JP2013236605A - シューケース用油脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】シューケースの体積向上効果の高い、シューケース用油脂組成物を提供する。
【解決手段】特定量の微細繊維状セルロース、さらには増粘剤をシューケース用油脂組成物へ配合することにより、シューケースのボリュームを改善でき、あわせて風味を改善できる。なお、微細繊維状セルロースが醗酵セルロースである。
【選択図】なし
【解決手段】特定量の微細繊維状セルロース、さらには増粘剤をシューケース用油脂組成物へ配合することにより、シューケースのボリュームを改善でき、あわせて風味を改善できる。なお、微細繊維状セルロースが醗酵セルロースである。
【選択図】なし
Description
本発明は、シューケース用油脂組成物に関する。
シューケースとは、洋菓子の「シュークリーム」の皮の部分のことである。工業的にシューケースを調製する場合は、専用の油脂組成物を使用する場合が多い。特許文献1は「有機酸モノグリセリド0.05〜20重量%及びジグリセリド0.20〜35重量%を含有することを特徴とするシュー用乳化油脂組成物」に関するものであり、「本発明のシュー用乳化油脂組成物には、カゼインナトリウム、カラギーナン、食塩、クエン酸ナトリウム、加工澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアガム等のシューケース生地原料の一部を適宜添加することもできる」と記載されている。
特許文献2は「タマリンドガム及び有機酸モノグリセリドを併用配合する」ことを特徴とする乳化油脂組成物であり、これにより、「特に少量の卵量でも、従来法により得られるシューケースよりもボリュームが大きく、且つ食感や風味の良好なシューケースが得られる」旨記載されている。そして、「本発明のシュー用乳化油脂組成物に含まれるタマリンドガムは単独もしくは以下に示す多糖類や蛋白質及び天然高分子誘導体との組み合わせでも効果にはなんら変わらない。」と記載され、その例として「セルロース誘導体(CMCなど)」が記載されている。
特許文献3は「乳化剤やカゼインのナトリウム塩を使用せずとも、容積、保型性が良好で、ソフトな食感のシューケースを製造することができるシュー用油脂組成物」に関する出願であり、「特定のエステル交換油脂と、特定の乳原料とを併用した際に、上記目的を達成し得ることを知見した。」と記載されている。そして、増粘安定剤として、「グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる」旨記載されている。
本発明は、シューケースの体積向上効果の高い、シューケース用油脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、先行技術文献に記載されている内容を詳細に検討した。
特許文献1は有機酸モノグリセリドとジグリセリドの使用を必須とするものであるが、実施例を参酌すると、各種有機酸モノグリセリドが3重量%程度使用され、風味への影響が懸念されるものである。また、「メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース」等の記載が明細書には見られるものの、実施例はなく、具体性に欠け、その効果も不明である。
特許文献2は「タマリンドガム及び有機酸モノグリセリドを含有すること」を必須の構成要件とし、「多糖類や蛋白質及び天然高分子誘導体との組み合わせでも効果にはなんら変わらない。」とあり、セルロース単独の効果については何ら記載もされていない。
特許文献3の課題解決の手段は、「特定のエステル交換油脂と、特定の乳原料とを併用」することであり、増粘安定剤等は「使用することができる」原料として列挙されているものの一つに過ぎず、さらに「結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース」等は、増粘安定剤として多数列挙されているものの一部にすぎず、その具体的効果については何ら明らかにされていない。
特許文献1は有機酸モノグリセリドとジグリセリドの使用を必須とするものであるが、実施例を参酌すると、各種有機酸モノグリセリドが3重量%程度使用され、風味への影響が懸念されるものである。また、「メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース」等の記載が明細書には見られるものの、実施例はなく、具体性に欠け、その効果も不明である。
特許文献2は「タマリンドガム及び有機酸モノグリセリドを含有すること」を必須の構成要件とし、「多糖類や蛋白質及び天然高分子誘導体との組み合わせでも効果にはなんら変わらない。」とあり、セルロース単独の効果については何ら記載もされていない。
特許文献3の課題解決の手段は、「特定のエステル交換油脂と、特定の乳原料とを併用」することであり、増粘安定剤等は「使用することができる」原料として列挙されているものの一つに過ぎず、さらに「結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース」等は、増粘安定剤として多数列挙されているものの一部にすぎず、その具体的効果については何ら明らかにされていない。
本発明者は、シューケースの体積向上効果の高い、シューケース用油脂組成物を得るために、更に鋭意検討を行った。そうした中で、微細繊維状セルロースが、従来の結晶セルロース等とは異なり、シューケースの体積向上効果が高いことを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は
(1)油脂組成物中に、微細繊維状セルロースを0.02〜0.19重量%含有する、シューケース用油脂組成物、
(2)微細繊維状セルロースが醗酵セルロースである、(1)記載のシューケース用油脂組成物、
(3)醗酵セルロースが酢酸菌を培養して得られるものである、(2)記載のシューケース用油脂組成物、
(4)さらに増粘剤が配合された、(1)〜(3)何れか1つに記載のシューケース用油脂組成物、
(5)微細繊維状セルロースを油相へ分散後に水相を添加する、(1)〜(4)何れか1つに記載のシューケース用油脂組成物の製造法、
に関するものである。
すなわち本発明は
(1)油脂組成物中に、微細繊維状セルロースを0.02〜0.19重量%含有する、シューケース用油脂組成物、
(2)微細繊維状セルロースが醗酵セルロースである、(1)記載のシューケース用油脂組成物、
(3)醗酵セルロースが酢酸菌を培養して得られるものである、(2)記載のシューケース用油脂組成物、
(4)さらに増粘剤が配合された、(1)〜(3)何れか1つに記載のシューケース用油脂組成物、
(5)微細繊維状セルロースを油相へ分散後に水相を添加する、(1)〜(4)何れか1つに記載のシューケース用油脂組成物の製造法、
に関するものである。
本発明によれば、シューケースの体積向上効果が高く、風味良好なシューケースが得られる、シューケース用油脂組成物を得ることができる
本発明で言う微細繊維状セルロースとは、直径0.1〜0.2μmの繊維状構造を有するセルロースであり、植物に由来するセルロースとは、その構造が大きく異なるものである。そして、「醗酵セルロース」とは醗酵法により得られるセルロースを指し、当該セルロースは原則、微細繊維状構造を有する。微細繊維状セルロースも、セルロースとしての化学構造は植物由来のセルロースと同じ、D-グルコースがβ-1,4結合した直鎖状の多糖類(β-1,4グルカン)を主体とするものであるが、その繊維が植物由来のセルロースと比べて細く、緻密な網目構造を持つことに特徴がある。
本発明で使用する微細繊維状セルロースは、醗酵セルロース、特に酢酸菌を培養して得られるものが好ましい。本発明で使用する醗酵セルロースは、微生物を培養し、菌体外に作られたセルロースを分離、回収し製剤化たものであり、酢酸菌を培養して得られる物としては、具体的には三栄源エフエフアイ株式会社製のサンアーティストを挙げることができる。なお、酢酸菌を培養して得られるセルロースは、いわゆるナタデココとして伝統的に食されているものであり、当該「ナタデココ」の微粉砕物を用いることもできる。
本発明で言う「シューケース用油脂組成物」とは、シューケースの製造用に特に適した油脂組成物であり、油中水型であることが保存性等の点から望ましい。
ここで「シューケースの製造用に適する」とは、シューケースの製造において求められる性質、すなわち、シュー生地に一定の粘度を与え、かつその粘度が一定時間安定していること、またシュー生地を焼成して得られたシューケースの体積が大きいこと、の全てを満足することを言う。
ここで「シューケースの製造用に適する」とは、シューケースの製造において求められる性質、すなわち、シュー生地に一定の粘度を与え、かつその粘度が一定時間安定していること、またシュー生地を焼成して得られたシューケースの体積が大きいこと、の全てを満足することを言う。
本発明の油脂組成物における微細繊維状セルロースの配合量は、油脂組成物中に0.02〜0.19重量%であり、より望ましくは0.03〜0.17重量%であり、更に望ましくは0.05〜0.15重量%である。微細繊維状セルロースの配合量が少なすぎても多すぎても、シューケースの体積向上効果が十分に得られない場合がある。
本発明のシューケース用油脂組成物に使用される油脂としては、食用油脂が使用され、例えばパーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油などの各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別およびエステル交換から選択される一または二以上の処理を施した加工油脂があげられる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、または二種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明のシューケース用油脂組成物に使用される油脂としては、食用油脂が使用され、例えばパーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油などの各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別およびエステル交換から選択される一または二以上の処理を施した加工油脂があげられる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、または二種以上を組み合わせて用いることもできる。
さらに本発明のシューケース用油脂組成物には、上記原料以外に、通常のシューケース用油脂に使用される各種の食品素材や食品添加物を、本発明の効果を妨げない範囲で、適宜使用することが出来る。例えば、カゼインナトリウム等の乳蛋白、水、増粘多糖類、リン酸塩、食塩、乳酸、乳化剤、甘味料、着香料、着色料、酸化防止剤などを含有させることができる。ここでカゼインナトリウム等の乳蛋白には、シューケースの体積向上効果もあるが高価であり、本発明の微細繊維状セルロースとの部分的置換や併用等により、コストや効果を最適化し配合設計することができる。
また増粘剤としては、、具体的にはグアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉を挙げることが出来、これらも、本発明の効果を妨げない範囲で適宜併用可能である。そして、醗酵法以外の方法で得られるセルロースである結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースも、増粘剤として併用することが可能である。
本発明のシューケース用油脂組成物の製造法を以下に記載する。
油脂および、油溶性の原料を混合し油相とし、一方、水および水溶性の原料を混合し水相とする。
油相は、まず、加熱融解した食用油脂に、必要により乳化剤、着香料、着色料、酸化防止剤などを混合し調製する。
油脂および、油溶性の原料を混合し油相とし、一方、水および水溶性の原料を混合し水相とする。
油相は、まず、加熱融解した食用油脂に、必要により乳化剤、着香料、着色料、酸化防止剤などを混合し調製する。
一方水相は、水を加温し、必要により乳化剤、リン酸塩、食塩、着香料、着色料などを添加、混合し調製する。そして、上記の油相へ水相を添加して混合し、調合液とする。なお、微細繊維状セルロースは、均一に調合液中に分散するために、油相へ分散させた後、水相と混合して調合液とするのが好ましい。
調合液はその後、適宜殺菌工程を経た後、油中水型乳化油脂組成物の製造装置に供し、急冷混和して、可塑性を有する本発明のシューケース用油脂組成物を得る。
調合液はその後、適宜殺菌工程を経た後、油中水型乳化油脂組成物の製造装置に供し、急冷混和して、可塑性を有する本発明のシューケース用油脂組成物を得る。
このようにして得られた本発明のシューケース用油脂組成物をシューケースの製造に用いる場合、シューケースの配合は特に限定されるものではないが、小麦粉100重量部に対し、本発明のシューケース用乳化油脂組成物を70〜150重量部、好ましくは100〜140重量部、水を100〜250重量部、好ましくは120〜200重量部、全卵を150〜300重量部、好ましくは200〜280重量部から構成される配合が好ましい。
本発明のシューケースの配合において、上記シューケース用乳化油脂組成物の配合量が少なすぎると、シューケースのボリュームが小さくなるため好ましない。また、上記シューケース用乳化油脂組成物の配合量が多すぎると、シューケースが油性感の強いものとなるため好ましくない。
本発明においては、微細繊維状セルロースをシューケース用油脂組成物へ添加することにより、シュー生地へ微細繊維状セルロースを均一に分散させることができ、好ましい。微細繊維状セルロースのシュー生地に対する量は極めて微量であるため、これをシュー生地に均一に分散させることは、シュー生地の工業的生産の上では極めて煩雑であり、シューケース用油脂組成物へ添加することにより、その煩雑さを解消し、均一分散を達成することができる。
本発明のシューケースの配合において、上記シューケース用乳化油脂組成物の配合量が少なすぎると、シューケースのボリュームが小さくなるため好ましない。また、上記シューケース用乳化油脂組成物の配合量が多すぎると、シューケースが油性感の強いものとなるため好ましくない。
本発明においては、微細繊維状セルロースをシューケース用油脂組成物へ添加することにより、シュー生地へ微細繊維状セルロースを均一に分散させることができ、好ましい。微細繊維状セルロースのシュー生地に対する量は極めて微量であるため、これをシュー生地に均一に分散させることは、シュー生地の工業的生産の上では極めて煩雑であり、シューケース用油脂組成物へ添加することにより、その煩雑さを解消し、均一分散を達成することができる。
本発明のシューケースは、例えば以下のようにして製造することができる。
本発明のシューケース用乳化油脂組成物を、水とともに加熱煮沸し、この中に小麦粉を添加して捏和し、一般のシューケースと同様にシューケースを形成するに適した糊化状態にした後、液卵をミキシングしながら数回に分けて加え、シューケース生地を十分に乳化し、必要な場合は膨張剤、着色料、着香料、防腐剤などを添加した後、さらに液卵を加えて硬さを調整してシューケース生地を得る。得られたシューケース生地を、丸形の口金をつけた絞り袋に入れ、オーブンシートを敷いた天板に直径3cm程に絞り出し、オーブンにより焼成することでシューケースを得る。
本発明のシューケース用乳化油脂組成物を、水とともに加熱煮沸し、この中に小麦粉を添加して捏和し、一般のシューケースと同様にシューケースを形成するに適した糊化状態にした後、液卵をミキシングしながら数回に分けて加え、シューケース生地を十分に乳化し、必要な場合は膨張剤、着色料、着香料、防腐剤などを添加した後、さらに液卵を加えて硬さを調整してシューケース生地を得る。得られたシューケース生地を、丸形の口金をつけた絞り袋に入れ、オーブンシートを敷いた天板に直径3cm程に絞り出し、オーブンにより焼成することでシューケースを得る。
以下、実施例等により本発明の実施形態をより具体的に記載する。
○検討1 シューケース用油脂組成物の調製
実施例1〜2、比較例1〜2
以下に示す「シューケース用油脂組成物調製法」に従い、表1各配合のシューケース用油脂組成物を調製した。
○検討1 シューケース用油脂組成物の調製
実施例1〜2、比較例1〜2
以下に示す「シューケース用油脂組成物調製法」に従い、表1各配合のシューケース用油脂組成物を調製した。
「シューケース用油脂組成物調製法」
1.食用油脂を60〜70℃で融解し、そこへ乳化剤を添加することで油相を調製した。
2.水へ、水相原料に分類される原料を添加、溶解した。
3.攪拌中の油相へ水相を添加し、混合した。ここで得られる混合液を調合液と称する。
4.調合液を油中水型乳化油脂組成物製造装置(コンビネーター)へ供し、油中水型乳化油脂組成物を得た。
5.ダンボールケースへ充填し、3〜7℃にて冷蔵した。
1.食用油脂を60〜70℃で融解し、そこへ乳化剤を添加することで油相を調製した。
2.水へ、水相原料に分類される原料を添加、溶解した。
3.攪拌中の油相へ水相を添加し、混合した。ここで得られる混合液を調合液と称する。
4.調合液を油中水型乳化油脂組成物製造装置(コンビネーター)へ供し、油中水型乳化油脂組成物を得た。
5.ダンボールケースへ充填し、3〜7℃にて冷蔵した。
表1 シューケース用油脂組成物の配合
・食用油脂はラードを使用した。
・乳化剤は理研ビタミン株式会社製「エマルジーMS」0.2重量%、レシチン0.1重量%を使用した。
・醗酵セルロース製剤は酢酸菌を培養して得られた三栄源エフエフアイ株式会社製「サンアーティストPX」を使用した。この製剤中の醗酵セルロースの含有量は、乾燥状態で20重量%であった。
・食用油脂はラードを使用した。
・乳化剤は理研ビタミン株式会社製「エマルジーMS」0.2重量%、レシチン0.1重量%を使用した。
・醗酵セルロース製剤は酢酸菌を培養して得られた三栄源エフエフアイ株式会社製「サンアーティストPX」を使用した。この製剤中の醗酵セルロースの含有量は、乾燥状態で20重量%であった。
○検討2 シューケースの調製
実施例3〜4、比較例3〜4
「シューケースの調製法」に従い、各シューケース用油脂組成物によりシューケースを調製した。
実施例3〜4、比較例3〜4
「シューケースの調製法」に従い、各シューケース用油脂組成物によりシューケースを調製した。
「シューケースの調製法」
1.表2の配合に従い、シューケース用油脂組成物と水とをミキサーボウルに計量し、ガスコンロにかけた。
2.シューケース用油脂組成物が融解し、沸騰が始まった段階でミキサーボウルをミキサーにセットし、これに小麦粉を一気に投入し、低速30秒、中速90秒ミキシングした。
3.低速攪拌をしながら全卵を4回に分け投入し、最後に炭酸水素アンモニウムと全卵の混合物を添加し、低速30秒、高速90秒攪拌し、均一なシュー生地とした。
4.絞り袋にシュー生地を充填し、ベーキングシートを敷いた焼成板に20g絞り、上面195℃、下面220℃に設定したオーブンで23分焼成した。
使用したシューケース用油脂組成物は表3にまとめた。
1.表2の配合に従い、シューケース用油脂組成物と水とをミキサーボウルに計量し、ガスコンロにかけた。
2.シューケース用油脂組成物が融解し、沸騰が始まった段階でミキサーボウルをミキサーにセットし、これに小麦粉を一気に投入し、低速30秒、中速90秒ミキシングした。
3.低速攪拌をしながら全卵を4回に分け投入し、最後に炭酸水素アンモニウムと全卵の混合物を添加し、低速30秒、高速90秒攪拌し、均一なシュー生地とした。
4.絞り袋にシュー生地を充填し、ベーキングシートを敷いた焼成板に20g絞り、上面195℃、下面220℃に設定したオーブンで23分焼成した。
使用したシューケース用油脂組成物は表3にまとめた。
評価
シュー生地の粘度、シューケースの体積は以下に記載の方法でそれぞれ測定した。また、各項目について、試験者の見解を表4にまとめた。
「シュー生地の粘度測定法」
1.「シューケースの調製法」で得られたシュー生地を、30〜40℃、50分間放置した。
2.B型粘度計(6号ルーター使用)にて粘度を測定した。
上記測定法により、粘度が74000CP以上を合格とした。
シュー生地の粘度、シューケースの体積は以下に記載の方法でそれぞれ測定した。また、各項目について、試験者の見解を表4にまとめた。
「シュー生地の粘度測定法」
1.「シューケースの調製法」で得られたシュー生地を、30〜40℃、50分間放置した。
2.B型粘度計(6号ルーター使用)にて粘度を測定した。
上記測定法により、粘度が74000CP以上を合格とした。
「シューケース体積評価方法」
1.「シューケースの調製法」に従い、シューケースを調製した。
2.10個の体積を、ASTEX 3D Laser Scannerを用いて測定し、平均を求めた。
3.別途、高さ、横幅を実測し、平均を求めた。
それぞれ、比較例3を100%とした場合、101%以上を合格とした。
1.「シューケースの調製法」に従い、シューケースを調製した。
2.10個の体積を、ASTEX 3D Laser Scannerを用いて測定し、平均を求めた。
3.別途、高さ、横幅を実測し、平均を求めた。
それぞれ、比較例3を100%とした場合、101%以上を合格とした。
「風味評価法」
シューケースの風味は、比較例3との比較において、パネラー5名による5段階評価の平均により評価した。
比較例3の点数を3とし、風味が勝るものを4、風味が大きく勝るものを5とし、また、風味が劣るものを2、風味が大きく劣るものを1とした。
平均点が4以上を合格とした。
シューケースの風味は、比較例3との比較において、パネラー5名による5段階評価の平均により評価した。
比較例3の点数を3とし、風味が勝るものを4、風味が大きく勝るものを5とし、また、風味が劣るものを2、風味が大きく劣るものを1とした。
平均点が4以上を合格とした。
「結果と考察」
微細繊維状セルロース特定量添加することにより、シューケースのボリューム(高さ、横幅とも)が大きくなることが確認された。また、体積向上に伴い風味も向上することが確認された。
微細繊維状セルロース特定量添加することにより、シューケースのボリューム(高さ、横幅とも)が大きくなることが確認された。また、体積向上に伴い風味も向上することが確認された。
本発明のシューケース用油脂組成物を使用することにより、体積の向上したシューケースを得ることができる。
Claims (5)
- 油脂組成物中に、微細繊維状セルロースを0.02〜0.19重量%含有する、シューケース用油脂組成物。
- 微細繊維状セルロースが醗酵セルロースである、請求項1記載のシューケース用油脂組成物。
- 醗酵セルロースが酢酸菌を培養して得られるものである、請求項2記載のシューケース用油脂組成物。
- さらに増粘剤が配合された、請求項1〜3何れか1項に記載のシューケース用油脂組成物。
- 微細繊維状セルロースを油相へ分散後に水相を添加する、請求項1〜4何れか1項に記載のシューケース用油脂組成物の製造法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018068172A (ja) * | 2016-10-26 | 2018-05-10 | ミヨシ油脂株式会社 | シュー生地とその製造方法およびシュー用油脂組成物ならびにシュー皮の製造方法 |
JPWO2019189536A1 (ja) * | 2018-03-30 | 2021-03-25 | 日清フーズ株式会社 | 小麦粉含有生地焼成食品及びその製造方法並びに小麦粉含有生地 |
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-
2012
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