JP4593697B2 - リパーゼおよびプロテアーゼ含有消化酵素混合物の水溶性医薬製剤中の安定化添加物、該添加物を含有する製剤および消化酵素混合物を製造するためのキット - Google Patents
リパーゼおよびプロテアーゼ含有消化酵素混合物の水溶性医薬製剤中の安定化添加物、該添加物を含有する製剤および消化酵素混合物を製造するためのキット Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロテアーゼ/リパーゼ混合物、殊にパンクレアチンを含有しかつゾンデを用いて胃腸域中へ連続的に導入するための水溶液の製造に適当である、水分の作用下での脂肪分解活性の減少に対し安定化する、消化酵素混合物の水溶性医薬製剤に対する添加物としての複合脂質の使用に関する。さらに、本発明はリパーゼおよびプロテアーゼ含有消化酵素混合物、殊に複合脂質により水分の作用下での脂肪分解活性の減少に対し安定化されかつゾンデを用い哺乳動物またはヒトの胃腸域中へ導入しうる水溶液の製造のために適当であるパンクレアチン含有消化酵素混合物の水溶性医薬製剤に関する。
【0002】
哺乳動物、殊にヒトにおいては、たとえば慢性の膵炎、胃手術後の消化不全、肝臓または胆嚢疾患に基づく膵臓の病的変化によって惹起される消化酵素の欠乏が出現しうる。このような欠乏症状は、場合によりなおリパーゼ添加物を含有しうる、たとえば膵液酵素、殊にパンクレアチンのような非生体特有のパンクレアチン含有消化酵素混合物の投与により治療することができることは既に公知である。膵液酵素は、通常固体製剤の形で経口投与される。経口服用の場合投与された酵素混合物が好ましくないことに既に胃中でそこに存在する胃酸およびペプシンのような蛋白質分解酵素により不可逆的に変質されないようにするために、酵素混合物に胃液抵抗性被覆を設けることが必要である。このような被覆は酵素混合物が完全な状態で胃を通過してその作用箇所、十二指腸に到達するのを可能にし、十二指腸でそこを支配する中性ないし微アルカリ性条件により保護層が崩壊して酵素が放出される。健康な人の生体に特有な膵液酵素のように、経口的に供給された酵素はそこでその酵素作用、殊にデンプン加水分解活性、脂肪分解活性ならびに蛋白質分解活性を発揮する。
【0003】
マイクロペレットの形の胃液抵抗性薄膜で被覆可能なかかる固体パンクレアチン製剤は、たとえばドイツ国特許(DOS)4227385.4号に記載されている。
【0004】
消化不全を有する患者、たとえば慢性の膵臓不全のような長期に持続する消化不全を有する寝たきりの患者に対しては、固体投与形の代わりに、たとえばゾンデを用いる連続的適用による、液状での長期にわたる非生体固有の消化酵素の投与が望ましい。
【0005】
パンクレアチン含有消化酵素混合物、殊にパンクレアチンの液状投与形はこれまで利用することができなかった、それというのもこのような酵素混合物の液状水性製剤は長期にわたり安定でないからである。殊に、水の存在におけるトリプシンまたはキモトリプシンのような同様に混合物中に含有されているプロテアーゼの蛋白質分解作用により、混合物中に含有されているリパーゼの活性は迅速に減少することが明らかになる。それで、外部条件(温度、pH値)により水性パンクレアチン製剤中で、短時間内にリパーゼ活性の著しい損失が生じうる。
【0006】
ゾンデを用いる適用により胃腸域中への連続的導入のために適当であるためには、リパーゼおよびプロテアーゼ含有消化酵素混合物、殊にパンクレアチン含有消化酵素混合物の水溶液は、多くの時間、たとえば8時間の期間にわたり安定でなければならない。殊に、溶液中にゾンデを閉塞する粒子が生じるかまたは含有されていてはならない。このような溶液に対する主な要求は、その中に含有されている全消化酵素のできるだけ高くかつ一様な活性が全投与期間にわたって維持されていることである。さらに、連続的胃腸適用のために適当な溶液には、この溶液が細菌増殖を有せず、従ってたとえば細菌増殖に対し保護する、とくに滅菌することができることが必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、水性媒体に溶解して長期にわたって安定である、水分の作用下での脂肪分解活性の損失に対して安定化された、リパーゼおよびプロテアーゼ含有水溶性の消化酵素混合物の医薬製剤を提供することであった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の対象は、ゾンデを用い胃腸域中へ連続的に導入するための水溶液の製造に適当である、リパーゼおよびプロテアーゼ含有消化酵素混合物、殊にパンクレアチン含有消化酵素混合物の水溶性医薬製剤における、水分の作用下での脂肪分解活性の減少に対する安定化添加物としての複合脂質の使用である。さらに、本発明の対象は、消化酵素混合物のこのように安定化された水溶性医薬製剤である。同様に、本発明の対象は、連続的ゾンデ適用に適当な消化酵素の水溶液を製造するためのキットである。
【0009】
本発明により安定化添加物として適当な複合脂質は、通例アセトンに不溶である。それには殊に、リン含有および炭水化物不含のリン脂質ならびに炭水化物含有およびリン不含の糖脂質およびその混合物が数えられる。有利には、リン脂質だけまたはリン脂質および糖脂質含有混合物が使用される。
【0010】
本発明によりリパーゼおよびプロテアーゼ含有消化酵素混合物、殊にパンクレアチン含有消化酵素混合物に対する安定化添加剤として使用することのできるリン脂質としては、一般式I
【0011】
【化2】
【0012】
[式中
R1は水素またはその炭化水素基が場合により1〜4個の二重結合を含有しうる、10〜25個の炭素原子を有するアルカノイル基を表わし、
R2は水素またはその炭化水素基が場合により1〜4個の二重結合を含有しうる、10〜25個の炭素原子を有するアルカノイル基を表わすか、またはR1が水素を表さない場合には水素を表わすこともでき、
R3は水素、アミノ、低級トリアルキルアンモニウム、アミノ官能基を有する炭素原子に結合したカルボキシル基またはヒドロキシにより置換されたシクロアルキル基によって置換されていてもよい低級アルキル基を表わし、
R4は水素または場合により1〜4個の二重結合を含有しうる、10〜25個の炭素原子を有する炭化水素鎖を表わし、
Aは酸素またはNHを表わす]のアニオンの、生理的に認容性のカチオンとの塩が適当である。
【0013】
生理的に認容性の陽イオンとしては、アンモニウムイオン、アルカリ−またはアルカリ土類金属陽イオン、とくにナトリウム、カリウムまたはカルシウムならびに他の生理的に認容性の1価または多価の陽イオンが適当である。R3が窒素原子を含有する限り、この窒素原子は第四級アンモニウムイオンを形成することができ、該アンモニウムイオンは同様に陽イオンとして役立ち得るので、外方へ無荷電の分子内塩が形成される。
【0014】
式Iの化合物中の基R1および/またはR2がアルカノイル基を表わす限り、このアルカノイル基は直鎖または枝分かれしていてもよく、通例枝分かれしていないでかつ10〜25個、とくに16〜20個の炭素原子を有する。場合によりアルカノイル基は4個までの二重結合を有する。アルカノイル基としては、殊にネルボン酸、リグノセリン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸またはアラキドン酸のような長鎖脂肪酸の基が存在しうる。
【0015】
置換基R3が低級アルキル基を表わすかまた含有する限り、該アルキル基は直鎖または枝分かれしていてもよく、殊に1〜4個、好ましくは1〜2個の炭素原子を含有することができる。R3がヒドロキシにより置換されたシクロアルキル基を表わす限り、このシクロアルキル基は3〜6個の炭素原子を含有しかつヒドロキシにより1回または数回置換されていてもよい。好ましくは、シクロアルキル基は、それぞれヒドロキシにより置換されていてもよい5〜6個の炭素原子を含有する。
【0016】
基R3Oが好ましくはヒドロキシを表わすかまたは一価または多価アルコールをリン酸塩基でエステル化することによって生じたアルコキシ基を表わし、その際1価または多価アルコールはアミノエタノール、コリン、セリン、グリセリンおよびミオ(Myo)−イノシトールからなる群から選択されている。
【0017】
基R4が炭化水素鎖を表わす限り、この炭化水素鎖は直鎖または枝分かれしていてもよく、通例枝分かれしていないでかつ10〜25個、好ましくは12〜20個、殊に好ましくは15個の炭素原子を含有する。場合により、炭化水素鎖は4個まで、好ましくは2個、殊に好ましくは1個の二重結合を含有しうる。
【0018】
基Aは酸素またはNH基を表わすことができる。
【0019】
好ましくは、リン脂質としてホスファチジン酸(1,2−ジアシル−sn−グリセロール−3−リン酸)、ホスファチジルコリン(1,2−ジアシル−sn−グリセロール−3−ホスホリルコリン)、ホスファチジルエタノールアミン(1,2−ジアシル−sn−グリセロール−3−ホスホリルエタノールアミン)、ホスファチジルセリン(1,2−ジアシル−sn−グリセロール−3−ホスホリルセリン)およびホスファチジルイノシット(1,2−ジアシル−Sn−グリセロール−ホスホリルイノシット)が挙げられ、リン脂質がたとえば鶏卵のような動物起源からの物である場合には、スフィンゴミエリン、ならびにこれら化合物の混合物も挙げられる。上述の1,2−ジアシルリン脂質は、特定の条件下、たとえばホスホリパーゼの酵素作用下に部分的に加水分解することができる。その際、ホスホリパーゼの性質により、基R1、R2、R3または1,2−ジアシルリン脂質の[R3OPO2]−も水素により置換することができる。リン脂質分子につき上記分子残基の少なくとも1つを加水分解する場合、いわゆるリゾ(Lyso)リン脂質、殊にリゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルイノシット、リゾホスファチジルセリンおよびリゾホスファチジン酸が生じる。これらのリン脂質も、本発明の意味でのリパーゼおよびプロテアーゼ含有消化酵素混合物、殊にパンクレアチン含有消化酵素混合物に対する安定化添加物として適当である。
【0020】
糖脂質としては、就中植物中に出現する、一般式II
【0021】
【化3】
【0022】
[式中
R5およびR6は互いに独立にその都度、炭化水素基が場合により1〜4個の二重結合を含有しうる、10〜25個の炭素原子を有するアルカノイル基または水素を表わし、その際R5およびR6は同時に水素を表わすことはできず、かつ
R7はその糖構成要素がD−フルクトシル、D−ガラクトシル、D−グルコシルおよびD−マンノシルからなる群から選択されている単糖または二糖残基を表わす]のいわゆる植物糖脂質(Phytoglycolipide)ならびにその混合物を使用することができる。
【0023】
式IIの化合物中R5およびR6がアルカノイル基を表わす限り、このアルカノイル基は枝分かれしているかまたは枝分かれしておらず、通例枝分かれしておらずかつ10〜25個、とくに16〜20個の炭素原子を含有する。場合により、アルカノイル基は4個までの二重結合を含有しうる。アルカノイル基としては殊に、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸またはアラキン酸のような長鎖脂肪酸の基が挙げられる。
【0024】
基R7は、糖分子D−ガラクトース、D−グルコース、D−マンノースまたはD−フルクトースから構成されていてもよい単糖または二糖残基を表わす。とくに好ましくは、R7はD−ガラクトース(これはモノガラクトシル−ジグリセリド、MGDGである)またはジガラクトース(これはジガラクトシル−ジグリセリド、DGDG;1,2−ジアシル−[α−D−ガラクトシル−(1→6)−β−D−ガラクトシル−(1→3)]−sn−グリセリンである)の意味を有する。
【0025】
一般式Iのリン脂質および一般式IIの糖脂質は、グリセリン母体の中央の炭素原子にその都度1個のキラリテー中心を有し、R配置またはS配置であってもよい。本発明の目的には、式Iおよび/または式IIの化合物の個々の立体異性体形ならびに相応する混合物を使用することができる。
【0026】
リパーゼおよびプロテアーゼ含有消化酵素混合物、殊にパンクレアチン含有消化酵素混合物の医薬製剤の本発明による安定化には、天産物から製出することができるような、種々のリン脂質および場合により種々の糖脂質の混合物である脂質混合物が有利であることが判明した。かかる天然の脂質混合物の好ましい例として、レシチンが挙げられる。かかる天然のレシチンの産出源は殊に、大豆、ヒマワリ、菜種、トウモロコシまたは落花生のような植物ならびに卵黄または脳物質のような動物または動物生産物、また微生物であってもよい。天然産レシチンは、種々の供給者から一般に市場で購入しうる。
【0027】
植物性レシチンのうち、殊に大豆レシチン、殊にたとえば約98%のリン脂質含量を有する大豆レシチンのようなリン脂質濃縮大豆レシチンが本発明の目的に適当である。未処理の濃縮されていない植物レシチンは、通例植物糖脂質の特定分量を含有する。天然産レシチンは、種々のリン脂質の混合物であり、植物原産の場合には糖脂質も存在し、その組成は単一でなく、その出所に依存して変動しうる。それで、上記に記述した成分のほかに、なお他のリン脂質が二次的量で含有されていてもよい。第1表は、幾つかの未処理で濃縮されていない市販の天然産レシチンの平均的組成を例示するのに役立つ。
【0028】
【表1】
【0029】
本発明により安定化された医薬製剤は、とくにパンクレアチン含有消化酵素混合物を含有する。
【0030】
本発明の範囲内でパンクレアチンは、哺乳動物膵臓から単離されたパンクレアチンを表わし、その活性プロテアーゼ含量は場合によりその中に本来含有されているプロテアーゼ−チモーゲンの自己分解的分解によって増加した。
【0031】
好ましくは、本発明により安定化された医薬製剤中のパンクレアチン含有消化酵素混合物は、哺乳動物の膵臓から製出された、種々の消化酵素の混合物であるパンクレアチン、ことにブタパンクレアチンであってもよい。ヒト栄養物の消化助剤として適当な哺乳動物パンクレアチン、殊にブタ膵臓からのパンクレアチンは、人間の要求に対しリパーゼを必ずしも十分な量含有していない。従って、かかるパンクレアチン製剤に付加的に、たとえば微生物から製出されたリパーゼを添加することができる。このように得られたパンクレアチン/リパーゼの混合物も適当な酵素混合物である。
【0032】
哺乳動物から単離されたパンクレアチン中には、パンクレアチンが他の前処理を受けていなかった場合、プロテアーゼが普通、大部分蛋白質加水分解不活性の前駆物質チモーゲンの形で存在する。従って、医薬の目的には自体公知の方法で膵臓から適当な沈殿法によって得られた粗製パンクレアチンに、なお加水分解処理(自己分解)を行うのが有利でありうる。この処理において、チモーゲンは活性プロテアーゼに変わる。この自己分解的前処理をされたパンクレアチン(下記にF−パンクレアチンと略記)中には、殊に高含量の活性プロテアーゼが存在するので、これらのF−パンクレアチンは脂肪分解活性に関し危険にさらされている。本発明による複合脂質の使用は、F−パンクレアチン含有医薬製剤中の脂肪分解活性の安定化のために殊に好適である。その際、リパーゼ活性の安定化は混合物中に含有されている活性プロテアーゼの失活によって行われ、従ってこのように安定化された酵素混合物がデンプン分解活性および脂肪分解活性、ならびに蛋白質分解活性を有することは驚異的である。
【0033】
本発明により保護すべき医薬製剤中のパンクレアチン含有消化酵素混合物は、パンクレアチンの他に付加的に、植物または微生物中に含有されているようなリパーゼを含有しうる。微生物からのリパーゼは、細菌またはたとえば菌株リゾプス(Rhizopus属)のカビ菌のような糸状菌培養から製出されるようなものであってもよい。
【0034】
付加的プロテアーゼ成分として、本発明により保護すべき医薬製剤中のパンクレアチン含有消化酵素混合物は、なお他の動物および植物プロテアーゼならびに殊に微生物たとえば細菌またはたとえば菌株アスペルギルス(Aspergillus属)のカビ菌のような糸状菌培養から製出しうるプロテアーゼを添加することができる。
【0035】
パンクレアチン不含消化酵素混合物は、リパーゼとして植物または微生物組織からのリパーゼを含有しうる。微生物組織からのリパーゼは、細菌またはたとえばリゾプス(Rhizopus属)のカビ菌のような糸状菌培養から製出されるようなものであってもよい。パンクレアチン不含の消化酵素混合物中に含有されるプロテアーゼとしては、動物または植物プロテアーゼ、ならびに殊に微生物、たとえば細菌またはたとえば菌株アスペルギルス(Aspergillus属)のカビ菌のような糸状菌培養から製出しうるプロテアーゼが挙げられる。
【0036】
本発明による医薬組成物は、消化酵素混合物および複合脂質の他に、付加的に水溶性の製薬上の助剤および/または添加剤を含有しうる。たとえば、炭水化物、たとえばマンニットのような担体物質、または可溶性タンパク質ならびに防腐剤が含有されていてもよい。
【0037】
本発明の意味でのパンクレアチン含有消化酵素混合物の医薬製剤は、パンクレアチン、殊にF−パンクレアチンの他に、複合脂質を水分の作用下での脂肪分解活性の安定化のために十分な量でかつ場合により付加的に自体公知の水溶性助剤および/または添加剤を含有する水溶性粉末であってもよい。
【0038】
水溶性粉末製造のために、酵素混合物から水不溶性成分を十分に除去することができる。この目的のために、F−パンクレアチンの水性製剤を、固体分離のための自体公知の適当な方法により、たとえば遠心分離または濾過により不溶性固体を除去し、得られる溶液を、場合により他の助剤および/または添加剤の添加後に、自体公知の方法により、たとえば滅菌濾過によって滅菌することができる。引き続き、得られる澄明な場合により無菌溶液の内容物は、自体公知の乾燥方法により、たとえば凍結乾燥により再び固体として得ることができる。このように得られた製剤は、たとえばゾンデにより連続的かつ一様に患者の胃腸に適用するのに適当な、たとえば8時間までの多くの時間にわたり安定な、場合により細菌増殖を有しない溶液の製造のために適当である。
【0039】
連続的適用とは、本発明による医薬製剤を含有する場合により無菌水溶液を、約1時間から多くの時間、たとえば8時間までの期間にわたり、ほぼ夜通し大体において間断なく投与することを表わす。溶液の連続的適用は有利に消化管中、たとえば胃または小腸中に挿入されたゾンデにより行うことができる。
【0040】
レシチン添加の有効性は、酵素混合物中のリパーゼ/プロテアーゼの相対的割合とは十分に独立である。たとえば、リパーゼ/全プロテアーゼの比−“Federation Internationale Pharmaceutique”(下記にFIPと略記)の規定により確かめられたその都度の活性の比(R.RuyssenおよびA.Lauwers、Pharmaceutical Enzymes、Scientific Publishing Company、Gent 1978年、74〜82ページ参照、下記に“Lauwers”と引用)で測定され、下記に相対的活性単位(FIP−E/gと略記)で記載される−が約5:1〜約30:1でありうる酵素混合物が適当である。
【0041】
原則的に、リパーゼおよびプロテアーゼ含有消化酵素混合物、殊にパンクレアチン含有消化酵素混合物の医薬製剤に対する複合脂質の本発明による添加は、水分の作用下での脂肪分解活性の減少に対する安定化を惹起する。水分とは大体において、消化酵素混合物粉末の非常に僅かな水分含量からこの粉末の水性製剤にまで達しうる水性液体を表わす。
【0042】
本発明による複合脂質の添加は、医薬製剤中に使用されたパンクレアチン含有消化酵素混合物の製造および加工の際既に、たとえば酵素混合物の湿潤処理のようなリパーゼの失活が起こりうる、製造または製出方法のかかる工程の間脂肪分解活性の安定化のために有利であることが判明した。
【0043】
消化酵素混合物を含有する医薬製剤の水溶液中の、添加された複合脂質、殊にレシチンの安定化作用は、就中製剤中の支配的pH値に依存する。本発明により、pH3.5〜9.0の範囲内、好ましくはpH4.0〜7.0の範囲内、とくに好ましくはpH5.0〜6.5の範囲内のpH値が有利であることが判明した。
【0044】
消化酵素混合物の水溶性医薬製剤中およびこの製剤から製造しうるゾンデ適用のための水溶液における脂肪分解活性の顕著な安定化を得るためには、特定の最低量の複合脂質を添加することが必要である。普通に、本発明による製剤中に使用される消化酵素混合物は、哺乳動物膵臓分泌液からのリパーゼのみを含有する場合たとえば2000〜200000FIP−E/gおよび微生物からのリパーゼを単独かまたは膵臓からのリパーゼと組合わせて含有する場合2000〜500000FIP−E/gの活性単位で表わされるリパーゼ含量を有することができる。固体パンクレアチン含有消化酵素混合物の使用量に対して複合脂質少なくとも1重量%の量、たとえば1〜10重量%の量が、顕著な安定化を得るのに適当である。これより大量の複合脂質の添加は同様に可能であるが、もはや脂肪分解活性安定化の重要な改善を惹起しない。それでたとえば、パンクレアチンまたはパンクレアチンおよび付加的リパーゼを含有する混合物を複合脂質、殊にレシチンで安定化するためには、レシチン少なくとも1重量%、好ましくは2〜5重量%、殊に好ましくは約3重量%の添加が適当である。
【0045】
複合脂質の本発明による使用により、パンクレアチン含有消化酵素混合物の医薬製剤」から製造しうる、脂肪分解活性の急速に減少する傾向のある水溶液を、混合物中に含有されているリパーゼの脂肪分解活性が長期間にわたり殆ど減少しないように安定化することができる。それで、レシチン添加により安定化されたF−パンクレアチンの水溶液は室温において8時間の温置時間後、もとの原活性の85%の脂肪分解残留活性を有する。複合脂質により安定化されたF−パンクレアチン水溶液中で、24時間の温置時間後でさえなお脂肪分解原活性の50%を証明できる。それに反して、安定化されていない比較溶液中では同一条件下で脂肪分解活性は、8時間後に原活性の20%以下に低下した。
【0046】
リパーゼおよびプロテアーゼ含有消化酵素混合物の水溶性医薬製剤の、本発明による水性媒体中での脂肪分解活性の減少に対する安定化は、患者にこのような消化酵素混合物を水溶液の形で連続的に胃腸域中へ供給する可能性を開示する。
もちろん、このために使用される水溶液は細菌増殖を有せず、とくにむしろ無菌であるべきである。細菌増殖を有しない溶液はたとえば、防腐剤の添加により自己増殖可能な細菌の増殖が阻止された溶液であってもよい。
【0047】
本発明により、ゾンデにより胃腸域中へ連続的に導入するのに適当な、脂肪分解活性の減少に対して安定化された消化酵素混合物の細菌増殖を有しない水溶液を製造するためのキットが提供され、該キットは成分として:
a)場合により製造すべき水溶液の脂肪分解活性の減少に対する安定化のために十分な量の複合脂質を含有しうる、リパーゼおよびプロテアーゼ含有消化酵素混合物の水溶性固体の細菌増殖を有しない医薬製剤、および
b)水の他に生理的に認容性の塩および助剤を含有することができかつa)に挙げた固体医薬製剤中に、製造すべき水溶液の脂肪分解活性の減少に対する安定化のために十分な量の複合脂質が含有されていない場合、付加的に製造すべき水溶液の脂肪分解活性の減少に対する安定化のために十分な量の複合脂質を含有する、水溶液の製造のために十分な量の細菌増殖を有しない水性溶剤
を含有することを特徴とする。
【0048】
殊に、キット中に使用される固体製剤a)は、場合により複合脂質を含有する、凍結乾燥したリパーゼおよびプロテアーゼ含有消化酵素混合物であってもよい。好ましくは、消化酵素混合物はパンクレアチン含有消化酵素混合物である。
【0049】
細菌増殖を有しない水溶液は、自体公知の防腐剤、たとえばパラベン(Parabene)の添加によって得ることができる。同様に細菌増殖を有しない溶液である無菌溶液は、自体公知の滅菌法、たとえば滅菌濾過によって得ることができる。
【0050】
キット中に含有されている脂質は、とくに消化酵素混合物(成分a))中に既に含有されている添加物として存在しうる。複合脂質を既に含有する、消化酵素混合物の粉末を製造するためにはたとえば、場合により細菌増殖を有しない複合脂質の溶液を、場合により細菌増殖を有しない消化酵素混合物の溶液と混合し、引き続き自体公知の方法、たとえば凍結乾燥により乾燥することができる。これからゾンデにより適用しうる溶液を得るためには、複合脂質ならびに消化酵素混合物を含有する粉末を、同様にキット中に含有されている溶剤と、細菌の少ない条件または無菌条件下に混合しなければならない。しかし複合脂質は既に溶剤(成分b))中に、たとえばコロイドとして溶解して存在していてもよい。ゾンデにより適用しうる溶液を得るためには、この場合に複合脂質を含有する水溶液またはコロイドを、場合により無菌条件下に消化酵素混合物(成分a))と混合しなければならない。
【0051】
【実施例】
1.大豆レシチンによるパンクレアチン水溶液の脂肪分解活性の安定化
水性パンクレアチン製剤中での複合脂質添加の有無による、脂肪分解活性の異なる変化を測定するために、相応する試料を準備し、30℃で温置した。温置試料から、リパーゼ活性の時間による変化を、“Federation Internationale Pharmaceutique/European Pharmacopeia”(下記にFIP/Ph.Eur.と略記、Lauwers、74〜82ページ参照)の方法により測定した。この標準測定法においては、リパーゼ活性を調べるべき試料を加水分解条件下にオリーブ油トリグリセリドに作用させ、遊離するカルボン酸を水酸化ナトリウムでpH値9に滴定した。その際試料のリパーゼ活性は、試料がオリーブ油エマルションを加水分解する速度と、膵臓参照粉末の懸濁液が同じ基質を同じ条件下に加水分解する速度との比較により測定される。
【0052】
1.1レシチン添加なしのリパーゼ安定性の試験
50473FIP−E/gの脂肪分解活性を有する、水溶性の凍結乾燥したF−パンクレアチン79.35mgを、氷冷した最純水(Barnstead社のNanopur(R))4.0mlに溶解し、pH値を1N HClで6.2に調節し、バッチを引き続き最純水で5.0mlにした。このバッチから直ちに脂肪分解原活性を測定するための試料(“Null−Minuten−probe”)を取り出した。残留バッチを水浴中30℃で温置した。試料採取のため、バッチを十分に混合し、試料を適当なピペットを用いて取り出し、直ちに氷冷リパーゼ溶剤で希釈して、リパーゼ測定のために8〜16FIP−Eの脂肪分解活性を有する0.5mlと1.5mlの間の試験溶液が使用できるようにした。リパーゼ溶剤としては、FIP/Ph.Eur.に従い最純水900ml中のNaCl 10.0g、トリス−(ヒドロキシメチル)−アミノメタン(下記に“トリス(TRIS)”と略記)6.06gおよび無水マレイン酸4.9gの溶液を使用し、そのpH値を4Nのカセイソーダ溶液でpH7に調節し、該溶液を最純水で1000mlにした。
【0053】
リパーゼ活性の時間的経過を確かめるために、15分、30分、60分、120分および180分後にサーモスタットを備えるバッチからさらに試料を取り出し、該試料中でその都度30分以内にリパーゼ活性をFIP/Ph.Eur.(Lauwers、78ページ)の方法により測定した。
【0054】
“零分試料(Null−Minuten−Probe)”中で確かめられた、FIP−E/ml単位でのリパーゼ活性を100%値とし、他の温置時間の間に測定された活性値をこの値に対するパーセントにする。結果は第2表に記載されている。
【0055】
1.2.レシチン添加でのリパーゼ安定性の試験
レシチン溶液の製造のために、大豆レシチン(Roth社のリン脂質含量約98%)100mgを室温で少量の最純水でこね、ついで20.0mlにした。混合物を撹拌下に約2分間、均質のコロイド状溶液が達成されるまで超音波で照射する。次に、54694FIP−E/gの脂肪分解活性を有する水溶性の凍結乾燥したF−パンクレアチン80.0mgを最純水4.0mlに溶解し、溶液中のpH値を1N HClで6.2に調節した。レシチン溶液(レシチン2.5%、使用したF−パンクレアチン粉末に対して)0.4mlを添加し、バッチを十分な混合下に氷冷最純水で5.0mlにした。
【0056】
試料採取およびその都度の温置時間に対する脂肪分解活性の測定は、1.1.に記載したように行った。結果は第2表に記載されている。
【0057】
第2表: レシチン添加を有するかまたは有しないパンクレアチン水溶液中の脂肪分解活性の変化
【0058】
【表2】
【0059】
2.8時間の期間にわたる水性パンクレアチン製剤の脂肪分解活性の安定化
水性パンクレアチン製剤中に、温度、pH値および含有されているプロテアーゼのタンパク質分解活性のような種々のファクターに依存して脂肪分解活性に損失が生じる。レシチンのような複合脂質の添加によって、リパーゼ活性は25℃で8時間にわたる温置の間明瞭に安定化することができる。従って、次の実験において、8時間の間、その都度複合脂質の添加を有するかまたは有しないF−パンクレアチンの水性懸濁液および水溶液中での脂肪分解活性を比較した。
【0060】
2.1 温置バッチの製造
比較のため、その都度レシチン添加を有するかまたは有しない、F−パンクレアチンからの澄明なパンクレアチン溶液およびパンクレアチン懸濁液を試験した。
【0061】
次の水性製剤を製造した:
a)レシチンを有しないパンクレアチン溶液
凍結乾燥した水溶性のF−パンクレアチン粉末77.5mgを、1.1に記載したように氷冷最純水に溶解し、その際pH値を1N HClで6.2に調節した。
【0062】
b)レシチンを有するパンクレアチン溶液
凍結乾燥した水溶性のF−パンクレアチン粉末81.0mgに、1.2に記載したようにpH値を6.2に調節した後レシチン溶液0.94mlを加え、氷冷最純水で5.0mlにした。
【0063】
c)レシチンを有しないパンクレアチン懸濁液
F−パンクレアチン2.0gを、氷冷最純水100ml中で30分間撹拌した。混濁した懸濁液が得られた。
【0064】
d)レシチンを有するパンクレアチン懸濁液
F−パンクレアチン2.0gに大豆レシチン100mg(Roth社)を加え、氷冷最純水100ml中で30分間撹拌した。混濁した懸濁液が得られた。
【0065】
2.2 実験の実施
2.1で製造した氷冷溶液ないしは懸濁液から、その製造後直ちに脂肪分解原活性を測定するための試料を取り出した(“Null−Minuten−Probe”)。それから、バッチの残分を試験管中で8時間25℃で温置した。この時間の間、さらに試料を30分後に取り出し、引き続き1時間ごとに取り出した。試料採取、希釈およびリパーゼ活性の測定は、原則的に1.1に記載したように行ったが、実験温度は上記の指示とは異なり25℃であった。
【0066】
温置バッチの“零分試料”のリパーゼ活性(FIP−E/mlで記載)を100%値とし、さらに温置時間の間に測定された活性値をこの値に対するパーセントにする。結果は下記の第3表および第4表に示されている。
【0067】
第3表:レシチン添加を有するか有しないパンクレアチン溶液中での8時間にわたるリパーゼ安定性の経過
【0068】
【表3】
【0069】
第4表:レシチン添加を有するか有しないパンクレアチン懸濁液中での8時間にわたるリパーゼ安定性の経過
【0070】
【表4】
【0071】
3.複合脂質の添加による微生物プロテアーゼに対する微生物リパーゼの安定化
次の実験において、活性微生物プロテアーゼの存在における微生物リパーゼの活性も複合脂質の添加により安定化することができることを示した。このため、微生物リパーゼ、微生物リパーゼ+微生物プロテアーゼならびにレシチン添加を有する微生物リパーゼ+微生物プロテアーゼを含有する3つの試験溶液を製造した。引き続き、これらの試験溶液中での脂肪分解活性を測定し、表により互いに対比した。
【0072】
3.1 試験溶液の準備
次の溶液を製造した:
a)リパーゼ溶液
170000FIP−E/gの活性を有する リゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae)のリパーゼ(Lipase 7−AP 15、Amano Pharmaceutical Co.,LTD 名古屋、日本)245mgを、1%の氷冷塩化ナトリウム溶液50mlに溶解した。
【0073】
b)プロテアーゼ溶液
7600FIP−E/gの活性を有するアスペルギルス・プロテアーゼ(Aspergillus−Protease)(Prozyme 6;Amano Pharmaceutical Co.,LTD 名古屋、日本)390mgを、1%の氷冷塩化ナトリウム溶液25mlに溶解した。
【0074】
c)レシチン溶液
レシチン(Roth社のSoja−Reinlecithin、リン脂質含量約98%)1gを、最純水(Barnstead社の“Nanopure(R)”)40mlにとり、振り混ぜながら約2分間超音波を用いて溶解してコロイドにした。
【0075】
これらの溶液から、氷浴中で次の全体積5mlの温置溶液を製造した:
第5表: リゾプス(Rhizopus)−リパーゼ活性を測定するための温置溶液
【0076】
【表5】
【0077】
すべての温置溶液のpH値は、製造後37℃で6.5であった。
【0078】
3.2 実験の実施
氷冷した温置溶液I、IIおよびIIIから、その製造後直ちに原活性を測定するための試料(“Null Minuten−Probe”)を取り出し、3つのバッチの残分を試験管中で水浴中37℃で温置した。
【0079】
試料採取のために、バッチを十分に混合し、試料を適当なピペットで取り出し、直ちに氷冷リパーゼ溶剤で1.1に記載したように希釈した。これらの試料溶液から、その都度特定量を取り出し(第6表に“X”で表示)、1%の塩化ナトリウム溶液で5mlに希釈した。これらの試験溶液から、その都度0.5mlをリパーゼ活性試験において使用した。
【0080】
第6表:試験溶液製造のために取り出された試料の量
【0081】
【表6】
【0082】
3.3 リゾプス(Rhizopus)−リパーゼ活性の測定
リゾプス −リパーゼの接触活性は、0.025%のタウロコール酸ナトリウムの存在でオリーブ油エマルションからpH7.0および37℃で定義された時間に生成した遊離脂肪酸の量の測定により測定した。すべての脂肪酸が検出されたことを保証するために、引き続き滴定をpH9.0にまで行った。基質エマルションの滴定による盲検値測定は、リパーゼ活性により生じなかった滴定可能物質の把握に使用された。
【0083】
試験物質のリゾプス−リパーゼ活性は、物質の懸濁液がオリーブ油エマルションを加水分解する速度と、リゾプス −リパーゼ参照標準の懸濁液が同じオリーブ油エマルションを同じ条件下に加水分解する速度との比較によって決定された。
【0084】
試薬
1.水:
Barnstead社の最純水“Nanopure(R)”が使用された。下記に“最純水”と表示する。
【0085】
2.アラビアゴム溶液:
アラビアゴム110gおよび塩化カルシウム12.5gを、攪拌しながら(約3時間)最純水に溶解し、1000mlにし、遠心分離した。溶液を250mlのプラスチック容器に移し、−20℃で貯蔵した。
【0086】
アラビアゴム(Acaciae−Gummi、DAB 10/Ph.Eur.)、塩化カルシウムp.a.
3.基質エマルション:
オリーブ油130mlおよびアラビアゴム溶液(2)400mlを、適当な撹拌装置中で15分間高い回転数で乳化した。温度は30℃以下に保った。エマルション中の小滴の少なくとも90%が3μmより小さい直径を有し、10μmより大きいものはなかった。エマルションは毎日新しく製造した。オリーブ油(冷蔵庫中に貯蔵)、DAB品質。
【0087】
4.タウロコール酸ナトリウム溶液0.5%(m/V):
タウロコール酸ナトリウム(リパーゼ活性化混合物、共役胆汁酸の混合物、就中タウロコール酸ナトリウム)0.5gを、最純水で100.0mlに溶解した。溶液は毎日新しく調製した。
【0088】
タウロコール酸ナトリウム(リパーゼ活性化混合物)、FIP.
5.最純水中の塩化ナトリウム溶液1%(m/V):
6.緩衝液pH4.5:
塩化ナトリウム2gおよびリン酸二水素ナトリウム9.2gを最純水約950mlに溶解し、塩酸でpH4.5に調節し、最純水で1000mlにした。
【0089】
塩化ナトリウムp.a.、リン酸二水素ナトリウム、NaH2PO4×H2O。
【0090】
7.カセイソーダ溶液 0.1N:
参照懸濁液:
リゾプス(Rhizopus)−リパーゼ対照標準を緩衝液(6)中に撹拌混入し、塩化ナトリウム溶液(5)で、酵素溶液が12〜18単位のリゾプス−リパーゼ活性FIP−E/mlを含有するまで希釈した。1gあたり55000FIP−Eを有する標準の場合63mgを緩衝液(6)20ml中に、氷浴中で15分内に溶解した。この溶液10mlを塩化ナトリウム溶液(5)で氷浴中100mlに希釈した。この溶液0.5mlを試験に使用した。
【0091】
リゾプス−リパーゼ対照標準 FIP(真菌リパーゼ、FIP標準)。
【0092】
試験溶液:
試験溶液I,IIおよびIIIを使用した。
【0093】
実験の実施:
Radiometer社の滴定システム“pH−Stat”の自動滴定装置で、pH−Stat−滴定の終点をpH7.0に調節した。反応容器中へ次のものを加えた:
オリーブ油エマルション、FIP(3) 12.0ml
最純水(1) 6.5ml
タウロコール酸ナトリウム溶液(4) 1.0ml
混合物を37.0℃にした。pH値を0.1Nのカセイソーダ溶液(7)でpH7.0に調節した。その後、ビユレットを“0”に調節した。
【0094】
反応は、参照値を測定すべき場合、参照懸濁液0.5mlの添加によるかまたは試験溶液中のリパーゼ活性を測定すべき場合、試験溶液0.5mlの添加により開始した。10分後、pH−Stat−滴定の終点をpH9.0に調節した。pH値が9.0に達した時(この過程は30秒以下かかった)に滴定を中断し、0.1Nのカセイソーダ溶液の消費量を読み取った。
【0095】
盲験値を確かめるために、参照懸濁液および試験溶液に対し滴定装置における滴定の終点を直ちにpH9.0に調節した。反応バッチ中のpH値をpH7.0に手動調節した後および参照懸濁液または試験溶液0.5mlを添加した後、直ちにpH9.0に滴定した。読み取った0.1Nのカセイソーダ溶液の消費量から、FIP−E/mlでのリゾプス−リパーゼ活性を計算した。
【0096】
試験溶液I、IIおよびIII中に確かめられたFIP−E/ml単位での原リパーゼ活性を100%値とした。それから、次の1時間の温置時間の間に測定された活性値を、その都度この出発値に対するパーセントにし、第7表に記載した。
【0097】
第7表: 大豆レシチンによるリゾプス(Rhizopus)−リパーゼ活性の安定化
【0098】
【表7】
【0099】
4.医薬製剤の例
A)F−パンクレアチン20.0gを水400mlにとり、pH値を1NHClの添加により迅速に6.2に調節する。これらの条件下に、4℃で1時間抽出する。パンクレアチン抽出物を含有する澄明な上澄みを53000gで遠心分離し、引き続きこれを孔の大きさ2μmのフィルターを通して滅菌濾過する。
【0100】
B)大豆レシチン(ホスファチジルコリン98%)1.0gを水50mlに溶解し、溶封したガラスアンプル中で140℃で45分間滅菌する。
【0101】
C)A)で製造したパンクレアチン抽出物400mlを、B)で製造したレシチン溶液25mlと冷時にかつ無菌条件下に混合する。混合物を凍結乾燥し、その際粉末16gが得られ、これを無菌条件下に2.5g宛小分けして100mlの浸出フラスコに移す。
【0102】
5.医薬適用のためのキットの例
5.1.キット1
A)F−パンクレアチン40.0gを水400mlにとり、pH値を1NのHClの添加により迅速に6.2に調節する。これらの条件で、4℃で1時間抽出する。パンクレアチン抽出物を含有する澄明な上澄みを53000gで遠心分離し、これを引き続き孔の大きさ2μmのフィルターにより滅菌する。抽出物を無菌条件下25ml宛小分けして100mlの浸出フラスコに移し、凍結乾燥する。
【0103】
B)大豆レシチン(ホスファチジルコリン98%)2.0gを水20mlに溶解し、超音波を用いて均質にする。このコロイド状溶液を、溶封したガラスアンプル中で140℃で45分間滅菌する。これから12.5mlの分量を取り出し、無菌水1600mlと混合し、100mlの分量で浸出フラスコに移す。
【0104】
適用のため、A)で得られた固体のフラスコ内容物をB)で得られた溶液のフラスコの内容物に溶解する。
【0105】
5.2.キット2
A)F−パンクレアチン40.0gを水800mlにとり、pH値を1NのHClの添加により迅速に6.2に調節する。これらの条件で、4℃で1時間抽出する。パンクレアチン抽出物を含有する澄明な上澄みを53000gで遠心分離し、沈殿物を捨てる。
【0106】
B)マンニット32.0gを水200mlに溶解し、A)で得られたパンクレアチン抽出物800mlと混合し、合した溶液を無菌濾過する。
【0107】
C)大豆レシチン(ホスファチジルコリン98%)5.0gを水50mlに溶解し、超音波を用いて均質にする。このコロイド溶液を、溶封したガラスアンプル中で140℃で45分間滅菌する。
【0108】
D)B)で得られたパンクレアチン抽出物1000mlを、無菌条件下にC)で得られたレシチン溶液16mlと混合し、凍結乾燥する。得られた粉末を10.0gに小分けして200mlのフラスコに無菌で移す。
【0109】
E)脱イオンおよび滅菌濾過した水を200mlのフラスコに無菌条件下に移す。
【0110】
適用のために、D)で得られた粉末のフラスコの内容物を、E)で移した水のフラスコの内容物に溶解する。
Claims (20)
- ゾンデを用いて胃腸域中へ連続的に導入するための水溶液の製造のための、リパーゼおよびプロテアーゼ含有消化酵素混合物の水溶性医薬製剤中で水分の作用下での脂肪分解活性の減少に対する安定化添加物としての、リン脂質又はリン脂質と糖脂質とからなる混合物からなる複合脂質の使用。
- リパーゼおよびプロテアーゼ含有消化酵素混合物がパンクレアチン含有消化酵素混合物である、請求項1記載の複合脂質の使用。
- パンクレアチンの他に、植物リパーゼ、細菌リパーゼおよび糸状菌培養からのリパーゼからなる群から選択された付加的リパーゼを含有する、パンクレアチン含有消化酵素混合物の医薬製剤に対する安定化添加物として使用される、請求項2記載の複合脂質の使用。
- 複合脂質としてリン脂質またはこれを含有する脂質混合物が使用される、請求項1記載の複合脂質の使用。
- リン脂質として一般式I
R1は水素または炭化水素基が場合により1〜4個の二重結合を含有しうる、10〜25個の炭素原子を有するアルカノイル基を表わし、
R2は炭化水素基が場合により1〜4個の二重結合を含有しうる、10〜25個の炭素原子を有するアルカノイル基を表わすか、またはR1が水素を表さない場合、水素を表わすこともでき、
R3は水素、アミノ、低級トリアルキルアンモニウム、アミノ官能基を有する炭素原子に結合したカルボキシル基またはヒドロキシにより置換されたシクロアルキル基により置換されていてもよい低級アルキル基を表わし、
R4は水素または1〜4個の二重結合を含有しうる、10〜25個の炭素原子を有する炭化水素鎖を表わし、
Aは酸素またはNHを表わす]のアニオンの、生理的に認容性のカチオンとの塩またはその混合物が使用される、請求項4記載の複合脂質の使用。 - 一般式Iのリン脂質中の基R3が、水素、アミノエチル、コリル、セリル、グリセリルまたはミオイノシチルからなる群から選択されていることを特徴とする請求項5記載の複合脂質の使用。
- ホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシットおよびスフィンゴミエリンからのリン脂質またはこれらを含有する脂質混合物が使用されることを特徴とする請求項6記載の複合脂質の使用。
- 複合脂質として大豆、菜種、とうもろこし、ひまわり、落花生、鶏卵または微生物からのレシチンが使用されることを特徴とする請求項1記載の複合脂質の使用。
- 複合脂質として大豆からのレシチンが使用されることを特徴とする請求項8記載の複合脂質の使用。
- 脂質が、医薬製剤中に使用されるパンクレアチンに、既にその製出の際または水分処理と結合した工程の間の脂肪分解活性の減少に対する安定化のための加工の際に添加されることを特徴とする請求項2から9までのいずれか1項記載の複合脂質の使用。
- ゾンデ適用により胃腸域中へ連続的に導入するための水溶液を製造するための、リパーゼおよびプロテアーゼ含有消化酵素混合物の水溶性医薬製剤において、水分の作用下での脂肪分解活性の減少に対する安定化のために十分な量の、請求項1から9までのいずれか1項記載の、リン脂質又はリン脂質と糖脂質とからなる混合物からなる複合脂質を含有することを特徴とするリパーゼおよびプロテアーゼ含有消化酵素混合物の水溶性医薬製剤。
- リパーゼおよびプロテアーゼ含有消化酵素混合物がパンクレアチン含有消化酵素混合物であることを特徴とする請求項11記載の医薬製剤。
- 消化酵素混合物がパンクレアチンの他に、植物リパーゼ、細菌リパーゼおよび糸状菌培養からのリパーゼを含有することを特徴とする請求項12記載の医薬製剤。
- 製剤の水溶液により脂肪分解活性が安定化されて、水溶液の脂肪分解原活性が8時間の時間にわたり最高20%減少するような量の複合脂質を含有することを特徴とする請求項11から13までのいずれか1項記載の医薬製剤。
- 製剤の水溶液の脂肪分解原活性が24時間の時間にわたり最高50%減少するような量の複合脂質を含有することを特徴とする請求項14記載の医薬製剤。
- 脂肪分解活性の減少に対する安定化のため複合脂質を、消化酵素混合物に対して、1〜10重量%の濃度で含有することを特徴とする請求項11から13までのいずれか1項記載の医薬製剤。
- 含有されているパンクレアチンが自己分解的に前処理されたパンクレアチンであることを特徴とする請求項11から16までのいずれか1項記載の医薬製剤。
- ゾンデを用いて胃腸域中へ連続的に導入するための、脂肪分解活性の減少に対して安定化された、細菌増殖を有しない消化酵素混合物の水溶液を製造するためのキットにおいて、成分として:
a)場合により製造すべき水溶液の脂肪分解活性の減少に対する安定化のために十分な量の請求項1から9までのいずれか1項記載の、リン脂質又はリン脂質と糖脂質とからなる混合物からなる複合脂質を含有しうる、リパーゼおよびプロテアーゼ含有消化酵素混合物の、水溶性、固体の細菌増殖を有しない医薬製剤および
b)水の他に生理的に認容性の塩および助剤を含有することができ、かつa)に挙げた固体の医薬製剤中に、脂肪分解活性の減少に対する製造すべき水溶液の安定化のために十分な量の複合脂質が含有されていない場合、付加的に製造すべき水溶液の脂肪分解活性の減少に対する安定化のために十分な量の、請求項1から9までのいずれか1項記載の複合脂質を含有する水溶液の製造のために十分な量の、細菌増殖を有しない水性溶剤
を含有することを特徴とする消化酵素混合物の水溶液を製造するためのキット。 - 固体製剤a)が場合により複合脂質を含有する、凍結乾燥したリパーゼおよびプロテアーゼ含有消化酵素混合物であることを特徴とする請求項18記載のキット。
- 凍結乾燥した消化酵素混合物がパンクレアチンを含有することを特徴とする請求項19記載のキット。
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