JP4718524B2 - 蛋白調整卵焼き - Google Patents

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本発明は、低蛋白であるにも拘らず卵焼き本来の好ましい食感を有する蛋白調整卵焼きに関する。
厚焼き玉子やオムレツ等の卵焼きは、卵が熱凝固する性質を利用した食品であり、液卵に調味料等の副原料を加えて調製した卵混合液を鍋等で焼成することにより作られる。これら卵焼きは、食感が美味しさに大きな影響を与えるため、加熱凝固した後の食感が適度となるように液卵と副原料の配合比率が料理によりある程度決められている。例えば、厚焼き玉子であれば、通常、液卵70〜80%にだし汁20〜30%の割合で調製した卵混合液を焼成して作られる。
一方、例えば、腎臓病患者は、蛋白質の老廃物である窒素化合物を排泄するのに腎臓に負担がかかるため、蛋白質の摂取を制限する必要がある。このような腎臓病患者用の卵焼きとしては低蛋白でありながら卵焼き本来の食味を充分に味わえる卵焼きであることが望まれる。しかしながら、卵焼きは、好ましい食感とするため上述のように卵の配合量がある程度決まっており、低蛋白とするために単に卵の配合量を減らして清水で希釈すると好ましい食感が得られない問題がある。
従来、栄養成分を調整した卵加工品としては、例えば、特開2001−157560号公報(特許文献1)に、低コレステロール乾燥卵黄を用いた卵製品の製造方法が提案されている。しかし、このような卵製品では、低蛋白とされていないことから上述した腎臓病患者用の卵焼きとしては適していない。
特開2001−157560号公報
そこで、本発明の目的は、低蛋白であるにも拘らず卵焼き本来の好ましい食感を有する蛋白調整卵焼きを提供するものである。
上記課題を解決するため、本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、卵混合液における卵の配合量を減らして清水で希釈した場合であっても、特定の性質を有する澱粉と、特定量の食用油脂を配合するならば、意外にも低蛋白であるにも拘らず卵焼き本来の好ましい食感を有する蛋白調整卵焼きが得られることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1) 8%糊化液が保形性を有する澱粉、3〜20%の食用油脂、液卵及び清水を配合した卵混合液を焼成により凝固してあり、製品100g当りの蛋白質含量が4〜8gである蛋白調整卵焼き、
(2) 前記澱粉の配合量が卵混合液に対して2〜9%である(1)記載の蛋白調整卵焼き、
(3) 前記液卵の配合量が卵混合液に対して30〜50%である(1)又は(2)記載の蛋白調整卵焼き、
(4) 腎臓病患者用である(1)乃至(3)のいずれかに記載の蛋白調整卵焼き、
である。
本発明の蛋白調整卵焼きは、低蛋白であるにも拘らず卵焼き本来の好ましい食感を有することから、例えば、蛋白質の摂取が制限されている腎臓病患者用の食事等に用いるのに好適である。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ意味する。
本発明の蛋白調整卵焼きは、通常の卵焼きに比べて液卵の配合量を減らしていることにより蛋白含量が少なくなるように調整されている。すなわち、本発明の蛋白調整卵焼きは、製品100g当りの蛋白質含量が4〜8g、好ましくは4〜7gに調整されている。通常、厚焼き玉子であれば、液卵70〜80%、だし汁20〜30%の配合割合とした卵混合液を焼成して作られる。前記配合割合とされているのは、加熱凝固した時の食感が、卵焼き特有の適度な硬さと歯切れを有するようにするためである。このような従来の一般的な卵焼きの蛋白質含量は、焼成歩留まりや副原料等にもよるが、製品100g当り11g程度である。これに対して、本発明の蛋白調整卵焼きは、上述のように蛋白質含量が通常の卵焼きよりも少なく調整されていることから、蛋白質の摂取が制限されている腎臓病患者等の食事に用いる卵焼きとして好適である。なお蛋白質含量が前記範囲よりも少ない場合は液卵の配合量を大幅に減らさなければならず卵焼きの風味が得られない。
前記製品の蛋白質含量は、液卵の配合量を通常の卵焼きよりも減らすことにより調整できる。具体的には、焼成する際に通常卵混合液の水分が10〜20%程蒸発して、焼成歩留まりが80〜90%となることを考慮し、液卵の配合量を卵混合液に対して、好ましくは30〜50%、より好ましくは35〜50%とすればよい。なお、蛋白質含量は、栄養表示基準(平成15年4月24日厚生省告示第176号)別表第2の第3欄記載の方法に準じて測定することができる。
本発明で用いる前記液卵としては、加熱凝固性能を有するものであればよく、殻付生卵を割卵して溶きほぐして調製した生液全卵、殻付生卵を割卵して卵黄と卵白を分離してこれらをそれぞれ溶きほぐして調製した生液卵黄、生液卵白及びこれらの混合物、冷凍卵を解凍したもの、並びに乾燥卵を乾燥前の生液卵の水分含量となるように水戻ししたもの等であり、これらは、殺菌処理、酵素処理、脱糖処理、食塩又は糖類等の混合処理等の1種又は2種以上の処理が施されたもの等であってもよい。
本発明においては、以上のように卵の配合量を減らして蛋白質含量を低く調整するものであるが、本発明の蛋白調整卵焼きは、単に液卵の配合量を減らしその減少分として清水を配合して希釈するだけではなく、卵混合液に特定の性質を有する澱粉と、特定量の食用油脂を配合することに特徴を有する。つまり、本発明の蛋白調整卵焼きは、通常の卵焼きに比べて卵の配合量を減らした卵混合液に、8%糊化液が保形性を有する澱粉、卵混合液に対して3〜20%、好ましくは4〜15%の食用油脂、及び清水を配合することに特徴を有する。
ここで、8%糊化液が保形性を有する澱粉とは、8%澱粉溶液を85℃まで加熱して糊化させた溶液5mLを、試験管(内径16mm、高さ175mm)に注入し、これを室内で2時間静置保管して品温を20℃とした後、当該試験管の口部を垂直下方に向けた時に1分以内に試験管口部から前記澱粉溶液が流出しない澱粉をいう。
澱粉としては、その原料が異なる種々の澱粉、例えば、小麦粉澱粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉等の澱粉が市販されている。これら澱粉は、例えば、コーンスターチ糊化液は保形性が高く比較的硬いゲルを形成しやすい性質を有するのに対し、タピオカ澱粉糊化液はゲルを形成し難い性質を有するというように、その原料により性質が異なることが知られている。更に、澱粉としては、種々の用途に好適に用いることができるように、これら原料が異なる種々の澱粉に架橋処理、エステル化処理、エーテル化処理、酸化処理等の化学的処理の一種又は二種以上を行って性質を改質した化工澱粉等も市販されている。そのため、澱粉は一般的に利用する用途と澱粉の性質を考慮して適宜選択され利用されている。本発明で用いる澱粉としては、上述した糊化液が保形性を有する澱粉であればその原料や化工処理の有無に特に制限はなく、上述した市販澱粉の中から適宜選択して用いればよい。
また、本発明で用いる前記食用油脂としては、例えば、菜種油、コーン油、オリーブ油、サフラワー油、綿実油、大豆油、米油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、ゴマ油、これらを精製したサラダ油等の植物性油脂、並びに魚油等の動物性油脂、更に、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド等のように化学的あるいは酵素的処理を施して得られる油脂等が挙げられる。これらの食用油脂は、液卵と混合させ易いことから、室温(20℃)で液状のものが好ましい。
本発明の蛋白調整卵焼きは、上述したように通常の卵焼きに比べて卵の配合量を減らした上で、糊化液が保形性を有する澱粉、特定量の食用油脂及び清水を配合した液卵混合液を用いることに特徴を有する。これにより、低蛋白であるにも拘らず卵焼き本来の好ましい食感を有する蛋白調整卵焼きをはじめて得ることができる。これに対して、後述の試験例に示すように保形性のある糊化液が得られない澱粉を配合した場合は、澱粉の配合量を増やした場合であっても、凝固が弱く柔らかすぎる食感となる。また、食用油脂の配合量が前記特定範囲より少ない場合は、糊化液が保形性を有する澱粉により凝固していても得られた卵焼きの食感が歯切れの悪いものとなり卵焼本来の好ましい食感が得られない。なお、食用油脂の配合量が前記特定範囲よりも多い場合は、油っぽい風味となる傾向がある。
本発明においてこのように卵の配合量が少ないにも拘らず卵焼き本来の好ましい食感が得られる理由は定かではないが、後述する試験例に示すように、糊化液が保形性を有する澱粉の配合量を増やした場合だけでなく、本発明においては、食用油脂の配合量を増やした場合においてもゲル強度が若干増加する傾向がある。このことから、液卵の配合量を減らし凝固力が低下した卵混合液の熱凝固力を、単に前記澱粉により補うのではなく、前記澱粉と特定量の食用油脂を併用して補うことにより、はじめて適度な硬さに加えて通常の卵焼きと同様の歯切れのよい食感が得られるものと推察される。
前記糊化液が保形性を有する澱粉の配合量としては、適度な硬さが得られるように適宜調整すればよい。具体的には、澱粉の配合量が少ないと適度な硬さが得られにくく、配合量が多いと得られた卵焼きの歯切れがやや悪くなる傾向があることから、卵混合液に対して好ましくは2〜9%、より好ましくは3〜7%である。
また、清水の配合量は上述した液卵及び食用油脂の配合量等に合わせて適宜調整すればよく、具体的には、例えば、卵混合液に対して好ましくは30〜70%、より好ましくは30〜60%とすればよい。
なお、本発明の蛋白調整卵焼きには、上述した原料の他に、醤油、食塩、グルタミン酸ナトリウム等の調味料、食酢、クエン酸等のpH調整材、増粘多糖類等の品質改良材、着色料、甘味料、保存料等の原料を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択して用いることができる。なお、腎臓病患者用とするには、腎臓病患者に適するように製品中のリン及びナトリウムの含量を増加させる副原料、例えば、ナトリウム含量を増加させるグルタミン酸ナトリウムや食塩の配合を控えることが好ましい。
本発明の蛋白調整卵焼きは、一般的な卵焼きの製造方法に準じて製造することができる。例えば、前記糊化後が保形性を有する澱粉、特定量の食用油脂、液卵、調味量及び清水等の原料を、ミキサー、ホモゲナイザー及び撹拌装置等で、食用油脂が混合液表層に分離しないように混合して卵混合液を調製する。この際、原料の混合の順序や方法に特に制限は無いが、混合を容易にするために、食用油脂を予めその0.1〜10倍程度の液卵とミキサーやホモゲナイザー等で混合乳化しておくことが好ましい。
続いて、得られた卵混合液に必要に応じて肉や野菜などの固形具材を添加した後、常法により、鍋等で焼成し加熱凝固させて任意の形状に成形することにより本発明の蛋白調整卵焼きを製造することができる。前記焼成は、混合物を焼成鍋等で鍋の温度が110〜200℃程度の条件で焼成すればよい。また、成形は厚焼き玉子やだし巻き卵であれば略直方体の形状に、オムレツであれば略ラグビーボール形状乃至船底型形状に、芙蓉蟹であれば略円盤形状に成形すればよい。以上のようにして得られた本発明の蛋白調整卵焼きは、後述する試験例に記載する方法で測定したゲル強度の値が好ましくは500g以上であると、卵焼き本来の好ましい食感となり好ましい。また、本発明の蛋白調整卵焼きとしては、その配合や形状の違いにより、厚焼き玉子、だし巻き卵、オムレツ、芙蓉蟹等種々の蛋白調整卵焼きとすることができるが、特に歯切れのよい食感が望まれる和風の卵焼き、つまり、厚焼き玉子及びだし巻き卵の味付けと外形とした蛋白調整厚焼き玉子及び蛋白調整だし巻き卵において本発明は好適に実施できる。
なお、本発明の蛋白調整卵焼きは、保存するため必要に応じ、容器詰めしたり、殺菌処理、凍結処理等を行うことができる。
[実施例1](厚焼き玉子の調製)
生液全卵45部、澱粉(ワキシーコーンスターチを原料としたアセチル架橋澱粉)5部、食用油脂(菜種油)5部、醤油0.5部、カツオ節エキス0.1部及び清水44.4部を用意した。ここで、前記澱粉について、上述の実施形態に記載された方法で8%糊化液の保形性を評価した。つまり、まず、鍋に清水460g及び前記澱粉40gを加え、ゴムベラでゆるやかに攪拌を行いながら5分程度加熱して85℃に達温させ糊化液を得た。次に、得られた糊化液5mLを試験管(内径16mm、高さ175mm)に注入し、これを20℃の室内で2時間静置保管して品温20℃とした後当該試験管の口部を垂直下方に向けたところ、1分以内に試験管口部から糊化液が流出しなかったことから、当該澱粉糊化液は保形性を有してることがわかった。
続いて、前記原料のうち生液全卵10部と食用油脂5部とを撹拌タンクに投入し、撹拌混合して混合物を均質化して乳化物を調製し、この乳化物に、残りの原料を投入して撹拌混合することにより卵混合液を調製した。更に、この卵混合液500gを、温度を150℃とした鍋で焼成して略直方体の形状に成形し、その後室温まで冷却して、本発明の蛋白調整厚焼き玉子を調製した。得られた厚焼き玉子の100g当りの蛋白質含量は6.6gであった。
[実施例2]
実施例1において、食用油脂の配合量を10部に増やし、その増加分は清水の配合量を減らして補正した他は同様にして、本発明の蛋白調整厚焼き玉子を調製した。得られた厚焼き玉子の100g当りの蛋白質含量は6.6gであった。
[実施例3]
実施例1において、澱粉の配合量を10部に増やし、その増加分は清水の配合量を減らして補正した他は同様にして、本発明の蛋白調整厚焼き玉子を調製した。得られた厚焼き玉子の100g当りの蛋白質含量は6.6gであった。
[比較例1]
実施例1において、澱粉を配合せず、その減少分は清水の配合量を増やして補正した他は同様にして厚焼き玉子を調製した。得られた厚焼き玉子は焼成時に液卵の凝固が不十分であり厚焼き玉子の形状が崩れていた。
[比較例2]
実施例1において、食用油脂の配合量を10部に増やし、澱粉を配合しない他は同様にして厚焼き玉子を調製した。得られた厚焼き玉子は焼成時に液卵の凝固が不十分であり厚焼き玉子の形状が崩れていた。
[比較例3]
実施例1において、食用油脂の配合量を2.5部に減らし、その減少分は清水の配合量を増やして補正した他は同様にして厚焼き玉子を調製した。
[比較例4]
澱粉(タピオカ澱粉を原料としたヒドロキシプロピル化澱粉)を用意した。前記澱粉について、実施例1と同様の方法で8%糊化液の保形性を評価したところ、試験管の口部を垂直下方に向けてすぐに糊化液の流出がはじまったことから、当該澱粉糊化液は保形性を有していないことがわかった。実施例1において、この保形性を有する糊化液が得られない澱粉を用いた他は同様にして厚焼き玉子を調製した。得られた厚焼き玉子は焼成時に液卵の凝固が不十分であり厚焼き玉子の形状が崩れていた。
[比較例5]
実施例3において、澱粉として、タピオカ澱粉を原料としたヒドロキシプロピル化澱粉(比較例4と同じ)を用いた他は同様にして厚焼き玉子を調製した。得られた厚焼き玉子は焼成時に液卵の凝固が不十分であり厚焼き玉子の形状が崩れていた。
[試験例1]
上述した実施例及び比較例で得られた厚焼き玉子について、以下の試験を行った。なお、液卵の凝固が不十分で厚焼き玉子の形状が崩れていた比較例1、2、4、5については比較的凝固していた比較例5についてのみ以下の試験を行った。すなわち、まず、これらの厚焼き玉子をそれぞれ試食して食感(歯切れ)を評価した。また、蛋白質含量とゲル強度を測定した。ゲル強度は以下のように測定した。なお、対照として、生液全卵85部、醤油0.5部、カツオ節エキス0.1部及び清水14.4部を配合した通常の厚焼き玉子を焼成した。結果を表1に示す。
<ゲル強度の測定方法>
レオメーター((株)レオテック製、直径φ6mm球形プランジャー、テーブルスピード6cm/min)を用いて、30mm角の立方体の形状に切り取った品温20℃の卵焼きのゲル強度(破断応力)を測定した。
Figure 0004718524
表中の評価記号
<食感(歯切れ)の評価方法>
3:対照と比較して、咀嚼時の歯切れが同程度であり好ましい。
2:対照と比較して、咀嚼時に歯にまとわりつき、歯切れがやや悪い。
1:対照と比較して、咀嚼時に歯切れが感じられない。
表1より、液卵の配合量を対照の厚焼き玉子に比べて減らし、これに保形性のある糊化液が得られない澱粉を配合した厚焼き玉子(比較例5)は、対照に比べてゲル強度が大幅に低く柔らかすぎる食感であることがわかる。これに対して、糊化液が保形性を有する澱粉を配合した厚焼き玉子(実施例1〜3及び比較例3)は、対照とほぼ同等のゲル強度が得られた。ここで、実施例1と実施例3との比較により、保形性を有する澱粉の配合量が増えるとゲル強度が増加することがわかり、また、比較例3、実施例1及び2を比較することにより、食用油脂の配合量が増えても若干ゲル強度が増加する傾向があることがわかる。これら、対照とほぼ同等のゲル強度が得られた厚焼き玉子(実施例1〜3及び比較例3)のうち、糊化液が保形性を有する澱粉と、3%以上の食用油脂を併用して対象とほぼ同等のゲル強度に調整した厚焼き玉子(実施例1乃至3)に限り、対照と同程度の歯切れを有する好ましい食感が得られることが理解できる。これに対して食用油脂の配合量が前記範囲より少ない厚焼き玉子(比較例3)は、対照とほぼ同等のゲル強度であっても厚焼き玉子の食感が歯切れの悪いものとなり好ましくなかった。
[実施例4](オムレツの調製)
生液全卵40部、澱粉(小麦粉生澱粉)5部、食用油脂(菜種油)10部、食塩0.1部、粉乳1部、及び清水43.9部を用意した。なお、前記澱粉について、実施例1と同様の方法で8%糊化液の保形性を評価したところ、試験管の口部を垂直下方に向けても糊化液の流出せず当該糊化液は保形性を有していることがわかった。次に、前記原料のうち生液全卵10部と食用抽脂10部とを撹拌タンクに投入し、撹拌混合して混合物を均質化して乳化物を調製した。続いて、この乳化物に、残りの原料を投入して撹拌混合することにより卵混合液を調製した。更に、この卵混合液100gを焼き型に流し入れて、120℃で焼成して略ラグビーボール形状に成形し、その後冷却して蛋白調整オムレツを調製した。得られたこの蛋白調整オムレツを食したところ、オムレツ特有のなめらかな弾力のある食感を有しており大変好ましいものであった。得られた蛋白調整オムレツの100g当りの蛋白質含量は5.8gであった。

Claims (4)

  1. 8%糊化液が保形性を有する澱粉、3〜20%の食用油脂、液卵及び清水を配合した卵混合液を焼成により凝固してあり、製品100g当りの蛋白質含量が4〜8gであることを特徴とする蛋白調整卵焼き。
  2. 前記澱粉の配合量が卵混合液に対して2〜9%である請求項1記載の蛋白調整卵焼き。
  3. 前記液卵の配合量が卵混合液に対して30〜50%である請求項1又は2記載の蛋白調整卵焼き。
  4. 腎臓病患者用である請求項1乃至3のいずれかに記載の蛋白調整卵焼き。


















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