JP2016198028A - 水中油型乳化食品およびこれを用いた調理パン - Google Patents

水中油型乳化食品およびこれを用いた調理パン Download PDF

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Abstract

【課題】手作り感のある風味を有し、焼成しても油分離を起こしにくい水中油型乳化調味料およびこれを用いた調理パンの提供。
【解決手段】食用油脂、卵黄、および卵白を含有した単一エマルション型水中油型乳化食品であって、食用油脂を60質量%以上、卵黄を固形分換算で0.05〜1.5質量%含有し、卵黄の一部又は全部にリゾ化卵黄を含有し、卵白を固形分換算でリゾ化卵黄よりも少ない量含有し、粒度分布において、体積平均粒度分布で1〜5μmの範囲の第1ピークと5〜10μmの範囲の第2ピークを検出し、前記第1ピークと第2ピークが3μm以上離れており、第1ピークの頻度が第2ピークの頻度の1/2以下である、水中油型乳化食品。
【選択図】なし

Description

本発明は、手作り感のある風味を有し、焼成しても油分離を起こしにくい水中油型乳化食品およびこれを用いた調理パンに関する。
マヨネーズ等の水中油型乳化食品は、調理パン、ピザ、鮭のマヨネーズ焼き等のオーブンで焼成する用途に用いられている。
一方で、水中油型乳化食品を焼成すると乳化状態が悪くなり油分離を生じる問題があった。油分離を生じると外観が悪くなるだけではなく、食感や食味にも悪影響を及ぼす。特に長期保管を行った水中油型乳化食品は、乳化状態が不安定になっており焼成時の油分離の問題が顕著にみられる傾向があった。
このため、焼成耐性を有する水中油型乳化食品が研究されており、例えば、乳清蛋白質と卵白を含有した水中油型乳化食品(特許文献1)や、リゾ化卵黄とオクテニルコハク酸化澱粉とを含有した酸性水中油型乳化調味料(特許文献2)が研究されている。
しかしながら、これらの方法では、油や卵黄以外の原料を多く配合するためコク味を薄れさせてしまうことや、手作り感のある風味が弱くなってしまうといった課題があり、焼成耐性を有する水中油型乳化食品の焼成耐性と風味の両立には更なる検討の余地があった。
特開平11−318354号公報 特開2002−153237号公報
そこで、本発明は、手作り感のある風味を有し、焼成しても油分離を起こしにくい水中油型乳化食品を提供する。
本願発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、意外にも、所定の要件を具備する水中油型乳化食品が、手作り感のある風味を有し、且つ焼成しても油分離を起こしにくいことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)食用油脂、卵黄、および卵白を含有した単一エマルション型水中油型乳化食品であって、
食用油脂を60質量%以上、
卵黄を固形分換算で0.05質量%以上1.5質量%以下含有し、
卵黄の一部又は全部にリゾ化卵黄を含有し、
卵白を固形分換算でリゾ化卵黄よりも少ない量含有し、
粒度分布において、体積平均粒度分布で1以上5μm以下の範囲の第1ピークと5超10μm以下の範囲の第2ピークを検出し、前記第1ピークと第2ピークが3μm以上離れており、
第1ピークの頻度が第2ピークの頻度の1/2以下である、
水中油型乳化食品、
(2)食用油脂/卵黄(固形分)の比率が40以上100以下である、(1)に記載の水中油型乳化食品、
(3)卵白を固形分換算で0.01質量%以上0.3質量%以下含有する、(1)又は(2)に記載の水中油型乳化食品、
(4)増粘剤を0.1質量%以上1質量%以下含有する、(1)乃至(3)のいずれかに記載の水中油型乳化食品、
(5)粘度(25℃)が50Pa・s以上800Pa・s以下である、(1)乃至(4)のいずれかに記載の水中油型乳化食品、
(6)(1)乃至(5)のいずれかに記載の水中油型乳化食品を用いた調理パン、
(7)卵黄および卵白の混合物と食用油脂を乳化して単一エマルションとする、(1)乃至(5)のいずれかに記載の水中油型乳化食品の製造方法、
である。
本発明によれば、手作り感のある風味を有し、焼成しても油分離を起こしにくい水中油型乳化食品を提供できる。これにより、お客さまの求める機能を保有しながらも手作りに近い風味を有する水中油型乳化食品を提供できる。
図1は、実施例1、実施例6、実施例10、実施例11および比較例1、比較例2で製した水中油型乳化食品の粒度分布を示す図である。 図2は、実施例1で製した水中油型乳化食品の顕微鏡写真である。 図3は、実施例14および比較例10のソーセージパンの写真である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、格別に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
<本発明の特徴>
本発明の水中油型乳化食品は、食用油脂を60質量%以上、卵黄を固形分換算で0.05質量%以上1.5質量%以下含有し、卵黄の一部又は全部にリゾ化卵黄を含有し、卵白を固形分換算でリゾ化卵黄よりも少ない量含有し、特定の粒度分布を有することによって手作り感のある風味を有し、焼成しても油分離を起こしにくいことを特徴とする。
<水中油型乳化食品>
水中油型乳化食品とは、食用油脂が油滴として水相中に略均一に分散し水中油型に乳化された食品である。本発明の水中油型乳化食品は、食用油脂、卵黄、および卵白を含有した単一エマルション型水中油型乳化食品である。この「単一エマルション型」とは、食用油脂、卵黄、および卵白を含む原料を同時に乳化処理することによって得られたエマルション粒子を指すものであり、卵黄および卵白を別々のエマルション粒子に別々に乳化したものを混合した複合エマルションを含むものではない。本発明の水中油型乳化食品としては、例えば、マヨネーズやマヨネーズ類、半固体状乳化ドレッシング等の酸性水中油型乳化食品が挙げられるが、本発明は、これらの乳化食品に限定するものではない。本発明の水中油型乳化食品は、焼成した際に油分離を起こしにくい特徴を有することから、特にベーカリー用の水中油型乳化食品として用いることができる。
<食用油脂>
本発明の水中油型乳化食品に用いる食用油脂としては、例えば、食用植物油脂(例えば、菜種油、大豆油、紅花油、ひまわり油、コーン油、オリーブ油、グレープシード油、ごま油、綿実油、シソの実油、アマニ油)、魚油、肝油、さらにはエステル交換した油脂やジグリセライドを主に含む油脂が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<食用油脂の含有量>
本発明の水中油型乳化食品は、食用油脂を60%以上含有する。食用油脂の含有量が前記範囲であることによって、ベーカリー等の焼成用途に求められる水中油型乳化食品への油のコク味の付与を実現することができる。さらに本発明の水中油型乳化食品の食用油脂の含有量は70%以上とすることができる。
<卵黄>
本発明の水中油型乳化食品に用いる卵黄としては、例えば、生卵黄をはじめ、当該生卵黄に殺菌処理、冷凍処理、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理、後述するリゾ化卵黄のようなホスホリパーゼA1、ホスホリパーゼA2、ホスホリパーゼC、ホスホリパーゼD又はプロテアーゼ等による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩又は糖質等の混合処理等の1種または2種以上の処理を施したもの等が挙げられる。本願発明の卵黄は、特定の粒度分布を実現し手作り感のある風味を有し、且つ焼成しても油分離を起こしにくい水中油型乳化食品とするために、分画していない卵黄とすることができる。
<卵黄の含有量>
本発明の水中油型乳化食品に含有する卵黄は、固形分換算で0.05%以上1.5%以下である。さらに0.1%以上1.4%以下、0.5%以上1.3%以下とすることができる。卵黄の含有量を前記範囲とすることによって、後述する特定の粒度分布を実現することができ、それにより手作り感のある風味を有し、且つ焼成しても油分離を起こしにくい水中油型乳化食品とすることができる。卵黄の含有量を1.5%よりも多くすると、粒度分布が単一ピークとなり、工業的に生産した水中油型乳化食品の風味が強くなり手作り感のある風味が損なわれてしまう。
<リゾ化卵黄>
リゾ化卵黄とは、卵黄にホスホリパーゼA1、ホスホリパーゼA2、ホスホリパーゼC、ホスホリパーゼD等の酵素処理を施すことによりリン脂質をリゾ化した卵黄である。本発明の水中油型乳化食品は卵黄の一部又は全部にリゾ化卵黄を含有する。さらにリゾ化卵黄の含有量は卵黄の10%以上80%以下、40%以上70%以下とすることができる。リゾ化卵黄の含有量が前記範囲であることにより、後述する特定の粒度分布を実現しやすくなり、それにより手作り感のある風味を有し、且つ焼成しても油分離を起こしにくい水中油型乳化食品とすることができる。
<卵白>
本発明の水中油型乳化食品は卵白を含有する。卵白としては、鶏卵等の卵を割卵機などで機械的に割卵し、機械的に卵黄を分離して得られる液状の生卵白、これを凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理したもの、または凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理したもの、または凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理した卵白を通常の液状卵白に戻したもの等種々の状態の卵白を使用することができる。また、加熱殺菌処理、脱糖処理、脱リゾチーム処理等の種々の処理を施した卵白を使用することができる。
<卵白の含有量>
本発明の水中油型乳化食品は卵白を固形分換算で0.01%以上0.3%以下含有することができる。さらに、0.1%以上0.28%以下、0.15%以上0.25%以下とすることができる。卵白の含有量を前記範囲とすることによって、後述する特定の粒度分布が実現しやすくなり、それにより手作り感のある風味を有し、且つ焼成しても油分離を起こしにくい水中油型乳化食品とすることができる。卵白の含有量を固形分換算で前記範囲よりも多くすると固いボソボソとした物性となってしまい、パンに塗ったり線描きをしたりするベーカリー用途においては好ましくないものとなってしまう。
<リゾ化卵黄に対する卵白の量>
本発明の水中油型乳化食品は、卵白を固形分換算でリゾ化卵黄よりも少ない量含有する。さらに卵白をリゾ化卵黄の80%以下、60%以下、50%以下とすることができる。リゾ化卵黄と卵白の割合を前記範囲とすることによって、後述する特定の粒度分布が実現しやすくなり、それにより手作り感のある風味を有し、且つ焼成しても油分離を起こしにくい水中油型乳化食品とすることができる。卵白の量をリゾ化卵黄よりも多くすると焼成した際に固いボソボソとした物性となってしまい、パンに塗ったり線描きをしたりするベーカリー用途においては好ましくないものとなってしまう。特定の極少ない卵黄含有量の系において、リゾ化卵黄を卵白よりも多い量含有させることによって、リゾ化卵黄の作用によると推察されるピークと、リゾ化卵黄と卵白の相互作用によると推察されるピークが現れると考察する。
<卵白と卵黄との含有比率>
本発明の水中油型乳化食品には、上述の通り特定の含量や条件で卵白と卵黄を含有するが、卵白と卵黄の含有比率は、卵白に対する卵黄の含有比(卵黄/卵白)を固形分換算で3.0以上、10以下とすることができ、さらには4.0以上9.0以下とすることができる。
卵白と卵黄との含有比率が前記範囲であることにより、手作り感のある風味を有し、且つ焼成しても油分離を起こしにくい水中油型乳化食品とすることができる。
<増粘剤>
本発明の水中油型乳化食品は増粘剤を含有することができる。増粘剤としては、食品を増粘させる作用をもつ食品原料であれば特に限定されないが、澱粉、加工澱粉、ガム質が挙げられる。
<澱粉>
本発明の水中油型乳化食品で用いる澱粉としては、例えば、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、これらの澱粉をアルファ化、架橋等の処理を施した加工澱粉、又はこれらの澱粉に湿熱処理を施した湿熱処理澱粉が挙げられる。
加工澱粉としては、食品衛生法で含有物に指定された化学的処理を施された澱粉であって食用として供されるものであれば特に限定するものではない。例えば、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム澱粉、酢酸澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピル澱粉、リン酸化澱粉、リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いるとよい。
手作り感のある風味を有し、且つ焼成しても油分離を起こしにくい水中油型乳化食品を得る観点から、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム澱粉および/又はヒドロキシプロピルリン酸架橋澱粉を用いることができる。
<ガム質>
本発明の水中油型乳化食品に用いるガム質としては、例えば、キサンタンガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、タラガム、グアガム、アラビアガム、タマリンドガム、サイリュームシードガム等が挙げられる。手作り感のある風味を有し、且つ焼成しても油分離を起こしにくい水中油型乳化食品を得る観点から、キサンタンガムを用いることができる。
<増粘剤の含有量>
本発明の水中油型乳化食品中の増粘剤の含有量は、手作り感のある風味を有し、且つ焼成しても油分離を起こしにくい水中油型乳化食品を得る観点から、0.1%以上1%以下とすることができ、さらに0.3%以上0.8%以下とすることができる。増粘剤の含有量を前記範囲よりも多くすると、卵の味を薄れさせる可能性があるため風味の点で好ましくない。
<粒度分布>
本発明の水中油型乳化食品は粒度分布において、体積平均粒度分布で1以上5μm以下の範囲の第1ピークと5超10μm以下の範囲の第2ピークを検出し、前記2つのピークが3μm以上離れており、第1ピークの頻度が第2ピークの頻度の1/2以下である。
本発明における粒度分布はレーザー回折式粒度分布測定装置「粒度分布計MT3300EXII(日機装株式会社製)」、によって測定されたものである。
なお、ここで「ピーク」の位置は、粒度分布中に存在する「山」の頂点をいうものとする。
本発明の水中油型乳化食品は、粒度分布に置いて前記の条件にある2つのピークを特定の割合で有することによって、手作り感のある風味を有し、且つ焼成しても油分離を起こしにくい水中油型乳化食品とすることができる。5超10μm以下の範囲にある大きい粒子径の第1ピークは手作りの水中油型乳化食品の粒子径に近いものであり、手作り感のある風味に寄与していると考察される。一方、1以上5μm以下の範囲にある小さい粒子径の第2ピークは工業的に生産された水中油型乳化食品の粒子径に近いものであり、この小さな粒子が適切な割合で大きな粒子の隙間に存在することによって粒子の合一を防ぎ、焼成しても油分離を起こさない安定な乳化状態を保持することに寄与しているものと考察する。
本発明の水中油型乳化食品は粒度分布において、前記第1ピークの頻度が前記第2ピークの頻度の1/2以下であることにより、手作り感のある風味を有し、且つ焼成しても油分離を起こしにくいという風味と機能の両立を実現している。さらに第1ピークの頻度は第2ピークの1/3以下、1/4以下、1/5以下とすることができる。
<粘度>
本発明の水中油型乳化食品の粘度は、50Pa・s以上800Pa・s以下とすることができる。さらに、100Pa・s以上500Pa・s以下とすることができる。ここで、本発明の水中油型乳化食品における粘度は、品温25℃のものをBH型粘度計にて、ローターNo.6、回転数2rpmの条件で測定した1分後の示度により算出した値である。
<乳化剤>
本発明の水中油型乳化食品には乳化剤を含有することができる。乳化剤としては、上述の卵黄、リゾ化卵黄の他に大豆レシチンや大豆蛋白質、合成乳化剤、乳清蛋白質等の乳蛋白質が挙げられ、これらを単独あるいは組み合せて使用することができる。本発明の水中油型乳化食品は特定の粒度分布とするために、卵黄及びリゾ化卵黄を含めた乳化剤の合計の含有量を3%以下、さらには2%以下、1.5%以下とすることができる。なお、ここで卵黄及びリゾ化卵黄は固形分換算の量を乳化剤の量として算出する。
<他の成分>
本発明の水中油型乳化食品は一般的にマヨネーズ等の水中油型乳化食品に配合される原料であれば特に限定されることなく、用いることができる。例えば、水、食酢(醸造酢)、食塩、アミノ酸等の調味料、はちみつ、香辛料抽出物、たん白加水分解物、着色料および着香料、レモン汁、刻んだ茹で卵、パセリ、ケッパー、チャイブ、きゅうり等のピクルス、タマネギ、ピーマン、マスタードを含むことができ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<水中油型乳化食品の製造方法>
本発明の水中油型乳化食品の製造方法は、常法に則り製造すればよく、例えば、均一にした水相原料と油相原料をミキサー等で粗乳化し、次にホモミキサーやコロイドミル等で仕上げ乳化をした後、容器等に充填密封することができる。特に、単一エマルション型水中油型乳化食品とするために、卵黄および卵白を混合した後、食用油脂を添加し乳化することで単一エマルションとすることができる。
<調理パン>
本発明の水中油型乳化食品を用いることによって、手作り感のある風味を有し、焼成しても油分離を起こしにくい水中油型乳化食品を含有した調理パンを製することができる。例えば、コーンマヨパンや焼きそばパン、ピザパン、ソーセージパンなどが挙げられる。
本発明の調理パンは常法に則り製すればよく、例えば、公知の直捏法や中種法等に準じて、小麦粉等の原料を混合し、混捏し、必要に応じて発酵し、コーンやソーセージ、チーズなどの具材を水中油型乳化食品と共にトッピングし、焼成により加熱することで本発明の調理パンが得られる。中でも本発明の効果が得られやすい点から、本発明の水中油型乳化食品を用いた調理パンは、コーンマヨパン、ソーセージパン、ピザパンとすることができる。
[実施例1]<水中油型乳化食品の調製>
配合1の水中油型乳化食品を調製した。具体的には、清水に生卵黄(固形分50%)1.2kg、リゾ化卵黄(リゾ化率50%、固形分50%)1.2kg、生卵白(固形分12%)2kg、食酢(酸度10%)5kg、食塩1.5kg、増粘剤0.7kg、グルタミン酸ナトリウム0.3kgを加えミキサーで均一にし、水相を調製した後、大豆油70kgを注加して粗乳化した。得られた粗乳化物をコロイドミルで仕上げ乳化を行った後、1Lの袋に充填密封した。得られた水中油型乳化食品は、製造直後の粘度が240Pa・sであった。なお、増粘剤にはオクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、ヒドロキシプロピルリン酸架橋澱粉、キサンタンガムを用いた。
<配合1>
生卵黄(固形分50%) 1.2 %
リゾ化卵黄(固形分50%) 1.2 %
生卵白(固形分12%) 2 %
食酢 5 %
食塩 1.5 %
増粘剤 0.7 %
グルタミン酸ナトリウム 0.3 %
大豆油 70 %
清水 残余
[実施例2〜11、比較例1〜9]
下記表1の配合割合になるように配合を変更した以外は、実施例1に準じて実施例2〜11および比較例1〜9の水中油型乳化食品を調製した。なお、実施例2〜11の粘度はいずれも100Pa・s以上500Pa・s以下の範囲内であった。
[試験例]
実施例1〜11及び比較例1〜9の水中油型乳化食品の保存後の風味および焼成状態を以下の評価方法及び評価基準にしたがって行った。結果を表1および表2に示す。
<評価方法>
25℃保存3日後と35℃保存4週間後の水中油型乳化食品を、それぞれ食パンにシリコン型を使用して縦80mm×横14mm×厚み5mmの形に塗布し、家庭用オーブントースターで約200℃×10分間焼成した。焼成後状態を評価基準にしたがって評価した。
<風味の評価基準>
◎:十分に手作り感がありベーカリーと調和する風味
○:手作り感がある
×:工業的に製造した風味に近いまたは添加物の味を感じる
<焼成後の状態の評価基準>
◎:油分離が少なく、少し溶けた状態でジューシー感がある
○:やや固く口どけが劣るが、商品としては問題ない
×:油分離または焦げ、形状の変形や消失がみられ商品として問題がある
<粒度分布>
粒度分布はレーザー回折式粒度分布測定装置「粒度分布計MT3300EXII(日機装株式会社製)」によって測定した。実施例1、6、10、11比較例1、2の体積平均粒度分布を図1に示す。
表1に実施例1〜11、表2に比較例1〜9の水中油型乳化食品における粒度分布の測定結果を示す。
<顕微鏡写真>
水中油型乳化食品の粒子の状態を示す顕微鏡写真を、共焦点レーザー顕微鏡 Leica TCS SP8システム(ライカ マイクロシステムズ(株))を用いて観察した。実施例1の水中油型乳化食品の写真を図2に示す。
表1の結果より、食用油脂を60%以上含有し、卵黄を固形分換算で0.05%以上1.5%以下含有し、卵白を固形分換算でリゾ化卵黄よりも少ない量含有し、粒度分布において2つのピークを有する実施例1〜11の水中油型乳化食品では、手作り感のある良好な風味とベーカリー用途に好ましい焼成後の状態を示すことがわかる。
なお、粒度分布が2ピークになった実施例1〜11については、全て1以上5μm以下の範囲(第1ピーク)と5超10μm以下の範囲(第2ピーク)にそれぞれピークを検出し、前記2つのピークが3μm以上離れていた。そして第1ピークの頻度は第2ピークの頻度の1/2以下であった。
図2の顕微鏡写真から、第1ピークに相当する5μ以下の粒子が、第2ピークに相当する5超10μm以下の粒子の隙間に点在していることが確認できる。
[実施例12]<コーンマヨパン>
強力粉、砂糖、塩、ドライイーストと水を捏ね合わせ、生地を作り、発酵させた。生地を成形し、コーンと実施例1の水中油型乳化食品をトッピングし、200℃のオーブンで10分間焼成し、実施例12のコーンマヨパンを製した。
実施例12のコーンマヨパンは水中油型乳化食品の大きな油分離は見られず、コーンとパンに合った手作り感のあるマヨネーズの風味が感じられた。
[実施例13]<ピザパン>
強力粉、砂糖、塩、ドライイーストと水を捏ね合わせ、生地を作り、発酵させた。生地を成形し、トマトソース、モッツァレラチーズ、バジル、アンチョビ、オリーブオイルと実施例2の水中油型乳化食品をトッピングし、200℃のオーブンで10分間焼成し、実施例13のピザパンを製した。
実施例13のピザパンは水中油型乳化食品の大きな油分離は見られず、パンに合った手作り感のある良好な風味が感じられた。
[実施例14]<ソーセージパン>
強力粉、砂糖、塩、ドライイーストと水を捏ね合わせ、生地を作り、発酵させた。生地を成形し、ソーセージと実施例1の水中油型乳化食品をトッピングし、200℃のオーブンで10分間焼成し、実施例14のソーセージパンを製した。
写真を図3に示す。実施例14のソーセージパンは、焼成後にも水中油型乳化食品の形状が保たれ、焦げもなくパンの上にも綺麗な線が残っている。適度に溶けジューシー感があり、また手作り感のある良好な風味が感じられた。
[比較例10]<ソーセージパン>
強力粉、砂糖、塩、ドライイーストと水を捏ね合わせ、生地を作り、発酵させた。生地を成形し、ソーセージと比較例1の水中油型乳化食品をトッピングし、200℃のオーブンで10分間焼成し、比較例10のソーセージパンを製した。
写真を図3に示す。比較例10のソーセージパンは、パンの上部分の水中油型乳化食品が完全に溶けてしまい、線が消失してパンが焦げてしまった。また、ソーセージ上の水中油型乳化食品も油が分離し線が切れ、全体的に線が緩くダレていることがわかる。風味としても実施例14のソーセージパンに比べて劣るものであった。

Claims (7)

  1. 食用油脂、卵黄、および卵白を含有した単一エマルション型水中油型乳化食品であって、
    食用油脂を60質量%以上、
    卵黄を固形分換算で0.05質量%以上1.5質量%以下含有し、
    卵黄の一部又は全部にリゾ化卵黄を含有し、
    卵白を固形分換算でリゾ化卵黄(固形分)よりも少ない量含有し、
    粒度分布において、体積平均粒度分布で1以上5μm以下の範囲の第1ピークと5超10μm以下の範囲の第2ピークを検出し、前記第1ピークと第2ピークが3μm以上離れており、
    第1ピークの頻度が第2ピークの頻度の1/2以下である、
    水中油型乳化食品。
  2. 食用油脂/卵黄(固形分)の比率が40以上100以下である、
    請求項1に記載の水中油型乳化食品。
  3. 卵白を固形分換算で0.01質量%以上0.3質量%以下含有する、
    請求項1又は2に記載の水中油型乳化食品。
  4. 増粘剤を0.1質量%以上1質量%以下含有する、
    請求項1乃至3のいずれかに記載の水中油型乳化食品。
  5. 粘度(25℃)が50Pa・s以上800Pa・s以下である、
    請求項1乃至4のいずれかに記載の水中油型乳化食品。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の水中油型乳化食品を用いた調理パン。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載の水中油型乳化食品の製造方法であって、
    卵黄および卵白の混合物と食用油脂を乳化して単一エマルションとする、
    水中油型乳化食品の製造方法。
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