JP2011142832A - 濃縮クリームスープ又は濃縮クリームソース、及びこれらを用いたクリームスープ又はクリームソースの製造方法 - Google Patents

濃縮クリームスープ又は濃縮クリームソース、及びこれらを用いたクリームスープ又はクリームソースの製造方法 Download PDF

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佑子 船橋
Takahisa Takita
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Abstract

【課題】水又は牛乳を加えて電子レンジ等で加熱するだけで、撹拌等をしなくても簡便に分散、均一化されてクリームスープ又はクリームソースを得ることができる濃縮クリームスープ又はクリームソースであって、前記加熱によってふきこぼれが生じにくい濃縮クリームスープ又はクリームソースを提供する。
【解決手段】3〜15倍量の水又は牛乳を加えて加熱することによりクリームスープ又はクリームソースを得られるようにする水分活性が0.9以下の濃縮クリームスープ又は濃縮クリームソースであって、脂質及び蛋白質の含有量が脂質100重量部に対し蛋白質が10〜35質量部であり、澱粉及び/又は澱粉分解物を含有し、粘度が3〜50Pa・sである濃縮クリームスープ又は濃縮クリームソース。前記濃縮クリームスープ又は濃縮クリームソースに3〜15倍量の水又は牛乳を加えて加熱するクリームスープ又はクリームソースの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、水又は牛乳を加えて電子レンジ等で加熱しても、ふきこぼれが生じにくい濃縮クリームスープ又はソースに関し、より詳しくは、前記加熱するだけで、撹拌等をしなくても簡便に分散、均一化されてクリームスープ又はソースを得ることができる濃縮クリームスープ又はソースに関する。また、本発明は、これら濃縮クリームスープ又はソースを用いたクリームスープ又はソースの製造方法に関する。
クリームスープ、チャウダー、ホワイトソース等のクリームスープ又はソースは、ホワイトルウや生クリーム等の乳原料に由来するなめらかでコクのある食味が特徴である。クリームスープ又はソースは、調味料、乳原料、具材等の原料を鍋等に入れて加熱調理することにより作られるが、乳原料を含むため、加熱調理時にはふきこぼれたり焦げ付いたりしないように、火加減を微調整しかなりの頻度で撹拌するという煩雑な操作が必要となるという問題があった。
ところで、前記クリームスープ又はソースに関する技術とは異なるが、特許文献1(特許第3115234号公報)には、加水して調理する電子レンジ調理用ルウ食品が記載されている。これは、カレーやシチューの原料である香辛料、小麦粉、食用油脂、増粘剤等を混合して低粘度に調整したもので、水分活性が低いため常温保存が可能であり、しかも、加水して電子レンジで加熱するだけで、カレーやシチューを得られ大変便利である。
特許第3115234号公報
本発明者等は、上述した特許文献1に記載されている電子レンジ調理用ルウ食品に乳原料を加えて濃縮クリームスープを製造し、加水して電子レンジ加熱を行ったところ、濃縮クリームスープは電子レンジ加熱による対流により撹拌しなくてもある程度水に分散がされたものの、乳原料を含むスープが沸騰により沸きあがりふきこぼれが生じるという問題が生じた。特に、この問題は牛乳を加えて加熱して電子レンジ加熱した場合に顕著であった。
そこで、本発明の目的は、水又は牛乳を加えて電子レンジ等で加熱しても、ふきこぼれが生じにくい濃縮クリームスープ又はソースであって、前記加熱によって撹拌等をしなくても簡便に分散、均一化されてクリームスープ又はソースを得ることができる濃縮クリームスープ又はソースを提供することを課題とする。また、本発明は、これら濃縮クリームスープ又はソースを用いたクリームスープ又はソースの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく様々な諸条件について鋭意研究を重ねた結果、澱粉及び/又は澱粉分解物を用いて特定粘度に調整し、更に、蛋白質及び脂質の割合を特定範囲に調整した濃縮クリームスープ又はソースは、牛乳を加えて電子レンジで加熱した場合であってもふきこぼれが生じにくいことを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)3〜15倍量の水又は牛乳を加えて加熱する水分活性が0.9以下の濃縮クリームスープ又はソースであって、脂質及び蛋白質の割合が脂質100質量部に対し蛋白質が10〜35質量部であり、澱粉、澱粉分解物又は還元澱粉分解物の1種以上を含有し、粘度が5〜50Pa・sである濃縮クリームスープ又はソース、
(2)、小麦粉含有量が1%以下又は小麦粉を含有しない(1)記載の濃縮クリームスープ又はソース、
(3)、(1)乃至(2)のいずれかに記載の濃縮クリームスープ又はソースに3〜15倍量の水又は牛乳を加えて加熱するクリームスープ又はソースの製造方法、
である。
本発明によれば、水又は牛乳を加えて電子レンジ等で加熱しても、ふきこぼれが生じにくい濃縮クリームスープ又はソースであって、前記加熱するだけで撹拌等をしなくても簡便に分散、均一化されてクリームスープ又はソースを得ることができる濃縮クリームスープ又はソースを提供することができる。したがって、濃縮クリームスープ又はソースの需要拡大が期待される。
以下、本発明の濃縮クリームスープ又はソース及びこれらを用いたクリームスープ又はソースの製造方法を詳述する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
本発明において、クリームスープとは、乳原料及び食用油脂を含む乳化状の汁物をいい、具体的には、例えば、クリームスープ、ポタージュ、チャウダー、ホワイトシチュー等が挙げられる。また、クリームソースとは、乳原料及び食用油脂を含む乳化状のソースをいい、具体的には、ホワイトルーをベースとしたホワイトソース、トマトソースをベースとしたトマトクリームソース、白ワインをベースとしたヴァンブランソース等が挙げられる。
本発明で用いる前記乳原料としては、一般的にクリームスープ又はソースに含まれる乳原料であれば特に制限は無く、例えば、牛乳、クリーム、バター、チーズ、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、チーズ等が挙げられる。
また、前記食用油脂としては、例えば、乳脂、ラード、ヘット、卵黄油等の動物性油脂、あるいは、菜種油、コーン油、オリーブ油、サフラワー油、綿実油、大豆油、米油、トウモロコシ油、これらを精製したサラダ油等の植物性油脂等が挙げられる。更に、これらの油脂を硬化、エステル交換等の処理を施したものの他、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド等のように化学的あるいは酵素的処理を施して得られる油脂等が挙げられる。これらの油脂の中でも風味の点から、乳脂、あるいは植物油脂が好ましい。
なお、本発明のクリームソースに食用油脂を配合する場合、上述の食用油脂を配合する他に、乳原料であり食用油脂を含む生クリームやバターを配合してもよい。また、バターやバターオイル等の乳脂肪分に脱脂粉乳等の無脂乳固形分、乳化剤、清水等を添加して製造した還元クリーム、乳脂肪分および植物性脂肪分に脱脂粉乳等の無脂乳固形分、乳化剤、安定剤、清水等を添加して製造したコンパウンドクリーム、植物性脂肪分に脱脂粉乳等の無脂乳固形分、乳由来以外の蛋白質、乳化剤、安定剤、清水等を添加して製造した合成クリーム等を配合してもよい。
本発明の濃縮クリームスープ又はソースは、3〜15倍量の水又は牛乳を加えて加熱することにより上述したクリームスープ又はソースを得るものである。ここで、本発明の濃縮クリームスープ又はソースに、3〜15倍量の水又は牛乳を加えるのは、前記範囲であれば水又は牛乳を加えて電子レンジ等で加熱するだけで撹拌しなくても容易に分散、均一化しやすいからである。これに対して、15倍量を超える水又は牛乳を加えた場合、あるいは、3倍量を下回る量の水や牛乳を加えた場合は分散、均一化しにくい傾向がある。
また、本発明の濃縮クリームスープ又はソースは、水分活性を0.9以下に調整し、常温流通を可能としてある。水分活性の調整は、常法により行えばよく、例えば、濃縮クリームスープ又はソースに糖類や食塩を添加混合して上記範囲とする方法が挙げられる。ここで、前記糖類としては、例えば、砂糖、オリゴ糖、還元澱粉分解物、ソルビトール及びトレハロース等の糖類が挙げられる。
本発明の濃縮クリームスープ又はソースは、脂質及び蛋白質の割合が脂質100部に対し蛋白質が10〜35部、好ましくは10〜30部であることを特徴とし、これにより、水又は牛乳を加えて加熱して沸騰した際のクリームスープ又はソースの沸きあがりを抑制する効果が得られる。これに対して、蛋白質の割合がこの範囲を下回ると、加熱時に油脂分の分離が生ずる可能性が高まり、この範囲を超えると加熱時にクリームスープのふきこぼれが生じやすい。なお、本発明における前記蛋白質割合及び脂質割合は、それぞれ栄養表示基準(平成15年4月24日厚生省告示第176号)別表2の第3欄記載の窒素換算法、エーテル抽出法に準じて測定した値である。
本発明における上述の蛋白質としては、乳蛋白質、小麦蛋白、大豆蛋白、卵蛋白等が挙げられるが、本発明においては、ふきこぼれ防止効果が得られやすい点から濃縮クリームスープ又はソースの全蛋白質に占める乳蛋白質の割合が80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは100%である。
通常、乳蛋白質は、その8割がカゼインであり、2割が乳清蛋白質である。本発明においては、乳蛋白質は、常法により乳清蛋白質除去処理した、カゼインを蛋白質の主成分として含有する乳蛋白質含有原料由来のものを用いることが好ましい。これは、電子レンジ等で加熱した際にクリームスープ又はソースが加熱により沸騰して沸きあがりにくくなり、好ましいからである。ここで、乳清蛋白質除去処理としては、常法によればよく、例えば、レンネット反応や酸凝固反応を利用した除去処理が挙げられる。また、このような乳清蛋白質除去処理した、カゼインを含有する乳蛋白含有原料としては、α、β又はκ−カゼイン、レンネットカゼイン、酸カゼイン、カゼインナトリウム、カゼインカルシウム、カゼインマグネシウム等のカゼイン塩の他、常法により乳原料から乳清蛋白質除去処理して加工された食品、チーズ等が挙げられる。
乳清蛋白質除去処理された、カゼインを含有する乳蛋白含有原料を濃縮クリームスープ又はソースに配合する場合、その配合量は、カゼインが濃縮クリームスープ又はソースの全蛋白質中に占める割合が好ましくは7割以上、より好ましくは8割以上、更に好ましくは9割以上となる量である。
更に、本発明の濃縮クリームスープ又はソースは、澱粉及び/又は澱粉分解物を用いて粘度が5〜50Pa・s、好ましくは10〜50Pa・sに調整されていることを特徴とし、これにより、水又は牛乳を加えて加熱して沸騰した際のクリームスープ又はソースの沸きあがりを抑制する効果が得られる。これに対して、粘度が3Pa・s未満であると、加熱中のクリームスープ又はソースの沸きあがりを十分に抑制することができず、50Pa・sを超えると、濃縮クリームスープ又はソースの分散・均一化がされにくいので好ましくない。
なお、前記粘度の測定は、当該濃縮クリームスープ又はソースをBH型粘度計で、品温20℃、回転数20rpmの条件で、粘度が0.375Pa・s未満のときローターNo.1、0.375Pa・s以上1.5Pa・s未満のときローターNo.2、1.5Pa・s以上3.75Pa・s未満のときローターNo.3、3.75Pa・s以上7.5Pa・s未満のときローターNo.4、7.5Pa・s以上のときローターNo.5、10Pa・s以上のときローターNo.6を使用し、測定開始後ローターが3回転した時の示度により求めた値である。
本発明で用いる前記澱粉としては、例えば、小麦粉澱粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉等の生澱粉、これら生澱粉に常法によりα化処理を行ったα化澱粉、生澱粉に常法により湿熱処理を行った湿熱澱粉、更に、生澱粉に常法により架橋処理、エステル化処理、酸化処理等の一種又は二種以上の処理を行った架橋澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉等の加工澱粉等が挙げられる。一方、本発明で用いる前記澱粉分解物としては、前記澱粉を分解して得られるデキストリン、マルトデキストリン、水飴等と称されるものであり、これらの還元物である還元澱粉分解物であって、これらの澱粉又は澱粉分解物の中でも、ふきこぼれ防止効果が得られやすい点から、湿熱澱粉、加工澱粉又はコーンスターチを好ましく使用できる。澱粉、澱粉分解物又は還元澱粉分解物の配合量は、ふきこぼれ防止効果が得られ、上述した粘度に調整できる点から、濃縮クリームスープ又はソースに対して好ましくは1〜50%、より好ましくは5〜50%である。
また、本発明の濃縮クリームスープ又はソースは、加熱中のふきこぼれを防止するため、上述のように粘度を一定の範囲に規定してあるが、風味を出す等の理由で小麦粉を配合することができる。この場合、濃縮クリームスープ又はソースの小麦粉の含有量が高すぎると、かえってふきこぼれを助長することになるため、その含有量は、濃縮クリームスープ又はソースに対して、好ましくは1%以下、より好ましくは0.8%以下、特に好ましくは0.01〜0.5%であり、更に、澱粉100部に対する小麦粉の割合が50部以下であることが好ましい。
なお、本発明において、上述のように濃縮クリームスープ又はソースの粘度や構成成分の含有量等を規定する場合、濃縮クリームスープ又はソースが目視で均一な液状と評価できる場合には、そのままの濃縮クリームスープ又はソースに対し、必要な測定、試験あるいは評価を行い、得られた結果に基づき、前述の性状や含有量を規定すればよい。他方、濃縮クリームスープ又はソースに具材が含まれている場合には、濃縮クリームスープ又はソースを10メッシュの網目に通し、網目を通り抜けた液状物に対し、必要な測定、試験、評価を行い、得られた結果に基づき、上述の粘度や含有量を規定すればよい。
本発明の濃縮クリームスープ又はソースには、以上述べた原料のほかに、食酢、クエン酸等の有機酸又はその塩、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤、着色料、香料、甘味料、保存料等の原料を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択して用いることができる。
上述した本発明の濃縮クリームスープ又はソースの製造方法は、上述した原料を混合して常法により製造すればよく、このような混合は、二重釜、撹拌タンク等を用いて行うことができる。
次に、本発明の濃縮クリームスープ又はソースを使用してクリームスープ又はソースを製造する方法を説明する。
まず、上述した濃縮クリームスープ又はソース、清水又は牛乳、及び具材を用意する。本発明の濃縮クリームスープ又はソースで調味する具材としては、クリームスープに適したものを適宜選択して使用すればよい。例えば、じゃがいも、玉葱、人参、茄子、ほうれん草、ブロッコリーなどの野菜類、まいたけ、しめじなどのきのこ類、鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉などの肉類、スズキ、タラ、たこ、いか、海老、帆立などの魚介類などを挙げることができる。これらの具材は、クリームスープに加える前に予め、下茹で、油通し、あく抜き、電子レンジで加熱する等のいずれかの方法により下処理をしておくことができる。具材を食べ易くし、また、クリームスープの風味が染み込みやすいように、好ましくは1〜5cmの大きさにカットする。
次に、濃縮クリームスープ又はソースを電子レンジ調理が可能な容器に入れ、濃縮クリームスープ又はソースの3〜15倍量の水又は牛乳を加え、更に必要に応じて具材を入れて蓋をする。具材と濃縮クリームスープ又はソースの割合は料理によるが、濃縮クリームスープ又はソース100部に対して具材を10部〜500部程度とすればよい。容器としては、例えば、電子レンジ加熱耐性を備えた耐熱性樹脂製のパウチや、カップ状又は深皿状等に成形した施蓋可能な容器、あるいは、陶器製の皿等を用いることができる。
続いて、濃縮クリームスープ又はソース、清水又は牛乳、及び具を入れた容器ごと電子レンジ加熱調理を行う。電子レンジ加熱調理は、加えた具材を調味する点から少なくともクリームスープが沸騰して煮込み調理がされる加熱条件、具体的には、濃縮クリームスープ又はソースと加えた清水又は牛乳、及び具材の合計500gあたり、好ましくは出力500W×120秒相当以上の加熱をすることが好ましい。ここで500W×120秒相当とは、出力250Wであれば240秒、出力1000Wであれば60秒というように、出力ワット数と時間との積の値が同じになるように換算して計算した条件以上の電子レンジ加熱を行うことである。また、濃縮クリームスープ又はソースと具材の合計が例えば200gであれば、出力ワット数と時間との積の値が100gの場合の2倍となるように電子レンジ加熱を行う。前記加熱条件の上限としては、あまり長すぎても具材が硬くなったりしやすいことから、通常、濃縮クリームスープ又はソースと加えた清水又は牛乳、及び具材の合計500gあたり、好ましくは出力500W×300秒相当以下の加熱条件とすればよい。
このような電子レンジ加熱調理を行った場合、本発明の濃縮クリームスープ又はソースは、加熱によってふきこぼれが生じにくく、撹拌等をしなくても簡便に分散、均一化されてクリームスープ又はソースを得ることができる。
続いて、前記本発明の濃縮クリームスープ又はソースを使用して、調理鍋中でクリームスープを製造する方法を説明する。
濃縮クリームスープ又はソースを調理鍋に入れ、濃縮クリームスープ又はソースの3〜15倍量の水又は牛乳を加え、更に必要に応じて具材を入れる。具材と濃縮クリームスープ又はソースの割合は電子レンジ加熱を行う場合と同様、濃縮クリームスープ又はソース100部に対して具材を10部〜500部程度とすればよい。鍋としては、例えば、加熱耐性を備えたステンレス製の鍋、カップ状又は深皿状等に成形した施蓋可能な鍋等を用いることができる。
続いて、濃縮クリームスープ又はソース、清水又は牛乳、及び具材を入れた鍋を、ガス火等で加熱調理を行う。加熱調理は、加えた具材を調味する点から少なくとも3〜20分の加熱をすることが好ましい。
このようなガス火等による加熱調理を行った場合、本発明の濃縮クリームスープ又はソースは、加熱によってふきこぼれが生じにくく、撹拌等をしなくても簡便に分散、均一化されてクリームスープ又はソースを得ることができる。
以下、本発明の濃縮クリームスープ又はソース及びこれを用いたクリームスープ又はソースの製造方法について、実施例、比較例並びに試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定されるものではない。
[実施例1]
下記の配合で濃縮クリームスープを製造した。つまり二重釜に、大豆油、ジアシルグリセロリン脂質(キユーピー(株)製、「卵黄レシチンPL−100M」:含有ジアシルグリセロリン脂質約100%)を投入し、加熱撹拌後一度冷却する。次いで、冷却後の混合物に、食塩、還元澱粉糖化物、チキンエキスパウダー、脱脂粉乳、カゼインナトリウム、澱粉を加えて撹拌混合し、得られた混合物を30gずつパウチに充填密封することにより濃縮クリームスープを製造した。
<配合割合>
食塩 5%
還元澱粉分解物(固形分70%) 12%
チキンエキスパウダー 3%
ジアシルグリセロリン脂質 0.15%
脱脂粉乳 10%
カゼインナトリウム 5%
澱粉 20%
大豆油 35%
清水 9.85%
――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100%
得られた濃縮クリームスープ水分活性は0.9以下であった。濃縮クリームスープの蛋白質の含有量は8.4%、脂質の含有量は35%、脂質100部に対する蛋白質の割合は24部であった。濃縮クリームスープの全蛋白質の100%が乳蛋白質であり、濃縮クリームスープの全蛋白質の9割がカゼインであった。濃縮クリームスープの粘度は20Pa・sであった。
[実施例2]
実施例1で得られた濃縮クリームスープを耐熱性容器に30g入れた後、水を200mL、牛乳を200mL加え、更に、具材として1cm角にカットしたキャベツ60g及び1cm幅にカットしたベーコン30gを入れ、蓋をした。次に、これを容器ごと電子レンジに入れ、加熱調理(500W×120秒間)をすることによりクリームスープを得た。
以上のようにして得られたクリームスープは、加熱によりスープがふきこぼれることもなく、濃縮クリームスープが充分に分散されており、大変好ましいものであった。
[実施例3]
皮をむいたにんじんと玉ねぎは1cmの角切りにし、キャベツは1cmの角切りにした。鍋に水200mLと前記具材を入れてガス火にかけ煮た。にんじんが柔らかくなったら、鍋に、牛乳200mLと実施例1の濃縮クリームスープ30gを加えて弱火で180秒間煮て、皿にあけた。
加熱中の濃縮クリームスープは撹拌等することなく、分散・均一化した。また、加熱中のクリームスープは、沸騰しても液面上に泡が沸きあがらず、大変好ましいものであった。
[試験例1]
本試験例では、濃縮クリームスープの脂質と蛋白質の含有割合(質量比)の違いが電子レンジ加熱中及び加熱後のクリームスープの状態に与える影響を調べたるため以下の試験を行った。つまり、実施例1において、脱脂粉乳及びカゼインナトリウムの配合量を表1に示す配合に変え、その減少分又は増加分は、清水の配合量で調整した以外は実施例1と同様にして、脂質と蛋白質の含有割合が異なる5種類の濃縮クリームスープを得た。続いて、得られた各濃縮クリームスープに実施例1と同様に牛乳、水及び具材を加えて電子レンジで加熱調理し、加熱中及び加熱後のクリームスープの状態について下記評価基準により評価した。結果を表1に示す。
Figure 2011142832
<電子レンジ加熱中のクリームスープの状態評価>
A:沸騰しているが、液面上に泡が沸きあがっていない
B:沸騰して液面上に泡が沸きあがっており、泡が沸きあがっている高さは、液面から20mm以下である
C:沸騰して液面上に泡が沸きあがっており、泡が沸きあがっている高さは、液面から20mmを越える高さである
<電子レンジ加熱後のクリームスープの状態評価>
○:クリームスープ表面に油の分離は見られるが、製品として問題のない範囲である。
△:クリームスープ表面の油の分離が目立つが、製品として問題のない範囲である。
×:クリームスープ表面の油の分離が非常に目立ち、製品として問題がある。
表1より、脂質100部に対して蛋白質の割合が10〜35部である濃縮クリームスープは、電子レンジ加熱中の泡の沸きあがりが抑制され、加熱後のクリームスープの分離も見られず好ましいことが理解される。特に、脂質100部に対して蛋白質の割合が10〜30部である場合は、電子レンジ加熱中の泡の沸きあがり抑制効果が高く、加熱後のクリームスープの均一性が高く大変好ましかった。これに対して、脂質に対する蛋白質の割合が前記割合より少ないと、電子レンジ加熱後のクリームスープが分離し、一方、蛋白質の含有量が前記割合より多いと電子レンジ加熱中の泡の沸きあがりが激しく好ましくなかった。
[実施例4]
下記配合割合とした以外は実施例1と同様にして濃縮クリームソースを得た。
<配合割合>
還元澱粉分解物(固形分70%) 30%
脱脂粉乳 5%
カゼインナトリウム 3%
チーズパウダー 5%
キサンタンガム 0.1%
食塩 5%
グルタミン酸ナトリウム 2%
ブラックペパー 0.1%
卵黄 10%
澱粉 5%
大豆油 残 余
――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100%
得られた濃縮クリームソースの水分活性は0.9以下であった。濃縮クリームソースの蛋白質の含有量は4.7%、脂質の含有量は35%、脂質100部に対する蛋白質の割合は13部であった。濃縮クリームソースの全蛋白質の100%が乳蛋白質であり、濃縮クリームソースの全蛋白質の9割がカゼインであった。濃縮クリームソースの粘度は40Pa・sであった。
[実施例5]
実施例2で得られた濃縮クリームソースを耐熱性容器に30g入れた後、水を50mL、牛乳を50mL加え、更に、具材として1cm角にカットしたキャベツ20g及び1cm幅にカットしたベーコン10gを入れ、蓋をした。次に、これを容器ごと電子レンジに入れ、加熱調理(500W×60秒間)をすることによりクリームソースを得た。
以上のようにして得られたクリームソースは、加熱によりソースがふきこぼれることもなく、濃縮クリームソースが充分に分散されており、大変好ましいものであった。
[実施例6]
実施例1の濃縮クリームスープにおいて、小麦粉を5%配合し、その増加分は澱粉の配合量を減らして補正した以外は同様の方法で濃縮クリームスープを製造した。
得られた濃縮クリームスープ水分活性は0.9以下であった。濃縮クリームスープの蛋白質の含有量は9%、脂質の含有量は35%、脂質100部に対する蛋白質の割合は26部であった。濃縮クリームスープの全蛋白質の100%が乳蛋白質であり、濃縮クリームスープの全蛋白質の9割がカゼインであった。濃縮クリームスープの粘度は20Pa・sであった。
以上のようにして得られたクリームスープは、加熱により液面上に泡が10mm程度の高さにまで沸きあがったが、ふきこぼれは生じず問題のない範囲であった。
[比較例1]
実施例1の濃縮クリームスープにおいて、澱粉を配合せずその減少分は清水の配合量を増やして補正した以外は同様の方法で濃縮クリームスープを製造した。なお、得られた濃縮クリームスープの粘度は1Pa・sであった。
得られた濃縮クリームスープを実施例2と同様にして電子レンジ加熱したところスープが沸きあがりふきこぼれが生じた。
[比較例3]
実施例1の濃縮クリームスープにおいて、澱粉の配合量を29%に増やしその増加分は清水の配合量を減らして補正した以外は同様の方法で濃縮クリームスープを製造した。なお、得られた濃縮クリームスープの粘度は80Pa・sであった。
得られた濃縮クリームスープを実施例1と同様にして電子レンジ加熱したところ濃縮クリームスープの分散が不均一であり好ましくなかった。
[参考例1]
乳蛋白質の種類が、電子レンジ加熱した際のふきこぼれに与える影響を調べるため、以下の試験を行った。即ち、表5に示すように乳蛋白質又はその濃度が異なる4種類の水溶液を調製し、これら4種類の水溶液にブロッコリーを100gずつ加え、600Wで加熱した際の状態を評価した。結果を表5に示す。
表5より、蛋白質を含む乳原料のいずれもが沸騰後液面上に泡が沸き上がる性質があることがわかるが、乳蛋白質であるカゼインナトリウムは乳清蛋白質に比べて液面上に泡が沸き上がり難い性質であることがわかる。
Figure 2011142832

Claims (3)

  1. 3〜15倍量の水又は牛乳を加えて加熱する水分活性が0.9以下の濃縮クリームスープ又は濃縮クリームソースであって、脂質及び蛋白質の割合が脂質100質量部に対し蛋白質が10〜35質量部であり、澱粉、澱粉分解物又は還元澱粉分解物の1種以上を含有し、粘度が5〜50Pa・sであることを特徴とする濃縮クリームスープ又は濃縮クリームソース。
  2. 小麦粉含有量が1質量%以下又は小麦粉を含有しない請求項1記載の濃縮クリームスープ又は濃縮クリームソース。
  3. 請求項1乃至2のいずれかに記載の濃縮クリームスープ又は濃縮クリームソースに3〜15倍量の水又は牛乳を加えて加熱することを特徴とするクリームスープ又はクリームソースの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014124145A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Q P Corp 即席スープ、およびその製造方法
JP2015154751A (ja) * 2014-02-20 2015-08-27 キユーピー株式会社 殺菌処理済乳化状スープ
JP2015195782A (ja) * 2014-04-03 2015-11-09 雪印メグミルク株式会社 液状濃縮スープ及びその製造方法
JP2021023153A (ja) * 2019-07-31 2021-02-22 ハウス食品株式会社 電子レンジ調理用組成物

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