JP2021141818A - 冷凍フライ衣食品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コロッケなどの中種にバッターを付着させた後、パン粉を付着させフライした冷凍フライ衣食品であって、冷凍保存時の衣及び中種の劣化が抑制された冷凍フライ衣食品の提供。【解決手段】中種に含まれる水分量の20重量%以上をアルギン酸カルシウムゲルの状態で含ませた中種にバッターを付着させ、次いでパン粉を付着させてフライし、冷凍した、冷凍フライ衣食品。アルギン酸カルシウムゲルのアルギン酸の濃度としては、0.5〜5重量%が好ましい。【効果】冷凍フライ衣食品は、中種の水分をアルギン酸カルシウムゲルの状態として含まない場合と比較し、冷凍保存時の温度上昇などによる中種からの衣への水分移行を抑え、衣のサクサク感の劣化を抑制できる。また、凍結後再加熱される際には、ゲルが適度に溶解するため、電子レンジ調理後の喫食時には、中種に水分が浸透して適度な食感となり、中種のベチャつきなどの食感劣化を抑制できる。【選択図】なし

Description

本発明は、冷凍フライ衣食品及びその製造方法に関する。
従来、お好み焼きや餃子、コロッケ、唐揚げ、ハンバーグなどの様々な冷凍総菜が上市されている。この内、コロッケなどのパン粉をフライした冷凍フライ衣食品は、冷凍保存中に冷凍庫のデフロストやドアの開閉などによって品温が上昇することによりバッターや中種から水分がパン粉に移行し、電子レンジ調理によって喫食する際には衣のサクサクとした食感が得られないといった課題があった。
冷凍保存中の水分移行防止技術としては、特許文献1及び2の技術が知られている。特許文献1には、油調した直後のフライ食品の衣のサクサクとした食感または皮のパリッとした食感を、長期間の冷凍保管と電子レンジ解凍を行っても保持できる具材用改質材として、食用油脂5〜40重量%、澱粉5〜40重量%および糖質5〜60重量%を含有する水中油滴型乳化物からなるフライ食品の具材用改質材が記載されている。また、特許文献2には、風味及び食感に優れ、且つ、衣の風味及び食感の経時的な低下が抑制され、効率的な生産が可能な衣付き食品を提供する技術として、食品の外表面側から順に、衣部と、下記(1)〜(5)を含有する生地部と、中種とを含む、食品が記載されている。生地部は(1)グルテンを実質的に含有しない穀物粉及び/又は澱粉(2 )α化澱粉及び/又はα化穀物粉(3)増粘多糖類及び/又はゲル化剤(4)油脂(5)乳化剤からなり、グルテンを実質的に含有しない穀物粉及び/又は澱粉は、米粉、コーンスターチ及び小麦澱粉から選択される少なくとも一つを含む。
特許文献1の技術は、中種などの具材を改質する技術であり、特許文献2は、中種などに付着させる生地(バッター)を改質する技術である。何れの技術も優れた技術ではあるが、保存中の衣を有する冷凍食品の劣化を抑制するには改善の余地があった。
特開平11−289998号公報 特開2017−42098号公報
本発明は、コロッケなどの中種にバッターを付着させた後、パン粉を付着させフライした冷凍フライ衣食品の冷凍保存時の衣及び中種の劣化を抑制することを課題とする。
発明者らは、コロッケやメンチカツなどのパン粉をフライした冷凍フライ衣食品の冷凍保存時の衣のサクサク感の劣化や中種の食感の劣化について鋭意研究した結果、本発明に至った。
すなわち、中種の水分量の20重量%以上をアルギン酸カルシウムゲルの状態として含むことを特徴とする冷凍フライ衣食品である。
また、本発明に係る冷凍フライ衣食品のアルギン酸カルシウムゲル中のアルギン酸の濃度は0.5〜5重量%であることが好ましい。
また、本発明に係る冷凍フライ衣食品においては、中種の水分量の40〜80重量%をアルギン酸カルシウムゲルの状態として含むことが好ましい。
また、本発明に係る冷凍フライ衣食品の製造方法としては、中種に含まれる水分量の20重量%以上のアルギン酸カルシウムゲルの状態として中種中に含むように中種の資材を混合し中種を作製する工程と、作製した前記中種に、バッターを付着させる工程と、バッターを付着させた前記中種にパン粉を付着させる工程と、パン粉を付着させた前記中種をフライし、フライ衣食品を作製する工程と、前記フライ衣食品を冷凍する工程と、を含むことが好ましい。
また、本発明に係る冷凍フライ衣食品の製造方法においては、アルギン酸カルシウムゲル中のアルギン酸の濃度は、0.5〜5重量%であることが好ましい。
また、本発明に係る冷凍フライ衣食品の製造方法においては、中種の水分量の40〜80重量%のアルギン酸カルシウムゲルの状態で含むことが好ましい。
本発明によりコロッケなどの中種にバッターを付着させた後、パン粉を付着させフライした冷凍フライ衣食品の冷凍保存時の衣及び中種の劣化を抑制することができる。
本発明に係る冷凍フライ衣食品は、コロッケなどの中種にバッターを付着させた後、パン粉を付着させフライした食品であり、例えば、ポテトコロッケや、カボチャコロッケ、クリームコロッケ、メンチカツなどが挙げられる。
(中種の作製)
本発明に係る冷凍フライ衣食品は、中種の水分量の20重量%以上をアルギン酸カルシウムゲルの状態として含む。アルギン酸カルシウムゲルは、加熱に強く、フライ調理時にゲル状態を維持するため、フライ調理時に中種内での水分拡散、及び衣(バッター層及パン粉層)への水分移行が抑えられ、フライ調理後の衣の水分を低くできる。また、凍結してもある程度ゲルの状態で水分を閉じ込めることができ、冷凍保存時に温度上昇などがあっても中種からの衣への水分移行を抑えることができる。また、凍結後再加熱される際には、ゲルが適度に溶解するため、電子レンジ調理後の喫食時には、中種に水分が浸透して適度な食感となる。このような性質のゲルは、他の素材で作製したゲルには見られないアルギン酸カルシウムゲルに特徴的なものである。
それに対し、中種の水分にアルギン酸カルシウムゲルを含まない場合には、フライ調理時に中種内に水分が拡散した状態となり、中種から衣(特にバッター層)に水分が移行し、冷凍保存時の温度上昇によって、中種やバッター層からパン粉層に水分が移行し、食感が劣化していく。また、中種内に含まれる水分は、凍結することによって、離水しやすくなり、電子レンジ調理後の喫食時には、水っぽくベチャついたものとなる。
中種を作製する場合に、水を使用する場合は、使用する水をアルギン酸カルシウムゲルの状態として含ませることは容易であるが、そうでない場合は、例えば、ポテトコロッケの場合は、ダイスポテトの一部または全部を乾燥物(乾燥マッシュポテト)に置き換えることで加える水をアルギン酸カルシウムゲルの状態として含ませることができる。また、クリームコロッケなどのように牛乳などの水分を多く含むものを添加する場合は、アルギン酸カルシウムゲルの状態として中種に含ませることができる。
本発明に係るアルギン酸カルシウムゲルとしては、アルギン酸塩をカルシウムイオンで反応させたゲルであればよく、例えば、アルギン酸、炭酸ナトリウム、水に溶解するカルシウム塩を添加することにより作製する方法、アルギン酸ナトリウム、水に溶解するカルシウム塩を水や牛乳などの水を多く含むものに添加してゲル化する方法が挙げられる。このような製剤としては、キミカ社の昆布酸431が挙げられる。
本発明に係る冷凍フライ衣食品は中種の水分量の20重量%以上をアルギン酸カルシウムゲルの状態で含む。本発明におけるアルギン酸カルシウムゲルの状態として含むとは、予め添加する水等をアルギン酸カルシウムゲルの状態として添加するだけでなく、アルギン酸カルシウムゲルを作製する資材を粉末の状態で添加してから、中種を作製する際に水等を添加することで中種中の水分をアルギン酸カルシウムゲルの状態とすることも含む。ただし、初めからアルギン酸カルシウムゲルの状態で添加した方がフライ調理時や保存中の中種から衣への水分移行を抑制する効果が得られやすく好ましい。
アルギン酸カルシウムゲルとして中種に含まれる水分量が中種の水分量の20重量%よりも少ないとアルギン酸カルシウムゲルによる、フライ調理時や保存中の中種から衣への水分移行を抑制する効果が得られにくい。アルギン酸カルシウムゲルとして含まれる量が多ければ多い程、フライ調理時や保存中の中種から衣への水分移行を抑制する効果が得られるが、中種の食感がアルギン酸様のねっとりとした食感を感じるようになる。より好ましくは、40〜80重量%の範囲である。
また、アルギン酸カルシウムゲル中のアルギン酸の濃度としては、0.5〜5重量%が好ましい。アルギン酸の濃度が0.5重量%よりも低くなるほどゲルの強度が弱く、フライ調理時や保存中の中種から衣への水分移行を抑制する効果が得られにくくなる。逆に5重量%よりも多くなるとフライ調理時や保存中の中種から衣への水分移行を抑制する効果が高くなるが、ゲル強度が高くなり、作業がしづらくなるだけでなく、中種の食感がアルギン酸様のねっとりとした食感を感じるようになる。
中種の作製方法としては、例えば、ポテトコロッケの場合は、加熱したダイスポテトなどの生の原料や乾燥マッシュポテトなどの乾燥物と砂糖、塩、胡椒、グルタミン酸ナトリウム、香料などの味付け資材と、水や油脂、バターなどを混合してから、アルギン酸カルシウムゲルや必要によりひき肉やタマネギなどの具材入れを均質になるように混ぜ合わせることで作製するか、アルギン酸カルシウムゲルを作製するための資材を他の資材と粉体状態で添加してから、水を添加することで混合時にアルギン酸カルシウムゲルの状態として作製する。また、クリームコロッケの場合は、例えば、バターで小麦粉と白ワインを弱火で炒めたものに、砂糖、塩、胡椒、グルタミン酸ナトリウム、香料などの味付け資材、牛乳などを混合してから、牛乳をゲル化したアルギン酸カルシウムゲルや必要によりコーン、カニなどの具材を均質になるように混ぜ合わせることで作製するか、アルギン酸カルシウムゲルを作製するための資材を他の資材と粉体状態で添加してから、牛乳を添加することで混合時にアルギン酸カルシウムゲルの状態として作製する。作製した中種は冷却して、成形する。
(バッターの作製、付着)
中種にパン粉を付着させるためのバッターを作製する。バッターの作製は特に限定はなく、小麦粉、加工澱粉、大豆蛋白粉、油脂、乳化剤、増粘剤、卵液、水などの資材をダマが無いように撹拌して作製する。
次いで作製した中種の表面にバッターを付着させる。付着方法は特に限定はなく、バッターの液中に中種を浸漬させればよい。
(パン粉付着)
作製した中種にパン粉を付着させる。本発明に用いるパン粉の種類は特に限定はなく、電極式パン粉、焙煎式パン粉、クラッカー式パン粉、エクストルーダー式パン粉などが挙げられ、それぞれの生パン粉、セミドライパン粉、ドライパン粉を使用することができる。パン粉の粒形は特に限定はないが、2〜8mm程度のものを使用すればよい。
バッターを付着させた中種をパン粉の上に乗せ、その上にパン粉をかけて軽く押圧し、余分なパン粉を落とし、中種に満遍なくパン粉を付着させる。
(フライ工程)
パン粉を付着させた中種を170〜180℃の油中に入れフライする。フライ油の種類は特に限定はなく、食用の油脂であればよく、常温で液体状の油脂や、常温で半固形状または固形状の油脂を加温融解して液体状にしたものを使用してもよい。油脂の種類としては、大豆油、米白絞油、菜種油、パーム油、コーン油、オリーブ油、ひまわり油、ごま油、ラードが挙げられる。パン粉がきつね色に変わり、中種に火が通る程度になったらフライ油から取り出し、粗熱をとってフライ衣食品とする。
(冷凍工程)
粗熱をとったフライ衣食品を冷凍し、冷凍フライ衣食品を作製する。冷凍のための手段は、従来技術を適用することができる。例えば、エアブラスト式のトンネルフリーザー、スパイラルフリーザー、ワゴンフリーザーや急速凍結庫、ブライン式のフレキシブルフリーザー等が適用できる。冷凍は、例えば約−30℃以下のスパイラルフリーザーを利用して急速に行うことができる。
以上のように、中種の水分量の20重量%以上をアルギン酸カルシウムゲルの状態で含ませることで、コロッケなどのパン粉をフライした冷凍フライ衣食品の冷凍保存時の衣及び中種の劣化を抑制することができる。
以下に実施例を挙げて本実施形態をさらに詳細に説明する。
(試験例1)
乾燥マッシュポテト14g、チーズパウダー2.5g、上白糖1g、食塩1g、グルタミン酸ナトリウム1g、アセチル化リン酸架橋澱粉5gを粉体混合し、水28g添加し、を加え良く撹拌し、加熱処理したダイスポテト42g、菜種油2.5g、加温溶解した牛脂3gを加えよく混ぜ合わせた後、4℃の冷蔵庫で2時間冷却し、中種(水分量60g)を作製した。
湿熱処理澱粉12g、オクテニルコハク酸澱粉、3g、分離大豆蛋白粉5g、小麦粉5g、食塩0.5g、粉末油脂(パーム油)4gを粉体混合し、そこに水(4℃)67g
菜種油2.7g、グリセリン脂肪酸エステル0.3gを添加して撹拌し乳化した乳化液を加え、ダマが無いように撹拌し、バッターを作製した。
作製した中種20gを厚み10mmとなるように小判状に成形した後、バッターの付着量が7gとなるように中種に付着し、次いで電極式の生パン粉(8mmフレーク状)7gを満遍なく付着し、170℃の菜種キャノーラ油中で2分間フライし、ポテトコロッケを作製した。作製したポテトコロッケは、油切りをし、粗熱を取った後、−35℃のフリーザーで1時間凍結し、アルミ蒸着したPE袋に密封し、冷凍フライ衣食品サンプル(冷凍ポテトコロッケ)とした。
(試験例2)
アルギン酸2g、炭酸ナトリウム0.4g、クエン酸カルシウム0.4g、グルタミン酸ナトリウム6gを粉体混合し、水91.2gを添加して良く撹拌し、溶解した後、常温で1時間放置し、ゲル化させ、アルギン酸カルシウムゲルを作製した。
乾燥マッシュポテト14g、チーズパウダー2.5g、上白糖1g、食塩1g、グルタミン酸ナトリウム1g、アセチル化リン酸架橋澱粉5gを粉体混合し、水16g添加し、を加え良く撹拌し、加熱処理したダイスポテト42g、作製したアルギン酸カルシウムゲル13.2g(水12g、中種水分量の20重量%)、菜種油2.5g、加温溶解した牛脂3gを加えよく混ぜ合わせた後、4℃の冷蔵庫で2時間冷却し、中種(水分量60g)を作製した。その後の作業は試験例1の方法に従って冷凍フライ衣食品を作製した。
(試験例3)
乾燥マッシュポテト14g、チーズパウダー2.5g、上白糖1g、食塩1g、グルタミン酸ナトリウム1g、アセチル化リン酸架橋澱粉5gを粉体混合し、加熱処理したダイスポテト42g、試験例2で作製したアルギン酸カルシウムゲル30.7g(水28g、中種水分量の47重量%)、菜種油2.5g、加温溶解した牛脂3gを加えよく混ぜ合わせた後、4℃の冷蔵庫で2時間冷却し、中種(水分量60g)を作製した。その後の作業は試験例1の方法に従って冷凍フライ衣食品を作製した。
(試験例4)
乾燥マッシュポテト28g、チーズパウダー2.5g、上白糖1g、食塩1g、グルタミン酸ナトリウム1g、アセチル化リン酸架橋澱粉5gを粉体混合し、水56gを加え良く撹拌した後、菜種油2.5g、加温溶解した牛脂3gを加えよく混ぜ合わせた後、4℃の冷蔵庫で2時間冷却し、中種(水分量60g)を作製した。その後の作業は試験例1の方法に従って冷凍フライ衣食品を作製した。
(試験例5)
試験例4の中種作製において、水の添加量を44gとし、試験例2で作製したアルギン酸カルシウムゲルを13.2g(水12g、中種水分量の20重量%相当)を菜種油や牛脂と共に添加する以外は、試験例1の方法に従って冷凍フライ衣食品を作製した。
(試験例6)
試験例4の中種作製において、水の添加量を32gとし、作製したアルギン酸カルシウムゲルを26.3g(水24g、中種水分量の40重量%相当)を菜種油や牛脂と共に添加する以外は、試験例1の方法に従って冷凍フライ衣食品を作製した。
(試験例7)
試験例4の中種作製において、水の添加量を20gとし、作製したアルギン酸カルシウムゲルを39.5g(水36g、中種水分量の60重量%相当)を菜種油や牛脂と共に添加する以外は、試験例1の方法に従って冷凍フライ衣食品を作製した。
(試験例8)
試験例4の中種作製において、水の添加量を8gとし、作製したアルギン酸カルシウムゲルを52.6g(水48g、中種水分量の80重量%相当)を菜種油や牛脂と共に添加する以外は、試験例1の方法に従って冷凍フライ衣食品を作製した。
(試験例9)
試験例4の中種作製において、水を添加せずに、作製したアルギン酸カルシウムゲルを61.4g(水56g、中種水分量の93重量%相当)を菜種油や牛脂と共に添加する以外は、試験例1の方法に従って冷凍フライ衣食品を作製した。
(試験例10)
寒天2g、グルタミン酸ナトリウム6gを92gの水に入れ、80℃まで加熱し融解した後、粗熱を取り、冷蔵庫で冷却し、寒天ゲルを作製した。アルギン酸カルシウムゲルの代わりに寒天ゲルを使用する以外は、試験例9の方法に従って冷凍フライ衣食品を作製した。
(試験例11)
ゼラチン2g、グルタミン酸ナトリウム6gを92gの水に入れ、80℃まで加熱し融解した後、粗熱を取り、冷蔵庫で冷却し、ゼラチンゲルを作製した。アルギン酸カルシウムゲルの代わりにゼラチンゲルを使用する以外は、試験例9の方法に従って冷凍フライ衣食品を作製した。
(試験例12)
ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉3g、グルタミン酸ナトリウム6gを水91gの水に入れ、80℃まで加熱し融解した後、粗熱を取り、冷蔵庫で冷却し、澱粉ゾルを作製した。アルギン酸カルシウムゲルの代わりに澱粉ゾルを使用する以外は、試験例9の方法に従って冷凍フライ衣食品を作製した。
(試験例12)
イオタカラギーナン1g、グルタミン酸ナトリウム6gを水92.5gの水に入れ、80℃まで加熱し融解した後、60℃まで冷却し、乳酸カルシウム0.5gを加え撹拌し、粗熱を取り、冷蔵庫で冷却し、カラギーナンゲルを作製した。アルギン酸カルシウムゲルの代わりにカラギーナンゲルを使用する以外は、試験例9の方法に従って冷凍フライ衣食品を作製した。
(試験例13)
アルギン酸0.5g、炭酸ナトリウム0.4g、クエン酸カルシウム0.4g、グルタミン酸ナトリウム6gを粉体混合し、水92.7gを添加して良く撹拌し、溶解した後、常温で1時間放置し、ゲル化させ、アルギン酸カルシウムゲルを作製した。試験例2で作製したアルギン酸カルシウムゲルの代わりに作製したアルギン酸カルシウムゲルを60.4g使用する以外は、試験例9の方法に従って冷凍フライ衣食品を作製した。
(試験例14)
アルギン酸5g、炭酸ナトリウム0.4g、クエン酸カルシウム0.4g、グルタミン酸ナトリウム6gを粉体混合し、水88.2gを添加して良く撹拌し、溶解した後、常温で1時間放置し、ゲル化させ、アルギン酸カルシウムゲルを作製した。試験例2で作製したアルギン酸カルシウムゲルの代わりに作製したアルギン酸カルシウムゲルを63.5g使用する以外は、試験例9の方法に従って冷凍フライ衣食品を作製した。
(試験例15)
乾燥マッシュポテト28g、チーズパウダー2.5g、上白糖1g、食塩1g、グルタミン酸ナトリウム4.68g、アセチル化リン酸架橋澱粉5g、アルギン酸1.23g、炭酸ナトリウム0.25g、クエン酸カルシウム0.25gを粉体混合し、水56gを加え良く撹拌した後、菜種油2.5g、加温溶解した牛脂3gを加えよく混ぜ合わせた後、4℃の冷蔵庫で2時間冷却し、中種(水分量60g)を作製した。その後の作業は試験例1の方法に従って冷凍フライ衣食品を作製した。
試験例1〜15で作製した冷凍フライ衣食品を−10℃の恒温庫で5日間維持した後、−18℃の冷凍庫で6時間再凍結し、虐待試験を行った。
虐待試験を行った冷凍フライ衣食品サンプルの表面に付着したパン粉をスプーンでこそぎ落として、水分を測定した。
虐待試験を行った冷凍フライ衣食品サンプルを4個あたり、500Wで1分50秒電子レンジ加熱を行った後、5分間放冷し、衣および中種の官能評価を行った。官能評価は、5人のベテランパネラーで行い、5点満点で行い、衣については、虐待前の試験例1の衣を基準として、同様にサクサクとした食感を感じ非常に良好なものを5、サクサク感を感じ良好なものを4、サクサク感を感じ概ね可なものを3、サクサク感が弱く不可なものを2、サクサク感を全く感じないものを1とした。また、中種についても、虐待前の試験例1の中種を基準として、同様に非常に良好なものを5、ベチャつきやネチャつきを感じるが良好なものを4、ベチャつきやネチャつきを感じるが概ね可なものを3、ベチャつきやネチャつきを感じ不可なものを2、ベチャつきやネチャつきを強く感じ著しく不可なものを1とした。
虐待試験後の衣の水分の測定結果及び官能試験結果について表1に示す。
Figure 2021141818
試験例1〜9で示すように、中種の水分量の20重量%以上をアルギン酸カルシウムゲルとすることにより、劣化試験を行っても衣への水分移行が抑えられて衣のサクサク感の劣化が抑制されることがわかる。中種に使用する原料の持つ水分もあるため、すべてをアルギン酸カルシウムゲルとすることはできないが、試験例9で示すように添加する水全てをアルギン酸ゲルとして添加することも可能である。アルギン酸カルシウムゲルへの転換量が多ければ多い程、衣への水分移行が抑えられサクサク感の劣化を抑制できるが、転換量が多すぎるとアルギン酸由来のネチャつきを感じるようになる。よって、より好ましくは、中種の水分量の40〜80重量%程度をアルギン酸カルシウムゲルとすることが好ましい。
試験例9〜13で示すように、アルギン酸カルシウムゲルは、他のゲルやゾルと比較して、劣化試験を行っても衣への水分移行が抑えられ、サクサク感の劣化を抑制できるだけでなく、中種のベチャつきを抑制する効果がある。また、試験例14,15で示すようにアルギン酸カルシウムゲルの濃度としては、0.5〜5重量%の範囲が好ましい。
試験例16で示すように、試験例9のアルギン酸カルシウムゲルを作製するための原料を粉体として混合し冷凍フライ衣食品を作製した結果、劣化試験においてある程度の衣への水分移行の抑制効果や中種のベチャ付きを抑える効果が認められた。しかしながら、試験例9のアルギン酸カルシウムゲルとして添加した場合と比較し、水分移行を抑制する効果はやや劣った。

Claims (6)

  1. 中種の水分量の20重量%以上をアルギン酸カルシウムゲルの状態として含むことを特徴とする冷凍フライ衣食品。
  2. 前記アルギン酸カルシウムゲル中のアルギン酸の濃度が0.5〜5重量%であることを特徴とする冷凍フライ衣食品。
  3. 前記中種の水分量の40〜80重量%をアルギン酸カルシウムゲルの状態として含むこと特徴とする請求項1または2記載の冷凍フライ衣食品。
  4. 中種に含まれる水分量の20重量%以上のアルギン酸カルシウムゲルの状態として含むように中種の資材を混合し中種を作製する工程と、
    作製した前記中種に、バッターを付着させる工程と、
    バッターを付着させた前記中種にパン粉を付着させる工程と、
    パン粉を付着させた前記中種をフライし、フライ衣食品を作製する工程と、
    前記フライ衣食品を冷凍する工程と、を含むことを特徴とする冷凍フライ衣食品
  5. 前記アルギン酸カルシウムゲル中のアルギン酸の濃度が0.5〜5重量%であることを特徴とする冷凍フライ衣食品の製造方法。
  6. 前記中種の水分量の40〜80重量%をアルギン酸カルシウムゲルの状態として含むことを特徴とする請求項4または5記載の冷凍フライ衣食品の製造方法。
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