JP4610743B2 - 抗腫瘍活性を有するカンプトテシン誘導体 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、抗腫瘍活性を有する化合物、特にカンプトテシンの新規誘導体、その調製法、抗腫瘍薬としてのその使用およびそれらを活性成分として含む医薬組成物に関する。
【0002】
(発明の背景)
カンプトテシンは、Wall et al(J. Am. Chem. Soc. 88, 3888-3890(1966))により、中国起源の植物、Nyssaceaeファミリーの木、Camptoteca・acuminataから初めて単離されたアルカノイドである。
該分子は、細胞毒性の本質である、環Eにラクトンを有する5環系構造から成る。
該薬物は、幅広い範囲の、特に大腸癌、他の固形腫瘍および白血病に対する抗腫瘍活性を示し、最初の臨床試験は70年代の初めに行われた。カンプトテシン(以下、CPTと略す)は水溶性が低いため、臨床試験のために国立癌研究所(NCI)は、水溶性のナトリウム塩(NSC100880)を調製した。第一相および第二相における臨床試験は、化合物が示す高い毒性(出血性膀胱炎、胃腸毒性、例えば吐き気、嘔吐、下痢および骨髄抑制、特に白血球減少および血小板減少)のために完遂されなかった。
いずれの場合もナトリウム塩は、pH7.4で、不活性型(開環)がラクトン活性型(閉環)(pH<4.0で優勢である)よりも優勢であるため、CPTよりも低い活性を示した。
【0003】
その後、多くのCPT類似体が、低毒性および高い水溶性の化合物を得るべく合成された。Upjohnが、登録商標Camptosarの名前で販売するイリノテカン(CPT-11)および、Smith Kline & Beehchamが、登録商標Hymcamptaminまたは登録商標Thycantinの名前で販売するトポテカンの2つの薬物が市場に上がっている。他の誘導体、例えばNSC-603071(9-アミノ-カンプトテシン)、9-NCまたは9-ニトロカンプトテシン、9-アミノカンプトテシンに変換される経口プロドラッグ、GG-211(GI147211)およびDX-8591f(後者は水溶性である)は、第二相の異なる臨床開発段階にある。今日までに同定された全誘導体は、細胞毒性に必須である、5環を有する親構造を含む。前記の薬物の場合のように、1番目の環を変化させることにより水溶性が増し、薬物のより高い耐容性が許容されることが立証された。
【0004】
水溶性のイリノテカンは、多くの固形腫瘍および腹水症(大腸-直腸、皮膚、胃、乳、小細胞および非小細胞肺、子宮および卵巣癌および非ホジキンリンパ腫)の治療に関して認可された。さらにイリノテカンは、トポテカン、ビンクリスチンまたはメルファランに耐性のある固形腫瘍で活性となり、MDR-1細胞は、該薬物に対してわずかに耐性となる。活性代謝物は、カルボキシエステラーゼの活性により産生される10-ヒドロキシ誘導体(SN-38)として同定された。CPT-11は腹腔内投与、静脈内投与、経口投与のような様々な投与経路を用いて良好な活性を示した(Costin D., Potmhexyl M. Advances in Pharmacol. 29B, 51-72 1994)。
【0005】
CPT-11は、シスプラチンまたはエトポシドと一緒にも投与され、DNA修復を妨げるその能力により相乗効果を示した。しかしこの場合も、グレード3および4の白血球減少および下痢が発症した(Sinha B. K. (1995) トポイソメラーゼインヒビター。Drugs 49, 11-19, 1995)。
トポテカンはかなりの経口生物利用能を有する。経口投与が、一時的なカテーテルの使用を必要とすることなく、薬物の長期暴露を達成するのに好都合であることが立証された(Rothenberg M. L. Annals of Oncology 8, 837-855, 1997)。さらに、この水溶性CPT類似体は、様々な投与経路、腹腔内投与、静脈内投与、皮下投与、経口投与を用いて様々なタイプの腫瘍に対して活性を示した。トポテカンヒドロクロライドを静脈注射で5日間用いて、小または非小細胞肺、卵巣、乳房、胃、肝臓、前立腺、柔組織肉腫、頭部および頚部、食道、耐性大腸-直腸、多型膠芽腫、慢性および急性骨髄性白血病のような様々な腫瘍において、より有望な結果が得られた。しかし、この場合においても、吐き気、嘔吐および下痢のような胃腸毒性は軽かったが、好中球減少および血小板減少のような重篤な副作用が生じた。
薬物の主な変換および排出経路としては、ラクトン加水分解および尿排出が含まれ、実際、ラクトン型は注射の30分後に50%が加水分解され、開環となることが立証された。トポテカンは注射10分後に血行脳関門を通過する(血漿に対し、脳脊髄液において30%)。これに対してカンプトテシンは、おそらくタンパク質と結合するため、有意量では血行脳関門を通過しない。
【0006】
9-アミノカンプトテシンは水溶性が乏しいために、臨床開発が妨げられていた。近年、コロイド状の分散物が調製され、これにより第二相臨床試験に入ることが可能となった。半減期が短いため(Dahut et al., 1994)、抗腫瘍活性を示すのに、長期暴露(72時間から21日)が必須であると考えられた。未処置の大腸-直腸および乳癌および耐性リンパ腫に罹患している患者において、応答が認められた。Pgp陽性腫瘍に対して明らかにされた活性により、耐性MDR-1細胞に対する交差耐性がないことが示唆された。また、骨髄および胃腸毒性が認められた。
【0007】
ルアトテカン(lurtotecn)は、インビトロでトポテカンに匹敵する活性を有する、最も水に溶け易い類似体である。一日一回30分間の点滴を3週間の間に5日間、および、3週間の間に一回、一回72時間の点滴を行う、2つの管理を採用した。頚部、子宮、乳、肝臓腫瘍に罹患している患者において反応が認められた。この場合にも、血液毒性が認められた。
【0008】
分子は次のようである。
【化8】
Figure 0004610743
【0009】
9-ニトロカンプトテシンは、投与後すぐに9-アミノカンプトテシンに変換される経口プロドラッグである。膵臓、卵巣および乳癌に罹患している患者において反応が認められた。
腫瘍細胞の大部分がトポイソメラーゼIインヒビターに高度に感受性があるにも関わらず、高い酵素レベルのために、いくらかの腫瘍系統が耐性となる。これは、MDR1およびMRP(複合薬物耐性関連タンパク質)遺伝子およびその生成物、P(Pgp)糖タンパク質およびMRPタンパク質それぞれ(これらに関し、トポテカンまたはCPT-11はあまり良好な基質ではない)の過剰発現よりもむしろ、他のメカニズムによるものである(Kawato Yet al J. Pharm. Pharmacol. 45, 444-448, (1993))。
【0010】
実際、一部の耐性腫瘍細胞はトポIの変異型を含み、従って、トポI-DNA複合体の形成が損われ、または一部の細胞は、活性代謝物SN-38にCPT-11を変換するのに必要なカルボキシエステラーゼ活性を欠き、こうしてこの薬物に対して耐性となることが認められた(Rothenberg, 1997, 同書)。
腫瘍治療に用いられる薬物の内、トポイソメラーゼI酵素のインヒビターに対する関心は、次の事項によるものと考えられる。a)トポイソメラーゼIIインヒビターを含む従来の薬物に対して自然耐性のある腫瘍に対する効力、b)トポI酵素のレベルがサイクルの全相において高まったままであること、c)多くの腫瘍が高レベルの標的酵素を発現すること、d)複合薬物耐性(PgpまたはMRP)の現象に関与するタンパク質により認識されないことおよび、グルタチオン依存系(グルタチオンペルオキシダーゼおよびグルタチオンS-トランスフェラーゼ)に関連する解毒酵素介在性代謝されないこと(Gerrits CJH., et al., Brit. J. Cancer 76, 952-962)。
【0011】
広範囲の腫瘍において評価される抗腫瘍活性および、薬物耐性をわずかしか誘導しないことの両方の観点からトポイソメラーゼIインヒビターの潜在的な臨床的利点を考慮して、本研究は、市場または臨床段階の薬物が示すよりも毒性の低いトポIインヒビターを同定することを目的とする。カンプトテシン類似体の相対的な有効性を決定している要因には、a)固有のトポイソメラーゼI阻害活性、b)薬物の平均寿命、c)血漿タンパク質との相互作用、d)環状活性形態(ラクトン)と非活性形態(カルボキシレート)の間の割合、e)糖タンパク質PまたはMRPが介在する、細胞流出に対する薬物の感受性、f)トポイソメラーゼIとの結合安定性(Rothenberg, 1997、同書)が含まれる。
【0012】
イリノテカンおよび他のカンプトテシン誘導体の主な副作用には、骨髄抑制および、下痢および嘔吐のような胃腸毒性が認められている。下痢は初期または後期に発症する可能性があり、投与量を制限する要因となり得る。嘔吐および後期の下痢は、多くの抗腫瘍薬により誘導され、一方、点滴中または点滴直後に生じる初期の下痢は、イリノテカンおよび一部のカンプトテシン誘導体にほとんど特異的である。
毒性の影響は主に、腸管に生じる。
【0013】
下痢を回復させるために一部の臨床試験で、合成オピオイドであり、ミュー-オピオイド腸レセプターのアゴニストであるロペラミド(Abigerges, 1994; Abigerges, 1995)、ならびにエンケファリナーゼ(アセトファン)のインヒビターまたは、5-HT3レセプターのアンタゴニストであるオンダンセトロンまたは、H1レセプターのアンタゴニストであるジフェニトラミンと組み合わせて、CPT-11が投与された。
【0014】
現在のところ、カンプトテシン誘導体の抗腫瘍薬としての使用に関連する問題は、以下の項目にまとめることができる。
-カンプトテシン(CPT)および、その活性誘導体の多くの水溶性が低いこと、-結果として生じる誘導体が、胃腸および骨髄レベルで重篤な副作用を有すること、
-いくらかの腫瘍系統が、トポイソメラーゼIインヒビターに対して耐性を発現すること、
-より良好な治療指数が常に求められていること。
【0015】
参考のために本明細書中に組み込む特許出願WO97/31003は、7、9および10位で置換されるカンプトテシンの誘導体を開示する。7位は次の置換を提供する。-CN、-CH(CN)-R、-CH=C(CN)-R、-CH-CH=C(CN)-R、-C(=NOH)-NH、-CH=C(NO)-R、-CH(CN)-R、-CH(CHNO)-R、5-テトラゾルイル、2-(4,5-ジヒドロキサゾルイル)、1,2,4-オキサジアゾリジン-3-イル-5-オン(Rは水素、炭素原子数が1〜6の直鎖または分枝鎖アルキル、ニトリル、カルボキシアルコキシである)。これらの可能な化合物に関し、WO97/31003により、7位に基−CNおよび−CH=C(CN)を有し、9および10位が置換されていないカンプトテシン誘導体のみが開示されている。
【0016】
これらの化合物の中で最良のものは、以下でCPT83と呼ぶ、非小細胞肺癌(非SCLC、H-460)において細胞毒性活性を有する7-ニトリル(R=-CN)であることが判明した。この腫瘍系統は、細胞毒性治療に対して本来耐性があり、標的酵素の過剰発現にも関わらず、トポイソメラーゼIインヒビターに対して中程度の反応性があるのみである。CPT83は参考化合物として挙げられるトポテカンよりも活性が高く、全体的により良好な薬理学的性質を耐容性についてさえも示し、そして、良好な治療指数を示す。
CPT83は、7-ヒドロキシメチルカンプトテシンのカンプトテシン7-アルデヒドへの酸化、後者のオキシムへの変換および、ニトリルへの最終的な変換から成る合成経路により調製される。
【0017】
出発化合物および中間体は、Sawada et al Chem. Pharm. Bull. 39, (10) 2574 (1991)に開示されている。この論文は、1981の優先権を有する特許ファミリー、例えば、本明細書中に参考として組み込む1982年に公開されたヨーロッパ特許出願EP0056692を引用している。これらの刊行物中、他のものに混じって、化合物カンプトテシン7-アルデヒドとそのオキシムが開示されている。これらの誘導体の有用性は、7-ヒドロキシメチルカンプトテシンから出発する、低毒性を有する抗腫瘍活性を有する化合物を提供することである。Chem. Pharm. Bull. 39, (10) 2574 (1991)に公開されている論文では、著者らはカンプトテシンに関し、前記の特許出願では予測されなかった7-アルキルおよび7-アシルオキシメチル誘導体が、ネズミの白血病L1210の系統においてより活性な化合物であり、一方、カンプトテシンに関しては常に、高い極性を有する7-置換、例えばヒドラゾンおよびオキシム-CH(=NOH)を有する化合物において低毒性が認められたことを立証している。
【0018】
(発明の概要)
7位でO-置換されたアルキルオキシムを有するカンプトテシンが、参考化合物トポテカンよりも高い抗腫瘍活性を有することが、驚くべきことに今回見出された。さらに驚くべきことに、7位にエナミノ基を有するカンプトテシンが抗腫瘍活性を有することも見出された。該化合物はより良好な治療指数を有する。
従って、一般式(I)
【0019】
【化9】
Figure 0004610743
【0020】
[式中、Rは-C(R)=N-O( )基(Rは水素または、C-Cの直鎖または分枝鎖アルキルまたは、C-C直鎖または分枝鎖アルケニル基または、C-C10シクロアルキルまたは、(C-C10)シクロアルキル-(C-C)直鎖または分枝鎖アルキル基または、C-C14アリールまたは(C-C14)アリール-(C-C)直鎖又は分枝鎖アルキル基、または、複素環式または複素環-(C-C)直鎖または分枝鎖アルキル基(該複素環式基は、(C-C)アルキル基で置換されていてよい窒素原子、および/または酸素および/または硫黄から成る群から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含み、該アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリール-アルキル、複素環式または複素環アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、ケト、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、フェニル、シアノ、ニトロ、-NR(RおよびRは同一か、または異なっており、水素、(C-C)直鎖または分枝鎖アルキルである)から成る群から選択される1またはそれ以上の基で置換されていてよい)、-COOH基または医薬上許容されるそのエステルまたは-CONR基(RおよびRは同一か、または異なっており、水素、(C-C)直鎖または分枝鎖アルキル、フェニルである)、または、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、C-C直鎖または分枝鎖アルキル、C-Cの直鎖または分枝鎖アルコキシ、フェニル、シアノ、ニトロ、-NR1011から成る群から選択される1またはそれ以上の基で置換されていてよい(C-C10)アロイルまたは(C-C10)アリールスルホニル基(R10およびR11は同一か、または異っており、水素、C-Cの直鎖または分枝鎖アルキルである)、
はポリアミノアルキル基、または、
はグリコシル基、
nは0または1、
は水素、C-Cの直鎖または分枝鎖アルキル、C-Cの直鎖または分枝鎖アルケニル、C-C10のシクロアルキル、(C-C10)シクロアルキル-(C-C)直鎖または分枝鎖アルキル、C-C14アリール、(C-C14)アリール-(C-C)直鎖または分枝鎖アルキル)、
およびRは同一か、または異なっており、水素、ヒドロキシ、C-Cの直鎖または分枝鎖アルコキシである]の化合物、そのN-オキシド、その単一異性体、特に、-C(R)=N-O( )基のシンおよびアンチ異性体、その可能なエナンチオマー、ジアステレオマーおよび類縁体混合物、医薬上許容されるその塩およびその活性代謝物が、本発明の対象である(ただし、R、RおよびRが水素であり、および、nが1のとき、Rは水素ではない)。
【0021】
本発明は、前記の式(I)の化合物の、薬物、特に腫瘍の治療に有用な薬物の活性成分としての使用を含む。本発明のさらなる目的は、式(I)の化合物の、ウイルス感染を治療するのに有用な薬物の活性成分としての使用である。本発明のさらなる目的は、式(I)の化合物の、抗熱帯熱マラリア原虫活性を有する薬物の活性成分としての使用である。
本発明は、活性成分としての式(I)の化合物を医薬上許容されるビヒクルおよび賦形剤と混合して含む医薬組成物を含む。
本発明はさらに、式(I)の化合物の調製法および関連する重要な中間体を含む。
【0022】
(発明の詳細な説明)
本発明の範囲内に含まれる、C-Cの直鎖または分枝鎖アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチルおよびその可能な異性体、例えばイソプロピル、イソブチル、t-ブチルを意味する。
-Cの直鎖または分枝鎖アルケニル基の例は、メチレン、エチリデン、ビニル、アリル、プロパルジル、ブチレン、ペンチレンであり、ここで、炭素-炭素二重結合(任意に他の炭素-炭素不飽和が存在していてよい)は、アルキル鎖の異なる可能な位置に位置していてよい。ここでアルキル鎖は、可能な異性体の範囲内で枝分かれしていてよい。
-C10シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、多環式基、例えばアダマンチルである。
【0023】
(C-C10)シクロアルキル-(C-C)直鎖または分枝鎖アルキル基の例は、シクロプロピルメチル、2-シクロプロピルエチル、1-シクロプロピルエチル、3-シクロプロピルプロピル、2-シクロプロピルプロピル、1-シクロプロピルプロピル、シクロブチルメチル、2-シクロブチルエチル、1-シクロブチルエチル、3-シクロブチルプロピル、2-シクロブチルプロピル、1-シクロブチルプロピル、シクロヘキシルメチル、2-シクロヘキシルエチル、1-シクロヘキシルエチル、3-シクロヘキシルプロピル、2-シクロヘキシルプロピル、1-シクロヘキシルプロピル、5-シクロヘキシルペンチル、3-シクロヘキシルペンチル、3-メチル-2-シクロヘキシルブチル、1-アダマンチルエチル、2-アダマンチルエチル、アダマンチルメチルである。
【0024】
(C-C14)アリールまたは(C-C14)アリール-(C-C)直鎖または分枝鎖アルキル基の例は、フェニル、1-または2-ナフチル、アントリル、ベンジル、2-フェニルエチル1-フェニルエチル、3-フェニルプロピル、2-アントリルプロピル、アントリルプロピル、ナフチルメチル、2−ナフチルエチル、1-ナフチルエチル、3-ナフチルプロピル、2-ナフチルプロピル、1-ナフチルプロピル、シクロヘキシルメチル、5-フェニルペンチル、3-フェニルペンチル、2-フェニル-3-メチルブチルである。
【0025】
複素環式または複素環-(C-C)直鎖または分枝鎖アルキル基の例は、チエニル、キノリル、ピリジル、N-メチルピペリジニル、5-テトラゾルイル、2-(4,5-ジヒドロキサゾルイル)、1,2,4-オキサジアゾリジン-3-イル-5-オン、プリンおよびピリミジン塩基、例えば、前記の一般定義に示すように置換されていてよいウラシルである。
(C-C10)アロイル基の例は、ベンゾイル、ナフトイルである。
アルキル基で置換されていてよい(C-C10)アリールスルホニル基の例は、トシル、ベンゼンスルホニルである。
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を意味する。
【0026】
置換基の例は、ペンタフルオロフェニル、4-フェニルベンジル、2,4-ジフルオロベンジル、4-アミノブチル、4-ヒドロキシブチル、ジメチルアミノエチル、p-ニトロベンゾイル、p-シアノベンゾイルである。
ポリアミノアルキル基の例は、-(CH)-NR12-(CH)-NR13-(CH)-NHであり、m、pは2から6の整数であり、qは0から6の整数であり、これより大きいものも含まれ、およびR12およびR13は(C-C)の直鎖または分枝鎖アルキル基、例えば、N-(4-アミノブチル-)2-アミノエチル、N-(3-アミノプロピル)-4-アミノブチル、N-[N-(3-アミノプロピル)-N-(4-アミノブチル)]-3-アミノプロピルである。
【0027】
グリコシル基の例は、6-D-ガラクトシル、6-D-グルコシル、D-ガラクトピラノシルであり、該グリコシル基は、適当なケタール基、例えばイソプロピリデンで保護されていてよい。
医薬上許容される塩の例には、塩基性特性を有する窒素原子の場合は、医薬上許容される酸、例えば、塩酸、硫酸、酢酸のような無機および有機酸両方との塩、または、カルボキシルのような酸基の場合は、医薬上許容される塩基、例えばアルカリおよびアルカリ土類の水酸化物、水酸化アンモニウム、アミン、さらに複素環式塩基のような無機および有機塩基両方との塩が挙げられる。
【0028】
好ましい化合物の第一のグループには、nが1である式(I)の化合物が含まれる。
好ましい化合物の第二のグループには、nが0である式(I)の化合物が含まれる。
2つの前記の好ましいグループの中では、Rが水素ではなく、特に、C-Cの直鎖または分枝鎖アルキルまたはC-Cの直鎖または分枝鎖アルケニル基、またはC-C10のシクロアルキル、または(C-C10)シクロアルキル-(C-C)直鎖または分枝鎖アルキル、または、C-C14アリールまたは(C-C14)アリール-(C-C)直鎖または分枝鎖アルキルまたは、複素環式または複素環-(C-C)直鎖または分枝鎖アルキル基(該複素環式基は、先に例として示した定義により、(C-C)アルキル基で置換されていてよい窒素原子、および/または酸素および/または硫黄から成る群から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含み、該アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環式または複素環-アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、フェニル、シアノ、ニトロ、-NR(RおよびRは同一か、または異なっており、水素、(C-C)直鎖または分枝鎖アルキル)から成る群から選択される1またはそれ以上の基で置換されていてよい);-COOH基またはその医薬上許容されるエステル;または-CONR基(RおよびRは同一か、または異なっており、水素、(C-C)直鎖または分枝鎖アルキルである)である式(I)の化合物が好ましい。
【0029】
特に好ましい化合物の第一グループは、
-7-メトキシイミノメチルカンプトテシン(CPT179)、
-7-メトキシイミノメチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(CPT211)、
-7-(ter-ブトキシカルボニル-2-プロポキシ)イミノメチルカンプトテシン(CPT224)、
-7-エトキシイミノメチルカンプトテシン、
-7-イソプロポキシイミノメチルカンプトテシン、
-7-(2-メチルブトキシ)イミノメチルカンプトテシン、
-7-t-ブトキシイミノメチルカンプトテシン(CPT184)、
-7-t-ブトキシイミノメチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(CPT212)、
【0030】
-7-t-ブトキシイミノメチル-10-メトキシカンプトテシン(CPT220)、
-7-(4-ヒドロキシブトキシ)イミノメチルカンプトテシン、
-7-トリフェニルメトキシイミノメチルカンプトテシン(CPT192)、
-7-カルボキシメトキシイミノメチルカンプトテシン(CPT183)、
-7-(2-アミノ)エトキシイミノメチルカンプトテシン(CPT188)、
-7-(2-N,N-ジメチルアミノ)エトキシイミノメチルカンプトテシン(CPT197)、
【0031】
-7-アリルオキシイミノメチルカンプトテシン(CPT195)、
-7-シクロヘキシルオキシイミノメチルカンプトテシン、
-7-シクロヘキシルメトキシイミノメチルカンプトテシン、
-7-シクロオクチルオキシイミノメチルカンプトテシン、
-7-シクロオクチルメトキシイミノメチルカンプトテシン、
-7-ベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン(CPT172)、
-7-[(1-ベンジルオキシイミノ)-2-フェニルエチル]カンプトテシン、
-7-(1-ベンジルオキシイミノ)エチルカンプトテシン(CPT186)、
-7-フェノキシイミノメチルカンプトテシン(CPT223)、
-7-[(1-t-ブトキシイミノ)エチルカンプトテシン、
【0032】
-7-p-ニトロベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン(CPT177)、
-7-p-メチルベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン(CPT178)、
-7-ペンタフルオロベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン(CPT182)、
-7-p-フェニルベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン(CPT187)、
-7-[2-(2,4-ジフルオロフェニル)エトキシ]イミノメチルカンプトテシン、
-7-(4-t-ブチルベンジルオキシ)イミノメチルカンプトテシン、
-7-(1-アダマンチルオキシ)イミノメチルカンプトテシン、
-7-(1-アダマンチルメトキシ)イミノメチルカンプトテシン、
-7-(2-ナフチルオキシ)イミノメチルカンプトテシン、
【0033】
-7-(9-アントリルメトキシ)イミノメチルカンプトテシン、
-7-オキシラニルメトキシイミノメチルカンプトテシン(CPT213)、
-7-(6-ウラシル)メトキシイミノメチルカンプトテシン、
-7-[2-(1-ウラシル)エトキシ]イミノメチルカンプトテシン(CPT199)、
-7-(4-ピリジル)メトキシイミノメチルカンプトテシン(CPT189)、
-7-(2-チエニル)メトキシイミノメチルカンプトテシン、
【0034】
-7-[(N-メチル)-4-ピペリジニル]メトキシイミノメチルカンプトテシン(CPT190)、
-7-[2-(4-モルホリニル)エトキシ]イミノメチルカンプトテシン(CPT210)、
-7-(ベンゾイルオキシイミノメチル)カンプトテシン(CPT191)、
-7-(1-ヒドロキシイミノ)-2-フェニルエチル)カンプトテシン(CPT185)、
-7-ter-ブチルオキシイミノメチルカンプトテシンN-オキシド(CPT198)、
-7-メトキシイミノメチルカンプトテシンN-オキシド(CPT208)。
【0035】
特に好ましい化合物の第二のグループには、
-7-[N-(4-アミノブチル)-2-アミノエトキシ]イミノメチルカンプトテシン、
-7-[N-[N-(3-アミノ-1-プロピル)-4-アミノ-1-ブチル]-3-アミノ-プロピル)イミノメチル-カンプトテシン、
-7-(6-D-ガラクトシルオキシ)イミノメチルカンプトテシン、
-7-(1,2:3,4-ジ-O-イソプロピリデン-D-ガラクトピラノシルオキシ)イミノメチルカンプトテシン(CPT215)、
-7-(6-D-グルコシルオキシ)イミノメチルカンプトテシン(CPT208)、
が含まれる。
【0036】
特に好ましい化合物の第三のグループには、
-7-t-ブチルイミノメチルカンプトテシン、
-7-(4-アミノ)ブチルイミノメチルカンプトテシン、
-7-(4-ヒドロキシ)ブチルイミノメチルカンプトテシン(CPT169)、
-7-(2-N,N-ジメチルアミノ)エチルイミノメチルカンプトテシン(CPT171)、
-7-アリルイミノメチルカンプトテシン、
-7-シクロヘキシルイミノメチルカンプトテシン(CPT156)、
-7-フェニルイミノメチルカンプトテシン(CPT154)、
【0037】
-7-p-ニトロフェニルイミノメチルカンプトテシン(CPT160)、
-7-ベンジルイミノメチルカンプトテシン(CPT175)、
-7-(2-アントリルメチル)イミノメチルカンプトテシン、
-7-(2-キノリルメチル)イミノメチルカンプトテシン、
-7-(2-チエニル)イミノメチルカンプトテシン、
-7-[N-[N-(3-アミノ-1-プロピル)-4-アミノ-1-ブチル]-3-アミノプロピル)イミノメチルカンプトテシン、
-7-(6-D-ガラクトシル)イミノメチルカンプトテシン、が含まれる。
【0038】
本発明の第一の好ましい態様において、nが1であり、それゆえカンプトテシン7オキシムであり、および、Rが前記のアルキルまたはアリールアルキル基である一般式(I)の化合物が提供される。
これらの中で、極めて好ましい化合物は、式
【0039】
【化10】
Figure 0004610743
【0040】
の7-(t-ブトキシ)イミノメチルカンプトテシン(CPT184)および、7-ベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン(CPT172)
【0041】
【化11】
Figure 0004610743
【0042】
である。
式(I)の化合物は、R基の特性および、7-イミノメチル基の窒素に結合させた酸素原子の存在により、様々な方法で調製することができる。
nが1であり、Rがアロイルおよびアリールスルホニル以外の、前記のものである式(I)の化合物に関しては、カンプトテシン7-アルデヒド(式Ia,R水素)または7-ケトカンプトテシン(式Ia、Rは水素ではない)から出発して調製することができる。
【0043】
【化12】
Figure 0004610743
【0044】
式中、Rは基-C(R)=Oであり、および、Rは式(I)に関して定義するものであり、RおよびRは式(I)に関して定義するものである。式(Ia)の化合物を式(IIa)RO-NH(Rは前記のものである)の化合物と反応させ、式(I)の化合物(Rは基、-C(R)=N-ORであり、Rはアロイルおよびアリールスルホニル以外の、式(I)に定義するものである)を得る。反応は、オキシムの通常の形成法である当業者に周知の常套法を用いて行うことができる。好ましくは、7-アルデヒドまたは7-ケトカンプトテシンおよびヒドロキシルアミンの間のモル比は、1:3から3:1の間である。目的のヒドロキシルアミンの塩も用いることができる。反応は、塩基、例えば炭酸カリウムのような無機塩基またはトリエチルアミンまたはジアザビシクロノネンのような有機塩基の存在下で、極性溶媒、好ましくはメタノールまたはエタノールを用いて、および、室温および用いる溶媒の沸点の間に含まれる温度で、例えば任意に硫酸ナトリウムまたはマグネシウムのような脱水剤、モレキュラーシーブの存在下で行う。所望により、反応は、触媒、例えばルイス酸の存在下で行うこともできる。
【0045】
これとは別に、前記化合物は、カンプトテシン7-アルデヒド(Sawada et al Chem. Pharma. Bull. 39, (10) 2574 (1991)に開示されるように得る)のまたは、7-ケトのオキシムから、ハロゲン化物R-X(Xは好ましくはヨウ素である)と、極性溶媒、例えばテトラヒドロフランまたはアルコール中で、および塩基例えば水素化ナトリウムまたは炭酸カリウムの存在下で反応させることにより調製することができる。
【0046】
式(I)に関して定義したように、nが1であり、および、Rがアロイルまたはアリールスルホニルである式(I)の化合物に関しては、これらは、その調製法を前の段落で記載したカンプトテシン7-オキシムから出発して、アシルクロライドR-COClを極性溶媒中、塩基、好ましくはピリジンの存在下で、直接的にはピリジン中で、Cho et al. J. Org. Chem. 62, 2230 (1997)により開示されるように用いて調製することができる。
【0047】
nが0であり、およびRがアロイル以外の、前記のものである式(I)の化合物に関しては、それらはカンプトテシン7-アルデヒド(式Ia、R水素)または7-ケトカンプトテシン(式Ia、Rは水素ではない)から出発して調製することができる。
【0048】
【化13】
Figure 0004610743
【0049】
式中、Rは基-C(R)=Oであり、Rは式(I)に関して定義するものであり、RおよびRは式(I)に関して定義するものである。式(Ia)の化合物は、式(IIb)R-NHの化合物(Rは前記)と反応させて、式(I)の化合物(Rは基-C(R)=N-Rであり、Rはアロイル以外の、式1に関して定義するものである)を得る。反応は、イミンの通常の形成法である、当業者に周知の常套法を用いて行うことができる。好ましくは、7-アルデヒドまたは7-ケトカンプトテシンおよびアミンの間のモル比は、1:3から3:1の間である。目的のアミンの塩も用いることができる。反応は、塩基例えば炭酸カリウムのような無機塩基または、トリエチルアミンまたはジアザビシクロノネンのような有機塩基の存在下で、極性溶媒、好ましくはメタノールまたはエタノールを用いておよび、反応を、室温から沸点までの間で、任意に脱水剤、例えば硫酸ナトリウムまたは硫酸マグネシウム、モレキュラーシーブの存在下で行うことにより行う。所望により、触媒、例えば(Moretti and Torre, Synthesis, 1970, 141;またはKobayashi et al, Synlett, 1977, 115に開示されるような)ルイス酸の存在下で反応を行うことも可能である。
【0050】
カンプトテシン7-アルデヒドおよびカンプトテシン7-オキシムは、特許出願EP0056692および、前記Sawada et al Chem. Pharm. Bull. 39, (10) 2574 (1991)に開示されている。
式(I)の化合物のN-オキシドは、好ましくは酢酸またトリフルオロ酢酸および過酸化水素を用いた酸化または、有機ペルオキソ酸を用いた反応による芳香族複素環窒素の酸化に関する周知の方法(A. Albini and S. Pietra, 複素環式N酸化物、CRC、1991)に従い調製する。
【0051】
式IIの異なる反応物に存在するRの種々の意義に関し、これらの反応物は市場で入手可能であり、または、当業者が手段とし得る文献中の周知の方法に従い、当該議論に関する彼ら自身の知識で補って調製することができる。
医薬上許容される塩は、文献中に見出される常套の方法を用いて得られ、さらなる開示を必要としない。
本発明中に開示される化合物は抗増殖活性を示し、それゆえ、その治療活性のために有用であり、それらを医薬組成物中に調製するのに適したものとする物理化学的特性を有する。
【0052】
医薬組成物は、少なくとも一つの式(I)の化合物を、有意な治療効果、特に抗腫瘍効果を生じる量で含む。本発明中に含まれる組成物は常套のものであり、医薬工業における、一般に用いられる方法を用いて得られる。所望の投与経路に従い、組成物は経口、非経口、静脈内経路に適した固体または液体形態とすればよい。本発明による組成物は、活性成分と共に少なくとも一つの医薬上許容されるビヒクルまたは賦形剤を含む、例えば溶解剤、分散剤、懸濁剤、乳剤のような製剤共アジュバントが特に有用である。
式(I)の化合物は、他の活性成分、例えば他の抗腫瘍薬物を別個の形態としておよび単一の投与形態で組み合わせて用いることもできる。
【0053】
本発明による化合物は、抗腫瘍活性を有する薬物として、例えば肺腫瘍、例えば非小肺腫瘍、大腸-直腸、前立腺、神経膠の腫瘍において有用である。
本発明の化合物の細胞毒性活性を、細胞毒性能の評価方法として抗増殖活性試験を用いて、ヒトの腫瘍細胞の細胞系統において評価した。
用いる細胞系統は、NCIH460と名づけられる非小細胞ヒストタイプに属する肺非小細胞癌腫である。
【0054】
好ましい化合物、7-(t-ブトキシイミノメチルカンプトテシン(CPT184)および7-ベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン(CPT172)を、当業者に許容される参考基準であるトポテカン(TPT)および、Sawada et al in Chem. Pharm. Bull. 39 (10), 2574-2580, (1991)により開示される、本発明による式(I)の化合物の最も近い構造類似体である7-ヒドロキシイミノメチルカンプトテシン(CPT181)と比較して評価した。
インビボでの研究のために、塩水中での可溶化が不可能なため、10%のDMSO液(二回蒸留水中)中で可溶化を行い、経口経路の投与を10ml/kgの体積で行った。
【0055】
抗腫瘍活性
10-12週齢のAtimic nu/nu Swissマウス(Charles River, Calco, Italia)を用いた。動物を、英国共立協会癌研究のガイドラインに従い、層流室に置いた。実験プロトコルは、Istituto Nazionale per lo Studio e Cura dei Tumoriの動物実験のための倫理委員会により認可された。
10細胞のNCIH460/トポを皮下(s.c.)接種したマウス由来のおよそ2×2×2mmの腫瘍断片を、それぞれ5匹のマウスのグループに両側皮下移植した。
腫瘍が触診できるようになったとき、次のスキームに従い、化合物を用いて動物を処置した。
【0056】
-CPT172(8mg/kg、po)q4dx4、
-CPT172(16mg/kg、po)q4dx4、
-CPT172(24mg/kg、po)q4dx4、
-CPT172(2mg/kg、po)qdx5x10w、
-CPT181(15mg/kg、po)q4dx4、
-CPT181(25mg/kg、po)q4dx4、
-CPT184(2mg/kg、po)q4dx4、
-CPT184(5mg/kg、po)q10dx6、
-トポテカン(15mg/kg、po)q4dx4、
-トポテカン(10mg/kg、po)q4dx4。
【0057】
週に2回、Vernier caliperを用いて、腫瘍の幅、最小直径(l)、長さおよび最大直径(L)をmmで測定した。腫瘍の体積(mm)を式l×L/2に従い算定した。分子の効力を、TVI%=100−(T/C×100)(式中、Tは、処置群の腫瘍体積の平均値であり、Cはコントロール群のものである)に従い、処置群対コントロール群のTVIパーセントとして評価した。化合物は、TVI%>50のとき活性であるとみなす。
以下の表1は、実験結果を示す。
【0058】
【表1】
Figure 0004610743
【0059】
CPT172は、様々な投与量および様々な治療スキームで抗腫瘍効力を示し、CPT184は、低投与量および様々な治療スキームで、非常に活性な化合物であることが明らかであり、従って、両化合物は、特に臨床適用の見込みがある2分子である。
有効投与量が広範囲であることにおいてこれらの分子のさらなる利点を確認することができる。特に長期投与が見越される場合、とりわけ注射可能製剤において、変更可能なスキームおよび投与量により、治療指数を増し、および、治療的使用における取り扱いが高まっている。そのような使用のために、化合物CPT172はその低下した毒性に関連してより好ましいと考えられる。
【0060】
従来のカンプトテシンの重要な欠点は、3者複合体(薬物-DNA-酵素)におけるその結合の可逆性である。DNA合成中の単鎖DNA切断の二重鎖DNA切断への変換がこの可逆性によっては許容されないため、この可逆性は薬物の効力に影響を及ぼす。
以下の表2は、選択された数のインビトロ切断部位に対するDNA切断の根強さを示す。標識DNAおよび精製酵素を含む反応混合物中で薬物を20分間インキュベーションした後、3者複合体の解離を補助する目的で塩化ナトリウム(0.6M)を添加した。約10分後に試験した、切断部位におけるDNA切断の根強さの割合として表に示した結果は、カンプトテシンおよびトポテカンの場合の切断のほとんど完全な可逆性および、CPT172およびCPT184の場合の顕著な根強さを示すものである。
【0061】
【表2】
表2
選択部位における、カンプトテシンが刺激し、かつトポイソメラーゼIが介在するDNA切断の根強さ
Figure 0004610743
【0062】
当該分野の水準に対し、3者複合体の可逆性の制限を克服したことに関して本発明による化合物により提供される利点は明らかである。
前臨床試験では、CPT184は多様な腫瘍細胞系統において細胞毒活性を示した。
この広範囲の抗癌活性を、NSCLC(H460、A549)、前立腺癌(JCA-1)、神経膠芽腫(GBM/7)、胃癌(MKN28)、骨肉腫(U2OS)、卵巣癌(A2780/Dx、A2780/DDP)および大腸(HT29、CoBA)癌腫ならびにネズミの肺癌(M109)および白血病モデル(L1210)を含むヒトの腫瘍異種移植片を移植したマウスで確認した。
前臨床データにより、CPT184がヒトの癌、特に非小細胞肺癌(NSCLC)、神経膠芽腫および前立腺癌腫に対して活性な抗癌剤である可能性があることが示唆される(表3)。
【0063】
【表3】
Figure 0004610743
【0064】
固形腫瘍に関しては、TVI%=腫瘍体積の阻害=100−(処置群の腫瘍の重量/コントロール群の平均腫瘍重量×100)および、L1210に関しては、ILS%=寿命のパーセント増加[(処置群のMST/コントロール群のMST)×100]−100として結果を示す。
*最終の投与から10日間の治療の終わりにおいて、腫瘍の形跡はなかった。
**>50%および***>80%の治癒マウスが、白血病注射から120日間生存した。
【0065】
H460=NSCLC
HT29およびCoBA=大腸癌、
IGROV-1、A2780、A2780/DxおよびA2780/DDP=子宮癌
GBM/7およびU87=神経膠芽腫
JCA-1およびDU145=前立腺癌
L1210=ネズミの白血病
【0066】
好ましい化合物の一つ、CPT184を用いた具体的方法で本明細書中に示す本発明の化合物の高い細胞毒性効力は、強い抗腫瘍活性によっても反映される。トポテカン(TPT)に対する有意な反応性(即ち、TVI>80%)に特徴付けられる腫瘍異種移植片のパネルを用いて、かなりの数のヒト腫瘍モデルに対するCPT184の抗腫瘍活性、および広い意味で本発明の化合物による抗腫瘍活性の範囲の実質上改善が認められた。特に、強い抗腫瘍効力が多くの腫瘍モデルの治療において見出され、症状の完全な緩和が多数の処置動物において達成された。さらに、本発明の化合物、特にCPT184は、MDR-表現形により特徴づけられるA2780/DX腫瘍において100%CRを減じることができた。この観察は極めて重要であり、本発明の化合物が、P-糖タンパク質の基質ではないことを示唆する。
【0067】
本発明の化合物のさらなる治療的利点は、a)治療指数の改善、b)広範囲の投与量での薬物の有用性、c)かなり異なるスケジュールで有用であったという証拠により、本発明の化合物の治療スケジュールへの依存性がトポテカンの場合よりも少ないということにある。
以下の実施例によりさらに本発明を説明する。
【0068】
実施例1
7-ベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン(CPT172)
500mg(1.33mmol)の7-ホルミルカンプトテシンを100mlのエタノールに溶解した。15mlのピリジンと638mg(4mmol)のO-ベンジルヒドロキシルアミンヒドロクロライドを添加し、5時間還流放置した。溶媒を真空下で蒸発させ、そうして得られた残存物をシリカゲル上、ヘキサン/酢酸エチル4/6の混合液を溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製した。
収率65%。
m.p.:200℃-205℃dec.
【0069】
得られた生成物は、2つのシンおよびアンチ異性体(異性体A:Rf0.32;異性体B、Rf:0.19、シリカゲルMerck60F254上、溶離剤;ヘキサン/酢酸エチル3/7)のおよそ8:2の混合物から成る。
HPLC:Rheodyneインジェクター(20μlループ)を有する4つ組ポンプ(HP1050)および、ソフトウェアHPLC-ChemStationにより制御されるダイオードアレイディテクター(Hp1050)を備えた装置上で分析を行った。スペクトルの捕捉は、200〜600nmでなし、クロマトグラムは360および400nmで登録した。
【0070】
C18逆相カラム(Rainin C18;25×0.4cm、Varian)をRP18プレカラムと共に用いた。アセトニトリル:水30:70から出発してアセトニトリル100%までの線形溶離勾配を20分間、1ml/分の流速で用いて分析を行った。保持時間は、異性体Bに関しては12.51分および、異性体Aに関しては14.48分であった。
【0071】
1H-NMR (300 MHz; DMSO-d6):
δ: 0.88 (t, H3-18A+H3-18B), 1,87 (m, H2-19A+H2-19B), 5.18 (s, H2-5B), 5.21 (s, H2-PhB), 5.30 (H2-PhA), 5.40 (s, H2-5A), 5.45 (s, H2-l7A+H2-17B), 6.53 (s, OHA+OHB), 7.3-7.6 (m, ArA+ ArB+H-14A+H-14B), 7.75 (m, H-llA+H-11B), 7.85-7.95 (m, H10A+H-10B), 7.98(dd, H-12B). 8.18-8.27 (m, H-l2A+H9-B), 8.45 (s, CH=NB), 8.59 (dd,H-9A), 9.38 (s, CH=N A).
Mass m/z 48l (M l00) 374
(30)330(70)300(30)273(20)243(20)91(34).
【0072】
実施例2
7-t-ブトキシイミノメチルカンプトテシン(CPT184)
400mg(1.06mmol)の7-ホルミルカンプトテシンを80mlのエタノールに溶解した。12mlのピリジンと400mg(3.18mmol)のO-t-ブチルヒドロキシルアミンヒドロクロライドを添加し、4時間還流放置した。溶媒を真空下で蒸発させ、そうして得られた残存物をシリカゲル上、ヘキサン/酢酸エチル4/6の混合液を溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製した。332mg(0.72mmol)の黄色固体を得た。
収率68%
m.p.:250℃dec.
【0073】
得られた精製物は、2つのシンおよびアンチ異性体(異性体A:Rf0.31;異性体B.Rf:0.24、シリカゲル上Merck60F254、溶離剤;ヘキサン/酢酸エチル3/7)のおよそ8:2の混合物からなる。
HPLC:Rheodyneインジェクター(20μlループ)を有する4つ組ポンプ(HP1050)および、ソフトウェアHPLC-ChemStationにより制御されるダイオードアレイディテクター(Hp1050)を備えた装置上で分析を行った。スペクトルの捕捉は、200〜600nmでなし、クロマトグラムは360および400nmで登録した。
【0074】
C18逆相カラム(Rainin C18;25×0.4cm、Varian)をRP18プレカラムと共に用いた。線形溶離勾配をアセトニトリル:水30:70から出発してアセトニトリル100%まで20分間、1ml/分の流速で用いて分析を行った。保持時間は、異性体Bに関しては12.92分および、異性体Aに関しては14.61分であった。
【0075】
1H-NMR (300 MHz; DMSO-d6):
δ: 0.88 (t, H3-18A+H3-18B), 1.30 (s, t-but.B), 1.47 (s, t-but.A) 1.87
(m, H2-l9A+H2-19B) 5.18 (s, H2-5 B), 5.37 (H2-5 A), 5.42 (s, H2-l7A+H2-17B), 6.54 (s, OHA+OHB), 7.35 (s, H-14A). 7.36 (s, H-14B) 7.69-7.83 (m, H-11A+H-llB), 7.85-7.98 (m, H-l0A+H-10B), 8.07(dd, H-9B), 8.16-8.27 (m, H-9A+H-l2B) 8.40 (s, CHB), 8.62 (dd, H-12A), 9.31 (s, CHA).
Mass m/z 448 (M+ 28) 391 (40)374(100)362(40)330(34)57(17).
【0076】
同じ方法に従い、以下の化合物を調製した。
7-t-ブトキシイミノメチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(CPT212)、
m.p.195dec.
【0077】
lH NMR (DMS0-d6) δ=0.88 (t, J=7.35 Hz, H3-18) l.45 (s, 3 -CH3) 1.80-1.90 (m, H2-19) 5.12 (s, H2-5 アンチ) 5.33 s, H2-5 シン) 5.45 (m, H2-17 シン; H2-17 アンチ) 6.50 (s, -OH) 7.25 (d,J=2.57 Hz, H-9 アンチ) 7.30 (s, H-14 シン; H-14 アンチ) 7.43-7,50 (m, H-11 シン; H-11 アンチ) 7.70 (d, J=2.57 Hz, H-9 シン) 8.15 (d, J=9.19 Hz; H-12 シン, H-12 アンチ) 8.25 (s, -CH=N アンチ) 9.00 (s, -CH=N シン).
Mass m/z: 463 (M+16) 419 (15) 407 (25) 390 (43) 346 (100) 318 (10).
【0078】
7-t-ブトキシイミノメチル-10-メトキシカンプトテシン(CPT220)、
m.p.:250℃dec.
1H NMR (DMSO-d6) O.88 (t, J=7.35 Hz, H3-18) 1.47 (s, 3 -CH3) 1.80-1.93 (m, H2-19) 3.95 (s, -OCH3 アンチ) 3.98 (s, -OCH3 シン) 5.17 (s, H2-5 アンチ) 5.30-5.45 (m, H2-5 シン; H2-17 シン; H2-17 アンチ) 6.50 (s, -OH) 7.29 (s, H-14) 7.56 (dd, J=9.19 Hz; J:2.57 Hz; H-11) 7.90 (d, J=2.57 Hz; H-9) 8.12 (d, J=9.19 Hz; H-12) 8.39 (s, -CH=N アンチ) 9.33 (s, -CH=N シン).
Mass m/z: 477 (M56, M) 421 (74) 404 (100) 392 (66) 360 (18.5) 303 (6) 274 (7.5).
【0079】
7-p-ニトロベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン(CPT177)、
7-p-メチルベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン(CPT178)、
m.p.203℃dec.
7-メトキシイミノメチルカンプトテシン(CPT179)、m.p.230℃dec.
7-メトキシイミノメチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(CPT211)、m.p.268℃dec.
【0080】
1H NMR (DMSO-d6) δ = O.87 (t, J=7.35 Hz, H3-18) 1.80-1.90 (m, H2-19) 4.13 (s, -OCH3) 5.32 (s, H2-5) 5.41 (s, H2-17) 6.50 (s, -OH) 7.26(s, H-14) 7.47 (dd, J=9.19 Hz; J=2.56 Hz, H-11) 7.75 (d, J=2,56 Hz,H-9) 8.08 (d, J=9.19 Hz, H-12) 9.04 (s, -CH=N).
【0081】
7-ペンタフルオロベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン(CPT182)、m.p.200℃dec.
7-カルボキシメトキシイミノメチルカンプトテシン(CPT183)、
7-(カルボキシジメチルメトキシ)イミノメチルカンプトテシン、
m.p.193℃dec.
【0082】
1H NMR (CDCl3) δ = 1.02 (t, J=7.35 Hz, H3-18) 1.69 (s, -CH3) 1.72 (s,-CH3) 1.81-1.95 (m, H2-19) 3.60 (s, -OH) 5.24 (d, J=16.55 Hz, H-17A)5.32 (s, H2-5) 5.65 (d, J=16.55 Hz, H-17B) 7.64 (s, H-14) 7.67 (ddd,J=6.99 Hz; J=8.47 Hz; J=1.47 Hz, H-11) 7.80 (ddd, J=6.99 Hz; J=8.47 Hz; J=1.47 Hz, H-10) 8.10-8.16 (m, H-9; H-12) 9.10 (s, -CH=N).
【0083】
7-(ter-ブトキシカルボニル-2-プロポキシ)イミノメチルカンプトテシン(CPT224)、
m.p.180℃dec.
1H NMR (DMSO-d6)δ= 0.88 (t, J=7 Hz, H3-18) 1.44 (s, 3 -CH3) 1.60(s, 2 -CH3) l.80-l.92 (m, H2-19) 5.27 (s, H2-5) 5.43 (s, H2-17) 6.53 (s, -OH) 7.35 (s, H-14) 7.76 (ddd, J=8.46 Hz;J=8.46 Hz; J=l.47 Hz, H-11) 7.92 (ddd, J=8.46 Hz; J=8.46 Hz;J=l.47 Hz, H-10) 8.23 (dd, J=8.46 Hz; J=l.47 Hz, H-12) 8.65 (dd, J=8.46 Hz; J=l.47 Hz, H-9) 9.20 (s, -CH=N).
Mass m/z: 534 (M+1 3) 477 (29) 374 (55) 273 (10) 57 (100) 41 (57).
【0084】
7-p-フェニルベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン(CPT187)、m.p.200-202℃dec.
7-オキシラニルメトキシイミノメチルカンプトテシン(CPT213)、
1H NMR (CDCl3) δ = 0.87 (t, J=7 Hz, H3-18) 0.80-2.00 (m, J=7 Hz, H2- 19) 2.80 (1H, m, -CH2-O) 3.05 (1H, m, -CH2-O) 3.40 (m, -CH-O) 3.75 (s, -OH) 4.30(1H, m, -CH2-O-N) 4.73 (1H, m, -CH2-O-N) 5.33 (d, J=16 Hz, H-17A) 5.45 (s, H2-5) 5.75 (d, J=16 Hz, H-17B) 7.70 (s, H-14) 7.75 (m, H-11) 7.85 (m, H-10) 8.15-8.35 (m, H-9; H-12) 9.12 (s, CH=N).
【0085】
7-(2-アミノ)エトキシイミノメチルカンプトテシン(CPT188)、
m.p.220℃dec.
7-(4-ピリジル)メトキシイミノメチルカンプトテシン(CPT189)、m.p.220℃dec、mass m/zM+482
7-[(N-メチル)-4-ピペリジニル]メトキシイミノメチル-カンプトテシン(CPT190)、m.p.185-190℃dec.、mass m/zM+502
【0086】
7-エトキシイミノメチルカンプトテシン、
7-イソプロピルオキシイミノメチルカンプトテシン、
7-(2-メチルブトキシ)イミノメチルカンプトテシン、
7-シクロヘキシルオキシイミノメチルカンプトテシン、
7-シクロヘキシルメトキシイミノメチルカンプトテシン、
7-シクロオクチルオキシイミノメチルカンプトテシン、
7-シクロオクチルメトキシイミノメチルカンプトテシン、
7-(1-アダマンチルオキシ)イミノメチルカンプトテシン、
7-(1-アダマンチルメトキシ)イミノメチルカンプトテシン、
7-フェノキシイミノメチルカンプトテシン(CPT223)
【0087】
1H NMR (DMSO-d6) δ; 0.89 (t, J=7.35 Hz, H3-18) 1.81-1.95 (m, H2-19) 5.25 (s, H2-5 アンチ) 5.42 (s, H2-17アンチ) 5.45 (s, H2-5 シン) 5.52 (s, H2-17 シン) 6.56 (s, -OH) 7.15-7.55 (m, 5Ar; H-14) 7.83 (m, H-11) 7.96 (m, H-10) 8.28 (dd, J=8.09 Hz; J=l.10 Hz, H-12) 8.73 (dd, J=8.09 Hz; J=1.10 Hz, H-9) 8.92 (s, -CH=N アンチ) 9.84 (s, -CH=N シン).
Mass m/z: 467 (M+ 33) 373 (100) 329 (62) 314 (72) 273 (62) 244 (52) 135 (38) 57 (25) 43 (39).
【0088】
7-(2-ナフチルオキシ)イミノメチルカンプトテシン、
7-(9-アントリルメトキシ)イミノメチルカンプトテシン、
7-[2-(2,4-ジフルオロフェニル)エトキシ]イミノメチルカンプトテシン、
7-(4-t-ブチルベンジルオキシ)イミノメチルカンプトテシン、
7-トリフェニルメトキシイミノメチルカンプトテシン(CPT192)、
m.p.140℃dec、
【0089】
7-(2-N,N-ジメチルアミノエトキシ)イミノメチルカンプトテシン(CPT197)、
7-[N-(4-アミノブチル)-2-アミノエトキシ]イミノメチルカンプトテシン、
7-[N-[N-(3-アミノ-1-プロピル)-4-アミノ-1-ブチル]-3-アミノプロポキシ]イミノメチルカンプトテシン、
7-[2-(1-ウラシル)エトキシ]イミノメチルカンプトテシン(CPT199)、
m.p.:197-200°dec.
【0090】
lH NMR (DMSO-d6) δ = 0.88 (t, J=7.35 Hz, H3-18) 1.80-1.95 (m, H2-19) 3.90 (t, J=6 Hz, -CH2N アンチ) 4.15 (t, J=6 Hz, -CH2N シン) 4.35 (t, J=6 Hz, -CH2O アンチ) 4.58 (t, J=6 Hz, -CH2O シン) 5.00 (d, J=8 Hz, H-5 U アンチ) 5.35-5.50 (m, H2-5 アンチ; H2-5 シン; H2-17 アンチ; H2-17 シン) 5.55 (d, J=8 Hz, H-5 U シン) 6.55 (s, -OH) 7.15 ( d, J=8 Hz, H-6 U アンチ) 7.40 (s, H-14) 7.64 (d, J=8 Hz;, H-6 U シン) 7.70-7,82 (m, H-10 シン; H-10 アンチ) 7.85-8.00 (m, H-11 シン; H-11 アンチ; H-12 アンチ) 8.23 (m, H-12 シン; H-9 アンチ) 8.48 (s, -CH=N アンチ) 8.60 (dd, J=8.46 Hz; 20 J=1.47 Hz, H-9 シン) 9.35 (s,-CH=N シン) 11.3 (br s, NH U).
【0091】
7-[2-(4-モルホリニル)エトキシ]イミノメチルカンプトテシン(CPT210)、
m.p.:158-160℃dec.
lH NMR (CDCl3) δ = l.06 (t, J=7.35 Hz, H3-18) 1.84-2.00 (m, H2-19) 2.62 (t, J=4.78 Hz, -CH2-N morf.) 2.87 (t, J=5.52 Hz, -CH2-N) 3.60 (s, -OH) 3.79 (t, J=4.78 Hz, -CH2-O morf.) 4.59 (t, J=5.52 Hz, -CH2-O) 5.33 (d, J=l6.18 Hz, H-l7A) 5.45 (s, H2-5) 5.77 (d, J=16.18 Hz; H-17B) 7.69 (s, H-14) 7.73 (ddd, J=1.47 Hz; J=8.46 Hz; J=8.46 Hz; H-ll) 7.87 (ddd, J=1.47 Hz; J=8.46 Hz; J=8.46 Hz, H-10) 8.19-8.31 (m, H-9; H-12) 9.12 (s, -CH=N).
Mass m/z: 504 (M+ 4) 373 (23) 329 (26) 272 (18) 244 (20) 216 (13) lO0 (100).
【0092】
7-(6-ウラシル)メトキシイミノメチルカンプトテシン、
7-(4-ヒドロキシブトキシ)イミノメチルカンプトテシン、
7-(2-チエニル)メトキシイミノメチルカンプトテシン、
7-(4-チアゾルイル)メトキシイミノメチルカンプトテシン、
7-(6-D-ガラクトシルオキシ)イミノメチルカンプトテシン、
7-(6-D-グルコシルオキシ)イミノメチルカンプトテシン、
7-(6-D-グルコシルオキシ)イミノメチルカンプトテシン(CPT216)、m.p.210℃dec.
【0093】
lH NMR (DMSO-d6) δ = 0.85 (t, J=7.3 Hz, H3-18) 1.75-1.95 (m, H2-19) 3.50-5.00 (m, l0H ガラクト.) 5.35 (s, H2-5) 5.45 (s, H2-17) 6.25 (d, -OH ガラクト.) 6.55 (s, -OH) 6.65 (d, -OH ガラクト.) 7.35 (s, H-14) 7.80 (m, H-10) 7.98 (m,; H-11) 8.25 (dd, J=8.47 Hz; J= 1.46 Hz, H-12) 8.60 (dd, J= 8.47 Hz; J= 1.46 Hz, H-9) 9.35 (s, -CH=N).
【0094】
7-(1,2:3,4-ジ-O-イソプロピリデン-D-ガラクトピラノシルオキシ)イミノメチル-カンプトテシン(CPT215);
lH NMR (DMSO-d6) δ = 0.87 (t, J=7 .30 Hz, H3-18) 1.30-1,45 (m, 4 - CH3) 3.90-4.70 (m, H2-6'; H-5'; H-4'; H-3'; H-2'), 1.80-1,93 (m, H2-19) 5.35 (s, H2-5) 5.45 (s, H2-17) 5.60 (d, J=5.52 Hz, H-1') 6,52 (s, -OH) 7.35 (s, H-14) 7.75 (m, H-10 シン; H-10 アンチ) 7.90 (m, H-11 シン; H-11 アンチ) 8.05 (dd, J=8.47 Hz; J=1.47 Hz, H-12 アンチ) 8.20 (m, H-12 シン; H-9 アンチ) 8.50 (s, -CH=N アンチ) 8.65 (dd, J=8.47 Hz; J=l.47 Hz; H-9 シン) 9.40 (s, -CH=N シン).
Mass m/z: 634 (M+1 13) 576 (10) 486 (18) 347 (35) 329 (45) 314 (49) 302 (28) 246 (100) 242 (55) 187 (26).
【0095】
7-(1-ベンジルオキシイミノ)エチルカンプトテシン(CPT186)、
7-[1(-t-ブトキシイミノ)エチル]カンプトテシン。
【0096】
実施例3
7-ベンゾイルカンプトテシン(CPT170)
濃硫酸(0.17ml)およびベンズアルデヒド(304mg、2.87mmol)を、カンプトテシン(200mg、0.57mmol)のCHCOOH(0.8ml)と水(0.8ml)中の懸濁液に滴下した。反応混合液を0℃まで冷却し、80%のt-ブチルペルオキシド(128mg、1.14mmol)およびFeSO(317mg、1.14mmol)の水溶液(0.56ml)を続いて添加した。
【0097】
一晩室温で攪拌した後、水を添加し、沈殿を得、これを真空下で濾過した。母液をメチレンクロライドで抽出し(3回)、有機相をNaSOにて乾燥させて、濾過および、真空下で蒸発させた。こうして得られた固体を、先に分離した沈殿と共に集めた。生成物を、シリカゲル上、メチレンクロライド/メタノール98/2の混合液を溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。90mg(0.2mmol)の生成物を得た。
収率35%
【0098】
1H-NMR (300 MHz; DMSO-d6): δ: 0.9 (t, 3H H3-18), 1.85 (m, 2H,H2-19), 5 (s, 2H,H2-5 ), 5,4(2H,H2-5), 5.4 (s, 2H H2-17), 6.6(s, -1H OH ), 7.4 (s1H,H14), 7.55-7.85 (m, 5H,H1-10,H-11,3Ar), 7.95-8 (m, 3H-H12 2Ar), 8.3 (dd, 1H-H-9).
【0099】
実施例4
7-[α-(ヒドロキシイミノ)ベンジル]カンプトテシン(CPT185)
7-ベンゾイルカンプトテシン(50mg、0.11mmol)、ヒドロキシルアミンヒドロクロライド(24mg、0.33mmol)、ピリジン(1.4ml)のエタノール溶液(10ml)を調製し、24時間還流放置した。溶媒を真空下で除去した。生成物をシリカゲル上、メチレンクロライド/メタノール98/2を溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製した。25mgの黄色固体を得た。
収率48%
【0100】
得られた生成物は、2つのシンおよびアンチ異性体(異性体A:Rf0.35、異性体B:Rf0.31、シリカゲルMerck60F254上、溶離剤;メチレンクロライド/メタノール95/5)の混合物から成る。
lH-NMR (300 MHz; DMSO-d6): δ: 0.9(t, H3-l8A+H3-l8B), 1.86 (m, H2-l9A+H2-l9B) 4.8 (m, H2-5 A+H2-5 B), 5.85 (s, H2-l7A+H2-l7B), 6.55 (s, -OH B), 7.60 (s OH A), 7.35-7,55 (m, Ar A+Ar B+ H-l0A+H-10B+ H-11A+H-11B+H-l4A+H-l4B) 7.6-7.7 (m, H-12A+H-l2B)
【0101】
実施例5
7−フェニルイミノメチルカンプトテシン(CPT154)
20mlのメチレンクロライドに溶解した100mg(0.26mmol)の7-ホルミルカンプトテシンおよび、0.5mlのメチレンクロライドに溶解した25μl(0.26mmol)のアニリンを、イッテルビウムトリフレート(16.5mg、0.026mmol、10%mol)のMS4A含有メチレンクロライド懸濁液(5ml)に添加し、攪拌下、室温にて3.5時間置き、次いで溶媒を真空下で蒸発させた。生成物をシリカゲル上、メチレンクロライド/メタノール98/2の混合液を溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製した。60mgの黄色固体を得た。
収率51%
m.p.:255−258℃dec
【0102】
1H-NMR (300 MHz; DMSO-d6): δ: 0.8 (t, 3H H3-18), 1.75 (m, 2H,H2-19), 5.35 (s, 2H,H2-5 ), 5.5 (s, 2H H2-17), 6.45 (s, -1H OH ), 7.25-7.35 (m, 2H H1-Ar+H-14), 7.4-7.5 (m ,4H Ar), 7.75 (1H,ddd, H-11) 7.85 (ddd, 1H-H10), 8.2 (dd, 1H-H-12) 8.9 (dd, 1H, H-9), 9.6 (s, 1H, CH=N).
【0103】
同じ方法に従い、以下の化合物を調製した。
7-シクロヘキシルイミノメチルカンプトテシン(CPT156)、
7-p-ニトロフェニルイミノメチルカンプトテシン(CPT160)、m.p.260-265℃dec、
7-(4-ヒドロキシ)ブチルイミノメチルカンプトテシン(CPT169)、m.p. 140℃dec、
7-ジメチルアミノエチルイミノメチルカンプトテシン(CPT171)、
7-ベンジルイミノメチルカンプトテシン(CPT175)、
7-t-ブチルイミノメチルカンプトテシン、
7-アリルイミノメチルカンプトテシン、
【0104】
7-(2-チエニル)イミノメチルカンプトテシン、
7-(4-アミノ)ブチルイミノメチルカンプトテシン、
7-(3-アミノプロピル-4-アミノブチル-3-アミノプロピル)イミノメチルカンプトテシン、
7-(2-アントリルメチル)イミノメチルカンプトテシン、
7-(6-D-ガラクトシル)イミノメチルカンプトテシン、
7-(2-キノリルメチル)イミノメチルカンプトテシン。
【0105】
実施例6
7-(ベンゾイルオキシイミノメチルメチル)カンプトテシン(CPT191) ベンゾイルクロライド(0.16ml、1.4mmol)のピリジン溶液(5ml)を調製し、500mg(1.3mmol)の7-ヒドロキシイミノメチルカンプトテシンを添加し、一晩攪拌下、室温に置いた。真空下でピリジンを蒸発させた後、重炭酸ナトリウムの溶液を添加し、3回、メチレンクロライドで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥および濾過した後、溶媒を蒸発させた。生成物をシリカゲル上メチレンクロライド/メタノール98/2の混合液を溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーを用いて生成した。200mg(0.04mmol)の黄色固体を得た。
収率32%。
m.p.210℃dec。
【0106】
1H-NMR (300 MHz; DMSO-d6): δ: 0.8(t. H3-), l.8 (m, H2) 5.45 (s, H2-5), 5.55 (s, H2-17), 6.6 (s, 1H -OH), 7,3 (s 1H, H-14), 7.75-8 (m, 5H H-10+H-11+3Ar) 8.25 (m, 2H, 2Ar) 8.3 (dd, 1H, H-12) 8.75(dd, 1H, H-9), 10.05 (s, 1H, CH=N).
【0107】
同じ方法に従い、次の化合物を調製した。
7-p-ニトロベンゾイルオキシイミノメチルカンプトテシン、
7-p-シアノベンゾイルオキシイミノメチルカンプトテシン、
7-p-トリルスルホニルオキシイミノメチルカンプトテシン。
【0108】
実施例7
7-t-ブトキシイミノメチルカンプトテシンN-オキシド(CPT198)
7-t-ブトキシイミノメチルカンプトテシン(30mg、0.067mmol)を酢酸(5.2ml)に溶解し、30%の過酸化水素を添加した。混合液を70-80℃で9時間加熱し、約3分の1まで濃縮し、残存物を氷水に注いだ。沈殿物質を吸引により集め、ヘキサン/酢酸エチル1/1の混合液を溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、7-t-ブトキシイミノメチルカンプトテシンN-オキシドを黄色粉末(15.5mg)として得た。収率50%。
m.p.185−190℃dec.
【0109】
lH NMR (DMSO-d6) δ = 0.87 (t, J=7 Hz, H3-18) 1.48 (s, 3 -CH3) l.76-1.95 (m, H2-19) 5.37 (s, H2-5) 5.42 (s, H2-17) 6.60 (s, -OH) 7.85-8.00(m, H-10; H-11) 8.15 (s, H-14) 8.65-8.75 (m, H-9; H-12) 9.2 (s, -CH=N).
【0110】
同じ方法に従い、以下の化合物を調製した。
7-メトキシイミノメチルカンプトテシンN-オキシド(CPT208)、
【0111】
lH NMR (DMSO-d6) δ = O.87 (t, J=7.35 Hz, H3-18) 1.78-1.93 (m, H2-19) 4.12 (s, -OCH3) 5.35 (s, H2-5) 5.43 (s, H2-17) 6.54 (s, -OH) 7.84-8.00 (m, H-10; H-11) 8.11 (s, H-14) 8.68-8.73 (m, H-9; H-12) 9.21 (s, -CH=N).
7-(カルボキシジメチルメトキシ)イミノメチルカンプトテシンN-オキシド、7-(ヒドロキシメチルジメチルメトキシ)イミノメチルカンプトテシンN-オキシド。
【0112】
実施例8
7-p-ニトロベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン(CPT177)
7-ヒドロキシイミノメチルカンプトテシン(40mg、0.102mmol)および炭酸ナトリウム(10.9mg、0.102mmol)のエタノール懸濁液(4ml)に、4-ニトロベンジルブロマイド(22mg、0.102mmol)を添加し、混合液を2.5時間還流した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残存物をヘキサン/酢酸エチル3/7の混合液を希釈剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、10.5mgの7-p-ニトロベンジルオキシイミノメチルカンプトテシンを得た。収率20%。
【0113】
1H NMR (DMSO-d6) δ = 0.88 (t, J=7 Hz, H3-18) 1.80-1.92 (m, H2-19) 5.23 (s, CH2-O) 5.45(s, H2-5) 5.57 (s, H2-17) 6.55 (s, -OH) 7.35 (s, H-l4) 7.75-7.95 (m, 2Ar; H-10; H-11) 8.2-8.4 (m, 2Ar; H-12) 8.65 (dd, J=8.46 Hz; J=1.47 Hz, H-9) 9.50 (s, -CH=N).
【0114】
同じ方法に従い、以下の化合物を調製した。
7-p-メチルベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン(CPT178)、m.p.203℃dec.
7-ペンタフルオロベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン(CPT182)、m.p.200℃、dec.

Claims (17)

  1. 式(I)
    Figure 0004610743
    [式中、Rは-C(R)=N-O(n)であり、
    ここで、は、C-C直鎖もしくは分枝鎖アルキルまたは、C-C直鎖もしくは分枝鎖アルケニル基または、C-C10シクロアルキルまたは、(C-C10)シクロアルキル-(C-C)直鎖もしくは分枝鎖アルキル基または、C-C14アリールまたは(C-C14)アリール-(C-C)直鎖もしくは分枝鎖アルキル基または、複素環式または複素環-(C-C)直鎖もしくは分枝鎖アルキル基(該複素環式基は、(C-C)アルキル基で置換されていてよい窒素原子、および/または酸素および/または硫黄から成る群から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含み、該アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリール-アルキル、複素環式または複素環アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、ケト、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、フェニル、シアノ、ニトロおよび-NR(RおよびRは同一か、または異なっており、水素、または(C-C)直鎖もしくは分枝鎖アルキルである)から成る群から選択される1またはそれ以上の基で置換されていてよい)、または-COOH基、または-CONR基(RおよびRは同一か、または異なっており、水素、(C-C)直鎖もしくは分枝鎖アルキル、またはフェニルである)であるかあるいは、
    は、ハロゲン、ヒドロキシ、C-C直鎖もしくは分枝鎖アルキル、C-C直鎖もしくは分枝鎖アルコキシ、フェニル、シアノ、ニトロおよび-NR1011から成る群から選択される1またはそれ以上の基で置換されていてよい(C-C10)アロイルまたは(C-C10)アリールスルホニル基(R10およびR11は同一か、または異なっており、水素、または-Cの直鎖もしくは分枝鎖アルキルである)であるかあるい
    は式−(CH−NR12−(CH−NR13−(CH−NHのポリアミノアルキル基m、pは2-6の整数、qは0−6の整数、R12およびR13は、(C-C)直鎖もしくは分枝鎖アルキル基である)であるかあるいは、
    は、6−D−ガラクトシル、6−D−グルコシルおよびD−ガラクトピラノシルからなる群から選択され、ケタール基としてイソプロピリデンによって保護されていてもよいグリコシル基であり
    nは1であり
    は水素、C-C直鎖もしくは分枝鎖アルキル、C-C直鎖もしくは分枝鎖アルケニル、C-C10のシクロアルキル、(C-C10)シクロアルキル-(C-C)直鎖もしくは分枝鎖アルキル、C-C14アリール、または(C-C14)アリール-(C-C)直鎖もしくは分枝鎖アルキルであり
    およびRは同一か、または異なっており、水素、ヒドロキシ、またはC-C直鎖もしくは分枝鎖アルコキシである]の化合物、そのN-オキシド、そのシンもしくはアンチ異性体、その可能なエナンチオマー、ジアステレオ異性体、医薬上許容されるその塩、またはそれらの混合物。
  2. 7-メトキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-メトキシイミノメチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、
    7-(ter-ブトキシカルボニル-2-プロポキシ)イミノメチルカンプトテシン、
    7-エトキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-イソプロポキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-(2-メチルブトキシ)イミノメチルカンプトテシン、
    7-t-ブトキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-t-ブトキシイミノメチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、
    7-t-ブトキシイミノメチル-10-メトキシカンプトテシン、
    7-(4-ヒドロキシブトキシ)イミノメチルカンプトテシン、
    7-トリフェニルメトキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-カルボキシメトキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-(2-アミノ)エトキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-(2-N,N-ジメチルアミノ)エトキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-アリルオキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-シクロヘキシルオキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-シクロヘキシルメトキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-シクロオクチルオキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-シクロオクチルメトキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-ベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-[(1-ベンジルオキシイミノ)-2-フェニルエチル]カンプトテシン、
    7-(1-ベンジルオキシイミノ)エチルカンプトテシン、
    7-フェノキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-(1-t-ブトキシイミノ)エチルカンプトテシン、
    7-p-ニトロベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-p-メチルベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-ペンタフルオロベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-p-フェニルベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-[2-(2,4-ジフルオロフェニル)エトキシ]イミノメチルカンプトテシン、
    7-(4-t-ブチルベンジルオキシ)イミノメチルカンプトテシン、
    7-(1-アダマンチルオキシ)イミノメチルカンプトテシン、
    7-(1-アダマンチルメトキシ)イミノメチルカンプトテシン、
    7-(2-ナフチルオキシ)イミノメチルカンプトテシン、
    7-(9-アントリルメトキシ)イミノメチルカンプトテシン、
    7-オキシラニルメトキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-(6-ウラシル)メトキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-[2-(1-ウラシル)エトキシ]イミノメチルカンプトテシン、
    7-(4-ピリジル)メトキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-(2-チエニル)メトキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-[(N-メチル)-4-ピペリジニル]メトキシイミノメチルカンプトテシン、
    7-[2-(4-モルホリニル)エトキシ]イミノメチルカンプトテシン、
    7-(ベンゾイルオキシイミノメチル)カンプトテシン、
    7-[(1-ヒドロキシイミノ)-2-フェニルエチル]カンプトテシン、
    7-ter-ブチルオキシイミノメチルカンプトテシンN-オキシド、
    7-メトキシイミノメチルカンプトテシンN-オキシドから成る群から選択される請求項1記載の化合物。
  3. 7-[N-(4-アミノブチル)-2-アミノエトキシ]イミノメチルカンプトテシン、
    7-[N-[N-(3-アミノ-1-プロピル)-4-アミノ-1-ブチル]-3-アミノ-プロピルオキシ)イミノメチル-カンプトテシンから成る群から選択される請求項1記載の化合物。
  4. 7-(1,2:3,4-ジ-O-イソプロピリデン-D-ガラクトピラノシルオキシ)イミノメチルカンプトテシン、
    7-(6-D-ガラクトシルオキシ)イミノメチルカンプトテシン、
    7-(6-D-グルコシルオキシ)イミノメチルカンプトテシンから成る群から選択される請求項1記載の化合物。
  5. 7-(t-ブトキシ)イミノメチルカンプトテシンである請求項記載の化合物。
  6. 7-ベンジルオキシイミノメチルカンプトテシンである請求項記載の化合物。
  7. 請求項1の化合物(nは1であり、および、Rはアロイルおよびアリールスルホニル以外の、前に定義したものである)の調製法であって、式(Ia)
    Figure 0004610743
    (式中、Rは基-C(R)=Oであり、および、Rは式(I)に関して定義したものであり、RおよびRは式(I)に関して定義したものである) の化合物の、式(IIa)RO-NH(Rは前記のものである)の化合物との、式(I)の化合物(Rは基-C(R)=N-ORであり、Rはアロイルおよびアリールスルホニル以外の、式(I)に定義したものである)を生じる反応を含む方法。
  8. 式(Ia)の化合物と式(IIa)の化合物の間のモル比が1:3から3:1の間である請求項記載の方法。
  9. 請求項1の化合物(nは1であり、およびRは、アロイルおよびアリールスルホニル以外の、前記のものである)の調製法であって、式(Ia)
    Figure 0004610743
    (式中、Rは基-C(R)=N-OHであり、およびRは式(I)に関して定義したものであり、RおよびRは式(I)に定義したものである)の化合物の、ハロゲン化物R-X(Xはハロゲンであり、および、Rは前で定義したものである)との、式(I)の化合物(Rは基-C(R)=N-であり、Rはアロイルおよびアリールスルホニル以外の、式(I)に関して定義したものである)を生じる反応を含む方法。
  10. 請求項1の化合物(nは1であり、およびRはアロイルまたはアリールスルホニルである)の調製法であって、式(Ia)
    Figure 0004610743
    (式中、Rは基-C(R)=N-OHであり、および、Rは式(I)に関して定義したものであり、RおよびRは式(I)に関して定義したものである)の化合物の、アシルクロライドR-COCl(Rは前記のアロイルまたはアリールスルホニルである)との、式(I)の化合物(Rは基-C(R)=N-OR(Rはアロイルまたはアリールスルホニルである)である)を生じる反応を含む方法。
  11. 求項1-のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成物
  12. 請求項1-の化合物の少なくとも一つの治療有効量を医薬上許容されるビヒクルおよび賦形剤と混合して含む医薬組成物。
  13. 請求項1-の化合物の少なくとも一つの治療有効量を、医薬上許容されるビヒクルおよび賦形剤と混合して含み、他の活性成分を組み合わせて含んでいてもよい医薬組成物。
  14. 他の活性成分が抗腫瘍剤である請求項13記載の医薬組成物。
  15. 腫瘍の治療のための、請求項1-のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成物。
  16. 請求項10の方法における中間体としての、式(Ia);
    Figure 0004610743
    [式中、Rは基-C(R)=N-OR であり(Rは水素であり、Rは式(I)に関して定義したものである);
    およびRは同一か、または異なっており、水素、ヒドロキシ、またはC-C直鎖もしくは分枝鎖アルコキシである]の化合物の使用。
  17. 請求項の方法における中間体としての、式(Ia)
    Figure 0004610743
    (式中、Rは基-C(R)=Oであり、および、Rは式(I)に関して定義したものであり、RおよびRは式(I)に関して定義したものである)の化合物の使用。
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