以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図14を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図2参照)の矢印U−D,L−R,F−Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠2と、その外枠2と略同一の外形形状に形成され外枠2に対して開閉可能に支持された内枠4とを備えている。外枠2には、内枠4を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠4が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠4には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠4には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠4の前面側には、その前面上側を覆う前扉5と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前扉5および下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前扉5および下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠4の施錠と前扉5の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前扉5は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部5cが設けられている。前扉5の裏面側には2枚の板ガラス8を有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前扉5には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前扉5には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部5cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前扉5の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前扉5の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部5cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、普通入賞口(スルーゲート)66,67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。
ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板60の構成は樹脂材料に限られるものではない。例えば、薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成されるようにしても良い。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の円弧部材70とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
なお、上述の遊技領域は狭義の解釈であり、広義の意味として、遊技領域を、流下した遊技球により遊技者に与えられる利益が確定するまでの遊技球の流下領域として表現しても良い。この意味において、遊技領域は、遊技盤13の正面側の領域に限られるものではない。例えば、後述するセンサSEの上流側に配置される経路も遊技領域に含まれる。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
以下、入賞に基づく抽選について詳しく説明する。本実施形態におけるパチンコ機10では、第1入賞口64、および第2入賞口640へ入賞(遊技者に対して何らかの利益(例えば、賞球の払い出し、抽選の実行、更に有利な状態への移行の利益等)の付与が期待できる入球)があったことを契機として特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入賞口66,67(又は後述する普通入賞口(スルーゲート)765)を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入賞口64、および第2入賞口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。
なお、本パチンコ機10では、特別図柄の低確率状態では、例えば、320分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定され、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変状態とも称する)では、例えば、60分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定される。なお、説明の便宜上、第1入賞口64へ入球した遊技球が後述するセンサSEに検出された場合に行われる特別図柄の抽選を「特別図柄1の抽選」と称し、第2入賞口640への入球した遊技球が下流側のセンサ(図示せず)に検出された場合に行われる特別図柄の抽選を「特別図柄2の抽選」と称する。
特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個(規定個数)入賞するまで)開放される動作が最大15回(15ラウンド)繰り返される。その結果、特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。なお、特定入賞口65aへの入球に伴い賞球の払い出しがあることや、払い出し個数については後述する。
なお、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりa」、「大当たりb」、「大当たりc」の6種類が設けられている。詳細については後述するが、大当たり種別によって、特別遊技のラウンド数や、特別遊技終了後における電動役物640aの作動パターンが異なるように構成される。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入賞口64、または第2入賞口640へと入球すると、その入球回数は入賞口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入賞口64についての保留球数(特別図柄1の保留球数)、または第2入賞口640についての保留球数(特別図柄2の保留球数)が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合は、特別図柄2の保留球に基づく抽選が優先的に実行される。
なお、本実施形態では、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合は、特別図柄2の保留球に基づく抽選が優先的に実行されるように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、特別図柄の取得順(入球順)に優先的に抽選を実行しても良いし、特別図柄1と特別図柄2とで交互に抽選を実行しても良いし、特別図柄1と特別図柄2とで同時に抽選を実行しても良い。
普通図柄(第2図柄)の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入賞口640に付随する電動役物640aが駆動され、第2入賞口640へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入賞口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、0.1秒または1秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入賞口66,67,765を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入賞口66,67,765についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
本実施形態では、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行するように構成される場合(例えば、後述する大当たりA、大当たりB、大当たりa、大当たりb)と、大当たり遊技の後に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態となる場合(例えば、後述する大当たりC、大当たりc)と、が用意されている。
なお、本実施形態では、特別遊技状態の終了後に特別図柄の確変状態が付与される場合に、その特別図柄の確変状態が次に大当たりとなるまでの間継続される場合を説明したが、これに限られるものではなく、例えば、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が100回終了して以降は通常状態に設定されるようにしても良い。
なお、上述した特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与される特別図柄の抽選回数は、100回に限られるものではない。例えば、50回でも良いし、200回でも良い。
また、上述した普通図柄の時短状態となる特別図柄の抽選回数は、100回に限られる物ではない。例えば、50回でも良いし、5回でも良いし、0回でも良い。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)は、普通図柄(第2図柄)の当たり確率は変化しないが、第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。一方、「特別図柄の低確率状態」とは、特別図柄の確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、特別図柄の確変中よりも大当たり確率が低い状態をいう。
また、「普通図柄の時短状態(時短中)」とは、普通図柄の当たり確率は変化しないが、第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。また、「通常状態」とは、特別図柄の確変中でも普通図柄の時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も普通図柄(第2図柄)の当たり確率も変化しておらず、第2入賞口640へ球が入賞し易いわけでもない状態)のことをいう。
特別図柄の確変中や、普通図柄の時短中では、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間が変更され、通常状態に比較して長い時間が設定される。電動役物640aが励磁された状態(励磁状態、後述する移動板部材641が前側位置に配置され第1送球経路KR1に進入している状態)にある場合は、その電動役物640aが非励磁とされ退避した状態(非励磁状態、後述する移動板部材641が後側位置に配置され第1送球経路KR1から退避している状態)にある場合と比較して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。即ち、特別図柄の抽選が行われやすくなる。
なお、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放回数を、通常状態よりも増やすように構成してもよい。
また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率はアップして、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間、および電動役物640aの開放回数のうち少なくとも一方を変更するものとしてもよい。
また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、電動役物640aの開放回数は変更せず、普通図柄(第2図柄)の当たり確率だけを、通常状態に比較してアップするように構成してもよい。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
この第1図柄表示装置37A,37Bにおいて特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入賞口64、または第2入賞口640へと入球した場合、その入球回数は入賞口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37A,37Bにより示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入賞口64の下流側に配置されるセンサSE、および第2入賞口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
なお、本パチンコ機10では、第1入賞口64の下流側に配置されるセンサSE、第2入賞口640のいずれかに入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、8R確変大当たり、4R通常大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「8R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が8ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。
また、「4R通常大当たり」は、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことであり、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。
「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで電動役物640aの作動パターンが変化すること(又は第2図柄(普通図柄)の当たり確率がアップすること)で第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2入賞口640への入賞のし易さもアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。
可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64、第2入賞口640のいずれかの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通入賞口(スルーゲート)66,67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83と、普通入賞口66,67を遊技球が通過した回数に対応する保留球数を点灯状態により示す第2図柄保留ランプ84と、が設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。
本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
本実施形態では、第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図4参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示(同一の主図柄が揃った状態で最終的に停止する変動表示)が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生(特別遊技状態への移行が開始)するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示(揃わない状態で最終的に停止する変動表示)が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が通常大当たりであれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、確変大当たりであれば、奇数番号も加えたすべての番号「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」のうちいずれかの番号が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
次に、第3図柄表示装置81に表示される、遊技盤13の右側の経路(流路)を狙って球を打ち出すように促す表示(右打ちナビ)について説明する。
本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態となった場合に、電動役物640aにより遊技球が案内され易くなるので、電動役物640aが配置される遊技盤13の右側へと球を打ち出す(右打ちする)ことにより、第2入賞口640へと球を入球させやすくなる。また、詳細については後述するが、第2入賞口640へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄2の抽選)により大当たりとなると、第1入賞口64へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄1の抽選)により大当たりとなる場合に比較して、最大賞球個数を獲得できる大当たり(大当たりa,b,c)となりやすい。
よって、大当たりの終了後に付与される特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態では、右打ちを実行することにより、遊技者にとって有利となる。換言すれば、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態に設定されたとしても、遊技者が右打ちしなければ第2入賞口640へと球を入球させることが難しいため、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態の恩恵を遊技者が十分に受けることができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態においては、特定の画像(右打ちナビ)を表示させることにより、遊技者が特別図柄の確変状態や普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に得られるように構成している。
右打ちナビでは、第3図柄表示装置81に「右を狙え!!」との文字が表示されると共に、その文字の上下に右向きの矢印が3つずつ表示される。これらの文字、および矢印が表示されることにより、遊技者に対して球を遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと打ち出すべきであると感じさせることができる。よって、遊技者に対して、特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に獲得させることができる。
次に、本実施形態のパチンコ機10において第3図柄表示装置81に対して表示される警告画像の一例について説明する。この警告画像は、遊技者が遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと球を打ち出す(右打ちする)べき期間でないにもかかわらず、右打ちを実行していると判別された場合に第3図柄表示装置81に対して表示される画像(右打ち警告画像)である。より具体的には、通常状態(特別図柄の確変状態でも、普通図柄の時短状態でもない状態)において、遊技者が右打ちを行っていると判別した場合に表示される。
本実施形態のパチンコ機10では、通常状態において電動役物640aが第2入賞口640に球を案内し難いよう制御される(右打ちを行ったとしても第2入賞口640へと球を入球させにくい)。このため、通常状態において右打ちを行うと、左打ちにより第1入賞口64を狙って球を打ち出す場合に比較して、特別図柄の抽選を受ける機会が少なくなってしまう。即ち、通常状態において右打ちを行うと、大当たりとなりにくくなるので、遊技者にとって損となってしまう。よって、右打ち警告画像を表示させて左打ちを促すことにより、遊技者が損をしてしまうことを防止(抑制)できるように構成している。
通常状態において遊技者が右打ちを行っていると判別した場合には、第3図柄表示装置81に対して、「警告」との文字と、「左打ちで遊技してね!!」との文字とが表示される。これらの文字が表示されることにより、遊技者に対して右打ちをすべきではない(左打ちを行うべきである)と気付かせることができる。また、ホールの店員も右打ち警告画面の有無を確認することにより、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法を実行している遊技者がいるか否かを容易に判別することができる。
本実施形態では、右打ちを行っているか否かの判断方法として、右打ちを行った場合に球が流入し得る普通入賞口(スルーゲート)67(図2参照)に対して球が入球したか否かによって判断する。
本実施形態では、通常状態において普通入賞口(スルーゲート)67(図2参照)に球が入球したことを検出した場合に、右打ち警告画像を表示させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、特定入賞口65aへと球が入賞(入球)したことを検出した場合に、不正遊技(右打ち遊技に限らず、例えば、可変入賞装置65に負荷を与えて特定入賞口65aを開放させ、遊技球を無理やり入球させる遊技態様も含む)が行われていると判別して、右打ち警告画像を表示させるように構成してもよい。これにより、ホールの店員は右打ち警告画像の有無を確認するだけで容易に不正の有無を判別することができる。
また、例えば、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、特定入賞口65aへと球が入球したことを検出した場合に、ホールコンピュータに対して不正が行われていることを示す信号を出力するように構成してもよい。これにより、ホールコンピュータの操作者は容易に不正が行われている可能性の有無、および不正行為が行われているパチンコ機10の台番号(位置)を判断することができる。
また、例えば、可変表示装置ユニット80の右側流路を狭めることで、遊技球が通過せざるを得ない範囲を構成し、その範囲に、遊技球の通過を検出可能な検出センサを配設するようにしても良い。この場合、その検出センサにより遊技球の通過が検出されたことに基づいて、右打ちが行われていると判断することができる。
また、例えば、可変表示装置ユニット80の最上位置(図2における左右中心位置に相当)よりも左側に配置される可動部材(例えば、風車)の変位を検出可能な検出センサを配設しても良い。この場合、遊技球の打ち出しが行われている場合に、予想される動作タイミングを過ぎても可動部材の変位が検出されないことに基づいて、右打ちが行われていると判断することができる。
次に、可変入賞装置65において異常が発生していることを検知した場合に表示される警告画像について説明する。ここで、可変入賞装置65の異常とは、例えば、特別遊技状態(大当たり状態)でないにもかかわらず特定入賞口65aへの入球を検出した場合などが例示される。
可変入賞装置65において異常が発生していると判別した場合は、第3図柄表示装置81の中央部分に「警告」との文字が大きく表示される。また、その下部には、「ゲートエラー係員を呼んで下さい」との文字が表示される。これらの文字により、遊技者は、パチンコ機10においてエラーが発生していると判別することができるので、ホールの店員等に対して迅速に修理等を依頼することができる。
第2図柄表示装置83は、球が普通入賞口(スルーゲート)66,67,765を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通入賞口(スルーゲート)66,67,765を通過したことが検出されると、第2図柄の当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間(変動時間)は、遊技状態が通常状態中よりも、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中の方が短くなるように設定される。これにより、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、普通図柄(第2図柄)の抽選を通常状態中よりも多く行うことができる。よって、普通図柄の当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。従って、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、当たり確率をアップさせたり、電動役物640aの開放時間や開放回数を増やしたりするなど、その他の方法によって第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、通常状態中よりも短く設定する場合は、普通図柄の当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、1回の普通図柄の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
普通入賞口(スルーゲート)66,67は、可変表示装置ユニット80の両側の領域において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤を流下する球の一部が通過可能に構成されている。また、普通入賞口(スルーゲート)765は、経路構成装置700の内部流路を流下する遊技球を検出可能に配設される。
普通入賞口(スルーゲート)66,67,765を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通入賞口(スルーゲート)66,67,765の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。
また、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、ベース板60に配設される普通入賞口(スルーゲート)66,67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、1つでも良いし、その他の複数(例えば、3つ以上)であっても良い。
また、普通入賞口(スルーゲート)66,67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右両側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左右いずれか一方でも良いし、可変表示装置ユニット80の上方や下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチとしてのセンサSEがオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64及び第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると、第1入賞口スイッチとしてのセンサSE又は第2入賞口スイッチ(流下する球が連続で通過することが無いよう配置される各スイッチ)がオンとなることに基づいて5個の球が賞球として払い出される入賞口(賞球口)の1つにもなっている。
なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。また、賞球数や賞球数の大小関係を逆にしても良い。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aはスライド移動可能に構成されており、通常は電動役物640aが非励磁状態(退避状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、電動役物640aが励磁状態(進入状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
なお、上述した通り、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態中に比較して普通図柄の当たり確率が高く、また、普通図柄の変動表示にかかる時間も短いので、普通図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなるようにしても良い。即ち、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常状態中より長くなるようにしても良い。
特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態に比較して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640に設けられているような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として最大の利益(特別遊技状態における賞球個数)が得られる大当たり(大当たりA,a,b,c)となる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物640aが非励磁状態(退避状態)にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物640aのない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが励磁状態(進入状態)となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、電動役物640aが配設される側へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、普通入賞口(スルーゲート)67を通過させて電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の下側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。
パチンコ機10においては、第1入賞口64、または第2入賞口640への入賞に起因して行われた特別図柄の抽選で大当たりになると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させる。加えて、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が報知される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個(規定個数)入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量(本実施形態では、1個の球の入賞に基づき15個)の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板を前後方向に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を後方に退避させ、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左右側や上側でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機1の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114、払出制御装置111および発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)および基板ボックス102(払出制御装置111および発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機1の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113および第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201および払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110および払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110および払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110および払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
図5から図7を参照して、経路構成装置700の全体構成について説明をする。図5は、経路構成装置700の分解正面斜視図であり、図6は、経路構成装置700の部分拡大正面図であり、図7(a)及び図7(b)は、図6のVIIa−VIIa線における経路構成装置700の部分断面図である。
図6では、振分け部材760の内周面、シーソー部材762、連通孔751及び回収孔752の外形が破線で図示される。また、図7(a)では、電動役物640aが後述する第1送球経路KR1から退避している退避状態が図示され、図7(b)では、電動役物640aが第1送球経路KR1に進入している進入状態が図示される。
図5に示すように、経路構成装置700は、遊技盤13のセンターフレーム86の下側に配設され、ベース板60に対して正面側に配置される正面側形成部710と、ベース板60に対して背面側に配置される背面側形成部720と、を主に備えて形成される。
正面側形成部710は、ベース板60の正面側に取着される入賞部材730と、その入賞部材730の左右両側における正面側に配設される屈曲部材740と、を主に備えて形成される。
背面側形成部720は、ベース板60の背面側に取着される介設部材750と、その介設部材750の背面側に配設される振分け部材760と、介設部材750にソレノイド640sが固定配置される電動役物640aと、を主に備えて形成される。
入賞部材730は、ベース板60の板正面に配設され貫通孔60aを覆う形状で薄肉に形成されベース板60に装着される覆設板部711と、その覆設板部711の左右中央位置において前後方向に穿設される上側球通過孔713と、その上側球通過孔713の下側に配置され前後方向に穿設される下側球通過孔714と、覆設板部711の左右方向中央上部に位置する第1入賞口64と、その第1入賞口64の下側(下側球通過孔714の下側)に位置する第2入賞口640と、左右方向両側に位置し前後方向に貫通形成される貫通孔731と、その貫通孔731の下側に位置し前後方向に貫通形成される下側挿通孔732と、右側の下側挿通孔732よりも左側において前後方向に貫通形成される球通過孔734aを有する第1球送球部734と、その第1球送球部734の下縁部右端から右上方向に延びる長孔として前後方向に貫通形成される貫通孔735と、右側の下側挿通孔732よりも右側において前後方向に貫通形成される球通過孔736aを有する第2球送球部736と、上側球通過孔713を基準として第1球送球部734と左右対称に形成される第3球送球部737と、を主に備えて形成される。
貫通孔731は、その内部に後述する屈曲部材740の上側突出部741が挿通される部材であり、上側突出部741の背面視における外形よりも少し大きく開口する正面視略矩形状に形成される。
下側挿通孔732は、背面側に配設される介設部材750の回収孔752と連通される孔であり、介設部材750の回収孔752と対向する位置に形成される。また、下側挿通孔732は、下面側が湾曲される正面視略D字形状に開口される。
下側挿通孔732の背面には、球の通過を検知するセンサSEは配設される。センサSEは、正面視略矩形状に形成されると共に、その側面に球の直径よりも少し大きい直径の貫通孔が形成される部材であり、その貫通孔の内部を球が通過することで球の通過を検出することができる。センサSEは、貫通孔の軸が下側挿通孔732の下面側の円弧軸と同軸上に位置して配設される。これにより、貫通孔の開口方向を背面側に向かうに従って少し下方に傾斜する様態とすることができるので、センサSEの貫通孔内部を通過する球が貫通孔の内側に留まることを抑制できる。
第1球送球部734は、介設部材750の第1傾斜溝755の上流側端部に連通される位置に配置される球通過孔734aと、その球通過孔734aの正面視U字形状の縁部が正面側に突設される突設縁部734bと、その突設縁部734bの下流側部において球経路側に突設され、その突設先端が背面側へ傾斜する形状であることから流下してきた球を背面側に送球可能とされる下流側送球部734cと、を備える。
貫通孔735は、移動板部材641が前後方向に挿通可能な形状から形成される。即ち、移動板部材641の右側案内部643及び左側案内部645とそれらを連結する連結部との正面視における外形よりも若干大きな形状で形成される。
これにより、移動板部材641の退避状態では、貫通孔735により移動板部材641の前端部が支持され、移動板部材641の進入状態では、貫通孔735により移動板部材641の後端側が支持されることで、移動板部材641の配置を安定させることができる。
第2球送球部736は、介設部材750の第2傾斜溝757の上流側端部に連通される位置に配置される球通過孔736aと、その球通過孔736aの正面視U字形状の縁部が正面側に突設される突設縁部736bと、その突設縁部736bの下流側部において球経路側に突設され、その突設先端が背面側へ傾斜する形状であることから流下してきた球を背面側に送球可能とされる下流側送球部736cと、を備える。
第3球送球部737は、第1球送球部734の左右対称に形成される一方で、電動役物640aにより遊技球が案内されるようには構成されていない。左方向からの球の入球を許容する形状であり、球の入球の頻度を少なくすることができる。第3球送球部737は一般入賞口63(図2参照)と同様の機能を有している。即ち、球の入球により、5個〜15個の球が賞球として払い出される。なお、第3球送球部737への入球が稀なことから、入球した場合の遊技者の利益の最大化を図るために、賞球個数は最大(15個)で設定される。
屈曲部材740は、上述した入賞部材730の貫通孔731と下側挿通孔732との正面側に配設される部材であり、正面視におけるベース板60(図2参照)の左右方向略中央位置を対称に2つ配設され、その外形形状は概略左右対称に形成される。
また、屈曲部材740は、正面視において、遊技領域を形成する内レール61(図2参照)との間に、球が通過可能な大きさの隙間が形成される位置に配置される。これにより、屈曲部材740の下側の遊技領域を流下する球が、屈曲部材740と内レール61との間に挟まれて遊技領域に留まることが抑制される。
屈曲部材740は、正面視略矩形の板状体から形成され、その背面から突出する上側突出部741と、その上側突出部741よりも下方から突出する下側突出部743と、上側突出部741及び下側突出部743の対向間に形成される開口744と、を備えて形成される。
上側突出部741は、背面視において下側が開放する略U字形状に形成され、その外形が、入賞部材730の貫通孔731の内形よりも少し小さく設定される。これにより、屈曲部材740を入賞部材730に配置する際には、上側突出部741を貫通孔731の内部に挿入して配設できる。よって、屈曲部材740を入賞部材730へ配置する際には、上側突出部741を挿入して位置決めすることができるので、その組み付け工程を簡易にできる。
下側突出部743は、上側突出部741の下側に形成されると共に、上側が開放される背面視略U字形状に形成される。即ち、背面視すると、上側突出部741と下側突出部743との互いの開放部分が上下方向に対向する様態に形成される。
下側突出部743は、入賞部材730の貫通孔731から屈曲部材740側に送球される球を入賞部材730の下側挿通孔732に送球するための経路(以下、「第2送球経路KR2」と称す)を形成するための部材であり、下側挿通孔732と前後方向に対向する位置に形成される。
下側突出部743の背面側への突出距離は、球の直径よりも大きい寸法に設定される。また、下側突出部743の突出先端面が入賞部材730と当接した状態で屈曲部材740が入賞部材730に配置される。よって、屈曲部材740と入賞部材730との対向間の距離寸法が球の直径よりも大きくされ、屈曲部材740と入賞部材730との対向間に球が鉛直方向に送球される送球路(以下、「第1送球経路KR1」と称す)が形成される。
屈曲部材740には、上側突出部741の上部内面から下側突出部743の下部内面に亘って突出する案内部742が形成される。案内部742は、側面視において背面側が開放される略U字形状に突出される。
案内部742は、入賞部材730の貫通孔731から屈曲部材740(第1送球経路KR1)に送球される球を鉛直方向に送球した後に、入賞部材730の下側挿通孔732に送球する突壁であり、下側の内縁部の上下方向高さは、背面に配置される下側挿通孔732の下側の内縁部の高さよりも少し小さく形成される。
案内部742は、背面側に配置される貫通孔731の正面視における左右方向中央線に沿って形成される。これにより、案内部742と当接して案内(背面側に折り返し)されるので、球を容易に左右方向に位置ずれさせることができる。
開口744は、上側突出部741と下側突出部743との対向間に形成される所定の隙間であり、背面視における左右方向両側に形成される。また、開口744は、側面視において、背面側が開放する略U字形状に形成される。
開口744は、背面側端部の上端の高さが、同じ前後位置の案内部742の先端側部と略同一の上下方向高さに設定されると共に、背面側端部の下端の高さが、移動板部材641の右側案内部643の下側面と略同一の上下方向高さに設定される。開口744は、第1送球経路KR1と第4送球経路KR4との連結部分の左右方向の側面に開口して形成される。
振分け部材760は、正面視横長矩形に形成されると共に、正面側が開放された箱状体に形成される。また、振分け部材760は、正面視において左右方向略中央位置で屈曲されており、左右方向略中央位置から左右方向外側に向かうに従って下側に傾斜して形成される。また、振分け部材760の左右方向の両端部は、上述した入賞部材730の貫通孔731と対向する位置に設定される。
振分け部材760は、正面視における左右方向中央位置から左右両側へ向けて下方傾斜する一対の傾斜面761と、その互いの傾斜面761の中央に配置されるシーソー部材762と、シーソー部材762の上方に形成される送球口763と、シーソー部材762の回転を規制するための規制壁部764と、右側の傾斜面761に案内される球が通過可能な位置に配設される普通入賞口(スルーゲート)765と、を主に備えて形成される。
一対の傾斜面761は、左右反対方向に延びる傾斜面であって、水平面に対する傾斜角度が左右対称となるように形成される。なお、本実施形態では、上流側において若干急な傾斜角度となる領域を設け、その下流側において傾斜角度が緩やかとなる領域の傾斜角度が水平面に対して5度で形成される。
送球口763は、振分け部材760の正面側に開口を形成するための部材であり、入賞部材730の第1入賞口64と対向する位置に形成される。これにより、振分け部材760が後述する介設部材750に配設されると、送球口763と介設部材750との対向間に空間を形成することができる。
その空間は、球の外径よりも大きい空間(即ち、球が通過可能な空間)に形成されると共に、ベース板60に穿設された貫通孔60bを介して入賞部材730の第1入賞口64の内部空間と連結される。これにより、第1入賞口64に入賞される球を送球口763と介設部材750との対向間の空間に送球して、その空間の内部を送球させることができる。
軸部762bは、シーソー部材762を軸周りに回転させるための軸支部であり、円柱形状に形成されると共に、シーソー部材762の円環内側に挿通される。この状態で、軸部762bが、介設部材750と振分け部材760との間に挟持されることで、シーソー部材762は軸部762bを軸に回転可能に配置される。
突起762aは、上述した送球口763と介設部材750との対向間の空間から球が送球される際に、球を左右の傾斜面761に交互に一球ずつ振り分けるための突起であり、中央部の突起762aの先端が位置する方向と左右方向反対側に球が送球される。両端に突設される突起762aは、シーソー部材762の変位を規制すると共に、球の通過した際にかかる重みにより、中央部の突起762aの先端が位置する方向を変位させる(シーソー部材762を回転させる)部材であり、突起762aの先端面と規制壁部764とが当接することでシーソー部材762の回転が規制される。
一方、規制壁部764と当接していない突起762aは、球が中央部の突起762aに案内されると、案内された球がその突起762aと衝突して下方に押し下げられる。これにより反対側の突起762aが上方に変位されると共に、下方に変位された突起762aの先端が規制壁部764と当接してその変位が規制される。
傾斜面761は、上述したシーソー部材762によって左右に振り分けられた球が転動して送球される経路(以下、「第3送球経路KR3」と称す)の転動面であり、振分け部材760の左右方向中央位置から外側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、振分け部材760のシーソー部材762によって左右に振り分けられた球は、傾斜面761上を転動されて、傾斜面761の下降側の端部に送球(転動)される。
傾斜面761の下降側の端部には、その端部に向かうに従って、背面側の側面が前方に厚みを増すように介設部材750へ近接する方向へ傾斜して形成される。これにより、傾斜面761を転動してその端部まで送球された球を、振分け部材760の前方に配設される介設部材750の連通孔751に送球することができる。
普通入賞口(スルーゲート)765は、介設部材750と振分け部材760との間に配設され、介設部材750と振分け部材760とが連結固定されることで内側に固定配置される。
普通入賞口(スルーゲート)765の球通過孔の内側面であって、傾斜面761に沿う側の面が、傾斜面761の上面と面位置となるように、普通入賞口(スルーゲート)765の配置は設計される。
これにより、球が普通入賞口(スルーゲート)765を通過する際に、球に与えられる抵抗を最小限に抑えることができ、普通入賞口(スルーゲート)765が配設される右側の傾斜面761を流下する球と、普通入賞口(スルーゲート)765が配設されていない左側の傾斜面761を流下する球との、流下速度を均一化することができる。
普通入賞口(スルーゲート)765の機能は、上述した普通入賞口(スルーゲート)66,67と共通である。即ち、普通入賞口(スルーゲート)765は、球が通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる検出口としての機能を有する。
また、第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入賞口(スルーゲート)765を通過すると、その通過回数は、普通入賞口(スルーゲート)66,67の通過回数と共同で最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。
なお、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
第2図柄表示装置83は、球が普通入賞口(スルーゲート)66,67,765を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通入賞口(スルーゲート)66,67,765を通過したことが検出されると、第2図柄の当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
介設部材750は、屈曲部材740と振分け部材760との前後間に介在する部材であって、正面視横長矩形状に形成されると共に、正面視における左右方向の中央下部に上述した可変入賞装置65と、左右両側に前後方向に貫通される連通孔751と、その連通孔751の下側に開口される回収孔752と、連通孔751及び回収孔752の間で前後方向に左右長尺の形状で貫通形成される支持凹部753と、左右中央位置を下流側端部として正面視左側へ向かって下降傾斜する直線状の第1傾斜溝755と、その第1傾斜溝755の下方において左右中央位置を下流側端部として正面視左側へ向かって下降傾斜する直線状の第2傾斜溝757と、その第2傾斜溝757の下方に配置される第2回収孔758と、を主に備えて形成される。
連通孔751は、振分け部材760の左右両端部の正面側に形成されると共に、入賞部材730の貫通孔731の背面側に形成される。よって、振分け部材760の左右両端部の空間と、入賞部材730の貫通孔731の内部空間とが連通孔751を介して連結される。従って、上述した振分け部材760の傾斜面761の上部を転動する球を、連通孔751を通過させて、入賞部材730の貫通孔731に送球する経路(以下、「第4送球経路KR4」と称す)を形成することができる。
回収孔752は、上述したように、入賞部材730の下側挿通孔732の背面側に開口形成される開口である。即ち、回収孔752は、センサSEの背面側に連結されており、センサSEを通過する球が、その回収孔752の開口に送球される。回収孔752は、店舗に設置される球を循環する装置に連結されており、回収孔752に回収された球は、循環装置により循環されて遊技球として再び球発射ユニット112aから打出しされる。
支持凹部753は、移動板部材641の右側案内部643が前後方向に移動するために十分な空間を確保するために形成される凹設溝部である。右側案内部643の下面と上下方向で対向する支持凹部753の下底面は、左右方向に水平な平面形状で形成される。また、右側案内部643の上面と上下方向で対向する支持凹部753の上天面は、傾斜面643aと同様の傾斜角度の平面形状で形成される。
即ち、支持凹部753は、左側から右側へ凹設されており、左側が広く右側が狭い楔形状に形成され、機能的には、正面視における右側案内部643の上下幅よりも若干大きな上下幅(若干大きな楔形状)から形成される。
これにより、移動板部材641の利用において、前後方向にスライド移動させる際には、右側案内部643が支持凹部753の内側を案内されることになるので移動をスムーズに実行することができ、右側案内部643を第1送球経路KR1に進入させて流下してきた球を受け止める際には、支持凹部753の下底面により右側案内部643を下支えすることができる。即ち、支持凹部753は、移動板部材641の移動を円滑にさせる効果と、移動板部材641の上下位置を安定させる効果とを奏する。
第1傾斜溝755は、上流側端部が球通過孔734aに連通する位置に配設され、下流側端部に到達した球を正面側形成部710の上側球通過孔713を通して正面側に送球可能な形状で構成される。
第2傾斜溝757は、上流側端部が球通過孔736aに連通する位置に配設され、下流側端部に到達した球を正面側形成部710の下側球通過孔714を通して正面側に送球可能な形状で構成される。
本実施形態では、第1傾斜溝755及び第2傾斜溝757は、直線状溝形状で形成され、各溝が沿う直線が互いに平行となる関係で形成される。
第2回収孔758は、第2入賞口640に入球した球が送球される開口であり、第2入賞口スイッチ(図示せず)よりも上流側に配設される。第2回収孔758は、店舗に設置される球を循環する装置に連結されており、第2回収孔758に回収された球は、循環装置により循環されて遊技球として再び球発射ユニット112aから打出しされる。
上側球通過孔713と下側球通過孔714とは、鉛直方向に沿う直線上に並べられ、その同一直線上における下側球通過孔714の下側に第2入賞口640が配置される(図6参照)。
そのため、上側球通過孔713を通して正面側に送球された球は下側球通過孔714の正面側を通過して第2入賞口640に入球する。また、下側球通過孔714を通して正面側に送球された球は、上側球通過孔713から正面側に送球された球の流下経路と合流し、第2入賞口640に入球する。
球の流下経路の合流位置において、上側球通過孔713から流下する球の流下方向は鉛直方向となっており、合流位置における落下速度を大きくすることができるので、上側球通過孔713及び下側球通過孔714から案内された球が合流位置に同時に到達したとしても、上側球通過孔713から流下する球を勢いで下方に通過させることができるので、球詰まりが生じることを回避し易い。
また、下側球通過孔714の左右縁部から正面側に延設される壁部714aにより、合流位置から球が左右に逸れることを防止し易くすることができる。また、壁部714aは、左右外側から第2入賞口640へ球が入球することを防止するようにも作用する。
上側球通過孔713の左右縁部および上側縁部から正面側に延設される壁部713aにより、上側球通過孔713から正面側に送球された直後の球に対して、ベース板60の正面側を流下してきた球が衝突することを防止することができる。また、壁部713aは、ベース板60の正面側を流下してきた球が第2入賞口640側へ向けて流下することを妨げるようにも作用する。
電動役物640aは、介設部材750に固定配置されるソレノイド640sと、そのソレノイド640sと連動可能に連結され、ソレノイド640sの駆動により前後方向にスライド移動する移動板部材641と、を備える。
移動板部材641は、ソレノイド640sの駆動力が伝達される板状部であって上下方向に延設される伝達板部642と、その伝達板部642の正面側端部に配設され正面側に突設形成される左側案内部645と、その左側案内部645の右方に延設される右側案内部643と、を備える。
右側案内部643は、球の転動面となる上面が右側へ向けて下降傾斜する傾斜面643aとして形成され、正面視で連通孔751と回収孔752との間に配設される。
左側案内部645は、球の転動面となる上面が左側へ向けて下降傾斜する傾斜面645aとして形成され、正面視で屈曲部材740と第1球送球部734とを繋ぐように配設される。傾斜面645aの下流側端部の上面は、第1球送球部734の突設縁部734bの下側端部の上面と面位置となるよう配置される。
第1送球部734の突設縁部734bが上方に開放された皿状ではなく、開放側は右側に向けられることで上側に蓋がある形状となっているので、左側案内部645で転動する球の受入をスムーズに行いながら、左側案内部645で跳ねた球や、第1送球部734に上側から到達するような経路で流下する球が、球通過孔734aに飛び込み入球することは生じ難いようにすることができる。なお、突設蓋部734bの形状を皿状に形成して、上側からの球の飛び込みを可能とする形状を採用しても良い。
なお、左側案内部645に着地した球であっても、跳ね返りが収まるまでは第1送球部734に入りにくい。そのため、左側案内部645での跳ね返りを小さくする構成を採用することが好ましい。
例えば、左側案内部645の上方において球と衝突可能な釘を密に配置したり、覆設板部711の正面側に突設される減速凸部を複数配置したりすることで、球の流下の勢いを予め落とすようにしても良い。また、傾斜面645aにクッション性の高いシート部材を貼り付けるようにして、球のバウンドを抑制するようにしても良い。
移動板部材641は、ソレノイド640sが非励磁とされる非励磁状態では、第1送球経路KR1から退避する退避状態とされ(図7(a)参照)、ソレノイド640sの励磁状態(駆動力が生じている状態)では、第1送球経路KR1に進入する進入状態とされる(図7(b)参照)。
以上のように構成される経路構成装置700により、遊技球が次のように送球される。第1入賞口64から入る球は、振分け部材760に送球されて振分け部材760のシーソー部材762により左右方向どちらか一方の第3送球経路KR3に送球される。第3送球経路KR3を送球される球は、その第3送球経路KR3の端部まで送球されると、正面側に配置される介設部材750の連通孔751の内部の第4送球経路KR4に送球される。第4送球経路KR4を送球される球は、屈曲部材740の背面側の第1送球経路KR1に送球される。第1送球経路KR1を送球される球は、屈曲部材740の下側突出部743に案内されて第2送球経路KR2に送球される。第2送球経路KR2を送球される球は、入賞部材730の下側挿通孔732を通過して介設部材750の回収孔752に送球され、センサSEの内部を通過する。
第4送球経路KR4から第1送球経路KR1に送球される球は、ベース板60の正面側へ向けて流下することになり、その球は、遊技者視線で遊技者に近づいてきているように見える。これにより、遊技領域を下方に流下する他の遊技球との流下態様の違いが明確化されるので、第4送球経路KR4から第1送球経路KR1に送球される球の存在感を高めることができる。
次いで、図8及び図9を参照して、球の流下態様の設定について説明する。図8(a)、図8(b)、図9(a)及び図9(b)は、図6の範囲VIIIaにおける経路構成装置700の部分正面図である。
図8(a)、図8(b)、図9(a)及び図9(b)では、第1入賞口64に3個の球P1〜P3が間を空けずに連続で入球した場合における流下態様が、0.5秒間隔の時系列で図示される。
即ち、図8(a)の状態から0.5秒後の状態として図8(b)が図示され、図8(b)の状態から0.5秒後の状態として図9(a)が図示され、図9(a)の状態から0.5秒後の状態として図9(b)が図示される。なお、一例として、図8(a)では、中央部の突起762aの先端が左側を向いた状態が図示される。
図8(a)に図示するように、球P1が中央部の突起762aに案内されると、案内された球P1が両端部の突起762aの一方と衝突して下方に押し下げられる。これにより反対側の突起762aが上方に変位されると共に、下方に変位された突起762aの先端が規制壁部764と当接してその変位が規制される(図8(b)参照)。
この状態で、シーソー部材762を押し下げた球P1は右側へ向けて流下しており、同時に次の球P2が中央部の突起762aに案内される。この時、球P2が中央部の突起762aに到達すると同時に、先にシーソー部材762を押し下げた球P1は普通入賞口(スルーゲート)765を通過する(図8(b)参照)。
球P2は、シーソー部材762によって左側へ向けて流下され、同時に次の球P3が中央部の突起762aに案内される。この時、球P3が中央部の突起762aに到達すると同時に、球P1は右側案内部643の下側に配置される(図9(a)参照)。その後、球P3は、シーソー部材762によって右側へ向けて流下される(図9(b)参照)。
このように、本実施形態では、普通入賞口(スルーゲート)765の配置が電動役物640aの配置との関係で規定されている。即ち、球P1が普通入賞口(スルーゲート)765を通過してから、右側案内部643の下側に配置されるまでの間に、次の球P3が普通入賞口(スルーゲート)765に到達しないように設計されている。
ここで、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されると、予め設定されている作動パターンに基づいて電動役物640aの動作が実行される。電動役物640aの動作は、作動パターンの途中で割り込みが生じるというものではない。作動パターンに基づく電動役物640aの動作が継続されている時に普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されたとしても、その検出に因る電動役物640aの動作の実行は、現在実行されている作動パターンに基づく電動役物640aの動作が完了するまで保留される。
そのため、球の流下時間を基準として普通入賞口(スルーゲート)765を通過した球へ影響を与えられるように電動役物640aの作動パターンを設定しても、電動役物640aの動作の実行が保留される事態が生じると、普通入賞口(スルーゲート)765を通過した球へ与える影響が予想外のものになる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、球が右側案内部643に到達するまでの時間幅で電動役物640aの作動パターンを設定するという前提において、次の球P3が普通入賞口(スルーゲート)765に検出される時まで、先の球P1が普通入賞口(スルーゲート)765に検出されたことに伴う電動役物640aの動作が継続されている事態を回避することができる(事前に電動役物640aの動作が終了する)。
従って、球の通過が普通入賞口(スルーゲート)765で検出されたら、電動役物640aの動作の実行が保留されることなく即座に、予め設定されている作動パターンに基づいて電動役物640aの動作を実行させることができる。これにより、普通入賞口(スルーゲート)765を通過した球へ与える影響が予想外のものになる可能性を低くすることができる。
図10(a)、図10(b)、図11(a)及び図11(b)は、図6の範囲VIIIaにおける経路構成装置700の部分正面図である。図10(a)及び図10(b)と、図11(a)及び図11(b)とでは、右側の傾斜面761を球が流下する様子の異なる一例が、時系列で図示される。
即ち、図10(a)では、球が普通入賞口(スルーゲート)765を通過している状態が図示され、図10(b)では、球の通過時に移動板部材641が第1送球経路KR1から退避した退避状態(図7(a)参照)で維持され、球が回収孔752に案内されている状態が図示される。
また、図11(a)では、球が普通入賞口(スルーゲート)765を通過している状態(図10(a)と同様の状態)が図示され、図11(b)では、球の通過直前に移動板部材641が第1送球経路KR1に進入する進入状態とされ(図7(b)参照)、球が第2球送球部736側に案内される状態が図示される。
なお、図11(b)において移動板部材641にドットが描画されているのは、移動板部材641が正面側にスライド移動しており手前側を球が通過することを許容しない状態であることを模式的に示すものである。
ここで、移動板部材641は、ソレノイド640sが非励磁とされる非励磁状態では、第1送球経路KR1から退避する退避状態とされ(図7(a)参照)、ソレノイド640sの励磁状態(駆動力が生じている状態)では、第1送球経路KR1に進入する進入状態とされる(図7(b)参照)から、非励磁状態では、正面視で移動板部材641の上面に到達した球は移動板部材641の正面側を通過して下方向に流下する一方で、励磁状態では、正面視で移動板部材641の上面に到達した球は移動板部材641の傾斜面643a又は傾斜面645aを転動して左右方向に流下する。
例えば、図11(b)に示す矢印に沿って流下する。詳述すれば、移動板部材641の励磁状態において、第1送球経路KR1に到達した球は傾斜面643aの上面を転動して開口744を通過後落下して第2球送球部736に受け入れられる。
なお、移動板部材641の励磁状態において、右側の屈曲部材740と第1球送球部734との間を流下しようとする球は傾斜面645aの上面を転動して球通過孔734aに案内され、第2入賞口640に入球することになる。
図12は、図2の範囲XIIにおける遊技盤13の部分正面図である。図12では、ソレノイド640sが励磁状態とされ移動板部材641の進入状態が図示されている。
上述したように、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765の機能は共通であるので、経路構成装置700に入球した球が普通入賞口(スルーゲート)765を通過することに因る場合に限らず、上述の右打ち遊技を行う場合に、球が普通入賞口(スルーゲート)67を通過することに因っても電動役物640aは作動する。
この場合、右打ち遊技で発射された遊技球は第1入賞口64に案内される球よりも右側の屈曲部材740の天井面に到達する球の方が多くなるので(約10倍となるので)、移動板部材641の進入状態において、球は、電動役物640aの右側案内部643よりも左側案内部645に到達し易い。
左側案内部645に到達した球は、流下して第1球送球部734に到達するまでソレノイド640sが励磁状態で維持されていれば第2入賞口640に入球することになり、第1球送球部734に到達する前にソレノイド640sが非励磁状態に切り替えられたとしても、その真下に流下するだけであり、球が回収孔752に案内されることは無い。即ち、球が左側案内部645に到達した球により特別図柄1の抽選を獲得する事態を防止することができる。
進入状態における左側案内部645に到達した球は、着地位置に関わらず約1.0秒あれば、第1球送球部734に受け入れられる。一方で、0.5秒等のごく短い時間で移動板部材641が退避状態に変化する場合には、進入状態における左側案内部645の左端付近に球が着地した場合であっても、第1球送球部734への入球が阻害される可能性がある。
そのため、第1入賞口64に入球せずに流下する球が、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765での球の検出による抽選の結果動作されて進入状態とされる左側案内部645にタイミングよく到達した場合に、その球が第1球送球部734に受け入れられるかどうかは、電動役物640aの作動態様による。
特に、通常状態における作動パターン(後述する第4の作動パターン)では、移動板部材641が進入状態とされる期間が0.5秒よりも短いため、球が第1球送球部734に受け入れられる確率は極端に低くされている。
第1入賞口64に入球した球においては、第1送球経路KR1に到達したタイミングで移動板部材641が進入状態であれば、右側案内部643に案内されて最終的に第2入賞口640に入球することになるので、センサSE(図7(b)参照)を通過することはなく、特別図柄1の抽選を獲得する事態を防止することができる。一方で、球が第1送球経路KR1に到達したタイミングで移動板部材641が退避状態であれば、第2送球経路KR2に案内されてセンサSEを通過することから、特別図柄1の抽選を獲得することになる。
このように、本実施形態の電動役物640aによれば、球が右側案内部643に到達し得る経路(第1入賞口64に入球した後の経路)で流下するか、左側案内部645に到達し得る経路で流下するか、によって、その球による特別図柄1の抽選の獲得の可能性(特別図柄2の抽選の獲得の可能性)を異ならせることができる。
また、右側案内部643へは、球が間隔をあけて到達することは上述した通りであるが、左側案内部645へは、シーソー部材762の作用で間隔が空けられるものではないので、普通入賞口(スルーゲート)67側を流下した複数の球が同時に到達し得る。従って、左側案内部645は、右側案内部643に比較して丈夫に形成しておくことが好ましい。
そのため、本実施形態では、左側案内部645を伝達板部642(図5参照)に配設させるという構成を採用している。即ち、ソレノイド640sに近い側(駆動力伝達経路の上流側)である伝達板部642に左側案内部645を配設させることで、左側案内部645の姿勢変化を抑制するようにしている。これにより、左側案内部645に複数の球が乗ることで重みがかけられた場合であっても、左側案内部645が過度に姿勢変化して移動板部材641の動作抵抗が上昇することを避けることができる。
なお、左側案内部645を丈夫に形成する手段は、上述したものに限られるものではない。例えば、左側案内部645の板厚を右側案内部643の板厚よりも厚く形成しても良いし、左側案内部645の下部と伝達板部642とを連結するリブを形成しても良い。
図13を参照して、ROM202(図4参照)の内容について説明する。図13(a)は、主制御装置110内のROM202の電気的構成を示すブロック図であり、図13(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、図13(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
図13(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202aは、定期的(例えば、2msecごと)に更新される第1当たり乱数カウンタの大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタの値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図13(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図13(b)の202b1参照)。
大当たりAとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物640aの作動パターンが後述する第1の作動パターンに設定される状態が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜49」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている(図13(b)の202b2参照)。
大当たりBとなった場合は、8ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物640aの作動パターンが後述する第2の作動パターンに設定される状態が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている(図13(b)の202b3参照)。
大当たりCとなった場合は、4ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が低確率状態とされ、電動役物640aの作動パターンが後述する第2の作動パターンに設定される状態が、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、20%の確率で15ラウンドの大当たりを獲得できる一方、50%の確率で4ラウンドの大当たりとなるので、基本的には、大量の賞球を期待することはできない。一方で、4ラウンドの大当たり遊技は、15ラウンドの大当たり遊技に比較して短時間で終了するので、その後の大当たりの獲得を狙うための球の打ち出しを、早期に開始することができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、大当たりaが対応付けられて規定されている(図13(b)の202b4参照)。
大当たりaとなった場合は、大当たりAの時と同様に、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物640aの作動パターンが後述する第1の作動パターンに設定される状態が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜49」の範囲には、大当たりbが対応付けられて規定されている(図13(b)の202b5参照)。
大当たりbとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物640aの作動パターンが後述する第1の作動パターンに設定される状態が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、大当たりcが対応付けられて規定されている(図13(b)の202b6参照)。
大当たりcとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が低確率状態とされ、電動役物640aの作動パターンが後述する第3の作動パターンに設定される状態が、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、大当たり種別に関わらず15ラウンドの大当たり遊技を実行可能である一方で、大当たり遊技終了後の電動役物640aの作動パターンの振分けが特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合と異なるように設定される。特に、大当たりcで違いが顕著となるが、詳細は後述する。
第2当たり乱数テーブル202c(図13(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図13(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図13(c)の202c2参照)。
本実施形態のパチンコ機10では、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。変動パターン選択テーブル202dは、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタの判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。
図14(a)から図14(d)は、普通入賞口(スルーゲート)765における球の通過の検出と、電動役物640aの状態の計時変化の一例を示した図である。なお、図14(a)では、第1の作動パターンにおける計時変化が図示され、図14(b)では、第2の作動パターンにおける計時変化が図示され、図14(c)では、第3の作動パターンにおける計時変化が図示され、図14(d)では、第4の作動パターンにおける計時変化が図示される。
なお、第4の作動パターンは、通常中や、大当たりC,c(図13(b)参照)の終了後に特別図柄の抽選が100回終了した後において採用される作動パターンである。
図14(a)から図14(d)では、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されたことによる第2図柄の変動表示がされ(本実施形態では約0.1秒後)、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出された時を基準とする電動役物640aの各作動パターンの内、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから基準時間Td1(本実施形態では約0.5秒)の時間長さにおける電動役物640aの状態の意味について詳述する。
基準時間Td1の長さは、球が普通入賞口(スルーゲート)765を通過してから右側案内部643を通過するまでの時間に該当する時間として設定されている。
図14(a)に示すように、第1の作動パターンでは、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765で球の通過が検出されてから、第2図柄の変動表示の終了後(普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから0.1秒経過後)において基準時間Td1に亘って電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した進入状態(図において、「進」とも示す。以降の図において同様である)で維持される。
第1の作動パターンでは、基準時間Td1を超えて、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから約3.0秒後まで電動役物640aが第1送球経路KR1に進入した状態が維持される(普通図柄の変動終了までに約3.0秒経過する)。
これにより、右打ちの実行により普通入賞口(スルーゲート)67により球の通過が検出される場合に、左側案内部645に到達した球を第1球送球部734に案内するのに十分な長さで移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態を維持することができる。これにより、球を第2入賞口640に入球させ易くすることができる。
加えて、普通入賞口(スルーゲート)765で通過が検出された球が右側案内部643を通過する前に移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態にすることができるので、球を右側案内部643の上面で転動させ、右側に流すことで第2球送球部736に案内し易くすることができる。
これにより、第1入賞口64に入球した球の内、シーソー部材762によって右側に流された球が、センサSEに検出され特別図柄1の抽選を獲得する事態に比較して、第2入賞口640に入球され特別図柄2の抽選を獲得する事態の方が、生じ易くすることができる。
図14(b)に示すように、第2の作動パターンでは、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765で球の通過が検出されてから、基準時間Td1の経過直前に電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態に変化し、基準時間Td1の経過直後に電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1から退避した退避状態(図において、「退」とも示す。以降の図において同様である)に変化する。
第2の作動パターンでは、基準時間Td1を超えて、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから約1.0秒後まで電動役物640aが第1送球経路KR1に進入した状態が維持される(普通図柄の変動終了までに約1.0秒経過する)。
これにより、右打ちの実行により普通入賞口(スルーゲート)67により球の通過が検出される場合に、左側案内部645に球が到達した場合であっても、球を第1球送球部734に案内するのに十分な長さで移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態を維持するとは言えないため、右打ち遊技で球を第2入賞口640に入球させ易くすることはできない。
一方、普通入賞口(スルーゲート)765で通過が検出された球が右側案内部643を通過する前に移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態にすることができるので、球を右側案内部643の上面で転動させ、右側に流すことで第2球送球部736に案内し易くすることができる。球が右側案内部643に到達してから0.5秒間は、移動板部材641が進入状態に維持されるので、球を第2球送球部736側へ安定して送球することができる。
これにより、第1入賞口64に入球した球の内、シーソー部材762によって右側に流された球が、センサSEに検出され特別図柄1の抽選を獲得する事態に比較して、第2入賞口640に入球され特別図柄2の抽選を獲得する事態の方が、生じ易くすることができる。
図14(c)に示すように、第3の作動パターンでは、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765で球の通過が検出されてから、第2図柄の変動表示の終了後(普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから0.1秒経過後)、電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態で維持され、基準時間Td1の経過直前に電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1から退避した状態(図において、「退」とも示す。以降の図において同様である)に変化し、基準時間Td1の経過直後に電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態に変化する。
第3の作動パターンでは、基準時間Td1経過後において、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから約3.0秒間に到達するまで電動役物640aが第1送球経路KR1に進入した状態が維持される(普通図柄の変動終了までに約3.0秒経過する)。
これにより、右打ちの実行により普通入賞口(スルーゲート)67により球の通過が検出される場合に、左側案内部645に到達した球を第1球送球部734に案内するのに十分な長さで移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態を維持することができる。これにより、球を第2入賞口640に入球させ易くすることができる。
一方、普通入賞口(スルーゲート)765で通過が検出された球が右側案内部643を通過する前に移動板部材641が第1送球経路KR1から退避した状態にすることができるので、球を右側案内部643の上面で転動させ、右側に流すことで第2球送球部736に案内する事態の発生を抑えることができる。
これにより、第1入賞口64に入球した球の内、シーソー部材762によって右側に流された球が、センサSEに検出され特別図柄1の抽選を獲得する事態に比較して、第2入賞口640に入球され特別図柄2の抽選を獲得する事態の方が、生じ難くすることができる。
なお、シーソー部材762によって右側に流された球が普通入賞口(スルーゲート)765に検出されるタイミングで普通図柄(第2図柄)の変動が継続中であった場合には、その球が第1送球経路KR1に到達する際に電動役物640aが進入状態とされることは生じ得る。この場合は、シーソー部材762により右側に流された球が第2入賞口640に入球され、特別図柄2の抽選を獲得することができる。
図14(d)に示すように、第4の作動パターンでは、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765で球の通過が検出されてから、電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1から退避した退避状態で維持され、移動板部材641が進入状態に変化した後、基準時間Td1の経過直前に再び電動役物640aの移動板部材641が退避状態に変化する。第4の作動パターンでは、基準時間Td1で制御が完結する(普通図柄の変動終了までに約0.5秒経過する)。
これにより、右打ちの実行により普通入賞口(スルーゲート)67により球の通過が検出される場合に、左側案内部645に球が到達した場合であっても、球を第1球送球部734に案内するのに十分な長さで移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態を維持するとは言えないため、右打ち遊技で球を第2入賞口640に入球させ易くすることはできない。
一方、普通入賞口(スルーゲート)765で通過が検出された球が右側案内部643を通過する前に移動板部材641が第1送球経路KR1から退避した状態にすることができるので、球を右側案内部643の上面で転動させ、右側に流すことで第2球送球部736に案内する事態の発生を抑えることができる。
これにより、第1入賞口64に入球した球の内、シーソー部材762によって右側に流された球が、センサSEに検出され特別図柄1の抽選を獲得する事態に比較して、第2入賞口640に入球され特別図柄2の抽選を獲得する事態の方が、生じ難くすることができる。即ち、第1入賞口64に複数の球が入球した場合に、特別図柄1の抽選が繰り返し獲得されるよう構成することができる。
以上詳述した各作動パターンによれば、特別図柄1又は特別図柄2の抽選の獲得により大当たりの獲得を目指す遊技状態において、異なる態様における特別図柄の抽選の獲得パターンを作ることができる。
例えば、第1の作動パターン及び第3の作動パターンでは、右打ち遊技において特別図柄2の抽選の獲得を目指すことができるので、第3図柄表示装置81において上述した「右打ちナビ」を表示することが好ましい。
更に、第1の作動パターンでは、移動板部材641が第1送球経路KR1に進入している状態(図7(b)参照)で維持される期間が長く、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから基準時間Td1経過時において移動板部材641が第1送球経路KR1に進入している状態とされるので、第1入賞口64に入球した場合であっても、シーソー部材762で右側に流された球の一部で特別図柄2の抽選を獲得することができる。これにより、右打ち遊技中に第1入賞口64に球が入球した場合に遊技者が受ける不利益を低く抑えることができる。
一方、第3の作動パターンでは、移動板部材641が進入状態(図7(b)参照)で維持される期間が長いが、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから基準時間Td1経過時において移動板部材641が第1送球経路KR1から退避している退避状態とされるので、普通入賞口(スルーゲート)765での球の通過と同時に普通図柄(第2図柄)の変動が開始される場合において、その球は移動板部材641の正面側を通過して、センサSEに案内される。
即ち、第1入賞口64に入球した場合に、シーソー部材762で右側に流された球で特別図柄2の抽選を獲得する可能性を低くすることができる。これにより、右打ち遊技中に第1入賞口64に球が入球した場合に遊技者が受ける不利益を第1の作動パターンでの場合に比較して高くすることができる。
例えば、第2の作動パターン及び第4の作動パターンでは、右打ち遊技において特別図柄2の抽選の獲得を目指すことは、電動役物640aの動作時間が短すぎることから困難であるので、第3図柄表示装置81において上述した「右打ちナビ」を表示することはせず、左打ち遊技を推奨することが好ましい。
この場合において、第2の作動パターンでは、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから基準時間Td1経過時において移動板部材641が第1送球経路KR1に進入している進入状態(図7(b)参照)とされるので、第1入賞口64に入球した場合であっても、シーソー部材762で右側に流された球の一部で特別図柄2の抽選を獲得することができる。
これにより、左打ち遊技中に第1入賞口64に球が入球した場合に遊技者が獲得できる特別図柄の抽選を、特別図柄1と特別図柄2との交互で生じさせることができる。なお、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから基準時間Td1経過時において移動板部材641が進入状態とされる場合に特別図柄2の抽選を獲得できるのは、普通入賞口(スルーゲート)765での球の通過と同時に普通図柄(第2図柄)の変動が開始される場合なので、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出された時に普通図柄(第2図柄)の変動が継続している場合には、特別図柄2の抽選を獲得し易いという効果を奏することができない。
一方で、第2の作動パターン(又は第4の作動パターン)では、普通入賞口(スルーゲート)765での球の検出から電動役物640aの動作制御の終了までが0.5秒間で設定されるので、同時間幅が3秒間で設定される第1,第3の作動パターンに比較して、普通図柄(第2図柄)の変動が保留される事態が生じる可能性を低くすることができる。従って、特別図柄2の抽選を獲得し易いという効果を高確率で奏することができる。
一方、第4の作動パターンでは、移動板部材641の進入状態(図7(b)参照)は第2の作動パターン同様に短いことに加え、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから基準時間Td1経過時において移動板部材641が退避状態とされるので、第1入賞口64に入球した場合に、シーソー部材762で右側に流された球で特別図柄2の抽選を獲得する可能性を低くすることができる。これにより、左打ち遊技中に第1入賞口64に球が入球した場合に遊技者が獲得できる特別図柄の抽選のほとんどを、特別図柄1の抽選で占めることができる。
以上詳述したように、各作動パターンによれば、特別図柄1又は特別図柄2の抽選の獲得により大当たりの獲得を目指す遊技状態において、異なる態様における特別図柄の抽選の獲得パターンを作ることができる。
図13(b)に戻って特別図柄1の大当たりと特別図柄2の大当たりとの、遊技者が得られる利益の違いについて説明する。
まず、最大ラウンド(本実施形態において、15ラウンド)の大当たりを獲得する確率は、特別図柄2の方が高い。特別図柄1の大当たりの内、最大ラウンドの大当たりは20%であるのに比較して、特別図柄2の大当たりは100%で最大ラウンドとなる。従って、少なくとも賞球個数の面から、特別図柄2の大当たりにより遊技者が得られる利益の方が、特別図柄1の大当たりにより遊技者が得られる利益に比較して大きい。
また、大当たり遊技終了後に高確率状態となる場合において、特別図柄2の大当たりであれば100%で右打ち遊技となり、特別図柄2の抽選を繰り返し獲得することができるが、特別図柄1の大当たりの内の30%(大当たりB)では、右打ち遊技とはならず左打ち遊技が推奨され、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選が交互に生じることになる。
この場合、左打ち遊技では、右打ち遊技に比較して特別図柄の抽選を獲得する時間効率が落ちることに加え、1/2で特別図柄1の抽選が実行されることから最大ラウンドの大当たりを獲得するまでのハードルが多くなる。
また、大当たり遊技終了後に低確率状態となる場合において、特別図柄2の大当たり(大当たりc)であれば右打ち遊技となり、特別図柄2の抽選を繰り返し獲得することができるが、特別図柄1の大当たり(大当たりC)では、右打ち遊技とはならず左打ち遊技が推奨され、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選が交互に生じることになる。
この場合、左打ち遊技では、右打ち遊技に比較して特別図柄の抽選を獲得する時間効率が落ちることに加え、1/2で特別図柄1の抽選が実行されることから最大ラウンドの大当たりを獲得するまでのハードルが多くなる。
更に、特別図柄の抽選が100回という条件は同じであるが、大当たりcであれば特別図柄2の抽選を100回獲得することが容易であることに対して、大当たりCでは、特別図柄1の抽選が50回、特別図柄2の抽選が50回で100回の抽選が終了してしまうので、実質的には特別図柄2の抽選を50回しか獲得することができない。
まとめると、特別図柄2の抽選による大当たりは、特別図柄1の抽選による大当たりに比較して、少なくとも、第1に、最大ラウンドの大当たりを獲得し易いこと、第2に、特別図柄2の抽選を繰り返し獲得する遊技状態にし易いこと、第3に、右打ち遊技により特別図柄の抽選を獲得する時間効率を高い状態で維持し易いこと、という有利な点を有する。
上記第1実施形態では、特別図柄2での抽選が優先的に実行される場合において、抽選に係る変動時間が3秒〜5分程度の選択肢から確率で選択される前提で説明したが、これに限定されるものではない。例えば、特別図柄1と特別図柄2とで同時に抽選を実行する場合において、特別図柄2の抽選に係る変動時間を意図的に長く設定する遊技状態を構成しても良い。
即ち、例えば、大当たりBの終了後や、大当たりCの終了後の特別図柄の100回の抽選において、特別図柄2の抽選の変動時間が常に10分で設定されるようにしても良い。この場合、第1入賞口64に入球した球がセンサSEを通過する場合と、第2入賞口640を通過する場合とが交互に生じる前提において、特別図柄2の保留個数が満タンとなった後に第1入賞口64に入球させると、球が第2入賞口640を通過しても特別図柄2の抽選を獲得することができず、特別図柄1の抽選が繰り返し実行されることになる。
また、遊技者は、特別図柄2の保留個数が満タンの場合には第1入賞口64には入球させないように遊技することもできるが、この場合には遊技の時間効率を悪くすることができ、同一時間内における大当たりの発生回数を低減させることができる。これにより、遊技機店側の経営が赤字となることを回避し易くすることができる。
上述の遊技状態では、シーソー部材762から右側に流される球は、特別図柄2の保留個数が満タンになるまでは、特別図柄2の抽選を獲得する利益と賞球の払い出しを受ける利益とを遊技者に与えるので、特別図柄1の抽選を獲得する利益と賞球の払い出しを受ける利益とを遊技者に与えるものとしての、シーソー部材762から左側に流される球よりも遊技者が得られる利益が大きい。
一方で、特別図柄2の保留個数が満タンになっている状態では、シーソー部材762から右側に流される球は、賞球の払い出しを受ける利益を遊技者に与えるのみとなるので、特別図柄1の抽選を獲得する利益が加算されている分だけシーソー部材762から左側に流される球よりも遊技者が得られる利益が小さい。
即ち、シーソー部材762から右側に流される球と、左側に流される球との、遊技者に与えられる利益の大小を、特別図柄2の保留個数が満タンか否かにより切り替えることができる。
なお、上述の遊技状態において、普通入賞口(スルーゲート)765で球が検出されたことに基づく移動板部材641の動作は複数の作動パターンから抽選で選択されるよう構成しても良い。
例えば、第2の作動パターンでの動作が5%であり、残りの95%は第4の作動パターンで動作するように制御しても良い。この場合、第2の作動パターンで移動板部材641が動作すれば特別図柄2の抽選を獲得できるという利点があるので、移動板部材641に対する注目力を向上することができる。
一方で、特別図柄2の保留個数が満タンの場合には、第4の作動パターンで動作すれば特別図柄1の抽選を獲得できる一方で、第2の作動パターンで移動板部材641が動作すると特別図柄1,2の抽選共に獲得することができないという不利益があるので、この場合にも移動板部材641に対する注目力を向上することができる。即ち、特別図柄2の保留個数が満タンである場合も、満タンでない場合も、移動板部材641に対する注目力を向上することができる。
なお、特別図柄1と特別図柄2とで同時に抽選を実行する場合において、特別図柄1の抽選に係る変動時間を意図的に長く設定する遊技状態を構成しても良い。例えば、特別図柄1の抽選の変動時間を常に10分で設定することで、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選との両方が生じ得る遊技状態において、特別図柄1の抽選の結果が出る前に特別図柄2の抽選を複数回実行することができる。これにより、特別図柄1の抽選による大当たりが意図せず発生し、遊技者に不利益を与える可能性を低くすることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
普通入賞口(スルーゲート)765が配設される右側の傾斜面761を流下する球と、普通入賞口(スルーゲート)765が配設されていない左側の傾斜面761を流下する球との、流下速度の均一化を図ることができる。
また、第1入賞口64に入球した球が第2入賞口640側の流路に分岐される位置(例えば、第1送球経路KR1)や、第2入賞口640側に落下する位置(例えば、上側球通過孔713、下側球通過孔714)において、球の流下方向が前後方向成分を有する。これにより、第2入賞口640への球の流下に関係が深い箇所を目立たせることができる。
また、第2入賞口640への経路は下側球通過孔714の正面側で合流することになるが、この合流位置は移動板部材641から十分離れている。これにより、合流位置で衝突した球からの負荷が移動板部材641に付与される事態を避けることができる。なお、上側球通過孔713と下側球通過孔714との左右位置をずらすと共に第2入賞口640の左右幅を球2個分以上に拡大することで、下側球通過孔714の正面側における流路の合流を避けるようにしても良い。
また、普通入賞口(スルーゲート)765で球が検出されてから普通図柄の変動表示が終了するまでに、次の球が普通入賞口(スルーゲート)765で検出されないように管理することが可能な場合を形成可能である。これにより、普通入賞口(スルーゲート)765を通過した球に、その球が検出されたことにより動作制御される電動役物640aをタイミングよく作用させることができる。
また、移動板部材641は、普通入賞口(スルーゲート)765を通過した球に対しても、普通入賞口(スルーゲート)66,67を通過した球に対しても作用可能に配設される。これにより、移動板部材641の利用可能性を高めることができる。
即ち、移動板部材641を、第1入賞口64への入球を狙う左打ち遊技が推奨される遊技状態においても、普通入賞口(スルーゲート)67への入球を狙う右打ち遊技が推奨される遊技状態においても、有効に利用することができる。なお、これは左右対称盤面に限定された効果ではなく、例えば、非対称盤面(例えば、普通入賞口(スルーゲート)66が省略された構成)においても奏する効果である。
また、移動板部材641に乗る球の個数について、左側案内部645では同時に複数の球が乗り得る一方で、右側案内部643に乗る球の個数を1個に限定している。これにより、左側案内部645よりも右側案内部643を丈夫に構成することで、移動板部材641の耐久性を向上させることができる。
また、電動役物640aの作動パターンを複数用意することで、異なる態様における特別図柄の抽選の獲得パターンを作ることができる。例えば、第1入賞口64に繰り返し入球した場合に、特別図柄1の抽選が繰り返し獲得されるパターンと、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選とが交互に獲得されるパターンと、を切り替えることができる。
また、特別図柄の抽選の獲得パターンとして、右打ち遊技を推奨する場合において、図らずも第1入賞口64に入球した場合に、特別図柄1の抽選を繰り返し獲得し易いパターンと、シーソー部材762で右側に流された球については高確率で特別図柄1の抽選の獲得が回避されるパターンと、を切り替えることができる。
次いで、図15から図24を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、経路構成装置700により振り分けられる一方の経路を球が流下する場合に普通入賞口(スルーゲート)765を球が通過する場合を説明したが、第2実施形態の振分ユニット980では、球が振り分けられる複数の経路において球が普通入賞口(スルーゲート)としての検出装置SE4,SE5を通過するよう構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図15は、第2実施形態における遊技盤13の分解正面斜視図である。なお、図15では、ベース板60に配設される入賞口ユニット930及び送球ユニット970以外のユニットの図示が省略される。
図15に示すように、ベース板60には、センターフレーム86(図2参照)が取り付けられる中央開口の下側にベース板60の厚み方向に貫通する貫通孔2060aがルータ加工によって形成される。
貫通孔2060aは、後述する正面ユニット940の正面視における外形よりも若干小さく形成され、内側に正面ユニット940に配設される駆動ユニット960及び特定入賞口ユニット950が挿入される。
ベース板60には、遊技領域(正面)側から入賞口ユニット930が配設され、遊技領域と反対(背面)側から送球ユニット970が配設され、それぞれタッピングネジ等により締結固定される。なお、入賞口ユニット930及び送球ユニット970の詳細な構成については後述する。
入賞口ユニット930は、正面ユニット940と、その正面ユニット940の背面側に配設される特定入賞口ユニット950と、その特定入賞口ユニット950の背面側に配設される駆動ユニット960と、その駆動ユニット960の駆動力で上下方向に動作可能に構成される変位部材966とを主に備えて形成される。なお、変位部材966の説明は後述する。
特定入賞口ユニット950は、正面ユニット940に形成される特定入賞口65aの内側に一部が挿入されており、特定入賞口65aを介して遊技球を特定入賞口ユニット950の内側に送球可能とされる。
駆動ユニット960は、特定入賞口ユニット950の背面側に配設されると共に、変位部材966を介して正面ユニット940に配設される羽部材945に連結される。これにより、駆動ユニット960の駆動力で変位部材966を動作させることに伴い、羽部材945を回転変位させることができる。なお、羽部材945の動作についての詳しい説明は後述する。
次いで、図16から図18を参照して、正面ユニット940の詳細な説明をする。図16(a)は、正面ユニット940の正面図であり、図16(b)は、正面ユニット940の背面図である。図17は、正面ユニット940の分解正面斜視図であり、図18は、正面ユニット940の分解背面斜視図である。なお、図16(a)及び図16(b)では、羽部材945の外形が隠れ線で図示される。
図16から図18に示すように、正面ユニット940は、ベース板60に締結される背面ベース941と、その背面ベース941に遊技球の直径よりも大きい距離を隔てて配設される正面ベース943と、背面ベース941及び正面ベース943の対向間に回転可能な状態で配設される2個(一対)の羽部材945とを主に備えて形成される。
背面ベース941は、正面視における外形が上下反対向きの略T字状に形成されると共に、所定の板厚を備える板状体から形成される。また、背面ベース941は、無色透明の樹脂材料から形成されており、入賞口ユニット930(正面ユニット940)がベース板60に配設された状態において、背面ベース941を介してベース板60の貫通孔2060aの内部を視認できる。
背面ベース941は、下端部に切り欠き形成される第1アウト口71と、その第1アウト口71の上方に位置し水平方向に長い矩形状に貫通形成される特定入賞口65aと、その特定入賞口65aの上方に貫通形成される第2入賞口640と、第1アウト口71と反対側の縁部(上縁部)に切り欠き形成される第1入賞口64とを主に備える。
背面ベース941は、外縁部に板厚方向に貫通する貫通孔941aを複数個備える。貫通孔941aは、正面側から背面側に向かって縮径する第1貫通孔941a1と、背面側から正面側に向かって縮径する第2貫通孔941a2とから形成される。
第1貫通孔941a1は、背面ベース941(入賞口ユニット930)をベース板60に締結固定するためのタッピングネジを挿通する孔であり、内径がタッピングネジの螺入部分の外径よりも大きく設定される。
また、第1貫通孔941a1は、上述したように、正面側から背面側に向かって縮径して形成されるので、タッピングネジの頭部を正面側の拡径部分に収容することができる。従って、タッピングネジの頭部が遊技領域に突出することを抑制できる。さらに、第1貫通孔941a1の近傍には、背面ベース941の背面から円柱状に突出する位置決め突起942aが形成される。
位置決め突起942aは、ベース板60の貫通孔2060aの周囲に形成される位置決め孔に対応する位置に形成されると共に、位置決め孔の内径と略同一の外径に形成される。これにより、背面ベース941(入賞口ユニット930)をベース板60に対して位置決めして配設できる。
第2貫通孔941a2は、背面ベース941と正面ベース943とを締結するためのネジを背面ベース941側から挿通する孔であり、内径がネジの螺入部分の外径よりも大きく設定される。即ち、正面ベース943は、背面ベース941の背面側からネジで締結される。この場合、正面ベース943の背面ベース941からの取り外しの作業は、入賞口ユニット930をベース板60から取り外した状態とする必要がある。従って、遊技者が不正をして遊技盤13の前面側(遊技領域側)から正面ベース943のみを取り外すことを抑制できる。
また、第2貫通孔941a2は、上述したように、背面側から正面側に向かって縮径して形成されるので、ネジの頭部を背面側の拡径部分に収容することができる。従って、背面ベース941の背面側にネジの頭部が突出することを抑制できる。その結果、背面ベース941の背面側に後述する特定入賞口ユニット950を配設する場合に、ネジの頭が特定入賞口ユニット950に当接することを抑制できる。
背面べース941は、重力方向下側端部の外形が、遊技盤13の内レール61(図2参照)の内縁に沿って形成される。第1アウト口71は、切欠き底部の縁部(重力方向上側の縁部)が内レール61の内縁と遊技球の直径以上離間する寸法に形成される。これにより、遊技盤13の前面に形成される遊技領域を流下する遊技球のうち第1入賞口64、第2入賞口640、特定入賞口65a及び一般入賞口63(図2参照)のいずれにも流入しなかった遊技球を、第1アウト口71を介して遊技盤13の背面側(遊技領域の反対側)に送球できる。
第1入賞口64は、第1アウト口71と反対側の端部を半円形状に切り欠いて形成される。また、第1入賞口64は、その内縁の寸法が遊技球の直径よりも大きい寸法に形成される。これにより、後述する第1受部941gの内部に流入する遊技球を第1入賞口64を介して背面側(遊技領域の反対側(図16(b)紙面手前側)に送球できる。
第1入賞口64の縁部には、遊技領域側(図16(a)紙面手前側)に突出すると共にカップ状に形成される第1受部941gと、遊技領域と反対側(図16(b)紙面手前側)に断面U字状に突出する第1送球部942gとが形成される。
第1受部941gは、内側に1球分の遊技球を受け入れ可能な大きさに形成される。これにより、第1受部941g(第1入賞口64)の重力方向上側から遊技領域を流下する遊技球を第1受部941gの内側に流入させることができる。
また、第1受部941gは、底面が背面側に下降傾斜して形成される。これにより、第1受部941gに流入した遊技球を第1入賞口64を介して背面側(第1送球部942g側)に送球できる。
さらに、第1受部941gは、ベース板60の短手方向(図16左右方向)両端の上端部から、下側に向けて左右方向外側に傾斜して延設される案内部941g1を備える。案内部941g1は、所定の厚みを備える板状体に形成されると共に、遊技領域と反対側(背面側)の側面が、背面ベース941の前面側に連結される。これにより、第1受部941gの剛性を高めることができ、流下領域を流下する遊技球が第1受部941gに衝突して、第1受部941gが破損することを抑制できる。
また、背面ベース941に第1入賞口64、第2入賞口640及び特定入賞口65を一体に形成すると、遊技領域を流下する遊技球に変化を与える遊技釘の配置が足りなくなる可能性があるため、遊技球の流下方向を変化させ難くなる。従って、遊技者の興趣が損なわれる恐れがあるところ、案内部941g1に遊技球を衝突させることで、遊技球の流下方向に変化を与えることができ、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
さらに、案内部941g1は、背面ベース941の正面側を第2入賞口640側に向かって流下する遊技球が衝突した場合に、その遊技球を左右方向外側に案内できる。これにより、第2入賞口640に遊技球が入球する確率が過度に高くなることを防止することができる。
第1送球部942gは、重力方向上側が開放するU字に形成されており、その内縁の対向間の距離寸法が遊技球の直径よりも大きく形成される。また、第1送球部942gは、底面が背面側に向かって下降傾斜して形成されると共に、突出先端側が、後述する送球ユニット970の流入口982dの縁部に当接される。これにより、第1受部941gの内側から第1入賞口64を介して第1送球部942gに送球される遊技球を背面側に転動させて、送球ユニット970に送球することができる。
第1送球部942gは、突出先端の上方端部が、側面視矩形状に切り欠かれる第1凹欠部942g1を備える。第1凹欠部942g1は、後述する送球ユニット970の第2突起982d1が載置される切欠きであり、第2突起982d1の側面視形状と略同一の大きさに凹欠される。なお、第1送球部942g及び送球ユニット970の配置についての詳しい説明は後述する。
第2入賞口640は、正面視において上方が湾曲した略D字状に貫通形成されると共に、内縁が遊技球の外径よりも大きく形成される。これにより、後述する羽部材945の対向間に送球される遊技球を第2入賞口640から背面側に送球できる。
第2入賞口640には、その縁部に、正面側に突出する正面側壁部941bと、背面側に突出する第2送球部942cとが形成される。
正面側壁部941bは、ベース板60の短手方向における第2入賞口の両側縁部に沿って形成される。正面側壁部941bは、その突出先端面が後述する正面ベース943の送球ガイド部943dと当接する大きさに設定される。
第2送球部942cは、第2入賞口640の下側縁部の両端のそれぞれに背面視略L字に屈曲して形成される。第2送球部942cは、重力方向(図16(b)上下方向)における寸法が遊技球の半径よりも大きく設定される。これにより、後述する正面ベース943の転動部943aを転動する遊技球が転動部943aの上面から落下することを抑制できる。
一対の第2送球部942cは、ベース板60の短手方向(図16(b)左右方向)における対向間の距離寸法が後述する正面ベース943の転動部943aのベース板60の短手方向(図16(b)左右方向)における長さ寸法と略同一に設定され、内側に転動部943aが配設される。
第2送球部942cは、組立状態において変位部材966の内側に配置され、上下左右方向で変位部材966と対向配置される。第2送球部942cの外側面間の左右幅が変位部材966の第2開口966cの内側面間の左右幅よりも若干短く形成される。これにより、第2送球部942cにより、変位部材966の左右方向変位を制限することができる。
背面ベース941は、第2入賞口640の近傍の上側(第1入賞口64側)に、背面ベース941の遊技領域側から遊技領域と反対側に向かって円形状に2箇所に凹設される第1軸孔941dと、その第1軸孔941dの軸を中心に湾曲して背面ベース941に貫通形成される2箇所の第1開口941eと、その2箇所の第1開口941eの対向方向外側に位置し背面側に突設される第1ガイド壁942bと、を備えて形成される。
第1軸孔941dは、後述する羽部材945を軸支する軸部材945aを支持可能とされ、軸部材945aの外径と略同一の内径に形成される。これにより、軸部材945aの一端を第1軸孔941dに挿入して支持できる。
第1開口941eは、第1軸孔941dの中心を軸とする円弧状に開口される。また、第1開口941eは、羽部材945の突起945bを挿通可能とされ、羽部材945の回転軸(挿通孔945c)の径方向における突起945bの最大幅寸法よりも大きく設定される。これにより、羽部材945が回転した際に突起945bが第1開口941eの内面に当接することを抑制できる。
一対の第1ガイド壁942bは、後述する変位部材966が変位される際に、変位部材966の上下方向変位を案内する壁であり、一対の第1ガイド壁942bの対向間における距離寸法が、変位部材966の短手方向(左右方向)の距離寸法よりも若干大きく設定される。
また、一対の第1ガイド壁942bは、背面視略L字に形成され、屈曲部分が互いに近づく方向に延設される。これにより、変位部材966の突出部966aを第1ガイド壁942bの屈曲部分に当接させて、変位部材966の変位距離を規制できる。
特定入賞口65aは、一対の羽部材945の対向方向(図16(b)左右方向)に長い矩形状に開口形成されており、その開口の内側に後述する特定入賞口ユニット950の開閉板が配設される。
背面ベース941は、特定入賞口65aと第2送球部942cとの対向間に膨出する膨出部942hと、特定入賞口65aの外枠から第1ガイド壁942b側(図16(b)上側)に突出する第2ガイド壁942dとを備える。
膨出部942hは、背面ベース941の背面側に膨出すると共に、特定入賞口65aの外枠と第2送球部942cとに連結される。これにより、後述する変位部材966を背面ベース941の背面側に配設した場合に、変位部材966と背面ベース941の背面との接触面積を小さくすることができ、変位部材966の摩擦(摺動)抵抗を抑えることができる。
第2ガイド壁942dは、変位部材966の下端部分の変位を案内する壁面であり、一対の第2ガイド壁942dの対向間の距離寸法が変位部材966の短手方向の距離寸法よりも若干大きく設定される。従って、変位部材966を一対の第2ガイド壁942dの対向間に配設した場合に、変位部材966の下端部分の変位部材966の短手方向(左右方向)への変位距離を規制できる。
従って、変位部材966は、上述した第2送球部942cが内側に配置されて左右方向の変位が制限されるだけでなく、第2ガイド壁942dが外側に配置されて左右方向の変位が制限される。これにより、変位部材966の左右方向変位を長期間にわたって制限することができる。
背面ベース941は、特定入賞口65aの左右両端の上側縁部に下側に向かって半円状に切り欠いて形成される第2アウト口941fを備える。第2アウト口941fは、正面ベース943に形成される第3受部944aに流入した遊技球をベース板60の背面側に送球するための切り欠きであり、遊技球の直径よりも大きい形状に形成される。
また、第2アウト口941fの縁部には、背面視略U字状に形成され背面側に突出する第3送球部942eが形成される。これにより、第2アウト口941fの内側を介して背面側に送球した遊技球を第3送球部942eの内側に送球できる。
第3送球部942eは、背面視U字の湾曲部分(下側部分)が背面側に突出するに従って重力方向下側に傾斜して形成されており、第2アウト口941fから送球された遊技球を背面側に転動させることができる。
背面ベース941は、第1開口941eの上側端部から上方に直線的に延びる形状で貫通形成される第3貫通孔941iと、その第3貫通孔941iの上端部から左右外側へ向けて第1軸孔941dの軸を中心とする円弧形状で貫通形成される第4貫通孔941jと、一対の第3貫通孔941iの間に遊技球が通過可能な大きさで穿設される送球孔941kと、その送球孔941kの下縁部を基端として背面側へ延びる転動板部941lと、を備えて形成される。
第3貫通孔941iは、羽部材945の組み付け時に延設部945d及び板状部945eを背面側へ通すための貫通孔である。また、第4貫通孔941jは、羽部材945の動作時に延設部945dの変位を許容するための貫通孔であり、正面視(軸部材945aの軸方向視)における延設部945dの変位軌跡を丸ごと含む形状で穿設される。なお、板状部945eは背面ベース941を通過して背面側に配置されているので、板状部945eの変位軌跡まで考慮することは不要である。
送球孔941kは、羽部材945の開放状態において板状部945eの上面を転動した球を正面側に送球するための開口である。送球孔941kの正面側においては送球孔941kの下方が開け放されているので(図17及び図18参照)、送球孔941kに正面側から球が進入する可能性を低くすることができる。
即ち、送球孔941kの前側領域を、板状部945eの上面を転動した球と、羽状本体945の上面を転動した球との合流位置として形成しながら、送球孔941kを通しての球の流れは専ら正面側へ向く流れとすることができる。
転動板部941lは、背面側へ向けて上昇傾斜する傾斜板として形成されており、延設先端側で乗った球を基端側(正面側)へ流下させるよう構成されている。転動板部941の上面を転動して基端側まで到達した球は、送球孔941kを通って背面ベース941の正面側(背面ベース941と正面ベース943との間の空間)に到達し、その後、流下することになる。
正面ベース943は、正面視における外形が背面ベースよりも小さい上下反対の略T字状に形成される。また、正面ベース943は、無色透明な板状体から形成される。これにより、正面ベース943と背面ベース941との対向間を流下する遊技球を遊技者に視認させることができる。
正面ベース943は、上述した背面ベース941の第2入賞口640及び第2アウト口941fのそれぞれに対応する位置に突設される第2受部943c及び第3受部944aを主に備えて形成される。
第2受部943cは、背面視略U字に形成され、正面視において内側に背面ベース941の第2入賞口640が配置される。また、第2受部943cの開放側(U字の開放側)には、後述する一対の羽部材945が配設される。
さらに、第2受部943cの背面ベース941側への突出距離は、遊技球の直径よりも大きく設定される。よって、背面ベース941及び正面ベース943の対向間に遊技球を送球することができると共に、遊技球が後述する一対の羽部材945の対向間の外側から第2入賞口640に流入することを抑制できる。
また、第2受部943cは、その内縁から内側に突設される送球ガイド部943dと、湾曲部分の内側から背面ベース側に突設される転動部943aとを備える。
送球ガイド部943dは、一対の羽部材945の下側に一対形成される。また、一対の送球ガイド部943dは、背面ベース941の正面側壁部941bと対応する位置にそれぞれ形成されており、背面ベース941と正面ベース943とが組み合わされると、その端面同士が当接される。これにより、一対の羽部材945の対向間に流入した遊技球を送球ガイド部943dの対向間に送球できる。
転動部943aは、一対の送球ガイド部943dの対向間の下側に形成されると共に、上側の端面943a1が背面ベース941側に向かって下降傾斜して形成される。また、上述したように、転動部943aは、背面ベース941と正面ベース943とが締結された(組み合わされた)状態において、第2入賞口640の内側下端に配置されると共に、先端が背面ベース941の背面側に突出される。
これにより、一対の送球ガイド部943dの対向間に送球された遊技球を転動部943aの端面943a1に送球できると共に、その遊技球を端面943a1の上部を転動させて、背面ベース941の背面側に送球できる。
また、正面ベース943は、第2受部943cの開口側(上側)に、背面ベース941の第1軸孔941dと対向する位置に円環状に突設される円環突起943bを備える。円環突起943bは、その内縁の第2軸孔943b1を備え、その第2軸孔943b1の内側に後述する羽部材945を軸支する軸部材945aの他端を挿入できる。上述したように、軸部材945aは、一端が背面ベース941の第1軸孔941dに挿入される。よって、背面ベース941と正面ベース943との対向間に軸部材945aを挟持して支持できる。
第3受部944aは、背面視略U字形成されており、その内側に背面ベース941の第2アウト口941fが配置される。これにより、遊技盤13の遊技領域を流下する遊技球を第3受部944aの内側に流入させることができると共に、第3受部944aに流入した遊技球を第2アウト口941fを介して背面側に送球することができる。
羽部材945は、正面視において、背面ベース941に形成される第2入賞口640を間に挟んで一対配設される。羽部材945は、有色の半透明材料から形成されており、正面ベース943を介して遊技者から視認可能とされる。
羽部材945は、正面視略三角形状に形成されると共に、背面ベース941と正面ベース943との対向間幅よりも厚みが小さく形成される羽状本体945mと、その羽状本体945mの背面側から突出する突起945bと、羽状本体945mの厚み方向(背面ベース941側から正面ベース943側)に貫通形成される挿通孔945cと、羽状本体945mの端部であって挿通孔945cが配置される側とは反対側の端部から背面側へ延設される連結部945dと、その延設部945dの先端側から羽状本体945mの長手方向(図16(a)上下方向)に板状で延設される板状部945eと、を主に備える。
延設部945d及び板状部945eは、組立状態(図16(a)参照)において貫通孔941i,941jを通過し、振分ユニット980の内部において動作可能に構成される部分であるが、詳細は後述する。
挿通孔945cは、背面ベース941と正面ベース943との対向間に支持される軸部材945aの外径よりも大きい内径に形成される。よって、背面ベース941と正面ベース943とを締結(組立)する際に、挿通孔945cに軸部材945aを挿通させることで、羽部材945を回転可能な状態で背面ベース941と正面ベース943との対向間に配設できる。これにより、羽部材945は、回転先端側が近接する閉鎖状態(図16(a)参照)と、回転先端側が左右両外側に開くように変位される開放状態とで変位可能とされる。
突起945bは、後述する変位部材966の摺動溝966a2に挿通され、駆動ユニット960の駆動力が伝達される伝達部分である。突起945bは、その先端が背面ベース941の第1開口941eを通って背面ベース941の背面側に突出して、摺動溝966a2に挿通可能な寸法に設定される。
変位部材966は、正面視において上側が開放したコ字形状で形成されており、上側端部から左右方向外側に突出する突出部966aと、下側端部から背面側に膨出する膨出部966bと、を備え、正面視略中央位置に第2開口966cが貫通形成される。
第2開口966cは、正面視における内縁の形状が第2入賞口640よりも大きく形成されると共に、内側に第2入賞口640が配置される。これにより、第2入賞口640を介して遊技領域と反対側に送球される遊技球が変位部材966の内縁に衝突することを抑制できる。
突出部966aは、変位部材966の短手方向両外側に位置すると共に長手方向に延設される当接部966a1と、変位部材966の板厚方向に貫通して形成される摺動溝966a2と、を備える。
摺動溝966a2は、内側に上述した羽部材945の突起945bが挿入される長孔であり、変位部材966の短手方向に長い長穴に形成される。また、摺動溝966a2は、幅寸法が羽部材945の回転軸(挿通孔945c)の径方向における突起945bの幅寸法よりも大きく設定される。これにより、羽部材945が回転した際に、突起945bが摺動溝966a2の幅方向に対向する両内面に当接して、羽部材945の動作が規制されることを抑制できる。
膨出部966bは、背面側(背面ベース941側)に膨出して形成されると共に、背面視における内側部分に横長矩形の連結孔966b1が形成される。連結孔966b1は、駆動ユニット960の伝達部材が挿入される開口であり、内縁の形状が、伝達部材の先端の外形よりも大きく設定される。
駆動ユニット960の伝達部材を介して変位部材966が下側位置に配置されることに対応して、羽部材945は閉鎖状態とされる。一方で、駆動ユニット960の伝達部材を介して変位部材966が上側位置に配置されることに対応して、羽部材945は開放状態とされる。
次いで、図19及び図20を参照して、振分けユニット980について説明する。図19(a)は、振分けユニット980の正面図であり、図19(b)は、振分けユニット980の背面図であり、図20(a)は、図19(a)のXXa−XXa線における振分けユニット980の断面図であり、図20(b)は、図20(a)のXXb−XXb線における振分けユニット980の断面図である。
振分けユニット980は、背面ベース985と、その背面ベース985の遊技者側に配設される正面ベース981と、その正面ベース981と背面ベースとの間に回転可能な状態で配設される振分け部983と、を主に備えて形成される。なお、振分け部983は、第1実施形態におけるシーソー部材762に対応する部材である。
背面ベース985は、有色半透明(本実施形態では、青色)の樹脂材料から形成され、板状体に形成されるベース部985aと、そのベース部985aの厚み方向に貫通する複数の開口(開口985b〜985g)と、その複数の開口の上側に凹設される凹部985hと、その凹部985hの反対面から突出する収容部986bとを主に備えて形成される。
ベース部985aは、正面視縦長矩形に形成され、その外縁部に円形状に貫通する複数の締結孔986c及び986dと、を備えて形成される。締結孔986cは、後述する正面ベース981を挿通したネジを螺合する孔である。これにより、正面ベース981及び背面ベース985を締結固定することができる。また、締結孔986dは、後述する通路ユニット990を挿通するネジを螺合する孔である。これにより、背面ベース985(振分けユニット980)及び通路ユニット990を締結固定することができる。
凹部985hは、ベース部985aの短手方向(左右方向)略中央位置において正面ベース981側から背面側に向かって凹設される。また、凹部985hは、内側に後述する振分け部983の一部を収容可能な大きさに形成されると共に、底面に円環状に突出する軸受部985jを備える。軸受部985jは、振分け部983を軸支する軸部材988aの一端が挿入される孔であり、軸部材988aの外径よりも大きい内径に形成される。
開口985b及び開口985cは、それぞれベース部985aの短手方向両端部に形成されるとともに、内縁の寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、開口985b及び開口985cは、下側内面が正面ベース981側と反対側に向かうにつれて下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981の反対側(背面側)に転動させることができる。
開口985eは、左右中央位置よりも開口985b側に形成され、開口985fは、左右中央位置よりも開口985c側に形成される。以下において、開口985e,985fでは同様の構成が採用されるので、第2通路TR2を流下した球を受け入れ可能な開口985fのについて詳細な説明を行い、第1通路TR1を流下した球を受け入れ可能な開口985eの説明は省略する。
開口985fは、正面ベース981側に開口する空間の流入通路985f1と、正面ベース981側と反対側に開口する空間の排出通路985f3と、重力方向に延設され流入通路985f1及び排出通路985f3を連結する中間通路985f2と、その中間通路985f2において遊技球の送球方向(重力方向)と略直交する方向に凹設される凹設部985f4と、を主に備えて形成される(図19(b)及び図20(a)参照)。
流入通路985f1は、後述する正面ベース981と背面ベース985との対向間に形成される第2通路TR2に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、第2通路TR2を流下する遊技球を流入通路985f1に流入させることができる。
中間通路985f2は、重力方向に延設して形成され、上側が流入通路985f1に連通されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、流入通路985f1を通過する遊技球を中間通路985f2に流入させることができる。
凹設部985f4は、その内側に後述する検出装置SE3を配設するための切り欠きであり、背面視において検出装置SE3の外形と略同一に設定される。これにより、検出装置SE3をベース部985aの背面側(正面ベース981と反対側)から挿入して配設することができる。
検出装置SE3は、遊技球の通過を検知する装置であり、その厚み方向に遊技球よりも若干大きい内径の検出孔SE1aが貫通形成される。検出孔SE1aは、検出装置SE3の長手方向の一方に偏って形成されており、検出孔SE1aが形成されていない長手方向の他方に検出装置SE1を制御する検出基板SE1bが配設される。
また、検出装置SE3は、検出孔SE1aの軸方向が中間通路985f2の延設方向に平行に設定されると共に、検出孔SE1aの内部空間と中間通路985f2の空間とが略一致する位置に配置される。これにより、遊技球が中間通路985f2の上側から流下する場合に、検出装置SE3の検出孔SE1aを通過させることができる。これにより、第2通路TR2を通過する遊技球を検出することができる。
また、検出装置SE3は、検出孔SE1aの軸方向が重力方向と平行に形成されるので、遊技球を検出孔SE1aに送球する際に、遊技球の自重を利用しやすくできる。その結果、遊技球が中間通路985f2及び検出孔SE1aとの連結部分に引っ掛ることを抑制できる。
凹設部985f4は、流入通路985f1及び排出通路985f3の空間と連なって形成される。即ち、中間通路985f2は、検出装置SE3を利用して形成される。これにより、中間通路985f2の重力方向の長さ寸法が大きくなることを抑制できる。その結果、背面ベース985が重力方向に大型化することを抑制できる。
排出通路985f3は、中間通路985f2の下側に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。また、排出通路985f3は、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、通路ユニット990の挿通孔に連結される。これにより、中間通路985f2を通過する遊技球を、排出通路985f3に流入させることができると共に、その空間を通過させて通路ユニット990に送球できる。
開口985gは、左右中央位置における背面ベース985の下端部に形成される。また、開口985gは、下側の内面が正面ベース981側と反対側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981と反対側に転動させることができる。
流入通路985f1は、後述する正面ベース981と背面ベース985との対向間に形成される第2通路TR2に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、第2通路TR2を流下する遊技球を流入通路985f1に流入させることができる。
収容部986bは、一対の半円環体から形成される。また、収容部986bは、後述する磁性体988bを内側に収容する部分であり、その内径が、円柱体に形成される磁性体988bの外径と略同一に設定される。また、収容部986bの突設寸法は、磁性体988bの軸方向寸法よりも大きく設定される。これにより、収容部986bの内側に磁性体988bを収容できる。また、収容部986bは、一対の半円環体から形成されるので、磁性体988bの外径が製造の誤差により微小に大きく形成された場合でも、一対の半円環体を弾性変形させて磁性体988bを配設できる。
磁性体988bは、磁石から形成されており、収容部986bに配設されることで、ベース部985aを介して正面ベース981側に磁界を発生させることができる。これにより、後述する振分け部983に配設される磁性体988cを反発させて振分け部983を変位させやすくできる。
背面ベース985は、後述する第1通路TR1又は第2通路TR2に検出装置SE4,SE5を配置するための切り欠きである開口部985kが、背面視において検出装置SE4,SE5の外形と略同一の形状で形成される。これにより、検出装置SE4,SE5をベース部985aの背面側(正面ベース981と反対側)から挿入して配設することができる。なお、検出装置SE4,SE5の構造は検出装置SE3の構造として上述したものと同様なので、説明は省略する。
また、検出装置SE4,SE5は、検出孔SE1aの軸方向が第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向に平行に設定されると共に、検出孔SE1aの内部空間と第1通路TR1又は第2通路TR2の空間とが略一致する位置に配置される。
これにより、遊技球が第1通路TR1又は第2通路TR2の上側から流下する場合に、検出装置SE4,SE5の検出孔SE1aを通過させることができる。これにより、第1通路TR1又は第2通路TR2を通過する遊技球を検出することができる。
また、検出装置SE4,SE5は、検出孔SE1aの軸方向が重力方向と平行に形成されるので、遊技球を検出孔SE1aに送球する際に、遊技球の自重を利用しやすくできる。その結果、遊技球が第1通路TR1又は第2通路TR2と検出孔SE1aとの連結部分に引っ掛ることを抑制できる。
検出装置SE4,SE5は、検出孔SE1aに球が通過したと検出された場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる装置として構成される。
開口部985kは、第1通路TR1又は第2通路TR2の空間と連なって形成される。即ち、第1通路TR1又は第2通路TR2は、検出装置SE3を利用して形成される。これにより、第1通路TR1又は第2通路TR2の重力方向の長さ寸法が大きくなることを抑制できる。その結果、背面ベース985が重力方向に大型化することを抑制できる。
正面ベース981は、有色半透明(本実施形態では、青色)の樹脂材料から形成される。また、正面ベース981は、正面視において背面ベース985よりも大きい略矩形状に形成されると共に、ベース板981aとそのベース板981aから遊技者側(背面ベース985の反対側)に膨出する膨出部982と、を主に備えて形成される。
ベース板981aは、正面視略矩形状の板部材に形成され、その外周縁部に板厚方向に貫通する複数の挿通孔981gと、背面ベース985側に向けて突設される第1ガイド壁981fと、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)に板厚方向に貫通する貫通孔981cとを主に備えて形成される。
挿通孔981gは、組み立て状態の送球ユニット970をベース板60(図15参照)に締結するネジ(図示しない)を挿通する孔であり、ネジの先端部分の外径よりも大きい内径に設定される。
第1ガイド壁981fは、半円の円環形状に形成されると共に、後述する膨出部982を間に挟む状態で短手方向に一対形成される。また、第1ガイド壁981fは、半円の開放部分をベース板981aの短手方向略中央側に向けて形成される。
貫通孔981cは、一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に貫通形成される。また、貫通孔981cは、その縁部に沿って正面側に立設される側壁部981bを備えて形成される。
また、貫通孔981cは、上述した入賞口ユニット930の第2入賞口640に連通する部分であり、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、第2入賞口640に流入した遊技球の転動方向と重なる位置に形成される。
側壁部981bは、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、立設先端面が入賞口ユニット930の第2送球部942c(図18参照)と当接する寸法に形成される。また、側壁部981bは、下側の内面の転動面981c1が、転動部943aの端面943a1(図18参照)よりも下側に位置されると共に、背面ベース985側に向かって下降傾斜して形成される。
膨出部982は、ベース板981aから膨出するドーム状に形成されると共に、その内側に遊技球を挿通可能な大きさに設定され、その内側に流入口982dから流入される遊技球が通過する送球通路TR0と、その送球通路TR0から分岐する第1通路TR1及び第2通路TR2とを備えて形成される。
膨出部982は、正面視縦長矩形に形成されると共に、上端部を切り欠いて形成される流入口982dと、正面視略左右中央位置において背面ベース985側に向かって延びる壁状に形成される立設壁982aと、重力方向下の複数箇所において遊技球を背面側へ送球可能な湾曲面として形成される凹部982e〜982jとを主に備えて形成される。
また、膨出部982は、立設壁982aの下側において前後方向で穿設される送球開口982kと、その送球開口982kの左右両側において前後方向に縦長矩形状で穿設される挿通開口982lと、その挿通開口982lの上端部から左右外側に延設される形状で穿設される回転許容開口982mと、を備える。
流入口982dは、正面視略U字状に切り欠き形成される。また、流入口982dは、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、内縁部分が、入賞口ユニット930の第1入賞口64に流入した遊技球の転動方向と重なる位置に形成される。
また、流入口982dは、上側縁部に背面ベース985側と反対側に突出する第2突起982d1を備える。第2突起982d1は、上述した入賞口ユニット930の第1凹欠部942g1(図18参照)の内縁形状に形成されており、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に配設された場合に、第1凹欠部942g1の内縁に第2突起982d1が当接される。
また、第2突起982d1から流入口982dの下側端面までの距離寸法L14(図19(a)参照)は、第1凹欠部942g1の内縁から第1送球部942gの下側内縁までの距離寸法L15(図16(b)参照)までの距離寸法よりも大きく設定される。これにより、第1入賞口64を介して第1送球部942gに送球された遊技球が、流入口982dに流入する際に、流入口982d(膨出部982)と第1送球部942gとの間に挟まりにくくできる。
立設壁982aは、正面視において膨出部982の外縁形状と所定の間隔を隔てる矩形状に形成される。また、立設壁982aは、流入口982dの下側に形成されると共に、上側に立設方向視三角形状に形成される当接部982a1を備えて形成される。
立設壁982aは、膨出部982の外周部分の内縁との水平方向間隔が遊技球の直径よりも大きく設定されており、その対向間に遊技球が通過可能な空間の第1通路TR1及び第2通路TR2が形成される。
第1通路TR1及び第2通路TR2は、後述する振分け部983の下流側に形成されており、振分け部983を通過する遊技球がどちらかに送球される。振分け部983は、流入口982dに流入する遊技球を、第1通路TR1及び第2通路TR2に交互に送球可能に設定される。これにより、第1入賞口64に流入する遊技球の送球が単調になることを抑制できる。その結果、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
立設壁982aの上側には、膨出部982の内側面から背面ベース985側に円環状に突出する軸受部982cが形成される。軸受部982cは、後述する振分け部983を軸支する軸部材988aの他端側を支持する部分であり、内径が軸部材988aの外径と略同一に設定される。よって、軸部材988aを軸受部982cに挿入することで、軸部材988aの他端側を支持できる。
また、上述したように、軸部材988aの一端側は、背面ベース985の軸受部985jに挿入されるので、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせる際に、軸部材988aの一端を軸受部985jに挿入すると共に、軸部材988aの他端側を軸受部982cに挿入することで、軸部材988aを正面ベース981及び背面ベース985の間に支持できる。
当接部982a1は、後述する振分け部983の回転軌跡上に形成されており、振分け部983の作用部983aが当接することで、振分け部983の回転変位量が規制される。
凹部982e及び凹部982fは、膨出部982の下側の内側面から第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向と略直交する方向に凹設される。また、凹部982e及び凹部982fの内側には、第1通路TR1又は第2通路TR2と連通する空間の第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2が形成される。
第1分岐通路BK1は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985bと連通される。従って、第1分岐通路BK1は、第1通路TR1を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985bに流入可能とされる。
第2分岐通路BK2は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985cと連通される。従って、第2分岐通路BK2は、第2通路TR2を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985cに流入可能とされる。
第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2に案内された球は、図示しない球排出路へと案内される。即ち、第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2に案内された球は、第1アウト口71に流入した球と同様、いかなる利益を遊技者に与えることなく排出される。
なお、第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2に案内された球により遊技者に与えられる利益については、種々の変更が可能である。例えば、予め設定された個数の賞球が払い出される利益として設計しても良いし、普通図柄の抽選や大当たり抽選を行うための検出装置に球が検出されることで得られる利益として設計しても良い。
凹部982h及び凹部982jは、膨出部982の下側の内側面から第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向に凹設される。即ち、第1通路TR1及び第2通路TR2は、凹部982h及び凹部982jの分、下側に延設される。
第1通路TR1は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985eと連通される。従って、第1通路TR1は、流入口982dに流入した遊技球が流入されると共に、その流入された遊技球を背面ベース985の開口985eに流入可能とされる。
第2通路TR2は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985fと連通される。従って、第2通路TR2は、流入口982dに流入した遊技球が流入されると共に、その流入された遊技球を背面ベース985の開口985fに流入可能とされる。
送球開口982kは、凹部982h及び凹部982jの間に形成される。また、送球開口982kの内側には、第1通路TR1及び第2通路TR2と連通する空間の第3分岐通路BK3が形成される。よって、第1通路TR1及び第2通路TR2に連通する第3分岐通路BK3が、第1通路TR1及び第2通路TR2の間に形成されるので、振分けユニット980の小型化を図ることができる。
第3分岐通路BK3の下側に形成される転動面982gは、正面側に向けて下降傾斜する傾斜面として形成される。これにより、第3分岐通路BK3は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において、正面ベース981の背面側を流下した遊技球が正面ベース981の正面側に通過可能となる通路となる。
本実施形態では、第3分岐通路BK3は、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されており、その受け入れた遊技球は、送球開口982k及び送球孔941k(図16(a)参照)を通して正面側へ流れ、第2入賞口640に入球可能となるように構成されている。
膨出部982の傾斜部982bは、膨出部982の下側に形成されると共に、下側に向かって背面ベース985側に傾斜して延設される。また、傾斜部982bは、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせた状態において、膨出部982の左右幅方向に亘って形成される。
これにより、第1通路TR1、第2通路TR2、第1分岐通路BK1及び第2分岐通路BK2を流下する遊技球を傾斜部982bに当接させることで、流下する遊技球を開口985b〜985f側(背面側)に案内して開口985b〜985fに流入させ易くできる。
一方、第3分岐通路BK3を流下する遊技球を転動面982gに当接させることで、流下する遊技球を送球開口982k側(正面側)に案内して、送球開口982kに流入させ易くすることができる。
転動面982gは、正面視で左右対称形状ではなく、左側部の方が右側部よりも下側に形成されることで左右非対称形状とされる。これにより、第3分岐通路BK3に左右から同時に球が到達した場合に第3分岐通路BK3において球が左右に並ぶことを避け易くすることができ、球の並ぶ方向(直列方向)が上下方向成分を有するようにすることができる。これにより、第3分岐通路BK3で球詰まりが生じることを避け易くすることができ、球詰まりと関連して羽部材945が動作不能となる事態を避けることができる。
挿通開口982lは、ベース部材60に入賞口ユニット930及び送球ユニット970を組み付ける際に、羽部材945の延設部945d及び板状部945eを膨出部982の背面側へ挿通させるための開口である。
即ち、入賞口ユニット930の組立状態において背面ベース941の第3貫通孔941iに挿通され背面側に張り出した延設部945d及び板状部945e(図16(b)参照)は、送球ユニット970の挿通開口982lにも挿通され、延設部945dが挿通開口982lを貫いている状態で、膨出部982の背面側に板状部945eが配置される。
回転許容開口982mは、膨出部982を貫いている延設部945dの変位が規制されることを避けるために必要となる範囲に貫通形成される開口である。回転許容開口982mが最小限の大きさ(遊技球の直径よりも小さな幅)で形成されることにより、回転許容開口982mを通して遊技球が正面側に送球されることを避けることができる。次いで、図21を参照して羽部材945の開閉動作に伴う板状部945eの変位について説明する。
図21(a)及び図21(b)は、図20(a)のXXb−XXb線における振分けユニット980の断面図である。図21(a)では、閉鎖状態における羽部材945(板状部945e)が図示され、図21(b)では、開放状態における羽部材945(板状部945e)が図示される。
図21(a)に示すように、羽部材945の閉鎖状態では、第1通路TR1及び第2通路TR2から退避されており、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する球は開口985e,985fに流される。そのため、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下した球が第3分岐通路BK3側に案内されることの防止を図ることができる。
図21(b)に示すように、羽部材945の開放状態では、第1通路TR1及び第2通路TR2に板状部945eが進入しており、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する球は第3分岐通路BK3側に流される。そのため、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下した球が開口985e,985fに案内されることの防止を図ることができる。
即ち、羽部材945は、開放状態と閉鎖状態とで切り替えられることで、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する球が案内される側を切り替え可能に構成される。換言すれば、羽部材945は、羽状本体945m(図17参照)が配置される背面ベース941と正面ベース943との間の領域を流下する球の案内方向を切り替えるように作用するのみならず、板状部945eが配置される振分ユニット980の内部領域を流下する球の案内方向を切り替えるように作用する。
球が上流分岐位置BK0に到達した直後に羽部材945が開閉動作する場合について説明する。上流分岐位置BK0は、流下する球が羽部材945の作用を受ける位置の直前の位置として設定される。羽部材945の開放状態において球が上流分岐位置BK0に到達した直後に、羽部材945が閉鎖状態へ向けて開閉動作すると、球は板状部945eにより第3分岐通路BK3側に押し込まれる。
一方で、羽部材945の閉鎖状態において球が上流分岐位置BK0に到達した直後に、羽部材945が開放状態へ向けて開閉動作すると、球は開口985e,985fに案内されるか、第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2に案内される。
このように、羽部材945の動作方向側が閉塞されることなく、動作方向側に球を案内可能な程度の空間が形成されるので、羽部材945と膨出部982との間で球が挟まることで球詰まりが生じる事態の発生を回避し易くすることができる。
開口985e,985fに案内された場合には、球は検出装置SE3に検出されることで特別図柄1の抽選を獲得可能であり、賞球の払い出しの利益を受けることができるが、第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2に案内された場合には、特別図柄1の抽選も、賞球の払い出しの利益も、得ることはできない。
従って、羽部材945が閉鎖状態の時に上流分岐位置BK0に球が到達した場合には、その直後に羽部材945が開閉動作することにより遊技者が不利益を受ける可能性がある。そのため、上流分岐位置BK0及び羽部材945に対する注目力を向上することができる。
図21(b)に示すように、羽部材945及び羽状部945eは左右対称形状で構成されるので、第1通路TR1で流下した球と、第2通路TR2で流下した球とで、羽部材945による拾い易さに差は生じないようにすることができる。なお、左右から同時に球が案内された場合における球詰まりの防止は、第3分岐通路BK3の転動面としての転動面982gの形状を上述したように左右非対称とすることにより図っている。
図19及び図20に戻って説明する。振分け部983は、正面ベース981及び背面ベース985の対向間の寸法よりも若干小さい厚みに設定されると共に、正面視略T字状に形成される。また、振分け部983は、T字状の一辺側の作用部983aと、その作用部983aの延設方向略中央位置から突出する中間板983bと、作用部983a及び中間板983bの連結部分に貫通される貫通孔983cと、その貫通孔983cの軸を中心に円形状に膨出する当接部983dと、作用部983a及び中間板983bの背面ベース985側に連結して形成される壁部983eとを主に備えて形成される。
貫通孔983cは、正面ベース981及び背面ベース985の対向間に支持される軸部材988aが挿入される孔であり、軸部材988aの外径よりも若干大きく形成される。これにより、正面ベース981及び背面ベース985を組み上げる場合に、軸部材988aを振分け部983の貫通孔983cに挿入した状態とすることで、振分け部983が回転可能な状態で正面ベース981及び背面ベース985の対向間に配設される。
中間板983bは、貫通孔983cの径方向外側に向かって延設して形成されると共に、振分け部983の変位が一方または他方に回転して規制された状態において、その先端から中間板983bの内側までの離間距離L17(図20(b)参照)が遊技球の直径よりも小さい寸法とされる。これにより、遊技球の送球が第1通路TR1又は第2通路TR2の一方または他方のどちらかに規制される。
また、中間板983bは、振分け部983が貫通孔983cを中心に回転されることで、第1通路TR1の一方に遊技球の送球を規制した状態から第2通路TR2の他方に遊技球の送球を規制した状態に切り換えられる。
作用部983aは、正面視において中間板983bの延設方向と略直交する方向に延設して形成される。また、作用部983aは、当接部983dとの連結位置が、中間板983bの当接部983dとの連結位置よりも下側に設定される。これにより、流入口982dを介して振分け部983に送球される遊技球は、作用部983a側に荷重をかけた状態とされる。その結果、振分け部983は、貫通孔983cを中心に回転変位される。
壁部983eは、作用部983a及び中間板983bに連結されると共に、貫通孔983cの軸方向視において略半円状の板状に形成される。壁部983eは、貫通孔983cの軸と直交する方向において作用部983a及び中間板983bよりも外側に突出して形成されると共に、厚み寸法が上述した背面ベース985の凹部985hの凹設寸法よりも小さく設定される。
よって、背面ベース985及び正面ベース981の対向間に振分け部983を配設した状態において、凹部985hの内部に壁部983eを配置できる。これにより、流入口982dから振分けユニット980の内部に送球される遊技球が、凹部985hの内部に引っ掛ることで、その遊技球の流下が阻害されることを抑制できる。
また、壁部983eは、中間板983bの背面側であって、貫通孔983cから径方向外側端部に、中間板983b側に向かって凹設される収容部983e1を備える。収容部983e1は、円柱状体に形成される磁性体988cを内側に収容する部分であり、磁性体988cの外径と略同一の内径の円形に凹設される。また、収容部983e1は、背面ベース985側から正面ベース981側に向かって凹設されており、磁性体988cが背面ベース985側から内部に収容される。
磁性体988cは、磁石から形成されており、背面ベース985に配設される磁性体988bと反発する状態で配設される。これにより、振分け部983は、磁性体988cが背面ベース985に配設される磁性体988bから磁力が作用されて、貫通孔983cを軸に回転して作用部983aの延設方向を一方または他方に傾いた状態にできる。
また、磁性体988cと磁性体988bとが反発される状態に配設されると共に、収容部983e1が正面側に向かって凹設されるので、収容部983e1に挿入する磁性体988cが収容部983e1から抜け出ることを抑制できる。即ち、収容部983e1に挿入される磁性体988cを係止する部分を必要としないので、振分け部983の構造を簡易にできると共に、振分け部983への磁性体988cの配設を簡易にできる。
なお、磁性体988b及び磁性体988cの磁力は、遊技球の荷重よりも小さい磁着力に設定される。これにより、振分けユニット980の内側を送球される遊技球が磁性体988b及び磁性体988cに磁着して、振分けユニット980の内側に停滞することを抑制できる。
次いで、駆動ユニット960の駆動による羽部材945の作動パターンについて説明する。まず、図21を参照して、第1入賞口64に入球した球の流下に要する時間の関係について説明する。
第1入賞口64に入球した球は、送球通路TR0に到達した後、振分け部983を傾倒動作させて左右片側に流下される。この傾倒動作は、図8(a)及び図8(b)においてシーソー部材762の動作として説明した内容と重複するので説明は省略するが、本実施形態では、その傾倒動作に要する時間を十分長く確保する目的で、磁性体988b,988cの磁力が大きくなるように設計している。即ち、本実施形態では、振分け部983の傾倒動作(図8(a)に示す状態から図8(b)に示す状態までの動作)に少なくとも0.8秒かかるように設計されている。
振分け部963の傾倒動作後、球が送球通路TR0から第1通路TR1側に流れた場合、その球が検出装置SE4に検出されるまでに0.4秒間要するように通路が設計される。また、振分け部963の傾倒動作後、球が送球通路TR0から第2通路TR2側に流れた場合、その球が検出装置SE5に検出されるまでに0.2秒間要するように通路が設計される。即ち、検出センサSE4と検出センサSE5との上下方向の距離は、球の流下速度で0.2秒間を要する距離として設定される。
流下する球が羽部材945の作用を受ける直前の位置として、上流分岐位置BK0が左右一対で設定される。送球通路TR0から第1通路TR1側又は第2通路TR2側に球が流れてから、上流分岐位置BK0に到達するまでに0.6秒間を要するように設計される。
即ち、検出装置SE4に球が検出されてから、その球が上流分岐位置BK0に到達するまでに0.2秒間を要する。また、検出装置SE5に球が検出されてから、その球が上流分岐位置BK0に到達するまでに0.4秒間を要する。
上流分岐位置BK0に球が到達したタイミングで羽部材945が閉鎖状態であれば、球は開口985b,985c又は開口985e,985fを通過する一方で、上流分岐位置BK0に球が到達したタイミングで羽部材945が開放状態であれば、球は第3分岐通路BK3側に案内され、送球開口982k(図19(a)参照)を通過する。
上述のような流路構成によれば、駆動ユニット960の駆動による羽部材945の作動パターンを、検出装置SE4,SE5で球が検出されてから0.6秒よりも短い時間で終了する作動パターンで設計するようにすれば、第1入賞口64に間隔をあけずに複数の球が入球した場合であっても、検出装置SE4,SE5で球が検出したら即座に普通図柄の変動を開始することができる。
例えば、第1入賞口64に複数の球が間隔をあけずに入球した場合において、先の球が第1通路TR1側に流れて検出装置SE4で検出された場合、次の球が第2通路TR2側に流れるまでには0.8秒の空きがあり、検出装置SE5の方が0.2秒分だけ検出装置SE4よりも上側にあるとしても0.6秒の空きが確保される。即ち、先の球が検出装置SE4で検出されてから、次の球が検出装置SE5で検出されるまでに0.6秒を要する。
例えば、第1入賞口64に複数の球が間隔をあけずに入球した場合において、先の球が第2通路TR2側に流れて検出装置SE5で検出された場合、次の球が第1通路TR1側に流れるまでには0.8秒の空きがあり、検出装置SE4の方が0.2秒分だけ検出装置SE5よりも下側にあるので1.0秒の空きが確保される。即ち、先の球が検出装置SE5で検出されてから、次の球が検出装置SE4で検出されるまでに1.0秒を要する。
このように、第1入賞口64に複数の球が間隔をあけずに入球した場合において、先の球が左右どちらに流れた場合であっても、球が検出装置SE4,SE5に検出される間隔は0.6秒以上となる。
この前提のもと、本実施形態で説明する第11の作動パターン〜第14の作動パターンは、それぞれ球が検出装置SE4,SE5で検出されてから0.5秒で完了する(普通図柄の変動表示の終了までに0.5秒を要する)ように設計されているので、第1入賞口64に間隔をあけずに複数の球が入球した場合であっても、検出装置SE4,SE5で球が検出したら即座に普通図柄の変動を開始することができる。そのため、検出装置SE4,SE5での球の検出から羽部材945の動作が実行されるまでに時間遅れが生じることを防止することができる。
図22(a)から図22(d)は、検出装置SE4,SE5における球の通過の検出と、羽部材945の状態の計時変化の一例を示した図である。なお、図22(a)では、第11の作動パターンにおける計時変化が図示され、図22(b)では、第12の作動パターンにおける計時変化が図示され、図22(c)では、第13の作動パターンにおける計時変化が図示され、図22(d)では、第14の作動パターンにおける計時変化が図示される。
図22(a)から図22(d)では、検出装置SE4,SE5で球の通過が検出されたことによる第2図柄の変動表示(0.1秒)の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83(図2参照)に表示された場合における羽部材945の状態の計時変化について説明する。
図22(a)に示すように、第11の作動パターンでは、検出装置SE4,SE5で球の通過が検出されてから普通図柄が停止表示された後(0.1秒後)に羽部材945が開放状態(図において、「開」とも示す。以降の図において同様である)とされ、その開放状態が0.4秒間維持される。
これにより、第1入賞口64に入球した球が検出装置SE4,SE5に検出される場合に、検出装置SE4に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.2秒後においても、検出装置SE5に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.4秒後においても、羽部材945が開放状態で維持される。
これにより、第1入賞口64に入球した球が第1通路TR1で流下するか第2通路TR2で流下するかに関わらず、その球を第3分岐通路BK3側に案内することができ、第2入賞口640に入球させ易くすることができる。即ち、第1入賞口64への入球に基づいて獲得される抽選は、特別図柄1の抽選よりも特別図柄2の抽選の方が多くなる。
図22(b)に示すように、第12の作動パターンでは、検出装置SE4,SE5で球の通過が検出されてから普通図柄が停止表示された後(0.1秒後)に羽部材945が開放状態(図において、「開」とも示す。以降の図において同様である)とされ、その開放状態が0.2秒間維持される。その後の0.2秒間は、閉鎖状態(図において、「閉」とも示す。以降の図において同様である)とされる。
これにより、第1入賞口64に入球した球が検出装置SE4,SE5に検出される場合に、検出装置SE4に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.2秒後においては羽部材945が開放状態で維持されるが、検出装置SE5に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.4秒後においては羽部材945が閉鎖状態とされる。
これにより、第1入賞口64に入球した球が第1通路TR1で流下する場合には、その球を第3分岐通路BK3側に案内することができ、第2入賞口640に入球させ易くすることができるが、球が第2通路TR2で流下する場合には、その球を第3分岐通路BK3側に案内することはできず、第2入賞口640に入球させることはできないので、その球は検出装置SE3(図20(a)参照)に検出される。
即ち、第1入賞口64への入球に基づいて獲得される抽選は、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選とが交互に生じる。球が第1通路TR1で流下する場合が特別図柄2の抽選に対応する。
図22(c)に示すように、第13の作動パターンでは、検出装置SE4,SE5で球の通過が検出されてから普通図柄が停止表示された後(0.1秒後)、0.2秒後に羽部材945が開放状態(図において、「開」とも示す。以降の図において同様である)とされ、その開放状態が0.2秒間維持される。その後、閉鎖状態(図において、「閉」とも示す。以降の図において同様である)とされる。
これにより、第1入賞口64に入球した球が検出装置SE4,SE5に検出される場合に、検出装置SE4に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.2秒後においては羽部材945が閉鎖状態とされるが、検出装置SE5に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.4秒後においては羽部材945が開放状態で維持される。
これにより、第1入賞口64に入球した球が第1通路TR1で流下する場合には、その球を第3分岐通路BK3側に案内することはできず、第2入賞口640に入球させることはできないので、その球は検出装置SE3(図20(a)参照)に検出されるが、球が第2通路TR2で流下する場合には、その球を第3分岐通路BK3側に案内することができ、第2入賞口640に入球させ易くすることができる。
即ち、第1入賞口64への入球に基づいて獲得される抽選は、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選とが交互に生じる。球が第2通路TR1で流下する場合が特別図柄2の抽選に対応する。
図22(d)に示すように、第14の作動パターンでは、検出装置SE4,SE5で球の通過が検出されてから普通図柄が停止表示された後(0.1秒後)、0.4秒が経過する直前に羽部材945が開放状態(図において、「開」とも示す。以降の図において同様である)とされ、その直後に閉鎖状態(図において、「閉」とも示す。以降の図において同様である)とされる。
これにより、第1入賞口64に入球した球が検出装置SE4,SE5に検出される場合に、検出装置SE4に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.2秒後においても、検出装置SE5に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.4秒後においても、羽部材945が閉鎖状態で維持される。
これにより、第1入賞口64に入球した球が第1通路TR1で流下するか第2通路TR2で流下するかに関わらず、その球を第3分岐通路BK3側に案内することはできず、第2入賞口640に入球させ易くすることはできない。即ち、第1入賞口64への入球に基づいて獲得される抽選は、特別図柄2の抽選よりも特別図柄1の抽選の方が多くなる。
図22(a)から図22(d)に示すように、羽部材945の作動パターンを異ならせることにより、第1入賞口64に入球した場合に獲得される抽選が、特別図柄1の抽選となるか特別図柄2の抽選となるかを切り替えることができる。
即ち、第11の作動パターンで羽部材945が動作する場合には、特別図柄2の抽選を連続で獲得可能とされる。また、第14の作動パターンで羽部材945が動作する場合には、特別図柄1の抽選を連続で獲得可能とされる。
第12の作動パターン又は第13の作動パターンで羽部材945が動作する場合には、第1通路TR1で流下する球と第2通路TR2で流下する球とで獲得される抽選の特別図柄が異なり、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選とが交互に獲得されることになる。
ここで、特別図柄1の抽選による大当たりで遊技者が得られる利益と、特別図柄2の抽選による大当たりで遊技者が得られる利益とが異なる場合、その大当たりが特別図柄1の抽選によるものか、特別図柄2の抽選によるものかについての遊技者の注目度合いは大きい。
従来、振分け部983で左右に球が振り分けられる遊技機では、振分け部983により左右一方側(通常は左側)に流された球により特別図柄1の抽選を獲得でき、左右他方側(通常は右側)に流された球により特別図柄2の抽選を獲得できるように構成されていた。
そのため、振分け部983により球が左右どちらに流されるかを確認できれば、その後は球から目を離しても、これから実行される抽選が特別図柄1の抽選か特別図柄2の抽選かを把握することができた。この場合、振分け部983の下流側における球の流下経路に対する注目力が低下することになり、遊技領域を演出領域として有効利用できていないという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態では、第12の作動パターンでは第1通路TR1で流下する球により特別図柄2の抽選を獲得でき、第13の作動パターンでは第2通路TR2で流下する球により特別図柄2の抽選を獲得できる。そのため、球が振分け部983により左右どちらに流されるかを確認するだけでは、その球が特別図柄1の抽選を獲得できるのか、特別図柄2の抽選を獲得できるのかを把握することはできない。
即ち、振分け部983の下流側において、球が羽部材945の板状部945eに拾われるか否かを確認したり、球が送球孔941k(図18参照)を通り手前側に流れて第2入賞口640に入球するか否かを確認したりしないと、その球が特別図柄1の抽選を獲得できるのか、特別図柄2の抽選を獲得できるのかを把握することはできないように構成できる。これにより、振分け部983の下流側における球の流下経路に対する注目力を向上することができ、遊技領域を演出領域として有効利用することができる。
なお、各作動パターンにおいて、主に第1入賞口64に入球した球と羽部材945との関係について説明したが、羽部材945の羽状本体945mは背面ベース941(図15参照)よりも正面側に配置されていることから、背面ベース941の正面側を流下する球が、羽部材945が開放状態となったタイミングでちょうどよく羽部材945に到達した場合には、その球が第2入賞口640に案内されることは当然生じ得る。
図23は、図16(a)のXXIII−XXIII線における遊技盤13の断面図であり、図24(a)及び図24(b)は、図23のXXIVa−XXIVa線における入賞口ユニット930及び送球ユニット970の部分断面図である。
図24(a)では、羽部材945の閉鎖状態が図示され、図24(b)では、羽部材945の開放状態が図示される。なお、図23及び図24の説明では、図22を適宜参照する。
図23に示すように、振分ユニット980の送球開口982kよりも転動板部941l及び送球孔941kが正面側に配置されるので、振分ユニット980の内部流路で第3分岐通路BK3に案内された球は正面側へ向けて流下する。
この球は、遊技者目線で自分側に近づいてくるように見えるので、遊技領域を下方に流下する球や、第1入賞口64や第3受部944a等に入球する球のように後方へと流れることで、遊技者から遠ざかるように見える球とは明確に異なる流下態様で視認される。
これにより、遊技者に、自分側に近づいてくるように見える球に注目して遊技させることで、遊技者は、第1入賞口64に入球した球が振分ユニット980の内部流路から抜け出して第2入賞口640側へ流れる事態が生じた場合に、その事態の発生に容易に気づくことができる。
従って、遊技者が気づかないうちに球が第2入賞口640に入球し、遊技者が気づかないうちに特別図柄2の抽選が実行される事態の発生を回避し易くすることができる。
また、振分ユニット980の正面側(背面ベース941の正面側)において流下する球は遊技者の視線を遮るように作用し得る。そのため、振分ユニット980の内部経路を流下している時の球の視認性を低下させ易くすることができるので、第3分岐通路BK3に案内され、自分側に近づいてくるように見える遊技球をより一層目立たせることができる。
なお、送球孔941kは正面ベース943の背面側に配置されるので、正面ベース943が不透明の樹脂材料から形成される場合には、送球孔941k及び送球孔941kを通り正面側に案内される球の視認性を低下させることができる。
この場合、第1入賞口64に入球する球は容易に確認できるが、その球が送球孔941kを正面側に流下することの把握を困難とすることができるので、第1入賞口64に入球した球が、遊技者が気づかないうちに第2入賞口640に入球し、特別図柄2の抽選が実行される事態を容易に発生させることができる。
図23に示すように、第2入賞口640の下流側(背面側)には、球の通過を検出可能な検出装置SE6が配設される。検出装置SE6は、検出装置SE3と同様の構成からなる遊技球の通過を検知する装置であり、その厚み方向に遊技球よりも若干大きい内径の検出孔SE1aが貫通形成される。
検出装置SE3に球が通過することにより獲得できる抽選が特別図柄1の抽選であることに対して、検出装置SE6に球が通過することにより獲得できる抽選は、特別図柄2の抽選とされる。
第11の作動パターン〜第14の作動パターン(図22参照)の内、どの作動パターンで羽部材945が動作するかは、第1当たり種別選択テーブル202b(図13参照)に基づいて、予め設定される。
本実施形態では、大当たり種別が大当たりA,a,bの場合に、その後の羽部材945の作動パターンが第11の作動パターンに設定される。大当たり種別が大当たりB,Cの場合に、その後の羽部材945の作動パターンが第12の作動パターンに設定される。大当たり種別が大当たりcの場合に、その後の羽部材945の作動パターンが第13の作動パターンに設定される。第11〜第13の作動パターンの継続期間以外の期間においては、羽部材945の作動パターンが第14の作動パターンに設定される。
これにより、第1入賞口64に入球し左右側に球が振り分けられるという同一の事象に対して、球により特別図柄1の抽選を獲得できるのか、特別図柄2の抽選を獲得できるのかを、どの作動パターンで動作するかにより変化させることができる。従って、第1入賞口64に入球した球の流下経路に対する注目力を向上することができ、遊技者の視線を引き付けることができる。
図22で図示した他に、羽部材945の作動パターンとしては、検出装置SE4,SE5や普通入賞口(スルーゲート)66,67(図2参照)で球が検出されたタイミングから羽部材945が長時間(約2秒間)開放する長開放の作動パターンも用意されている。
長開放の作動パターンで羽部材945が動作される場合には、ベース板60(図15参照)の手前側を流下した球が羽状本体945m(図17参照)で拾われ易くすることができる。加えて、第1入賞口64に入球した球が第3分岐通路BK3側に案内され易くすることができる(図21(b)参照)。
このように、羽状本体945mに拾われた球が第2入賞口640に繰り返し入球する状態を構成し易い。これに加え、第1入賞口64に一旦入球した球を板状部945e(図21(b)参照)によって第3分岐通路BK3側に案内して最終的には第2入賞口640に入球するように構成し易い。従って、特別図柄1での抽選を避け、特別図柄2での抽選を繰り返し獲得する遊技態様を遊技者に提供することができる。
図24(b)に示すように、羽部材945の開放状態において、背面ベース941の正面側において羽状本体945mに乗った球P21と、背面ベース941の背面側において板状部945eに乗った球P22とを、異なる前後位置(切り分けられた位置)で同時に案内することができる。
そのため、この状態で羽部材945が閉鎖状態に変化しても、球P21と球P22とが衝突する事態が発生することを回避できる。これにより、羽部材945の開閉動作を球が邪魔して、開閉動作が完了しないという動作不良を避けることができる。
更に、羽状本体945mに同時に乗せられる球P21の個数(本実施形態では、片側に1個)よりも、板状部945eの球P22を乗せられる分、羽部材945の開放状態において同時に案内可能な球の個数を増やすことができる。
例えば、全球を羽部材945へ向けて発射する遊技態様では、羽部材945が開放状態の時に片側の羽部材945の羽状本体945mに同時に乗せられる球は1個であり、複数の球を同時に乗せることは困難である。
一方で、一部の球を羽部材945へ向けて発射して、残りの球を第1入賞口64へ向けて発射する遊技態様では、羽状本体945mに球が乗っているか否かに関わらず、板状部945eに球を乗せることができるので、片側の羽部材945に球が同時に乗る状態となり易い。
即ち、全球を羽部材945へ向けて発射する遊技態様か、一部の球を羽部材945の他に第1入賞口64へ向けて発射する遊技態様かで、羽部材945に同時に乗せられる球の個数を変化させることができる。
第1入賞口64を経由して羽部材945に到達する球P22と、第1入賞口64を経由せずに羽部材945に到達する球P21とでは、到達前の球の流下方向が異なることから、到達後の球の流下速度が異なることから、同時に到達した球でも見え方が異なる。
即ち、球P22は、第1通路TR1又は第2通路TR2を鉛直下方に流下して、羽部材945の板状部945eに到達する一方、球P21は、案内部941g1(図16(a)参照)よりも左右外側から左右内側に向く速度成分を有する流下方向で羽状本体945mに到達する。
従って、左右方向の速度成分が大きい分だけ、球P21の方が球P22に比較して、羽部材945到達後の左右内側への流下速度が速くなる。従って、球P21と球P22とが羽部材945に同時に到達したとしても、球P21と球P22とが正面視で重なる時間を短くすることができるので、羽部材945を転動する球の視認性を向上させることができる。
球P22が転動板部941lの上面を転動して送球孔941kを通過して背面ベース941の正面側に流れるタイミングによっては、球P21と衝突し得る(経路が合流する)。
ここで、送球孔941kの下縁の上下位置よりも、羽部材945の回転基端側における上面高さ上下位置の方が下側に配置される。これにより、転動板部941lを転動した球が背面ベース941の正面側に飛び込む上下位置と、羽状本体945mを転動した球が一対の羽部材945の間の空間に飛び込む上下位置とを、上下方向でずらすことができる。
そのため、球同士が衝突した場合に、それらの球の上下位置をずらすことができるので、自重に任せて流下させることで複数の球を順番に流下させることができる。これにより、球詰まりの抑制を図ることができる。
なお、羽部材945の長開放の作動パターンでは、開放の継続期間が0.6秒を超えていることからも分かるように、例えば第1入賞口64に間隔をあけずに複数の球が入球した場合において普通図柄の変動開始に待ち時間が生じる(普通図柄の変動が保留され得る)。
そのため、図22で説明したような、検出装置SE4,SE5で球が検出されたタイミングと羽部材945の開閉タイミングとを球の流下に要する時間と対応させて設定した場合と異なり、球の配置と羽部材945の開閉とを対応させることが困難となる。
従って、全ての球を第2入賞口640側に案内できるものではなく、第1入賞口64に入球する球の内、いくつかは羽部材945が閉鎖状態(図21(a)参照)のタイミングで上流分岐位置BK0に到達する可能性はある。
一方で、長開放の作動パターンにおいて、羽部材945が閉鎖状態で維持される時間(動作待ち時間、動作後待ち時間)を短時間(例えば、0.1秒)に設定することで、羽部材945が閉鎖状態(図21(a)参照)のタイミングで上流分岐位置BK0に到達する事態が生じる確率を極力低下させることができる。
板状部945eの上面を転動する球P22は、振分け部983の動作の影響で、少なくとも1.8秒間隔をあけて球が到達する。即ち、複数の球が同時に乗ることは無いように構成される。
一方で、羽状本体945mに球P21が到達する間隔は何ら制限されているものではなく、同時に複数の球が到達し得る。そのため、板状部945eに比較して羽状本体945mを丈夫に形成することが好ましい。
この点、本実施形態では、板状部945eよりも羽状本体945mの方が、板厚が大きく形成されることで、丈夫に形成されている。また、羽状本体945mは軸部材945aに直接支持されることで、球の重みによる前後方向の姿勢変化や撓みを抑制することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ベース板60の正面側に配設される羽部材945の羽状本体945mから背面側に板状部945eを張り出させることで、ベース板60の内部に配設される振分けユニット980の内部を流下する遊技球に作用可能とすることができる。
即ち、羽部材945は、ベース板60の正面側を流下する遊技球を第2入賞口640側に案内し易い状態と、第2入賞口640側への流下を防止する状態とを切り替えることに加えて、第1入賞口64に入球した遊技球を第2入賞口640側に案内し易い状態と、第2入賞口640側への流下を防止する状態とを切り替えることができる。
更に、羽状本体945mの上面を転動している球と、板状部945eの上面を転動している球との間には、仕切り板として機能する背面ベース941が配設されており、球同士の任意の位置での衝突を回避することができる。
これにより、羽状本体945mを転動している球と板状部945eを転動している球とが衝突することで球が羽部材945から零れる(第2入賞口640に案内される側の反対側に零れる)事態が発生することを回避することができる。
また、第1入賞口64に入球した球が第2入賞口640側の流路に分岐される位置(例えば、第3分岐通路BK3)において、球の流下方向が前後方向成分を有する。これにより、第2入賞口640への球の流下に関係が深い箇所を目立たせることができる。
また、検出装置SE4,SE5で球が検出されてから普通図柄の変動表示が終了するまでに、検出装置SE4,SE5で検出されないように管理することが可能な場合を形成可能である。これにより、検出装置SE4,SE5を通過した球に、その球が検出されたことにより動作制御される羽部材945をタイミングよく作用させることができる。
第1通路TR1に球が送球されるタイミングと、第2通路TR2に球が送球されるタイミングとは、少なくとも0.8秒間隔が空けられるので、第3分岐通路BK3に左右から同時に球が進入することは無いが、加えて転動面982gが左右非対称に形成されることで、第3分岐通路BK3で球詰まりが生じることをより避け易くすることができる。これにより、球の流下経路の合流位置が羽部材945に近い構成であっても、球詰まりを原因とする羽部材945の動作不良が生じることを防止することができる。
また、ベース板60の正面側において羽部材945の上面を転動する球の速度と、ベース板60の内部において羽部材945の上面を転動する球の速度とが異なるように構成される。これにより、前後で球が重なった状態が持続的に続くことを避けることができ、羽部材945の上面を転動している球の個数を把握し易くすることができる。
また、羽部材945に乗る球の個数について、羽状本体945mでは同時に複数の球が乗り得る一方で、板状部945eに乗る球の個数を1個に限定している。これにより、板状部945eよりも羽状本体945mを丈夫に構成することで、羽部材945の耐久性を向上させることができる。
また、電動役物640aの作動パターンを複数用意することで、異なる態様における特別図柄の抽選の獲得パターンを作ることができる。例えば、第1入賞口64に繰り返し入球した場合に、特別図柄1の抽選が繰り返し獲得されるパターンと、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選とが交互に獲得されるパターンと、特別図柄2の抽選が繰り返し獲得されるパターンと、を切り替えることができる。
また、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選とが交互に獲得されるパターンにおいて、左右どちらの遊技球が特別図柄2の抽選に対応するかが反対となるパターンを形成することができる。これにより、振分け部983で球が左右どちらに流れたかを確認するだけでは情報として不十分となるので、振分け部983の下流側の領域に対する注目力を向上させることができる。
また、特別図柄の抽選の獲得パターンとして、右打ち遊技を推奨する場合において、図らずも第1入賞口64に入球した場合に、特別図柄1の抽選を獲得し易いパターンと、高確率で特別図柄1の抽選の獲得が回避されるパターンと、を切り替えることができる。
次いで、図25を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、経路構成装置700により振り分けられる一方の経路を球が流下する場合に普通入賞口(スルーゲート)765を球が通過する場合を説明したが、第3実施形態の経路構成装置3700では、他方の経路を球が流下する場合に球の通過を検出可能な普通入賞口(スルーゲート)3765が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図25は、第3実施形態における遊技盤13の部分正面図である。経路構成装置3700では、振分け部材760により左右に振り分けられる経路の内、左側の経路に普通入賞口(スルーゲート)3765が配設される。
普通入賞口(スルーゲート)3765は、シーソー部材762からの左右方向距離が、シーソー部材762と普通入賞口(スルーゲート)765との左右方向距離と同じとなるように配設される。
第1入賞口64に入球した遊技球が右側に流れる場合だけでなく、左側に流れる場合も普通図柄の抽選を獲得することができるので、電動役物640aの動作頻度を高めることができる。
上記第1実施形態では、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765の通過回数が最大4回まで保留される場合を説明した。この場合、保留が途切れることなく電動役物640aを連続動作させ易く、右打ち遊技をスムーズに実行させることができるという利点がある。
これに対し、本実施形態では、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765,3765の通過回数が最大1回まで保留されるように構成される。そして、保留球数が0個の時において普通図柄の抽選で選択される作動パターンと、保留球数が1個の時において普通図柄の抽選で選択される作動パターンとが、異なるように構成されている。保留球数が満タン(1個)という状態は、保留球数が4個の場合に比較して生じ易いので、作動パターンの違いが頻繁に生じる。
本実施形態では、一例として、確変状態において、普通図柄の保留球数が0個の時には、第2の作動パターンが選択され易く、普通図柄の保留球数が1個の時には、第1の作動パターンが選択され易いよう構成される。
この前提で、第1入賞口64に連続で入球した場合(図8及び図9参照)に、3個目の球P3が移動板部材641に到達するタイミングで電動役物640aを進入状態に維持し易くすることができる。
即ち、球P1が普通入賞口(スルーゲート)765に検出され、その検出から基準時間Td1が経過するよりも前に球P2が普通入賞口(スルーゲート)3765に検出されることになるので、球P2の検出による普通図柄の抽選で選択される作動パターンは第1の作動パターンになり易い。
そのため、球P3が移動板部材641に到達する前から電動役物640aが進入状態で維持されることになるので、図8(a)に示すような状態から、球P1,P2の双方を第2球送球部736に案内することができる。
なお、図8(a)では、球P1が右側に流れる場合を説明したが、シーソー部材762の傾きが逆となっており、球P1が左側に流れる場合においても、球P2の検出による普通図柄の抽選で選択される作動パターンは第1の作動パターンになり易い。そのため、球P2が移動板部材641に到達する前から電動役物640aが進入状態で維持されることになるので、球P2を第2球送球部736に案内することができる。
なお、本実施形態では、一例として普通図柄の保留球数が1個の場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1実施形態での説明と同様に、普通図柄の保留球数を4個で設定しても良い。
次いで、図26を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、移動板部材641が、第1入賞口64に入球した遊技球を案内する右側案内部643と、第1入賞口64に入球しなかった遊技球を案内する左側案内部645と、を備え、案内部643,645間が仕切られる場合を説明したが、第4実施形態の経路構成装置4700では、第1入賞口64に入球しなかった遊技球が右側案内部643側まで案内可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図26は、第4実施形態における遊技盤13の部分正面図である。図26に示すように、電動役物4640aの状態が退避状態と進入状態とで切り替えられることで前後方向にスライド移動する移動板部材4641が、右側案内部643と、その右側案内部643の傾斜面643aの傾斜に沿って右側案内部643の左側端部から左上方向に延設される上流側案内部4645と、を備える。
上流側案内部4645は、球を転動させる傾斜面4645aが右側へ向けて下降傾斜しており、その傾斜角度が右側案内部643の傾斜角度と同じ角度(水平に対して約5度)で形成される。
本実施形態では、屈曲部材740の左右内側壁部に、移動板部材4641の上面を転動する球が通過可能となる大きさの開口が形成される。即ち、開口744(図7(a)参照)と同様の開口部が、屈曲部材740の左右内側壁部(右側案内部643の左側の壁部)に貫通形成される。
これにより、第1送球経路KR1への流入経路として、第1入賞口64を通過した球の経路の他に、上流側案内部4645を転動して右側案内部643に至る経路を用意することができる。
図26に示すように、上流側案内部4645から右側案内部643を経て球が転動する場合、移動板部材4641の動作タイミング次第で、球が回収孔752に受け入れられる場合もあるし、第2球送球部736に受け入れられる場合もある。
即ち、球が第1送球経路KR1上に配置されている時に電動役物4640aが退避状態に切り替えられると、球は回収孔752へ向けて流下する。一方で、球がKR1上に配置されている時に依然として電動役物4640aが進入状態を維持していると、球は右側案内部643を右側に通過し、第2球送球部736へ向けて流下する。即ち、厳雄板部材4641の上面を右側へ転動する球を、回収孔752又は第2球送球部736へ向けて流下させることができる。
移動板部材4641は、右下方向に下降傾斜しているが、右打ちにより発射された球が屈曲部材740の上方を左方に通過して移動板部材4641に到達する場合、左方向への勢いで移動板部材4641を左向きに通過する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、第1球送球部734の突設縁部734bが、移動板部材4641の左端部よりも上側に張り出すように配設される。即ち、移動板部材4641の左端部を通過しそうになった球を突設縁部734bに衝突させることで、球を跳ね返らせることができ、移動板部材4641の上面において球が右向きに転動する状態を形成し易くすることができる。
更に、球の跳ね返りの反発力が右向きに大きくなるほど、球が移動板部材4641の右端に到達するまでの時間を短縮することができる。即ち、突設縁部734bによって、球が移動板部材4641の左端部から零れ落ちることを防止する効果だけでなく、移動板部材4641が進入状態で維持されている間に球を移動板部材4641の右端部まで到達させ易くすることができる。
なお、移動板部材4641の左端部は球通過孔734aよりも上側に配置されている。そのため、電動役物4640aが進入状態の時に、球が移動板部材4641の上面を左側に進行して、左側端部に到達する直前に移動板部材4641が退避状態に変化する場合、球が放物線を描いて左向きに飛ぶことになり、低確率ではあるが、第1球送球部734の球通過孔734aに球を入球させることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記各実施形態では、第1入賞口64に入球した球が可動の電動役物640a又は羽部材945により第2入賞口640側に案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1入賞口64に入球した球の流下経路に、球の流下のランダム性を上昇させるための釘が配設し、釘との衝突により確率で球が第2入賞口640側に案内されるようにしても良い。
上記各実施形態では、電動役物640a又は羽部材945の動作は、普通図柄の抽選により決定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、パチンコ機10の電源投入から一定パターンで動作するように制御されるものでも良い。この場合、電動役物640a又は羽部材945に対する注目力を向上させることができる。
また、電動役物640a又は羽部材945が一定動作する場合において、スルーゲート765や検出装置SE4,SE5を依然として配置するようにしても良い。例えば、球の通過が検出されることにより、第3図柄表示装置81や音響装置やLED等により、球が通過したことを遊技者に報知するように制御しても良い。この場合、球が電動役物640a又は羽部材945の近くを流下するタイミングであることを遊技者が把握し易くすることができる。
上記各実施形態では、普通図柄の抽選を保留可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、普通図柄の抽選が保留されず、普通図柄の変動中に普通入賞口66等で球の通過が検出されたとしても、普通図柄の抽選がされないように構成しても良い。
上記各実施形態では、球の流下経路の分岐位置にシーソー部材762又は振分け部983が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、分岐位置に釘を配置しても良いし、分岐位置に樹脂材料から形成される突設部を配置しても良い。これらと球とが衝突することで、球の流下経路を分岐させることができる。この場合、球が交互に流下する場合だけでなく、片側に連続で流下する場合(タイミング)を生じさせることができる。
上記各実施形態では、電動役物640a又は羽部材945の動作時間を、0.5秒〜3秒程度の短い時間で設定したが、必ずしもこれに限れるものではない。例えば、通常状態における普通図柄の抽選の内の約10%の確率で、3秒よりも長い時間(例えば、5秒間)において、電動役物640aが進入状態で維持され、又は、羽部材945が開放状態で維持されるような長開放作動パターンで動作されるよう設定しても良い。
長開放作動パターンで動作されている場合、第1入賞口64に入球した球を電動役物640a又は羽部材945により第2入賞口640側に案内し易くすることができる。そのため、長開放作動パターンで動作している時に発射した球(1分に100球が上限という発射間隔から考えて限られた球数の球)の内、第1入賞口64に入球した球が、第2入賞口640側へは案内されないという事態を回避することができる。
長開放作動パターンで電動役物640a又は羽部材945が動作している場合には、電動役物640a又は羽部材945にめがけて球を発射する方が、特別図柄2の抽選を獲得し易いので遊技者にとって有利である。そのため、長開放作動パターンで電動役物640a又は羽部材945が動作開始する前に、第3図柄表示装置81や、音響装置や、LED等の手段により、遊技者に電動役物640a又は羽部材945めがけて球を発射させるように、予め報知するように制御しても良い。
報知は、電動役物640a又は羽部材945の配置次第で変更されるものであるが、第1実施形態では、右打ちを示唆するよう報知する方が、球が電動役物640に到達し易いので望ましい。
一方、第2実施形態では、左打ち又は右打ちのどちらで球を発射しても羽部材945に到達し易さに差は無いが、それまでの発射状態を継続する意味で、左打ちを示唆するように報知する方が望ましい。なお、通常状態から右打ち遊技を行う遊技者向けに、発射を継続させるような内容で報知しても良い。
上記第1実施形態では、センサSEで通過が検出されることにより特別図柄1の抽選を獲得可能とされ、第2入賞口640を球が通過して下流側のスイッチに球が検出されることで特別図柄2の抽選を獲得可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側のセンサSEで通過が検出される場合および第2入賞口640の下流側のスイッチで球が検出される場合に特別図柄1の抽選を獲得可能とし、右側のセンサSEで通過が検出される場合に特別図柄2の抽選を獲得可能にしても良い。
この場合、シーソー部材762により球が右側に流された場合に、電動役物640aの退避状態において球が第1送球経路KR1を通過した方が遊技者の利益が大きくなるという遊技性を構成することができる。
上記第1実施形態では、シーソー部材762の回転動作(左右傾倒動作)が0.5秒よりも短い時間で完了する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転軸部のクリアランスを小さくする等して、動作抵抗を増加させ、シーソー部材762の回転動作にかかる時間を1.0秒以上に設定しても良い。この場合、第1入賞口64に球が連球で入球したとしても、普通入賞口(スルーゲート)765で球が検出されたことによる変動表示が終了してから、次の球がシーソー部材762により左側に流されるという遊技性を構成することができる。
上記第1実施形態では、案内部742が上側突出部741の内部に形成される流路の左右中央位置に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内部742が左右に並列されるよう構成しても良い。この場合、互いの突出先端面は、互いの対向する面に近づくほど、基部側に向かって傾斜して形成されるようにすることで、2つの案内部742と当接して案内(背面側に折り返し)される球が、左右方向に位置ずれすることを効果的に抑制できる。
上記第1実施形態では、普通入賞口(スルーゲート)765と屈曲部材740との間が樹脂製の経路でつながれる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、釘で球を案内する経路を構成しても良い。この場合、球の流下速度をばらつかせることができる。
上記第1実施形態では、第1傾斜溝755及び第2傾斜溝757が平行な直線形状溝として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1傾斜溝755及び第2傾斜溝757が、非平行でも良い。また、湾曲経路で形成されても良い。湾曲の場合は、金属レールのように球の下側の案内面が湾曲する態様でも良いし、前後に蛇行する態様で湾曲するものでも良い。
上記第1実施形態では、移動板部材641が進入状態の時に左側案内部645が覆設板部711の正面側に配置され、その上面を球が転動可能となる場合を説明した。この場合において、覆設板部711の正面側に球の転動経路と交差する方向に延びる突条が突設されても良い。これにより、左側案内部645の上面を転動する球を突条に衝突させることによる球の減速を図ることができる。
上記第1実施形態では、右側案内部643により右側に流された球は漏れなく第2球送球部736に受け入れられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、右側案内部643が第2球送球部736の上側位置まで延長して形成されており、第2球送球部736の右隣に一般入賞口63が配設されるようにしても良い。
この場合、第2球送球部736の鉛直上方に球が配置されているタイミングで移動板部材641が退避状態に変化すれば球は第2球送球部736に受け入れられるが、第2球送球部736の鉛直上方に球が配置されているタイミングで移動板部材641が依然として進入状態で維持される場合には、球は第2球送球部736を右側に通過し、一般入賞口63に受け入れられる。
即ち、右側案内部643により球が右側に流された時点では、球が第2球送球部736に案内されるのか、一般入賞口63に案内されるのか判別できないので、球に対する注目力を向上させることができる。
上記第1実施形態では、大当たり種別に対応した電動役物640aの作動パターンが一つで制御される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり種別に対応して複数の作動パターンが予め設定されており、普通入賞口(スルーゲート)765での球通過検出時にいずれの作動パターンで制御されるかが確率で選択され、選択された作動パターンで電動役物640aの動作が実行されるようにしても良い。
上記第1実施形態では、高確率状態における電動役物640aの作動パターンが第1の作動パターンか第2の作動パターンで設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、高確率状態における電動役物640aの作動パターンが第4の作動パターンとなる場合を含むようにしても良い。この場合、高確率状態なのか、低確率状態なのかの判別をし難くすることができる。
上記第1実施形態では、第1入賞口64に入球した球がシーソー部材762を経由して下流側に流れる場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、シーソー部材762及び左側流路の形成を省略するようにしても良い。即ち、第1入賞口64及び右側経路のみから流路が構成去れるようにしても良い。
この場合、連球で入球する場合を排除し難くなるが、例えば、センターフレーム86から第1入賞口64までの流下経路上に、前後方向の回転軸で一定速度で回転する回転体であって外周円の所定位置で球を収容可能な凹設部が配設される回転体を配設して、凹設部に収容された球が回転体の回転により第1入賞口64の上方に到達した場合にのみ第1入賞口64に球が受け入れられるように構成することで、第1入賞口64への連球での入球を防止することができる。
即ち、任意のタイミングでの第1入賞口64への入球を回転体によって防止することができるので、第1入賞口64への入球間隔を回転体の回転速度で規定することができる。
上記第1実施形態では、第1入賞口64に入球した球は、右側案内部643に乗り、左側案内部645とは反対側に流下する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、右側案内部643の傾斜が左側案内部645側に下降傾斜する形状とされ、第1入賞口64に入球した球が右側案内部643から左側案内部645側に流れ、第1球送球部734に案内されるように構成しても良い。
この場合、十分長く移動板部材641が進入状態で維持された場合に、第1送球経路KR1に配置されていた球を第1球送球部734に案内することができ、特別図柄2の抽選を獲得することができる。
一方で、移動板部材641の進入状態が短い場合には第1球送球部734と屈曲部材740との間に球が落下することになるが、この位置に、球を受け入れることで遊技者に所定の利益を付与する受入口を配置しても良い。
その受入口に球が入球した場合における利益は、賞球の払い出しでも良いし、特別図柄1又は特別図柄2の抽選でも良いし、普通図柄の抽選でも良いし、転落抽選(高確率状態から低確率状態へ遊技状態を変化させる抽選)でも良いし、その他の利益でも良い。いずれにせよ、移動板部材641の上面を転動する球に対する注目力を向上することができる。
なお、右側案内部643の右端からより右側に上昇傾斜するように板を延長して、屈曲部材740の右側において落下した球を受け止め可能に構成しても良い。この場合において、屈曲部材740の右側から移動板部材641の上面を転動する球が第1送球経路KR1に到達するように構成される場合、球が第1送球経路KR1に配置されている状態で移動板部材641が退避状態となるように動作することで、球が第1送球経路KR1で落下してセンサSEに検出され、特別図柄1の抽選を獲得可能となる。
上記第1実施形態では、遊技領域の左側に普通入賞口(スルーゲート)66が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側に配置される普通入賞口(スルーゲート)66の配設を省略しても良い。この場合、左打ちで普通図柄の抽選を獲得するのは普通入賞口(スルーゲート)765に限定され、右打ちで普通図柄の抽選を獲得するのは普通入賞口(スルーゲート)67,765とされる。
即ち、左打ちで球を発射させることで、電動役物640aの動作を普通入賞口(スルーゲート)765での普通図柄の抽選による動作に限定することができるので、第1の作動パターン又は第2の作動パターンで電動役物640aが動作する場合に、右側案内部643に案内されずにセンサSEに検出される事態の発生を回避し易くすることができる。
一方で、右打ちで球を発射させた方が、普通図柄の抽選は獲得し易いので、遊技効率を上げやすい。即ち、遊技者は、遊技効率は低下するがセンサSEに球が検出される事態の発生を回避し易いように遊技を実行するか、遊技効率は上がるがセンサSEに球が検出される可能性が若干上がる遊技を実行するか、好みで選択することができる。
上記第1実施形態では、移動板部材641が屈曲部材740の外方まで張り出す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側案内部645の形成が省略されても良い。この場合において、第2球送球部736を第2入賞口640として機能させても良い。
上記第1実施形態では、右側案内部643へ球が振分け部材760により形成される経路から案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベース板60の正面側から右側案内部643に案内されるものでも良い。この場合、右側案内部643の左端部から同一傾斜で左側に板部が延設され、その板部の上面を転動する球が屈曲部材740の内部に進入できるように屈曲部材740の左側面に開口を形成すればよい。
上記第1実施形態では、移動板部材641の上面を転動し左右異なる方向に転動した球の経路が下流側で合流する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1傾斜溝755の下端側において球の通過を検出する検出装置が配設され、その検出装置に球が検出されることで特別図柄2の抽選を獲得可能にしても良いし、第2送球部736の後方に球の通過を検出する検出装置が配設され、その検出装置に球が検出されることで特別図柄2の抽選を獲得可能にしても良い。
即ち、第2傾斜溝757の形成を省略する等して、左側案内部645の上面を転動した球を検出する位置と、右側案内部643の上面を転動した球を検出する位置とを別々に設けるようにしても良い。
上記第2実施形態では、羽部材945の上面を前後異なる位置で転動した球の経路が下流側で合流する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3分岐通路BK3の後方に球通過孔が形成され、その下流側に検出装置が配設され、その検出装置により球の通過が検出されることで、検出装置SE6と同様に、特別図柄2の抽選を獲得可能としても良い。
即ち、送球孔941k及び送球開口982kの形成を省略する等して、羽状本体945mの上面を転動した球を検出する位置と、板状部945eの上面を転動した球を検出する位置とを別々に設けるようにしても良い。
上記第2実施形態では、板状部945eが羽部材945の回転先端側で羽状本体945mに連結固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設部945dが羽部材945の回転基端側に形成されても良いし、回転径方向の中間位置で形成されても良い。特に、延設部945dの回転基端側に形成される場合には、第4貫通孔941jや回転許容開口982mの形成幅を小さくすることができ、孔形成に伴い生じる背面ベース941や膨出部982の強度低下を最小限に抑えることができる。
なお、板状部945eに球が乗る場合、延設部945dを起点として板状部945eは撓み変形される可能性があるが、延設部945dが羽部材945の回転先端側に形成されている場合には、板状部945eが撓み変形から弾性回復する際に生じる弾性力が、球を第3分岐通路BK3側へ入れ込む方向で生じる。これにより、板状部945eの上面に到達した球を安定して第3分岐通路BK3側へ案内することができる。
上記第2実施形態では、一対の羽部材945の両方に延設部945d及び板状部945eが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、片方の羽部材945にのみ延設部945d及び板状部945eが形成されても良い。
上記第2実施形態では、羽部材945の開放状態において、羽状本体945mの転動面と、板状部945eの転動面とが、同一の傾斜面で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部945eの傾斜角度の方が、羽状本体945mの傾斜角度に比較して、浅い(水平との角度が小さい)ように形成しても良い。
この場合、羽状本体945mを転動する球の速度の方が、板状部945eを転動する球の速度よりも速くなり易くすることができる。そのため、前後に配置された球が正面視で重なった状態が維持される事態を回避し易くすることができる。
また、羽状本体945mに1個の球が乗っている場合に比較して、板状部945eに1個の球が乗っている場合の方が、球から羽部材945にかけられる動作抵抗が大きくなるようにすることができ、羽部材945の動作速度を低下させることができる。
また、羽部材945が前後方向のスライド移動で出没するよう構成される場合において、同様に、羽状本体945mの傾斜角度と板状部945eの傾斜角度とを異ならせても良い。この場合、板状部945e及び羽状本体945mに同時に球が乗った場合であっても、羽部材945の動作長さによっては、板状部945e又は羽状本体945mの一方で転動する球が転動板部941lに到達する一方で、板状部945e又は羽状本体945mの他方で転動する球が転動板部941lに到達する前に落下する状態を生じさせることができる。
上記第2実施形態では、羽部材945の開放状態における羽状本体945mの上面近傍から延設部945dが延設されることで羽状本体945mの上面と板状部945eの上面とが前後で重なって見える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部945eの上面と、羽状本体945mの上面とを、上下でずらすように形成しても良い。この場合、板状部945eに球が乗っている状態で羽状本体945mに球が乗ったとしても、その上下位置にずれがあるので、前側の球で後側の球が完全に隠される事態を回避し易くすることができる。
上記第2実施形態では、板状部945eが左右対称位置に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、羽状本体945mを左右対称形状としながら、左側の板状部945eよりも右側の板状部945eの方が上側に配置される(左右非対称で配置される)ように構成しても良い。この場合、正面から見易い羽状本体945mの見映えは左右対称を維持しながら、その背面側においてに配設される板状部945eの上面を転動する球の流下経路を左右非対称とすることができる。これにより、対称線上に球が到達した場合に左右方向の負荷がバランスして球詰まりが生じる事態を回避し易くすることができる。
上記第2実施形態では、磁性体988b,988cを利用して振分け部983の動作抵抗を設計し、球の流下間隔の最短側を規定する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、センターフレーム86から第1入賞口64までの流下経路上に、前後方向の回転軸で一定速度で回転する回転体であって外周円の所定位置で球を収容可能な凹設部が配設される回転体を配設しても良い。この場合、凹設部に収容された球が回転体の回転により第1入賞口64の上方に到達した場合にのみ第1入賞口64に球が受け入れられるように構成することで、第1入賞口64への連球での入球を防止することができる。
即ち、任意のタイミングでの第1入賞口64への入球を回転体によって防止することができるので、第1入賞口64への入球間隔を回転体の回転速度で規定することができる。
上記第4実施形態では、上流側案内部4645の傾斜面4645aと右側案内部643の傾斜面643aとが、同一傾斜である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、傾斜面4645aの傾斜角度が、傾斜面643aの傾斜角度よりも大きくしても良い。この場合、傾斜面4645a上を転動する球の右側への加速を大きくすることができるので、第1送球経路KR1に球が配置されている状態で電動役物4640aが退避状態となったとしても、勢いで第2球送球部736側に流れるという状態を構成することができる。即ち、右方向の加速が大きくなることで、球が回収孔752に流下する事態を回避し易くすることができる。この意味で、第1入賞口64に入球した球に比較して、傾斜面4645aを転動して流下する球の方が、第2球送球部736に入球し易くすることができる。
また、例えば、傾斜面4645aの傾斜角度が、傾斜面643aの傾斜角度よりも小さくしても良い。この場合、傾斜面643a上に球が滞在する時間を長くすることができるので、球が第1送球経路KR1に配置されている時に電動役物4640aが退避状態に変化し、球が回収孔752に流下する事態が生じ易くなる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<無駄球を減らすための構成>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて所定パターンで動作制御される動作手段と、を備える遊技機において、前記検出手段を通過した遊技球を前記動作手段まで所定経路で案内する案内手段を備えることを特徴とする遊技機A1。
パチンコ機等の遊技機において、検出領域で遊技球の通過を検出してから規定の時間経過後に開閉動作する可動役物を備える遊技機がある(例えば、特開2017−000562号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、検出領域を通過した遊技球の流下経路は複数通りの流下態様で流下するので、遊技球の流下態様次第で、検出領域を通過した遊技球が可動役物に拾われる場合と、可動役物から零れる場合とがランダムに生じることになることから、可動役物から零れる遊技球が多い場合には、遊技者は遊技機店が遊技者に不利になる調整を行っているのではないかと誤解し易く、平等な環境で遊技することができていないと不満に思う可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、検出手段を通過してからの遊技球の流下はランダムではなく、案内手段により遊技球が動作手段まで案内されるので、検出手段を通過した遊技球が動作手段に拾われるか、動作手段から零れるかの違いが、動作制御(入賞時に予め行われた抽選の当否に基づく制御)によるものであると遊技者に理解させることができる。即ち、案内手段の構成により規定される流下時間に基づいて、動作手段の動作制御のパターンが設定されているのであり、遊技機店の調整によるものではないと理解することができるので、平等な環境で遊技していると感じさせることができる。
なお、遊技領域は、流下した遊技球により遊技者に与えられる利益が確定するまでの遊技球の流下領域を意味し、例えば、遊技盤の正面側の領域に限られるものではない。例えば、遊技球の通過を検出することで第1図柄の抽選がされる検出装置の上流側に形成される流路であって、遊技盤の内部や遊技盤の背面側に配設される流路も遊技領域に含まれる。
遊技機A1において、前記案内手段は、前記遊技領域の背面側を通るように配設されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、案内手段で案内される遊技球を、遊技領域で流下する遊技球により隠すことができるので、案内手段から動作手段までの領域における注目力を向上することができる。
遊技機A2において、前記案内手段に案内される遊技球は、所定範囲において遊技領域を構成する遊技盤の正面側に向けて流下することを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、案内手段に案内される遊技球が遊技盤の正面側に流下することから、遊技者に遊技球が近づいてくるように視認させることができる。そのため、通常の下方に流下するだけの遊技球との比較において、案内手段に案内される遊技球を目立たせることができる。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記案内手段は、遊技球が前記検出手段から前記動作手段まで流下するのに要する時間を管理可能に構成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、遊技球を動作手段で拾うパターンの動作制御と、零すパターンの動作制御とを、容易に設定することができる。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記動作手段は、閉鎖状態または開放状態において遊技球を転動させる態様で流下を案内するよう構成され、遊技球の流下方向の幅寸法が、遊技球の直径の2倍以下に設定される第1動作部を備え、その第1動作部に前記案内手段に案内された遊技球が誘導されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかの奏する効果に加え、第1動作部によって、遊技球が動作手段に案内される時間を短縮することができると共に、動作手段で遊技球を1球ずつ案内することができる。動作手段の幅を短くすることができる。
遊技機A5において、前記動作手段は、第1動作部よりも長い第2動作部を備え、遊技球が前記第1動作部を転動するのに要する期間よりも、遊技球が前記第2動作部を転動するのに要する期間の方が長く構成されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、同様に動作手段に到達した遊技球の案内態様として、動作手段が同様の動作パターンで動作している場合に、遊技球が第1動作部に到達するか、第2動作部に到達するかによって、遊技球が下流側にどのように流下するかを変えることができる。
遊技機A6において、前記第1動作部に案内される遊技球と、前記第2動作部に案内される遊技球とは、異なる流下領域に案内されることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、一の動作手段を利用して、球の案内方向を複数方向構成することができるので、動作手段による遊技球の案内時の見映えを複数通りで実現することができる。
遊技機A7において、前記検出手段を通過した遊技球は、前記第1動作部に案内され得るよう構成され、前記検出手段を通過せずに流下した遊技球は、前記第2動作部に案内され得ることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、検出手段を通過した遊技球が、その他の遊技球に弾かれて案内不良が生じる不具合を防止することができる。
遊技機A6からA8のいずれかにおいて、前記第1動作部に案内される遊技球と、前記第2動作部に案内される遊技球とは、動作手段上での衝突が抑制されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A6からA8のいずれかの奏する効果に加え、動作手段上を転動する遊技球が衝突して、流下態様の不均一が生じることを回避し易くすることができる。
なお、第1動作部上に配置される遊技球と、第2動作部上に配置される遊技球との間に壁が配置されることで隔離されても良いし、壁は無いとしても衝突しないような流下態様に管理されても良い。
遊技機A9において、前記第1動作部に案内される遊技球は、前記第2動作部に案内される遊技球の流下方向とは逆側へ流下することを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、第1動作部に案内される遊技球と、第2動作部に案内される遊技球とが、同方向に流下する場合と異なり、遊技球の流下速度に関わらず遊技球の衝突を回避することができる。
なお、遊技球の流下方向は、左右逆方向でも良いし、前後逆方向でも良い。また、所定軌跡(例えば、円形状軌跡)に沿う逆方向でも良い。
遊技機A1からA10のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記所定経路として複数経路を備えることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A1からA10のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の動作パターンの種類は少なくしながら、遊技球の流下パターンを増やすことができる。
<8チャンスの経路にセンサが配置され不利側から有利側に球を引き抜く構成>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、遊技球の流下経路を構成する構成手段と、その構成手段の下流側に配設され遊技球が第1入球口に案内される第1経路と、前記構成手段の下流側に配設され遊技球が第2入球口に案内される第2経路と、を備える遊技機において、前記第1経路を流下する遊技球を前記第2経路側へ移動させる移動手段を備えることを特徴とする遊技機B1。
パチンコ機等の遊技機において、入球口に遊技球が通る順番で、遊技球がどの経路に向かうかが周期的に変化する遊技機がある(例えば、特開2015−144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、入球口への入球の有利不利は遊技球が入球する周期でのみ変化することになり、全般的に有利な状態や、全般的に不利な状態を形成することが困難であるという問題点があった。換言すれば、遊技者の有利度合いの変化幅が制限されるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、移動手段によって、構成手段に構成される経路を流下した遊技球が第1入球口に入球するか、第2入球口に入球するかを無秩序に生じさせることができるので、遊技球が入球する入球口が周期的に変化する場合に比較して、遊技者の有利度合いの変化幅を拡大することができる。
遊技機B1において、前記構成手段に構成される経路は、分岐経路であることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、移動手段の作用により遊技球の流下態様に変化が生じるだけでなく、経路の分岐によっても遊技球の流下態様に変化を生じさせることができるので、構成手段に入球した遊技球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機B1又はB2において、前記経路を流下する遊技球の通過を検出可能に構成される検出手段を備え、前記移動手段は、前記経路内における遊技球の流下に影響を与える態様で動作可能に構成される動作手段を備え、その動作手段は、第1状態の場合に遊技球が第1入球口へ向けて送球され、第2状態の場合に遊技球が第2入球口へ向けて送球されるよう構成され、前記検出手段で遊技球の通過が検出されることに基づいて動作制御可能に構成されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、動作手段の動作パターン次第で、構成手段に入球した遊技球が第1入球口に入球するか、第2入球口に入球するかが切り替えられるので、遊技球が入球する入球口の周期性を低くし易くすることができる。これにより、遊技球が入球する入球口が周期的に変化する場合に比較して、遊技者の有利度合いの変化幅を拡大することができる。
遊技機B3において、前記動作手段は、前記構成手段の外側を流下する遊技球を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、構成手段に構成される流路を流下する遊技球を案内する手段と、構成手段に構成される流路外で流下する遊技球を案内する手段と、を動作手段で兼用することができる。
遊技機B3又はB4において、前記構成手段の前記経路外に配設される第2検出手段を備え、前記検出手段を通過した遊技球の前記動作手段への案内態様と、前記第2検出手段を通過した遊技球の前記動作手段への案内態様と、が異なることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B3又はB4の奏する効果に加え、動作手段への案内態様を複数種類で構成することができる。
なお、案内態様の違いについては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、遊技球の経路の違いであっても良いし、遊技球の流下速度の違いであっても良い。
遊技機B3からB5のいずれかにおいて、前記動作手段は、前記第1状態と前記第2状態との切り替えにより、遊技球の流下方向を上下方向と左右方向とで変化させることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B3からB5のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の流下方向の変化を遊技者が把握し易いようにすることができる。
遊技機B3からB6のいずれかにおいて、前記検出手段は、遊技球の通過に基づいて所定の図柄が所定期間変動するように制御され、前記所定期間は、遊技球が前記経路に入球してから前記検出手段を通過するまでに要する期間よりも短く設定されることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B3からB6のいずれかの奏する効果に加え、構成手段の経路の入口から検出手段までの間に配置される遊技球が1個以下の状態を維持することにより、検出手段を遊技球が通過する時点において図柄が変動中であるという事態を回避することができる。従って、検出手段を遊技球が通過した直後に所定の図柄の変動を開始させることができる。
従って、遊技球が検出手段を通過するタイミングと、遊技球が検出手段を通過したことに基づく動作手段の動作制御を開始するタイミングと、を合わせることができる。
遊技機B7において、前記動作手段は、前記検出手段で検出された遊技球を案内しない第1制御態様と、前記検出手段で検出された遊技球を案内する第2制御態様とで、制御態様が切替可能とされることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、動作手段の動作が実行されたとしても、制御態様の違いにより、動作手段に遊技球が案内される場合と、案内されない場合とを構成できるので、動作手段の動作に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
遊技機B8において、前記制御態様の切替は、前記検出手段での検出の度に実行可能に構成され、切替可能な前記制御態様の種類は、大当たり遊技の度に変化可能に構成されることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B3からB9のいずれかにおいて、遊技球が前記第1入球口に入球することで遊技者が得られる利益と、遊技球が前記第2入球口に入球することで遊技者が得られる利益とが異なることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B3からB9のいずれかの奏する効果に加え、動作手段に対する注目力を向上させることができる。
<動作手段に複数位置で流下する構成>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作制御される動作手段と、を備える遊技機において、前記動作手段は、遊技球が流下可能な第1流下位置と、その第1流下位置とは異なる第2流下位置と、を備え、前記第1流下位置を流下する遊技球の流下態様と前記第2流下位置を流下する遊技球の流下態様とが異なるように構成されることを特徴とする遊技機C1。
パチンコ機等の遊技機において、検出手段に遊技球が検出されることに基づいて可動役物が開放し、その可動役物により遊技球が入賞口へ案内される遊技機がある(例えば、特開2015−181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球が可動役物に案内される態様は単調であり、可動役物の注目力を向上するという観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、動作手段が遊技球を流下させる複数の流下位置を備えており、遊技球がどの流下位置を流下するかで流下態様が異なるように構成されるので、遊技球が可動役物に案内される態様にバリエーションを設けることができ、可動役物の注目力を向上させることができる。
遊技機C1において、前記流下態様は、遊技球の流下速度、流下方向または流下間隔であることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、動作手段に沿って流下する遊技球の流れをばらつかせることができ、その遊技球への注目力を向上させることができる。
遊技機C1又はC2において、前記第1流下位置は、前記検出手段を通過した遊技球が流下可能な位置として設定されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、第1流下位置に遊技球が到達していることを確認することで、遊技球が検出手段を通過したことを把握できるので、検出手段を視認する必要をなくすことができる。
また、検出手段を通過した遊技球と、検出手段を通過しなかった遊技球とが、動作手段の別位置で流下するようにすることで、動作手段に同時に乗せることができる遊技球の個数を、全球が検出手段を通過するように狙う発射態様か、一部の遊技球は検出手段を逸らすことを狙う発射態様かで、変化させることができる。
遊技機C3において、前記検出手段を通過した遊技球の流下経路は、分岐しない経路として構成されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、第1流下位置に遊技球が到達したことを確認することで、その遊技球が検出手段を通過したことを把握することができる。
遊技機C1からC4のいずれかにおいて、前記第1流下位置を流下した遊技球の流下経路と、前記第2流下位置を流下した遊技球の流下経路とは、前記動作手段の下流側における所定の合流位置において合流することを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C1からC4のいずれかの奏する効果に加え、動作手段により流下された遊技球により遊技球が得られる利益を、その流下位置によらず同じとすることができる。
遊技機C5において、前記合流位置は、前記動作手段から離れた位置に配置されることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、合流時に遊技球で生じる負荷が動作手段の動作に与える影響を小さくすることができる。これにより、動作手段の動作を円滑に実行することができる。
遊技機C5において、前記合流位置は、前記動作手段に近接配置されることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、動作手段に沿って流下する遊技球の通過を検出する検出装置を、より上流側に配置することができるので、利益を早期に生じさせることができる。従って、動作手段に沿って遊技球が流下してから利益発生までの待ち時間を短縮することができる。
遊技機C5からC7のいずれかにおいて、前記合流位置で遊技球が下方に落下するよう構成されることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C5からC7のいずれかの奏する効果に加え、合流した後の球が逆流したり、球詰まりが生じたりする事態の発生を回避することができる。
遊技機C1からC8のいずれかにおいて、前記第1流下位置を流下する遊技球と、前記第2流下位置を流下する遊技球との、流下方向が同じように構成されることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C1からC8のいずれかの奏する効果に加え、動作手段に到達した遊技球に注目する側を統一することができるので、遊技者が注目すべき箇所を容易に把握させることができる。
遊技機C1からC8のいずれかにおいて、前記第1流下位置を流下する遊技球と、前記第2流下位置を流下する遊技球との、流下方向が異なるように構成されることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C1からC8のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の流下する方向を視認することで、遊技球が第1流下位置を流下したか、遊技球が第2流下位置を流下したかを、判断することができるので、動作手段に近接配置される遊技球が前後に重なり見難い構成においても、動作手段よりも下流側において遊技球の流下方向を把握することができる。
遊技機C1からC10のいずれかにおいて、遊技球が入球することで遊技者に第1の利益を付与可能に構成される第1入球口と、遊技球が入球することで遊技者に第1の利益よりも大きな第2の利益を付与可能に構成される第2入球口と、を備え、前記第1流下位置は、前記第1入球口に入球した遊技球の流下経路に配置され、前記動作手段は、前記第1流下位置を流下する遊技球を前記第2入球口側に案内可能に構成されることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C1からC10のいずれかの奏する効果に加え、動作手段によって、第1入球口に入球した遊技球により利益が付与される前に、その遊技球を第2入球口側に引き抜くことができる。
これにより、例えば、左右対称盤面の遊技機(特別図柄の抽選のための入賞口や、特別遊技において開閉する入賞口が、左右中央位置に縦並びに配置され、それらの入賞口に左打ちでも右打ちでも入球させることができる盤面構成の遊技機)であっても、動作手段の動作によって、第1入球口への入球により利益が生じる頻度を落とすことができる。
そのため、第1入球口への入球頻度を落とすために、第1入球口へ遊技球が案内されない右打ち経路を構成する必要性を下げることができ、遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
<分岐手段で分岐する第1流路と第2流路との有利不利を変化可能>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、所定の入球領域の下流側に第1流路および第2流路を構成する構成手段と、を備え、遊技球が前記第1流路を流下する場合に遊技者が得られる第1の利益と、遊技球が前記第2流路を流下する場合に遊技者が得られる第2の利益と、の大小関係を変化可能に構成される変化手段を備えることを特徴とする遊技機D1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の入球領域を流下した遊技球が左側に流下した場合と、右側に流下した場合とで、遊技者が得られると期待される利益に違いがある遊技機がある(例えば、特開2015−144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球が流下した場合に有利な方向が固定されているため、分岐位置における遊技球の流下方向さえ確認できればその後で得られる利益が予想できてしまい、実際に利益が確定する確定領域に遊技球が到達する前に遊技者の集中力のピークが来てしまうので、分岐位置から確定領域までの経路に対する注目力が低下することになり、遊技領域を演出領域として利用するという観点から改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、変化手段によって、第1の利益と第2の利益との大小関係が切替可能とされることから、遊技者の集中力のピークを、遊技球が第1流路または第2流路に入球する時点ではなく、実際に利益が確定する確定領域に遊技球が入球する時点に持ってくることができるので、分岐領域から確定領域までの経路に対する注目力を高く維持することができる。これにより、遊技境域を演出領域として有効利用することができる。
なお、利益が確定する時点としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、遊技球が検出口(検出領域、特定領域等)を通過する時点としても良いし、遊技球が検出口を通過したことで確定した利益が遊技者側に報知される時点(遊技者が利益を認識できる時)としても良い。
遊技機D1において、前記第1の利益または前記第2の利益の内、大側の利益が遊技者に付与される場合に、遊技球を正面側に流下させる流下領域を備えることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、遊技球が通常の流下態様(下方に流下する流下態様)と異なる際に大側の利益が遊技者に付与されることから、遊技球を視認させることで、大側の利益が付与されたことを遊技者に把握させ易くすることができる。
遊技機D1又はD2において、前記第1流路および前記第2流路は合流可能に構成され、その合流位置への進入位置に上下方向の位置差があることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、第1流路および第2流路から、遊技球が合流位置に同時に進入した場合であっても、衝突時の負荷が上下方向(第1流路および第2流路と交差する方向)で生じるので、遊技球が逆流することを回避し易くすることができる。
遊技機D3において、前記進入位置は、遊技球の通過頻度が高い側が下側配置されることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、高頻度で所定の進入位置を通過する遊技球が、他の進入位置に誤って入球することを避け易くすることができる。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、前記第1流路および前記第2流路は、遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて所定パターンで動作制御される動作手段と、を備え、前記第1流路における前記検出手段と前記動作手段との間隔と、前記第2流路における前記検出手段と前記動作手段との間隔と、が異なるように構成されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の動作制御は同一としながら、第1流路を遊技球が流下する場合と、第2流路を遊技球が流下する場合とで、動作手段が遊技球に作用するか否かを異ならせることができる。
<3状態で切替>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域を流下した遊技球が入球可能に構成される第1入球口および第2入球口と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作する動作手段と、を備える遊技機において、前記動作手段の動作態様に対応して、遊技球が第1入球口に入球し易い第1状態と、遊技球が第2入球口に入球し易い第2状態と、遊技球が第1入球口および第2入球口に入球し易い第3状態と、で状態を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機E1。
パチンコ機等の遊技機において、第1始動口および第2始動口を備える遊技機がある(例えば、特開2015−144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1始動口および第2始動口(第1の第2始動口)に入球し易い状態と、第2始動口(第2の第2始動口)のみに入球し易い状態と、で状態を切り替えることはできるが、第1始動口のみに入球し易い状態に切り替えることはできず、遊技球の入球態様の自由度が制限されるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、動作手段の動作態様に対応して、第1入球口および第2入球口に入球し易い第3状態と、第2入球口に入球し易い第2状態だけでなく、第1入球口に入球し易い第1状態にも状態を切り替えることができるので、遊技球の入球態様の自由度を向上させることができる。
遊技機E1において、前記第3状態では、流下した遊技球が第1入球口に入球する場合と、第2入球口に入球する場合とが、交互に生じることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、第3状態における第1入球口への入球個数と第2入球口への入球個数とを均一化することができる。
遊技機E1又はE2において、流下した遊技球が、前記第1入球口または前記第2入球口に入球可能に形成される所定流路を備えることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、所定流路を遊技球が流下している時点では、その遊技球は第1入球口に入球する可能性も、第2入球口に入球する可能性も残されているので、所定流路を流下している遊技球に対する注目力を向上することができる。
<サポートで特1特2の両方が貯まる>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域を流下した遊技球が入球可能に構成される第1入球口および第2入球口と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作制御される動作手段と、を備える遊技機において、前記動作手段は、前記動作手段が配置される位置まで流下した遊技球の流下経路を、前記第1入球口側へ向かう第1経路と、前記第2入球口側へ向かう第2経路と、その他の経路と、に分岐可能に構成されることを特徴とする遊技機F1。
パチンコ機等の遊技機において、第1始動口および第2始動口を備える遊技機がある(例えば、特開2015−144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、可動片の開状態において第2始動口(第2の第2始動口)に入球し易い状態を形成することができるが、第1始動口へ入球し易い状態を形成することはできず、可動片による遊技球の案内態様に改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、動作手段から下流側の流下経路として、第1経路と第2経路とが形成されることで、第1入球口へ遊技球を案内することも第2入球口へ遊技球を案内することもできるので、動作手段による遊技球の案内態様を改良することができる。
遊技機F1において、前記第1入球口に遊技球が入球した場合に遊技者に付与可能な利益よりも、前記第2入球口に遊技球が入球した場合に遊技者に付与可能な利益が大きく設定され、前記第1入球口は前記動作手段の中央側の下方に配置され、前記第2入球口は前記動作手段の端側の下方に配置されることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、動作手段の端側まで遊技球が流れきれば第2入球口に入球可能となるので、途中位置で落下する(タイミングよく動作手段が動作する)ことで第1入球口に入球する事態に比較して、第2入球口に遊技球が入球する事態を発生し易くすることができる。
遊技機F1又はF2において、動作手段の端部からの遊技球の零れを防止するための零れ防止手段を備えることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、零れ防止手段によって動作手段から遊技球が勢い余って零れる事態を回避することができるので、動作手段に遊技球が到達した場合の遊技者の安心感を高めることができる。
また、零れ防止手段で遊技球が高反発で跳ね返るようにすることで、動作手段の上面における遊技球の転動速度を高め、動作手段の上面を遊技球が短時間で通過し易くすることができる。
<振分け左右で構成違い>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する複数の検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作する動作手段と、その動作手段に案内された遊技球が入球可能に構成される被案内入球口と、を備える遊技機において、前記複数の検出手段は、前記動作手段の上流側に配設される第1検出手段と、その第1検出手段とは異なる位置に配設される第2検出手段と、を備えることを特徴とする遊技機G1。
パチンコ機等の遊技機において、普図始動口を備える遊技機がある(例えば、特開2016−54970号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、普図始動口に案内される経路と、開閉部材側に案内される経路とが、別経路とされ、それぞれの経路を遊技球が交互に流下するため、普図始動口の真上に配置される釘に遊技球が衝突して普図始動口から逸れる事態が生じると、次に普図始動口に遊技球が案内されるまでに期間が開いてしまうことから、開閉部材が閉じている時に開閉部材側に遊技球が流下するという、期待感の薄い状態になり易い。この場合、遊技が間延びしてしまい、遊技者の興趣を低下させる可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機G1によれば、動作手段の上流側に配設される第1検出手段と、動作手段の上流側とは異なる位置に配設される第2検出手段と、を備えるので、遊技球が検出手段に検出される状況を頻繁に生じさせることができる。これにより、動作手段の動作頻度を向上させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技機G1において、前記第1検出手段と前記動作手段との間に所定の流路が形成されることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、第1検出手段から動作手段への遊技球の流れを整流化することができる。
遊技機G1又はG2において、前記動作手段は、前記第2検出手段を通過する遊技球の流下経路側へ延びるように形成されることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1又はG2の奏する効果に加え、第2検出手段側の注目力が第1検出手段側の注目力との比較において低くなり過ぎることを回避することができる。
遊技機A1からA11、B1からB10、C1からC11、D1からD5、E1からE3、F1からF3及びG1からG3のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA11、B1からB10、C1からC11、D1からD5、E1からE3、F1からF3及びG1からG3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA11、B1からB10、C1からC11、D1からD5、E1からE3、F1からF3及びG1からG3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。