(パチンコ機の構成)
図1に示されるように、パチンコ機10の前面下部には、化粧パネルとなる下飾り12が取り付けられている。
また、パチンコ機10の下飾り12の上部には、互いに平行、かつ奥行き方向に所定の間隔をおいて配置された一対のガラス板14を装着したガラス枠16が配置されており、ガラス枠16は左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。このガラス枠16の奥側には、着脱交換可能な遊技盤18がセットされており、遊技盤18は、ガラス枠16で閉塞された状態でガラス板14に対向するようになっている。
ガラス枠16の下部には、一体皿24が配置されている。一体皿24の図1の右端部には、鍵穴27が設けられ、この鍵穴27にキーを差し込み、左右の内、例えば、一方に回すとガラス枠16が開放し、他方に回すとパチンコ機10の本体が開放する。
一体皿24には、上皿部28と、下皿部30とが設けられている。上皿部28を形成する周縁壁部32には、上皿球抜きレバー34が設けられ、この上皿球抜きレバー34を操作することで、上皿部28に貯留された遊技球を下皿部30へ送り出すことができるようになっている。また、下皿部30には、下皿球抜きボタン36が設けられ、この下皿球抜きボタン36を操作することで、下皿部30に貯留された遊技球PBを外部(例えば、所謂「ドル箱」)へ排出することができるようになっている。
上皿部28の周縁壁部32における図1の右端部には、球貸ボタン42と、返却ボタン44が設けられている。
また、一体皿24の右側下部には打球の発射力(飛距離)を調整するためのグリップユニット(発射ハンドル)26が取り付けられ、左側下部には、灰皿46が取り付けられている。
一体皿24における下皿部30の図1の右側には受け皿スピーカ60Uが配置されている。
ここで、一体皿24における上皿部28の周縁壁部32には、遊技者が操作可能な操作ボタン50が設けられている。この操作ボタン50は、遊技中において、操作有効期間中に操作することで、演出画像の変化や可動役物の動作等に対して介入することができるようになっており、それぞれの遊技仕様によって設定される。
ガラス枠16におけるガラス板14の周囲には、アーチ状に遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による視覚的効果や、音声等による聴覚的効果等の演出効果を生み出す上部演出部52が配置されている。この上部演出部52の下端部は、一体皿24の周囲に略U字型に配置された下部演出部54の上端部と連結されている。
この結果、上部演出部52と下部演出部54とで、遊技盤18の周囲を取り囲むように、演出部56が形成されている。
この演出部56は、上部演出部52及び下部演出部54共に、照明部材(LED等)が取り付けられた基板(図示省略)と、この基板を覆うように、所定の意匠で形成されたレンズカバー58が取り付けられている。
レンズカバー58は、前記照明部材が点灯する領域を区画するよう凹凸状にカットされており、区画された領域(以下、必要に応じて「レンズ部58」という)毎に照明部材の点灯制御がなされる。なお、照明部材は基本的にR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色に点灯するLEDが1組となっており、それぞれの点灯時の光量比により、様々な配色の点灯が可能となっている。また、ガラス枠の上部角部には、それぞれ三連表示部62が設けられ、遊技状態の報知(エラー報知等を含む)に適用される。
また、前記上部演出部52における、ガラス枠16の上部円弧の約1/3に相当する領域の中央及び両端には、ガラス枠スピーカ60C、60L、60Rが内蔵され、照明と同時に、音声を出力する。
なお、以下では、前述した受け皿スピーカ60Uと、このガラス枠スピーカ60C、60L、60Rを総称して、「スピーカ60」という場合がある。
(遊技盤の構成)
図2に示される遊技盤18は、基板となるベニヤ板に樹脂製シート状のセルが貼着されてそのセルの表面が盤面となっている。なお、遊技盤18の最前面(釘が打ち込まれる面)となる部材として透明のアクリル板を適用し、当該アクリル板の裏面側に、セルの代替であるレンズ面が設けられた電飾装置(セット板)が配置される場合もある。
遊技盤18は、その盤面の外周端部付近に、円弧状の外レール102及び内レール104が取り付けられている。これらの外レール102及び内レール104によって囲まれた円形状の領域は、発射装置165(図5参照)から発射されて打ち込まれた遊技球PBが自重落下により移動可能とされ、この領域が遊技を行う遊技領域(「通常遊技領域」という場合がある)18Aとされている。
遊技盤18の遊技領域には、釘19(符号は、全ての釘ではなく、数カ所の釘に対して指標した)及び風車21が点在して打ち込まれている。また、遊技領域におけるほぼ中央には、センター役物105(役物装置)が配置されている。ここで、遊技盤18において、センター役物105の周囲の遊技盤面が通常遊技領域18Aとされ、センター役物105の内側の領域は、この通常遊技領域とは区画された役物領域105Aとなる。センター役物105には一部に入賞流入口110が形成され、開閉部材としての羽根部材112が取り付けられ、この羽根部材112が開放しているときにかぎり、通常遊技領域18Aにある遊技球PBを役物領域105Aへ入賞させることが可能となっている。なお、センター役物105の構造については、後述する。
センター役物105の左右には、それぞれ一般入賞口114が設けられている。センター役物105よりも下部には、その中央にセンター特定入賞口118Cが設けられ、その左右に一対のサイド特定入賞口118L、118Rが設けられている。なお、センター特定入賞口118C、サイド特定入賞口118L、118Rを総称する場合、単に、特定入賞口118という場合がある。また、サイド特定入賞口118L、118Rのさらに外側には、それぞれ一般入賞口114が設けられている。
ここで、4個の一般入賞口114はそれぞれ入賞すると、所定数(例えば、10〜15球)の賞球払い出しが実行されるようになっている。
一方、特定入賞口118は、それぞれ入賞すると、所定数(例えば1〜5球)の賞球払い出しが実行されると共に(賞球払い出しがない場合もある)、前記羽根部材112を所定期間開放する契機となる。
また、遊技盤18の通常遊技領域18Aの最下位置には、何れの入賞口にも入賞しない外れ球を遊技盤18の裏側へ排出するアウト口120が設けられている。
(センター役物105)
図3に示される如く、本実施の形態に係るセンター役物105は、左右対称形状とされ、その左右には、それぞれ縦壁部122が形成され、前記遊技盤18の通常遊技領域18Aとは区画された役物領域105Aが形成されている。また、センター役物105の天井部は、遊技盤18のテーマに即した形状の飾り部材124が取り付けられている。
一対の縦壁部122の上端部と、前記飾り部材124との間は開口しており、センター役物105内の役物領域105Aへの一対の入賞流入口110とされている。
羽根部材112は、羽根部材ソレノイド112SL(図5参照)への励磁制御によって、回転軸を中心に回転される。例えば、羽根部材ソレノイド112SLが非励磁の場合は縦位置となって入賞流入口110を閉鎖し、励磁の場合は横位置となって入賞流入口110を開放する。なお、一対の羽根部材112は、リンク機構によって単一の羽根部材ソレノイド112SLの励磁制御によって、同期して開閉動作がなされるが、それぞれ独立した駆動源を持ち、左右の羽根部材を非同期に開閉してもよい。
一対の羽根部材112は、前記特定入賞口118(図2参照)に遊技球PBが入賞すると所定の条件が成立して開放するようになっている。一例として、遊技球PBが、一対のサイド特定入賞口118L、118Rの何れかに入賞すると、これをサイド特定入賞口用検出センサ118LS、118RSで検出して羽根部材112が1回、所定時間(約0.5秒〜1.0秒間)開放するように羽根部材ソレノイド112SLを駆動制御する。また、遊技球PBがセンター特定入賞口118Cに入賞すると、これをセンター特定入賞口用検出センサ118CSで検出して羽根部材112が2回、所定時間(約0.5秒〜1.0秒間)開放するように羽根部材ソレノイド112SLを駆動制御する。
図4は、前記図3に示すセンター役物105内の全体的な機能を模式的に示した概略図である。
図4に示される如く、羽根部材112の開放により、左右の何れかの入賞流入口110(図3参照)から入賞した遊技球PBは、左右の何れかの球検出センサ112Sを通過して、案内流路125を介して、センター役物105の最下部に設けられた回転体振分部126へ落下するようになっている。
案内流路125の途中には、ミニタワー状のサブ部材200が設けられており、サブ部材モータ200M(図5参照)の駆動力で回転する。サブ部材200は、遊技球PBが特定入賞口118に入賞して、羽根部材112が開閉動作することを契機に回転を開始するようになっている。なお、遊技球PBの入賞有無に関係なく、電源投入を契機に常時回転するようにしてもよい。
センター役物105内に入賞した遊技球PBは、当該サブ部材200の真下に到達するようになっており、このときのサブ部材200の回転位置により、遊技球PBは2つのルートA又はルートBの何れかに選択的に案内されるようになっている。
ルートA及びルートBは、それぞれ遊技球PBを回転体振分部126へ案内するが、その案内位置が異なっている。
回転体振分部126は、回転体振分部モータ126M(図5参照)の駆動によって、常時回転するようになっている。本実施の形態では、羽根部材112の開閉動作を契機として、所定時間だけ回転するようになっている。なお、回転体振分部126は、その回転速度や回転方向を適宜変更してもよい。
例えば、回転体振分部126を予め定めた原点位置で停止させておき、羽根部材112の開閉動作で相対的に速い速度で回転させ、遊技球PBの流入を検出(後述する、球検出センサ112Sによる検出)した時点で、相対的に遅い速度で回転させ、外れが確定(後述する、外れ口用球検出Sンサ128Sによる検出)した時点で、相対的に速い速度で原点位置に戻すようにする。
回転体振分部には、均等に振り分けられた3方向に向けて収容溝126Aが形成されている。この収容溝126Aは、順次特定領域(「V入賞口」という場合がある)に対向するようになっており、収容溝126Aに収容されることで、当該収容溝126Aに収容されない場合よりも高い確率で特定領域に入賞(「V入賞」という場合もある)する。前記ルートAは当該収容溝へ回転体振分部126の直上から回転中心軸に沿って直接案内するルートとなっている。
一方、ルートBは回転体振分部126の周縁に案内するルートであり、遊技球PBの到達時期と、回転体振分部126の回転位置とに基づく所定の確率で、収容溝126Aに収容されるか否かの選択が実行されることになる。
すなわち、ルートAとルートBとは、特定領域へ入賞する難易度が異なるように構成され、回転体振分部126へ到達するまでの道程によっても、遊技者への期待感が異なるように設定されている。
ここで、V入賞した遊技球PBと、V入賞しなかった遊技球PBとは、それぞれ異なる方向(外れ流路128、当たり流路130)へ案内されるようになっている。
回転体振分部126において、外れ流路128に案内された遊技球PBは、センター役物105及び遊技盤18から排出される。なお、外れ流路128の途中には外れ口用球検出センサ128Sが設けられている。
一方、回転体振分部126において、当たり流路130に案内された遊技球PBは、センター役物105の図3に向かって右側の縦壁部122に沿って設けられたスクリューコンベア機構132へ案内されるようになっている。
(スクリューコンベアの構造)
図4に示される如く、スクリューコンベア機構132は、図3に示すセンター役物105内の役物領域105Aにおいて、最下端部から最上端部まで延設された円筒部材132Aを備える。
円筒部材132Aの最下部には、前記当たり流路130が突き当てられており、遊技球PBを受け入れる初期受入口204(第1の受入口)が形成されている。
円筒部材132Aの内部には、回転軸132Bの周囲に渦巻き状に案内ペラ132Cが取り付けられたスクリュー部132Dが収容されており、スクリュー部132Dは、スクリューモータ132M(図5参照)によって一方向に回転するようになっている。
円筒部材132Aには、その中間位置に第1の遊技球排出口133Aが設けられている。
また、円筒部材132Aには、その高さ方向中間部(前記第1の遊技球排出口133Aよりもスクリュー部132Dの回転による遊技球PBの上昇高さにおいて約1回転〜2回転分低く、かつ軸線周りにずれた位置)に遊技球受入口133B(第2の受入口)が設けられている。
円筒部材132Aの上端位置には、第2の遊技球排出口133Cが設けられている。
すなわち、スクリューコンベア機構132では、前記センター役物105の下端部の初期受入口204から受け入れ、上昇していく遊技球PBを、一旦中間位置の第1の遊技球排出口133Aから排出し、所定の確率で戻ってくる遊技球PBを遊技球受入口133Bから受け入れて再度上昇させ、上端位置の第2の遊技球排出口133Cから排出する。
(メイン部材)
図3及び図4に示される如く、前記回転体振分部126の周囲には、センター役物105のメイン部材134の脚部134Aが固定されている。メイン部材134は、前記脚部134Aからセンター役物105の役物領域105Aの最上部まで延びるタワー形状であり、上部に行くに従い所謂「先細り」とされた円錐(或いは角錐)の立体構造とされている。なお、前述したサブ部材200(ミニタワー)に比べてその高さ寸法が大きい。
図4に示される如く、前記スクリューコンベア機構132の中間位置と、メイン部材134の高さ方向の中間位置との間には、遊技球PBが前記スクリューコンベア機構132からメイン部材134に流れるように第1の連絡流路135が設けられている。この第1の連絡流路135の案内先には、メイン部材134の前記中間位置を周回する輪状の周回路206が設けられている。この周回路206は、メイン部材134がタワー形状とした場合に、中間展望台をイメージさせる構造となっている。
前記スクリューコンベア機構132の中間位置の第1の遊技球排出口133Aから排出された遊技球PBは、第1の連絡流路135により第1の特定領域を備えている周回路206に案内される。周回路206では、遊技球PBが第1の特定領域に入賞せずにメイン部材134の回りを移動して、流路208を介してスクリューコンベア機構132の遊技球受入口133Bに戻るルート(図4に示すルートC)に案内される場合がある。
一方、前記周回路は、周回している遊技球PBの一部を第1の特定領域(V入賞口)へ入賞させるルート(図4に示すルートD)に案内させることができるようになっている。このルートDでは、遊技球PBは、案内流路138を通過するようになっている。
第1の特定領域(V入賞口)の入賞が確定した場合は、羽根部材112の所定時間、かつ所定回数の開放を1ラウンドとしたときに、最少ラウンド(本実施の形態では、3ラウンド)の大当たり処理が実行される(第1の大役処理:第1の特別遊技状態)。
また、前記スクリューコンベア機構132の遊技球受入口133Bに戻るルートCに案内された場合は、構造的には、必ず第2〜第3の特定領域へ行き着く状態であるが、V入賞は確定しているが、前記第1の特定領域に設定した最少ラウンド(例えば3R)よりも多いラウンド数のV入賞のラウンド数が設定された特定領域(第2の特定領域又は第3の特定領域)に移行するようになっている(スクリューコンベア機構132による再上昇)。
また、図4に示される如く、前記スクリューコンベア機構132の上端位置(遊技球排出口133C)と、メイン部材134の高さ方向の上端位置との間には、遊技球PBが前記スクリューコンベア機構132からメイン部材134の上端位置に流れるように第2の連絡流路136が設けられている。この第2の連絡流路136の案内先には、メイン部材134の前記上端位置で遊技球PBを収容する選択路210が設けられている。この選択路210は、メイン部材134がタワー形状とした場合、最上展望台をイメージさせる構造となっており、ドーナツ状に周回する周回路が形成されている。
前記スクリューコンベア機構132の上端位置の遊技球排出口133Cから排出された遊技球PBは、第2の連絡流路136により選択路210に案内される。選択路210では、約1/2の確率で第2の特定領域(図4に示すルートE)又は第3の特定領域(図4に示すルートF)の何れかへ案内(振分)されるようになっている。
ルートEでは、遊技球PBは、案内流路140を通過するようになっている。また、ルートFでは、遊技球PBは、案内流路212を通過するようになっている。
第2の特定領域(V入賞口)の入賞が確定した場合は、羽根部材112の所定時間、かつ所定回数の開放を1ラウンドとしたときに、最少ラウンドよりも多いが最多ラウンドよりも少ない中間ラウンド(本実施の形態では、7ラウンド)の大当たり処理が実行される(第2の大役処理:第2の特別遊技状態)。
第3の特定領域(V入賞口)の入賞が確定した場合は、羽根部材112の所定時間、かつ所定回数の開放を1ラウンドとしたときに、最多ラウンド(本実施の形態では、16ラウンド)の大当たり処理が実行される(第3の大役処理:第3の特別遊技状態)。
なお、前記第1の特定領域〜第3の特定領域は、V入賞した遊技球PBの最終の目的位置であり、第1の特定領域〜第3の特定領域の何れかを通過してセンター役物105及び遊技盤18から排出される案内流路138、140、212には、それぞれ別々に到達検出センサ(第1の到達検出センサ138S、第2の到達検出センサ140S、第3の到達検出センサ212S)が設けられている(図4参照)。
(制御系の構成)
次に、図5を用いてパチンコ機10の制御系について説明する。
本実施形態に係るパチンコ機10の制御系は、図5に示されるように、主制御部150を中心として構成されており、この主制御部150には、演出制御部152と払出制御部154とが接続されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
主制御部150からは外部端子190を介してホールコンピュータ(図示省略)へ遊技の進行状態を示す情報(始動入賞信号や大当たり信号)が送信される。
主制御部150には、通常遊技領域18A(図2参照)における入力系として、一般入賞口114(本実施の形態では4箇所)に入賞する遊技球PBを検出する一般入賞用の球検出センサ114S、センター特定入賞口118Cに入賞する遊技球を検出するセンター特定入賞口用のセンター球検出センサ118CS、サイド特定入賞口118L、118Rに入賞する遊技球PBを検出するサイド特定入賞口用のサイド球検出センサ118LS、118RSが接続されている。なお、これらを総称する場合、「特定入賞口用センサ118」という場合がある。
なお、一般入賞用の球検出センサ114Sは、各入賞口毎でもよいし、2以上の入賞口を合流させて兼用してもよい。
また、サイド特定入賞口用の球検出センサ118LS、118RSは、各特定入賞口毎でもよいし、2つのサイド特定入賞口118L、118Rを合流させて兼用してもよい。
さらに、主制御部150には、回転体振分部126の原点位置を検出する原点センサ126Sが接続されている。
また、主制御部150には、センター役物105の役物領域105Aにおける入力系として、羽根部材112が開放したときに役物領域105A内に入賞する遊技球PBを検出する特定遊技部入賞用の球検出センサ112S、第1の特定領域を通過する(V入賞する)遊技球PBを検出する第1の到達検出センサ138S、第2の特定領域を通過する(V入賞する)遊技球PBを検出する第2の到達検出センサ140S、第3の特定領域を通過する(V入賞する)遊技球PBを検出する第3の到達検出センサ212S、回転体振分部126の外れ溝に収容され、その後センター役物105及び遊技盤18から排出される遊技球PBを検出する外れ口用球検出センサ128Sが接続されている。
また、主制御部150には、通常遊技領域18における出力系として、ガイドランプユニット109が接続されている。ガイドランプユニット109は、遊技の進行を複数のランプ(LED)点灯、消灯、点滅、点灯時の色等によって識別するものである。
また、主制御部150には、センター役物105の役物領域105Aにおける出力系として、羽根部材112を開閉するための羽根部材ソレノイド112SL、回転体振分部126を回転させる回転体振分部モータ126M、スクリューコンベア機構132のスクリュー部132Dを回転させるスクリューモータ132M、サブ部材200を回転させるサブ部材モータ200Mが接続されている。
演出制御部152には、入力系として、前記操作ボタン50が接続されている。また、演出制御部152には、出力系として、パチンコ機10の各種遊技部品に設けられた照明演出用の発光素子137、スピーカ60(60L、60C、60R、60U)が接続されている。なお、遊技盤18面にLCD表示部やLED表示部等の表示部材を設ける場合には、演出制御部152に接続すればよい。
払出制御部154には、払出装置160及び発射制御部164が接続され、発射制御部164には発射装置165が接続されている。この払出制御部154は、パチンコ機10内に設けられた払出装置160を作動させて、賞球又は貸し球の払い出し及び停止動作と払出数を制御する。また、発射制御部164は、遊技者によるグリップユニット26(図1参照)の操作により発射装置165を作動させて、遊技球PBの発射開始、及び、グリップユニット26の操作量に応じた発射力を制御する。
さらに、払出制御部154では、外部端子191を介して払出情報をホールに設置されたホールコンピュータ(図示省略)へ送信するようになっている。なお、この外部端子191は、前記外部端子190と共用してもよい。
(羽根部材の開閉動作の条件設定)
ここで、本実施の形態では、特定入賞口118に遊技球PBが入賞することで、羽根部材112が、予め定めた開閉動作(例えば、1回0.5秒〜1.0秒間の開放を、1回又は2回)する。しかし、特定入賞口118の入賞で、常に、羽根部材112が開閉動作するとは限らない。
すなわち、主制御部150では、羽根部材112の開閉動作の制御として、特定入賞口118に入賞したら羽根部材112が開閉動作する有効期間と、特定入賞口118に入賞しても羽根部材112が開閉動作をしない無効期間が設けられている。
有効期間と無効期間の切り替えの条件は、センター役物105内の役物領域105A内での、遊技球PBの動向に依存する。
すなわち、有効期間は、基本的に、役物領域105Aに遊技球PBが存在せず、回転体振分部126が原点位置に停止している状態を条件(基本条件)としている。これにより、役物領域105Aに流入するタイミングが同条件となる。
この同条件とは、主として、回転体振分部126の収容溝126Aの位置に依存する、遊技球PBの特定領域への入賞し易さの違いである。そこで、同条件とするためには、遊技球PBの役物領域105A内への流入を検出してから、当該遊技球PBの外れが確定し、回転体振分部126が原点位置に戻るまでの期間を無効期間とする必要がある(図9の比較例参照)。
ところが、回転体振分部126では、遊技球PBが外れ口用球検出センサ128Sで検出されてから、原点位置に戻る動作を行うため、無効期間が冗長され、遊技の趣向性を低下させる原因にもなり得る。
そこで、本実施の形態では、遊技球PBが役物領域105A内に流入してから、回転体振分部126に到達するまで、遊技球PBが流動するのにかかる時間が存在することに着目した。
言い換えれば、この流動時間(期間)は、物理的に遊技球PBが回転体振分部126に到達せず、遊技仕様上の優劣が発生する可能性が低いため、主制御部150では、当該流動時間分だけ無効期間から有効期間への切り替え時期を繰り上げるように制御している。
より具体的には、主制御部150では、有効期間中に、特定入賞口118に入賞すると、無効期間が開始される。
当該無効期間は、遊技球PBが役物領域105A内に流入しなかった場合は、所定時間経過後に有効期間に切り替わるように制御している(図6〜図8参照、詳細後述)。
また、無効期間は、遊技球PBが役物領域105A内に流入した場合は、外れ口用球検出センサ128Sにより遊技球PBを検出したときに解除され、有効期間に切り替わるように制御している(図6〜図8参照、詳細後述)。
上記のような無効期間から有効期間の切り替え制御を実行することで、例えば、役物領域105A内の遊技球PBが、外れ口用球検出センサ128Sで検出された直後に、特定入賞口118に遊技球PBが入賞して遊技球PBが役物領域105Aに流入すると、通常よりも有利な状態で遊技球PBが回転体振分部126に到達する可能性を秘めた遊技仕様(原点位置からのスタート以外の動作による到達タイミングが付加された遊技仕様)が構築可能である。
なお、ここでの「通常よりも有利な状態」とは、遊技球PBが、回転体振分部126の案内溝126Aが、特定領域(V入賞口)へ案内しやすい位置となっている状態を言う。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
パチンコ機10による遊技では、遊技者がグリップユニット26を操作すると、一球ずつ発射装置165によって上方へ発射される。発射された遊技球PBは、外レール102に沿って遊技盤18の遊技領域に打ち込まれ、遊技釘や風車に当たり方向を変えながら遊技領域内を落下する。そして、入賞せずに遊技領域の下端部に至った遊技球PBはアウト口120からパチンコ機10内に回収される。
また、遊技球PBが通常遊技領域18A内に設けたセンター特定入賞口118C又はサイド特定入賞口118L、118Rに入賞すると、センター役物105の羽根部材112が開閉動作され(約0.5秒〜1.0秒間の開放を1回又は2回実行)、遊技球PBがセンター役物105内の役物領域105Aへ入賞することが可能となる。また、一般入賞口114に入賞すると、予め定めた賞球(払い出し)が実行される。
(センター役物105における遊技仕様の概要)
以下に、羽根部材112の開放によって遊技球PBがセンター役物105の役物領域105Aに入賞した場合の遊技球PBの動向について詳細に説明する。
通常遊技領域18Aに設けられたサイド特定入賞口118L、118Rに入賞すると、羽根部材112は、羽根部材ソレノイド112SLの励磁制御によって、0.5秒〜1.0秒程度の開放を1回だけ実行する。また、センター特定入賞口118Cに入賞すると、羽根部材112は、羽根部材ソレノイド112SLの励磁制御によって、0.5秒〜1.0秒程度の開放を2回だけ実行する。何れにしても、羽根部材112の開放中は、通常遊技領域18Aを落下している遊技球PBが、センター役物105の役物領域105Aへ入賞することが可能となる。
役物領域105Aに入賞したか否かは、球検出センサ112Sによって検出される。
この検出は、センター役物105内への、IN(流入)/OUT(流出)を監視することが目的であり、例えば、特定遊技部入賞用の球検出センサ112Sによって遊技球PBが検出されると、その都度タイマが起動して、所定時間経過しても流出がない(第1の到達検出センサ138S、第2の到達検出センサ140S、第3の到達検出センサ212S、外れ口用球検出センサ128Sで検出しない)場合に、球噛み、球詰まりや、不正行為の発生を予測(判定)して、エラー報知を行う。
前記役物領域105Aに入賞した遊技球PBは、まず、サブ部材200において、ルートA又はルートBに振り分けられて、回転体振分部126へ至る。
回転体振分部126において、遊技球PBはV入賞(ここでは、仮V入賞:疑似確定入賞)か否かが振り分けられる。この場合、収容溝126Aに収容されるか否かによってV入賞の確率が異なる。
この回転体振分部126による振り分けで、外れとなった遊技球PB(仮V入賞しなかった遊技球PB)は、センター役物105及び遊技盤18から排出され、以後の遊技の進行に変化はない。
一方、V入賞した遊技球PBは、この時点で特別遊技状態が確定しているわけではないが、構造的には、実質的なV入賞が確定する第1〜第3の特定領域へ案内される。但し、振動等が発生した場合は、当然V入賞が確定されているわけではないので、一旦遊技が中止されて、構造的にV入賞が確定している遊技球PBが滞留している状態で遊技が再開できたとしても、その遊技球のV入賞は無効となる場合がある。
なお、本実施の形態では、回転体振分部126により仮V入賞し(演出のためのセンサが設けられている場合がある)、その後、スクリューコンベア132による第1〜第3の特定領域への案内後にV入賞確定としたが、仮V入賞時を本V入賞とする遊技仕様してもよい。
前記演出のためのセンサが設けられている場合、当該センサによって遊技球PBを検出すると、演出制御部152では、視覚及び/又は聴覚を通じて、特別遊技状態が確定したかのような確定先行演出を実行する。
V入賞した遊技球PBは、スクリューコンベア機構132へと案内され、スクリュー部132Dの案内ペラ132Cの回転によって円筒部内を上昇する。
この上昇中、遊技球PBは、必ず、一旦、中間位置の第1の遊技球排出口133Aから排出され、メイン部材134の中間位置の周回路206を周回する。この周回中に、遊技球PBは、第1の特定領域を通過する場合(ルートD)と、当該周回路206を周回して、流路208を介して遊技球受入口133Bへ至る場合(ルートC)とがある。
遊技球PBがルートDに案内された場合は、第1の大役処理の実行が確定する。
また、遊技球PBがルートCに案内された場合は、特定領域が確定していない状態で、遊技球受入口133Bから、再びスクリューコンベア機構132の円筒部材132A内に入り、さらに上昇する。
スクリューコンベア機構132の上端部には、第2の遊技球排出口133Cが設けられ、遊技球PBは第2の遊技球排出口133Cから排出され、メイン部材134の上端部に位置する選択路210へ案内される。この選択路210では、第2の特定領域へ案内するルートEと、第3の特定領域へ案内するルートFとが設けられ、遊技球PBは必ず第2の特定領域又は第3の特定領域の何れかを通過する(第2の大役処理又は第3の大役処理の実行確定)。
本実施の形態では、第1の特定領域を通過〜第3の特定領域を通過するとV入賞確定となり、羽根部材112を、通常遊技状態に比べて、その開放回数、開放時間が長い動作(1ラウンド)を複数ラウンド繰り返す、特別遊技状態となる。
本実施の形態では、第1の特定領域通過では特別遊技状態として実行されるラウンド数を3ラウンドとし、第2の特定領域通過では7ラウンド、第3の特定領域通過では16ラウンドとしている。この特別遊技状態では、球検出センサ112Sで検出した遊技球の数に応じて賞球払い出しがなされるため、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態ということができ、ラウンド数が多ければ多いほど、その有利な遊技状態の度合いが高く(獲得できる賞球数が多く)なる。なお、ラウンドが更新される条件は、入賞した遊技球が再度V入賞したときとしてもよく、多くの入賞が期待できる特別遊技状態中では、回転体振分部126からV入賞する確率は、ほぼ100%に近くなるため、ラウンド更新はほぼ確実となる。
ところで、前記特定入賞口118の入賞は、常に、羽根部材112が開閉動作するのではなく、羽根部材112が開閉動作する有効期間と、開閉動作をしない無効期間が設けられている。
有効期間は、基本条件として初期設定時等では、役物領域105Aに遊技球PBが存在せず、回転体振分部126が原点位置に停止している状態を条件としている。すなわち、回転振分部126が限定位置にいない場合は、無効期間とされる。
このため、無効期間が冗長され、遊技の趣向性を低下させる原因にもなり得る。
例えば、遊技が継続して進行していると、羽根部材112の開放を契機に回転を開始している回転体振分部126が、外れ口用球検出センサ128Sによる検出等により原点位置に戻る動作をしているときに、特定入賞口118に遊技球PBが入賞しても、この入賞は羽根部材112の開閉の契機とはならず、無効となる。
そこで、本実施の形態では、主制御部150において、特定入賞口118に入賞したときに開始される無効期間を、外れ口用球検出センサ128Sにより遊技球PBを検出したときに解除して、有効期間に切り替えるように制御する。
図6は、特定入賞口118への入賞が、羽根部材112の開閉のための契機となるか否かの有効期間及び無効期間の設定制御を主体とするタイミングチャートである。
図6のタイミングチャートのスタート時では基本条件状態となっており、特定入賞口118が有効期間であり、回転体振分部126が原点位置で停止している状態である。
(流入無しパターン)
この初期条件状態において、特定入賞口118の何れかに遊技球PBが入賞すると(図6の矢印A1参照)、この入賞が有効か無効かを判定する(図6の矢印B1参照)。
ここでは、有効期間中であるので、当該入賞は有効と判定され、かつ、その時点で無効期間の開始となる。
遊技球PBの有効期間中の入賞により、羽根部材112は所定期間、所定回数開閉動作する(図6の矢印C1参照)。なお、図6では、羽根部材112の開閉動作を1パルスとしているが、特定入賞口118Cに入賞したときは、2回の開閉動作を実行する。
一方、無効期間中に特定入賞口118に遊技球PBが入賞しても(図6の矢印a1参照)、羽根部材112の開放はない。
羽根部材112の開閉動作の開始時は、タイマtのリセット・スタート時期であり(図6の矢印D1参照)、かつ、回転体振分部126の回転(高速回転)開始時期である(図6の矢印E1参照)。
ここで、タイマtのタイムアップ時期(図6の矢印F1参照)までに、遊技球PBが役物領域105Aに流入しない場合(球検出センサ112Sで未検出の場合)は、回転体振分部126は、次の原点位置で停止され(図6の矢印G1参照)、この時期が無効期間の終了、すなわち、有効期間の開始となり(図6の矢印H1参照)、初期条件状態に戻る。
(流入有り(1個)パターン)
次に、初期条件状態において、特定入賞口118の何れかに遊技球PBが入賞すると(図6の矢印A2参照)、この入賞が有効か無効かを判定する(図6の矢印B2参照)。
ここでは、有効期間中であるので、当該入賞は有効と判定され、かつ、その時点で無効期間の開始となる。
遊技球PBの有効期間中の入賞により、羽根部材112は所定期間、所定回数開閉動作する(図6の矢印C2参照)。
羽根部材112の開閉動作の開始時は、タイマtのリセット・スタート時期であり(図6の矢印D2参照)、かつ、回転体振分部126の回転(高速回転)開始時期である(図6の矢印E2参照)。
ここで、タイマtのタイムアップ時期(図6の矢印F2参照)までに、遊技球PBが役物領域105Aに流入すると(球検出センサ112Sによる検出、図6の矢印I2参照)、回転体振分部126は低速回転に移行し(図6の矢印J2参照)、この低速回転は次の原点位置が検出されても継続される(図6の矢印K2参照)。
流入した遊技球PBは、外れの場合は、外れ口128へ導かれるため、外れ口用球検出センサ128Sで検出される(図6の矢印L2参照)。
本実施の形態では、この外れ口用球検出センサ128Sによる遊技球PBの検出時期が、回転体振分部126の高速回転移行時期(図6の矢印M2参照)、かつ、無効期間の終了(すなわち、有効期間の開始)時期となる(図6の矢印N2参照)。
回転体振分部126は、高速回転移行後、最初の原点位置で停止される。
また、図6の矢印N2において、特定入賞口118に入賞があると(図6の矢印P2参照)、この期間は比較例では無効期間の範囲であるが、本実施の形態では、有効期間となるため、羽根部材112が開閉動作する(図6の矢印Q2参照)。
このように、回転体振分部126が原点位置に戻る前であっても、羽根部材112の開閉動作が可能となり、無効期間の短縮化が図られる。
なお、この図6のタイミングチャートでは、羽根部材112が開閉動作しても、遊技球PBが役物領域105Aに流入せず、タイマtのタイプアップになり(図6の矢印R2参照)、初期条件状態に戻る。
図9は、比較例としての、特定入賞口118への入賞が、羽根部材112の開閉のための契機となるか否かの有効期間及び無効期間の設定制御を主体とするタイミングチャートである。
この図9の比較例と、図6の本実施の形態とを見比べると、比較例では、外れ口用球検出センサ128Sで検出してから、回転体振分部126が原点位置に戻るまでの期間が無効であったのに対し、本実施の形態では、外れ口用球検出センサ128Sで検出してから、回転体振分部126が原点位置に戻るまでの期間を有効にすることができ、その分、遊技者にとって無駄球を軽減することができる。
このように、本実施の形態では、外れ口用球検出センサ128Sによる遊技球PBの検出を、無効期間から有効期間に切り替える契機としたため、例えば、役物領域105A内の遊技球PBが、外れ口用球検出センサ128Sで検出された直後に、特定入賞口118に遊技球PBが入賞すると、通常よりも有利な状態で遊技球PBが回転体振分部126に到達する遊技仕様を構築することができる。
このため、このときに役物領域105Aに流入した遊技球PBは、それ以外の機会に流入した遊技球PBよりも、特定領域(V入賞口)へ案内しやすくなる可能性がある。
(変形例1/流入有り(2個)、回転体振分部停止パターン)
以下に本実施の形態に係る変形例(変形例1)を、図7に従い説明する。
変形例1は、特定入賞口118への入賞が、羽根部材112の開閉のための契機となるか否かの有効期間及び無効期間の設定制御を主体とするタイミングチャートの変形例である。なお、図6のタイミングチャートと同等の制御については、その説明を省略する。
変形例1では、本実施の形態で説明したタイミングチャートに対して、図7の矢印N3(図6の矢印N2に相当)を契機とする有効期間で、特定入賞口118に遊技球PBが入賞し(図7の矢印P3参照)、かつ、役物領域105Aに遊技球PBが流入した場合を想定したものである。
すなわち、初期条件状態では、羽根部材112が開閉動作を開始すると、回転体振分部126が高速回転を開始するが、ここでは、回転体振分部126が停止動作の途中(高速回転中)であるため、当該停止動作を継続し、かつ、そのまま停止を維持する(図7の矢印S3参照)。
これにより、1個目の遊技球PBが外れ口128を通過した直後に、特定入賞口118に入賞し、かつ羽根部材112の開閉動作で役物領域105Aに流入した遊技球PBは、特別な入賞時期として扱うことができる。すなわち、当該遊技球PBは、回転体振分部126が停止した状態で案内されることになり、通常よりも有利な案内(V入賞口への入賞確率の拡大)とすることができる。
(変形例2/流入有り(2個)、回転体振分部低速動作パターン)
以下に本実施の形態に係る変形例(変形例2)を図8に従い説明する。
変形例2は、特定入賞口118への入賞が、羽根部材112の開閉のための契機となるか否かの有効期間及び無効期間の設定制御を主体とするタイミングチャートの変形例である。なお、図6のタイミングチャートと同等の制御については、その説明を省略する。
変形例2では、本実施の形態で説明したタイミングチャートに対して、図8の矢印N4(図6の矢印N2に相当)を契機とする有効期間で、特定入賞口118に遊技球PBが入賞し(図8の矢印P4参照)、かつ、役物領域105Aに遊技球PBが流入した場合に関するものである。
すなわち、初期条件状態では、羽根部材112が開閉動作を開始すると、回転体振分部126が高速回転を開始するが、ここでは、回転体振分部126の停止動作の途中(高速回転中)であるため、即時に低速回転に切り替える(図8の矢印S4参照)。
これにより、図9の矢印N4の時点で有効期間となって流入した遊技球PBに対して、回転体振分部126は低速回転で受け入れることができ、回転体振分部126の回転の条件を、初期条件状態と同等とすることができる。
なお、本実施の形態(変形例1、変形例2を含む)では、役物装置105として、サブ部材200、回転体振分部126、スクリューコンベア機構132を用い、遊技球PBの自重落下と、自重方向に抗した強制的な上昇とを組み合わせた構造を適用したが、本発明は、所謂二種遊技仕様として用いられる一般的な役物装置の全てにおいて適用可能である。
すなわち、特定入賞口に入賞した時点で羽根部材が開放し、当該羽根部材の開放中に役物領域内に流入した遊技球を、駆動系で繰り返し動作している振分部材による振り分けによって当たり又は外れに導く構成の役物装置であれば、本実施の形態の有効期間及び無効期間の設定が可能である。
なお、本発明は以下の態様を取り得る。
すなわち、本発明において、開閉部材の開閉動作の動作契機となる遊技球の所定位置での検出が、遊技盤に設けられた始動入賞口に設けられた始動入賞センサによる遊技球の検出であってもよい。
遊技盤上には始動入賞口を設けられており、遊技者はまずこの始動入賞口を狙って遊技球を発射する。始動入賞口に入賞すると、この入賞を始動入賞センサで検出する。
この始動入賞センサによる検出が開閉部材の開閉動作の動作契機となり、開閉部材は開閉動作を実行する。
なお、始動入賞口を複数種類設定し、それぞれの入賞を契機とした開閉部材の開閉動作のパターンを変更するようにしてもよい。
また、本発明において、滞留判定手段が、役物領域内に遊技球が流入したことを検出する第1のセンサと、役物領域外に遊技球が排出されたことを検出する第2のセンサと、開閉部材の開放動作が開始されたときにスタートするタイマと、を備え、第1のセンサにより遊技球を検出した場合には、第2のセンサによる遊技球の検出を、役物領域内に遊技球が滞留していないと判定する時期とし、タイマの計時が予め定めた時間が経過しても第1のセンサで遊技球を検出しない場合には、予め定めた時間の経過を、役物領域内に遊技球が滞留していないと判定する時期としてもよい。
滞留判定手段による判定は、役物領域内に遊技球が流入したか否かによって異なる。
第1のセンサにより遊技球を検出した場合、すなわち、役物領域内に遊技球が流入した場合には、第2のセンサによる遊技球の検出を、役物領域内に遊技球が滞留していないと判定する時期とする。
一方、タイマの計時が予め定めた時間が経過しても第1のセンサで遊技球を検出しない場合、すなわち、役物領域内に遊技球が流入しなかった場合には、予め定めた時間の経過を、役物領域内に遊技球が滞留していないと判定する時期とする。これにより、確実に滞留判定が可能となる。