JP4535898B2 - 卵白組成物及びこれを用いた半熟状の加熱卵白加工品 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱により温泉卵の卵白部分のような全体がトロッとした卵白独特の半熟状卵白となる卵白組成物及びこれを用いた半熟状の加熱卵白加工品に関し、さらに詳しくは、過度の加熱により卵白が茹卵のようにかたく凝固することがなく、従来熟練した職人により造られていた卵白独特の全体が半熟状の卵白を容易に造ることができる卵白組成物及びこれを用いた加熱卵白加工品に関する発明である。
玉子丼、親子丼、芙蓉蟹、ポーチドエッグ等の卵料理の卵白部分は、加熱により完全に凝固して茹で卵のようにかたくなるよりも、温泉卵のような全体がトロッとした半熟状卵白であることが好まれている。例えば、玉子丼を熟練した職人により一つ一つ手造りする場合には、卵の加熱具合を微細に調節することで、所望の半熟状の卵白を得ることができる。しかし、外食産業等で熟練した職人が造らない場合や学校給食等で多量に調理する場合は、加熱具合を微細に調節することは難しく、過度の加熱により必要以上に卵白が凝固してかたくなってしまうことがあるので全体が安定した品質の半熟状卵白を得ることは困難であった。
加熱した卵の物性を調節する技術としては、割卵に糖アルコールを加え加熱調理することにより凝固状態の安定した調理玉子食品を作成する方法(特許文献1)、ラムダカラギーナンを含有させた加工卵液(特許文献2)がある。
また、本発明の課題とは異なるが、卵白に脂肪酸を添加する技術として、卵白に脂肪酸を添加してある卵白組成物(特許文献3)、卵白、脂肪酸及び澱粉を含有する加熱凝固してなる卵白組成物(特許文献4)、卵白にリパーゼ分解食用油脂を添加してある卵白組成物(特許文献5)、卵白、リパーゼ分解食用油脂及び/又は脂肪酸、澱粉を含有する加熱凝固してなる卵白組成物(特許文献6)がある。
しかしながら、特許文献1の技術はその実施例でオムレツを製しているように、ある程度卵を加熱凝固させることを前提としたものであり、温泉卵の卵白部分のような全体がトロッとした半熟状の卵白が得られるものではない。特許文献2の技術は加工卵液をカルボナーラソース等の液状物の原料として用いたときに蛋白質の凝集や凝固を防止したものであり、全体がトロッとした温泉卵の卵白部分のような半熟状卵白を得られるものではなかった。
特許文献3及び特許文献5より得られる卵白組成物は、水産練製品、麺製品、畜肉加工食品等の物性を改良するための添加材であり、物性改良効果が得られやすいように当該卵白組成物を加熱凝固したときに、しなやかで弾力のあるゲルを形成することを目的とした技術であり、温泉卵の卵白部分ような半熟状卵白を形成する研究までには至っていない。
また、特許文献4及び特許文献6より得られる卵白組成物も、茹で卵と同様の食感と色調を有する耐冷凍性を有する加熱凝固した卵白を得ることを目的とした技術であって、温泉卵のような半熟状卵白を形成する研究までには至っていない。
特開平11−46727号公報 特開平5−91856号公報 特開平7−255428号公報 特開2001−149046号公報 特開平10−72号公報 特開2000−14358号公報
本発明では、従来熟練した職人により造られていた温泉卵の卵白部分のような全体がトロッとした半熟状の卵白を、加熱するだけで容易に造ることが出来る卵白組成物及び、これを用いた半熟状の加熱卵白加工品を得ることを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するため種々検討した結果本発明に到達した。すなわち本発明は、(1)卵白固形分11部である液卵白100部に対し、清水10〜200部並びに脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドを含有するリパーゼ分解食用油脂を脂肪酸0.1〜5部相当量含有してなり、折径70mmの塩化ビニリデン製ケーシングに充填し、90℃で30分間加熱した時に1.0×10 〜5.0×10 N/m のかたさを有する、半熟状の加熱卵白加工品用の卵白組成物、(2)卵白固形分11部である液卵白100部に対し、清水10〜200部、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドを含有するリパーゼ分解食用油脂を脂肪酸0.1〜5部相当量並びに澱粉0.1〜10部を含有してなり、折径70mmの塩化ビニリデン製ケーシングに充填し、90℃で30分間加熱した時に1.0×10 〜5.0×10 N/m のかたさを有する、半熟状の加熱卵白加工品用の卵白組成物、(3)(1)又は(2)のいずれかに記載の卵白組成物を加熱して製した、1.0×10 〜5.0×10 N/m のかたさを有する半熟状の加熱卵白加工品、である。

本発明の卵白組成物を用いると、温泉卵の卵白部分のような全体がトロッとした半熟状の卵白を容易に得ることができる。また、製した半熟状の加熱卵白加工品は、過度に加熱しても卵白がかたく凝固することがなく全体がトロッとした半熟状態を維持することができるので、外食産業や学校給食等でも使い勝手がよく、利用価値が大きい商品である。
以下本発明を詳細に説明する。本発明において「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を意味する。
卵白組成物とは、卵白固形分11部の液卵白100部、清水10部〜200部及び脂肪酸を含有してなる液状物である。本発明の卵白組成物は、加熱により温泉卵の卵白部分のような全体がトロッとした半熟状の卵白となる。また、前記加熱の程度は卵白が加熱凝固する温度すなわち品温が70℃以上となるような加熱であればよい。
通常の卵白は加熱温度と加熱時間等の熱履歴が長ければそれだけかたくなってしまうが、本発明の卵白組成物は熱履歴が大きくてもかたくなることがなく半熟状の卵白の独特の物性を維持することができる。
本発明の卵白組成物は、卵白固形分11部の液卵白100部、清水10〜200部及び脂肪酸を含有させることにより、加熱具合を調節せずに過度の加熱をしても卵白が茹卵のようにかたくなることがなく、全体がトロッとした卵白独特の半熟状の卵白を得ることができる。
本発明においては、前述した卵白組成物を加熱したものを加熱卵白加工品とし、加熱卵白加工品は、温泉卵の卵白部分のような全体がトロッとした半熟状の卵白と酷似したものであって、茹で卵の卵白部分のように凝固しておらず、加熱により白濁しているものである。さらに、加熱卵白加工品のかたさが1.0×10〜5.0×10N/m2であると、より好ましい。
なお、加熱後の卵白組成物すなわち加熱卵白加工品のかたさは、直径40mm、高さが15mmの容器に15mmまで卵白組成物を充填し、品温を20±2℃に保ちながら、山電社製のクリープメータRE−3305を用いて、直径20mmの円柱プランジャーにて圧縮速度10mm/sec、クリアランス5mm、2kgfのロードセルにて測定したものである。
本発明の卵白組成物に用いる液卵白は、卵白が持つ加熱凝固性を失っていないものであればよい。
そして原料として用いる液卵白は、卵を割卵して卵黄を分離したもの、殺菌したもの、凍結卵白を解凍したもの、乾燥卵白を水戻ししたもの、これらの液卵白に糖類や塩類等の食品用原料を添加したものなどが挙げられる。また、加熱凝固性を備えている限り、成分の一部、例えば糖類やリゾチームを除いたものでもよい。なお、卵白固形分11部の液卵白とは、卵を割卵して卵黄を分離した液卵白の一般的な組成である。
卵白組成物に用いる清水は、食品に使用可能な水であればよく、清水を含有する牛乳やだし汁等も使用することができる。
卵白組成物中の清水の含有量は、卵白固形分11部の液卵白100部に対し、10〜200部であり、前記範囲であると全体が半熟状の卵白を得ることができ、より温泉卵の卵白部分のような半熟状卵白に近づける点からは30〜150部が好ましい。
本発明で用いる脂肪酸とは、炭素数が6以上であって、カルボキシル基を持つ鎖式化合物である。より具体的には、カプロン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等があげられる。
脂肪酸の含有量は、卵白固形分11部の液卵白100部に対して、0.1部〜5部が好ましい。前記範囲であると加熱後の卵白組成物すなわち加熱卵白加工品がかたすぎず柔らかすぎず、滑らかで全体がトロッとした半熟状卵白が得られやすく、好ましい。
前述した脂肪酸を用いれば、滑らかで全体がトロッとした半熟状の卵白が充分得られるが、遊離の脂肪酸は不安定なためか不快な臭いを発生し易く、食品に影響を与えてしまう可能性がある。したがって本発明においては、脂肪酸として不快な臭いのないリパーゼ分解食用油脂を用いることがより好ましい。
本発明のリパーゼ分解食用油脂とは、食用動植物油脂をリパーゼで分解したものであり、水溶性成分のみを分離した油溶性成分を残した未精製の食用油脂分解物であり、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドを含むものである。
リパーゼ分解食用油脂に用いる食用動植物油脂は、食用であればよく、常温で固体でも液体であってもよい。例えば、パーム油、サフラワー油、菜種油、ごま油、米油、ひまわり油、牛脂、豚脂があげられる。また、異味及び異臭のないものが好ましいので低級脂肪酸(炭素数4〜10)を含まないものがより好ましい。
なお、リパーゼは、トリグリセリドを脂肪酸とジグリセリド、モノグリセリド、グリセリンに分解する酵素であって由来を問わずに使用でき、例えば、微生物由来、植物及び動物由来のものがあげられる。
そして、リパーゼ分解食用油脂を用いる場合、脂肪酸含有率が低いリパーゼ分解食用油脂を加熱卵白加工品に使用すると、リパーゼ分解食用油脂が多量に必要になり、相対的に卵白等その他の原料の割合が減ってしまい、トロッとした半熟状卵白を得ることが困難となるため、リパーゼ分解食用油脂の脂肪酸含有率は、50%以上が望ましい。
脂肪酸含有率の測定方法は、リパーゼ分解食用油脂をクロロホルムで0.1g/mlに希釈し、イアトロスキャン(ヤトロン社製)用シリカゲル棒に一定量スポットし、展開溶媒(石油エーテル:エーテル:氷酢酸=80:30:0.2)で展開された脂質を水素炎イオン検出器(FDI)で検出したクロマトグラムから、脂肪酸のピーク面積の占める割合を測定したものである。なお、各成分の同定には、トリオレイン、ジオレイン、モノオレイン及びオレイン酸を同時に展開して標品とする。
本発明の卵白組成物は、液卵白100部に対し、澱粉を0.1〜10部含有していると、卵白組成物及び加熱卵白加工品の冷凍変性を防ぐことができるので、より好ましい。用いる澱粉としては、例えば、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、ワキシコーンスターチ、レギュラーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、タピオカ澱粉などの天然澱粉、またはそれらにアルファ化などの処理を施した加工澱粉、エステル化、エーテル化、酸化などの処理を施した化工澱粉等があげられる。なかでも、冷凍変性防止効果が得られやすい観点から化工澱粉を用いることがより好ましい。
本発明の卵白組成物は、本発明の効果を損なわない範囲でグアーガム、ペクチン、キサンタンガム等の増粘剤、砂糖、デキストリン、糖アルコール、水飴等の糖類、大豆油、菜種油、オリーブ油、コーン油等の油脂類、乳類、グルタミン酸ナトリウム、クエン酸、リン酸ナトリウム、ビタミンE、ソルビン酸K、カゼインナトリウム、食塩等を添加してもよい。
以上詳述した卵白組成物は、品温70℃以上に加熱することで加熱卵白加工品とすることができる。このような加熱卵白加工品は、温泉卵の卵白部分のような全体がトロッとした半熟状卵白の物性となり、加熱による熱履歴が大きくてもかたく凝固してしまうことがないため、玉子丼、親子丼、芙蓉蟹、ポーチドエッグ等の卵料理に手軽にもちいることができ、外食産業等の発展を促すことができる。
本発明の卵白組成物及び加熱卵白加工品の代表的な製造方法を以下に説明するが、これらの方法に限定するものではない。
まず、脂肪酸又はリパーゼ分解食用油脂を用意する。脂肪酸は市販のものを用いればよい。リパーゼ分解食用油脂は、市販のものを用いても良いが調製することもできる。
リパーゼ分解食用油脂の調製方法としては、まずパーム油等の食用油脂100部に酵素活性が30000〜180000ユニット/g程度のリパーゼを0.03〜0.1%となるように溶解した清水を50〜100部加えて、攪拌して反応させる。食用油脂とリパーゼの反応温度は、リパーゼが熱失活せず、かつ食用油脂が液状である温度域であれば特にこだわらないが、通常は30〜55℃が適当である。脂肪酸含有率が50%程度以上に達したら、80〜100℃で約1時間加熱しリパーゼを失活させ、加温静置して油溶性成分(油層)と水溶性成分(水層)に分離させた後、水溶性成分(水層)を除去する方法がある。
次に、卵を割卵して卵黄を除去した液卵白をホモミキサー等に投入し、45℃程度に加温して攪拌しながら脂肪酸を添加し、脂肪酸が均一に溶解した後、卵白固形分11部の液卵白100部に対し、10〜200部の清水を添加して均一になるまでさらに攪拌して、卵白混合液を得る。原料を混合する際には、均一な溶液状態とするために50〜300kgf/cmの圧力で高圧ホモゲナイズしてもよい。
ここで、脂肪酸は、そのまま添加してもよいが、脂肪酸の溶解を助けるため、アルコールやアルコール水溶液、アルカリ水溶液に溶解してから添加することが望ましい。この場合、アルコールの濃度は50〜100%で使用量は脂肪酸の質量の4〜5倍、アルカリ水溶液の濃度は、0.01〜3モル濃度で使用量は脂肪酸の質量の8〜10倍を目安にするとよい。
さらに、澱粉を添加する場合には、卵白混合液と澱粉が均一となるまで攪拌する。澱粉はそのまま添加してもよいが、混合しやすくするため、清水とともに均一に混合にしてから添加してもよい。すべての原料を均一に混合し本発明の卵白組成物とする。
得られた卵白組成物をパウチやケーシング等に充填する、あるいは、鍋やバット等に投入する等して、70℃〜100℃、10分〜60分程度の条件で品温70℃以上に加熱し本発明の半熟状卵白である加熱卵白加工品とする。加熱の方法は特にこだわらず、蒸気加熱、湯せん等常法に従えばよい。このようにして得た本発明品は、温泉卵の卵白部分のような全体がトロッとした半熟状態である。
このように液卵白に脂肪酸と特定量の清水を含有させて加熱したときに、温泉卵の卵白部分のように滑らかで全体がトロッとした半熟状卵白が得られるのか定かではないが、特定量の清水で希釈した液卵白を加熱したときにおこる卵白蛋白質の熱変性に、脂肪酸が関与し、脂肪酸と卵白蛋白質が清水をつつみ込む一体感のあるゆるい網目状の構造を形成するためではないかと推察される。
次に、本発明を実施例及び試験例に基づき、さらに詳細に説明する。
<実施例1>
まず、卵を割卵し、卵黄を除去した液卵白1000g(卵白固形分11部)を45℃に加温しておき、ホモミキサー(高速せん断攪拌機)で攪拌しながら、予めオレイン酸13gを70%濃度のエタノール52gに溶解した溶液を添加し、2分間攪拌・混合した後、清水600gを添加し均一になるように攪拌を続け、卵白組成物を得た。
得られた卵白組成物を折径70mmの塩化ビニリデン製ケーシングに充填し、90℃で30分間加熱した後、冷却して、加熱卵白加工品を得た。
得られた加熱卵白加工品は、全体がトロッとした滑らかな半熟状であり、風味も良好であった。
得られた加熱卵白加工品のかたさは6.0×10N/m2であった。
<実施例2>
まず、脂肪酸を含有したリパーゼ分解食用油脂を調製した。すなわち、パーム油40kgと酵素活性が120000ユニット/gのリパーゼを0.05%となるように溶解した清水32kgを混合し、45℃で攪拌しながら、8時間反応させ、その後90℃で1時間加熱してリパーゼを失活させるとともに油溶性成分と水溶性成分を分離し、水溶性成分を除去したリパーゼ分解食用油脂(脂肪酸含有率80%)を得た。
得られたリパーゼ分解食用油脂16gを70gの70%濃度のエタノールに溶解したものを45℃に加温した液卵白1000g(卵白固形分11部)に攪拌しながら添加し、さらに、清水500g及び化工澱粉5gを添加して攪拌した後、1.5%水酸化ナトリウム溶液を攪拌しながら添加してpH9に調製し、卵白組成物を得た。
得られた卵白組成物を折径70mmの塩化ビニリデン製ケーシングに充填し、90℃で30分間加熱した後、冷却して、加熱卵白加工品を得た。
得られた加熱卵白加工品は、全体がトロッとした滑らかな半熟状であり、風味も良好であった。また、加熱卵白加工品のかたさを測定したところ、かたさは7.0×10N/m2であった。
また、得られた加熱卵白加工品を冷凍して−20℃で1ヶ月保管した後、解凍して状態を確認したところ、全体がトロッとした状態であり、風味も良好であった。
<実施例3>
実施例2と同様にして、リパーゼ分解食用油脂(脂肪酸含有率80%)を得た。
液卵白1000g(卵白固形分11部)を45℃に加温しておき、ホモミキサー(高速せん断攪拌機)で攪拌しながら、予め得られたリパーゼ分解食用油脂11gを1.5%水酸化ナトリウム水溶液120gに溶解した溶液を添加し、2分間攪拌・混合した後、5%クエン酸水溶液を添加して中和し、清水1000g、化工澱粉30g、糖アルコール300gと乳化油脂100gを添加し均一になるように攪拌を続け、卵白組成物を得た。
さらに、得られた卵白組成物を冷凍して−20℃で一晩保管した後、解凍して、折径70mmの塩化ビニリデン製ケーシングに充填し、90℃で30分間加熱した後、冷却して、加熱卵白加工品を得た。
得られた加熱卵白加工品は、全体がトロッとした滑らかな半熟状であり、風味も良好であった。また、加熱卵白加工品のかたさを測定したところ、かたさは1.2×10N/m2であった。
また、得られた加熱卵白加工品を冷凍して−20℃で1ヶ月間保管した後、解凍して、状態を確認したところ、全体がトロッとした滑らかな半熟状であり、風味も良好であった。
<試験例1>
実施例1と同様の方法にて、表1の配合にもとづき、卵白組成物を調製し、卵白組成物を実施例1と同様の方法にて加熱して加熱卵白加工品(発明品1〜3)を調製し、得られた各加熱卵白加工品のかたさを測定した。
また、比較品1及び比較品2として脂肪酸を含有していないもの、比較品3として液卵白100部(卵白固形分11部)に対し清水を含有していないものを同様に調整し、かたさを測定した。
液卵白100部(卵白固形分11部)に対する脂肪酸、清水の配合量、かたさ、見た目の状態を表1に示す。
なお、下記表1の測定不能とは、円柱プランジャーがクリアランスまで試料を圧縮できなかったものである。
Figure 0004535898
表1より、脂肪酸を含有させず液卵白に清水を含有させたもののうち比較品1はかたく凝固してそのかたさが測定不能となってしまい、比較品2は凝固部分と未凝固部分が混じった滑らかさのないものとなってしまい、いずれも全体がトロッとした滑らかな半熟状卵白となる加熱卵白加工品が得られないことが理解できる。また、液卵白に清水を含有させずに脂肪酸を添加した比較品3はかたく凝固してそのかたさが測定不能となってしまい、全体がトロッとした滑らかな半熟状卵白が得られないことも理解できる。
これに対して、卵白固形分11部の液卵白100部に対し清水10〜200部及び脂肪酸を含有させた発明品1〜3は、全体がトロッとした滑らかな半熟状卵白と同様の物性であることが理解できる。

Claims (3)

  1. 卵白固形分11部である液卵白100部に対し、清水10〜200部並びに脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドを含有するリパーゼ分解食用油脂を脂肪酸0.1〜5部相当量含有してなり、折径70mmの塩化ビニリデン製ケーシングに充填し、90℃で30分間加熱した時に1.0×10 〜5.0×10 N/m のかたさを有することを特徴とする、半熟状の加熱卵白加工品用の卵白組成物。
  2. 卵白固形分11部である液卵白100部に対し、清水10〜200部及び澱粉0.1〜10部、並びに脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドを含有するリパーゼ分解食用油脂を脂肪酸0.1〜5部相当量含有してなり、折径70mmの塩化ビニリデン製ケーシングに充填し、90℃で30分間加熱した時に1.0×10 〜5.0×10 N/m のかたさを有する、半熟状の加熱卵白加工品用の卵白組成物。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載の卵白組成物を加熱して製した、1.0×10〜5.0×10N/mのかたさを有する半熟状の加熱卵白加工品。
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