JP2009284849A - 液状調味料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 卵風味を強化しながらも、口溶けの良い液状調味料の製造方法を提供する。
【解決手段】 製品に対し好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.3%以上の卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子と、製品に対し好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.3%以上の生(なま)醤油を混合した後、加熱処理することを特徴とする液状調味料の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、卵風味を強化しながらも、口溶けの良い液状調味料の製造方法に関する。
液状調味料とは、マヨネーズ、ドレッシングなどの野菜サラダにかける酸性液状調味料、カルボナーラソースなどの調理ソースや、タレなどが挙げられる。特にドレッシング、パスタソースは、近年その需要が拡大しており、味の多様化が求められている。
乳化状の調味料や調理ソースには、通常、乳化力付与を目的として卵黄が配合されているが、卵は、それ以外にも、卵風味、コク味、黄色い色調の付与を目的として液状調味料に配合される場合がある。特に、マヨネーズやカルボナーラソースなどは、卵の配合量の多い液状調味料であり、一般的に卵風味や黄色い色調が強い程、美味しく、高級感があるとされている。
しかしながら、卵は強い乳化力を有しているため、多量に配合すると液状調味料の物性が変化してしまう。また、卵は熱凝固力を有しており、加熱工程を必要とする液状調味料に配合すると、その物性が変化してしまう。そのため、液状調味料への卵の配合量が制限され、卵風味の強化された液状調味料の製造は困難であった。
これらの課題解決を目的として、水不溶性乾燥卵粉粒子を液状調味料に配合することが知られている(特許文献1)。ここで特許文献1の水不溶性乾燥卵粉粒子とは、特許文献1及び2の明細書に記載の卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子のことであり、卵黄を含む卵液を噴霧乾燥した後、得られた乾燥卵粉をほぼそのまま変性させることを特徴としている。
これにより得られた卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子は、蛋白質の一部または全部が加熱により変性しており、加熱凝固力が低下しているため、これを含有した液状調味料の物性が、その製造工程における加熱処理によって大きく変化することはない。しかしながら、上記文献1の卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子は、粒子自体が水不溶性であり、ざらついた食感を感じさせるため、これを含有する液状調味料の口溶けが悪くなるとの問題点があった。
特開2007−111009号公報 特開平3−206866号公報
そこで、本発明の目的は、卵風味を強化しながらも、口溶けの良い液状調味料の製造方法を提供するものである。
本発明者は、上記目的を達成すべく液状調味料に使用されている様々な配合原料、及び製造工程について鋭意研究を重ねた。その結果、卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子と生(なま)醤油を混合した後、加熱処理することで、意外にも、液状調味料の卵風味が強化されながらも、口溶けが良くなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子と生(なま)醤油を混合した後、加熱処理する液状調味料の製造方法、
(2)製品に対し卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子の含有量が固形分換算で0.1%以上である(1)の液状調味料の製造方法、
(3)製品に対し生(なま)醤油の含有量が0.1%以上である(1)又は(2)の液状調味料の製造方法、
である。
本発明によれば、卵風味を強化しながらも、口溶けの良い液状調味料を提供することができ、さらなる液状調味料の需要拡大が期待される。
以下、本発明の調味料を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
本発明の液状調味料は、卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子を含有しており、卵を含有する液状調味料としては、一般的にマヨネーズ、ドレッシングなどの酸性液状調味料、カルボナーラソースなどのパスタソースなどが挙げられる。しかしながら、本発明の液状調味料は、これらに限定するものではなく、シチュー、カレーなどの加熱調理済み調理ソース、その他のソース類、タレ類などが含有される。
本発明の液状調味料は、卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子と生(なま)醤油を混合した後、加熱処理することを特徴としており、これにより液状調味料は、卵風味を強化しながらも、口溶けの良いものとなる。
本発明で用いる水不溶性乾燥卵粉粒子とは、引用文献2の明細書に記載の卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子のことである。つまり、卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子とは、卵黄を含む乾燥した卵(例えば、乾燥卵黄、乾燥全卵など)の粒子であって、実質的に水に溶解しないものをいう。実質的に水に溶解しないとは、本発明においては、当該粒子を約10倍量の3%食塩水の中に投入し、ゆるく5分間攪拌した後、ろ紙(アドバンテック東洋社製 No.2)で吸引ろ過、または加圧ろ過することにより得られた不溶性画分が、固形分換算で80%以上であり、いずれにしてもその水に溶解しないことをいう。
本発明の液状調味料で用いる卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子の代表的な製造方法としては、引用文献2の明細書に記載されているように、卵液(卵黄液、全卵液など)を噴霧乾燥方法の常法、代表的には送風温度130〜200℃で乾燥した乾燥卵粉を、例えば80〜120℃の蒸気で2秒〜5分間程度処理するなどの方法が挙げられるが、本発明では、上述の製造方法に限定するものではない。
また、本発明で用いる生(なま)醤油とは、通常の濃口醤油、薄口醤油、溜り醤油などの製造工程において、製造原料の発酵、熟成を行った熟成諸味を圧搾濾過して得られた、火入れ工程前の生揚げ醤油のことである。また、この生揚げ醤油から、マイクロフィルターなどを用いて微生物を取り除いた醤油なども含まれる。
本発明で用いる生(なま)醤油の製造方法は、生(なま)醤油が得られる方法であれば、特に限定されるものではないが、例えば以下のようにして製造できる。
まず、常法により醤油の原料である大豆、小麦を蒸煮加熱などの加熱処理によりタンパク質変性をさせる。次いで麹菌が育成しやすい環境下で製麹を行い、食塩水を混ぜて諸味を製造する。次いで、熟成した諸味を圧搾して得た生揚げ醤油からマイクロフィルター、精密ろ過膜などを使用し微生物を取り除く方法などが挙げられる。
本発明の液状調味料の製造方法は、上述の卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子、及び生(なま)醤油を混合した後、当該混合液を加熱処理することを特徴とする。液状調味料の製造工程において、加熱処理を行うタイミングは、卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子、及び生(なま)醤油を混合した後であれば良く、特に限定するものではない。
例えば、乳化液状調味料の製造方法の場合は、卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子、生(なま)醤油、及びその他の水相原料を混合した後、ミキサーで均一に攪拌し、液状調味料の水相部を調製する。次いで当該水相部を攪拌させながら油相部の植物油を徐々に注加して乳化状の混合液を調製し、得られた混合液に加熱処理を施した後、容器に充填する方法などが挙げられる。また、分離液状調味料の製造方法の場合は、上記乳化液状調味料の製造方法と同様の方法で調製した水相部に加熱処理を施した後、容器に充填し、その後油相部の植物油を積層する方法などが挙げられる。また、ノンオイル調味料の製造方法の場合は、全原材料を混合した後、ミキサーで均一に攪拌し、得られた混合液に加熱処理を施した後、容器に充填する方法などが挙げられる。また、カルボナーラ用レトルトソースの製造方法の場合は、卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子、及び生(なま)醤油を含む配合のカルボナーラ用ソースを常法により調製し、レトルトパックに充填した後、レトルト処理を施す方法などが挙げられる。
本発明の液状調味料の製造方法は、上述の通り、卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子、及び生(なま)醤油を混合した後、加熱処理することではじめて、液状調味料の卵風味が強化され、口溶けが良いものとなる。後述の試験例2で示す通り、卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子、及び生(なま)醤油を混合した後、加熱処理をしない製造方法により得られた液状調味料(比較例3)は、加熱処理を施した液状調味料(実施例1)と比較して、卵風味が十分に強化され難い傾向にあるため好ましくない。
また、後述の試験例3で示す通り、生(なま)醤油を加熱処理した後に卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子を混合する製造方法により得られた液状調味料(比較例4)は、口溶けの良いものとならず好ましくない。
本発明において、卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子と生(なま)醤油を混合した後、加熱処理までの時間は、5分〜24時間が好ましく、10分〜12時間がより好ましい。上記時間が前記値よりも短いと、たとえ後述の卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子と生(なま)醤油を混合し、加熱処理をしたとしても、得られた液状調味料は、口溶けの良いものとならず好ましくない。また、上記時間が前記値よりも長いと、上記時間内で加熱処理した液状調味料と比較して、卵風味が十分に強化され難い傾向にあるため好ましくない。
また、本発明の液状調味料の製造方法における加熱処理条件は、通常、液状食品において殺菌を行う程度の条件であれば良く、具体的には、加熱温度は、60〜140℃が好ましく、65℃〜130℃がより好ましい。また、加熱時間は、2秒〜90分間が好ましく、5秒〜60分間がより好ましい。加熱温度が前記値よりも低いと、または加熱時間が前記値よりも短いと、得られた液状調味料の卵風味が十分に強化され難い傾向にあるため好ましくない。また、加熱温度が前記値よりも高いと、または加熱時間が前記値よりも長いと、液状調味料の風味が劣化してしまうため好ましくない。なお、本発明の液状調味料の製造方法における加熱処理の方法は、上記加熱処理ができる方法であれば、特に限定するものではないが、例えば、湯せん、二重釜を用いて蒸気、熱水などの熱媒体を入れて加熱する方法、プレート式熱交換器を用いて加熱する方法、チューブ式熱交換器を用いて加熱する方法などが挙げられる。
液状調味料に対する卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子の含有量は固形分換算で0.1%以上が好ましく、0.3%以上がより好ましい。卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子の含有量が前記値より少ないと、たとえ後述の生(なま)醤油を混合し、加熱処理をしたとしても、液状調味料の卵風味が十分に強化され難く好ましくない。また、液状調味料に対する生(なま)醤油の含有量は0.1%以上が好ましく、0.3%以上がより好ましい。生(なま)醤油の含有量が前記値より少ないと、たとえ上述の卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子を混合し、加熱処理をしたとしても、口溶けの良い液状調味料が得られ難く好ましくない。
なお、本発明においては、卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子が多いほど、液状調味料の卵風味がより強化される傾向にあるため、卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子の含有量は上限が規定されていないが、卵風味と醤油風味のバランスを考慮して、液状調味料に対する卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子の含有量は固形分換算で15%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。また、本発明においては、生(なま)醤油の含有量が多いほど、液状調味料の口溶けが良くなる傾向にあるため、生(なま)醤油の含有量は上限が規定されていないが、卵風味と醤油風味のバランスを考慮して、液状調味料に対する生(なま)醤油の含有量は30%以下が好ましく、20%以下がより好ましい。
本発明の液状調味料には、上記卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子と生(なま)醤油以外に、本発明の効果を損なわない範囲で当該食品に一般的に使用されている各種原料を適宜選択し配合させることができる。例えば、食酢、グルタミン酸ナトリウム、食塩、砂糖、醤油(生(なま)醤油を除く)、味噌などの各種調味料、各種エキス、菜種類、コーン油、綿実油、サフラワー油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油などの動植物油又はこれらの精製油(サラダ油)、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油などのような化学的あるいは酵素的処理などを施して得られる油脂などの食用油脂、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、アラビアガム、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉、湿熱処理澱粉、又はアセチル化アビジン酸架橋澱粉、リン酸架橋澱粉などの加工澱粉などの増粘材、全卵、卵黄、ホスフォリパーゼA、ホスフォリパーゼA、ホスフォリパーゼC若しくはホスフォリパーゼDで酵素処理した卵黄、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン、ラクトアルブミン、カゼインナトリウムなどの乳化材、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンEなどの酸化防止剤、色素、香味食材や各種野菜のおろし、ペースト状物、截断物などの具材の粉砕物、生姜、わさび、にんにくなどの薬味などが挙げられる。
以下、本発明について、実施例、比較例並びに試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[実施例1]
<卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子の製造方法>
割卵し卵白から分離して得た卵黄液10kgを送風温度175℃でスプレードライした。次に、当該乾燥卵黄粉を布を敷いた蒸し器の上に1cmの厚さに広げ、100℃の熱蒸気に2分間さらして加熱変性させ、卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子(以下、「水不溶性乾燥卵粉粒子」と省略)を製した。当該乾燥卵粉粒子を約10倍量の3%食塩水の中に投入し、ゆるく5分間攪拌した後、ろ紙(アドバンテック東洋社製 No.2)で吸引ろ過したところ、投入した当該乾燥卵粉粒子に対する得られた不溶性画分の質量比(以下、水不溶性比率とする)は固形分換算で80%以上であり、実質的に水に溶解しないものであった。
<酸性乳化液状ドレッシングの製造方法>
下記の配合割合に準じ、得られた水不溶性乾燥卵粉粒子、生(なま)醤油、及びその他の水相原料を混合し、ミキサーで均一に攪拌し、水相部を調製した。次いで、得られた水相部を攪拌させながら油層の植物油を徐々に注加して粗乳化物を製し、更に高速で攪拌して仕上げ乳化を行った。得られた乳化物をゆっくり攪拌させながら70℃に加熱し、70℃で5分間加熱処理を施した後、250mL容量のポリエチレンテレフタレート製の容器(以下、PET容器)に充填し、酸性乳化液状ドレッシングを製した。なお、得られた酸性乳化液状ドレッシングは水不溶性乾燥卵粉粒子を固形分換算で2%、生(なま)醤油を2%含むものであった。
<酸性乳化液状ドレッシングの配合割合>
(油相)
植物油 50%
(水相)
食酢(酸度5%) 10%
グラニュー糖 5%
殺菌卵黄 3%
食塩 2.5%
水不溶性乾燥卵粉粒子(実施例1) 2%
生(なま)醤油 2%
グルタミン酸ソーダ 0.2%
キサンタンガム 0.1%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――
合計 100%
得られた酸性乳化液状ドレッシングを喫食したところ、酸性乳化液状ドレッシングは卵風味が強化され、口溶けの良いものであった。
[比較例1]
実施例1の水不溶性乾燥卵粉粒子を製造する過程で製造された乾燥卵黄粉を単離した。得られた乾燥卵黄粉は、水不溶性比率が80%以下であり、実質的に水に溶解するものであった。次に、実施例1の酸性乳化液状ドレッシングにおいて、実施例1で用いた水不溶性乾燥卵粉粒子を、前記乾燥卵黄粉に置換した以外は、実施例1と同様の方法で酸性乳化液状ドレッシングを製した。なお、得られた酸性乳化液状ドレッシングは前記乾燥卵黄粉を固形分換算で2%、生(なま)醤油を2%含むものであった。
[比較例2]
実施例1の酸性乳化液状ドレッシングにおいて、実施例1で用いた生(なま)醤油を、濃口醤油に置換した以外は、実施例1と同様の方法で酸性乳化液状ドレッシングを製した。
[試験例1]
実施例1(水不溶性乾燥卵粉粒子を含有)、比較例1(乾燥卵黄粉を含有)、及び比較例2(濃口醤油を含有)で得られた酸性乳化液状ドレッシングを用いて、含有される乾燥卵粉粒子の水不溶性の有無、または醤油の違いによる、液状調味料の卵風味と口溶けへの影響を調べた。具体的には、得られたそれぞれの酸性乳化液状ドレッシングを喫食して、酸性乳化液状ドレッシングの卵風味、及び口溶けを評価した。
「酸性乳化液状ドレッシングの卵風味」の評価
ランク:基準
A: 卵風味が十分に強化されている
B: 卵風味が強化されている
C: 卵風味がやや強化されているが十分でない
D: 卵風味が強化されていない
「酸性乳化液状ドレッシングの口溶け」の評価
ランク:基準
A: 十分に口溶けが良い
B: 口溶けが良い
C: 口溶けが悪い
Figure 2009284849
表1より、水不溶性乾燥卵粉粒子、及び生(なま)醤油を用いないと、卵風味が強化されながらも、口溶けの良い液状調味料が得られないことが理解される。
[比較例3]
実施例1の酸性乳化液状ドレッシングの製造方法において、加熱処理工程を除いた以外は実施例1と同様の方法で酸性乳化液状ドレッシングを製した。
[試験例2]
実施例1、及び比較例3で得られた酸性乳化液状ドレッシングを用いて、液状調味料の製造工程における加熱処理工程の有無による、液状調味料の卵風味への影響を調べた。具体的には、得られたそれぞれの酸性乳化液状ドレッシングを喫食して、酸性乳化液状ドレッシングの卵風味を評価した。なお、酸性乳化液状ドレッシングの卵風味の評価基準は試験例1と同様とする。
Figure 2009284849
表2より、水不溶性乾燥卵粉粒子、及び生(なま)醤油を混合した後、加熱処理をしない製造方法により得られた酸性乳化液状ドレッシング(比較例3)は、加熱処理を施した酸性乳化液状ドレッシング(実施例1)と比較して、卵風味が十分に強化され難いことが理解される。
[比較例4]
実施例1の酸性乳化液状ドレッシングの製造方法において、生(なま)醤油を70℃に加熱し、70℃で5分間加熱処理を施し、次いで水不溶性乾燥卵粉粒子を含む残りの水相原料を混合し、ミキサーで均一に攪拌し、水層部を調製した。それ以外は実施例1と同様の方法で酸性乳化液状ドレッシングを製した。
[試験例3]
実施例1、及び比較例4で得られた酸性乳化液状ドレッシングを用いて、液状調味料の製造工程における加熱処理のタイミングの違いによる、液状調味料の口溶けへの影響を調べた。具体的には、得られたそれぞれの酸性乳化液状ドレッシングを喫食して、酸性乳化液状ドレッシングの口溶けを評価した。なお、酸性乳化液状ドレッシングの口溶けの評価基準は試験例1と同様とする。
Figure 2009284849
表3より、生(なま)醤油を加熱処理した後に水不溶性乾燥卵粉粒子を混合する酸性乳化液状ドレッシングの製造方法では、口溶けの良い酸性乳化液状ドレッシングが得られないことが理解される。これにより、水不溶性乾燥卵粉粒子、及び生(なま)醤油を混合した後に加熱処理を施すことではじめて、得られた液状調味料の口溶けが良くなることが明らかとなった。
[試験例4]
水不溶性乾燥卵粉粒子と生(なま)醤油の含有量の違いによる、液状調味料の卵風味と口溶けへの影響を調べた。具体的には、実施例1において、水不溶性乾燥卵粉粒子と生(なま)醤油の含有量を表4に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様の方法で酸性乳化液状ドレッシングを製し、得られたそれぞれの酸性乳化液状ドレッシングを喫食して、酸性乳化液状ドレッシングの卵風味と口溶けを評価した。なお、酸性乳化液状ドレッシングの卵風味、及び口溶けの評価基準は試験例1と同様とする。また、得られた酸性乳化液状ドレッシングは水不溶性乾燥卵粉粒子(固形分換算)、及び生(なま)醤油を表4で示す量含有するものである。
Figure 2009284849
表4より、水不溶性乾燥卵粉粒子の含有量が固形分換算で0.1%以上である液状調味料は卵風味が強化されており、0.3%以上である液状調味料はより卵風味が強化されていることが理解される。また、生(なま)醤油の含有量が0.1%以上である液状調味料は口溶けが良く、0.3%以上である液状調味料はより口溶けが良いことが理解される。
[実施例2]
<分離液状ドレッシングの製造方法>
下記の配合に準じ、まず乳化相部において植物油以外の原料をミキサーで均一に混合した後、当該混合液を攪拌させながら植物油を徐々に注加して粗乳化物を製し、更に高速で攪拌して仕上げ乳化を行い乳化相部を調製した。得られた乳化物をゆっくり攪拌させながら80℃に加熱し、80℃で1分間加熱処理を施した後、分離液状ドレッシングの容量が250mLとなるように250mL容量のPET容器に上記乳化相部を充填し、残りの油相部である植物油を充填して乳化相部に油相部を積層させ、乳化相を有する分離液状ドレッシングを製した。なお、得られた分離液状ドレッシングは水不溶性乾燥卵粉粒子を固形分換算で1%、生(なま)醤油を20%含むものであった。
<分離液状ドレッシングの配合割合>
(油相部)
植物油 10%
(乳化相部)
植物油 20%
ブドウ糖果糖液糖 10%
食酢(酸度5%) 5%
殺菌卵黄 2%
水不溶性乾燥卵粉粒子(実施例1) 1%
生(なま)醤油 20%
グルタミン酸ソーダ 0.2%
キサンタンガム 0.2%
香辛料 0.1%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――
合計 100%
得られた分離液状ドレッシングを上下に振って一時的に乳化させた後、喫食したところ、分離液状ドレッシングは、卵風味が強化され、口溶けの良いものであった。
[実施例3]
<カルボナーラ用レトルトソースの製造方法>
二重釜に清水を入れ、加熱攪拌させながら牛乳、オリゴ糖アルコール、生クリーム、チーズ、生卵黄、水不溶性乾燥卵粉粒子(実施例1)、生(なま)醤油、食塩、マーガリン、グルタミン酸ソーダ、及びタマリンドガムを加えて、90℃達温後加熱を停止し、ベーコンとブラックペパーを加え仕上げ攪拌しカルボナーラ用ソースを得た。得られたソースを140gずつ耐熱性のレトルトパウチに充填・密封した後、120℃×20分間レトルト処理し、冷却してカルボナーラ用レトルトソースを得た。なお、得られたカルボナーラ用レトルトソースは水不溶性乾燥卵粉粒子を固形分換算で3%、生(なま)醤油を1%含むものであった。
<カルボナーラ用レトルトソースの配合割合>
牛乳 60%
オリゴ糖アルコール 8%
生クリーム 5%
チーズ 3%
生卵黄 3%
水不溶性乾燥卵粉粒子(実施例1) 3%
生(なま)醤油 1%
食塩 1.2%
マーガリン 1%
グルタミン酸ソーダ 0.8%
タマリンドガム 0.2%
ベーコン 8%
ブラックペパー 0.1%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――
合計 100%
得られたカルボナーラ用レトルトソースを喫食したところ、カルボナーラ用レトルトソースは卵風味が強化され、口溶けの良いものであった。

Claims (3)

  1. 卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子と生(なま)醤油を混合した後、加熱処理することを特徴とする液状調味料の製造方法。
  2. 製品に対し卵黄を含んでなる水不溶性乾燥卵粉粒子の含有量が固形分換算で0.1%以上である請求項1に記載の液状調味料の製造方法。
  3. 製品に対し生(なま)醤油の含有量が0.1%以上である請求項1又は2に記載の液状調味料の製造方法。
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