JPH0867635A - 赤血球変形能向上剤 - Google Patents
赤血球変形能向上剤Info
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- JPH0867635A JPH0867635A JP6228603A JP22860394A JPH0867635A JP H0867635 A JPH0867635 A JP H0867635A JP 6228603 A JP6228603 A JP 6228603A JP 22860394 A JP22860394 A JP 22860394A JP H0867635 A JPH0867635 A JP H0867635A
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- JP
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- fatty acid
- reaction
- phospholipase
- highly unsaturated
- phospholipid
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 医療や食品分野における有用な利用が図れる
赤血球変形能向上剤を提供する。 【構成】 本発明の赤血球変形能向上剤は、一定量の高
度不飽和脂肪酸含有リン脂質を配合させることにより得
られる。 【効果】 本発明の赤血球変形能向上剤では、いずれも
高度不飽和脂肪酸含有リン脂質を含有しているため、赤
血球の変形能を向上できる作用を有し、赤血球の変形能
が悪化した場合あるいは悪化を事前に予防する場合に毛
細血管の通過速度を改善できあるいは適正に維持するこ
とができるため、血栓症や高血圧症を治療または予防す
るための医薬品や特定保健用食品など幅広い分野に利用
することができる。
赤血球変形能向上剤を提供する。 【構成】 本発明の赤血球変形能向上剤は、一定量の高
度不飽和脂肪酸含有リン脂質を配合させることにより得
られる。 【効果】 本発明の赤血球変形能向上剤では、いずれも
高度不飽和脂肪酸含有リン脂質を含有しているため、赤
血球の変形能を向上できる作用を有し、赤血球の変形能
が悪化した場合あるいは悪化を事前に予防する場合に毛
細血管の通過速度を改善できあるいは適正に維持するこ
とができるため、血栓症や高血圧症を治療または予防す
るための医薬品や特定保健用食品など幅広い分野に利用
することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な赤血球変形能向
上剤に関するものである。より詳しくは、血液、特に赤
血球の大きさ(通常、ヒト赤血球の直径が7.5〜8.
5μm)を毛細血管内(通常、ヒトの場合で2〜20μ
m)をスムーズに通過できる形(大きさ)に変形できる
ように、赤血球に柔軟性を付与することができる高度不
飽和脂肪酸含有リン脂質を主成分として配合してなる、
医療および保健食品の分野に利用できる赤血球変形能向
上剤に関するものである。
上剤に関するものである。より詳しくは、血液、特に赤
血球の大きさ(通常、ヒト赤血球の直径が7.5〜8.
5μm)を毛細血管内(通常、ヒトの場合で2〜20μ
m)をスムーズに通過できる形(大きさ)に変形できる
ように、赤血球に柔軟性を付与することができる高度不
飽和脂肪酸含有リン脂質を主成分として配合してなる、
医療および保健食品の分野に利用できる赤血球変形能向
上剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リン脂質は、天然に広く存在するが、今
日、医療や食品などの分野で研究、利用され始めている
ドコサヘキサエン酸(以下、単にDHAともいう)やエ
イコサペンタエン酸(以下、単にEPAともいう)など
の高度不飽和脂肪酸(以下、単にHUFAともいう)を
含有するリン脂質の抽出源のほとんどは大豆と卵黄であ
る。その脂肪酸組成は、大豆リン脂質ではリノール酸、
卵黄リン脂質ではパルミチン酸、オレイン酸を多く含ん
でいるが、いずれにしても3個以上の二重結合を持つド
コサヘキサエン酸やエイコサペンタエン酸などに代表さ
れる高度不飽和脂肪酸は、ごくわずかしか含まれていな
い。
日、医療や食品などの分野で研究、利用され始めている
ドコサヘキサエン酸(以下、単にDHAともいう)やエ
イコサペンタエン酸(以下、単にEPAともいう)など
の高度不飽和脂肪酸(以下、単にHUFAともいう)を
含有するリン脂質の抽出源のほとんどは大豆と卵黄であ
る。その脂肪酸組成は、大豆リン脂質ではリノール酸、
卵黄リン脂質ではパルミチン酸、オレイン酸を多く含ん
でいるが、いずれにしても3個以上の二重結合を持つド
コサヘキサエン酸やエイコサペンタエン酸などに代表さ
れる高度不飽和脂肪酸は、ごくわずかしか含まれていな
い。
【0003】一方、動物組織中のリン脂質には、一般に
高度不飽和脂肪酸を多く含んでいるが、動物組織中のリ
ン脂質の含有量は少なく、かつ蓄積脂肪とは異なり蛋白
質に強固に結合しているため、これを抽出することは容
易でない。
高度不飽和脂肪酸を多く含んでいるが、動物組織中のリ
ン脂質の含有量は少なく、かつ蓄積脂肪とは異なり蛋白
質に強固に結合しているため、これを抽出することは容
易でない。
【0004】そのため、こうした高度不飽和脂肪酸を含
有するリン脂質を、天然物から抽出されるリン脂質をも
とに酵素反応を利用するなどして分解濃縮する方法が、
例えば、特開昭58−165796号、特開昭61−1
5692号、特開昭60−102192号、特公昭60
−19999号、特公昭61−20275号、特開平2
−303492号、特開平3−103499号および特
開平3−108489号など多くの公報に、あるいは合
成する方法が、例えば、特開昭60−234589号、
特開昭62−262998号、特開昭63−10568
6号、特開昭63−134042号、特開昭63−18
5391号、特開昭63−209742号、特開昭63
−279753号、特開平2−113891号、特開平
2−35093号、特開平2−295489号および特
開平5−95792号など多くの公報に開示されてお
り、また本発明者らによっても、例えば、特開平5−2
36974号公報や日本水産学会春季大会 講演要旨集
244頁などに開示されており、この中で酵素反応を
利用して高収率で高度不飽和脂肪酸含有リン脂質を得る
ことができることを述べている。
有するリン脂質を、天然物から抽出されるリン脂質をも
とに酵素反応を利用するなどして分解濃縮する方法が、
例えば、特開昭58−165796号、特開昭61−1
5692号、特開昭60−102192号、特公昭60
−19999号、特公昭61−20275号、特開平2
−303492号、特開平3−103499号および特
開平3−108489号など多くの公報に、あるいは合
成する方法が、例えば、特開昭60−234589号、
特開昭62−262998号、特開昭63−10568
6号、特開昭63−134042号、特開昭63−18
5391号、特開昭63−209742号、特開昭63
−279753号、特開平2−113891号、特開平
2−35093号、特開平2−295489号および特
開平5−95792号など多くの公報に開示されてお
り、また本発明者らによっても、例えば、特開平5−2
36974号公報や日本水産学会春季大会 講演要旨集
244頁などに開示されており、この中で酵素反応を
利用して高収率で高度不飽和脂肪酸含有リン脂質を得る
ことができることを述べている。
【0005】こうした天然からの抽出油または合成方法
などにより比較的安価かつ大量に得ることのできる高度
不飽和脂肪酸含有リン脂質を用いて医療や食品などの分
野での有用な利用法の研究が広範囲で進められており、
例えば、高度不飽和脂肪酸の1種であるエイコサペンタ
エン酸が、血小板のADP凝集閾値を高める作用を利用
した、水産植物からの高度不飽和脂肪酸含有油脂を含む
保健食品が特開昭57−86254号公報に、また、エ
イコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸などが血液の
凝固防止する作用を、さらにモノエン脂肪酸が血管を再
活性化する作用を利用した、高度不飽和脂肪酸およびモ
ノエン脂肪酸を含む油脂を含有する静脈注射用脂肪乳剤
が特開平1−146818号公報に、またリノール酸が
血清コレステロールの低下効果を有し、エイコサペンタ
エン酸およびドコサヘキサエン酸が血小板の凝集を抑制
する作用を利用した、トリグリセリドの2位の脂肪酸が
C8 〜C14であり、1,3位の脂肪酸がC18以上(すな
わち、リノール酸やエイコサペンタエン酸およびドコサ
ヘキサエン酸)である消化吸収性のよい油脂が特開昭6
3−87988号公報に、さらにエイコサペンタエン酸
やドコサヘキサエン酸が皮膚の老化を防止する作用を利
用した、エイコサペンタエン酸および/またはドコサヘ
キサエン酸含有油脂類と、従来から化粧料に配合されて
いる組織抽出成分とを含有する化粧料が特開平5−28
6846号にそれぞれ開示されている。
などにより比較的安価かつ大量に得ることのできる高度
不飽和脂肪酸含有リン脂質を用いて医療や食品などの分
野での有用な利用法の研究が広範囲で進められており、
例えば、高度不飽和脂肪酸の1種であるエイコサペンタ
エン酸が、血小板のADP凝集閾値を高める作用を利用
した、水産植物からの高度不飽和脂肪酸含有油脂を含む
保健食品が特開昭57−86254号公報に、また、エ
イコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸などが血液の
凝固防止する作用を、さらにモノエン脂肪酸が血管を再
活性化する作用を利用した、高度不飽和脂肪酸およびモ
ノエン脂肪酸を含む油脂を含有する静脈注射用脂肪乳剤
が特開平1−146818号公報に、またリノール酸が
血清コレステロールの低下効果を有し、エイコサペンタ
エン酸およびドコサヘキサエン酸が血小板の凝集を抑制
する作用を利用した、トリグリセリドの2位の脂肪酸が
C8 〜C14であり、1,3位の脂肪酸がC18以上(すな
わち、リノール酸やエイコサペンタエン酸およびドコサ
ヘキサエン酸)である消化吸収性のよい油脂が特開昭6
3−87988号公報に、さらにエイコサペンタエン酸
やドコサヘキサエン酸が皮膚の老化を防止する作用を利
用した、エイコサペンタエン酸および/またはドコサヘ
キサエン酸含有油脂類と、従来から化粧料に配合されて
いる組織抽出成分とを含有する化粧料が特開平5−28
6846号にそれぞれ開示されている。
【0006】しかしながら、現在までに血栓症や高血圧
症を治療または予防するために、こうした高度不飽和脂
肪酸含有リン脂質によって赤血球の直径よりも小さい毛
細血管内を通過する際の赤血球に柔軟性を付与して、こ
うした小さい毛細血管内をスムーズに赤血球が通過でき
るように該赤血球の変形能を向上させる作用を用いて医
療や食品などの分野における有用な利用法を提案してな
る発明はなんら開示されていなかった。このことは、赤
血球の変形能を正確かつ精密に測定する技術として、従
来のマイクロピペット法やフィルター法では十分でな
く、そのため、今日においてもなお、リン脂質の種々の
分子種組成と赤血球の変形能との関係を見出だすことが
できず、その結果、当該分野での有用な利用法に関する
研究の遅れにつながったものと思われる。
症を治療または予防するために、こうした高度不飽和脂
肪酸含有リン脂質によって赤血球の直径よりも小さい毛
細血管内を通過する際の赤血球に柔軟性を付与して、こ
うした小さい毛細血管内をスムーズに赤血球が通過でき
るように該赤血球の変形能を向上させる作用を用いて医
療や食品などの分野における有用な利用法を提案してな
る発明はなんら開示されていなかった。このことは、赤
血球の変形能を正確かつ精密に測定する技術として、従
来のマイクロピペット法やフィルター法では十分でな
く、そのため、今日においてもなお、リン脂質の種々の
分子種組成と赤血球の変形能との関係を見出だすことが
できず、その結果、当該分野での有用な利用法に関する
研究の遅れにつながったものと思われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、新規な赤血球変形能向上剤を提供するものであ
る。
目的は、新規な赤血球変形能向上剤を提供するものであ
る。
【0008】さらに本発明の目的は、合成によって比較
的安価でかつ大量に安定して供給できる製剤として、医
療や食品分野における有用な利用が図れる赤血球変形能
向上剤を提供するものである。
的安価でかつ大量に安定して供給できる製剤として、医
療や食品分野における有用な利用が図れる赤血球変形能
向上剤を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】よって、本発明者らは、
血栓症や高血圧症を治療または予防するために、赤血球
の変形能を正確かつ精密に測定する技術として、シリコ
ン単結晶基板を加工したマイクロチャンネル(赤血球の
直径より小さい人工毛細血管モデルであって、何ら外部
からの生理作用などにより、該人工毛細血管モデルの直
径に変化などの影響を受けないもの)を用いる技術を確
立し、該マイクロチャンネルに種々のリン脂質の分子種
で処理した赤血球を通過させることにより、リン脂質の
分子種組成と赤血球の変形能との関係を明らかにするこ
とにより、高度不飽和脂肪酸含有リン脂質が、赤血球の
変形能を向上させる作用を奏することを見出だし、これ
により上記目的を達成できることを知り、この知見に基
づき本発明を完成するに至ったものである。
血栓症や高血圧症を治療または予防するために、赤血球
の変形能を正確かつ精密に測定する技術として、シリコ
ン単結晶基板を加工したマイクロチャンネル(赤血球の
直径より小さい人工毛細血管モデルであって、何ら外部
からの生理作用などにより、該人工毛細血管モデルの直
径に変化などの影響を受けないもの)を用いる技術を確
立し、該マイクロチャンネルに種々のリン脂質の分子種
で処理した赤血球を通過させることにより、リン脂質の
分子種組成と赤血球の変形能との関係を明らかにするこ
とにより、高度不飽和脂肪酸含有リン脂質が、赤血球の
変形能を向上させる作用を奏することを見出だし、これ
により上記目的を達成できることを知り、この知見に基
づき本発明を完成するに至ったものである。
【0010】すなわち、本発明の目的は、(1) 高度
不飽和脂肪酸含有リン脂質を用いていることを特徴とす
る赤血球変形能向上剤により達成される。
不飽和脂肪酸含有リン脂質を用いていることを特徴とす
る赤血球変形能向上剤により達成される。
【0011】また、本発明の好ましい態様としては、
(2) 高度不飽和脂肪酸含有リン脂質が、大豆リン脂
質および高度不飽和脂肪酸を出発物質とし、ホスホリパ
ーゼA2 による加水分解およびエステル合成反応により
得られたものであることを特徴とする上記(1)に示す
赤血球変形能向上剤によっても達成される。
(2) 高度不飽和脂肪酸含有リン脂質が、大豆リン脂
質および高度不飽和脂肪酸を出発物質とし、ホスホリパ
ーゼA2 による加水分解およびエステル合成反応により
得られたものであることを特徴とする上記(1)に示す
赤血球変形能向上剤によっても達成される。
【0012】さらに、本発明の他の好ましい態様として
は、(3) 高度不飽和脂肪酸含有リン脂質が、大豆リ
ン脂質および高度不飽和脂肪酸を出発物質とし、リパー
ゼによるエステル基交換反応により得られたものである
ことを特徴とする上記(1)に示す赤血球変形能向上剤
によっても達成される。
は、(3) 高度不飽和脂肪酸含有リン脂質が、大豆リ
ン脂質および高度不飽和脂肪酸を出発物質とし、リパー
ゼによるエステル基交換反応により得られたものである
ことを特徴とする上記(1)に示す赤血球変形能向上剤
によっても達成される。
【0013】さらにまた、本発明の他の好ましい態様と
しては、(4) 高度不飽和脂肪酸含有リン脂質が、大
豆リン脂質および高度不飽和脂肪酸を出発物質とし、ホ
スホリパーゼA2 による加水分解およびエステル合成反
応並びにホスホリパーゼDによるホスファチジル基転位
反応を行って得られたものであることを特徴とする上記
(1)に示す赤血球変形能向上剤によっても達成され
る。
しては、(4) 高度不飽和脂肪酸含有リン脂質が、大
豆リン脂質および高度不飽和脂肪酸を出発物質とし、ホ
スホリパーゼA2 による加水分解およびエステル合成反
応並びにホスホリパーゼDによるホスファチジル基転位
反応を行って得られたものであることを特徴とする上記
(1)に示す赤血球変形能向上剤によっても達成され
る。
【0014】また、本発明の他の好ましい態様として
は、(5) 高度不飽和脂肪酸含有リン脂質が、大豆リ
ン脂質および高度不飽和脂肪酸を出発物質とし、リパー
ゼによるエステル基交換反応およびホスホリパーゼDに
よるホスファチジル基転位反応を行って得られたもので
あることを特徴とする上記(1)に示す赤血球変形能向
上剤によっても達成される。
は、(5) 高度不飽和脂肪酸含有リン脂質が、大豆リ
ン脂質および高度不飽和脂肪酸を出発物質とし、リパー
ゼによるエステル基交換反応およびホスホリパーゼDに
よるホスファチジル基転位反応を行って得られたもので
あることを特徴とする上記(1)に示す赤血球変形能向
上剤によっても達成される。
【0015】
【作用】本発明に係る赤血球変形能向上剤は、いずれも
天然物または合成物のいかんに拘らず、すべてにおいて
高度不飽和脂肪酸含有リン脂質を単独、または主成分と
して用いているため赤血球の変形能を向上する作用を有
するものである。
天然物または合成物のいかんに拘らず、すべてにおいて
高度不飽和脂肪酸含有リン脂質を単独、または主成分と
して用いているため赤血球の変形能を向上する作用を有
するものである。
【0016】以下に本発明に係る赤血球変形能向上剤に
つき、より詳細に説明する。
つき、より詳細に説明する。
【0017】まず、本発明による赤血球変形能向上剤を
血栓症や高血圧症を予防する目的で医療分野、特に医薬
品として利用する場合には、高度不飽和脂肪酸含有リン
脂質を単独で製剤として用いることができるほか、製薬
上使用できる担体若しくは希釈剤を加えた薬剤組成物に
加工したものを用いることもできる。このような製剤ま
たは薬剤組成物は、経口または非経口の経路で、生きた
動物、特に生きたヒトに投与することができる。
血栓症や高血圧症を予防する目的で医療分野、特に医薬
品として利用する場合には、高度不飽和脂肪酸含有リン
脂質を単独で製剤として用いることができるほか、製薬
上使用できる担体若しくは希釈剤を加えた薬剤組成物に
加工したものを用いることもできる。このような製剤ま
たは薬剤組成物は、経口または非経口の経路で、生きた
動物、特に生きたヒトに投与することができる。
【0018】例えば、経口投与用の固体または流体(ゲ
ルおよび液体)の製剤または薬剤組成物は、タブレッ
ト、カプセル、錠剤、丸剤、粉末、顆粒もしくはゲル調
製品の形態をとる。
ルおよび液体)の製剤または薬剤組成物は、タブレッ
ト、カプセル、錠剤、丸剤、粉末、顆粒もしくはゲル調
製品の形態をとる。
【0019】このうち固体の薬剤組成物においては、高
度不飽和脂肪酸含有リン脂質を蔗糖、乳糖、澱粉、タル
クもしくは合成あるいは天然ガムなどの少なくとも1種
の製薬上使用できる希釈剤もしくは担体、ゼラチンなど
のバインダー、ステアリン酸ナトリウムなどの滑剤およ
び/または炭酸水素ナトリウムなどのディスインテグラ
ント(disintegrant)と混合することによって調製される
ものである。さらに、一定の放出効果を可能するため
に、ハイドロコロイド(hydrocolloid)等の物質または他
のポリマーを該薬剤組成物中に導入してもよい。また従
来技術と同様にして、滑剤や緩衝剤等の物質をさらに該
薬剤組成物に加えてもよい。さらに、錠剤、丸剤または
顆粒に、必要であれば、腸内で溶解するような被覆(ent
eric coating) を施してもよい。
度不飽和脂肪酸含有リン脂質を蔗糖、乳糖、澱粉、タル
クもしくは合成あるいは天然ガムなどの少なくとも1種
の製薬上使用できる希釈剤もしくは担体、ゼラチンなど
のバインダー、ステアリン酸ナトリウムなどの滑剤およ
び/または炭酸水素ナトリウムなどのディスインテグラ
ント(disintegrant)と混合することによって調製される
ものである。さらに、一定の放出効果を可能するため
に、ハイドロコロイド(hydrocolloid)等の物質または他
のポリマーを該薬剤組成物中に導入してもよい。また従
来技術と同様にして、滑剤や緩衝剤等の物質をさらに該
薬剤組成物に加えてもよい。さらに、錠剤、丸剤または
顆粒に、必要であれば、腸内で溶解するような被覆(ent
eric coating) を施してもよい。
【0020】また、経口投与用の流体の薬剤組成物は、
水などの一般的に用いられる不活性希釈剤を含むリポソ
ーム、エマルジョン、溶液もしくは懸濁液の形態を有す
る。さらに、このような液状の薬剤組成物は、浸潤剤、
乳化剤、分散助剤もしくは一般的な界面活性剤、さらに
は甘味料、香味料(flavoring) もしくは芳香物質(fragr
ance-imparting substance) をも含むものであってもよ
い。
水などの一般的に用いられる不活性希釈剤を含むリポソ
ーム、エマルジョン、溶液もしくは懸濁液の形態を有す
る。さらに、このような液状の薬剤組成物は、浸潤剤、
乳化剤、分散助剤もしくは一般的な界面活性剤、さらに
は甘味料、香味料(flavoring) もしくは芳香物質(fragr
ance-imparting substance) をも含むものであってもよ
い。
【0021】一方、非経口投与用の製剤または薬剤組成
物は、その中でも、滅菌した水溶液もしくは非水溶液、
懸濁液、リポソームまたはエマルジョンであることが好
ましい。これらのうちの多くはこのような形態を有する
薬剤組成物ではすでに既知である物質を、製薬上使用で
きる希釈剤もしくは担体材料としてさらに用いてもよ
い。
物は、その中でも、滅菌した水溶液もしくは非水溶液、
懸濁液、リポソームまたはエマルジョンであることが好
ましい。これらのうちの多くはこのような形態を有する
薬剤組成物ではすでに既知である物質を、製薬上使用で
きる希釈剤もしくは担体材料としてさらに用いてもよ
い。
【0022】次に、本発明の製剤または薬剤組成物の正
確な投与量は、その目的とする使用形態および処置期間
により変化するため、担当の医師または獣医が適当であ
ると考える量となる。本発明の赤血球変形能向上剤たる
製剤または薬剤組成物は、他の薬理学上活性のある物質
による投与と組み合わせてもよいことは明らかである。
確な投与量は、その目的とする使用形態および処置期間
により変化するため、担当の医師または獣医が適当であ
ると考える量となる。本発明の赤血球変形能向上剤たる
製剤または薬剤組成物は、他の薬理学上活性のある物質
による投与と組み合わせてもよいことは明らかである。
【0023】本発明の薬剤組成物において、該薬剤組成
物中の主成分である高度不飽和脂肪酸含有リン脂質(複
数を含む)の割合は、本発明の製剤によって効果的な量
が得られるまたは提供される、つまり適当な効果的な投
与量が使用された投与量と一致している限りにおいて、
広範囲に変化する。様々な投与形態さらには様々な特有
の製剤を、同時期あるいは同時期付近に、または同じ薬
剤組成物中に投与してもよいことは明らかである。
物中の主成分である高度不飽和脂肪酸含有リン脂質(複
数を含む)の割合は、本発明の製剤によって効果的な量
が得られるまたは提供される、つまり適当な効果的な投
与量が使用された投与量と一致している限りにおいて、
広範囲に変化する。様々な投与形態さらには様々な特有
の製剤を、同時期あるいは同時期付近に、または同じ薬
剤組成物中に投与してもよいことは明らかである。
【0024】前記したように、本発明の製剤または薬剤
組成物は、特に、経口もしくは非経口投与を目的とす
る、製剤または薬剤組成物の形態が好ましく、正確な特
有の投与量さらには所定の期間における毎日の投与量
は、担当の医師または獣医の方針に従って確立された医
学的なおよび/または獣医学的な原則によって決定され
るものである。
組成物は、特に、経口もしくは非経口投与を目的とす
る、製剤または薬剤組成物の形態が好ましく、正確な特
有の投与量さらには所定の期間における毎日の投与量
は、担当の医師または獣医の方針に従って確立された医
学的なおよび/または獣医学的な原則によって決定され
るものである。
【0025】特に、本発明の赤血球変形能向上剤におい
ては、経口投与が好ましいが、経口および非経口投与に
加えて、直腸および/または静脈内投与を用いてもよ
く、投与量は通常非経口投与に用いる際には少なくなる
と考えられる。繰り返し投与する形態では、製剤または
薬剤組成物中の高度不飽和脂肪酸含有リン脂質につき、
1日当たり約2.0〜4.0gの量が好ましいが、年
齢、性別、体重および患者の健康状態など個々の場合に
より変動するものであるため、成人の1日当たりの服用
量は、約1.0〜7.0gのより広い範囲で用いてもよ
く、こうした場合には、例えば、1日に1回でもよい
が、2回以上に分けて経口投与してもよい。言うまでも
ないことであるが、上記で指摘したように1日当たり
2.0〜4.0gの毎日の経口投与量が必要である際に
は、製剤または薬剤組成物、例えば、錠剤に加工したも
のを1回に1錠以上経口投与する服用法をとってもよ
い。
ては、経口投与が好ましいが、経口および非経口投与に
加えて、直腸および/または静脈内投与を用いてもよ
く、投与量は通常非経口投与に用いる際には少なくなる
と考えられる。繰り返し投与する形態では、製剤または
薬剤組成物中の高度不飽和脂肪酸含有リン脂質につき、
1日当たり約2.0〜4.0gの量が好ましいが、年
齢、性別、体重および患者の健康状態など個々の場合に
より変動するものであるため、成人の1日当たりの服用
量は、約1.0〜7.0gのより広い範囲で用いてもよ
く、こうした場合には、例えば、1日に1回でもよい
が、2回以上に分けて経口投与してもよい。言うまでも
ないことであるが、上記で指摘したように1日当たり
2.0〜4.0gの毎日の経口投与量が必要である際に
は、製剤または薬剤組成物、例えば、錠剤に加工したも
のを1回に1錠以上経口投与する服用法をとってもよ
い。
【0026】前記した通り、本発明の赤血球変形能向上
剤を製剤または薬剤組成物として用いる場合には、様々
の方法で、例えば、カプセルや錠剤による経口で、滅菌
された溶液もしくは懸濁液の形態による非経口で、また
はペレット植込みによって、さらには場合によっては滅
菌した溶液の形態による静脈内で、生きたヒトを含む、
生きた動物に投与することができるものである。他の明
らかな投与形態としては、皮膚による、皮下による、頬
による、筋肉内による、および腹腔内によるものがあ
り、さらに特殊な投与形態は担当の医師あるいは獣医に
よって一般的に選択されるものである。
剤を製剤または薬剤組成物として用いる場合には、様々
の方法で、例えば、カプセルや錠剤による経口で、滅菌
された溶液もしくは懸濁液の形態による非経口で、また
はペレット植込みによって、さらには場合によっては滅
菌した溶液の形態による静脈内で、生きたヒトを含む、
生きた動物に投与することができるものである。他の明
らかな投与形態としては、皮膚による、皮下による、頬
による、筋肉内による、および腹腔内によるものがあ
り、さらに特殊な投与形態は担当の医師あるいは獣医に
よって一般的に選択されるものである。
【0027】次に、本発明の赤血球変形能向上剤を血栓
症や高血圧症の発生を予防する目的で健康食品、特に特
定保健用食品に利用する場合には、こうした食品が一般
に油脂を含むことができるものすべてが対象となるもの
であり、その形態としては、固体状の食品のほか、液体
状の食品(飲料品など)やゲル状の食品を含むものであ
り、例えば、通常のリン脂質を脂溶性乳化剤として用い
て作られるマーガリン、菓子およびショートニングなど
の一般食品に対して、本発明の赤血球変形能向上剤を用
いて、こうした食品を作ることにより健康食品化したも
のなどが挙げられる。
症や高血圧症の発生を予防する目的で健康食品、特に特
定保健用食品に利用する場合には、こうした食品が一般
に油脂を含むことができるものすべてが対象となるもの
であり、その形態としては、固体状の食品のほか、液体
状の食品(飲料品など)やゲル状の食品を含むものであ
り、例えば、通常のリン脂質を脂溶性乳化剤として用い
て作られるマーガリン、菓子およびショートニングなど
の一般食品に対して、本発明の赤血球変形能向上剤を用
いて、こうした食品を作ることにより健康食品化したも
のなどが挙げられる。
【0028】上記赤血球変形能向上剤を健康食品に添加
する方法としては、対象となる健康食品の種類に応じて
混和、混練、撹拌乳化、噴霧、塗布、注入加工、浸漬な
ど適当な方法を選択することができる。また、必要に応
じて、乳糖、サイクロデキストリンなどの賦型剤やコー
ティング剤を用いて粉粒化することもできる。
する方法としては、対象となる健康食品の種類に応じて
混和、混練、撹拌乳化、噴霧、塗布、注入加工、浸漬な
ど適当な方法を選択することができる。また、必要に応
じて、乳糖、サイクロデキストリンなどの賦型剤やコー
ティング剤を用いて粉粒化することもできる。
【0029】また、上記赤血球変形能向上剤の健康食品
への添加量は、該食品に応じて任意に選択されるが、成
人1日分(通常、3食分に相当する量)の該食品に含ま
れる赤血球変形能向上剤の添加量が、上記医薬品として
用いる場合の製剤の成人の1日当たりの最大服用量を越
えることがないようにすることが望ましい。
への添加量は、該食品に応じて任意に選択されるが、成
人1日分(通常、3食分に相当する量)の該食品に含ま
れる赤血球変形能向上剤の添加量が、上記医薬品として
用いる場合の製剤の成人の1日当たりの最大服用量を越
えることがないようにすることが望ましい。
【0030】また、健康食品、特に特定保健用食品に利
用する場合、該食品の味やにおいに影響がある場合に
は、調味料、香辛料、香料、矯臭剤などを利用すること
ができる。さらに、これらの食品は、保存性を高めるた
めに、d−トコフェロール、セサモール、dl−α−ト
コフェロール、エリソルビン酸、BHT、BHA、没食
子酸プロピル、アスコルビン酸、クエン酸、およびレシ
チンなどの抗酸化剤を用い、さらに該食品を食品包装用
フィルム材や食品包装用容器などにより密封して、該食
品の変質(酸化)を防止することが望ましい。
用する場合、該食品の味やにおいに影響がある場合に
は、調味料、香辛料、香料、矯臭剤などを利用すること
ができる。さらに、これらの食品は、保存性を高めるた
めに、d−トコフェロール、セサモール、dl−α−ト
コフェロール、エリソルビン酸、BHT、BHA、没食
子酸プロピル、アスコルビン酸、クエン酸、およびレシ
チンなどの抗酸化剤を用い、さらに該食品を食品包装用
フィルム材や食品包装用容器などにより密封して、該食
品の変質(酸化)を防止することが望ましい。
【0031】次に本発明に係る赤血球変形能向上剤に用
いられる高度不飽和脂肪酸含有リン脂質としては、従来
公知の技術により製造される合成物以外にも、天然の植
物、動物、海産資源から得られるリン脂質の中に存在す
る高度不飽和脂肪酸含有リン脂質をそのまま抽出、精製
した天然物を用いることもでき、例えば、サケ卵巣(Sal
mon roe)(イクラ)より抽出、精製したものや、未利用
魚卵、シラコ、ミールなどが挙げられる。
いられる高度不飽和脂肪酸含有リン脂質としては、従来
公知の技術により製造される合成物以外にも、天然の植
物、動物、海産資源から得られるリン脂質の中に存在す
る高度不飽和脂肪酸含有リン脂質をそのまま抽出、精製
した天然物を用いることもでき、例えば、サケ卵巣(Sal
mon roe)(イクラ)より抽出、精製したものや、未利用
魚卵、シラコ、ミールなどが挙げられる。
【0032】このうち、合成物として得られる高度不飽
和脂肪酸含有リン脂質の製造方法としては、特に制限さ
れるものでなく、従来公知の手段を用いて製造すること
ができるが、好ましくは、大豆リン脂質および高度不飽
和脂肪酸を出発物質とし、ホスホリパーゼA2 による加
水分解およびエステル合成反応、リパーゼによるエステ
ル基交換反応並びにホスホリパーゼDによるホスファチ
ジル基転位反応を適当に組合せることにより製造される
ものであり、より具体的には、以下に示す代表的な酵素
反応を適当に組合せることにより製造することができる
ものである。すなわち、大豆リン脂質の主成分であるホ
スファチジルコリンを加水分解するための酵素反応とし
ては、下記の化1に示すように、ホスホリパーゼA2 に
より該ホスファチジルコリンのsn−2位の脂肪酸を加
水分解して極性の高いリゾホスファチジルコリンにする
反応(以下、単に酵素反応(1)ともいう、特開昭62
−262998号、特開昭63−279753号、特開
昭63−134042号、特開昭63−209742号
または特開昭特開平2−113891号公報などに記
載)、続いて、高度不飽和脂肪酸含有リン脂質を合成す
るための酵素反応としては、(a)下記の化2に示すよ
うに、ホスホリパーゼA2 により、上記加水分解反応に
より得られたリゾホスファチジルコリンのsn−2位に
高度不飽和脂肪酸(HUFA)をエステル合成する反応
(以下、単に酵素反応(2)ともいう、特開平5−23
6974号公報などに記載)、(b)下記の化3に示す
ように、1,3位特異性の固定化リパーゼであるリポザ
イム(Lipozyme(Mucor miehei由来))を用いてホスファチ
ジルコリン(PC)のsn−1位にHUFAをエステル
交換する反応(以下、単に酵素反応(3)ともいう、特
開昭60−234589号公報または特開平5−957
92号公報などに記載)、(c)下記の化4に示すよう
に、ホスホリパーゼDによりPCをホスファチジルエタ
ノールアミン(PE)に交換するホスファチジル基転位
反応(以下、単に酵素反応(4)ともいう)、および
(d)下記の化5に示すように、ホスホリパーゼDによ
りPCをホスファチジルセリン(PS)に交換するホス
ファチジル基転位反応(以下、単に酵素反応(5)とも
いう)などを用いることができる。
和脂肪酸含有リン脂質の製造方法としては、特に制限さ
れるものでなく、従来公知の手段を用いて製造すること
ができるが、好ましくは、大豆リン脂質および高度不飽
和脂肪酸を出発物質とし、ホスホリパーゼA2 による加
水分解およびエステル合成反応、リパーゼによるエステ
ル基交換反応並びにホスホリパーゼDによるホスファチ
ジル基転位反応を適当に組合せることにより製造される
ものであり、より具体的には、以下に示す代表的な酵素
反応を適当に組合せることにより製造することができる
ものである。すなわち、大豆リン脂質の主成分であるホ
スファチジルコリンを加水分解するための酵素反応とし
ては、下記の化1に示すように、ホスホリパーゼA2 に
より該ホスファチジルコリンのsn−2位の脂肪酸を加
水分解して極性の高いリゾホスファチジルコリンにする
反応(以下、単に酵素反応(1)ともいう、特開昭62
−262998号、特開昭63−279753号、特開
昭63−134042号、特開昭63−209742号
または特開昭特開平2−113891号公報などに記
載)、続いて、高度不飽和脂肪酸含有リン脂質を合成す
るための酵素反応としては、(a)下記の化2に示すよ
うに、ホスホリパーゼA2 により、上記加水分解反応に
より得られたリゾホスファチジルコリンのsn−2位に
高度不飽和脂肪酸(HUFA)をエステル合成する反応
(以下、単に酵素反応(2)ともいう、特開平5−23
6974号公報などに記載)、(b)下記の化3に示す
ように、1,3位特異性の固定化リパーゼであるリポザ
イム(Lipozyme(Mucor miehei由来))を用いてホスファチ
ジルコリン(PC)のsn−1位にHUFAをエステル
交換する反応(以下、単に酵素反応(3)ともいう、特
開昭60−234589号公報または特開平5−957
92号公報などに記載)、(c)下記の化4に示すよう
に、ホスホリパーゼDによりPCをホスファチジルエタ
ノールアミン(PE)に交換するホスファチジル基転位
反応(以下、単に酵素反応(4)ともいう)、および
(d)下記の化5に示すように、ホスホリパーゼDによ
りPCをホスファチジルセリン(PS)に交換するホス
ファチジル基転位反応(以下、単に酵素反応(5)とも
いう)などを用いることができる。
【0033】なお、上記化1〜化5に示す反応式中のF
A1 およびFA2 は、それぞれグリセロールの1位およ
び2位に結合した脂肪酸を表し、PLA2 はホスホリパ
ーゼA2 を表し、PLDはホスホリパーゼDを表すもの
である。
A1 およびFA2 は、それぞれグリセロールの1位およ
び2位に結合した脂肪酸を表し、PLA2 はホスホリパ
ーゼA2 を表し、PLDはホスホリパーゼDを表すもの
である。
【0034】
【化1】
【0035】
【化2】
【0036】
【化3】
【0037】
【化4】
【0038】
【化5】 ここで、上記製造方法に用いられる大豆リン脂質として
は、大豆から得られる安全で無害の大豆油から精製され
てなるリン脂質をいい、その成分組成は、ホスファチジ
ルコリン(レシチン)が主成分であり、この他にホスフ
ァチジルエタノールアミンやホスファチジルイノシトー
ルなどが含まれている。こうした大豆リン脂質の反応系
への添加量は、用いる高度不飽和脂肪酸との反応での化
学量論付近でよいが、使用する高度不飽和脂肪酸が反応
中に変成するのを考慮して、通常、使用する高度不飽和
脂肪酸の10〜100重量%を追加するのが望ましい。
は、大豆から得られる安全で無害の大豆油から精製され
てなるリン脂質をいい、その成分組成は、ホスファチジ
ルコリン(レシチン)が主成分であり、この他にホスフ
ァチジルエタノールアミンやホスファチジルイノシトー
ルなどが含まれている。こうした大豆リン脂質の反応系
への添加量は、用いる高度不飽和脂肪酸との反応での化
学量論付近でよいが、使用する高度不飽和脂肪酸が反応
中に変成するのを考慮して、通常、使用する高度不飽和
脂肪酸の10〜100重量%を追加するのが望ましい。
【0039】また、上記製造方法に用いられる高度不飽
和脂肪酸としては、炭素数18以上、不飽和結合3個以
上の脂肪酸であり、例えば、α−リノレン酸、γ−リノ
レン酸、アラキドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサ
テトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサトリエン
酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサ
ヘキサエン酸などが挙げられる。この場合の該高度不飽
和脂肪酸の添加量は、用いる大豆リン脂質との反応での
化学量論付近でよい。
和脂肪酸としては、炭素数18以上、不飽和結合3個以
上の脂肪酸であり、例えば、α−リノレン酸、γ−リノ
レン酸、アラキドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサ
テトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサトリエン
酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサ
ヘキサエン酸などが挙げられる。この場合の該高度不飽
和脂肪酸の添加量は、用いる大豆リン脂質との反応での
化学量論付近でよい。
【0040】さらに、上記製造方法において用いられる
ホスホリパーゼA2 (上記酵素反応(1)に示すような
加水分解反応および上記酵素反応(2)に示すようなエ
ステル合成反応に用いられるもの)としては、毒蛇、ハ
チ毒、サソリ毒などの毒液や動物の膵臓などに大量に存
在するほか、動物の各種臓器、植物、細菌など広く生物
界に存在しているものを利用できるが、好ましくは、動
物の膵臓から抽出、精製されたものが比較的安価で使用
しやすいものである。上記製造方法において用いられる
該ホスホリパーゼA2 の添加量としては、まず、上記酵
素反応(1)に示すような加水分解反応では、反応系の
出発物質1gに対して、通常10〜5000unit
s、好ましくは1000〜3000unitsであり、
上記酵素反応(2)に示すようなエステル合成反応で
は、反応系の出発物質1gに対して、通常5000〜1
00000units、好ましくは20000〜600
00unitsである。
ホスホリパーゼA2 (上記酵素反応(1)に示すような
加水分解反応および上記酵素反応(2)に示すようなエ
ステル合成反応に用いられるもの)としては、毒蛇、ハ
チ毒、サソリ毒などの毒液や動物の膵臓などに大量に存
在するほか、動物の各種臓器、植物、細菌など広く生物
界に存在しているものを利用できるが、好ましくは、動
物の膵臓から抽出、精製されたものが比較的安価で使用
しやすいものである。上記製造方法において用いられる
該ホスホリパーゼA2 の添加量としては、まず、上記酵
素反応(1)に示すような加水分解反応では、反応系の
出発物質1gに対して、通常10〜5000unit
s、好ましくは1000〜3000unitsであり、
上記酵素反応(2)に示すようなエステル合成反応で
は、反応系の出発物質1gに対して、通常5000〜1
00000units、好ましくは20000〜600
00unitsである。
【0041】上記製造方法において用いられるリパーゼ
(上記酵素反応(3)に示すようなエステル基交換反応
に用いられるもの)としては、哺乳動物体液(血清、白
血球、脳脊髄液、リンパ液、尿、乳)、その組織、臓
器、ほどんどの脊椎動物臓器、昆虫、植物種子、カビ
類、細菌などから精製されているものを用いることがで
き、例えば、膵臓、リゾプス、アスペルギルス、ムコー
ル、キャンデイダ、ジオトリグラム属などのリパーゼを
単独または組合せて用いることができる。なかでも、上
記酵素反応(3)に示すようなリン脂質の1位の脂肪酸
エステルを加水分解し、高度不飽和脂肪酸をエステル交
換する反応をするムコール属やシュウドモナス属菌、ク
ロモバクテリウム属菌由来のリパーゼを固定化したもの
が、リパーゼの水分含有量を100ppm以下のほぼ無
水状態でも活性を維持でき、高度不飽和脂肪酸含有脂質
の合成に好適なものである。このような固定化されたリ
パーゼとしては、例えば、カンデイダ属菌に由来するリ
パーゼをアクリル樹脂に固定化したもの、ムコール属菌
に由来するリパーゼをマイクロポーラスな陰イオン交換
樹脂に固定化したものなどが挙げられる。上記製造方法
において用いられる該リパーゼの反応系への添加量とし
は、反応系の出発物質1gに対して、通常50〜500
units、好ましくは190〜300unitsであ
る。
(上記酵素反応(3)に示すようなエステル基交換反応
に用いられるもの)としては、哺乳動物体液(血清、白
血球、脳脊髄液、リンパ液、尿、乳)、その組織、臓
器、ほどんどの脊椎動物臓器、昆虫、植物種子、カビ
類、細菌などから精製されているものを用いることがで
き、例えば、膵臓、リゾプス、アスペルギルス、ムコー
ル、キャンデイダ、ジオトリグラム属などのリパーゼを
単独または組合せて用いることができる。なかでも、上
記酵素反応(3)に示すようなリン脂質の1位の脂肪酸
エステルを加水分解し、高度不飽和脂肪酸をエステル交
換する反応をするムコール属やシュウドモナス属菌、ク
ロモバクテリウム属菌由来のリパーゼを固定化したもの
が、リパーゼの水分含有量を100ppm以下のほぼ無
水状態でも活性を維持でき、高度不飽和脂肪酸含有脂質
の合成に好適なものである。このような固定化されたリ
パーゼとしては、例えば、カンデイダ属菌に由来するリ
パーゼをアクリル樹脂に固定化したもの、ムコール属菌
に由来するリパーゼをマイクロポーラスな陰イオン交換
樹脂に固定化したものなどが挙げられる。上記製造方法
において用いられる該リパーゼの反応系への添加量とし
は、反応系の出発物質1gに対して、通常50〜500
units、好ましくは190〜300unitsであ
る。
【0042】さらに、上記製造方法において用いられる
ホスホリパーゼD(上記酵素反応(4)および(5)に
示すようなホスファチジル基転位反応に用いられるも
の)としては、加水分解と同時にホスファチジル基転位
能を示すキャベツ、ニンジン、綿実、落花生などの植物
由来酵素を用いることができが、好ましくは、ストレプ
トマイセス種(Streptomyces sp.)などが比較的安価で使
用しやすいものである。上記製造方法において用いられ
る該ホスホリパーゼDの反応系への添加量としは、反応
系の出発物質1gに対して、通常1〜3000unit
s、好ましくは500〜2000unitsである。
ホスホリパーゼD(上記酵素反応(4)および(5)に
示すようなホスファチジル基転位反応に用いられるも
の)としては、加水分解と同時にホスファチジル基転位
能を示すキャベツ、ニンジン、綿実、落花生などの植物
由来酵素を用いることができが、好ましくは、ストレプ
トマイセス種(Streptomyces sp.)などが比較的安価で使
用しやすいものである。上記製造方法において用いられ
る該ホスホリパーゼDの反応系への添加量としは、反応
系の出発物質1gに対して、通常1〜3000unit
s、好ましくは500〜2000unitsである。
【0043】また、上記酵素反応は、用いる酵素種など
によりそれぞれ好適な条件は異なるが、反応中に高度不
飽和脂肪酸中の二重結合の移動などを防止するためには
低いほうが好ましく、通常5〜60℃、好ましくは20
〜40℃で行うのがよい。5℃未満では、反応が遅く、
また60℃を越える場合には、用いる酵素が失活するた
め好ましくない。
によりそれぞれ好適な条件は異なるが、反応中に高度不
飽和脂肪酸中の二重結合の移動などを防止するためには
低いほうが好ましく、通常5〜60℃、好ましくは20
〜40℃で行うのがよい。5℃未満では、反応が遅く、
また60℃を越える場合には、用いる酵素が失活するた
め好ましくない。
【0044】また上記酵素反応では、反応系を撹拌した
ほうが望ましいが、反応によっては、乳化状態にして静
置反応させることもできる。さらにこうした酵素反応
は、一段反応でもよいが、さらに反応を効率的に早く進
めるために、多段反応でもよく、また連続反応として合
成することもできる。
ほうが望ましいが、反応によっては、乳化状態にして静
置反応させることもできる。さらにこうした酵素反応
は、一段反応でもよいが、さらに反応を効率的に早く進
めるために、多段反応でもよく、また連続反応として合
成することもできる。
【0045】さらに効果的な酵素反応を行うためには、
用いる酵素に応じて、反応系に適当な添加剤として、例
えば、一価アルコール(炭素数1〜28程度)、多価ア
ルコール、ポリビニルアルコール、脂肪酸エステル、胆
汁酸塩などを適当に選択し、その適当量を添加してもよ
い。
用いる酵素に応じて、反応系に適当な添加剤として、例
えば、一価アルコール(炭素数1〜28程度)、多価ア
ルコール、ポリビニルアルコール、脂肪酸エステル、胆
汁酸塩などを適当に選択し、その適当量を添加してもよ
い。
【0046】また、酵素反応によっては、例えば、ホス
ホリパーゼA2 による加水分解およびエステル交換反応
などでは、大気下で行ってもよいが、不活性ガス雰囲気
下、例えば、窒素ガスの雰囲気にしておくと、高度不飽
和脂肪酸の劣化(酸化)を防ぐばかりでなく、酵素の失
活も防止することができるため望ましい。
ホリパーゼA2 による加水分解およびエステル交換反応
などでは、大気下で行ってもよいが、不活性ガス雰囲気
下、例えば、窒素ガスの雰囲気にしておくと、高度不飽
和脂肪酸の劣化(酸化)を防ぐばかりでなく、酵素の失
活も防止することができるため望ましい。
【0047】また、同様に用いる高度不飽和脂肪酸の劣
化(酸化)を防止するために、反応系に酸化防止剤、例
えば、トコフェロール、TBHQ、BHA、BHTを添
加するなどして併用してもよい。
化(酸化)を防止するために、反応系に酸化防止剤、例
えば、トコフェロール、TBHQ、BHA、BHTを添
加するなどして併用してもよい。
【0048】さらに、出発物質の分散媒には、例えば、
水(ホスホリパーゼA2 による分解反応)、有機溶媒
(リパーゼによるエステル交換反応)、グリセロール
(ホスホリパーゼA2 によるエステル合成反応)などの
ように、それぞれの酵素反応に応じて適当な分散媒を選
択して用いることができる。分散媒に水を用いる場合の
使用量やpHなども用いる酵素や出発物質に応じて、適
宜決定されるものである。
水(ホスホリパーゼA2 による分解反応)、有機溶媒
(リパーゼによるエステル交換反応)、グリセロール
(ホスホリパーゼA2 によるエステル合成反応)などの
ように、それぞれの酵素反応に応じて適当な分散媒を選
択して用いることができる。分散媒に水を用いる場合の
使用量やpHなども用いる酵素や出発物質に応じて、適
宜決定されるものである。
【0049】なお、本発明における合成物として得られ
る高度不飽和脂肪酸含有リン脂質の製造方法としては、
上述したものに限定されるものでなく、従来公知の他の
手段を任意に用いることができることは言うまでもな
い。
る高度不飽和脂肪酸含有リン脂質の製造方法としては、
上述したものに限定されるものでなく、従来公知の他の
手段を任意に用いることができることは言うまでもな
い。
【0050】
【実施例】以下、本発明の赤血球変形能向上剤に関して
具体的に説明する。
具体的に説明する。
【0051】実施例1 大豆リン脂質としてホスファチジルコリン(アバンティ
ポラー−リピッド(Avanti Polar-Lipid)社製、商品
名;Soybean phosphatide extract 、以下同様)2.0
gを、また高度不飽和脂肪酸としてエイコサペンタエン
酸(EPA)標品(日本化学飼料株式会社製、純度90
%以上、以下同様)1.8gを用い、これらを出発物質
とし、このうちホスファチジルコリンを工業規模で利用
されているブタ膵臓由来のホスホリパーゼA2 (ノボノ
ルディスクバイオインダストリアル社製、商品名;レシ
ターゼ、以下同様)を透析後、真空凍結乾燥したもの1
5mgで先述の化1に示す酵素反応(1)により加水分
解することで製造されたリゾホスファチジルコリンをク
ロロホルム:メタノール系ケイ酸カラムクロマトグラフ
ィーによって純度97%以上(TLC−FID法、以下
同様)に精製したもの1.1gを用い、これにホスホリ
パーゼA2 を透析後、真空凍結乾燥したもの250mg
を添加して、先述の化2に示す酵素反応(2)によりエ
ステル合成することにより、下記表1に示す脂肪酸組成
を有するsn−2 EPA含有ホスファチジルコリン
(以下、単にsn−2 EPA−PCともいう)210
mgを得た。
ポラー−リピッド(Avanti Polar-Lipid)社製、商品
名;Soybean phosphatide extract 、以下同様)2.0
gを、また高度不飽和脂肪酸としてエイコサペンタエン
酸(EPA)標品(日本化学飼料株式会社製、純度90
%以上、以下同様)1.8gを用い、これらを出発物質
とし、このうちホスファチジルコリンを工業規模で利用
されているブタ膵臓由来のホスホリパーゼA2 (ノボノ
ルディスクバイオインダストリアル社製、商品名;レシ
ターゼ、以下同様)を透析後、真空凍結乾燥したもの1
5mgで先述の化1に示す酵素反応(1)により加水分
解することで製造されたリゾホスファチジルコリンをク
ロロホルム:メタノール系ケイ酸カラムクロマトグラフ
ィーによって純度97%以上(TLC−FID法、以下
同様)に精製したもの1.1gを用い、これにホスホリ
パーゼA2 を透析後、真空凍結乾燥したもの250mg
を添加して、先述の化2に示す酵素反応(2)によりエ
ステル合成することにより、下記表1に示す脂肪酸組成
を有するsn−2 EPA含有ホスファチジルコリン
(以下、単にsn−2 EPA−PCともいう)210
mgを得た。
【0052】実施例2 高度不飽和脂肪酸としてEPA標品1.8gを用いる代
わりにドコサヘキサエン酸(DHA)標品(日本化学飼
料株式会社製、純度88%以上、以下同様)1.8gを
用いた以外は、実施例1と同様にして化2に示す酵素反
応(2)によりエステル合成することにより、下記表1
に示す脂肪酸組成を有するsn−2 DHA含有ホスフ
ァチジルコリン(以下、単にsn−2 DHA−PCと
もいう)220mgを得た。
わりにドコサヘキサエン酸(DHA)標品(日本化学飼
料株式会社製、純度88%以上、以下同様)1.8gを
用いた以外は、実施例1と同様にして化2に示す酵素反
応(2)によりエステル合成することにより、下記表1
に示す脂肪酸組成を有するsn−2 DHA含有ホスフ
ァチジルコリン(以下、単にsn−2 DHA−PCと
もいう)220mgを得た。
【0053】実施例3 大豆リン脂質としてホスファチジルコリン0.5g、高
度不飽和脂肪酸としてEPA3.0に、固定化リパーゼ
であるリポザイム(Lipozyme(Mucor miehei由来))(ノボ
ノルディスクバイオインダストリアル社製、商品名;Li
pozymeIM-60 、以下同様)を1.5g添加して、先述の
化3に示す酵素反応(3)によるエステル交換反応を行
った以外は、実施例1と同様にして下記表1に示す脂肪
酸組成を有するsn−1 EPA含有ホスファチジルコ
リン(以下、単にsn−1 EPA−PCともいう)2
00mgを得た。
度不飽和脂肪酸としてEPA3.0に、固定化リパーゼ
であるリポザイム(Lipozyme(Mucor miehei由来))(ノボ
ノルディスクバイオインダストリアル社製、商品名;Li
pozymeIM-60 、以下同様)を1.5g添加して、先述の
化3に示す酵素反応(3)によるエステル交換反応を行
った以外は、実施例1と同様にして下記表1に示す脂肪
酸組成を有するsn−1 EPA含有ホスファチジルコ
リン(以下、単にsn−1 EPA−PCともいう)2
00mgを得た。
【0054】実施例4 市販のサケ卵巣(Salmon roe)(イクラ、以下同様)より
抽出、精製して下記表1に示す脂肪酸組成を有する天然
物のサケ卵巣由来の高度不飽和脂肪酸含有ホスファチジ
ルコリン(以下、単にSalmon roe PCとも
いう)を得た。
抽出、精製して下記表1に示す脂肪酸組成を有する天然
物のサケ卵巣由来の高度不飽和脂肪酸含有ホスファチジ
ルコリン(以下、単にSalmon roe PCとも
いう)を得た。
【0055】比較例1 大豆リン脂質としてのホスファチジルコリン200mg
をそのまま高度不飽和脂肪酸含有リン脂質の代わりに用
いた。該大豆由来ホスファチジルコリン(以下、単にS
oy PCともいう)の脂肪酸組成を下記表1に示す。
をそのまま高度不飽和脂肪酸含有リン脂質の代わりに用
いた。該大豆由来ホスファチジルコリン(以下、単にS
oy PCともいう)の脂肪酸組成を下記表1に示す。
【0056】比較例2 比較例1のSoy PCを水素添加することにより、下
記表1に示す脂肪酸組成を有する水添ホスファチジルコ
リン(以下、単にHPCともいう)を得た。
記表1に示す脂肪酸組成を有する水添ホスファチジルコ
リン(以下、単にHPCともいう)を得た。
【0057】比較例3 高度不飽和脂肪酸含有リン脂質は全く用いずに、後述す
る実施例13による処理を行って得た赤血球変形能測定
試料の1種として、リン脂質未処理(PCのコントロー
ル)の血液を比較例9として用いることとした。
る実施例13による処理を行って得た赤血球変形能測定
試料の1種として、リン脂質未処理(PCのコントロー
ル)の血液を比較例9として用いることとした。
【0058】
【表1】 実施例5 ホスファチジルコリン2.0gを、また高度不飽和脂肪
酸としてEPA標品1.8gを用い、これらを出発物質
とし、このうちホスファチジルコリンをホスホリパーゼ
A2 を透析後、真空凍結乾燥したもの15mgで先述の
酵素反応(1)により加水分解することで製造されたリ
ゾホスファチジルコリンをシリカゲルカラムクロマト法
で精製したもの1.1gを用い、これにホスホリパーゼ
A2 を透析後、真空凍結乾燥したもの250mgを添加
して、先述の酵素反応(2)によりエステル合成を行
い、高度不飽和脂肪酸含有ホスファチジルコリンを単離
した。さらにエタノールアミン塩酸塩(アルドリッチケ
ミカル(Aldrich Chemical)社製、以下同様)370mg
を加え、ホスホリパーゼD(旭化成工業株式会社製、商
品名;ホスホリパーゼD、以下同様)2.2mgを添加
して、先述の化4に示す酵素反応(4)によるホスファ
チジル基転移反応を行うことにより、下記表2に示す脂
肪酸組成を有するsn−2 EPA含有ホスファチジル
エタノールアミン(以下、単にsn−2 EPA−PE
ともいう)170mgを得た。
酸としてEPA標品1.8gを用い、これらを出発物質
とし、このうちホスファチジルコリンをホスホリパーゼ
A2 を透析後、真空凍結乾燥したもの15mgで先述の
酵素反応(1)により加水分解することで製造されたリ
ゾホスファチジルコリンをシリカゲルカラムクロマト法
で精製したもの1.1gを用い、これにホスホリパーゼ
A2 を透析後、真空凍結乾燥したもの250mgを添加
して、先述の酵素反応(2)によりエステル合成を行
い、高度不飽和脂肪酸含有ホスファチジルコリンを単離
した。さらにエタノールアミン塩酸塩(アルドリッチケ
ミカル(Aldrich Chemical)社製、以下同様)370mg
を加え、ホスホリパーゼD(旭化成工業株式会社製、商
品名;ホスホリパーゼD、以下同様)2.2mgを添加
して、先述の化4に示す酵素反応(4)によるホスファ
チジル基転移反応を行うことにより、下記表2に示す脂
肪酸組成を有するsn−2 EPA含有ホスファチジル
エタノールアミン(以下、単にsn−2 EPA−PE
ともいう)170mgを得た。
【0059】実施例6 高度不飽和脂肪酸としてEPA標品1.8gを用いる代
わりに、DHA標品1.8gを用いた以外は、実施例5
と同様にして下記表2に示す脂肪酸組成を有するsn−
2 DHA含有ホスファチジルエタノールアミン(以
下、単にsn−2DHA−PEともいう)175mgを
得た。
わりに、DHA標品1.8gを用いた以外は、実施例5
と同様にして下記表2に示す脂肪酸組成を有するsn−
2 DHA含有ホスファチジルエタノールアミン(以
下、単にsn−2DHA−PEともいう)175mgを
得た。
【0060】実施例7 実施例3と同様にして得た高度不飽和脂肪酸含有ホスフ
ァチジルコリンを実施例5と同様にして下記表2に示す
脂肪酸組成を有するsn−1 EPA含有ホスファチジ
ルエタノールアミン(以下、単にsn−1 EPA−P
Eともいう)160mgを得た。
ァチジルコリンを実施例5と同様にして下記表2に示す
脂肪酸組成を有するsn−1 EPA含有ホスファチジ
ルエタノールアミン(以下、単にsn−1 EPA−P
Eともいう)160mgを得た。
【0061】実施例8 サケ卵巣より抽出、精製したもの500mgにエタノー
ルアミン塩酸塩880mgを加え、ホスホリパーゼD
5.3mgを添加して、先述の酵素反応(4)によるホ
スファチジル基転移反応を行うことにより、下記表2に
示す脂肪酸組成を有するサケ卵巣由来の高度不飽和脂肪
酸含有ホスファチジルエタノールアミン(以下、単にS
almon roe PEともいう)を得た。
ルアミン塩酸塩880mgを加え、ホスホリパーゼD
5.3mgを添加して、先述の酵素反応(4)によるホ
スファチジル基転移反応を行うことにより、下記表2に
示す脂肪酸組成を有するサケ卵巣由来の高度不飽和脂肪
酸含有ホスファチジルエタノールアミン(以下、単にS
almon roe PEともいう)を得た。
【0062】比較例4 ホスファチジルコリン500mgにエタノールアミン塩
酸塩880mgを加え、ホスホリパーゼD5.3mgを
添加して、先述の酵素反応(4)によるホスファチジル
基転移反応を行うことにより、下記表2に示す脂肪酸組
成を有する大豆由来ホスファチジルエタノールアミン
(以下、単にSoy PEともいう)を得た。
酸塩880mgを加え、ホスホリパーゼD5.3mgを
添加して、先述の酵素反応(4)によるホスファチジル
基転移反応を行うことにより、下記表2に示す脂肪酸組
成を有する大豆由来ホスファチジルエタノールアミン
(以下、単にSoy PEともいう)を得た。
【0063】比較例5 比較例4のSoy PEを水素添加することにより、下
記表2に示す脂肪酸組成を有する水添ホスファチジルエ
タノールアミン(以下、単にHPEともいう)を得た。
記表2に示す脂肪酸組成を有する水添ホスファチジルエ
タノールアミン(以下、単にHPEともいう)を得た。
【0064】比較例6 高度不飽和脂肪酸含有リン脂質は全く用いずに、後述す
る実施例13による処理を行って得た赤血球変形能測定
試料の1種として、リン脂質未処理(PEのコントロー
ル)の血液を比較例6として用いることとした。
る実施例13による処理を行って得た赤血球変形能測定
試料の1種として、リン脂質未処理(PEのコントロー
ル)の血液を比較例6として用いることとした。
【0065】
【表2】 実施例9 ホスファチジルコリン2.0gを、また高度不飽和脂肪
酸としてEPA標品1.8gを用い、これらを出発物質
とし、このうちホスファチジルコリンをホスホリパーゼ
A2 を透析後、真空凍結乾燥したもの15mgで先述の
酵素反応(1)により加水分解することで製造されたリ
ゾホスファチジルコリンをカラムクロマト法で精製した
もの1.1gを用い、これにホスホリパーゼA2 を透析
後、真空凍結乾燥したもの250mgを添加して、先述
の酵素反応(2)によりエステル合成を行い、さらに反
応系にL−セリン(和光純薬工業株式社製、以下同様)
1.1gを加え、ホスホリパーゼD2.2mgを添加し
て、先述のか5に示す酵素反応(5)によるホスファチ
ジル基転移反応を行うことにより、下記表3に示す脂肪
酸組成を有するsn−2 EPA含有ホスファチジルセ
リン(以下、単にsn−2 EPA−PSともいう)1
05mgを得た。
酸としてEPA標品1.8gを用い、これらを出発物質
とし、このうちホスファチジルコリンをホスホリパーゼ
A2 を透析後、真空凍結乾燥したもの15mgで先述の
酵素反応(1)により加水分解することで製造されたリ
ゾホスファチジルコリンをカラムクロマト法で精製した
もの1.1gを用い、これにホスホリパーゼA2 を透析
後、真空凍結乾燥したもの250mgを添加して、先述
の酵素反応(2)によりエステル合成を行い、さらに反
応系にL−セリン(和光純薬工業株式社製、以下同様)
1.1gを加え、ホスホリパーゼD2.2mgを添加し
て、先述のか5に示す酵素反応(5)によるホスファチ
ジル基転移反応を行うことにより、下記表3に示す脂肪
酸組成を有するsn−2 EPA含有ホスファチジルセ
リン(以下、単にsn−2 EPA−PSともいう)1
05mgを得た。
【0066】実施例10 高度不飽和脂肪酸としてEPA標品1.8gを用いる代
わりにDHA標品1.8gを用いた以外は、実施例9と
同様にして下記表3に示す脂肪酸組成を有するsn−2
DHA含有ホスファチジルセリン(以下、単にsn−
2 DHA−PSともいう)110mgを得た。
わりにDHA標品1.8gを用いた以外は、実施例9と
同様にして下記表3に示す脂肪酸組成を有するsn−2
DHA含有ホスファチジルセリン(以下、単にsn−
2 DHA−PSともいう)110mgを得た。
【0067】実施例11 実施例3と同様にして得た高度不飽和脂肪酸含有ホスフ
ァチジルコリンを実施例9と同様にして下記表3に示す
脂肪酸組成を有するsn−1 EPA含有ホスファチジ
ルセリン(以下、単にsn−1 EPA−PSともい
う)100mgを得た。
ァチジルコリンを実施例9と同様にして下記表3に示す
脂肪酸組成を有するsn−1 EPA含有ホスファチジ
ルセリン(以下、単にsn−1 EPA−PSともい
う)100mgを得た。
【0068】実施例12 サケ卵巣より抽出、精製したもの500mgにL−セリ
ン2.5gを加え、ホスホリパーゼD5.3mgを添加
して、先述の酵素反応(5)に示す酵素反応によるホス
ファチジル基転移反応を行うことにより、下記表3に示
す脂肪酸組成を有するサケ卵巣由来の高度不飽和脂肪酸
含有ホスファチジルセリン(以下、単にSalmon
roe PSともいう)を得た。
ン2.5gを加え、ホスホリパーゼD5.3mgを添加
して、先述の酵素反応(5)に示す酵素反応によるホス
ファチジル基転移反応を行うことにより、下記表3に示
す脂肪酸組成を有するサケ卵巣由来の高度不飽和脂肪酸
含有ホスファチジルセリン(以下、単にSalmon
roe PSともいう)を得た。
【0069】比較例7 ホスファチジルコリン500mgにL−セリン2.5g
を加え、ホスホリパーゼD5.3mgを添加して、先述
の酵素反応(5)によるホスファチジル基転移反応を行
うことにより、下記表3に示す脂肪酸組成を有する大豆
由来ホスファチジルセリン(以下、単にSoy PSと
もいう)を得た。
を加え、ホスホリパーゼD5.3mgを添加して、先述
の酵素反応(5)によるホスファチジル基転移反応を行
うことにより、下記表3に示す脂肪酸組成を有する大豆
由来ホスファチジルセリン(以下、単にSoy PSと
もいう)を得た。
【0070】比較例8 比較例7のSoy PSを水素添加することにより、下
記表3に示す脂肪酸組成を有する水添ホスファチジルセ
リン(以下、単にHPSともいう)を得た。
記表3に示す脂肪酸組成を有する水添ホスファチジルセ
リン(以下、単にHPSともいう)を得た。
【0071】比較例9 高度不飽和脂肪酸含有リン脂質は全く用いずに、後述す
る実施例13による処理を行って得た赤血球変形能測定
試料の1種として、リン脂質未処理(PSのコントロー
ル)の血液を比較例9として用いることとした。
る実施例13による処理を行って得た赤血球変形能測定
試料の1種として、リン脂質未処理(PSのコントロー
ル)の血液を比較例9として用いることとした。
【0072】
【表3】 実施例13 次に、ヒトから採血した血液10mlにヘパリン0.5
mlを添加して凝血防止した後、3000rpmで15
分間、4℃として遠心分離を行い、上澄血漿を分別保存
し、その後バフィーコート(buffy coat)を除去した。
mlを添加して凝血防止した後、3000rpmで15
分間、4℃として遠心分離を行い、上澄血漿を分別保存
し、その後バフィーコート(buffy coat)を除去した。
【0073】続いて、上記洗浄赤血球にリン酸緩衝液
(PBS)100mlを加えて、1000rpmで10
分間、4℃として遠心分離を行いバフィーコートを除去
する操作を3回繰り返して洗浄した後、該PBSでヘマ
トクリット値を2.0%に調整した。
(PBS)100mlを加えて、1000rpmで10
分間、4℃として遠心分離を行いバフィーコートを除去
する操作を3回繰り返して洗浄した後、該PBSでヘマ
トクリット値を2.0%に調整した。
【0074】上記調整済の赤血球につき、上記実施例1
〜12および比較例1〜9で得られた各種のリン脂質
(終濃度10μM)をそれぞれの試料ごとに添加して3
7℃、3時間インキュベートした。この際、終濃度2m
Mアデニン、10mMイノシンおよび10mMグルコー
スも添加した。
〜12および比較例1〜9で得られた各種のリン脂質
(終濃度10μM)をそれぞれの試料ごとに添加して3
7℃、3時間インキュベートした。この際、終濃度2m
Mアデニン、10mMイノシンおよび10mMグルコー
スも添加した。
【0075】その後、再びPBS100mlを加えて、
1000rpmで10分間、4℃にて3回遠心分離を行
って洗浄した後、該PBSでヘマトクリット値を10%
に調整した。その後、該赤血球懸濁液0.5mlと上記
分別保存しておいた血漿0.2mlとを加えて混合し、
ニュークリポアフィルター(孔径5μm)によってゴー
スト膜を除去したものをそれぞれ変形能測定の試料とし
た。
1000rpmで10分間、4℃にて3回遠心分離を行
って洗浄した後、該PBSでヘマトクリット値を10%
に調整した。その後、該赤血球懸濁液0.5mlと上記
分別保存しておいた血漿0.2mlとを加えて混合し、
ニュークリポアフィルター(孔径5μm)によってゴー
スト膜を除去したものをそれぞれ変形能測定の試料とし
た。
【0076】変形能の測定は、シリコン単結晶基板を加
工して作製した人工毛細血管モデル(以下、単にマイク
ロチャンネルともいう)を用いて測定した。該マイクロ
チャンネルの構造を図1に示す。
工して作製した人工毛細血管モデル(以下、単にマイク
ロチャンネルともいう)を用いて測定した。該マイクロ
チャンネルの構造を図1に示す。
【0077】図1(a)〜(c)より、該マイクロチャ
ンネル1は、バンク2で仕切られたウェル3および各バ
ンク2の外方に同じ深さの溝部4が上面側に、そして該
ウェル3の中央部分に縦貫通孔5が形成されているシリ
コン基板6と、該シリコン基板6の上面と接するように
載置される透明なガラス板7と、さらに該ガラス板7の
上方に設置された顕微鏡8より構成されている。
ンネル1は、バンク2で仕切られたウェル3および各バ
ンク2の外方に同じ深さの溝部4が上面側に、そして該
ウェル3の中央部分に縦貫通孔5が形成されているシリ
コン基板6と、該シリコン基板6の上面と接するように
載置される透明なガラス板7と、さらに該ガラス板7の
上方に設置された顕微鏡8より構成されている。
【0078】また、シリコン基板6のバンク2は、上記
ガラス板7と接する上段面、さらに該上段面にウェル3
と溝部4を連通する形の微細溝9を有し、該微細溝9と
同じ深さの中段面を有するテラス10がバンク上段面の
両側(ウェル3側と溝部4側)に形成された構造を有す
る。
ガラス板7と接する上段面、さらに該上段面にウェル3
と溝部4を連通する形の微細溝9を有し、該微細溝9と
同じ深さの中段面を有するテラス10がバンク上段面の
両側(ウェル3側と溝部4側)に形成された構造を有す
る。
【0079】次に上記マイクロチャンネル1を用いて赤
血球の変形能の測定を行うには、該マイクロチャンネル
1を10cmH2 Oに減圧する。これにより、縦貫通孔
5の下端に連接された適当な容器に内封された赤血球試
料が、吸引され縦貫通孔5よりシリコン基板6上にガラ
ス板7を接置することにより形成される微細溝9を除き
閉塞された空間を持つウェル3に試料(血液)が送り込
まれれ、さらに微細溝9を通って各溝部4側に引かれ流
出する。ここで、該微細溝9の溝の大きさをヒトの毛細
血管の平均直径と同じ5μmに形成することで、平均径
8μmであるヒトの赤血球が該毛細血管を通過する時と
同様に、マイクロチャンネル1の該微細溝9を通過する
時にも、該赤血球の形状を変形しなければならないが、
変形能が悪化したものでは、該微細溝9を赤血球が通過
する速度が遅くなり、変形能が向上したものでは速くな
る。そのため、該微細溝9を流れる赤血球の様子を、顕
微鏡8により直接観察するとともに、該溝部4側より回
収される試料の流率を計測することにより、正確かつ精
密に変形能の測定を行うことができるものである。なお
試料の流率は、一定時間に微細溝9を通過する試料の容
量で示したものである。
血球の変形能の測定を行うには、該マイクロチャンネル
1を10cmH2 Oに減圧する。これにより、縦貫通孔
5の下端に連接された適当な容器に内封された赤血球試
料が、吸引され縦貫通孔5よりシリコン基板6上にガラ
ス板7を接置することにより形成される微細溝9を除き
閉塞された空間を持つウェル3に試料(血液)が送り込
まれれ、さらに微細溝9を通って各溝部4側に引かれ流
出する。ここで、該微細溝9の溝の大きさをヒトの毛細
血管の平均直径と同じ5μmに形成することで、平均径
8μmであるヒトの赤血球が該毛細血管を通過する時と
同様に、マイクロチャンネル1の該微細溝9を通過する
時にも、該赤血球の形状を変形しなければならないが、
変形能が悪化したものでは、該微細溝9を赤血球が通過
する速度が遅くなり、変形能が向上したものでは速くな
る。そのため、該微細溝9を流れる赤血球の様子を、顕
微鏡8により直接観察するとともに、該溝部4側より回
収される試料の流率を計測することにより、正確かつ精
密に変形能の測定を行うことができるものである。なお
試料の流率は、一定時間に微細溝9を通過する試料の容
量で示したものである。
【0080】図2は、比較例2で得られたHPCと実施
例6で得られたsn−2 DHA−PEを実施例13に
よってそれぞれ処理したヒト赤血球の試料を用いて図1
のマイクロチャンネル1の微細溝9の部分を赤血球試料
が通過する際の像を撮影した写真であり、図3および図
4は、実施例1、5、9および実施例2、6、10でそ
れぞれ得られた高度不飽和脂肪酸含有リン脂質を実施例
13によってそれぞれ処理したヒト赤血球の試料を用い
て図1のマイクロチャンネル1の微細溝9の部分を赤血
球試料が通過する際の像を撮影した写真である。図2
(b)に示すように、実施例6で得られたsn−2 D
HA−PEで処理した赤血球試料では、赤血球がほとん
ど瞬間的にマイクロチャンネル1の微細溝9を通過して
いるため、赤血球はまったく捕らえられていないが、図
2(a)に示すように、比較例2で得られたHPCで処
理した赤血球試料では、マイクロチャンネル1の微細溝
9を通過する際に、該微細溝9に赤血球のひっかかりが
認められる。また、図3〜図図8にも本実施例による各
種赤血球試料の様子を示すが、いづれの場合にも赤血球
がほとんど瞬間的にマイクロチャンネル1の微細溝9を
通過しているため、赤血球はほとんど捕らえられていな
いことが確認できた。
例6で得られたsn−2 DHA−PEを実施例13に
よってそれぞれ処理したヒト赤血球の試料を用いて図1
のマイクロチャンネル1の微細溝9の部分を赤血球試料
が通過する際の像を撮影した写真であり、図3および図
4は、実施例1、5、9および実施例2、6、10でそ
れぞれ得られた高度不飽和脂肪酸含有リン脂質を実施例
13によってそれぞれ処理したヒト赤血球の試料を用い
て図1のマイクロチャンネル1の微細溝9の部分を赤血
球試料が通過する際の像を撮影した写真である。図2
(b)に示すように、実施例6で得られたsn−2 D
HA−PEで処理した赤血球試料では、赤血球がほとん
ど瞬間的にマイクロチャンネル1の微細溝9を通過して
いるため、赤血球はまったく捕らえられていないが、図
2(a)に示すように、比較例2で得られたHPCで処
理した赤血球試料では、マイクロチャンネル1の微細溝
9を通過する際に、該微細溝9に赤血球のひっかかりが
認められる。また、図3〜図図8にも本実施例による各
種赤血球試料の様子を示すが、いづれの場合にも赤血球
がほとんど瞬間的にマイクロチャンネル1の微細溝9を
通過しているため、赤血球はほとんど捕らえられていな
いことが確認できた。
【0081】また、一定量の試料がマイクロチャンネル
の微細溝9を通過するのに要する時間(速度)を計測し
た結果を図9(a)〜(c)に示す。また、これら計測
結果のうち、リン脂質未処理(コントロール)(比較例
3)、PE(比較例6)およびPS(比較例9)に対す
る本実施例の各PC(実施例1〜4)、PE(実施例5
〜8)およびPS(実施例9〜12)ごとの通過に要し
た時間の差を表4に示す。
の微細溝9を通過するのに要する時間(速度)を計測し
た結果を図9(a)〜(c)に示す。また、これら計測
結果のうち、リン脂質未処理(コントロール)(比較例
3)、PE(比較例6)およびPS(比較例9)に対す
る本実施例の各PC(実施例1〜4)、PE(実施例5
〜8)およびPS(実施例9〜12)ごとの通過に要し
た時間の差を表4に示す。
【0082】
【表4】 図9(a)〜(c)および表4より、リン脂質の分子種
組成と赤血球の変形能との関係が明らかにできた。すな
わち、本発明に係る赤血球変形能向上剤として実施例1
〜12で作製した高度不飽和脂肪酸含有リン脂質におい
ては、比較例1〜9に示すようなリン脂質に比して、い
ずれの試料においてもその赤血球の流率が優れており、
特にホスファチジルセリンではEPAをアシル基に持つ
sn−2EPA含有ホスファチジルセリン(実施例9)
およびsn−1 EPA含有ホスファチジルセリン(実
施例11)、ホスファチジルコリンとホスファチジルエ
タノールアミンではDHAをアミン基に持つsn−2
DHA含有ホスファチジルコリン(実施例2)およびs
n−2 DHA含有ホスファチジルエタノールアミン
(実施例6)が最も流率が高く、これらの結果から、本
発明の赤血球変形能向上剤では、赤血球の変形能を向上
させることができることが確認できた。
組成と赤血球の変形能との関係が明らかにできた。すな
わち、本発明に係る赤血球変形能向上剤として実施例1
〜12で作製した高度不飽和脂肪酸含有リン脂質におい
ては、比較例1〜9に示すようなリン脂質に比して、い
ずれの試料においてもその赤血球の流率が優れており、
特にホスファチジルセリンではEPAをアシル基に持つ
sn−2EPA含有ホスファチジルセリン(実施例9)
およびsn−1 EPA含有ホスファチジルセリン(実
施例11)、ホスファチジルコリンとホスファチジルエ
タノールアミンではDHAをアミン基に持つsn−2
DHA含有ホスファチジルコリン(実施例2)およびs
n−2 DHA含有ホスファチジルエタノールアミン
(実施例6)が最も流率が高く、これらの結果から、本
発明の赤血球変形能向上剤では、赤血球の変形能を向上
させることができることが確認できた。
【0083】
【発明の効果】一般にヒトの毛細血管の直径が通常、直
径2〜20μmであり、ヒト赤血球(直径6〜9μm)
よりも小さな直径の毛細血管内を通過する際には、赤血
球はその形状を変形させなければならない。したがって
赤血球の変形能が悪化したような場合には、毛細血管近
傍で各種の血栓を生じ易くなり、また高血圧を引き起こ
す原因ともなる。これに対して、本発明の赤血球変形能
向上剤では、いずれも高度不飽和脂肪酸含有リン脂質を
含有しているため、赤血球の変形能を向上できる作用を
有し、赤血球の変形能が悪化した場合あるいは悪化を事
前に予防する場合に毛細血管の通過速度を改善できある
いは適正に維持することができるため、血栓症や高血圧
症を治療または予防するための医薬品や特定保健用食品
など幅広い分野に利用することができる。
径2〜20μmであり、ヒト赤血球(直径6〜9μm)
よりも小さな直径の毛細血管内を通過する際には、赤血
球はその形状を変形させなければならない。したがって
赤血球の変形能が悪化したような場合には、毛細血管近
傍で各種の血栓を生じ易くなり、また高血圧を引き起こ
す原因ともなる。これに対して、本発明の赤血球変形能
向上剤では、いずれも高度不飽和脂肪酸含有リン脂質を
含有しているため、赤血球の変形能を向上できる作用を
有し、赤血球の変形能が悪化した場合あるいは悪化を事
前に予防する場合に毛細血管の通過速度を改善できある
いは適正に維持することができるため、血栓症や高血圧
症を治療または予防するための医薬品や特定保健用食品
など幅広い分野に利用することができる。
【図1】 図1(a)は、シリコン単結晶基板を加工し
て作製した人工毛細血管モデル(マイクロチャンネル)
の構造を示す概略斜視図であり、図1(b)は、マイク
ロチャンネルの微細溝を含むテラス部分の構造を示す概
略斜視図であり、図1(c)は、マイクロチャンネルの
構造を模式的に表した概略断面図である。
て作製した人工毛細血管モデル(マイクロチャンネル)
の構造を示す概略斜視図であり、図1(b)は、マイク
ロチャンネルの微細溝を含むテラス部分の構造を示す概
略斜視図であり、図1(c)は、マイクロチャンネルの
構造を模式的に表した概略断面図である。
【図2】 図2(a)は、図面に代わる写真として、比
較例2で得られた水添PCを実施例13によって処理し
たヒト赤血球の試料を用いて図1の人工毛細血管モデル
(マイクロチャンネル)の微細溝の部分を赤血球試料が
通過する際の像を1000倍に拡大して撮影したもので
あり、図2(b)は、図面に代わる写真として、実施例
6で得られたsn−2 DHA含有ホスファチジルエタ
ノールアミンを実施例13によって処理したヒト赤血球
の試料を用いて図1の人工毛細血管モデル(マイクロチ
ャンネル)の微細溝の部分を赤血球試料が通過する際の
像を1000倍に拡大して撮影したものである。
較例2で得られた水添PCを実施例13によって処理し
たヒト赤血球の試料を用いて図1の人工毛細血管モデル
(マイクロチャンネル)の微細溝の部分を赤血球試料が
通過する際の像を1000倍に拡大して撮影したもので
あり、図2(b)は、図面に代わる写真として、実施例
6で得られたsn−2 DHA含有ホスファチジルエタ
ノールアミンを実施例13によって処理したヒト赤血球
の試料を用いて図1の人工毛細血管モデル(マイクロチ
ャンネル)の微細溝の部分を赤血球試料が通過する際の
像を1000倍に拡大して撮影したものである。
【図3】 図面に代わる写真として、実施例1で得られ
たsn−2 EPA−PCを実施例13によって処理し
たヒト赤血球の試料を用いて図1の人工毛細血管モデル
(マイクロチャンネル)の微細溝の部分を赤血球試料が
通過する際の像を1000倍に拡大して撮影したもので
ある。
たsn−2 EPA−PCを実施例13によって処理し
たヒト赤血球の試料を用いて図1の人工毛細血管モデル
(マイクロチャンネル)の微細溝の部分を赤血球試料が
通過する際の像を1000倍に拡大して撮影したもので
ある。
【図4】 図面に代わる写真として、実施例5で得られ
たsn−2 EPA−PEを実施例13によって処理し
たヒト赤血球の試料を用いて図1の人工毛細血管モデル
(マイクロチャンネル)の微細溝の部分を赤血球試料が
通過する際の像を1000倍に拡大して撮影したもので
ある。
たsn−2 EPA−PEを実施例13によって処理し
たヒト赤血球の試料を用いて図1の人工毛細血管モデル
(マイクロチャンネル)の微細溝の部分を赤血球試料が
通過する際の像を1000倍に拡大して撮影したもので
ある。
【図5】 図面に代わる写真として、実施例9で得られ
たsn−2 EPA−PSを実施例13によって処理し
たヒト赤血球の試料を用いて図1の人工毛細血管モデル
(マイクロチャンネル)の微細溝の部分を赤血球試料が
通過する際の像を1000倍に拡大して撮影したもので
ある。
たsn−2 EPA−PSを実施例13によって処理し
たヒト赤血球の試料を用いて図1の人工毛細血管モデル
(マイクロチャンネル)の微細溝の部分を赤血球試料が
通過する際の像を1000倍に拡大して撮影したもので
ある。
【図6】 図面に代わる写真として、実施例2で得られ
たsn−2 DHA−PCを実施例13によって処理し
たヒト赤血球の試料を用いて図1の人工毛細血管モデル
(マイクロチャンネル)の微細溝の部分を赤血球試料が
通過する際の像を1000倍に拡大して撮影したもので
ある。
たsn−2 DHA−PCを実施例13によって処理し
たヒト赤血球の試料を用いて図1の人工毛細血管モデル
(マイクロチャンネル)の微細溝の部分を赤血球試料が
通過する際の像を1000倍に拡大して撮影したもので
ある。
【図7】 図面に代わる写真として、実施例6で得られ
たsn−2 DHA−PEを実施例13によって処理し
たヒト赤血球の試料を用いて図1の人工毛細血管モデル
(マイクロチャンネル)の微細溝の部分を赤血球試料が
通過する際の像を1000倍に拡大して撮影したもので
ある。
たsn−2 DHA−PEを実施例13によって処理し
たヒト赤血球の試料を用いて図1の人工毛細血管モデル
(マイクロチャンネル)の微細溝の部分を赤血球試料が
通過する際の像を1000倍に拡大して撮影したもので
ある。
【図8】 図面に代わる写真として、実施例10で得ら
れたsn−2 DHA−PSを実施例13によって処理
したヒト赤血球の試料を用いて図1の人工毛細血管モデ
ル(マイクロチャンネル)の微細溝の部分を赤血球試料
が通過する際の像を1000倍に拡大して撮影したもの
である。
れたsn−2 DHA−PSを実施例13によって処理
したヒト赤血球の試料を用いて図1の人工毛細血管モデ
ル(マイクロチャンネル)の微細溝の部分を赤血球試料
が通過する際の像を1000倍に拡大して撮影したもの
である。
【図9】 図1の人工毛細血管モデル(マイクロチャン
ネル)の微細溝の通過速度を計測した結果を示すグラフ
であり、図9(a)は、実施例1〜4および比較例1〜
3で得られた各種のPCを用いて処理した赤血球試料に
よる測定結果を表すグラフであり、図9(b)は、実施
例5〜8および比較例4〜6で得られた各種のPEを用
いて処理した赤血球試料による測定結果を表すグラフで
あり、図9(c)は、実施例9〜12および比較例7〜
9で得られた各種のPSを用いて処理した赤血球試料に
よる測定結果を表すグラフである。
ネル)の微細溝の通過速度を計測した結果を示すグラフ
であり、図9(a)は、実施例1〜4および比較例1〜
3で得られた各種のPCを用いて処理した赤血球試料に
よる測定結果を表すグラフであり、図9(b)は、実施
例5〜8および比較例4〜6で得られた各種のPEを用
いて処理した赤血球試料による測定結果を表すグラフで
あり、図9(c)は、実施例9〜12および比較例7〜
9で得られた各種のPSを用いて処理した赤血球試料に
よる測定結果を表すグラフである。
1…マイクロチャンネル、 2…バンク、3…ウ
ェル、 4…溝部、5…縦貫通孔、
6…シリコン基板、7…透明ガラス
板、 8…顕微鏡、9…微細溝、
10…テラス。
ェル、 4…溝部、5…縦貫通孔、
6…シリコン基板、7…透明ガラス
板、 8…顕微鏡、9…微細溝、
10…テラス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 9/00 7432−4B
Claims (5)
- 【請求項1】 高度不飽和脂肪酸含有リン脂質を用いて
いることを特徴とする赤血球変形能向上剤。 - 【請求項2】 前記高度不飽和脂肪酸含有リン脂質が、
大豆リン脂質および高度不飽和脂肪酸を出発物質とし、
ホスホリパーゼA2 による加水分解およびエステル合成
反応により得られたものであることを特徴とする請求項
1に記載の赤血球変形能向上剤。 - 【請求項3】 前記高度不飽和脂肪酸含有リン脂質が、
大豆リン脂質および高度不飽和脂肪酸を出発物質とし、
リパーゼによるエステル基交換反応により得られたもの
であることを特徴とする請求項1に記載の赤血球変形能
向上剤。 - 【請求項4】 前記高度不飽和脂肪酸含有リン脂質が、
大豆リン脂質および高度不飽和脂肪酸を出発物質とし、
ホスホリパーゼA2 による加水分解およびエステル合成
反応並びにホスホリパーゼDによるホスファチジル基転
位反応を行って得られたものであることを特徴とする請
求項1に記載の赤血球変形能向上剤。 - 【請求項5】 前記高度不飽和脂肪酸含有リン脂質が、
大豆リン脂質および高度不飽和脂肪酸を出発物質とし、
リパーゼによるエステル基交換反応およびホスホリパー
ゼDによるホスファチジル基転位反応を行って得られた
ものであることを特徴とする請求項1に記載の赤血球変
形能向上剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6228603A JPH0867635A (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | 赤血球変形能向上剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6228603A JPH0867635A (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | 赤血球変形能向上剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0867635A true JPH0867635A (ja) | 1996-03-12 |
Family
ID=16878945
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6228603A Pending JPH0867635A (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | 赤血球変形能向上剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0867635A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016053156A (ja) * | 2014-09-02 | 2016-04-14 | 日清ファルマ株式会社 | 高度不飽和脂肪酸結合型リン脂質の製造方法 |
-
1994
- 1994-08-30 JP JP6228603A patent/JPH0867635A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016053156A (ja) * | 2014-09-02 | 2016-04-14 | 日清ファルマ株式会社 | 高度不飽和脂肪酸結合型リン脂質の製造方法 |
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