JP2001186898A - 多価不飽和脂肪酸残基をもつホスファチジルセリンの製造法 - Google Patents

多価不飽和脂肪酸残基をもつホスファチジルセリンの製造法

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輝之 金田
Yoshikazu Inoue
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性の点で懸念なく、食品用途をはじめ各
種産業分野で使用することができる多価不飽和脂肪酸残
基を有するホスファチジルセリンの効率的な工業的生産
方法を提供する。 【解決手段】 ヘキサンおよびアセトンの混液と水との
混合溶媒中、アシルグリセロリン脂質とセリンとをホス
ホリパーゼDを用いてホスファチジル基転移反応せしめ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用の分野】本発明はアシルグリセロリン脂
質の効率的な生産方法に関する。より詳しくは、特定の
溶媒を用い、アシルグリセロリン脂質のホスファチジル
基を酵素的に変換することを特徴とするホスファチジル
基転移されたアシルグリセロリン脂質であるホスファチ
ジルセリンを効率良く製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にリン脂質と呼ばれるアシルグリセ
ロリン脂質(以下、単にグリセロリン脂質あるいはリン
脂質という)は、その界面活性をはじめとする物理化学
的特性を生かして、単に乳化剤や分散剤としての利用の
みならずリポソーム等の基剤として薬剤運搬体、人工血
液、人工細胞等への応用が近年注目されている。また、
リン脂質自体が生理活性、薬理作用をもつ素材として、
医薬品、化粧品、農林水産業、飼料等の分野だけでな
く、一般加工食品や健康食品等の分野において高度利用
が鋭意検討されている。
【0003】また、エイコサペンタエン酸やドコサヘキ
サエン酸等のいわゆるn−3系多価不飽和脂肪酸は水産
魚貝類から抽出される脂質や卵黄油の構成脂肪酸として
知られ、近年、血中脂質の低下、記憶力の向上、痴呆症
状の予防、血小板凝集抑制能などの機能を有することが
知られている(Hucas,Lancet,339,2
86(1988)、Soderberg,Lipid
s,26,421(1991)等)。また、エイコサペ
ンタエン酸やドコサヘキサエン酸は魚油(トリグリセリ
ド)の形態に比べて、グリセロリン脂質の形態であるも
のが摂取時の吸収性が高く、かつ多価不飽和脂肪酸自体
の酸化劣化に対する安定性も高い。このため、グリセロ
リン脂質型多価不飽和脂肪酸は、多価不飽和脂肪酸本来
の機能を発現させるうえで好適な形態であり、医薬品や
栄養補助食品等の原料・素材として期待できる。
【0004】一方、アシルグリセロリン脂質の一種であ
るホスファチジルセリンは天然動植物の組織とりわけ大
豆や牛脳等の組織において細胞膜構成物質として比較的
多く存在しており、従来は前記動植物組織より抽出し、
濃縮・分画・分別等の精製処理を施して採取していた。
ホスファチジルセリンは、近年、記憶力や集中力を向上
させるなどの脳の機能を維持、改善し得る栄養学的かつ
医薬的に有望な素材として注目を集めている。また、一
般にグリセロリン脂質を大量生産するために、出発物質
のアシルグリセロリン脂質を化学的あるいは酵素的にホ
スファチジル基転移置換し、これから濃縮・分画等精製
する方法がこれまでに種々提案されてきた。(特開昭6
3−42691号、特開昭63−44893号、特開平
1−153090号、特開平2−65093号、特開平
2−49593号各公報等。)
【0005】ホスホリパーゼDを用いてホスファチジル
基転移反応を利用してアシルグリセロリン脂質の塩基部
分を交換しようとする場合、一般的には水相と有機溶媒
相とからなる二相系で反応が行われる。即ち、主として
酵素、反応受容体、pH緩衝液、無機塩等を含む水相
と、主として親油性であるアシルグリセロリン脂質等を
含む有機溶媒相とを適宜に攪拌、混合して接触させる反
応系を利用してきた。
【0006】このような酵素反応系において、ホスファ
チジル基転移反応を促進させる有機溶媒としては、石油
エーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテル、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、四塩化炭素、ジクロロエタン、n−オクタン、イソ
オクタン、酢酸エチル、ジオキサン、ベンゼン等、ある
いはこれらの混合溶媒が知られている。しかし、これら
の有機溶媒はアシルグリセロリン脂質を溶解することは
できるが、前記転移反応を促進させる効果は十分に満足
できるものではなく、また、目的物を食品等に利用しよ
うとする場合には安全性などの点から前記有機溶媒を使
用することができない。
【0007】このようにアシルグリセロリン脂質の酵素
反応を二相溶媒系で行う場合には、酵素と交換させる塩
基性物質とアシルグリセロリン脂質とを効率よく接触さ
せる必要があり、アシルグリセロリン脂質を溶解し得る
親油性有機溶媒と、酵素及び交換させる塩基性物質を溶
解し得る水あるいは親水性溶媒との二相を使用すること
が必須条件であった。このため食品用途を考慮した場合
においても使用可能な安全性の高い反応溶媒が見出され
ていなかった。また、この観点から使用可能な有機溶媒
としてn−ヘキサン(以下、単にヘキサンという)があ
るが、これらを用いたとしてもホスファチジル基転移反
応率は極めて低いものにとどまっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】かかる実状に鑑み、本
発明は、ホスファチジルセリンを食品等においても安全
性を懸念することなく使用することができ、当該リン脂
質を効率良く工業的に生産する方法を提供することを目
的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ヘキサンおよび通
常はアシルグリセロリン脂質を溶解しないとされている
アセトンの混液と水との混合溶媒を用いてホスファチジ
ル基転移反応を行わせることにより、従来の有機溶媒あ
るいはその混合溶媒を用いる場合の同反応に比べて極め
て塩基交換率が向上することを見い出し、本発明を完成
するに至った。
【0010】すなわち、本発明によれば、アシルグリセ
ロリン脂質とセリンとをホスホリパーゼDを用いてホス
ファチジル基転移反応せしめるにあたり、該反応溶媒と
して(A)ヘキサンおよびアセトンの混液と(B)水と
の混合溶媒を用いることを特徴とする多価不飽和脂肪酸
残基をもつホスファチジルセリンの製造法が提供され
る。このような本発明において、ヘキサンおよびアセト
ンの混液はヘキサン/アセトン=99/1〜1/1(容
量比率)であることが好ましい。また、アシルグリセロ
リン脂質はアシル基をもつホスファチジルコリン、ホス
ファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリンお
よびホスファチジルイノシトールからなる群から選ばれ
る1種または2種以上であることが望ましく、前記アシ
ル基としてはn−3系多価不飽和脂肪酸残基を含むもの
が好ましく、このn−3系多価不飽和脂肪酸としてはα
−リノレン酸、エイコサペンタエン酸およびドコサヘキ
サエン酸からなる群から選択される1種または2種以上
を含むものが望ましい。かかるアシルグリセロリン脂質
の好適な態様の例はイカ由来のものである。また、ホス
ホリパーゼDはストレプトマイセス属に属する微生物を
起源とするものが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、ホスホリパーゼDのホ
スファチジル基転移活性を効率良く発現させることによ
って、食品用途をはじめ前記各種産業分野において使用
できる多価不飽和脂肪酸残基をもつホスファチジルセリ
ンを高効率で得る工業的生産方法である。
【0012】本発明では、ホスホリパーゼDを用いる酵
素反応における溶媒としてヘキサンおよびアセトンの混
液と水との混合溶媒を用いることを必須とする。
【0013】ヘキサンおよびアセトンの混液において、
両者の比率は任意であるが、より望ましくは該混液中の
アセトン濃度が1〜50容量%、さらに好ましくは10
〜30容量%とするのがよい。この範囲をはずれるとホ
スホリパーゼDによるホスファチジル基転移反応の効率
が著しく低下する。
【0014】前記混液の使用量は原料として用いるアシ
ルグリセロリン脂質重量の50〜200容量倍であり、
より好ましくは100〜140容量倍である。50容量
倍未満では原料基質を溶解した溶液の粘度が高くなって
反応効率の低下を招く原因になり、逆に200容量倍を
超えるとホスファチジル基転移効率が悪くなる。
【0015】原料とするアシルグリセロリン脂質はいか
なる起源のものを用いてもよいが、アシル基を有するホ
スファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミ
ン、ホスファチジルセリンおよびホスファチジルイノシ
トールからなる群から選ばれる1種または2種以上の組
成のものが好適である。また、アシル基は不飽和結合の
有無や炭素数については任意であり公知の脂肪酸残基等
でよいが、n−3系多価不飽和脂肪酸残基を含むものが
望ましい。このような脂肪酸としてα−リノレン酸、エ
イコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等を例示で
き、これらの1種または2種以上を含むものが好適であ
る。かかるアシルグリセロリン脂質の原料としては大
豆、菜種、シソ、エゴマ、鶏卵、マグロ、イカ、イワ
シ、カツオ、アサクサノリ、スピルリナ、海産クロレ
ラ、モルティエレラ属に属する微生物菌体等を例示で
き、これらの組織や種子から常法により採取したアシル
グリセロリン脂質を用いることができる。合成品でもさ
しつかえない。目的とするホスファチジルセリンの構成
脂肪酸としてドコサヘキサエン酸を必要とする場合は、
例えばドコサヘキサエン酸強化鶏卵黄、イカやマグロ等
の海産物から得られるドコサヘキサエン酸を高濃度に含
む構成脂肪酸の残基を有するアシルグリセロリン脂質を
用いるのが好ましい。
【0016】ホスホリパーゼDは、キャベツ、米糠、放
線菌等から採取されるものを使用でき、とりわけストレ
プトマイセス属に属する微生物由来のホスホリパーゼD
が好適であり、一般に市販されているものでよいが、ホ
スホリパーゼDを含む前記微生物の培養液をそのまま使
用してもよい。前記反応におけるホスホリパーゼDの使
用量は、反応基質をジパルミトイルホスファチジルコリ
ンとし、この1μモルを1分間にジパルミトイルホスフ
ァチジン酸に加水分解するのに必要なホスホリパーゼD
の量を1単位と定義するとき、原料とするアシルグリセ
ロリン脂質1gに対し0.5〜1800単位である。
0.5単位未満ではホスファチジル基転移反応率が低
く、1800単位を超えて添加してもホスファチジル基
転移効率はさらに高くはならない。
【0017】水はイオン交換水、精製水または蒸留水を
用いるのが好ましく、さらには、これに2価のカチオン
および酢酸等を含有せしめてpHを弱酸性に調整したも
のを使用するのがより好ましい。例えば、塩化カルシウ
ムを5〜100mM含むpH4〜6の酢酸緩衝液あるい
は同様のリン酸緩衝液とするのがよい。緩衝液の使用量
は任意であるが、望ましくは前記混液の0.1〜2重量
倍である。原料として用いるセリンの起源は問わず、D
−セリンおよびL−セリンを使用できるが、ホスファチ
ジル基転移反応効率および生体内活性の点からL−セリ
ンが好適である。
【0018】ホスファチジル基転移反応の温度は5〜5
0℃で行うのがよく、より好ましくは20〜50℃であ
る。当該反応の所要時間は酵素量や反応温度により変動
するが、おおむね0.5〜48時間である。本発明で使
用する水相と有機溶媒相とを十分に接触させるために適
宜に攪拌、振とう等の処理を施すことは好ましい。反応
後、例えば加熱やアルコール変性等の処理で酵素を失活
させ、水相を除去し、さらにヘキサンおよびアセトンを
減圧下に除去することによって本発明の目的物である多
価不飽和脂肪酸残基をもつホスファチジルセリンを得る
ことができる。なお、これを溶剤分別、シリカゲル分
画、高速液体クロマトグラフィー等の処理に供して高純
度に精製することも可能である。
【0019】
【実施例】以下に、実施例および比較例を示して本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。以下の記載において、%はとくに断
らない限り面積%である。なお、リン脂質の組成分析は
薄層クロマトグラフィー(TLC)とデンシトメーター
の組み合わせで行った。TLCはKieselgel
60(MERCK社製)を用い、デンシトメーターは型
式:CS−9300(SHIMAZU社製)を使用し
た。有機溶媒をTLCにスポットしてクロロホルム:メ
タノール:酢酸=65:25:10で展開し、50wt
%硫酸エタノールを噴霧、加熱後デンシトメーターでリ
ン脂質組成を分析した。また、ガスクロマトグラフィー
(GLC)を用いて常法により脂肪酸組成を分析した。
【0020】
【実施例1】イカの細断片をヘキサンで抽出し、該抽出
物をアセトン分別して得たイカ由来のアシルグリセロリ
ン脂質(ホスファチジルコリン:85%、構成脂肪酸中
のドコサヘキサエン酸:79%)2kgをヘキサン:ア
セトン=80:20(容量比。以下同じ。)の混液25
0Lに溶解した。これに、塩化カルシウムを40mM含
む0.2M酢酸緩衝液にL−セリンを3.2M濃度にな
るように溶解し、この100Lを加えた。さらに、スト
レプトマイセス属に属する微生物由来のホスホリパーゼ
D(特願平11−86189号に記載のもの)を324
000単位(1単位:前述の定義のとおり)添加し、4
5℃、1時間、ゆるやかに攪拌しながらホスファチジル
基転移反応を行わせた。反応後の有機溶媒相をTLCで
展開し、デンシトメーターで分析した。ドコサヘキサエ
ン酸を構成脂肪酸として有するホスファチジルセリン
(以下、PSと略す):80%およびホスファチジン酸
(以下、PAと略す):20%であった。
【0021】
【実施例2】実施例1に記載のイカ由来のアシルグリセ
ロリン脂質2kgをヘキサン:アセトン=55:45の
混液280Lに溶解したことを除いて実施例1と同様に
処理したところ、ドコサヘキサエン酸を構成脂肪酸とし
て有するPS:75%、同PA:25%のアシルグリセ
ロリン脂質を得た。
【0022】
【実施例3】ドコサヘキサエン酸強化鶏卵黄由来のアシ
ルグリセロリン脂質(ホスファチジルコリン:48%、
ホスファチジルエタノールアミン:43%、ホスファチ
ジン酸:5%、構成脂肪酸中のドコサヘキサエン酸:2
3%)2kgを原料として実施例1に記載の方法に従っ
て処理したところ、ドコサヘキサエン酸を構成脂肪酸と
して有するPS:82%、同PA:18%のアシルグリ
セロリン脂質を得た。
【0023】
【実施例4】実施例1に記載のイカ由来のアシルグリセ
ロリン脂質2kgをヘキサン:アセトン=90:10の
混液100Lに溶解したことを除いて実施例1と同様に
処理したところ、ドコサヘキサエン酸を構成脂肪酸とし
て有するPS:73%、同PA:27%のアシルグリセ
ロリン脂質を得た。
【0024】
【実施例5】イカ由来のアシルグリセロリン脂質に代え
て市販の粉末状大豆レシチン(ホスファチジルコリン:
50%、ホスファチジルエタノールアミン:15%、ホ
スファチジルイノシトール:10%、構成脂肪酸組成中
リノール酸:65%、α−リノレン酸:11%、オレイ
ン酸:14%、ステアリン酸:6%)2kgを原料とし
て実施例1に記載の方法に従って処理したところ、構成
脂肪酸としてα−リノレン酸を有するPS:62%、同
PA:9%、同ホスファチジルイノシトール:5%のア
シルグリセロリン脂質を得た。
【0025】
【実施例6】実施例1に記載のイカ由来のリン脂質2k
gヘキサン:アセトン=80:20の混合溶媒450L
に溶解し実施例1に従って処理したところ、ドコサヘキ
サエン酸を構成脂肪酸として有するPS:50%、同P
A:35%、原料リン脂質:15%であるグリセロリン
脂質を得た。
【0026】
【比較例1】ヘキサンおよびアセトンの混液に代えてヘ
キサンのみを用いた以外は実施例1と同様に処理した。
この結果、PS:0%、PA:0%であり、ヘキサンの
みによる反応では原料のアシルグリセロリン脂質の塩基
部は全く変換されなかった。
【0027】
【比較例2】混液のヘキサンとアセトンの比をヘキサ
ン:アセトン=45:55にした以外は実施例1と同様
に処理した。この結果、PS:40%、PA:30%、
原料リン脂質:30%であり、混液の組成が本発明の範
囲外であるとPSの変換率が低下することが明らかにな
った。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、ホスホリパーゼDを用
いるホスファチジル基転移反応において、水と有機溶媒
との二相反応系における有機溶媒としてヘキサンと従来
リン脂質が溶解しないとされているアセトンとの混液を
使用することにより、安全性の点で懸念がなく、食品分
野をはじめ各種産業分野で利用可能な、塩基部の構造が
変換された生体機能性の高い多価不飽和脂肪酸残基を有
するホスファチジルセリンを工業的に効率よく製造する
ことができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アシルグリセロリン脂質とセリンとをホ
    スホリパーゼDを用いてホスファチジル基転移反応せし
    めるにあたり、該反応溶媒として(A)ヘキサンおよび
    アセトンの混液と(B)水との混合溶媒を用いることを
    特徴とする多価不飽和脂肪酸残基をもつホスファチジル
    セリンの製造法。
  2. 【請求項2】 ヘキサンおよびアセトンの混液がヘキサ
    ン/アセトン=99/1〜1/1(容量比率)である請
    求項1に記載のホスファチジルセリンの製造法。
  3. 【請求項3】 アシルグリセロリン脂質がアシル基を有
    するホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノール
    アミン、ホスファチジルセリンおよびホスファチジルイ
    ノシトールからなる群から選ばれる1種または2種以上
    である請求項1に記載のホスファチジルセリンの製造
    法。
  4. 【請求項4】 アシルグリセロリン脂質のアシル基がn
    −3系多価不飽和脂肪酸残基を含むものである請求項1
    または3に記載のホスファチジルセリンの製造法。
  5. 【請求項5】 アシルグリセロリン脂質のn−3系多価
    不飽和脂肪酸残基がα−リノレン酸、エイコサペンタエ
    ン酸およびドコサヘキサエン酸からなる群から選ばれる
    1種または2種以上の脂肪酸残基を含むものである請求
    項4に記載のホスファチジルセリンの製造法。
  6. 【請求項6】 アシルグリセロリン脂質がイカ由来のも
    のである請求項1、3、4または5に記載のホスファチ
    ジルセリンの製造法。
JP2000358523A 1999-10-19 2000-10-18 多価不飽和脂肪酸残基をもつホスファチジルセリンの製造法 Pending JP2001186898A (ja)

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