JPH06153823A - 調味液内在食品の製造法 - Google Patents

調味液内在食品の製造法

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JPH06153823A
JPH06153823A JP4308453A JP30845392A JPH06153823A JP H06153823 A JPH06153823 A JP H06153823A JP 4308453 A JP4308453 A JP 4308453A JP 30845392 A JP30845392 A JP 30845392A JP H06153823 A JPH06153823 A JP H06153823A
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seasoning
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food
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Junko Yamamoto
順子 山本
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NISSHIN DCA SHOKUHIN KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 食品素材の表面にゲル化剤を含む調味液を付
着せしめて調味液層を形成し、得られた調味液層の表面
もしくは全体をゲル化し、更にこれに衣液又は衣液とパ
ン粉を付着せしめた後、加熱調理することを特徴とする
調味液内在食品の製造法。 【効果】 本発明の調味液内在食品は、調味液が食品素
材と衣や外皮との間に内包されているので、食事時ソー
ス等を付ける必要がないと共に、当該調味液はゲルによ
って保護されているので、これが衣や外皮に浸透して外
観を損ねることもないと云う特長を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は調味液内在食品の製造
法、更に詳細には、食品素材と衣液層(バッター層)の
間に調味液層を設けた衣付きのフライ又はベイクド食品
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】天ぷら、フライ、アメリカンドッグ等の
衣や外皮付き食品は、ソース、たれ又は他の調味料をそ
の衣や外皮に付けて食するのが一般的である。しかし、
このようにすると、ソース等がたれて衣服を汚すという
問題があると共に、弁当等の惣菜として用いる場合に
は、ソース等を別の容器に詰めて流通しなければならな
いという欠点があった。
【0003】このような欠点を解決する方法として、食
品素材と殿粉含有食用外皮の界面にソース層を設けた調
味液内在食品が提案された(特開昭63−52838
号)。そして、この発明は、食品素材と外皮との界面に
ソースを形成し得る乾燥組成物層を形成しておき、調理
によって放出される水分によってソース層を形成するも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法によるときは、食品素材と外皮の界面に空洞が生じた
り、またその界面に形成されたソースが外皮に浸透して
これを痛め、食感及び外観を劣化させるという問題点が
あった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、斯
かる欠点を解決せんと鋭意研究を行った結果、本発明を
完成した。
【0006】すなわち、本発明は、食品素材の表面にゲ
ル化剤を含む調味液を付着せしめて調味液層を形成し、
得られた調味液層の表面もしくは全体をゲル化し、更に
これに衣液又は衣液とパン粉を付着せしめた後、加熱調
理することを特徴とする調味液内在食品の製造法を提供
するものである。
【0007】本発明において、食品素材としては、一般
に衣付き食品に使用されるものであれば何れのものでも
よく、例えば食肉、鳥肉、魚介、チーズ、ソーセージ、
ハム、果物、野菜等が挙げられる。
【0008】調味液の組成には特に制限はなく、食品素
材との関係において望ましい風味のものを選ぶことがで
きる。調味液は、ゲル化剤、調味料、その他の原料を粉
体状に混合しておき、用時これに加水して調製するのが
好ましい。
【0009】ゲル化剤としては、調味液の状態ではゲル
を形成しないが、後のゲル化操作によってゲルを形成す
るものであればよく、例えばアルギン酸ナトリウム、ア
ルギン酸カリウム等の水溶性アルギン酸塩及びその誘導
体やカラゲナン等の水溶性多糖類等が挙げられるが、特
にアルギン酸ナトリウムが好ましい。このゲル化剤の含
有量は、調味液中の0.5〜3重量%(以下、単に%で
示す)、特に1.5%前後が好ましい。ゲル化剤の量が
多すぎると調味液の粘度が高くなって作業が困難になる
と共に、食感及び味が悪くなり、また少なすぎるとゲル
強度が弱くなり、ゲル皮膜が作業中に破れて調味液が衣
液層と混じりあって、目的が達成されない。
【0010】本発明の調味液を調製する調味粉体として
は、アルギン酸ナトリウム1〜18%、好ましくは3〜
9%;殿粉20〜50%、好ましくは30〜40%;デ
キストリン10〜50%、好ましくは20〜40%;食
塩0〜30%、好ましくは0〜10%;デキストリン以
外の糖類、グルタミン酸ナトリウム、ショートニング、
酸類、スパイス、着色料、香料等が5〜50%、好まし
くは10〜40%のものが好ましい。
【0011】本発明の調味液は、この調味粉体100%
に対して水を100〜500%、特に100〜300%
添加して調製するのが好ましく、水の添加量によって調
味液の粘度を調整することができる。
【0012】調味液は食品素材の表面に付着せしめて、
食品素材の表面に調味液層を形成する。次いでこの調味
液層の表面もしくは全体をゲル化させる。ゲル化は、使
用するゲル化剤の種類によっても異なるが、アルギン酸
ナトリウムを使用した場合には、これを塩化カルシウム
溶液に接触させることによって行われる。斯くすると
き、調味液層に存在するアルギン酸ナトリウムがアルギ
ン酸カルシウムに変化して、該層の表面もしくは全体が
ゲル化される。
【0013】この際の塩化カルシウム溶液の濃度は、高
い方が短時間でゲル強度の高いものが得られるが、過度
に高すぎると苦味が残って製品の味を損ねるので、一般
には0.1〜10%、特に1〜5%が好ましい。
【0014】斯くして形成したゲル(皮膜)の上に衣付
けを行うが、これに先立って打粉をまぶすのが好まし
い。上記の如くして塩化カルシウム溶液に接触させた後
においては、その表面に塩化カルシウムが残存している
ので、これは水洗等によって除去されなければならない
が、打粉にアルギン酸ナトリウムを配合しておき、再度
ゲル化を行わしめてゲル強度を増強すると共に塩化カル
シウムの苦味を除去することができる。この場合の打粉
としては、小麦粉、殿粉、デキストリン、調味料を含む
公知の打粉100%にアルギン酸ナトリウム0.1〜5
%を配合したものが好ましい。
【0015】以下常法に従って、衣液又は衣液とパン粉
を塗布した後フライ又は焙焼等による加熱調理を行って
製品とする。本発明の方法は、天ぷら、フライ、アメリ
カンドッグ等の油揚げ食品やこれらの油揚げ風焼上げ食
品等のベイクド食品に応用可能である。
【0016】
【発明の効果】本発明の調味液内在食品は、調味液が食
品素材と衣や外皮との間に内包されているので、喫食時
にソース等を付ける必要がないと共に、当該調味液はゲ
ルによって保護されているので、これが衣層に浸透して
外観を損ねることもなく、しかも食品素材と衣や外皮と
の界面に空洞が生じないと云う特長を有する。
【0017】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を説明する。 実施例1
【0018】 (1)調味液の調製 可溶性殿粉(酸化デンプン) 30.0(g) デキストリン 27.0 アルギン酸ナトリウム 4.0 砂糖 13.0 食塩 5.8 クエン酸 0.2 グルタミン酸ナトリウム 4.0 天然調味料(ビーフブイヨン) 0.4 天然調味料(チキンブイヨン) 0.4 粉末ソース 0.1 調味エキス(アミリッチNR) 0.3 トマトパウダー 9.0 香辛料(オレガノ末) 0.8 香辛料(ブラックペッパー) 0.4 香辛料(チリパウダー) 0.3 香辛料(レッドペッパー) 0.3 香辛料(バジル末) 0.2 香辛料(オニオン末) 1.5 香辛料(ガーリック末) 0.2 トマトフレーバー 0.1 オレオレジンパプリカ 0.4 サラダ油 0.6 計 100.0 上記成分を混合し、これに水200gを加え、ミキサー
にて攪拌して調味液を調製した。
【0019】(2)塩化カルシウム溶液の調製 塩化カルシウム20gを水に溶して500mlとし、4%
塩化カルシウム液を作った。 (3)打粉組成物の配合 小麦粉(薄力粉) 30(g) コーンスターチ 14 コーンフラワー 46 代用脱粉 3 膨張剤 2 食塩 4.29 オレオレジンパプリカ 0.01 アルギン酸ナトリウム 0.7 100.00 (4)エビフライの製造 冷凍エビを解凍し、殻剥きした。(1)の調味液にエビ
を尾だけ残して浸漬し、調味液をエビに均一に付着させ
た。次にこのエビを(2)の塩化カルシウム4%溶液に
5秒ないし数十秒間浸漬した。ここでエビに付着した調
味液の表面にアルギン酸カルシウムの皮膜が形成され、
塩化カルシウム溶液からこのエビを取り出し、尾だけ残
したエビ全体に(3)の打粉をまぶした。次いで、この
エビを衣液(バッター液)に浸漬し、パン粉付けを行
い、一旦冷凍した。衣液には、エビフライ用バターミッ
クス♯22−46(日清ディー・シー・エー食品社製)
を加水400%で用意したものを用いた。このエビの衣
付け品を180℃で2.5分フライし、衣の内側に調味
液を内在したエビフライを得た。このエビフライは、外
観が良好で、調味液が衣に浸透しておらず、しかもエビ
と衣との間に空洞が生じたりせず非常に美味であった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食品素材の表面にゲル化剤を含む調味液
    を付着せしめて調味液層を形成し、得られた調味液層の
    表面もしくは全体をゲル化し、更にこれに衣液又は衣液
    とパン粉を付着せしめた後、加熱調理することを特徴と
    する調味液内在食品の製造法。
  2. 【請求項2】 ゲル化剤がアルギン酸ナトリウムであ
    り、ゲル化法が塩化カルシウム溶液を作用させる方法で
    ある請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 ゲル化した調味液層上に打粉をまぶした
    後衣液を付着せしめる請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】 打粉がゲル化剤を含むものである請求項
    3記載の製造法。
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