以下、遊技機としてのパチンコ機の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図3等に示すように、パチンコ機10は、その外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a~11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。
加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1,2に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
下皿15の左方には、演出ボタン125が設けられている。遊技者が演出ボタン125を押圧操作することで、後述する演出表示装置42等において所定の演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単に「ハンドル」という。)18が設けられている。ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段(可変抵抗器)などが設けられている。
そして、ハンドル18が右回りに回動操作されると、回動操作量に応じた強さで、後述する発射手段としての発射装置60によって遊技球が発射される。また、ハンドル18には、ハンドル18を握った右手の親指で押圧操作可能な発射禁止ボタン18aが設けられている。該発射禁止ボタン18aを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつハンドル18の回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射装置60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122が設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯・点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
また、図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。
次に、内枠12について図4等を参照して詳しく説明する。内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。
尚、本実施形態では、上記満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。一方、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、上記満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)発射装置60の打出しが許容される。
また、発射装置60の上方には、球送り装置63が設けられている。球送り装置63は、ソレノイド等の駆動手段により、上皿19から案内される遊技球を1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する。
尚、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。
さらに、払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。
一方、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。そして、前面枠セット14の閉状態においては、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口部(球流入部)と払出通路67とが所定距離だけ離間した状態で隣接し、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。これにより、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技領域となる遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤30の構成について図4を参照して詳しく説明する。遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。レール50を球通路としてもよい。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が規制手段としての戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
また、内枠12に設けられた発射レール61とレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。戻り球防止部材53が配置された領域を特定領域としてもよい。仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、遊技盤30には、一般入賞部31、可変入賞装置32、始動入球手段としての始動入賞部33(具体的には、第1始動入賞部33a及び第2始動入賞部33b)、スルーゲート34、可変入球手段としての中央入賞ユニット37等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から取付けられている。
さらに、遊技盤30には、一般入賞部31等の各種入球手段に対応して、該各種入球手段へ入球した遊技球を検知する入球検知スイッチ(入球検知手段)が設けられている。
具体的には、図4に示すように、一般入賞部31に対応する位置には一般入賞スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32に対応する位置にはカウントスイッチ223が設けられ、第1始動入賞部33aに対応する位置には第1始動入賞スイッチ224aが設けられ、第2始動入賞部33bに対応する位置には第2始動入賞スイッチ224bが設けられ、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
周知の通り一般入賞部31、可変入賞装置32、始動入賞部33等の各種入賞手段に遊技球が入球(入賞)すると、各種検知スイッチにより検知され、上皿19又は下皿15へ所定数の賞球(遊技球)が払い出される。例えば始動入賞部33へ入球があった場合には3個、一般入賞部31へ入球があった場合には5個、可変入賞装置32へ入球があった場合には10個の賞球が払い出される。
その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞部31等の各種入賞手段に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、中央入賞ユニット37の構成について図4、及び、図40~図45等を参照して詳しく説明する。
中央入賞ユニット37は、遊技領域(遊技盤30)の略中央部に配設されている。中央入賞ユニット37は、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な内部領域401を形成するハウジング(センターフレーム)400と、該ハウジング400の前面側開口部に取付けられた前面パネル402とを備えている。前面パネル402は透明部材により構成されており、該前面パネル402を介して内部領域401が視認可能となっている。
ハウジング400の上部には、遊技領域を流下する遊技球が内部領域401へ入球する入口部となる左右一対の入球開口部403が形成されている。また、中央入賞ユニット37には、入球開口部403を開閉するための左右一対の羽根部材404と、該羽根部材404を動作させるための羽根用ソレノイド405(図7参照)とが設けられている。「羽根部材404」が本実施形態における「開閉部材」を構成する。
各羽根部材404は、それぞれ対応する入球開口部403を閉鎖する閉位置と、開放する開位置との間を回動変位可能に設けられている。羽根部材404が閉位置に変位して、入球開口部403が閉鎖された場合には、中央入賞ユニット37が閉状態となり、遊技球が内部領域401へ進入不能(入球不能)となる。一方、羽根部材404が開位置へと変位して、入球開口部403が開放された場合には、中央入賞ユニット37が開状態となり、遊技球が内部領域401へ進入可能(入球可能)となる。
尚、詳しくは後述するが、羽根部材404は、始動入賞部33(第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33b)へ入球があり、かつ、該入球に基づく当否抽選にて小当たり当選した場合に、所定時間だけ開状態となる。また、本実施形態では、左右一対の羽根部材404は互いに同期して動作するように構成されており、一方が開位置となる場合には他方も開位置となり、一方が閉位置となる場合には他方も閉位置となる。
一方、内部領域401は、入球開口部403から入球した遊技球が最初に案内されるルート振分けエリア406と、その下方位置に設けられた当否抽選エリア407と、さらにその下方位置に設けられた種別抽選領域としての種別抽選エリア408と、当否抽選エリア407の右方位置に設けられた役物作動抽選エリア409とに分かれている。
まずルート振分けエリア406について図40~図42等を参照して詳しく説明する。ルート振分けエリア406には、入球開口部403から内部領域401内に入球した遊技球を一旦ハウジング400の上部後壁部400a裏側へと案内しつつ該ルート振分けエリア406の左右方向中央部へ案内する導入通路601と、該ルート振分けエリア406の左右方向中央部に開口した導入通路601の出口部601aから導出される遊技球を下方へ落下させる落下通路602と、該落下通路602の下部に設けられたルート振分け手段としてのルート振分け部材603と、該ルート振分け部材603の左方位置に設けられ、遊技球を上記当否抽選エリア407へ案内可能な通常案内通路604と、ルート振分け部材603の右方位置に設けられ、遊技球を上記役物作動抽選エリア409へ案内可能な特別案内通路(スペシャル通路)605とを備えている。
本実施形態では、上記通常案内通路604等により「第1ルート」が構成され、特別案内通路605等により「第2ルート」が構成される。
導入通路601の左右一対の入口部601bには、それぞれ入球開口部403から入球した遊技球の通過を検知する所定検知手段としての内部入球検知スイッチ437が設けられている。
本実施形態では、左側の入球開口部403に入球した遊技球は必ず左側の入口部601bを通過し、右側の入球開口部403に入球した遊技球は必ず右側の入口部601bを通過する構成となっており、内部領域401に入球した遊技球は左右いずれかの内部入球検知スイッチ437によって必ず検知されるようになっている。
また、本実施形態では、内部入球検知スイッチ437によって遊技球が検知された場合には所定個数(例えば10個)の賞球が払い出される。
図42に示すように、ルート振分け部材603は、前後方向に延びる軸孔611aを有した筒状の軸部611と、該軸部611から上方に向けて突出する中央片部613と、軸部611から左方に向けて突出する左片部614と、該軸部611から右方に向けて突出する右片部615とを備えている。
軸部611の軸孔611aには軸ピン610が挿通されている。軸ピン610は、落下通路602の背面側を画定する上部後壁部400aにその後端部が支持され、落下通路602の前面側を画定する前面パネル402(軸受孔402a)にその前端部が支持されている。これにより、ルート振分け部材603は、軸ピン610を中心として回動可能に軸支された状態となっている。
また、ルート振分け部材603の下方位置には、正面視略三角形状の突起部617が形成されている。そして、通常時には、図41(a)に示すように、ルート振分け部材603は、図示しない錘やコイルばね等の付勢手段(維持手段)により、中央片部613が左右方向中央位置(軸ピン610の位置)よりも右側に傾き、かつ、右片部615が水平方向よりも下方へ傾き、突起部617の右傾斜面に付勢された右傾斜状態で維持されている。
かかる右傾斜状態においては、中央片部613の先端部613aが落下通路602の右側壁部602aに当接又は近接した状態となり、落下通路602を落下してくる遊技球が右側の特別案内通路605へ流下不能な状態となると共に、左側の通常案内通路604へ流下可能な状態となる。
つまり、ルート振分け部材603が右傾斜状態にある通常時においては、ルート振分け部材603によって特別案内通路605が閉状態となる一方、通常案内通路604が開状態となり、落下通路602を落下してくる遊技球が、ルート振分け部材603の中央片部613の左側面及び左片部614の上面により構成される左側案内面に沿って、左側の通常案内通路604へ導かれることとなる。
これに伴い、ルート振分け部材603は、左片部614に接触する遊技球から受ける力によって、上記付勢手段の付勢力に抗して反時計回り方向に回動する〔図41(b)参照〕。
これにより、所定時間、ルート振分け部材603は、中央片部613が左右方向中央位置(軸ピン610の位置)よりも左側に傾き、かつ、左片部614が水平方向よりも下方へ傾き、突起部617の左傾斜面に付勢された左傾斜状態となる。
かかる左傾斜状態においては、中央片部613の先端部613aが落下通路602の左側壁部602bに当接又は近接した状態となり、落下通路602を落下してくる遊技球が左側の通常案内通路604へ流下不能な状態となると共に、右側の特別案内通路605へ流下可能な状態となる。
つまり、ルート振分け部材603が左傾斜状態にある所定時間の間は、ルート振分け部材603によって通常案内通路604が閉状態となる一方、特別案内通路605が開状態となる。これにより、このタイミングで落下通路602を落下してくる遊技球(例えば図41に示すように、通常案内通路604へ案内される第1の遊技球B1に連続して落下してきている第2の遊技球B2)があれば、該遊技球がルート振分け部材603の中央片部613の右側面及び右片部615の上面により構成される右側案内面に沿って、右側の特別案内通路605へ導かれることとなる。
一旦、左傾斜状態となったルート振分け部材603は、上記付勢手段の付勢力により(右側の特別案内通路605へ遊技球が案内された場合には、右片部615に接触する遊技球から受ける力も加わり)時計回り方向に回動し、通常時の右傾斜状態に戻る〔図41(c)参照〕。
本実施形態では、ルート振分け部材603が第1姿勢である右傾斜姿勢にある状態が第1状態に相当し、ルート振分け部材603が第2姿勢である左傾斜姿勢にある状態が第2状態に相当する。また、本実施形態では、前記第1状態や前記第2状態など、ルート振分け部材603が通常案内通路604等よりなる第1ルートや、特別案内通路605等よりなる第2ルートなどへ遊技球を流下可能な状態が特定状態を構成する。勿論、特定状態は、これらに限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
次に役物作動抽選エリア409の構成について詳しく説明する。図40に示すように、役物作動抽選エリア409には、特別案内通路605によって導かれる遊技球が入球(通過)可能なスペシャルゲート650が設けられている。特別案内通路605及びスペシャルゲート650の通路幅は、遊技球が1球ずつ通過可能な幅に設定されている。また、スペシャルゲート650を通過した遊技球は、図示しない排出通路を介して内部領域401外(遊技盤30背面側)へ排出される。「スペシャルゲート650」が本実施形態における「契機入球手段」を構成する。
スペシャルゲート650には、ここを通過する遊技球を検知するスペシャルゲートスイッチ651が設けられている。「スペシャルゲートスイッチ651」が本実施形態における「契機入球検知手段」を構成する。
このスペシャルゲートスイッチ651にて遊技球が検知された場合には、後述する可動役物722を作動させるか否かを決める作動アシスト抽選が行われる。そして、作動アシスト抽選にて当選した場合には、可動役物722が所定時間だけ作動する。可動役物722の構成及び動作態様についての詳細は後述する。
尚、本実施形態では、スペシャルゲートスイッチ651によって遊技球が検知されても、賞球が払い出されない構成(賞球数0個)となっている。これに限らず、スペシャルゲートスイッチ651によって遊技球が検知された場合に、所定個数の賞球が払出される構成としてもよい。
次に当否抽選エリア407の構成について詳しく説明する。当否抽選エリア407には、当否振分け手段としての回転体ユニット410が設けられている。回転体ユニット410は、ルート振分けエリア406から通常案内通路604を介して導かれる遊技球の行き先を、種別抽選エリア408又は内部領域401外のいずれかに振分ける機能を有する。尚、通常案内通路604の通路幅は、遊技球が1球ずつ通過可能な幅に設定されている。
図43,図44に示すように、回転体ユニット410は、ベース部となるユニットベース411と、該ユニットベース411に対し、その上面側を覆うように取付けられるユニットカバー412とを備えている。
ユニットベース411には、その上面側に突出形成された設置台413上に略円盤状の回転体414が取付けられると共に、該回転体414を回転駆動させるための回転体モータ415が取付けられている。一方、ユニットベース411の下面側には、回転体モータ415の駆動力を回転体414に伝達するための歯車機構(図示略)などが設けられている。
回転体414は、その上面部が前面側斜め上方を向くように、回転軸が鉛直方向に対し傾斜するように設置されている。回転体モータ415はステッピングモータにより構成され、主制御装置261から出力されるパルス信号により駆動制御される。かかる構成の下、回転体414は、常時一定方向(本実施形態では反時計回り方向)に一定周期で回転するよう構成されている。
回転体414には、その外周縁部3箇所に、それぞれ遊技球を1球ずつ受入れ可能なポケット部416が形成されている。該3個のポケット部416は、1つの特別ポケット部416aと、その他(2つ)の非特別ポケット部416bとに区別される。
非特別ポケット部416bは、回転体414の外周側及び上方に開口するとともに底壁部417を有している。かかる底壁部417の上面は回転体414の外周側に向けて下方傾斜している。
一方、特別ポケット部416aは回転体414の外周側、上方及び下方に開口しており、前記非特別ポケット部416bのような底壁部417は存在しない。加えて、特別ポケット部416aの周辺部は、その他の部位とは異なる着色の施された樹脂材料で構成されている。これにより、遊技者が特別ポケット部416aと非特別ポケット部416bと区別し易くなっている。
ユニットカバー412は、回転体414を囲むように配置される略円筒状の筒壁部431と、該筒壁部431の周囲から外周側に延出するように形成されたステージ部432とを備えている。
筒壁部431の上縁部は、ステージ部432の上面から上方に突出しており、その前側には、筒壁部431の内周側と外周側とを連通させるゲート部435が設けられている。
また、ステージ部432の上面は、遊技球が転動可能に構成されている。ステージ部432は、ゲート部435よりも後方に位置する部位が前方かつ筒壁部431側に向けて下方傾斜し、ゲート部435の前方に位置する部位が後方(ゲート部435側)に向けて下方傾斜している。
これにより、当否抽選エリア407の背面側を画定するハウジング400の中部後壁部400bに開口した通常案内通路604の出口部604aから導出され、ステージ部432の後側に案内された遊技球は、回転体414側への動きを筒壁部431によって規制されつつ、ステージ部432上を時計回り又は反時計回りに手前側へ転動し、ゲート部435の前方で複数回左右に揺動する等してから、該ゲート部435と、回転体414のポケット部416(特別ポケット部416a又は非特別ポケット部416b)との相対位置が合致したときに、該ポケット部416内に進入することとなる。
さらに、ユニットベース411には、回転体414の特別ポケット部416aに収容された遊技球を種別抽選エリア408へ案内するための第1V入賞通路427と、非特別ポケット部416bに収容された遊技球を内部領域401外へ排出するためのアウト通路428とが設けられている。
第1V入賞通路427は、回転体414の回転方向(反時計回り方向)に対しゲート部435よりもやや下流側、すなわちゲート部435の右方位置に形成されている。一方、アウト通路428は、第1V入賞通路427よりもさらに下流側、すなわち第1V入賞通路427の右奥方位置に形成されている。
また、第1V入賞通路427の入口側は、設置台413の上面に開口しており、その上方を回転体414のポケット部416が通過可能に構成されている。そして、ゲート部435を介して回転体414の特別ポケット部416aに入球した遊技球は、回転体414の回転に伴って、該特別ポケット部416aと第1V入賞通路427の入口部との位置が合致した際に、特別ポケット部416aから下方に落下して第1V入賞通路427へ入球する。尚、第1V入賞通路427に対応する位置においては、ステージ部432の裏面より下方に突出した筒壁部431により、回転体414の側面側からの遊技球の脱落が規制されている。
一方、ゲート部435を介して遊技球が回転体414の非特別ポケット部416bに入球した場合、回転体414の回転に伴って、該非特別ポケット部416bと第1V入賞通路427の入口部との位置が合致したとしても、非特別ポケット部416bに設けられた底壁部417によって、非特別ポケット部416bに収容されている遊技球が第1V入賞通路427に落下(入球)しないようになっている。
また、アウト通路428に対応する位置においては、筒壁部431の下縁部に切欠き部431aが形成されている。これにより、回転体414がさらに回転して、遊技球が収容された非特別ポケット部416bとアウト通路428との位置が合致すると、非特別ポケット部416bに収容されていた遊技球は、底壁部417の傾斜によって、回転体414の外周側へ移動し、筒壁部431の切欠き部431aを介してアウト通路428に落下(入球)することとなる。
尚、ハウジング400には、第1V入賞通路427の出口部に接続される接続通路429が形成されており、該接続通路429により第1V入賞通路427と種別抽選エリア408とが連通状態となる。
また、第1V入賞通路427には、ここを通過する遊技球を検知する特別入球検知手段としての第1特別入球検知スイッチ461が設けられている。そして、第1V入賞通路427に遊技球が入球し、該遊技球が第1特別入球検知スイッチ461に検知されることによって、大当たり状態(特別遊技状態)を発生させる権利が付与されることとなる。従って、「第1V入賞通路427」が本実施形態における「特別入球手段」を構成する。
第1V入賞通路427に遊技球が入球して発生する大当たりにおいては、可変入賞装置32の大入賞口開閉部材32aが閉状態から開状態へ切換えられた後、規定時間の30秒が経過すること又は可変入賞装置32に規定個数の8個の遊技球が入賞することを条件に閉状態となるまでの一開閉動作を1回の特賞状態として、これが所定回数(所定ラウンド)繰り返し行われる。
本実施形態では、大当たり状態の種別として、上記特賞状態(ラウンド)が3回繰り返される「3ラウンド大当たり」と、上記特賞状態(ラウンド)が7回繰り返される「7ラウンド大当たり」と、上記特賞状態(ラウンド)が15回繰り返される「15ラウンド大当たり」とが設定されている。
但し、詳しくは後述するが、本実施形態では、第1特別入球検知スイッチ461による入球検知が行われた場合に、即座に大当たり状態が開始されるのではなく、種別抽選エリア408で大当たり状態の種別が決定された後、大当たり状態が開始されるように構成されている。
上記のとおり、本実施形態では、回転体414の特別ポケット部416aに入球し、第1V入賞通路427を通過することで第1特別入球検知スイッチ461に検知された遊技球が、種別抽選エリア408に案内されることとなる。
一方、アウト通路428には、ここを通過し内部領域401外に排出される遊技球を検知する非特別入球検知スイッチ462が設けられている。
また、筒壁部431の上縁部のうち、第1V入賞通路427及びアウト通路428の入口部上方を含む周方向所定区間には、筒壁部431の内周側に向け延出するように形成された張出し部440が設けられている。
張出し部440は、その下方に位置する各ポケット部416の一部(回転体414の径方向半分程度の領域)を上方から覆うように構成されている。これにより、所定のポケット部416に入球した遊技球の上側に、さらに別の遊技球が乗り上げ、そのまま上下に重なった2つの遊技球が第1V入賞通路427或いはアウト通路428に対して連続で入球する、又は、何かしらの事情で遊技球が筒壁部431を飛び越えて、第1V入賞通路427及びアウト通路428と合致した位置にあるポケット部416に直接入球するといった事態を回避することができる。
また、図43~図45に示すように、回転体ユニット410の後部には、バイパス機構部721が設けられている。バイパス機構部721は、ステージ部432の最上流部に開口形成された開口収容部433に組付けられた可動体(可動部材)としての可動役物722と、該可動役物722を動作させる可動部材駆動手段としての可動役物用ソレノイド725とを備えている。可動役物用ソレノイド725は、可動体制御手段を構成する主制御装置261により駆動制御される。
可動役物722は、上下方向にスライド(昇降)変位可能に組付けられている。そして、可動役物用ソレノイド725が非励磁状態となっている通常時において、可動役物722は、ほぼ全体が開口収容部433内に収容され、その上面がステージ部432の上面と略連続した状態となっている〔図44(a)、図45(a)参照〕。かかる可動役物722の収容状態が本実施形態における非有利状態に相当する。
一方、可動役物用ソレノイド725が励磁され、バイパス機構部721が作動状態となると、可動役物722は上昇し、その一部がステージ部432の上面より上方へ突出した突出状態となる〔図44(b),図45(b)参照〕。かかる可動役物722の動作が本実施形態における所定動作に相当し、可動役物722の作動状態が本実施形態における有利状態に相当する。
可動役物722の上面には、その左右方向略中央部から左方に向けて緩やかに下方傾斜する左傾斜部727と、その左右方向略中央部から右方に向けて緩やかに下方傾斜する右傾斜部728とが形成されている。
そして、可動役物722のほぼ全体が開口収容部433内に収容された通常時においては、可動役物722の上方位置においてハウジング400の中部後壁部400bに開口した通常案内通路604の出口部604aから導出された遊技球が、可動役物722上面の左傾斜部727又は右傾斜部728によって、ステージ部432の左方又は右方へ案内されることとなる。
また、図45(a),(b)に示すように、可動役物722の内部には、第2V入賞通路730が設けられている。第2V入賞通路730の通路幅は、遊技球を1球ずつ通過可能な幅に設定されている。
そして、可動役物722がステージ部432より突出した突出状態となると、該可動役物722が通常案内通路604の出口部604aの前方を塞ぎ、第2V入賞通路730の入口部730aと通常案内通路604の出口部604aとが相対向した状態となる〔図44(b),図45(b)参照〕。これにより、通常案内通路604から第2V入賞通路730へ遊技球が進入可能となり、両通路604,730は連通状態となる。
また、可動役物722がステージ部432より突出した突出状態において、第2V入賞通路730の出口部730bは、ハウジング400の中部後壁部400b裏側に形成されたバイパス通路737の入口部737aと相対向した状態となる。これにより、第2V入賞通路730からバイパス通路737へ遊技球が進入可能となり、両通路730,737は連通状態となる。
つまり、可動役物722がステージ部432より突出した突出状態となると、第2V入賞通路730を介して、通常案内通路604とバイパス通路737は、遊技球が通過可能な連通状態となる。
バイパス通路737の通路幅は、遊技球を1球ずつ通過可能な幅に設定されている。また、バイパス通路737の出口部737bは、15R入球口731の上方位置において、種別抽選エリア408の背面側を画定するハウジング400の下部後壁部400cに開口している。これにより、可動役物722がステージ部432より突出した突出状態においては、上記回転体ユニット410並びに後述する種別振分け機構部741を介することなく、通常案内通路604へ導かれる遊技球を直接、15R入球口731へ案内することができるようになる。つまり、可動役物722が作動することにより、回転体ユニット410並びに種別振分け機構部741による振分けを回避することができる。
バイパス通路737には、ここを通過する遊技球を検知する特別入球検知手段としての第2特別入球検知スイッチ738が設けられている。そして、バイパス通路737に遊技球が入球し、該遊技球が第2特別入球検知スイッチ738に検知されることによって、大当たり状態(特別遊技状態)を発生させる権利が付与されることとなる。
但し、詳しくは後述するが、本実施形態では、第2特別入球検知スイッチ738による入球検知が行われた場合に、即座に大当たり状態が開始されるのではなく、遊技球が15R入球口731に入球した後、大当たり状態が開始されるように構成されている。
また、第2V入賞通路730内に遊技球が残存している状態において、可動役物722が降下し収容状態に戻った場合には、該残存球は下部通路739を介してバイパス通路737へ案内され、上記第2特別入球検知スイッチ738に検知されるように構成されている。
尚、本実施形態では、第1特別入球検知スイッチ461、又は、第2特別入球検知スイッチ738によって遊技球が検知された場合には、上皿19(又は下皿15)に対して10個の遊技球が払出される構成となっている。勿論、これらの入球検知スイッチに対応して払出される遊技球の個数は10個に限定されるものではなく、他の個数としてもよい。また、これらの入球検知スイッチによって遊技球が検知された場合に遊技球が払い出されない構成(賞球数0個)としてもよい。
以下、上記「第1V入賞通路427に遊技球が入球して発生する大当たり」及び「第2V入賞通路730を介してバイパス通路737に遊技球が入球して発生する大当たり」については、共通して「V入賞大当たり」と称する場合もある。
次に種別抽選エリア408について詳しく説明する。種別抽選エリア408には、遊技球が入球した場合に「15ラウンド」の大当たり状態(15ラウンド大当たり)が付与される15R入球口731と、遊技球が入球した場合に「7ラウンド」の大当たり状態(7ラウンド大当たり)が付与される7R入球口732と、遊技球が入球した場合に「3ラウンド」の大当たり状態(3ラウンド大当たり)が付与される3R入球口733とが設けられている。ここで、「15R入球口731」、「7R入球口732」及び「3R入球口733」が本実施形態における「種別対応入球手段」を構成する。
また、15R入球口731には、ここに入球した遊技球を検知する15R入球検知スイッチ734が設けられている。同様に、7R入球口732には、ここに入球した遊技球を検知する7R入球検知スイッチ735が設けられ、3R入球口733には、ここに入球した遊技球を検知する3R入球検知スイッチ736が設けられている。
種別抽選エリア408には、第1V入賞通路427及び接続通路429を介して種別抽選エリア408に導かれる遊技球の行き先を、15R入球口731、7R入球口732、又は、3R入球口733のいずれかに振分ける種別振分け手段(種別決定手段)としての種別振分け機構部741が設けられている。
種別振分け機構部741は、接続通路429の出口部429aから導出される遊技球が案内されるスタート台742と、該スタート台742を経由した遊技球が案内される第1渡し板744と、該第1渡し板744を通過した遊技球が案内される第2渡し板745と、該第2渡し板745を通過した遊技球が案内され、該遊技球を15R入球口731に案内する15R誘導通路746とを備えている。
スタート台742は、種別抽選エリア408の左上部に設置され、上面が右方に向けて下方傾斜している。
第1渡し板744は、スタート台742の右方かつ若干下方位置に設置され、その左端部が前後方向を軸線方向として回動可能に軸支されており、右端側が自由端となるように設けられている。
第1渡し板744の回動軸は、ハウジング400の下部後壁部400c裏側にて、モータ等からなる図示しない揺動機構部に連結されており、該揺動機構部が主制御装置261によって駆動制御されることにより、第1渡し板744が上下に揺動変位するように構成されている。
具体的に、第1渡し板744は、その上面が右方に向けて若干下方傾斜して、遊技球を第2渡し板745へ案内する先送り位置と、これよりも上面が大きく下方傾斜して、遊技球を3R入球口733へ案内する落下位置との間を変位可能に構成されている。
そして、スタート台742を経由して第1渡し板744に案内された遊技球が第1渡し板744の右端部まで転動した際に、該第1渡し板744が上記先送り位置にあれば、該遊技球は第2渡し板745に案内される。
一方、第1渡し板744に案内された遊技球が第1渡し板744の右端部まで転動した際に、該第1渡し板744が上記落下位置にあれば、該遊技球は3R入球口733に案内される。
つまり、第1渡し板744は、スタート台742を経由して案内される遊技球の行き先を3R入球口733、又は、第2渡し板745のどちらかに振分ける機能を有する。
第2渡し板745は、第1渡し板744の右方かつ若干下方位置に設置され、その左端部が前後方向を軸線方向として回動可能に軸支されており、右端側が自由端となるように設けられている。
第2渡し板745の回動軸は、ハウジング400の下部後壁部400c裏側にて、モータ等からなる図示しない揺動機構部に連結されており、該揺動機構部が主制御装置261によって駆動制御されることにより、第2渡し板745が上下に揺動変位するように構成されている。
具体的に、第2渡し板745は、その上面が右方に向けて若干下方傾斜して、15R誘導通路746へ遊技球を案内する先送り位置と、これよりも上面が大きく下方傾斜して、遊技球を7R入球口732へ案内する落下位置との間を変位可能に構成されている。
そして、第2渡し板745に案内された遊技球が第2渡し板745の右端部まで転動した際に、該第2渡し板745が上記先送り位置にあれば、該遊技球は15R誘導通路746に案内される。
一方、第2渡し板745に案内された遊技球が第2渡し板745の右端部まで転動した際に、該第2渡し板745が上記落下位置にあれば、該遊技球は7R入球口732に案内される。
つまり、第2渡し板745は、第1渡し板744を通過して案内される遊技球の行き先を7R入球口732、又は、15R誘導通路746のどちらかに振分ける機能を有する。
15R誘導通路746は、第2渡し板745の右方かつ若干下方位置に設置され、その上面が右方の15R入球口731に向けて下方傾斜している。
尚、本実施形態では、第1渡し板744と第2渡し板745とが異なる周期で揺動するように構成されている。例えば、第1渡し板744が第2渡し板745よりも若干早く揺動するように構成されている。
また、本実施形態では、第1特別入球検知スイッチ461の入球検知が行われた後、15R入球検知スイッチ734、7R入球検知スイッチ735、又は、3R入球検知スイッチ736のいずれかの入球検知が行われた場合に、対応する種別の大当たり状態が開始されるようになっている。また、第2特別入球検知スイッチ738の入球検知が行われた後、15R入球検知スイッチ734の入球検知が行われた場合に、15ラウンド大当たりに対応する大当たり状態が開始されるようになっている。
ここから遊技盤30の説明に戻る。図4に示すように、第1始動入賞部33aは、中央入賞ユニット37の左下方及び右下方に設けられている。また、第2始動入賞部33bは、中央入賞ユニット37の直下方に設けられている。
さらに、第2始動入賞部33bは、その両側部に、開閉可能な一対の始動口開閉部材33cを備えている。本実施形態では、始動口開閉部材33cが閉状態となっている場合においては、遊技球が第2始動入賞部33bへ入球不能となるように構成されている。
つまり、第1始動入賞部33aは、遊技球が常時入球可能となっているのに対し、第2始動入賞部33bは、遊技球がスルーゲート34を通過することに基づく入球アシスト抽選にて当選した場合に始動口開閉部材33cが開状態となり、遊技球が第2始動入賞部33bへ入球可能となる。
これに限らず、始動口開閉部材33cが閉状態となっている場合において、遊技球が第2始動入賞部33bへ入球困難な状態となり、入球アシスト抽選にて当選した場合に始動口開閉部材33cが開状態となり、遊技球が第2始動入賞部33bへ入球容易となるような構成としてもよい。
上述したように、第1始動入賞部33aには、ここに入球した遊技球を検知する第1始動入賞スイッチ224aが設けられている。同様に、第2始動入賞部33bには、ここに入球した遊技球を検知する第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。各始動入賞スイッチ224a,224bがそれぞれ本実施形態における「始動入球検知手段」を構成する。
そして、詳しくは後述するが、第1始動入賞スイッチ224a又は第2始動入賞スイッチ224bにて遊技球が検知された場合には、遊技者に有利な「当たり」となるか、「外れ」となるか否かの当否抽選が行われる。
当否抽選における「当たり」には、中央入賞ユニット37の羽根部材404が開放される「小当たり」と、可変入賞装置32の大入賞口開閉部材32aが開放される「大当たり」とがある。
加えて、第1始動入賞スイッチ224a又は第2始動入賞スイッチ224bによる入球検知に基づいて当否抽選が行われた場合には、後述する特別表示装置43にて、該当否抽選の結果を教示するための変動表示及び停止表示が行われる。
尚、本実施形態では、第1始動入賞スイッチ224aによる入球検知が行われた場合と、第2始動入賞スイッチ224bによる入球検知が行われた場合とで、共通の当否抽選が行われると共に、共通の特別表示装置43において変動表示が行われるように構成されているが、第1始動入賞スイッチ224aによる検知に基づいて行われる当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる第1特別表示装置と、第2始動入賞スイッチ224bによる検知に基づいて行われる当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる第2特別表示装置とを別々に設けることとしてもよい。第1始動入賞スイッチ224a又は第2始動入賞スイッチ224bを第1又は第2の契機入球検知手段としてもよい。さらに、かかる構成を採用する場合、それぞれの変動表示が別々に保留記憶されるとともに、記憶された順番の通りに、或いは、一方が他方に優先されるようにして、対応する変動表示が消化されるように構成してもよい。加えて、かかる構成を採用する場合には、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり状態の種別の振分け割合を異ならせることとしてもよいし、同じとすることとしてもよい。
中央入賞ユニット37の左右両側方の遊技領域には、遊技球が流下可能な流下領域が形成されている。スルーゲート34は、中央入賞ユニット37の左右両側方の流下領域にそれぞれ配置され、ここを流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。中央入賞ユニット37の右側方の流下領域を第1ルートとなる第1の流下ルートとし、左側方の流下領域を第2ルートとなる第2の流下ルートとしてもよい。また、スルーゲート34には、該スルーゲート34を通過する遊技球を検知するスルーゲートスイッチ225が設けられている。該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合には、第2始動入賞部33b(始動口開閉部材33c)を開状態とするか否かの入球アシスト抽選が行われる。そして、入球アシスト抽選にて当選した場合には、第2始動入賞部33b(始動口開閉部材33c)が規定時間だけ開状態とされる。
遊技盤30の右上部には、スルーゲート34への入球(球通過)に基づいた入球アシスト抽選の抽選結果を表示するスルーゲート用表示装置(普通図柄表示装置)41、各始動入賞部33a,33bへの入球に基づいた当否抽選の抽選結果を表示する特別表示装置(特別図柄表示装置)43、及び、スペシャルゲート650への入球(球通過)に基づいた作動アシスト抽選の抽選結果を表示するスペシャルゲート用表示装置44が設けられている。「スペシャルゲート用表示装置44」が本実施形態における「表示手段」を構成する。
本実施形態において、スルーゲート用表示装置41は2つのランプによって構成され、特別表示装置43は8つのランプによって構成され、スペシャルゲート用表示装置44は2つのランプによって構成されている。
尚、これら表示装置41、43、44の構成については、上記構成に特に限定されるものではなく、例えば異なる数のランプ群によって構成されてもよいし、7セグメント表示装置、ドット表示装置、液晶表示装置等の異なる表示装置により構成されてもよい。
また、特別表示装置43においては、始動入賞部33(第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33b)に遊技球が入球すると、当否抽選の抽選結果を教示するための変動表示(切替表示)が開始され、所定時間後、該変動表示を停止する際に、当否抽選の結果に対応した態様が表示されるようになっている。第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33bを第1又は第2の契機入球手段としてもよい。さらに、特別表示装置43は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御され、当否抽選の結果が確定的に表示されるようになっている。
かかる当否抽選にて大当たり当選した場合には、可変入賞装置32の大入賞口開閉部材32aが閉状態から開状態へ切換えられた後、規定時間の30秒が経過すること又は可変入賞装置32に規定個数の8個の遊技球が入賞することを条件に閉状態となるまでの一開閉動作を1回の特賞状態として、これが15回(15ラウンド)繰り返される大当たり(以下、「直撃大当たり」と称する)が付与される。
尚、上述したように、本実施形態では、始動入賞部33(第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33b)への入球に基づく当否抽選にて「大当たり」に当選した場合だけでなく、回転体414の特別ポケット部416aを介して遊技球が第1V入賞通路427に入球し、該遊技球が第1特別入球検知スイッチ461に検知された場合や、可動役物722(第2V入賞通路730)を介して遊技球がバイパス通路737に入球し、該遊技球が第2特別入球検知スイッチ738に検知された場合にも大当たり状態(V入賞大当たり)が発生する。
また、特別表示装置43の変動表示中に、新たに遊技球が始動入賞部33(第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33b)に入球した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、特別表示装置43の変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では第1始動入賞部33a及び第2始動入賞部33bに入球した遊技球に対応して、合計4回までの変動表示が保留される。
また、特別表示装置43の変動表示の保留回数は、特別表示装置43の近傍に設けられた特別表示装置用保留ランプ47にて点灯表示されるようになっている。本実施形態の特別表示装置用保留ランプ47は、4つのランプによって構成され、各ランプの点灯・消灯の状態を適宜切替えることで、保留の数を教示するようになっている。
加えて、大当たり中や小当たり中に新たに遊技球が始動入賞部33に入賞した場合には、その分の変動表示についても保留され、該変動表示は大当たり状態や小当たり状態の終了後に実行される。
スルーゲート用表示装置41においては、遊技球がスルーゲート34を通過すると、入球アシスト抽選の抽選結果を表示するための変動表示(切替表示)が開始され、所定時間後、該変動表示を停止する際に、入球アシスト抽選の結果に対応した態様が表示されるようになっている。ここで入球アシスト抽選の抽選結果が始動口開閉部材33cの開放に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示装置41にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、始動口開閉部材33cが開放される。また、スルーゲート用表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御され、入球アシスト抽選の結果が確定的に表示されるようになっている。
また、スルーゲート用表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、スルーゲート用表示装置41の変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数がスルーゲート用表示装置41の近傍に設けられたスルーゲート用保留ランプ48にて点灯表示されるようになっている。本実施形態のスルーゲート用保留ランプ48は、4つのランプによって構成され、各ランプの点灯・消灯の状態を適宜切替えることで、保留の数を教示するようになっている。
スペシャルゲート用表示装置44においては、遊技球がスペシャルゲート650を通過すると、作動アシスト抽選の抽選結果を表示するための変動表示(切替表示)が開始され、所定時間後、該変動表示を停止する際に、作動アシスト抽選の結果に対応した態様が表示されるようになっている。ここで作動アシスト抽選の抽選結果が可動役物722を作動させる当選結果であった場合には、スペシャルゲート用表示装置44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、可動役物722が作動する。また、スペシャルゲート用表示装置44は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御され、作動アシスト抽選の結果が確定的に表示されるようになっている。
尚、詳しくは後述するが、本実施形態では、スペシャルゲート用表示装置44の変動表示中や可動役物722の作動中において、新たに遊技球がスペシャルゲート650を通過し、スペシャルゲートスイッチ651により検知されたとしても、その分の変動表示(作動アシスト抽選結果)は保留されない構成となっている。
また、中央入賞ユニット37の上部には演出表示装置42が設けられている。演出表示装置42は、液晶表示装置によって構成され、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。演出表示装置42においては、特別表示装置43にて表示される変動表示や抽選結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。
可変入賞装置32は、遊技領域(遊技盤30)の下部中央に配置されている。また、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており、大当たり状態の発生の際に、大入賞口開閉部材32aが開放され、遊技球が大入賞口へ入賞可能な開状態とされる。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30の背面には、中央入賞ユニット37等を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、表示制御装置45及びサブ制御装置262が着脱可能に取り付けられている。
表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。また、基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞部31、可変入賞装置32及び始動入賞部33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞手段に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
さらに、裏枠セット215には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223及びスルーゲートスイッチ225と、それぞれケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板(図示略)が設けられている。この第1盤面中継基板は、一般入賞スイッチ221等と主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
また、裏枠セット215には、中央入賞ユニット37に設けられた各種スイッチと、それぞれケーブルコネクタを介して電気的に接続される第2盤面中継基板(図示略)が設けられている。具体的に、第2盤面中継基板は、内部入球検知スイッチ437、第1特別入球検知スイッチ461、非特別入球検知スイッチ462、ラウンド入球検知スイッチ(15R入球検知スイッチ734、7R入球検知スイッチ735、3R入球検知スイッチ736)、第2特別入球検知スイッチ738、及び、スペシャルゲートスイッチ651と、それぞれ電気的に接続されている。この第2盤面中継基板は、中央入賞ユニット37に設けられた各種スイッチと、主制御装置261とを中継するものであり、第1盤面中継基板と同様、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
これに対し、始動入賞部33a,33bへの入球を検知する始動入賞スイッチ224a,224bは、中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接、主制御装置261に接続されている。
上記構成の下、各種入球検知スイッチにて各々検知された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225、非特別入球検知スイッチ462、ラウンド入球検知スイッチ734、735、736、及び、スペシャルゲートスイッチ651により検知された場合を除く。)。
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口開閉部材32aを開閉駆動する大入賞口用ソレノイドが設けられ、第2始動入賞部33bにて一対の始動口開閉部材33cを開閉駆動する始動口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第3盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や時間短縮モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検知される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満杯エラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。
つまり、一般入賞部31等の各入賞手段に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞手段にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。
尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠600a(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠600aの鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。主制御装置261が本実施形態における特別遊技状態付与手段や開閉制御手段などを構成する。
CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、スルーゲート用表示装置41、特別表示装置43、スペシャルゲート用表示装置44等が接続されている。この構成により、上述したスルーゲート用表示装置41、特別表示装置43及びスペシャルゲート用表示装置44は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、演出表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞スイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225、内部入球検知スイッチ437、特別入球検知スイッチ461,738、非特別入球検知スイッチ462、ラウンド入球検知スイッチ734、735、736、スペシャルゲートスイッチ651などの所定検知手段を構成し得る各種検知スイッチや、各種基板、羽根部材404を開閉させる羽根用ソレノイド405、回転体414を回転させる回転体モータ415、可動役物722を上下動させる可動役物用ソレノイド725、第1渡し板744及び第2渡し板745を揺動させるモータなどの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ102、104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンドなどの演出パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、演出表示装置42に表示させる。なお、上述したように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置43にて当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する演出表示装置42では、前記特別表示装置43の表示に合わせた表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射禁止ボタン18a(図1参照)が操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が所定間隔で発射される。本実施形態では、約0.6秒間隔(1分間あたり約100発程度)で発射できるよう構成されている。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、演出表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる演出表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、演出表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、演出表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、演出表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、演出表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、演出表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して演出表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施形態では、主制御手段としての主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図8に示すように、始動入賞スイッチ224a,224bの検知に基づいて、可変入賞装置32(大入賞口開閉部材32a)を開放させる大当たりや、中央入賞ユニット37(羽根部材404)を開放させる小当たりを発生させるか否かを決める当否抽選に使用する当否乱数カウンタC1と、特別表示装置43にて行われる変動表示の時間(変動時間)の決定に使用する変動時間選択カウンタC2と、当否乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、スルーゲートスイッチ225の検知に基づいて、第2始動入賞部33b(始動口開閉部材33c)を開状態とするか否かを決める入球アシスト抽選に使用する入球アシスト乱数カウンタC3と、スペシャルゲートスイッチ651の検知に基づいて、可動役物722を作動させるか否かを決める作動アシスト抽選に使用する作動アシスト乱数カウンタC4とを用いることとしている。
カウンタC1,C2,CINI,C3,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、当否乱数カウンタC1及び変動時間選択カウンタC2の各値が記憶される保留記憶エリアとしての特別変動保留エリアと、入球アシスト乱数カウンタC3の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。特別変動保留エリア及び普通変動保留エリアは、両者とも1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)とを備えている。
また、特別変動保留エリアの各保留エリアには、第1及び第2始動入賞部33a、33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1及び変動時間選択カウンタC2の値等が時系列的に格納される。かかる構成を採用することで、上記のように特別表示装置43における変動表示を合計4回まで保留可能としている。
さらに、普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、入球アシスト乱数カウンタC3の値が時系列的に格納される。かかる構成を採用することで、上記のようにスルーゲート用表示装置41における変動表示を4回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、当否乱数カウンタC1は、例えば0~399の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり399)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、当否乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が該当否乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、当否乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0~399)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、当否乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、当否乱数カウンタC1の値が当否乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33bに入賞したタイミング(第1始動入賞スイッチ224a又は第2始動入賞スイッチ224bに検知されたタイミング)で、当否乱数カウンタバッファに格納されている当否乱数カウンタC1の値が、特別変動保留エリアに格納される。
本実施形態では、特別変動保留エリアに格納された当否乱数カウンタC1の値に基づいて行われる当否抽選では、「小当たり」、「大当たり」、「外れ」のいずれかの抽選結果が得られる。
具体的に、本実施形態では、「大当たり」となる乱数の値の数は1つで、その値は「0」である。すなわち、1/400の確率で「大当たり」に当選し、特別表示装置43において「大当たり」に対応する態様(点灯するランプの組合わせ)で停止表示が行われ、15ラウンドの大当たり状態が発生することとなる。
また、「小当たり」となる乱数の値の数は398個で、その値は「2~399」である。すなわち、398/400の確率で「小当たり」に当選する。
特に、本実施形態の「小当たり」には、中央入賞ユニット37の羽根部材404が0.5秒間開放される「ショート小当たり」と、羽根部材404が1.5秒間開放される「ロング小当たり」とが存在する。このため、当否乱数カウンタC1の値のうち「2~21」が「ロング小当たり」に対応し、「22~399」が「ショート小当たり」に対応している。
そして、「ショート小当たり」に当選すると、特別表示装置43において「ショート小当たり」に対応する態様(点灯するランプの組合わせ)で停止表示が行われ、羽根部材404が0.5秒間開放することとなる。また、「ロング小当たり」に当選すると、特別表示装置43において「ロング小当たり」に対応する態様(点灯するランプの組合わせ)で停止表示が行われ、羽根部材404が1.5秒間開放することとなる。ここで、小当たり抽選や大当たり抽選を実行すると共に、羽根部材404等の開閉部材の開閉パターンを決定する主制御装置261の機能により本実施形態における開閉パターン決定手段が構成される。
また、当否乱数カウンタC1の値のうち「1」は「外れ」に対応する値であり、「外れ」の場合には、特別表示装置43において、「外れ」に対応する態様(点灯するランプの組合わせ)で停止表示が行われる。
尚、本実施形態では、ROM502において、当否乱数カウンタC1の値が「小当たり」や「大当たり」に対応するか否かの判定を行う際に参照される当否判定テーブルが設けられている。
また、本実施形態では、大当たり状態の終了後、特別表示装置43において変動表示が4回行われる間は、特別表示装置43における変動表示の時間(変動時間)が短縮される遊技状態が付与される。尚、かかる遊技状態は、大当たり状態の終了後、次の大当たり状態が発生しなくても、特別表示装置43にて4回の変動表示が行われた時点で終了し、その後、通常の遊技状態に戻る。
以下、特別表示装置43の変動時間が短縮される遊技状態を「時間短縮モード」と称し、変動時間が短縮されない通常の変動表示が行われる通常の遊技状態を「通常モード」と称する。「時間短縮モード」及び「通常モード」における特別表示装置43の具体的な変動時間については後述する。
さらに、「時間短縮モード」においては、第2始動入賞部33bの始動口開閉部材33cが比較的頻繁に開放され、遊技球を第2始動入賞部33bへ入球させやすい「高入球状態」となる。これにより、始動口開閉部材33cがほとんど開放されず、遊技球を第2始動入賞部33bへ入球させにくい「低入球状態」となる「通常モード」に比べ、「時間短縮モード」においては、遊技球を第2始動入賞部33bへと入球させ易くなっている。
具体的に、「通常モード」においては、遊技球がスルーゲート34を通過することに基づいて行われる入球アシスト抽選の結果を表示するためのスルーゲート用表示装置41の変動時間が10秒で、入球アシスト抽選にて当選した場合の始動口開閉部材33cの開放時間が0.4秒である。一方、「時間短縮モード」においては、スルーゲート用表示装置41の変動時間が0.5秒で、入球アシスト抽選にて当選した場合の始動口開閉部材33cの開放時間が2秒である。
つまり、「時間短縮モード」は、「通常モード」に比べ、スルーゲート用表示装置41の変動時間が短く、かつ、始動口開閉部材33cの開放時間が長くなる。始動口開閉部材33cが開状態となっている時間帯が長くなるため、第2始動入賞部33bに対して遊技球が頻繁に入球するようになり、当否抽選が連続してなされるとともに、玉持ちのよい状態となる。
このように、「時間短縮モード」では、保留されている特別表示装置43の変動表示が連続して小当たりに当選する場合には(羽根部材404を一旦閉じて、変動表示を行ってから、開放するといった流れは同じであるものの、変動時間が短いことから)、羽根部材404がほぼ連続して(立て続けに)開放されることとなる。このため、中央入賞ユニット37の内部領域401に対して複数の遊技球をまとめて入球させ易くなっている。
尚、本実施形態では、始動入賞部33への入球に基づく当否抽選にて「大当たり」や「小当たり(ショート小当たり及びロング小当たり)」に当選する確率、並びに、「小当たり(ショート小当たり及びロング小当たり)」の発生時における羽根部材404の開放時間については、いずれのモード(時間短縮モード及び通常モード)においても同一となっている。
また、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる入球アシスト抽選の当選確率や、スペシャルゲートスイッチ651への遊技球の通過に基づいて行われる作動アシスト抽選の当選確率についても、いずれのモードにおいても同一となっている。
変動時間選択カウンタC2は、例えば0~9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。変動時間選択カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動時間選択カウンタバッファに変動時間選択カウンタC2の値が格納される。そして、遊技球が第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33bに入賞したタイミング(第1始動入賞スイッチ224a又は第2始動入賞スイッチ224bに検知されたタイミング)で、変動時間選択カウンタバッファに格納されている変動時間選択カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
本実施形態では、「通常モード」における当否抽選にて「小当たり」した場合の特別表示装置43の変動時間は「2秒」又は「3秒」に設定されている。尚、変動時間選択カウンタC2の値が「2秒変動」及び「3秒変動」のどちらに対応するのかを判定する際に参照される変動時間選択テーブルは予めROM502に記憶されている。
また、「通常モード」における当否抽選にて「大当たり」又は「外れ」となる場合の特別表示装置43の変動時間は「7秒」となっている。
一方、「時間短縮モード」における特別表示装置43の変動時間は、当否抽選の結果(「小当たり」、「大当たり」又は「外れ」)に関係なく、一律「0.1秒」となっている。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、当否乱数カウンタC1、及び、変動時間選択カウンタC2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、入球アシスト乱数カウンタC3は、例えば0~9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。入球アシスト乱数カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過した時に入球アシスト乱数カウンタC3の値が取得される。
通常、当選となる乱数の値の数は8つあり、その範囲は「1~8」である。そして、入球アシスト乱数カウンタC3の値が取得された場合、スルーゲート用表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選又は外れに対応する態様(点灯するランプの組合わせ)で停止表示が行われ、当選した場合には第2始動入賞部33b(始動口開閉部材33c)が所定時間の間、開状態となる。
また、作動アシスト乱数カウンタC4は、例えば0~19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。作動アシスト乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球がスペシャルゲート650を通過した時に作動アシスト乱数カウンタC4の値が取得される。
通常、当選となる乱数の値の数は15個あり、その範囲は「1~15」である。そして、作動アシスト乱数カウンタC4の値が取得された場合、スペシャルゲート用表示装置44において変動表示が所定時間行われた後、当選又は外れに対応する態様(点灯するランプの組合わせ)で停止表示が行われ、当選した場合にはバイパス機構部721の可動役物722が所定時間の間、突出状態となる。従って、作動アシスト抽選が本実施形態における作動抽選処理を構成し、作動アシスト抽選を実行する主制御装置261の機能により「抽選処理実行手段」や「状態抽選手段」が構成される。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがある。説明の便宜上、ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図11において、先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く。)の状態を読み込むと共に、該スイッチの状態を判定して検知情報を保存する。尚、スイッチの検知に応じて遊技球の払出しが行われる場合には、これに対応する賞球カウンタの値を加算して、本処理を終了する。一方、検出信号の入力がなされていないと判定された場合には、そのまま本処理を終了する。なお、後述する通常処理の外部出力処理において、各賞球カウンタの値に基づく賞球コマンドが払出制御装置311へ出力される。また、この賞球コマンドの出力に際して、各賞球カウンタの値がリセットされる。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では399)に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、当否乱数カウンタC1、変動時間選択カウンタC2、入球アシスト乱数カウンタC3、及び、作動アシスト乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ「399」,「9」,「9」,「19」)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3,C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304において、始動入賞部33(第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33b)への入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305において、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行し、ステップS306において、中央入賞ユニット37の内部領域401への入球に伴う入球カウント処理を実行する。
続くステップS307においては、第1特別入球検知スイッチ461による検知(回転体414の特別ポケット部416aを介しての第1V入賞通路427への入球)、又は、第2特別入球検知スイッチ738による検知(可動役物722の第2V入賞通路730を介してのバイパス通路737への入球)に伴う特別入賞処理を実行する。
さらに、ステップS308において、非特別入球検知スイッチ462による検知(回転体414の非特別ポケット部416bを介してのアウト通路428への入球)に伴う非特別入賞処理を実行し、ステップS309において、スペシャルゲート650への遊技球の通過に伴うスペシャルゲート通過処理を実行する。
その後、ステップS310において、ラウンド入球検知スイッチ734、735、736による検知(15R入球口731、7R入球口732、3R入球口733への入球)に伴う種別入球処理を実行し、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図13のフローチャートを参照して説明する。
尚、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリア、変動時間選択カウンタC2の値を記憶する変動時間乱数記憶エリア、保留された変動表示が第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33bいずれの始動入賞部33への入球に基づくものであるか否かを判別するための始動入賞判別フラグが設けられている。
また、本実施形態における特別変動保留エリアには、上述した当否乱数カウンタC1や変動時間選択カウンタC2の値を記憶する領域とは別に、始動入賞部33への入球に基づく当否抽選において「大当たり」に当選したことを示す大当たり発生フラグ、「外れ」たことを示す外れフラグ、「ロング小当たり」に当選したことを示すロング小当たり発生フラグ、「ショート小当たり」に当選したことを示すショート小当たり発生フラグが設けられている。加えて、特別表示装置43における変動時間を示す2秒変動フラグ、3秒変動フラグ、7秒変動フラグが設けられている。
先ず、ステップS501では、第1及び第2始動入賞部33a、33bへの遊技球の入球を契機とする変動表示の保留数をカウントする保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。該ステップS501で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS501で肯定判別された場合には、ステップS502において、遊技球が第1始動入賞部33aに入賞したか否かを第1始動入賞スイッチ224aの検知情報により判別する。該ステップS502で否定判別された場合には、後述するステップS509に移行する。一方、ステップS502で肯定判別された場合、ステップS503に進み、保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップS504では、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した当否乱数カウンタC1及び変動時間選択カウンタC2の各値を、特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。
ステップS505では、当否乱数カウンタC1及び変動時間選択カウンタC2の各値が記憶された保留エリアの始動入賞判別フラグをオンにする。尚、本実施形態の始動入賞判別フラグは、保留された変動表示が第1始動入賞部33aへの入球に基づくものである場合にオン設定され、第2始動入賞部33bへの入球に基づくものである場合にオフ設定される。
続くステップS506では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が「小当たり」や「大当たり」に対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。尚、当否判定処理の詳細については後述する。
続くステップS507では、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動時間選択カウンタC2の値に基づいて、特別表示装置43における変動時間を判別する変動時間判定処理を行う。尚、変動時間判定処理の詳細については後述する。
その後、ステップS508では、先発コマンドの設定処理を行う。尚、先発コマンドには、保留記憶された変動情報(変動表示の内容を決定するために使用される所定情報)が第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33bのどちらへの入球に基づく変動情報であるかを示す情報、「小当たり」や「大当たり」を示す情報、変動時間を示す情報などが含まれ、次回の外部出力処理(ステップS201参照)にてサブ制御装置262に出力される。
ここで、ステップS506の当否判定処理の詳細について、図14を参照して説明する。尚、本実施形態では、当否判定処理において小当たりの種別(ロング小当たり、ショート小当たり)についても決定する構成となっている。
先ず、ステップS5101では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が「大当たり」に対応する値である「0」と一致するか否かを判別する。ステップS5101で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態が発生すると判別された場合には、ステップS5102において大当たり発生フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップS5101で否定判別された場合には、ステップS5103において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が「外れ」に対応する値である「1」と一致するか否かを判別する。該ステップS5103で肯定判別された場合、すなわち、「外れ」であると判別された場合には、ステップS5104において外れフラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップS5103で否定判別された場合、すなわち「小当たり」であると判別された場合には、ステップS5105において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が「ロング小当たり」に対応する値である「2~21」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5105で肯定判別された場合には、ステップS5106においてロング小当たり発生フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップS5105で否定判別された場合、すなわち、「ショート小当たり」であると判別された場合には、ステップS5107において、ショート小当たり発生フラグをオンにした後、本処理を終了する。
次に、ステップS507の変動時間判定処理について、図15を参照して説明する。先ず、ステップS5201では、時間短縮モードであるか否かを判別する。ステップS5201で肯定判別された場合には、ステップS5202において、特別表示装置43において行われる変動表示の変動時間が0.1秒であることを示す0.1秒変動フラグをオンに設定してから、本処理を終了する。つまり、時間短縮モードであれば、当否抽選の結果が大当たり、ロング小当たり、ショート小当たり、外れのいずれであっても、対応する変動表示の変動時間は一律0.1秒とされる。
一方、ステップS5201で否定判別された場合には、ステップS5203において、直前に行われた当否判定処理にて、ロング小当たり発生フラグが設定されたか否かを判別する。ステップS5203で肯定判別された場合、すなわち、「ロング小当たり」であると判別された場合には、ステップS5204において、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動時間選択カウンタC2の値が「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。
ステップS5204で否定判別された場合、すなわち、変動時間選択カウンタC2の値が「2~9」のいずれかである場合には、ステップS5205において、特別表示装置43にて行われる変動表示の変動時間が3秒であることを示す3秒変動フラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップS5204で肯定判別された場合には、ステップS5206において、特別表示装置43において行われる変動表示の変動時間が2秒であることを示す2秒変動フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップS5203で否定判別された場合には、ステップS5207において、ショート小当たり発生フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS5207で肯定判別された場合、すなわち、「ショート小当たり」が発生する場合には、ステップS5208において、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動時間選択カウンタC2の値が「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。
ステップS5208で肯定判別された場合には、上記ステップS5205において、特別表示装置43において行われる変動表示の変動時間が3秒であることを示す3秒変動フラグをオン設定してから、本処理を終了する。一方、ステップS5208で否定判別された場合、上記ステップS5206において、特別表示装置43において行われる変動表示の変動時間が2秒であることを示す2秒変動フラグをオン設定してから、本処理を終了する。すなわち、「ショート小当たり」が発生する場合よりも、「ロング小当たり」が発生する場合の方が、長めの変動時間(3秒)が選択される可能性が高くなっている。
また、ステップS5207で否定判別された場合、すなわち、「大当たり」又は「外れ」の場合には、ステップS5209において、特別表示装置43において行われる変動表示の変動時間が7秒であることを示す7秒変動フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
図13の説明に戻り、ステップS508の処理の後、又は、ステップS502で否定判別された場合には、ステップS509において、遊技球が第2始動入賞部33bに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224bの検知情報により判別する。該ステップS509で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS510において、保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップS511では、当否乱数カウンタC1及び変動時間選択カウンタC2の各値を、特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。ステップS512では、当否判定処理を行う。尚、ステップS512の当否判定処理は、上記ステップS506の当否判定処理と同様であり、詳細な説明は省略する。
続くステップS513では、変動時間判定処理を行う。尚、ステップS513の当否判定処理は、上記ステップS507の変動時間判定処理と同様であり、詳細な説明は省略する。ステップS513の後、ステップS514において、先発コマンドの設定処理を行い、本処理を終了する。
次に、ステップS305のスルーゲート通過処理について図16のフローチャートを参照して説明する。
ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検知情報により判別する。
ステップS601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判別されると、ステップS602において、スルーゲート用表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判別された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値が4未満であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した入球アシスト乱数カウンタC3の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
次に、ステップS306の入球カウント処理について、図17を参照して説明する。先ず、ステップS7201では、導入通路601の入口部601bに設けられた内部入球検知スイッチ437の検知があるか否かを判別することにより、遊技球が中央入賞ユニット37の内部領域401に入球したか否かを判別する。該ステップS7201で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS7201で肯定判別された場合、ステップS7202において、サブ制御装置262に対して、遊技球が中央入賞ユニット37の内部領域401に入球したことを伝える入球コマンドを設定する。尚、サブ制御装置262側において、入球コマンドを受信した場合には、入球効果音を出力するとともに、図示しない入球ランプを点灯・点滅させ、遊技者に対し入球があった旨を報知するように構成されている。
その後、ステップS7203において、内部領域401における遊技球の数を把握するための残存球監視カウンタの値を1加算する。続くステップS7204では、残存球監視処理で参酌される監視タイマの設定処理を行う。本実施形態では、内部入球検知スイッチ437の検知がある毎に監視タイマに「10000」がセットされる。また、既に監視タイマに所定の数値が設定されている場合であっても、「10000」が上書きされる。尚、監視タイマは、4mec毎に行われる通常処理(後述するステップS212の残存球監視処理)で1ずつ減算される。該ステップS7204の後、本処理を終了する。
次に、ステップS307の特別入賞処理について、図18を参照して説明する。先ず、ステップS7301では、第1特別入球検知スイッチ461又は第2特別入球検知スイッチ738による遊技球の検知情報があるか否かを判別する。ステップS7301で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS7301で肯定判別された場合には、ステップS7302において、後述する大当たり中フラグを参酌し、大当たり状態中であるか否かを判別する。該ステップS7302で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。すなわち、大当たり状態中においては、回転体414の特別ポケット部416aを介して遊技球が第1V入賞通路427に入球し、該遊技球が第1特別入球検知スイッチ461に検知された場合や、可動役物722(第2V入賞通路730)を介して遊技球がバイパス通路737に入球し、該遊技球が第2特別入球検知スイッチ738に検知された場合であっても、その分の大当たり状態を発生させる権利は付与されないようになっている。
一方、ステップS7302で否定判別された場合には、ステップS7303において、第1特別入球検知スイッチ461又は第2特別入球検知スイッチ738の入球検知が行われたことを示す特別入賞フラグが既にオンされているか否かを判別する。ステップS7303で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。すなわち、既に大当たり状態を発生させることが決定されている(大当たり状態を発生させる権利が付与されている)状態においては、重ねて第1特別入球検知スイッチ461又は第2特別入球検知スイッチ738の入球検知が行われたとしても、その分の大当たりは無効とされる。
一方、ステップS7303で否定判別された場合には、ステップS7304で特別入賞フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、第1特別入球検知スイッチ461の入球検知が行われた段階では、大当たり状態を発生される権利が付与されるだけで、どの種別の大当たり状態が付与されるかまでは決定されていないため、種別が決定されるまでは大当たり状態は開始されないように構成されている。
同様に、第2特別入球検知スイッチ738の入球検知が行われた段階では、大当たり状態を発生される権利が付与されるだけで、未だ遊技球が15R入球口731に入球していない状態であるため、遊技球が15R入球口731に入球し「15ラウンド大当たり」が確定するまでは大当たり状態は開始されないように構成されている。
次に、ステップS308の非特別入賞処理について図19を参照して説明する。先ず、ステップS7401では、非特別入球検知スイッチ462による遊技球の検知情報があるか否かを判別する。すなわちアウト通路428を介して、遊技球が中央入賞ユニット37(内部領域401)外に排出されるか否かを判別する。ステップS7401で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS7401で肯定判別された場合には、ステップS7402において残存球監視カウンタの値を1減算してから、本処理を終了する。
次に、ステップS309のスペシャルゲート通過処理について図20のフローチャートを参照して説明する。
ステップS7501では、遊技球がスペシャルゲート650を通過したか否かをスペシャルゲートスイッチ651の検知情報により判別する。ステップS7501で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS7501にて肯定判別された場合、すなわち遊技球がスペシャルゲート650を通過したと判別されると、ステップS7502において、後述する第3表示中フラグがオンであるか否か、すなわちスペシャルゲート用表示装置44にて変動表示中であるか否かを判別する。該ステップS7502で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS7502にて否定判別された場合には、ステップS7503において、後述する役物作動中フラグがオンであるか否か、すなわち可動役物722が作動中(突出状態)であるか否かを判別する。該ステップS7503で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
これにより、スペシャルゲート用表示装置44の変動表示中や可動役物722の作動中において、遊技球がスペシャルゲート650を通過し、該遊技球がスペシャルゲートスイッチ651に検知されたとしても、その分の作動アシスト抽選は無効となり、可動役物722を作動させる権利が新たに付与されないように構成されている。
一方、ステップS7503で否定判別された場合には、ステップS7504において、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した作動アシスト乱数カウンタC4の値を、RAM503に設定された所定の作動アシスト乱数格納エリアに格納する。
続くステップS7505において、スペシャルゲート通過フラグをオンし、ステップS7506において、残存球監視カウンタの値を1減算した後、本処理を終了する。
次に、ステップS310の種別入球処理について図21を参照して説明する。先ず、ステップS7601では、特別入賞フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS7601で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS7601で肯定判別された場合には、ステップS7602において、15R入球検知スイッチ734の入球検知が行われたか否かを判別する。ステップS7602で肯定判別された場合には、ステップS7603において、15ラウンド大当たりであることを示す15R大当たりフラグをオン設定する。その後、ステップS7604において、残存球監視カウンタの値を1減算してから、本処理を終了する。
また、ステップS7602で否定判別された場合には、ステップS7605において、7R入球検知スイッチ735の入球検知が行われたか否かを判別する。ステップS7605で肯定判別された場合には、ステップS7606において、7ラウンド大当たりであることを示す7R大当たりフラグをオン設定する。その後、ステップS7604において、残存球監視カウンタの値を1減算してから、本処理を終了する。
また、ステップS7605で否定判別された場合には、ステップS7608において、3R入球検知スイッチ736の入球検知が行われたか否かを判別する。ステップS7608で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS7608で肯定判別された場合には、ステップS7609において、3ラウンド大当たりであることを示す3R大当たりフラグをオン設定する。その後、ステップS7604において、残存球監視カウンタの値を1減算してから、本処理を終了する。
次にNMI割込み処理について説明する。図12は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図12のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS111へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS111へ移行する。
ステップS111の処理では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS112等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS112等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS112等)に移行する。つまり、ステップS112ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS113ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS114で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS109では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信し、ステップS110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS114で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図10のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201~S212の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS215の初期値乱数カウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の処理で更新された特別表示装置43や第2始動入賞部33b等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。
例えば演出表示装置42において変動表示を開始する際には、サブ制御装置262に対し変動パターンコマンドが送信される。つまり、変動パターンコマンドは、特別表示装置43にて行われる表示に合わせた表示演出を演出表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力される指令信号である。これに対し、変動パターンコマンドを入力したサブ制御装置262は、かかるコマンドに基づいて、演出表示装置42の表示態様を決定し、該表示態様を演出表示装置42において表示するように表示制御装置45に対し指示を出す。
一方、演出表示装置42における変動表示を停止する際には、サブ制御装置262に対し確定コマンドが送信される。これに対し、確定コマンドを入力したサブ制御装置262は、かかるコマンドに基づいて、演出表示装置42にて行われている変動表示(表示演出)を終了すべく、表示制御装置45に対し指示を出す。
但し、本実施形態では、後述するように、大当たり状態中である場合や、大当たり状態の権利が付与されているが未だ大当たり状態が開始されていない状態である場合、中央入賞ユニット37が開放中(小当たり状態中)である場合には、特別表示装置43における変動時間を計測する第1表示タイマの減算処理が行われない構成となっているため(図23参照)、仮に特別表示装置43(演出表示装置42)の変動表示中に第1特別入球検知スイッチ461又は第2特別入球検知スイッチ738の入球検知が行われ、特別入賞フラグがオンされた場合には、該特別入賞フラグに係るV入賞大当たりが終了するまでは、サブ制御装置262に対し確定コマンドが送信されず、大当たり終了後に送信されることとなる。
ステップS202では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS203では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
続くステップS204では、V入賞大当たり設定処理を実行する。この処理では、中央入賞ユニット37の内部領域401に入球した遊技球が、回転体414の特別ポケット部416aを介して遊技球が第1V入賞通路427に入球し、該遊技球が第1特別入球検知スイッチ461に検知されることや、可動役物722(第2V入賞通路730)を介して遊技球がバイパス通路737に入球し、該遊技球が第2特別入球検知スイッチ738に検知されることに基づき発生する大当たりの設定などが行われる。このV入賞大当たり設定処理の詳細は後述する。
ステップS205では、第1表示制御処理を実行する。この処理では、特別表示装置43においてどのような表示を行うか、該特別表示装置43の制御内容の設定が行われると共に、当たり判定や演出表示装置42における演出パターンの設定などが行われる。この第1表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32においてどのような制御を行うか、該可変入賞装置32の制御内容の設定が行われる。これにより、大当たり状態(特別遊技状態)となった場合には、可変入賞装置32(大入賞口開閉部材32a)の開閉処理が所定回数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、羽根部材開閉処理を実行する。この処理では、中央入賞ユニット37の羽根部材404(羽根用ソレノイド405)の制御内容の設定が行われる。羽根部材開閉処理の詳細については後述する。
ステップS208では、第2表示制御処理を実行する。この処理では、スルーゲート用表示装置41おいてどのような表示を行うか、該スルーゲート用表示装置41の制御内容の設定などが行われる。この第2表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS209では、始動入賞部制御処理を実行する。この処理では、第2始動入賞部33bの始動口開閉部材33cの制御内容の設定が行われる。始動入賞部制御処理の詳細は後述する。
ステップS210では、第3表示制御処理を実行する。この処理では、スペシャルゲート用表示装置44おいてどのような表示を行うか、該スペシャルゲート用表示装置44の制御内容の設定などが行われる。この第3表示制御処理の詳細は後述する。尚、第3表示制御処理を実行する主制御装置261の機能により本実施形態における表示制御手段が構成される。
ステップS211では、中央入賞ユニット37に係る役物駆動制御処理を実行する。この処理では、回転体ユニット410に係る駆動制御処理や、バイパス機構部721に係る駆動制御処理、種別振分け機構部741に係る駆動制御処理などが行われる。
例えば回転体ユニット410に係る駆動制御処理においては、回転体414を反時計回り方向に一定速度で回転させる等の制御が行われ、種別振分け機構部741に係る駆動制御処理においては、第1渡し板744及び第2渡し板745を所定のリズムで揺動させる等の制御が行われる。
また、バイパス機構部721に係る駆動制御処理においては、所定条件の成立時において可動役物722を突出させる等の制御が行われる。尚、バイパス機構部721に係る駆動制御処理(以下、「バイパス機構制御処理」という。)の詳細については後述する。
ステップS212では、残存球監視処理を実行する。この処理では、遊技球が中央入賞ユニット37の内部領域401に存在しているか否かを確認する処理が行われる。残存球監視処理の詳細は後述する。
その後は、ステップS213において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS214で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS214で肯定判別されてステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、ステップS214で否定判別された場合、ステップS215に進み、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では399)に達した際0にクリアする。そして、この処理の後、ステップS213に移行する。つまり、ステップS214の判別の時点で、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行されることとなる。
ここで、ステップS201~S212の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち当否乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができる。
さて、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS213:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS216以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS216において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS217において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS218において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップS219において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS220でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS221でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS213の処理は、ステップS201~S212で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS215の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS216)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、ステップS204のV入賞大当たり設定処理について、図22を参照して説明する。
先ず、ステップS1501では、第1特別入球検知スイッチ461又は第2特別入球検知スイッチ738によって遊技球が検知されたことを示す特別入賞フラグ(図18の特別入賞処理参照)がオンであるか否かを判別する。該ステップS1501で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1501で肯定判別された場合には、ステップS1503に進み、15R入球検知スイッチ734によって遊技球が検知されたことを示す15R大当たりフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1503で肯定判別された場合には、ステップS1504において、大当たり状態における残りラウンド数を把握するためのラウンド数カウンタに「15」を設定した後、ステップS1505へ移行する。
ステップS1505では、特別入賞フラグをオフすると共に、大当たり状態中であることを示す大当たり中フラグをオン設定する。その後、続くステップS1506において、可変入賞装置32の開閉制御中であることを示す第1可変フラグをオン設定し、ステップS1507において、可変入賞装置32の開閉制御に使用される第1可変タイマに「7500」を設定し、ステップS1508において、入賞カウンタに「8」を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS1503で否定判別された場合には、ステップS1509において、7R入球検知スイッチ735によって遊技球が検知されたことを示す7R大当たりフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1509で肯定判別された場合には、ステップS1510において、ラウンド数カウンタに「7」を設定した後、ステップS1505へ移行し、上記同様の処理を行う。
また、ステップS1509で否定判別された場合には、ステップS1513において、3R入球検知スイッチ736によって遊技球が検知されたことを示す3R大当たりフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1513で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1513で肯定判別された場合には、ステップS1514において、ラウンド数カウンタに「3」を設定した後、ステップS1505へ移行し、上記同様の処理を行う。
次に、ステップS205の第1表示制御処理について図23のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS801では、大当たり中フラグを参照し、大当たり状態中であるか否かを判別する。ステップS801で肯定判別された場合、すなわち大当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する。つまり、大当たり状態中においては、新たに変動表示を開始させることもなく、既に開始されている変動表示を終了させることもない。
尚、大当たり状態中には、大当たり状態(特別遊技状態)の最中、並びに、大当たり状態開始前のオープニング期間、及び、大当たり状態終了後のエンディング期間が含まれる。一般に、オープニング期間(例えば特別表示装置43にて変動表示が大当たりに対応する態様にて停止表示されてから、可変入賞装置32にて最初の開放が開始されるまでの間の期間)には、演出表示装置42にて大当たり状態の開始を知らせる表示が行われる。一方、エンディング期間(可変入賞装置32にて最終ラウンドの開放が終了した後の所定期間)には、演出表示装置42にて大当たり状態の終了や大当たり後に付与されるモードを知らせる表示が行われる。
ステップS801で否定判別された場合には、ステップS802において、特別入賞フラグがオンであるか否かを判別する。尚、特別入賞フラグは、第1特別入球検知スイッチ461又は第2特別入球検知スイッチ738によって遊技球が検知された際にオン設定され(特別入賞処理のステップS7304参照)、大当たり中フラグがオンされる際にオフされる(V入賞大当たり設定処理のステップS1505参照)。該ステップS802で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。つまり、大当たり状態を発生させる権利が付与されているが未だ大当たり状態が開始されていない状態においては、新たに変動表示を開始させることもなく、既に開始されている変動表示を終了させることもない。
一方、ステップS802で否定判別された場合には、ステップS803において、小当たり開放中フラグがオン設定されているか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、小当たり開放中フラグは、中央入賞ユニット37の羽根部材404が開放されている状態、すなわち小当たり状態中にオンとなる。
ステップS803で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。つまり、中央入賞ユニット37の開放中(小当たり状態中)においては、新たに変動表示を開始させることもなく、既に開始されている変動表示を終了させることもない。
一方、ステップS803で否定判別された場合には、ステップS804において、第1表示中フラグの設定状況を見て、特別表示装置43にて変動表示中であるか否かを判別する。第1表示中フラグがオン設定されている場合には変動表示中とみなされ、第1表示中フラグがオフされている場合には、変動表示が行われていない状態にあるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、第1表示中フラグは、特別表示装置43の変動表示を開始する際(ステップS808参照)にオンにされ、特別表示装置43の変動表示が停止表示される際(ステップS812参照)にオフにされる。
そして、ステップS804で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態中でもなく、大当たり状態の権利が付与されているが未だ大当たり状態が開始されていない状態でもなく、中央入賞ユニット37の開放中(小当たり状態中)でもなく、特別表示装置43の変動表示中でもない場合には、ステップS805に進み、始動入賞部33への入球を契機とする変動表示の保留数をカウントする保留カウンタNaの値が0よりも大きいか否かを判別する。ステップS805で否定判定された場合、すなわち、変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS805で肯定判別された場合、すなわち、変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS806において、保留カウンタNaの値から1を減算する。
続くステップS807では、特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このシフト処理は、特別変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。尚、該シフト処理においては、当否乱数カウンタC1や変動時間選択カウンタC2の値だけでなく、大当たり発生フラグ、外れフラグ、ロング小当たり発生フラグ、ショート小当たり発生フラグ、2秒変動フラグ、3秒変動フラグ、7秒変動フラグのオン・オフの設定状態についてもシフトされる。
続くステップS808では変動表示設定処理が行われる。ここで、変動表示設定処理の詳細について、図24を参照して説明する。
先ず、ステップS901では、特別変動保留エリアの実行エリアにおける大当たり発生フラグがオン設定されているか否かを判別することで「大当たり」に対応する変動情報であるか否かを判別する。尚、変形例として、始動入賞処理の当否判定処理と同様にして、もう一度、当否判定テーブルを参酌し、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値である「0」であるか否かを判別することとしてもよい。
ステップS901で肯定判別された場合、すなわち当否抽選にて「大当たり」に当選した場合には、ステップS902において、当否抽選にて「大当たり」に当選したこと(「直撃大当たり」したこと)を示す直撃大当たりフラグをオン設定する。ステップS902の後、ステップS903において、特別変動保留エリアの実行エリアにおける7秒変動フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS903で肯定判別された場合、ステップS904において、大当たりとなる変動パターン(大当たり変動パターン)を決定し、さらに、該変動パターン(変動情報)をサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。続くステップS905では、特別表示装置43の変動制御に使用される第1表示タイマに対して、7秒に相当する値「1750」をセットする。尚、第1表示タイマとは、特別表示装置43における変動時間(変動表示の残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。ステップS905の後、ステップS938へ移行する。
また、ステップS903で否定判別された場合には、ステップS906において、変動時間を短縮して大当たりとなる変動パターン(大当たり短縮パターン)を決定し、さらに、該変動パターン(変動情報)をサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。続くステップS907では、特別表示装置43の変動制御に使用される第1表示タイマに対して、0.1秒に相当する値「25」をセットする。ステップS907の後、ステップS938へ移行する。
また、ステップS901で否定判別された場合には、ステップS908において、特別変動保留エリアの実行エリアにおける外れフラグがオン設定されているか否かを判別することで「外れ」か否かを判別する。尚、変形例として、始動入賞処理の当否判定処理と同様にして、もう一度、実行エリアの当否乱数カウンタC1の値が「1」であるか否かを判別することで「外れ」か否かを判別することとしてもよい。
ステップS908で肯定判別された場合、すなわち「外れ」である場合には、ステップS909において、特別変動保留エリアの実行エリアにおける7秒変動フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS909で肯定判別された場合には、ステップS910において、外れとなる変動パターン(外れ変動パターン)を決定し、さらに、該変動パターンをサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。その後、ステップS911で、第1表示タイマに対して7秒に相当する値「1750」をセットしてから、ステップS938へ移行する。
また、ステップS909で否定判別された場合には、ステップS912において、変動時間を短縮して外れとなる変動パターン(外れ短縮パターン)を決定し、さらに、該変動パターン(変動情報)をサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。続くステップS913では、特別表示装置43の変動制御に使用される第1表示タイマに対して、0.1秒に相当する値「25」をセットする。ステップS913の後、ステップS938へ移行する。
また、ステップS908で否定判別された場合、すなわち「小当たり」である場合には、ステップS914において羽根開放フラグをオンにする。続くステップS915では、特別変動保留エリアの実行エリアにおけるロング小当たり発生フラグがオンであるか否かを判別する。尚、変形例として、始動入賞処理の当否判定処理と同様にして、もう一度、実行エリアにおける変動時間選択カウンタC2の値が「2~21」のいずれかと一致するか否かを判別することで「ロング小当たり」に当選したか否かを判別することとしてもよい。
ステップS915で肯定判別された場合、すなわち、「ロング小当たり」である場合には、ステップS916において、実行エリアの3秒変動フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS916で肯定判別された場合には、ステップS917において、特別表示装置43にて3秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が1.5秒間開放される変動パターン(ロング小当たり3秒変動パターン)を決定し、さらに、該変動パターンをサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。
続くステップS918では、第1表示タイマに対して3秒に相当する値「750」をセットする。さらに、ステップS919では、羽根部材404の開閉制御に使用される開閉制御タイマに対して3秒に相当する「750」をセットする。これによって、特別表示装置43で3秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が開放されることとなる。その後、ステップS938に移行する。
また、ステップS916で否定判別された場合には、ステップS920において、実行エリアの2秒変動フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS920で肯定判別された場合には、ステップS921において、特別表示装置43にて2秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が1.5秒間開放される変動パターン(ロング小当たり2秒変動パターン)を決定し、さらに、該変動パターンをサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。
続くステップS922では、第1表示タイマに対して2秒に相当する値「500」をセットする。さらに、ステップS923では、開閉制御タイマに対して2秒に相当する「500」をセットする。これによって、特別表示装置43で2秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が開放されることとなる。その後、ステップS938に移行する。
また、ステップS920で否定判別された場合には、ステップS924において、変動時間を短縮してロング小当たりとなる変動パターン(ロング小当たり短縮パターン)を決定し、さらに、該変動パターン(変動情報)をサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。
続くステップS925では、第1表示タイマに対して0.1秒に相当する値「25」をセットする。さらに、ステップS926では、開閉制御タイマに対して0.1秒に相当する「25」をセットする。これによって、特別表示装置43で0.1秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が開放されることとなる。その後、ステップS938に移行する。
また、ステップS915で否定判別された場合、すなわち、「ショート小当たり」である場合には、ステップS927において、実行エリアの3秒変動フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS927で肯定判別された場合には、ステップS928において、特別表示装置43にて3秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が1.5秒間開放される変動パターン(ショート小当たり3秒変動パターン)を決定し、さらに、該変動パターンをサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。
続くステップS929では、第1表示タイマに対して3秒に相当する値「750」をセットする。さらに、ステップS930では、羽根部材404の開閉制御に使用される開閉制御タイマに対して3秒に相当する「750」をセットする。これによって、特別表示装置43で3秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が開放されることとなる。その後、ステップS938に移行する。
また、ステップS927で否定判別された場合には、ステップS931において、実行エリアの2秒変動フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS931で肯定判別された場合には、ステップS932において、特別表示装置43にて2秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が1.5秒間開放される変動パターン(ショート小当たり2秒変動パターン)を決定し、さらに、該変動パターンをサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。
続くステップS933では、第1表示タイマに対して2秒に相当する値「500」をセットする。さらに、ステップS934では、開閉制御タイマに対して2秒に相当する「500」をセットする。これによって、特別表示装置43で2秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が開放されることとなる。その後、ステップS938に移行する。
また、ステップS931で否定判別された場合には、ステップS935において、変動時間を短縮してショート小当たりとなる変動パターン(ショート小当たり短縮パターン)を決定し、さらに、該変動パターン(変動情報)をサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。
続くステップS936では、第1表示タイマに対して0.1秒に相当する値「25」をセットする。さらに、ステップS937では、開閉制御タイマに対して0.1秒に相当する「25」をセットする。これによって、特別表示装置43で0.1秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が開放されることとなる。その後、ステップS938に移行する。
ステップS938では、特別表示装置43にて変動表示中であることを示す第1表示中フラグをオン設定する。ステップS938の後、本処理を終了する。
図23の説明に戻り、ステップS804で肯定判別された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップS809に進み、第1表示タイマ減算処理を行う。つまり、4msec毎に第1表示タイマの値が1ずつ減算されていく。
続いてステップS810に進み、上記減算後の第1表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち第1表示タイマの値が「0」となった時にステップS810が肯定判別されることになる。
ステップS810で否定判別された場合には、ステップS811において、特別表示装置43の変動表示(切替表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、点灯されるランプの組合わせを順次切り替えていくよう設定する。これによって、第1表示制御処理のタイミング、すなわち4msec毎に特別表示装置43の変動表示(切替表示)が実現される。
一方、ステップS810で肯定判別された場合、すなわち、特別表示装置43における変動表示の停止タイミングに至った場合には、ステップS812において第1表示中フラグをオフする。
続くステップS813では、特別表示装置43にて停止表示を行うための停止表示設定を行う。この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、「大当たり」である場合には、特別表示装置43を構成する複数のランプを「大当たり」に対応する態様(組合わせ)で停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、「外れ」である場合には「外れ」に対応する態様で停止表示させ、「ロング小当たり」である場合には「ロング小当たり」に対応する態様でを停止表示させ、「ショート小当たり」である場合には「ショート小当たり」に対応する態様で停止表示させる。
さらに、ステップS813に係る停止表示設定処理においては、サブ制御装置262に対し演出表示装置42の停止表示を行う旨の確定コマンドを送信するための設定処理を行う。
そして、続くステップS814において、判別情報設定処理を行った後、本処理を終了する。
ここで、判別情報設定処理について、図25を参照して詳しく説明する。先ずステップS1001では、直撃大当たりフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1001で肯定判別された場合、すなわち、当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS1002以降の大当たり設定を行う。
具体的には、ステップS1002において、特別遊技状態としての大当たり状態中か否かを示す大当たり中フラグをオン設定する。続くステップS1003では、可変入賞装置32が開状態中であるか否かを示す第1可変フラグをオン設定する。尚、本実施形態では、第1可変フラグがオンされた場合に、可変入賞装置32が開状態とされる。
続いて、ステップS1004において、可変入賞装置32の開放時間等を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを示す第1可変タイマの設定を行う。本例では、第1可変タイマに対して30秒に相当する「7500」が値として設定される。これにより、1ラウンドあたりの最大開放時間(可変入賞装置32が開状態とされる最長時間)が30秒となる。
次に、ステップS1005において、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(特賞状態発生回数、つまり可変入賞装置32の開閉処理の実行回数)を示すラウンド数カウンタの設定を行う。ここでは、「直撃大当たり」に対応して、総ラウンド数を示す「15」が値として設定される。
続くステップS1006では、可変入賞装置32に入球した遊技球の数をカウントする入賞カウンタの設定処理を行う。本例では、1ラウンドあたりの最大入球個数を示す「8」が値として設定される。その後、本処理を終了する。尚、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図11のステップS301参照)に際して、可変入賞装置32への入球があったか否かをカウントスイッチ223の検知情報により判別し、可変入賞装置32への入球があったと判別されると、入賞カウンタの値が1減算される。
また、ステップS1001において否定判別された場合、すなわち当否抽選にて大当たりに当選していないと判別された場合には、ステップS1007へ移行する。
ステップS1007では、変動回数カウンタの設定の有無を判別する。変動回数カウンタとは、時間短縮モード(高入球状態)の継続期間を計測するための手段である。本実施形態において、時間短縮モードは、大当たり状態終了後、特別表示装置43において変動表示が4回行われるまでとなっており、後述するように大当たり終了後にカウンタ値として「4」が設定される。
ここで、変動回数カウンタのカウンタ値が「0」の場合には、そのまま本処理を終了する。一方、変動回数カウンタが設定されている場合(カウンタ値が「0」以外の場合)には、時間短縮モード中とみなし、ステップS1008において、変動回数カウンタの値を1減算する処理を行い、ステップS1009へ移行する。
ステップS1009では、変動回数カウンタのカウンタ値が「0」か否かを判別する。つまり、今回の変動表示が、大当たりの終了後(時間短縮モードの付与後)、4回目の変動表示であったか否かを判別する。ここで、変動回数カウンタの値が「0」であれば、ステップS1010において時間短縮モードフラグをオフする処理を行い、ステップS1011において通常モードフラグをオンする処理を行い、本処理を終了する。一方、ステップS1009で、変動回数カウンタのカウンタ値が「0」ではないと判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
次に、上記ステップS206の可変入賞装置制御処理について図26を参照して説明する。
まず、ステップS1201において大当たり中フラグを参酌し、大当たり中か否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップS1201で肯定判別された場合、ステップS1202において、第1可変タイマのカウント値を1減算する。続くステップS1203では、第1可変フラグがオンであるか否かを判別する。
ステップS1203で肯定判別された場合、すなわち、可変入賞装置32が開状態である場合には、ステップS1204に進み、第1可変タイマのカウント値が「0」であるか否かを判別する。すなわち、該ステップS1204では、第1可変フラグがオンされるときに設定される1ラウンドあたりの可変入賞装置32の開放時間が残されているか否かを判別する。
ステップS1204にて否定判別された場合には、ステップS1205に進み、入賞カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。すなわち、可変入賞装置32へ入賞した遊技球の球数が1ラウンドあたりの規定個数(本例では8個)に達したか否かを判別する。ステップS1205にて否定判別された場合、すなわち、可変入賞装置32を閉状態とするタイミング(ラウンド終了のタイミング)が未だ到来していない場合には、本処理を終了する。
一方、ステップS1204又はステップS1205にて肯定判別された場合には、ステップS1206に進み、ラウンド数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判別する。すなわち、ラウンド数(可変入賞装置32の開放回数)が規定回数に達したか否かを判別する。
ステップS1206で肯定判別された場合には、ステップS1207において終了設定処理を行い、本処理を終了する。該終了設定処理の詳細は後述する。
ステップS1206で否定判別された場合、すなわちラウンド数が規定回数に達していない場合には、ステップS1208において、ラウンド送り処理を行い、本処理を終了する。ラウンド送り処理では、ラウンド数カウンタの値を1減算する。つまり、実行したラウンド数が、事前に設定された規定回数に達するまで可変入賞装置32の開閉処理が繰り返し行われる。また、ラウンド送り処理では、第1可変フラグをオフにするとともに、第1可変タイマに対して、次のラウンドが開始されるまでのウエイト時間(インターバル時間)をセットする。
そして、上記ステップS1203にて否定判別された場合、すなわち、ラウンド間のインターバル期間中である場合には、ステップS1209に進み、第1可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。
ステップS1209にて肯定判別された場合、すなわちインターバル期間が終了し、次のラウンドを開始するタイミングに至った場合には、ステップS1210においてラウンド開始処理を行う。ラウンド開始処理では、第1可変フラグをオンにするとともに、第1可変タイマに対して1ラウンドあたりの可変入賞装置32の開放時間(本例では「7500」)を設定し、入賞カウンタに対して1ラウンドあたりの最大入賞個数(本例では「8」)を設定する。ステップS1209にて否定判別された場合、又は、ステップS1210にてラウンド開始処理が完了した場合には、本処理を終了する。
尚、第1可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、可変入賞装置32に対し各種制御信号が出力される。第1可変フラグがオンの場合には可変入賞装置32を開放する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が開状態となる。一方、第1可変フラグがオフの場合には可変入賞装置32を閉鎖する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が閉状態となる。
ここで、ステップS1207の終了設定処理について、図27を参照して説明する。先ず、ステップS1301では、第1可変フラグをオフする。続くステップS1302では、大当たり中フラグをオフする。その後、ステップS1303において、時間短縮モードフラグをオン設定する。すなわち、本実施形態では、「直撃大当たり」、並びに、「V入賞大当たり(「15ラウンド大当たり」、「7ラウンド大当たり」、及び、「3ラウンド大当たり」)の全ての大当たり種別の大当たり状態終了後において、時間短縮モードが付与されるように構成されている。
ステップS1303の後、ステップS1304において、通常モードフラグをオフし、ステップS1305において、変動回数カウンタに「4」を設定してからステップS1306に移行する。すなわち、大当たり終了後は、変動表示が4回行われるまでの間、時間短縮モードとなる。ステップS1306では、各種大当たりフラグをオフする処理を行う。ステップS1306の後、本処理を終了する。
次に、ステップS207の羽根部材開閉処理について、図28を参照して説明する。先ず、ステップS1801では、羽根開放フラグ(変動表示設定処理のステップS914参照)がオンされているか否かを判別する。ステップS1801で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1801で肯定判別された場合には、ステップS1802において、羽根部材404が開放中であることを示す小当たり開放中フラグがオンであるか否かを判別する。該ステップS1802で否定判別された場合、すなわち、「小当たり」の当選によってこれから羽根部材404を開放する場合には、ステップS1803に移行する。
ステップS1803では、開閉制御タイマの値が「0」であるか否かを判別する。尚、上述したように、変動表示設定処理に際して「小当たり」に当選したと判別された場合に、開閉制御タイマに対し、特別表示装置43にて行われる変動表示の変動時間と同じ時間に相当する値が設定される(ステップS919、ステップS923、ステップS926、ステップS930、ステップS934、ステップS937参照)。このため、対応する変動表示の終了と同時に、該判別においても肯定判別されることとなる。
ステップS1803で否定判別された場合、ステップS1804において、開閉制御タイマの値を1減算し、本処理を終了する。一方、ステップS1803で肯定判別された場合、すなわち、羽根部材404を開放するタイミングが到来した場合には、ステップS1805において、小当たり開放中フラグをオンにするとともに、ステップS1806において、羽根部材404を開状態とさせる処理を行う。
その後、ステップS1807において、特別変動保留エリアの実行エリアのロング小当たり発生フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1807で肯定判別された場合には、ステップS1808において、開閉制御タイマに対して1.5秒に相当する値「375」を設定し、本処理を終了する。
一方、ステップS1807で否定判別された場合には、ステップS1809において、開閉制御タイマに対して0.5秒に相当する値「125」を設定し、本処理を終了する。
また、ステップS1802で肯定判別された場合には、ステップS1810において、開閉制御タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1810で否定判別された場合には、ステップS1811において、開閉制御タイマの値を1減算し、本処理を終了する。
一方、ステップS1810で肯定判別された場合、すなわち、羽根部材404を閉状態とするタイミングが到来した場合には、ステップS1812において、小当たり開放中フラグをオフし、ステップS1813において、羽根開放フラグをオフし、ステップS1814において、羽根部材404を閉状態とさせる処理を行ってから、本処理を終了する。
次に、前記ステップS208の第2表示制御処理について図29のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS2101では、スルーゲート用表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す第2表示中フラグの設定状況を見てスルーゲート用表示装置41による変動表示(切換表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、第2表示中フラグがオンである場合にはスルーゲート用表示装置41において変動表示中であるとみなされ、第2表示中フラグがオフである場合には、スルーゲート用表示装置41において変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。
ステップS2101で否定判別された場合には、ステップS2102に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判別する。このとき、普通保留カウンタNcの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、変動表示中でなく且つ普通保留カウンタNcの値が0よりも大きければ、ステップS2103に進む。ステップS2103では、普通保留カウンタNcから1を減算する。ステップS2104では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、スルーゲート用表示装置41において変動表示(切換表示)を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは、第2表示中フラグをオンにするとともに、第2表示タイマの設定処理が行われる。第2表示タイマとは、スルーゲート用表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
本実施形態では、高入球状態である時間短縮モードと、通常モードとではスルーゲート用表示装置41における変動表示の変動時間が異なっており、時間短縮モードにおいては、第2表示タイマに対して0.5秒に相当する値「125」が設定され、通常モードにおいては、第2表示タイマに対して5秒に相当する値「1250」が設定される。尚、大当たり状態中においては、通常モードと同様に第2表示タイマに対して「1250」が設定される。
そして、ステップS2105の終了後、第2表示制御処理を終了する。尚、該開始設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、スルーゲート用表示装置41に対し変動表示(切換表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、スルーゲート用表示装置41において変動表示(切換表示)が開始される。
また、ステップS2101で肯定判別された場合、すなわちスルーゲート用表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、第2表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2107に進み、第2表示タイマのカウント値が「0」であるか否かを判別する。すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2107で肯定判別された場合には、ステップS2108において第2表示中フラグをオフし、ステップS2109においてスルーゲート用表示装置41にて停止表示を行うための停止表示設定を行う。そして、この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、スルーゲート用表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。
なお、上述したように、普通変動保留エリアの実行エリアに格納されている入球アシスト乱数カウンタC3の値に基づいて当選か否かが判別される。具体的には、入球アシスト乱数カウンタC3の数値0~9のうち「1~8」が当たり値である。
続いてステップS2110に進み、判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、第2始動入賞部33b(始動口開閉部材33c)の開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、第2可変フラグをオンにして、第2可変タイマに開放時間を設定する。
第2可変フラグとは、第2始動入賞部33b(始動口開閉部材33c)が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
第2可変タイマとは、第2始動入賞部33bの開放時間(残余時間)を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。本実施形態では、高入球状態である時間短縮モードと、通常モードとでは第2始動入賞部33b(始動口開閉部材33c)の開放時間が異なっており、時間短縮モードにおいては、第2可変タイマに対して2秒に相当する値「500」が設定され、通常モードにおいては、第2可変タイマに対して0.4秒に相当する値「100」が設定される。尚、大当たり状態中においては、通常モードと同様に第2可変タイマに対して「100」が設定される。
一方、ステップS2107で否定判別された場合には、ステップS2111において、スルーゲート用表示装置41の変動表示(切替表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、スルーゲート用表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、点灯されるランプの組合わせを順次切り替えていくよう設定する。これによって、第2表示制御処理のタイミング、すなわち4msec毎にスルーゲート用表示装置41の変動表示(切換表示)が実現される。
次に上記ステップS209の始動入賞部制御処理について、図30のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS2201において第2始動入賞部33b(始動口開閉部材33c)が開状態であるか否かを示す第2可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、第2可変フラグがオンではない(第2始動入賞部33bが閉状態である)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、上記ステップS2201において肯定判別された場合、すなわち第2可変フラグがオンである場合は第2始動入賞部33bが開状態であるとみなし、ステップS2202において第2可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2可変タイマの値が1ずつ減算されていく。
続いてステップS2203に進み、上記減算後の第2可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち第2可変タイマの値が「0」となった時にステップS2203が肯定判別される。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2203で肯定判別された場合にはステップS2204へ移行し、ステップS2204にて終了設定処理を行ってから、本処理を終了する。ステップS2204の終了設定処理では、第2可変フラグをオフする処理が行われる。
尚、第2可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、第2始動入賞部33bに対し各種制御信号が出力される。第2可変フラグがオンの場合には第2始動入賞部33b(始動口用ソレノイド)に対し始動口開閉部材33cを開放する旨の駆動信号が出力され、第2始動入賞部33bが開状態となる。一方、第2可変フラグがオフの場合には第2始動入賞部33bに対し始動口開閉部材33cを閉鎖する旨の駆動信号が出力され、第2始動入賞部33bが閉状態となる。
次に、前記ステップS210の第3表示制御処理について図31のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS2301では、スペシャルゲート用表示装置44にて変動表示中であるか否かを示す第3表示中フラグの設定状況を見てスペシャルゲート用表示装置44による変動表示(切換表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、第3表示中フラグがオンである場合にはスペシャルゲート用表示装置44において変動表示中であるとみなされ、第3表示中フラグがオフである場合には、スペシャルゲート用表示装置44において変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。
ステップS2301で否定判別された場合には、ステップS2302に進み、スペシャルゲート通過フラグがオンであるか否かを判別する。該ステップS2302において否定判別された場合、すなわちスペシャルゲート通過フラグがオンでない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、変動表示中でなく且つスペシャルゲート通過フラグがオンであれば、ステップS2303に進み、スペシャルゲート通過フラグをオフとする。続くステップS2304では、開始設定処理を実行する。この処理では、スペシャルゲート用表示装置44において変動表示(切換表示)を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは、第3表示中フラグをオンにするとともに、第3表示タイマの設定処理が行われる。第3表示タイマとは、スペシャルゲート用表示装置44にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
本実施形態では、遊技状態が時間短縮モードであるか、通常モードであるかにかかわらず、変動表示の変動時間が一律に1秒とされており、第3表示タイマに対して1秒に相当する値「250」が設定される。
そして、ステップS2304の終了後、第3表示制御処理を終了する。尚、該開始設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、スペシャルゲート用表示装置44に対し変動表示(切換表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、スペシャルゲート用表示装置44において変動表示(切換表示)が開始される。
また、ステップS2301で肯定判別された場合、すなわちスペシャルゲート用表示装置44にて変動表示中である場合には、ステップS2306に進み、第3表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第3表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2307に進み、第3表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2307で肯定判別された場合には、ステップS2308において第3表示中フラグをオフし、ステップS2309においてスペシャルゲート用表示装置44にて停止表示を行うための停止表示設定を行う。そして、この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、スペシャルゲート用表示装置44に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。
なお、上述したように、上記作動アシスト乱数格納エリアに格納されている作動アシスト乱数カウンタC4の値に基づいて当選か否かが判別される。具体的には、作動アシスト乱数カウンタC4の数値0~19のうち「1~15」が当たり値である。
続いてステップS2310に進み、判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、バイパス機構部721の可動役物722の駆動処理を行うための設定処理を行う。具体的には、役物作動中フラグをオンにして、役物作動タイマに作動時間を設定する。
役物作動中フラグとは、可動役物722が作動中であるか否かを判別するための判別情報である。
役物作動タイマとは、可動役物722の作動時間(残余時間)を計測する手段であり、作動開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。本実施形態では、役物作動タイマに対して4秒に相当する値「1000」が設定される。
一方、ステップS2307で否定判別された場合には、ステップS2111において、スペシャルゲート用表示装置44の変動表示(切替表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、スペシャルゲート用表示装置44に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、点灯されるランプの組合わせを順次切り替えていくよう設定する。これによって、第3表示制御処理のタイミング、すなわち4msec毎にスペシャルゲート用表示装置44の変動表示(切換表示)が実現される。
次に、上記ステップS211の役物駆動制御処理において行われるバイパス機構制御処理について図32のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS2401において可動役物722が作動状態であるか否かを示す役物作動中フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、役物作動中フラグがオンではない(可動役物722が収容状態である)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、上記ステップS2401において肯定判別された場合、すなわち役物作動中フラグがオンである場合は可動役物722が突出状態であるとみなし、ステップS2402において役物作動タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に役物作動タイマの値が1ずつ減算されていく。
続いてステップS2403に進み、上記減算後の役物作動タイマの値を参酌して、規定された突出時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された突出時間を経過した時、すなわち役物作動タイマの値が「0」となった時にステップS2403が肯定判別される。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2403で肯定判別された場合にはステップS2404へ移行し、ステップS2404にて終了設定処理を行ってから、本処理を終了する。ステップS2404の終了設定処理では、役物作動中フラグをオフする処理が行われる。
尚、役物作動中フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、バイパス機構部721(可動役物用ソレノイド725)に対し各種制御信号が出力される。役物作動中フラグがオンの場合には、可動役物用ソレノイド725を励磁状態にする駆動信号が出力され、可動役物722が突出状態となる。一方、役物作動中フラグがオフの場合には、可動役物用ソレノイド725を非励磁状態にする駆動信号が出力され、可動役物722が収容状態となる。
次に、ステップS212の残存球監視処理について図33を参照して説明する。先ず、ステップS7101では、内部領域401内に残存する遊技球の数を特定するため、残存球監視カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。
尚、「残存球監視カウンタ」は、上述したように、内部入球検知スイッチ437の検知に基づいて1加算され、非特別入球検知スイッチ462、15R入球検知スイッチ734、7R入球検知スイッチ735、3R入球検知スイッチ736、及び、スペシャルゲートスイッチ651の検知に基づいて1減算される。
ステップS7101で肯定判別された場合、すなわち内部領域401内に遊技球が残存していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS7101で否定判別された場合には、ステップS7102において、内部領域401に対して遊技球が最後に入球してから所定時間が経過したか否かを判別するための監視タイマの値が「0」であるか否かを判別する。
ステップS7102で否定判別された場合には、ステップS7103において監視タイマの値を1減算してから本処理を終了する。尚、本実施形態では、内部領域401への入球があった際に、監視タイマに「10000」がセットされる。このため、内部領域401に最後の入球があってから40秒後に監視タイマが「0」になる。また、本実施形態では、遊技球が内部領域401に入球してから排出されるまでの時間(具体的には、遊技球が内部入球検知スイッチ437に検知されてから、該遊技球が非特別入球検知スイッチ462、15R入球検知スイッチ734、7R入球検知スイッチ735、3R入球検知スイッチ736、又は、スペシャルゲートスイッチ651に検知されるまでの時間)が、概ね8秒~30秒となっている。
一方、ステップS7102で肯定判別された場合、つまり遊技球が内部領域401に入球してから排出されるまでの時間として想定された時間を大幅に経過しても残存球監視カウンタの値が「0」にならない場合には、内部領域401内において球詰まりが発生しているとみなし、ステップS7104においてエラー報知処理を行う。例えばエラー表示ランプ104を点灯したり、エラー報知の音声を出力したり、遊技球の発射を禁止する等の制御を行う。その後、本処理を終了する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図34を参照して受信割込み処理を説明し、その後、図35を参照してメイン処理を説明する。
図34は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば図36に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図35を参照して説明する。図35は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、続くステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図36のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、ステップS3201において、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う。
ここで、ステップS3201のコマンド判定処理について、図37を参照して説明する。
まず、ステップS3301では、コマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図34参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302~ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304~ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図36のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判別されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満杯状態又は下皿満杯解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満杯スイッチの検知信号により下皿15の満杯状態を判別し、下皿満杯になった時、下皿満杯状態の設定を実行し、下皿満杯でなくなった時、下皿満杯解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検知信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図38を参照しつつ詳しく説明する。先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップS3903では、先発コマンドに含まれる変動情報を、RAM553に設けられた保留情報格納エリアに格納する保留情報格納処理を行う。尚、先発コマンドには、上記のように、第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33bいずれの始動入賞部33への入球を契機とする変動表示であるか(始動入賞判別フラグの設定)を示す情報、大当たりに対応する変動情報であるか(大当たり発生フラグの設定)を示す情報、ロング小当たりやショート小当たりに対応する変動表示であるか(ロング小当たり発生フラグやショート小当たり発生フラグの設定)を示す情報、外れに対応する変動表示であるか否か(外れフラグの設定)を示す情報、変動表示の変動時間(2秒変動フラグ、3秒変動フラグ、7秒変動フラグ、0.1秒変動フラグの設定)を示す情報が含まれる。
また、保留情報格納エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアと同様に、4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)と、1つの実行エリアとを備えている。保留情報格納エリアには、変動表示(特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、先発コマンドに含まれる変動情報が時系列的に格納される。該構成を採用することで、主制御装置261の特別変動保留エリアに記憶された変動情報を、サブ制御装置262においても把握することができる。
ここで、ステップS3903の保留情報格納処理について、図39を参照して説明する。
先ず、ステップS4101では、先発コマンドを受信したか否か(先発コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップS4101で肯定判別された場合には、ステップS4102において、保留情報格納エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする保留カウンタNpを1インクメントする。
続くステップS4103では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、小当たりか否かの情報、変動時間の情報等を含む変動情報を、保留情報格納エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。その後、ステップS4104において、演出表示内容の決定に際して用いられる各種カウンタの値を取得し、該値を変動情報が記憶されたのと同じ保留エリアに記憶する。
ステップS4104の処理を行った後、又は、ステップS4101で否定判別された場合には、ステップS4105に移行し、変動パターンコマンドを受信したか否か(変動パターンコマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。該ステップS4105で肯定判別された場合には、ステップS4106において、保留カウンタNpの値を1減算する。
ステップS4106の後、ステップS4107において、保留情報格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留情報格納エリアの第1~第4保留エリアに格納されているデータ(フラグ情報も含む)を実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリア→実行エリア、第2保留エリア→第1保留エリア、第3保留エリア→第2保留エリア、第4保留エリア→第3保留エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
ステップS4107の処理を行った後、又は、ステップS4105で否定判別された場合には、本処理を終了する。
図38の説明に戻り、ステップS3903の後又はステップS3901で否定判別された場合には、ステップS3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では1msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3911へと移行する。
ステップS3905では、演出表示内容の決定に際して用いられる各種カウンタの更新処理を実行する。続くステップS3906では表示設定処理を行う。ここでは、基本的に変動パターンコマンドの受信に際してRAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。従って、ここで演出表示装置42において表示する表示態様が決定される。この際、サブ制御装置262は、各種演出の種別(変動種別)と変動パターンコマンドとを対応付けるテーブルに基づいて処理を行う。
尚、表示コマンドは、例えば変動表示の開始から終了までの一連の表示演出を指定するためのコマンドや、大当たり中の表示演出を指定するためのコマンドであり、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づいてその都度必要な表示コマンドが生成される。通常、サブ制御装置262にて生成される変動表示に関わる表示コマンドは大別して通常変動データ群やリーチ演出データ群などからなり、基本的にはこれらデータ群を構成する各データが上記変動時間タイマを基に予め決められた時間順序に則して順次出力されることで、各種変動パターンに応じた表示演出が行われる。例えば、通常変動データ群が通常変動データ1,通常変動データ2,・・・,通常変動データmからなり、リーチ演出データ群がリーチ演出データ1,リーチ演出データ2,・・・,リーチ演出データnからなる場合には、通常変動の開始に伴い通常変動データ1→2→・・・→mの順でデータ出力が順次行われ、それに引き続きリーチ演出の開始に伴いリーチ演出データ1→2→・・・→nの順でデータ出力が順次行われる。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、演出表示装置42での変動表示等を開始する。なお、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、確定コマンドを受信するまでの間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに演出表示が継続される。そして、確定コマンドを受信した場合には、演出表示装置42における変動表示を停止する。
また、該ステップS3906では、演出ボタン125の操作の有無についても確認し、演出ボタン125の操作が確認された場合には、これに応じた設定を行う。さらに、本実施形態では、終了設定処理において変動回数カウンタに「4」が設定された場合や、判別情報設定処理において変動回数カウンタの値が1減算された場合に、その旨を含むコマンドが主制御装置261からサブ制御装置262に出力され、サブ制御装置262では、該コマンド情報に基づいて、演出表示装置42にて時間短縮モードの残り回数を表示する構成となっている。
加えて、該ステップS3906において、遊技球がスペシャルゲート650を通過したことに基づき主制御装置261から出力される作動予告コマンドをサブ制御装置262が受信した場合には、可動役物722が作動する激熱タイムであることを予告する作動予告演出を行う構成としてもよい。
例えば何秒後に可動役物722が作動するといったことを報知する演出や、ルート振分け部材603によって、どのタイミングで遊技球が通常案内通路604へ案内された場合には、可動役物722がより良いタイミングで作動することなどを報知する演出などが行われる。
ステップS3907のランプ設定処理では、中央入賞ユニット37にて行われる演出や、演出表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップS3908の音声設定処理では、中央入賞ユニット37にて行われる演出や、演出表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカ24の出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3908で行われる。
ステップS3909では、客待ち演出(例えば、演出表示装置42において特別表示装置43の変動表示に対応する表示演出が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示)の制御設定等その他の処理を行う。
ステップ3910では、上記ステップS3905~3909の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、特別表示装置43の変動表示に対応する表示演出を演出表示装置42に行わせる際に、表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
1msec毎に行われるステップS3905~S3910の処理が実行された後、又は、上記ステップS3904で否定判別された場合には、ステップS3911に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3912に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3911で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3913において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
以上詳述したように、本実施形態によれば、遊技領域内に発射された遊技球が始動入賞部33(第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33b)に入球し、かつ、該入球に基づく当否抽選にて小当たり当選した場合に、中央入賞ユニット37の羽根部材404が開閉動作し、入球開口部403が所定時間だけ開状態となる。
そして、入球開口部403が開状態とされた場合に、該入球開口部403を介して中央入賞ユニット37の内部領域401に入球した遊技球は、導入通路601を介して落下通路602へ案内される。
該落下通路602を落下した遊技球は、その行き先を、ルート振分け部材603によって、当否抽選エリア407へ案内可能な通常案内通路604、又は、役物作動抽選エリア409へ案内可能な特別案内通路605へ振り分けられる。
但し、通常時、ルート振分け部材603は、右傾斜状態にあり、右側の特別案内通路605を閉状態としているため、落下通路602を落下してくる遊技球は、左側の通常案内通路604へ導かれることとなる。
そして、遊技球が通常案内通路604へ導かれると、ルート振分け部材603は、接触する遊技球から受ける力によって所定時間、左傾斜状態となる。従って、このタイミングで落下通路602を落下してくる遊技球があれば、該遊技球は特別案内通路605へ導かれることとなる。
通常案内通路604へ導かれた遊技球は、当否抽選エリア407に導かれ、回転体ユニット410(回転体414)によって、その行き先を振り分けられる。ここで、第1V入賞通路427に遊技球が入球し、該遊技球が第1特別入球検知スイッチ461に検知された場合には、大当たり状態(V入賞大当たり)を発生させる権利が付与されることとなる。
その後、第1特別入球検知スイッチ461に検知された遊技球は、種別抽選エリア408に案内され、大当たり種別の決定に供される。そして、ここで大当たり種別(ラウンド数)が決定された後、大当たり状態が開始される。
一方、特別案内通路605へ導かれた遊技球は、役物作動抽選エリア409へ案内され、スペシャルゲート650を通過する。そして、スペシャルゲート650のスペシャルゲートスイッチ651によって遊技球が検知されると、作動アシスト抽選が行われ、該作動アシスト抽選にて当選した場合には、可動役物722が所定時間だけ作動する。
可動役物722が作動状態となり、ステージ部432より突出した状態となると、可動役物722内の第2V入賞通路730を介して、通常案内通路604とバイパス通路737が連通状態となる。
そして、可動役物722の作動状態中に第2V入賞通路730へ遊技球が入球した場合、該遊技球はバイパス通路737へ導かれ、該遊技球が第2特別入球検知スイッチ738に検知されることによって、大当たり状態(V入賞大当たり)を発生させる権利が付与されることとなる。
その後、バイパス通路737を介して、遊技球が15R入球口731に入球すると、15R大当たりが開始される。
つまり、可動役物722が作動状態(突出状態)となった場合には、回転体ユニット410並びに種別振分け機構部741を介することなく、通常案内通路604へ導かれた遊技球が直接、15R入球口731へ案内されることとなる。
以下、本実施形態の主な作用効果について述べる。上記のとおり、本実施形態では、中央入賞ユニット37の内部領域401に可動役物722を備えることにより、内部領域401に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせることができる。特に本実施形態では、可動役物722が作動状態となることで、V入賞大当たりの発生期待度を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、中央入賞ユニット37の内部領域401のスペシャルゲート650(スペシャルゲートスイッチ651)にて遊技球が検知された場合に、可動役物722を作動させるか否かを決める作動アシスト抽選が行われ、該作動アシスト抽選にて当選した場合に可動役物722が作動するよう構成されている。
これにより、可動役物722が定期的又は継続的に常時可動することもなく、また、スペシャルゲートスイッチ651による入球検知に合わせて毎回動作を行うこともなくなるため、可動役物722に関連する演出の単調化を抑制し、可動役物722が動作することに対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、可動役物722の動作契機を検出する契機入球手段(スペシャルゲート650)を中央入賞ユニット37の内部領域401に備えることにより、内部領域401に入球した遊技球の挙動に基づいて、可動役物722が有利状態となるか否か等が決定される構成となるため、中央入賞ユニット37の内部領域401における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
加えて、本実施形態では、スペシャルゲート650を通過した遊技球が内部領域401外へ排出され、第1V入賞通路427等へ流下不能(入球不能)な構成となっている。仮にスペシャルゲート650を通過した遊技球が第1V入賞通路427等へ向け流下するよう構成されている場合には、該遊技球に対し可動役物722が作用するタイミングが常に一定になってしまうおそれがある。結果として、可動役物722が作用した結果が常に同じ結果となってしまい、遊技者の興趣が低下するおそれがある。さらに、可動役物722の動作タイミングに合わせて、遊技機を振動させるなどの不正行為が行われやすくなるおそれがある。また、スペシャルゲート650を介さず、通常案内通路604を介して第1V入賞通路427等へ向け流下している他の遊技球の邪魔をしてしまうおそれもある。これに対し、本実施形態によれば、スペシャルゲート650を通過する遊技球と、可動役物722が作用する遊技球とが常に異なるものとなるため、上記種々の不具合の発生を抑制することができる。
さらに、本実施形態においては、中央入賞ユニット37の内部領域401に入球した遊技球の行き先を、当否抽選エリア407へ案内可能な通常案内通路604、又は、役物作動抽選エリア409(スペシャルゲート650)へ案内可能な特別案内通路605へ振り分けるルート振分け部材603を備えている。
そして、例えば中央入賞ユニット37の内部領域401へ2つの遊技球が連続して入球した場合に、先行する1つ目の遊技球が通常案内通路604へ案内され、後続の2つ目の遊技球が特別案内通路605へ案内される構成となっている。これにより、内部領域401へ2つの遊技球が連続して入球した場合に、遊技球を通常案内通路604及び特別案内通路605の両者へそれぞれ向かわせることが可能となるため、可動役物722の作用効果がより奏功することとなる。
但し、本実施形態では、発射装置60によって0.6秒間隔で遊技球が発射される構成の下、「ショート小当たり」時には、中央入賞ユニット37の羽根部材404が0.5秒間開放され、「ロング小当たり」時には、羽根部材404が1.5秒間開放される構成となっている。これにより、中央入賞ユニット37(羽根部材404)が開状態となる1回の開状態期間中に、該中央入賞ユニット37に対し複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況が頻繁には発生しにくい構成となっている。
かかる構成の下、仮に複数の遊技球が同時期(例えば羽根部材404の1回の開状態期間中)に連続して中央入賞ユニット37へ入球しなければ、可動役物722の作用(アシスト)を受けて、より高確率で遊技球がV入賞しないような構成となっている場合には、複数の遊技球が同時期に連続して中央入賞ユニット37へ入球しなかった段階で遊技者の期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、本実施形態では、所定の遊技球がスペシャルゲート650を通過してから、スペシャルゲート用表示装置44にて行われる変動表示の変動時間(可動役物722が作動開始するまでの時間)として「1秒」が設定されると共に、作動開始後の可動役物722の作動時間として「4秒」が設定されている。
これにより、例えばスペシャルゲート650に入球した遊技球と共に、他の遊技球が中央入賞ユニット37に入球しなかったり、スペシャルゲート650に入球した遊技球と共に中央入賞ユニット37に入球した他の遊技球がV入賞しなかった場合でも、その後に中央入賞ユニット37に入球した遊技球に対して、より高確率でV入賞するチャンスが与えられることとなる。
つまり、スペシャルゲート650を通過した遊技球と同時期(例えば羽根部材404の1回の開状態期間中)に中央入賞ユニット37へ入球した遊技球以外の遊技球に対しても、より高確率でV入賞するチャンスが与えられる構成となっている。
より具体的には、例えば中央入賞ユニット37(羽根部材404)の1回の開状態期間中に2つの遊技球が内部領域401に入球し、先行する1つ目の遊技球(最初に特定領域としての入口部601bを通過した遊技球)が通常案内通路604に流下し、後続の2つ目の遊技球(次に入口部601bを通過した遊技球)が特別案内通路605に流下して、その後、特別案内通路605へ流下した遊技球がスペシャルゲート650を通過して可動役物722が作動する場合において、通常案内通路604へ流下した遊技球が可動役物722を通過する時点では、可動役物722が未だ作動せず、通常案内通路604へ流下した遊技球が可動役物722の作用(アシスト)を受けず、V入賞しなかった場合でも、その後、中央入賞ユニット37(羽根部材404)の次の開状態期間中に内部領域401へ入球した遊技球(次の次に入口部601を通過した遊技球)が通常案内通路604へ流下し、可動役物722の作用により、V入賞するチャンスが与えられることとなる。
勿論、上記構成に代えて、スペシャルゲート用表示装置44にて行われる変動表示の変動時間(可動役物722が作動開始するまでの時間)や、作動開始後の可動役物722の作動時間など、各種設定時間を上記設定時間とは異なる時間に設定し、所定の遊技球がスペシャルゲート650を通過した後、比較的長い期間を経て(例えば1分以上後に)内部領域401へ入球した遊技球が通常案内通路604へ流下し、可動役物722の作用により、V入賞するチャンスが与えられる構成としてもよい。
このような構成とすることにより、遊技者は、遊技球がスペシャルゲート650を通過したことを確認した後段階であっても、中央入賞ユニット37へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
尚、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ここで、以下の各構成を個別に上記実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を任意に組み合わせて上記実施形態に対して適用してもよい。また、上記実施形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。
(a)上記実施形態に係るパチンコ機10は、始動入賞部33への入球に基づく当否抽選にて大当たり当選した場合に、可変入賞装置32が開閉する大当たり状態(直撃大当たり)が発生するタイプの遊技機(いわゆる旧第1種パチンコ機)の機能と、始動入賞部33への入球に基づく当否抽選にて小当たり当選した場合に開状態となる中央入賞ユニット37を備え、該中央入賞ユニット37内に入球した遊技球が第1V入賞通路427等に入球して大当たり状態(V入賞大当たり)が発生するタイプの遊技機(いわゆる旧第2種パチンコ機)の機能とを兼ね備えた、いわゆる1種2種混合機である。
これに限らず、他のタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、雀球等の各種遊技機として実施することも可能である。
例えば、始動入賞部33へ遊技球が入球した場合に所定の抽選処理を行うことなく(又は当選確率100%の抽選処理を行ってもよい。)、始動入賞部33への入球に基づき、中央入賞ユニット37が開状態となり、該中央入賞ユニット37内に入球した遊技球が第1V入賞通路427等に入球して大当たり状態が発生するタイプの遊技機(いわゆる旧第2種パチンコ機)として実施してもよい。
また、可変入賞装置32に代えて、可変入球手段としての中央入賞ユニット37が開閉する大当たり状態が発生する構成としてもよい。かかる場合、可変入賞装置32を省略した構成としてもよい。つまり、所定の始動入球手段への入球に基づく当否抽選にて大当たり当選した場合に、所定の可変入球手段(特定領域としての大入賞口)が開閉する大当たり状態が発生するタイプの遊技機において、前記可変入球手段の内部領域に可動体を備えた構成としてもよい。
また、上記実施形態に係る中央入賞ユニット37では、左側の入球開口部403に入球した遊技球は特定領域を構成する左側の入口部601bを必ず通過し、右側の入球開口部403に入球した遊技球は特定領域を構成する右側の入口部601bを必ず通過する構成となっており、内部領域401に入球した遊技球は所定検知手段を構成する左右いずれかの内部入球検知スイッチ437によって必ず検知されるようになっている。但し、特定領域や所定検知手段が設けられる位置や数など、特定領域や所定検知手段に係る各種構成は、上記入口部601bや内部入球検知スイッチ437に係る構成に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。例えば導入通路601の1つの出口部601aを特定領域とし、ここに所定検知手段としての内部入球検知スイッチ437を配置した構成とするなど、1又は複数の特定領域や所定検知手段を左右の入口部601bとは異なる位置に設けた構成としてもよい。
また、中央入賞ユニット37において、左右一対の入球開口部403等(左右一対の羽根部材404や、導入通路601及びその左右一対の入口部601bを含む。)のうち一方を省略した構成としてもよい。例えば左側の入球開口部403等(左側の羽根部材404や、導入通路601の左側部分及びその左側の入口部601bを含む。)を省略し、右側の入球開口部403等(右側の羽根部材404や、導入通路601の右側部分及びその右側の入口部601bを含む。)だけが設けられた構成としてもよい。これにより、遊技球が1球ずつ通過可能かつ1箇所にのみ設けられた特定領域としての出口部601aへ遊技球を1球ずつ案内可能な球通路(導入通路601の右側部分)が1箇所にのみに設けられた構成となる。つまり、前記1箇所の球通路を通過しない遊技球は、出口部601aを通過して内部領域401へ入球不能な構成となる。また、球通路(導入通路601の右側部分)は、所定の強度(右打ち)で発射され中央入賞ユニット37の上方を飛び越した遊技球のみが通過可能な位置に設けられていることとなる。
これに代えて又は加えて、中央入賞ユニット37の左右両側のうちの一方側(例えば右側)の外側位置(羽根部材404よりも外側位置)において、該一方側の入球開口部403等(一方側の羽根部材404や、導入通路601の一方側部分及びその一方側の入口部601bを含む。)へ遊技球を1球ずつ案内可能な球通路(球通路を有する球通路部材など)を設けた構成としてもよい。
また、導入通路601の出口部601aや入口部601b等の特定領域において、所定方向(内部領域401側)への遊技球の通過を許容する一方で、前記所定方向とは逆方向への遊技球の通過を規制する規制手段(遊技球から受ける力によって、第1の状態から第2の状態へ状態変化する弁状部材など)を備えた構成としてもよい。
尚、パチンコ機10に係る各種抽選(ソフト的な抽選処理や機械的機構による抽選など)に係る当選確率については、機種毎に適宜設定されるものであり、任意の値を採用することができる。また、遊技盤30の盤面構成等についても適宜、変更可能であることはいうまでもない。
また、遊技球を遊技機内で循環させる等して遊技者に対し直接的に払い出さないタイプの遊技機、いわゆる封入式のパチンコ機として実施してもよい。
(b)大当たりの種別(ラウンド数や構成内容など)は、上記実施形態に限定されるものではなく、異なる構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、大当たり状態の種別として、特賞状態(ラウンド)が3回繰り返される「3ラウンド大当たり」と、特賞状態(ラウンド)が7回繰り返される「7ラウンド大当たり」と、特賞状態(ラウンド)が15回繰り返される「15ラウンド大当たり」とが設定されているが、これに限らず、ラウンド数が異なる他の大当たり状態が発生する構成としてもよい。
勿論、複数種別の大当たり状態が発生可能な遊技機ではなく、大当たり状態が1種別(例えば15ラウンド大当たり)だけしか発生しない遊技機として実施してもよい。
(c)大当たり状態の終了後に付与される遊技モードの構成(付与期間や構成内容など)は、上記実施形態に限定されるものではなく、異なる構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、大当たり状態の終了後、特別表示装置43において変動表示が4回行われる間、特別表示装置43における変動表示の時間(変動時間)が短縮される時間短縮モードが付与される構成となっているが、時間短縮モードの付与期間は、これに限定されるものではない。例えば大当たり状態の終了後、次の大当たり状態が発生するまでの間、時間短縮モードが継続される構成としてもよい。
また、大当たり状態の終了後の遊技モードとして、時間短縮モードに代えて又は加えて、大当たり状態(直撃大当たり)の当選確率が高確率となる高確率モードなどが付与される構成としてもよい。勿論、大当たり状態の終了後に時間短縮モードや高確率モード等が付与されない構成の遊技機として実施してもよい。
また、上記実施形態では、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる入球アシスト抽選の当選確率や、スペシャルゲートスイッチ651への遊技球の通過に基づいて行われる作動アシスト抽選の当選確率については、いずれのモードにおいても同一となるよう構成されている。
これに限らず、大当たり状態の終了後の遊技モードとして、上記時間短縮モード若しくは上記高確率モードに代えて又は加えて、入球アシスト抽選の当選確率や、作動アシスト抽選の当選確率、小当たり(特にロング小当たり)の当選確率などが、通常モードよりも高確率となるモードが行われる構成としてもよい。
(d)役物作動抽選(役物作動抽選エリア409等)に関連する構成は、上記実施形態に限定されるものではない。
(d-1)例えば上記実施形態では、役物作動抽選エリア409に設けられたスペシャルゲート650(スペシャルゲートスイッチ651)にて遊技球が検知された場合に、可動役物722を作動させるか否かを決める作動アシスト抽選が行われ、該作動アシスト抽選にて当選した場合に、作動条件が成立し、可動役物722が作動するように構成されている。
これに限らず、例えば抽選処理を行うことなく、スペシャルゲートスイッチ651にて遊技球が検知された場合に、必ず作動条件が成立し、可動役物722が作動する構成としてもよい。
また、スペシャルゲートスイッチ651により検知された遊技球の数を計数する計数手段を備え、その計数値が所定数以上となった場合に作動条件が成立し、可動役物722が作動する構成としてもよい。又は、スペシャルゲートスイッチ651により検知された遊技球の数を計数する計数手段を備え、その計数値が所定数以上となった場合に所定の抽選処理を実行して所定の抽選結果が得られた場合に、作動条件が成立し、可動役物722が作動する構成としてもよい。
(d-2)また、可動役物722を作動させるか否かを決める作動アシスト抽選をソフト的な抽選処理ではなく、中央入賞ユニット37の内部領域401にクルーン等の機械的抽選機構を備え、遊技球の挙動に基づいて抽選を行う構成としてもよい。但し、ソフト的に抽選処理を行う方が、中央入賞ユニット37の構成の簡素化を図る上では好ましい。
例えば、役物作動抽選エリア409において、遊技球が必ずスペシャルゲート650(スペシャルゲートスイッチ651)を通過するのではなく、遊技球が所定の割合でスペシャルゲート650を通過し得る(又は通過しない)構成としてもよい。
(d-3)また、上記実施形態では、可動役物722の動作契機を検出するための契機入球手段(スペシャルゲート)が中央入賞ユニット37の内部領域401に設けられた構成となっているが、契機入球手段(スペシャルゲート)が設けられる位置は、これに限定されるものではなく、異なる位置でもよい。
例えば中央入賞ユニット37において、内部領域401とは異なる第2の内部領域(羽根部材404により開閉される入球開口部403とは異なる入口部から入球可能な領域)を備え、該第2の内部領域に契機入球手段(スペシャルゲート)が設けられた構成としてもよい。
(d-4)また、スルーゲート34のように、中央入賞ユニット37外の遊技領域内に契機入球手段(スペシャルゲート)を備え、遊技領域を流下する遊技球が入球(通過)可能な構成としてもよい。尚、契機入球手段に係る構成は、入球した遊技球が通過可能なスルーゲート等の入球手段に限定されず、入球した遊技球が遊技領域外へ排出される入賞口等の入球手段でもよい。そして、所定のスルーゲートや所定の入賞口などへの遊技球の入球に基づき、所定の抽選処理が実行され、所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合など、所定の作動条件が成立した場合に、可動役物722が作動する構成としてもよい。
また、中央入賞ユニット37(内部領域401)へ入球し、特別案内通路605へ案内された遊技球が、スペシャルゲート650を通過し、スペシャルゲートスイッチ651により検知された後、遊技盤30背面側へ排出されるのではなく、中央入賞ユニット37外の遊技領域内へ再び戻る構成としてもよい。
また、中央入賞ユニット37(内部領域401)へ入球し、特別案内通路605へ案内された遊技球が、所定の球検知手段に検知されることなく、該特別案内通路605を通過して、中央入賞ユニット37外の遊技領域内へ再び戻り、その後、中央入賞ユニット37外の遊技領域内に設けられた契機入球手段(スペシャルゲート等)へ入球可能に構成され、ここで契機入球検知手段(スペシャルゲートスイッチ等)により検知され得る構成としてもよい。
但し、可動役物722の動作契機を検出する契機入球手段(スペシャルゲート)が中央入賞ユニット37外に配置されている場合には、線材等を用いて契機入球検知手段(スペシャルゲートスイッチ)に誤検知させ、可動役物722を作動させる不正行為が行われやすくなるおそれがあるため、かかる観点からみれば、契機入球手段(スペシャルゲート)が中央入賞ユニット37内に配置されていることがより好ましい。
(d-5)上記実施形態では、遊技球がスペシャルゲート650を通過すると、スペシャルゲート用表示装置44において変動表示が開始され、所定時間後、作動アシスト抽選の抽選結果に対応した態様で停止表示が行われ、ここで作動アシスト抽選の抽選結果が当選結果であった場合には、その後、可動役物722が作動するよう構成されている。
これに限らず、作動アシスト抽選の抽選結果を表示するための表示手段(スペシャルゲート用表示装置44)を省略した構成としてもよい。
また、上記実施形態では、スペシャルゲート用表示装置44における変動表示の変動時間が一律(1秒)となっているが、これに限らず、変動表示の時間が異なる複数通りの変動パターンを備えた構成としてもよい。
例えば主制御装置261において、変動表示の時間が異なる複数通りの変動パターンを記憶する変動パターン記憶手段と、スペシャルゲートスイッチ651により遊技球が検知されることに基づき、前記変動パターン記憶手段に記憶された複数通りの変動パターンの中からいずれか1つを選出可能な変動パターン選出手段とを備え、前記変動パターン選出手段により選出された変動パターンに基づき、スペシャルゲート用表示装置44を制御する構成としてもよい。
これにより、スペシャルゲート用表示装置44において変動表示が開始されてから停止表示がなされるまでの変動時間を可変とすることができる。ひいては、スペシャルゲートスイッチ651により遊技球が検知されてから、実際に可動役物722が作動状態(有利状態)となるまでの作動開始期間を可変とすることとができる。
(d-6)上記実施形態では、スペシャルゲート用表示装置44の変動表示中や可動役物722の作動中において、新たに遊技球がスペシャルゲート650を通過し、スペシャルゲートスイッチ651により検知されたとしても、その分の変動表示(作動アシスト抽選結果)は保留されない構成となっている。つまり、その分の作動アシスト抽選は無効となり、可動役物722を作動させる権利が新たに付与されないように構成されている。
これに限らず、スペシャルゲート用表示装置44の変動表示中や可動役物722の作動中において、新たに遊技球がスペシャルゲート650を通過し、スペシャルゲートスイッチ651により検知された場合に、所定回数分の変動表示(作動アシスト抽選結果)を保留可能な保留手段を備えた構成としてもよい。
(e)ルート振分け(ルート振分けエリア406等)に関連する構成は、上記実施形態に限定されるものではない。
(e―1)例えば上記実施形態のルート振分け部材603は、揺動可能に軸支されると共に、通常時には、図示しないコイルばね等の付勢手段により右傾斜状態で維持され、落下通路602を落下してくる遊技球が、左側の通常案内通路604へ流下可能な状態となっている。そして、かかる状態で、落下通路602を落下してくる遊技球が左側の通常案内通路604へ導かれた場合には、ルート振分け部材603は、左片部614に接触する遊技球から受ける力によって、上記付勢手段の付勢力に抗して反時計回り方向に回動し、所定時間、左傾斜状態となり、落下通路602を落下してくる遊技球が右側の特別案内通路605へ流下可能な状態となるよう構成されている。
ルート振分け手段の構成(形状や動作態様など)は、これに限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
例えばルート振分け部材603の軸部611に軸ピン610が固定されると共に、該軸部611が上部後壁部400aの背面側へ突出し、さらに図46に示すように、該突出した軸ピン610の後端部から下方へ延出形成された作用片800を備えると共に、該作用片800を左右から支持する維持手段としての一対のコイルばね801,802を備え、ルート振分け部材603が、通常時、中央片部613が左右方向中央位置(軸ピン610の位置)にて左右に傾きのない平衡状態(基準姿勢)に維持される構成としてもよい。
かかる構成とすることにより、通常時、平衡状態にあるルート振分け部材603に対し遊技球が落下してきた場合、該遊技球が左側の通常案内通路604へ導かれるか、又は、右側の特別案内通路605へ導かれるかわからない状態となっている。
そして、平衡状態にあるルート振分け部材603に対し落下してきた遊技球が、例えば右側の特別案内通路605へ導かれた場合には、ルート振分け部材603は、右片部615に接触する遊技球から受ける力によって、一旦、時計回り方向に回動し、第1状態(第1姿勢)である右傾斜状態〔図41(a)参照〕となった後、一対のコイルばね801,802の弾性力により、反時計回り方向に回動し、第2状態(第2姿勢)である左傾斜状態〔図41(b)参照〕となる。その後、再度、右傾斜状態となるといったように、ルート振分け部材603は、複数回左右に揺動した後、一対のコイルばね801,802の弾性力により、平衡状態に戻る。
同様に、平衡状態にあるルート振分け部材603に対し落下してきた遊技球が、例えば左側の通常案内通路604へ導かれた場合には、ルート振分け部材603は、左片部614に接触する遊技球から受ける力によって、一旦、反時計回り方向に回動し、左傾斜状態となった後、一対のコイルばね801,802の弾性力により、時計回り方向に回動し、右傾斜状態となる。その後、再度、左傾斜状態となるといったように、ルート振分け部材603は、複数回左右に揺動した後、一対のコイルばね801,802の弾性力により、平衡状態に戻る。
かかる構成の下、平衡状態にあるルート振分け部材603に対し2つの遊技球が連続して落下してきた場合において、例えば先行の1つ目の遊技球が左側の通常案内通路604へ導かれた場合には、後続の2つ目の遊技球は右側の特別案内通路605へ導かれることとなる。逆に、先行の1つ目の遊技球が右側の特別案内通路605へ導かれた場合には、後続の2つ目の遊技球は左側の通常案内通路604へ導かれることとなる。
尚、上記構成によれば、ルート振分け部材603を駆動する駆動手段を備えることなく、比較的簡単な構成を採用しつつ、連続して落下してくる複数の遊技球を交互に異なるルートへ振り分ける構成を実現することができる。結果として、構成や制御の簡素化、コンパクト化等を図ることができる。
(e―2)図46に例示したルート振分け部材603において、上記一対のコイルばね801,802に代えて、作用片800の下端部に錘を取り付ける等して、通常時はルート振分け部材603に平衡状態を維持させつつ、遊技球の作用により、ルート振分け部材603が自由揺動可能となる構成としてもよい。
(e―3)図46に例示したルート振分け部材603において、上記一対のコイルばね801,802に代えて、ルート振分け部材603を揺動させるモータ等の駆動手段(振分駆動手段)を備え、ルート振分け部材603が右傾斜状態と左傾斜状態との間で定期的又は継続的に揺動する構成としてもよい。また、通常時は、ルート振分け部材603等のルート振分け手段が停止状態にあり、所定の駆動条件が成立し特定状態となった場合においてのみ所定の作動状態となる構成としてもよい。
(e―4)ルート振分け手段は、動作するものでなくてもよく、例えばハウジング400等に固定されたものや一体に設けられたものであってもよい。つまり、遊技球のランダムな挙動により、ルートが振分けられる構成としてもよい。その他、ルート振分け手段が設けられる位置や数など、ルート振分け手段に係る他の各種構成についても、上記実施形態に限定されるものではなく、異なる構成を採用してもよい。例えば1又は複数のルート振分け手段を上記実施形態とは異なる位置(上記中央入賞ユニット37とは異なる他の可変入球手段)に設けた構成としてもよい。
(f)各種案内ルートの構成は上記実施形態に限定されるものではない。
(f-1)例えば上記実施形態では、特に言及していないが、上記実施形態に係る構成においては、ルート振分け部材603によって遊技球が通常案内通路604へ案内された時点から、該遊技球が可動役物722(通常案内通路604の出口部604a)に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け部材603によって遊技球が特別案内通路605へ案内された時点から、該遊技球がペシャルゲート650(スペシャルゲートスイッチ651)に至り、可動役物722が有利状態となるまでの有利状態到達時間が短くなるよう構成することが好ましい。
仮にルート振分け部材603によって遊技球が通常案内通路604へ案内された時点から、該遊技球が可動役物722(通常案内通路604の出口部604a)に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け部材603によって遊技球が特別案内通路605へ案内された時点から、該遊技球がスペシャルゲート650に至り、可動役物722が有利状態となるまでの有利状態到達時間が長くなるよう構成されている場合には、中央入賞ユニット37の内部領域401へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け部材603によって通常案内通路604へ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が特別案内通路605に振分けられた場合に、遊技者は可動役物722が作動するタイミングより先に遊技球が可動役物722に到達してしまうことがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
尚、通常案内通路604へ案内された遊技球が可動役物722に至る可動体到達時間を長くするには、例えば通常案内通路604の通過に要する遊技球の移動距離を長くすることが一例として考えられる。また、これに代えて又は加えて、例えば遊技球の通過を遅らせる遅延手段を通常案内通路604に設置する構成を採用してもよい。
ここで、遅延手段としては、例えばステージやクルーンなど、遊技球が同じ場所を何回か往復したり、周回した後に先に進むような構成や、リブ等により遊技球の勢いを止めつつ時間をかけて遊技球が先に進むような構成などが一例として挙げられる。
(f-2)例えば上記実施形態では、ルート振分け部材603によって振り分けられた遊技球を契機入球手段(スペシャルゲート)へ案内する第2ルート(契機入球案内ルート)として、遊技球をスペシャルゲート650へ案内する特別案内通路605が1ルートだけ設けられた構成となっているが、これに限らず、遊技球がルート振分け部材603から契機入球手段(スペシャルゲート)に至るまでに要する時間が異なる複数の第2ルート(契機入球案内ルート)を備えた構成としてもよい。
複数の第2ルート(契機入球案内ルート)を備えることにより、遊技球がルート振分け部材603により振り分けられた時点(所定の契機)から、実際に可動役物722が作動状態(有利状態)となるまでの期間を可変とすることができる。
また、上記構成によれば、遊技球がルート振分け部材603により振り分けられた時点から契機入球手段(スペシャルゲート)に至るまでの期間を、遊技球の挙動に基づく機械的構成により可変とすることができるため、遊技者が中央入賞ユニット37の内部領域401における遊技球の挙動により注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
より具体的な構成として、例えば図47に示すように、ルート振分け部材603によって遊技球が通常案内通路604へ案内された時点から、該遊技球が可動役物722(通常案内通路604の出口部604a)に至る可動体到達時間よりも、ルート振分け部材603によって遊技球が振り分けられた時点から、該遊技球が第1の契機入球手段(第1のスペシャルゲート650A)に至り、可動役物722が作動状態となるまでの有利状態到達時間が長い第1の第2ルート(第1の特別案内通路605A)と、第2の契機入球手段(第2のスペシャルゲート650B)に至る有利状態到達時間が短い第2の第2ルート(第2の特別案内通路605B)とを備えた構成としてもよい。ここで、「第1の第2ルート(第1の特別案内通路605A)」が「第1の流下ルート」を構成し、「第2の第2ルート(第2の特別案内通路605B)」が「第2の流下ルート」を構成する(以下同様)。
図47に示す例では、第1のスペシャルゲート650Aにおいて、ここを通過する遊技球を検知する第1のスペシャルゲートスイッチ651Aが設けられ、第2のスペシャルゲート650Bにおいて、ここを通過する遊技球を検知する第2のスペシャルゲートスイッチ651Bが設けられている。ここで「第1のスペシャルゲートスイッチ651A」が「第1の契機入球検知手段」を構成し、「第2のスペシャルゲートスイッチ651B」が「第2の契機入球検知手段」を構成する(以下同様)。
各特別案内通路605A,605B及びスペシャルゲート650A,650Bの通路幅は、遊技球が1球ずつ通過可能な幅に設定されている。また、各スペシャルゲート650A,650Bを通過した遊技球は、図示しない排出通路を介して内部領域401外へ排出される。
また、第2の特別案内通路605Bの入口部には、該入口部を開閉可能なスライド部材655が設けられている。スライド部材655は、前後方向にスライド変位可能に設けられており、前方へ突出した位置へ変位することにより第2の特別案内通路605Bの入口部を閉鎖した閉状態となり、後方へ退避した位置へ変位することにより第2の特別案内通路605Bの入口部を開放した開状態となる。
そして、スライド部材655が閉状態となっている場合には、上流側ルート振分け手段としてのルート振分け部材603によって振り分けられた遊技球は、スライド部材655の上面を通過し、第1の特別案内通路605Aへ案内される。一方、スライド部材655が開状態となっている場合には、ルート振分け部材603によって振り分けられた遊技球は、第2の特別案内通路605Bへ案内される。
ここで、スライド部材655がスライド変位動作を常時繰り返し行っている構成としてもよいし、スライド部材655の状態が定期的に又はランダムに変更される構成としてもよい。また、特定状態において、スライド部材655が開状態となる割合と、閉状態となる割合が異なるように制御されてもよい。
つまり、スライド部材655が、本実施形態における契機ルート変更手段(下流側ルート振分け手段)を構成し、遊技球の行き先を「第1の第2ルート(第1の特別案内通路605A)」又は「第2の第2ルート(第2の特別案内通路605B)」へ変更可能としている。尚、ルート振分け部材603等のルート振分け手段が、スライド部材655のように所定のルートを開閉する構成となっていてもよい。
そして、各スペシャルゲートスイッチ651A,651Bにて遊技球が検知された場合には、それぞれ可動役物722を作動させるか否かを決める作動アシスト抽選が行われる。ここで、作動アシスト抽選にて当選した場合には、可動役物722が所定時間だけ作動する。尚、特定状態において、遊技球が第1のスペシャルゲートスイッチ651Aに検知された場合と、遊技球が第2のスペシャルゲートスイッチ651Bに検知された場合とで、作動アシスト抽選における当選確率が異なる構成としてもよい。つまり、遊技球が「第1の第2ルート(第1の特別案内通路605A)」へ流下した場合と、遊技球が「第2の第2ルート(第2の特別案内通路605B)」へ流下した場合とで、可動役物722が所定の作動状態となり得る割合が異なる構成としてもよい。
また、図47に示す例では、第1の特別案内通路605Aにおいて、リブ653A,653Bと突設することにより、遊技球の移動経路となる第1の特別案内通路605Aの通路長を長くすると共に、遊技球の勢いを止めつつ時間をかけて遊技球が先に進むような構成となっている。
尚、上記リブ653A,653Bに代えて又は加えて、遊技球の通過を遅らせる他の遅延手段(例えばステージやクルーンなど、遊技球が同じ場所を何回か往復したり、周回した後に先に進むような機構)を第1の特別案内通路605Aの途中に配置した構成をとしてもよい。
また、図47に示す例では、第1の特別案内通路605A及び第2の特別案内通路605Bそれぞれに対応して個別にスペシャルゲート650A,650B(スペシャルゲートスイッチ651A,651B)が設けられた構成となっているが、これに代えて、第1の特別案内通路605A又は第2の特別案内通路605Bをそれぞれ通過する遊技球が1つのスペシャルゲート(スペシャルゲートスイッチ)に向けて移動し、同一のスペシャルゲートスイッチにより検知される構成としてもよい。
また、図47に示す例では、遊技球が「第1の第2ルート(第1の特別案内通路605A)」へ流下した場合には、該遊技球が必ず第1のスペシャルゲート650A(第1のスペシャルゲートスイッチ651A)を通過し、遊技球が「第2の第2ルート(第2の特別案内通路605B)」へ流下した場合には、該遊技球が必ず第2のスペシャルゲート650B(第2のスペシャルゲートスイッチ651B)を通過する構成となっているが、これに限らず、遊技球が所定の割合で契機入球手段としての第1のスペシャルゲート650Aや第2のスペシャルゲート650Bを通過し得る(又は通過しない)構成としてもよい。加えて、遊技球が「第1の第2ルート(第1の特別案内通路605A)」へ流下した場合と、遊技球が「第2の第2ルート(第2の特別案内通路605B)」へ流下した場合とで、遊技球が契機入球手段を通過し得る割合(可動役物722が所定の作動状態となり得る割合)が異なる構成としてもよい。
(f-3)上記(f-2)に記載したような複数の第2ルート(契機入球案内ルート)を備えた構成は、上記(e―1)~(e―3)に例示したルート振分け部材603に係る構成の下で、より奏功することとなる。
仮にルート振分け部材603によって遊技球が通常案内通路604へ案内された時点から、該遊技球が可動役物722に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け部材603によって遊技球が特別案内通路605へ案内された時点から、該遊技球がスペシャルゲート650に至り、可動役物722が有利状態となるまでの有利状態到達時間が長くなるよう構成されている場合には、中央入賞ユニット37の内部領域401へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け部材603によって通常案内通路604へ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が特別案内通路605に振分けられた場合に、遊技者は可動役物722が作動するタイミングより先に遊技球が可動役物722に到達してしまうことがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
逆に、上記構成の下、先行の1つ目の遊技球がルート振分け部材603によって特別案内通路605へ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が通常案内通路604に振分けられた場合には、大当たり状態の発生期待度が高まり、遊技者は、期待感を持って特別案内通路605へ案内された遊技球の挙動を注視することとなる。
一方、ルート振分け部材603によって遊技球が通常案内通路604へ案内された時点から、該遊技球が可動役物722に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け部材603によって遊技球が特別案内通路605へ案内された時点から、該遊技球がスペシャルゲート650に至り、可動役物722が有利状態となるまでの有利状態到達時間が短くなるよう構成されている場合には、中央入賞ユニット37の内部領域401へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け部材603によって特別案内通路605へ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が通常案内通路604に振分けられた場合に、比較的長期間、可動役物722が有利状態に維持されない限り、可動役物722の有利状態が終了するタイミングよりも後に、遊技球が可動役物722に到達することがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
逆に、上記構成の下、先行の1つ目の遊技球がルート振分け部材603によって通常案内通路604へ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が特別案内通路605に振分けられた場合には、大当たり状態の発生期待度が高まり、遊技者は、期待感を持って特別案内通路605へ案内された遊技球の挙動を注視することとなる。
従って、上記のように複数の第2ルート(契機入球案内ルート)を備えた構成とすれば、中央入賞ユニット37の内部領域401へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球が通常案内通路604又は特別案内通路605のいずれに振分けられた場合でも、後続の2つ目の遊技球が「有利状態到達時間が長い第1の第2ルート(第1の特別案内通路605A)」又は「有利状態到達時間が短い第2の第2ルート(第2の特別案内通路605B)」のいずれに振分けられるかによって、可動役物722が作動するタイミングと、遊技球が可動役物722に到達するタイミングとが合う可能性が残されるため、遊技者は、大当たり状態の発生への期待感を持って遊技球の挙動を注視することができる。
(g)当否抽選(当否抽選エリア407等)に関連する構成は、上記実施形態に限定されるものではない。
(g-1)例えば上記実施形態では、当否振分け手段としての回転体ユニット410(回転体414)が設けられている。回転体414には、大当たり用の1つの特別ポケット部416aと、外れ用の2つの非特別ポケット部416bとを備え、反時計回り方向に一定速度で回転している。
これに限らず、例えば回転体414のポケット部416a及び非特別ポケット部416bの数及び比率を変更し、大当たり抽選の当選確率が異なるようにしてもよい。
(g-2)また、回転体414において、例えば3R大当たり用の特別ポケット部416a、及び、7R大当たり用の特別ポケット部416aを備え、当否抽選エリア407において、大当たりの種別抽選を併せて行う構成としてもよい。かかる場合、種別抽選エリア408を省略した構成としてもよい。
(g-3)回転体414に代えて、クルーンなど他の当否抽選機構を備えた構成としてもよい。
(h)種別抽選(種別抽選エリア408等)の構成は、上記実施形態に限定されるものではない。
(h-1)種別抽選エリア408には、遊技球の行き先を、15R入球口731、7R入球口732、又は、3R入球口733のいずれかに振分ける種別振分け手段(種別決定手段)としての種別振分け機構部741が設けられている。
種別振分け機構部741に代えて、クルーンなど他の種別抽選機構を備えた構成としてもよい。
(h-2)種別抽選エリア408を省略し、例えば第1V入賞通路427等の特別入球手段に遊技球が入球した場合に、付与する大当たり状態の種別を決定する構成としてもよい。つまり、大当たり状態の種別を決定する種別決定をソフト的な決定処理により行う構成としてもよい。
(i)中央入賞ユニット37や内部領域401に係る構成は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えばルート振分けエリア406(ルート振分け部材603)や、役物作動抽選エリア409(スペシャルゲート650)を省略した構成としてもよい。かかる場合、例えば内部入球検知スイッチ437により入球検知された場合に、可動役物722を作動させるか否かの作動アシスト抽選を行う構成としてもよい。
但し、内部入球検知スイッチ437の入球検知に基づき、可動役物722が所定動作を行うように構成されているだけである場合には、中央入賞ユニット37の内部領域401へ入球する遊技球に対して毎回同じタイミングで可動役物722が動作することとなる。
そのため、かかる場合には、上述した変動時間を可変とする構成など、動作タイミングを可変とする各種構成を併せて採用することが好ましい。
(j)遊技球がスペシャルゲート650を通過することに基づき状態変化する可動体の構成(位置や形状、動作態様、有利状態など)は、上記実施形態の可動役物722に係る構成に限定されるものではなく、開閉部材など他の構成を採用してもよい。
(j-1)例えば上記実施形態に係る可動役物722は、作動状態(有利状態)となることにより、回転体ユニット410による当否抽選、及び、種別振分け機構部741による種別抽選を回避して、通常案内通路604へ導かれる遊技球を直接、15R入球口731へ案内することができるように構成されている。
つまり、可動役物722が作動状態(有利状態)となっている場合には、可動役物722が非作動状態(非有利状態)となっている場合よりも、V入賞大当たりしやすくなるよう構成されると共に、複数種別の特別遊技状態(15R大当たり、7R大当たり、3R大当たり)のうち遊技者にとって最も有利な15R大当たりに対応する15R入球口731へ遊技球が入球容易となるよう構成されている。
これに限らず、回転体ユニット410による当否抽選のみを回避して、大当たり状態を発生させる権利だけを付与した状態で、種別抽選エリア408の入口部へ遊技球を案内するような構成としてもよい。
(j-2)また、可動体を種別抽選エリア408に設け、該可動体が有利状態に状態変化した場合に、種別振分け機構部741による種別抽選を回避して、遊技球を15R入球口731へ案内するような構成としてもよい。
(j-3)回転体ユニット410(回転体414)を、本実施形態における可動体として用いてもよい。例えば通常時に一定速度で回転している回転体414が、遊技球がスペシャルゲート650を通過することに基づき有利状態に状態変化して、大当たり用の特別ポケット部416aがゲート部435に対応する位置で一旦停止する、又は、大当たり用の特別ポケット部416aがゲート部435に対応する位置を非常に低速で移動するような構成としてもよい。
(j-4)回転体414において、例えば3R大当たり用の特別ポケット部416a、7R大当たり用の特別ポケット部416a、及び、15R大当たり用の特別ポケット部416aを備え、該回転体414を、通常時(非有利状態)には、15R大当たり用の特別ポケット部416aがゲート部435に対応する位置を非常に高速で移動するように制御して、該15R大当たり用の特別ポケット部416aに対し遊技球が入球することを困難とすると共に、遊技球がスペシャルゲート650を通過することに基づき有利状態になった場合には、15R大当たり用の特別ポケット部416aがゲート部435に対応する位置で一旦停止する、又は、15R大当たり用の特別ポケット部416aがゲート部435に対応する位置を通常速度で移動するような制御を行う構成としてもよい。
(j-5)種別振分け機構部741(第1渡し板744、第2渡し板745)を、本実施形態における可動体として用いてもよい。
例えば通常時に揺動している第1渡し板744及び第2渡し板745が、遊技球がスペシャルゲート650を通過することに基づき有利状態に状態変化して、先送り位置で一旦停止する、又は、先送り位置にある時間が多くなる等して、遊技球が15R入球口731へ入球容易となるような構成としてもよい。
(j-6)また、上記可動体(可動役物722、回転体414、種別振分け機構部741など)の作動状態(有利状態)が複数通り設定された構成としてもよい。また、それが所定の作動抽選処理の抽選結果により決定される構成としてもよい。このように可動体を作動状態(有利状態)とする際、複数の作動パターンのうちのいずれの作動パターンを実行するかを決定する機能により本実施形態における作動パターン決定手段が構成される。
さらに、可動役物722等の可動体が所定の作動状態(有利状態)に制御されている場合には、可動役物722等の可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、特別入球手段(V入賞通路427,730等)に入球しやすくなり、V入賞大当たりしやすくなるよう構成されてもよい。また、可動役物722等の可動体が所定の作動状態(有利状態)に制御されている場合には、可動役物722等の可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、複数種別の特別遊技状態(例えば15R大当たり、7R大当たり、3R大当たり)のうち所定の種別の特別遊技状態(例えば遊技者にとって最も有利な15R大当たり)になりやすい構成としてもよい。
(k)上記実施形態では、特に言及していないが、作動アシスト抽選により当選結果が得られた場合において、可動役物722が作動する前の作動開始期間中に、演出表示装置42等の演出手段において、可動役物722が作動状態となることを示唆する先行演出としてのオープニング演出を実行可能な構成としてもよい。
尚、かかるオープニング演出は、スペシャルゲート用表示装置44において変動表示が行われ、作動アシスト抽選の抽選結果に対応した態様で停止表示が行われる場合には、停止表示後に行われる。一方、スペシャルゲート用表示装置44を省略した構成(変動表示を行わない構成)においては、作動アシスト抽選により当選結果が得られた後に行われることとなる。
(k-1)上記構成に加えて、主制御装置261又はサブ制御装置262において、オープニング演出の演出時間を定める演出パターンを複数通り記憶する演出パターン記憶手段と、作動条件の成立(例えば作動アシスト抽選により当選結果が得られた場合)に基づき、演出パターン記憶手段に記憶された複数通りの演出パターンの中からいずれか1つを選出可能な演出パターン選出手段と、該演出パターン選出手段により選出された演出パターンに基づき所定の演出手段を制御可能な演出制御手段とを備えた構成としてもよい。
かかる構成により、所定の契機(例えば作動条件の成立時)から、実際に可動役物722が有利状態となるまでの作動開始期間(例えばオープニング期間)を可変とすることができる。
(k-2)上記オープニング演出等の演出を行うことなく、所定の契機(例えば作動条件の成立時)から、実際に可動役物722が有利状態となるまでの作動開始期間を可変としてもよい。
例えば主制御装置261において、作動条件の成立時から可動役物722が作動状態となるまでの作動開始期間を定める作動パターンを複数通り記憶する作動パターン記憶手段と、スペシャルゲートスイッチ651により遊技球が検知されることに基づき、前記作動パターン記憶手段に記憶された複数通りの作動パターンの中からいずれか1つを選出可能な作動パターン選出手段と、該作動パターン選出手段により選出された作動パターンに基づき可動役物722を制御可能な制御手段とを備えた構成としてもよい。
(l)可動役物722等の可動体を用いた遊技演出のみならず、他の遊技演出を行う構成としてもよい。
(l-1)例えば第1V入賞通路427等へ案内されることなく、アウト通路428(非特別入球検知スイッチ462)や特別案内通路605(スペシャルゲートスイッチ651)などの排出ルート(第2ルート)を介して内部領域401外に排出される遊技球が検知されることに基づき、所定条件が成立した場合に、遊技者に有利な特定処理を実行可能な構成としてもよい。かかる処理を実行する主制御装置261等の機能により本実施形態における特定処理実行手段が構成される。
これにより、第1V入賞通路427等へ向けて案内される遊技球の挙動のみならず、排出ルート(第2ルート)を介して排出される遊技球を利用して、新たな遊技性を付与することができ、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
(l-2)例えば非特別入球検知スイッチ462やスペシャルゲートスイッチ651などの球検知手段(排出球検知手段)により検知された遊技球の数を計数する計数手段を備え、その計数値が所定数以上となった場合に所定条件が成立し、又は、その計数値が所定数以上となった場合に所定の抽選処理を実行して所定の抽選結果が得られた場合に所定条件が成立し、遊技者に有利な特定処理を実行する構成としてもよい。
なお、かかる特定処理としては、例えば可動役物722が作動状態となる場合に該作動状態となる時間を長くする処理や、作動アシスト抽選における当選確率を高くする処理、回転体414の特別ポケット部416aに対し遊技球を入球しやすく処理、種別抽選エリア408において遊技球が15R入球口731へ案内されやすくなる処理などが挙げられる。
(m)中央入賞ユニット37の羽根部材404の小当たり開放態様(開閉パターン)や、可変入賞装置32の大入賞口開閉部材32aの大当たり開放態様(開閉パターン)は、上記実施形態に限定されるものではない。
(m-1)例えば上記実施形態では、羽根部材404の開閉パターンとして、「ショート小当たり」と「ロング小当たり」の2つの開閉パターンを備えた構成となっているが、これに限らず、1又は3つ以上の開閉パターンを備えた構成としてもよい。
(m-2)上記実施形態では、「ショート小当たり」時に、中央入賞ユニット37の羽根部材404が0.5秒間開放され、「ロング小当たり」時に、羽根部材404が1.5秒間開放される構成となっているが、羽根部材404の1回の開放態様(開放時間)は、上記実施形態に限定されるものではなく、開放時間の異なる他の開放態様を備えた構成としてもよい。
(m-3)上記実施形態では、1回の小当たり発生(第1始動入賞スイッチ224a又は第2始動入賞スイッチ224bによる入球検知に基づき行われる1回の当否抽選の結果)につき、羽根部材404の開閉動作(開放動作)が1回(1ラウンド)だけ行われる構成となっているが、これに限らず、1回の小当たり発生につき、羽根部材404の開閉動作が2回以上(複数ラウンド)行われる構成としてもよい。
(m-4)例えば羽根部材404の開閉動作が1回(1ラウンド)行われる第1の開閉パターンと、羽根部材404の開閉動作が2回(2ラウンド)行われる第2の開閉パターンとを備えた構成のように、開閉動作回数(ラウンド数)が異なる複数の開閉パターンが実行され得る構成としてもよい。但し、複数の開閉パターンのうち所定の開閉パターン(例えば1.5秒間開放のロング小当たり)が行われる場合には、前記所定の開閉パターンが行われない場合(例えば0.5秒間開放のショート小当たりが行われる場合)よりも、可動役物722等の可動体が所定の有利状態になりやすい構成となっていることが好ましい。
[付記]
以下、上記実施形態から把握できる技術的思想について、その効果とともに記載する。
従来課題A.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき開状態となる可変入球手段を備え、該可変入球手段の内部領域に入球した遊技球が、該内部領域内に設けられた特別入球手段(V入賞口)に入球した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば、特開平11-197312号公報参照)。
このようなパチンコ機の中には、可変入球手段の内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせる可動体を備えたものもある。
しかしながら、従来の遊技機においては、例えば可動体が遊技とは無関係に定期的又は継続的に所定動作を行っているか、又は、可変入球手段が開状態となるのに合わせて毎回、可動体が所定動作を行うといったように、可動体に関連する演出が単調となり、可動体が動作することに対する遊技者の興味(ドキドキ感)が薄れがちであった。かかる点で、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段A1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球可能な開状態と、前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球不能な閉状態とに状態変化可能な開閉部材を有し、特定領域を通過した遊技球のみが前記内部領域に入球可能な可変入球手段と、
前記内部領域に入球した遊技球が入球(又は通過)可能な特別入球手段と、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を付与可能な特別遊技状態付与手段とを備えた遊技機であって、
前記可変入球手段の内部領域において、少なくとも遊技者に有利な有利状態(特別状態)と、該有利状態よりも遊技者に有利でない非有利状態(通常状態)とに状態変化可能に設けられ、遊技球の挙動に変化を生じさせ得る(遊技球に作用し得る)可動体と、
遊技球が入球(又は通過)可能に設けられた契機入球手段と、
前記契機入球手段に入球した遊技球を検知可能な契機入球検知手段と、
前記契機入球検知手段の入球検知に基づいて所定の作動抽選処理を実行可能な抽選処理実行手段と、
少なくとも前記作動抽選処理により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合に、前記可動体に所定動作をさせる所定の前記有利状態とする制御を実行可能な可動体制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
上記手段A1によれば、可変入球手段の内部領域に可動体を備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせることができる。例えば可動体が所定の有利状態となることで、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
また、本手段においては、可動体を所定の有利状態とするか否か等を抽選により決定する構成となっている。これにより、例えば可動体が定期的又は継続的に常時動作を行うこともなく、可変入球手段が開状態となることなど、所定の契機に合わせて毎回、所定の動作を行うこともなくなるため、可動体に関連する演出の単調化を抑制し、可動体が動作することに対する遊技者の期待感を高めることができる。
特に本手段においては、可動体を所定の有利状態とするか否か等の決定を抽選処理実行手段(作動抽選処理)によりソフト的に行う構成となっている。これにより、遊技球の挙動に基づいて抽選を行う機械的抽選機構等のような複雑な機構を新たに設ける必要がなく、構成の簡素化を図ることができる。
尚、ここで「契機入球手段」の配置位置としては、例えば「前記可変入球手段の前記内部領域内」、「前記可変入球手段のうち前記内部領域とは異なる領域内」、「前記可変入球手段外の前記遊技領域内」などが挙げられる。
手段A2.前記契機入球手段は、前記特定領域を通過した遊技球が入球可能に構成されていることを特徴とする手段A1に記載の遊技機。
上記手段A2によれば、可動体の動作契機を検出する契機入球手段(契機入球検知手段)を可変入球手段の内部領域に備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に基づいて、可動体が所定の有利状態となるか否か等が決定される構成となるため、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、仮に可動体の動作契機を検出する契機入球手段(契機入球検知手段)が可変入球手段(内部領域)外に配置されている場合には、線材等を用いて契機入球検知手段に誤検知させ、可動体を作動させる不正行為が行われやすくなるおそれがある。
これに対し、上記手段A2によれば、契機入球手段を可変入球手段の内部領域に備えることにより、上述した不具合の発生を抑制することができる。
手段A3.前記契機入球手段へ入球(又は通過)した遊技球が前記特別入球手段へ流下不能(入球不能)に構成されていることを特徴とする手段A1又はA2に記載の遊技機。
仮に契機入球手段を通過した遊技球が特別入球手段へ向け流下するよう構成されている場合には、該遊技球に対し可動体が作用するタイミングが常に一定になってしまうおそれがある。結果として、可動体が作用した結果が常に同じ結果となってしまい、遊技者の興趣が低下するおそれがある。さらに、可動体の動作タイミングに合わせて、遊技機を振動させるなどの不正行為が行われやすくなるおそれがある。また、契機入球手段を介さず、特別入球手段へ向け流下している他の遊技球の邪魔をしてしまうおそれもある。
これに対し、上記手段A3によれば、契機入球手段へ入球等する遊技球と、可動体が作用する遊技球とが常に異なるものとなるため、上記種々の不具合の発生を抑制することができる。
手段A4.前記特定領域を通過した遊技球を前記特別入球手段へ流下可能であり、前記契機入球手段へ流下不能な第1ルートと、
前記特定領域を通過した遊技球を前記契機入球手段へ流下可能であり、前記特別入球手段へ流下不能な第2ルートと、
特定状態において、遊技球の行き先を少なくとも前記第1ルート又は前記第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段とを備え、
前記可動体は、前記第1ルートへ流下した遊技球の挙動に変化を生じさせ得るものであることを特徴とする手段A1乃至A3のいずれかに記載の遊技機。
上記各手段に係る構成の下、仮に可変入球手段に対し同時期に複数(例えば2つ)の遊技球が入球した場合(2つの遊技球がほとんど間隔を空けずに連続して流下していく連球状態を含む。以下同様。)等、遊技者に有利な状況が発生した場合であっても、これら複数の遊技球がすべて契機入球手段に向かってしまっては、いくら可動体が有利状態になったとしても、遊技球が1球も特別入球手段に入球しないなどの不具合が生じるおそれがある。
これに対し、上記手段A4によれば、例えば可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が同時期に連続して入球した場合に、先行する1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球が他方のルートに流下するといったように、遊技球を特別入球手段及び契機入球手段の両者へそれぞれ向かわせることが可能となるため、上記可動体を設けた作用効果がより奏功することとなる。
尚、「前記特定領域を通過した遊技球を前記特別入球手段へ流下可能な第1の流下ルート(第1の前記第1ルート)と、前記特定領域を通過した遊技球を前記第1の流下ルート(第1の前記第1ルート)よりも高確率で前記特別入球手段へ流下可能な第2の流下ルート(第2の前記第1ルート)とを備える構成とした場合には、全体として特別入球手段へ流下する遊技球の割合が多くなってしまうため、このような場合には、遊技者と遊技ホールとの利益の均衡に鑑み、必然的に特別遊技状態の発生確率を低く設定しなければならず、遊技者にとっての興趣を低下させるおそれがある。
手段A5.前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球の次の次以降に、前記特定領域を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段A1乃至A4のいずれかに記載の遊技機。
尚、遊技球が所定間隔で断続的に発射されるパチンコ機等の遊技機においては、可変入球手段が開状態となる1回の開状態期間中に、該可変入球手段に対し複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況は頻繁には発生しにくい。特に、遊技ホールにおいて遊技盤の釘調整が行われ、可変入球手段に対し遊技球が入球しにくくなっている状況下においては、そのような遊技者に有利な状況が全く発生しないこともあり得る。
つまり、複数の遊技球が同時期(例えば可変入球手段の1回の開状態期間中)に連続して可変入球手段へ入球しなければ、可動体の作用(アシスト)を受ける等して、より高確率で遊技球が特別入球手段へ入球しないように構成された遊技機においては、複数の遊技球が同時期に連続して可変入球手段へ入球しなかった段階で遊技者の期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段A5によれば、契機入球手段に入球した遊技球と同時期に(連球状態で)入球した遊技球以外の遊技球に対しても、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
つまり、たとえ契機入球手段に入球した遊技球と共に、他の遊技球が可変入球手段に入球しなかったり、契機入球手段に入球した遊技球と共に可変入球手段に入球した他の遊技球が特別入球手段に入球しなかった場合でも、その後に可変入球手段に入球した遊技球に対して、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
これにより、遊技者は、遊技球が契機入球手段に入球したことを確認した後段階であっても、可変入球手段へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
例えば、上記手段A5によれば、可変入球手段の所定の開状態期間中に2つの遊技球が内部領域に入球し、先行する1つ目の遊技球(最初に特定領域を通過した遊技球)が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球(次に特定領域を通過した遊技球)が他方のルートに流下して、その後、第2ルートへ流下した遊技球が契機入球手段へ入球して可動体が作動する場合において、第1ルートへ流下した遊技球が可動体を通過する時点では、可動体が未だ作動せず、第1ルートへ流下した遊技球が特別入球手段へ入球しなかった場合でも、その後、可変入球手段の次の開状態期間中に内部領域へ入球した遊技球(次の次に特定領域を通過した遊技球)が第1ルートへ流下し、可動体の作用により、特別入球手段へ入球するチャンスが与えられる構成とすることも可能となる。
従って、上記手段A5を、「前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球が通過した開閉部材の開状態期間の次以降の開状態期間に開閉部材を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段A1乃至A4のいずれかに記載の遊技機。」と換言してもよい。
尚、上記手段A5に係る構成は、上記各手段に係る構成の下、契機入球手段に遊技球が入球した時点から可動体が作動開始するまでの時間や、作動開始後の可動体の作動期間等を調整することにより、同時期に複数の遊技球を可変入球手段へ入球させなくとも、容易に実現することができる。
手段A6.前記契機入球検知手段により遊技球が検知されることに基づき変動表示を開始し、前記作動抽選処理の抽選結果に基づく所定態様で停止表示を行う表示手段と、
前記可動体制御手段は、
前記表示手段において停止表示がなされた後、前記可動体を前記所定の有利状態とする制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段A1乃至A5のいずれかに記載の遊技機。
仮に可動体が突然、何の前触れもなく作動した場合、それまで可動体を注視していなかった遊技者は、状況を把握できずに混乱するおそれがある。
これに対し、上記手段A6によれば、上記表示手段を備えることで、事前に可動体が所定の有利状態となる可能性があることを遊技者に対し認識させることができる。結果として、可動体を用いた遊技演出の注目度を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
手段A7.前記変動表示の時間が異なる複数通りの変動パターンを記憶する変動パターン記憶手段と、
前記契機入球検知手段により遊技球が検知されることに基づき、前記変動パターン記憶手段に記憶された複数通りの変動パターンの中からいずれか1つを選出可能な変動パターン選出手段と、
前記変動パターン選出手段により選出された変動パターンに基づき、前記表示手段を制御する表示制御手段とを備えたことを特徴とする手段A6に記載の遊技機。
上記手段A7によれば、表示手段において変動表示が開始されてから停止表示がなされるまでの変動時間を可変とすることができる。ひいては、契機入球検知手段により遊技球が検知されてから、実際に可動体が有利状態となるまでの作動開始期間を可変とすることとができる。
これにより、可動体が常に一定のタイミングで動作を行うといったことがなくなるため、可動体を用いた遊技演出の単調化を抑制することができる。結果として、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
加えて、本手段によれば、可動体の動作タイミングを遊技者に把握されにくくなる。ひいては、そのタイミングに合わせて遊技機を振動させるなどの不正行為が行われるおそれを低減することができる。
手段A8.前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、遊技球が前記特別入球手段へ入球容易となるよう構成されていることを特徴とする手段A1乃至A7のいずれかに記載の遊技機。
上記手段A8によれば、可動体が所定の有利状態となれば、特別入球手段への入球期待度が高まるため、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段A9.前記特別遊技状態付与手段は、遊技者に付与される遊技価値が異なる複数種別の前記特別遊技状態を付与可能に構成され、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、付与する一の遊技価値を決定する種別決定手段を備え、
前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、前記複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別(例えば複数種別の特別遊技状態のうち遊技者にとって最も有利な種別)の前記特別遊技状態が前記種別決定手段によって決定されやすい構成となっていることを特徴とする手段A1乃至A8のいずれかに記載の遊技機。
上記手段A9によれば、特別遊技状態の種別の決定が、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に基づき行われることとなる。
また、可動体が所定の有利状態に制御されている場合には、複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別の特別遊技状態に決定されやすい構成となるため、特別遊技状態の付与(より遊技価値の高い種別の特別遊技状態の付与)等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、「遊技価値」には、例えば払出され得る賞球の数、特別遊技状態中に行われる特賞状態の回数(ラウンド数)、特別遊技状態後に付与される遊技モード(高確率モード等)などが含まれる。
手段A10.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件が成立した場合、前記可変入球手段(開閉部材)の開閉動作を所定回数実行可能な開閉制御手段とを備えていることを特徴とする手段A1乃至A9のいずれかに記載の遊技機。
尚、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件が成立した場合」には、例えば「前記始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な始動入球検知手段」を備えた構成の下、「前記始動入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記始動入球検知手段の入球検知に基づいて所定の始動抽選を行い、該始動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
従来課題B.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき開状態となる可変入球手段を備え、該可変入球手段の内部領域に入球した遊技球が、該内部領域内に設けられた特別入球手段(V入賞口)に入球した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば、特開平11-197312号公報参照)。
このようなパチンコ機の中には、可変入球手段の内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせる可動体を備えたものもある。
しかしながら、従来の遊技機においては、例えば可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動とは無関係に可動体が定期的又は継続的に所定動作を行っているなど、可動体に関連する演出が単調となり、可動体に対する遊技者の興味が薄れがちであった。かかる点で、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段B1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球可能な開状態と、前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球不能な閉状態とに状態変化可能な開閉部材を有し、特定領域を通過した遊技球のみが前記内部領域に入球可能な可変入球手段と、
前記内部領域に入球した遊技球が入球(又は通過)可能な特別入球手段と、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を付与可能な特別遊技状態付与手段とを備えた遊技機であって、
前記可変入球手段の内部領域において、少なくとも遊技者に有利な有利状態(特別状態)と、該有利状態よりも遊技者に有利でない非有利状態(通常状態)とに状態変化可能に設けられ、遊技球の挙動に変化を生じさせ得る(遊技球に作用し得る)可動体と、
前記特定領域を通過した遊技球が入球(又は通過)可能な契機入球手段と、
前記契機入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の作動条件が成立した場合に、前記可動体に所定動作をさせる所定の前記有利状態とする制御を実行可能な可動体制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
上記手段B1によれば、可変入球手段の内部領域に可動体を備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせることができる。例えば可動体が所定の有利状態となることで、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
特に本手段においては、可動体の動作契機を検出する契機入球手段(契機入球検知手段)を可変入球手段の内部領域に備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に基づいて、可動体が所定の有利状態となるか否か等が決定される構成となるため、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
尚、仮に可動体の動作契機を検出する契機入球手段(契機入球検知手段)が可変入球手段(内部領域)外に配置されている場合には、線材等を用いて契機入球検知手段に誤検知させ、可動体を作動させる不正行為が行われやすくなるおそれがある。
これに対し、本手段によれば、契機入球手段を可変入球手段の内部領域に備えることにより、上述した不具合の発生を抑制することができる。
手段B2.前記特定領域を通過した遊技球を検知可能な所定検知手段を備え、
前記契機入球手段は、前記所定検知手段により検知された遊技球が入球可能となる、前記所定検知手段よりも下流側位置に設けられていることを特徴とする手段B1に記載の遊技機。
仮に上記所定検知手段の検知に基づき可動体が所定動作を行うよう構成されている場合には、可変入球手段(内部領域)へ入球する遊技球に対して毎回同じタイミングで可動体が動作することとなる。
そのため、可動体に関連する演出が単調になると共に、遊技者によって可動体の動作タイミングが把握されやすくなり、そのタイミングに合わせて遊技機を振動させるなどの不正行為が行われるおそれがある。
これに対し、上記手段B2によれば、可動体に関連する演出の単調化を抑制すると共に、上述したような不正行為を抑制することができる。
手段B3.前記契機入球手段に入球した遊技球を検知可能な契機入球検知手段を備え、
前記契機入球検知手段により遊技球が検知された場合に、前記作動条件が成立し得ることを特徴とする手段B1又はB2に記載の遊技機。
上記手段B3によれば、可動体を所定の有利状態とするか否か等の決定をソフト的な抽選処理により実行する必要がないため、制御処理の簡素化を図ることができる。
手段B4.前記契機入球手段に入球した遊技球を検知可能な契機入球検知手段と、
前記契機入球検知手段の入球検知に基づいて所定の作動抽選処理を実行可能な抽選処理実行手段とを備え、
少なくとも前記作動抽選処理により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合に、前記作動条件が成立するよう構成されていることを特徴とする手段B1又はB2に記載の遊技機。
上記手段B4によれば、可動体を所定の有利状態とするか否か等の決定を抽選処理実行手段(作動抽選処理)によりソフト的に行う構成となっている。
これにより、所定の契機に合わせて毎回動作を行うこともなくなるため、可動体に関連する演出の単調化を抑制し、可動体が動作することに対する遊技者の期待感を高めることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
手段B5.前記契機入球手段へ入球(又は通過)した遊技球が前記特別入球手段へ流下不能(入球不能)に構成されていることを特徴とする手段B1乃至B4のいずれかに記載の遊技機。
仮に契機入球手段を通過した遊技球が特別入球手段へ向け流下するよう構成されている場合には、該遊技球に対し可動体が作用するタイミングが常に一定になってしまうおそれがある。結果として、可動体が作用した結果が常に同じ結果となってしまい、遊技者の興趣が低下するおそれがある。さらに、可動体の動作タイミングに合わせて、遊技機を振動させるなどの不正行為が行われやすくなるおそれがある。また、契機入球手段を介さず、特別入球手段へ向け流下している他の遊技球の邪魔をしてしまうおそれもある。
これに対し、上記手段B5によれば、契機入球手段へ入球等する遊技球と、可動体が作用する遊技球とが常に異なるものとなるため、上記種々の不具合の発生を抑制することができる。
手段B6.前記特定領域を通過した遊技球を前記特別入球手段へ流下可能であり、前記契機入球手段へ流下不能な第1ルートと、
前記特定領域を通過した遊技球を前記契機入球手段へ流下可能であり、前記特別入球手段へ流下不能な第2ルートと、
特定状態において、遊技球の行き先を少なくとも前記第1ルート又は前記第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段とを備え、
前記可動体は、前記第1ルートへ流下した遊技球の挙動に変化を生じさせ得るものであることを特徴とする手段B1乃至B5のいずれかに記載の遊技機。
上記各手段に係る構成の下、仮に可変入球手段に対し同時期に複数(例えば2つ)の遊技球が入球した場合(2つの遊技球がほとんど間隔を空けずに連続して流下していく連球状態を含む。以下同様。)等、遊技者に有利な状況が発生した場合であっても、これら複数の遊技球がすべて契機入球手段に向かってしまっては、いくら可動体が有利状態になったとしても、遊技球が1球も特別入球手段に入球しないなどの不具合が生じるおそれがある。
これに対し、上記手段B6によれば、例えば可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が同時期に連続して入球した場合に、先行する1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球が他方のルートに流下するといったように、遊技球を特別入球手段及び契機入球手段の両者へそれぞれ向かわせることが可能となるため、上記可動体を設けた作用効果がより奏功することとなる。
手段B7.遊技球が前記ルート振分け手段から前記契機入球手段に至るまでに要する時間が異なるように構成された複数の前記第2ルートを備えていることを特徴とする手段B6に記載の遊技機。
仮に遊技球がルート振分け手段により振り分けられた時点から可動体が毎回一定のタイミングで動作を行うように構成されている場合には、可動体に関連する演出が単調になると共に、遊技者によって可動体の動作タイミングが把握されやすくなり、そのタイミングに合わせて遊技機を振動させるなどの不正行為が行われるおそれがある。
これに対し、上記手段B7によれば、遊技球がルート振分け手段により振り分けられた時点から可動体が所定の有利状態となるまでの作動開始期間を可変とすることができる。
これにより、可動体が常に一定のタイミングで動作を行うといったことがなくなるため、可動体を用いた遊技演出の単調化を抑制することができる。結果として、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
加えて、本手段によれば、可動体の動作タイミングを遊技者に把握されにくくなる。ひいては、そのタイミングに合わせて遊技機を振動させるなどの不正行為が行われるおそれを低減することができる。
尚、「遊技球が前記ルート振分け手段から前記契機入球手段に至るまでに要する時間が異なる」ことには、例えば「前記ルート振分け手段から前記契機入球手段までの距離が異なる」ことなどが含まれる。
また、「複数の第2ルート」それぞれに対応して個別に契機入球手段(契機入球検知手段)が設けられた構成としてもよいし、「複数の第2ルート」をそれぞれ通過する遊技球が1つの契機入球手段(契機入球検知手段)に向けて移動し、同一の契機入球検知手段により検知される構成としてもよい。
例えば「第1の契機入球手段へと遊技球を流下可能な第1の前記第2ルートと、第2の契機入球手段へと遊技球を流下可能な第2の前記第2ルートとを備えた」構成としてもよい。
さらに、遊技球の行き先を少なくとも「第1の前記第2ルート」又は「第2の前記第2ルート」へ定期的に又はランダムに変更可能な契機ルート変更手段(下流側ルート振分け手段)を備えた構成としてもよい。かかる構成によれば、遊技球の挙動を多様化することができ、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段B8.前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記契機入球手段(契機入球検知手段)に至り、前記可動体が所定の有利状態となるまでの有利状態到達時間が長い第1の前記第2ルートと、前記可動体到達時間よりも前記有利状態到達時間が短い第2の前記第2ルートとを備えていることを特徴とする手段B6に記載の遊技機。
仮にルート振分け手段によって遊技球が第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け手段によって遊技球が第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が契機入球手段に至り、可動体が所定の有利状態となるまでの有利状態到達時間が長くなるよう構成されている場合には、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け手段によって第1ルートへ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が第2ルートに振分けられた場合に、遊技者は可動体が作動するタイミングより先に遊技球が可動体に到達してしまうことがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
逆に、ルート振分け手段によって遊技球が第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け手段によって遊技球が第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が契機入球手段に至り、可動体が所定の有利状態となるまでの有利状態到達時間が短くなるよう構成されている場合には、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け手段によって第2ルートへ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が第1ルートに振分けられた場合に、比較的長期間、可動体が有利状態に維持されない限り、可動体の有利状態が終了するタイミングよりも後に、遊技球が可動体に到達することがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
これに対し、上記手段B8によれば、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートのいずれに振分けられた場合でも、後続の2つ目の遊技球が「有利状態到達時間が長い第1の前記第2ルート」又は「有利状態到達時間が短い第2の前記第2ルート」のいずれに振分けられるかによって、可動体が作動するタイミングと、遊技球が可動体に到達するタイミングとが合う可能性が残されるため、遊技者は、特別遊技状態の発生への期待感を持って遊技球の挙動を注視することができる。
手段B9.前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球の次の次以降に、前記特定領域を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段B1乃至B8のいずれかに記載の遊技機。
尚、遊技球が所定間隔で断続的に発射されるパチンコ機等の遊技機においては、可変入球手段が開状態となる1回の開状態期間中に、該可変入球手段に対し複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況は頻繁には発生しにくい。特に、遊技ホールにおいて遊技盤の釘調整が行われ、可変入球手段に対し遊技球が入球しにくくなっている状況下においては、そのような遊技者に有利な状況が全く発生しないこともあり得る。
つまり、複数の遊技球が同時期(例えば可変入球手段の1回の開状態期間中)に連続して可変入球手段へ入球しなければ、可動体の作用(アシスト)を受ける等して、より高確率で遊技球が特別入球手段へ入球しないように構成された遊技機においては、複数の遊技球が同時期に連続して可変入球手段へ入球しなかった段階で遊技者の期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段B9によれば、契機入球手段に入球した遊技球と同時期に(連球状態で)入球した遊技球以外の遊技球に対しても、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
つまり、たとえ契機入球手段に入球した遊技球と共に、他の遊技球が可変入球手段に入球しなかったり、契機入球手段に入球した遊技球と共に可変入球手段に入球した他の遊技球が特別入球手段に入球しなかった場合でも、その後に可変入球手段に入球した遊技球に対して、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
これにより、遊技者は、遊技球が契機入球手段に入球したことを確認した後段階であっても、可変入球手段へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
例えば、上記手段B9によれば、可変入球手段の所定の開状態期間中に2つの遊技球が内部領域に入球し、先行する1つ目の遊技球(最初に特定領域を通過した遊技球)が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球(次に特定領域を通過した遊技球)が他方のルートに流下して、その後、第2ルートへ流下した遊技球が契機入球手段へ入球して可動体が作動する場合において、第1ルートへ流下した遊技球が可動体を通過する時点では、可動体が未だ作動せず、第1ルートへ流下した遊技球が特別入球手段へ入球しなかった場合でも、その後、可変入球手段の次の開状態期間中に内部領域へ入球した遊技球(次の次に特定領域を通過した遊技球)が第1ルートへ流下し、可動体の作用により、特別入球手段へ入球するチャンスが与えられる構成とすることも可能となる。
従って、上記手段B9を、「前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球が通過した開閉部材の開状態期間の次以降の開状態期間に開閉部材を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段B1乃至B8のいずれかに記載の遊技機。」と換言してもよい。
尚、上記手段B9に係る構成は、上記各手段に係る構成の下、契機入球手段に遊技球が入球した時点から可動体が作動開始するまでの時間や、作動開始後の可動体の作動期間等を調整することにより、同時期に複数の遊技球を可変入球手段へ入球させなくとも、容易に実現することができる。
手段B10.前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、遊技球が前記特別入球手段へ入球容易となるよう構成されていることを特徴とする手段B1乃至B9のいずれかに記載の遊技機。
上記手段B10によれば、可動体が所定の有利状態となれば、特別入球手段への入球期待度が高まるため、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段B11.前記特別遊技状態付与手段は、遊技者に付与される遊技価値が異なる複数種別の前記特別遊技状態を付与可能に構成され、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、付与する一の遊技価値を決定する種別決定手段を備え、
前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、前記複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別(例えば複数種別の特別遊技状態のうち遊技者にとって最も有利な種別)の前記特別遊技状態が前記種別決定手段によって決定されやすい構成となっていることを特徴とする手段B1乃至B10のいずれかに記載の遊技機。
上記手段B10によれば、特別遊技状態の種別の決定が、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に基づき行われることとなる。
また、可動体が所定の有利状態に制御されている場合には、複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別の特別遊技状態に決定されやすい構成となるため、特別遊技状態の付与(より遊技価値の高い種別の特別遊技状態の付与)等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、「遊技価値」には、例えば払出され得る賞球の数、特別遊技状態中に行われる特賞状態の回数(ラウンド数)、特別遊技状態後に付与される遊技モード(高確率モード等)などが含まれる。
手段B12.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件が成立した場合、前記可変入球手段(開閉部材)の開閉動作を所定回数実行可能な開閉制御手段とを備えていることを特徴とする手段B1乃至B11のいずれかに記載の遊技機。
尚、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件が成立した場合」には、例えば「前記始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な始動入球検知手段」を備えた構成の下、「前記始動入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記始動入球検知手段の入球検知に基づいて所定の始動抽選を行い、該始動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
従来課題C.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき開状態となる可変入球手段を備え、該可変入球手段の内部領域に入球した遊技球が、該内部領域内に設けられた特別入球手段(V入賞口)に入球した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば、特開平11-197312号公報参照)。
このようなパチンコ機の中には、可変入球手段の内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせる可動体を備えたものもある。
しかしながら、従来の遊技機においては、例えば可変入球手段に対し同時期に複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況が発生した場合であっても、これら複数の遊技球の入球タイミングによって、複数の遊技球がすべて特別入球手段に向かってしまったり、複数の遊技球がすべて特別入球手段に向かわず、排出部や非特別入球手段などに案内されてしまうといった不具合が生じやすい構成となっていた。
通常、パチンコ機等の遊技機においては、特別遊技状態の権利が得られている状態において、新たに遊技球が特別入球手段に入球したとしても、その分の特別遊技状態は付与されないよう構成されている。
そのため、仮に2つの遊技球が連続して特別入球手段に入球したとしても、2つ分の特別遊技状態が付与されるわけではなく、1つ分の特別遊技状態が発生するだけであるため、遊技者は、損した、無駄になった、もったいない等といったネガティブな感情を抱くおそれがあった。
結果として、特別遊技状態が付与されるといった遊技者にとって好ましい状況が発生したにもかかわらず、興趣が低下してしまうといった事態を招くことが懸念される。
逆に、複数の遊技球がすべて排出部等へ案内されてしまった場合には、折角、可変入球手段に対し同時期に複数の遊技球が入球したのだから、特別入球手段へ遊技球を入球させることに対して有利に働くであろうといった遊技者の期待感に対し全く寄与せず、興趣が低下するおそれがあった。
かかる意味で、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、可変入球手段に対し複数の遊技球が入球した場合における興趣の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段C1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球可能な開状態と、前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球不能な閉状態とに状態変化可能な開閉部材を有し、特定領域を通過した遊技球のみが前記内部領域に入球可能な可変入球手段と、
前記内部領域に入球した遊技球が入球(又は通過)可能な特別入球手段と、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を付与可能な特別遊技状態付与手段とを備えた遊技機であって、
前記特定領域を通過した遊技球が入球(又は通過)可能な契機入球手段と、
前記特定領域を通過した遊技球を前記特別入球手段へ流下可能であり、前記契機入球手段へ流下不能な第1ルートと、
前記特定領域を通過した遊技球を前記契機入球手段へ流下可能であり、前記特別入球手段へ流下不能な第2ルートと、
特定状態において、遊技球の行き先を少なくとも前記第1ルート又は前記第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段と、
前記可変入球手段の内部領域において、少なくとも遊技者に有利な有利状態(特別状態)と、該有利状態よりも遊技者に有利でない非有利状態(通常状態)とに状態変化可能に設けられ、前記第1ルートへ流下した遊技球の挙動に変化を生じさせ得る(遊技球に作用し得る)可動体とを備え、
前記契機入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の作動条件が成立した場合に、前記可動体に所定動作をさせる所定の前記有利状態とする制御を実行可能な可動体制御手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
尚、「前記契機入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の作動条件が成立した場合」には、例えば「前記契機入球手段に入球した遊技球を検知可能な契機入球検知手段」を備えた構成の下、「前記契機入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記契機入球検知手段の入球検知に基づいて所定の作動抽選を行い、該作動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
上記手段C1によれば、可変入球手段の内部領域に可動体を備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせることができる。例えば可動体が所定の有利状態となることで、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
特に本手段においては、可変入球手段の内部領域に入球した遊技球の行き先を第1ルート又は第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段を備えた構成となっている。
これにより、例えば可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が同時期に連続して入球した場合に、先行する1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球が他方のルートに流下するといったように、遊技球を特別入球手段及び契機入球手段の両者へそれぞれ向かわせることが可能となるため、上記可動体を設けた作用効果がより奏功することとなる。
結果として、可変入球手段の内部領域へ同時期に複数の遊技球を入球させることで特別遊技状態の発生期待度が向上するかもしれないといった、遊技者の期待感を高めることができる。
さらに、可変入球手段の内部領域へ2球連続して遊技球が入球した場合に、先行する1つ目の遊技球と、後続の2つ目の遊技球がそれぞれどちらのルートに流下するかによって、結果が異なってくるため、遊技者は、期待感を持って、ルート振分け手段によって振分けられる遊技球の挙動をより注視するようになる。結果として、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段C2.前記ルート振分け手段(ルート振分け機構やルート振分け部材など)は、
遊技球を前記第1ルートへと流下可能な第1状態と、遊技球を前記第2ルートへと流下可能な第2状態とに状態変化可能に構成され、
前記ルート振分け手段を前記第1状態に維持可能な維持手段を備え、
前記第1状態に維持された前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第1ルートへと流下した場合に、該遊技球から受ける力によって、前記ルート振分け手段が前記第2状態に変化するよう構成されていることを特徴とする手段C1に記載の遊技機。
上記手段C2に係る構成の下、上記可動体を作動させるためには、遊技球を契機入球手段へ入球させる必要があり、遊技球を契機入球手段へ入球させるためには、ルート振分け手段を第2状態に変化させ、遊技球が第2ルートへ案内される必要がある。
つまり、可動体を作動させるためには、少なくとも2つの遊技球を連続して可変入球手段へ入球させ、先行する1つ目の遊技球が、第1状態に維持されたルート振分け手段によって第1ルートへと流下し、後続の2つ目の遊技球が、第2状態に変化したルート振分け手段によって第2ルートへと流下する必要がある。
結果として、可変入球手段の内部領域に対し遊技球を1つ入球させた場合よりも複数入球させた場合の方が遊技者にとって有利になるといった遊技性をより確実なものとすることができる。
尚、上記手段C2のより具体的な構成としては、例えば「手段C2.前記ルート振分け手段は、
遊技球を前記第1ルートへと流下可能な第1姿勢と、遊技球を前記第2ルートへと流下可能な第2姿勢とに姿勢変化可能に構成されたルート振分け部材であって、
前記ルート振分け部材を前記第1姿勢に維持可能な維持手段(付勢手段など)を備え、
前記第1姿勢に維持された前記ルート振分け部材によって遊技球が前記第1ルートへと流下した場合に、該遊技球から受ける力によって、前記ルート振分け部材が(例えば付勢手段の付勢力に抗して)前記第2姿勢に変化するよう構成されていることを特徴とする手段C1に記載の遊技機。」などが挙げられる。
手段C3.前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記契機入球手段(契機入球検知手段)に至り、前記可動体が所定の有利状態となるまでの有利状態到達時間が短くなるよう構成されていることを特徴とする手段C2に記載の遊技機。
仮にルート振分け手段によって遊技球が第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け手段によって遊技球が第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が契機入球手段に至り、可動体が有利状態となるまでの有利状態到達時間が長くなるよう構成されている場合には、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け手段によって第1ルートへ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が第2ルートに振分けられた場合に、遊技者は可動体が作動するタイミングより先に遊技球が可動体に到達してしまうことがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
これに対し、上記手段C3によれば、上記不具合の発生を抑制し、遊技者にとっての興趣の低下抑制を図ることができる。
尚、上記「有利状態到達時間」は、上記「可動体到達時間」よりも短くなっていればよく、例えばルート振分け手段から直接、契機入球手段に入球する構成(契機入球手段までの距離がゼロとなる構成など)をも含む趣旨である。
また、「可動体到達時間」を長くするには、例えば「第1ルート」の通過に要する遊技球の移動距離を長くすることが一例として考えられる。
また、これに代えて又は加えて、例えば遊技球の通過を遅らせる遅延手段を「第1ルート」に設置する構成を採用してもよい。ここで、遅延手段としては、例えばステージやクルーンなど、遊技球が同じ場所を何回か往復したり、周回した後に先に進むような構成や、リブ等により遊技球の勢いを止めつつ時間をかけて遊技球が先に進むような構成などが一例として挙げられる。
加えて、「前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記契機入球手段(契機入球検知手段)に至り、前記可動体が所定の有利状態となった後、該有利状態が終了するまでの有利終了到達時間よりも、前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記可動体に至るまでの可動体到達時間が短くなるよう構成されていること」が好ましい。
仮に上記「有利終了到達時間」よりも上記「可動体到達時間」が長い場合には、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け手段によって第1ルートへ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が第2ルートに振分けられた場合に、遊技者は可動体の有利状態が終了するタイミングよりも後に、遊技球が可動体に到達することがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
手段C4.前記ルート振分け手段(ルート振分け機構やルート振分け部材など)は、
少なくとも遊技球を前記第1ルートへと流下可能な第1状態と、遊技球を前記第2ルートへと流下可能な第2状態とに状態変化可能に構成され、
前記ルート振分け手段を状態変化させる所定動作を定期的又は継続的に行う振分駆動手段を備えたことを特徴とする手段C1に記載の遊技機。
仮に可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球した場合に、先行の1つ目の遊技球が必ず第1ルート又は第2ルートのいずれか一方に振分けられ、後続の2つ目の遊技球が他方のルートに振分けられる構成となっている場合には、予め設定された上記「有利状態到達時間」と上記「可動体到達時間」との関係によって、連続して入球した2つの遊技球がルート振分け手段により交互に振り分けられた時点で、その後の結果が決まってしまうため、遊技者の興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段C4によれば、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球した場合でも、先行の1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートのいずれに振分けられるか決められていないため、上述したような不具合の発生を抑制することができる。
結果として、遊技者は、特別遊技状態の発生への期待感を持って遊技球の挙動を注視することができ、興趣の低下を抑制することができる。
手段C5.前記ルート振分け手段(ルート振分け機構やルート振分け部材など)は、
少なくとも遊技球を前記第1ルートへと流下可能な第1状態と、遊技球を前記第2ルートへと流下可能な第2状態とに状態変化可能に構成され、
前記ルート振分け手段を前記第1状態と前記第2状態との間の基準状態に維持可能な維持手段を備え、
前記ルート振分け手段が前記基準状態に維持されている状態においては、前記第1ルート及び前記第2ルートのいずれのルートにも遊技球を流下可能な状態となっており、
前記基準状態に維持された前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第1ルートへと流下した場合には、該遊技球から受ける力によって、前記ルート振分け手段が前記第2状態に変化し、
前記基準状態に維持された前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第2ルートへと流下した場合には、該遊技球から受ける力によって、前記ルート振分け手段が前記第1状態に変化するよう構成されていることを特徴とする手段C1に記載の遊技機。
上記手段C5によれば、上記手段C4と同様の作用効果が奏される。特に本手段によれば、ルート振分け手段を駆動する駆動手段を備える必要がないため、比較的簡単な構成を採用しつつ、連続して流下してくる複数(2つ)の遊技球を交互に異なるルートに流下させる構成を実現することができる。結果として、構成や制御の簡素化、コンパクト化等を図ることができる。
尚、上記手段C5のより具体的な構成としては、例えば「手段C5.前記ルート振分け手段は、
少なくとも遊技球を前記第1ルートへと流下可能な第1姿勢と、遊技球を前記第2ルートへと流下可能な第2姿勢とに姿勢変化可能に構成されたルート振分け部材であって、
前記ルート振分け部材を前記第1姿勢と前記第2姿勢との間の基準姿勢に維持可能な維持手段(付勢手段など)を備え、
前記ルート振分け部材が前記基準姿勢に維持されている状態においては、前記第1ルート及び前記第2ルートのいずれのルートにも遊技球を流下可能な状態となっており、
前記基準姿勢に維持された前記ルート振分け部材によって遊技球が前記第1ルートへと流下した場合には、該遊技球から受ける力によって、前記ルート振分け部材が前記第2姿勢に変化し、
前記基準姿勢に維持された前記ルート振分け部材によって遊技球が前記第2ルートへと流下した場合には、該遊技球から受ける力によって、前記ルート振分け部材が前記第1姿勢に変化するよう構成されていることを特徴とする手段C1に記載の遊技機。」などが挙げられる。
手段C6.前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記契機入球手段(契機入球検知手段)に至り、前記可動体が有利状態となるまでの有利状態到達時間が長い第1の前記第2ルートと、前記可動体到達時間よりも前記有利状態到達時間が短い第2の前記第2ルートとを備えていることを特徴とする手段C4又はC5に記載の遊技機。
仮にルート振分け手段によって遊技球が第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け手段によって遊技球が第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が契機入球手段に至り、可動体が有利状態となるまでの有利状態到達時間が長くなるよう構成されている場合には、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け手段によって第1ルートへ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が第2ルートに振分けられた場合に、遊技者は可動体が作動するタイミングより先に遊技球が可動体に到達してしまうことがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
逆に、ルート振分け手段によって遊技球が第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け手段によって遊技球が第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が契機入球手段に至り、可動体が有利状態となるまでの有利状態到達時間が短くなるよう構成されている場合には、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け手段によって第2ルートへ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が第1ルートに振分けられた場合に、比較的長期間、可動体が有利状態に維持されない限り、可動体の有利状態が終了するタイミングよりも後に、遊技球が可動体に到達することがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
これに対し、上記手段C6によれば、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートのいずれに振分けられた場合でも、後続の2つ目の遊技球が「有利状態到達時間が長い第1の前記第2ルート」又は「有利状態到達時間が短い第2の前記第2ルート」のいずれに振分けられるかによって、可動体が作動するタイミングと、遊技球が可動体に到達するタイミングとが合う可能性が残されるため、遊技者は、特別遊技状態の発生への期待感を持って遊技球の挙動を注視することができる。
尚、「第1の前記第2ルート」及び「第2の前記第2ルート」それぞれに対応して個別に契機入球手段(契機入球検知手段)が設けられた構成としてもよいし、「第1の前記第2ルート」又は「第2の前記第2ルート」をそれぞれ通過する遊技球が1つの契機入球手段(契機入球検知手段)に向けて移動し、同一の契機入球検知手段により検知される構成としてもよい。
例えば「第1の契機入球手段へと遊技球を流下可能な第1の前記第2ルートと、第2の契機入球手段へと遊技球を流下可能な第2の前記第2ルートとを備えた」構成としてもよい。
さらに、遊技球の行き先を少なくとも「第1の前記第2ルート」又は「第2の前記第2ルート」へ定期的に又はランダムに変更可能な契機ルート変更手段(下流側ルート振分け手段)を備えた構成としてもよい。かかる構成によれば、遊技球の挙動を多様化することができ、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段C7.前記契機入球手段へ入球(又は通過)した遊技球が前記特別入球手段へ流下不能(入球不能)に構成されていることを特徴とする手段C1乃至C6のいずれかに記載の遊技機。
仮に契機入球手段を通過した遊技球が特別入球手段へ向け流下するよう構成されている場合には、該遊技球に対し可動体が作用するタイミングが常に一定になってしまうおそれがある。結果として、可動体が作用した結果が常に同じ結果となってしまい、遊技者の興趣が低下するおそれがある。さらに、可動体の動作タイミングに合わせて、遊技機を振動させるなどの不正行為が行われやすくなるおそれがある。また、契機入球手段を介さず、特別入球手段へ向け流下している他の遊技球の邪魔をしてしまうおそれもある。
これに対し、上記手段C7によれば、契機入球手段へ入球等する遊技球と、可動体が作用する遊技球とが常に異なるものとなるため、上記種々の不具合の発生を抑制することができる。
手段C8.前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球の次の次以降に、前記特定領域を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段C1乃至C7のいずれかに記載の遊技機。
尚、遊技球が所定間隔で断続的に発射されるパチンコ機等の遊技機においては、可変入球手段が開状態となる1回の開状態期間中に、該可変入球手段に対し複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況は頻繁には発生しにくい。特に、遊技ホールにおいて遊技盤の釘調整が行われ、可変入球手段に対し遊技球が入球しにくくなっている状況下においては、そのような遊技者に有利な状況が全く発生しないこともあり得る。
つまり、複数の遊技球が同時期(例えば可変入球手段の1回の開状態期間中)に連続して可変入球手段へ入球しなければ、可動体の作用(アシスト)を受ける等して、より高確率で遊技球が特別入球手段へ入球しないように構成された遊技機においては、複数の遊技球が同時期に連続して可変入球手段へ入球しなかった段階で遊技者の期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段C8によれば、契機入球手段に入球した遊技球と同時期に(連球状態で)入球した遊技球以外の遊技球に対しても、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
つまり、たとえ契機入球手段に入球した遊技球と共に、他の遊技球が可変入球手段に入球しなかったり、契機入球手段に入球した遊技球と共に可変入球手段に入球した他の遊技球が特別入球手段に入球しなかった場合でも、その後に可変入球手段に入球した遊技球に対して、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
これにより、遊技者は、遊技球が契機入球手段に入球したことを確認した後段階であっても、可変入球手段へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
例えば、上記手段C8によれば、可変入球手段の所定の開状態期間中に2つの遊技球が内部領域に入球し、先行する1つ目の遊技球(最初に特定領域を通過した遊技球)が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球(次に特定領域を通過した遊技球)が他方のルートに流下して、その後、第2ルートへ流下した遊技球が契機入球手段へ入球して可動体が作動する場合において、第1ルートへ流下した遊技球が可動体を通過する時点では、可動体が未だ作動せず、第1ルートへ流下した遊技球が特別入球手段へ入球しなかった場合でも、その後、可変入球手段の次の開状態期間中に内部領域へ入球した遊技球(次の次に特定領域を通過した遊技球)が第1ルートへ流下し、可動体の作用により、特別入球手段へ入球するチャンスが与えられる構成とすることも可能となる。
従って、上記手段C8を、「前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球が通過した開閉部材の開状態期間の次以降の開状態期間に開閉部材を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段C1乃至C7のいずれかに記載の遊技機。」と換言してもよい。
尚、上記手段C8に係る構成は、上記各手段に係る構成の下、契機入球手段に遊技球が入球した時点から可動体が作動開始するまでの時間や、作動開始後の可動体の作動期間等を調整することにより、同時期に複数の遊技球を可変入球手段へ入球させなくとも、容易に実現することができる。
手段C9.前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、遊技球が前記特別入球手段へ入球容易となるよう構成されていることを特徴とする手段C1乃至C8のいずれかに記載の遊技機。
上記手段C9によれば、可動体が所定の有利状態となれば、特別入球手段への入球期待度が高まるため、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段C10.前記特別遊技状態付与手段は、遊技者に付与される遊技価値が異なる複数種別の前記特別遊技状態を付与可能に構成され、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、付与する一の遊技価値を決定する種別決定手段を備え、
前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、前記複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別(例えば複数種別の特別遊技状態のうち遊技者にとって最も有利な種別)の前記特別遊技状態が前記種別決定手段によって決定されやすい構成となっていることを特徴とする手段C1乃至C9のいずれかに記載の遊技機。
上記手段C10によれば、特別遊技状態の種別の決定が、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に基づき行われることとなる。
また、可動体が所定の有利状態に制御されている場合には、複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別の特別遊技状態に決定されやすい構成となるため、特別遊技状態の付与(より遊技価値の高い種別の特別遊技状態の付与)等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、「遊技価値」には、例えば払出され得る賞球の数、特別遊技状態中に行われる特賞状態の回数(ラウンド数)、特別遊技状態後に付与される遊技モード(高確率モード等)などが含まれる。
手段C11.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件が成立した場合、前記可変入球手段(開閉部材)の開閉動作を所定回数実行可能な開閉制御手段とを備えていることを特徴とする手段C1乃至C10のいずれかに記載の遊技機。
尚、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件が成立した場合」には、例えば「前記始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な始動入球検知手段」を備えた構成の下、「前記始動入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記始動入球検知手段の入球検知に基づいて所定の始動抽選を行い、該始動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
従来課題D.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき開状態となる可変入球手段を備え、該可変入球手段の内部領域に入球した遊技球が、該内部領域内に設けられた特別入球手段(V入賞口)に入球した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば、特開平11-197312号公報参照)。
このようなパチンコ機の中には、可変入球手段の内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせる可動体を備えたものもある。
しかしながら、従来の遊技機においては、例えば可変入球手段の内部領域へ遊技球が入球することなどを契機として可動体が毎回一定のタイミングで動作を行うように構成されていた。
そのため、従来では、遊技者によって可動体の動作タイミングが把握されてしまい、そのタイミングに合わせて遊技機を振動させるなどの不正行為が行われる可能性があった。
また、可動体に関連する演出が単調になりやすく、かかる点で、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、不正行為を抑制すると共に、興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段D1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球可能な開状態と、前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球不能な閉状態とに状態変化可能な開閉部材を有し、特定領域を通過した遊技球のみが前記内部領域に入球可能な可変入球手段と、
前記内部領域に入球した遊技球が入球(又は通過)可能な特別入球手段と、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を付与可能な特別遊技状態付与手段とを備えた遊技機であって、
前記可変入球手段の内部領域において、少なくとも遊技者に有利な有利状態(特別状態)と、該有利状態よりも遊技者に有利でない非有利状態(通常状態)とに状態変化可能に設けられ、遊技球の挙動に変化を生じさせ得る(遊技球に作用し得る)可動体と、
少なくとも所定の作動条件が成立した場合(例えば所定の球検知手段により遊技球が検知された場合)に、前記可動体に所定動作をさせる所定の前記有利状態とする制御を実行可能な可動体制御手段とを備え、
少なくとも所定の契機(例えば前記作動条件の成立時)から前記可動体が前記所定の有利状態となるまでの期間を可変としたことを特徴とする遊技機。
上記手段D1によれば、可変入球手段の内部領域に可動体を備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせることができる。例えば可動体が所定の有利状態となることで、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
特に本手段においては、所定の契機(例えば前記作動条件の成立時)から、実際に可動体が所定の有利状態となるまでの期間(例えばオープニング期間)を可変としたことにより、可動体が毎回一定のタイミングで動作を行うといったことがなくなるため、可動体を用いた遊技演出の単調化を抑制することができる。結果として、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
加えて、可動体の動作タイミングを遊技者に把握されてしまうおそれを低減することができる。ひいては、そのタイミングに合わせて遊技機を振動させるなどの不正行為が行われるおそれを低減することができる。
手段D2.前記特定領域を通過した遊技球が入球(又は通過)可能な契機入球手段と、
前記契機入球手段に入球した遊技球を検知可能な契機入球検知手段とを備え、
前記契機入球検知手段により遊技球が検知されることに基づき、前記作動条件が成立可能に構成されていることを特徴とする手段D1に記載の遊技機。
可動体の動作契機となる契機入球手段が仮に可変入球手段(内部領域)外に配置されている場合には、線材等を用いて契機入球検知手段に誤検知させ、可動体を作動させる不正行為が行われやすくなるおそれがある。
これに対し、上記手段D2によれば、内部領域に入球した遊技球の挙動に起因して、可動体が作動する構成となるため、上述したような不具合の発生を抑制することができる。
ここで、例えば「前記契機入球検知手段により遊技球が検知された場合に、前記作動条件が成立する構成」とすれば、可動体を所定の有利状態とするのか否か等の決定をソフト的な抽選処理により実行する必要がないため、制御処理の簡素化を図ることができる。加えて、前記抽選処理に係るプログラムを改ざんした不正ROM等を取付けるなどの不正行為を抑制することもできる。
手段D3.少なくとも前記作動条件の成立時から前記可動体が前記所定の有利状態となるまでの作動開始期間を定める作動パターンを複数通り記憶する作動パターン記憶手段と、
前記契機入球検知手段により遊技球が検知されることに基づき、前記作動パターン記憶手段に記憶された複数通りの作動パターンの中からいずれか1つを選出可能な作動パターン選出手段とを備えたことを特徴とする手段D2に記載の遊技機。
上記手段D3によれば、作動開始期間(例えばオープニング期間)を複数パターン用意しておき、この中から所定の作動開始期間をソフト的に選出する構成となっている。結果として、より容易に上記作動開始期間の多様化を図ることができる。ひいては、より容易に、所定の契機から可動体が所定の有利状態となるまでの期間の多様化を図ることができ、上記手段D1等に係る作用効果をより高めることができる。
さらに、本手段によれば、可変入球手段に複雑な機械的選出機構を設ける必要もなく、可変入球手段の構造の簡素化を図ることができる。
手段D4.前記作動開始期間中において、少なくとも前記可動体が前記所定の有利状態となることを示唆する先行演出(オープニング演出)を実行可能な演出手段と、
前記複数通りの作動パターンに対応した演出パターンを複数通り記憶する演出パターン記憶手段と、
前記作動パターン選出手段により選出された作動パターンに対応する演出パターンに基づき前記演出手段を制御可能な演出制御手段とを備えたことを特徴とする手段D3に記載の遊技機。
上記手段D4によれば、可動体が所定の有利状態となることを示唆する先行演出が行われることで、可動体が所定の有利状態となることを事前に遊技者に対し認識させることができる。
さらに、遊技者は、可動体が所定の有利状態となるタイミングがわからない状態でドキドキしながら、頼むから自身に有利なタイミングで可動体が所定の有利状態となってくれといった期待感を持って、遊技球の挙動と共に、可動体に関連する遊技演出を注視することとなり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、作動条件の成立時から可動体が所定の有利状態となるまでの作動開始期間を可変とした構成においては、作動開始期間が比較的長くなった場合に、作動条件が成立したにもかかわらず、可動体が所定の有利状態とならないのではないか等といった不安感や憤りを遊技者に抱かせるおそれがある。
これに対し、本手段によれば、このような不具合の発生を抑制することができ、遊技者にとっての興趣の低下を抑制することができる。
手段D5.前記契機入球検知手段の入球検知に基づいて所定の作動抽選処理を実行可能な抽選処理実行手段を備え、
少なくとも前記作動抽選処理により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合に、前記作動条件が成立するよう構成されていることを特徴とする手段D2乃至手段D4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段D5によれば、可動体を所定の有利状態とするか否か等の決定を抽選処理実行手段(作動抽選処理)によりソフト的に行う構成となっている。
これにより、所定の契機に合わせて毎回動作を行うこともなくなるため、可動体に関連する演出の単調化を抑制し、可動体が動作することに対する遊技者の期待感を高めることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
手段D6.前記契機入球検知手段により遊技球が検知されることに基づき変動表示を開始し、前記作動抽選処理の抽選結果に基づく所定態様で停止表示を行う表示手段と、
前記変動表示の時間が異なる複数通りの変動パターンを記憶する変動パターン記憶手段と、
前記契機入球検知手段により遊技球が検知されることに基づき、前記変動パターン記憶手段に記憶された複数通りの変動パターンの中からいずれか1つを選出可能な変動パターン選出手段と、
前記変動パターン選出手段により選出された変動パターンに基づき、前記表示手段を制御する表示制御手段とを備え、
前記可動体制御手段は、
前記表示手段において停止表示がなされた後、前記可動体を前記所定の有利状態とする制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段D2乃至D5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段D6によれば、上記表示手段を備えることで、事前に可動体が所定の有利状態となる可能性があることを遊技者に対し認識させることができる。
さらに、遊技者は、可動体が所定の有利状態になるかどうか分からない状態でドキドキしながら、有利状態となってくれといった期待感を持って、遊技球の挙動と共に、変動表示を注視することとなり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
結果として、可動体に関連する遊技演出の注目度を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
加えて、上記手段D6によれば、表示手段において変動表示が開始されてから停止表示がなされるまでの変動時間を可変とすることができる。ひいては、契機入球検知手段により遊技球が検知されてから、実際に可動体が所定の有利状態となるまでの作動開始期間を可変とすることとができる。
結果として、より容易に上記作動開始期間の多様化を図ることができる。ひいては、より容易に、所定の契機から可動体が所定の有利状態となるまでの期間の多様化を図ることができ、上記手段D1等に係る作用効果をより高めることができる。
手段D7.前記特定領域を通過した遊技球を前記特別入球手段へ流下可能であり、前記契機入球手段へ流下不能な第1ルートと、
前記特定領域を通過した遊技球を前記契機入球手段へ流下可能であり、前記特別入球手段へ流下不能な第2ルートと、
特定状態において、遊技球の行き先を少なくとも前記第1ルート又は前記第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段とを備え、
前記可動体は、前記第1ルートへ流下した遊技球の挙動に変化を生じさせ得るものであることを特徴とする手段D2乃至D6のいずれかに記載の遊技機。
仮に可変入球手段に対し同時期に複数(例えば2つ)の遊技球が入球した場合(2つの遊技球がほとんど間隔を空けずに連続して流下していく連球状態を含む。以下同様。)等、遊技者に有利な状況が発生した場合であっても、これら複数の遊技球がすべて契機入球手段に向かってしまっては、いくら可動体が有利状態になったとしても、遊技球が1球も特別入球手段に入球しないなどの不具合が生じるおそれがある。
これに対し、上記手段D7によれば、例えば可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が同時期に連続して入球した場合に、先行する1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球が他方のルートに流下するといったように、遊技球を特別入球手段及び契機入球手段の両者へそれぞれ向かわせることが可能となるため、上記可動体を設けた作用効果がより奏功することとなる。
尚、遊技球がルート振分け手段によって第2ルートへ振分けられることが、上記「所定の契機」となることしてもよい。
手段D8.前記ルート振分け手段(ルート振分け機構やルート振分け部材など)は、
遊技球を前記第1ルートへと流下可能な第1状態と、遊技球を前記第2ルートへと流下可能な第2状態とに状態変化可能に構成され、
前記ルート振分け手段を状態変化させる所定動作を定期的又は継続的に行う振分駆動手段を備え、
前記特定領域を通過した遊技球が前記ルート振分け手段から前記契機入球手段に至るまでに要する時間が異なるように構成された複数の前記第2ルートを備えていることを特徴とする手段D7に記載の遊技機。
仮に遊技球がルート振分け手段により振り分けられた時点から可動体が毎回一定のタイミングで動作を行うように構成されている場合には、可動体に関連する演出が単調になると共に、遊技者によって可動体の動作タイミングが把握されやすくなり、そのタイミングに合わせて遊技機を振動させるなどの不正行為が行われるおそれがある。
これに対し、上記手段D8によれば、第2ルートを複数備えることにより、遊技球がルート振分け手段により振り分けられた時点から契機入球手段に至るまでの期間を可変とすることができる。
ひいては、遊技球がルート振分け手段により振り分けられた時点(所定の契機)から、実際に可動体が有利状態となるまでの期間を可変とすることができる。
また、本手段によれば、遊技球がルート振分け手段により振り分けられた時点から契機入球手段に至るまでの期間を、遊技球の挙動に基づく機械的構成により可変とすることができるため、遊技者が可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動により注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、「遊技球が前記ルート振分け手段から前記契機入球手段に至るまでに要する時間が異なる」ことには、例えば「前記ルート振分け手段から前記契機入球手段までの距離が異なる」ことなどが含まれる。
また、「複数の第2ルート」それぞれに対応して個別に契機入球手段(契機入球検知手段)が設けられた構成としてもよいし、「複数の第2ルート」をそれぞれ通過する遊技球が1つの契機入球手段(契機入球検知手段)に向けて移動し、同一の契機入球検知手段により検知される構成としてもよい。
例えば「第1の契機入球手段へと遊技球を流下可能な第1の前記第2ルートと、第2の契機入球手段へと遊技球を流下可能な第2の前記第2ルートとを備えた」構成としてもよい。
さらに、遊技球の行き先を少なくとも「第1の前記第2ルート」又は「第2の前記第2ルート」へ定期的に又はランダムに変更可能な契機ルート変更手段(下流側ルート振分け手段)を備えた構成としてもよい。かかる構成によれば、遊技球の挙動を多様化することができ、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段D9.前記複数の第2ルートとして、
前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記契機入球手段(契機入球検知手段)に至り、前記可動体が前記所定の有利状態となるまでの有利状態到達時間が長い第1の前記第2ルートと、前記可動体到達時間よりも前記有利状態到達時間が短い第2の前記第2ルートとを備えていることを特徴とする手段D8に記載の遊技機。
仮にルート振分け手段によって遊技球が第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け手段によって遊技球が第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が契機入球手段に至り、可動体が所定の有利状態となるまでの有利状態到達時間が長くなるよう構成されている場合には、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け手段によって第1ルートへ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が第2ルートに振分けられた場合に、遊技者は可動体が作動するタイミングより先に遊技球が可動体に到達してしまうことがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
逆に、ルート振分け手段によって遊技球が第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け手段によって遊技球が第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が契機入球手段に至り、可動体が所定の有利状態となるまでの有利状態到達時間が短くなるよう構成されている場合には、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け手段によって第2ルートへ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が第1ルートに振分けられた場合に、比較的長期間、可動体が所定の有利状態に維持されない限り、可動体の有利状態が終了するタイミングよりも後に、遊技球が可動体に到達することがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
これに対し、上記手段D9によれば、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートのいずれに振分けられた場合でも、後続の2つ目の遊技球が「有利状態到達時間が長い第1の前記第2ルート」又は「有利状態到達時間が短い第2の前記第2ルート」のいずれに振分けられるかによって、可動体が作動するタイミングと、遊技球が可動体に到達するタイミングとが合う可能性が残されるため、遊技者は、特別遊技状態の発生への期待感を持って遊技球の挙動を注視することができる。
尚、「第2の前記第2ルート」は、「第1の前記第2ルート」よりも遊技球が通過に要する時間が短くなっていればよく、例えばルート振分け手段から直接、契機入球手段に入球する構成(契機入球手段までの距離がゼロとなる構成など)をも含む趣旨である。
また、遊技球が「第1の前記第2ルート」の通過に要する時間を長くするには、例えば「第1の前記第2ルート」の通過に要する遊技球の移動距離を長くすることが一例として考えられる。
また、これに代えて又は加えて、例えば遊技球の通過を遅らせる遅延手段を「第1の前記第2ルート」に設置する構成を採用してもよい。ここで、遅延手段としては、例えばステージやクルーンなど、遊技球が同じ場所を何回か往復したり、周回した後に先に進むような構成や、リブ等により遊技球の勢いを止めつつ時間をかけて遊技球が先に進むような構成などが一例として挙げられる。
さらに、上記のような遅延手段を「第1ルート」内に設置して、遊技球が「第2の前記第2ルート」の通過に要する時間よりも、第1ルートへ流下した遊技球が可動体に至る可動体到達時間が長くなる構成としてもよい。
手段D10.前記契機入球手段へ入球(又は通過)した遊技球が前記特別入球手段へ流下不能(入球不能)に構成されていることを特徴とする手段D2乃至D9のいずれかに記載の遊技機。
仮に契機入球手段を通過した遊技球が特別入球手段へ向け流下するよう構成されている場合には、該遊技球に対し可動体が作用するタイミングが常に一定になってしまうおそれがある。結果として、可動体が作用した結果が常に同じ結果となってしまい、遊技者の興趣が低下するおそれがある。さらに、可動体の動作タイミングに合わせて、遊技機を振動させるなどの不正行為が行われやすくなるおそれがある。また、契機入球手段を介さず、特別入球手段へ向け流下している他の遊技球の邪魔をしてしまうおそれもある。
これに対し、上記手段D10によれば、契機入球手段へ入球等する遊技球と、可動体が作用する遊技球とが常に異なるものとなるため、上記種々の不具合の発生を抑制することができる。
手段D11.前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球の次の次以降に、前記特定領域を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段D2乃至D10のいずれかに記載の遊技機。
尚、遊技球が所定間隔で断続的に発射されるパチンコ機等の遊技機においては、可変入球手段が開状態となる1回の開状態期間中に、該可変入球手段に対し複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況は頻繁には発生しにくい。特に、遊技ホールにおいて遊技盤の釘調整が行われ、可変入球手段に対し遊技球が入球しにくくなっている状況下においては、そのような遊技者に有利な状況が全く発生しないこともあり得る。
つまり、複数の遊技球が同時期(例えば可変入球手段の1回の開状態期間中)に連続して可変入球手段へ入球しなければ、可動体の作用(アシスト)を受ける等して、より高確率で遊技球が特別入球手段へ入球しないように構成された遊技機においては、複数の遊技球が同時期に連続して可変入球手段へ入球しなかった段階で遊技者の期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段D11によれば、契機入球手段に入球した遊技球と同時期に(連球状態で)入球した遊技球以外の遊技球に対しても、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
つまり、たとえ契機入球手段に入球した遊技球と共に、他の遊技球が可変入球手段に入球しなかったり、契機入球手段に入球した遊技球と共に可変入球手段に入球した他の遊技球が特別入球手段に入球しなかった場合でも、その後に可変入球手段に入球した遊技球に対して、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
これにより、遊技者は、遊技球が契機入球手段に入球したことを確認した後段階であっても、可変入球手段へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
例えば、上記手段D11によれば、可変入球手段の所定の開状態期間中に2つの遊技球が内部領域に入球し、先行する1つ目の遊技球(最初に特定領域を通過した遊技球)が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球(次に特定領域を通過した遊技球)が他方のルートに流下して、その後、第2ルートへ流下した遊技球が契機入球手段へ入球して可動体が作動する場合において、第1ルートへ流下した遊技球が可動体を通過する時点では、可動体が未だ作動せず、第1ルートへ流下した遊技球が特別入球手段へ入球しなかった場合でも、その後、可変入球手段の次の開状態期間中に内部領域へ入球した遊技球(次の次に特定領域を通過した遊技球)が第1ルートへ流下し、可動体の作用により、特別入球手段へ入球するチャンスが与えられる構成とすることも可能となる。
従って、上記手段D11を、「前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球が通過した開閉部材の開状態期間の次以降の開状態期間に開閉部材を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段D2乃至D10のいずれかに記載の遊技機。」と換言してもよい。
尚、上記手段D11に係る構成は、上記各手段に係る構成の下、契機入球手段に遊技球が入球した時点から可動体が作動開始するまでの時間や、作動開始後の可動体の作動期間等を調整することにより、同時期に複数の遊技球を可変入球手段へ入球させなくとも、容易に実現することができる。
手段D12.前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、遊技球が前記特別入球手段へ入球容易となるよう構成されていることを特徴とする手段D1乃至D11のいずれかに記載の遊技機。
上記手段D12によれば、可動体が所定の有利状態となれば、特別入球手段への入球期待度が高まるため、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段D13.前記特別遊技状態付与手段は、遊技者に付与される遊技価値が異なる複数種別の前記特別遊技状態を付与可能に構成され、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、付与する一の遊技価値を決定する種別決定手段を備え、
前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、前記複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別(例えば複数種別の特別遊技状態のうち遊技者にとって最も有利な種別)の前記特別遊技状態が前記種別決定手段によって決定されやすい構成となっていることを特徴とする手段D1乃至D12のいずれかに記載の遊技機。
上記手段D13によれば、特別遊技状態の種別の決定が、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に基づき行われることとなる。
また、可動体が所定の有利状態に制御されている場合には、複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別の特別遊技状態に決定されやすい構成となるため、特別遊技状態の付与(より遊技価値の高い種別の特別遊技状態の付与)等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、「遊技価値」には、例えば払出され得る賞球の数、特別遊技状態中に行われる特賞状態の回数(ラウンド数)、特別遊技状態後に付与される遊技モード(高確率モード等)などが含まれる。
手段D14.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件が成立した場合、前記可変入球手段(開閉部材)の開閉動作を所定回数実行可能な開閉制御手段とを備えていることを特徴とする手段D1乃至D13のいずれかに記載の遊技機。
尚、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件が成立した場合」には、例えば「前記始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な始動入球検知手段」を備えた構成の下、「前記始動入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記始動入球検知手段の入球検知に基づいて所定の始動抽選を行い、該始動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
従来課題E.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき開状態となる可変入球手段を備え、該可変入球手段の内部領域に入球した遊技球が、該内部領域内に設けられた特別入球手段(V入賞口)に入球した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば、特開平11-197312号公報参照)。
このようなパチンコ機の中には、例えば可変入球手段の内部領域に入球した遊技球を前記特別入球手段へ向かわせる案内ルートを備えると共に、該案内ルートから外れた遊技球を内部領域外へ排出するための外れルート(排出ルート)を備えたものがある。
しかしながら、従来では、折角、可変入球手段の内部領域に遊技球が入球したにもかかわらず、一旦、案内ルートから外れ、外れルートに案内された遊技球は、その後、可変入球手段内の遊技に何ら寄与せず、ただ排出されてしまうだけであった。かかる点において、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段E1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球可能な開状態と、前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球不能な閉状態とに状態変化可能な開閉部材を有し、特定領域を通過した遊技球のみが前記内部領域に入球可能な可変入球手段と、
前記内部領域に入球した遊技球が入球(又は通過)可能な特別入球手段と、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を付与可能な特別遊技状態付与手段とを備えた遊技機であって、
前記特定領域を通過した遊技球を前記特別入球手段へ流下可能な第1ルート(案内ルート)と、
前記第1ルートへ流下しない遊技球を前記内部領域外へ排出可能な第2ルート(排出ルート)と、
前記第2ルートを通過した遊技球を検知可能な球検知手段(排出球検知手段)と、
前記球検知手段により遊技球が検知されることに基づき所定条件が成立した場合において、遊技者に有利な特定処理を実行可能な特定処理実行手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
上記手段E1によれば、第2ルート(排出ルート)を介して排出される遊技球が検知されることに基づき、例えば特別遊技状態を発生しやすくするなど、遊技者に有利な特定処理が実行される。
これにより、第1ルート(案内ルート)を介して特別入球手段へ向けて流下する遊技球の挙動のみならず、第2ルートを介して排出される遊技球を利用して、新たな遊技性を付与することができ、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
手段E2.前記球検知手段により遊技球が検知された場合に、前記所定条件が成立するよう構成されていることを特徴とする手段E1に記載の遊技機。
上記手段E2によれば、球検知手段により遊技球が検知されるごとに毎回、遊技者に有利な特定処理を実行可能となるため、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
手段E3.前記球検知手段による検知に基づいて所定の抽選処理を実行可能な抽選処理実行手段を備え、
少なくとも前記抽選処理により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合に、前記所定条件が成立するよう構成されていることを特徴とする手段E1に記載の遊技機。
上記手段E3によれば、球検知手段により遊技球が検知されるごとに毎回、遊技者に有利な特定処理を実行することもなくなるため、特定処理の単調化を抑制し、特定処理が実行されることに対する遊技者の期待感を高めることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
手段E4.前記球検知手段により検知された遊技球の数を計数する計数手段を備え、
前記計数手段により計数された遊技球の数が所定数以上となった場合に、前記所定条件が成立するよう構成されていることを特徴とする手段E1に記載の遊技機。
上記手段E4によれば、第1ルート(案内ルート)から外れ、第2ルート(排出ルート)に流れる遊技球の数が比較的多くなった場合においても、遊技者にとっての興趣の低下を抑制することができる。
手段E5.前記球検知手段により検知された遊技球の数を計数する計数手段と、
前記計数手段により計数された遊技球の数が所定数以上となった場合に、所定の抽選処理を実行可能な抽選処理実行手段とを備え、
少なくとも前記抽選処理により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合に、前記所定条件が成立するよう構成されていることを特徴とする手段E1に記載の遊技機。
上記手段E5によれば、球検知手段により検知された遊技球の数が所定数以上となるごとに毎回、遊技者に有利な特定処理を実行することもなくなるため、上記手段E3と同様の作用効果が奏される。
手段E6.前記可変入球手段の内部領域において、少なくとも遊技者に有利な有利状態(特別状態)と、該有利状態よりも遊技者に有利でない非有利状態(通常状態)とに状態変化可能に設けられ、遊技球の挙動に変化を生じさせ得る(遊技球に作用し得る)可動体を備え、
前記特定処理実行手段は、
前記所定条件が成立した場合に、前記可動体に所定動作をさせる所定の有利状態とする制御を実行可能な可動体制御手段を備えていることを特徴とする手段E1乃至E5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段E6によれば、可変入球手段の内部領域に可動体を備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせることができる。例えば可動体が所定の有利状態となることで、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段E7.特定状態において、遊技球の行き先を少なくとも前記第1ルート又は前記第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段を備え、
前記可動体は、前記第1ルートへ流下した遊技球の挙動に変化を生じさせ得るものであることを特徴とする手段E6に記載の遊技機。
上記手段E6に係る構成の下、例えば上記所定条件の成立間近において、仮に可変入球手段に対し同時期に複数(例えば2つ)の遊技球が入球した場合(2つの遊技球がほとんど間隔を空けずに連続して流下していく連球状態を含む。以下同様。)等、遊技者に有利な状況が発生した場合であっても、これら複数の遊技球がすべて第2ルート(排出ルート)に向かってしまっては、いくら可動体が有利状態になったとしても、遊技球が1球も特別入球手段に入球しないなどの不具合が生じるおそれがある。
これに対し、上記手段E7によれば、例えば可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が同時期に連続して入球した場合に、先行する1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球が他方のルートに流下するといったように、一方の遊技球を第1ルートへ向かわせることが可能となるため、上記可動体を設けた作用効果がより奏功することとなる。
結果として、遊技者は、ルート振分け手段によって振分けられる遊技球の挙動に期待感を持って注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段E8.前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、遊技球が前記特別入球手段へ入球容易となるよう構成されていることを特徴とする手段E6又はE7に記載の遊技機。
上記手段E8によれば、可動体が所定の有利状態となれば、特別入球手段への入球期待度が高まるため、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段E9.前記特別遊技状態付与手段は、遊技者に付与される遊技価値が異なる複数種別の前記特別遊技状態を付与可能に構成され、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、付与する一の遊技価値を決定する種別決定手段を備え、
前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、前記複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別(例えば複数種別の特別遊技状態のうち遊技者にとって最も有利な種別)の前記特別遊技状態が前記種別決定手段によって決定されやすい構成となっていることを特徴とする手段E6又はE7に記載の遊技機。
上記手段E9によれば、特別遊技状態の種別の決定が、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に基づき行われることとなる。
また、可動体が所定の有利状態に制御されている場合には、複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別の特別遊技状態に決定されやすい構成となるため、特別遊技状態の付与(より遊技価値の高い種別の特別遊技状態の付与)等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、「遊技価値」には、例えば払出され得る賞球の数、特別遊技状態中に行われる特賞状態の回数(ラウンド数)、特別遊技状態後に付与される遊技モード(高確率モード等)などが含まれる。
手段E10.前記特定領域を通過した遊技球が前記球検知手段により検知され、前記所定条件が成立した場合に、該遊技球の次の次以降に、前記特定領域を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段E6乃至E9のいずれかに記載の遊技機。
尚、遊技球が所定間隔で断続的に発射されるパチンコ機等の遊技機においては、可変入球手段が開状態となる1回の開状態期間中に、該可変入球手段に対し複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況は頻繁には発生しにくい。特に、遊技ホールにおいて遊技盤の釘調整が行われ、可変入球手段に対し遊技球が入球しにくくなっている状況下においては、そのような遊技者に有利な状況が全く発生しないこともあり得る。
つまり、複数の遊技球が同時期(例えば可変入球手段の1回の開状態期間中)に連続して可変入球手段へ入球しなければ、可動体の作用(アシスト)を受ける等して、より高確率で遊技球が特別入球手段へ入球しないように構成された遊技機においては、複数の遊技球が同時期に連続して可変入球手段へ入球しなかった段階で遊技者の期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段E10によれば、所定条件の成立に(最後に)関わった遊技球と同時期に(連球状態で)入球した遊技球以外の遊技球に対しても、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
つまり、たとえ所定条件の成立に(最後に)関わった遊技球と共に、他の遊技球が可変入球手段に入球しなかったり、所定条件の成立に(最後に)関わった遊技球と共に可変入球手段に入球した他の遊技球が特別入球手段に入球しなかった場合でも、その後に可変入球手段に入球した遊技球に対して、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
これにより、遊技者は、所定条件が成立したことを確認した後段階であっても、可変入球手段へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
従って、上記手段E10を、「前記特定領域を通過した遊技球が前記球検知手段により検知され、前記所定条件が成立した場合に、該遊技球が通過した開閉部材の開状態期間の次以降の開状態期間に開閉部材を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段E6乃至E9のいずれかに記載の遊技機。」と換言してもよい。
尚、上記手段E10に係る構成は、上記各手段に係る構成の下、前記所定条件が成立した時点から可動体が作動開始するまでの時間や、作動開始後の可動体の作動期間等を調整することにより、同時期に複数の遊技球を可変入球手段へ入球させなくとも、容易に実現することができる。
手段E11.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件が成立した場合、前記可変入球手段(開閉部材)の開閉動作を所定回数実行可能な開閉制御手段とを備えていることを特徴とする手段E1乃至E10のいずれかに記載の遊技機。
尚、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件が成立した場合」には、例えば「前記始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な始動入球検知手段」を備えた構成の下、「前記始動入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記始動入球検知手段の入球検知に基づいて所定の始動抽選を行い、該始動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
従来課題F.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき開状態となる可変入球手段を備え、該可変入球手段の内部領域に入球した遊技球が、該内部領域内に設けられた特別入球手段(V入賞口)に入球した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば、特開平11-197312号公報参照)。
このようなパチンコ機の中には、可変入球手段の内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせる可動体を備えたものもある。
しかしながら、従来の可変入球手段は、例えば左右両側など、複数箇所に入賞口(特定領域)が設けられていたため、可変入球手段に対し同時期に複数方向から遊技球が入球する場合があった。
そのため、たとえ可変入球手段に対し遊技者に有利なタイミングで複数の遊技球が入球した場合であっても、遊技球の入球タイミングによっては、これらが互いに邪魔しあい、1球も特別入球手段に向かわないなど、遊技者が望むルートへ遊技球が流下せず、遊技者の興趣が低下するおそれがある。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段F1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球可能な開状態と、前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球不能な閉状態とに状態変化可能な開閉部材を有し、特定領域を通過した遊技球のみが前記内部領域に入球可能な可変入球手段と、
前記内部領域に入球した遊技球が入球(又は通過)可能な特別入球手段と、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を付与可能な特別遊技状態付与手段とを備えた遊技機であって、
前記特定領域を通過した遊技球が入球(又は通過)可能な契機入球手段と、
前記特定領域を通過した遊技球を前記特別入球手段へ流下可能な第1ルートと、
前記第1ルートへ流下しない遊技球を前記契機入球手段へ流下可能な第2ルートと、
遊技球の行き先を少なくとも前記第1ルート又は前記第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段と、
少なくとも遊技者に有利な有利状態(特別状態)と、該有利状態よりも遊技者に有利でない非有利状態(通常状態)とに状態変化可能に設けられ、前記第1ルートへ流下した遊技球の挙動に変化を生じさせ得る(遊技球に作用し得る)可動体と、
前記契機入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の作動条件が成立した場合に、前記可動体に所定動作をさせる所定の前記有利状態とする制御を実行可能な可動体制御手段とを備え、
前記特定領域は、遊技球が1球ずつ通過可能かつ1箇所にのみ設けられ、
前記特定領域へ遊技球を1球ずつ案内可能な球通路が1箇所にのみ設けられていることを特徴とする遊技機。
尚、「前記契機入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の作動条件が成立した場合」には、例えば「前記契機入球手段に入球した遊技球を検知可能な契機入球検知手段」を備えた構成の下、「前記契機入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記契機入球検知手段の入球検知に基づいて所定の作動抽選を行い、該作動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
上記手段F1によれば、可変入球手段の内部領域に可動体を備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせることができる。例えば可動体が所定の有利状態となることで、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
また、本手段においては、可動体の動作契機を検出する契機入球手段を可変入球手段の内部領域に備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に基づいて、可動体が所定の有利状態となるか否か等が決定される構成となるため、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
特に本手段においては、可変入球手段の内部領域に入球した遊技球の行き先を第1ルート又は第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段を備えた構成となっている。
これにより、例えば可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が同時期に連続して入球した場合に、先行する1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球が他方のルートに流下するといったように、遊技球を特別入球手段及び契機入球手段の両者へそれぞれ向かわせることが可能となるため、上記可動体を設けた作用効果がより奏功することとなる。
結果として、可変入球手段の内部領域へ同時期に複数の遊技球を入球させることで特別遊技状態の発生期待度が向上するかもしれないといった、遊技者の期待感を高めることができる。
加えて、本手段では、特定領域が、遊技球が1球ずつ通過可能かつ1箇所にのみ設けられると共に、該特定領域へ遊技球を1球ずつ案内可能な球通路が1箇所にのみ設けられているため、遊技球を1球ずつルート振分け手段へ適切に案内することができる。これにより、上記作用効果がより確実に奏されることとなる。
さらに、可変入球手段の内部領域へ2球連続して遊技球が入球した場合に、先行する1つ目の遊技球と、後続の2つ目の遊技球がそれぞれどちらのルートに流下するかによって、結果が異なってくるため、遊技者は、期待感を持って、ルート振分け手段によって振分けられる遊技球の挙動をより注視するようになる。結果として、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段F2.前記球通路を通過しない遊技球が前記特定領域を通過不能に構成されていることを特徴とする手段F1に記載の遊技機。
仮に球通路を通過しない遊技球が特定領域を通過可能に構成されている場合には、球通路を通過しない遊技球が、球通路を通過して特定領域へ向け流下している他の遊技球の邪魔をしてしまうおそれがある。これに対し、上記手段F2によれば、球通路を通過しない限り、遊技球が特定領域を通過できないようになるため、上記不具合の発生を抑制し、上記手段F1の作用効果をより高めることができる。
手段F3.前記球通路は、前記可変入球手段外において、前記開閉部材よりも左側又は右側の一方に設けられていることを特徴とする手段F1又はF2に記載の遊技機。
上記手段F3によれば、遊技球を1球ずつ開閉部材へ案内することができる。これにより、複数の遊技球が同時に開閉部材に入球して球噛みする等の不具合を抑制することができる。
手段F4.前記球通路は、前記発射手段によって所定の強度で発射された遊技球のみが通過可能に設けられていることを特徴とする手段F1乃至F3のいずれかに記載の遊技機。
上記手段F4によれば、発射手段によって所定の強度(例えば右打ち)で発射された遊技球のみが通過可能な位置(例えば可変入球手段の右側)にのみ球通路が設けられることにより、上記手段F1等の作用効果をより高めることができる。
手段F5.前記特定領域において、所定方向への遊技球の通過を許容する一方で、前記所定方向とは逆方向への遊技球の通過を規制する規制手段を備えたことを特徴とする手段F1乃至F4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段F5によれば、例えば2つの遊技球が連続して球通路を通過する場合に、先行する1つ目の遊技球の挙動等により、該先行する1つ目の遊技球と、後続の2つ目の遊技球とが衝突する等して互いに邪魔しあうような不具合の発生を抑制することができる。結果として、上記手段F1等の作用効果をより高めることができる。ここで上記規制手段には、遊技球から受ける力によって、第1の状態から第2の状態へ状態変化するものなども含まれる。
手段F6.前記契機入球手段へ入球(又は通過)した遊技球が前記特別入球手段へ流下不能(入球不能)に構成されていることを特徴とする手段F1乃至F5のいずれかに記載の遊技機。
仮に契機入球手段を通過した遊技球が特別入球手段へ向け流下するよう構成されている場合には、該遊技球に対し可動体が作用するタイミングが常に一定になってしまうおそれがある。結果として、可動体が作用した結果が常に同じ結果となってしまい、遊技者の興趣が低下するおそれがある。さらに、可動体の動作タイミングに合わせて、遊技機を振動させるなどの不正行為が行われやすくなるおそれがある。また、契機入球手段を介さず、特別入球手段へ向け流下している他の遊技球の邪魔をしてしまうおそれもある。
これに対し、上記手段F6によれば、契機入球手段へ入球等する遊技球と、可動体が作用する遊技球とが常に異なるものとなるため、上記種々の不具合の発生を抑制することができる。
手段F7.前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球の次の次以降に、前記特定領域を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段F1乃至F6のいずれかに記載の遊技機。
尚、遊技球が所定間隔で断続的に発射されるパチンコ機等の遊技機においては、可変入球手段が開状態となる1回の開状態期間中に、該可変入球手段に対し複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況は頻繁には発生しにくい。特に、遊技ホールにおいて遊技盤の釘調整が行われ、可変入球手段に対し遊技球が入球しにくくなっている状況下においては、そのような遊技者に有利な状況が全く発生しないこともあり得る。
つまり、複数の遊技球が同時期(例えば可変入球手段の1回の開状態期間中)に連続して可変入球手段へ入球しなければ、可動体の作用(アシスト)を受ける等して、より高確率で遊技球が特別入球手段へ入球しないように構成された遊技機においては、複数の遊技球が同時期に連続して可変入球手段へ入球しなかった段階で遊技者の期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段F7によれば、契機入球手段に入球した遊技球と同時期に(連球状態で)入球した遊技球以外の遊技球に対しても、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
つまり、たとえ契機入球手段に入球した遊技球と共に、他の遊技球が可変入球手段に入球しなかったり、契機入球手段に入球した遊技球と共に可変入球手段に入球した他の遊技球が特別入球手段に入球しなかった場合でも、その後に可変入球手段に入球した遊技球に対して、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
これにより、遊技者は、遊技球が契機入球手段に入球したことを確認した後段階であっても、可変入球手段へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
例えば、上記手段F7によれば、可変入球手段の所定の開状態期間中に2つの遊技球が内部領域に入球し、先行する1つ目の遊技球(最初に特定領域を通過した遊技球)が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球(次に特定領域を通過した遊技球)が他方のルートに流下して、その後、第2ルートへ流下した遊技球が契機入球手段へ入球して可動体が作動する場合において、第1ルートへ流下した遊技球が可動体を通過する時点では、可動体が未だ作動せず、第1ルートへ流下した遊技球が特別入球手段へ入球しなかった場合でも、その後、可変入球手段の次の開状態期間中に内部領域へ入球した遊技球(次の次に特定領域を通過した遊技球)が第1ルートへ流下し、可動体の作用により、特別入球手段へ入球するチャンスが与えられる構成とすることも可能となる。
従って、上記手段F7を、「前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球が通過した開閉部材の開状態期間の次以降の開状態期間に開閉部材を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段F1乃至F6のいずれかに記載の遊技機。」と換言してもよい。
尚、上記手段F7に係る構成は、上記各手段に係る構成の下、契機入球手段に遊技球が入球した時点から可動体が作動開始するまでの時間や、作動開始後の可動体の作動期間等を調整することにより、同時期に複数の遊技球を可変入球手段へ入球させなくとも、容易に実現することができる。
手段F8.前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、遊技球が前記特別入球手段へ入球容易となるよう構成されていることを特徴とする手段F1乃至F7のいずれかに記載の遊技機。
上記手段F8によれば、可動体が所定の有利状態となれば、特別入球手段への入球期待度が高まるため、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段F9.前記特別遊技状態付与手段は、遊技者に付与される遊技価値が異なる複数種別の前記特別遊技状態を付与可能に構成され、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、付与する一の遊技価値を決定する種別決定手段を備え、
前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、前記複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別(例えば複数種別の特別遊技状態のうち遊技者にとって最も有利な種別)の前記特別遊技状態が前記種別決定手段によって決定されやすい構成となっていることを特徴とする手段F1乃至F8のいずれかに記載の遊技機。
上記手段F9によれば、特別遊技状態の種別の決定が、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に基づき行われることとなる。
また、可動体が所定の有利状態に制御されている場合には、複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別の特別遊技状態に決定されやすい構成となるため、特別遊技状態の付与(より遊技価値の高い種別の特別遊技状態の付与)等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、「遊技価値」には、例えば払出され得る賞球の数、特別遊技状態中に行われる特賞状態の回数(ラウンド数)、特別遊技状態後に付与される遊技モード(高確率モード等)などが含まれる。
手段F10.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件が成立した場合、前記可変入球手段(開閉部材)の開閉動作を所定回数実行可能な開閉制御手段とを備えていることを特徴とする手段F1乃至F9のいずれかに記載の遊技機。
尚、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件が成立した場合」には、例えば「前記始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な始動入球検知手段」を備えた構成の下、「前記始動入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記始動入球検知手段の入球検知に基づいて所定の始動抽選を行い、該始動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
従来課題G.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき開状態となる可変入球手段を備え、該可変入球手段の内部領域に入球した遊技球が、該内部領域内に設けられた特別入球手段(V入賞口)に入球した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば、特開平11-197312号公報参照)。
このようなパチンコ機の中には、可変入球手段の内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせる可動体を備えたものもある。
しかしながら、従来の遊技機においては、例えば可変入球手段の内部領域へ遊技球が入球することなどを契機として毎回、可動体が所定動作を行うといったように、可動体に関連する演出が単調となり、可動体が動作することに対する遊技者の興味(ドキドキ感)が薄れがちであった。かかる点で、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段G1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球可能な開状態と、前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球不能な閉状態とに状態変化可能な開閉部材を有し、特定領域を通過した遊技球のみが前記内部領域に入球可能な可変入球手段と、
前記特定領域を通過した遊技球が入球(又は通過)可能な特別入球手段と、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を付与可能な特別遊技状態付与手段とを備えた遊技機であって、
前記特定領域を通過した遊技球が入球(又は通過)可能な第1の契機入球手段と、
前記第1の契機入球手段に入球した遊技球を検知可能な第1の契機入球検知手段と、
前記特定領域を通過した遊技球が入球(又は通過)可能な第2の契機入球手段と、
前記第2の契機入球手段に入球した遊技球を検知可能な第2の契機入球検知手段と、
前記特定領域を通過した遊技球を前記第1の契機入球手段へ流下可能な第1の流下ルートと、
前記特定領域を通過した遊技球を前記第2の契機入球手段へ流下可能な第2の流下ルートと、
前記特定領域を通過した遊技球の行き先を少なくとも前記第1の流下ルート又は前記第2の流下ルートへ振分け可能なルート振分け手段(下流側ルート振分け手段)と、
少なくとも遊技者に有利な有利状態と、該有利状態よりも遊技者に有利でない非有利状態とに状態変化可能に設けられ、前記特定領域を通過した遊技球の挙動に変化を生じさせ得る可動体と、
前記第1の契機入球手段又は前記第2の契機入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の作動条件が成立した場合に、前記可動体に所定動作をさせる所定の前記有利状態とする制御を実行可能な可動体制御手段とを備え、
特定状態において、遊技球が前記第1の流下ルートへ流下した場合と、遊技球が前記第2の流下ルートへ流下した場合とで、前記所定の有利状態となり得る割合が異なるようにしたことを特徴とする遊技機。
尚、「前記第1の契機入球手段又は前記第2の契機入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の作動条件が成立した場合」には、例えば「前記第1の契機入球検知手段又は前記第2の契機入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記第1の契機入球検知手段又は前記第2の契機入球検知手段の入球検知に基づいて所定の作動抽選を行い、該作動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
上記手段G1によれば、可変入球手段の内部領域に可動体を備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせることができる。例えば可動体が所定の有利状態となることで、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
また、本手段においては、可動体の動作契機を検出する各種契機入球手段(各種契機入球検知手段)を可変入球手段の内部領域に備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に基づいて、可動体が所定の有利状態となるか否か等が決定される構成となるため、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
さらに、本手段においては、遊技球が第1の流下ルートへ流下した場合と、遊技球が第2の流下ルートへ流下した場合とで、所定の有利状態となり得る割合が異なるように構成されている。これにより、遊技者が可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動により注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段G2.前記特定領域を通過した遊技球が前記第1の流下ルートを流下して前記第1の契機入球手段へ至るまでに要する時間又は距離と、前記特定領域を通過した遊技球が前記第2の流下ルートを流下して前記第2の契機入球手段へ至るまでに要する時間又は距離とが異なるように構成されていることを特徴とする手段G1に記載の遊技機。
上記手段G2によれば、遊技球が第1の流下ルートへ流下した場合と、遊技球が第2の流下ルートへ流下した場合とで、可動体が所定の有利状態となり得るまでの期間を可変とすることができる。
これにより、可動体が常に一定のタイミングで動作を行うといったことがなくなるため、可動体を用いた遊技演出の単調化を抑制することができる。結果として、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
手段G3.前記第1の流下ルート又は前記第2の流下ルートにおいて、遊技球の流下を遅らせる遅延手段を備えたことを特徴とする手段G1又はG2に記載の遊技機。
上記手段G3によれば、第1の流下ルートや第2の流下ルートの長さが比較的短い場合であっても、上記遅延手段を備えることにより、遊技球が所定位置に到達するまで時間等を比較的長くすることができる。結果として、遊技スペースの有効利用を図ることができる。ここで、遅延手段としては、例えばステージやクルーンなど、遊技球が同じ場所を何回か往復したり、周回した後に先に進むような構成や、リブ等により遊技球の勢いを止めつつ時間をかけて遊技球が先に進むような構成などが一例として挙げられる。
手段G4.前記第1の契機入球検知手段又は前記第2の契機入球検知手段の入球検知に基づいて所定の作動抽選処理を実行可能な抽選処理実行手段を備え、
少なくとも前記作動抽選処理により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合に、前記所定の作動条件が成立するよう構成され、
前記特定状態において、遊技球が前記第1の契機入球検知手段により検知された場合と、前記第2の契機入球検知手段に検知された場合とで、前記所定の抽選結果が得られる割合が異なるように構成されていることを特徴とする手段G1乃至G3のいずれかに記載の遊技機。
上記手段G4によれば、可動体を所定の有利状態とするか否か等の決定を抽選処理実行手段(作動抽選処理)によりソフト的に行う構成となっている。
これにより、所定の契機に合わせて毎回動作を行うこともなくなるため、可動体に関連する演出の単調化を抑制し、可動体が動作することに対する遊技者の期待感を高めることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
さらに、本手段においては、遊技球が第1の契機入球検知手段により検知された場合と、第2の契機入球検知手段に検知された場合とで、所定の抽選結果が得られる割合が異なるように構成されているため、遊技者が可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動により注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段G5.前記ルート振分け手段は、
遊技球を前記第1の流下ルートへと流下可能な第1状態と、遊技球を前記第2の流下ルートへと流下可能な第2状態とに状態変化可能に構成され、
前記特定状態において、前記ルート振分け手段が前記第1状態となる割合と、前記第2状態となる割合が異なるようにしたことを特徴とする手段G1乃至G4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段G5によれば、遊技球の挙動を多様化することができ、遊技者が可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動により注視するようになるため、さらなる興趣の向上を図ることができる。加えて、前記ルート振分け手段が前記第1状態となる割合、及び、前記第2状態となる割合が定期的に又はランダムに変更可能な構成としてもよい。
手段G6.前記特定領域を通過した遊技球を前記特別入球手段へ流下可能な所定ルートと、
前記特定状態において、遊技球の行き先を少なくとも前記所定ルートへ振分け可能なルート振分け手段(上流側ルート振分け手段)とを備え、
前記可動体は、前記所定ルートへ流下した遊技球の挙動に変化を生じさせ得るものであることを特徴とする手段G1乃至G5のいずれかに記載の遊技機。
上記各手段に係る構成の下、仮に可変入球手段に対し同時期に複数(例えば2つ)の遊技球が入球した場合(2つの遊技球がほとんど間隔を空けずに連続して流下していく連球状態を含む。以下同様。)等、遊技者に有利な状況が発生した場合であっても、これら複数の遊技球がすべて契機入球手段に向かってしまっては、いくら可動体が有利状態になったとしても、遊技球が1球も特別入球手段に入球しないなどの不具合が生じるおそれがある。
これに対し、上記手段G6によれば、例えば可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が同時期に連続して入球した場合に、先行する1つ目の遊技球が所定ルート、又は、第1の流下ルート若しくは第2の流下ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球が他方のルートに流下するといったように、遊技球を特別入球手段及び契機入球手段の両者へそれぞれ向かわせることが可能となるため、上記可動体を設けた作用効果がより奏功することとなる。
手段G7.前記契機入球手段(前記第1の契機入球手段及び/又は前記第2の契機入球手段)へ入球(又は通過)した遊技球が前記特別入球手段へ流下不能(入球不能)に構成されていることを特徴とする手段G1乃至G6のいずれかに記載の遊技機。
仮に契機入球手段を通過した遊技球が特別入球手段へ向け流下するよう構成されている場合には、該遊技球に対し可動体が作用するタイミングが常に一定になってしまうおそれがある。結果として、可動体が作用した結果が常に同じ結果となってしまい、遊技者の興趣が低下するおそれがある。さらに、可動体の動作タイミングに合わせて、遊技機を振動させるなどの不正行為が行われやすくなるおそれがある。また、契機入球手段を介さず、特別入球手段へ向け流下している他の遊技球の邪魔をしてしまうおそれもある。
これに対し、上記手段G7によれば、契機入球手段へ入球等する遊技球と、可動体が作用する遊技球とが常に異なるものとなるため、上記種々の不具合の発生を抑制することができる。
手段G8.前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段(前記第1の契機入球手段又は前記第2の契機入球手段)に入球した場合に、該遊技球の次の次以降に、前記特定領域を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段G1乃至G7のいずれかに記載の遊技機。
尚、遊技球が所定間隔で断続的に発射されるパチンコ機等の遊技機においては、可変入球手段が開状態となる1回の開状態期間中に、該可変入球手段に対し複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況は頻繁には発生しにくい。特に、遊技ホールにおいて遊技盤の釘調整が行われ、可変入球手段に対し遊技球が入球しにくくなっている状況下においては、そのような遊技者に有利な状況が全く発生しないこともあり得る。
つまり、複数の遊技球が同時期(例えば可変入球手段の1回の開状態期間中)に連続して可変入球手段へ入球しなければ、可動体の作用(アシスト)を受ける等して、より高確率で遊技球が特別入球手段へ入球しないように構成された遊技機においては、複数の遊技球が同時期に連続して可変入球手段へ入球しなかった段階で遊技者の期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段G8によれば、契機入球手段に入球した遊技球と同時期に(連球状態で)入球した遊技球以外の遊技球に対しても、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
つまり、たとえ契機入球手段に入球した遊技球と共に、他の遊技球が可変入球手段に入球しなかったり、契機入球手段に入球した遊技球と共に可変入球手段に入球した他の遊技球が特別入球手段に入球しなかった場合でも、その後に可変入球手段に入球した遊技球に対して、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
これにより、遊技者は、遊技球が契機入球手段に入球したことを確認した後段階であっても、可変入球手段へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
例えば、上記手段G8によれば、可変入球手段の所定の開状態期間中に2つの遊技球が内部領域に入球し、先行する1つ目の遊技球(最初に特定領域を通過した遊技球)が所定ルート、又は、第1の流下ルート若しくは第2の流下ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球(次に特定領域を通過した遊技球)が他方のルートに流下して、その後、第1の流下ルート若しくは第2の流下ルートへ流下した遊技球が契機入球手段(第1の契機入球手段又は第2の契機入球手段)へ入球して可動体が作動する場合において、所定ルートへ流下した遊技球が可動体を通過する時点では、可動体が未だ作動せず、所定ルートへ流下した遊技球が特別入球手段へ入球しなかった場合でも、その後、可変入球手段の次の開状態期間中に内部領域へ入球した遊技球(次の次に特定領域を通過した遊技球)が所定ルートへ流下し、可動体の作用により、特別入球手段へ入球するチャンスが与えられる構成とすることも可能となる。
従って、上記手段G8を、「前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段(前記第1の契機入球手段又は前記第2の契機入球手段)に入球した場合に、該遊技球が通過した開閉部材の開状態期間の次以降の開状態期間に開閉部材を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段G1乃至G7のいずれかに記載の遊技機。」と換言してもよい。
尚、上記手段G8に係る構成は、上記各手段に係る構成の下、契機入球手段に遊技球が入球した時点から可動体が作動開始するまでの時間や、作動開始後の可動体の作動期間等を調整することにより、同時期に複数の遊技球を可変入球手段へ入球させなくとも、容易に実現することができる。
手段G9.前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、遊技球が前記特別入球手段へ入球容易となるよう構成されていることを特徴とする手段G1乃至G8のいずれかに記載の遊技機。
上記手段G9によれば、可動体が所定の有利状態となれば、特別入球手段への入球期待度が高まるため、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段G10.前記特別遊技状態付与手段は、遊技者に付与される遊技価値が異なる複数種別の前記特別遊技状態を付与可能に構成され、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、付与する一の遊技価値を決定する種別決定手段を備え、
前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、前記複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別(例えば複数種別の特別遊技状態のうち遊技者にとって最も有利な種別)の前記特別遊技状態が前記種別決定手段によって決定されやすい構成となっていることを特徴とする手段G1乃至G9のいずれかに記載の遊技機。
上記手段G10によれば、特別遊技状態の種別の決定が、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に基づき行われることとなる。
また、可動体が所定の有利状態に制御されている場合には、複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別の特別遊技状態に決定されやすい構成となるため、特別遊技状態の付与(より遊技価値の高い種別の特別遊技状態の付与)等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、「遊技価値」には、例えば払出され得る賞球の数、特別遊技状態中に行われる特賞状態の回数(ラウンド数)、特別遊技状態後に付与される遊技モード(高確率モード等)などが含まれる。
手段G11.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件が成立した場合、前記可変入球手段(開閉部材)の開閉動作を所定回数実行可能な開閉制御手段とを備えていることを特徴とする手段G1乃至G10のいずれかに記載の遊技機。
尚、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件が成立した場合」には、例えば「前記始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な始動入球検知手段」を備えた構成の下、「前記始動入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記始動入球検知手段の入球検知に基づいて所定の始動抽選を行い、該始動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
従来課題H.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき開状態となる可変入球手段を備え、該可変入球手段の内部領域に入球した遊技球が、該内部領域内に設けられた特別入球手段(V入賞口)に入球した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば、特開平11-197312号公報参照)。
このようなパチンコ機の中には、可変入球手段の内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせる可動体を備えたものもある。
しかしながら、従来の遊技機においては、例えば可変入球手段の内部領域へ遊技球が入球することなどを契機として可動体が毎回一定のタイミングで動作を行うように構成されていた。
そのため、従来では、遊技者によって可動体の動作タイミングが把握されてしまい、例えばそのタイミングに合わせて遊技機を振動させるなどの不正行為が行われる可能性があった。
また、可動体に関連する演出が単調になりやすく、かかる点で、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、不正行為を抑制すると共に、興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段H1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球可能な開状態と、前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球不能な閉状態とに状態変化可能な開閉部材を有し、特定領域を通過した遊技球のみが前記内部領域に入球可能な可変入球手段と、
前記内部領域に入球した遊技球が入球(又は通過)可能な特別入球手段と、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を付与可能な特別遊技状態付与手段とを備えた遊技機であって、
前記特定領域を通過した遊技球が入球(又は通過)可能な契機入球手段と、
少なくとも遊技者に有利な有利状態(特別状態)と、該有利状態よりも遊技者に有利でない非有利状態(通常状態)とに状態変化可能に設けられ、前記特定領域を通過した遊技球の挙動に変化を生じさせ得る(遊技球に作用し得る)可動体と、
前記契機入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の作動条件が成立した場合に、前記可動体に所定動作をさせる所定の前記有利状態とする制御を実行可能な可動体制御手段と、
前記開閉部材の開閉制御を行う際、複数の開閉パターンのうちのいずれの開閉パターンを実行するかを決定する開閉パターン決定手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
尚、「前記契機入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の作動条件が成立した場合」には、例えば「前記契機入球手段に入球した遊技球を検知可能な契機入球検知手段」を備えた構成の下、「前記契機入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記契機入球検知手段の入球検知に基づいて所定の作動抽選を行い、該作動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
上記手段H1によれば、可変入球手段の内部領域に可動体を備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせることができる。例えば可動体が所定の有利状態となることで、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
また、本手段においては、可動体の動作契機を検出する契機入球手段を可変入球手段の内部領域に備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に基づいて、可動体が所定の有利状態となるか否か等が決定される構成となるため、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
特に本手段においては、可変入球手段(開閉部材)の開閉パターンが複数設けられることで、遊技球が可変入球手段へ入球するタイミングが変化するため、仮に可動体が所定の契機から毎回一定のタイミングで動作を行うように構成されていたとしても、可変入球手段の内部領域へ入球した遊技球に対し可動体が作用するタイミングが異なるようになる。結果として、可動体の動作タイミングに合わせて遊技機を振動させるなどの不正行為が行われるおそれを低減することができる。
尚、特別入球手段への入球率等を変更する場合、例えば可動体の作動パターンを複数設け、該パターンの選択確率を変更して特別入球手段への入球率等を変更する方法も考えられるが、所定の動作を行うことにより遊技球の挙動に変化を加える可動体の動作態様を変更して、特別入球手段への入球率を所望の入球率に調整する等といった作業は非常に難しく、何度も試行錯誤を繰り返す必要がある。この点、本手段によれば、特別入球手段への入球率等の変更をより容易に行うことができる。
手段H2.前記複数の開閉パターンのうち所定の開閉パターンが行われる場合には、前記所定の開閉パターンが行われない場合よりも、前記可動体が前記所定の有利状態になりやすい構成となっていることを特徴とする手段H1に記載の遊技機。
上記手段H2によれば、例えば開閉部材の開放する割合が比較的多い所定の開閉パターンが行われた場合には、同時期により多くの遊技球を可変入球手段内へ入球させることが可能となるため、可動体が所定の有利状態になりやすい構成との相乗効果により、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段H3.前記契機入球手段への入球に基づき所定の作動抽選処理を実行可能な抽選処理実行手段と、
前記契機入球手段への入球に基づき変動表示を開始し、前記作動抽選処理の抽選結果に基づく所定態様で停止表示を行う表示手段と、
前記表示手段における変動表示を所定回数、保留可能な保留手段とを備え、
少なくとも前記作動抽選処理により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合に、前記作動条件が成立するよう構成されていることを特徴とする手段H1又は手段H2に記載の遊技機。
上記手段H3によれば、可動体が所定の契機に合わせて毎回動作を行うこともなくなるため、上記手段H1等の作用効果を高めると共に、可動体に関連する演出の単調化を抑制し、可動体が動作することに対する遊技者の期待感を高めることができる。
加えて、本手段においては、保留手段を備えることにより、可動体が動作する頻度を増やすことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段H4.前記可動体を前記有利状態とする際、複数の作動パターンのうちのいずれの作動パターンを実行するかを決定する作動パターン決定手段を備えていることを特徴とする手段H1乃至H3のいずれかに記載の遊技機。
上記手段H4によれば、可動体の作動パターンが複数設けられることで、上記手段H1等の作用効果をより高めることができる。尚、特別入球手段への入球率を所望の入球率に調整する等といった作業は非常に難しい反面、遊技球の挙動が多様化し、興趣の向上を図ることができると共に、上述したような不正行為を抑制することができる。
手段H5.前記複数の開閉パターンのうち、少なくとも1つの開閉パターンは、複数の開閉動作を含むものであることを特徴とする手段H1乃至H4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段H5によれば、開閉部材が開放する割合が比較的多くなるため、より多くの遊技球を同時期に可変入球手段内へ入球させることができる。結果として、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
手段H6.前記複数の開閉動作のうち、少なくとも1つの開閉動作は、前記発射手段による遊技球の発射間隔(例えば0.6秒)よりも長い開放時間を有するものであることを特徴とする手段H5に記載の遊技機。
上記手段H6によれば、上記手段H5の作用効果をより高めることができる。
手段H7.前記特定領域を通過した遊技球を前記特別入球手段へ流下可能な第1ルートと、
前記特定領域を通過した遊技球を前記契機入球手段へ流下可能な第2ルートと、
特定状態において、遊技球の行き先を少なくとも前記第1ルート又は前記第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段とを備え、
前記可動体は、前記第1ルートへ流下した遊技球の挙動に変化を生じさせ得るものであることを特徴とする手段H1乃至H6のいずれかに記載の遊技機。
上記各手段に係る構成の下、仮に可変入球手段に対し同時期に複数(例えば2つ)の遊技球が入球した場合(2つの遊技球がほとんど間隔を空けずに連続して流下していく連球状態を含む。以下同様。)等、遊技者に有利な状況が発生した場合であっても、これら複数の遊技球がすべて契機入球手段に向かってしまっては、いくら可動体が有利状態になったとしても、遊技球が1球も特別入球手段に入球しないなどの不具合が生じるおそれがある。
これに対し、上記手段H7によれば、例えば可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が同時期に連続して入球した場合に、先行する1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球が他方のルートに流下するといったように、遊技球を特別入球手段及び契機入球手段の両者へそれぞれ向かわせることが可能となるため、上記可動体を設けた作用効果がより奏功することとなる。
さらに、可変入球手段の内部領域へ2球連続して遊技球が入球した場合に、先行する1つ目の遊技球と、後続の2つ目の遊技球がそれぞれどちらのルートに流下するかによって、結果が異なってくるため、遊技者は、期待感を持って、ルート振分け手段によって振分けられる遊技球の挙動をより注視するようになる。結果として、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段H8.前記契機入球手段へ入球(又は通過)した遊技球が前記特別入球手段へ流下不能(入球不能)に構成されていることを特徴とする手段H1乃至H7のいずれかに記載の遊技機。
仮に契機入球手段を通過した遊技球が特別入球手段へ向け流下するよう構成されている場合には、該遊技球に対し可動体が作用するタイミングが常に一定になってしまうおそれがある。結果として、可動体が作用した結果が常に同じ結果となってしまい、遊技者の興趣が低下するおそれがある。さらに、可動体の動作タイミングに合わせて、遊技機を振動させるなどの不正行為が行われやすくなるおそれがある。また、契機入球手段を介さず、特別入球手段へ向け流下している他の遊技球の邪魔をしてしまうおそれもある。
これに対し、上記手段H8によれば、契機入球手段へ入球等する遊技球と、可動体が作用する遊技球とが常に異なるものとなるため、上記種々の不具合の発生を抑制することができる。
手段H9.前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球の次の次以降に、前記特定領域を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段H1乃至H8のいずれかに記載の遊技機。
尚、遊技球が所定間隔で断続的に発射されるパチンコ機等の遊技機においては、可変入球手段が開状態となる1回の開状態期間中に、該可変入球手段に対し複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況は頻繁には発生しにくい。特に、遊技ホールにおいて遊技盤の釘調整が行われ、可変入球手段に対し遊技球が入球しにくくなっている状況下においては、そのような遊技者に有利な状況が全く発生しないこともあり得る。
つまり、複数の遊技球が同時期(例えば可変入球手段の1回の開状態期間中)に連続して可変入球手段へ入球しなければ、可動体の作用(アシスト)を受ける等して、より高確率で遊技球が特別入球手段へ入球しないように構成された遊技機においては、複数の遊技球が同時期に連続して可変入球手段へ入球しなかった段階で遊技者の期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段H9によれば、契機入球手段に入球した遊技球と同時期に(連球状態で)入球した遊技球以外の遊技球に対しても、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
つまり、たとえ契機入球手段に入球した遊技球と共に、他の遊技球が可変入球手段に入球しなかったり、契機入球手段に入球した遊技球と共に可変入球手段に入球した他の遊技球が特別入球手段に入球しなかった場合でも、その後に可変入球手段に入球した遊技球に対して、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
これにより、遊技者は、遊技球が契機入球手段に入球したことを確認した後段階であっても、可変入球手段へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
例えば、上記手段H9によれば、可変入球手段の所定の開状態期間中に2つの遊技球が内部領域に入球し、先行する1つ目の遊技球(最初に特定領域を通過した遊技球)が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球(次に特定領域を通過した遊技球)が他方のルートに流下して、その後、第2ルートへ流下した遊技球が契機入球手段へ入球して可動体が作動する場合において、第1ルートへ流下した遊技球が可動体を通過する時点では、可動体が未だ作動せず、第1ルートへ流下した遊技球が特別入球手段へ入球しなかった場合でも、その後、可変入球手段の次の開状態期間中に内部領域へ入球した遊技球(次の次に特定領域を通過した遊技球)が第1ルートへ流下し、可動体の作用により、特別入球手段へ入球するチャンスが与えられる構成とすることも可能となる。
従って、上記手段H9を、「前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球が通過した開閉部材の開状態期間の次以降の開状態期間に開閉部材を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段H1乃至H8のいずれかに記載の遊技機。」と換言してもよい。
尚、上記手段H9に係る構成は、上記各手段に係る構成の下、契機入球手段に遊技球が入球した時点から可動体が作動開始するまでの時間や、作動開始後の可動体の作動期間等を調整することにより、同時期に複数の遊技球を可変入球手段へ入球させなくとも、容易に実現することができる。
手段H10.前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、遊技球が前記特別入球手段へ入球容易となるよう構成されていることを特徴とする手段H1乃至H9のいずれかに記載の遊技機。
上記手段H10によれば、可動体が所定の有利状態となれば、特別入球手段への入球期待度が高まるため、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段H11.前記特別遊技状態付与手段は、遊技者に付与される遊技価値が異なる複数種別の前記特別遊技状態を付与可能に構成され、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、付与する一の遊技価値を決定する種別決定手段を備え、
前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、前記複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別(例えば複数種別の特別遊技状態のうち遊技者にとって最も有利な種別)の前記特別遊技状態が前記種別決定手段によって決定されやすい構成となっていることを特徴とする手段H1乃至H10のいずれかに記載の遊技機。
上記手段H11によれば、特別遊技状態の種別の決定が、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に基づき行われることとなる。
また、可動体が所定の有利状態に制御されている場合には、複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別の特別遊技状態に決定されやすい構成となるため、特別遊技状態の付与(より遊技価値の高い種別の特別遊技状態の付与)等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、「遊技価値」には、例えば払出され得る賞球の数、特別遊技状態中に行われる特賞状態の回数(ラウンド数)、特別遊技状態後に付与される遊技モード(高確率モード等)などが含まれる。
手段H12.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件が成立した場合、前記可変入球手段(開閉部材)の開閉動作を所定回数実行可能な開閉制御手段とを備えていることを特徴とする手段H1乃至H11のいずれかに記載の遊技機。
尚、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件が成立した場合」には、例えば「前記始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な始動入球検知手段」を備えた構成の下、「前記始動入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記始動入球検知手段の入球検知に基づいて所定の始動抽選を行い、該始動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
尚、上記手段A1~手段A10のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段D1~手段D14のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段E1~手段E11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段F1~手段F10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段G1~手段G11のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段H1~手段H12のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段B1~手段B12のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段D1~手段D14のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段E1~手段E11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段F1~手段F10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段G1~手段G11のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段H1~手段H12のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段C1~手段C11のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段D1~手段D14のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段E1~手段E11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段F1~手段F10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段G1~手段G11のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段H1~手段H12のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段D1~手段D14のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段D1~手段D14のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段E1~手段E11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段F1~手段F10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段G1~手段G11のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段H1~手段H12のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段E1~手段E11のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段D1~手段D14のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段E1~手段E11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段F1~手段F10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段G1~手段G11のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段H1~手段H12のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段F1~手段F10のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段D1~手段D14のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段E1~手段E11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段F1~手段F10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段G1~手段G11のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段H1~手段H12のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段G1~手段G11のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段D1~手段D14のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段E1~手段E11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段F1~手段F10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段G1~手段G11のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段H1~手段H12のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段H1~手段H12のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段D1~手段D14のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段E1~手段E11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段F1~手段F10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段G1~手段G11のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段H1~手段H12のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
(イ)上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
(ロ)上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
(ハ)上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。