JPH09163A - 加水分解物で安定化された熱安定性水中油型エマルション - Google Patents

加水分解物で安定化された熱安定性水中油型エマルション

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JPH09163A
JPH09163A JP7145122A JP14512295A JPH09163A JP H09163 A JPH09163 A JP H09163A JP 7145122 A JP7145122 A JP 7145122A JP 14512295 A JP14512295 A JP 14512295A JP H09163 A JPH09163 A JP H09163A
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Henrikas Nicholas Van Del Heiden Petrus
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】加水分解プロテインを含む食品、特にベビーフ
ッドあるいはアレルギーを生じ難い食品で熱安定性の問
題なしに使用し得る乳化剤あるいは安定化剤の提供。 【構成】加水分解プロテインと加水分解度が40%以上
の加水分解レシチンとを含む熱安定性水中油型エマルシ
ョン、該エマルションを乾燥して得られる粉末状製品、
ならびに加水分解プロテインと加水分解レシチンからな
る乾燥混合製品。また加水分解プロテインを含む水中油
型エマルションに安定剤として加水分解レシチンを使用
する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加水分解プロテインを含
む熱安定性水中油型エマルションに係る。こういったエ
マルションは加水分解グリセロール誘導体によ安定化せ
られる。本発明はまた上記エマルションを用いて得られ
る乾燥あるいは非乾燥プロテイン加水分解物含有製品な
らびに食品に関する。特に本発明を利用してベビーフッ
ドあるいはアレルギーを生じることの少ない食品が製造
せられる。
【0002】
【従来の技術】蛋白質、特にラクトプロテインおよび大
豆プロテインは水中油型エマルションの安定化剤および
/または乳化剤として作用する事が知られている。さら
に詳しくはラクトプロテインは牛乳に安定性を与えその
効果は例えば低温殺菌および滅菌工程での加熱中におい
ても、また貯蔵中においても持続する。プロテインを加
水分解するとこの優れた安定化ならびに乳化作用は急激
に低下してしまう。キューラーおよびスチンはザ ジャ
ーナル オブ フッド サイエンス39(1974)、
379〜382にプロテインの乳化能の低下は加水分解
度5%の時点から認められると述べている。またハーク
ーおよびキンセラはミルヒビッセンシャフト42、(1
988)、236に加水分解プロテインを予め得られた
安定なエマルションに添加あるいは存在せしめると、こ
のエマルションは自然に非安定化せられると述べてい
る。
【0003】上記以外の他の安定化剤および乳化剤も知
られているが、それらの極限られたものしか人間の食品
に使用出来ない。EECデイレクテイブ 89/107
およびその改定版参照。それによるとベビーフッドにお
いてはエマルジファイアー レシチン(E322)およ
び/または部分脂肪酸エステル グリセロール モノス
テアレート(E471)が使用できるに過ぎない。
【0004】レシチンはホスホリピッドで、さらに詳し
くはリン酸のコリンエステルに結合した飽和ならびに不
飽和脂肪酸、例えばステアリン酸、パルミチン酸、リノ
レイン酸、オレイン酸のジグリセライド、あるいはかか
るジグリセライドの混合物である。レシチンは非常に安
定な水中油型エマルションを与える事が出来、窒素源と
して実質的に元のままの蛋白質がエマルション中に残存
する。かかるエマルションは加熱しても安定である。し
かしながら蛋白質がある程度加水分解された条件で存在
するアレルギー性の少ないあるいは別の食品を作ろうと
する場合、レシチンは乳化剤/安定化剤として満足出来
るものではない。同じ問題は上述のグリセロールモノス
テアレートを用いる場合にも生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は加水分
解プロテインを含む食品、特にベビーフッドあるいはア
レルギーを生じ難い食品で熱安定性の問題なしに使用し
得る乳化剤あるいは安定化剤を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、上記目
的は安定化剤として部分加水分解レシチンを使用するこ
とにより達成せられる。部分加水分解レシチンを水中油
型エマルションに使用すると、通常の加熱プロセスに耐
えうる、熱安定エマルションが得られる。
【0007】より詳しくは、本発明は加水分解プロテイ
ンを含む水中油型エマルションに、加水分解度(DH)
が40%以上、好ましくは45%以上、通常は50〜8
0%の部分加水分解レシチンを使用することに係るもの
である。本願明細書において加水分解度なる語は本来的
に存在するレシチン量に基づいての、変換レシチンのパ
ーセンテージを意味する。より詳しくは、加水分解度
(DH)100%とはレシチン分子の100%におい
て、2つの脂肪酸基の1つが欠如していることを意味す
る。
【0008】部分加水分解レシチンなる語はまた3つの
水酸基のうちの1つがリン酸のコリンエステルで置換さ
れ、残りの2つの水酸基のうちの1つが脂肪酸残基によ
り置換されたグリセロール誘導体をもカバーする。
【0009】すでに述べた如く、レシチンはリン酸のコ
リンエステルに結合したジグリセライドである。本発明
で使用せられる加水分解レシチンはホスホリッピドで、
レシチン分子の少なくとも一部において、2つの脂肪酸
基の1つが任意の割合で、水酸基により置換されてい
る。かかる加水分解レシチンは、動物性あるいは植物性
レシチンをホスホリパーゼA1およびA2クラスの酵素
の様な、存在する脂肪酸エステル結合の1つだけを実質
的に、選択的にブレークする作用のある、ホスホリパー
ゼで処理することにより得られる。リン酸のコリンエス
テルがグリセロール単位の3−位に位置すると、ホスホ
リパーゼA1はグリセロールの1−位の脂肪酸エステル
を実質的に切断すると考えられる。ホスホリパーゼA2
はグリセロールの2−位の脂肪酸テールを実質的に除去
する。ホスホリパーゼA1とA2の混合物も用い得る
が、構成のはっきりしたものが得られないのであまり好
ましくはない。
【0010】本発明では、レシチン加水分解物混合物中
に、ホスホリピド基がレシチンに特異的な少なくともあ
る有効フラクションが存在し、1つだけの脂肪酸基がグ
リセロール残基に結合していることが必須である。より
詳しくは、部分加水分解レシチンはその加水分解度が少
なくとも40%、好ましくは50%以上、より好ましく
は少なくとも70%であることが必須である。
【0011】本発明に従いレシチン加水分解物を作る際
に、レシチンフラクションの加水分解は加水分解度40
%以上のものが得られるまで継続せられる。加水分解レ
シチンの加水分解度は常法、例えばHPLCあるいは薄
層クロマトグラフィーにより決定し得る。
【0012】酸、塩基および/または熱によるレシチン
の加水分解も可能であるが、酵素的な加水分解が好まし
い。上記の他の加水分解法は選択的ではなく、従ってレ
シチン加水分解物中の有効成分量が減少する。
【0013】加水分解レシチンはオイルフリーレシチン
およびオイル含有レシチンから得られる。しかしなが
ら、オイルフリーレシチンから出発することが好まし
い。というのはオイル含有レシチンを加水分解すると望
ましからざる副生物が生成し、あとで作らるべき食品の
フレーバーを損なうからである。
【0014】上述のレシチン加水分解物は、プロテイン
加水分解物が含まれる水中油型エマルションの有効な安
定剤および/または乳化剤である。プロテイン加水分解
物を含み且つ本発明に係る安定剤を使用したエマルショ
ンは加熱工程、たとえば滅菌工程、の間および後でも安
定性を維持する。従って本発明は加水分解プロテインと
加水分解度が40%以上、好ましくは45%以上、通常
は50〜85%の加水分解レシチンを含む熱安定性水中
油型エマルションに関するものである。
【0015】特に、加水分解プロテイン対加水分解レシ
チンの比が20:1〜1:1である場合に熱安定性の大
なる水中油型エマルションが得られる。好ましい1態様
において加水分解プロテイン対加水分解レシチンの比は
6:1〜3:1である。
【0016】原則的に本発明の乳化剤が乳化剤あるいは
安定剤として用いられるエマルション中には任意のプロ
テイン加水分解物が存在せしめられる。このような食品
エマルションに通常使用せられるものはラクトプロテイ
ン、例えばカゼインおよびホエープロテイン、あるいは
あまり多くはないが植物性プロテイン、例えば大豆ある
いは小麦プロテインの加水分解物である。かかる加水分
解物は酵素的加水分解法で得ることが好ましいが、他の
公知の加水分解法、例えば酸、塩基あるいは熱による加
水分解法であってもかまわない。加水分解の程度は加水
分解度(DH)で示される。これに関し、加水分解度は
プロテイン中の全ペプチド結合数に基づいて、破壊ペプ
チド結合数のパーセントとして規定せられる。アレルギ
ー性の低減せられた食品中には、通常DH>15%の加
水分解プロテインが存在している。
【0017】従って本発明はまた加水分解プロテインが
含まれ、該加水分解プロテインがカゼイン、ホエープロ
テイン、大豆プロテイン、小麦プロテインあるいは他の
食物プロテイン単独もしくは混合物の加水分解物であ
る、安定化された水中油型エマルションにも係るもので
ある。好ましいものは加水分解度が15〜70%である
加水分解プロテインである。
【0018】部分加水分解プロテイン以外に、本発明に
係るレシチン加水分解物で安定化せられるエマルション
には通常の食品素子、例えばカルボハイドレート、ファ
ットならびに微量栄養素例えばミネラル、ビタミンがそ
れぞれの食品に適するよう含有せしめられ得る。こうい
った特殊食品としてはアレルギー性の少ない食品、ベビ
ーフッド、ドリップフィード、腸管外食、医療食品、ス
ポーツフード等が含まれる。
【0019】ファットとしてはヒマワリ油、コーン油、
大豆油、MCT油(中鎖トリグリセライド)等通常のフ
ァットを意味する。実際にはしばしば利用せられる特殊
食品ではSFA:MUFA:PUFA=1:1:1の混
合物(飽和脂肪酸:モノ不飽和脂肪酸:ポリ不飽和脂肪
酸)が用いられる。好ましい具体例でエマルション中の
この脂肪酸フラクションは0.5〜40重量%である。
【0020】本発明はまたレシチン加水分解物を安定剤
として用いた加水分解プロテインを含む安定な水中油型
エマルションの製法にも関する。本発明に従いレシチン
加水分解物で安定化された水中油型エマルションを調製
するひ際しては常法が使用せられる。実際の方法は意図
せられる最終製品ならびにその成分により幾分変更せら
れる。プレエマルションから出発することが出来るが、
この工程は必須ではない。本発明に係るエマルションは
全成分の存在下に作ることも出来る。
【0021】オイルフリーのレシチン加水分解物を用い
る場合、最終エマルションの水の一部に常法でこれを分
散せしめる。好ましくはこの分散工程は幾分温度をかけ
た状態例えば60℃で実施せられる。次いでファットを
水性レシチン加水分解物分散液に加え、例えば高速回転
混合ギアを用いて分散せしめる。かくして得られたプレ
エマルションを当業者周知の方法で約70℃でホモゲナ
イズする。その後フォーミュレーションの他の成分、特
に加水分解プロテインならびに任意的なカルボハイドレ
ート、ミネラル等、ならびに残りの水が加えられる。
【0022】オイル含有レシチン加水分解物から出発す
る場合、この加水分解物を先ず調製せられるエマルショ
ンのファットあるいはオイルと混合する。次いで水の一
部をこの混合物に加え、プレエマルションを作る。
【0023】本発明によれば薄いエマルションも濃厚な
エマルションも作ることが出来る。薄いエマルションは
例えば固形分濃度が12〜15%であり、他方濃厚なエ
マルションは固形分濃度が約50%までのものである。
一般にインスタント食品には多少とも薄いエマルション
が好適で、濃厚エマルションは使用前に希釈することが
しばしばである。また乾燥エマルション製品を作る場合
には出発原料として濃厚エマルションが多く用いられ
る。安定な希薄エマルションは所望安定性を保持しつつ
滅菌せられ、ついで約40〜50%の固形物濃度に濃縮
せられる。かかる濃縮エマルションは第2次ホモゲニゼ
ーション工程の後適当に乾燥せしめられる。
【0024】本発明はまた本発明のエマルションを乾燥
させて得られる粉末製品をも包含する。また本発明は加
水分解プロテインと加水分解レシチンの乾燥混合製品に
も関する。かかる製品は本発明のエマルションの調製に
利用せられる。この製品は溶解性あるいは分散性が良好
で、所望エマルションの調製を容易ならしめる利点を有
する。さらに別の利点として、消費者が自分の好みによ
り自身の特別食を調製することが出来、また乾燥製品の
ほうがエマルションより寿命が長くなることが挙げられ
る。この乾燥混合製品は乾燥プロテイン加水分解物と乾
燥レシチン加水分解物を乾式混合して作ることが出来
る。しかしながら、好ましくは双方の加水分解物を水性
相中で混合しついで乾燥することである。この乾燥工程
は粉霧乾燥、冷凍乾燥あるいはローラー乾燥など通常の
方法で実施せられる。湿潤混合物のほうが好ましい。と
言うのはこういった製品のほうが分離せずまた分離する
としても速度が遅いからである。プロテイン加水分解物
とレシチン加水分解物との比は混合物の最終用途により
異なるが通常20:1〜1:1の範囲である。
【0025】最後に本発明は上述の加水分解レシチン
を、加水分解プロテインを含む水中油型エマルションに
安定剤および/または乳化剤として使用することに関す
る。以下実施例により本発明の詳細を説明する。
【0026】
【実施例1】500gのレシチン(スターン社のスター
ンプライムN−10トップ;65%アセトン不溶物)を
アセトン抽出により脱脂肪した。次いでこのものを40
℃、減圧(0.1気圧)で乾燥させた。200gの上記
オイルフリーフラクションを攪拌下、水2リットルにけ
ん濁させ55℃に加熱した。次いで10gのカルシウム
クロライドを加え、水酸化ナトリウムを用いpHを9.
0にした。10,000 IU/mlのホスホリパーゼ
A2(デンマークのノボインダストリー社の豚パンクレ
アーゼから誘導された製品、レシターゼ10L(商品
名))2.0mlを加え酵素的加水分解を開始した。加
水分解を55℃で2時間継続し、それによりDHが69
%に達したので、ニュートラーゼ(デンマークのノボイ
ンダストリー社製品、B.subtilisから誘導)
5mlを加えて酵素を脱活し、同時に塩酸を用いPHを
7.0に下げた。1時間インキュベートした後、全体を
95℃に加熱した。濾過して不溶物を除去し、加水分解
物を粉霧乾燥で乾燥させた。
【0027】
【実施例2】実施例1と同様方法により、但しホスホリ
パーゼのインキュベーション時間を調整して、DH35
%と52%のレシチン加水分解物を作った。次いでオイ
ルフリーレシチン(加水分解度 0、35、52、69
%)とプロテイン加水分解物から希薄液状エマルション
を作った。プロテイン加水分解物として使用した物はそ
れぞれDH6,20および65%のカゼイン加水分解物
(オランダ国DMVインターナショナルのMPH−6,
および米国デルタウン スペシアルティ社のデラクCE
90GM およびデラクCE80PS)およびDH18
と60%のホエープロテイン加水分解物(米国デルタウ
ン スペシアルテイ社のデラクLE80BM およびデ
ラクLE80PS)であった。さらにファット、カルボ
ハイドレートおよびミネラルズをこのエマルションに加
えた。これらの組成を第1表にしめした。
【0028】
【表1】
【0029】より詳しく述べると、5gのレシチンを6
0℃の水300mlに加えた。高速回転混合装置(ワー
リングブレンダーCB−6)を用い、36gのコーンオ
イルを得られた分散液中に分散させた。次に得られたプ
レエマルションをラニーラボラトリーズホモゲナイザー
中で(2X250バー;70℃)ホモゲナイズした。室
温まで冷却した後、他の成分を加えた。得られたエマル
ションを密閉100mlガラスフラスコ中(充填レベル
約65〜70mm;65〜70mlエマルション)で1
21℃で15分間滅菌した。室温で24時間及び2ケ月
間貯蔵した後、これらのエマルションをクリームライ
ン、しょう液分離、沈殿物の点で評価した。これらの結
果を第2表に示す。
【0030】
【表2】
【0031】同表で安定とは下記を意味する。即ちクリ
ーム層としょう液層の高さが10mmを越えず、またこ
れらの層が容易にプレミックスでスムースなエマルショ
ンを作りクリームの環が壁にのこらない場合に安定と判
断。第2表は加水分解度が35%のレシチン加水分解物
を用いた場合、安定な水中油型エマルションが得られな
いことを示している(尚非安定エマルションは”−”で
示してある)。DH52%のレシチン加水分解物を用い
たエマルションでは短い保存時間の場合満足すべき安定
性が得られた。DH69%のレシチン加水分解物を安定
化剤として用いた場合長期間の保存でも非常に安定なエ
マルションが得られた。
【0032】
【実施例3】オイル含有加水分解レシチン(DH 0及
び35%)と加水分解プロテイン(DH6,20及び6
5%のカゼイン加水分解物と、DH18および60%の
ホエープロテイン加水分解物)により希薄液状水中油型
エマルションを作った。これら基本的成分以外にファッ
ト、カルボハイドレート、ミネラルズを用い希薄液状ベ
ビーフッドを作った。第1表にそのフォーミュレーショ
ンが示されている。調製に際しては、レシチン加水分解
物を先ずファットと混合した。この混合物を一部の水を
用い60℃で乳化した。次に実施例2と同様にホモゲナ
イズした。その後他の成分を加えた。エマルションを実
施例2と同様に滅菌し、評価して、その結果を第3表に
示した。
【0033】
【表3】
【0034】
【実施例4】加水分解オイルフリーレシチン(DH69
%)とホエープロテイン加水分解物(DH=18%)を
用いて水中油型エマルションを作った。他の成分は60
℃の水に高速回転混合装置を用い分散させ、次いで70
℃でラニーホモゲナイザー中で(1X100,2X25
0バー)ホモゲナイズした。室温まで冷却した後、水酸
化カリウム液を用いpHを7.0に調整した。得られた
水中油型エマルションを100mlのガラス瓶に(65
〜70mlエマルション)つめ、121℃で15分間滅
菌した。このエマルションの安定性を24時間後と2ケ
月後に、クリームライン、しょう液分離、沈殿物の点か
ら評価した。結果を第4表に示した。この乳化法でも安
定なエマルションが得られた。
【0035】
【表4】
【0036】
【実施例5】実施例2の標準フォーミュレーションに於
いて、0.1%,0.36%および0.5%(いずれも
重量%)の加水分解オイルーファット−フリーレシチン
(DH=69%)を使用した。プロテイン加水分解物と
して、DH=18%のホエープロテイン加水分解物を選
択した。実施例2と同様方法で水中油型エマルションを
作った。このエマルションを20℃で24時間および2
ケ月間貯蔵し、評価した。その結果を第5表に示した。
0.1%加水分解オイルーファット−フリーレシチンの
場合の安定性はあまり良くなかった。
【0037】
【表5】
【0038】
【実施例6】本実施例においては、濃厚水中油型エマル
ション(固形分約45%)が作られた。 このベーシックフォーミュレーションは: プロテイン加水分解物 5.4% (加水分解)レシチン 1.9% コーンオイル 12.6% カルボハイドレート 25.6% 水 54.5% であった。プロテイン加水分解物としては、加水分解ホ
エープロテイン(DH=18%および60%)か、ある
いは加水分解カゼインプロテイン(DH=6,20およ
び65%)を選択した。レシチンとしては、オイルフリ
ーレシチン(DH=0,20および69%)あるいはオ
イル含有レシチン(DH=0および35%)を使用し
た。先ず実施例2の如く、レシチン、水およびファット
を用いてプレエマルションを作った。このプレエマルシ
ョンの一部を80℃で30分間滅菌した。その結果、加
水分解しないオイル含有レシチンでは安定なプレエマル
ションが得られないことが判明した。
【0039】滅菌してない安定なエマルションに、上記
フォーミュレーションの他の成分(カルボハイドレー
ト、プロテイン加水分解物)を加えた。この水中油型エ
マルションを密閉100mlフラスコ中で80℃で30
分間滅菌した。加水分解しないレシチンを用いたエマル
ションの場合と異なり、加水分解レシチンを含むエマル
ションは安定なことが判明した。オイル含有35%DH
レシチンエマルションでの安定性は良好であった。69
%DHレシチンでは非常に安定なエマルションが得ら
れ、24時間以上の長期保存でも安定であった。カゼイ
ンプロテイン加水分解物(DH=6%)では安定なエマ
ルションが得られなかった。安定なエマルションを凍結
乾燥に付した。乾燥エマルションは容易に水でエマルシ
ョン化され、固形分約12%の通常濃度のエマルション
ガ得られた。
【0040】
【実施例7】オイルフリーレシチン加水分解物(DH=
69%)および加水分解ホエープロテイン(DH=18
%)を用いて水中油型エマルションが作られた。第6表
にそのフォーミュレーションを示す。
【0041】
【表6】
【0042】レシチン加水分解物を50℃の水に分散さ
せた。次に高速回転混合装置を用いファットを加えプレ
エマルションを得た。次いで他の乾燥成分を該プレエマ
ルションに加えた。この分散物をラニーホモゲナイザー
(100バー、50℃)中でホモゲナイズし、KOH液
を用いてpHを6.9に調整した。このエマルションの
一部を乾燥させ、一部を80℃で30分間滅菌し、また
一部はそのままにし、他の処理をおこなわなかった。2
4時間後に、後者の2つのエマルションの安定性を評価
した。滅菌しなかったものも、滅菌したエマルションも
僅かなクリームライン(約7mm)が認められたがしょ
う液分離は殆ど認められず、また沈殿もなかった。冷凍
乾燥エマルションは水で固形分12%のエマルションに
容易に再調製することが出来た。
【0043】
【実施例8】実質的にオイルフリーのレシチン(DH=
69%)と加水分解ホエープロテイン(DH=18%)
および水から水中油型エマルションを作つた。そのフォ
ーミュレーションを第7表に示した。
【0044】
【表7】
【0045】加水分解レシチンを50℃の水に分散させ
た。次に高速回転混合装置を用いファットをこの分散液
に加えプレエマルションを作った。次に上記フォーミュ
レーションの他の成分を乾燥状態で加えた。ラニーホモ
ゲナイザー(2X250バー、70℃)を用いプレエマ
ルションをホモゲナイズした。水酸化ナトリウムでpH
を7.0に調整した。このエマルションを121℃で1
5分間滅菌し、濃縮して固形分50%のエマルションと
した。このエマルションを再度ホモゲナイズし(1X1
00バー、65℃)、80℃で1分間滅菌し、凍結乾燥
した。かくして得られた乾燥エマルションは水に容易に
分散され固形分13%のエマルションが作られた。再分
散エマルションの安定性を調製後24時間保存した後評
価した。1mm以下のクリームライン、1mm以下のし
ょう液分離が認められ、沈殿は殆どみとめられなかっ
た。
【0046】
【実施例9】1600Kgの粉末状ホエープロテイン加
水分解物(DH=18%)を工業用ミキサー(レーデイ
グミキサー)中で400Kgのオイルフリー加水分解レ
シチン(DH=69%)と乾式混合した。この2つの加
水分解物の粒子サイズ分布は実際上同じ(d50 約5
0μm)で混ざり合いの無い部分は認められなかった。
この混合物を用いエマルションが作られた。上記混合物
24gを60℃の水500mlにけん濁させた。これに
36gのコーンオイルをけん濁させ、ラニーラボラトリ
ーズホモゲナイザー(2X250バー、70℃)でホモ
ゲナイズした。次に70gのミルクシュガーと3gのミ
ネラル混合物(実施例3参照)を加え、最後に水1リッ
トルを加えた。かくして得られたエマルションを121
℃で15分間滅菌し、密閉100mlフラスコに詰め
た。このエマルションを室温で2ケ月間貯蔵し、安定性
を評価した。クリームラインはしょう液分離と同様7m
m未満であった。このエマルションは良好な安定性を示
した。
【0047】
【実施例10】100Kgの加水分解(DH=18%)
ホエープロテイン含有けん濁液(固形分=40%)を1
00Kgの加水分解(DH=69%)オイルフリーレシ
チンエマルション(固形分=10%)と混合し、次いで
50バー70℃でホモゲナイズした。この混合物をスプ
レードライヤー(入口空気温度180℃、出口空気温度
96℃)で乾燥させた。実施例9と同様に、エマルショ
ンを再調製した。このエマルションも室温2ケ月の貯蔵
で安定であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 1/03 A23L 1/03 // B01J 13/00 B01J 13/00 A (72)発明者 ペトラス ヘンリカス ニコラース ファ ン デル ハイデン オランダ国5463 ジー エー ベヘール ファン ヒームスケルクストラート 5番 地

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加水分解プロテインと加水分解度40%以
    上の加水分解レシチンを含む熱安定性水中油型エマルシ
    ョン
  2. 【請求項2】加水分解プロテイン対加水分解レシチンの
    比が20:1〜1:1である請求項1記載のエマルショ
  3. 【請求項3】加水分解プロテイン対加水分解レシチンの
    比が6:1〜3:1である請求項1あるいは2記載のエ
    マルション
  4. 【請求項4】加水分解プロテインと加水分解レシチンが
    それぞれ全エマルションに基づいて0.1〜6重量%の
    量で存在する請求項1〜3のいずれかに記載のエマルシ
    ョン
  5. 【請求項5】加水分解プロテインがカゼイン、ホエープ
    ロテイン、大豆プロテイン、小麦プロテインあるいはそ
    れらの混合物から選ばれる食物蛋白質の加水分解物であ
    る請求項1〜4のいずれかに記載のエマルション
  6. 【請求項6】加水分解プロテインの加水分解度が15〜
    70%である請求項1〜5のいずれかに記載のエマルシ
    ョン
  7. 【請求項7】加水分解プロテインと加水分解度40%以
    上の加水分解レシチンを含む熱安定性水中油型エマルシ
    ョンを乾燥させて得られる粉末状製品
  8. 【請求項8】加水分解プロテインと加水分解度40%以
    上の加水分解レシチンからなる乾燥、混合製品
  9. 【請求項9】安定化剤および/または乳化剤として加水
    分解度40%以上の加水分解レシチンを使用することを
    特徴とする加水分解プロテインを含む安定な水中油型エ
    マルションの製法
  10. 【請求項10】加水分解プロテインを含む水中油型エマ
    ルションにおいて安定化剤として加水分解レシチンを使
    用すること
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014157156A1 (ja) * 2013-03-28 2014-10-02 雪印メグミルク株式会社 タンパク質組成物およびその製造方法
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