認する。このとき、第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「1」以上であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」であった場合(ステップS2210:Yes)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の記憶エリアをシフトする対象が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図15)に復帰する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図40は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図14中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「大当り時可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、確率変動機能を非作動とし、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、低確率非時間短縮状態に移行されることになる。
ステップS4400:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、大当り図柄の種類が「2ラウンド大当り」である場合、連続作動回数ステータスには「2ラウンド」に対応する値がセットされる。また、大当り図柄の種類が「14ラウンド大当り」である場合、連続作動回数ステータスには「14ラウンド」を表す値がセットされる。さらに、大当り図柄の種類が「16ラウンド大当り」である場合、連続作動回数ステータスには「16ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして、主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図15中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類が「2ラウンド大当り」である場合、連続作動回数コマンドは「2ラウンド」を表す値として生成される。また、大当り図柄の種類が「14ラウンド大当り」である場合、連続作動回数コマンドは「14ラウンド」を表す値として生成される。さらに、大当り図柄の種類が「16ラウンド大当り」である場合、連続作動回数コマンドは「16ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4608:主制御CPU72は、特殊変動管理処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、大当り遊技の終了後に実行される特殊変動を管理する処理を実行する。なお、特殊変動管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップ4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。なお、ここでは「回数切り」としているが、「高確率状態」の場合の回数切りカウンタの値は、極端に膨大な値(例えば10000回以上)に設定することができる。このような膨大な値を設定することで、実質的に次回の当選が得られるまで「高確率状態」が継続することを確率的に保障することができる。なお、「時間短縮状態」に関する回数切りカウンタは、当選図柄によって様々な数値(例えば10回、20回、30回、10000回等)が設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する(高確率状態限度回数管理手段、時間短縮状態限度回数管理手段)。
ステップS4632:主制御CPU72は、回数指定コマンド管理処理を実行する(高確率状態限度回数情報送信手段、時間短縮状態限度回数情報送信手段)。この処理では、主制御CPU72は、回数切りカウンタに関するコマンドを管理する処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、時短回数指定コマンド、特殊回数指定コマンド、ST回数指定コマンドを生成する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながら後述する。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、ステップS4630の処理での減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグであるが、確変回数に消化不能値(例えば10000回)が設定されている場合、「高確率状態」で高確率状態用の回数切りカウンタの値が0になることは実質的にはないため、実用上でリセットされるのは時間短縮機能作動フラグである。一方、確変回数に消化可能値(例えば9回)が設定されている場合、「高確率状態」で高確率状態用の回数切りカウンタの値が規定の値(0)に到達すると、確率変動機能作動フラグがリセットされる。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態や高確率状態が終了する(低確率状態移行手段、非時間短縮状態移行手段)。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔特殊変動管理処理〕
図41は、上記の特殊変動管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4660:主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値をRAM76からロードして、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいか否かを確認する。
その結果、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいことを確認した場合(ステップS4660:Yes)、主制御CPU72はステップS4662を実行する。これに対して、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きくないことを確認した場合、すなわち、変動パターン選択用カウンタ値が「0」である場合(ステップS4660:No)、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(図40)に復帰する。
ステップS4662:主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値をデクリメント(1減算)する処理を実行する。これにより、特殊変動を実行する特殊区間が終了する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(図40)に復帰する。
〔回数指定コマンド管理処理〕
図42は、回数指定コマンド管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS4700:主制御CPU72は、時短回数切りカウンタ(時間短縮状態に関する回数切りカウンタ)をロードする。
ステップS4702:主制御CPU72は、時短回数指定コマンドを生成する。具体的には、先行値に時短回数指定コマンドであることを示す識別子(86H)をセットし、後続値にステップS4700の処理でロードした時短回数切りカウンタの値をセットする。これにより、時短回数指定コマンドが生成される。
なお、後続値にセットする値は、原則として、ステップS4700の処理でロードした時短回数切りカウンタの値をセットすることにし、例外として、ステップS4700の処理でロードした時短回数切りカウンタの値が127以上である場合には、0をセットすることにしてもよい。
ステップS4704:主制御CPU72は、サブコマンドセット処理を実行する。具体的には、先のステップS4702で生成した時短回数指定コマンドをRAM76の送信用バッファにセットする処理を実行する。これにより、主制御装置70から演出制御装置124に対して時短回数指定コマンドが送信される。
ステップS4706:主制御CPU72は、確変回数切りカウンタ(高確率状態に関する回数切りカウンタ)をロードする。
ステップS4708:主制御CPU72は、比較値に特定の値(127=7FH)をセットする。
ステップS4710:主制御CPU72は、ST回数指定コマンドの後続値に次回の大当りまで高確率状態が継続することを示す情報(127=7FH)をセットする。
ステップS4712:主制御CPU72は、確変回数が比較値未満(特定の値未満)であるか否かを確認する。
その結果、確変回数が比較値未満であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS4714を実行する。一方、確変回数が比較値未満であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS4714を実行しないでステップS4716を実行する。
ステップS4714:主制御CPU72は、ST回数指定コマンドの後続値にステップS4706の処理でロードした確変回数切りカウンタの値をセットする。
ステップS4716:主制御CPU72は、ST回数指定コマンドを生成する。具体的には、先行値にST回数指定コマンドであることを示す識別子(87H)をセットする。なお、後続値に関しては、先のステップS4710又は先のステップS4714において既にセットされている。これにより、ST回数指定コマンドが生成される。
ステップS4718:主制御CPU72は、サブコマンドセット処理を実行する。具体的には、先のステップS4716で生成したST回数指定コマンドをRAM76の送信用バッファにセットする処理を実行する。これにより、主制御装置70から演出制御装置124に対してST回数指定コマンドが送信される。
ステップS4720:主制御CPU72は、変動パターン選択カウンタをロードする。変動パターン選択カウンタとは、大当り遊技の終了時に設定される変数であり、RAM76に記憶されている。例えば大当り遊技の終了後に1変動だけ特殊変動(記憶数に関わらず変動時間が固定された特殊な変動)を実行する場合には変動パターン選択カウンタに「1」が設定され、変動パターン選択カウンタは、変動停止時にデクリメントされる。一方、変動パターン選択カウンタに「0」が設定されている場合には、特殊変動パターンは選択されない。
ステップS4722:主制御CPU72は、特殊回数指定コマンドを生成する。具体的には、先行値に特殊回数指定コマンドであることを示す識別子(88H)をセットし、後続値にステップS4720の処理でロードした特殊回数切りカウンタの値をセットする。これにより、特殊回数指定コマンドが生成される。
ステップS4724:主制御CPU72は、サブコマンドセット処理を実行する。具体的には、先のステップS4722で生成した特殊回数指定コマンドをRAM76の送信用バッファにセットする処理を実行する。これにより、主制御装置70から演出制御装置124に対して特殊回数指定コマンドが送信される。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、呼び出し元のリセットスタート処理(図6)、特別図柄停止表示中処理(図40)、大当り時終了処理(図48)又は小当り時終了処理(図54)に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図43は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図9中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶数表示ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、確率変動状態表示ランプ38dは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、もしくは、特別図柄の変動表示が規定回数行われた後に確率変動機能がOFFにされるまで点灯しつづけ、その後非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当り遊技により可変入賞装置30が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は上記の時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38b,38cの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38b,38cのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38b,38cである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「2ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「2ラウンド(2R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。連続作動回数ステータスの値が「14ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「14ラウンド(14R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。また、連続作動回数ステータスの値が「16ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「16ラウンド(16R)」を表すランプ38cに対して点灯信号を出力する。
〔大当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、大当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図44は、大当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。大当り時可変入賞装置管理処理は、大当り時遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、大当り時終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:大当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして大当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大当り時大入賞口開閉動作処理及び大当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図45は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)を設定する。なお、当選図柄別の開放パターンについては、先の特別図柄遊技処理(図14)において〔複数の当選種類〕の項目で説明した通りである。また、ラウンド間のインターバル時間は、いずれの当選図柄であっても例えば1.4秒〜2.5秒程度に設定されるものとする。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は全ての当選図柄について例えば10個であるが、極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図15中のステップS2410)で選択した大当り時の当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として大分類の「2ラウンド大当り」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を2回に設定する。また、当選図柄として「14ラウンド大当り」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を14回に設定する。さらに、当選図柄として「16ラウンド大当り」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を16回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(2回なら「1」、14回なら「13」、16回なら「15」)として、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、大当り時開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り開放タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして、主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間となる。
ステップS5212:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理(図44)に復帰する。
〔大当り時大入賞口開閉動作処理〕
図46は、大当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5301:主制御CPU72は、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定するインターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5302を実行する。
ステップS5302:主制御CPU72は、大入賞口を開放させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
ステップS5304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図45中のステップS5208)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入球した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5301〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図45中のステップS5210)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5315:主制御CPU72は、インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だインターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理(図44)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5301からジャンプして直にステップS5314を実行する。一方、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、特にこのような開放パターンを採用していない場合には、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5301〜ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大当り時大入賞口閉鎖処理〕
図47は、大当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時大入賞口閉鎖処理は、可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、大当り時遊技プロセス選択処理(図44中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大当り時大入賞口開閉動作処理の実行後は大当り時大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(2回、14回又は16回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を大当り時終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は大当り時終了処理が選択されることになる。
〔大当り時終了処理〕
図48は、大当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時終了処理は、大当り時の可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5501:主制御CPU72は、大当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5502:次に主制御CPU72は、大当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、大当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して大当り時可変入賞装置管理処理(図44)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って大当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5503以降を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図15中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば10000回程度)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる(高確率状態限度回数管理手段)。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。ただし、上記のように10000回程度の膨大な回数を設定した場合、そこまで非当選が続くことは確率的にほとんどないので(高確率時の当選確率が例えば20分の1〜39分の1程度)、実質的には次回の当選まで高確率状態が続くことになる。これとは逆に、高確率状態に実質的な上限を設ける場合、確率変動回数は現実的な回数(例えば9回程度)に設定される(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグもまた、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図15中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時間短縮回数(例えば10000回、10回、20回、30回等)を設定する(時間短縮状態限度回数管理手段)。設定した時間短縮回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、高確率状態機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5514a:主制御CPU72は、特殊変動設定処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、当選図柄の種類に基づいて変動パターン選択用カウンタ値を設定する処理を実行する。なお、特殊変動設定処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS5515:主制御CPU72は、回数指定コマンド管理処理を実行する(高確率状態限度回数情報送信手段、時間短縮状態限度回数情報送信手段)。この処理では、主制御CPU72は、回数切りカウンタに関するコマンドを管理する処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、時短回数指定コマンド、特殊回数指定コマンド、ST回数指定コマンドを生成する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容については、既に説明した通りであるため、説明を省略する。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図14中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔特殊変動設定処理〕
図49は、上記の特殊変動設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5600:主制御CPU72は、今回の当選が「14ラウンド通常図柄1〜3」又は「14ラウンド確変図柄1〜5」のいずれかに該当するか否かを確認する。
その結果、今回の当選が「14ラウンド通常図柄1〜3」又は「14ラウンド確変図柄1〜5」のいずれかに該当することを確認した場合(ステップS5600:Yes)、主制御CPU72はステップS5602を実行する。これに対して、今回の当選が「14ラウンド通常図柄1〜3」又は「14ラウンド確変図柄1〜5」のいずれかに該当することを確認できない場合、主制御CPU72は大当り時終了処理(図48)に復帰する。
ステップS5602:主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値に「1」をセットする。これにより、大当り遊技の終了後には、特殊変動が1回実行されることになる。なお、セットされた変動パターン選択用カウンタ値は、特別図柄が1回停止表示されるたびに1ずつ減算される。そして、このような処理を通じて、主制御CPU72は、選択される変動パターンを通常変動としたり、特殊変動としたりすることができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大当り時終了処理(図48)に復帰する。
〔小当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、小当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図50は、小当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。小当り時可変入賞装置管理処理は、小当り時遊技プロセス選択処理(ステップS6100)、小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)、小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)、小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)、小当り時終了処理(ステップS6500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS6100:小当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS6200〜ステップS6500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)を選択する。一方、既に小当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を選択し、小当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)を選択する。また、設定された連続作動回数にわたって小当り時大入賞口開閉動作処理及び小当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時終了処理(ステップS6500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図51は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS6212:主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお、「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS6214:主制御CPU72は、先のステップS6212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS6216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、本実施形態では、上記のように小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS6218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば2秒程度に設定される。
ステップS6220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理(図50)に復帰する。そして、主制御CPU72は、次に小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を実行する。
〔小当り時大入賞口開閉動作処理〕
図52は、小当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6301:主制御CPU72は、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS6314で設定するインターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6314を実行する。一方、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS6302を実行する。
ステップS6302:主制御CPU72は、大入賞口を開放させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
ステップS6304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図51中のステップS6216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS6308を実行する。
ステップS6308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入球した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS6310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(小当り時の開放1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図50)に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が小当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS6301〜ステップS6310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS6306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS6312を実行する。ここで、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS6306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS6312:主制御CPU72は、大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
ステップS6314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図51中のステップS6218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6315:主制御CPU72は、インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だインターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図50)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで小当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS6301からジャンプして直にステップS6314を実行する。一方、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6316を実行する。
ステップS6316:主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に小当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔小当り時大入賞口閉鎖処理〕
図53は、小当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時大入賞口閉鎖処理は、可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6412:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS6414:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図51中のステップS6214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS6416を実行する。
ステップS6416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図50)に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、小当り時遊技プロセス選択処理(図50中のステップS6100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である小当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、小当り時大入賞口開閉動作処理の実行後に、主制御CPU72は再び小当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS6414:Yes)、主制御CPU72は次にステップS6418を実行する。
ステップS6418,ステップS6420:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を小当り時終了処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図50)に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は小当り時終了処理が選択されることになる。
〔小当り時終了処理〕
図54は、小当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時終了処理は、小当り時の可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS6502:主制御CPU72は、小当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS6504:次に主制御CPU72は、小当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、小当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して小当り時可変入賞装置管理処理(図50)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って小当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS6506以降を実行する。
ステップS6506,ステップS6508:主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り中」を消去して小当り遊技を終了させるる。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS6510:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS6512:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図14中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。
ステップS6514:主制御CPU72は、回数指定コマンド管理処理を実行する(高確率状態限度回数情報送信手段、時間短縮状態限度回数情報送信手段)。この処理では、主制御CPU72は、回数切りカウンタに関するコマンドを管理する処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、時短回数指定コマンド、特殊回数指定コマンド、ST回数指定コマンドを生成する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容については、既に説明した通りであるため、説明を省略する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔非時間短縮状態でのゲームフロー〕
図55は、パチンコ機1において展開される非時間短縮状態でのゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機で遊技を開始する場合、〔F0〕非時間短縮状態の〔F1〕通常モードから遊技が開始される。「通常モード」は、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、普通図柄の当選確率は「低確率状態」である。このように、〔F1〕通常モードは、「低確率非時間短縮状態」となるので、中始動入賞口26に遊技球を入球させることにより、第1特別図柄が変動を開始して遊技が進行していく。
〔F1〕通常モードにて、〔F2〕「2ラウンド確変図柄1」又は「小当り」に該当すると、2ラウンド大当り遊技又は小当り遊技とともにモード移行演出が実行され、〔F3〕祭りモードに移行する。〔F3〕祭りモードは、低確率又は高確率非時間短縮状態である。具体的には、「2ラウンド確変図柄1」に該当して〔F3〕祭りモードに移行した場合には、高確率非時間短縮状態となり、「小当り」に該当して〔F3〕祭りモードに移行した場合には、低確率非時間短縮状態となる。
〔F3〕祭りモードにて、〔F4〕規定条件(例えば、低確率非時間短縮状態で特別図柄が30回変動したという条件)が満たされた場合、〔F1〕通常モードに移行する。
〔F1〕通常モード又は〔F3〕祭りモードにて、〔F5〕「14ラウンド通常図柄1〜3」又は「14ラウンド確変図柄1〜3」に該当すると、〔F6〕14ラウンド大当り遊技(チャレンジボーナス)が実行され、〔F7〕お宝チャレンジ演出で〔F8〕失敗演出が実行されて、〔F9〕海岸モードに移行する。
〔F7〕お宝チャレンジ演出は、大当り遊技の終了後における最初の1変動を用いて実行される確変ジャッジ演出である。
この場合の〔F9〕海岸モードは、時短回数が10回、20回又は30回に設定された高確率又は低確率時間短縮状態であり、当選の結果が得られずに〔F10〕特別図柄が規定回数(10回、20回又は30回)変動すると、〔F3〕祭りモードに移行する。
なお、最初の1変動目が出玉有り大当りに該当した場合、上記のように〔F7〕お宝チャレンジ演出において、たった今終了したばかりの大当り遊技開始前まで演出内容(チャレンジボーナスの内容)を巻き戻すような演出が行われる。
〔F1〕通常モード又は〔F3〕祭りモードにて、〔F11〕「14ラウンド確変図柄4」に該当すると、〔F6〕14ラウンド大当り遊技(チャレンジボーナス)が実行され、〔F7〕お宝チャレンジ演出で〔F12〕失敗演出が実行されて、〔F9〕海岸モードに移行する。
この場合の〔F9〕海岸モードは、時短回数が10000回に設定された高確率時間短縮状態であるため、当選の結果が得られずに〔F13〕特別図柄が規定回数(30回)変動すると、〔F14〕花火ラッシュに移行する。〔F14〕花火ラッシュは、高確率時間短縮状態であり、次の大当りが確率的に保障されている。
〔F1〕通常モード又は〔F3〕祭りモードにて、〔F15〕「14ラウンド確変図柄5」に該当すると、〔F6〕14ラウンド大当り遊技(チャレンジボーナス)が実行され、〔F7〕お宝チャレンジ演出で〔F16〕成功演出が実行されて、〔F14〕花火ラッシュに移行する。
〔F1〕通常モード又は〔F3〕祭りモードにて、〔F17〕「16ラウンド確変図柄1」に該当すると、〔F6〕16ラウンド大当り遊技(スペシャルボーナス)が実行され、そのまま〔F14〕花火ラッシュに移行する。この場合、〔F7〕お宝チャレンジ演出は実行されない。
〔F1〕通常モード又は〔F3〕祭りモードにて、〔F19〕「2ラウンド確変図柄2」に該当すると、2ラウンド大当り遊技とともにモード移行演出が実行され、そのまま〔F14〕花火ラッシュに移行する。
〔時間短縮状態でのゲームフロー〕
図56は、パチンコ機1において展開される時間短縮状態でのゲームフローについて説明する図である。
〔G0〕時間短縮状態は、大きく分けて〔G1〕花火ラッシュ(高確率時間短縮状態)と、〔G2〕海岸モード(高確率又は低確率時間短縮状態)に分けられる。
〔G1〕花火ラッシュ又は〔G2〕海岸モードにて、〔G3〕「16ラウンド確変図柄2」に該当すると、〔G4〕バトルリーチ演出において〔G5〕勝利演出が実行され、〔G6〕16ラウンド大当り遊技(ウルトラ花火ボーナス)の終了後に、〔G1〕花火ラッシュに移行する。
一方、〔G1〕花火ラッシュ又は〔G2〕海岸モードにて、〔G7〕「2ラウンド通常図柄1〜3」又は「2ラウンド確変図柄2」に該当すると、〔G4〕バトルリーチ演出において〔G8〕敗北演出が実行され、〔G9〕2ラウンド大当り遊技の終了後に、〔G2〕海岸モードに移行する。なお、「2ラウンド確変図柄2」に該当している場合は、〔G2〕海岸モードにて特別図柄が30回変動すると〔G1〕花火ラッシュに移行する。
なお、以上のゲームフローに関しては、代表的なゲームフローの一例を示したものであり遊技の流れをすべて網羅しているものではない。例えば、高確率非時間短縮状態の〔F3〕祭りモードで〔F19〕「2ラウンド確変図柄2」に当選しても、より詳細な当選図柄(例えば「2ラウンド確変図柄2−S」等)によっては時短回数が「0回」となり、〔F3〕祭りモードが継続するというゲームフローとしてもよい。
ここで、上記のゲームフローに示されるように、〔G1〕花火ラッシュや〔G2〕海岸モードでは時間短縮状態となるため、いわゆる「右打ち」による遊技が可能となっている。「右打ち」による遊技(有利遊技状態)では、遊技領域8a内の右側領域に遊技球を打ち込むことで高頻度で始動ゲート20を通過させ、非時間短縮状態に比較して作動抽選を高頻度で実行可能とするとともに、非時間短縮状態より高確率で作動抽選の当選を得られることで可変始動入賞装置28の開放動作を高頻度で発生させ、その結果、第2特別図柄を高頻度で変動させて内部抽選を高頻度に実行可能とするものである。このとき、〔G1〕花火ラッシュ中であれば、さらに内部抽選の当選確率が低確率状態よりも高く変動しているため、内部抽選で当選が得られる可能性も高くなっている。
このような「右打ち」による遊技中は、右側領域に打ち込んだ遊技球がいかに効率よく始動ゲート20を通過し、さらには開放動作中の可変始動入賞装置28に効率よく入球するか否かが遊技のスピード感を大きく左右する。例えば、せっかく右側領域に遊技球を打ち込んでいても、あまり始動ゲート20を通過しなければ作動抽選がなかなか行われず、その結果、可変始動入賞装置28が開放動作せずに第2特別図柄もなかなか変動しない。また、始動ゲート20を遊技球が通過したとしても、その後の流下の過程で遊技球が可変始動入賞装置28まで到達できなければ、せっかく可変始動入賞装置28が開放動作していても内部抽選の契機がなかなか発生せず、第2特別図柄の変動もなかなか行われない。これでは「右打ち」による遊技の興趣を低下させ、やがて遊技意欲の減退を招くことになる。
そこで本実施形態では、遊技盤ユニット8の右側領域を独自の構成とすることで、「右打ち」による遊技中の興趣性を維持し、意欲の減退を防止することとしている。以下、遊技盤ユニット8の右側領域の構成について詳しく説明する。
図57は、遊技盤ユニット8の右側領域の一部を拡大して示す正面図である。
遊技者のハンドルユニット16の操作に伴い発射された遊技球は、発射レール8cに沿って案内された後、球放出口350から遊技領域8aの右側領域内に放り込まれる。
この図に示される遊技領域8aの右側領域内には、始動ゲート20及び可変始動入賞装置28が設置されている。遊技球が始動ゲート20を通過すると、これを契機として可変始動入賞装置28を開放させるか否かを決定する作動抽選が実行される。作動抽選に当選すると、可変始動入賞装置28が作動して可変始動入賞装置28が有する開閉部材28bが変位する。より具体的には、開閉部材28bの回転軸からみて先端が上を向いた閉鎖位置(図57中に二点鎖線で示された位置)から右斜め上を向いた開放位置(図57中に実線で示された位置)に向けて変位する。可変始動入賞装置28はその内部に右始動入賞口を有しており、開閉部材28bが開放位置に変位した状態においてのみ、遊技球の入球が可能となる。
〔第1流域〕
ここで、右側領域においては、遊技球が流下(転動)することとなる球通路が大別して3方向、すなわち、左球通路壁370に沿うルート(以下、「左ルート」と称する)、始動ゲート20を通過するルート(以下、「中ルート」と称する)、及び右球通路壁372に沿うルート(以下、「右ルート」と称する)に分岐しており(互いに区画された複数の経路)、且つ、左ルート及び中ルート、左ルート及び右ルートが各ルートの中間にある位置(合流位置)において相互に合流している。遊技球は、上流の球放出口350(分岐位置)を出て障害釘により流下方向を無作為に3つに振り分けられていずれかのルートに進入した後、これらのルートを転々としながら変始動入賞装置28(右始動入賞口)が設けられている方向に向かって流下する。
遊技領域8aの右側領域内には、遊技板8bを穿孔して形成された3つの貫通孔が設けられている。まず、迂回路入口310(流入口)が始動ゲート20直下の近接位置に設けられているのに対し、迂回路出口320(流出口)は始動ゲート20の左斜め下に、そして普通入賞口24は始動ゲート20の下方に、それぞれ遊技球が異なる方向に転動できるだけの距離を置いた位置に設けられている。なお、図では迂回路入口310、迂回路出口320及び普通入賞口24の開口が円形状に示されているが、遊技球が容易に入球可能な形状であれば、円形以外の角形状や多角形状等であってもよい。また、迂回路入口310や普通入賞口24の手前側には、リブ状の球ガイド部材が形成されていてもよい。
〔第2流域〕
迂回路入口310と迂回路出口320との間には、例えば管状(ダクト状)に形成された迂回路300が遊技板8bの背面側に設けられている。中ルートに進入した遊技球は、始動ゲート20を通過して必ず直下の迂回路入口310に流入し、迂回路300の内側を転動した後に迂回路出口320(帰還位置)から遊技板8bの前面側の遊技領域8aに再び流入する。ここで、中ルートが左ルートに合流する。
このように、遊技板8bの背面側の空間を球通路(第2流域)として利用すれば、前面側の遊技領域8aの面積を拡げることなく新たな球通路を追加でき、球通路の総面積を拡張することが可能となる。これにより、遊技盤ユニット8の中央部に配置される液晶表示器42等のために必要となるスペースを侵食することなく、必要なスペースを十分に確保しながら遊技球の円滑な流れを実現させることができる。
遊技者からみて迂回路300の手前側には、上記の左ルートが重なるようにして存在している。遊技板8b及び迂回路300はいずれも光透過性を有する部材(透明樹脂)で形成されているため、遊技板8bの前面側にある左ルートを流下(転動)する遊技球だけでなく、遊技板8bの背面側にある中ルート(迂回路300の内側)を流下(転動)する遊技球の動きも同時に視認することができる。なお、迂回路300の構造についてはさらに詳しく後述する。
普通入賞口24は、迂回路入口310の下方で遊技球が右ルートから左方に反れた場合の経路上に設けられているが、迂回路入口310の下方で遊技球が左ルートから右方に反れた場合にも入球し得る場所に位置している。つまり、遊技球は右ルート、左ルートの何れのルートを経由した場合にも普通入賞口24に入球する可能性がある。
図58は、始動ゲート20の中心を通過する位置で遊技盤ユニット8を厚み方向に切断した場合の断面図(図57中のA−A切断線に沿う断面図)である。
遊技板8bの前面側にはガラスユニット4b(実際には2重ガラス)が平行に対向しており、これらの間には遊技領域8aが形成されている。図中の上部に示された位置には始動ゲート20が設けられ、これを通過した遊技球を検出するゲートスイッチ78とともに遊技板8bを貫通した状態で固定されている。また、始動ゲート20を超えてすぐの位置には迂回路入口310が設けられている。始動ゲート20から迂回路入口310に至るまでの空間は誘導キャップ360に覆われているため、始動ゲート20を通過した遊技球は確実に迂回路入口310に案内されることとなる。
迂回路入口310に案内された遊技球は、遊技板8bの背面側に設けられた迂回路300に流入する。迂回路300は、迂回路入口310と迂回路出口320との間をつなぐ管状に形成された通路であり、その内径は1個の遊技球が内面に衝突し方向を変えながら流下(転動)できるだけの余裕を有している。迂回路300の内面には、これに沿って転動する遊技球の球速を減速させるための路面突起330が所々に形成されている。遊技球は、迂回路300の内面及び路面突起330に衝突又接触しながら迂回路320の内部を不規則な軌跡を描きながら転動したのち迂回路出口320に案内され、再び遊技板8bの前面側に形成された遊技領域8a内に出現(復帰)し、さらに下方へ向かう。
このように、遊技球は、迂回路入口310に入ってから迂回路出口320を出るまでの間は遊技板8bの背面側の空間を移動する。また、迂回路300は、迂回路出口320を介して左球通路壁370に沿うルートに合流している。ここで、遊技板8bとともに迂回路300は透過性を有する部材で形成されているため、遊技者はその内部を流下(転動)する遊技球の動きを容易に視認することができる。迂回路出口320を抜け出た位置では、遊技板8bの前面側と背面側(迂回路300)の両ルートから来た遊技球が通過しうるため、遊技球の球速が速すぎるとこの出口付近で球噛みする可能性があるが、迂回路300を経由した遊技球は路面突起330の作用により球速を落とした状態で迂回路出口320に至ることとなる。そのため、いずれのルートからこの位置に辿り着いた遊技球も、迂回路出口320付近をスムーズに通過することができる。
図59及び図60は、始動ゲート20の下方における迂回路300の有無による遊技球の流れ方の違いを説明する図である。図59は迂回路300を有している上述した実施形態の遊技盤ユニット8の一部を拡大して示しており、図60は迂回路300を有していない遊技盤ユニット(比較例としての形態)の一部を拡大して示している。
これら2つの形態(実施形態及び比較例の形態)は、迂回路300及びその入口310と出口320の有無に加え、始動ゲート20下方の空間が上球通路壁374により閉じられているか否かという点において相違している。各遊技盤ユニットに設けられたその他の構造物の形状は共通しており、球放出口350から流下してきた遊技球は、いずれの実施形態においても先ず左ルート、中ルート、右ルートの何れかに進入する。
〔迂回路が有る場合〕
図59に示されるように、上述した実施形態の遊技盤ユニット8においては、遊技板8bの背面側に迂回路300が設けられており、その入口となる迂回路入口310が始動ゲート20の直下に、出口となる迂回路出口320が左球通路壁370と下球通路壁376とに挟まれる位置に、それぞれ形成されている。中ルートに進入した遊技球は、始動ゲート20、迂回路入口310を通過後に迂回路300を経て迂回路出口320に至る。始動ゲート20から迂回路入口310に至るまでの空間は上球通路壁374により閉じられているため、中ルート以外のルートに進入した遊技球が迂回路入口310に入り込むことはない。つまり、迂回路300は、中ルートに進入した遊技球のみを転動させるための球通路として機能する。
左ルートに進入した遊技球は、左球通路壁370と上球通路壁374に挟まれてなる球通路を流下した後、その右側の空間が上球通路壁374により仕切られなくなる辺りで、その進路が大きく二手に分岐する。この位置では球通路が幅方向に拡がり転動し得る空間に余裕ができるため、遊技球はその時点での向きや速度等により、引き続き下方に進み迂回路出口320付近を通過した後曲折する左球通路壁370に沿って更に下方に向かうか、或いはここから右下方向に逸れて上下から上球通路壁374と下球通路壁376とに挟まれた領域に進む。遊技球がこの領域に進んだ場合、障害釘に案内されて普通入賞口24に入球する可能性もある。
右ルートに進入した遊技球は、右球通路壁372と上球通路壁374に挟まれてなる通路を流下した後で障害釘に案内され、その進路が3方向に分岐する。遊技球は、進路が最も左方に逸れた場合には図中に一点鎖線で示した合流領域380(合流位置)を通過して左ルートに進入するが、やや左方に逸れた場合には普通入賞口24に入球し、右方に逸れた場合には引き続き右球通路壁372に沿って下方に向かう。
このように、球放出口350を経て最初に中ルートに進入した遊技球は、迂回路出口320を介して左ルートに進入する。最初に左ルート又は右ルートに進入した遊技球は、そのまま同じルートを進み続けるか、或いは途中で進路を変えて普通入賞口24に入球したり他方のルートに進入したりする。通路壁と障害釘との位置関係により、遊技球の進路が左ルートから右ルートに転じるケースは稀である一方、左ルートから普通入賞口24に入球したり、右ルートから左ルートに転じたりするケースは少なくない。そのため、合流領域380は、左ルートを流下する遊技球がこの領域の左側を掠めたり、左ルートから普通入賞口24に向かう遊技球や右ルートから左ルートに転じる遊技球が通過したりする。ここで、合流領域380は迂回路出口320より上方に位置しているため、中ルートに進入した遊技球は合流領域380を通過したり掠めたりすることはない。したがって、複数の遊技球が同時に集中するとしても、左右の2ルート分の遊技球に限られるため、合流領域380に複数の遊技球が渋滞することにより球噛みした状態を発生させることがなく、遊技球の円滑な流れを維持することが可能となる。
〔迂回路が無い場合〕
図60に示される遊技盤ユニットにおいては、遊技板8bの背面側に迂回路300が設けられていない。そのため、球放出口350から放り出されて中ルートに進入した遊技球は、他のルートに進入した遊技球と同様に、遊技板8bの前面側に形成されている遊技領域内を流下することとなる。始動ゲート20及びその直下の空間は、上球通路壁375によって左右が仕切られつつ下方は開放されており、図59に示された遊技盤ユニット8の場合のように空間が閉じられていない。よって、遊技球は、始動ゲート20を通過後に上通路壁375や障害釘に案内されながら、左方に逸れて左ルートに進入するか、下方に向かい普通入賞口24に入球するか、或いは右方に逸れて右ルートに進入するかの3つのうちいずれかの進路に進む。
一方、最初に左ルート又は右ルートに進入した遊技球は、上述した図59における遊技球と同様に、同じルートを進み続けるか、或いは途中で進路を変えて普通入賞口24に入球したり他方のルートに進入したりする。つまり、この遊技盤ユニットにおいては、図69における遊技盤ユニット8とは異なり、左ルート及び右ルートから流下してきた遊技球に加え、中ルートから流下してきた遊技球も合流領域380を通過しうるため、合流領域380には複数の遊技球が集中し易い。これらが同じタイミングで集中すると、この付近の球通路における遊技球の流れが悪くなり、合流領域380で球噛みした状態に陥る可能性がある。その場合、遊技球の円滑な流れを維持することができなくなる。
〔迂回路による作用効果〕
以上のように、迂回路300が設けられていない場合には、複数のルートが合流する合流領域380に遊技球が集中し易い。遊技球が同じタイミングで集中すると、合流領域380やその付近での遊技球の流れが悪くなり、球噛みが発生する可能性がある。
これに対し、迂回路300が設けられていれば、中ルートに進入した遊技球は、その専用通路となる迂回路300の内部を経由したのち合流領域380より下方に設けられた迂回路出口320で左ルートに復帰するため、合流領域380を通過することはない。そのため、迂回路300が設けられていない場合と比べて合流領域380に遊技球が集中しにくく、球噛みを発生させずに遊技球の円滑な流れを維持することができる。また、中ルートに進入した遊技球は、普通入賞口24には一切入球せず、全て迂回路300を経由して可変始動入賞装置28の方向に流下するため、遊技をより有利な状態に導いて遊技者の遊技に対する期待感を維持することが可能となる。
いずれのルートに進入した遊技球も、普通入賞口24に入球する場合を除いては、最終的に左球通路壁370又は右球通路壁372に沿って可変始動入賞装置28が配置されている方向へ流下していく。可変始動入賞装置28が作動して開閉部材28bが開放位置に変位している間に遊技球が可変始動入賞装置28に向かって落下すれば、遊技球は右始動入賞口に入球する可能性が高くなる。
ここで、可変始動入賞装置28が落下してくる遊技球から受ける衝撃の蓄積により破損するのを回避するため、左ルート及び右ルートの後半部は起伏のある形状に形成されている。例えば、球通路の各所に曲がり角が設けられ、或いは凸状に隆起した部分が形成されている。球通路のこうした形状により、転動する遊技球の球速を落とす作用が生じる。したがって、左ルート又は右ルートから可変始動入賞装置28に向かう遊技球を減速させた状態で落下させて可変始動入賞装置28が遊技球から受け得る衝撃を緩和させることができ、可変始動入賞装置28の耐久性を向上させることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態によれば以下の有用性が得られる。
(1)時間短縮状態となって「右打ち」による遊技を行う場合、始動ゲート20を通過した遊技球は迂回路300に誘導されるため、盤面表側で普通入賞口24へ入球する可能性がない。
(2)加えて、遊技球が迂回路300から盤面の表側へ復帰する位置(帰還位置)は、左ルートと右ルートが合流する位置(合流領域380)よりも下流であるため、先の合流に伴う混雑をも避けることができる。
(3)そして、迂回路300から復帰した遊技球は、より高い確率で可変始動入賞装置28への入球が可能となるため、第2特別図柄に対応する内部抽選の契機を高頻度で発生させることができる。
(4)これにより、特に時間短縮状態での遊技の進行を円滑にし、軽快でテンポのよい遊技性を実現することができる。
(5)また、迂回路300内を遊技球が流下する様子が盤面の前面側から容易に視認可能であることから、遊技球の動きによる興趣性を維持することができる。
(6)さらには、盤面の表側(左ルート)を流下する遊技球と裏側(迂回路300)を流下する遊技球を前面側から同時に視認可能であるため、視覚的に前後方向へ奥行きのある遊技領域を構成することができ、それだけ興趣性の幅を広げることができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
例えば、一実施形態では迂回路300を左ルートの後方に配置しているが、迂回路300は右ルートの後方に配置されていてもよい。
あるいは、一実施形態では迂回路300の配置を遊技板8bの後方としているが、遊技領域の幅に余裕がある場合、迂回路300を左ルートの内側(液晶表示器42寄りの位置)に配置してもよい。
一実施形態では、右側領域を左ルート、中ルート、右ルートの3つに分岐する構成としたが、4つ以上のルートに分岐させてもよい。この場合、4つのうち3つのルートが合流する配置であり、他の1つのルートが迂回路を経由して合流位置より下流で遊技球を復帰させる構成としてもよいし、4つのうち2つのルートが合流する配置であり、他の2つのルートがそれぞれ迂回路を経由して合流位置より下流で遊技球を復帰させる構成としてもよい。
一実施形態では、迂回路300を管状の通路として構成しているが、盤面の裏側にも障害釘等を配置し、幅方向にある程度の広さ(例えば、遊技球の直径の2倍以上)を有した別の領域(第2流域)として迂回路300を構成してもよい。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。