JP4284885B2 - フィリング材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製菓・製パン等に使用され、パン等の外生地にて包あん後、あるいは生地にトッピング後、焼成、フライ等の加熱時に突沸せず安定で、しかも包あんした際には外生地との間に空洞が発生せず、あるいは、トッピングした場合には吹きこぼれがなく一体化する、ソフトでなめらかな食感を与えるフィリング材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、製菓・製パン等における焼込用途のフィリング材としては、調理済みフィリング類、カレーフィリング類、ジャム類、カスタードクリーム、フラワーペースト類、あん類等が広く知られている。しかし乍ら、このようなフィリング材を生地で包あんした場合、焼成、フライ等の加熱後の外生地(パン等)とフィリング材との間に、フィリング材中の急激な水分蒸発、即ち突沸による空洞の発生が避けられず、見た目のボリューム感も失せて商品価値が低下する。さらに、フィリング材自体が硬くなったり、ざらついた粉っぽい食感に変化するため、空洞現象とともに、商品価値を大きく低下させている。また、生地にトッピングした場合においてもフィリング材と同様、トッピング材が突沸することにより生地上から吹きこぼれたり、気泡が多数発生したりするため、見た目も悪く、商品価値を大きく低下させるだけでなく、焼成時のオーブン、鉄板を汚したりして生産性も損なう恐れもある。
【0003】
特にこのような突沸現象は、甘くないフィリング類で顕著であった。この原因としては、糖類が多量に配合できないためにフィリング類の保水性が低く、焼成等の加熱時に水分を離してしまい突沸が起こりやすくなっているものと考えられる。例えば、ポテトやツナをボディとするようなフィリング、サルサ味、ピザ風味に代表されるチリソースをベースとするフィリング、グラタンベースのフィリングなどのいわゆる調理済みフィリング類、あるいはカレーパン、カレードーナツに用いられるカレーフィリング類では突沸が顕著であり、生地にて包あんして焼成、フライ等の加熱後に大きな空洞が発生したり、生地上にトッピングして焼成中に吹きこぼれたりして生産性、商品価値を大きく低下させていた。
【0004】
フィリング類を包あんした食品の空洞を防止するため、例えば、特開平6−46758公報には、糊化膨潤させた澱粉と油脂とを乳化状態で添加してなる焼き込み用フィリング材で、外生地が焼成により膨らむのと同時にフィリング材も膨らむことにより空洞を防止する方法が開示されている。しかしながら、膨化した澱粉をO/W乳化状態で使用することから、各種呈味剤を用いて風味を添加することは可能であるが、小倉あんや野菜や肉等の具材を含むようなフィリング材には効果が期待できず不向きである。
【0005】
また、特開平9−149755には、小麦粉、油脂及び水を必須成分とする積層生地からなるパン用生地配合材で、形状が薄片状であることを特徴としており、フラワーペーストやジャムを生地で巻き込んで焼成すると空洞ができてしまうのを抑制することが開示されているが、これはパン生地側に工夫がなされており、フィリング材に対するアプローチはなされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、焼込用途のフィリング材において、とりわけ、肉類、魚介類、野菜類、果物類等の具材を含んだ調理済みフィリング類、カレーフィリング類においては焼成・加熱時の突沸を防止し、空洞発生や吹きこぼれがなく、しかもソフトでなめらかな食感を満足させる製品は、未だ得られていないのが現状である。本発明は、かかる実情に鑑み、上記問題を解消したフィリング材を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため、フィリング材に多量に添加すると風味が低下することから、通常使用されない乳化剤に着眼し、鋭意検討した結果、乳化剤、とりわけグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステルから選ばれた1種または2種以上と、所定の蛋白質と澱粉をそれぞれ特定の比率で配合することにより、フィリング材の本来の風味を損なうことなく保水性・乳化安定性を向上することができ、そのことが焼成・加熱時におけるフィリング材からの急激な水分蒸発、即ち突沸を抑制することにつながり、ひいては空洞化、あるいは吹きこぼれ防止ができることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、本発明の第1は、肉類、魚介類、野菜類、果物類からなる群から選ばれた1種または2種以上の具材を主成分として含んでなる調理済みフィリング類またはカレーフィリング類である焼込用フィリング材であって、蛋白質5〜15重量%、澱粉5〜30重量%、乳化剤1〜3重量%を含有する予め作製した油脂組成物を、フィリング材100重量%中2〜20重量%含有させることにより、蛋白質0.1〜3重量%、澱粉0.1〜6重量%、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステルから選ばれた1種または2種以上の乳化剤0.02〜0.6重量%を必須成分として配合してなる加熱・焼成時に突沸しないことを特徴とするフィリング材に関する。
【0009】
好ましい実施態様としては、(1)蛋白質が、卵蛋白質、小麦蛋白質、大豆蛋白質、血液蛋白質、乳蛋白質、ゼラチン、コラーゲン及びこれら蛋白質の分解物から選ばれた1種または2種以上である(2)澱粉が、加工澱粉、デキストリン類から選ばれた1種または2種以上である、ことをそれぞれ内容とする上記記載のフィリング材に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明においてフィリング材とは、パン類に挟んだり、内包したり、凹部に入れたり、のせる或いは塗布するものを言い、所謂トッピング材も包含する。そして、パン類等の生地と共に加熱・焼成をしても突沸しないことを特徴とするものである。
【0012】
本発明のフィリング材は、蛋白質0.1〜15重量%、澱粉0.1〜15重量%、乳化剤0.02〜1重量%を必須成分として配合してなるもので、その他、小麦粉、小麦澱粉、コーンスターチ等の粉体類、牛脂、ラード、サラダ油等の油脂類、マヨネーズ、牛肉、豚肉、鶏肉等の肉類、アサリ、ホタテ、ムール貝、アンチョビ、、ツナ、鮭、エビ、イカ、かに、たこ、たらこ、いくら等の魚介類、ごぼう、人参、じゃがいも、タマネギ、コーン、トマト、ピクルス等の野菜類、パイナップル、リンゴ、桃、イチゴ、ミカン、杏、サクランボ等の果物類、卵類、水飴、オリゴ糖、還元澱粉糖化物等の糖類、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸カルシウム等の塩類、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸等の有機酸類、水、保存料、着色料、香料等が必要に応じて適宜添加されるものである。具体的には、じゃがいもやツナをボディとするようなフィリング、サルサ味、ピザ風味に代表されるチリソースをベースとするフィリング、グラタンベースのフィリングなどのいわゆる調理済みフィリング類、あるいはカレーパン、カレードーナツに用いられるカレーフィリング類など、いわゆる焼込用フィリング材が例示される。なかでも、肉類、魚介類、野菜類、果物類からなる群から選ばれる1種または2種以上の固形の具材を含んだ調理済みフィリング材において、本発明の効果が顕著に現れる。
【0013】
本発明のフィリング材に使用される蛋白質は、卵蛋白質、小麦蛋白質、大豆蛋白質、血液蛋白質、乳蛋白質、ゼラチン、コラーゲン及びこれら蛋白質の分解物が好ましい。これらの中でも、食感、味の点で卵蛋白質、乳蛋白質、ゼラチン、コラーゲン及びコラーゲン分解物を用いることが更に好ましく、保水性、及び組成物のなめらかさ等の物性向上の点で卵白、WPC、WPIを含む乳清蛋白質、コラーゲン分解物を用いることが最も好ましい。かかる蛋白質の含有量はフィリング材中、0.1〜15重量%の範囲であり、好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは2〜8重量%である。0.1重量%未満ではフィリング材の保水性あるいは保型性に乏しく、突沸防止効果が不十分であり、一方、15重量%を越えるとフィリング材が硬くなりすぎ、ソフトでなめらかな物性が得られないばかりでなく、食感もねちゃつきがちになる。
【0014】
本発明のフィリング材に使用される澱粉は加工澱粉或いはデキストリン類が好ましく、小麦澱粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉、キャッサバ澱粉、甘藷澱粉等の穀物澱粉類の酢酸エステル化、燐酸架橋、ヒドロキシプロピルエーテル化、オクテニルコハク酸エステル化、α化等の化学的あるいは物理的処理が施された加工澱粉、及び/または通常のデキストリンを始めとして、難消化性デキストリン、分枝デキストリン等の特殊デキストリンも含めたデキストリン類が使用できる。これらの中でも、食感、味の点で小麦澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉の加工澱粉を用いることが更に好ましく、水分とともに加熱され、膨潤・糊化した後も老化しにくいもの、あるいは老化しないものが最も好ましい。かかる澱粉の含有量は0.1〜15重量%の範囲がであり、好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは2〜8重量%である。0.1重量%未満ではフィリング材の保水性あるいは保型性に乏しく、突沸防止効果が不十分であり、一方、15重量%を越えると得られたフィリング材が硬くなりすぎ、ソフトでなめらかな物性が得られないばかりでなく、食感も粉っぽくなりがちである。
【0015】
本発明のフィリング材に使用される乳化剤は、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステルが好ましく使用出来る。グリセリン脂肪酸エステルについては、グリセリン飽和脂肪酸モノエステル、グリセリン不飽和脂肪酸モノエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルなどが例示される。蔗糖脂肪酸エステルについては、蔗糖飽和脂肪酸モノエステル、蔗糖飽和脂肪酸ポリエステル、蔗糖不飽和脂肪酸モノエステル、蔗糖不飽和脂肪酸ポリエステルなどが例示される。これらの中でも、フィリング材の乳化安定性を向上させることにより、フィリング材中の急激な水分蒸発、即ち突沸に関わる遊離水を構造的に封じ込めて系中に保水させる効果、或いは、なめらかさ等、物性向上の点で、グリセリン飽和脂肪酸モノエステル、蔗糖不飽和脂肪酸ポリエステルを用いることがより好ましい。かかる乳化剤の含有量は0.02〜1重量%の範囲であり、好ましくは0.03〜0.6重量%、さらに好ましくは0.05〜0.5重量%である。0.02重量%未満ではフィリング材の乳化安定性に乏しく、突沸防止効果が不十分であり、一方、1重量%を越えると乳化剤特有のえぐ味、苦味等が組成物に出てしまうため、風味の点で好ましくない。
【0016】
本発明のフィリング材に使用することが出来る油脂は、食用に適するものであれば特に限定されないが、例えば、牛脂、ラード、魚油等の動物性油脂、パーム油、菜種油、大豆油、やし油等の植物性油脂が挙げられ、また、それらの硬化油、エステル交換油、分別油等から目的に応じて適宜選択し、これを単独で、あるいは組み合わせて使用することができる。
【0017】
なお、本発明のフィリング材には、上記配合物の他、フィリング材を安定化させるためのグアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、ネイティブジェランガム等の増粘多糖類、風味を向上するための牛乳、脱脂粉乳、バター、発酵乳、ホイップクリーム等の乳製品、唐辛子、コショウ、ナツメグ、マスタード、ジンジャー等の香辛料、食塩、砂糖、醤油、ごま油、ラー油、鰹節、チキンコンソメ、鶏ガラエキス、フォンドボー、チリソース、みりん、ウスターソース、トンカツソース、ケチャップ、酢、酵母エキス、肉エキス、グルタミン酸ソーダ等の調味料、日本酒、赤ワイン、白ワイン、ブランデー等の酒類などが使用できる。また、フィリング材の保水性、保型性を高めたり、食感を改良するため、セルロース及びその誘導体、ポリデキストロース、小麦ふすま、大豆繊維、りんご繊維、さつまいも繊維等の食物繊維、ジェランガム、カードラン、カラギーナン、寒天等のゲル化剤、あるいは小麦粉を油脂中で焙焼したルー製品及びルー製品に予め脱脂粉乳、牛乳等の乳製品を加えて加熱し調製したホワイトソースなども使用することができる。さらに、香料、着色料、酸化防止剤、pH調整剤、日持ち向上剤等も適宜使用することができる。
【0018】
本発明のフィリング材の製造方法は特に限定はなく、例えば、以下の方法で製造することが可能である。ダイスカットしたじゃがいもにみじん切りのタマネギ及びコーンを加えた後、マヨネーズを混合し、そこへ卵白、乳清蛋白質、コラーゲン分解物等の蛋白質、加工澱粉、デキストリン等の澱粉、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル等の乳化剤、砂糖、食塩、グルタミン酸ソーダ等の調味料、日持ち向上剤、コショウ等の香辛料を加えて十分混合した後、ボイル加熱殺菌を行い、本発明のフィリング材を得る。
【0019】
また、フィリング材に対して、乳化剤が油脂中に溶解することにより、反応性が向上し、且つ、粉体類を直接添加した時にダマが生じやすいという課題を克服して作業性も向上する為、蛋白質、澱粉、乳化剤を予め油脂に溶解或いは分散させた油脂組成物を作製しておき、この油脂組成物を、通常フィリング材を作製する際に使用する油脂の一部或いは全量を代替してフィリング材を製造することが好ましい。
【0020】
その際には、油脂組成物中の蛋白質は5〜15重量%が好ましく、更に好ましくは、7〜12重量%である。油脂組成物中の澱粉は、5〜30重量%が好ましく、更に好ましくは、8〜20重量%である。乳化剤は1〜3重量%が好ましく、更に好ましくは、1.2〜2重量%である。これらを油脂に溶解、或いは、分散させ、必要に応じ各種原材料を含有させた油脂組成物をフィリング材100重量%に対して、2〜20重量%、更に好ましくは、3〜12重量%含有させることが好ましい。
【0021】
この様な方法では、例えば以下のようにして製造することができる。まず、油脂中にグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル等の乳化剤を加え、分散、加熱して溶解させた後、急冷し、さらに捏和することによりベース油を得る。次に、このベース油に卵白、乳清蛋白質、コラーゲン分解物等の蛋白質、及び澱粉を混合して油脂組成物を得る。そして、ダイスカットしたじゃがいもにみじん切りのタマネギ及びコーンを加えた後、耐熱性マヨネーズを混合し、得られた油脂組成物を添加し、砂糖、食塩、グルタミン酸ソーダ等の調味料、日持ち向上剤、コショウ等の香辛料を加えて十分混合した後、ボイル加熱殺菌を行い、本発明のフィリング材を得る。
【0022】
以上のようにして得られた本発明のフィリング材は、パン類に挟んだり、内包したり、凹部に入れたり、のせる或いは塗布して、蒸し・フライ等の加熱調理や焼成に供することが出来る。得られるパン類は、フィリング材の突沸が防止されるため、空洞発生や吹きこぼれがなく、しかもソフトでなめらかな食感を有するものである。また、本発明のフィリング材は、パン類のみならず、パイ類、中華饅頭やハンバーグ等の総菜類などの、加熱、焼成工程を経て製造されるものについても使用することが出来る。
【0023】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において部は重量部である。(実施例1〜3、比較例1〜3)
表1に示す配合にしたがって、原材料を順に混合し、耐熱性の袋に充填した後ボイル加熱殺菌を行い、本発明のフィリング材を得た。なお、実施例1、2及び比較例1、2はパンに内包して、実施例3及び比較例3はパンの上部にのせてそれぞれ用いた。
【0024】
【表1】
Figure 0004284885
【0025】
【表2】
Figure 0004284885
(実施例4〜6) 油脂組成物の作製
表3に示す配合にしたがって、精製パーム油にグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル等の乳化剤を加えて、75℃まで加温、溶解し、急冷、捏和により常温でプラスチック状のベース油を得た。このベース油に卵白、乳清蛋白質、コラーゲン分解物等の蛋白質、澱粉を加えて十分混合し、油脂組成物を得た。
【0026】
【表3】
Figure 0004284885
(実施例7〜12)
表4に示す配合にしたがって、原材料を順に混合し、耐熱性の袋に充填した後ボイル加熱殺菌を行い、本発明のフィリング材を得た。なお、実施例7〜9はフィリング材、実施例10〜12はトッピング材としてそれぞれ用いた。
【0027】
【表4】
Figure 0004284885
以上のようにして得られた実施例1〜3、実施例7〜12及び比較例1〜3のフィリング材を用いた使用例を示す。
(実施例13〜17、比較例4、5)
使用例1 調理パン(包あんタイプ:惣菜ドーナツ)
強力粉90部、薄力粉10部、食塩1.5部、上白糖12部、脱脂粉乳2部、イースト3部、卵8部、ショートニング10部、及び水58部を混合し、ミキシング、第一発酵により生地を作成した。この生地50gを用いて、実施例1、2、実施例7〜9及び比較例1、2のフィリング材それぞれ30gを包み、円形に成型した後、水中にくぐらせてパン粉付けし、第二発酵(ホイロ)を行った後180℃にて5分フライし、荒熱をとり調理パン(惣菜ドーナツ)を得た。
【0028】
得られた惣菜ドーナツをポリエチレン製袋に密封して20℃にて1日放置した後包丁にて半分に切断し、生地とフィリング材との空隙の大きさ及び、フィリング材の食感を評価した。評価については、空隙の大きさとフィリング材の食感について、それぞれ記号により◎〜×で表現した。
空隙の大きさ
◎:生地とフィリング材がぴったりとくっついており、空隙が認められない
○:空隙が殆ど認められない
△:空隙が認められるが、さほど大きいとは感じない
×:非常に大きな空隙が認められ、商品性がかなり低い
食感
◎:ソフトでなめらかな食感
○:ややソフトでなめらかな食感
△:ややぼそついた食感
×:ぼそぼそした食感で、なめらかさが無い
評価結果を表5に示した。
【0029】
【表5】
Figure 0004284885
(実施例18〜21、比較例6)
使用例2 調理パン(トッピングタイプ)
強力粉90部、薄力粉10部、食塩1.5部、上白糖10部、脱脂粉乳2部、イースト3部、卵10部、ショートニング15部、及び水50部を混合し、ミキシング、第一発酵により生地を作成した。この生地を円形に成型し、実施例3、実施例10〜12及び比較例3のトッピング材それぞれ30gを生地上にトッピングした後、鉄板上に並べ、第二発酵(ホイロ)を行い、200℃のオーブンにて12分焼成し、調理パンを得た。
【0030】
得られた調理パンについて、パン生地からトッピング材の吹きこぼれ状態、及びトッピング材の食感を評価した。
吹きこぼれ状態
◎:突沸した跡が無く、吹きこぼれが全く認められない
○:吹きこぼれは無いが、トッピング材中に突沸した跡が若干認められる
×:非常に多くの吹きこぼれが認められ、商品性がかなり低い
食感
◎:ソフトでなめらかな食感
○:ややソフトでなめらかな食感
×:ぼそぼそした食感で、なめらかさが無い
評価結果を表6に示した。
【0031】
【表6】
Figure 0004284885
【0032】
【発明の効果】
以上の結果から明らかなように、本発明のフィリング材は、焼成・加熱時の突沸を防止し、空洞発生や吹きこぼれがなく、しかもソフトでなめらかな食感を満足することができる。

Claims (3)

  1. 肉類、魚介類、野菜類、果物類からなる群から選ばれた1種または2種以上の具材を主成分として含んでなる調理済みフィリング類またはカレーフィリング類である焼込用フィリング材であって、蛋白質5〜15重量%、澱粉5〜30重量%、乳化剤1〜3重量%を含有する予め作製した油脂組成物を、フィリング材100重量%中2〜20重量%含有させることにより、蛋白質0.1〜3重量%、澱粉0.1〜6重量%、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステルから選ばれた1種または2種以上の乳化剤0.02〜0.6重量%を必須成分として配合してなる加熱・焼成時に突沸しないことを特徴とするフィリング材。
  2. 蛋白質が、卵蛋白質、小麦蛋白質、大豆蛋白質、血液蛋白質、乳蛋白質、ゼラチン、コラーゲン及びこれら蛋白質の分解物から選ばれた1種または2種以上である請求項1記載のフィリング材。
  3. 澱粉が、加工澱粉、デキストリン類から選ばれた1種または2種以上である請求項1または2記載のフィリング材。
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