以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図90を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口26,27,28,63等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された遊技球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された遊技球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置(図示せず)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった遊技球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で遊技球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ遊技球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された遊技球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から遊技球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された遊技球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、2つの一般入賞口63、比較的大型の可動入球役物装置300、その可動入球役物装置300の左下方位置に配設される左始動入賞口26、中央位置に配設される中始動入賞口28、右下方位置に配設される右始動入賞口27を備え、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。
ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。
一般入賞口63、左始動入賞口26、右始動入賞口27、中始動入賞口28、可動入球役物装置300は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技領域内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に普通入賞口63に入球したり、左始動入賞口26、中始動入賞口28又は右始動入賞口27に入球したり、あるいは作動時(開放時)の可動入球役物装置300に入球したりする。
各入賞口に入球した遊技球は遊技盤13に形成された貫通穴を通じて遊技盤13の裏側へ回収される。
一方、可動入球役物装置300内に流入した遊技球は、さらにその内部で流下や転動、上昇等の過程を経て振り分け動作が行われた後に排出され、遊技盤13の裏側へ回収される。なお、可動入球役物装置300内での振り分け動作については、別の図面を参照しながら後述する。
可動入球役物装置300は、特定の条件が満たされた場合(例えば、左始動入賞口26、中始動入賞口28又は右始動入賞口27に遊技球が入球した場合であって、所定の特別図柄が小当たりの態様で停止表示された場合)に作動し、遊技球の流入を可能にする。すなわち可動入球役物装置300は、遊技領域の上部位置に設けられた羽部312(いわゆる羽根部材)を有しており、この羽部312は、例えばソレノイド317(図14参照)を用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って所定角度だけ往復回転する。
羽部312は、略直立した状態にあり、可動入球役物装置300への遊技球の流入は常に不能となっている。可動入球役物装置300が作動すると、羽部312がその基端部を中心として遊技領域内の左右方向へ倒れるようにして変位することで可動入球役物装置300への遊技球の流入を可能にする。羽部312は遊技領域内の上部位置、特に遊技球が最初に打ち込まれる位置の近くにあることから、可動入球役物装置300の作動時に遊技領域内に打ち込まれた遊技球は、上部位置の釘に誘導されて容易に羽部312に到達し、そのまま羽部312に案内されて可動入球役物装置300に流入する。
可動入球役物装置300は、規定の条件が満たされた場合(可動入球役物装置300の内部に設けられたいずれかの特定領域を遊技球が通過した場合)にも作動し、可動入球役物装置300への入球を可能にする。なお、可動入球役物装置300内の特定領域についてはさらに後述する。
また、可動入球役物装置300内には、後述する可変板352(図12参照)が配置されている。可変板352は、遊技球をノーマルルートに誘導するかスペシャルルートに誘導するかの振り分け動作を行う。遊技球がノーマルルートに誘導されれば、その後に大当りとなる確率は低いが、遊技球がスペシャルルートに誘導されれば、遊技球がノーマルルートに誘導された場合と比較してその後に大当りとなる確率が高くなる。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された遊技球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された遊技球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、左右始動入賞口26,27へ入賞したか、中始動入賞口28へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、左右始動入賞口26,27へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、中始動入賞口28へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が小当たりに対応した図柄かを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1センサ311bへ入賞があったことを契機として抽選(可動入球役物装置300を流下する遊技球が特定領域を通るか否かの抽選)が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、16R大当たり、7R大当たり、3R大当たり、が用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「16R大当たり」とは、最大ラウンド数が16ラウンドの大当たりのことであり、「7R大当たり」とは、最大ラウンド数が7ラウンドの大当たりのことであり、「3R大当たり」とは、最大ラウンド数が3ラウンドの大当たりのことである。
1ラウンドとは、大当たりの賞球個数を区切る単位のことである。本実施形態では、1ラウンドの間は、羽部312が傾倒し、第1センサ311b(図14参照)が開放され、30秒間経過するか、遊技球が10個第1センサ311bを通過すると終了となる。第1センサ311bを遊技球が1個通過することにより10個の賞球があるので、1ラウンドごとに、約100個の賞球を得ることができる。
なお、本実施形態では、1ラウンド目は、遊技球がV入賞部材382(図10参照)を通過することで終了となるので、1ラウンド目は賞球が無い。即ち、3R大当たりでは、最大で約200個の賞球が、7R大当たりでは、最大で約600個の賞球が、16R大当たりでは、最大で約1500個の賞球が得られる。
時短状態(時短中)とは、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして中始動入賞口28へ遊技球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、時短中でない遊技の状態(第2図柄の当たり確率がアップしていない状態)である。
時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、中始動入賞口28に付随する可変入賞装置650の可変板652が開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。可変入賞装置650の可変板652が開放された状態(開放状態)にある場合は、その可変入賞装置650の可変板652が閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、中始動入賞口28へ遊技球が入賞しやすい状態となる。よって、時短中は、中始動入賞口28へ遊技球が入賞し易い状態となり、羽部312を開放状態にし易くすることができる。
なお、時短中において、中始動入賞口28に付随する可変入賞装置650の可変板652の開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで可変入賞装置650の可変板652が開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、中始動入賞口28に付随する可変入賞装置650の可変板652が開放される時間および1回の当たりで可変入賞装置650の可変板652が開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、時短中において、中始動入賞口28に付随する可変入賞装置650の可変板652が開放される時間や、1回の当たりで可変入賞装置650の可変板652を開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の遊技球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可動入球役物装置300が配設されている。可動入球役物装置300には、左右始動入賞口26,27及び中始動入賞口28への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、開閉動作する羽部312と、スルーゲート67の遊技球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可動入球役物装置300には、外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、中始動入賞口28に付随された可変入賞装置650の可変板652が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、時短中の方が短くなるように設定される。これにより、時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、中始動入賞口28の可変入賞装置650の可変板652が開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、時短中は、中始動入賞口28へ遊技球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する可変入賞装置650の可変板652の開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、時短中に中始動入賞口28へ遊技球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する可変入賞装置650の可変板652の開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可動入球役物装置300の左右において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された遊技球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を遊技球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、可動入球役物装置300の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び可動入球役物装置300の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を可動入球役物装置300の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の遊技球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可動入球役物装置300の左右に限定されるものではなく、例えば、可動入球役物装置300の上方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可動入球役物装置300の左右下方には、球が入賞し得る左右始動入賞口26,27が配設されている。この左右始動入賞口26,27へ遊技球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる左始動入賞口スイッチ210a、右始動入賞口スイッチ210bがオンとなり、その左始動入賞口スイッチ210a、右始動入賞口スイッチ210bのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示されると共に、羽部312が所定回数(本実施形態では1回)開放し、所定期間後(本実施形態では0.5秒後)閉鎖される。
一方、左右始動入賞口26,27の正面視中央側には、球が入賞し得る中始動入賞口28が配設されている。この中始動入賞口28へ遊技球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる中始動入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その中始動入賞口スイッチ)のオンに起因して主制御装置110(図4参照)で抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示されると共に、羽部312が所定回数(本実施形態では2回)開放と閉鎖とを繰り返す(開放する期間は0.5秒で、1回目と2回目との間隔は2秒間)。
各始動入賞口26,27,28は、1/1で小当たりとなるように抽選を行っている。そのため、本実施形態において、各始動入賞口26,27,28を遊技球が通過することによる大当たりの抽選は無い。その抽選後、ランダムに選択されたオープニング期間(1〜5秒間)後に、羽部312が所定回数の開放と閉鎖とを繰り替えす。
また、左右始動入賞口26,27および中始動入賞口28は、それぞれ、球が入賞すると5個の遊技球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、左右始動入賞口26,27へ遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数と中始動入賞口28へ遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、左右始動入賞口26,27へ遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数と中始動入賞口28へ遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、左右始動入賞口26,27へ遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、中始動入賞口28へ遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
中始動入賞口28には可変入賞装置650が付随されている。この可変入賞装置650の可変板652は開閉可能に構成されており、通常は可変入賞装置650の可変板652が閉鎖状態(縮小状態)となって、球が中始動入賞口28へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への遊技球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、可変入賞装置650の可変板652が開放状態(拡大状態)となり、球が中始動入賞口28へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、可変入賞装置650の可変板652が開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、時短中は、可変入賞装置650の可変板652が開放される時間も、通常中より長くなる。よって、時短中は、通常時と比して、中始動入賞口28へ遊技球が入賞しやすい状態を作ることができる。
大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として16R大当たりとなる確率は、中始動入賞口28へ遊技球が入賞した場合のほうが左右始動入賞口26,27へ遊技球が入賞した場合よりも高く設定されている(可動入球役物装置300に複数個の遊技球をまとめて入球させ易くされている)。一方、左右始動入賞口26,27は、中始動入賞口28にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
可動入球役物装置300の上部には第1センサ311bが配設されている。パチンコ機10においては、左右始動入賞口26,27又は中始動入賞口28への入賞後、可動入球役物装置300に入球した遊技球がV入賞部材382を通過したことに起因して大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を可動入球役物装置300の一部に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり、大当たり遊技)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている羽部312が、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この羽部312は、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その羽部312が所定時間開放される。この羽部312の開閉動作は、最高で例えば15回(初回ラウンドを除く16ラウンド分)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。羽部312とは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、羽部312が所定時間開放され、その羽部312の開放中に、球が第1センサ311b内へ入賞することを契機として羽部312とは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、第1センサ311bは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も可動入球役物装置300の上側に限らず、例えば、左右始動入賞口26,27の下方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する遊技球であって、いずれの入賞口26,27,28,63にも入賞しなかった遊技球は、アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。また、可動入球役物装置300に入球した遊技球も含めて、遊技領域内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤13の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示されていないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機10の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
本実施形態における遊技機の遊技の一例について説明する。本実施形態の遊技の目的は、V入賞部材382に遊技球を通過させて、特別遊技状態へ遊技状態を移行して、賞球を得ることである。そのために、遊技者は、センターフレーム86の上面部を遊技球が滑り落ちるように遊技球の強さを調整して発射する。これにより、遊技球が多数の釘に当たりながら各始動入賞口26,27,28に入球すると、羽部312が開放する。このときに、タイミング良く遊技球を可動入球役物装置300に入球させることができれば、その後行する遊技球の流下の態様によって遊技球がV入賞部材382を通過するので、遊技者は遊技球の流下を視認して、大当たりを得ることができるか、はずれとなるかを実際の遊技球の動きを見ながら楽しむことができる。
即ち、大当たりを得る第1条件は、羽部312を開放させることであり、第2条件は、可動片190bが開放した時に遊技球を可動入球役物装置300に入球させることである。
そのため、遊技球をセンターフレーム86までは届かせない打ち方(いわゆる「ちょろ打ち」)や、返しゴム69まで届かせる打ち方(いわゆる「右打ち」)は、本実施形態で大当たりを得るためには、不利となる。
なお、後述するように、本実施形態では、可動入球役物装置300に遊技球を2個同時に入球させると大当たりを得やすい構造が採用されている。そのため、遊技者は、遊技球をセンターフレーム86の上端部(三角に尖った頂点部分)へ目がけて発射することで、遊技球を左右にばらけさせ、可動片190bの開放時に左右から1個ずつ、合わせて2個入球することを狙い、これにより、大当たりを得やすいように遊技を行うことができる。
図3に示すように、パチンコ機10の後面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により遊技球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の遊技球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、第1図柄表示装置37A,37Bにおける表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図4参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図4参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、第1センサ311bの羽部312の下辺を軸として左右へ向けて開閉回転駆動するための大開放口ソレノイド209aや可変入賞装置650の可変板652を駆動するための電動役物ソレノイド209b又はモータなどからなる各種ソレノイド・モータ209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
各種スイッチ208とは異なるスイッチであって、遊技者に与える利益に直接的に関与する各種直接スイッチ210は、入出力ポート205を介さず、直接MPU201に接続される。
各種ソレノイド・モータ209は、少なくとも、第1センサ311bの羽部312の下辺を軸として左右へ向けて開閉回転駆動するためのソレノイド317、可変入賞装置650の可変板652を開閉駆動するためのソレノイド655、回転体372R,372Lを回転駆動する駆動モータ376R、を備える。
なお、各種直接スイッチ210には、図示しない左始動入賞口スイッチ、右始動入賞口スイッチ、中始動入賞口スイッチが含まれる。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により遊技球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた遊技球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる7セグ表示器の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、各種ソレノイド・モータ209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図7を参照して、遊技盤13の概略構成について説明する。図5は、遊技盤13の正面斜視図であり、図6は、遊技盤13の分解正面斜視図であり、図7は、遊技盤13の分解背面斜視図である。
図5から図7に示すように、遊技盤13は、透明な可撓性材料の樹脂からなるベース板60の中央部の開口60aの内部に配設される可動入球役物装置300と、その可動入球役物装置300の重力方向下側に位置すると共にベース板60に配設される入賞口ユニット600と、ベース板60の背面側に配置される照射ユニット900と、を主に備える。
可動入球役物装置300は、正面視におけるベース板60の中央部に貫通形成される開口60aの内部に正面側から挿入される。可動入球役物装置300は、開口60aよりも大きい外形の縁部を備え、その縁部がベース板60の正面と当接して配設される。これにより、可動入球役物装置300をベース板60に対して前後方向に位置決めして配設できる。なお、可動入球役物装置300の詳細な説明は後述する。
入賞口ユニット600は、上述した各始動入賞口26,27,28を備えるユニットであり、可動入球役物装置300の重力方向下側に位置し、ベース板60に配設される。なお、入賞口ユニット600の詳細な説明は後述する。
照射ユニット900は、正面視略矩形の枠状態から形成されており、その外形が、ベース板60の正面視における外形よりも小さく形成される。これにより、ベース板60を介して照射ユニット900を遊技者が直接視認することを不能とできる。
また、照射ユニット900の内部には、LEDを備えた基盤(図示せず)が配設されており、LEDから照射される光が正面側(遊技者側)に照射される。上述したように、ベース板60は、透明な可撓性材料の樹脂で形成されるので、照射ユニット900のLEDから照射される光をベース板60を介して遊技者側に照射できる。
次いで、図8から図90を参照して、可動入球役物装置300、入賞口ユニット600の詳細構成を説明する。まず、図8から図80を参照して、可動入球役物装置300について説明する。
初めに、図8から図13を参照して、可動入球役物装置300の全体構成について説明する。図8は、可動入球役物装置300の正面図であり、図9は、可動入球役物装置300の背面図である。図10は、可動入球役物装置300の正面斜視図であり、図11は、可動入球役物装置300の背面斜視図である。図12は、可動入球役物装置300の分解正面斜視図であり、図13は、可動入球役物装置300の分解背面斜視図である。
図8から図13に示すように、可動入球役物装置300は、正面視略矩形の枠状態に形成されるセンターフレーム310と、そのセンターフレーム310の背面側の重力方向上側に重ね合される中間部材330と、その中間部材330の背面側に配設される後方部材350と、センターフレーム310の背面側に配設される可変ユニット360と、その可変ユニット360及び後方部材350の背面側を覆う様態で配設される背面ベース390と、その背面ベース390の背面側に配設される制御基板410とを主に備えて形成される。
可動入球役物装置300は、枠状態のセンターフレーム310の内側を通じて背面側に配設される中間部材330、後方部材350及び可変ユニット360を遊技者が視認可能とされる(図8参照)。
次に、図14及び図15を参照して、センターフレーム310の詳細な構成を説明する。図14は、センターフレーム310の分解正面斜視図であり、図15は、センターフレーム310の分解背面斜視図である。
図14及び図15に示すように、センターフレーム310は、正面視枠状に形成される枠体311と、枠体311の正面側の重力方向上側に回転可能に軸支される羽部312と、枠体311の正面側を覆う様態で配設され枠体311との間に羽部312を介設する上部正面カバー313と、羽部312を回転させるための駆動力を発生させるソレノイド317と、そのソレノイド317の駆動力を羽部312に伝達する軸部315と、ソレノイド317を収容する背面カバー316と、その背面カバー316の背面側に覆設されてソレノイド317が背面カバー316から抜け出ることを抑制する通気カバー318とを主に備えて形成される。
枠体311は、正面視枠状態に形成されると共に、重力方向上側の正面に背面側に向かって凹設される凹部311aと、その凹部311aの重力方向下側の縁部に配設される一対の第1センサ311bと、その一対の第1センサ311bの間に形成される上方傾斜部311cと、重力方向下側の内周面に形成される下降傾斜部311dと、その下降傾斜部311dの両端部に遊技球が通過可能な大きさに開口される回収孔311eと、凹部311aに正面側から背面側に亘って貫通形成される貫通孔311fとを主に備えて形成される。
凹部311aは、後述する上部正面カバー313との対向間に遊技球が通過可能な間隙を形成するための凹みであり、凹設寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、凹部311aは、正面視において左右方向(図8左右方向)両端に向かうに従って重力方向下側(図8下側)に湾曲する三日月形状に形成される。これにより、凹部311aの縁部に流下した遊技球を、その湾曲形状に沿って枠体311の外側に転動させつつ流下させることができる。
上方傾斜部311cは、枠体311の左右方向中央部に位置すると共に、凹部311aの他側の縁部(凹部311aの正面と枠体311の正面とを連結する面)に形成される。上方傾斜部311cは、枠体311の中央部から左右方向両端部に向かうに従って重力方向下側に傾斜して形成される。これにより、凹部311a(枠体311)と上部正面カバー313との対向間に遊技球が送球されると、送球された遊技球は、上方傾斜部311cの上面を重力により転動して、上方傾斜部311cの終端(左右の両端部)から落下する。
第1センサ311bは、内部に遊技球が通過可能な大きさの開口の第1検出孔311b1が形成される。第1センサ311bは、第1検出孔311b1の内部に遊技球を通過することで遊技球の通過を検知できる。
第1センサ311bは、上方傾斜部311cの左右方向両端部の外側に第1検出孔311b1が重力方向に開口する様態で配置されると共に、上方傾斜部311cの下降傾斜端よりも下方に位置して配設される。よって、上述したように、上方傾斜部311cを転動する遊技球は、上方傾斜部311cの終端まで転動して上方傾斜部311cから落下すると、第1センサ311bの第1検出孔311b1の内部を通過する。これにより、第1センサ311bで凹部311aと上部正面カバー313との対向間に送球された遊技球を検出できる。
貫通孔311fは、内部に後述する軸部315の回転軸315aが挿通される孔であり、凹部311aの他側に正面から背面に亘って貫通されると共に、その内径が回転軸315aの外径よりも大きく形成される。
下降傾斜部311dは、後述する可変ユニット360の上部を送球される遊技球が、可変ユニット360の正面から落下した際に、その遊技球を受け止めて回収孔311eに送球する面であり、センターフレーム310の他側の内周面に形成される。下降傾斜部311dは、左右方向略中央位置から外側に向かうに従って重力方向下側に傾斜して形成される。よって、下降傾斜部311dの上部に送球された遊技球をその傾斜に沿って下降傾斜部311dの終端位置まで転動させることができる。
回収孔311eは、上述したように下降傾斜部311dに送球される遊技球が次に送球される孔であり、球の外径よりも大きい開口に形成されると共に、下降傾斜部311dの左右方向両端に形成される。よって、上述したように、下降傾斜部311dの上部を転動する遊技球は、下降傾斜部311dの終端まで転動して下降傾斜部311dから落下すると、回収孔311eの内部に送球される。
羽部312は、正面視略三角形に形成され、その厚みが遊技球の直径と略同一に設定される。また、羽部312は、背面側の他側(重力方向下側)に正面側に向かって円形に凹設される軸支孔312aが形成される。
軸支孔312aは、後述する軸部315の回転軸315aが内嵌される孔であり、回転軸315aの外径と略同一もしくは小さい内径に形成される。これにより、軸部315の回転軸315aが回転されると、軸支孔312aを軸として羽部312を回転変位させることができる。なお、羽部312の動作についての詳しい説明は後述する。
上部正面カバー313は、枠体311の正面側に遊技球の流下経路を形成するための板であり、枠体311の凹部311aの正面と遊技球の直径よりも大きい隙間を隔てて配設される。これにより、凹部311aと上部正面カバー313との対向間に遊技球が流下可能な隙間が形成される。また、上部正面カバー313は、透明な板状体で形成されており、遊技者から凹部311aと上部正面カバー313との対向間を流下する遊技球を視認可能とできる。
上部正面カバー313は、一側(重力方向上側)が湾曲する半円弧状に形成されると共に、一側端部の背面側に突出する膨出部313aを備える。
膨出部313aは、上部正面カバー313の重力方向上方から流下する遊技球が、凹部311aと上部正面カバー313との対向間に侵入することを防止するための突出部であり、一対に配設される羽部312の対向間の上部に形成される。また、羽部312が第1状態(羽部312が回転変位されず、先端部A1を軸支孔312aの重力方向上側に位置する状態)に位置する際には、羽部312と膨出部313aとの隙間が遊技球の直径よりも小さく設定されており、遊技盤13の正面側を流下する遊技球が凹部311aと上部正面カバー313との対向間に侵入できない状態とされる(図17(a)参照)。
ソレノイド317は、羽部312に駆動力を付与する駆動手段であり、ピストン変位する軸部317aと、その軸部317aの重力方向下側に形成される伝達部317bとを主に備えて形成される。
軸部317aは、円柱形状に形成されると共に、一側がソレノイド317の内部に挿通される。軸部317aは、その軸方向が重力方向と平行に配設されており、ソレノイド317に電力が付与されると、重力方向上側に変位してソレノイド317の内部に引き込まれる。即ち、軸部317aは、重力方向にピストン運動することができる。
伝達部317bは、軸部317aの他側から内部に開口317b1を有したD字状に突出して形成される。伝達部317bの開口317b1は、正面側から背面側に亘って開口して形成されており、内部に後述する可変軸315bが挿入される。よって、軸部317aが重力方向にピストン運動すると、伝達部317bに挿入された可変軸315bが重力方向に変位される。
軸部315は、ソレノイド317の駆動力を羽部312に伝達する軸であり、正面側の一端に配設されて羽部312に連結される回転軸315aと、背面側の一端に配設されてソレノイド317に係合される可変軸315bと、回転軸315a及び可変軸315bを連結する連結部315cとを主に備えて形成される。
回転軸315aは、上述したように、羽部312を回転させる駆動力を伝達する軸であり、正面側の一端が枠体311の貫通孔311fの背面側から挿入されて正面側に突出されると共に、枠体311の正面側から突出した端部に羽部312の軸支孔312aが外嵌される。
可変軸315bは、上述したように背面側の端部がソレノイド317の伝達部317bに挿入されており、ソレノイド317の駆動により変位される。
連結部315cは、回転軸315aと可変軸315bとを連結する連結部分であり、回転軸315aの背面側の端部と可変軸315bの正面側の端部とが連結される。回転軸315aと可変軸315bとは、互いの軸が平行となる様態で連結される。即ち、回転軸315aと可変軸315bとは、偏心する位置で連結部315cにより連結される。これにより、可変軸315bが重力方向に変位されると、その変位が連結部315cにより回転軸315aに伝達され、回転軸315aが回転変位する。その結果、羽部312を回転変位させることができる。
背面カバー316は、内部にソレノイド317を配設するための板であり、枠体311の重力方向上側の一側の背面を覆設する様態で配設されると共に、背面側にソレノイド317を配設する凹設部316aと、その凹設部316aの重力方向下側に開口316bと、が形成される。
凹設部316aは、内部にソレノイド317を配設するための凹みであり、ソレノイド317と対向する位置に凹設される。凹設部316aの凹設深さは、ソレノイド317の前後方向の厚み寸法と略同一に設定されており、背面カバー316の背面側とソレノイド317の背面側とが略一致する位置に配設される。よって、背面カバー316の背面側に板状体から形成される通気カバー318が覆設されることで、背面カバー316からソレノイド317が脱落不能とされる。
開口316bは、ソレノイド317の伝達部317bに軸部315の可変軸315bを係合させるための開口であり、可変軸315bの変位領域よりも大きい開口に形成される。これにより、背面カバー316の背面側に配設されるソレノイド317の駆動力を軸部315に伝達することができる。
次いで、図16及び図17を参照して、羽部312の変位動作について説明する。図16の(a)から(c)は、センターフレーム310の部分拡大背面図であり、図17の(a)から(c)は、センターフレーム310の部分拡大正面図である。
なお、図16(a)及び図17(a)は、羽部312の変位前の第1状態が、図16(c)及び図17(c)は、羽部312の変位後の第3状態が、図16(b)及び図17(b)は、第1状態から第3状態への変位途中の中間位置における状態の第2状態が、それぞれ図示される。また、図17では、羽部312の軸支孔312aと反対側の端部を先端部A1として説明する。
さらに、図16(a)から図16(c)では、通気カバー318が、図17(a)から図17(c)では、上部正面カバー313が、それぞれ透明視された状態が図示される。また、図16及び図17では、回転軸315aが破線で図示される。
図16(a)及び図17(a)に示すように、第1状態ではソレノイド317の軸部317aが重力方向下側に突出した状態で配設される。これにより、伝達部317bの開口317b1に挿通される可変軸315bが回転軸315aよりも重力方向下側に位置した状態とされる。この場合、回転軸315aを外嵌する羽部312の先端部A1は、軸支孔312a(回転軸315a)の重力方向上側(図17(a)上側)、且つ、一対の羽部312の対向間の内側に位置する。
図16(a)及び図17(a)に示す状態から、ソレノイド317に電力が付与されて軸部317aが重力方向上方に変位すると、図16(b)及び図17(b)に示す第2状態とされる。
図16(b)及び図17(b)に示すように、第2状態では、軸部317aが重力方向上側に変位してソレノイド317の内部に収容される分、軸部315の可変軸315bが、回転軸315aの軸を中心に回転しつつ重力方向上側に変位される。可変軸315bが回転変位されると、その回転変位が連結部315cを介して回転軸315aに伝達されて回転軸315aが回転される。これにより、羽部312が軸支孔312aを軸に回転変位される。
第2状態では、羽部312の先端部A1は、一対の羽部312の対向間の外側に位置すると共に、先端部A1と上部正面カバー313の膨出部313aとの隙間が遊技球の外径よりも大きくされる。即ち、第2状態では、枠体311の凹部311aと上部正面カバーとの対向間に重力方向上側から流下される遊技球を流入可能とされる。
なお、第2状態とは、第1状態から第3状態への変位における中間位置である。即ち、羽部312の変位は、上述した第1状態の位置と後述する第3状態の位置とを一連の動作として行われる。
図16(b)及び図17(b)に示す状態から、ソレノイド317に電力が付与され続けて、軸部317aが重力方向上側にさらに変位すると、図16(c)及び図17(c)に示す第3状態とされる。
図16(b)及び図17(b)に示すように、第3状態では、上述した第2状態よりもさらに軸部317aが重力方向上側に変位してソレノイド317の内部に収容される。これにより、軸部315の可変軸315bが、回転軸315aの軸を中心にさらに回転しつつ重力方向上側に変位される。可変軸315bが回転変位されると、上述した第1状態から第2状態への変位と同様に、可変軸315bの回転変位が連結部315cを介して回転軸315aに伝達されて回転軸315aが更に回転される。従って、羽部312が軸支孔312aを軸に第2状態よりもさらに回転変位される。
第3状態では、羽部312の先端部A1は、一対の羽部312の対向間の外側に位置すると共に、先端部A1と軸支孔312a(回転軸315a)とを結ぶ仮想線S1が、重力方向に対して略45度左右方向外側に傾斜する状態とされる。これにより、遊技盤13の上方を流下する遊技球を羽部312で受け止め可能な領域が拡大されるので、枠体311の凹部311aと上部正面カバー313との対向間に遊技球を流入させやすくできる。
次に、図18を参照して、第1状態および第3状態における遊技盤13を流下する遊技球について説明する。図18(a)は、第1状態におけるセンターフレーム310の部分拡大正面図であり、図18(b)は、第3状態におけるセンターフレーム310の部分拡大正面図である。
図18(a)に示すように、第1状態では、羽部312の先端部A1と上部正面カバー313の膨出部313aとの隙間が遊技球の直径よりも小さくされるので、枠体311の凹部311aと上部正面カバー313との対向間に遊技球が流入不可能とされる。
よって、センターフレーム310の上方から流下する遊技球は、枠体311の凹部311aと上部正面カバー313との対向間に流入することなく、センターフレーム310(可動入球役物装置300)の左右方向両側を流下する。
一方、第3状態では、上述したように羽部312の先端部A1と軸支孔312aとを結ぶ仮想線S1は、重力方向に対して略45度傾斜する様態とされる。よって、図18(b)に示すように、枠体311の凹部311aと上部正面カバー313との対向間に遊技球が流入可能とされる。
従って、センターフレーム310の上方から流下して、羽部312の上方に衝突する遊技球は、羽部312によって枠体311の凹部311aと上部正面カバー313との対向間に転動して送球される。
次いで、図19及び図20を参照して、中間部材330の詳細な構成について説明する。図19(a)は、中間部材330の正面図であり、図19(b)は、中間部材330の背面図であり、図19(c)は、図19(a)のXIXc−XIXc線における中間部材330の断面図である。図20(a)は、中間部材330の分解正面斜視図であり、図20(b)は、中間部材330の分解背面斜視図である。
図19及び図20に示すように、中間部材330は、正面視略矩形に形成される本体部331と、その本体部331の左右方向外側の両側に配設され本体部331の内側を照射する装飾基盤332とを主に備えて形成される。
本体部331は、センターフレーム310の枠体311の凹部311aと上部正面カバー313との対向間に送球された遊技球を第1センサ311bの重力方向下側で拾って背面側に送球するための板であり、正面側の略中央位置から突出してその先端が第1検出孔311b1(第1センサ311b)の重力方向下側に配置される受部331aと、その受部331aの重力方向下側に位置して、受部331aから送球される遊技球を複数の流路に案内する案内部331bとを主に備えて形成される。
また、本体部331は、透明な可撓性材料から形成される。これにより、本体部331の左右方向外側に配設する装飾基盤332から照射される光を本体部331の内側に照射することができる。
受部331aは、正面視において重力方向上側(図19(a)上下方向上側)が開放する断面略U字状に形成される。受部331aの正面側の突出先端は、センターフレーム310の枠体311の開口内部に挿入されると共に、枠体311の第1検出孔311b1(第1センサ311b)の重力方向下側に位置して配設される。これにより、上述したように、枠体311(センターフレーム310)の第1検出孔311b1を通過する遊技球を受部331aの内面(U字状の内側部分)に落下させることできる。
また、受部331aは、重力方向下側の底面が正面側から背面側に向かうに従って下降傾斜して形成される(図19(c)参照)。これにより、受部331aに落下した遊技球を、その下降傾斜に沿って転動させて本体部331の背面側に送球することができる。
案内部331bは、受部331aの重力方向下側(図19(b)上下方向下側)に本体部331の背面側から突出して形成される。案内部331bは、重力方向下側が開放した大小2つのU字形状を遊技球の直径よりも大きい所定の間隔を隔てて突設して形成される。
案内部331bの小形のU字に形成される内側案内部331b1は、その上面が左右方向略中央位置から外側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、内側案内部331b1の上部に送球される遊技球を、内側案内部331b1の上面を左右方向に転動させることができる。
案内部331bの大形のU字に形成される外側案内部331b2は、上述したように、内側案内部331b1と遊技球の直径よりも大きい間隔を備えて形成される。これにより、内側案内部331b1と外側案内部331b2との対向間に遊技球を案内することができる。内側案内部331b1と外側案内部331b2との対向間に案内される遊技球は、その対向間を流下して後述する本体部380の第1転動部381aに送球される。
外側案内部331b2の左右方向(図19(b)左右方向)外側には、本体部331の背面側から突出する立設壁331cが重力方向に延設される。立設壁331cは、外側案内部331b2と遊技球の直径よりも大きい間隔を隔てて形成される。これにより、外側案内部331b2の上面に送球されて、外側案内部331b2の上面から落下する遊技球を外側案内部331b2と立設壁331cとの対向間に送球して、流下させることができる。
次に、図21及び図23を参照して、センターフレーム310から中間部材330への遊技球の送球を説明する。図21(a)は、センターフレーム310及び中間部材330の正面図であり、図21(b)は、センターフレーム310及び中間部材330の側面図であり、図21(c)は、図21(a)のXXIc−XXIc線におけるセンターフレーム310及び中間部材330の部分拡大断面図である。図22(a)から図22(c)は、センターフレーム310及び中間部材330の正面図である。図23(a)から図23(c)は、センターフレーム310及び中間部材330の部分拡大断面図である。
なお、図21から図23では、センターフレーム310及び中間部材330が組み合わされた状態が図示される。また、図22及び図23では、第3状態(羽部312を軸支孔312aを中心に回転させた状態)におけるセンターフレーム310が図示され、図23(a)から図23(c)では、図21(c)の断面図と対応する断面が図示される。さらに、図22及び図23では、球の送球される遷移状態が図示される。
図21(a)から図21(c)に示すように、センターフレーム310及び中間部材330が組み合わされた状態では、中間部材330の受部331aの突出先端がセンターフレーム310の上部正面カバー313の正面と重力方向における位置が略一致する。即ち、受部331aは、第1センサ311bと重力方向に対向する位置まで突設される。よって、上述したように、第1センサ311bの内部を通過して流下する遊技球を、受部331aに落下させることができる。
図22(a)及び図23(a)に示すように、第3状態における羽部312では、センターフレームの重力方向上側から流下する遊技球が、羽部312と当接して、2の羽部312の対向間に送球される。これにより、図22(b)及び図23(b)に示すように、球が、枠体311の凹部311aと上部正面カバー313との対向間に送球される。
図22(b)及び図23(b)に示すように、上部正面カバー313と枠体311の凹部311aとの対向間に送球される遊技球は、凹部311aの重力方向下側縁部に配設した第1センサ311bの内側案内部331b1の内部を通過して図22(c)及び図23(c)に示す受部331aの内側に送球される。
図22(c)及び図23(c)に示すように、第1センサ311bの内側案内部331b1の重力方向下側には、受部331aの湾曲部分(正面視U字状の湾曲部分)が位置される。これにより、受部331aに落下した遊技球が、反発して跳ね返ることを抑制できる。その結果、受部331aの内側を転動する遊技球の転動速度が遅くなることを抑制できる。
次に、図24を参照して、受部331aの上面を転動する遊技球について説明する。図24(a)から図24(c)は、センターフレーム310及び中間部材330の断面図である。なお、図24(a)から図24(c)は、受部331aの上面を転動する遊技球の遷移状態が図示される。また、図24(a)から図24(c)は、図21(c)の断面と対応する。
図24(a)から図24(c)に示すように、受部331aの上面に送球される遊技球は、基部側(背面側)に向かう下降傾斜により、受部331aの上面を転動して受部331aの基部側に転動する。この際、上述したように、第1センサ311bの内側案内部331b1の重力方向下側には、受部331aの湾曲部分が位置するので、内側案内部331b1から流下する遊技球を受部331aの湾曲部分に衝突させることができる。これにより、重力方向に流下する遊技球に、左右方向へ変位を付与することができる。従って、受部331aの上面を流下する遊技球の転動を受部331aの基部に向かう転動だけでなく、左右方向へ転動させることができ、遊技者に遊技球の転動状態を長く見せて遊技者の興趣を向上することができる。
また、湾曲部分は平坦面よりも剛性が高くなるので、受部331aの上面への遊技球の流下位置を湾曲部分とすることで、受部331aの上面へ遊技球が落下した際に受部331aがその衝撃により破損することを抑制できる。
次に、図25から図27を参照して、後方部材350について説明する。図25(a)は、後方部材350の正面図であり、図25(b)は、後方部材350の背面図であり、図25(c)は、図25(a)のXXVc−XXVc線における後方部材350の断面図である。図26は、後方部材350の分解正面斜視図であり、図27は、後方部材350の分解背面斜視図である。
図25から図27に示すように、後方部材350は、正面視略台形の板状体から形成される背面本体部351と、その背面本体部351の中央部に前後方向に開口する開口351bの内側に変位可能に配設される可変板352と、可変板352を間に挟む様態で背面本体部351に取着されて可変板352の変位に伴ってその内部に遊技球が送球される入賞部材353と、入賞部材353に取着され入賞部材353の内部の遊技球の送球経路を形成する装飾部材354と、装飾部材354に取着されると共に装飾部材354を介して遊技者側に光を照射する発光部材355と、可変板352に駆動力を付与するソレノイド356と、装飾部材354との間にソレノイド356を介した状態で取着されソレノイド356を脱落不能に保持するカバー部材357とを主に備えて形成される。
背面本体部351は、正面側に断面U字状に突出する立設部351aと、立設部351aの内側に形成されると共に正面から背面に亘って開口する開口351bと、開口351bの左右方向両外側に位置すると共に後述する可変板352の軸部352aを保持する軸受部352fと、開口351bの重力方向下側に正面から背面に亘って開口し開口351bから背面側に送球される遊技球を前方に案内する連結孔351cと、背面本体部351の重力方向下側端部に前方から背面に向かって凹設される第1凹部351d及び第2凹部351eとを主に備えて形成される。
背面本体部351は、中間部材330(本体部331)の受部331aを転動する(中間部材330を送球される)遊技球を、重力方向下側へ流下させる部材であり、中間部材330の背面側と遊技球の直径よりも大きい間隔を空けて中間部材330に取着される。これにより、中間部材330と背面本体部351との対向間に遊技球を流下させることができる。
また、背面本体部351は、正面視における外形が中間部材330の外形と略同一もしくは小さく形成される。これにより、組み上げた状態の可動入球役物装置300のセンターフレーム310よりも正面視外側に部材が突出することを抑制して、可動入球役物装置300をベース板60の開口60aに取着する際に前方から可動入球役物装置300を挿入するのみで配置することができ、可動入球役物装置300のベース板60への取り付けを簡易に行うことができる。
立設部351aは、正面視において下側が開放するU字状に形成される。立設部351aは、その対向間の幅寸法が小さい第1立設部351a1と、その第1立設部351a1よりも対向間の距離寸法が大きい第2立設部351a2と、を備える。
第1立設部351a1は、左右両側の対向間の距離寸法が中間部材330の受部331aの左右両側の対向間の距離寸法と略同一に設定され、左右両側の端部が受部331aの左右両側の端部と前後方向に対向する位置に配設される。また、第1立設部351a1の上方端部の重力方向の高さ位置は、受部331aの上端一致と略同一に設定される。これにより、中間部材330の受部331aの上面を転動して送球される遊技球を、中間部材330と背面本体部351との対向間に流下させることができると共に、立設部351aの内側に流下させることができる。
第2立設部351a2は、第1立設部352a1の重力方向下側の端部と連結して形成される。第2立設部351a2の対向間の距離寸法は、開口351bの長手方向寸法と略同一に設定され、開口351bの内側に配設される可変板352が可変した際に、可変板352の長手方向外側を遊技球が流下することを抑制できる。これにより、可変板352を変位させた際に、背面本体部と351と中間部材330との対向間を流下する遊技球を開口351bに確実に送球させることができる。
開口351bは、中間部材330及び背面本体部351の対向間を流下する遊技球を背面本体部351の背面側に送球可能にするための開口であり、正面視横長矩形に形成されると共にその短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、上述したように、開口351bは、第2立設部351a2の左右の対向間に形成される。
連結孔351cは、開口351bの内部を通過して背面本体部の背面側に送球された遊技球を後述する入賞部材353を介して正面側に送球する孔であり、開口351bの重力方向下方に位置すると共に、球の直径よりも大きい矩形状に開口して形成される。また、連結孔351cは、左右方向に並んで2つ並設される。
第1凹部351dは、連結孔351cから背面本体部351の正面側に送球された遊技球が、上述した中間部材330の内側案内部の上面に案内されて流下する経路であり、背面本体部351の重力方向下側端部に位置すると共に、背面側に向かって凹設される。
また、第1凹部351dは、中間部材330に背面本体部351(後方部材350)が配置された際に、正面視において中間部材330の内側案内部331b1と外側案内部331b2との対向間に位置して形成される。よって、内側案内部331b1と外側案内部331b2との対向間を流下する遊技球の流下方向を背面側に変位させることができる。これにより、中間部材330と背面本体部351との対向間を送球される遊技球が、後述する可変ユニット360に流下される際に、重力方向への流下速度を遅くすることができる。従って、可変ユニット360に遊技球が送球される際に、可変ユニット360と衝突して遊技球が跳ねることを抑制でき、後方部材350から可変ユニット360への送球を安定させることができる。
第2凹部351eは、中間部材330及び後方部材350の対向間を流下する遊技球が、中間部材330の外側案内部331b2の上面に案内されて流下する経路であり、第1凹部351dの左右方向外側に位置すると共に、背面側に向かって凹設される。
また、第2凹部351eは、中間部材330に背面本体部351(後方部材350)が配置された際に、正面視において中間部材330の外側案内部331b2と立設壁331cとの対向間に位置して形成される。よって、外側案内部331b2と立設壁331cとの対向間を流下する遊技球の流下方向を背面側に変位させることができる。これにより、中間部材330と背面本体部351との対向間を送球される遊技球が、後述する可変ユニット360に流下される際に、重力方向への流下速度を遅くすることができる。従って、可変ユニット360に遊技球が送球される際に、可変ユニット360と衝突して遊技球が跳ねることを抑制でき、後方部材359から可変ユニット360への送球を安定させることができる。
可変板352は、上述したように、中間部材330と背面本体部351(後方部材350)との対向間を流下する遊技球を背面本体部351の開口351bの内部に送球するための案内部材であり、背面本体部351の開口351bの内側に回転可能な状態で配設される。
可変板352は、透明な可撓性材料から形成される。また、可変板352は、背面本体部351の開口351bの内部に配設されると共に正面視横長矩形の板状体に形成される板部352dと、板部352dの長手方向両端から突出して回転可能に軸支される軸部352aと、その軸部352aから径方向外側に突出して可変板352が変位する際に背面本体部351と係合して可変板352の変位量を規制する第1突起352bと、その第1突起352bと径方向に異なる方向に突出して、後述する駆動手段のソレノイド356の駆動力を伝達する第2突起352cとを主に備えて形成される。
板部352dは、回転変位して中間部材330と背面本体部351との対向間を流下する遊技球を開口351bに案内する板状体であり、正面視における外形が開口351bよりも小さい横長矩形に形成される。
また、板部352dは、変位前の状態において中間部材330と対向する正面部352d2と、回転軸(軸部352a)と反対側の端部から中間部材330側に膨出する膨出部352d1とを備える。なお、膨出部352d1及び正面部352d2の詳しい説明は後述する。
軸部352aは、板部352dを回転変位可能に軸支される軸部であり、板部352dの長手方向両端の重力方向下側の一端から突出形成される。軸部352aは、背面本体部351の軸受部351fの内側に配置され、背面側から後述する入賞部材353が配設されることで、背面本体部351と入賞部材353との間に回転可能に保持される。これにより、可変板352は、背面本体部351に対して回転変位可能とされる。
第1突起352bは、可変板352は回転変位した際に、背面本体部351と当接して可変板352の回転時の変位量を規制する突起であり、左右両端の軸部352aから径方向に突出して形成される。また、両端の軸部352aの第1突起352bの突出方向は、軸部352aの軸方向視において略同一に設定される。
さらに、一方の第1突起352b(本実施形態では、正面視右側の第1突起352b)が、後述するソレノイド356の伝達部356aと係合される。これにより、ソレノイド356の駆動力を可変板352に伝達できる。よって、ソレノイド356の駆動力により可変板352を軸部352aの軸周りに回転させることができる。
また、一方の第1突起352bの軸部352aには、第2突起352cが軸部352aから径方向に突出して形成される。軸部352aの軸方向視において、第1突起352bと第2突起352cとは、軸周りに所定の隙間を有して形成され、その隙間にソレノイド356の伝達部356aの先端部が挿入される。これにより、ソレノイド356から駆動力が付与されて伝達部356aが変位することで、可変板352を軸部252aの軸周りに回転させることができる。なお、可変板352の動作の詳しい説明は後述する。
入賞部材353は、可変板352が変位して背面本体部351の開口351bの内部に送球された遊技球が流下する経路を形成する部材であり、背面本体部351の開口351bに連結される連結孔353aと、その連結孔353aの内縁に下方に向かって開口する第2検出孔353bと、第2検出孔353bと一端が連結されると共に他端が正面側に開口する前側開口353cと、背面側に形成される第1乱反射部353dと、ソレノイド356の伝達部356aが挿通される貫通孔353eと、第1乱反射部353dの縁部から立設する立設壁353fとを主に備えて形成される。
連結孔353aは、背面本体部351の開口351bの正面視における外形と略同一の外形に貫通形成されると共に、開口351bと対向する位置に形成される。これにより、開口351bの内部に送球される遊技球を連結孔353aの内部に送球させることができる。
第2検出孔353bは、球の通過を検知するセンサで形成される孔であり、球の直径よりも大きい内径で形成される。第2検出孔353bは、連結孔353aの重力方向下側の内縁部に形成されると共に、重力方向に開口して形成される。これにより、連結孔353aの内部に送球される遊技球を第2検出孔353bを通過させて送球できると共に、第2検出孔353bを通過する際に、センサによりその球数を検知することで、開口351bを通過する球数を計測できる。
前側開口353cは、第2検出孔353bに送球される遊技球を、背面本体部351の連結孔351cの内部に遊技球を送球するための孔であり、開口の一端が第2検出孔353bに連結され、他端が背面本体部351の連結孔351cに背面側から連結される。よって、背面本体部351の開口351bの内部に送球される遊技球を、第2検出孔353bを介して前側開口353cの内側を通過させて、背面本体部351の連結孔351cから排出できる。
第1乱反射部353dは、後述する発光部材355のLED355aから照射される光を乱反射させて前方に出射させる乱反射面であり、透明な可撓性材料から形成されると共に複数の凹凸面で形成される。発光部材355のLED355aから照射される光を複数の凹凸面に入射させることにより、第1乱反射部353dの正面側から遊技者側に出射される光の進行方向が分散され、第1乱反射部353dを効率よく光らせることができる。
貫通孔353eは、ソレノイド356の伝達部356aを背面側から正面側に挿通させる開口であり、正面視において伝達部356aの外形よりも大きい縦長矩形に形成されると共に、ソレノイド356の伝達部356aと対向する位置に貫通形成される。
立設壁353fは、発光部材355のLED355aから照射される光が外側に逃げることを抑制する壁であり、その立設高さが装飾部材354に当接する位置に設定される。よって、LED355aから第1乱反射部353d側に照射される光が、立設壁353fから外側に逃げることを抑制することができる。
装飾部材354は、正面視略矩形の板状体に形成されると共に、正面視における外形が入賞部材353の外形と略同一とされる。装飾部材354は、後述する発光部材355と対向する面に形成される第2乱反射部354bと、入賞部材353の第1乱反射部353dと対向する位置に貫通形成される開口354aと、ソレノイド356の伝達部356aと対向する位置に貫通形成される貫通孔354cとを主に備えて形成される。
開口354aは、発光部材355のLED355aから発光される光を入賞部材353の第1乱反射部353dに直接照射させるための開口であり、正面視における第1乱反射部353dの外形と略同一の矩形に開口されると共に、第1乱反射部353dと対向する位置に形成される。
第2乱反射部354bは、背面側に配設される発光部材355のLED355aから照射される光を乱反射させて前方に出射させる乱反射面であり、透明な可撓性材料から形成されると共に複数の凹凸が形成される。これにより、発光部材355のLED355aから出射される光を複数の凹凸に入射させることにより、第2乱反射部354bの正面側から出射される光の進行方向が分散され、第2乱反射部354bを効率よく発光させることができる。
貫通孔354cは、ソレノイド356の伝達部356aを背面側から正面側に挿通させる開口であり、正面視において伝達部356aの外形よりも大きい縦長矩形に形成されると共に、ソレノイド356の伝達部356aと対向する位置に貫通形成される。
発光部材355は、正面側(装飾部材354と対向する側)に光を照射する発光手段のLED355aが搭載されており、装飾部材354の背面側に取着される。これにより、第1乱反射部353d及び第2乱反射部354bに光を照射することができる。
ソレノイド356は、可変板352に駆動力を伝達する伝達部356aを備える。ソレノイド356は、上述したように、可変板352に回転の駆動力を付与する駆動手段であり、電力が付与されることで、伝達部356aが重力方向に変位される。
伝達部356aは、入賞部材353の貫通孔353e及び装飾部材354の貫通孔354cの内部を挿通されて、可変板352の第1突起352b及び第2突起352cとの間に配置される。よって、伝達部356aが変位すると、可変板352が軸部352aの軸周りに回転される。
次に、図28及び図29を参照して、可変板352の変位様態を詳しく説明する。図28(a)から図28(c)は、図25のXXVIII−XXVIII線における後方部材350の断面図である。図29(a)から図29(c)は、後方部材350の断面図である。なお、図28(a)及び図29(a)は第1回転状態の可変板352が、図28(b)及び図29(b)は、第2回転状態の可変板352が、図28(c)及び図29(c)は、第3回転状態の可変板352が、それぞれ図示される。また、図29(a)から図29(c)は、図25(c)の断面と対応する。
図28(a)に示すように、ソレノイド356の伝達部356aが重力方向下方に位置する第1回転状態では、伝達部356aが可変板352の第2突起352cの一側と当接すると共に、第2突起352cの他側と背面本体部351の背面側とが当接した状態とされる。即ち、第2突起352cが、伝達部356aと背面本体部351との間に挟持された状態とされる。これにより、可変板352が軸部352aの軸周りにぐらついて回転変位することを抑制できる。
図29(a)に示すように、第1回転状態における可変板352は、軸部352aに対して膨出部352d1が重力方向上側に位置されると共に、正面部352d2が背面本体部351の開口351bを覆う(塞ぐ)様態とされる。なお、この場合、開口351bの重力方向上側の端面と可変板352との最短の距離寸法L1は、球の直径よりも小さく設定される。これにより、中間部材330と背面本体部351との対向間に送球される遊技球は、開口351bの内部に送球されず、可変板352の前方を流下様態とされる。
また、第1回転状態では、正面部352d2が軸部352aから離間するに従って前方に傾斜する様態とされると共に、背面本体部351の正面の平面上に膨出部352d1の先端部分が位置される。
図28(a)及び図29(a)に示す状態から、ソレノイド356に電力が付与されて、伝達部356aが重力方向上方に変位して、伝達部356aが全変位量の半分変位された図28(b)及び図29(b)に示す第2回転状態では、伝達部356aが可変板352の第1突起352bと当接して第1突起352bを軸部352aの軸周りに回転させる。これにより、可変板352が軸部352aの軸周りに回転される。
図29(b)に示すように、第2回転状態における可変板352は、膨出部352d1が、軸部352aに対して正面側に位置されると共に、正面部352d2の正面側への上方傾斜の傾斜角度が第1回転状態よりも小さくされる。なお、この場合、開口351bの重力方向上側の端面と可変板352との最短の距離寸法L2は、球の直径よりも小さく設定される。
図28(b)及び図29(b)に示す状態から、ソレノイド356に電力が付与され続けて、伝達部356aが、重力方向上方に変位して、伝達部356aが、終端まで変位された図28(c)及び図29(c)に示す第3回転状態では、伝達部356aが可変板352の第1突起352bと当接して第1突起352bを軸部352aの軸周りにさらに回転させる。これにより、可変板352が第2回転状態よりもさらに軸部352aの軸周りに回転される。
また、図28(c)に示すように、第3回転状態では、伝達部356aと第1突起352bの一端が当接すると共に、中間部材330と第1突起352bの他端が当接する様態とされる。即ち、第1突起352bは、背面本体部351と伝達部356aとの間に挟まれた状態とされる。これにより、可変板352が軸部352aの軸周りにぐらついて回転変位することを抑制できる。
図29(c)に示すように、第3回転状態における可変板352は、軸部352aに対して膨出部352d1が正面側に位置される。この場合、開口351bの重力方向上側の端面と可変板352との最短の距離寸法L3は、球の直径よりも大きく設定される。これにより、中間部材330と背面本体部351との対向間に送球される遊技球は、開口351bの内部に送球される。
また、第3回転状態では、正面部352d2の反対面が、軸部352aから離間するに従って上方に位置する上方傾斜とされる。よって、板部352dの上方に送球される遊技球を背面本体部351の開口351bの内部に送球することができる。
よって、第1乱反射部353dと発光手段との間の距離が、第2乱反射部354bと発光手段との間の距離よりも大きくされ、可変板352と第2乱反射部354bとの対向間が遊技球の第1の流下経路とされるので、可変板352、第1乱反射部353dおよび第2乱反射部354bからなるユニットの小型化を図ることができる。即ち、遊技者に視認させる光の態様を異ならせるために形成された可変板352および第2乱反射部354bの間の空間を、遊技球の第1の流下経路とすることで、デッドスペースを有効に活用でき、流下経路のための空間を別途確保する必要がない。よって、その分、ユニットの小型化を図ることができる。
次いで、図30及び図31を参照して、中間部材330及び後方部材350の詳しい説明をする。図30(a)は、中間部材330及び後方部材350の正面図であり、図30(b)は、中間部材330及び後方部材350の側面図である。図31(a)は、図30(a)のXXXIa−XXXIa線における中間部材330及び後方部材350の断面図であり、図31(b)は、図30(b)のXXXIb−XXXIb線における中間部材330及び後方部材350の断面図である。
図30及び図31に示すように、LED355aと第2乱反射部354bとの対向間の距離寸法L4は、LED355aと第1乱反射部353dとの対向間の距離寸法L5よりも小さく設定される(L4<L5)。また、第2乱反射部354bの光透過方向に、可変板352が配設される。
ここで、遊技者から視認可能な位置に変位可能に配設され変位位置に応じて遊技球の流下経路を切り替える変位部材(可変板352)を備えた遊技機が知られている。この場合、透明な可撓性材料から形成される透過部材の正面側に変位部材を配設し、透過部材の背面から光を照射することで、透過部材を透過した光と共に変位部材を遊技者に視認させ、変位部材に着目させるという技術も知られている。しかしながら、従来の上述した技術では、変位部材が光を透過しない非透過性材料から形成されるため、その変位部材の大きさの分、遊技者に視認させる光の領域(面積)が減少され、演出効果が阻害される。
これを受け、変位部材(可変板352)を透明な可撓性材料から形成することで、透過部材に加え、変位部材を透過する光も遊技者に視認可能として、遊技者に視認させる光の領域(面積)を確保する技術を開発した(本出願時において未公知)。しかしながら、変位部材を透明な可撓性材料から形成した場合には、かかる変位部材の位置を遊技者が特定し難いという問題点のあることが判明した。
これに対し、本実施形態によれば、光を発光可能に形成される1又は複数の発光手段(LED355a)が発光面を正面側へ向けて搭載される基板部材(発光部材355)と、その基板部材の正面側に配設され光透過材料から形成される第1透過部材(第1乱反射部353d)および第2透過部材(第2乱反射部354b)とを備え、変位部材が透明な可撓性材料から形成されると共に前記第2透過部材の正面側に配設され、第2透過部材と基板部材との間の距離が、第1透過部材と基板部材との間の距離と異なる距離に設定されるので、遊技者に視認させる光の領域(面積)を確保しつつ、変位部材の位置を遊技者に特定させやすくできる。
即ち、第1透過部材(第1乱反射部353d)と第2透過部材(第2乱反射部354b)とで発光手段(LED355a)からの距離が異なるため、第1透過部材および第2透過部材をそれぞれ透過する際の光の拡散の態様を異ならせことができる。よって、第1透過部材を透過して遊技者に視認させる光の態様と、第2透過部材透過して遊技者に視認させる光の態様とを異ならせることができる。その結果、第2透過部材の正面側に配設される変位部材(可変板352)の位置を遊技者に特定させやすくできる。
また、ここで、発光部材355と、その発光部材355(LED355a)の光照射側に透明な可撓性材料から形成される第1乱反射部353dおよび第2乱反射部354bと、遊技領域を流下する遊技球を第1送球経路KR1または第2送球経路KR2のどちらかに案内する可変板352と、を備える遊技機では、可変板352を遊技者に認識させやすくするために、第2の発光部材を配設して、その第2の発光部材の光の色を変更する、又は、照射角度を変更する等して、可変板352の位置を遊技者に視認させやすくする必要があった。そのため、第2の発光部材を備える分、部品点数が多くなり製造工程が複雑化するという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、発光部材355(LED355a)と第2乱反射部354bとの対向間の距離寸法L4が、LED355aと第1乱反射部353dとの対向間の距離寸法L5と異なる距離寸法に形成されると共に、第2乱反射部354bの前方に可変板352が配設される。これにより、第1乱反射部353dと第2乱反射部354bから出射される光の態様(量)を異ならせることができるので、遊技者からの可変板352の視認性を向上することができる。
即ち、発光部材355から遠方に配設される第1乱反射部353dほど、発光部材355のLED355aの光が外側に拡散する分、透過される光の量が少なくなるところ、第1乱反射部353dおよび第2乱反射部354bが、発光手段との対向間の距離がそれぞれ異なる距離に配設されるので、第1乱反射部353dおよび第2乱反射部354bを透過する光の明暗を第1乱反射部353dおよび第2乱反射部354bで異ならせることができる。よって、遊技者は、光透過側に配設される可変板352を光の明暗により認識することができる。
従って、新たに第2の発光部材を配設することなく、1の発光部材355からの発光で可変板352とその可変板352の周囲とのそれぞれを遊技者に認識させることができる。その結果、新たに第2の発光部材を配設する必要がなく、部品点数が多くなることを抑制して、製造工程を簡素化できる。
さらに、第1乱反射部353d及び第2乱反射部354bには、背面側に凹凸が形成されるので、LED355aから発光される第1乱反射部353dおよび第2乱反射部354bを透過する光を、凹凸により拡散させやすくできる。この場合、第1乱反射部353dと第2乱反射部354bとでLED355aからの距離が異なるため、第1乱反射部353dを透過する光の拡散の態様と、第2乱反射部354bを透過する光の拡散の態様とを異ならせることができる。よって、第1乱反射部353dを透過して遊技者に視認させる光の態様と、第2乱反射部354b透過して遊技者に視認させる光の態様との相違をより大きくできる。その結果、第2乱反射部354bの正面側に配設される可変板352の位置を遊技者に特定させやすくできる。
また、第1乱反射部353dに形成される凹凸と第2乱反射部354bに形成される凹凸とが略同一とされるので、LED355aから光が発光されていない状態では、第1乱反射部353dと第2乱反射部354b(可変板352を透過して視認される第2乱反射部354b)とを同一の外観として遊技者に視認させることができる。即ち、LED355aの発光後は異なる外観(光の態様)となる第1乱反射部353dと第2乱反射部354bとを、LED355aの発光前には同一の外観としておけることで、第1乱反射部353dと第2乱反射部354bとの外観(光の態様)が異なる(相違した)ものとなる演出を引き立たせることができる。
なお、第1乱反射部353dと第2乱反射部354bとで凹凸が同一であっても、第1乱反射部353dと第2乱反射部354bとでLED355aからの距離が異なるため、第1乱反射部353dおよび第2乱反射部354bをそれぞれ透過する際の光の拡散の態様を異ならせことができる。即ち、第1乱反射部353dを透過して遊技者に視認させる光の態様と、第2乱反射部354b透過して遊技者に視認させる光の態様とを異ならせることができる。
さらに、可変板352は、第1乱反射部353dと略面一となる位置に配置可能とされるので、可変板352と第1乱反射部353dとを一体的に視認させ、LED355aから発光され遊技者に視認させる光の領域(面積)をより大きな領域として視認させることができる。
また、入賞部材353の第1乱反射部353dの縁部には、装飾部材354側に立設する立設壁353fが形成され、その立設壁353fの下端側の先端面が、装飾部材354の第2乱反射部354bの一端と当接して配設される。これにより、第2乱反射部354bを透過する発光部材355のLED355aの光が、第1乱反射部353dに侵入することを抑制して、第1乱反射部353dおよび第2乱反射部354bの光の明暗をより大きくすることができる。
即ち、発光部材355の近傍に配設される第2乱反射部354bを透過する光のうち、発光部材355の遠方に配設される第1乱反射部353dに向かう光を、立設壁353fに侵入させることで、第1乱反射部353dに侵入し難くして、第1乱反射部353dおよび第2乱反射部354bの光の明暗をより大きくすることができる。よって、1の発光手段からの発光で可変板352とその可変板352の周囲とのそれぞれを遊技者に認識させ易くできる。
言い変えると、第1乱反射部353dと第2乱反射部354bとを連結する立設壁353fを備えるので、第1乱反射部353dまたは第2乱反射部354bのうちの一方(LED355aとの間の距離が小さい方)を透過した光が、第1乱反射部353dまたは第2乱反射部354bのうちの他方(LED355aとの間の距離が大きい方)とLED355aとの間へ侵入することを立設壁353ffにより抑制できる。その結果、第1乱反射部353dと第2乱反射部354bとで、それらを透過して遊技者に視認させる光の態様(特に、明暗)を異ならせやすくできる。その結果、第2乱反射部354bの正面側に配設される変位部材の位置を遊技者に特定させやすくできる。
また、立設壁353fの背面には、凹凸が非形成とされるので、第1乱反射部353dおよび第2乱反射部354b(可変板352を透過して視認される第2乱反射部354b)と立設壁353fとを異なる外観として遊技者に視認させることができる。これにより、立設壁353fを利用して、第1透過部材と第2乱反射部354bとの境界を明確とでき、その結果、第2乱反射部354bの正面側に配設される可変板352の位置を遊技者に特定させやすくできる。
さらに、本実施形態では、第1乱反射部353dとLED355aとの距離が、第2乱反射部354bとLED355aとの距離よりも大きくされ、第1乱反射部353dが重力方向上側に配置されるので、LED355aが破損することを抑制できる。
即ち、LED355aとの間の距離が小さい(狭い)側では、LED355aら発生した熱により空間内の温度が高くなり、LED355aの破損するおそれが高くなる。これに対し、LED355aとの間の距離が小さい側(狭い)側における空間内の温度が高くされた空気を、その重力方向上方に位置する空間(即ち、LED355aとの間の距離が大きい(広い)側の空間)へ上昇させて逃がすことができる。その結果、上記距離が小さい(狭い)側におけるLED355aの破損を抑制できる。
また、本実施形態では、第1乱反射部353dと発光部材355(LED355a)との対向間に装飾部材354の開口354aを介する空間が形成される。これにより、発光部材355のLED355aの光の照射に伴う熱を第1乱反射部353dとLED355aとの対向間に逃がすことができる。従って、発光部材355に熱が溜まることを抑止することができる。その結果、発光部材355が破損することを抑制できる。
即ち、第1乱反射部353dは、第2乱反射部354bよりも発光部材355との対向間の距離寸法が大きく設定されるので、第1乱反射部353dと発光部材355との対向間の空気を移動しやすくできる。これにより、第1乱反射部353dと発光部材355との対向間の空気を移動させて、発光部材355の熱を外に逃がすことができる。また、温められる空気は上昇し易いところ、発光部材355と対向間の距離が大きくされる第1乱反射部353dが重力方向上側に配設されるので、発光部材355により温められた空気を効率よく外側に排出して、発光部材355を効率よく冷却することができる。その結果、発光部材355が破損することを抑制できる。
可変板352は膨出部352d1を備えるので、可変板352を透過する光に陰影をつけて、その光の陰影の変位により可変板352が変位したことを遊技者に認識させることができる。
即ち、膨出部352d1は、光透過側に半円状に膨出して形成されるので、可変板352から出射される光の進行方向を部分的に変化させることができる。これにより、可変板352を透過して遊技者側に出射される光のうち、膨出部352d1から出射される光の量を少なくして、可変板を透過する光に陰影をつけることができる。また、膨出部352d1は、可変板352の軸部352aから遠方の端部に形成されるので、可変板352の変位に伴って遊技者側に照射される光の陰影を変位させることができる。その結果、遊技者は、可変板352から出射される光の陰影の変位を視認することで、可変板352の変位を認識することができる。
言い変えると、可変板352は、基端側が回転可能に軸支された板状体として形成されると共に、先端側に板厚を大きくした膨出部352d1が形成されるので、可変板352を透過して遊技者に視認される光のうち、膨出部352d1を透過して遊技者に視認される光を、膨出部352d1を除く他の部分を透過して遊技者に視認される光と異ならせることができる。また、可変板352が基端側を中心として回転されるに伴って、先端側(膨出部352d1)を透過して視認される光の位置を変位させることができる。即ち、可変板352の先端側(膨出部352d1)を透過して視認される光の位置が変位されることを利用して、可変板352の変位(回転)動作を遊技者に認識させやすくできる。
さらに、膨出部352d1は、その断面が円弧状に湾曲して形成されるので、かかる膨出部352d1をレンズとして機能させる(即ち、膨出部352d1に入射された光を屈折させて発散または集束させる(本実施形態では、膨出部352d1に入射された光を集束させることで、光の強度(明度)が強くされた線上の光として視認させる))ことができる。これにより、可変板352を透過して遊技者に視認される光のうち、膨出部352d1を透過して遊技者に視認される光と、膨出部352d1を除く他の部分を透過して遊技者に視認される光との相違をより明確とすることができる。その結果、可変板352の変位(回転)動作を遊技者に認識させやすくできる。
中間部材330の受部331aの基部は、重力方向(図31(a)上下方向)の高さ位置が第1回転状態における可変板352の重力方向略中央位置と略同一の高さ位置に設定される。
第1送球経路KR1は、中間部材330の外側案内部331b2の左右方向外側に配置される背面本体部351の第2凹部351eの内側の第3送球経路KR3と連結される。第2送球経路KR2は、中間部材330の内側案内部331b1及び外側案内部331b2の対向間に形成される第4送球経路KR4に連結される。
次いで、図32から図43を参照して第1送球経路KR1から第4送球経路KR4を送球される遊技球について説明する。図32から図34は、中間部材330及び後方部材350の断面図である。
なお、図32から図34及び図38から図40は、図31(a)の断面と対応し、図35から図37及び図41から図43は、図31(b)の断面と対応する。また、図32から図34及び図35から図37は、第1送球経路KR1及び第3送球経路KR3を送球される遊技球の遷移状態が図示され、図38から図40及び図41から図43では、第2送球経路KR2及び第4送球経路KR4を送球される遊技球の遷移状態が図示される。
図32及び図35に示すように、後方部材350の可変板352が第1回転状態の場合に、中間部材330の受部331aの上部を転動して送球される遊技球は、第1送球経路KR1に送球される。即ち、中間部材330の受部331aの上部を転動して送球される遊技球は、中間部材330と背面本体部351との対向間の隙間に流下される。
図32及び図35に示す状態から、第1送球経路KR1を流下する遊技球は、中間部材330の外側案内部331b2の上面に流下し、図33及び図36に示すように、外側案内部331b2の上面を転動して、第3送球経路KR3に送球される。なお、上述したように、外側案内部331b2は、左右方向中央部から外側に向かうに従って、下降傾斜して形成されるので、正面視において、第1送球経路KR1の左側を流下する遊技球は左側の第3送球経路KR3に送球され、第1送球経路KR1の右側を流下する遊技球は右側の第3送球経路KR3に送球される。
図33及び図36に示す状態から、第3送球経路KR3に送球される遊技球は、図34及び図37に示すように、第3送球経路KR3を流下して、後述する背面ベース390を介して可変ユニット360に送球される。
図38及び図41に示すように、後方部材350の可変板352が第3回転状態の場合に、中間部材330の受部331aの上部を転動して送球される遊技球は、第2送球経路KR2に送球される。即ち、中間部材330の受部331aの上部を転動して送球される遊技球は、後方部材350の可変板352の上部を転動して、第2送球経路KR2に送球される。
図38及び図41に示す状態から、第3送球経路KR3を流下する遊技球は、入賞部材353の第2検出孔353bの内部を通過して、図39及び図42に示すように、前側開口353cから排出され第4送球経路KR4に送球される。
この場合、上述したように、中間部材330の受部331aの基部は、重力方向(図31(a)上下方向)の高さ位置が第1回転状態における可変板352の重力方向略中央位置と略同一の高さ位置に設定されるので、中間部材330と背面本体部351との対向間を流下する第1送球経路KR1と背面本体部351の開口351bの内側を送球させる第2送球経路KR2とを可変板352の変位状態で経路を変更する際の中間部材330及び後方部材350の重力方向の距離寸法を小さくできる。
即ち、中間部材330の受部331aを転動する遊技球を、背面側に配設される可変板352で第1送球経路KR1と第2送球経路KR2とに振り分ける際に、第3状態において可変板352の軸部352aから遠方の端部を受部331aの基部よりも低くすることで、可変板352の配設位置を重力方向に高くすることができる。その結果、中間部材330及び後方部材350の重力方向の距離寸法を小さくすることができる。
図39及び図42に示す状態から、第4送球経路KR4に送球される遊技球は、図40及び図43に示すように、第4送球経路KR4の中間部材330の内側案内部331b1の上面を転動して送球され、後述する回転送球部370に送球される。なお、上述したように、内側案内部331b1は、左右方向中央部から外側に向かうに従って、下降傾斜して形成されるので、正面視において、第2送球経路KR2の左側を流下する球(左側の第2検出孔353bを通過して左側の前側開口353cから排出される球)は左側の第4送球経路KR4に送球され、第2送球経路KR2の右側を流下する球(右側の第2検出孔353bを通過して右側の前側開口353cから排出される球)は右側の第4送球経路KR4に送球される。
次に、図44から図51を参照して、中間部材330の受部331aを転動して第1送球経路KR1及び第2送球経路KR2に送球される遊技球について説明する。図44及び図45は、中間部材330及び後方部材350の断面図である。なお、図44及び図45は、図31(a)の断面に対応する。
図44及び図45に示すように、中間部材330の受部331aの上面を転動して送球される遊技球は、背面側に転動して可変板352と当接して第1送球経路KR1に送球される。
この場合、上述したように、第1回転状態における可変板352は、正面部352d2が、軸部352aから離間するに従って前方に傾倒して配置されるので、受部331aから第1送球経路KR1に送球される遊技球を、正面部352d2に衝突させて下方に流下させやすくできる。
また、膨出部352d1の正面部351d2と連結される部分は、受部331aの基端よりも遊技球の半径分上方に位置されるので、球が受部331aを勢いよく転動する際には、球を膨出部352d1に衝突させて下方に流下させることができる。この際、比較的送球の勢いが付いた遊技球を、板部352dから膨出する膨出部352d1に衝突させることで、板部352dの破損を抑制できる。即ち、球の転動速度が比較的速い場合には、膨出する分、剛性の高い膨出部352d1と衝突させることで、板部352dの破損を防ぐことができる。
次いで、図46から図51を参照して可変板352が第1回転状態から第3回転状態へ変位する際に、球が中間部材330の受部331aの上面を転動して送球される場合について説明する。図46から図51は、中間部材330及び後方部材350の断面図である。なお、図46から図48及び図49から図51は、図31(a)の断面に対応する。また、図46から図48及び図49から図51では、可変板352が第1回転状態から第3回転状態に変位する際の遊技球の転動状態が図示される。
ここで、上述したように、第3状態において可変板352の軸部352aから遠方の端部を受部331aの基部よりも低くすると、受部331aの基部と変位動作中の可変板352との間に遊技球を挟み込んで不具合を起こす可能性があった。
これに対し、本実施形態では、図46及び図49に示すように、中間部材330の受部331aの基部が、重力方向(図31(a)上下方向)の高さ位置が第1回転状態における可変板352の重力方向略中央位置と略同一の高さ位置に設定されるので、変位途中の可変板352が受部331aとの間に遊技球を挟み込んだ際の遊技球と膨出部352d1との当接位置を受部331aの基端と遊技球の中心とを連結する仮想線S2で分割する遊技球の正面側または背面側のどちらか一方とすることができ、球が受部331aの基部と可変板352との間に挟まることを抑制できる。
即ち、図46から図48に示すように、仮想線S2で分割される遊技球の正面側と膨出部352d1とが当接する場合には、膨出部352d1の正面部352d2との連結側が遊技球と衝突する。よって、膨出部352d1の湾曲面を利用して、図48に示すように、球を第1送球経路KR1に送球することができる。
一方、図49から図51に示すように、仮想線S2で分割される遊技球の背面側と膨出部352d1とが当接する場合には、膨出部352d1の軸部352aから離間する側の湾曲面と当接される。これにより、受部331aから落下しようとする遊技球を可変板352の変位を利用して、正面側に押し戻すことができる。これにより、可変板352を第3回転状態に変位させて、球を第2送球経路KR2に案内できる。
次いで、図52から図54を参照して、背面ベース390の詳細な説明をする。図52(a)は、背面ベース390の正面図であり、図52(b)は、背面ベース390の側面図である。図53は、背面ベース390の分解正面斜視図である。図54は、背面ベース390の分解背面斜視図である。
図52から図54に示すように、背面ベース390は、背面側に配置される板状体の背面板391と、背面板391の重力方向下側の一端に配置され背面板391との対向間に駆動手段のソレノイド397を保持する保持部材392と、その保持部材392の両端に締結される2の円環部材394と、その2の円環部材394の対向間の外側に配設されるストッパ部396とを主に備えて形成される。
背面板391は、正面視略台形の板状体から形成される。背面板391は、上述した後方部材350の背面側を覆設する板であり、後方部材350の正面視における外形と略同一の外形に形成される。
ソレノイド397は、後述するストッパ部396に駆動力を付与する駆動手段であり、ストッパ部396に駆動力を伝達する伝達部397aを備える。また、ソレノイド397は、2のストッパ部396の背面側にそれぞれ配設される。
伝達部397aは、ソレノイド397に電力が供給されることで、重力方向に変位する突起であり、後述するストッパ部396の第1係合部396a及び第2係合部396bの間に挿入される。
保持部材392は、正面視横長矩形に形成され、長手方向の両端部に正面側に凹設される凹部392aと、凹部392aに正面から背面に亘って貫通形成される開口392bと、を備えて形成される。
凹部392aは、内側にソレノイド397を挿入する凹みであり、ソレノイド397の外形形状に凹設される。よって、凹部392aにソレノイド397を挿入した後に保持部材392を背面板391に取着することで、ソレノイド397を脱落不能に保持できる。
開口392bは、ソレノイド397の伝達部397aを前方に挿通させる開口であり、伝達部397aよりも大きい正面視縦長矩形の開口に形成される。よって、凹部392aの内側にソレノイド397を配置すると、ソレノイド397の伝達部397aが正面側に突出される。
円環部材394は、第3送球経路KR3から遊技球が送球される送球部であり、側面視略円環形状に形成され、軸心に貫通する軸支孔394aを備える。軸支孔394aは、後述する軸B1を回転可能に保持する孔であり、軸B1の外径よりも大きい内径に形成される。
軸B1は、円柱状に形成され、一端が上述したように、円環部材394の軸支孔394aに挿入されると共に、他端が後述するストッパ部396の軸孔396cに外嵌される。よって、軸B1は、ストッパ部396の回転変位に伴って、軸支孔394aに対して回転変位することができる。
ストッパ部396は、回転変位することで後述する可変ユニット460の送球経路KR6を送球不能にする送球経路遮断手段であり、側面視略三角形状に形成され、2の円環部材394の対向間の外側に配設される。
また、ストッパ部396は、円環部材394の軸方向に略円形状に貫通する軸孔396cと、その軸孔396cの軸から径方向外側に突出する第1係合部396a及び第2係合部396bとを主に備えて形成される。
第1係合部396aは、上述したソレノイド397の伝達部397aと係合して、ソレノイド397の駆動力が伝達される突起であり、伝達部397aの重力方向上側に位置して配設される。
第2係合部396bは、第1係合部396aと同様に、ソレノイド397の伝達部397aと係合して、ソレノイド397の駆動力が伝達される突起であり、伝達部材397bの重力方向下側に位置して配設される。
なお、第1係合部396aと第2係合部396bとは、軸孔396cの軸周りに所定の隙間を備えて形成されており、突出先端側の互いの距離寸法は、ソレノイド397の伝達部397aの上下方向寸法よりも大きく設定される。これにより、第1係合部396aと第2係合部396bとの間にソレノイド397の伝達部397aを挿入して、ストッパ部396に駆動力を伝達することができる。
次に、図55を参照して、ストッパ部396の遷移について説明する。図55(a)から図55(c)は、図52のLV−LV線における背面ベース390の断面図である。なお、図55の(a)から図55(c)では、ストッパ部396の遷移状態が図示される。また、図55では、ストッパ部396の軸孔396cから遠方の端部を端部A2の符号を付して説明する。
図55(a)に示すように、ソレノイド397の伝達部397aが下方に位置する第1遮断状態では、伝達部397aが、ストッパ部396の第2係合部396bと当接して、ストッパ部396の端部A2が上方に変位する(図55(a)では、軸孔396cの軸周りに端部A2が右回転する)方向に駆動力が作用される。これにより、端部A2が軸孔396cよりも重力方向上側に位置される。
図55(a)に示す状態から、ソレノイド397の伝達部397aが上方に変位され、図55(b)に示す伝達部397aが全変位量の中間位置まで変位される第2遮断状態では、伝達部397aが、ストッパ部396の第1係合部396aと当接して、ストッパ部396の端部A2が下方に変位する(図55(b)では、軸孔396cの軸周りに端部A2が左回転する)方向に駆動力が作用される。これにより、端部A2が、第1遮断状態よりも軸孔396cと重力方向の高さが近くされる。
図55(b)に示す状態から、ソレノイド397の伝達部397aが更に上方に変位され、図55(c)に示す伝達部397aが終端まで変位された第3遮断状態では、伝達部397aが、ストッパ部396の第1係合部396aと当接して、ストッパ部396の端部A2が下方に変位する(図55(b)では、軸孔396cの軸周りに端部A2が左回転する)方向に駆動力が作用される。この場合、端部A2が、軸孔396cの軸の重力方向の高さと略同一の高さ位置に変位される。
一方、第3遮断状態から第1遮断状態に変位する際には、ソレノイド397の伝達部397aが第2係合部396bを下方に押し下げることで、先端部A1が軸孔396cの軸周りに押し上げられる。
次いで、図56から図58を参照して、可変ユニット360の本体部380について説明する。図56(a)は、可変ユニット360の正面図であり、図56(b)は、可変ユニット360の上面図である。図57は、可変ユニット360の本体部380の分解正面斜視図である。図58は、可変ユニット360の本体部380の分解背面斜視図である。
可変ユニット360は、第3送球経路KR3及び第4送球経路KR4から送球された遊技球を正面側に送球する経路を備える本体部380と、回転する回転体に遊技球を吸着させて遊技球を送球する回転送球部370とを主に備えて形成される。
本体部380は、上述したセンターフレーム310の重力方向下側の一側の背面に配置され、センターフレーム310の中央開口を通じて遊技者から視認可能とされる(図8参照)。本体部380は、上面に遊技球の転動面が形成される上面ベース381と、その上面ベース381に対向して配設される第1下面ベース383と、上面ベース381及び第1下面ベース383との間に一端が軸支されて変位可能に配置されるV入賞部材382と、そのV入賞部材382に駆動力を付与する第1駆動モータM1と、その第1駆動モータM1の駆動力をV入賞部材382に伝達する第1伝達手段384と、本体部380に回転可能に配設される振分部389と、その振分部389に駆動力を付与する第2駆動モータM2と、その第2駆動モータM2の駆動力を振分部389に伝達する第2伝達手段387とを主に備えて形成される。
上面ベース381は、上述したように、第3送球経路KR3および第4送球経路KR4から送球される遊技球を送球される転動面を備える板部材であり、上面視略矩形の板状体から形成される。上面ベース381は、背面側から正面側に亘って凹設される2の第1転動部381aと、その第1転動部381aの背面側を取り囲んで立設される立設部381bと、転動部381aの前後方向中央部から分岐して凹設される第2転動部381cと、その第2転動部381cの正面側に回転体372R,372Lとを挟む位置に形成される第3転動部381dと、その第3転動部381dと隣り合って形成されると共に第1転動部381aが連結される第4転動部381eと、第2転動部381cの基部側の第1転動部381aを挟んだ位置に動重力方向に開口される軸支孔381fとを主に備えて形成される。
第1転動部381aは、第4送球経路KR4を送球される遊技球が送球される送球経路であり、第4送球経路KR4から遊技球が送球される背面側の端部から正面側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第4送球経路KR4を送球される遊技球を正面側に送球する第5送球経路KR5が形成される。
また、上述したように第4送球経路KR4は、左右方向に2つに分流されており、第1転動部381aは、2の第4送球経路KR4の重力方向下側にそれぞれ形成される。これにより、それぞれの第4送球経路KR4が、それぞれの第5送球経路KR5と連結される。
2の第1転動部381aは、それぞれ正面側に延設されると共に、第4転動部381eと連結される手前で合流して、1の転動面とされる。
立設部381bは、第4送球経路KR4から送球される遊技球を、第1転動部381aに案内する壁であり、立設先端部(重力方向上側端部)が、上述する中間部材330の案内部330bと当接して配設される。これにより、第4送球経路KR4を流下する遊技球を確実に第1転動部381aの第5送球経路KR5に送球できる。
第2転動部381cは、背面側から正面側にかけて延設される第1転動部381aの略中央位置から、上面ベース381の外側に延設される面であり、第1転動部381aよりも下方に形成されると共に、上面ベース381の外側に向かうに従って下降傾斜して形成される。よって、第1転動部381aの上部を転動して正面側に送球される遊技球を、後述する振分部389に衝突させて第2転動部381cに送球させることができる。
また、第2転動部381cは、上述したように左右方向外側に向かうに従って下降傾斜して形成されるので、第2転動部381cに送球される遊技球は、第1転動部381aから離間する方向に転動して送球される。即ち、第2転動部381cにより、球が送球される第6送球経路KR6が形成される。
第2転動部381cは、延設方向と直交する方向の中央位置が凹んだ形状に形成されており、第2転動部381cを転動する遊技球が揺れ動きにくくされる。これにより、第6送球経路KR6を送球される遊技球を安定させることができる。
第3転動部381dは、後述する回転体372R,372Lにより送球される遊技球を受ける面であり、回転体372R,372Lの隣りに形成されると共に、第4転動部381e(正面側)に向かって下降傾斜して形成される。よって、回転体372R,372Lから第3転動部381dの上面に送球される遊技球は、第3転動部381dの上面を転動して第4転動部381eに送球される。即ち、第3転動部381dにより、第4転動部381eに遊技球を送球する第7送球経路KR7が形成される。
第4転動部381eは、第3転動部381d及び第1転動部381aを転動される遊技球を、正面側に落下させるための傾斜面であり、第3転動部381d及び第1転動部381aよりも重力方向において低い位置に形成されると共に、正面側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第3転動部381d及び第1転動部381aから送球される遊技球を第4転動部381eの上面にスムーズに転動させて、第4転動部381eの正面側に転動させることができる。即ち、第4転動部381eにより、第1転動部381a及び第3転動部381dから送球される遊技球を本体部380の正面側に流下させる第8送球経路KR8が形成される。
軸支孔381fは、本体部380の両側に形成される2の第2転動部381cの対向間中間位置に重力方向に貫通して形成される。
V入賞部材382は、上面ベース381の第4転動部381eから正面側に送球される遊技球の一部をV入賞部材382の内部に送球する球受部であり、上方に配置される上面ベース381側が開放する箱状体に形成される。V入賞部材382は、重力方向下側に突出して形成される軸部382cと、その軸部382cを中心に半円形に突出する湾曲部382bとを主に備えて形成される。
軸部382cは、第1駆動モータM1からの駆動力を伝達する伝達手段の一部に連結される軸部であり、略箱形状に形成されるV入賞部材382の底面から重力方向下側に突出して形成される。よって、V入賞部材382は、第1駆動モータM1から駆動力が付与されることで、軸部382cを軸に回転変位できる。
湾曲部382bは、V入賞部材382が軸部382cを軸に回転した際に、本体部380の正面側に隙間が形成されることを抑制する突出部であり、V入賞部材382の周方向両側に軸部382cの軸を中心とする円形に突出して形成される。
第1下面ベース383は、上面ベース381の下面に覆設されると共に、正面側の一部が重力方向下側に凹設された凹部383aを備える。
凹部383aは、上面ベース381と第1下面ベース383との間からV入賞部材382を突出させるための開口を形成する凹みであり、V入賞部材382の重力方向の高さ寸法よりも大きい凹設深さに設定される。これにより、上面ベース381と第1下面ベース383との対向間にV入賞部材382を配置した際に、凹部383aを介してV入賞部材382の一部を突出させることができる。
第1伝達手段384は、第1駆動モータM1に連結される第1ギヤ384aと、V入賞部材382の軸支孔381fに連結される第2ギヤ384bとから形成される。また、第1伝達手段384は、第1下面ベース383と対向して配設されるカバー板385に覆設されて保持される。
第1ギヤ384aは、円形に形成されると共に、外周面にギヤ歯384a1が刻設される。第2ギヤ384bは、上面視略扇状に形成される。また、第2ギヤ384bは、外周面に第1ギヤ384aと歯合するギヤ歯384b1が刻設されると共に、ギヤ歯384b1の軸側に重力方向に貫通する貫通孔384b2が形成される。
貫通孔384b2は、V入賞部材382の軸部382cに外嵌する孔であり、軸部382cの直径と略同一の内径または小さい内径に形成される。よって、第1駆動モータM1が回転されると、第1ギヤ384aから駆動力が第2ギヤ384bに伝達され、第2ギヤ384bの軸部382cに外嵌される軸部382cが回転されてV入賞部材382が回転される。
振分部389は、上面ベース381の軸支孔381fに挿通可能な軸部389aと、軸部389aの基部から径方向外側に扇状に膨出する経路切替部390bとを主に備えて形成される。また、振分部389は、2の第2転動部381cの間に配設される。
経路切替部390bは、振分部389の変位に伴って、扇状に膨出した一部が第5送球経路KR5上に位置される。これにより、第5送球経路KR5を送球する遊技球を第2転動部381cに送球させることができる。なお、振分部389の詳しい説明は後述する。
軸部389aは、先端が上面ベース381の軸支孔381fに挿通されると共に、第2伝達手段387の一部に連結される。これにより、第2駆動モータM2に駆動力が付与されると、伝達手段387を介して軸部389aが回転される。
第2伝達手段387は、第2駆動モータM2に連結される第1ギヤ387aと、振分部389の軸部389aに連結される第2ギヤ387bとから形成される。また、第2伝達手段387は、上面ベース381と対向して配設される第2下面ベース388に覆設されて保持される。
第1ギヤ387aは、円形に形成されると共に、外周面にギヤ歯が刻設される。第2ギヤ387bは、上面視略扇状に形成される。また、第2ギヤ387bは、外周面に第1ギヤ387aと歯合するギヤ歯387b1が刻設されると共に、重力方向に貫通する貫通孔387b2が形成される。
貫通孔387b2は、振分部389の軸部389aに外嵌する孔であり、軸部389aの直径と略同一の内径または軸部389aの直径よりも小さい内径に形成される。よって、第2駆動モータM2が回転されると、駆動力が第1ギヤ387aから第2ギヤ387bに伝達され、第2ギヤ387bの軸部389aに外嵌される軸部389aが回転されて振分部389が回転される。
次に、図59から図61を参照して、振分部389の動作について説明する。図59から図61は、振分部389の上面図である。なお、図59から図61では、第2伝達手段387が破線で図示される。また、図59は、図60を初期位置として、振分部389が軸部389aを軸に左回転された状態が、図61は、図60を初期位置として、振分部389が軸部389aを軸に右回転された状態が、それぞれ図示される。
図60に示すように、第2ギヤ387bのギヤ歯387b1が略中央位置で第1ギヤ387aのギヤ歯と歯合する場合、振分部389の経路切替部389bは、左右方向中央線を中心に左右対称な状態とされる。
次に、初期位置から、第2伝達手段387に回転の駆動力が伝達されて、図59に示すように、振分部389が軸部389aを軸に上面視左回転された状態では、経路切替部389bが、正面視右側に位置する状態とされる。
この場合、経路切替部389bの左側端部と左側の第5送球経路KR5の左側端部までの距離寸法は、球の直径よりも小さくされる。よって、左側の第5送球経路KR5を送球される遊技球は、第5送球経路KR5を通過することができず、第6送球経路KR6に送球される。一方、振分部389の右側端部と右側の第5送球経路KR5の右側端部までの距離寸法は、球の直径よりも大きくされる。よって、右側の第5送球経路KR5を送球される遊技球は、第6送球経路KR6に送球されず第5送球経路KR5を送球され、第8送球経路KR8に送球される。
図61の状態(図59と反対に回転した状態)では、経路切替部389bは、正面視左側に位置する状態とされる。
この場合、経路切替部389bの右側端部と右側の第5送球経路KR5の右側端部までの距離寸法は遊技球の直径よりも小さくされる。よって、右側の第5送球経路KR5を送球される遊技球は、第5送球経路KR5を挿通することができず、第6送球経路KR6に送球される。一方、振分部389の左側端部と左側の第5送球経路KR5の左側端部までの距離寸法は、球の直径よりも大きくされる。よって、左側の第5送球経路KR5を送球される遊技球は、第6送球経路KR6に送球されず第5送球経路KR5を送球され、第8送球経路KR8に送球される。
次に、図62から図64を参照して、振分部389が軸部389aを軸に上面視左回転された状態の際に、2の第5送球経路KR5を流下する遊技球について説明する。
図62から図64は、可変ユニット360の上面図である。なお、図62から図64では、流下する遊技球の遷移状態が図示される。
図62から図64に示すように、振分部389が軸部389aを軸に上面視左回転された状態では、2の送球経路KR5に遊技球が送球されると、一方の第5送球経路(図62から図64では、右側の第5送球経路KR5)を通過する遊技球は、経路切替部389bに干渉することなく第8送球経路KR8に送球される。
一方、他方の第5送球経路KR5(図62から図64では、左側の第5送球経路KR5)を通過する遊技球は、経路切替部389bと干渉して、第6送球経路KR6に送球される。
即ち、本実施形態では、振分部389を回転変位させることで、球の流下する経路を切替えることができ、遊技者に複数の遊技球の流下経路を見せることができ、遊技者の興趣を向上できる。
次に、図65を参照して、V入賞部材382の駆動を説明する。図65(a)から図65(c)は、可変ユニット360の上面図である。なお、図65(a)から図65(c)では、第1伝達手段384が破線で図示される。また、図65(a)は、図65(b)を初期位置として、V入賞部材382が軸部382cを軸に右回転された状態が、図65(c)は、図65(b)を初期位置として、V入賞部材382が軸部382cを軸に左回転された状態が、それぞれ図示される。
図65(a)から図65(c)に示すように、V入賞部材382は、第1伝達手段384により、第1駆動モータM1の駆動力が伝達されると、その先端が軸部382cを軸に回転され、左右に変位される。
これにより、第8送球経路KR8から正面側(図65(a)から図65(c)下側)に落下する遊技球が、V入賞部材382の内側に入る位置を不規則とすることができるので、遊技者にV入賞部材382の内側に入るかどうかの期待感を最後まで持たせることができ、遊技者の興趣を向上することができる。
次に、図66及び図67を参照して、可変ユニット360の回転送球部370について説明する。図66は、可変ユニット360の回転送球部370の分解正面斜視図であり、図67は、可変ユニット360の回転送球部370の分解背面斜視図である。
回転送球部370は、本体部380の左右方向両側に分割して配設されており、両側に分割される回転送球部370を本体部380に挿通して連結する棒状態の連結棒371と、連結棒371の軸方向一端側(本体部に対して左右方向左側)に配設される左側回転送球部370Lと、連結棒371の軸方向他端側(本体部380に対して左右方向右)に配設される右側回転送球部370Rとを主に備えて形成される。
なお、右側回転送球部370Rと左側回転送球部370Lとは、右側回転送球部370Rに駆動手段およびその駆動を伝達する伝達手段が配置されるのみであり、その他の形状は、重力方向の直線を軸心に線対称に形成されるので、左側回転送球部370Lの詳しい説明を省略する。また、左側回転送球部370Lの構成には、右側回転送球部370Rの構成に付与されるRの符号をLに変更して図示する。
右側回転送球部370Rは、連結棒371の軸方向他端側に連結されて連結棒371の軸周りに回転可能な回転体372Rと、回転体372Rに駆動力を付与する駆動手段の駆動モータ376Rと、その駆動モータ376Rの駆動力を回転体に伝達する伝達手段377Rと、駆動モータ376Rを取着する内側カバー373Rと、内側カバー373Rと対向して配設されると共にその対向間に伝達手段377Rを脱落不能に保持する外側カバー374Rとを主に備えて形成される。
回転体372Rは、本体部380側に配設される第1回転体372Raと、その第1回転体372Raと連結される第2回転体372Rcと、その第2回転体372Rcの内部に配設される磁力を有する磁石372Rbとを備えて形成される。
第1回転体372Raは、連結棒371に連結されて回転する円柱状の回転体であり、軸に開口する貫通孔372Ra1を備える。貫通孔372Ra1は、連結棒371の他端を外嵌する開口であり、連結棒371の外形と略同一または連結棒371の外形よりも小さい内径に形成される。よって、第1回転体372Raは、連結棒371を外嵌して連結される。
第2回転体372Rcは、第1回転体372Raの外形と略同一の外形の円柱状に形成されると共に、第1回転体372Raの同軸上に配設され第1回転体372Raに取着される。
また、第2回転体372Rcは、外周面に遊技球を吸着して送球する部分であり、内部に後述する磁石372Rbが挿入される凹部372Rc1と、その凹部372Rc1の径方向外側の外周面に凹設される溝部372Rc2とを備えて形成される。
凹部372Rc1は、第2回転体372Rcの第1回転体372Raと取着される面に凹設されると共に、磁石372Rbの外形と略同一の内形に形成される。よって、回転体372Rは、第2回転体372Rcの凹部372Rc1に磁石372Rbを挿入した後に、第2回転体372Rcを第1回転体372Raに取着することで、内部に磁石372Rbを配設した状態で組み上げられる。
磁石372Rbは、円盤形状に形成され、平坦面を径方向外側に向けた状態で、第2回転体372Rcの凹部372Rc1に挿入される。
伝達手段377Rは、駆動モータ376Rの駆動力を回転体372Rに伝達するギヤ列であり、伝達ギヤ377Raから377Rcで構成される。先頭の伝達ギヤ377Raは、駆動モータ376Rに連結されており、後端の伝達ギヤ377Rcは、第2回転体Rc2に連結される。よって、駆動モータ376Rが回転されると、その駆動力は、伝達ギヤ377Raから伝達ギヤ377Rcに伝達されて回転体372Rが回転される。
ここで、上述したように、回転体372Rは、連結棒371を連結されるので、左側回転送球部370Lの回転体372Lも同様に、連結棒371の一端に連結される。これにより、回転体372Rと回転体372Lとを同期して回転させることができる。
内側カバー373Rは、本体部380を転動する遊技球を回収する開口を備えると共に、右側回転送球部370Rの伝達手段377Rを配置する板であり、第1回転体372Raの軸方向に貫通する回収孔373Raと、その回収孔373Raの縁部から第1回転体372Raの軸方向外側に突出する案内壁373Rbと、第2回転体372Rcと伝達ギヤ377Rcとの軸上に開口される第1開口373Rcと、駆動モータ376Rの軸上に開口される第2開口373Rdとを主に備えて形成される。
回収孔373Raは、第5送球経路KR5を通過する遊技球を挿通させる開口であり、第5送球経路KR5の端部側に形成されると共に、球の直径よりも大きい内形に形成される。
案内壁373Rbは、回収孔373Raの内側を挿通する遊技球を、重力方向下側に流下させる壁部であり、回収孔373Raの縁部に突設されると共に、側面視において下側が開放するU字状に形成される。よって、連結棒371の軸方向外側から、外側カバー374Rが内側カバー373Rに覆設されると、案内壁373Rbの対向間に遊技球を送球する経路の第6送球経路KR6を形成できる。
第1開口373Rcは、第2回転体372Rcと伝達ギヤ377Rcとを連結可能にする開口であり、第2回転体372Rcの外径よりも大きい内径の円形に形成される。これにより、内側カバー373Rの外側に配置される伝達ギヤ377Rcと第2回転体372Rcとを連結させることができる。
第2開口373Rdは、駆動モータ376Rと伝達ギヤ377Raとを連結可能にする開口であり、駆動モータ376Rの回転軸よりも大きい外形の円形に形成される。これにより、内側カバー373Rの外側に配置される伝達ギヤ377Raと駆動モータ376Rとを連結することができる。
外側カバー374Rは、内側カバー373Rの左右方向外側に配置される板部材であり、側面視における外形が内側カバー373Rと略同一に形成される。また、内側カバー373Rの外側から外側カバー374を覆設することで、上述した第6送球経路KR6が形成されると共に、外側カバー374Rと内側カバー373Rとの対向間に伝達手段377Rの各伝達ギヤ377Raから377Rcを回転可能に保持できる。
次いで、図68を参照して、回転体372Rの詳しい説明をする。図68(a)は、回転体372Rの側面図であり、図68(b)は、回転体372Rの上面図であり、図68(c)は、図68(b)のLXVIIIc−LXVIIIc線における回転体372Rの断面図であり、図68(d)は、図68(b)のLXVIIId−LXVIIId線における回転体372Rの断面図である。なお、図68(a)及び図68(b)では、磁石372Rbの外形が破線で図示される。
図68に示すように、回転体372Rの第2回転体372Rcに形成される溝部372Rc2は、回転体372Rの径方向視において略矩形に凹設され、その外形が磁石372Rbの外形よりも大きく設定される。また、溝部372Rc2は、回転体372Rの径方向内側に位置する面が平坦面に形成される。
次に、図69及び図70を参照して、回転体372Rの回転について説明する。図69(a)から(c)は、図56(a)のLXIX−LXIX線における変位ユニット560の断面模式図である。図70(a)から(c)は、変位ユニット560の部分上面図である。
なお、図69(a)では、第2回転体372Rcの溝部372Rc2が第6送球経路KR6と隣合う状態が、図69(b)では第2回転体372Rcの溝部372Rc2が上端に位置する状態が、図69(c)では第2回転体372Rcの溝部372Rc2が送球経路KR7と隣合う状態がそれぞれ図示される。また、図70(a)は図69(a)に、図70(b)は図69(b)に、図70(c)は図69(c)に、それぞれ対応する状態が図示される。
図69(a)及び図70(a)に示すように、第6送球経路KR6の第2転動部381cは、回転体372Rの回転軸よりも重力方向上側に配置される。よって、第6送球経路KR6と第2回転体372Rcの溝部372Rc2とが隣合う場合には、溝部372Rc2の径方向内側の平坦面が上方に向かって正面側に傾斜する状態とされる。
図69(a)及び図70(a)に示す状態から、駆動モータ376Rから駆動力が付与されると、回転体372Rは、右方向視(図69方向視)において軸周りに左回転される。よって、図69(b)及び図70(b)に示す状態を介して図69(c)及び図70(c)に示す状態が形成される。
図69(c)及び図70(c)に示すように、第7送球経路KR6の第3転動部381d、回転体372Rの回転軸よりも重力方向上側に配設されると共に、第2転動部381cよりも上方に形成される。よって、第7送球経路KR7と第2回転体372Rcの溝部372Rc2とが隣合う場合には、溝部372Rc2の径方向内側の平坦面が上方に向かって背面側に傾斜する状態とされる。
次に、図71を参照して可変ユニット360及び背面ベース390を組み合わせた状態を説明する。図71(a)は、可変ユニット360及び背面ベース390の正面図であり、図71(b)は、可変ユニット360及び背面ベース390の上面図である。
図71(a)及び図71(b)に示すように、可変ユニット360は、背面ベース390の重力方向下側の一側に配設される。また、背面ベース390の2つの円環部材394は、第1転動部381aの左右方向外側に配設される。
また、円環部材394は、上述した第3送球経路KR3の下方に配設される。詳しく説明すると、第3送球経路KR3は、略円形に形成される円環部材394の第2転動部392c側の側面に連結される。よって、第3送球経路KR3の内部を送球される遊技球は、円環部材394の上面に案内されて、正面側の第2転動部381cに送球することができる。上述したように、第4送球経路KR4は、第1転動部382aにより形成される第5送球経路に連結される。即ち、第3送球経路KR3は、第6送球経路KR6に連結され、第4送球経路KR4は、第5送球経路KR5に連結される。
次に図72から図74を参照して、第6送球経路を通過する遊技球について説明する。図72(a)から図72(c)は、可変ユニット360及び背面ベース390の上面図であり、図73(a)から図73(c)は、図72(a)のLXXIII−LXXIII線における可変ユニット360及び背面ベース390の断面図であり、図74(a)から図74(c)は、図71(b)のLXXVI−LXXVI線における可変ユニット360及び背面ベース390の断面図である。なお、図72(a)から図72(c)、図73(a)から図73(c)、図74(a)から図74(c)では、それぞれ遊技球の遷移状態が図示される。
図72(a)、図73(a)及び図74(a)に示すように、第3送球経路KR3から送球される遊技球は、上述したように、円環部材394の上面に案内されて、第2転動部381cの上部に案内される。
図72(b)、図73(b)及び図74(b)示すように、第2転動部392cの上部に転動される遊技球は、第2転動部381cの下降傾斜(図74(b)参照)によって転動され、第6送球経路KR6を送球される。
図72(c)、図73(c)及び図74(c)示すように、第6送球経路KR6を終端まで送球される遊技球は、内側カバー373Rに形成される回収孔373Raに送球され、内側カバー373Rと外側カバー374Rの対向間に形成される通路を流下して回収される。即ち、内側カバー373Rの回収孔373Raは、第6送球経路KR6の終端に開口されており、回収孔373Raの下端面が、第2転動部381cと略同一の高さもしくは少し低い位置に形成される。よって、第6送球経路KR6を送球される遊技球をスムーズに回収孔373Raの内部に送球できる。
また、第2転動部381cは、回転体372Rの回転軸の方向と略平行な方向へ遊技球を転動させる傾斜面として形成されるので、第2転動部381cを転動する遊技球の転動方向と、回転体372Rの回転に伴って送球される遊技球の送球方向とを略直交する方向とすることができる。その結果、遊技球の動きに変化を与えると共に、一度に視認可能な遊技球の数を確保して、遊技者の興趣を向上することができる。
次に、図75を参照して、背面ベース390のストッパ部396が変位された場合の説明をする。図75(a)は、ストッパ部396が変位前の状態における可変ユニット360及び背面ベース390の断面図であり、図75(b)は、ストッパ部396が変位後の状態における可変ユニット360及び背面ベース390の断面図である。なお、図75(a)及び図75(b)は、図73(a)の断面と対応する。
図75(a)に示すように、ストッパ部396が変位前の状態では、上述したように、端部A2が、軸孔396cの軸の重力方向上側に配置される。よって、第6送球経路KR6と内側カバー373Rの回収孔373Raとが連通状態とされ、第6送球経路KR6を通過する遊技球を回収孔373Raの内側を通過させて回収することができる。
一方、図75(b)に示すように、ストッパ部396が変位された状態では、上述したように端部A2が、軸孔396cの軸と重力方向の高さ位置が略同一の高さとされる。よって、第6送球経路KR6と回収孔373Raとの間にストッパ部396が介する状態とされ、第6送球経路KR6と回収孔373Raとが遮断された状態とされる。これにより、第6送球経路KR6を送球される遊技球は、ストッパ部396に当接して停止する状態とされる。
よって、第2転動部381cにおける遊技球の転動を遮断するストッパ部396を備え、回転体372Rの磁石は、ストッパ部396により転動が遮断された遊技球を吸着可能な位置に配設されるので、第2転動部381cを転動する遊技球が回転体372Rに直接吸着される形態と、第2転動部381cを転動する遊技球がストッパ部396により遮られた後に回転体372Rに吸着される形態(即ち、ストッパ部396による遮断がなければ回転体372Rに吸着せずに通過したであろう遊技球がストッパ部396により遮断されたことで回転体372Rへ吸着可能となった形態)とを形成でき、その結果、遊技者の興趣を向上することができる。
次に、図76から図79を参照して、回転体372Rによって送球される遊技球について説明する。図76から図78は、可変ユニット360及び背面ベース390の上面図であり、図79(a)から図79(c)は、可変ユニット360及び背面ベース390の断面図である。
なお、図79(a)は図69(a)の断面に、図79(b)は図69(b)の断面に、図79(c)は図69(c)の断面に、それぞれ対応する。また、図76から図78及び図79(a)から図79(c)では、球の遷移状態が図示される。
図76及び図79(a)に示すように、第2回転体372Rcの溝部372Rc2が第6送球経路KR6と隣合う状態の際に、第6送球経路KR6を送球される遊技球は、第2回転体372Rcの内部に配設する磁石372Rbに吸着される。即ち、第2回転体372Rcの溝部372Rc2の内面に遊技球が吸着した状態とされる。
図76及び図79(a)に示す状態から、回転体372Rが回転されると、球が第2回転体372Rcの磁石372Rbに吸着された状態で回転体372Rが回転される。
ここで、回転軸を水平方向へ向けた姿勢で回転可能に形成される略円柱状の回転部材(回転体372R,372L)と、その回転部材に配設され回転部材の外周面に遊技球を吸着させる磁石(372Rb)とを備え、外周面に遊技球が吸着された状態で回転部材が回転されることで、かかる遊技球を回転部材の回転方向へ向けて送球する遊技機が知られている。回転部材へ向けて2球の遊技球が連なって転動されると、先行する遊技球が回転部材の外周面に吸着されると共に、その先行する遊技球に後行する遊技球が吸着される場合がある。この場合、回転部材が回転されると、2球分の重さが作用することで、回転部材と先行する遊技球との間の吸着が解除されるという問題点があった。
これに対し、本実施形態によれば、回転体372Rの外周面に並設されると共に遊技球が転動される第2転動部381cを備え、その第2転動部381cが回転部材の回転軸よりも重力方向上方に位置するので、例えば、回転体372Rへ向けて2球の遊技球が連なった状態で第2転動部381cを転動され、先行する遊技球が回転体372Rの外周面に吸着されると共に、その先行する遊技球に後行する遊技球が吸着された場合には、先行する遊技球を回転体372Rの外周面に乗せやすくできる。よって、回転体372Rと先行する遊技球との間の吸着を解除され難くできる。
ここで、回転体372Rの外周面に吸着されて送球された遊技球は、回転体372Rを挟んで第2転動部381cと反対側において回転体372Rの外周面に並設される第3転動部381dに受け取られるところ、この際に遊技球が第3転動部381dで跳ねやすく、回転体372Rの外周面から第3転動部381dへ遊技球をスムーズに送球することが困難であるという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、第3転動部381dが回転体372Rの回転軸よりも重力方向上方に位置するので、遊技球が第3転動部381dで跳ねることを抑制して、回転体372Rの外周面から第3転動部381dへ遊技球をスムーズに送球することができる。即ち、回転体372Rの回転に伴って重力方向下方への変位成分が大きくなる前に(即ち、水平方向成分が比較的多い段階で)、第3転動部381dに遊技球を受け取らせることができるので、遊技球が第3転動部381dで跳ねることを抑制できる。また、第3転動部381dに遊技球を受け取らせる前に、かかる遊技球の吸着が解除されて、回転体372Rの外周面から第3転動部381dへ遊技球が落下することを抑制できる。この点からも、遊技球が第3転動部381dで跳ねることを抑制できる。
また、第3転動部381dは、回転体372Rから離間する方向へ向けて下降傾斜して形成されるので、回転体372Rの外周面に吸着されその回転体372Rの回転に伴って送球される遊技球の送球方向を、第3転動部381dに受け取られた後行する遊技球の転動方向に近づけることができる。その結果、遊技球が第3転動部381dで跳ねることを抑制して、回転体372Rの外周面から第3転動部381dへ遊技球をスムーズに送球することができる。
回転体372Rは、その外周面に凹設される溝部372Rc2を備え、磁石372Rbは、溝部372Rc2の内面に遊技球を吸着させる位置に配設されるので、溝部372Rc2の内面(外周面との間の段差)で遊技球を支持することができる。その結果、例えば、回転体372Rへ向けて2球の遊技球が連なった状態で第2転動部381cを転動され、先行する遊技球が回転体372Rの外周面に吸着されると共に、その先行する遊技球に後行する遊技球が吸着された場合に、回転体372Rと先行する遊技球との間の吸着を解除され難くできる。
また、溝部372Rc2の凹設深さは、その溝部372Rc2に遊技球が嵌った状態で、溝部372Rc2の底面に遊技球が当接可能となる寸法に設定されると共に、第2転動部381c側よりも第3転動部381d側が小さな寸法に設定されるので、回転体372Rの回転に伴って送球される遊技球が回転体372Rの回転方向にぐらついた際には、遊技球を溝部372Rc2から第3転動部381d側へ転動(脱落)させやすくできる。即ち、遊技球の吸着が解除されて第2転動部381cへ逆戻りすることを抑制できる。
次に、図77及び図79(b)に示す状態を介して、図78及び図79(c)に示す第2回転体372Rcの溝部372Rc2が第7送球経路KR7と隣合う位置まで回転されると、溝部372Rc2の内面に吸着した遊技球は、第7送球経路KR7の第3転動部381dに引っ掛る。これにより、球は、第2回転体372Rcの磁石372Rbとの吸着が解除されて、第7送球経路KR7を送球される。
ここで、回転体372Rと遊技球との吸着の解除を回転体の軸よりも重力方向下側ですると、回転体372Rの軸周りに遊技球の重力が作用しやすくなり、回転体372Rの回転速度が速くされる恐れがある。
そのため、回転体372Rと遊技球との吸着を解除した際に、回転体372Rが有する運動エネルギーが高くなり、回転体372が第3転動部381dと衝突する際にバウンドするという問題点がある。または、回転体372と遊技球とを吸着した状態で、回転体372を回転させて回転体372Rの軸よりも重力方向下側に送球すると、遊技球を回転体372で支えることができなくなるために、回転体372と遊技球との吸着が解除され、遊技球が第3転動部381dに落下してバウンドするという問題点がある。
これに対し、本実施形態では、第3転動部381dの基部は、回転体372の軸よりも重力方向上側に配設されるので、回転体372と遊技球との吸着の解除を回転体372の軸よりも重力方向上側ですることができる。これにより、回転体372と遊技球との吸着が解除された際に、遊技球がバウンドすることを抑制できる。
また、第3転動部381dは、第2転動部381cから第3転動部381dに向かう方向に従って下降傾斜して形成されるので、回転体372の外周面に吸着して送球される遊技球の送球方向と第3転動部381dの転動方向とを略一致させることができる。よって、回転体372の外周面に吸着する遊技球は、回転体372の回転変位により回転方向への運動エネルギーを備えているので、第3転動部381dで回転体372と吸着を解除された際に、運動エネルギーが作用する方向へ動き易い。上述したように、回転体372の外周面に吸着して送球される遊技球の送球方向と第3転動部381dの転動方向とが略一致されるので、第3転動部381dに送球される遊技球を転動させやすくできる。その結果、第3転動部381dに送球される遊技球を転動させやすくできる。
なお、第7送球経路KR7を送球される遊技球は、第3転動部381dの正面側への下降傾斜により正面側に転動して、第8送球経路KR8に送球される。
よって、第6送球経路KR6を送球される遊技球を、回転体372Rの回転により第7送球経路KR7に送球することができる。従って、球の送球経路を複数個形成することができるので、遊技者の興趣を向上することができる。
次に、図80を参照して、第2回転体372Rcの溝部372Rc2の内面に吸着される遊技球の吸着について詳しく説明する。図80は、可変ユニット360及び背面ベース390の断面図である。なお、図80は、図69(a)の可変ユニット360及び背面ベース390の断面と対応する。また、図80では、球が溝部372Rc2の内面に吸着された後に、少し回転された状態が図示される。さらに、図80では、回転体372の回転方向と反対側の溝部372Rc2と第2回転体372Rcとの連結部分に端部A3の符号を付して図示される。
図80に示すように、回転する回転体の外周面に遊技球を吸着して送球する役物では、溝部372Rc2の内面に吸着した遊技球に、第6送球経路KR6を後から送球される遊技球が吸着する可能性がある。先行する遊技球に後行する遊技球が吸着すると、溝部372Rc2と先行する遊技球との吸着面に2つの遊技球の重力が作用する。その結果、先行する遊技球に後行する遊技球が吸着した際に先行する遊技球と溝部372Rc2との吸着が解除されるという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、図80に示すように、溝部372Rc2の内周に吸着される遊技球は、端部A3と当接する状態で送球される。これにより、球に重力方向の力が作用したとしても、端部A3が遊技球を支えることで、球を重力方向に変位し難くでき遊技球が溝部372Rc2から落下することを抑制できる。よって、先行する遊技球に後行する遊技球が吸着した場合にも、先行する遊技球と溝部372Rc2との吸着が解除されること抑制できる。
また、上述したように、第6送球経路KR6は、回転体372Rの回転軸よりも重力方向上側に形成されるので、溝部372Rc2の内面に吸着される遊技球を、端部A3と当接し易くできる。その結果、溝部372Rc2と遊技球との吸着が解除されることを効果的に抑制できる。
次いで、図81から図90を参照して、入賞口ユニット600について説明する。初めに、図81から図83を参照して、入賞口ユニット600の全体構成について説明する。図81(a)は、入賞口ユニット600の正面図であり、図81(b)は、入賞口ユニット600の背面図である。図82は、入賞口ユニット600の分解正面斜視図であり、図83は、入賞口ユニット600の分解背面斜視図である。
図81から図83に示すように、入賞口ユニット600は、複数の入賞口26,27,28を備える化粧板610と、化粧板610と対向して配設されその対向間に遊技球の流下経路を形成するベース板630と、そのベース板630との間に遊技球の送球経路を形成する経路部材640と、ベース板630に配設され、化粧板610とベース板630との対向間を流下する遊技球を入賞口26,27,28のいずれかに案内する可変入賞装置650とを主に備えて形成される。
化粧板610は、左始動入賞口26を備える左カバー部材611と、右始動入賞口27を備える右カバー部材612と、中始動入賞口28を備える中央カバー部材613と、から形成される。
なお、左カバー部材611と右カバー部材612とは、中央カバー部材613を挟んで対称に形成されており、その詳しい説明は、右カバー部材612のみとする。この場合、左始動入賞口26は、右始動入賞口27と対応する。
右カバー部材612は、正面視において重力方向下側が半円状に湾曲する板状体から形成され、湾曲軸の近傍に右始動入賞口27が突出形成される。
中央カバー部材613は、正面視において上側が湾曲した半円形に形成されると共に、左カバー部材611と右カバー部材612の中央に配置される。中央カバー部材613は、湾曲軸の近傍から突出する案内板613aと、湾曲軸を中心とする円弧状に突出する立設壁613b,613cと、その立設壁613b,613cの対向間に形成される中始動入賞口28と、案内板613aの両隣から突出するカバー側突起613dとを主に備えて形成される。
案内板613aは、中始動入賞口28の内部を挿通される遊技球を後述する、ベース板630の貫通孔632aに案内するための突起であり、貫通孔632aより重力方向上側に配置される。また、案内板613aは、突出先端に向かうに従ってその上面が下降傾斜して形成される。これにより、中始動入賞口28の内部を通過して案内板613aの上面に送球される遊技球を、ベース板630の背面側に転動させてベース板630の貫通孔632aに送球することができる。
さらに、案内板613aは、基部側の上面に傾斜角度の大きい当接面613a1と、先端側の上面に当接面613a1よりも傾斜角度の小さい転動面613a2とを備えて形成される。
当接面613a1は、中始動入賞口28の内部に入賞される遊技球と当接させて、貫通孔632aへの遊技球の送球を安定させる面であり、中始動入賞口28の内部を送球される遊技球の重力方向下端部よりも正面側の外面と当接される。即ち、当接面613a1は、転動面613a2との連結部分から基部までの距離寸法が遊技球の半径よりも大きく設定されると共に、重力方向上側への寸法が遊技球の半径よりも大きく設定される。よって、中始動入賞口28の内部を挿通される遊技球を転動面613a2に当接させることができる。これにより、中始動入賞口28に送球される遊技球の重力方向の力の成分を、当接面613a1とのその衝突による反動で貫通孔632a側へ作用させることができる。その結果、中始動入賞口28の内部に送球される遊技球を、ベース板630の貫通孔632aにスムーズに案内できる。
立設壁613b,613cは、中始動入賞口28を形成する壁部であり、中始動入賞口28を挟んで対象に形成される。立設壁613b,613cは、湾曲して形成される一側と、中央部に垂下して形成される他側とから形成される。中始動入賞口28は、立設壁613b,613cの他側の対向間に形成される。
立設壁613b,613cの一側は、中始動入賞口28に挿通されず、遊技盤13を流下する遊技球をアウト口71に送球させるための遊技球の転動面である。立設壁613b,613cの一側の上面に送球される遊技球を左右方向外側に流下させることができるので、立設壁613b,613cの下側にスペースを形成することができる。
カバー側突起613dは、後述する可変入賞装置650の可変板652の上部を転動する遊技球の速度を遅くするための突起であり、詳しい説明は後述する。
ベース板630は、正面視横長矩形の板状に形成されると共に、化粧板610の各カバー部材611,612,613が配設される部分が背面側に向かって凹設される左凹部631、中央凹部632、右凹部633を備えて形成される。
左凹部631は、左カバー部材611の左始動入賞口26と対向する位置に形成される左貫通孔631aと、その左貫通孔631aよりも重力方向下側に位置すると共に、左凹部631の端部に貫通形成される第2貫通孔631bとを備えて形成される。
左貫通孔631aは、左始動入賞口26の内部に送球された遊技球が流下する遊技球の経路であり、正面側から背面側に貫通して形成されると共に、内形が遊技球の外形よりも大きく形成される。これにより、左始動入賞口26に送球される遊技球を、左貫通孔631aを介して回収できる。
第2貫通孔631bは、左始動入賞口26の近傍を通過して流下する遊技球を挿通させる開口であり、左凹部631の下端に形成されると共に、後述する経路部材640の正面視左側の一端と対向する位置に形成される。これにより、左始動入賞口26に送球されず、左凹部631と左カバー部材611との対向間を流下する遊技球を、第2貫通孔631bを経路部材640に送球できる。
右凹部633は、右カバー部材612の右始動入賞口27と対向する位置に形成される右貫通孔633aと、その右貫通孔633aよりも重力方向下側に位置すると共に、左凹部631の端部に貫通形成される第2貫通孔633bとを主に備えて形成される。
右貫通孔633aは、右始動入賞口27の内部に送球された遊技球が流下する遊技球の経路であり、正面側から背面側に貫通して形成されると共に、内形が、球の外形よりも大きく形成される。これにより、右始動入賞口27に送球される遊技球を、右貫通孔633aを介して回収できる。
第2貫通孔633bは、右始動入賞口27の近傍を通過して流下する遊技球を挿通させる開口であり、右凹部633の下端に形成されると共に、後述する経路部材640の正面視右側の他端と対向する位置に形成される。これにより、右始動入賞口27に送球されず、右凹部633と右カバー部材612との対向間を流下する遊技球を、第2貫通孔633bを経路部材640に送球できる。
よって、左右の凹部631,633と化粧板610との対向間に形成される遊技球の流下経路の開口が、左始動入賞口26及び右始動入賞口27よりも重力方向上方に位置し、左右の凹部631,633と化粧板610との対向間に形成される遊技球の流下経路の内部に左始動入賞口26及び右始動入賞口27が配設されるので、第2貫通孔631b,633bへ流入された遊技球の一部を左始動入賞口26及び右始動入賞口27へ入球させることができる。即ち、左始動入賞口26及び右始動入賞口27へ入球せずに流下する遊技球を経路部材640へ確実に流入させることができる。その結果、第2の入球口へ入球する遊技者の期待を高めて、遊技の興趣の向上を図ることができる。
中央凹部632は、ベース板630の左右方向略中央部に貫通形成される貫通孔632aと、その貫通孔632aの両隣に貫通形成される2つの挿通孔632cと、その挿通孔632cの上方に開口する連結孔632bと、貫通孔632aの両隣に位置し中央カバー部材613側に突出するベース側突起632dとを主に備えて形成される。
貫通孔632aは、案内板613aの上部を転動する遊技球を、内部に挿通させるための開口であり、球の外形よりも大きい開口に形成されると共に、上述したように中央カバー部材613の案内板613aよりも重力方向下側に形成される。
挿通孔632cは、上述したように貫通孔632aの左右方向両隣に貫通形成される。また、挿通孔632cは、正面視横長矩形に形成されると共に、貫通孔632aに向かうに従って下降傾斜して形成される。
連結孔632bは、後述する、経路部材640を送球される遊技球がベース板630の正面側に排出される開口であり、挿通孔632cの外側(貫通孔632aから離間した側)の上方に貫通形成される。
ベース側突起632dは、挿通孔632cの内側を挿通して中央カバー部材613側に突出する可変入賞装置650の可変板652の上部を転動する遊技球の速度を遅くする突起であり、挿通孔632cの貫通孔632a側の上方に突出形成される。
経路部材640は、正面視横長矩形に形成されると共に、ベース板630側が開放される略箱形状に形成される。経路部材640は、第2貫通孔631b,633bと連結孔632bとを連結する経路を形成するための部材であり、正面視左側に形成されて第2貫通孔631bとベース板630の正面視左側の連結孔632bとを連結する第1経路641と、正面視右側に形成されて第2貫通孔633bとベース板630の正面視右側の連結孔632bとを連結する第2経路642とから形成される。
経路部材640の第1経路641及び第2経路642は、互いに近づく方向に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第2貫通孔631bから送球される遊技球を第1経路641を転動させて連結孔632bに送球できる。また、第2貫通孔633bから送球される遊技球を第2経路642を転動させて連結孔632bに送球できる。
可変入賞装置650は、スライド変位可能な可変板652を備えて、ベース板630の背面側から取着される装置であり、可変板652が挿通孔632cに挿通された状態で配設される。
次に、図84及び図85を参照して、可変入賞装置650について説明する。図84(a)は、可変入賞装置650の正面図であり、図84(b)は、可変入賞装置650の上面図である。図85(a)は、可変入賞装置650の分解正面斜視図であり、図85(b)は、可変入賞装置650の分解背面斜視図である。
図84及び図85に示すように、可変入賞装置650は、ベース板630に連結される正面ベース651と、正面ベース651の内部を挿通してスライド変位可能な様態で配置される可変板652と、可変板652の基端に連結されて駆動手段の駆動力によって回転変位可能な伝達部材653と、伝達部材653の周囲に配設されるカバー部材654と、駆動手段のソレノイド655とを主に備えて形成される。
正面ベース651は、正面視略横長矩形に形成されると共に、後述する可変板652の先端側が挿入される開口651bと、ベース板630の貫通孔632aに連結される回収孔651aとを主に備えて形成される。
回収孔651aは、ベース板630の貫通孔632aに挿通された遊技球を回収する孔であり、貫通孔632aの背面側に連結される。
開口651bは、後述する可変板652がスライド変位する際にそのスライドを安定させ得るための開口であり、可変板652の正面視における外形よりも少し大きく形成される。
2枚の可変板652は、上述したように上面に遊技球を転動させる板部材であり、先端が開口651bを介して、ベース板630の挿通孔632cに挿通される。即ち、可変板652は、互いが近づく方向に傾斜して形成される。これにより、可変板652の上面に遊技球が乗った際に、球を転動させて案内板613aに遊技球を落下させることができる。
また、可変板652は、重力方向に凹設される凹部652aを備える。凹部652aには、後述する伝達部材653の回転軸653aが挿入されて、伝達部材653の変位が伝達される。これにより、可変板652に、駆動力が伝達されて可変板652がスライド変位される。
伝達部材653は、板状体に形成されると共に、一端に形成される回転軸653cがカバー部材654に形成される軸孔654aに連結される。また、伝達部材653は、回転軸653aの中央部に突出形成される係合部653bを備え、その係合部653bがソレノイド655の突起655aに係合される。よって、ソレノイド655が駆動されると、係合部653bが押し出され、伝達部材653が回転軸653cを軸に回転変位される。これにより、可変板652をスライド変位させることができる。
よって、中始動入賞口28の流下経路上の貫通孔632aには、変位動作により貫通孔632aの上流を流下する遊技球を貫通孔632aへ入賞し易くする可変板652が配設されるので、左始動入賞口26及び右始動入賞口27に入賞せず、左始動入賞口26及び右始動入賞口27の近傍を流下して、経路部材640の内部に送球される遊技球が、貫通孔632aに入賞する確率を向上することができる。
また、可変板652は、貫通孔632aを挟んだ両側に一対がそれぞれ貫通孔632aへ向けて下降傾斜する姿勢で配設されるので、かかる可変板652が突出した状態が形成された場合には、貫通孔632aの左右いずれの側から流下する遊技球に対しても、貫通孔632aへ入球しやすくすることができる。よって、貫通孔632aへ入球することに対する期待をより強く遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
ここで、貫通孔632aへ遊技球が入球されやすくする構成として、遊技盤13から突出する回転軸に基端側を回転可能に軸支させた一対の羽部材を貫通孔632aに配設し、かかる羽部材が開放されることで、遊技球が貫通孔632aへ案内されるもの(所謂チューリップ)が考えられる。しかし、かかる構成では、羽部材が回転(開閉)するためのスペースが遊技領域に必要となる。特に、羽部材が閉じた姿勢を形成するために、貫通孔632aの上方にスペースが必要となる。そのため、上下方向に大型化して、他の部材(例えば、第1の入球口や液晶表示装置)の配設スペースが減少する。
これに対し、本実施形態によれば、遊技盤13の正面側へ突出可能かつ背面側へ没入可能に形成される板状の一対の可変板652が、貫通孔632aを挟んだ両側に貫通孔632aへ向けて下降傾斜する姿勢で配設されるので、上下方向に小型化を図ることができる。その結果、他の部材(例えば、第1の入球口や液晶表示装置)の配設スペースを確保できる。
さらに、経路部材640の連結孔632bが、可変板652の重力方向上方に配設されるので、突出された可変板652を利用して、遊技球を貫通孔632aへ入球しやすくすることができる。よって、貫通孔632aへ入球することに対する期待をより強く遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、第2貫通孔631b及び経路部材640と第2貫通孔633b及び経路部材640とは、それぞれ1組ずつ形成され、2組のうちの一方の組の経路部材640の連結孔632bは、一対の可変板652のうちの一方の可変板652の重力方向上方に配設されると共に、他方の組の経路部材640の連結孔632bは、他方の可変板652の重力方向上方に配設されるので、一対の可変板652をそれぞれ利用して、遊技球を貫通孔632aへ更に入球しやすくすることができる。よって、貫通孔632aへ入球することに対する期待をより強く遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
なお、第2貫通孔631b及び経路部材640と第2貫通孔633b及び経路部材640とは、貫通孔632aを挟んで左右両側に離間して配設される(例えば、貫通孔632aが遊技領域の幅方向中央に位置されると共に、その貫通孔632aを挟んで幅方向に対称に2組が配設される)ことが好ましい。左始動入賞口26及び右始動入賞口27に対し、遊技領域の幅方向一側または他側のいずれの側を流下する遊技球も、貫通孔632aへ入球させやすくでき、貫通孔632aへ入球することに対する期待をより強く遊技者に持たせることができるからである。
また、可変板652の貫通孔632a側の縁部が、貫通孔632aの重力方向下方の縁部と重力方向上方の縁部との間に位置するので、遊技球が遊技領域の幅方向へ送球(変位)される場合に、かかる遊技球を、突出された状態における可変板652の貫通孔632a側の縁部に当接させて、貫通孔632aへ入球しやすくできる。即ち、遊技領域の幅方向一側から送球(変位)される遊技球が、貫通孔632aの前方を通過して、幅方向他側へ送球(変位)される(遊技球が貫通孔632aに入球せずに遊技領域の幅方向に逃げる)ことを抑制できる。
次に、図86及び図87を参照して、入賞口ユニット600の遊技球の送球経路について説明する。図86(a)は、入賞口ユニット600の正面図であり、図86(b)は、入賞口ユニット600の上面図である。図87(a)及び図87(b)は、図86の範囲LXXXVIIにおける入賞口ユニット600の部分正面図である。
なお、図87(a)では、可変入賞装置650の変位前の状態が図示され、図87(b)では、可変入賞装置650の変位後の状態が図示される。また、図86及び図87では、化粧板610が透明視された状態で図示される。図86(a)では、経路部材640が破線で図示される。
図86(a)及び図86(b)に示すように、ベース板630の背面側に配設され経路部材640の第1経路641により、第2貫通孔631bと連結孔632bとが連結される。一方、経路部材640の第2経路642により、第2貫通孔633bと連結孔632bとが連結される。よって、左始動入賞口26及び右始動入賞口27に送球されず、各第2貫通孔631b,633bに送球される遊技球は、経路部材640の内部を送球されて連結孔632bから排出される。
この場合、図87(a)に示すように、可変入賞装置650が駆動前の状態では、可変入賞装置650の可変板652がベース板630の中央凹部632よりも背面側に退避された状態となる。よって、連結孔632bから排出される遊技球は、下方に流下されて遊技盤13に形成されるアウト口71により回収される。
一方、図87(b)示すように、可変入賞装置650が駆動された(可変板がスライド変位された)状態では、可変入賞装置650の可変板652がベース板630の中央凹部632よりも正面側に突出した状態とされる。よって、開口651bから排出される遊技球は、可変板652の上面に送球される。
ここで、第1の入球口と、第2の入球口とを備えた遊技機が知られている。この場合、第1の入球口に入球されなかった遊技球は、第2の入球口に入球されることはなく、アウト口から回収されるのみである。そのため、遊技者は、第1の入球口を狙って打ち出した遊技球が、第1の入球口に入球しなかった場合、かかる遊技球のその後の行方(流下する遊技球)に期待を持つことができない。そのため、遊技者に十分な興趣を与えることができないという問題点があった。
これに対し、本実施形態によれば、左始動入賞口26及び右始動入賞口27に入球されず流下する遊技球の通路を形成する経路部材640と、遊技領域が正面側に形成される遊技盤13と、その遊技盤13の正面側へ突出可能かつ背面側へ没入可能に形成される板状の可変板652とを備え、経路部材640を通過した遊技球が、遊技盤13の正面側へ突出された可変板652によって、貫通孔632aへ誘導可能とされるので、左始動入賞口26及び右始動入賞口27に遊技球が入球しなかった場合でも、かかる遊技球の流下に注目させ、貫通孔632aへ入球することに対する期待を遊技者に継続して持たせることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、可変板652が遊技盤13の正面側へ突出可能かつ背面側へ没入可能に形成されるので、可変板652を機能させない状態では、遊技盤13の背面側に没入させておくことで、その分、遊技盤13の正面側にスペースを確保(遊技領域を拡大)できる。即ち、遊技領域における遊技球が移動可能な領域を拡大できる。
なお、経路部材640としては、例えば、遊技球が通過可能な閉じた通路として形成されるもの、遊技球の流下方向を規定する1又は複数の釘により形成されるもの、遊技球が転動可能な傾斜面(開放した通路)として形成されるものなどが例示される。
また、可変板652が遊技盤13の背面側へ没入された状態であっても、経路部材640を通過した遊技球が貫通孔632aへ入球可能とされていることは当然可能である。この場合には、可変板652が没入されている状態よりも突出されている状態の方が貫通孔632aへ入球しやすくされることが好ましい。可変板652の状態を着目させ、遊技の興趣の向上を図ることができるからである。
また、上述したように、左始動入賞口26及び右始動入賞口27に遊技球が入賞した際に、羽部312の開閉により遊技球が可動入球役物装置300の内部に流入する確率よりも、中始動入賞口28に遊技球が入賞した際に、羽部312の開閉により遊技球が可動入球役物装置300の内部に流入する確率の方が高く設定されるので、遊技者は、左始動入賞口26及び右始動入賞口27に入賞しない遊技球について、中始動入賞口28に入賞することにさらに期待を持つことができる。その結果、遊技者の興趣を損なうことを抑制できる。
即ち、左始動入賞口26及び右始動入賞口27への入球により遊技者に付与される利益よりも貫通孔632aへの入球により遊技者に付与される利益の方が高い利益とされるので、左始動入賞口26及び右始動入賞口27に遊技球が入球しなかった場合でも、かかる遊技球が貫通孔632aへ入球することに対する期待をより強く遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
なお、遊技者に付与される利益が高い形態としては、入球に伴い払い出される賞球が多い形態、第3の入球口(凹部311aと上部正面カバー313との対向間)への入球を許容・規制する羽部312の開放時間が長くされる態様、羽部312の開放回数が多くされる態様、羽部312の開放範囲が大きくされる態様などが例示される。
また、ベース板60は、透明な可撓性材料から形成されるので、ベース板60の背面側を流下する経路とベース板60の正面側を流下する経路との2経路が交差する様態を遊技者に視認させることができる。よって、遊技者の興趣が損なわれることを抑制することができる。
即ち、経路部材640は、左始動入賞口26及び右始動入賞口27に入球されずに流下する遊技球を受け入れる第2貫通孔631b及び第2貫通孔633bと、その第2貫通孔631b及び第2貫通孔633bから流入された遊技球を遊技領域へ流出させる連結孔632bとを備え、透明な可撓性材料から形成されるので、第2貫通孔631b及び第2貫通孔633bから流入された遊技球が連結孔632b(第2の入球口)へ向けて流下(通過)する態様を遊技者に視認させることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
次に、図88を参照して、貫通孔632aの周囲の構成について詳しく説明する。図88(a)は、入賞口ユニット600の上面図であり、図88(b)は、図88(a)のLXXXVIIIb−LXXXVIIIb線における入賞口ユニット600の断面図であり、図88(c)は、図81(a)のLXXXVIIIc−LXXXVIIIc線における入賞口ユニット600の断面図である。
図88(a)から図88(c)に示すように、貫通孔632aの左右方向両端には、挿通孔632cが開口され、内部に可変入賞装置650の可変板652が挿入される。この場合、可変板652の貫通孔632a側の端部の高さは、貫通孔632aの重力方向の高さの中間位置にと略同一に設定される。これにより、可変板652の貫通孔632a側の端部と、案内板613aとの高さ距離を確保することができる。その結果、可変板652の上部を転動する遊技球が貫通孔632aに送球される際に、案内板613aまでの落下距離を確保することができるので、球を当接面613a1に当接させた際の衝撃力を確保でき、球を貫通孔632aにスムーズに送球することができる。
ベース板630の中央凹部632から突設される632aのベース側突起632dは、貫通孔632aから外方に向かって突出距離が小さくされる断面略三角形に形成される。中央カバー部材613に突設されるカバー側突起613dも同様に、貫通孔632aから外側に向かって突出距離が小さくされる断面三角形に形成される。また、ベース側突起632dとカバー側突起613dとは、前後方向に異なる位置に形成されており、ベース側突起632dが、カバー側突起613dよりも貫通孔632a側に形成される。
また、貫通孔632aの重力方向下方の縁部から遊技盤の正面側へ張り出す案内板613aを備え、その案内板613aは、貫通孔632aへ向けて下降傾斜して形成されるので、可変板652が突出された状態の場合だけでなく、可変板652が没入された状態であっても、左始動入賞口26及び右始動入賞口27に入球されず流下する(経路部材640を通過した)遊技球を、貫通孔632aへ入球しやすくできる。よって、貫通孔632aへ入球することに対する期待をより強く遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
次いで、図89を参照して、中始動入賞口28を挿通される遊技球について説明する。図89(a)から図89(c)は、入賞口ユニット600の断面図である。なお、図89(a)から図89(c)は、図88(b)と対応する。また、図89(a)から図89(c)は、それぞれの遷移状態が図示される。
図89(a)から図89(c)に示すように、中始動入賞口28を挿通される遊技球は、案内板613aの上面に流下された際に、可変入賞装置650の可変板652の貫通孔7632a側の端部と当接して貫通孔632aに安定して送球することができる。
ここで、流下する遊技球を案内板613aで受け止めると衝突した際の衝撃により、球が左右方向にぶれて貫通孔632aに入らない可能性がある。
これに対し、本実施形態では、可変入賞装置650の可変板の貫通孔632a側の端部の高さ位置を貫通孔632aの重力方向の中間位置と略同一に設定されるので、案内板613aと衝突した衝撃で、球が左右方向にぶれた際に、可変板の側面に当接させて、球を貫通孔632aにスムーズに送球することができる。
次いで、図90(a)から図90(c)を参照して、可変入賞装置650の可変板652の上部を送球される遊技球について説明する。図90(a)から図90(c)では、入賞口ユニット600の断面図である。なお、図90(a)から図90(c)では、図88(c)と対応する。
図90(a)から図90(c)に示すように、経路部材640に送球されて、可変入賞装置650の可変板652の上部に送球される遊技球は、ベース板630の連結孔632bから排出される勢いで前方に転動されつつ、可変板652の傾斜により貫通孔632a側に転動されることで、中央カバー部材613のカバー側突起613dと当接する。これにより、球は、カバー側突起613dの突起形状により、背面側に案内されつつ可変板652の上部を貫通孔632a側に転動される。
次に、カバー側突起613dにより背面側に送球されつつ、貫通孔632a側に転動する遊技球は、ベース側突起632dと当接される。これにより、球は、ベース側突起の632dの突起形状により、正面側に案内されつつ可変板652の上部を貫通孔632a側に転動されて、案内板613aの上部に流下する。
ここで、可変入賞装置650の可変板652の上部を転動する遊技球が、カバー側突起613d及びベース側突起632dに当接しない様態であると、球の転動速度が速くなり、案内板613aの上部への遊技球の送球が不安定となり、貫通孔632aへの遊技球の送球が不安定となる恐れがあった。
これに対し、本実施形態では、可変入賞装置650の可変板652の上部を転動する遊技球を、カバー側突起613d及びベース側突起632dに当接させることで、球の転動速度を遅くすることができ、貫通孔632aへの遊技球の送球を安定させることができる。
また、本実施形態では、ベース側突起632dが、カバー側突起613dよりも貫通孔632a側に形成されるので、案内板613aへ落下する遊技球を案内板613aの当接面613a1に確実に当接させることができる。その結果、貫通孔632aへの遊技球の送球を安定させることができる。
さらに、案内板613aの上面には、貫通孔632aに近い側に位置する送球面と、その送球面に連設されると共に転動面613a2よりも貫通孔632aに遠い側に位置する当接面613a1とが形成され、当接面613a1の貫通孔632aへ向かう方向への下降傾斜の角度が、送球面の前記貫通孔632aへ向かう方向への下降傾斜の角度よりも大きくされるので、当接面613a1の下降傾斜を利用して、貫通孔632aへ遊技球をスムーズに入球させることができる。特に、スライド部材が没入された状態であっても、下降傾斜が大きくされている当接面613a1の傾斜を利用して、第1の入球口に入球されず流下する(通路部材を通過した)遊技球を、貫通孔632aへ入球しやすくできる。
次に、図91から図96を参照して、第2実施形態における可変ユニット2360について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
第1実施形態では、回転体372Rに配設される磁石372Rbが、凹部372Rc1よりも小さく形成される場合を説明したが、第2実施形態における回転体2372Rに配設される磁石2372Rbよりも大きく形成される。なお、上記第1実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図91(a)は、第2実施形態における可変ユニット2360の正面図であり、図91(b)は、可変ユニット2360の上面図であり、図91(c)は、図91(b)のXCIc−XCIc線における可変ユニット2360の断面図である。図92は、可変ユニット2360の分解正面斜視図である。図93は、可変ユニット2360の分解背面斜視図である。なお、図91(a)及び図91(b)では、磁石2372Rbの外形が破線で図示される。
図91から図93に示すように、第2実施形態における回転体2372Rは、本体部380側に配設される第1回転体2372Raと、その第1回転体2372Raと連結される第2回転体2372Rcと、その第2回転体2372Rc及び第1回転体2372Raの内部に配設される磁石2372Rbとを備えて形成される。
第1回転体2372Raは、連結棒371に連結されて回転する円柱状の回転体であり、軸に開口する貫通孔372Ra1と、本体側に向かって凹設される凹部2372Ra2とを主に備えて形成される。
凹部2372Ra2は、後述する磁石2372Rbの本体部380側を収容する凹みであり、磁石2372Rbの湾曲形状に対応する形状に凹設される。これにより、磁石2372Rbを第1回転体2372の内側に収容できる。
ここで、回転体2372Rの内部に配設する磁石2372Rbにより、第2転動部381cを転動する遊技球は回転体2372Rの外周面に吸着させずに、回転体2372Rと遊技球との吸着位置では遊技球を回転体2372Rの外周面に吸着させるためには、回転体2372Rの径方向外側に作用する磁石2372Rbの磁力を変更する必要がある。即ち、遊技球の転動速度を遅くする部分では、回転体2372Rの径方向外側に作用する磁力を比較的小さくすると共に、遊技球を回転体2372Rの外周面に吸着する部分では、回転体2372Rの径方向外側に作用する磁力を比較的大きくする必要がある。
そのため、遊技球の転動速度を遅くする部分と回転体2372Rの外周面に遊技球を吸着する部分とでは、回転体2372Rの内部に配設する磁石2372Rbを磁力の異なる2つの磁石2372Rbを配設する、又は、吸着部分のみ径方向外側に突出する磁石2372Rbを配設する必要があった。そのために、磁石2372Rbを製造するコストが増加するという問題点があった。
これに対し、第2実施形態によれば、磁石2372Rbは、回転体2372Rの軸に対して径方向外側に同一距離離間する位置に配設され、回転体2372Rと遊技球との吸着位置には、径方向に凹む溝部2372Rc2が形成されるので、溝部2372Rc2が径方向に凹んで形成される分、吸着位置の外側に作用する磁力を比較的強くすることができる。これにより、磁石2372Rbの形状を複雑化することなく、遊技球の転動速度を遅くする部分と遊技球を回転体2372Rの外周面に吸着する部分とを形成することができるので、製造コストが増加することを抑制できる。
第2回転体2372Rcは、第1回転体2372の外径路略同一の外形の円柱状に形成されると共に、第1回転体2372Raの同軸上に配設され第1回転体372Raに取着される。
また、第2回転体372Rcは、本体部380側から外側に向かって凹設される凹部372Rc1と、その凹部372Rc1の径方向外側の外周面に凹設される溝部2372Rc2と、を備えて形成される。
溝部2372Rc2は、第1回転体372Ra側に向かって、径方向の凹設距離が小さく形成される(図91(c)参照)。これにより、第1回転体2372Raの外周面に吸着する遊技球が、回転体2372Rの外周面を転動されて、溝部2372Rc2の内部に受け入れられる際に、回転体2372Rから溝部2372Rc2に落下することを抑制できる。その結果、溝部2372Rc2に遊技球を安定して送球できる。なお、回転体2372Rの遊技球の送球については、後述する。
次に、図94を参照して磁石2372Rbについて説明する。図94(a)は、磁石2372Rbの正面図であり、図94(b)は、磁石2372Rbの上面図であり、図94(c)は、磁石2372Rbの側面図である。
図94(a)から図94(c)に示すように、磁石2372Rbは、側面視において、第1回転体2372Raの回転軸と同軸の湾曲形状に形成される。また、磁石2372Rbは、正面視左側(図94(a)左側)に向かって回転体2372Rの回転方向に湾曲して形成される。
以上のように構成される回転体2372Rは、次のように組み上げられる。初めに、磁石2372Rbの一側を第1回転体2372Raの凹部2372Ra2の内側に挿入する。次に、第1回転体2372Raの凹部2372Ra2から突出した磁石2372Rbを、第2回転体2372Rcの凹部2372Rc1に挿入しつつ第1回転体2372Raと第2回転体2372Rcとを締結することで、回転体2372Rが組み上げられる。
次に、図95及び図96を参照して回転体2372Rと遊技球との吸着を参照して説明する。図95(a)から図95(c)は、可変ユニット2360の上面図である。図96(a)は、図95(a)のXCVIa−XCVIa線における可変ユニット2360の断面模式図であり、図96(b)は、図95(b)のXCVIb−XCVIb線における可変ユニット2360の断面模式図であり、図96(c)は、図95(c)のXCVIc−XCVIc線における可変ユニット2360の断面模式図である。なお、図95(a)から図95(c)では、球の遷移状態が図示される。また、図95(a)から図95(c)では、磁石2372Rbが破線で図示される。
図95(a)及び図96(a)に示すように、第1回転体2372Ra側の磁石2372Rbが、第6送球経路KR6と隣合う際に、第6送球経路KR6に遊技球が送球されると、球は、磁石2372Rbの磁力により第1回転体2372Raの外周面に吸着される。
図95(b)及び図96(b)に示すように、第1回転体2372Raの外周面に遊技球が吸着された状態で、回転体2372Rが軸周りに回転されると、球は、自重により下方に変位しつつ、第6送球経路KR6を送球される。
即ち、遊技球の転動を遅くする部分では、回転体2372Rの回転変位により、磁石2372Rbが第2転動部381cと隣り合う位置に位置する際に、第2転動部381cを遊技球が転動することで、遊技球の転動を遅くすることができる。また、磁石2372Rbは、回転体2372Rの回転方向の軸周りに屈曲して形成されるので、回転体2372Rの回転に伴って、磁石2372Rbと第2転動部381cとが隣り合う位置を回転体2372Rの吸着位置側に変位させることができる。従って、磁石2372Rbにより第2転動部381cを転動する速度を遅くされる遊技球を、回転体2372Rの回転変位に伴って、吸着位置の径方向外側に転動させることができる。これにより、第2転動部381cを転動する速度を遅くされた遊技球を、回転体2372Rに吸着させることができる。
ここで、回転軸を水平方向へ向けた姿勢で回転可能に形成される略円柱状の回転部材と、その回転部材に配設され回転部材の外周面に遊技球を吸着させる磁石とを備え、外周面に遊技球が吸着された状態で回転部材が回転されることで、かかる遊技球を回転部材の回転方向へ向けて送球する遊技機が知られている。しかしながら、上述した従来の遊技機では、転動面を遊技球が揺れ動きながら転動するため、回転部材が回転され、その回転部材の吸着位置に対面可能なタイミングで遊技球が転動面を転動してきた場合でも、遊技球が吸着位置に吸着されにくいという問題点があった。
これに対し、第2実施形態によれば、磁石2372Rbは、回転体2372Rの外周面に遊技球が吸着される吸着位置と、吸着位置よりも転動面の上流側となる上流位置とに少なくとも配設されるので、上流位置に配設された磁石2372Rbの磁力により、遊技球を回転体2372Rの外周面側に引き寄せておくことができ、転動面を遊技球が揺れ動きながら転動することを抑制できる。その結果、回転体2372Rが回転され、その回転体2372Rの吸着位置に対面可能なタイミングで遊技球が転動面を転動してきた場合に、遊技球を吸着位置へ吸着させやすくできる。
なお、吸着位置に配設される磁石2372Rbと上流位置に配設される磁石2372Rbとは別体に形成されるもの(即ち、2個の磁石2372Rb)であっても良く、或いは、一体に形成されるもの(即ち、1個の磁石2372Rb)であっても良い。
ここで、吸着位置では遊技球を回転体2372Rの外周面に吸着させる一方、上流位置では遊技球を回転体2372Rの外周面に吸着させないことが必要である。これを磁石2372Rbの磁力の差により達成することは(即ち、吸着位置には磁力が強い磁石2372Rbを、上流位置には磁力が弱い磁石2372Rbを、それぞれ配設する)、磁力が異なる2種類の磁石2372Rbを準備する必要があり、製品コストの増加を招く。
これに対し、第2実施形態によれば、回転体2372Rは、その外周面に凹設され吸着位置とされる溝部2372Rc2を備えるので、1の磁石2372Rbを回転体2372Rに埋設することで、溝部2372Rc2を利用して、吸着位置における磁石2372Rbから遊技球までの距離(磁石2372Rbから溝部2372Rc2の底面までの距離)を、上流位置における磁石2372Rbから遊技球までの距離)磁石2372Rbから回転体2372Rの外周面までの距離)よりも小さい寸法に設定できる。即ち、吸着位置では遊技球を回転体2372Rの外周面に吸着させる一方、上流位置では遊技球を回転体2372Rの外周面に吸着させないことが可能となる。よって、2種類の磁石2372Rbを必要とせず、また、磁石2372Rbの形状を複雑化する必要もないので、その分、製品コストの削減を図ることができる。
また、吸着位置に遊技球が吸着されると、かかる遊技球を溝部2372Rc2によって保持することができる。よって、回転体2372Rの回転に伴って遊技球が送球される際に、回転体2372Rの回転方向に遊技球がぐらつくことを抑制でき、その結果、遊技球の吸着が解除されることを抑制できる。
ここで、回転体2372Rの軸に沿って遊技球を送球する送球経路KR5が形成されると、遊技球の転動速度が速い、又は、遊技球が転動面をぐらつくために、遊技球を回転体2372Rに吸着できないという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、回転体2372Rの径方向外側には、遊技球を転動させて回転体2372Rの外周面に送球する第5送球経路KR5が形成され、その第5送球経路KR5は、回転体2372Rの軸方向に延設して形成され、磁石2372Rbは、回転体2372Rと遊技球との吸着位置よりも第5送球経路KR5の上流側に延設されるので、第5送球経路KR5を転動する遊技球を回転体2372Rに配設する磁石2372Rbの磁力により、遊技球の転動を遅くすると共に、遊技球の第2転動部381cのぐらつきを抑制して、遊技球を回転体2372Rに吸着させることができる。
即ち、回転体2372Rに配設される磁石2372Rbは、回転体2372Rと遊技球との吸着位置よりも、第2転動部381cの上流側に延設されるので、第2転動部381cに磁石の磁力を作用させることができる。これにより、第1送球面を転動する遊技球を磁石2372Rbの作用により、回転体2372Rの外周面に引張ることで、その送球速度を遅くできると共に、第2転動部381cをぐらついて転動する遊技球のぐらつきを解消することができる。その結果、回転体2372Rと遊技球との吸着面に遊技球を吸着させることができる。
また、第2転動部381cは、遊技球の転動方向に対する横幅が下流側に向かうに従って回転体2372Rの外周面と対向して配置される区画壁2381gが、回転体の外周面に近接される。即ち、第2転動部381cが下流側に向かって狭くされるので、第2転動部381cを転動する遊技球が、送球方向に対して左右に揺れ動く場合には、遊技球の転動に伴って揺れを抑制することができる。
特に、第2実施形態では、回転体2372Rと遊技球との吸着位置よりも第2転動部381cの上流側には、回転体2372Rに配設する磁石2372Rbの磁力が作用するので、磁石2372Rbの磁力と共に第1送球面を転動する遊技球の揺れ動きを抑制することができるので、比較的短い転動距離で遊技球の揺れを抑制することができる。
言い変えると、回転体2372Rの外周面と対向しつつ第2転動部381cから立設され遊技球の転動領域を区画する区画壁2381gを備え、回転体2372Rの外周面と区画壁2381gとの間の対向間隔は、第2転動部381cの下流側へ向かうに従って小さい寸法に設定されるので、上流位置における磁石による作用(磁力による引き寄せ)だけでなく、区画壁2381gによる案内によっても、第2転動部381cを遊技球が揺れ動きながら転動することを抑制できる。その結果、回転体2372Rが回転され、その回転体2372Rの吸着位置に対面可能なタイミングで遊技球が第2転動部381cを転動してきた場合に、遊技球を吸着位置へ吸着させやすくできる。
さらに、第2転動部381cの上流側における溝部2372Rc2の端部は、回転体2372Rの外周面に連結されるので、遊技球の転動を遅くする部分の磁力により、回転体2372Rの軸方向に引き込まれる遊技球が、回転体2372Rの溝部2372Rc2の内側に転動する際に、バウンドすることを抑制できる。その結果、遊技球を溝部2372Rc2の内側にスムーズに吸着させることができる。
また、第3転動部381dの回転軸方向に沿った長さ寸法が、回転体2872Rに配設される磁石の回転軸方向に沿った長さ寸法よりも大きな寸法に設定されるので、回転体2872Rの吸着位置ではない箇所に遊技球が吸着された状態で(即ち、上流位置における磁石に吸着された状態で)、回転体2872Rの回転に伴って遊技球が送球される場合でも、かかる遊技球を第3転動部381dに受け取らせることができる。
図95(c)及び図96(c)に示すように、第1回転体2372Raの外側に吸着された遊技球が、第5送球経路KR5を流下して、第2回転体2372Rcの溝部2372Rc2に吸着されると、第1実施形態と同様に、溝部2372Rc2の内部に遊技球を吸着させつつ、回転体2372Rを回転させることで遊技球を第7送球経路KR7に遊技球を送球することができる。
ここで、回転体2372Rの内側に配設される磁石2372Rbが、回転体2372Rと遊技球との吸着位置よりも回転体2372Rの軸方向に延設され、第3転動部381dを転動する遊技球の送球方向が回転体2372Rの軸方向に沿って形成されるものでは、第3転動部381dを転動する遊技球が、回転体2372Rに配設される磁石2372Rbの磁力の影響を受ける恐れがある。
これに対し、第2実施形態によれば、回転体2372Rの径方向外側には、回転体2372Rを挟んで第2転動部381cと反対側に回転体2372Rと吸着する遊技球を離脱させると共に、遊技球を転動させて送球する第3転動部381dが形成され、その第3転動部381dは、第2転動部381cから第3転動部381dの方向に向かって下降傾斜して形成されるので、第3転動部381dにより、回転体2372Rとの吸着を解除された遊技球が、再び回転体2372Rに吸着されることを抑制できる。
即ち、第3転動部381dにおける遊技球の送球方向が、回転体2372Rから径方向外側に離間する方向に形成される。これにより、第3転動部381dに送球された遊技球が、回転体2372Rの外周に再び吸着される又は、磁石2372Rbの磁力が作用され、第3転動部381dを転動する速度が遅くされることを抑制できる。
また、第3転動部381dは、回転体2372Rの軸方向の寸法よりも大きく形成されると共に、回転体2372Rと対向する位置に配設されるので、回転体2372Rの吸着位置以外の外周面に遊技球が吸着して、第3転動部381dに送球された場合に、第3転動部381dにより回転体2372Rと遊技球との吸着を解除して、遊技球を第3転動部381dに送球することができる。
また、磁石2372Rbは、上流位置に配設される部分の少なくとも一部が、吸着位置に配設される部分よりも回転体2372Rの回転方向前方側に配設されるので、吸着位置へ向けて第2転動部381cを転動する遊技球に対して、上流位置における磁石2372Rbの磁力を遊技球に作用させやすくできる。即ち、遊技球を回転体2372Rの外周面側に引き寄せておき、第2転動部381cを遊技球が揺れ動きながら転動することを抑制できる。その結果、回転体2372Rが回転され、その回転体2372Rの吸着位置に対面可能なタイミングで遊技球が第2転動部381cを転動してきた場合に、遊技球を吸着位置へ吸着させやすくできる。
さらに、溝部2372Rc2の底面は、上流位置側へ向けて上昇傾斜されると共に回転体2372Rの外周面に滑らかに連なり、少なくとも上流位置側において、溝部2372Rc2の底面に遊技球が当接可能に形成されるので、上流位置における磁石2372Rbにより回転体2372Rの外周面側に引き寄せられた遊技球が、吸着位置における磁石2372Rbにより溝部2372Rc2に嵌り込む際には、かかる遊技球の溝部2372Rc2への嵌り込みをスムーズに行わせることができる。即ち、遊技球が跳ねる(バウンドされる)ことを抑制して、遊技球を吸着位置(溝部2372Rc2)に吸着させやすくできる。
次いで、図97及び図98を参照して、第3実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
上記第1実施形態では回転体372Rの溝部372Rc2の径方向内側の面が径方向と直交する平面に形成される場合を説明したが、第3実施形態の溝部3372Ra2は、径方向内側の面が径方向と直交する方向に対して傾斜して形成される場合を説明する。
図97(a)は、第3実施形態における回転体3372Rの側面図であり、図97(b)は、回転体3372の上面図であり、図97(c)は、図97(b)のXCVIIc−XCVIIc線における断面図であり、図97(d)は、図97(b)のXCVIId−XCVIId線における断面図である。図98(a)及び図98(b)は、可変ユニット360の断面図である。なお、図98(a)の断面は、図69(a)の断面と対応し、図98(b)の断面は図69(b)の断面と対応する。
図97(a)から(d)に示すように、第3実施形態における回転体3372Rは、本体部380側に配設される第1回転体372Raと、その第1回転体372Raと連結される第2回転体3372Rcと、その第2回転体3372Rcの内部に配設され第2回転体3372Rcの外側に磁力を作用させる磁石372Rbとを主に備えて形成される。
第2回転体3372Rcは、第1回転体372Raの外径と略同一の外径の円柱状に形成されると共に、第1回転体372Raの同軸上に配設され第1回転体372Raに取着される。
第2回転体372Rcは、外周面に遊技球を吸着して送球する送球部材であり、内部に磁石372Rbが挿入される凹部3372Rc1と、その凹部3372Rc1の径方向外側の外周面に凹設される溝部3372Rc2とを主に備えて形成される。
凹部3372Rc1は、第1回転体372Raが取着される面に凹設されると共に、磁石372Rbの外径と略同一の深さで凹設される。また、凹部3372Rc1は、側面視略矩形に凹設されると共に、2の対向する内面のうちの一方の対向する面が、後述する溝部3372Rc2の凹設先端面と平行に形成される。
溝部3372Rc2は、第2回転体3372Rcの径方向視略矩形に凹設されると共に、第2回転体3372Rcを軸方向視した断面が略三角形に形成される。即ち、溝部3372Rc2は、第2回転体3372Rcの回転方向側の凹設先端面が第2回転体3372Rcの外周面に連結して形成される。
上述したように、第2回転体3372Rcの凹部3372Rc1は、溝部3372Rc2の凹設先端面と平行の内面を有して形成される。これにより、溝部3372Rc2の内部に配設される磁石372Rbは、回転体3372Rの回転方向側の端部が径方向外側に部分的に位置する状態で配設される(図97(c)参照)。
次に、図98を参照して回転体3372Rの回転変位について説明する。図98(a)及び(b)に示すように、回転体3372Rの溝部3372Rc2が、第6送球経路KR6と隣合う位置に位置する際に、第6送球経路KR6を遊技球が送球されると、第1実施系と同様に回転体の内部に配設する磁石372Rbにより、遊技球は、溝部3372Rc2に吸着される(図98(a)参照)。
図98(a)に示す、遊技球を回転体3372Rに吸着した状態で回転体3372Rを連結棒371の軸を中心に回転変位すると、図98(b)に示すように、遊技球が回転体3372Rの溝部3372Rc2に吸着された状態で送球される。
第3実施形態では、上述したように、溝部3372Rc2の第2回転体3372Rcの回転方向側の凹設先端面が第2回転体3372Rcの外周面に連結して形成されるので、遊技球を回転体3372Rの回転方向に外れやすくできる。
即ち、溝部3372Rc2の回転方向側に階段状の段差が形成されないことで、溝部3372Rc2に吸着する遊技球を回転方向側に変位しやすくできる。これにより、回転体の溝部3372Rc2に吸着した遊技球が、遊技機本体の揺れなどにより、吸着が解除される際に、遊技球を後の送球経路の第7送球経路側に落下しやすくできる。その結果、回転体3372Rと遊技球との吸着が解除された際に、遊技球が第6送球経路に戻ることを抑制して、回転体3372Rの遊技球の送球を安定させることができる。
また、この場合、回転体3372Rの各回転体3372Ra,3372Rcは、円柱形状に形成されるので、その外周面に沿って遊技球を第7送球経路KR7に送球することができる。これにより、回転体3372Rと遊技球との吸着が解除されて、遊技球を第7送球経路KR7に落下させる際に遊技球が自由落下する距離を小さくできるので、遊技球が第7送球経路KR7の第3転動部381dに落下する際の衝撃を小さくすることができる。その結果、遊技球が第3転動部381dとの衝突によって、跳ね上がることを抑制することができ、遊技球の送球を安定させることができる。
さらに、第3実施形態では、磁石372Rbの回転体3372Rの回転方向側の端部が径方向外側に部分的に位置する状態で配設されるので、その分、回転体3372Rの外側に作用する磁石の磁力を強くすることができる。その結果、回転体3372Rと遊技球との吸着が解除されることを抑制することができ、遊技球の送球をさらに安定させることができる。
次いで、図99から図101を参照して、第4実施形態における回転体4372Rについて説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
上記第1実施形態では、回転体372Rの溝部372Rc2に吸着した先行の遊技球に後から送球された後行の遊技球が吸着した際に、先行の遊技球が溝部372Rc2から脱落することを防止できる場合を説明したが、第4実施形態では回転体4372Rの溝部372Rc2に吸着した先行の遊技球に後から送球された後行の遊技球が吸着した際に、先行の遊技球および後行の遊技球が溝部372Rc2から脱落する場合を説明する。
初めに、図99を参照して、第4実施形態における回転体4372Rについて説明をする。図99(a)は、第4実施形態における回転体4372Rの側面図であり、図99(b)は、回転体4372Rの上面図であり、図99(c)は、図99(b)のXCIXc−XCIXc線における回転体4372Rの断面図であり、図99(d)は、図99(b)のXCIXd−XCIXd線における回転体4372Rの断面図である。
回転体4372Rは、本体部380側に配設される第1回転体372Raと、その第1回転体372Raと連結される第2回転体4372Rcと、その第2回転体4372Rcの内部に配設されると共に磁力を有する磁石372Rbとを備えて形成される。
第2回転体4372Rcは、第1回転体372Raの外形と略同一の外形の円柱状に形成されると共に、第1回転体372Raの同軸上に配設され第1回転体372Raに取着される。
また、第2回転体4372Rcは、外周面に遊技球を吸着して送球する部分であり、内部に後述する磁石372Rbが挿入される凹部372Rc1と、その凹部372Rc1の径方向外側の外周面に凹設される溝部372Rc2と、その溝部372Rc2と所定の間隔を隔てた外周面に凹設される凹設部4372Rc5とを主に備えて形成される。
凹設部4372Rc5は、回転体4372Rの径方外側に中心が位置する湾曲面(球面)として形成されると共に、湾曲面を形成する球体の半径は、遊技球の半径よりも大きい寸法に設定される。
なお、第4実施形態において、溝部372Rc2と凹設部4372Rc5との間の所定の間隔は、回転体4372Rの回転方向と反対方向に、先行する遊技に後行する遊技球が吸着した際に、後行する遊技球が回転体4372Rの径方向外側端面(凹設部4372Rc5を除く外周面)と当接しない距離に設定される。
次いで、図100から図102を参照して、回転体4372Rに2球の遊技球が吸着した場合の説明をする。図100から図102は、可変ユニット360及び背面ベース390の断面図である。
なお、図100から図102は、図69(a)の可変ユニット360及び背面ベース390の断面に対応する。また、図100から図102では、回転体4372Rが回転された際の遷移状態が順に図示される。
図100に示すように、第6送球経路KR6に遊技球が2球連続して送球される(後行する遊技球が先行する遊技球に連なって送球される)と、先行する遊技球は、溝部372Rc2の内周面に配設された磁石372Rbの磁力により吸着され、溝部372Rc2の内面に吸着される。この場合、磁石372Rbの磁力により、先行する遊技球が磁性を帯びるため、後行する遊技球が先行する遊技球に連なって送球されると、後行する遊技球が先行する遊技球に吸着される。
また、図100に示すように、後行する遊技球が、先行する遊技球に吸着して、第2転動部381cから持ち上げられる前には、後行する遊技球は、第2転動部381cに支持されているため凹設部4372Rc5の内側に案内されず、回転体4372Rの外周面よりも外側に位置される。
図101に示すように、図100の位置から回転体4372Rが回転されると、後行する遊技球が第2転動部381cから持ち上げられる。この場合、後行する遊技球は、自重により、先行する遊技球の外周面との吸着位置を変位させる。
従って、後行する遊技球は、第2転動部381cから持ち上げられると、凹設部4372Rc5の内側に変位するので、後行する遊技球の重さをより先行する遊技球に作用させやすくできる。その結果、図102に示すように先行する遊技球と溝部372Rc2の内側との吸着を解除させやすくできる。
また、上述したように後行する遊技球は、第2転動部381cから持ち上げられると、凹設部4372Rc5の内側に変位する。この場合、後行する遊技球の荷重をその持ち上げられた際の変位に伴って、先行する遊技球に作用させることができる。その結果、図102に示すように、先行する遊技球と溝部372Rc2内側との吸着を解除させやすくできる。
先行する遊技球と溝部372Rc2の内側との吸着が解除された状態で、図101の位置から更に回転体4370が回転されると、先行する遊技球および後行する遊技球とが、第2転動部381cに落下される。なお、回転体5372Rから脱落した先行および後行する遊技球は、第2転動部381cの上面に落下し、第2転動部381cを転動する。従って、回転体5372Rから脱落した先行および後行する遊技球は、第2転動部381cを転動して、内側カバー373Rに形成される回収孔373Raの内部に案内されて回収される。
以上のように、第4実施形態では回転体4372Rの外周面に2球が吸着されると、その2球とも回転体4372Rの外周面から脱落させることができる。即ち、回転体4372Rの外周面に吸着されて第7送球経路KR7に遊技球が送球されると遊技者に有利となるところ、2球が吸着して送球された場合には遊技者にとって不利な状況とすることができるので、1球のみ吸着されるか2球目が吸着されるかで結果に相違を生じさせ、第6送球経路KR6を転動する遊技球を遊技者により注目をさせることができる。
ここで、回転軸を水平方向へ向けた姿勢で回転可能に形成される略円柱状の回転部材と、その回転部材に配設され回転部材の外周面に遊技球を吸着させる磁石とを備え、外周面に遊技球が吸着された状態で回転部材が回転されることで、かかる遊技球を回転部材の回転方向へ向けて送球する遊技機が知られている(この場合、回転部材へ向けて2球の遊技球が連なって転動されると、先行する遊技球(第1の遊技球)が回転部材の外周面に吸着されると共に、その先行する遊技球(第1の遊技球)に後行する遊技球(第2の遊技球)が吸着されると、これら先行する遊技球および後行する遊技球の両者が回転部材の回転方向へ送球される。しかしながら、このような遊技機では、遊技者に遊技の興趣を十分に付与できないという問題点があった。
これに対し、第4実施形態によれば、回転体4372Rの磁石372Rbに先行する遊技球が吸着されると共に先行する遊技球に後行する遊技球が磁着された場合に、回転体4372Rの磁石372Rbと先行する遊技球との吸着を解除しやすくする解除手段を備えるので、これら先行する遊技球および後行する遊技球の両者が回転体4372Rの回転方向へ送球されることを抑制できる。
即ち、先行する遊技球のみが回転体4372Rへ向けて転動され、回転体4372Rの外周面(磁石372Rb)に吸着された場合には、かかる先行する遊技球を回転体4372Rの回転方向へ送球できる一方、先行する遊技球に加え、後行する遊技球も回転体4372Rへ向けて転動され、先行する遊技球が回転体4372Rの外周面(磁石372Rb)に吸着されると共に先行する遊技球に後行する遊技球が吸着された場合には、これら先行する遊技球および後行する遊技球の両者を回転体4372Rの回転方向へ送球できないようにできるので、先行する遊技球が第2転動部381c(第6送球経路KR6)を回転体4372Rへ向けて転動する際に、その先行する遊技球の後方に他の遊技球(即ち、後行する遊技球)が転動してきていないかを遊技者に懸念させる(ドキドキさせる)ことができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
ここで、第4実施形態では、回転体4372Rの外周面に吸着されて回転体4372Rの回転方向へ送球された遊技球が入球するV入賞部材382と、回転体4372Rの外周面に吸着されなかった遊技球が入球する回収孔373Raとを備え、少なくともV入賞部材382に遊技球が入球すると遊技者に利益が付与される、又は、V入賞部材382への入球により遊技者に付与される利益が回収孔373Raへの入球により遊技者に付与される利益よりも高い利益とされるので、この点からも遊技の興趣の向上を図ることができる。
即ち、遊技者は、V入賞部材382への入球により利益を得る、又は、回収孔373Raへの入球の場合よりも高い利益を得ることを期待して、遊技球が回転体4372Rの外周面に吸着して回転体4372Rの回転方向へ送球されることを望み、また、利益が付与される機会をより多く得ることを期待して、より多くの遊技球が回転体4372Rの外周面に吸着して回転体4372Rの回転方向へ送球されることを望む。これに対し、先行する遊技球のみが回転体4372Rの外周面に吸着された場合には、かかる先行する遊技球を回転体4372Rの回転方向(V入賞部材382)へ送球できる一方で、回転体4372Rの外周面に吸着された先行する遊技球に後行する遊技球が吸着された場合には、後行する遊技球だけでなく、先行する遊技球も、回転体4372Rの回転方向へ送球されず、両者からV入賞部材382への入球の機会が失われることとなる。そのため、先行する遊技球が回転体4372Rへ向けて転動する際に、その先行する遊技球の後方に他の遊技球(即ち、後行する遊技球)が転動してきていないかを遊技者に懸念させやすく(ドキドキさせやすく)でき、その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
なお、遊技者に付与される利益が高い形態としては、入球に伴い払い出される賞球が多い形態、開閉可能に形成される羽部312の開閉により第3の入球口(凹部311aと上部正面カバー313との対向間)への入球を許容・規制する羽部312の開放時間が長くされる態様、羽部312の開放回数が多くされる態様、羽部312の開放範囲が大きくされる態様などが例示される。
また、解除手段は、回転体4372Rの外周面に凹設され、先行する遊技球に吸着された後行する遊技球を受け入れる凹設部4372Rc5として形成されるので、先行する遊技球の重力方向下方側に後行する遊技球を近づけることができ、その分、先行する遊技球に作用する後行する遊技球の重さのうちの重力方向成分を増加させやすくできる。よって、先行する遊技球と磁石372Rbとの吸着を解除しやすくできる。
即ち、先行する遊技球に後行する遊技球が吸着されている場合には、かかる後行する遊技球の重さを利用して、磁石372Rbと先行する遊技球との吸着を解除する一方、先行する遊技球に後行する遊技球が吸着されていない場合には、磁石372Rbと先行する遊技球との吸着が解除されないようにすることができる。また、このような切り替えを、後行する遊技球の重さを利用する手段、即ち、回転体4372Rの外周面に凹設された凹設部4372Rc5のみで達成できるので、切り替えのための変位部材や駆動源を設けることを不要とでき、その分、製品コストの削減を図ることができる。
次いで、図103から図106を参照して、第5実施形態における回転体5372Rについて説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
上記第1実施形態では、回転体372Rの溝部372Rc2に吸着した先行の遊技球に後から送球された後行の遊技球が吸着した際に、先行の遊技球が溝部372Rc2から脱落することを防止できる場合を説明したが、第5実施形態では回転体5372Rの溝部5372Rc2に吸着した先行の遊技球に後から送球された後行の遊技球が吸着した際に、先行の遊技球および後行の遊技球が溝部5372Rc2から脱落する場合を説明する。
なお、第5実施形態では、第1実施形態と同様に、右側回転送球部370Rと左側回転送球部370Lとは、右側回転送球部370Rに駆動手段およびその駆動を伝達する伝達手段が配置されるのみであり、その他の形状は、可変ユニット360の左右方向中央を中心に線対称に形成されるので、左側回転送球部370Lの回転体5372Lについての詳しい説明を省略する。
図103は、第5実施形態における回転体5372Rの分解斜視正面図であり、図104(a)は、回転体5372Rの側面図であり、図104(b)は、回転体5372Rの上面図であり、図104(c)は、図104(b)のCIVc−CIVc線における回転体5372Rの断面図であり、図104(d)は、図104(b)のCIVd−CIVd線における回転体5372Rの断面図である。
図103及び図104に示すように、第5実施形態における回転体5372Rは、本体部380側に配設される第1回転体372Raと、その第1回転体372Raと連結される第2回転体5372Rcと、その第2回転体5372Rcの内部に配設される磁力を有する磁石372Rbと、第2回転体5372Rcの外縁に沿って配設される解除部材5372Rdとを主に備えて形成される。
第2回転体5372Rcは、第1回転体372Raの外径と略同一の外径の円柱状に形成されると共に、その軸が第1回転体372Raの同軸上に配設され、第1回転体372Raに取着される。
また、第2回転体5372Rcは、外周面に径方向内側に向かって凹設される溝部5372Rc2と、その溝部5372Rc2の径方向内側に形成されると共に、回転体5372Rcの側面に凹設される凹部372Rc1と、その凹部372Rc1及び溝部5372Rc2の対向間および溝部5372Rc2と隣合う部分に切欠き形成される凹設部5372Rc3とを備えて形成される。
溝部5372Rc2は、回転体372Rの径方向視において略矩形の外形に形成され、その外形が磁石372Rbの外形よりも大きく設定される。また、溝部5372Rc2は、回転体372Rの径方向内側に位置する面が平坦面に形成されると共に、上述したように部分的に凹設部5372Rc3により切欠き形成される。
凹設部5372Rc3は、後述する解除部材5372Rdを回転体5372Rに切欠き形成した内側に収容する空間であり、その凹設形状が、解除部材5372Rdの外形と略同一に形成される。
解除部材5372Rdは、外形が回転体5372Rの径方向視略C字状に形成される。解除部材5372Rdは、溝部5372Rc2の内側に配置される解除部5372Rd1と、回転体5372Rの外周面に沿って配置される押圧部5372Rd2と、解除部5372Rd1及び押圧部5372Rd2との間に位置すると共に回転体5372Rの軸方向に貫通形成される貫通孔5372Rd3とを主に備えて形成される。
解除部5372Rd1は、溝部5372Rc2の内側に切欠き形成された凹設部5372Rc3の内側に配置されると共に、回転体5372Rの外周側における面が溝部5372Rc2の平坦面と面一に配置される。これにより、溝部5372Rc2の内側に送球した遊技球を凹部372Rc1の内側に配置される磁石372Rbの磁力で吸着することができる。
押圧部5372Rd2は、回転体5372Rの外周面よりも径方向外側に突出して形成されると共に、その突出先端面が外側に凸となる湾曲形状に形成される。また、押圧部5372の突出先端面における曲面の半径は、回転体5372Rの半径よりも小さい寸法に設定される。よって、押圧部5372Rd2を回転体5372Rの径方向外側に突出させやすくできる。
また、解除部材5372Rdが変位されていない(押圧部5372Rd2が回転体5372Rに対して径方向内側に変位されていない)状態において、押圧部5372Rd2は、回転体5327Rの周方向における両端部が、回転体5372Rの外周面と連なる位置に設定される。即ち、回転体5372Rの凹設部5372Rc3と押圧部5372Rd2との間に径方向における段差をなくすことができる。その結果、遊技球が第2転動部381cを転動した際に、回転体5372Rの凹設部5372Rc3と押圧部5372Rd2との段差に遊技球が乗って回転体5372Rの回転により第3転動部381dに送球されることを抑制できる。
貫通孔5372Rd3は、軸棒JB1が内側に挿入される貫通孔である。軸棒JBは、解除部材5372Rdを回転可能に保持する軸であり、解除部材5372Rdの貫通孔5372Rd3に挿入されると共に、第2回転体5372Rcの側面に凹設された軸孔5372Rc4の内側に一端が挿入されて他側が第1回転体372Raの側面に挟持される。これにより、軸棒JB1は、組み上げられた回転体5372Rから脱落することを防止できると共に、解除部材5372Rdを回転可能に軸支できる。
次いで、図105及び図106を参照して、回転体5372Rの解除部材5372Rdの動作について説明する。図105及び図106は、可変ユニット360及び背面ベース390の断面図である。
なお、図105及び図106は、図69の可変ユニット360及び背面ベース390の断面に対応する。また、図106では、図105に示す位置から回転体5372Rが少し回転された状態が図示される。
図105に示すように、第6送球経路KR6に連続して遊技球が2球送球された際に、先行する遊技球が溝部5372Rc2の内面に吸着されると、先行する遊技球が磁石372Rbの磁力により磁性を帯びて後行する遊技球をその外周面に吸着させる。
先行する遊技球の外周面に後行する遊技球を吸着した状態で、回転体5372Rが回転されると、先行する遊技球は、回転体5372Rの外周面に吸着された状態で、上方に持ち上げられる。この際、後行する遊技球は、先行する遊技球との吸着位置を変位させ、回転体5372Rの外周面側に変位される。
ここで、回転体5372Rに配設される解除部材5372Rdの押圧部5372Rd2は、後行する遊技球が先行する遊技球に吸着して第2転動部381cから持ち上げられる際に後行する遊技球の外周面に突出先端が当接する形状に形成される。
次いで、図106に示すように、図105の位置から回転体5372Rが回転されて、後行する遊技球が第2転動部381cから離間する(持ち上げられる)と、後行する遊技球の自重により、解除部材5372Rdの押圧部5372Rd2が回転体5372Rの径方向内側に押圧される。
この押圧部5372Rd2の変位により、解除部材5372Rdが、貫通孔5372Rd3を軸心に回転変位される。よって、貫通孔5372Rd3を挟んで押圧部5372Rd2と反対側に形成される解除部5372Rd1が、回転体5372Rの径方向外側に変位される。
これにより、溝部5372Rc2の内面に吸着された先行する遊技球が、解除部5372Rd1の変位に伴って溝部5372Rc2の内側から外側に押し出される。従って、先行する遊技球は、回転体5372Rから径方向外側に離間する位置に変位されるので、その分、回転体5372Rの内側に配設される磁石372Rbから離間される。その結果、先行する遊技球を溝部5372Rc2の内面に吸着する磁力が弱められて、先行する遊技球が、回転体5372Rの外周面(溝部5372Rc2)から脱落する。
この場合、上述したように、回転体5372Rに配設される解除部材5372Rdの押圧部5372Rd2は、後行する遊技球が先行する遊技球に吸着して第2転動部381cから持ち上げられる際に後行する遊技球の外周面に突出先端が当接する形状に形成されるので、後行の遊技球が持ち上げられた際に、後行する遊技球が回転体5372Rに対して径方向内側へ変位する自重による力を最大とすることができる。
その結果、後行する遊技球が先行する遊技球に吸着して第2転動部381cから持ち上げられた際に、解除部材5372Rdを変位させやすくでき、先行する遊技球を回転体5372R(溝部5372Rc2)から脱落しやすくできる。
なお、回転体5372Rから脱落した先行および後行する遊技球は、第2転動部381cの上面に落下し、第2転動部381cを転動する。従って、回転体5372Rから脱落した先行および後行する遊技球は、第2転動部381cを転動して、内側カバー373Rに形成される回収孔373Raの内部に案内されて回収される。
以上のように、第5実施形態では回転体5372Rの外周面に2球が吸着されると、回転体5372Rの外周面から脱落させることができる。即ち、回転体5372Rの外周面に吸着されて第7送球経路KR7に遊技球が送球されると遊技者に有利となるところ、2球が吸着された場合には遊技者にとって不利な状況とすることができるので、1球のみ吸着されるか2球が吸着されるかで結果に相違を生じさせ、第6送球経路KR6を転動する遊技球を遊技者により注目をさせることができる。
ここで、回転軸を水平方向へ向けた姿勢で回転可能に形成される略円柱状の回転部材と、その回転部材に配設され回転部材の外周面に遊技球を吸着させる磁石とを備え、外周面に遊技球が吸着された状態で回転部材が回転されることで、かかる遊技球を回転部材の回転方向へ向けて送球する遊技機が知られている(例えば、特開2012−231890号公報)。この場合、回転部材へ向けて2球の遊技球が連なって転動されると、先行する遊技球(第1の遊技球)が回転部材の外周面に吸着されると共に、その先行する遊技球(第1の遊技球)に後行する遊技球(第2の遊技球)が吸着されると、これら先行する遊技球および後行する遊技球の両者が回転部材の回転方向へ送球される。しかしながら、このような遊技機では、遊技者に遊技の興趣を十分に付与できないという問題点があった。
これに対し、第5実施形態によれば、回転体5372Rの磁石372Rbに先行する遊技球が吸着されると共に先行する遊技球に後行する遊技球が磁着された場合に、回転体5372Rの磁石372Rbと先行する遊技球との吸着を解除しやすくする解除手段を備えるので、これら先行する遊技球および後行する遊技球の両者が回転体5372Rの回転方向へ送球されることを抑制できる。
即ち、先行する遊技球のみが回転体5372Rへ向けて転動され、回転体5372Rの外周面(磁石372Rb)に吸着された場合には、かかる先行する遊技球を回転体5372Rの回転方向へ送球できる一方、先行する遊技球に加え、後行する遊技球も回転体5372Rへ向けて転動され、先行する遊技球が回転体5372Rの外周面(磁石372Rb)に吸着されると共に先行する遊技球に後行する遊技球が吸着された場合には、これら先行する遊技球および後行する遊技球の両者を回転体5372Rの回転方向へ送球できないようにできるので、先行する遊技球が回転体5372Rへ向けて転動する際に、その先行する遊技球の後方に他の遊技球(即ち、後行する遊技球)が転動してきていないかを遊技者に懸念させる(ドキドキさせる)ことができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
ここで、第5実施形態では、回転体5372Rの外周面に吸着されて回転体5372Rの回転方向へ送球された遊技球が入球するV入賞部材382と、回転体5372Rの外周面に吸着されなかった遊技球が入球する回収孔373Raとを備え、少なくともV入賞部材382に遊技球が入球すると遊技者に利益が付与される、又は、V入賞部材382への入球により遊技者に付与される利益が回収孔373Raへの入球により遊技者に付与される利益よりも高い利益とされるので、この点からも遊技の興趣の向上を図ることができる。
即ち、遊技者は、V入賞部材382への入球により利益を得る、又は、回収孔373Raへの入球の場合よりも高い利益を得ることを期待して、遊技球が回転体5372Rの外周面に吸着して回転体5372Rの回転方向へ送球されることを望み、また、利益が付与される機会をより多く得ることを期待して、より多くの遊技球が回転体5372Rの外周面に吸着して回転体5372Rの回転方向へ送球されることを望む。これに対し、先行する遊技球のみが回転体5372Rの外周面に吸着された場合には、かかる先行する遊技球を回転体5372Rの回転方向(V入賞部材382)へ送球できる一方で、回転体5372Rの外周面に吸着された先行する遊技球に後行する遊技球が吸着された場合には、後行する遊技球だけでなく、先行する遊技球も、回転体5372Rの回転方向へ送球されず、両者からV入賞部材382への入球の機会が失われることとなる。そのため、先行する遊技球が回転体5372Rへ向けて転動する際に、その先行する遊技球の後方に他の遊技球(即ち、後行する遊技球)が転動してきていないかを遊技者に懸念させやすく(ドキドキさせやすく)でき、その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
なお、遊技者に付与される利益が高い形態としては、第4実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
解除手段は、回転体5372Rに変位可能に配設される解除部材5372Rdを備え、解除部材5372Rdは、先行する遊技球に吸着された後行する遊技球に当接されることで変位されると共にその変位により先行する遊技球と磁石372Rbとの間の距離を拡大させるので、先行する遊技球に後行する遊技球が吸着されている場合には、かかる後行する遊技球の重さを利用して、磁石372Rbと先行する遊技球との吸着を解除する一方、先行する遊技球に後行する遊技球が吸着されていない場合には、磁石372Rbと先行する遊技球との吸着が解除されないようにすることができる。また、このような切り替えを、後行する遊技球の重さを利用して行うので、解除部材5372Rdを変位させるための駆動源を設けることを不要とでき、その分、製品コストの削減を図ることができる。
即ち、第5実施形態によれば、解除部材5372Rdの切り替えをする付勢部材(例えば、ねじりバネ等)を配置する必要がない。例えば、解除部材5372Rdの解除部5372Rd1が溝部5372Rc2よりも径方向外側に張り出し状態とされた場合でも、その溝部5372Rc2の内側に遊技球(先行する遊技球)を吸着する吸着動作により押圧して、解除部5372Rd1を回転体5372Rの径方向内側に変位させることができる。その結果、押圧部5372Rd2の突出先端を回転体5372Rの径方向外側に張り出し変位させることができる。よって、解除部材5372Rdを変位させるための駆動源を設けることを不要とでき、その分、製品コストの削減を図ることができる。
次いで、図107及び図108を参照して、第6実施形態における入賞口ユニット6600について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
上記第1実施形態では、ベース板630の左右に形成される第2貫通孔631b,633bの内部に送球される遊技球が、そのままベース板630の背面に配設される経路部材640の内側に送球される場合を説明したが、第6実施形態では、ベース板630の左右に形成される第2貫通孔631b,633bの内部に送球される遊技球が、ベース板630の背面に配設される経路部材640の内側に送球される前に、遊技球の通過を検出するセンサ装置SE1を通過する場合を説明する。
図107(a)は、第6実施形態における入賞口ユニット6600の正面図であり、図107(b)は、入賞口ユニット6600の背面図である。図108は、入賞口ユニット6600の分解斜視正面図である。
図107及び図108に示すように、第6実施形態の入賞口ユニット6600には、ベース板630及び経路部材640の対向間にセンサ装置SE1が介設される。また、センサ装置SE1は、第2貫通孔631b,633bの背面側の位置にそれぞれ配設される。
センサ装置SE1は、遊技球の外径よりも大きく貫通形成される開口SE1aが形成され、その開口SE1aを前後方向に開口した状態でベース板630及び経路部材640の対向間に介節される。センサ装置SE1は、開口SE1aの内側を遊技球を通過させることにより、その遊技球の通過を検知することができる。
なお、入賞口ユニット6600の内部を流下する遊技球は、左右で反対となるのみであるので、以下の説明では、遊技盤13の左側を流下する遊技球についてのみ説明し、遊技盤13の右側を流下する遊技球についての説明は省略する。
次いで、遊技球が入賞口ユニット6600の内部を流下した際の説明をする。遊技盤13の遊技領域を流下する遊技球が、左側入賞口26の近傍を流下して左凹部631及び左カバー部材611との対向間に流下すると、左凹部631の底面に案内されて第2貫通孔631bの内側に送球される。
この場合、上述したように第2貫通孔631bの背面側には、センサ装置SE1が配設されるので、左凹部631及び左カバー部材611の対向間に流下した遊技球は、センサ装置SE1により検出された後に、経路部材640の内側に送球される。即ち、第6実施形態では、経路部材640の内側に送球される遊技球を検知することができる。
よって、センサ装置SE1が遊技球を検知した後、所定の時間の経過後に可変入賞装置650の可変板652を正面側に突出させるように制御することで、経路部材640を通過する遊技球を可変板652の上部へ送球させやすくできる。その結果、経路部材640を通過する遊技球を貫通孔632aに送球しやすくできる。
例えば、上述した所定の時間を、遊技球が経路部材640の第1経路641を一端から他端まで転動する時間と略同一に設定することで、遊技球が、可変入賞装置650の可変板652の上部に送球されやすくできる。その結果、左側入賞口26に入賞せず流下する遊技球に再び貫通孔632aに入賞する可能性を与え易くできる。その結果、遊技者に遊技球の流下を下流側まで注目させることができ、遊技者に遊技球を注目させる時間を長くすることができる。
このように、本実施形態によれば、経路部材640を流下する遊技球を検出するセンサ装置SE1と、可変板652を駆動する駆動手段とを備え、検出部材により遊技球が検出された場合に可変板652が駆動手段の駆動により遊技盤の正面側へ突出されるので、貫通孔632aへ遊技球を入球しやすくできる。よって、左始動入賞口26及び右始動入賞口27に遊技球が入球しなかった場合でも、かかる遊技球の流下に注目させ、貫通孔632aへ入球することに対する期待を遊技者に継続して持たせることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
なお、センサ装置SE1による遊技球の検出と、駆動手段による駆動(可変板652の突出)とは、同時に行われても良く、或いは、検出の後、所定時間の経過後に、駆動を開始しても良い。但し、後者の場合は、可変板652の突出位置に遊技球が到達する前に駆動(可変板652の突出動作)が完了していることが好ましい。遊技球を貫通孔632aへ導く(入球させやすくする)可変板652の機能を確実に発揮させられるからである。
また、例えば、センサ装置SE1を通過する遊技球の球数により、可変入賞装置650の可変板652が正面側に突出するように設定してもよい。この場合、左側入賞口26に入らず近傍を流下する遊技球が所定の球数連続した際に、貫通孔632aに入賞する可能性を遊技者に与えることができる。よって、遊技球を左側入賞口26を狙って遊技盤13の遊技領域に打出すことの価値を高めることができる。従って、遊技球を所定の箇所に狙った遊技盤13の遊技領域への打出し動作を遊技者にさせることができるので、遊技球の流下する経路を遊技者に注目させやすくできる。その結果、遊技者に、より有利となる遊技盤13の遊技領域への遊技球の打出し位置を探させることができ、遊技者に興趣を与えやすくできる。
例えば、センサ装置SE1を5球の遊技球が通過した際に、可変入賞装置650の可変板652が正面側に突出するように設定する。この場合、左側入賞口26に入らず近傍を流下する遊技球が5球連続した際に、少なくとも1球が貫通孔632aに入賞する可能性を遊技者に与えることができる。
この場合、センサ装置SE1に3球の遊技球(所定の球数よりも少ない球数)が通過した際に、4球目の遊技球が左側入賞口26に遊技球が入賞した場合には、センサ装置SE1を通過した球数の集計をリセットしてもよい。これにより、入賞口26及び貫通孔632aに連続して遊技球が入賞することを抑制できる。よって、入賞口26及び貫通孔632aに遊技球が入賞した際に開放する羽部312が、連続して開放することを抑制できる。その結果、遊技者が有利ととなる羽部312の開放のタイミングを分散することができるので、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
次いで、図109から図111を参照して、第7実施形態における入賞口ユニット7600について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
上記第1実施形態では、可変入賞装置650の可変板652が後方に位置した状態とされていると、貫通孔632aに遊技球が入賞する可能性が低くされる場合を説明したが、第7実施形態では、可変入賞装置650の可変板652が後方に位置した状態とされる場合でも、遊技球が2球連なる場合には貫通孔632aに入賞しやすく形成される。なお、可変板652が後方に位置した状態とは、可変板652が遊技盤13の背面側に没入した状態である。
初めに、図109及び図110を参照して、第7実施形態における入賞口ユニット7600について説明する。図109は、第7実施形態における入賞口ユニット7600の正面図である。図110は、入賞口ユニット7600の分解斜視正面図である。
図109及び図110に示すように、第7実施形態における入賞口ユニット7600は、複数の入賞口26,27,28を備える化粧板7610と、化粧板7610と対向して配設されその対向間に遊技球の流下経路を形成するベース板630と、そのベース板630との間に遊技球の送球経路を形成する経路部材640と、ベース板630に配設され、化粧板7610とベース板630との対向間を流下する遊技球を貫通孔632aに案内する可変入賞装置650とを主に備えて形成される。
化粧板7610は、左始動入賞口26を備える左カバー部材611と、右始動入賞口27を備える右カバー部材612と、中始動入賞口28を備える中央カバー部材7613と、から形成される。
中央カバー部材7613は、正面視において横長矩形の板状体から形成されると共に、左カバー部材611と右カバー部材612の中央に配置される。中央カバー部材7613には、正面側から背面側に亘って貫通される貫通孔7613eが形成される。
貫通孔7613eは、中央カバー部材7613と対向して配設されるベース板630に形成される2つの連結孔632bのそれぞれの前方に形成される。連結孔632bは、正面視において左右方向(図109左右方向)に開口する幅寸法が、遊技球の外径よりも少し大きく形成されており、内部を遊技球が通過可能に形成される。
また、貫通孔7613eは、その中心位置が連結孔632bの左右方向中央位置からベース板630に対して左右方向外側にずれた位置に形成されると共に、ベース板630側の内縁部の一部が連結孔632bの左右方向中央位置と前後方向に重なる位置に形成される。
さらに、貫通孔7613eは、背面側から正面側に向かって凸の湾曲状(球状)に凹設される(即ち、貫通孔632aから離間する方向へ向かうに従って凹設深さが深くされる)と共に、正面側における孔の内径が遊技球の外径よりも小さく設定される。即ち、貫通孔7613eの内部を遊技球が挿通しない大きさで貫通形成される。
次いで、図111を参照して、入賞口ユニット7600を流下する遊技球について説明する。図111(a)から図111(c)は、図109のCXI−CXI線における入賞口ユニット7600の断面図である。
図111(a)に示すように、経路部材640の内部を遊技球が2球連続して送球され、先行する遊技球が、連結孔632bの内部から中央カバー部材7613側に送球される。この場合、上述したように、貫通孔7613eは、その中心位置が連結孔632bの左右方向中央位置からベース板630に対して左右方向外側にずれた位置に形成されると共に、ベース板630側の内縁部の一部が連結孔632bの左右方向中央位置と前後方向に重なる位置に形成されるので、先行する遊技球は、貫通孔7613eの中心から左右に少しずれた位置に送球される。
これにより、先行する遊技球は、図111(b)に示すように、貫通孔7613eの内縁部に案内されて、貫通孔7613eの中心位置に左右方向(図111(b)左右方向)の位置が変位される。また、この際に、貫通孔7613eは、中央カバー部材7613の背面側から正面側に向かって凸の湾曲状に(即ち、連結孔632b側が開放された凹部として)凹設されるので、先行する遊技球をその内縁部に留めやすくできる。
次に、先行する遊技球に連なって後行する遊技球が連結孔632bの内部から中央カバー部材7613側に送球されると、先行する遊技球が中央カバー部材7613に形成される貫通孔7613eの内縁部に案内されて、ベース板630に対して左右方向外側に変位された分、後行する遊技球を先行する遊技球のベース板630に対して中央側の球面に衝突させることができる。
よって、後行する遊技球を先行する遊技球のベース板630の左右方向中央側の曲面(球面)に衝突させることができるので、その衝突により後行する遊技球に生じる反発力をベース板630の左右方向中央側(貫通孔632a側)に向けることができる。その結果、図111に示すように、後行する遊技球をベース板630の左右方向中央側(貫通孔632a側)に送球して、貫通孔632aに入賞させることができる。
なお、先行する遊技球は、自重により貫通孔7613eの内側から脱落すると共に、下方に流下して遊技盤13に形成されるアウト口71から回収される。
このように、第7実施形態では、左右の始動入賞口26,27に入賞せずにその近傍を流下する遊技球が2球以上あった場合に、経路部材640の内側を連続して通過させることで、後行する遊技球を貫通孔632aに入賞させやすくできる。
即ち、第1の入球口と、第2の入球口とを備えた遊技機が知られている。この場合、第1の入球口に入球されなかった遊技球は、第2の入球口に入球されることはなく、アウト口から回収されるのみである。そのため、遊技者は、第1の入球口を狙って打ち出した遊技球が、第1の入球口に入球しなかった場合、かかる遊技球のその後の行方(流下する遊技球)に期待を持つことができない。そのため、遊技者に十分な興趣を与えることができないという問題点があった。
これに対し、第7実施形態によれば、左右の始動入賞口26,27に入球されず流下する遊技球の通路を形成する経路部材640と、経路部材640を2球の遊技球が通過する場合には、2球よりも少ない数である1球の遊技球が経路部材640を通過する場合よりも、貫通孔632aへ遊技球が入球しやすくする変更手段(貫通孔7613e)とを備えるので、左右の始動入賞口26,27に遊技球が入球しなかった場合でも、かかる遊技球の流下に注目させ、貫通孔632aへ入球することに対する期待を遊技者に継続して持たせることができる。特に、経路部材640を通過する遊技球の数によって貫通孔632aへの入球のしやすさが変更される(始動入賞口26,27に入らず、その近傍を流下する遊技球が2球以上あった場合に、遊技者に有利な状況を演出することができる)ので、左右の始動入賞口26,27への入球に漏れた遊技球の数にも遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
なお、経路部材640としては、例えば、遊技球が通過可能な閉じた通路として形成されるもの、遊技球の流下方向を規定する1又は複数の釘により形成されるもの、遊技球が転動可能な傾斜面(開放した通路)として形成されるものなどが例示される。
また、変更手段は、経路部材640を通過する又は経路部材640から流出する先行する遊技球の流下を規制する規制手段を備え、その規制手段は、先行する遊技球に対し後行する遊技球が連続(連なる)する場合に、流下を規制された先行する遊技球に後行する遊技球を当接(衝突)させて、後行する遊技球の流下方向を貫通孔632aへ向かわせるように形成されるので、遊技の興趣の向上を図ることができる。即ち、先行する遊技球のみが流下する場合よりも、先行する遊技球および後行する遊技球が流下する場合の方が貫通孔632aに入球しやすくできる(経路部材640を通過する遊技球の数によって貫通孔632aへの入球のしやすさを変更できる)ので、左右の始動入賞口26,27への入球に漏れた遊技球の数にも遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
さらに、規制手段は、経路部材640の出口に対面する壁面に凹設される貫通孔7613eとして形成されるので、経路部材640の出口から流出した先行する遊技球を貫通孔7613eに受け入れて、先行する遊技球の流下を一時的に規制することができる(即ち、後行する遊技球が衝突できるように先行する遊技球を一時的に保持できる)一方で、先行する遊技球の流下の規制の解除は、先行する遊技球がその自重により貫通孔7613eから脱落(流下)することで行うことができる。よって、規制手段の形状のみで先行する遊技球の流下の規制(保持)及び規制の解除を行うことができ、これらを切り替える(規制を解除する)ための動作機構を不要とできるので、構造を簡素化して、製品コストの削減を図ることができる。
また、経路部材640の出口から流出した遊技球を貫通孔632aへ案内する部材(例えば、貫通孔632aへ向けて下降傾斜された転動面を備え、その転動面で遊技球を転動させることで、貫通孔632aへ遊技球を入球させやすくする可変板652)が存在しない(可変板652が、貫通孔632aへ案内可能な位置と案内不能は位置との間で変位可能に形成され、案内不能な位置に変位された)状態であっても、貫通孔7613eを利用して、後行する遊技球を貫通孔632aへ入球させることができる。
さらに、連結孔632bは、遊技球が転動する底面と、その底面の幅方向両側に対向して立設される側壁面とを備え、側壁面の対向間隔が遊技球の直径と略同等の寸法に設定されるので、経路部材640の出口から流出される遊技球の軌跡を略一定としやすくでき、かかる遊技球を規制手段(貫通孔7613e)に確実に受け入れさせることができる。
また、貫通孔7613eは、貫通孔632aから離間する方向へ向かうに従って凹設深さが深くされるので、その貫通孔7613eへ受け入れた遊技球を凹設深さが深くされる方向(即ち、貫通孔632aから離間する側)へ位置ずれさせて保持することができる。よって、貫通孔7613eに保持された先行する遊技球へ後行する遊技球が当接(衝突)した際には、かかる後行する遊技球を貫通孔632aへ向かわせて入球しやすくできる。
さらに、出没可能に形成され突出されることで経路部材640の出口と貫通孔7613eとの間であって重力方向下方となる位置に配設される可変板652を備え、可変板652は、突出された状態では、遊技球を前記貫通孔632aへ誘導可能に形成されるので、貫通孔7613eに保持された先行する遊技球を、突出された可変板652を利用して、貫通孔632aへ入球させることができる。即ち、先行する遊技球が貫通孔7613eから脱落(落下)されると、かかる先行する遊技球を、可変板652により受け止め、可変板652によって、貫通孔632aへ誘導させることができる。その結果、先行する遊技球を貫通孔632aへ入球させることができる。
次いで、図112から図116を参照して、第8実施形態における入賞口ユニット8600について説明をする。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
上記第1実施形態では、可変入賞装置650の可変板652が後方に位置した状態において、貫通孔632aに遊技球が入賞する可能性が低くされる場合を説明したが、第8実施形態では、可変入賞装置650の可変板652が後方に位置した状態においても、遊技球が2球連なって経路部材8640を送球された際に貫通孔632aに入賞させやすくされる。
図112は、第8実施形態における入賞口ユニット8600の分解斜視正面図である。図113(a)は、経路部材8640の正面図であり、図113(b)は、図113(a)のCXIIIb−CXIIIb線における経路部材8640の断面図である。
なお、図113では、経路部材8640に形成される収容部8643が省略されて図示される。また、図113では、経路部材8640の正面側に配設されるベース板630の連結孔632b及び第2連結孔8632eが2点鎖線で図示される。
図112及び図113に示すように、第8実施形態における入賞口ユニット8600は、複数の入賞口26,27,28を備える化粧板610と、化粧板610と対向して配設されその対向間に遊技球の流下経路を形成するベース板630と、そのベース板630との間に遊技球の送球経路を形成する経路部材8640と、ベース板8630に配設され、化粧板610とベース板630との対向間を流下する遊技球を入賞口26,27,28のいずれかに案内する可変入賞装置650とを主に備えて形成される。
第8実施形態におけるベース板8630には、2つの連結孔632bの中間位置に前後方向に貫通する第2連結孔8632eが形成される。第2連結孔8632eは、その開口の大きさが遊技球の直径よりも大きく形成され、遊技球が内部を通過可能とされる。
経路部材8640は、正面視横長矩形に形成されると共に、ベース板8630側が開放される略箱形状に形成される。経路部材8640は、ベース板8630に形成される左右の第2貫通孔631b,633bと連結孔632b又は第2連結孔8632eとを連結する経路を形成するための部材であり、正面視左側に形成されて第2貫通孔631b及びベース板630の正面視左側の連結孔632b又は第2連結孔8632eを連結する第1経路8641と、正面視右側に形成されて第2貫通孔633b及びベース板630の正面視右側の連結孔632b又は第2連結孔8632eを連結する第2経路8642とから形成される。
また、経路部材8640は、第1経路8641及び第2経路8642のそれぞれの経路途中に、第1経路8641を転動する遊技球をベース板8630の前方に送球する経路を連結孔632b又は第2連結孔8632eに切り替える経路切替部材8644が配設される。
経路切替部材8644は、経路部材8640の下面側に連続して形成される箱状の収容部8643の内部に収容される(図112参照)。また、収容部8643は、正面側(ベース板8630側)が開放した形状に形成される。これにより、化粧板610及びベース板8630を透明材量から形成することで、経路切替部材8644の経路の切替を遊技者から視認できる。その結果、遊技球の転動を注目させやすくでき、遊技者に興趣を与え易くできる。
次いで、図113を参照して、経路切替部材8644の詳細な説明をする。なお、第1経路8641及び第2経路8642の経路上に形成されるそれぞれの経路切替部材8644は、左右対称に形成されるので、左側の経路切替部材8644のみを説明して、右側の経路切替部材8644の説明は省略する。
経路切替部材8644は、第1経路8641の底面(遊技球が転動する面)と同一平面上に配置される可変板8644aと、可変板8644aの下方に一端が配置されると共に、中央部が収容部8643に回転可能に軸支される伝達部材8644bと、その伝達部材8644bの他端の上部に配置されると共に、中央部が収容部8643に軸支される規制部材8644cとを主に備えて形成される。
可変板8644aは、上面視矩形に形成されると共に一定の板厚を備える板部材から形成される。また、可変板8644aは、その上面が第1経路8641の底面の一部を形成している(経路部材8640の底面と同一平面上に配置される)。即ち、可変板8644aは、経路部材8640の底面と同様に経路部材8640の左右方向外側から左右方向中央側に向けて下降傾斜する姿勢で配置される。これにより、第1経路8641に送球された遊技球を下方に流下させることができる。
可変板8644aは、一端側に前後方向に貫通する貫通孔8644a2と、他端側の下面から円弧状に突出する当接板8644a1とを主に備えて形成される。
貫通孔8644a2は、図示しない円柱状の棒部材が内部に挿通される。よって、その棒部材が収容部8643に取着されることで、可変板8644aを回転可能な状態で経路部材8640に軸支することができる。また、可変板8644aと収容部8643との間には、図示しない付勢ばねが配設されており、可変板8644aは、通常の状態時において、その上面が経路部材8640の底面と面一な位置に配置される。
伝達部材8644bは、角柱状に形成されており、一端側が可変板8644aの当接板8644a1と当接して配置され、他端側が後述する規制部材8644cの他端側の底面に当接して配置される。
また、伝達部材8644bは、中央位置を軸心に回転可能に収容部8643に配設されており、可変板8644aが変位されることにより変位できる。
規制部材8644cは、一方に延設される角柱状に形成されると共に、一端側と他端側とのそれぞれの上面から上方に突出する第1突起8644c1及び第2突起8644c2を備えて形成される。また、規制部材8644cは、その中間位置で回転可能な状態で収容部8643に配設される。これにより、規制部材8644cは、変位することで第1突起8644c1及び第2突起8644c2の位置を変位させることができる。
第1突起8644c1は、経路部材8640の第1経路8641に重力方向に貫通して形成される貫通孔の内部を挿通可能に配設される。また、第1突起8644c1は、通常状態(可変板8644aが変位前(第1経路8641と面一)の状態)において、図示しない付勢ばねにより、その先端が第1経路8641よりも上方に配置される。
さらに、第1突起8641c1の突出位置は、第1経路8641の下流(経路部材860の中央部)側の連結孔632bの側面と前後方向に重なる位置とされると共に、第1経路8641の前後方向中央位置とされる。これにより、第1経路8641を転動する遊技球を第1突起8641c1に当接させて連結孔632bを挿通してベース板8630の前方に送球することができる。
なお、第1突起8644c1との先端面と対向する経路部材8640の内周面との距離寸法は、遊技球の外径よりも小さく設定されており、第1経路8641を流下する遊技球が第1突起8644c1を乗り越えることが防止される。
第2突起8644c2は、経路部材8640の第1経路8641に切欠き形成される切欠き部分の内周面を通過可能に配設される。また、第2突起8644c2は、通常の状態(可変板8644aが変位前(第1経路8641と面一)の状態)において、その先端が第1経路8641と面一の状態で配置される。よって、通常の状態では、第1経路8641を転動する遊技球が第2突起8644c2によって阻害されることを抑制できる。
一方、規制部材8644cが変位されて、第2突起が8644c2が、第1経路8641の上方へ配置されると、第2突起8644c2の先端面が第1経路8641と面一に配置される。
これにより、第1経路8641を転動する遊技球は、第2突起8644c2に規制されず下方に流下でき、第2連結孔8632eを通過してベース板8630の前方に送球される。
この場合、第2突起8644c2の突出位置は、連結孔632bの背面側に設定されると共に、前後方向位置が、連結孔632b側の端部に設定される。これにより、連結孔の一端と第2突起8644c2との対向間の距離寸法を遊技球の外径よりも小さくして、第1経路8641を転動する遊技球が連結孔632bを挿通することを抑制できる。
次いで、図114を参照して第1経路8641に遊技球が1球送球された際の遊技球の流下について説明する。図114(a)は、経路部材8640の正面図であり、図114(b)は、経路部材8640の断面図である。
なお、図114では、経路部材8640に形成される収容部8643が省略されて図示される。また、図114では、経路部材8640の正面側に配設されるベース板630の連結孔632b及び第2連結孔8632eが2点鎖線で図示される。さらに、図114(b)の断面図は、図112(b)の断面図と対応する。
図114に示すように、貫通孔631b(図112参照)から経路部材8640へ1球の遊技球が送球されると、遊技球が第1経路8641の傾斜によって転動して連結孔632b側に転動される。
転動する遊技球は、第1経路8641から可変板8644aの上部を転動して、連結孔632b側に転動され、連結孔632bの背面側に突出する第1突起8644c1に当接して、連結孔632b側に送球される。即ち、第1経路8641内に1球の遊技球が送球された場合には、その遊技球を連結孔632bを通過させてベース板8630の前方に送球することができる。
次いで、図115及び図116を参照して第1経路8641に2球の遊技球が連続して流下された場合の説明をする。図115(a)及び図116(a)は、経路部材8640の正面図であり、図115(b)及び図116(b)は、経路部材8640の断面図である。
なお、図115及び図116では、経路部材8640に形成される収容部8643が省略されて図示される。また、図115では、経路部材8640の正面側に配設されるベース板630の連結孔632b及び第2連結孔8632eが2点鎖線で図示される。さらに、図115(b)及び図116(b)の断面図は、図112(b)の断面図と対応する。
図115に示すように、通孔631b(図112参照)から経路部材8640へ2球の遊技球が連続して送球されると、遊技球が第1経路8641の傾斜によって転動して連結孔632b側に転動される。
転動する遊技球は、第1経路8641から可変板8644aの上部を転動する。この際に、可変板8644aに取着される付勢ばねの付勢力よりも、転動する遊技球の重力の方が大きくされる。その結果、可変板8644aに2球の遊技球が乗った際に、可変板8644aを変位させることができる。
可変板8644aが変位されると、可変板8644aの変位に伴って、可変板8644aに形成される当接板8644a1が下方に変位される。従って、当接板8644a1の先端に当接される伝達部材8644bの一端が下方に変位され、伝達部材8644bが回転される。この伝達部材8644bの回転変位により、伝達部材8644bの他側が上方に変位され、その伝達部材8644bの他側の上方に配置される規制部材8644cの一側が上方に変位される。その結果、規制部材8644cの第1突起8644c1が下方に変位すると共に、第2突起8644c2が上方に変位される。
第2突起8644c2が上方に突出した状態では、上述したように遊技球が第1経路8641を転動して、第2連結孔8632eの背面側まで転動可能とされる。よって、2球の遊技球のうち、先行する遊技球を第2連結孔8632eからベース板8630の正面側に送球することができる。
次に、図116に示すように、先行する遊技球が可変板8644aの上部から、可変板8644aよりも連結孔632b側の第1経路8641に乗ると、可変板8644aに取着される付勢ばねの付勢力が遊技球の重力よりも大きくなり、第2突起8644c2を上方に位置した状態が解除され第1突起8644c1を上方に位置する状態へと変位する。
この場合、先行する遊技球は、第1突起8644c1よりも、第2連結孔8632e側の位置に転動しているので、上述したように第2連結孔8632eを通過させてベース板8630の前方に送球することができる。
一方、後行する遊技球は、可変板8644aの上部に位置されるので、第1突起8644c1に当接して、連結孔632b側に送球される。即ち、後行する遊技球は、連結孔632bを通過してベース板8630の前方に送球される。
このように、遊技球を案内する案内手段は、経路部材8640を通過する遊技球が転動される可変板8644aと、その可変板8644aに連動可能に連結されると共に第1位置(図113(a)に示す位置)と第2位置(図115(a)に示す位置)との間で変位可能に形成され経路部材8640を通過する遊技球の進路を変更させる規制部材8644cとを備え、規制部材8644cが第2位置に変位された状態での遊技球の進路が、第1位置に変位された状態での遊技球の進路よりも貫通孔632aへ入球しやすい進路とされ、可変板8644aを第1の数の遊技球が転動する場合には、規制部材8644cが第2位置に変位されると共に、可変板8644aを第1の数(本実施形態では、2球)よりも少ない第2の数(本実施形態では、1球)の遊技球が転動する場合には、規制部材8644cが第1位置に変位されるので、遊技の興趣の向上を図ることができる。
即ち、第2の数の遊技球が流下する場合よりも、その第2の数よりも多い数である第1の数の遊技球が流下する場合の方が貫通孔632aに入球しやすくできる(経路部材8640を通過する遊技球の数によって貫通孔632aへの入球のしやすさを変更できる)ので、第1の入球口(左右の始動入賞口26,27)への入球に漏れた遊技球の数にも遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、規制部材8644cが前記可変板8644aよりも下流側に配設されるので、所定の遊技球の行方(進路)を、その所定の遊技球に後行する遊技球の数および連なり具合と関係付けることができ、その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。即ち、後行する遊技球が連なっている場合(即ち、本実施形態では、3球以上の遊技球が連なっている場合)には、可変板8644aを転動する遊技球の数が第1の数を維持している間は、規制部材8644cを第2位置に維持して、規制部材8644cに到達した各遊技球を貫通孔632aへ入球しやすくできる一方、後行する遊技球の連なりが分断され、可変板8644aを転動する遊技球の数が第2の数以下となった場合には、規制部材8644cを第1位置に変位させて、規制部材8644cに到達した各遊技球を上述した場合(規制部材8644cが第2位置に変位された場合)よりも貫通孔632aへ入球し難くできる。よって、後行する遊技球の数およびその連なり具合にも遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
次いで、図117から図122を参照して第9実施形態における入賞口ユニット9600について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
上記第1実施形態では、可変入賞装置650の可変板652が後方に位置した状態において、貫通孔632aに遊技球が入賞する可能性が低くされる場合を説明したが、第9実施形態では、可変入賞装置650の可変板652が後方に位置した状態においても、打遊技球が複数個経路部材9640を送球された際に、貫通孔632aに入賞させやすくされる。
図117は、第9実施形態における入賞口ユニット9600の正面図であり、図118は、入賞口ユニット9600の分解斜視正面図である。なお、図117では、化粧板610の図示が省略されると共に、背面側に配設される経路部材9640の外形が鎖線で図示される。
図117及び図118に示すように、第9実施形態における入賞口ユニット9600は、複数の入賞口26,27,28を備える化粧板610と、化粧板610と対向して配設されその対向間に遊技球の流下経路を形成するベース板9630と、そのベース板9630との間に遊技球の送球経路を形成する経路部材9640と、ベース板9630に配設され、化粧板610とベース板9630との対向間を流下する遊技球を貫通孔632aに案内する可変入賞装置650とを主に備えて形成される。
第9実施形態におけるベース板9630には、2つの連結孔632bの中間位置に前後方向に貫通する第2連結孔8632eが形成される。また、第2連結孔8632eは、連結孔632bよりも下方に配置される。
経路部材9640は、正面視横長矩形に形成されると共に、ベース板8630側が開放される略箱形状に形成される。経路部材8640は、ベース板8630に形成される第2貫通孔631b,633bと連結孔632b又は第2連結孔8632eを連結する経路を形成するための部材である。
経路部材9640は、正面視左側に形成されて第2貫通孔631b及びベース板9630の正面視左側の連結孔632bを連結する第1経路9641と、その第1経路9641の下側に形成され、第1経路9641及び第2連結孔8632eとを連結する第3経路9645と、正面視右側に形成されて第2貫通孔633b及びベース板9630の正面視右側の連結孔632bを連結する第2経路9642と、その第2経路9642の下側に形成され、第2経路9642及び第2連結孔8632eを連結する第4経路9646とを主に備えて形成される。
また、経路部材9640は、第1経路9641及び第2経路9642のそれぞれの経路途中に、第1経路9641又は第2経路9642を転動する遊技球の転動経路を第3経路又は9645第4経路9646に切り替える経路切替部材9644が配設される。
次いで、図119を参照して経路部材9640について説明する。図119(a)及び図119(b)は、経路部材9640の正面図である。なお、図119では、経路部材9640の前方に配置されるベース板9630の第2貫通孔631b,633bと、連結孔632bと、第2連結孔8632eとが2点鎖線で図示される。
図119に示すように、経路部材9640に配設される経路切替部材9644は、板状体から形成される可変板9644aから構成される。可変板9644aは、一端側(遊技球の転動方向終端側(連結孔632b側))が回転可能な状態で経路部材9640に配設(軸支)されると共に、経路部材9640との間に図示しない付勢ばねが配置され、他端側が上方に付勢された状態で配置される。
また、可変板9644aは、その上面が第1経路9641又は第2経路9642の転動面と同一平面に位置する状態で配設される(図119(a)参照)。さらに、可変板944aは、上面を転動する遊技球から付勢ばねの付勢力よりも大きい力が作用されると、回転され他端側を第3経路9645又は第4経路9646へ下降傾斜させた姿勢に変位できる(図119(b)参照)。
次いで、図120を参照して、経路部材9640に1球の遊技球が送球された場合の説明をする。図120(a)及び図120(b)は、経路部材9640の正面図である。なお、図120では、経路部材9640の前方に配置されるベース板9630の第2貫通孔631b,633bと、連結孔632bと、第2連結孔8632eとが2点鎖線で図示される。また、図120(a)及び図120(b)では、経路部材9640の内側を遊技球が転動する際の遷移状態が順に図示される。
さらに、以下では、第2貫通孔631b,633bから送球される遊技球の転動は、転動方向が反対であるのみであるので、左側を転動する遊技球のみ説明をして、右側を転動する遊技球についての説明は省略する。
図120(a)及び図120(b)に示すように、第2貫通孔631bから経路部材9640の内側に送球される遊技球が、1球の場合は、第1経路9641及び可変板9644a上を転動して連結孔632bへ送球される。即ち、経路部材9640に1球の遊技球が送球された場合には、その遊技球を連結孔632bを通過させてベース板9630の正面側に送球することができる。
次いで、図121及び図122を参照して、経路部材9640に2球の遊技球が送球された場合の説明をする。図121(a)及び図121(b)は、入賞口ユニット9600の正面図であり、図122(a)及び図122(b)は、入賞口ユニット9600の正面図である。なお、図121及び図122では、経路部材9640の前方に配置されるベース板9630の第2貫通孔631b,633bと、連結孔632bと、第2連結孔8632eとが2点鎖線で図示される。また、図121から図122では、経路部材9640の内側を遊技球が転動する際の遷移状態が順に図示される。
図122(a)及び図122(b)に示すように、第2貫通孔631bから経路部材9640の内側に送球される遊技球が、2球以上送球されると、2球の遊技球が第1経路9641から可変板9644aの上面へ転動された際に、可変板9644aの他端側が下方に回転変位する。
即ち、可変板9644aを付勢する付勢力は、1球の遊技球が可変板9644aの上面に作用させる荷重よりも大きく設定されると共に、2球の遊技球が上面に作用させる荷重よりも小さく設定される。これにより、可変板9644aの上面を2球の遊技球が転動する場合にのみ、可変板9644aを変位させることができる。
可変板9644aが変位されると、上述したように可変板9644aの他端側が第3経路9645の上面に変位されて、遊技球を第3経路9645に送球することができる。
図122(a)に示すように2球の遊技球が、第3経路9645に送球されると、可変板9644aの上面にかかる荷重がなくなるため、付勢力により可変板9644aが変位して他端側が上方へ(遊技球が送球される前の位置へ)変位する。
これにより、図122(b)に示すように、第3経路9645に送球された遊技球を第2連結孔8632側に送球可能な状態となる。その結果、2球の遊技球は、第3経路9645を転動して第2連結孔8632からベース板9630の正面側に送球される。
即ち、経路部材9640に2球連続して遊技球が送球されると、2球とも第2連結孔8632を通過させてベース板9630の正面側に送球することができる。
よって、第9実施形態では、左始動入賞口26に入賞せず、その近傍を流下する遊技球が2球以上連続した場合に、2球とも入賞する可能性を与えることができる。その結果、遊技者に興趣を与え易くできる。
次いで、図123から図130を参照して第10実施形態における経路切替部材10670について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
上記第9実施形態では、第1経路9641と第3経路9645との経路の切り換えを遊技球の荷重で行う場合を説明したが、第10実施形態では、第2経路10642と第3経路10643との経路の切替を経路切替部材10670の変位と磁力とにより行う場合を説明する。
初めに、図123を参照して経路切替部材10670の構成について詳細な説明をする。図123(a)は、第10実施形態における経路切替部材10670の上面図であり、図123(b)は、経路切替部材10670の正面図であり、図123(c)は、経路切替部材10670の分解斜視正面図である。
図123に示すように、経路切替部材10670は、円柱状に形成されるベース部材10671と、そのベース部材10671の内部に配設される複数の磁石10672とを主に備えて形成される。
ベース部材10671は、重力方向下側に配置されると共に、内部が凹設される下側ベース部材10671bと、その下側ベース部材10671bの上部に配置される上側ベース部材10671aとを主に備えて形成される。
下側ベース部材10671bは、その外周面に径方向内側に向かって凹設される溝部10671b1と、その溝部10671b1の内側に上面側から軸方向に凹設される凹部10671b2と、軸心に貫通形成される貫通孔10671b3とを主に備えて形成される。
溝部10671b1は、下側ベース部材10671bの外周面に周方向等間隔に複数箇所(本実施形態では、4箇所)に形成される。溝部10671b1は、後述する磁石10672の磁力により遊技球をその内面に吸着する面であり、遊技球の外形よりも小さい幅で凹設される。
凹部10671b2は、内部に後述する磁石10672を収容する孔であり、磁石10672の外形よりも大きい形状に凹設される。これにより、磁石10672を内部に収容することができる。
貫通孔10671b3は、後述する磁石10672と共に図示しない駆動モータの軸が内嵌される孔である。貫通孔10671b3に駆動モータの軸が連結(内嵌)されることで、駆動モータの駆動力により経路切替部材10670を回転させることができる。
上側ベース部材10671aは、下側ベース部材10671bの外径と略同一の外径に形成され、下側ベース部材10671bの上部を覆って配置されることで、凹部10671b2に収容した磁石10672が抜け出ることを防止できる。
また、上側ベース部材10671aの軸心には貫通孔10671a1が貫通形成される。貫通孔10671a1と貫通孔10671b3とに駆動モータの軸が内嵌されることで、経路切替部材10670の回転を安定させることができる。
磁石10672は、溝部10671b1の内側に形成される凹部10671b2に収容されることで、溝部10671b1の外周面に磁力を作用させることができる。これにより、経路切替部材10670(溝部10671b1)の外周面に遊技球を吸着することができる。
次いで、図124を参照して、経路切替部材10670が配置された経路について説明をする。図124(a)は、経路切替部材10670及び各経路10641,10642,10645の上面図である。図124(b)は、図124(a)の矢印CXXIVb方向視における経路切替部材10670及び各経路10641,10642,10645の側面図である。図124(c)は、図124(a)の矢印CXXIVc方向視における経路切替部材10670及び各経路10641,10642,10645の側面図である。図124(d)は、図124(a)の矢印CXXIVd方向視における経路切替部材10670及び各経路10641,10642,10645の側面図である。
なお、図124(a)から図124(d)では、各経路10641,10642,10645が模式的に図示される。また、図124(d)では、第2経路10642及び第3経路10645が鎖線で図示される。
図124(a)から図124(d)に示すように、第1経路10641は、経路切替部材10670の外周面に沿って湾曲して形成される。また、第1経路10641は、溝部10671b1の上下方向(図123(b)上下方向)中央位置から遊技球の略半径分下方に底面が位置して形成される。第1経路10641の底面は、経路切替部材10670側に向かって傾斜して形成されると共に、その転動方向の両端から重力方向上側に立設される壁部が形成される。これにより、第1経路10641に送球された遊技球を経路切替部材10670側に転動させることができる。
また、第1経路10641に立設される壁部は、経路切替部材10670の外周面に沿う位置で非形成とされる。これにより、第1経路10641を転動する遊技球を経路切替部材10670の外周面に形成される溝部10641a1の内面に吸着させることができる。
なお、第1経路10641の上流側は、入賞口ユニット600のベース板630に貫通形成される第2貫通孔631b,633bの背面側に連結される。よって、第2貫通孔631b,633bの内部に送球された遊技球を第1経路10641を転動させることで経路切替部材10670に案内することができる。
第2経路10642は、第2経路10642の始端側が経路切替部材10670の周方向に第1経路10641の終端側と所定の間隔を隔てて配置されると共に、経路切替部材10670の外周面に沿って形成される。第2経路10642及び第1経路10641は、経路切替部材10670の軸方向に同一の位置に形成される。
なお、第2経路10642が第1経路10641よりも高い位置に形成されていても良く、この場合、後述するように後行する遊技球が先行する遊技球に吸着して先行する遊技球に垂下した際に、その吸着面にかかる後行する遊技球の荷重を作用させ難くできる。
第3経路10645は、第2経路10642の重力方向下側(図124(d)下側)に形成される。また、第3経路10645の始端側は、第2経路10642よりも経路切替部材10670の周方向に延設して形成される。即ち、第3経路10645はの始端側は、第2経路10642の始端側よりも、第1経路10641の終端側に近接される。
なお、第2経路10642の下流側(終端側)は、連結孔632bの背面側に連結され、第3経路の下流側(終端側)は、第2連結孔8632eに連結される。即ち、第2経路10642よりも、第3経路10645に送球される遊技球の方が貫通孔632aに入賞する可能性を高くすることができる。
また、経路切替部材10670は、上述したように駆動モータに連結されており、駆動モータの駆動により回転変位される。経路切替部材10670の回転方向は、上面視(図124(a)方向視)において左周りに回転される。
次いで、図125及び図126を参照して、第1経路10641に1球の遊技球が送球された場合の説明をする。図125(a)は、経路切替部材10670及び各経路10641,10642,10645の上面図であり、図125(b)は、経路切替部材10670及び各経路10641,10642,10645の側面図である。図126(a)は、経路切替部材10670及び各経路10641,10642,10645の上面図であり、図126(b)は、経路切替部材10670及び各経路10641,10642,10645の側面図である。
なお、図125(b)は、図124(b)と対応し、図126(b)は、図124(d)と対応する。
図125及び図126に示すように、第1経路10641に遊技球が送球されると、遊技球は、第1経路10641を転動して、経路切替部材10670の外周面に沿って転動される。この場合、上述したように、経路切替部材10670には、その外周面に溝部10671b1が形成されており、内部に配設される磁石10672によりその外周面に遊技球を吸着可能に形成されるので、第1経路10641を転動する遊技球を溝部10671b1の内面に吸着することができる。
上述したように、経路切替部材10670は、駆動モータにより回転変位されるので、溝部10671b1に遊技球を吸着させた状態で経路切替部材10670を回転させることで、遊技球を第2経路10642に送球することができる。
なお、溝部10671b1に吸着された状態で第2経路10642に運ばれた遊技球は、第2経路10642の側面に形成される立設壁に当接することにより、溝部10671b1から脱落される。
以上のように、第1経路10641に遊技球が1球転動された場合は、遊技球を第2経路10642に送球することができる。
なお、第1経路10641を転動する遊技球が、溝部10671b1に吸着されなかった場合には、第1経路10641の終端側および第2経路10642の始端側の間に形成される隙間に遊技球が送球されて所定の回収経路に送球される。
次いで、図127から図130を参照して、第1経路10641に2球の遊技球が連続して送球(落下)された場合の説明をする。図127(a)、図128(a)、図129(a)及び図130(a)は、経路切替部材10670及び各経路10641,10642,10645の上面図であり、図127(b)、図128(b)、図129(b)及び図130(b)は、経路切替部材10670及び各経路10641,10642,10645の側面図である。
なお、図127(b)は図124(b)と、図128(b)は図124(c)と、図129(b)は図124(c)と、図130(b)は図124(c)とそれぞれに対応する。また、図127から図130は、2球の遊技球が送球される遷移状態が順に図示される。
初めに、図127(a)及び図127(b)に示すように、第1経路10641に2球の遊技球が連続して送球されると、先行する遊技球が、経路切替部材10670の溝部10671b1の内面に吸着される。これにより、吸着された遊技球(先行する遊技球)が磁性を帯び、この先行する遊技球の外周面に後行する遊技球が吸着される。
図128(a)及び図128(b)に示すように、溝部10671b1の内側に先行する遊技球が吸着された状態で経路切替部材10670が回転して、先行する遊技球が第1経路10641及び第2経路10642の隙間に位置されると、後行する遊技球が先行する遊技球の下側に宙づりにされた(吊り下げられた)状態とされる。
図129(a)及び図130(b)に示すように、後行する遊技球が先行する遊技球の下側に宙づりにされた状態で、経路切替部材10670がさらに回転されると、先行する遊技球と後行する遊技球との間に、第2経路10642の底面を形成する板の第1経路10641側に形成される先端部10642aが差し込まれる。
先端部10642aは、先細平板状に形成され、経路切替部材10670の下面に吸着される遊技球(先行する遊技球)と、その遊技球に吸着されて下側に吊り下げられた遊技球(後行する遊技球)との間の吸着位置に先端が挿入される高さ位置に略水平な姿勢で配設されるので、経路切替部材10670の下面に先行する遊技球が吸着されると共にそのの先行する遊技球に後行する遊技球が吸着されている場合には、これら遊技球どうしの吸着をスムーズに解除して、後行する遊技球(下側に吊り下げられた遊技球)のみを脱落させやすくできる。
これにより、図130(a)及び図130(b)に示すように、後行する遊技球は、先行する遊技球の外周面から脱落される。よって、先行する遊技球は第1経路10641に、後行する遊技球は第2経路10642に、それぞれ送球することができる。即ち、第1経路10641に遊技球が連続して送球された場合に、1球は有利な経路に送球することができる。その結果、遊技者に興趣を与えることができる。
このように、遊技球を案内する案内手段は、回転可能に形成される経路切替部材10670と、その経路切替部材10670に配設され遊技球を経路切替部材10670の外面に垂下状態で吸着させる磁石10672と、その磁石10672によって経路切替部材10670の外面に吸着された遊技球の経路切替部材10670の回転に伴う軌跡上に位置することで遊技球に当接して経路切替部材10670から遊技球を脱落させる先端部10642aとを備え、先端部10642aは、経路切替部材10670の外面に吸着される1球目の(先行する)遊技球よりも重力方向下方に位置すると共に、経路切替部材10670の外面に吸着されて送球される遊技球よりも、先端部10642aの当接により経路切替部材10670から脱落された遊技球の方が、貫通孔632aへ遊技球が入球しやすくされるので、遊技の興趣の向上を図ることができる。
即ち、経路切替部材10670の外面に1の遊技球のみが吸着される場合よりも、経路切替部材10670の外面に吸着される遊技球に、1(又は2以上)の遊技球が更に吸着されている場合の方が、貫通孔632aに入球しやすくできる(通路部材を通過する遊技球の数によって貫通孔632aへの入球のしやすさを変更できる)ので、左右の始動入賞口26,27への入球に漏れた遊技球の数にも遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
特に、第10実施形態では、複数の遊技球が経路切替部材10670へ向けて転動される場合であっても、遊技球が連なっている場合には、経路切替部材10670に先行する遊技球を吸着させると共にその先行する遊技球に後行する遊技球を吸着させやすく、少なくとも後行する遊技球を貫通孔632aへ入球させやすくできる一方、遊技球どうしが所定の間隔を隔てている場合には、経路切替部材10670に先行する遊技球を吸着させられるが、その先行する遊技球に後行する遊技球を吸着させられず、後行の遊技球も経路切替部材10670(先行する遊技球とは別の磁石10672)に吸着されることとなる。即ち、先行および後行の両者ともに貫通孔632aへは入球され難くされる。よって、遊技球の数だけでなく、それらの連なり具合にも遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、第10実施形態によれば、経路切替部材10670の外面に垂下状態で遊技球を吸着させ、その垂下状態のままで遊技球を経路切替部材10670の回転に伴って送球するので、吸着までの転動速度や転動方向、吸着位置などのばらつきを要因として、ぶらぶらと揺動する不安定な状態として、経路切替部材10670から遊技球が脱落する形態も形成できる。即ち、1の遊技球のみが経路切替部材10670に吸着されている場合(先端部10642aに当接されない場合)であっても、かかる遊技球が脱落され、貫通孔632aへ入球させやすくなるという演出を行うことができる。
さらに、経路切替部材10670に遊技球が1球のみ吸着されている場合には、かかる遊技球へ先端部10642aが作用することを抑制して、その遊技球の吸着を維持しやすくできる。即ち、遊技球の経路切替部材10670の外面への吸着状体が不安定であっても、遊技球が第2経路10642の入口まで送球された際に、第3経路10643に阻害されずに第2経路10642に入れることができる。
よって、1の遊技球のみが経路切替部材10670に吸着され垂下されている(吊り下げられている)場合と、2以上の遊技球が経路切替部材10670に吸着され連なって垂下されている場合とでの貫通孔632aへの入球のしやすさの差をより明確とできる。これにより、遊技球の数やそれらの連なり具合を遊技者に更に着目させることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
次いで、図131から図137を参照して、第11実施形態における可変入賞装置11650について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
上記第1実施形態では、連結孔632bと挿通孔632cとが離間して形成される場合を説明したが、第11実施形態では、連結孔11632bと挿通孔11632cとが連結して形成される。
初めに、図131から図133を参照して、第11実施形態における入賞口ユニット11600の構成について説明する。図131は、第11実施形態における入賞口ユニット11600の正面図である。図132は、入賞口ユニット11600の分解斜視正面図である。図133は、入賞口ユニット11600の分解斜視背面図である。なお、図131では、化粧板610の図示が省略されると共に、経路部材11640の外形が鎖線で図示される。
図131から図133に示すように、第11実施形態における入賞口ユニット11600は、複数の入賞口26,27,28を備える化粧板610と、化粧板610と対向して配設されその対向間に遊技球の流下経路を形成するベース板11630と、そのベース板11630との間に遊技球の送球経路を形成する経路部材11640と、ベース板11630に配設され、化粧板610とベース板11630との対向間を流下する遊技球を貫通孔632aに案内する可変入賞装置11650とを主に備えて形成される。
ベース板11630の中央凹部632は、ベース板630の左右方向略中央部に貫通形成される貫通孔632aと、その貫通孔632aの両隣に貫通形成される2つの挿通孔11632cと、その挿通孔11632cの上方に連続して形成される連結孔11632bとを主に備えて形成される。
挿通孔11632cは、後述する可変入賞装置11650の可変板11652が挿入される開口であり、正面視横長矩形に形成されると共に、貫通孔632aに向かうに従って下降傾斜して形成される。
連結孔11632bは、後述する、経路部材11640を送球される遊技球がベース板11630の正面側に排出される開口であり、挿通孔11632cの外側(貫通孔632aから離間した側)の上部から連続して貫通形成される。
経路部材11640は、正面視横長矩形に形成されると共に、ベース板630側が開放される略箱形状に形成される。経路部材11640は、第2貫通孔631b,633bと連結孔11632bとを連結する経路を形成するための部材であり、正面視左側に形成されて第2貫通孔631bとベース板630の正面視左側の連結孔11632bとを連結する第1経路11641と、正面視右側に形成されて第2貫通孔633bとベース板11630の正面視右側の連結孔11632bとを連結する第2経路11642とから形成される。
また、第1経路11641及び第2経路11642の左右方向中央側の底面には上下方向に切り欠かれた凹欠部11647が形成される。凹欠部11647の内側には、可変入賞装置11650の可変板11652が配置される。これにより、第1経路11641及び第2経路11642を転動する遊技球を、連結孔11632bを通過させる前に可変板11652の上部に送球することができる。
可変入賞装置11650の可変板11652には、その先端側の上面に左右方向に延びる凹部11652aが前後方向に複数個が並設された状態で形成される。凹部11652aは、直線状に形成され、貫通孔632aから遠い側と、貫通孔632aから近い側とで、異なる方向に延設される。貫通孔632aから遠い側の凹部11652aは、左右方向とに平行に形成される。一方、貫通孔632aから近い側に形成される凹部11652aは、貫通孔632aに向かう側ほど正面側に近づく方向に傾斜して形成される。
次いで、図134を参照して、可変入賞装置11650の変位について説明する。図134(a)及び図134(b)は、図131のCXXXIV−CXXXIV線における入賞口ユニット11600の断面図である。なお、図134(a)は変位前の、図134(b)は変位後の、可変入賞装置11650がそれぞれ図示される。また、図131では、化粧板610の図示を省略したが、図134では、化粧板610が図示される。
図134(a)及び図134(b)に示すように、変位前の可変入賞装置11650の可変板11652は、凹部11652aが第1経路11641の端部と隣り合う位置に配置される。一方、変位後の可変入賞装置11650の可変板11652は、凹部11652aが、ベース板11630の正面側に突出した位置に配置される。
次いで、図135(a)及び図135(b)を参照して、可変板11652の上部に遊技球が乗った状態で、可変入賞装置11650の可変板11652が正面側に張出された場合の説明をする。
図135(a)及び図135(b)は、入賞口ユニット11600の断面図である。なお、図135(a)は図134(a)に、図135(b)は図134(b)に、それぞれ対応する。また、以下では、左右方向左側の遊技球の転動のみを説明し、右側の説明は省略する。
図135(a)及び図135(b)に示すように、背面側に退避した状態の可変板11652の上部に遊技球が送球された際、可変板11652が正面側に張りだした状態に変位されると、可変板11652の変位に伴って、遊技球を前方に変位させることができる。
この場合、可変板11652の上面には、凹部11652aが形成されるので、可変板11652と遊技球との摩擦力を大きくすることができるので、可変板11652が変位した際に、遊技球が回転してその位置に留まることを抑制できる。従って、可変板11652の変位に伴って遊技球を前方に変位させることができる。
上述したように、可変板11652の変位に伴って遊技球を正面側(ベース板11630の正面側)に変位させることができるので、第1実施形態よりも遊技球を貫通孔632aに入賞させやすくすることができる。
即ち、可変板11652が、経路部材11640の連結孔632bに連なる底面(転動面)を形成するので、可変板11652が突出さていない(即ち、没入された)状態であっても、遊技球を可変板11652上に位置させることができ、その分、遊技球が可変板11652上に位置する時間を確保できる。よって、経路部材11640を通過した遊技球を、貫通孔632aへ入球しやすくでき、貫通孔632aへ入球することに対する期待をより強く遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
可変板11652の経路部材11640の底面を形成する上面には、その上面に位置する遊技球を貫通孔632aへ向けて案内する凹部11652aが形成されるので、経路部材11640を通過して没入状態にある可変板11652の上面に遊技球が位置した状態から、かかる可変板11652を突出させる際には、凹部11652aの作用により遊技球を貫通孔632aへ向けて案内しつつ、突出させることができるので、遊技球を貫通孔632aへ入球しやすくできる。
なお、凹部11652aとしては、可変板11652の突出方向先端へ向かうに従って貫通孔632aに近接する方向へ延設されると共に上面に凸設または凹設される凸条や凹溝(又はこれらの組み合せ)が例示される。凸条や凹溝の断面形状は任意であり、矩形断面、多角形断面、円弧状断面(又はこれらを組み合わせた形状の断面)が例示される。
次いで、図136(a)から図136(c)を参照して、可変板11652の上部に遊技球が乗った状態で、可変入賞装置11650の可変板11652が背面側に退避された場合の説明をする。
図136(a)から図136(c)は、入賞口ユニット11600の断面図である。なお図136(a)は図134(b)に、図136(c)は図134(a)に、それぞれ対応し、図136(b)は、図136(a)及び図136(c)の中間の位置が図示される。
図136(a)から図136(c)に示すように、可変板11652の内側部分を遊技球が転動している際に、可変板11652が背面側に変位されると、可変板11652の内側部分に形成される凹部11652aの傾斜面により、遊技球を貫通孔632a側に変位させることができる。
従って、可変板11652の変位に伴って、遊技球を貫通孔632a側に変位させることができるので、貫通孔632aに遊技球が入賞しやすくすることができる。
次いで、図137を参照して可変板11652が変位した際に、遊技球が可変板11652から作用を受けることのできる時間について説明する。
図137(a)は、可変板11652の変位量の時間変化を示すタイムチャートであり、図137(b)は、第1実施形態における可変板652の変位量の時間変化を示すタイムチャートである。
なお、横軸において、「t0」は、可変板11652及び可変板652が、没入した状態から突出(正面側への前身)方向へのスライド変位を開始する時間であり、「t5」は、没入(背面側への後退)方向へのスライド変位が完了して没入状態とされる時間を示す。また、縦軸において、「開放位置」は、可変板11652及び可変板652が最大の突出位置までスライド変位されたことを示す。
本実施形態では、上述したように、可変板11652が経路部材11640の転動面の一部を形成するので、可変板11652が突出方向へのスライド変位を開始する際に、その可変板11652上に遊技球が存在すれば(載っていれば)、その遊技球は可変板11652から作用を受ける(貫通孔632aに入球しやすくされる)ことができる。即ち、可変板11652からの作用を遊技球へ図137(a)における時間t0から与えることができる。なお、時間t4は、時間t3よりも時間t0からの経過時間が短い時間とされる。
また、上述したように、可変板11652の上面には、複数の凹部11652aが形成されているので、可変板11652が没入方向へスライド変位されている状態であっても、その可変板11652の上面に遊技球が存在すれば(載っていれば)、その遊技球は可変板11652(凹部11652a)から作用を受ける(貫通孔632aに入球しやすくされる)ことができる。即ち、図137(a)における時間t3までの間、可変板11652からの作用を遊技球へ与えることができる。
一方、第1実施形態における可変板652では、遊技球は、可変板652が没入(後退)された状態にあると、かかる可変板652から作用を受ける(貫通孔632aに入球しやすくされる)ことができず、可変板652の突出量が所定量(上面に遊技球が載れる突出量)に達した後、可変板652から作用を受けることができる。即ち、図137(b)における時間t2以降でなければ、可変板652からの作用を受けることができない。
また、第1実施形態における可変板652のように、上面が閉滑面として形成されていると、可変板11652が没入方向へスライド変位されている状態であると、その可変板652の上面に遊技球が存在していても(載っていても)、その遊技球は可変板652(上面)から作用を受ける(貫通孔632aに入球しやすくされる)ことができない。この場合、遊技球は、可変板652の上面を転動することで、貫通孔632aに入球しやすくされる。即ち、その転動の時間を確保する必要がある分、図137(b)における時間t4までの間しか、可変板652からの作用を遊技球を与えることができない。
このように、本実施形態によれば、遊技球が可変板11652から作用を受けることのできる時間を、第1実施形態の場合よりも長くできる(t4−t2<t3−t0)。その結果、遊技球を貫通孔632aに入球しやすくすることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、1の実施形態の一部または全部を他の1又は複数の実施形態の一部または全部と入れ替えて又は組み合わせて、遊技機を構成しても良い。
上記第1実施形態では、回転体372Rの溝部372Rc2の径方向内側の面が径方向と直交する平面に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、溝部の径方向内側の面が径方向と直交する方向に対して傾斜して形成されていてもよい。
上記第1及び第3実施形態では、回転体372R,3372Rの径方向視において、磁石372Rbの外形は、第2回転体372Rc,3372Rcの溝部372Rc2,3372Rc2よりも小さく形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでなく、磁石372Rbの外径は、第2回転体372Rc,3372Rcの溝部372Rc2,3372Rc2よりも大きく形成されても良い。この場合、遊技球が溝部372Rc2に吸着される範囲を増加することができるので、遊技球が回転体372R,3372Rの外周面により吸着しやすい状態とすることができる。
上記第1から第4実施形態では、回転体372R,2372R,3372R,4372Rの内部に磁石372Rb,2372Rbが配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、磁石372Rb,2372Rbは、回転体372R,2372R,3372R,4372Rの外周面と略一致する位置に配置されても良い。即ち、磁石372Rb,2372Rbを露出した状態で配設しても良い。
なお、磁石372Rb,2372Rbの外周面は、第2回転体372Rc,2372Rc,3372Rc,4372Rcの溝部372Rc2,2372Rc2,3372Rcの凹設先端面と略一致して配設されることが好ましい。この場合、回転体372R,2372R,3372R,4372Rの回転により、第6送球経路KR6に送球された遊技球を磁石372Rb,2372Rbに直接吸着して、第7送球経路KR7に送球することができる。よって、磁石372Rb,2372Rbの吸着面を店舗の店員または遊技者に視認させることができるので、磁石が破損した場合には、店舗の店員または遊技者が即座に認識でき、パチンコ機10の故障に即座に対応できる。
上記第1から第3実施形態では、回転体372R,2372R,3372Rは、溝部372Rc2,2372Rc2,3372cが、第6送球経路KR6と隣合う位置に配設される際に、第6送球経路KR6を流下する遊技球が吸着される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ストッパ部396を変位させた状態として、第6送球経路を流下する遊技球を停止させて、その停止した遊技球を、回転体372R,2372R,3372Rを回転させて吸着させてもよい。この場合、ストッパ部396の変位により、回転体372R,2372R,3372Rと遊技球とが吸着する場合を形成することができるので、遊技者に回転体372R,2372R,3372Rの回転だけでなくストッパ部396の変位を見せることができる。これにより、遊技者に複数の送球形態を視認させることができるので、遊技者に興趣を与えることができる。
上記第1実施形態では、入賞口ユニット600に、可変板652が前後方向にスライド変位する可変入賞装置650が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、可変板652が、一端を軸に回転変位するものであってもよい。この場合、遊技者側から可変板652の変位を視認しやすくできるので、遊技者は、可変板652の動きに合わせて遊技球を遊技領域に打出す動作といった遊技を行いやすくなる。よって、遊技者に興趣を与えることができる。
上記第1実施形態では、経路部材640の重力方向下側に、可変入賞装置650の可変板652が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、可変入賞装置650の可変板652が、経路部材640の下端面の一部となるように形成してもよい。
即ち、経路部材640の第1経路641及び第2経路642の一部が可変板652の上面となるように形成しても良い。この場合、可変板の652をその上面に遊技球が乗った状態でスライド変位させると、そのスライド変位に合わせて、遊技球を前方に変位させることができる。よって、スライド変位に合わせて、遊技球を貫通孔632aに近づけることができるので、遊技球が貫通孔632aに入賞(入球)する確率を高めることができる。なお、可変板652がスライド変位する際に、その上面に乗った遊技球が滑らないように、可変板652の上端面には、凹凸をつけて摩擦抵抗を増加することが好ましい。
上記第9実施形態では、可変板9644aが第2連結孔8632から離間する方向に向かって下降傾斜する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、可変板96644aが、第2連結孔8632に近づく方向に向かって下降傾斜しても良い。
この場合、第3経路9645及び第4経路9646に送球される遊技球を第2連結孔8632にスムーズに送球することができる。即ち、可変板9644aの上を転動する遊技球の転動方向を第2連結孔8632eに向かう方向とすることができる。
また、可変板9644aの傾倒する方向が、入賞口ユニット9600の背面側に向かって下降傾斜する構成でもよく、入賞口ユニット9600の正面側に向かって下降傾斜する構成でもよい。
上記第5実施形態では、回転体5372Rに配設した解除部材5372Rdを変位させた際に、解除部材5372Rdの一部を回転体5372Rの径方向外側に変位させることで、先行する遊技球と回転体5372Rとの吸着を解除する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
図138を参照して説明する。図138(a)は、回転体13572Rの側面図であり、図138(b)は、回転体13572Rの上面図であり、図138(c)は、図138(b)のCXXXVIIIc−CXXXVIIIc線における回転体13572Rの断面図であり、図138(d)は、図138(b)のCXXXVIIId−CXXXVIIId線における回転体13572Rの断面図である。
図138に示すように、解除部材13572Rdを一端を軸に回転可能な状態で回転体13572Rに配設すると共に、解除部材13572Rdに磁石372Rbを配置する。
解除部材13572Rdは、回転体13572Rの外周面に凹設される溝部372Rc2の内周部分に延設して形成されると共に、その一部が回転体13572Rの外周面よりも径方向外側に突出される押圧部5372Rd2を備える。
磁石372bは、溝部372Rc2の径方向内側に位置すると共に、解除部材13572Rdの溝部372Rc2の内周部分に延設された部分に取着される。
よって、押圧部5372Rd2が後行する遊技球により押圧された際に、磁石372Rdが、回転体13572Rの径方向内側に変位できる。その結果、回転体13572Rの外周面に作用する磁石372Rbの磁力が弱まるので、回転体13572に吸着する先行する遊技球を脱落させることができる。
上記第1実施形態では、溝部372Rc2の凹設深さが溝部372Rc2遊技球が嵌った状態で溝部372Rc2の底面に遊技球が当接される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、溝部372Rc2の凹設深さは、その溝部372Rc2に遊技球が嵌った状態で、溝部372Rc2の底面に遊技球が非当接となる寸法に設定されてもよい。この場合、溝部372Rc2の内縁(溝部372Rc2の内面と回転体372Rの外周面との稜線)を遊技球に当接させることができる。よって、回転体372Rの回転に伴って遊技球が送球される際に、回転体372Rの回転方向に遊技球がぐらつくことを抑制でき、その結果、遊技球の吸着が解除されることを抑制できる。
特に、回転体372Rの回転に伴って遊技球が送球される際には、遊技球(溝部372Rc2)が、重力方向最上方位置を通過する前後で、遊技球に作用する重力の垂直方向成分の方向が逆転するため、その逆転の反作用により遊技球が回転体372Rの回転方向にぐらつきやすい。これに対し、本実施形態によれば、溝部372Rc2の内縁(溝部372Rc2の内面と回転体372Rの外周面との稜線)を遊技球に当接させることができる、即ち、回転体372Rの回転方向の両側から遊技球を溝部372Rc2の内縁により挟み込むことができるので、回転体372Rの回転方向に遊技球がぐらつくことを抑制でき、その結果、遊技球の吸着が解除されることを抑制できる。
上記第1実施形態では、第1乱反射部353dと第2乱反射部354bとのそれぞれの背面側に、複数のLED355aがそれぞれ配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1乱反射部353dと第2乱反射部354bとを跨ぐ位置に1のLED355aが配置されていても良い。この場合、LED355aの個数を少なくすることができるので、製造コストが高くなることを抑制できる。
上記第10実施形態では、経路切替部材10670の外面に2球の遊技球が吸着(垂下)される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、経路切替部材10670の外面に3球の遊技球が吸着(垂下)されても良い。
この場合、第2経路10642の先端部10642aの上下方向位置を第1経路10641よりも遊技球の直径分下方に位置して配置することで、先行する2球の遊技球を第2経路10642に送球して、後行する1球の遊技球を第3経路に送球することができる。また、第2経路10642の先端部10642aの上下方向位置を第1経路10641と略同一とすることで、先行する1球の遊技球を第2経路10642に送球して、後行する2球の遊技球を第3経路10643へ送球することができる。即ち、複数の遊技球が経路切替部材10670の外面に吸着(垂下)した際に、第2経路10642に送球する球数を任意に設定することができ、設計の自由度を高めることができる。
上記第10実施形態では、経路切替部材10670の外面に2球の遊技球が吸着(垂下)した際に、遊技球との間に先端部10642aを差し込んで分断する場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、先行する遊技球に垂下する後行する遊技球の外面に当接する当接部材を当接させて、先行する遊技球と共に後行する遊技球を落下させてもよい。
なお、先行する遊技球と共に後行する遊技球を落下させるための形状としては、経路切替部材10670に形成する溝部10671b1の下端側を下側ベース部材10671b(経路切替部材10670)の下面側に連結させて、溝部10671b1の下面と経路切替部材10670の外周面との段差をなくすことが好ましい。経路切替部材10670に形成する溝部10671b1の下端側を下側ベース部材10671b(経路切替部材10670)の下面側に連結させることで、経路切替部材10670の外面に吸着した先行する遊技球に後行する遊技球が吸着(垂下)した際に、先行する遊技球が溝部10671b1の下端面と当接することがなくなるので、先行する遊技球を下方に変位しやすくできる。よって、先行する遊技球と共に後行する遊技球を経路切替部材10670の外面から落下させることができる。
また、溝部10671b1を、下側ベース部材10671b(経路切替部材10670)の外周面と同一の周面上に形成してもよい。この場合、経路切替部材10670の外面に吸着した先行する遊技球に後行する遊技球が吸着(垂下)した際に、先行する遊技球が溝部10671b1の下端面と当接することがなくなるので、先行する遊技球を下方に変位しやすくできる。よって、先行する遊技球と共に後行する遊技球を経路切替部材10670の外面から落下させることができる。
さらに、溝部10671b1の内面(先行する遊技球が吸着する面)を重力方向下側に向けて径方向内側に傾斜させてもよい。溝部10671b1の内面(先行する遊技球が吸着する面)が重力方向下側に向けて径方向内側に傾斜することで、経路切替部材10670の外面に吸着した先行する遊技球に後行する遊技球が吸着(垂下)した際に、先行する遊技球が下方に変位しやすくできる。よって、先行する遊技球と共に後行する遊技球を経路切替部材10670の外面から落下させることができる。
上記第10実施形態では、経路切替部材10670の外周面に遊技球が2球吸着される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、3球の遊技球が吸着された場合には、その荷重により、先行する遊技球と経路切替部材10670との吸着が解除されるように設定しても良い。または、先行する1球目の遊技球は、第2経路10642に、2球目の遊技球は第3経路10643に、3球目の遊技球は、回収口に送球するものであっても良い。
上記第1から第3実施形態では、回転体372R,2372R,3372Rの外面に沿って延設される第2転動部381cが回転体372R,2372R,3372Rの軸よりも上方に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2転動部381cが回転体372R,2372R,3372Rの軸よりも下方に形成されても良い。この場合、先行する遊技球が回転体372R,2372R,3372Rの外面に吸着して、先行する遊技球に後行する遊技球が吸着した際に、先行する遊技球と回転体372R,2372R,3372Rの外面との吸着を解除しやすくできる。
上記第1から第3実施形態では、回転体372R,2372R,3372Rに形成される溝部372Rc2,2372Rc2,3372Rc2が、凹設して形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、溝部372Rc2,2372Rc2,3372Rc2が、回転体372R,2372R,3372Rの外周面と同一周面に形成されてもよい。
この場合、先行する遊技球が回転体372R,2372R,3372Rの外面に吸着して、先行する遊技球に後行する遊技球が吸着した際に、先行する遊技球と回転体372R,2372R,3372Rの外面との吸着を解除しやすくできる。
また、溝部372Rc2,2372Rc2,3372Rc2が、回転体372R,2372R,3372Rの外周面から突出して形成されてもよい。この場合、先行する遊技球が回転体372R,2372R,3372Rの外面に吸着して、先行する遊技球に後行する遊技球が吸着した際に、先行する遊技球を溝部372Rc2,2372Rc2,3372Rc2から移動させやすくできる。先行する遊技球と回転体372R,2372R,3372Rの外面との吸着を解除しやすくできる。
上記第7実施形態では、貫通孔7613eが、中央カバー部材7613の背面から正面へ貫通形成される場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではなく、中央カバー部材7613の背面に凹設されたものでも良い。また、凹設でなく、中央カバー部材7613の背面側から突出された部位で遊技球を保持するものでも良い。
なお、この場合、先行する遊技球に後行する遊技球を衝突させた際に、後行する遊技球が、貫通孔632a側に反発するために、中央カバー部材7613とベース板630との対向間の間隔を2球の遊技球の直径寸法と略同一に設定するとすることが好ましい。
上記第7実施形態では、連結孔632bの幅を遊技球の直径と略同一に設定したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、連結孔632bの幅を遊技球直径よりも十分に大きい寸法(例えば、遊技球2個分の直径寸法)に設定しても良い。
この場合、貫通孔632aと離間する側の貫通孔7613eの内縁部が、貫通孔632aと離間する側の連結孔632bの側面と遊技球の半径分までの間でベース板630の左右方向にずれた位置に形成されることが好ましい。これによれば、貫通孔7613eの内縁部に送球される先行する遊技球に後行する遊技球を衝突させた際に、後行する遊技球を貫通孔632a側に反発させやすくできる。
上記第7実施形態では、連結孔632bの左右方向における対向間の幅を遊技球の直径と略同一に設定する場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技球の直径よりも大きい値(例えば、遊技球の直径の1.2倍)に設定するしても良い。この場合、連結孔632bから遊技球を排出しやすくできるので、連結孔632bに遊技球が詰まることを抑制できる。
この場合、貫通孔632aと近接する側の貫通孔7613eの内縁部が、貫通孔632aと近接する側の連結孔632bの側面と遊技球の半径分までの間でベース板630の左右方向にずれた位置に形成されることが好ましい。これによれば、貫通孔7613eの内縁部に送球される先行する遊技球に後行する遊技球を衝突させた際に、後行する遊技球を貫通孔632a側に反発させやすくできる。
上記第7実施形態では、貫通孔7613eが略円形に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貫通孔7613eがベース板630の左右方向に長い長穴状に形成されると共に、左右方向外側に向かって短手方向の幅寸法が大きく形成されるものであってもよい。この場合、連結孔632bから送球される遊技球を貫通孔7613eの内縁形状により左右方向に変位しやすくできる。よって、貫通孔7613eの配置に自由度を持たせることができるので、設計の自由度を向上できる。
上記第8,9実施形態では、可変板8644ba,9644aの上部に乗る遊技球の球数が2球に設定されたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、可変板8644ba,9644aの板の長さを長くして2球の遊技球が上部に乗る場合と、3球の遊技球が上部に乗る場合とで、可変板8644ba,9644aの動作を切り替えても良い。即ち、可変板8644ba,9644aの動作を任意で設定できるので、設計の自由度を向上できる。
上記第2実施形態では、磁石2372Rbが、回転体2372Rの軸方向に螺旋状に曲がって形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、直線状に形成される磁石でもよい。
この場合、磁石2372Rbを、第2転動部381cの上流側に向かうに従って回転体2372Rの回転方向に傾斜して配置することが好ましい。その結果、第2転動部381cを転動する遊技球を回転体2372Rの外周面に吸着させやすくできる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<可動入球役物装置300を一例とする発明の概念について>
遊技者から視認可能な位置に変位可能に配設され変位位置に応じて遊技球の流下経路を切り替える変位部材を備えた遊技機において、光を発光可能に形成される1又は複数の発光手段が発光面を正面側へ向けて搭載される基板部材と、その基板部材の正面側に配設され光透過材料から形成される第1透過部材および第2透過部材とを備え、前記変位部材が光透過性材料から形成されると共に前記第2透過部材の正面側に配設され、前記第2透過部材と前記基板部材との間の距離が、前記第1透過部材と前記基板部材との間の距離と異なる距離に設定されることを特徴とする遊技機A1。
ここで、遊技者から視認可能な位置に変位可能に配設され変位位置に応じて遊技球の流下経路を切り替える変位部材を備えた遊技機が知られている(特開平8−131612号公報)。この場合、光透過性材料から形成される透過部材の正面側に変位部材を配設し、透過部材の背面から光を照射することで、透過部材を透過した光と共に変位部材を遊技者に視認させ、変位部材に着目させるという技術も知られている。しかしながら、従来の上述した技術では、変位部材が光を透過しない非透過性材料から形成されるため、その変位部材の大きさの分、遊技者に視認させる光の領域(面積)が減少され、演出効果が阻害される。
これを受け、本願出願人は、変位部材を光透過性材料から形成することで、透過部材に加え、変位部材を透過する光も遊技者に視認可能として、遊技者に視認させる光の領域(面積)を確保する技術を開発した(本出願時において未公知)。しかしながら、変位部材を光透過性材料から形成した場合には、かかる変位部材の位置を遊技者が特定し難いという問題点のあることが判明した。
これに対し、遊技機A1によれば、光を発光可能に形成される1又は複数の発光手段が発光面を正面側へ向けて搭載される基板部材と、その基板部材の正面側に配設され光透過材料から形成される第1透過部材および第2透過部材とを備え、変位部材が光透過性材料から形成されると共に第2透過部材の正面側に配設され、第2透過部材と基板部材との間の距離が、第1透過部材と基板部材との間の距離と異なる距離に設定されるので、遊技者に視認させる光の領域(面積)を確保しつつ、変位部材の位置を遊技者に特定させやすくできる。即ち、第1透過部材と第2透過部材とで発光手段からの距離が異なるため、第1透過部材および第2透過部材をそれぞれ透過する際の光の拡散の態様を異ならせことができる。よって、第1透過部材を透過して遊技者に視認させる光の態様と、第2透過部材透過して遊技者に視認させる光の態様とを異ならせることができる。その結果、第2透過部材の正面側に配設される変位部材の位置を遊技者に特定させやすくできる。
なお、基板部材に複数の発光手段が搭載される場合、基板部材の領域のうちの第1透過部材と対面する第1の領域および第2透過部材と対面する第2の領域の両方に発光手段が搭載されている必要はなく、第1又は第2の領域のうちの少なくとも一方の領域に搭載されていれば足りる。また、第1の領域および第2の領域の両方の領域に重なる位置に発光手段が搭載されていても良い。
遊技機A1において、前記第1透過部材および第2透過部材には、正面または背面の少なくとも一方に凹凸が形成されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、第1透過部材および第2透過部材には、正面または背面の少なくとも一方に凹凸が形成されるので、発光手段から発光される第1透過部材および第2透過部材を透過する光を、凹凸により拡散させやすくできる。この場合、第1透過部材と第2透過部材とで発光手段からの距離が異なるため、第1透過部材を透過する光の拡散の態様と、第2透過部材を透過する光の拡散の態様とを異ならせることができる。よって、第1透過部材を透過して遊技者に視認させる光の態様と、第2透過部材透過して遊技者に視認させる光の態様との相違をより大きくできる。その結果、第2透過部材の正面側に配設される変位部材の位置を遊技者に特定させやすくできる。
遊技機A2において、前記第1透過部材に形成される凹凸と、前記第2透過部材に形成される凹凸とが略同一とされることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、第1透過部材に形成される凹凸と、第2透過部材に形成される凹凸とが略同一とされるので、発光手段から光が発光されていない状態では、第1透過部材と第2透過部材(変位部材を透過して視認される第2透過部材)とを同一の外観として遊技者に視認させることができる。即ち、発光手段の発光後は異なる外観(光の態様)となる第1透過部材と第2透過部材とを、発光手段の発光前には同一の外観としておけることで、第1透過部材と第2透過部材との外観(光の態様)が異なる(相違した)ものとなる演出を引き立たせることができる。
なお、第1透過部材と第2透過部材とで凹凸が同一であっても、第1透過部材と第2透過部材とで発光手段からの距離が異なるため、第1透過部材および第2透過部材をそれぞれ透過する際の光の拡散の態様を異ならせことができる。即ち、第1透過部材を透過して遊技者に視認させる光の態様と、第2透過部材透過して遊技者に視認させる光の態様とを異ならせることができる。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記第1透過部材と前記第2透過部材とを連結する連結部材を備えることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、第1透過部材と第2透過部材とを連結する連結部材を備えるので、第1透過部材または第2透過部材のうちの一方(発光手段との間の距離が小さい方)を透過した光が、第1透過部材または第2透過部材のうちの他方(発光手段との間の距離が大きい方)と発光手段との間へ侵入することを連結部材により抑制できる。その結果、第1透過部材と第2透過部材とで、それらを透過して遊技者に視認させる光の態様(特に、明暗)を異ならせやすくできる。その結果、第2透過部材の正面側に配設される変位部材の位置を遊技者に特定させやすくできる。
遊技機A4において、前記第1透過部材および第2透過部材には、正面または背面の少なくとも一方に凹凸が形成され、前記連結部材の正面または背面には、凹凸が非形成とされることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、第1透過部材および第2透過部材には、正面または背面の少なくとも一方に凹凸が形成され、連結部材の正面または背面には、凹凸が非形成とされるので、第1透過部材および第2透過部材(変位部材を透過して視認される第2透過部材)と連結部材とを異なる外観として遊技者に視認させることができる。これにより、連結部材を利用して、第1透過部材と第2透過部材との境界を明確とでき、その結果、第2透過部材の正面側に配設される変位部材の位置を遊技者に特定させやすくできる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記第1透過部材または第2透過部材のうちの一方と前記発光手段との間の距離が、前記第1透過部材または第2透過部材のうちの他方と前記発光手段との間の距離よりも大きくされ、前記一方が前記他方よりも重力方向上方に位置することを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、第1透過部材または第2透過部材のうちの一方と発光手段との間の距離が、第1透過部材または第2透過部材のうちの他方と発光手段との間の距離よりも大きくされ、一方が他方よりも重力方向上方に位置するので、発光手段が破損することを抑制できる。
即ち、発光手段との間の距離が小さい(狭い)側では、発光手段との間の距離が大きい(広い)側と比較して、空間が狭くなる分、発光手段から発生した熱により空間内の温度が高くなり、発光手段の破損するおそれが高くなる。これに対し、遊技機A6によれば、発光手段との間の距離が小さい側(狭い)側における空間内の温度が高くされた空気を、その重力方向上方に位置する空間(即ち、発光手段との間の距離が大きい(広い)側の空間)へ上昇させて逃がすことができる。その結果、上記距離が小さい(狭い)側における発光手段の破損を抑制できる。
遊技機A6において、前記第1透過部材と前記発光手段との間の距離が、前記第2透過部材と前記発光手段との間の距離よりも大きくされ、前記変位部材と前記第2透過部材との対向間が遊技球の第1の流下経路とされることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、第1透過部材と発光手段との間の距離が、第2透過部材と発光手段との間の距離よりも大きくされ、変位部材と第2透過部材との対向間が遊技球の第1の流下経路とされるので、変位部材、第1透過部材および第2透過部材からなるユニットの小型化を図ることができる。即ち、遊技者に視認させる光の態様を異ならせるために形成された変位部材および第2透過部材の間の空間を、遊技球の第1の流下経路とすることで、デッドスペースを有効に活用でき、流下経路のための空間を別途確保する必要がない。よって、その分、ユニットの小型化を図ることができる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記変位部材は、基端側が回転可能に軸支された板状体として形成されると共に、先端側に板厚を大きくした板厚部が形成されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA7のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、基端側が回転可能に軸支された板状体として形成されると共に、先端側に板厚を大きくした板厚部が形成されるので、変位部材を透過して遊技者に視認される光のうち、板厚部を透過して遊技者に視認される光を、板厚部を除く他の部分を透過して遊技者に視認される光と異ならせることができる。また、変位部材が基端側を中心として回転されるに伴って、先端側(板厚部)を透過して視認される光の位置を変位させることができる。即ち、変位部材の先端側(板厚部)を透過して視認される光の位置が変位されることを利用して、変位部材の変位(回転)動作を遊技者に認識させやすくできる。
遊技機A8において、前記板厚部の正面または背面の少なくとも一方が断面円弧状に湾曲して形成されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、板厚部の正面または背面の少なくとも一方が断面円弧状に湾曲して形成されるので、かかる板厚部をレンズとして機能させる(即ち、板厚部に入射された光を屈折させて発散または集束させる)ことができる。これにより、変位部材を透過して遊技者に視認される光のうち、板厚部を透過して遊技者に視認される光と、板厚部を除く他の部分を透過して遊技者に視認される光との相違をより明確とすることができる。その結果、変位部材の変位(回転)動作を遊技者に認識させやすくできる。
遊技機A8又はA9において、前記変位部材が前記第1透過部材と略面一となる位置に配置可能に形成されることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A8又はA9の奏する効果に加え、変位部材が第1透過部材と略面一となる位置に配置可能に形成されるので、変位部材と第1透過部材とを一体的に視認させ、発光手段から発光され遊技者に視認させる光の領域(面積)をより大きな領域として視認させることができる。
遊技機A10において、前記変位部材の正面へ向けて下降傾斜され遊技球が転動される転動部材を備え、その転動部材の下流端における高さ位置が、前記第1透過部材と略面一となる位置に配置された前記変位部材の板厚部における高さ位置よりも遊技球の半径分だけ低くされることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、変位部材の正面へ向けて下降傾斜され遊技球が転動される転動部材を備え、その転動部材の下流端における高さ位置が、第1透過部材と略面一となる位置に配置された変位部材の板厚部における高さ位置よりも遊技球の半径分だけ低くされるので、転動部を転動して下流端から変位部材の正面へ向けて送球された遊技球を、板厚が大きくされることで強度が比較的高くされた変位部材の板厚部へ衝突させることができる。これにより、変位部材の破損を抑制できる。
<可変ユニット360を一例とする発明の概念について>
回転軸を水平方向へ向けた姿勢で回転可能に形成される略円柱状の回転部材と、その回転部材に配設され前記回転部材の外周面に遊技球を吸着させる磁石とを備え、前記外周面に遊技球が吸着された状態で前記回転部材が回転されることで、前記吸着された遊技球を前記回転部材の回転方向へ向けて送球する遊技機において、前記回転部材の外周面に並設されると共に遊技球が転動される転動面を備え、その転動面が前記回転部材の回転軸よりも重力方向上方に位置することを特徴とする遊技機B1。
ここで、回転軸を水平方向へ向けた姿勢で回転可能に形成される略円柱状の回転部材と、その回転部材に配設され回転部材の外周面に遊技球を吸着させる磁石とを備え、外周面に遊技球が吸着された状態で回転部材が回転されることで、かかる遊技球を回転部材の回転方向へ向けて送球する遊技機が知られている(例えば、特開2012−231890号公報)。回転部材へ向けて2球の遊技球が連なって転動されると、先行する遊技球が回転部材の外周面に吸着されると共に、その先行する遊技球に後行する遊技球が吸着される場合がある。この場合、回転部材が回転されると、2球分の重さが作用することで、回転部材と先行する遊技球との間の吸着が解除されるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、回転部材の外周面に並設されると共に遊技球が転動される転動面を備え、その転動面が回転部材の回転軸よりも重力方向上方に位置するので、例えば、回転部材へ向けて2球の遊技球が連なった状態で転動面を転動され、先行する遊技球が回転部材の外周面に吸着されると共に、その先行する遊技球に後行する遊技球が吸着された場合には、先行する遊技球を回転部材の外周面に載せやすくできる。よって、回転部材と先行する遊技球との間の吸着を解除され難くできる。
遊技機B1において、前記回転部材を挟んで前記転動面と反対側において前記回転部材の外周面に並設されると共に前記回転部材の外周面に吸着されて送球された遊技球を受け取る受取面を備え、その受取面が前記回転部材の回転軸よりも重力方向上方に位置することを特徴とする遊技機B2。
ここで、回転部材の外周面に吸着されて送球された遊技球は、回転部材を挟んで転動面と反対側において回転部材の外周面に並設される受取面に受け取られるところ、この際に遊技球が受取面で跳ねやすく、回転部材の外周面から受取面へ遊技球をスムーズに送球することが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、受取面が回転部材の回転軸よりも重力方向上方に位置するので、遊技球が受取面で跳ねることを抑制して、回転部材の外周面から受取面へ遊技球をスムーズに送球することができる。即ち、遊技機B2によれば、回転部材の回転に伴って重力方向下方への変位成分が大きくなる前に(即ち、水平方向成分が比較的多い段階で)、受取面に遊技球を受け取らせることができるので、遊技球が受取面で跳ねることを抑制できる。また、受取面に遊技球を受け取らせる前に、かかる遊技球の吸着が解除されて、回転部材の外周面から受取面へ遊技球が落下することを抑制できる。この点からも、遊技球が受取面で跳ねることを抑制できる。
遊技機B2において、前記受取面は、前記回転部材から離間する方向へ向けて下降傾斜して形成されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、受取面は、回転部材から離間する方向へ向けて下降傾斜して形成されるので、回転部材の外周面に吸着されその回転部材の回転に伴って送球される遊技球の送球方向を、受取面に受け取られた後の遊技球の転動方向に近づけることができる。その結果、遊技球が受取面で跳ねることを抑制して、回転部材の外周面から受取面へ遊技球をスムーズに送球することができる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記回転部材は、その外周面に凹設される凹部を備え、前記磁石は、前記凹部の内面に前記遊技球を吸着させる位置に配設されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、回転部材は、その外周面に凹設される凹部を備え、磁石は、凹部の内面に遊技球を吸着させる位置に配設されるので、凹部の内面(外周面との間の段差)で遊技球を支持することができる。その結果、例えば、回転部材へ向けて2球の遊技球が連なった状態で転動面を転動され、先行する遊技球が回転部材の外周面に吸着されると共に、その先行する遊技球に後行する遊技球が吸着された場合に、回転部材と先行する遊技球との間の吸着を解除され難くできる。
遊技機B4において、前記凹部の凹設深さは、その凹部に遊技球が嵌った状態で、凹部の底面に遊技球が非当接となる寸法に設定されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、凹部の凹設深さは、その凹部に遊技球が嵌った状態で、凹部の底面に遊技球が非当接となる寸法に設定されるので、凹部の内縁(凹部の内面と回転部材の外周面との稜線)を遊技球に当接させることができる。よって、回転部材の回転に伴って遊技球が送球される際に、回転部材の回転方向に遊技球がぐらつくことを抑制でき、その結果、遊技球の吸着が解除されることを抑制できる。
特に、回転部材の回転に伴って遊技球が送球される際には、遊技球(凹部)が、重力方向最上方位置を通過する前後で、遊技球に作用する重力の垂直方向成分の方向が逆転するため、その逆転の反作用により遊技球が回転部材の回転方向にぐらつきやすい。これに対し、遊技機B5によれば、凹部の内縁(凹部の内面と回転部材の外周面との稜線)を遊技球に当接させることができる、即ち、回転部材の回転方向の両側から遊技球を凹部の内縁により挟み込むことができるので、回転部材の回転方向に遊技球がぐらつくことを抑制でき、その結果、遊技球の吸着が解除されることを抑制できる。
遊技機B4において、前記回転部材を挟んで前記転動面と反対側において前記回転部材の外周面に並設されると共に前記回転部材の外周面に吸着されて送球された遊技球を受け取る受取面を備え、前記凹部の凹設深さは、その凹部に遊技球が嵌った状態で、凹部の底面に遊技球が当接可能となる寸法に設定されると共に、前記転動面側よりも前記受取面側が小さな寸法に設定されることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、凹部の凹設深さは、その凹部に遊技球が嵌った状態で、凹部の底面に遊技球が当接可能となる寸法に設定されると共に、転動面側よりも受取面側が小さな寸法に設定されるので、回転部材の回転に伴って送球される遊技球が回転部材の回転方向にぐらついた際には、遊技球を凹部から受取面側へ転動(脱落)させやすくできる。即ち、遊技球の吸着が解除されて転動面へ逆戻りすることを抑制できる。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記転動面は、前記回転部材の回転軸の方向と略平行な方向へ遊技球を転動させる傾斜面として形成されることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB6のいずれかの奏する効果に加え、転動面は、回転部材の回転軸の方向と略平行な方向へ遊技球を転動させる傾斜面として形成されるので、転動面を転動する遊技球の転動方向と、回転部材の回転に伴って送球される遊技球の送球方向とを略直交する方向とすることができる。その結果、遊技球の動きに変化を与えると共に、一度に視認可能な遊技球の数を確保して、遊技者の興趣を向上することができる。
遊技機B7において、前記転動面における遊技球の転動を遮断する遮断手段を備え、前記回転部材の磁石は、前記遮断手段により転動が遮断された遊技球に吸着可能な位置に配設されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、転動面における遊技球の転動を遮断する遮断手段を備え、回転部材の磁石は、遮断手段により転動が遮断された遊技球を吸着可能な位置に配設されるので、転動面を転動する遊技球が回転部材に直接吸着される形態と、転動面を転動する遊技球が遮断手段により遮られた後に回転部材に吸着される形態(即ち、遮断手段による遮断がなければ回転部材に吸着せずに通過したであろう遊技球が遮断手段により遮断されたことで回転部材へ吸着可能となった形態)とを形成でき、その結果、遊技者の興趣を向上することができる。
<可変ユニット2360を一例とする発明の概念について>
回転軸を水平方向へ向けた姿勢で回転可能に形成される略円柱状の回転部材と、その回転部材に配設され前記回転部材の外周面に遊技球を吸着させる磁石とを備え、前記外周面に遊技球が吸着された状態で前記回転部材が回転されることで、前記吸着された遊技球を前記回転部材の回転方向へ向けて送球する遊技機において、前記回転部材の外周面に並設されると共に前記回転部材の回転軸の方向と略平行な方向へ遊技球を転動させる転動面を備え、前記磁石は、前記回転部材の外周面に遊技球が吸着される吸着位置と、その吸着位置よりも前記転動面の上流側となる上流位置とに少なくとも配設されることを特徴とする遊技機C1。
ここで、回転軸を水平方向へ向けた姿勢で回転可能に形成される略円柱状の回転部材と、その回転部材に配設され回転部材の外周面に遊技球を吸着させる磁石とを備え、外周面に遊技球が吸着された状態で回転部材が回転されることで、かかる遊技球を回転部材の回転方向へ向けて送球する遊技機が知られている(例えば、特開2012−231890号公報)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、転動面を遊技球が揺れ動きながら転動するため、回転部材が回転され、その回転部材の吸着位置に対面可能なタイミングで遊技球が転動面を転動してきた場合でも、遊技球が吸着位置に吸着されにくいという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、磁石は、回転部材の外周面に遊技球が吸着される吸着位置と、吸着位置よりも転動面の上流側となる上流位置とに少なくとも配設されるので、上流位置に配設された磁石の磁力により、遊技球を回転部材の外周面側に引き寄せておくことができ、転動面を遊技球が揺れ動きながら転動することを抑制できる。その結果、回転部材が回転され、その回転部材の吸着位置に対面可能なタイミングで遊技球が転動面を転動してきた場合に、遊技球を吸着位置へ吸着させやすくできる。
なお、吸着位置に配設される磁石と上流位置に配設される磁石とは別体に形成されるもの(即ち、2個の磁石)であっても良く、或いは、一体に形成されるもの(即ち、1個の磁石)であっても良い。
遊技機C1において、前記回転部材は、その外周面に凹設され前記吸着位置とされる凹部を備えることを特徴とする遊技機C2。
ここで、吸着位置では遊技球を回転部材の外周面に吸着させる一方、上流位置では遊技球を回転部材の外周面に吸着させないことが必要である。これを磁石の磁力の差により達成することは(即ち、吸着位置には磁力が強い磁石を、上流位置には磁力が弱い磁石を、それぞれ配設する)、磁力が異なる2種類の磁石を準備する必要があり、製品コストの増加を招く。
これに対し、遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、回転部材は、その外周面に凹設され吸着位置とされる凹部を備えるので、1の磁石を回転部材に埋設することで、凹部を利用して、吸着位置における磁石から遊技球までの距離(磁石から凹部の底面までの距離)を、上流位置における磁石から遊技球までの距離)磁石から回転部材の外周面までの距離)よりも小さい寸法に設定できる。即ち、吸着位置では遊技球を回転部材の外周面に吸着させる一方、上流位置では遊技球を回転部材の外周面に吸着させないことが可能となる。よって、2種類の磁石を必要とせず、また、磁石の形状を複雑化する必要もないので、その分、製品コストの削減を図ることができる。
また、吸着位置に遊技球が吸着されると、かかる遊技球を凹部によって保持することができる。よって、回転部材の回転に伴って遊技球が送球される際に、回転部材の回転方向に遊技球がぐらつくことを抑制でき、その結果、遊技球の吸着が解除されることを抑制できる。
なお、この場合、凹部の凹設深さは、その凹部に遊技球が嵌った状態で、凹部の底面に遊技球が非当接となる寸法に設定されることが好ましい。凹部の内縁(凹部の内面と回転部材の外周面との稜線)を遊技球に当接させ、遊技球のがたつきを抑制しやすくできるからである。但し、凹部の凹設深さは、その凹部に遊技球が嵌った状態で、凹部の底面に遊技球が当接される寸法であっても良い。
遊技機C1又はC2において、前記磁石は、前記上流位置に配設される部分の少なくとも一部が、前記吸着位置に配設される部分よりも前記回転部材の回転方向前方側に配設されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、磁石は、上流位置に配設される部分の少なくとも一部が、吸着位置に配設される部分よりも回転部材の回転方向前方側に配設されるので、吸着位置へ向けて転動面を転動する遊技球に対して、上流位置における磁石の磁力を遊技球に作用させやすくできる。即ち、遊技球を回転部材の外周面側に引き寄せておき、転動面を遊技球が揺れ動きながら転動することを抑制できる。その結果、回転部材が回転され、その回転部材の吸着位置に対面可能なタイミングで遊技球が転動面を転動してきた場合に、遊技球を吸着位置へ吸着させやすくできる。
遊技機C2又はC3において、前記凹部の底面は、前記上流位置側へ向けて上昇傾斜されると共に前記回転部材の外周面に滑らかに連なり、少なくとも前記上流位置側において、凹部の底面に遊技球が当接可能に形成されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C2又はC3の奏する効果に加え、凹部の底面は、上流位置側へ向けて上昇傾斜されると共に回転部材の外周面に滑らかに連なり、少なくとも上流位置側において、凹部の底面に遊技球が当接可能に形成されるので、上流位置における磁石により回転部材の外周面側に引き寄せられた遊技球が、吸着位置における磁石により凹部に嵌り込む際には、かかる遊技球の凹部への嵌り込みをスムーズに行わせることができる。即ち、遊技球が跳ねる(バウンドされる)ことを抑制して、遊技球を吸着位置(凹部)に吸着させやすくできる。
遊技機C1からC4のいずれかにおいて、前記回転部材の外周面と対向しつつ前記転動面から立設され遊技球の転動領域を区画する区画壁を備え、前記回転部材の外周面と前記区画壁との間の対向間隔は、前記転動面の下流側へ向かうに従って小さい寸法に設定されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C1からC4のいずれかの奏する効果に加え、回転部材の外周面と対向しつつ転動面から立設され遊技球の転動領域を区画する区画壁を備え、回転部材の外周面と区画壁との間の対向間隔は、転動面の下流側へ向かうに従って小さい寸法に設定されるので、上流位置における磁石による作用(磁力による引き寄せ)だけでなく、区画壁による案内によっても、転動面を遊技球が揺れ動きながら転動することを抑制できる。その結果、回転部材が回転され、その回転部材の吸着位置に対面可能なタイミングで遊技球が転動面を転動してきた場合に、遊技球を吸着位置へ吸着させやすくできる。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、前記回転部材を挟んで前記転動面と反対側において前記回転部材の外周面に並設されると共に前記回転部材の外周面に吸着されて送球された遊技球を受け取る受取面を備え、その受取面は、前記回転部材の外周面から離間する方向へ向けて下降傾斜して形成されることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1からC5のいずれかの奏する効果に加え、回転部材を挟んで転動面と反対側において回転部材の外周面に並設されると共に回転部材の外周面に吸着されて送球された遊技球を受け取る受取面を備え、その受取面は、回転部材の外周面から離間する方向へ向けて下降傾斜して形成されるので、回転部材の外周面(吸着位置)に吸着されて送球された遊技球が受取面に受け取られると、その受取面の下降傾斜によって遊技球を転動させて、かかる遊技球を回転部材の外周面から速やかに引き離すことができる。即ち、上流位置における磁石に遊技球が吸着される、或いは、磁力の作用を受けることで、受取面における遊技球の転動が滞ることを抑制できる。
遊技機C6において、前記受取面は、前記回転軸方向に沿った長さ寸法が、前記回転部材に配設される磁石の前記回転軸方向に沿った長さ寸法よりも大きな寸法に設定されることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、受取面は、回転軸方向に沿った長さ寸法が、回転部材に配設される磁石の回転軸方向に沿った長さ寸法よりも大きな寸法に設定されるので、回転部材の吸着位置ではない箇所に遊技球が吸着された状態で(即ち、上流位置における磁石に吸着された状態で)、回転部材の回転に伴って遊技球が送球される場合でも、かかる遊技球を受取面に受け取らせることができる。
<入賞口ユニット600を一例とする発明の概念について>
第1の入球口と、その第1の入球口よりも遊技領域の下流側に配設される第2の入球口とを備えた遊技機において、前記第1の入球口に入球されず流下する遊技球の通路を形成する通路部材と、前記遊技領域が正面側に形成される遊技盤と、その遊技盤の正面側へ突出可能かつ背面側へ没入可能に形成される板状のスライド部材とを備え、前記通路部材を通過した遊技球が、前記遊技盤の正面側へ突出されたスライド部材によって、前記第2の入球口へ誘導可能とされることを特徴とする遊技機D1。
ここで、第1の入球口と、第2の入球口とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2005−013496号公報)。この場合、第1の入球口に入球されなかった遊技球は、第2の入球口に入球されることはなく、アウト口から回収されるのみである。そのため、遊技者は、第1の入球口を狙って打ち出した遊技球が、第1の入球口に入球しなかった場合、かかる遊技球のその後の行方(流下する遊技球)に期待を持つことができない。そのため、遊技者に十分な興趣を与えることができないという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、第1の入球口に入球されず流下する遊技球の通路を形成する通路部材と、遊技領域が正面側に形成される遊技盤と、その遊技盤の正面側へ突出可能かつ背面側へ没入可能に形成される板状のスライド部材とを備え、通路部材を通過した遊技球が、遊技盤の正面側へ突出されたスライド部材によって、第2の入球口へ誘導可能とされるので、第1の入球口に遊技球が入球しなかった場合でも、かかる遊技球の流下に注目させ、第2の入球口へ入球することに対する期待を遊技者に継続して持たせることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、スライド部材が遊技盤の正面側へ突出可能かつ背面側へ没入可能に形成されるので、スライド部材を機能させない状態では、遊技盤の背面側に没入させておくことで、その分、遊技盤の正面側にスペースを確保(遊技領域を拡大)できる。即ち、遊技領域における遊技球が移動可能な領域を拡大できる。
なお、通路部材としては、例えば、遊技球が通過可能な閉じた通路として形成されるもの、遊技球の流下方向を規定する1又は複数の釘により形成されるもの、遊技球が転動可能な傾斜面(開放した通路)として形成されるものなどが例示される。
また、スライド部材が遊技盤の背面側へ没入された状態であっても、通路部材を通過した遊技球が第2の入球口へ入球可能とされていることは当然可能である。この場合には、スライド部材が没入されている状態よりも突出されている状態の方が第2の入球口へ入球しやすくされることが好ましい。スライド部材の状態を着目させ、遊技の興趣の向上を図ることができるからである。
遊技機D1において、前記第1の入球口への入球により遊技者に付与される利益よりも前記第2の入球口への入球により遊技者に付与される利益の方が高い利益とされることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、第1の入球口への入球により遊技者に付与される利益よりも第2の入球口への入球により遊技者に付与される利益の方が高い利益とされるので、第1の入球口に遊技球が入球しなかった場合でも、かかる遊技球が第2の入球口へ入球することに対する期待をより強く遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
なお、遊技者に付与される利益が高い形態としては、入球に伴い払い出される賞球が多い形態、開閉可能に形成されその開閉により第3の入球口への入球を許容・規制する可動翼片の開放時間が長くされる態様、前記可動翼片の開放回数が多くされる態様、前記可動翼片の開放範囲が大きくされる態様などが例示される。
遊技機D1又はD2において、前記通路部材は、前記第1の入球口に入球されずに流下する遊技球を受け入れる第1開口と、その第1開口から流入された遊技球を遊技領域へ流出させる第2開口とを備え、光透過性材料から形成されることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、通路部材は、第1の入球口に入球されずに流下する遊技球を受け入れる第1開口と、その第1開口から流入された遊技球を遊技領域へ流出させる第2開口とを備え、光透過性材料から形成されるので、第1開口から流入された遊技球が第2開口(第2の入球口)へ向けて流下(通過)する態様を遊技者に視認させることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
遊技機D1からD3において、前記スライド部材は、前記第2の入球口を挟んだ両側に一対がそれぞれ前記第2の入球口へ向けて下降傾斜する姿勢で配設されることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、スライド部材は、第2の入球口を挟んだ両側に一対がそれぞれ第2の入球口へ向けて下降傾斜する姿勢で配設されるので、かかるスライド部材が突出した状態が形成された場合には、第2の入球口の左右いずれの側から流下する遊技球に対しても、第2の入球口へ入球しやすくすることができる。よって、第2の入球口へ入球することに対する期待をより強く遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
ここで、第2の入球口へ遊技球が入球されやすくする構成として、遊技盤から突出する回転軸に基端側を回転可能に軸支させた一対の羽部材を第2の入球口に配設し、かかる羽部材が開放されることで、遊技球が第2の入球口へ案内されるもの(所謂チューリップ)が考えられる。しかし、かかる構成では、羽部材が回転(開閉)するためのスペースが遊技領域に必要となる。特に、羽部材が閉じた姿勢を形成するために、第2の入球口の上方にスペースが必要となる。そのため、上下方向に大型化して、他の部材(例えば、第1の入球口や液晶表示装置)の配設スペースが減少する。
これに対し、遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、遊技盤の正面側へ突出可能かつ背面側へ没入可能に形成される板状の一対のスライド部材が、第2の入球口を挟んだ両側に第2の入球口へ向けて下降傾斜する姿勢で配設されるので、上下方向に小型化を図ることができる。その結果、他の部材(例えば、第1の入球口や液晶表示装置)の配設スペースを確保できる。
遊技機D4において、前記通路部材の第2開口が、前記スライド部材の重力方向上方に配設されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、通路部材の第2開口が、スライド部材の重力方向上方に配設されるので、突出されたスライド部材を利用して、遊技球を第2の入球口へ入球しやすくすることができる。よって、第2の入球口へ入球することに対する期待をより強く遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
遊技機D5において、前記第1の入球口および前記通路部材からなる組を2組備え、前記2組のうちの一方の組の通路部材の第2開口は、前記一対のスライド部材のうちの一方のスライド部材の重力方向上方に配設されると共に、他方の組の通路部材の第2開口は、他方のスライド部材の重力方向上方に配設されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、第1の入球口および通路部材からなる組を2組備え、2組のうちの一方の組の通路部材の第2開口は、一対のスライド部材のうちの一方のスライド部材の重力方向上方に配設されると共に、他方の組の通路部材の第2開口は、他方のスライド部材の重力方向上方に配設されるので、一対のスライド部材をそれぞれ利用して、遊技球を第2の入球口へ更に入球しやすくすることができる。よって、第2の入球口へ入球することに対する期待をより強く遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
なお、第1の入球口および通路部材からなる2組は、第2の入球口を挟んで左右両側に離間して配設される(例えば、第2の入球口が遊技領域の幅方向中央に位置されると共に、その第2の入球口を挟んで幅方向に対称に2組が配設される)ことが好ましい。第2の始動口に対し、遊技領域の幅方向一側または他側のいずれの側を流下する遊技球も、第2の入球口へ入球させやすくでき、第2の入球口へ入球することに対する期待をより強く遊技者に持たせることができるからである。
遊技機D6において、前記スライド部材の前記第2の入球口側の縁部が、前記第2の入球口の重力方向下方の縁部と重力方向上方の縁部との間に位置することを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、スライド部材の第2の入球口側の縁部が、第2の入球口の重力方向下方の縁部と重力方向上方の縁部との間に位置するので、遊技球が遊技領域の幅方向へ送球(変位)される場合に、かかる遊技球を、突出された状態におけるスライド部材の第2の入球口側の縁部に当接させて、第2の入球口へ入球しやすくできる。即ち、遊技領域の幅方向一側から送球(変位)される遊技球が、第2の入球口を通過して、幅方向他側へ送球(変位)される(遊技球が第2の入球口に入球せずに遊技領域の幅方向に逃げる)ことを抑制できる。
遊技機D4からD7のいずれかにおいて、前記第2の入球口の重力方向下方の縁部から前記遊技盤の正面側へ張り出す底面部を備え、その底面部は、前記第2の入球口へ向けて下降傾斜して形成されることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D4からD7のいずれかの奏する効果に加え、第2の入球口の重力方向下方の縁部から遊技盤の正面側へ張り出す底面部を備え、その底面部は、第2の入球口へ向けて下降傾斜して形成されるので、スライド部材が突出された状態の場合だけでなく、スライド部材が没入された状態であっても、第1の入球口に入球されず流下する(通路部材を通過した)遊技球を、第2の入球口へ入球しやすくできる。よって、第2の入球口へ入球することに対する期待をより強く遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
遊技機D8において、前記底面部の上面には、前記第2の入球口に近い側に位置する送球面と、その送球面に連設されると共に前記送球部よりも前記第2の入球口に遠い側に位置する当接面とが形成され、前記当接面の前記第2の入球口へ向かう方向への下降傾斜の角度が、前記送球面の前記第2の入球口へ向かう方向への下降傾斜の角度よりも大きくされることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D8の奏する効果に加え、底面部の上面には、第2の入球口に近い側に位置する送球面と、その送球面に連設されると共に送球部よりも第2の入球口に遠い側に位置する当接面とが形成され、当接面の第2の入球口へ向かう方向への下降傾斜の角度が、送球面の第2の入球口へ向かう方向への下降傾斜の角度よりも大きくされるので、当接面の下降傾斜を利用して、第2の入球口へ遊技球をスムーズに入球させることができる。特に、スライド部材が没入された状態であっても、下降傾斜が大きくされている当接面の傾斜を利用して、第1の入球口に入球されず流下する(通路部材を通過した)遊技球を、第2の入球口へ入球しやすくできる。
遊技機D3において、前記通路部材の第1開口が、前記第1の入球口よりも重力方向上方に位置し、前記通路部材の内部に前記第1の入球口が配設されることを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、通路部材の第1開口が、第1の入球口よりも重力方向上方に位置し、通路部材の内部に第1の入球口が配設されるので、通路部材の第1開口へ流入された遊技球の一部を第1の入球口へ入球させることができる。即ち、第1の入球口へ入球せずに流下する遊技球を通路部材へ確実に流入させることができる。その結果、第2の入球口へ入球する遊技者の期待を高めて、遊技の興趣の向上を図ることができる。
遊技機D1からD10のいずれかにおいて、前記通路部材を流下する遊技球を検出する検出手段と、前記スライド部材を駆動する駆動手段とを備え、前記検出手段により遊技球が検出された場合に前記スライド部材が前記駆動手段の駆動により前記遊技盤の正面側へ突出されることを特徴とする遊技機D11。
遊技機D11によれば、遊技機D1からD10の奏する効果に加え、通路部材を流下する遊技球を検出する検出手段と、スライド部材を駆動する駆動手段とを備え、検出手段により遊技球が検出された場合にスライド部材が駆動手段の駆動により遊技盤の正面側へ突出されるので、第2の入球口へ遊技球を入球しやすくできる。よって、第1の入球口に遊技球が入球しなかった場合でも、かかる遊技球の流下に注目させ、第2の入球口へ入球することに対する期待を遊技者に継続して持たせることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
なお、検出手段による遊技球の検出と、駆動手段による駆動(スライド部材の突出)とは、同時に行われても良く、或いは、検出の後、所定時間の経過後に、駆動を開始しても良い。但し、後者の場合は、スライド部材の突出位置に遊技球が到達する前に駆動(スライド部材の突出動作)が完了していることが好ましい。遊技球を第2の入球口へ導く(入球させやすくする)スライド部材の機能を確実に発揮させられるからである。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、前記スライド部材が、前記通路部材の前記第2開口に連なる底面を形成することを特徴とする遊技機D12。
遊技機D12によれば、遊技機D1からD4のいずれかの奏する効果に加え、スライド部材が、通路部材の第2開口に連なる底面(転動面)を形成するので、スライド部材が突出さていない(即ち、没入された)状態であっても、遊技球をスライド部材上に位置させることができ、その分、遊技球がスライド部材上に位置する時間を確保できる。よって、通路部材を通過した遊技球を、第2の入球口へ入球しやすくでき、第2の入球口へ入球することに対する期待をより強く遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
遊技機D12において、前記スライド部材の前記通路部材の底面を形成する上面には、前記上面に位置する遊技球を前記第2の入球口へ向けて案内する案内部が形成されることを特徴とする遊技機D13。
遊技機D13によれば、遊技機D12の奏する効果に加え、スライド部材の通路部材の底面を形成する上面には、その上面に位置する遊技球を第2の入球口へ向けて案内する案内部が形成されるので、通路部材を通過して没入状態にあるスライド部材の上面に遊技球が位置した状態から、かかるスライド部材を突出させる際には、案内部の作用により遊技球を第2の入球口へ向けて案内しつつ、突出させることができるので、遊技球を第2の入球口へ入球しやすくできる。
なお、案内部としては、スライド部材の突出方向先端へ向かうに従って第2の入球口に近接する方向へ延設されると共に上面に凸設または凹設される凸条や凹溝(又はこれらの組み合せ)が例示される。凸条や凹溝の断面形状は任意であり、矩形断面、多角形断面、円弧状断面(又はこれらを組み合わせた形状の断面)が例示される。
<入賞口ユニット600を一例とする発明の概念について>
第1の入球口と、その第1の入球口よりも遊技領域の下流側に配設される第2の入球口とを備えた遊技機において、前記第1の入球口に入球されず流下する遊技球の通路を形成する通路部材と、前記通路部材を第1の数の遊技球が通過する場合には、前記第1の数よりも少ない数である第2の数の遊技球が前記通路部材を通過する場合よりも、前記第2の入球口へ遊技球が入球しやすくする変更手段とを備えることを特徴とする遊技機E1。
ここで、第1の入球口と、第2の入球口とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2005−013496号公報)。この場合、第1の入球口に入球されなかった遊技球は、第2の入球口に入球されることはなく、アウト口から回収されるのみである。そのため、遊技者は、第1の入球口を狙って打ち出した遊技球が、第1の入球口に入球しなかった場合、かかる遊技球のその後の行方(流下する遊技球)に期待を持つことができない。そのため、遊技者に十分な興趣を与えることができないという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、第1の入球口に入球されず流下する遊技球の通路を形成する通路部材と、通路部材を第1の数の遊技球が通過する場合には、第1の数よりも少ない数である第2の数の遊技球が通路部材を通過する場合よりも、第2の入球口へ遊技球が入球しやすくする変更手段とを備えるので、第1の入球口に遊技球が入球しなかった場合でも、かかる遊技球の流下に注目させ、第2の入球口へ入球することに対する期待を遊技者に継続して持たせることができる。特に、通路部材を通過する遊技球の数によって第2の入球口への入球のしやすさが変更されるので、第1の入球口への入球に漏れた遊技球の数にも遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
なお、通路部材としては、例えば、遊技球が通過可能な閉じた通路として形成されるもの、遊技球の流下方向を規定する1又は複数の釘により形成されるもの、遊技球が転動可能な傾斜面(開放した通路)として形成されるものなどが例示される。
また、第1の数は、1以上の整数であり、第2の数は、2以上の整数であって、かつ、第1の数よりも大きい数である。例えば、第1の数が1である場合には、第2の数は、2以上の数であり、第1の数が2である場合には、第2の数は、3以上の数である。
遊技機E1において、前記第1の入球口への入球により遊技者に付与される利益よりも前記第2の入球口への入球により遊技者に付与される利益の方が高い利益とされることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E1において、第2の入球口への入球により遊技者に付与される利益よりも第1の入球口への入球により遊技者に付与される利益の方が高い利益とされることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、第1の入球口への入球により遊技者に付与される利益よりも第2の入球口への入球により遊技者に付与される利益の方が高い利益とされるので、第1の入球口に遊技球が入球しなかった場合でも、かかる遊技球が第2の入球口へ入球することに対する期待をより強く遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
一方、遊技機E3によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、第2の入球口への入球により遊技者に付与される利益よりも第1の入球口への入球により遊技者に付与される利益の方が高い利益とされるので、通常は、第1の入球口を狙って遊技球を打ち出すところ、かかる第1の入球口への入球に漏れた遊技球を、第2の入球口へ入球可能として、救済することができる。特に、通路部材を通過する遊技球の数が所定数よりも多い場合(第2の数よりも第1の数である場合)に、第2の入球口へ入球しやすくされるので、第1の入球口へ入球することに対する期待と、第1の入球口への入球に漏れる(即ち、第2の入球口へ入球しやすくなる)ことに対する期待との相反する期待を遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
なお、遊技者に付与される利益が高い形態としては、入球に伴い払い出される賞球が多い形態、開閉可能に形成されその開閉により第3の入球口への入球を許容・規制する可動翼片の開放時間が長くされる態様、前記可動翼片の開放回数が多くされる態様、前記可動翼片の開放範囲が大きくされる態様などが例示される。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記変更手段は、前記通路部材を通過する又は前記通路部材から流出する第1の遊技球の流下を規制する規制手段を備え、その規制手段は、前記第1の遊技球に対し第2の遊技球が後行する場合に、流下を規制された前記第1の遊技球に前記第2の遊技球を当接させて、前記第2の遊技球の流下方向を前記第2の入球口へ向かわせるように形成されることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、変更手段は、通路部材を通過する又は通路部材から流出する第1の遊技球の流下を規制する規制手段を備え、その規制手段は、第1の遊技球に対し第2の遊技球が後行する場合に、流下を規制された第1の遊技球に第2の遊技球を当接(衝突)させて、第2の遊技球の流下方向を第2の入球口へ向かわせるように形成されるので、遊技の興趣の向上を図ることができる。即ち、第1の遊技球のみが流下する場合よりも、第1の遊技球および第2の遊技球が流下する場合の方が第2の入球口に入球しやすくできる(通路部材を通過する遊技球の数によって第2の入球口への入球のしやすさを変更できる)ので、第1の入球口への入球に漏れた遊技球の数にも遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
遊技機E4において、前記規制手段は、前記通路部材の出口に対面する壁面に凹設される凹部として形成されることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、規制手段は、通路部材の出口に対面する壁面に凹設される凹部として形成されるので、通路部材の出口から流出した第1の遊技球を凹部に受け入れて、第1の遊技球の流下を一時的に規制することができる(即ち、後行する第2の遊技球が衝突できるように第1の遊技球を一時的に保持できる)一方で、第1の遊技球の流下の規制の解除は、第1の遊技球がその自重により凹部から脱落(流下)することで行うことができる。よって、規制手段の形状のみで第1の遊技球の流下の規制(保持)及び規制の解除を行うことができ、これらを切り替える(規制を解除する)ための動作機構を不要とできるので、構造を簡素化して、製品コストの削減を図ることができる。
また、遊技機E4によれば、通路部材の出口から流出した遊技球を第2の入球口へ案内する部材(例えば、第2の入球口へ向けて下降傾斜された転動面を備え、その転動面で遊技球を転動させることで、第2の入球口へ遊技球を入球させやすくする部材)が存在しない(案内する部材が、第2の入球口へ案内可能な位置と案内不能は位置との間で変位可能に形成され、案内不能な位置に変位された)状態であっても、凹部を利用して、第2の遊技球を第2の入球口へ入球させることができる。
遊技機E5において、前記通路部材の出口は、遊技球が転動する底面と、その底面の幅方向両側に対向して立設される側壁面とを備え、前記側辺面の対向間隔が遊技球の直径と略同等の寸法に設定されることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、通路部材の出口は、遊技球が転動する底面と、その底面の幅方向両側に対向して立設される側壁面とを備え、側壁面の対向間隔が遊技球の直径と略同等の寸法に設定されるので、通路部材の出口から流出される遊技球の軌跡を略一定としやすくでき、かかる遊技球を規制手段(凹部)に確実に受け入れさせることができる。
遊技機E5又はE6において、前記凹部は、前記第2の入球口から離間する方向へ向かうに従って凹設深さが深くされることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E5又はE6の奏する効果に加え、凹部は、第2の入球口から離間する方向へ向かうに従って凹設深さが深くされるので、その凹部へ受け入れた遊技球を凹設深さが深くされる方向(即ち、第2の入球口から離間する側)へ位置ずれさせて保持することができる。よって、凹部に保持された第1の遊技球へ第2の遊技球が当接(衝突)した際には、かかる第2の遊技球を第2の入球口へ向かわせて入球しやすくできる。
遊技機E5からE7のいずれかにおいて、出没可能に形成され突出されることで前記通路部材の出口と前記凹部との間であって重力方向下方となる位置に配設されるスライド部材を備え、前記スライド部材は、突出された状態では、遊技球を前記第2の入球口へ誘導可能に形成されることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E5からE7のいずれかにおいて、出没可能に形成され突出されることで通路部材の出口と凹部との間であって重力方向下方となる位置に配設されるスライド部材を備え、スライド部材は、突出された状態では、遊技球を第2の入球口へ誘導可能に形成されるので、凹部に保持された第1の遊技球を、突出されたスライド部材を利用して、第2の入球口へ入球させることができる。即ち、第1の遊技球が凹部から脱落(落下)されると、かかる第1の遊技球を、スライド部材により受け止め、スライド部材によって、第2の入球口へ誘導させることができる。その結果、第1の遊技球を第2の入球口へ入球させることができる。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記変更手段は、前記通路部材を通過する遊技球が転動される被転動手段と、その被転動手段に連動可能に連結されると共に第1位置と第2位置との間で変位可能に形成され前記通路部材を通過する遊技球の進路を変更させる進路変更手段とを備え、前記進路変更手段が前記第2位置に変位された状態での遊技球の進路が、前記第1位置に変位された状態での遊技球の進路よりも前記第2の入球口へ入球しやすい進路とされ、前記被転動手段を第1の数の遊技球が転動する場合には、前記進路変更手段が第2位置に変位されると共に、前記被転動手段を前記第1の数よりも少ない第2の数の遊技球が転動する場合には、前記進路変更手段が第1位置に変位されることを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、変更手段は、通路部材を通過する遊技球が転動される被転動手段と、その被転動手段に連動可能に連結されると共に第1位置と第2位置との間で変位可能に形成され通路部材を通過する遊技球の進路を変更させる進路変更手段とを備え、進路変更手段が第2位置に変位された状態での遊技球の進路が、第1位置に変位された状態での遊技球の進路よりも第2の入球口へ入球しやすい進路とされ、被転動手段を第1の数の遊技球が転動する場合には、進路変更手段が第2位置に変位されると共に、被転動手段を第1の数よりも少ない第2の数の遊技球が転動する場合には、進路変更手段が第1位置に変位されるので、遊技の興趣の向上を図ることができる。
即ち、第2の数の遊技球が流下する場合よりも、その第2の数よりも多い数である第1の数の遊技球が流下する場合の方が第2の入球口に入球しやすくできる(通路部材を通過する遊技球の数によって第2の入球口への入球のしやすさを変更できる)ので、第1の入球口への入球に漏れた遊技球の数にも遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
遊技機E9において、前記進路変更手段が前記被転動手段よりも下流側に配設されることを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E9の奏する効果に加え、進路変更手段が被転動手段よりも下流側に配設されるので、所定の遊技球の行方(進路)を、その所定の遊技球に後行する遊技球の数および連なり具合と関係付けることができ、その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。即ち、後行する遊技球が連なっている場合には、被転動手段を転動する遊技球の数が第1の数を維持している間は、進路変更手段を第2位置に維持して、進路変更手段に到達した各遊技球を第2の入球口へ入球しやすくできる一方、後行する遊技球の連なりが分断され、被転動手段を転動する遊技球の数が第2の数以下となった場合には、進路変更手段を第1位置に変位させて、進路変更手段に到達した各遊技球を上述した場合(進路変更手段が第2位置に変位された場合)よりも第2の入球口へ入球し難くできる。よって、後行する遊技球の数およびその連なり具合にも遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記変更手段は、回転可能に形成される回転部材と、その回転部材の外面側に配設され遊技球を前記回転部材の外面に垂下状態で吸着させる磁石と、その磁石によって前記回転部材の外面に吸着された遊技球の前記回転部材の回転に伴う軌跡上に位置することで前記遊技球に当接して前記回転部材から遊技球を脱落させる当接手段とを備え、前記当接手段は、前記回転部材の外面に吸着される遊技球よりも重力方向下方に位置すると共に、前記回転部材の外面に吸着されて送球される遊技球よりも、前記当接手段の当接により前記回転部材から脱落された遊技球の方が、前記第2の入球口へ遊技球が入球しやすくされることを特徴とする遊技機E11。
遊技機E11によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、変更手段は、回転可能に形成される回転部材と、その回転部材の外面側に配設され遊技球を回転部材の外面に垂下状態で吸着させる磁石と、その磁石によって回転部材の外面に吸着された遊技球の回転部材の回転に伴う軌跡上に位置することで遊技球に当接して回転部材から遊技球を脱落させる当接手段とを備え、当接手段は、回転部材の外面に吸着される遊技球よりも重力方向下方に位置すると共に、回転部材の外面に吸着されて送球される遊技球よりも、当接手段の当接により回転部材から脱落された遊技球の方が、第2の入球口へ遊技球が入球しやすくされるので、遊技の興趣の向上を図ることができる。即ち、回転部材の外面に1の遊技球のみが吸着される場合よりも、回転部材の外面に吸着される遊技球に、1又は2以上の遊技球が更に吸着されている場合の方が、第2の入球口に入球しやすくできる(通路部材を通過する遊技球の数によって第2の入球口への入球のしやすさを変更できる)ので、第1の入球口への入球に漏れた遊技球の数にも遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
特に、遊技機E11によれば、複数の遊技球が回転部材へ向けて転動される場合であっても、遊技球が連なっている場合には、回転部材に先行する遊技球を吸着させると共にその先行する遊技球に後行する遊技球を吸着させやすく、少なくとも後行する遊技球を第2の入球口へ入球させやすくできる一方、遊技球どうしが所定の間隔を隔てている場合には、回転部材に先行する遊技球を吸着させられるが、その先行する遊技球に後行する遊技球を吸着させられず、後行の遊技球も回転部材に吸着されることとなる。即ち、先行および後行の両者ともに第2の入球口へは入球され難くされる。よって、遊技球の数だけでなく、それらの連なり具合にも遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、遊技機E11によれば、回転部材の外面に垂下状態で遊技球を吸着させ、その垂下状態のままで遊技球を回転部材の回転に伴って送球するので、吸着までの転動速度や転動方向、吸着位置などのばらつきを要因として、ぶらぶらと揺動する不安定な状態として、回転部材から遊技球が脱落する形態も形成できる。即ち、1の遊技球のみが回転部材に吸着されている場合(当接手段に当接されない場合)であっても、かかる遊技球が脱落され、第2の入球口へ入球させやすくなるという演出を行うことができる。
遊技機E11において、前記当接手段は、先細平板状に形成され、前記回転部材の外面に吸着される第1の遊技球と、その第1の遊技球に吸着される第2の遊技球との間の吸着位置に先端が挿入される高さ位置に略水平な姿勢で配設されることを特徴とする遊技機E12。
遊技機E12によれば、遊技機E11の奏する効果に加え、当接手段は、先細平板状に形成され、回転部材の外面に吸着される第1の遊技球と、その第1の遊技球に吸着される第2の遊技球との間の吸着位置に先端が挿入される高さ位置に略水平な姿勢で配設されるので、回転部材の外面に第1の遊技球が吸着されると共にその第1の遊技球に第2の遊技球が吸着されている場合には、第1の遊技球および第2の遊技球の吸着をスムーズに解除して、第2の遊技球のみを脱落させやすくできると共に、回転部材の外面に第1の遊技球のみが吸着されている場合には、かかる第1の遊技球へ当接手段が作用することを抑制して、第1の遊技球の吸着を維持しやすくできる。よって、1の遊技球のみが回転部材に吸着され垂下されている場合と、2以上の遊技球が回転部材に吸着され連なって垂下されている場合とでの第2の入球口への入球のしやすさの差をより明確とできる。これにより、遊技球の数やそれらの連なり具合を遊技者に更に着目させることができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
<可変ユニット360を一例とする発明の概念について>
回転軸を水平方向へ向けた姿勢で回転可能に形成される略円柱状の回転部材と、その回転部材に配設され前記回転部材の外周面に遊技球を吸着させる磁石とを備え、前記外周面に遊技球が吸着された状態で前記回転部材が回転されることで、前記吸着された遊技球を前記回転部材の回転方向へ向けて送球する遊技機において、前記回転部材の磁石に第1の遊技球が吸着されると共に前記第1の遊技球に第2の遊技球が磁着された場合に、前記回転部材の磁石と前記第1の遊技球との吸着を解除しやすくする解除手段を備えることを特徴とする遊技機F1。
ここで、回転軸を水平方向へ向けた姿勢で回転可能に形成される略円柱状の回転部材と、その回転部材に配設され回転部材の外周面に遊技球を吸着させる磁石とを備え、外周面に遊技球が吸着された状態で回転部材が回転されることで、かかる遊技球を回転部材の回転方向へ向けて送球する遊技機が知られている(例えば、特開2012−231890号公報)。この場合、回転部材へ向けて2球の遊技球が連なって転動されると、先行する遊技球(第1の遊技球)が回転部材の外周面に吸着されると共に、その先行する遊技球(第1の遊技球)に後行する遊技球(第2の遊技球)が吸着されると、これら先行する遊技球および後行する遊技球の両者が回転部材の回転方向へ送球される。しかしながら、このような遊技機では、遊技者に遊技の興趣を十分に付与できないという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、回転部材の磁石に第1の遊技球が吸着されると共に第1の遊技球に第2の遊技球が磁着された場合に、回転部材の磁石と第1の遊技球との吸着を解除しやすくする解除手段を備えるので、これら第1の遊技球および第2の遊技球の両者が回転部材の回転方向へ送球されることを抑制できる。
即ち、第1の遊技球のみが回転部材へ向けて転動され、回転部材の外周面(磁石)に吸着された場合には、かかる第1の遊技球を回転部材の回転方向へ送球できる一方、第1の遊技球に加え、第2の遊技球も回転部材へ向けて転動され、第1の遊技球が回転部材の外周面(磁石)に吸着されると共に第1の遊技球に第2の遊技球が吸着された場合には、これら第1の遊技球および第2の遊技球の両者を回転部材の回転方向へ送球できないようにできるので、第1の遊技球が回転部材へ向けて転動する際に、その第1の遊技球の後方に他の遊技球(即ち、第2の遊技球)が転動してきていないかを遊技者に懸念させる(ドキドキさせる)ことができる。その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
遊技機F1において、前記回転部材の外周面に吸着されて前記回転部材の回転方向へ送球された遊技球が入球する第1の入球口と、前記回転部材の外周面に吸着されなかった遊技球が入球する第2の入球口とを備え、少なくとも第1の入球口に遊技球が入球すると遊技者に利益が付与される、又は、前記第1の入球口への入球により遊技者に付与される利益が前記第2の入球口への入球により遊技者に付与される利益よりも高い利益とされることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、回転部材の外周面に吸着されて回転部材の回転方向へ送球された遊技球が入球する第1の入球口と、回転部材の外周面に吸着されなかった遊技球が入球する第2の入球口とを備え、少なくとも第1の入球口に遊技球が入球すると遊技者に利益が付与される、又は、第1の入球口への入球により遊技者に付与される利益が第2の入球口への入球により遊技者に付与される利益よりも高い利益とされるので、遊技の興趣の向上を図ることができる。
即ち、遊技者は、第1の入球口への入球により利益を得る、又は、第2の入球口への入球の場合よりも高い利益を得ることを期待して、遊技球が回転部材の外周面に吸着して回転部材の回転方向へ送球されることを望み、また、利益が付与される機会をより多く得ることを期待して、より多くの遊技球が回転部材の外周面に吸着して回転部材の回転方向へ送球されることを望む。これに対し、第1の遊技球のみが回転部材の外周面に吸着された場合には、かかる第1の遊技球を回転部材の回転方向(第1の入球口)へ送球できる一方で、回転部材の外周面に吸着された第1の遊技球に第2の遊技球が吸着された場合には、第2の遊技球だけでなく、第1の遊技球も、回転部材の回転方向へ送球されず、両者から第1の入球口への入球の機会が失われることとなる。そのため、第1の遊技球が回転部材へ向けて転動する際に、その第1の遊技球の後方に他の遊技球(即ち、第2の遊技球)が転動してきていないかを遊技者に懸念させやすく(ドキドキさせやすく)でき、その結果、遊技の興趣の向上を図ることができる。
なお、遊技者に付与される利益が高い形態としては、入球に伴い払い出される賞球が多い形態、開閉可能に形成されその開閉により第3の入球口への入球を許容・規制する可動翼片の開放時間が長くされる態様、前記可動翼片の開放回数が多くされる態様、前記可動翼片の開放範囲が大きくされる態様などが例示される。
遊技機F1又はF2において、前記解除手段は、前記回転部材に変位可能に配設される変位部材を備え、前記変位部材は、前記第1の遊技球に吸着された前記第2の遊技球に当接されることで変位されると共にその変位により前記第1の遊技球と前記磁石との間の距離を拡大させることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、解除手段は、回転部材に変位可能に配設される変位部材を備え、変位部材は、第1の遊技球に吸着された第2の遊技球に当接されることで変位されると共にその変位により第1の遊技球と磁石との間の距離を拡大させるので、第1の遊技球に第2の遊技球が吸着されている場合には、かかる第2の遊技球の重さを利用して、磁石と第1の遊技球との吸着を解除する一方、第1の遊技球に第2の遊技球が吸着されていない場合には、磁石と第1の遊技球との吸着が解除されないようにすることができる。また、このような切り替えを、第2の遊技球の重さを利用して行うので、変位部材を変位させるための駆動源を設けることを不要とでき、その分、製品コストの削減を図ることができる。
なお、変位部材の変位により第1の遊技球と磁石との間の距離を拡大させる形態としては、第1の遊技球のみが変位される形態、磁石のみが変位される形態、第1の遊技球および磁石の両者が変位される形態のいずれであっても良い。
遊技機F1又はF2において、前記解除手段は、前記回転部材の外周面に凹設され、前記第1の遊技球に吸着された前記第2の遊技球を受け入れる凹部として形成されることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、解除手段は、回転部材の外周面に凹設され、第1の遊技球に吸着された第2の遊技球を受け入れる凹部として形成されるので、第1の遊技球の重力方向下方側に第2の遊技球を近づけることができ、その分、第1の遊技球に作用する第2の遊技球の重さのうちの重力方向成分を増加させやすくできる。よって、第1の遊技球と磁石との吸着を解除しやすくできる。
即ち、第1の遊技球に第2の遊技球が吸着されている場合には、かかる第2の遊技球の重さを利用して、磁石と第1の遊技球との吸着を解除する一方、第1の遊技球に第2の遊技球が吸着されていない場合には、磁石と第1の遊技球との吸着が解除されないようにすることができる。また、このような切り替えを、第2の遊技球の重さを利用する手段として、回転部材の外周面に凹設された凹部のみで足りるので、変位部材や駆動源を設けることを不要とでき、その分、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機A1からA11,B1からB8,C1からC7,D1からD13,E1から12及びF1からF4のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機K1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA11,B1からB8,C1からC7,D1からD13,E1から12及びF1からF4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機K2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA11,B1からB8,C1からC7,D1からD13,E1から12及びF1からF4のいずれかにおいて前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機K3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。