JP2007111009A - 低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法 - Google Patents

低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007111009A
JP2007111009A JP2005308209A JP2005308209A JP2007111009A JP 2007111009 A JP2007111009 A JP 2007111009A JP 2005308209 A JP2005308209 A JP 2005308209A JP 2005308209 A JP2005308209 A JP 2005308209A JP 2007111009 A JP2007111009 A JP 2007111009A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
water
viscosity
egg yolk
emulsified food
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005308209A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4397876B2 (ja
Inventor
Takeshi Kamishina
武史 神志那
Hiroaki Kanzawa
広昭 神沢
Masahiro Goto
雅広 後藤
Hidekazu Takeuchi
秀和 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
QP Corp
Original Assignee
QP Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by QP Corp filed Critical QP Corp
Priority to JP2005308209A priority Critical patent/JP4397876B2/ja
Publication of JP2007111009A publication Critical patent/JP2007111009A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4397876B2 publication Critical patent/JP4397876B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Seasonings (AREA)

Abstract

【課題】 食用油脂の配合量が少なく、粘度も低いにも拘らず、長期間保存しても乳化安定性に優れ、コク味を有した低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法を提供する。
【解決手段】 食用油脂の配合量が全体に対し50%以下、粘度が25Pa・s以下の低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法であって、乳化材として卵黄を用い食用油脂を65%以上配合した水中油型乳化物を製した後に、該乳化物と水性媒体及び卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子とを混合する低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、食用油脂の配合量が少なく、粘度も低いにも拘らず、長期間保存しても乳化安定性に優れ、コク味を有した低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法に関する。
マヨネーズは、高濃度の食用油脂を乳化材である卵黄で水中油型に乳化させたサラダ等の調味料として頻繁に使用される酸性水中油型乳化食品である。マヨネーズの工業的規模での一般的な製造方法としては、例えば、非特許文献1に開示されているとおり先ずミキサーの中に卵黄、食酢、調味料、香辛料等を入れておき、これを攪拌しながら食用油脂を徐々に添加して粗乳化させた後、当該乳化物を高速乳化機であるコロイドミルで精乳化を行なう方法等が挙げられ、市販のマヨネーズは、200〜250Pa・s程度の粘度を呈する。
一方、近年、嗜好の多様化に伴いマヨネーズのような外観とコク味を有するものの、食用油脂の配合量が少なく、粘度が低い低粘度タイプの酸性水中油型乳化食品が要望されている。そこで、本発明者は、食用油脂の配合量を少なくして上述の方法で、前記低粘度タイプの酸性水中油型乳化食品の製造を試みた。しかしながら、上述の方法は、全水相原料と全油相原料を乳化させコロイドミルで精乳化させるためか、得られた乳化物を保存した場合、保存中に油相分離が観察され、保存安定性で問題があった。
また、低粘度タイプの水中油型乳化物の製造に使用する乳化装置としては、高圧ホモゲナイザーが知られている。そこで、本発明者は、仕上げ乳化として、前記装置による処理を試み低粘度タイプの酸性水中油型乳化食品を製造した。しかしながら、得られた乳化物は、保存中に油相分離は観察されないものの、今度は水相分離が観察され、いずれにせよ保存安定性で問題であった。また、高圧ホモゲナイザーで処理した同乳化物は、食味においてもあっさりしており、コク味に劣るという問題があった。
今井忠平、「食品知識ミニブックシリーズ マヨネーズドレッシング入門」、株式会社日本食糧新聞社、昭和59年12月、第67〜73頁
そこで、本発明の目的は、食用油脂の配合量が少なく、粘度も低いにも拘らず、長期間保存しても乳化安定性に優れ、コク味を有した低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法を提供するものである。
本発明者は、上記目的を達成すべく配合原料及び処理工程について鋭意研究を重ねた。その結果、まず食用油脂の配合量が高い水中油型乳化物を製し、その後に、当該乳化物を水性媒体で希釈すると共に特定の卵黄加工物を混合するならば、意外にも、乳化安定性に優れ、コク味を有した低粘性酸性水中油型乳化食品が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)食用油脂の配合量が全体に対し50%以下、粘度が25Pa・s以下の低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法であって、乳化材として卵黄を用い食用油脂を65%以上配合した水中油型乳化物を製した後に、該乳化物と水性媒体及び卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子とを混合する低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法、
(2)前記卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子の配合量が全体に対し0.5%以上である(1)の低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法、
である。
本発明の製造方法によれば、食用油脂の配合量が少なく、粘度も低いにも拘らず、長期間保存しても乳化安定性に優れ、コク味を有した低粘性酸性水中油型乳化食品を得ることができる。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を意味する。
本発明は、食用油脂が油滴として水相中に略均一に分散し水中油型に乳化され、常温流通を可能ならしめるためにpHを4.6以下に調整された酸性乳化食品の製造方法であって、食用油脂の配合量が少ない、粘度も低い、具体的には、食用油脂の配合量が全体に対し50%以下、好適には45%以下、粘度が25Pa・s以下、好適には20Pa・s以下の低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法に関する。本発明は、長期間保存しても乳化安定性に優れ、コク味を有した前記乳化食品を得るために当該製造工程及び使用原料に特徴を有する。つまり、本発明の製造方法は、乳化材として卵黄を用い食用油脂を65%以上配合した水中油型乳化物を製した後に、該乳化物と水性媒体及び卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子とを混合することを特徴とする。なお、上記粘度測定は、BH型粘度計を用い、20Pa・s以下の場合は、回転数:10rpm、ローター:No.4、品温:25℃の測定条件で、20Pa・sを超える場合は、回転数:4rpm、ローター:No.4、品温:25℃の測定条件で、それぞれ2回転後の示度から換算する。
本発明は、先ず乳化材として卵黄を用い食用油脂を65%以上配合した水中油型乳化物を製する。ここで、前記水中油型乳化物で用いる卵黄としては、マヨネーズ等の酸性水中油型乳化食品において、乳化材として一般的に用いている卵黄であれば特に限定するものではない。例えば、鶏卵を割卵し卵白と分離して得られた生卵黄をはじめ、当該生卵黄に殺菌処理、冷凍処理、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理、ホスフォリパーゼA、ホスフォリパーゼA、ホスフォリパーゼC、ホスフォリパーゼD又はプロテアーゼ等による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩又は糖類等の混合処理等の1種又は2種以上の処理を施したもの等が挙げられる。また、本発明では、鶏卵を割卵して得られる全卵、あるいは卵黄と卵白とを任意の割合で混合したもの、あるいはこれらに上記処理を施したもの等を用いても良い。特に、ホスフォリパーゼAまたはホスフォリパーゼAで酵素処理したホスフォリパーゼA処理卵黄が、より長期間保存しても乳化安定性に優れた低粘性酸性水中油型乳化食品が得られ易いことから好ましい。
上記ホスフォリパーゼA処理卵黄は、卵黄の主成分である卵黄リポ蛋白質(卵黄リン脂質、卵黄油およびコレステロール等の卵黄脂質と卵黄蛋白の複合体)の構成リン脂質にリン脂質分解酵素であるホスフォリパーゼAあるいはホスフォリパーゼAを作用させてリン脂質の1位あるいは2位の脂肪酸残基を加水分解してリゾリン脂質とした卵黄をいう。また、ホスフォリパーゼA処理卵黄の前記酵素処理による加水分解の程度としては、リゾホスファチジルコリンとホスファチジルコリンの合計量に対するリゾホスファチジルコリンの割合がイアトロスキャン法(TLC−FID法)で分析した場合、その値(本発明の「リゾ化率」)が、10〜80%が好ましく、30〜70%がより好ましい。前記範囲のリゾ化率を有するホスフォリパーゼA処理卵黄を用いることで、より長期間保存しても乳化安定性に優れた低粘性酸性水中油型乳化食品が得られ易いからである。
また、前記水中油型乳化物中の卵黄の配合量は、マヨネーズ等の酸性水中油型乳化食品に用いられるのと同程度の量を用いれば良く、具体的には、前記水中油型乳化物に対し生卵黄換算で2〜20%、好ましくは4〜15%配合すれば良い。
なお、上記イアトロスキャン法(TLC−FID法)に用いる分析用試料は、スプレードライやフリーズドライ等で水分を除去した乾燥卵黄から溶剤(クロロホルム:メタノール=2:1(容量比))で全脂質成分を抽出した後、溶剤を蒸発乾固し、その一部を前記溶剤に再溶解して5%(W/V)濃度としたものを用いる。
本発明の前記水中油型乳化物で用いる食用油脂としては、食品に供される油脂であればいずれのものでも良い。このような食用油脂としては、例えば、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油、卵黄油等の動植物油又はこれらの精製油(サラダ油)、あるいはMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的、酵素的処理等を施して得られる油脂、あるいは各種スパイスオイル等調味油等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いると良い。
また、本発明において、前記水中油型乳化物中の食用油脂の配合量は、65%以上であり、好ましくは68%以上である。後述の実施例及び比較例で示しているとおり、前記配合量とした場合は、得られた低粘性酸性水中油型乳化食品を長期間保存しても油相分離及び水相分離が観察されず、乳化安定性に優れている。これに対し、前記配合量より少ないと、長期間保存すると油相分離あるいは水相分離が観察され好ましくないからである。
以上、本発明の水中油型乳化物に用いる卵黄及び食用油脂について詳述したが、前記水中油型乳化物には、本発明の効果を損なわない範囲で他の原料を適宜選択し配合しても良い。このような配合原料としては、例えば、食酢、食塩、砂糖、液糖、グルタミン酸ナトリウム、核酸系旨味調味料等の各種調味料、クエン酸、乳酸、コハク酸等の有機酸又はその塩、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、アラビアガム、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉等の澱粉、湿熱処理澱粉、化工澱粉等の増粘材、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン、オクテニルコハク酸化澱粉等の乳化材、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤、香辛料、色素、静菌剤等が挙げられる。
また、本発明の水中油型乳化物の製造方法は、乳化物の一般的な製造方法である粗乳化物を精乳化する方法であれば、特に限定するものではないが、水中油型乳化物の配合割合がマヨネーズ等の酸性水中油型乳化食品と近似していることから、例えば、マヨネーズの一般的な製造方法等を用いると良い。具体的には、例えば、卵黄等の水相原料を混合して水相を製した後、水相を攪拌しながら油相である食用油脂を徐々に添加して粗乳化し、当該粗乳化物を高速乳化機であるコロイドミルで精乳化を行なう方法等が挙げられる。
次に、本発明は、上記水中油型乳化物と水性媒体及び卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子とを混合する。混合装置としては、前記原料を均一に混合できるものであれば、いずれの装置を用いても良い。ここで、水性媒体とは、上記水中油型乳化物を希釈できる水溶性の液状物をいい、例えば、清水、食酢、果汁、液糖等が挙げられる。また、水性媒体には、本発明の効果を損なわない範囲で水溶性原料や水分散性原料を適宜選択し配合しても良い。水性媒体の混合量は、所望する食用油脂の配合量及び粘度にもよるが、本発明の低粘性酸性水中油型乳化食品が食用油脂の配合量が全体に対し50%以下、粘度が25Pa・s以下であることから、上記水中油型乳化物に対し0.5倍量以上を混合すると良い。
また、本発明において卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子とは、特公平5−5466号公報に記載の水不溶性乾燥卵粉粒子のことである。つまり、卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子とは、卵黄を含む乾燥した卵(例えば、乾燥卵黄、乾燥全卵等)の粒子であって実質的に水に溶解しないものをいう。実質的に水に溶解しないとは、本発明においては当該粒子を約10倍量の3%食塩水の中に投入し、ゆるく5分間撹拌静置した場合に、約8割以上が沈降あるいは浮上し、いずれにしてもその水に溶解あるいは分散しないことをいう。この水への不溶性は、NSI(窒素溶解指数:溶解には50倍量の3%食塩水を使って測定)で示せば略30以下に相当する。
水不溶性卵粉粒子は卵黄を含んでなるものであるが、水不溶性卵粉粒子中の卵黄の含有量は、本発明の低粘度酸性水中油型乳化食品がコク味を有することを目的とするものであることから、水不溶性乾燥卵粉粒子に対し固形分換算で5割以上が好ましい。そして、本発明の低粘度酸性水中油型乳化食品に対する水不溶性卵粉粒子の配合量は、製品に対し0.5%以上が好ましく、0.8%以上がより好ましい。水不溶性卵粉粒子を前記配合量とすることにより、コク味を有した低粘度酸性水中油型乳化食品が得らればかりか、保存中の乳化安定性も改善され好ましいからである。
なお、卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子の代表的な製造方法としては、特公平5−5466号公報に記載されているように、卵液(卵黄液、全卵液等)を噴霧乾燥方法の常法、代表的には送風温度130〜200℃で乾燥した乾燥卵粉を、例えば80〜120℃の蒸気で2秒〜5分間程度処理する等の方法が挙げられるが、本発明では、上述の製造方法に限定するものではない。
以下、本発明の低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法について、実施例及び比較例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[実施例1]
1)「卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子」の製造
まず、下記に示す配合割合の内、卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子を製した。つまり、割卵し卵白から分離して得た卵黄液10kgを送風温度175℃でスプレードライした。得られた乾燥卵黄粉は平均粒子径が約100μmのほぼ球状の粒子であった。次に、当該乾燥卵黄粉を布を敷いた蒸し器の上に1cmの厚さに広げ、100℃の熱蒸気に2分間さらして加熱変性させ水不溶性乾燥卵粉粒子を製した。得られた卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子(以下、「水不溶性乾燥卵粉粒子」と省略)は、実質的に水に溶解しないものであり、NSIは15であった。
2)「水中油型乳化物」の製造
次に、下記に示す配合割合の水中油型乳化物を製した。つまり、食酢、ホスフォリパーゼA処理卵黄、生卵黄、グルタミン酸ナトリウム、食塩及び清水をミキサーで均一に混合して水相を調製した後、当該水相を攪拌させながら油相であるサラダ油を徐々に添加して水中油型乳化物の粗乳化物を調製した。次に得られた粗乳化物をコロイドミルで精乳化し水中油型乳化物を製した。得られた水中油型乳化物の食用油脂の配合量は、水中油型乳化物に対し75%であり、卵黄の配合量は、水中油型乳化物に対し生卵黄換算で7%である。なお、ホスフォリパーゼA処理卵黄は、生卵黄をホスフォリパーゼAで処理したリゾ化率50%のものを用いた。
<水中油型乳化物の配合割合>
油相 サラダ油 75%
水相 食酢(酸度9%) 5%
ホスフォリパーゼA処理卵黄 5%
生卵黄 2%
グルタミン酸ナトリウム 0.6%
食塩 0.5%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――
合計 100%
3)「低粘性酸性水中油型乳化食品」の製造
次に、下記に示す配合割合の低粘性酸性水中油型乳化食品を製造した。つまり、食酢、生卵黄、食塩、砂糖、キサンタンガム及び清水からなる水性媒体と水不溶性乾燥卵粉粒子とをミキサーで均一に混合した後、当該混合物と上記で得られた水中油型乳化物を均一に混合して低粘性酸性水中油型乳化食品を製した。得られた低粘性酸性水中油型乳化食品の食用油脂の配合量は、全体に対し37.5%であり、粘度は17.4Pa・s、pHは4.0であった。
<低粘性酸性水中油型乳化食品の配合割合>
水中油型乳化物 50%
水性媒体 48%
食酢(酸度9%) 4.5%
生卵黄 3%
食塩 2%
砂糖 2%
キサンタンガム 0.2%
清水 残余
――――――――――――――――
小計 48%
水不溶性乾燥卵粉粒子 2%
――――――――――――――――――――
合計 100%
[比較例1]
実施例1において、低粘性酸性水中油型乳化食品の全体の配合割合は変えないで、下記に示すとおり使用した水中油型乳化物の食用油脂の配合量を75%から60%に変更し、これに伴い水中油型乳化物中の清水以外の他の原料の配合割合、及び水性媒体中の清水の配合割合を変更し、それ以外は実施例1に準じて酸性乳化食品を製した。得られた酸性乳化食品の食用油脂の配合量は、全体に対し37.5%であり、粘度は16.8Pa・s、pHは4.0であった。
<水中油型乳化物の配合割合>
油相 サラダ油 60%
水相 食酢(酸度9%) 4%
ホスフォリパーゼA処理卵黄 4%
生卵黄 1.6%
グルタミン酸ナトリウム 0.48%
食塩 0.4%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――
合計 100%
<酸性乳化食品の配合割合>
水中油型乳化物 62.5%
水性媒体 35.5%
食酢(酸度9%) 4.5%
生卵黄 3%
食塩 2%
砂糖 2%
キサンタンガム 0.2%
清水 残余
――――――――――――――――
小計 35.5%
水不溶性乾燥卵粉粒子 2%
――――――――――――――――――――
合計 100%
[比較例2]
実施例1において、2%配合した水不溶性乾燥卵粉粒子(生卵黄を約4%配合に相当する)の代わりに生卵黄を4%に変えた以外は、実施例1に準じて酸性乳化食品を製した。得られた酸性乳化食品の食用油脂の配合量は、全体に対し37.5%であり、粘度は17.0Pa・s、pHは4.0であった。
[比較例3]
実施例1において、2%配合した水不溶性乾燥卵粉粒子(生卵黄を約4%配合に相当する)の代わりに生卵黄を4%に変え、下記に示すとおり低粘性酸性水中油型乳化食品のその他の配合割合は変えないで、実施例1の水中油型乳化物の製造方法に準じて酸性乳化食品を製した。つまり、水相原料をミキサーで均一に混合して水相を調製した後、当該水相を攪拌させながら油相であるサラダ油を徐々に添加して粗乳化物を調製した。次に得られた粗乳化物をコロイドミルで精乳化し酸性乳化食品を製した。得られた酸性乳化食品の食用油脂の配合量は、全体に対し37.5%であり、粘度は16.6Pa・s、pHは4.0であった。
<酸性乳化食品の配合割合>
油相 サラダ油 37.5%
水相 食酢(酸度9%) 7%
生卵黄 8%
ホスフォリパーゼA処理卵黄 2.5%
食塩 2.25%
砂糖 2%
グルタミン酸ナトリウム 0.3%
キサンタンガム 0.2%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――
合計 100%
[比較例4]
比較例3において、配合割合を変えないで精乳化をコロイドミルから高圧乳化ホモゲナイザーを用いた方法で酸性乳化食品を製した。つまり、水相原料をミキサーで均一に混合して水相を調製した後、当該水相を攪拌させながら油相であるサラダ油を徐々に添加して粗乳化物を調製した。次に得られた粗乳化物を高圧ホモゲナイザーを用いて20MPaで精乳化し酸性乳化食品を製した。得られた酸性乳化食品の食用油脂の配合量は、全体に対し37.5%であり、粘度は14.2Pa・s、pHは4.0であった。
[試験例]
実施例1で得られた低粘性酸性水中油型乳化食品、及び比較例1乃至4で得られた酸性乳化食品のコク味及び保存中の乳化安定性について評価した。つまりコク味は、製造直後の各乳化食品を試食し評価した。また、保存中の乳化安定性は、300mL容量の透明な樹脂製の可撓性容器に充填したものを35℃で6週間保存し、乳化安定性を水相分離あるいは油相分離の有無で評価した。結果を表1に示す。なお、35℃で1週間の保存は、室温(20℃)で1ヶ月程度の保存に相当する。
Figure 2007111009
表1より、水中油型乳化物の食用油脂の配合量を65%より少ない量で製した比較例1、水不溶性乾燥卵粉粒子を配合しなかった比較例2、水不溶性乾燥卵粉粒子を配合せず、かつ本発明のような水中油型乳化物を製することなく全体を乳化しコロイドミルで精乳化した比較例3、水不溶性乾燥卵粉粒子を配合せず、かつ本発明のような水中油型乳化物を製することなく全体を乳化し高圧ホモゲナイザーで精乳化した比較例4の各酸性乳化食品は、コク味及び/又は保存安定性に劣った。これに対し、本発明の製造方法で得られた実施例1の低粘性酸性水中油型乳化食品は、長期間保存しても乳化安定性に優れ、コク味を有し好ましいものであることが理解される。

Claims (2)

  1. 食用油脂の配合量が全体に対し50%以下、粘度が25Pa・s以下の低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法であって、乳化材として卵黄を用い食用油脂を65%以上配合した水中油型乳化物を製した後に、該乳化物と水性媒体及び卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子とを混合することを特徴とする低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法。
  2. 前記卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子の配合量が全体に対し0.5%以上である請求項1記載の低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法。
JP2005308209A 2005-10-24 2005-10-24 低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法 Expired - Fee Related JP4397876B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005308209A JP4397876B2 (ja) 2005-10-24 2005-10-24 低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005308209A JP4397876B2 (ja) 2005-10-24 2005-10-24 低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007111009A true JP2007111009A (ja) 2007-05-10
JP4397876B2 JP4397876B2 (ja) 2010-01-13

Family

ID=38093754

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005308209A Expired - Fee Related JP4397876B2 (ja) 2005-10-24 2005-10-24 低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4397876B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009189345A (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 Q P Corp 酸性液状調味料
JP2009284849A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Q P Corp 液状調味料の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009189345A (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 Q P Corp 酸性液状調味料
JP2009284849A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Q P Corp 液状調味料の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4397876B2 (ja) 2010-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Cornelia et al. The utilization of extract durian (Durio zibethinus L.) seed gum as an emulsifier in vegan mayonnaise
JP2011041512A (ja) 改質アラビアガムを含有する乳化組成物
JP6514110B2 (ja) 酸性水中油型乳化調味料
JP3844011B2 (ja) 水中油型乳化食品
JP2010200662A (ja) 卵白用起泡性向上剤
JP4397876B2 (ja) 低粘性酸性水中油型乳化食品の製造方法
JPWO2012002285A1 (ja) 酸性水中油型乳化食品
WO2017170505A1 (ja) 高耐熱性付与用乳化安定剤及びその製造方法
JP2010051192A (ja) 酸性水中油型乳化食品およびその用途
JP6114145B2 (ja) ウニ含有水中油型乳化ソース
JPWO2012002303A1 (ja) 酸性水中油型乳化食品
JP5969949B2 (ja) フィリング
JP2018171064A (ja) 水中油型乳化食品
JP2007129925A (ja) 保水性及び耐熱性に優れた高油分マヨネーズの製造方法
JP6007201B2 (ja) 「米由来原料を用いた炊飯添加用の水中油滴型乳化物」
JP4527016B2 (ja) 酸性水中油型乳化食品の製造方法
JP2012010621A (ja) 酸性水中油型乳化食品
JP4502894B2 (ja) 酸性水中油型乳化食品の製造方法
JP2014217357A (ja) 水中油型乳化食品
JP2015104320A (ja) 酸性乳化状調味料
JP3765762B2 (ja) 卵黄を含有する低コレステロール水中油型乳化食品およびその製造方法
JP4338576B2 (ja) 水中油型酸性調味料
JP5298870B2 (ja) 酸性水中油型乳化食品の製造方法
JP2011177152A (ja) 味付き液状食品及び前記味付き液状食品を用いた味付き固形食品の製造方法
JP3730635B2 (ja) 酸性水中油型乳化食品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080402

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091006

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091020

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091021

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4397876

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151030

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees