JP6688651B2 - 玉子加工品の製造方法、及びその製造装置 - Google Patents

玉子加工品の製造方法、及びその製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、玉子加工品の製造方法、及びその製造装置に係り、特に、ジューシーな食感を奏する玉子加工品の製造方法、及びその製造装置に関する。
玉子加工品の一つである玉子焼は、液卵等を筒状や直方体状に焼成することによって作られる総菜であり、家庭料理の定番となっている。
この玉子焼を大量生産するにあたり、家庭で作る玉子焼の味に近づけるため、特に、液卵等の焼成の方法については様々な検討がなされてきた。
例えば、特許文献1には、玉子液をシート状に延ばす矩形状の玉子ケースと、該玉子ケースを加熱し得る加熱装置と、該玉子ケース上でシート状に延ばされた玉子焼きを玉子ケースの上面からすくい取るこてと、該こてを玉子ケース上のシート状玉子焼きの重ね方向に移動させると共に、該こてを玉子ケース上で反転させる駆動装置と、この駆動装置の駆動を制御する制御装置と、を具備し、該こてをシート状の玉子焼きと玉子ケース上面との間に差し入れた後、該こてを反転させることでこての上に乗ったシート状玉子焼きを隣接するシート状玉子焼きの上に重ねるように、該駆動装置の駆動が該制御装置によって制御されている玉子焼きの製造装置が開示されている。
また、特許文献2には、機体内部に電磁発生装置を、該上部に電磁コイルを介して配設してなる卓板上に回転板を一定間隔毎に連続的に回転停止を行うべく支軸に回転自在に支承すると共に上記支軸を中心として数個の玉子受け皿を円状形に配設し、更に上記回転板の回転方向に対して油引き装置、玉子を割卵する割卵機構を備えた玉子供給装置、該割卵せる玉子の黄身を圧潰しこれを攪拌する攪乱装置、上記攪拌溶液を遠赤外線ヒータ等の加熱装置にて焼成する焼成装置、該焼き上げせる玉子焼きを機外に摘出しようとする摘出装置を順次に配設せしめたことを特徴とする全自動電磁誘導加熱式玉子焼き機が開示されている。
特開2009−106735号公報 特開平11−135号公報
特許文献1、2のような大量生産のためのライン生産方法では、焼成された玉子に水分が多く含有していると、液卵等を焼成する工程や、焼成された玉子を反転させたりする工程において、型崩れ品等の不良品が発生してしまう。したがって、特許文献1、2のような従来のライン生産方法では、水分を多く含んだジューシーな玉子焼を製造するのは困難であった。
また、特許文献1、2のような方法によって液卵等を焼成した後は、所望のサイズとするため、焼成された玉子を切断(カット)する必要がある。ここで、焼成された玉子の温度が高いままであると、当該玉子が軟らかく切断が適切に行えない。したがって、通常、焼成工程と切断工程との間には焼成された玉子を冷却する冷却工程が設けられる。
しかしながら、この「焼成工程」→「冷却工程」→「切断工程」の流れで製造された玉子焼は、冷却工程において、焼成された玉子に含まれる水分の一部が気化して抜けてしまう。
なお、冷却工程での水分の気化を回避すべく、焼成工程の後の状態で包装(ホットパック)するという手段も検討したが、この手段では玉子焼を所望のサイズ(特に、寿司ネタ用等の薄い形状のサイズ)で消費者に提供することは困難である。
つまり、特許文献1、2のような従来のライン生産方法では、根本的に、ジューシーな玉子焼を製造できないだけでなく、前記のような水分が抜けてしまう冷却工程を設ける必要があるため、家庭で作られた玉子焼のようなジューシーな食感のものを製造することが極めて困難であった。
そこで、本発明は、ジューシーな食感が向上した玉子加工品の製造方法、及びその製造装置を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
(1)焼成された玉子にインジェクション処理によって水を含有させる水含有工程と、前記水含有工程の後に、焼成された玉子を冷却する冷却工程と、前記冷却工程の後に、焼成された玉子の質量を測定する質量測定工程と、前記質量測定工程の後に、前記質量測定工程において得られた質量が所定の質量未満となる焼成された玉子に対して、前記得られた質量と前記所定の質量との差分以上の質量の水をインジェクション処理によって含有させる質量調整工程と、を含むことを特徴とする玉子加工品の製造方法。
(2)焼成された玉子にインジェクション処理によって水を含有させる水含有工程と、前記水含有工程の前に、焼成された玉子を冷却する冷却工程と、前記冷却工程の後であって前記水含有工程の前に、焼成された玉子の質量を測定する質量測定工程と、を含み、前記水含有工程は、前記質量測定工程において得られた質量が所定の質量未満となる焼成された玉子に対して、前記得られた質量と前記所定の質量との差分以上の質量の水をインジェクション処理によって含有させることを特徴とする玉子加工品の製造方法。
)前記水は、オゾンバブルを含有することを特徴とする前記1又は前記2に記載の玉子加工品の製造方法。
)前記水は、タンパク質分解物質を含有することを特徴とする前記1から前記のいずれか1つに記載の玉子加工品の製造方法。
)焼成された玉子にインジェクション処理によって水を含有させる水含有手段と、前記水含有手段によって水を含有した後の焼成された玉子を冷却する冷却手段と、前記冷却手段によって冷却した後の焼成された玉子の質量を測定する質量測定手段と、前記質量測定手段によって得られた質量が所定の質量未満となる焼成された玉子に対して、前記得られた質量と前記所定の質量との差分以上の質量の水をインジェクション処理によって含有させる質量調整手段と、を備えることを特徴とする玉子加工品の製造装置。
(6)焼成された玉子にインジェクション処理によって水を含有させる水含有手段と、前記水含有手段によって水を含有する前の焼成された玉子を冷却する冷却手段と、前記冷却手段によって冷却した後であって前記水含有手段によって水を含有する前の焼成された玉子の質量を測定する質量測定手段と、を備え、前記水含有手段は、前記質量測定手段によって得られた質量が所定の質量未満となる焼成された玉子に対して、前記得られた質量と前記所定の質量との差分以上の質量の水をインジェクション処理によって含有させることを特徴とする玉子加工品の製造装置。
)前記水は、オゾンバブルを含有することを特徴とする前記5又は前記6に記載の玉子加工品の製造装置。
)前記水は、タンパク質分解物質を含有することを特徴とする前記から前記のいずれか1つに記載の玉子加工品の製造装置。
本発明に係る玉子加工品の製造方法によると、焼成された玉子にインジェクション処理によって水を含有させる水含有工程を含むことから、焼成された玉子を冷却する冷却工程を行う場合であっても、当該冷却工程で気化する水分(一部又は全部)を補填することができる。その結果、本発明に係る玉子加工品の製造方法によると、水含有工程を含まない製造方法によって製造された玉子加工品と比較し、ジューシーな食感が向上した玉子加工品を製造することができる。
また、本発明に係る玉子加工品の製造方法によると、焼成された玉子にインジェクション処理によって水を含有させる水含有工程を含むことから、当該水の質量の分だけ準備する材料を少なくすることができる。その結果、本発明に係る玉子加工品の製造方法によると、材料費が抑えられることにより、玉子加工品の製造コストを低減することもできる。
なお、本発明に係る玉子加工品の製造方法によると、焼成された玉子を冷却する冷却工程を含めてもよいことから、製造した玉子加工品を好適に切断(カット)することができるため、玉子加工品を所望のサイズで消費者に提供することができないといった事態も回避することができる。
本発明に係る玉子加工品の製造装置によると、焼成された玉子にインジェクション処理によって水を含有させる水含有手段を備えることから、焼成された玉子を冷却する冷却手段を備える場合であっても、当該冷却手段によって気化する水分(一部又は全部)を補填することができる。その結果、本発明に係る玉子加工品の製造装置によると、水含有手段を備えない製造装置によって製造された玉子加工品と比較し、ジューシーな食感が向上した玉子加工品を製造することができる。
また、本発明に係る玉子加工品の製造装置によると、焼成された玉子にインジェクション処理によって水を含有させる水含有手段を備えることから、当該水の質量の分だけ準備する材料を少なくすることができる。その結果、本発明に係る玉子加工品の製造装置によると、材料費が抑えられることにより、玉子加工品の製造コストを低減することもできる。
なお、本発明に係る玉子加工品の製造装置によると、焼成された玉子を冷却する冷却手段を備えてもよいことから、製造した玉子加工品を好適に切断(カット)することができるため、玉子加工品を所望のサイズで消費者に提供することができないといった事態も回避することができる。
(a)及び(b)は、本実施形態に係る玉子加工品の製造方法を説明するフローチャートである。 (a)及び(b)は、本実施形態に係る玉子加工品の製造装置の模式図である。
以下、本発明に係る玉子加工品の製造方法、及びその製造装置を実施するための形態(実施形態)について説明する。
まず、本実施形態に係る玉子加工品の製造方法、及びその製造装置において使用する材料について説明する。
[玉子加工品]
本実施形態に係る玉子加工品とは、焼成された玉子にインジェクション処理によって水を含有させて得ることができる製品であれば特に限定されず、例えば、玉子焼、オムレツ、スクランブルエッグ、玉子とじ等が挙げられる。
[材料]
本実施形態に係る玉子加工品の製造方法、及びその製造装置に使用する材料は、主に、液卵、調味料、香料、着色料、保存料、副材料、水である。
なお、材料のうち、液卵、調味料、香料、着色料、保存料、副材料は、後記の材料調整工程S1において使用するものであり、水は、後記の水含有工程S3、質量調整工程S6において使用するものである(図1参照)。
液卵は、玉子加工品の主材料であり、全卵液、卵白液、卵黄液をそれぞれ単体、あるいはこれらを任意の割合で混合したものである。そして、液卵は、澱粉、水等を適宜添加したものでもよい。
調味料、香料、着色料は、玉子加工品の味・香り・色を調えるものであり、砂糖、塩、醤油、味醂、食酢、だし、天然香料、合成香料、調合香料、食料色素等のうちの1種又は2種以上である。
なお、調味料、香料、着色料は、必須の材料ではないが、玉子加工品の味・香り・色に対するニーズに応じて、種類や含有量等を適宜設定すればよい。
保存料は、玉子加工品の腐敗や変敗の原因となる微生物の増殖を抑制するものであり、短期間の腐敗や変敗を抑制するための日持向上剤も含まれる。そして、保存料は、公知のものを使用すればよいが、グリシンを使用するのが好ましい。グリシンは、酢酸Na等の他の日持向上剤と比較して、コスト、日持向上効果、味質の面においてバランスがよい。
なお、保存料は、必須の材料ではないが、玉子加工品に求められる保存性に応じて、種類や含有量等を適宜設定すればよい。
副材料は、主材料である液卵に加える各種食材(具材)であり、葱、人参、椎茸といった野菜類、肉類、魚類、海藻類、穀類等のうちの1種又は2種以上である。そして、副材料は、玉子加工品内において好適に混ざるように、適当なサイズにカットされているものが好ましい。
なお、副材料は、必須の材料ではないが、玉子加工品に求められる嗜好に応じて、種類や含有量等を適宜設定すればよい。
水は、焼成された玉子に含有させるものであり、ジューシーな食感を向上させるものである。そして、水は、飲食に適した水であれば特に限定されない。また、焼成された玉子への水のインジェクション処理を行い易くするため、水に粘性を付与すべく、公知の増粘剤を添加したものでもよい。
水には、オゾンバブルが含有されていてもよい。このオゾンバブルとは、オゾンを含有する微小気泡であり、気泡の粒径は特に限定されず、例えば、個数分布の平均気泡径が数〜数十μm程度のマイクロバブルや、ナノメートルオーダーのナノバブルであればよい。また、オゾン濃度も特に限定されないものの、例えば、水中のオゾン濃度が0.5〜1.5mg/L程度であればよい。
水にオゾンバブルを含有させることにより、焼成された玉子に殺菌効果を付与することができ、玉子加工品の賞味期限、消費期限を長くすることができる。
なお、水にオゾンバブルを含有させるには、市販のオゾン発生装置とバブル発生装置を使用すればよい。
水には、タンパク質分解物質が含有されていてもよい。このタンパク質分解物質とは、例えば、ペプチド結合加水分解酵素のプロテアーゼであり、パパイン、ブロメライン等を用いればよい。また、プロテアーゼは、至適pHによって、酸性、中性、アルカリ性のプロテアーゼに大別できるものの、特に限定されず、多様なプロテアーゼの中から玉子加工品に最適なものを適宜選択すればよい。
水にタンパク質分解物質を含有させることにより、焼成された玉子のタンパク質を分解させて所望の軟らかさとすることができ、非常に軟らかな玉子焼やオムレツ、スクランブルエッグ、さらには玉子とじといった多様なバリエーションの玉子加工品を製造することができる。
なお、玉子加工品の軟らかさについては、タンパク質分解物質の含有量によって調整したり、タンパク質分解物質として熱失活酵素を用いた場合は加熱殺菌処理を施すまでの時間によって調整したりすることができる。
次に、本実施形態に係る玉子加工品の製造方法、及びその製造装置について、図1、2を参照して説明する。
[玉子加工品の製造方法の概要]
本実施形態に係る玉子加工品の製造方法は、図1(a)、(b)に示すように、水含有工程S3を含むことを特徴とする。
そして、第1実施形態に係る玉子加工品の製造方法は、図1(a)に示すように、水含有工程S3の前に、材料調整工程S1、焼成工程S2を含めるとともに、水含有工程S3の後に、冷却工程S4、質量測定工程S5、質量調整工程S6を含めてもよい。
また、第2実施形態に係る玉子加工品の製造方法は、図1(b)に示すように、水含有工程S3の前に、材料調整工程S1、焼成工程S2、冷却工程S4、質量測定工程S5を含めてもよい。
[玉子加工品の製造装置の概要]
本実施形態に係る玉子加工品の製造装置は、図2(a)、(b)に示すように、水含有手段3を備えることを特徴とする。
そして、第1実施形態に係る玉子加工品の製造装置10は、図2(a)に示すように、水含有手段S3の上流側に、材料調整手段1、焼成手段2を備えるとともに、水含有手段3の下流側に、冷却手段4、質量測定手段5、質量調整手段6を備えてもよい。
また、第2実施形態に係る玉子加工品の製造装置20は、図2(b)に示すように、水含有手段S3の上流側に、材料調整手段1、焼成手段2、冷却手段4、質量測定手段5を備えてもよい。
なお、本実施形態に係る玉子加工品の製造装置10、20は、各手段1、2、3、4、5、6の動作を制御する制御手段(図示せず)を備えていてもよい。
[第1実施形態に係る玉子加工品の製造方法、及びその製造装置]
次に、図1(a)を参照して、第1実施形態に係る玉子加工品の製造方法の各工程を説明しつつ、図2(a)を参照して、各工程での第1実施形態に係る玉子加工品の製造装置10の動作についても説明する。
(材料調整工程)
材料調整工程S1とは、焼成処理を行う前に材料Mを混合し調整する工程である。
この材料調整工程S1での処理は、タンク、混合装置(ミキサー等)を備える材料調整手段1によって実施することができる。
具体的には、材料調整工程S1では、材料Mとして、液卵、調味料、香料、着色料、保存料、副材料とを任意の割合でタンクに投入し、タンクに投入された材料Mを混合装置によって混合して調整する。
(焼成工程)
焼成工程S2とは、材料Mを焼成し、焼成された玉子Bを製造する工程である。
この焼成工程S2での処理は、公知の玉子焼成機を備える焼成手段2によって実施することができる。
具体的には、焼成工程S2では、材料調整手段1によって調整された材料Mがポンプを介して玉子焼成機に送られ、当該玉子焼成機で材料Mを加熱(所定温度・所定時間)することにより、焼成された玉子B(以下、適宜「玉子B」とする)を製造する。
(水含有工程)
水含有工程S3とは、焼成された玉子Bにインジェクション処理によって水を含有させる工程である。
この水含有工程S3での処理は、複数の注射針が設けられたインジェクション装置を備える水含有手段3によって実施することができる。
具体的には、水含有工程S3では、ベルトコンベアで搬送されてきた玉子Bに対してインジェクション装置によって水を注入する。
水含有工程S3において、玉子Bに含有させる水の質量については、冷却工程S4において玉子Bから気化する水の質量を事前に計測しておき、その計測した質量(又は当該質量以上)とすればよい。これにより、後の冷却工程S4で玉子Bから気化する水を事前に補填しておくことができる。
水含有工程S3において、玉子Bに水を含有させるタイミングについては、焼成工程S2での焼成処理の後、3分以内に行うのが好ましく、1分以内に行うのが特に好ましい。これにより、温度が高く軟らかい状態の玉子Bに対してインジェクション処理を施すことができるため、玉子Bの内部に水を注入し易く、注入した水が玉子Bの内部に好適に留まるとともに、注入した水が玉子Bの内部で適度に分散することとなる。
(冷却工程)
冷却工程S4とは、焼成された玉子Bを冷却する工程である。
この冷却工程S4での処理は、内部の温度の低い冷却室を備える冷却手段4によって実施することができる。
具体的には、冷却工程S4では、冷却室内を通過するように、ベルトコンベアで玉子Bを搬送する。
なお、冷却工程S4での冷却処理後の玉子Bの温度については、特に限定されないが、切断処理(カット)を実施し易くするため、50℃以下が好ましい。
(質量測定工程)
質量測定工程S5とは、焼成された玉子Bの質量を測定する工程である。
この質量測定工程S5での処理は、質量計測器を備える質量測定手段5によって実施することができる。
具体的には、質量測定工程S5では、ベルトコンベア上の各玉子Bの質量を質量計測器によって測定する。
(質量調整工程)
質量調整工程S6とは、焼成された玉子Bの質量を調整する工程である。
この質量調整工程S6での処理は、複数の注射針が設けられたインジェクション装置を備える質量調整手段6によって実施することができる。
具体的には、質量調整工程S6では、水含有工程S3と同様、ベルトコンベアで搬送されてきた各玉子Bに対してインジェクション装置によって水を注入する。
質量調整工程S6では、質量測定工程S5において得られた質量が所定の質量未満となっている玉子Bに対してインジェクション処理によって水を含有させる。なお、質量測定工程S5において得られた質量が所定の質量以上となっている玉子Bに対してはインジェクション処理を行わない。
そして、質量調整工程S6において、玉子Bに含有させる水の質量については、「所定の質量」−「(各玉子Bの)質量測定工程Sにおいて得られた質量」で算出される質量(又は当該質量以上)とすればよい。これにより、冷却工程S4で玉子Bから気化する水が予想以上に多かった場合であっても、事後的に水を玉子Bに補填することができるため、製造される全玉子加工品Pの質量を所定の質量以上とすることができる。その結果、不良品(所定の質量未満のもの)の発生を防止し、歩留まりを高くすることができる。
[第2実施形態に係る玉子加工品の製造方法、及びその製造装置]
次に、第2実施形態に係る玉子加工品の製造方法、及びその製造装置について、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
(実施順序・設置位置)
第2実施形態に係る玉子加工品の製造方法は、第1実施形態と比較すると、水含有工程S3の実施順序が焼成工程S2の後ではなく、質量測定工程S5の後である点で異なる。
また、第2実施形態に係る玉子加工品の製造方法の水含有工程S3は、第1実施形態の質量調整工程S6の役割(事後的に水を玉子Bに補填)をも果たすことから、質量調整工程S6を含まない点でも異なる。
第2実施形態に係る玉子加工品の製造装置は、第1実施形態と比較すると、水含有手段3の設置位置が焼成手段2の下流側に隣接した位置ではなく、質量測定手段5の下流側に隣接した位置である点で異なる。
また、第2実施形態に係る玉子加工品の製造装置の水含有手段3は、第1実施形態の質量調整手段6の役割(事後的に水を玉子Bに補填)をも果たすことから、質量調整手段6を備えない点でも異なる。
[その他の構成]
第1、2実施形態では、冷却工程S3の後の各玉子Bの質量を測定する構成であったが、冷却工程S3の前後の各玉子Bの質量を測定する構成としてもよい。この構成によると、冷却工程S3における各玉子Bからの水の気化量を厳密に計測することができる。よって、この構成を第2実施形態に適用した場合、水含有工程S3において玉子Bに含有させる水の量を、冷却工程S3において玉子Bから気化した水の量と同じ量にすることができる。
また、第1、2実施形態の前記した各処理の後に、製造された玉子加工品Pを所望のサイズに切断する処理や玉子加工品Pを包装する処理を行う構成としてもよい。
本実施形態に係る玉子加工品の製造方法、及びその製造装置によれば、次のような効果を奏することができる。
本実施形態に係る玉子加工品の製造方法、及びその製造装置によると、焼成された玉子Bに水含有処理(水含有手段3による水含有工程S3での処理)を行うことから、冷却処理(冷却手段4による冷却工程S4での処理)を行う場合であっても、冷却処理で気化する水分を玉子Bに補填することができる。その結果、ジューシーな食感が向上した玉子加工品Pを製造することができる。
また、本実施形態に係る玉子加工品の製造方法、及びその製造装置によると、焼成された玉子Bに水含有処理(水含有手段3による水含有工程S3での処理)を行うことから、当該水の質量の分だけ準備する材料を少なくすることができる。その結果、材料費が抑えられることにより、玉子加工品Pの製造コストを低減することもできる。
第1実施形態に係る玉子加工品の製造方法、及びその製造装置によると、焼成された玉子Bに冷却処理(冷却手段4による冷却工程S4での処理)を行う前に、水含有処理(水含有手段3による水含有工程S3での処理)を行うことから、温度が高く軟らかい状態の玉子Bに対してインジェクション処理を施すことができる。よって、玉子Bの内部に水を注入し易く、注入した水が玉子Bの内部に好適に留まるとともに、注入した水が玉子Bの内部に適度に分散することとなる。その結果、玉子Bの内部に非常に好適に水を含有させることができる。
また、第1実施形態に係る玉子加工品の製造方法、及びその製造装置によると、各玉子Bの質量測定処理(質量測定手段5による質量測定工程S5での処理)、及び、質量調整処理(質量調整手段6による質量調整工程S6での処理)をさらに行う場合、冷却処理における玉子Bからの気化する水が予想以上に多かったとしても、事後的に水を玉子Bに補填することができる。その結果、製造される全玉子加工品Pの質量を所定の質量以上とすることができるため、不良品(所定の質量未満のもの)の発生を防止し、歩留まりを高くすることができる。
第2実施形態に係る玉子加工品の製造方法、及びその製造装置は、第1実施形態の場合と比較すると、玉子Bへの水の注入し易さの点において劣る。しかしながら、第2実施形態の水含有処理(水含有手段3による水含有工程S3での処理)は、第1実施形態の質量調整処理(質量調整手段6による質量調整工程S6での処理)の役割である「事後的に水を玉子Bに補填する」という役割をも果たす。よって、第2実施形態に係る玉子加工品の製造方法、及びその製造装置によると、質量調整工程S6や質量調整手段6を設ける必要が無く、製造方法や製造装置を簡易化できる点において優れている。
次に、本発明に係る玉子加工品の製造方法、及びその製造装置について、本発明の要件を満たす実施例と本発明の要件を満たさない比較例とを比較して具体的に説明する。
[サンプルの製造方法]
(サンプル1)
材料として、全卵液75質量部、砂糖5質量部、澱粉2質量部、醤油1質量部、味醂1質量部、食酢1質量部、水15質量部を混合したものを準備した。そして、この液卵を玉子焼成機により約150℃、10分という条件で焼成し、略直方体(500g、約190mm×約86mm×約30mm)の焼成された玉子を製造した。そして、焼成処理の30〜60秒後に、焼成された玉子に対して、40gの水を注入した。なお、水の注入は、1cmあたりに4本の注射針(内径0.9mm)を備えるインジェクション装置を用いて行った。その後、30分間、−3℃の冷却雰囲気において、焼成された玉子を冷却することでサンプル1を製造した。
(サンプル2)
材料として、全卵液75質量部、砂糖5質量部、澱粉2質量部、醤油1質量部、味醂1質量部、食酢1質量部、水15質量部を混合したものを準備した。そして、この液卵を玉子焼成機により約150℃、10分という条件で焼成し、略直方体(500g、約190mm×約86mm×約30mm)の焼成された玉子を製造した。その後、30分間、−3℃の冷却雰囲気において、焼成された玉子を冷却することでサンプル2を製造した。
[試験内容:ジューシーな食感]
前記の方法により製造した各サンプルについて、パネリスト10名が下記評価基準に則って4段階で独立点数付けし、その平均値を算出した。
なお、ジューシーな食感の評価は、サンプルを食して行った。
(評価基準:ジューシーな食感)
4点:液体がサンプル(玉子焼)から多く溢れ出し、非常にジューシーな食感であった。
3点:液体がサンプル(玉子焼)から若干溢れ出し、ジューシーな食感であった。
2点:ジューシーさが乏しいものの、玉子焼として許容できる食感であった。
1点:ジューシーさが全く感じられず、ボソボソした食感であった。
Figure 0006688651
[試験結果の検討]
サンプル1は、焼成された玉子に水を含有させて製造したことから、ジューシーな食感を感じることができた。
一方、サンプル2は、サンプル1と異なり、焼成された玉子に水を含有させなかったことから、サンプル1と比較し、ジューシーさが劣ることがわかった。
以上の結果から、本発明に係る玉子加工品の製造方法、及びその製造装置によると、ジューシーな食感の玉子加工品を製造できることが確認できた。
また、本発明に係る玉子加工品の製造方法、及びその製造装置によると、焼成された玉子に含有させる水の質量分だけ準備する材料を少なくすることができるため、材料費が抑えられることにより、玉子加工品の製造コストを低減できることが確認できた。
本発明に係る玉子加工品の製造方法、及びその製造装置について、実施の形態および実施例を示して詳細に説明したが、本発明の趣旨は前記した内容に限定されることなく、特許請求の範囲の記載に基づいて改変・変更等することができることはいうまでもない。
S1 材料調整工程
S2 焼成工程
S3 水含有工程
S4 冷却工程
S5 質量測定工程
S6 質量調整工程
1 材料調整手段
2 焼成手段
3 水含有手段
4 冷却手段
5 質量測定手段
6 質量調整手段

Claims (8)

  1. 焼成された玉子にインジェクション処理によって水を含有させる水含有工程と、
    前記水含有工程の後に、焼成された玉子を冷却する冷却工程と、
    前記冷却工程の後に、焼成された玉子の質量を測定する質量測定工程と、
    前記質量測定工程の後に、前記質量測定工程において得られた質量が所定の質量未満となる焼成された玉子に対して、前記得られた質量と前記所定の質量との差分以上の質量の水をインジェクション処理によって含有させる質量調整工程と、を含むことを特徴とする玉子加工品の製造方法。
  2. 焼成された玉子にインジェクション処理によって水を含有させる水含有工程と、
    前記水含有工程の前に、焼成された玉子を冷却する冷却工程と、
    前記冷却工程の後であって前記水含有工程の前に、焼成された玉子の質量を測定する質量測定工程と、を含み、
    前記水含有工程は、前記質量測定工程において得られた質量が所定の質量未満となる焼成された玉子に対して、前記得られた質量と前記所定の質量との差分以上の質量の水をインジェクション処理によって含有させることを特徴とする玉子加工品の製造方法。
  3. 前記水は、オゾンバブルを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の玉子加工品の製造方法。
  4. 前記水は、タンパク質分解物質を含有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の玉子加工品の製造方法。
  5. 焼成された玉子にインジェクション処理によって水を含有させる水含有手段と、
    前記水含有手段によって水を含有した後の焼成された玉子を冷却する冷却手段と、
    前記冷却手段によって冷却した後の焼成された玉子の質量を測定する質量測定手段と、
    前記質量測定手段によって得られた質量が所定の質量未満となる焼成された玉子に対して、前記得られた質量と前記所定の質量との差分以上の質量の水をインジェクション処理によって含有させる質量調整手段と、を備えることを特徴とする玉子加工品の製造装置。
  6. 焼成された玉子にインジェクション処理によって水を含有させる水含有手段と、
    前記水含有手段によって水を含有する前の焼成された玉子を冷却する冷却手段と、
    前記冷却手段によって冷却した後であって前記水含有手段によって水を含有する前の焼成された玉子の質量を測定する質量測定手段と、を備え、
    前記水含有手段は、前記質量測定手段によって得られた質量が所定の質量未満となる焼成された玉子に対して、前記得られた質量と前記所定の質量との差分以上の質量の水をインジェクション処理によって含有させることを特徴とする玉子加工品の製造装置。
  7. 前記水は、オゾンバブルを含有することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の玉子加工品の製造装置。
  8. 前記水は、タンパク質分解物質を含有することを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載の玉子加工品の製造装置。
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