JP2014082994A - バッター液用粉末組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】具材と衣の結着性が良好で、軟らかくジューシーなフライ食品が得られる、バッター液用粉末組成物を提供する。
【解決手段】乾燥卵白、乾燥卵黄、及び油脂加工澱粉を含有するバッター液用粉末組成物であって、
前記乾燥卵白の含有量が35〜60%、卵白1部に対する卵黄の含有量が0.1〜0.5部であることを特徴とするバッター液用粉末組成物。
【選択図】なし
Description
前記乾燥卵白の含有量が30〜60%、乾燥卵白1部に対する乾燥卵黄の含有量が0.1〜0.7部であるバッター液用粉末組成物によれば、具材と衣の結着性が良好で、且つ軟らかくジューシーなフライ食品を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)乾燥卵白、乾燥卵黄及び油脂加工澱粉を含有するバッター液用粉末組成物であって、
前記乾燥卵白の含有量が30〜60%、乾燥卵白1部に対する乾燥卵黄の含有量が0.1〜0.7部であることを特徴とするバッター液用粉末組成物、
(2)請求項1のバッター液用粉末組成物を用いるフライ食品、
である。
これにより、フライ食品の市場拡大が見込まれる。
前記乾燥卵白の含有量が30〜60%、卵白1部に対する卵黄の含有量が0.1〜0.7部であることを特徴とする。当該バッター液用粉末組成物によれば、具材と衣の結着性が良好で、且つ軟らかくジューシーなフライ食品を得ることができる。
また、本発明のバッター液用粉末組成物によれば、打ち粉をすることなく、本発明の粉末組成物を水溶きしたバッター液に具材を直接付着させるだけで、具材と衣の結着性が良好で、且つ軟らかくジューシーなフライ食品を得ることができるため、簡便性にも優れるものである。
通常、脂質分の多い具材の場合、具材と衣の結着性が特に悪くなる傾向にあるが、本発明のバッター液用粉末組成物によれば、脂質分の多い具材(例えば畜肉類)であっても、結着性が良好であるため畜肉類等の具材は好適である。
乾燥卵白の水戻しpHが8.5未満であると、具材と衣との結着性が悪い場合があるため、好ましくない。また、上限値は特に限定されないが、pH10.7以下が好ましい。ここで、水戻しpHとは、乾燥卵白を固形分換算で12.5%となるように清水を添加し溶解した卵白液のpHをいい、この溶解した卵白液のpHをpHメーターで測定した値のことである。
油脂加工澱粉に用いる原料としての、澱粉類は、コーンスターチ、米澱粉、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、ワキシー澱粉、及びそれらの加工澱粉が挙げられ、油脂類は、一般的な食用油脂であればいずれでも用いることができる。また、乳化剤は、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチンなどが挙げられる。
更に、油脂加工澱粉中の油脂の含有量は、澱粉類100部に対し、油脂を0.01〜2部混合させるのが好ましい
また、本発明のフライ食品は、該バッター液用粉末組成物を清水で溶かしてバッター液を調製し、調製したバッター液に豚肉などの具材を浸漬させてバッター液を付着させた後、必要な場合はパン粉を付着させて170〜200℃の油で油ちょうし、フライ食品を製造することができる。
なお、バッター液を調製する際は、料理によって清水の量を適宜調製することができるが、例えば本発明のバッター液用粉末組成物1部に対し、2〜5倍量の清水を混合して、好ましい粘度に調製することができる。
下記配合表1に従って、
油脂加工澱粉、乾燥卵白(水戻しpH9.0)、乾燥卵黄、卵殻粉、キサンタンガムを粉体混合して、本発明のバッター液用粉末組成物を製した。
乾燥卵白(水戻しpH9.0) 45%
乾燥卵黄 15%
卵殻粉 8%
キサンタンガム 0.5%
油脂加工澱粉 残余
――――――――――――――――――――
合計 100%
乾燥卵白の含有量を45%から25%に変更し、差分を油脂加工澱粉で調整した以外は、実施例1に準じてバッター液用粉末組成物を製した。
乾燥卵白の含有量を45%から65%に変更し、差分を油脂加工澱粉で調整した以外は、実施例1に準じてバッター液用粉末組成物を製した。
乾燥卵黄を除き、差分を油脂加工澱粉で調整した以外は、実施例1に準じてバッター液用粉末組成物を製した。
油脂加工澱粉を湿熱処理澱粉(コーンスターチ)に置き換えた以外は、実施例1に準じてバッター液用粉末組成物を製した。
実施例1、及び比較例1〜4のバッター液用粉末組成物を用いて、フライ食品を製し、本発明の効果を有するか調べた。具体的には、(1)(2)の手順に沿って行った。結果は表1に示す。
(1)フライ食品の製造(とんかつ)
各バッター液用粉末組成物1部に対して、3倍量の清水を加えて撹拌混合し、バッター液を調製した。次いで、豚肉(ロース)を、得られたバッター液に付着させた後、パン粉を付着させて−20℃で3日間冷凍保存し、油ちょう前の冷凍フライ食品を調製した。次いで、調製した冷凍フライ食品を175℃で6分間油ちょうし、フライ食品(とんかつ)を製した。
(2)評価
得られたフライ食品(とんかつ)を2cm間隔でカットし、断面を観察し、具材と衣の結着性を評価した。また、カットしたフライ食品(とんかつ)を喫食し、食感について官能評価を行った。
結着性の評価
○:具材と衣とがしっかりと結着しており、隙間が観察されなかった。
△:具材と衣の間に若干隙間のある箇所が観察されるが、
問題ない程度であった。
×:具材と衣の間に複数個所隙間が観察された。
食感の評価
○:軟らかくジューシーな食感であった。
△:軟らかさ・ジューシー感が若干損なわれているが、問題ない程度であった。
×:具材又は衣が固く、ジューシー感が損なわれていた。
乾燥卵白に対する乾燥卵黄の含有量による、本発明の効果への影響を調べた。具体的には、下記表2の「乾燥卵白及び乾燥卵黄の含有量」に従って、バッター液用粉末組成物を製した。なお、差分は油脂加工澱粉で調整した。
次いで、試験例1(1)に従って、No.1〜4のバッター液用粉末組成物を用いてフライ食品(とんかつ)を製造し、評価は試験例1(2)に準じて行った。結果は表2に示す。
乾燥卵白の含有量を45%から35%に変更し、乾燥卵黄の含有量を15%から20%に変更し、差分を油脂加工澱粉で調製した以外は、実施例1に準じて、本発明のバッター液用粉末組成物を製した。
乾燥卵白の含有量を45%から55%に変更し、乾燥卵黄の含有量を15%から12%に変更した以外は、実施例1に準じて本発明のバッター液用粉末組成物を製した。
下記配合表2に従って、
乾燥卵白、乾燥全卵、油脂加工澱粉、卵殻粉、キサンタンガムを粉体混合して、本発明のバッター液用粉末組成物を製した。なお、下記原料を配合したバッター液用粉末組成物中の乾燥卵白の含有量は49.5%であり、乾燥卵黄の含有量は22%であった。
乾燥卵白(水戻しpH8.5) 38.5%
乾燥全卵(卵黄:卵白=2:1) 33%
卵殻粉 8%
キサンタンガム 0.5%
油脂加工澱粉 20%
――――――――――――――――――――――――
合計 100%
下記配合表3に従って、
乾燥卵白、乾燥卵黄、油脂加工澱粉、卵殻粉、キサンタンガムを粉体混合して、本発明のバッター液用粉末組成物を製した。
乾燥卵白(水戻しpH9.5) 30%
乾燥卵黄 6.5%
卵殻粉 8%
キサンタンガム 0.5%
油脂加工澱粉 55%
――――――――――――――――――――――
合計 100%
下記配合表4に従って、
乾燥卵白、乾燥卵黄、油脂加工澱粉、卵殻粉、キサンタンガムを粉体混合して、本発明のバッター液用粉末組成物を製した。
乾燥卵白(水戻しpH7.5) 30%
乾燥卵黄 9.5%
キサンタンガム 0.5%
油脂加工澱粉 60%
――――――――――――――――――――――
合計 100%
実施例2〜6で製したバッター液用粉末組成物を用いて、白身魚のフライを製した。具体的には、各バッター液用粉末組成物1に対して、3倍量の清水を加えて、均一なるまで混合撹拌し、バッター液を調製した。次いで、タラの切り身を具材とし、この具材に調整したバッター液を付着させ、次いで、パン粉を付着させて−20℃の冷凍庫で冷凍し、油ちょう前の冷凍白身魚フライを製造した。次いで、調製した冷凍白身魚フライ食品を175℃で3分間油ちょうし、フライ食品(白身魚フライ)を製した。
実施例3で製したバッター液用粉末組成物を用いて、サツマイモの天ぷらを製した。具体的には、各バッター液用粉末組成物を1に対して、1.5倍量の清水を加えて、均一になるまで撹拌混合し、バッター液を調製した。次いで、1cm幅のサツマイモを具材とし、この具材に調製したバッター液を付着させた。これを180℃で2分30秒間油ちょうし、フライ食品(さつまいもの天ぷら)を製した。
Claims (2)
- 乾燥卵白、乾燥卵黄及び油脂加工澱粉を含有するバッター液用粉末組成物であって、
前記乾燥卵白の含有量が30〜60%、乾燥卵白1部に対する乾燥卵黄の含有量が0.1〜0.7部であることを特徴とするバッター液用粉末組成物。 - 請求項1のバッター液用粉末組成物を用いることを特徴とするフライ食品。
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