JPH0620525B2 - 乳化材の製造方法 - Google Patents

乳化材の製造方法

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JPH0620525B2
JPH0620525B2 JP61279565A JP27956586A JPH0620525B2 JP H0620525 B2 JPH0620525 B2 JP H0620525B2 JP 61279565 A JP61279565 A JP 61279565A JP 27956586 A JP27956586 A JP 27956586A JP H0620525 B2 JPH0620525 B2 JP H0620525B2
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phospholipid
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phospholipids
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一夫 押田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は乳化材の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来から、乳化材としてリン脂質をホスフオリパーゼA
2で処理して得られるリゾ型リン脂質をかなりの割合で
含んだリン脂質、つまりリゾ型含有リン脂質が存在し、
これはリゾ型を含まないリン脂質そのものよりは一段と
乳化力が高いとされている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、前記従来のリゾ型含有リン脂質は、その乳化力
が必ずしも満足なものとは云えないという問題がある。
本発明は前記従来技術の問題点を解決するものであり、
リゾ型含有リン脂質を含むが、リゾ型含有リン脂質その
ものより一段と高い乳化力をもつ乳化材の製造方法を提
供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは色々試験しようやくにして本発明に到達し
たものである。
すなわち、本発明の乳化材の製造方法は、リン脂質の水
懸濁液をホスフオリパーゼA2で処理し、この処理液と
蛋白質とを混和したのち乾燥することを特徴とするもの
である。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず本発明では、リン脂質の水懸濁液をホスフオリパー
ゼA2で処理する。
本発明でリン脂質とは、その給源は問わず、例えば大豆
リン脂質、卵黄リン脂質あるいは動物(牛、ヒツジ、ブ
タ、ニワトリなど)の脳のリン脂質などが代表的であ
り、またその形態は固形状、粉末状あるいは液状などい
ずれでもよい。
なお、大豆リン脂質が安価で使用しやすい。
また本発明でリン脂質の水懸濁液とは、リン脂質が水に
懸濁した液をいい、ここでの懸濁の意味はリン脂質の粒
子が水に分散している状態の他にリン脂質が水に溶解し
ている場合も含むものである。水懸濁液中のリン脂質の
割合は、普通には固形分として1〜3割位が適当であ
る。すなわち、固形リン脂質の場合、その1重量部を3
〜5倍重量部の水に分散または溶解すればよい。
また本発明でホスフオリパーゼA2とは、リン脂質を構
成するグリセライドの、中央の脂肪酸エステル部分を加
水分解する酵素をいい、ホスフオリパーゼA2を含むパ
ンクレアチンのような形で用いてもよい。
なお、ホスフオリパーゼA2はデンマークのノボ社、パ
ンクレアチンは米国のシグマ社などより販売されている
ので、これを購入して使用すればよい。この場合、前者
は通常液状であり、後者は通常粉末状である。
本発明では、前記リン脂質の水懸濁液を前記ホスフオリ
パーゼA2で処理するものであり、ノボ社のホスフオリ
パーゼA2あるいはシグマ社のパンクレアチンを使用す
る場合には、その使用量は、リン脂質(固形分)の重量
に対していずれも0.1〜5%ぐらいとすればよい。また
処理の目安としての条件は、加水分解を受けた結果リン
脂質の少なくとも2%がリゾ型になるぐらい、好ましく
は20%ぐらい、より好ましくは25%以上がリゾ型にな
るぐらいを目安にすればよく、らなみに処理温度を約4
0℃とすると、1時間、4時間、15時間の処理時間の
経過とともにリゾ型への変換率は各々約20%,50
%,90%となる。
なお、処理時のリン脂質の水懸濁液のpHは、一般的にホ
スフオリパーゼA2の至適pHを含む6〜9ぐらいにすれ
ばよく、pH調整剤としてはカセイソーダやリン酸バツフ
ア液さらには第二リン酸カリウムなどを使用すればよ
い。
次に本発明では、前記処理液と、蛋白質とを混和するも
のである。
この蛋白質としては、代表的には、アルブミン,グロブ
リン,ゼラチン,カゼイン,グルテン,グリアジン,こ
れらの混合物あるいは、卵蛋白(アルブミン52%,グ
ロブリン8〜10%)、大豆蛋白(グロブリン84%,
アルブミン5.3%)などがあげられる。また、この蛋白
質は液状原料の他に粉末原料を用いてもよい。
また前記処理液との混和の割合は、一般的に、処理液の
リン脂質(固形分)と蛋白質(固形分)とを1:0.5〜
2ぐらいにすればよい。
また混和の際、蛋白質は、固形分濃度8〜15%ぐらい
の水溶液としておくと混和がさせ易いので好ましい。混
和の方法はミキサー等で均一になればよい。
そして本発明では、前記のように混和したのち乾燥する
ものである。
乾燥する方法は問わないが、あまり熱がかからない方が
好ましく、そのような方法には代表例として凍結乾燥及
び噴霧乾燥があるが一般的には凍結乾燥が無難である。
凍結乾燥の具体的方法は、処理量により条件が異るので
一概にはいえないが、−30〜−40℃で凍結させて0.
05〜0.25トールの真空下で20〜30時間ぐらいか
けて乾燥させればよい。なお、噴霧乾燥は加温による方
法より常温による方法がよい。
後述するように本発明の作用は必ずしも明らかではない
が、この乾燥工程は本発明方法において、重要である。
すなわち、一連の処理を経て最後に乾燥することで、リ
ゾ型含有リン脂質が蛋白質と一定の結合をし、この結
果、リゾ型含有リン脂質やその乾燥物、あるいはリゾ型
含有リン脂質の乾燥物と蛋白質の乾燥物との混合物より
も一段と乳化力を高めることになると思われるからであ
る。
なお、本発明の乳化材の製造工程において、本発明の目
的を損なわない範囲で、他の副原料を添加することは任
意である。この一例として、必要によりホスフオリパー
ゼA2の作用を促進するためリン脂質の水懸濁液に2価
のカルシウムを添加することがあげられる。
〔作用〕
本発明の作用は必ずしも明らかではない。しかし、リン
脂質がホスフオリパーゼA2の作用を受けてその一部が
リゾ型に加水分解され、この部分的に加水分解されたリ
ン脂質が蛋白質との共存下で脱水乾燥される際に、脂質
と一定の結合関係を生じ、そのことが水と油への親和性
を高める結果になつているのではないかと推察される。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明する。なお、実施例1は、
本発明の効果も示すものである。
実施例1 大豆リン脂質200g,デンマークのノボ社製ホスフオ
リパーゼA2製剤(液状)4g及び清水700gとを混
和し、リン酸バツフアー液で液のpHを8.0に調製したの
ち、40℃に加温し、その温度で4時間放置した(この
ときのリン脂質のリゾ型への変換率は約50%であつ
た)。次いで、この処理液と、卵白液1000g(固形
分の重量は約100gでほとんどアルブミンからなる)
をミキサーで均一に混和した。そして、この混和液を−
40℃の極低温下で凍結させたのち、0.1トールの真空
下で25時間処理して乾燥させて本発明の乳化材を製造
した。
この乳化材を使用して本発明品の水中油型乳化食品を製
し、併せてこの乳化材に代えて、前記の混和液(乾燥
前のもの)及び前記のホスフオリパーゼA2処理液の
同条件での凍結乾燥品と前記卵白液の凍結乾燥品との混
和物(粉末)を使用して同様に水中油型乳化食品を製し
たものを対照品として、製品の粘度、粒子、1週間保存
後の分離状況を測定・観察したところ下表に示すとおり
となつた。
上表のとおり、本発明の乳化材を使用して製造した水中
油型乳化食品は、前記対照とする乳化材,を使用し
て製造した対照乳化食品,に比べて、粘度が一段と
大きく、油滴粒子の大きさが概して小さく、また1週間
保存後の分離状況に差が表われる(本発明品の分離割合
が0%に対して2つの対照品のそれは約1%)ことか
ら、本発明の乳化材の乳化力が対照とした乳化材のそれ
に比し一段と優れることが理解される。
実施例2 大豆リン脂質200g,シグマ社のパンクレアチン(粉
末)2g及び清水700gとを混和し、リン酸バツフア
ー液で液のpHを8.0に調製したのち、40℃に加温
し、その温度で4時間放置した(このときのリン脂質の
リゾ型への変換率は約50%であつた)。次いで、この
処理液と、卵白液1000g(固形分は約100gでほ
とんどアルブミンからなる)をミキサーで均一に混和し
た。そして、この混和液を−40℃の極低温下で凍結さ
せたのち、0.1トールの真空下で25時間処理して乾燥
させて本発明の乳化材を製造した。
実施例3 牛脳のリン脂質200g,デンマークのノボ社製ホスフ
オリパーゼA2製剤(液状)3g及び清水700gとを
混和し、リン酸バツフアー液で液のpHを8.0に調製し
たのち、40℃に加温し、その温度で4時間放置した
(このときのリン脂質のリゾ型への変換率は約50%で
あつた)。次いで、この処理液と、卵白液1000g
(固形分は約100gでほとんどアルブミンからなる)
をミキサーで均一に混和した。そして、この混和液を−
40℃の極低温下で凍結させたのち、0.1トールの真空
下で25時間処理して乾燥させて本発明の乳化材を製造
した。
実施例4 大豆リン脂質200g,デンマークのノボ社製ホスフオ
リパーゼA2製剤(液状)2g及び清水700gとを混
和し、リン酸バツフアー液で液のpHを8.0に調製した
のち、40℃に加温し、その温度で1時間放置した(こ
のときのリン脂質のリゾ型への変換率は約20%であつ
た)。次いで、この処理液と、分離大豆蛋白の水溶液1
000g(固形分は約100gでその約84%がグロブ
リン約5%がアルブミンからなる)をミキサーで均一に
混和した。そして、この混和液を−40℃の極低温下で
凍結させたのち、0.1トールの真空下で25時間処理し
て乾燥させて本発明の乳化材を製造した。
実施例5 大豆リン脂質200g,デンマークのノボ社製ホスフオ
リパーゼA2製剤(液状)2g及び清水600gとを混
和し、リン酸バツフアー液で液のpHを7.8に調製した
のち、40℃に加温し、その温度で4時間放置した(こ
のときのリン脂質のリゾ型への変換率は約50%であつ
た)。次いで、この処理液と、ラクトアルブミン(粉
末)100gと水900gとの混合液をミキサーで均一
に混和した。そして、この混和液を−40℃の極低温下
で凍結させたのち、0.1トールの真空下で25時間処理
して乾燥させて本発明の乳化材を製造した。
〔発明の効果〕
前記したようにリン脂質の水懸濁液をホスフオリパーゼ
A2で処理し、この処理液と蛋白質とを混和したのち乾
燥することで、従来のリゾ型含有リン脂質より一段と乳
化力に優れる乳化材を得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リン脂質の水懸濁液をホスフオリパーゼA
    2で処理し、この処理液と蛋白質とを混和したのち乾燥
    することを特徴とする乳化材の製造方法。
JP61279565A 1986-11-26 1986-11-26 乳化材の製造方法 Expired - Lifetime JPH0620525B2 (ja)

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