JP6738503B1 - 油ちょう用冷凍食品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】具材表面にバッター生地を付着させた後に油ちょうせずとも具材表面からのバッター生地の流れ落ち及びそれによる衣の形崩れが効果的に防止される油ちょう用冷凍食品及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の油ちょう用冷凍食品は、油ちょう用具材と、該具材を被覆するバッター生地とを有する油ちょう用冷凍食品であって、当該バッター生地がヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を含む。本発明の油ちょう用冷凍食品の製造方法は、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を含むバッター生地を油ちょう用具材に付着させた後、冷凍する工程を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、油ちょう用冷凍食品及びその製造方法に関する。
天ぷらやフリッター等の衣付きの油ちょう食品は、液状のバッター生地を油ちょう用具材表面に付着させて油ちょうするものである。この油ちょう食品は、バッター生地を油ちょう用具材表面に付着させた状態で冷凍すると、冷凍中に具材からバッター生地が流れ落ちるなど、流動状のバッター生地が変形する。このため、得られた冷凍品を油ちょうしても衣の形崩れが甚だしいほか、具材が揚げ油と直接接触した状態となりパンクの原因となる等、満足な形状及び食感の衣を有する油ちょう食品が得られない。
前記の理由から従来、天ぷらやフリッター等の衣付き油ちょう食品の冷凍品を得る際には、バッター生地を具材に付着させた直後に油ちょうし、その油ちょう品を冷凍することが一般的である(特許文献1および2)。
特開昭59−59181号公報 特開2000−262249号公報
しかしながら、特許文献1および2に記載されたような、従来の油ちょう済み冷凍品は、これを油ちょうすると、得られる油ちょう食品において、衣に穴あきや破裂が生じてしまうほか、具材の水分が低減して具材が小さくなるなどの課題があった。またバッターの構成、加熱時間等によっては、過加熱により得られる油ちょう食品の具材が硬くなるほか、衣が硬くなり、具材の柔らかな食感や衣のサクサクした食感に欠ける場合があった。このように従来の技術においては、油ちょう食品の良好な外観と食感を両立しがたいものであった。
従って本発明の課題は、具材表面にバッター生地を付着させた後に油ちょうせずとも具材表面からのバッター生地の流れ落ち及びそれによる油ちょう食品の衣の形崩れが効果的に防止される油ちょう用冷凍食品及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、油ちょうせずに冷凍した場合においても流れ落ちを抑制できるバッター生地の組成について鋭意検討した。その結果、特定の加工澱粉を用いることで、前記課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、油ちょう用具材と、該具材を被覆するバッター生地とを有する油ちょう用冷凍食品であって、当該バッター生地がヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を含む、油ちょう用冷凍食品を提供するものである。
また本発明は、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を含むバッター生地を油ちょう用具材に付着させた後、冷凍する工程を含む、油ちょう用冷凍食品の製造方法を提供するものである。
本発明により、具材表面にバッター生地を付着させた後に油ちょうせずとも具材表面からのバッター生地の流れ落ち及びそれによる油ちょう食品の衣の形崩れが効果的に防止される油ちょう用冷凍食品及びその製造方法が提供される。
図1は、実施例1におけるバッター生地の付着後、冷凍前の具材の写真である。 図2は、実施例2におけるバッター生地の付着後、冷凍前の具材の写真である。 図3は、実施例3におけるバッター生地の付着後、冷凍前の具材の写真である。 図4は、実施例4におけるバッター生地の付着後、冷凍前の具材の写真である。 図5は、実施例5におけるバッター生地の付着後、冷凍前の具材の写真である。 図6は、実施例6におけるバッター生地の付着後、冷凍前の具材の写真である。 図7は、比較例1におけるバッター生地の付着後、冷凍前の具材の写真である。 図8は、実施例7におけるバッター生地の付着後、冷凍前の具材の写真である。 図9は、実施例8におけるバッター生地の付着後、冷凍前の具材の写真である。 図10は、実施例9におけるバッター生地の付着後、冷凍前の具材の写真である。 図11は、実施例10におけるバッター生地の付着後、冷凍前の具材の写真である。 図12は、実施例11におけるバッター生地の付着後、冷凍前の具材の写真である。 図13は、実施例12におけるバッター生地の付着後、冷凍前の具材の写真である。 図14は、実施例13で得られた油ちょう用冷凍食品の写真である。 図15は、実施例13で得られた油ちょう食品の写真である。 図16は、実施例14で得られた油ちょう用冷凍食品の写真である。 図17は、実施例14で得られた油ちょう食品の写真である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明の油ちょう用冷凍食品は、油ちょう用具材と、該具材を被覆するバッター生地とを有する油ちょう用冷凍食品であって、当該バッター生地がヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を含む。
油ちょう用具材としては、魚介類、野菜類、果物類、海藻類、食肉、卵類又は加工食品が挙げられる。魚介類としては、魚類、貝類、エビ類、カニ類、タコ類、イカ類等が挙げられる。野菜類としては、ねぎ、オニオン、ごぼう、人参、かぼちゃ、ほうれん草、かぼちゃ、なす、シシトウ、アスパラガス、ピーマン、グリーンピース、コーン、れんこん、アボカド、さつまいも、じゃがいも、タラノメ、ウド、マイタケ、マツタケ、エノキ、シイタケ等が挙げられる。果物類としては、りんご、イチジク、バナナ、いちご、柿等が挙げられる。海藻類としては、ワカメ、ノリ、モズク、ヒジキ等が挙げられる。食肉としては、鶏肉のほか、牛肉や豚肉等の畜肉、クジラ肉等が挙げられる。加工食品としては、練り物、納豆、チーズ、菓子類等が挙げられる。油ちょう用具材は、生鮮品であっても、加熱品であってもよい。油ちょう用具材としては魚介類、野菜類及び食肉類が一般的な天ぷら具材として好ましい。
油ちょう用冷凍食品は、油ちょう用具材とバッター生地との界面に打ち粉を有するものであってもよい。打ち粉は、バッター生地と具材との接着剤の役目を果たし、油ちょう時に具材からバッター生地が剥がれにくくなる。打ち粉としては、小麦粉、澱粉、加工澱粉が挙げられる。澱粉類としては、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉が挙げられる。加工澱粉としては、これらの澱粉にα化、エーテル化、エステル化、架橋及び酸化から選ばれる1種又は2種以上の処理を施したものが挙げられる。
油ちょう用冷凍食品における打ち粉の量は、具材100質量部に対して、通常3質量部以上であり、前記の接着剤の効果を得る点や粉っぽさを抑制する点から、3質量部以上18質量部以下であることが好ましい。打ち粉は通常、バッター生地と接触させることで、バッター生地から移行する水分を含むが、ここでいう打ち粉の量にはバッター生地から移行する水分の量は含まない。
バッター生地は、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉及び水を含有するものである。ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉はヒドロキシプロピル基が澱粉に導入されていることにより、水を保持しやすくバッター生地に粘性を与え、それによりバッター生地の具材からの流れ落ちや具材を被覆するバッター生地の変形が効果的に防止される。またヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉はリン酸架橋構造を有することで冷凍耐性を有し、冷凍状態で油ちょうする際に衣の形状が安定しやすいと考えられる。ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉は、例えば、澱粉に対し、トリメタリン酸ナトリウム又はオキシ塩化リンでエステル化してリン酸による架橋構造を形成する処理と、酸化プロピレンでエーテル化させてヒドロキシプロピル基を導入する処理とを行うことで得られる。
ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉はその由来に限定されない。ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉の原料澱粉としては例えば、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱等が挙げられるが、ワキシーコーンスターチ又はタピオカ澱粉由来であることがヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉の入手容易性の点で好ましい。タピオカ澱粉とはキャッサバ由来の澱粉をいう。ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉の由来は一種の澱粉であってもよく二種以上の澱粉であってもよい。
バッター生地中、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉の量は0.3質量%以上であることがバッター生地の具材からの流れ落ちをより防止しやすい点で好ましく、1.5質量%以上であることが特に好ましい。またバッター生地中、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉の量は6.5質量%以下であることが生地の粘度を一定以下として、生地を取り扱いしやすい点で好ましい。これらの観点から、バッター生地中、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉の量は2.0質量%以上4.0質量%以下であることがより好ましい。
また前記と同様の観点から、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉の量は、バッター生地の固形分中、0.5質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上60.0質量%以下であることがより好ましく、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが更に好ましく、5.0質量%以上15.0質量%以下であることが特に好ましい。本明細書中での固形分とはバッター生地から水分及び油脂分を除いた量を指す。
バッター生地中の水分量は通常45質量%以上であり、47質量%以上であることが好ましく、特に本発明では54.5質量%以上であることが、粉っぽさの少ない食感の衣となる点で一層好ましい。本発明ではヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を含有することで水分量をこの下限以上含有しても、具材から流れ落ちのないバッター生地を得ることができる。またバッター生地中の水分量は90.0質量%以下、特に86.5質量%以下であることが、生地の粘度を高めやすく、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を用いることによるバッター生地の具材からの流れ落ちの防止効果を一層高めることができる点で好ましい。これらの観点から、バッター生地中の水分量は58.0質量%以上71.0質量%以下であることが最も好ましい。冷凍食品のバッター生地中の水分量は加熱乾燥法の方法で測定することができる。
バッター生地は澱粉及び加工澱粉以外の増粘剤を更に含むことが、バッター生地の具材からの流れ落ちの防止効果を一層高める点で好ましい。そのような増粘剤としては、キサンタンガム、アラビアガム、ジェランガム、ペクチン、カラギーナン、セルロース、デキストリンが挙げられ、中でもキサンタンガムが、粘性が高く好ましい。
バッター生地中、澱粉及び加工澱粉以外の増粘剤の量は0.04質量%以上であることが増粘剤を添加することによるバッター生地の増粘効果を高める点で好ましく、0.07質量%以上であることがより好ましい。また、澱粉及び加工澱粉以外の増粘剤量はバッター生地中、0.35質量%以下であることが、得られる油ちょう食品に異味を感じさせない点で好ましく、0.15質量%以下であることがより好ましい。
また前記と同様の観点から、バッター生地中の澱粉及び加工澱粉以外の増粘剤の量は、バッター生地の固形分中、0.10質量%以上1.0質量%以下であることが好ましく、0.15質量%以上0.30質量%以下であることが特に好ましい。
バッター生地中には、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉以外の加工澱粉を含有することが、得られる油ちょう食品における衣の食感や物性を一層所望のものとしやすい点で好ましい。加工澱粉としては上述した通り、澱粉にα化、エーテル化、エステル化、架橋、酸化等の処理を施したものが挙げられる。例えば、バッター生地は、酸化澱粉を含有することが油ちょう食品の衣においてサクサクとした天ぷら様の食感が得やすい点で好ましい。酸化澱粉は、澱粉における水酸基が結合した炭素の一部をカルボキシル基(カルボニル基)に酸化する処理により得られ、澱粉の鎖の一部が切断されて低分子化している。酸化澱粉製造のための酸化剤には一般に次亜塩素酸ナトリウムが使用される。酸化澱粉の由来としては限定されず、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉等が挙げられるが、入手容易性の点から、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉が好ましい。
酸化澱粉としては前述した水酸基が結合した炭素の一部をカルボキシル基化する酸化処理以外の置換処理や修飾処理がなされているもの、例えばアセチル化酸化澱粉等も知られている。本発明で用いる酸化澱粉はそのような酸化処理以外の置換又は修飾がなされているものを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよいが、含まないことが酸化澱粉の入手容易性等の点で好ましい。なお下記の実施例において、単に酸化澱粉という場合、アセチル化等の酸化処理以外の置換又は修飾処理は行われていない酸化澱粉を指す。
バッター生地が酸化澱粉を含有する場合、その量は、バッター生地の固形分中、19.5質量%以上、特に20.0質量%以上であることが、酸化澱粉を使用することによる食感向上の点で好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、とりわけ45質量%以下であることがヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉等の他の加工澱粉の含有量を十分なものとする点で好ましい。この観点からバッター生地中の酸化澱粉の量はバッター生地の固形分中、36.5質量%以上42質量%以下であることが更に一層好ましく、36.5質量%以上41質量%以下であることが最も好ましい。
バッター生地は、リン酸架橋澱粉を含有することが、油ちょうの際にバッター生地が吸油しすぎることを防止する点や食感向上の点で好ましい。特にバッター生地は酸化澱粉とリン酸架橋澱粉を組み合わせて含有すると、酸化澱粉を含有することによる吸油しやすさをリン酸架橋澱粉により抑制してサクサクした食感を良好に得やすい点で好ましい。ここでいうリン酸架橋澱粉はヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を除くものである。本発明においてリン酸架橋澱粉は、アセチル化リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉等のリン酸架橋処理以外の置換又は修飾処理を施されたリン酸架橋澱粉を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよいが、含まないことがリン酸架橋澱粉の入手容易性等の点で好ましい。なお下記の実施例において、単にリン酸架橋澱粉という場合、アセチル化等のリン酸架橋処理以外の置換又は修飾処理は行われていないリン酸架橋澱粉を指す。
バッター生地がリン酸架橋澱粉を含有する場合、その量は、バッター生地の固形分中、15.0質量%以上、特に15.5質量%以上であることが、リン酸架橋澱粉を使用することによる食感向上の点で好ましく、40質量%以下、特に35質量%以下であることが、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉等の他の加工澱粉の含有量を十分なものとする点で好ましい。この観点からリン酸架橋澱粉の量はバッター生地の固形分中、28.5質量%以上32質量%以下であることがより一層好ましく、28.5質量%以上31質量%以下であることが最も好ましい。
バッター生地は、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、酸化澱粉及びリン酸架橋澱粉以外のその他の加工澱粉や未加工澱粉、穀粉類を含有していてもよい。穀粉類としては、上述した澱粉類における穀粉由来のもののほか、小麦粉、コーンフラワー、米粉などが挙げられる。バッター生地の固形分中、前記のその他の加工澱粉や未加工澱粉、穀粉類の量は合計で7.0質量%以上であることが、食感向上の観点で好ましく、20.0質量%以下であることが、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、酸化澱粉及びリン酸架橋澱粉等の上述した加工澱粉の量を高めることができる点で好ましい。この観点から、前記のその他の加工澱粉や未加工澱粉、澱粉以外の穀粉類の量は合計でバッター生地の固形分中、7.5質量%以上18.0質量%以下であることがより好ましく、13.5質量%以上16.0質量%以下であることが更に一層好ましく、13.5質量%以上15.5質量%以下であることが最も好ましい。特に、バッター生地が、小麦粉やコーンフラワー等の穀粉を含有することは食感向上、骨格形成の観点で好ましい。
バッター生地は、油脂を含有していることが、油ちょう食品がサクサクした食感を得やすいため好ましい。油脂としては、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油などの各種植物油脂、動物油脂から選択される1種以上の油脂、並びに、これらの油脂を原料として、水素添加、分別およびエステル交換から選択される一または二以上の処理を施した加工油脂が挙げられるが、30℃で液状の油が好ましく、とりわけ、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油等の植物油が好ましい。
バッター生地が油脂を含有している場合、油ちょう食品の食感等から、バッター生地中、油脂の量は0.09質量%以上、特に0.15質量%以上11.0質量%以下が好ましく、4.00質量%以上8.50質量%以下がより好ましい。冷凍食品のバッター生地中の油脂量は酸分解の方法で測定することができる。
バッター生地は例えば上述した油脂と水との乳化性能を向上させる点や食感向上の点で、乳化剤を含有していてもよい。乳化剤としては澱粉又は加工澱粉以外のものが挙げられ、グリセリン脂肪酸エステル、植物レシチンが好ましく用いられる。バッター生地が乳化剤を含有する場合、バッター生地中の乳化剤の量としては、バッター生地の固形分中、0.10質量%以上1.50質量%以下が好ましく、0.50質量%以上1.20質量%以下がより好ましい。
バッター生地は、その他、膨張剤、調味料、着色料などを適宜含有することができる。
バッター生地中の加工澱粉、水、油脂、乳化剤以外の成分の量は、通常、バッター生地の固形分中12.0質量%以上、特に13.0質量%以上59.5質量%以下であることが、上述した各成分の量を確保しながらその他の成分による効果も得る点で好ましく、18.5質量%以上28.5質量%以下であることがより好ましい。また、バッター生地における加工澱粉、未加工澱粉、澱粉以外の穀粉類、水、油脂、乳化剤以外の成分の量は、これらの成分量を一定上としてそれらの機能を高める点から、バッター生地の固形分中、30質量%以下、特に15質量%以下であることが好ましく、調味料や着色料等のその他添加剤の効果を得る点から、3質量%以上であることが好ましい。
バッター生地が油脂を3質量%以上含有している場合、バッター生地は、乳化物とヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を含む粉末との混合物であることが食感向上の点で好ましい。乳化物は通常水中油型乳化物である。乳化物は、水、油脂及び乳化剤を混合することで得られる。ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を含む粉末の構成としては、例えば、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉に加え、必要に応じて添加する前記の酸化澱粉、リン酸架橋澱粉、その他の加工澱粉、未加工澱粉、穀粉類、膨張剤、調味料、着色料、その他の粉末成分から選ばれる一種又は二種以上が挙げられる。
油ちょう用冷凍食品において、バッター生地の量は、具材100質量部に対して、通常35質量部以上であり、40質量部以上70質量部以下であることが、具材及び衣の食感の点で好ましい。具材にバッター生地を付着させることにより、具材表面がバッター生地からなる被覆層で被覆される。
バッター生地を付着させた具材は、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉の含有によりバッター生地の流れ落ちが抑制され、そのまま冷凍しても衣の形崩れが効果的に防止されている。それゆえ、本発明の油ちょう用冷凍食品は未油ちょう品であることが、得られる油ちょう食品の具材及び衣の食感が良好であるため好ましい。更に油ちょう用冷凍食品は、焼き、蒸し、電子レンジ加熱等の油ちょう以外の加熱も行わずにバッター生地、及びバッター生地に被覆後の具材を未加熱な状態で冷凍させたものであることが好ましい。ここでいう未加熱とは好ましくは50℃以上の加熱を行わないことを意味し、特に好ましくは40℃以上の加熱を行わないことを意味する。なお、バッター生地を付着させる前の具材については予め加熱されていても、加熱されていなくてもよい。
従来、揚げ玉やパン粉、春雨を、具材を被覆するバッター生地の外表面に付着させて、バッター生地の流動性を低下させることも行われている。しかしながら本発明は、バッター生地の外表面に、当該バッター生地の流動性を低下させるための付着物を要しないものである。従って本発明の油ちょう用冷凍食品は、そのような付着物を有していないことが、天ぷら或いはフリッター様の外観を得る点で好ましい。
一方で、本発明の油ちょう用冷凍食品は、油ちょう用具材と、当該具材を被覆するバッター生地からなる被覆層の表面に、更に、当該被覆層を構成するバッター生地と同じ又はそれと異なる組成から選択される第2のバッター生地が付着していてもよい。第2のバッター生地は、具材を連続的に被覆するバッター生地からなる被覆層に対し、不連続的に付着していることが好ましい。第2のバッター生地が不連続的に付着している場合とは、例えば油ちょう用冷凍食品の表面において、第2のバッター生地の形状が線状、網目状、点状、ドロップ状、その他の不定形状又はこれらの組み合わせとなるように、付着している場合が挙げられ、線状、網目状、点状、ドロップ状又はこれらの組み合わせであることが好ましい。第2のバッター生地は、被覆層の表面に沿って不連続的に被覆層に付着している。線状としては、直線状、曲線状のいずれであってもよく、連続線状であっても不連続線状であってもよい。このようにすることで、得られる油ちょう食品の立体感が増し、見栄えが良好となるため、特に天ぷらを製造する際に好ましい。被覆層の上方の表面に第2のバッター生地を付着させることが作業上効率がよい。第2のバッター生地は冷凍状態の被覆層に付着させてもよく、冷凍されていない状態の被覆層に付着させてもよい。不連続的に付着した第2のバッター生地部分において当該生地部分の長手方向(第2のバッター生地部分が平面視において長手方向を有しない場合は、水平面と垂直な任意の方向)と直交する断面の形状は、円状、楕円状、多角形状、不定形状など、いずれであってもよい。
第2のバッター生地の付着量は、具材100質量部に対して5質量部以上185質量部以下であることが、第2のバッター生地の付着による前述した外観改善効果が高く、衣の食感の点などで好ましく15質量部以上75質量部以下であることがより好ましい。
得られた油ちょう用冷凍食品は、冷凍状態のまま油ちょうさせることが衣の形崩れを防止できる点、解凍の手間なく簡便に油ちょう食品を得られる点で好ましい。
次いで、本発明の油ちょう用冷凍食品の製造方法について説明する。
本発明は、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を含むバッター生地を油ちょう用具材に付着させた後、冷凍する工程を含む、油ちょう用冷凍食品の製造方法を提供するものである。具材の例並びにバッター生地の好ましい組成及び好ましい使用量は本発明の油ちょう用冷凍食品の説明において前記で説明した通りである。
具材は、バッター生地を付着させる前に、予め打ち粉を付しておいてもよい。
具材にあらかじめ、打ち粉を付しておく場合は、打ち粉の例及びその好ましい使用量は本発明の油ちょう用冷凍食品の説明において前記で説明した通りである。
バッター生地の調製方法としては、各成分を一度に混合するものであってもよく、数段階に分けて混合するものであってもよい。数段階に分けて混合する場合であって例えば、バッター生地が、油及び乳化剤を含んでいる場合、水、油、乳化剤をあらかじめ混合して水中油型乳化物等の乳化物を調製しておき、得られた乳化物とヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を含む粉末を混合することがバッター生地中に乳化物を均一に分散させる点で好ましい。上述した通り、水、油脂及び乳化剤を混合し、それにヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を含む粉末を混合させることが好ましい。
前記バッター生地を油ちょう用具材に付着させる方法としては、具材をバッター生地中に浸漬させる、バッター生地を具材表面に塗布する、バッター生地と具材を混合させる、等の方法が挙げられる。油ちょう用具材はその表面全体がバッター生地に被覆されることが好ましい。また上述した通り、更に第2のバッター生地をバッター生地からなる被覆層に付着させてもよい。バッター生地からなる被覆層の表面に第2のバッター生地を不連続的に付着させるには、例えば第2のバッター生地を吐出口付の容器に入れて、当該容器から吐出口を通じて、線状、網目状、点状、ドロップ状、不定形状又はこれらの組み合わせとなるように被覆層の表面に付着させればよい。
油ちょう用冷凍食品は、油ちょうせずに冷凍させたものであることが好ましい。好ましい冷凍温度は、通常−15℃〜−50℃である。その他、上述した油ちょう用冷凍食品について説明した事項は適宜本発明の油ちょう用冷凍食品の製造方法に適用できる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
〔実施例1〕
油ちょう用具材として切り身のスケソウダラを用いた。スケソウダラは、予め、調味液(日本酒、茶原液、トレハロース、食塩及び水の混合物)に15分浸漬させた。打ち粉として、キャッサバ由来の酢酸でん粉及び卵白粉の質量比8:1の混合粉末を用いた。バッター生地は、次の組成のものを用いた。バッター生地は、水と、その他の原料粉末を混合することで調製した。
(バッター生地組成:水を63.0%、コーン由来の酸化澱粉を14.8%、キャッサバ由来のリン酸架橋澱粉を11.5%、キャッサバ由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を2.4%、ワキシーコーン由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を0.1%、小麦粉3.6%、コーンフラワー1.9%、植物油脂0.4%、キサンタンガム0.1%、その他添加剤(調味料及び着色料)2.2%))
油ちょう用具材の表面に、打ち粉を具材100部に対して15部まぶした。打ち粉が付着した具材を、バッター生地に浸漬させて、具材の外表面全体にバッター生地を付着させた。バッター生地の付着量は具材100部に対して50部であった。この状態を図1に示す。バッター生地を具材に付着させた状態において具材を−30℃で冷凍させて、実施例1の油ちょう用冷凍食品を得た。
冷凍1日後の冷凍食品を、冷凍状態で170℃の揚げ油(植物油)で3分30秒間揚げて、実施例1の油ちょう食品を得た。
〔実施例2〕
バッター生地組成を、水を60.0%、コーン由来の酸化澱粉を16.4%、キャッサバ由来のリン酸架橋澱粉を12.7%、キャッサバ由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を1.9%、ワキシーコーン由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を0.1%、小麦粉3.9%、コーンパウダー2.0%、植物油脂0.4%、キサンタンガム0.1%、その他添加剤(調味料及び着色料)2.5%に変更した。それらの点以外は、実施例1と同様にして、油ちょう用冷凍食品及び油ちょう食品を得た。実施例2において具材にバッター生地を付着させた状態を図2に示す。
〔実施例3〕
バッター生地組成を、水を49.0%、コーン由来の酸化澱粉を21.8%、キャッサバ由来のリン酸架橋澱粉を16.9%、キャッサバ由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を0.5%、ワキシーコーン由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を0.03%、小麦粉5.2%、コーンパウダー2.7%、植物油脂0.5%、キサンタンガム0.1%、その他添加剤(調味料及び着色料)3.27%に変更した。それらの点以外は、実施例1と同様にして、油ちょう用冷凍食品及び油ちょう食品を得た。実施例3において具材にバッター生地を付着させた状態を図3に示す。
〔実施例4〕
バッター生地組成を、水を58.4%、大豆油5.5%、その他植物油脂0.3%、乳化油脂1.7%(グリセリン脂肪酸エステル、植物レシチン及び植物油脂の混合物:グリセリン脂肪酸エステル及び植物レシチンの合計量0.05%、植物油脂1.65%の合計)、コーン由来の酸化澱粉を13.7%、キャッサバ由来のリン酸架橋澱粉を10.7%、キャッサバ由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を2.3%、ワキシーコーン由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を0.1%、小麦粉3.3%、コーンパウダー1.7%、キサンタンガム0.1%、その他添加剤(調味料及び着色料)2.2%に変更した。バッター生地は、水と大豆油及び乳化油脂を混合して水中油型乳化物とした後に当該乳化物にその他の原料を混合して調製した。それらの点以外は、実施例1と同様にして、油ちょう用冷凍食品及び油ちょう食品を得た。実施例4において具材にバッター生地を付着させた状態を図4に示す。
〔実施例5〕
バッター生地組成を、水を86.7%、コーン由来の酸化澱粉を2.7%、キャッサバ由来のリン酸架橋澱粉を2.1%、キャッサバ由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を6.3%、ワキシーコーン由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を0.4%、小麦粉0.6%、コーンパウダー0.3%、植物油脂0.1%、その他添加剤(調味料及び着色料)0.8%に変更した。それらの点以外は、実施例1と同様にして、油ちょう用冷凍食品及び油ちょう食品を得た。実施例5において具材にバッター生地を付着させた状態を図5に示す。
〔実施例6〕
実施例1のバッター生地組成において、キサンタンガムを用いず、その他添加剤の量を2.3%に変更した。その点以外は実施例1と同様として、油ちょう用冷凍食品及び油ちょう食品を得た。実施例6において具材にバッター生地を付着させた状態を図6に示す。
〔比較例1〕
バッター生地組成を、水を63.0%、コーン由来の酸化澱粉を16.0%、キャッサバ由来のリン酸架橋澱粉を12.4%、小麦粉3.9%、コーンパウダー2.0%、植物油脂0.4%、キサンタンガム0.1%、その他添加剤(調味料及び着色料)2.2%に変更した。バッター生地は、水とその他の原料を混合して調製した。それらの点以外は、実施例1と同様にして、油ちょう用冷凍食品及び油ちょう食品を得た。比較例1において具材にバッター生地を付着させた状態を図7に示す。
〔評価〕
上述した通り、実施例1〜6及び比較例1において、具材の外表面に、バッター生地を付着させた状態を図1〜図7にそれぞれ示す。図1及び図7の比較より、実施例1では、63.0%という非常に大量の水を含有しているにもかかわらず、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を含有することでバッター生地の流れ落ちが起こっていないことが判る。これに対し、実施例1と同様の量の水を含むがヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉を含まないバッター生地を用いた比較例1では、甚だしい生地の流れ落ちが起きていることが判る。またヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉の量を実施例1と異ならせた実施例2及び3、一定の油脂量を含む乳化物とした実施例4並びにキサンタンガムを用いていない実施例5及び6においても、実施例1と同様にバッター生地の流れ落ちが効果的に防止されていることが判る。以上より、本発明の油ちょう用冷凍食品では、バッター生地の流れ落ち及びそれによる衣の形崩れが効果的に防止されていることが明らかである。
〔評価〕
健常な成人である10人のパネラー(男性4人、女性6人、平均年齢38.8歳)に、実施例1〜6及び比較例1の油ちょう食品を評価させた。
●油ちょう食品の衣の付着状態
天ぷらの衣が均一に具材表面に付着して、しっかりと具材全体を被覆しており、剥がれがない状態を10点、衣が具材表面にほとんど付着しておらず、具材表面のほとんどが露出した状態を1点として、10段階で評価させた。
●油ちょう食品の衣の変形状態
天ぷらの衣について冷凍時の保管容器の底面側への垂れ落ちがなく、方向により関わらず均等に衣が付着している状態を10点、天ぷらの衣が冷凍時の保管容器の底面側に大きく垂れ落ちたことに起因する非常に不自然な形状をしている状態を1点として、10段階で評価させた。
●油ちょう食品の衣の食感
サクっ、ふわっとした天ぷら衣の食感が感じられて非常に良好と感じられる場合を10点、ボソボソ、硬い、油っぽい等の理由で非常に悪いと感じられる場合を1点として、10段階で評価させた。
●油ちょう食品の具材の食感
ジューシーで柔らかく非常に良好と感じられる場合を10点、水気が少なく硬くて非常に悪いと感じられる場合を1点として10段階で評価させた。
パネラーの評価点の平均点を下記表1に示す。
表1の結果から、本発明の冷凍食品より得られる油ちょう食品では、衣の変形が抑制されて付着状態が良好であり、衣及び具材の食感も良好であることが判る。
〔実施例7〕
油ちょう用具材として、マアジの切り身を用いた。その点以外は実施例1と同様にして油ちょう用冷凍食品及び油ちょう食品を得た。実施例7において具材にバッター生地を付着させた状態を図8に示す。
〔実施例8〕
油ちょう用具材として、イカの切り身を用いた。その点以外は実施例1と同様にして油ちょう用冷凍食品及び油ちょう食品を得た。実施例8において具材にバッター生地を付着させた状態を図9に示す。
〔実施例9〕
油ちょう用具材として、シシトウを用いた。その点以外は実施例1と同様にして油ちょう用冷凍食品及び油ちょう食品を得た。実施例9において具材にバッター生地を付着させた状態を図10に示す。
〔実施例10〕
油ちょう用具材として、なすを用いた。その点以外は実施例1と同様にして油ちょう用冷凍食品及び油ちょう食品を得た。実施例10において具材にバッター生地を付着させた状態を図11に示す。
〔実施例11〕
油ちょう用具材として、エビを用いた。その点以外は実施例1と同様にして油ちょう用冷凍食品及び油ちょう食品を得た。実施例11において具材にバッター生地を付着させた状態を図12に示す。
〔実施例12〕
油ちょう用具材として、鶏肉を用いた。その点以外は実施例1と同様にして油ちょう用冷凍食品及び油ちょう食品を得た。実施例12において具材にバッター生地を付着させた状態を図13に示す。
実施例7〜12で得られた油ちょう食品はいずれも、実施例1で得られた油ちょう食品と同様に、衣の変形が抑制されて付着状態が良好であり、衣及び具材の食感も良好であった。
〔実施例13〕
実施例1と同じ組成のバッター生地を調製した。
油ちょう用具材の表面に、打ち粉を具材100部に対して15部まぶした。打ち粉が付着した具材を、バッター生地に浸漬させて、具材の外表面に、バッター生地を具材外表面全体に付着させた。バッター生地の付着量は具材100部に対して50部であった。次いで、同じ組成の第2のバッター生地を、円形の吐出口(口径2.0mm)を有する可撓変形可能なスクイズボトル容器に入れた。スクイズボトル容器中の第2のバッター生地を、バッター生地に被覆された具材の外表面に、格子状に付着させた。格子状に付着させた第2のバッター生地の量は、具材100部に対して40部であった。得られた具材を−30℃で冷凍させて、実施例13の油ちょう用冷凍食品を得た。得られた油ちょう用冷凍食品の写真を図14に示す。
冷凍1日後の冷凍食品を、実施例1と同様にして油ちょうして、実施例13の油ちょう食品を得た。得られた油ちょう食品の写真を図15に示す。
〔実施例14〕
スクイズボトル容器中の第2のバッター生地を、バッター生地に被覆された具材の外表面に、点状又はドロップ状に付着させた。その点以外は実施例13と同様にして、実施例14の油ちょう用冷凍食品及び油ちょう用食品を得た。得られた油ちょう用冷凍食品の写真を図16に、油ちょう食品の写真を図17に示す。

Claims (9)

  1. 油ちょう用具材と、該具材を被覆するバッター生地とを有する油ちょう用冷凍食品であって、当該バッター生地がヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉(ただし、油脂加工澱粉を除く)を含む、未油ちょう状態である、油ちょう用冷凍食品。
  2. 天ぷら用である、請求項に記載の油ちょう用冷凍食品。
  3. バッター生地が更にキサンタンガムを含む、請求項1又は2に記載の油ちょう用冷凍食品。
  4. バッター生地が更に酸化澱粉及びリン酸架橋澱粉から選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1〜の何れか1項に記載の油ちょう用冷凍食品。
  5. 前記バッター生地中の固形分中、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉の量が1.0質量%以上60.0質量%以下である、請求項1〜の何れか1項に記載の油ちょう用冷凍食品。
  6. バッター生地の水分量が45.0質量%以上90.0質量%以下である、請求項1〜の何れか1項に記載の油ちょう用冷凍食品。
  7. 油ちょう用具材が魚介類、野菜類及び食肉類から選ばれる、請求項1〜の何れか1項に記載の油ちょう用冷凍食品。
  8. ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉(ただし、油脂加工澱粉を除く)を含むバッター生地を油ちょう用具材に付着させた後、油ちょうせずに冷凍する工程を含む、油ちょう用冷凍食品の製造方法。
  9. 油ちょう用具材と、該具材を被覆するバッター生地とを有し、当該バッター生地がヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉(ただし、油脂加工澱粉を除く)を含む、未油ちょう状態である、油ちょう用冷凍食品を冷凍状態のまま油ちょうする工程を含む、油ちょう食品の製造方法。
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