JP2016096814A - 固形状乳化調味料及びこれを用いた味付けベーカリー食品の製造方法 - Google Patents

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Yoshinori Matai
美紀 又井
亜衣 岩崎
Ai IWASAKI
亜衣 岩崎
秀明 塩見
Hideaki Shiomi
秀明 塩見
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Abstract

【課題】生地に加えて焼成することにより味付けパン等のベーカリー食品を製造するための固形状乳化調味料であって、少量の調味料でベーカリー食品全体に略均一に簡便に味付けすることができる固形状乳化調味料の提供。【解決手段】野菜、魚介類、肉類から選ばれる一種又は二種以上の細片化処理物、食用油脂、乳化剤、ゼラチン及び食塩を含有し、前記食塩含有量が3〜10%であり、10〜30℃における硬さの測定値が200〜800gであり、大きさ1〜30mmである、固形状乳化調味料。更に、食用油脂が10〜50%含有し、食用油脂に対するゼラチンが10〜80%含有する固形状乳化調味料。生地100部に前記固形状乳化調味料を1〜20部添加する味付けベーカリー食品の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、生地に加えて焼成することにより味付けパン等のベーカリー食品を製造するための固形状乳化調味料であって、少量の調味料でベーカリー食品全体に略均一に簡便に味付けすることができる固形状乳化調味料に関する。また、このような固形状乳化調味料を用いたベーカリー食品の製造方法に関する。
近年の食生活の多様化により、甘いデザート様のパンや、和惣菜を用いた調理パンなど様々なパンを提供することが求められている。このようなパンとしては、ソーセージ等の食材をパンにトッピングしたもの、ソース状、あるいは、固形状食材を生地で包餡したものが多い。また、このようなパンに用いるのに適した食材も種々提案されており、例えば、WO2014/092009公報(特許文献1)には、焼成しても溶解しにくい耐熱性チーズが記載されている。
WO2014/092009公報
このような状況下、本発明者等は、パン生地に直接味付けする方法により、新たな味付けパンを提供することを試みた。そこで、パン生地にバジル味等のソースを加えて混合して焼成したところ、得られたパンはバジルソースがパン生地全体に分散したためかバジル風味が十分に感じられず、好ましいものではなかった。一方、パンを十分にバジル風味に味付けするために、パン生地に多量のバジルソースを加えて焼成したところ、多量のバジルソースによりパンの好ましい物性が損なわれる問題が生じた。
そこで、本発明の目的は、生地に加えて焼成することにより味付けパン等のベーカリー食品を製造するための固形状乳化調味料であって、少量の調味料でベーカリー食品全体に略均一に簡便に味付けすることができる固形状乳化調味料を提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく固形状乳化調味料の様々な配合原料について鋭意研究を重ねた。その結果、野菜、魚介類、肉類から選ばれる一種又は二種以上の食材粉砕物と、特定量の食塩を含有させ、10℃以上30℃以下における硬さを特定範囲となるように、ゼラチンで調整し、さらに特定形状とした固形状乳化調味料を生地に加えて焼成するならば、少量の調味料でベーカリー食品全体に略均一に簡便に味付けすることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)野菜、魚介類、肉類から選ばれる一種又は二種以上の細片化処理物、食用油脂、乳化剤、ゼラチン及び食塩を含有し、
前記食塩含有量が3%以上10%以下であり、
10℃以上30℃以下における硬さの測定値が200g以上800g以下であり、
大きさ1mm以上30mm以下である、
固形状乳化調味料。
(2)(1)記載の固形状乳化調味料において、
食用油脂含有量が10%以上50%以下であり、
前記食用油脂に対するゼラチンの含有量が10%以上80%以下である、
固形状乳化調味料。
(3)(1)又は(2)記載の固形状乳化調味料において、
前記乳化剤として卵黄を含有する、
固形状乳化調味料。
(4)(1)乃至(3)のいずれかに記載の固形状乳化調味料を用いた味付けベーカリー食品の製造方法において、
生地に前記固形状乳化調味料を加え、
次いで、焼成する、
味付けベーカリー食品の製造方法。
(5)(4)の味付けベーカリー食品の製造方法において、
生地100部に前記固形状乳化調味料1部以上20部以下を加える、
味付けベーカリー食品の製造方法。
本発明によれば、生地に加えて焼成することにより味付けパン等を製造するための固形状乳化調味料であって、少量の調味料でベーカリー食品全体に略均一に簡便に味付けすることができる固形状乳化調味料、及びこれを用いたベーカリー食品の製造方法を提供できる。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」、「部」は「質量部」をそれぞれ意味する。
<本発明の固形状乳化調味料の特徴>
本発明の固形状乳化調味料は、野菜、魚介類、肉類から選ばれる一種又は二種以上の細片化処理物、食用油脂、乳化剤、ゼラチン及び食塩を含有し、前記食塩含有量が3〜10%であり、10℃以上30℃以下における硬さの測定値が200g以上800g以下であり、大きさ1mm以上30mm以下であることを特徴とする。このような本発明の固形状乳化調味料は、生地に加えて焼成することにより味付けパン等のベーカリー食品を製造することができ、しかも、少量の調味料でベーカリー食品全体に略均一に簡便に味付けすることができる。
<固形状乳化調味料の硬さの測定値>
本発明の固形状乳化調味料は、10℃以上30℃以下における硬さの測定値が200g以上800g以下である。硬さの測定値が前記範囲より小さい場合には、固形状乳化調味料を生地に加えて混合した時に、生地と均一に混ざってしまうためか、得られる味付けベーカリー食品に味が感じられ難い。一方、硬さの測定値が前記範囲より大きい場合には、生地となじみ難く得られるベーカリー食品中で均一に味付けがし難い。
<硬さの測定方法>
本発明において、上述した固形状乳化調味料の硬さは、次のような手順で測定できる。
なお、10℃以上30℃以下における硬さの測定値が200g以上800g以下であるとは、10℃、20℃、30℃の三温度において硬さの測定値が200g以上800g以下の範囲内であることを意味する。
すなわち、固形状乳化調味料を大きさ1mm以上3mm以下に切り、容積が直径4cm、深さ2cmの円柱状の容器に満杯量充填した後、固形状乳化調味料に対し、プランジャーを下降スピード10mm/秒で20mm進入させ荷重をかけたとき、最大の荷重となる点を算出し、「硬さ」とする。
<測定条件>
・測定装置:テクスチャーアナライザー(Stable Micro Systems社製、Texture Analyzer TA.XT.plus)
・治具:P/20 20mm DIA CYLINDER ALMINIUM
・プランジャー:AD/100(100mm ProbeAdaptor)
・レンジ幅:0〜5kg
・プランジャーの下降スピード:10mm/秒
・モード:Distance
・試料への進入距離:20mm
・測定温度:10℃、20℃、30℃
<固形状乳化調味料の形状>
本発明の固形状乳化調味料は、大きさ1mm以上30mm以下である。大きさが前記範囲より小さい場合には、固形状乳化調味料を生地に加えて混合した時に、生地と均一に混ざってしまうためか、得られる味付けベーカリー食品に味が感じられ難く好ましくない。一方、大きさが前記範囲より大きい場合には、生地となじみ難く得られるベーカリー食品中で均一に味付けがし難い。
<野菜、魚介類、肉類から選ばれる一種又は二種以上の細片化処理物>
細片化処理する野菜、魚介類、肉類としては、特に制限はなく、野菜としては、例えば、バジル、タマネギ、ニンニク、ニンジン、キャベツ、レタス、ジャガイモ等が、魚介類としては、魚、貝、エビ、イカ、タコ等が、肉類としては、鶏肉、牛肉、豚肉、レバー等が挙げられる。細片化処理方法としては、包丁による切断、すり鉢、フードカッター、コロイドミル、マイルダー等の公知の装置を採用することができる。細片化処理条件は、細片化処理対象の食材の種類や状態、細片化処理物の初期の大きさや形状等に応じて、決定することができる。細片化処理物の大きさは、適宜選択すればよいが、ベーカリー食品に味付けがしやすいことから1mm以上5mm以下の大きさであるとよい。また、細片化処理物の固形状乳化調味料に対する含有量は、ベーカリー食品に味付けがしやすいことから、0.5%以上50%以下であることよく、さらに、3%以上30%以下であるとよい。
<食用油脂>
固形状乳化調味料に用いる食用油脂としては、例えば、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油等の植物油の精製油、並びにMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド等の化学的若しくは酵素的処理を施したもの等を使用することができ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。食用油脂の固形状乳化調味料に対する含有量は、固形状乳化調味料を上述の硬さに調整しやすいことから、10%以上60%以下であるとよく、さらに、10%以上40%以下であるとよい。
<乳化剤>
乳化剤としては、生卵黄、殺菌卵黄、リゾ化卵黄等の卵黄類、レシチン、リゾレシチン等のレシチン、オクテニルコハク酸化澱粉等の乳化性澱粉、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、等を用いることができる。中でも、卵黄類を用いると、固形状乳化調味料をパン等に載せて加熱した後でもなめらかな食感が得られやすく好ましい。パン等に載せて加熱した後でも乳化状態を維持しやすいことから、乳化剤の含有量は、固形状乳化調味料全体に対し0.1%以上10%以下であるとよく、さらに2%以上6%以下であるとよい。なお、乳化剤として卵黄を用いる場合には固形分換算で上記の範囲の含有量にするとよい。
<ゼラチン>
本発明のゼラチンとは、動物の皮膚や骨などの結合組織の主成分であるコラーゲンを加熱し、抽出したものであり、蛋白質を主成分とする混合物ある。食用として供されるゼラチンとしては、例えば、市販のブタゼラチン、ウシゼラチン、または魚ゼラチン等が挙げられ、本発明ではこれらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。ゼラチンの固形状乳化調味料に対する含有量は、固形状乳化調味料を上述の硬さに調整しやすいことから、5%以上20%以下であるとよく、さらに、7.5%以上15%以下であるとよい。
<食用油脂に対するゼラチンの含有量>
食用油脂に対するゼラチンの含有量は、食用油脂に対し、ゼラチンが10%以上80%以下であるとよく、さらに10%以上50%以下であるとよい。食用油脂に対するゼラチンの含有量が前記範囲であることにより、固形状乳化調味料を上述の硬さに調整しやすい上に良好な食味が得られやすい。
<食塩>
本発明の固形状乳化調味料には、固形状乳化調味料全体に対して食塩を3%以上10%含有する。食塩含有量が前記範囲よりも少ない場合は、ベーカリー食品に味付けをし難く、前記範囲よりも多い場合は、ベーカリー食品の味付けに均一に味付けがし難い。ベーカリー食品に味付けがしやすいことから、食塩含有量は、3%以上10%以下であり、さらに5%以上8%以下であるとよい。
<澱粉及びガム質>
本発明の固形状乳化調味料には、ゼラチンを含有することにより硬さを調整するが、更に上述の硬さに調整しやすいことから、澱粉あるいはガム質を含有することが好ましく、これらの両方を含有することが好ましくい。澱粉およびガム質の合計含有量は固形状乳化調味料に対して0.01%以上15%以下であることが好ましく、0.05%以上10%以下であることがより好ましく、0.05%以上8%以下であることがさらに好ましい。
前記澱粉としては、例えば、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、これらの澱粉をアルファ化、架橋等の処理を施した加工澱粉、並びに湿熱処理澱粉が挙げられる。加工澱粉としては、食品衛生法で含有物に指定された化学的処理を施された澱粉であって食用として供されるものであれば特に限定するものではなく、例えば、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピル澱粉、リン酸化澱粉、リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いるとよい。
ガム質としては、例えば、キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、タラガム、グアガム、アラビアガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、コンニャクマンナン等が挙げられる
<酸剤>
本発明の固形状乳化調味料には、ベーカリー食品に味付けがしやすいことから酸剤を含有させるとよい。酸剤としては、食酢、クエン酸等の有機酸あるいはレモン果汁等の柑橘果汁等が挙げられる。酸剤により水相のpHを5以下、好ましくはpH3以上5以下の酸性に調整するとよい。
<その他の原料>
本発明の固形状乳化調味料は、本発明の効果を損なわない範囲で各種原料を適宜選択し含有させることができる。例えば、澱粉分解物、デキストリンアルコール、オリゴ糖、オリゴ糖アルコール等の糖類、グルタミン酸ナトリウム、砂糖などの各種調味料、動植物のエキス類、からし粉、胡椒等の香辛料、並びに各種蛋白質やこれらの分解物等が挙げられる。
<固形状乳化調味料の製造方法>
固形状乳化調味料の製造方法としては、上述の原料を含有させ、上述の硬さ及び大きさとする以外は、特に制限はなく、常法に則り製造すればよい。例えば、野菜、魚介類、肉類から選ばれる一種又は二種以上の細片化処理物、乳化剤、ゼラチン及び食塩、さらに、必要に応じて、澱粉、ガム質、酸剤等を均一にした水相原料と、食用油脂等を含む油相原料をミキサー等で粗乳化し、次にコロイドミル等で仕上げ乳化を行い、ゼラチンにより固形状とするために品温0〜15℃、好ましくは品温0〜10℃に冷却して固形状とするとよい。冷却は、例えば、冷却容器としてバット等の型を用いた場合は、乳化調味料を充填したバット等を冷蔵庫等で冷却すればよく、あるいは、冷却容器としてプラスチック製のパウチ等を用いた場合は、これらに乳化調味料を充填後に冷却すればよい。
得られた前記固形状乳化調味料は大きさ1mm以上30mm以下とする。前記大きさに調製する方法としては、特に制限はなく、常法により截断したり粉砕したりして調製すればよい。例えば、一般的に使用されるダイサー等の食品用の截断機で截断したり、チョッパーやフードカッター等で粉砕したりすればよい。
<味付けベーカリー食品の製造方法>
本発明の味付けベーカリー食品の製造方法は、生地に上述した固形状乳化調味料を加え、
次いで、焼成することを特徴とする。このような本発明の味付けベーカリー食品の製造方法によれば、少量の調味料でベーカリー食品全体に略均一に簡便に味付けすることができる。
<ベーカリー食品>
本発明のベーカリー食品としては、小麦粉を主原料とした生地を焼成したものであれば特に制限は無く、例えば、パン、ピザ、ドーナッツ、パイ、ナン、ホットケーキ、ケーキ等が挙げられる。発酵させた生地を焼成したベーカリー食品は、発酵した生地を焼成することによるベーカリー食品特有の食感を損なわずに、ベーカリー食品全体に略均一に簡便に味付けすることが困難であるが、本発明によれば、少量の調味料でベーカリー食品全体に略均一に簡便に味付けすることができることから、本発明は、発酵させた生地を焼成したベーカリー食品において好適に実施できる。
<生地>
生地としては、小麦粉を主原料とし、バター等の脂質類、砂糖等の糖類、ベーキングパウダー等の膨張剤、レシチン等の乳化剤、卵、塩、イースト等の原料を常法により配合混捏し、必要に応じて発酵させた生地を言う。
<生地に固形状乳化調味料を加える工程>
本発明の味付けベーカリー食品の製造方法は、まず、生地に上述した固形状乳化調味料を加える。生地に固形状乳化調味料を加える方法は、特に制限はないが、ミキサー等の撹拌混合装置に生地と固形状乳化調味料を加えて生地の物性が損なわれないような撹拌速度と時間で撹拌混合すればよい。本発明の固形状乳化調味料は、10℃以上30℃以下における硬さの測定値が200g以上800g以下であり、大きさ1mm以上30mm以下であることから、生地の物性が損なわれないような撹拌速度と時間で撹拌混合するだけで、生地全体に簡便に分散させることができる。
<生地に対する固形状乳化調味料の割合>
前記固形状乳化調味料は、生地100部に対し1部以上20部以下、さらに、生地100部に対し1部以上10部以下を加えるとよい。これにより、生地の物性が損なわれないような撹拌速度と時間で撹拌混合するだけで、生地全体に簡便に分散させるやすく、しかも、得られたベーカリー食品全体に略均一に簡便に味付けしやすくなる。
<焼成する工程>
固形状乳化調味料を加えた生地を焼成する方法は、特に制限は無く、常法により、オーブン等で焼成すればよい。本発明の固形状乳化調味料は、野菜、魚介類、肉類から選ばれる一種又は二種以上の細片化処理物、食用油脂、乳化剤、ゼラチン、及び特定量の食塩を含むことから、生地に対して、少量の固形状乳化調味料を加えて焼成するだけで固形状乳化調味料が焼成中に生地となじみ、ベーカリー食品全体に略均一に簡便に味付けしやすくなる。
以下、本発明の固形状乳化調味料の製造方法について、実施例、試験例及び比較例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[実施例1]
<固形状乳化調味料の調製>
醸造酢、ゼラチン、食塩、液卵黄、バジル粉砕物及びキサンタンガム、α化澱粉を、下記に示した配合割合で清水に溶解させて水相を得た。なお、ゼラチンは、あらかじめ清水原料の一部の品温60℃の清水に溶解させてから配合した。次に、下記に示した配合割合で油相原料を徐々に添加して粗乳化し、更にコロイドミルに通して仕上げ乳化し、固形状乳化調味料を得た。続いて、得られた乳化調味料を200g容量のパウチに150gずつ充填し、品温10℃以下に冷却して凝固させた。続いて、冷却後の固形状乳化調味料を3辺が3mm、3mm、20mmの直方体にカットし、本願発明の固形状乳化調味料を得た。なお、固形状乳化調味料の品温10℃、20℃、30℃における硬さを測定したところ、いずれも200g以上800g以下であった。
<配合割合>
(水相原料)醸造酢(酸度4%) 20%
ゼラチン 10%
食塩 5%
液卵黄 5%
バジル粉砕物 5%
キサンタンガム 0.4%
α化澱粉 0.2%
清水 残余
(油相原料)植物油 30%
―――――――――――――――――――――――――――――――
合 計 100%
<調理パンの調製>
得られた固形状乳化調味料50gと、常法により調製したパン生地500gをミキサーで低速で5分間混合してパン生地に固形状乳化調味料を練り込んだ。次に、固形状乳化調味料を加えたパン生地をオーブントースターで200℃で5分間加熱し、味付き調理パンを得た。この操作を3回行い、3個の味付き調理パンを得た。得られた3個の味付き調理パンは、生地の中心部と端部のいずれにおいても、固形状乳化調味料の味がしっかり感じられ、大変好ましかった。
[実施例2]
実施例1において、α化澱粉を配合せず、キサンタンガムの配合量を0.4%から0.1%に変更した以外は実施例1と同様にして固形状乳化調味料を調製した。なお、固形状乳化調味料の品温10℃、20℃、30℃における硬さを測定したところ、いずれも200g以上800g以下であった。
得られた固形状乳化調味料を用いて実施例1と同様に3個の味付き調理パンを得た。得られた3個の味付き調理パンは、生地の中心部と端部のいずれにおいても、固形状乳化調味料の味がしっかり感じられ、大変好ましかった。
[実施例3]
実施例1において、配合原料のバジル粉砕物をアンチョビ粉砕物(食塩含有量15%)に変更し、食塩を4%に変更した以外は、実施例1と同様にして本願発明の、固形状乳化調味を得た。
なお、固形状乳化調味料の品温10℃、20℃、30℃における硬さを測定したところ、いずれも200g以上800g以下であった。
得られた固形状乳化調味料を用いて実施例1と同様に3個の味付き調理パンを得た。得られた3個の味付き調理パンは、生地の中心部と端部のいずれにおいても、固形状乳化調味料の味がしっかり感じられ、大変好ましかった。
[比較例1]
実施例1において、配合原料をゼラチン10%の代わりに寒天1%に変更した以外は、実施例1と同様にして本願発明の、固形状乳化調味を得た。
なお、固形状乳化調味料の品温10℃、20℃、30℃における硬さを測定したところ、いずれも200g以上800g以下であった。
得られた固形状乳化調味料を用いて実施例1と同様に3個の味付き調理パンを得た。得られた3個の味付き調理パンは、3個全てのパンで生地の中心部と端部のいずれかにおいて、固形状乳化調味料の味が感じられず、好ましくなかった。
[比較例2]
実施例1において、固形状乳化調味料の大きさを1mm未満にカットした以外は、実施例1と同様にして本願発明の、固形状乳化調味を得た。
なお、固形状乳化調味料の品温10℃、20℃、30℃における硬さを測定したところ、いずれも200g以上800g以下であった。
得られた固形状乳化調味料を用いて実施例1と同様に3個の味付き調理パンを得た。得られた3個の味付き調理パンは、3個全てのパンで生地の中心部と端部のいずれかにおいて、固形状乳化調味料の味が感じられず、好ましくなかった。
[比較例3]
実施例1において、固形状乳化調味料を3辺が3mm、3mm、40mmの直方体にカットした以外は、実施例1と同様にして本願発明の、固形状乳化調味を得た。
なお、固形状乳化調味料の品温10℃、20℃、30℃における硬さを測定したところ、いずれも200g以上800g以下であった。
得られた固形状乳化調味料を用いて実施例1と同様に3個の味付き調理パンを得た。得られた3個の味付き調理パンは、3個全てのパンで生地の中心部と端部のいずれかにおいて、固形状乳化調味料の味が感じられず、好ましくなかった。
[比較例4]
実施例1において、配合原料のバジル粉砕物を含まないように変更した以外は、実施例1と同様にして本願発明の、固形状乳化調味を得た。
なお、固形状乳化調味料の品温10℃、20℃、30℃における硬さを測定したところ、いずれも200g以上800g以下であった。
得られた固形状乳化調味料を用いて実施例1と同様に3個の味付き調理パンを得た。得られた3個の味付き調理パンは、3個全てのパンで生地の中心部と端部のいずれかにおいて、固形状乳化調味料の味が感じられず、好ましくなかった。
[試験例1]
実施例1において、固形状乳化調味料の配合原料と配合割合を表1に記載のように変更した以外は実施例1と同様にして6種類の固形状乳化調味料を得た(No.1〜6)。得られた固形状乳化状調味料について、それぞれ10℃、20℃、30℃における硬さを測定しそれぞれ以下基準で評価した。さらに得られた各固形状乳化調味料を用いて、下記方法で調理パン調製して味付けを評価した。結果を表1に示す。
<固形状乳化調味料の10℃以上30℃以下における硬さの測定値の評価基準>
A:200g以上800g以下
B:200g未満
C:800g超
D:A、B、C以外
<調理パンの味付けの評価方法>
各固形状乳化調味料(No.1〜6)を用いて実施例1と同様にして6種類の調理パンをそれぞれ3個ずつ調製した。得られた調理パンを喫食し、下記基準で呈味の評価、味付けの偏りの評価、味付けの総合評価を行った。
具体的には、調理パンを3分割し、パン中心部と端部のそれぞれについて喫食して呈味の評価を行った。これら中心部と端部の呈味の評価結果をもとに味付けの偏りの評価を行った。次に、同じ固形状乳化調味料を用いた同種類の調理パン2個の評価についても同様に味付けの偏りの評価を行った。続いて、これら3個の調理パンの味付けの偏りの評価を下記味付けの総合評価基準により評価した。なお、下記の味付けの評価基準の1個目、2個目、3個目とは、同じ固形状乳化調味料を用いた3個のパンを表す。
<呈味の評価基準>
a:固形状乳化調味料の味がしっかり感じられ、大変好ましい。
b:固形状乳化調味料の味がやや薄いが、問題のない程度であり、好ましい。
c:固形状乳化調味料の味が感じられず、好ましくない。
<味付けの偏りの評価基準>
A:調理パンの中心部と端部のいずれもa評価である。
B:調理パンの中心部と端部のいずれか一方がa評価であり、他方がb評価である。
C:調理パンの中心部と端部のいずれか一方がc評価であり、他方がa評価又はbの評価である。
D:調理パンの中心部と端部のいずれもc評価である。
<味付けの総合評価基準>
◎:1個目、2個目、3個目のいずれもAの評価であり、大変好ましい。
〇:1個目、2個目、3個目のいずれかにBの評価を1つ以上含み、かつC及びDの評価を1つも含まず、好ましい。
×:上記以外であり、好ましくない。












Claims (5)

  1. 野菜、魚介類、肉類から選ばれる一種又は二種以上の細片化処理物、食用油脂、乳化剤、ゼラチン及び食塩を含有し、
    前記食塩含有量が3%以上10%以下であり、
    10℃以上30℃以下における硬さの測定値が200g以上800g以下であり、
    大きさ1mm以上30mm以下である、
    固形状乳化調味料。
  2. 請求項1記載の固形状乳化調味料において、
    食用油脂含有量が10%以上50%以下であり、
    前記食用油脂に対するゼラチンの含有量が10%以上80%以下である、
    固形状乳化調味料。
  3. 請求項1又は2記載の固形状乳化調味料において、
    前記乳化剤として卵黄を含有する、
    固形状乳化調味料。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の固形状乳化調味料を用いた味付けベーカリー食品の製造方法において、
    生地に前記固形状乳化調味料を加え、
    次いで、焼成する、
    味付けベーカリー食品の製造方法。
  5. 請求項4記載の味付けベーカリー食品の製造方法において、
    生地100部に前記固形状乳化調味料1部以上20部以下を加える、
    味付けベーカリー食品の製造方法。
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