JP4691451B2 - から揚げの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、良好な手作り感的外観を有するから揚げを、容易に、又は大量に生産することが可能なから揚げの製造方法に関する。
から揚げは、通常、肉や魚等の食材に、澱粉や小麦粉を含む粉状物を、若しくは液状又はペースト状のから揚げ用バッターを、食材表面に略均一に付着させ油ちょうした揚げ物であって、食材の水分を保持した状態で旨味や香りが維持できる。
このようなから揚げは、近年、惣菜売り場や外食産業等において販売量が増大しており、味、風味等の改良や、これらの経時的な劣化を抑制する技術等が多数提案、開発されている。
一方、食品に対する需要は、味覚的要素に加え、視覚的要素も重要であって、例えば、から揚げの場合、外表面の衣が均一であったり、凹凸があっても手作り感が薄いものよりも、不均一で、不定形の細かな突起状凹凸等を有する、良好な手作り感を出した衣を備えるものが近年好まれている。
そこで、惣菜売り場や外食産業においても、良好な手作り感の外観を出すために、揚げ物作りの熟練者等により、通常、から揚げ用具材にバッターを手作業で付着させ、直ちにフライヤーに直接手で投入する方法等が採用されている。
このような良好な手作り感を出すためのから揚げの製造には、一般に、水溶きバッターと称する、通常使用されるバッターよりも粘度が極端に低いものが用いられるため、作り手によっては必ずしも良好な手作り感を有するから揚げを常時製造できるものではなく、熟練した技術が必要である。また、このような方法を、大量生産のためにライン化する場合は、フライヤー入口付近に多数の熟練者を配置する必要があり、危険を伴う作業となることや、フライヤーへの投入量が制限され、生産効率が必ずしも高くできないことなど、現実的な方法とは言えない。
一方、フライヤーへの投入を機械的に行って、から揚げを大量生産する方法も行われている。このような方法は、通常、ベルトコンベヤー等のフライヤーへの移送手段に、バッターつけしたから揚げ用具材を載置し、連続的にフライヤーに移送して油ちょうする方法である。該方法では、から揚げ用具材のフライヤーへの移送中にバッターが脱落しないように、増粘剤等を多量に配合した粘度の高い液状バッターを、から揚げ具材の表面全体に略均一になるように付着させているため、フリッターのような滑らかな外観になり易く、不均一で、不定形の細かな突起状凹凸等を有する良好な手作り感の外観を備えるから揚げを得ることはできない。
一方、上述の大量生産する方法において粘度の低い液状バッターを採用する場合には、上記フライヤーへの移送中に、バッターが具材表面から脱落し、歩留まりが低下する問題が生じ、また、歩留まりを向上させるように粘度を調整しても、移送中に具材表面のバッターが皮膜化し、均一な外観となって、不均一で、不定形の細かな突起状凹凸等を有する良好な手作り感の外観を備えるから揚げを得ることはできない。
ところで、従来提案されているバッターには、例えば、特許文献1及び2において、ゼラチン、寒天、カラギーナン等のゲル化剤を配合したものや、特許文献3において、ゲル化剤の細片を配合したもの等が知られている。しかし、これらゲル化剤を含むバッターは、バッター自体をゲル状態とするものではなく、しかも、から揚げとしての良好な手作り感の外観が意図されたものでもない。
また、特許文献4には、でん粉質にゼラチンと乳糖とを添加した水和系のコロモをゲル化させ、野菜等の食品具材を均一に分散させるか、若しくはエビ等の食材に付着させた後、パン粉をつけて凍結後油ちょうする揚げ物の製造法が記載されている。しかし、この文献に記載された製造法では、食材表面にコロモを均一に付着させるか、食材をコロモ中に均一に分散させる必要があるため、から揚げとしての良好な手作り感の外観が得られるものでも、そのような外観が意図されているものでもない。
特開2002−142701号公報 特開平9−299041号公報 特開昭50−6730号公報 特公昭53−31225号公報
本発明の課題は、熟練者でなくとも、不均一で、不定形の細かな突起状凹凸等を有する良好な手作り感の外観を備えるから揚げ又はその凍結物を容易に調製することが可能なから揚げの製造方法を提供することにある。
本発明の別の課題は、少なくともフライヤーへの移送手段と、フライヤーでの油ちょうとを機械化でき、不均一で、不定形の細かな突起状凹凸等を有する良好な手作り感の外観を備えるから揚げ又はその凍結物を、効率よく大量生産することができると共に、製造時のバッターの歩留まりも良好なから揚げの製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、澱粉及び/又は小麦粉等を含むから揚げ用バッターを、ゼラチン等のゲル化剤により特定ゲル強度のゲル状バッターとし、かつこのようなゲル状バッターと複数のから揚げ用具材とを混合し、該具材表面に、不定形ゲル状バッター小塊を不均一となるように付着させ油ちょうすることによって、該油ちょう前の具材表面に付着したゲル状バッター小塊がそのまま油ちょうされるのではなく、油ちょう時に融解すると共に、バッター中の澱粉及び/又は小麦粉等が熱により糊化することで、外観が、不均一で、不定形の細かな突起状凹凸等の良好な手作り感を呈することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明によれば、少なくとも澱粉及び/又は小麦粉と、水と、ゲル化剤とを含み、10℃におけるゲル強度が5〜65gfのゲル状バッターと、複数のから揚げ用具材とを準備する工程(A)、前記ゲル状バッターと前記複数のから揚げ用具材とを、該具材表面に、少なくとも2以上の不定形ゲル状バッター小塊が不均一に付着するよう混合する工程(B)及び、工程(B)で調製したゲル状バッター小塊を不均一に有するから揚げ用具材を油ちょうする工程(C)を含むことを特徴とするから揚げの製造方法が提供される。
また本発明によれば、フライヤーに移送するための移送手段に、少なくともバッター処理した複数のから揚げ用具材を複数載置し、フライヤーに移送して油ちょうする工程を含むから揚げの製造方法であって、上記工程(A)、工程(B)、該工程(B)で調製したゲル状バッター小塊を不均一に有するから揚げ用具材を、フライヤーに移送するための移送手段に複数載置する工程(B-1)及び、工程(B-1)で載置したから揚げ用具材を、ゲル状バッター小塊が付着した状態を維持する条件でフライヤーに移送し、油ちょうする工程(C-1)を含むことを特徴とするから揚げの製造方法が提供される。
本発明のから揚げの製造方法は、上記工程(A)〜(C)を含み、特に、温度管理等のみで安定状態を確保しうる特定のゲル状バッターを用い、かつ該ゲル状バッターの付着状態を容易に視覚的に確認しうる程度の該バッターとから揚げ用具材とを混合する工程を採用するので、熟練者でなくとも、不均一で、不定形の細かな突起状凹凸等を有する良好な手作り感の外観を備えるから揚げ又はその凍結物を容易に調製することができる。
また上記工程(A)、(B)、(B-1)及び(C-1)を含む本発明のから揚げの製造方法は、特に、上記特定のバッターを用い、かつ該ゲル状バッターの付着状態を容易に視覚的に確認しうる程度の該バッターとから揚げ用具材とを混合したものを、移送手段を用いてフライヤーに移送し油ちょうするので、移送時のバッターの脱落が抑制され、バッターの歩留まりに優れ、しかも上記良好な手作り感の外観を有するから揚げを、効率良く、大量に生産することができる。従って、このような製造方法は、手作り感に優れた外観を有するから揚げの工業的生産に有用である。
以下本発明を更に詳細に説明する。
本発明の製造方法は、少なくとも澱粉及び/又は小麦粉と、水と、ゲル化剤とを含み、特定のゲル強度を有するゲル状バッターと、複数のから揚げ用具材とを準備する工程(A)を含む。
工程(A)において準備するバッターは、特定のゲル強度を有するゲル状バッターであって、該ゲル強度は、10℃において5〜65gf、好ましくは7.5〜50gfである。ゲル強度が5gf未満では、バッターのゲル形態の保持が困難であり、後述するから揚げ用具材との混合において、該具材に対するゲル状バッターの所望の付着形態とし難い。一方、ゲル強度が65gfを超える場合には、ゲル強度が強く、後述するから揚げ用具材との混合において、該具材にゲル状バッターを所望の付着形態で付着させることが困難である。後述するから揚げ用具材との混合において、該具材に対するゲル状バッターの所望の付着形態とすることが容易な点で上記好ましいゲル強度とすることが望ましい。
ゲル強度は、ゲル状バッターの原液を、直径60mm、高さ60mmの円柱状容器に底から50mmの高さまで充填し、10℃で16〜18時間静置してゲル状とした後、当該容器内のゲルの中央に、ロードセルに接続された直径1/2インチの円柱状の金属プランジャーを、ゲル表面に対し垂直に秒速2mmで下ろしていき、表面から4mmだけゲルを圧縮したときのロードセル荷重値を意味する。ここで、金属プランジャーのゲルに接する先端部は、プランジャー円柱軸方向に垂直な平面に成型されているものを用いる。
ゲル状バッターの40℃における粘度は、通常100〜20000cps程度であるが、より手作り感を良好とするために1200cps以下とすることが好ましい。
ゲル状バッターは、澱粉及び/又は小麦粉を含む通常のから揚げ用液状バッターをゲル化剤によりゲル化する方法等により得ることができる。
ここで、ゲルは、流動性が失われた状態であり、このゲルを攪拌して壊した場合、ペースト状になり、流動性を示すものをいう。
前記ゲル化剤は、上記ゲル強度を有するゲル状バッターを調製しうる熱可逆性ゲルを作るものであれば特に限定されず、例えば、ゼラチン、寒天、カラギーナン、ペクチン等が挙げられるが、比較的低温での溶解が容易であり、溶解液の温度低下に対するゲル化の速度が緩やかで、上記ゲル強度への調整が容易で、しかもゲル化に際してカルシウム等の他の成分を必要とせず、作業性に優れる点で、ゼラチンの使用が好ましい。
ゲル化剤の使用量は、ゲル化剤の種類等に応じて上記ゲル強度範囲内となるように適宜選択することができる。例えば、100bloomのゼラチンを用いる場合には、バッター中の質量を0.5〜3%とすることで当該ゲル強度範囲内となるように調製できる。
前記澱粉としては、例えば、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、サゴ澱粉、更には、これらを酸化、エステル化、エーテル化、架橋、酵素処理等した化工澱粉等が挙げられ、これら2種以上の混合物であっても良い。また、小麦粉としては、薄力粉、中力粉、強力粉いずれも使用でき、これら2種以上の混合物であっても良い。
ゲル状バッターにおいて、澱粉及び/又は小麦粉の配合割合は、本発明の所望の効果を損なわない範囲であれば特に限定されず、通常、ゲル状バッターを調製する材料の全量基準で10〜50質量%、好ましくは20〜40質量%である。
澱粉及び/又は小麦粉の配合割合が10質量%未満では、加熱時に充分に固化しない恐れがあり、一方、50質量%を超える場合には、粘度が高くなりすぎて、ゼラチン液との混合が困難になる。
ゲル状バッターにおいて、前記水の配合割合は、本発明の所望の効果を損なわない範囲であれば特に限定されず、通常、好ましくは50〜80質量%である。
本発明のゲル状バッターには、澱粉及び/又は小麦粉、水、ゲル化剤の他に、澱粉及び/又は小麦粉以外の各種食用粉、糖類、各種調味料、増粘剤、着色料、香料、静菌剤等、通常、から揚げ用液状バッターに用いることが可能であり、本発明に用いる所望のゲル状バッターの調製に支障をきたさないものであれば、その目的に応じて他の材料を配合することができる。
他の材料の配合割合は、本発明に用いる所望のゲル状バッターの調製に支障をきたさず、その配合の目的を達成しうる範囲で適宜選択することができるが、他の材料の合計量は、ゲル状バッターを調製する材料の全量基準で10質量%以下が好ましい。
工程(A)において準備するから揚げ用具材としては、通常、から揚げの具材として知られる肉類、魚介類の何れでも良いが、本発明の効果が確認し易い肉類が好ましく、中でも鶏肉が好ましい。
から揚げ用具材の形態は、具材の種類に応じて、公知の形態に準じてカットすることができる他、カットせずに用いることもできる。
から揚げ用具材は、そのまま次工程に用いることができる他、その種類や所望する味覚等に応じて、例えば、ピックル処理、液状又はペースト状のバッター処理、及び打ち粉処理等の少なくとも1の前処理を行うことができる。これらの前処理は、公知の方法及び材料に準じて行なうことができる。
本発明の製造方法は、工程(A)で準備したゲル状バッターと複数のから揚げ用具材とを、該具材表面に、ゲル状バッター小塊が所望の形態として付着するように混合する工程(B)を含む。
工程(B)において、ゲル状バッターと複数のから揚げ用具材との混合は、ミキサー、タンブラー等の混合機を用いて行うことができる他、手動で行うこともできる。
混合条件は、少なくとも2以上の不定形ゲル状バッター小塊が不均一に具材表面に付着する条件で行うことができ、このような条件は、視覚的に確認しながら行うこともできる。
ゲル状バッター小塊は、不定形であって、ゲル構造を維持した小塊であれば特に限定されず、その大きさも目視可能であれば良く、から揚げ用具材の種類、大きさに応じて選択でき、例えば、通常の鶏肉から揚げの場合には、最大長が5〜30mm程度の大きさの凸部形状が好ましい。該小塊の数は、2以上、好ましくは3以上であって、これらが不均一に連続せずに具材表面に付着していることが好ましい。
工程(B)の混合において、ゲル化剤としてゼラチンによりゲル化したゲル状バッターを用いると、通常、ゲル構造の一部又は大部分がペースト状となり、該ペーストが具材表面に付着するが、このようなペーストの付着は油ちょう後に自然な衣の連続性がもたらされるの点で好ましい。
ペーストの発生は、混合前のゲル状バッターのゲル強度、混合条件によりその発生率が変化するので、所望の前記ゲル状バッター小塊を付着させうるようにゲル強度に応じて混合条件を制御することが好ましい。このような点から、更にはから揚げ用具材の衛生上の問題から、工業的に大量生産する場合には、工程(B)の混合を0〜15℃程度で行うことが好ましい。
本発明の製造方法は、上記工程(B)で調製したゲル状バッターを、後述する油ちょうする工程(C)に供することができる他、工業的に大量生産する場合には、例えば、フライヤーに移送するベルトコンベヤー等の移送手段及びフライヤーを少なくとも備える装置を用いて、工程(B)で調製したゲル状バッター小塊を不均一に有するから揚げ用具材を、フライヤーに移送するための移送手段に複数載置する工程(B-1)及び、工程(B-1)で載置したから揚げ用具材を、ゲル状バッター小塊が付着した状態を維持する条件でフライヤーに移送し、油ちょうする工程(C-1)を含む。
工程(B-1)において、ゲル状バッター小塊を不均一に有するから揚げ用具材を移送手段に複数載置する場合、その量は、移送手段及びフライヤーの規模に応じて適宜選択でき、工程(C-1)における1回の油ちょう処理分毎、手動で、若しくは機械的に載置することができる他、移送手段がフライヤー中もから揚げが揚がる時間に従って通過するような装置である場合、前記から揚げ用具材を連続的に移送手段に載置することができる。
工程(C-1)において、ゲル状バッター小塊が付着した状態を維持する条件でフライヤーに移送するとは、該ゲル状の小塊が、工程(B)で調製した形態をそのまま維持することが好ましいが、工程(B-1)及び該移送時に、ゲル状の小塊が若干変形又は縮小する程度であって、ゲル構造の小塊が維持できれば良い。
工程(C-1)において、上記ゲル状バッター小塊が付着した状態を維持する条件は、種々選択することができるが、少なくとも移送環境温度を、通常0〜20℃、好ましくは0〜15℃に制御する条件を充足することが望ましい。
工程(C)及び工程(C-1)において、油ちょうは、通常、から揚げに使用される温度及び時間から具材の種類や大きさ等に応じて適宜選択でき、通常その油温は、170〜190℃程度で行うことができる。
本発明の製造方法は、前記工程(C)及び工程(C-1)の後、得られたから揚げを凍結する工程(D)を行うことにより冷凍から揚げを得ることもできる。
工程(D)において、凍結は公知の条件から適宜選択して行うことができる。
工程(D)を行った冷凍から揚げは、前記油ちょうを再度行うことにより所望のから揚げを得ることができる。
本発明の製造方法では、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、上記工程以外の工程を行うこともできる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
参考例1、実施例1〜7及び比較例1〜3
表1に示す組成のバッターを以下の方法で調製した。
即ち、表1に示す5質量%ゼラチン水溶液又はゼラチン破片以外の成分を、環境温度10℃において充分混合し、液状バッターを調製し、参考例1及び比較例2においてはこの液状バッターをそのままバッターとした。一方、実施例1〜7においては、上記得られた液状バッターに、20〜30℃に調整した5質量%ゼラチン水溶液を、混合後の温度が10℃程度を維持するように温度制御しながら混合し、ボールに移して10℃で60分以上静置してゲル化させ、ゲル状バッターを調製した。また、比較例1では、上記実施例1〜7と同様にゲル状バッターを調製した後、該ゲル状バッターを、ハンドホイッパーを使用してゲルの部分が残らないように攪拌混合しペースト状バッターを調製した。更に、比較例3では、前記5質量%ゼラチン水溶液を10℃にて16時間冷却し固めたゼラチンゲルを、5mmメッシュの篩の上からヘラで押しつぶし、1〜5mm程度のゼラチンゲル破片を、上記得られた液状バッターに混合し、該破片が分散したペースト状バッターを調製した。実施例1〜7のゲル状バッターについては、ゲル状バッターの原液を、直径60mm、高さ60mmの円柱状容器に底から50mmの高さまで充填し、10℃で16時間静置してゲル状とした後、商品名「INSTRON 5564」(インストロン社製)を用いて、当該容器内のゲルの中央に、ロードセルに接続された直径1/2インチの円柱状の金属プランジャーを、ゲル表面に対し垂直に秒速2mmで下ろしていき、表面から4mm押し下げるのに必要な荷重を測定し、これをゲル強度とした。また、これらゲル状バッターの40℃における粘度をC型粘度計により測定した(40℃においてはゲル状態ではなく、流動物となっている)。更に、参考例1及び比較例1〜3のバッター液についても10℃における粘度を同様に測定した。結果を表2に示す。
尚、5質量%ゼラチン水溶液は、ゼラチンを予め3倍量の水で10分間以上膨潤させ、70℃以上の湯を加えて完全に溶解させて調製した。
鶏肉を略同じ形状で1個あたり約23〜30gとなるように切断した。得られたカット鶏肉は、各例毎に10個用いた。
実施例1〜7では、環境温度10℃において、鶏肉とゲル状バッターとを、不定形のゲル状バッターの小塊が各鶏肉に2以上付着するように目視で観察しながら手で適当に混合し、不定形のゲル状バッターの小塊が2以上不連続に付着したから揚げ用具材を調製した。得られた各具材は、10℃の環境下で1分間静置した後、180℃の揚げ用油に各例それぞれ別個に一度に投入し、50秒間油ちょうした後、105℃のスチームオーブンにて7分間加熱し、終了後直ちに−35℃で凍結し、1時間経過後、再度180℃の揚げ用油で4分間油ちょうし、鶏肉から揚げを調製した。ここで、前記1分間静置後における鶏肉表面に付着した不定形のゲル状バッターの小塊の状態は、ほとんど変化が無かった。
比較例1〜3では、10℃に保持したバッター液を鶏肉表面全体に付着させて具材を調製し、10℃の環境下で1分間静置した後、180℃の揚げ用油に各例それぞれ別個に一度に投入し、50秒間油ちょうした後、105℃のスチームオーブンにて7分間加熱し、終了後直ちに−35℃で凍結し、1時間経過後、再度180℃の揚げ用油で4分間油ちょうし、鶏肉から揚げを調製した。
参考例1では、揚げ物の熟練者により、上記バッター液及び鶏肉を用いて、手作り鶏肉から揚げを調製した。
参考例1で調製したから揚げの外観は、不均一で、不定形の細かな突起状凹凸を有する良好な手作り感の外観であった。そこで、このから揚げの外観を5点とし、7人の専門パネルにより、実施例1〜7及び比較例1〜3で調製したから揚げの外観を、不定形の細かな突起状凹凸感の状態及び衣の不均一状態を、それぞれ1〜5点の5段階で評価してもらった。結果を7人の平均点として表2に示す。
Figure 0004691451
Figure 0004691451
実施例8
ピックル液を、水10.1質量部、ポリリン酸塩ナトリウム0.3質量部、砂糖0.35質量部、食塩0.11質量部、しょうゆ0.52質量部、香辛料0.03質量部、グルタミン酸ナトリウム0.18質量部、乾燥卵白0.3質量部、タピオカ澱粉0.6質量部を混合して調製した。
打ち粉を、澱粉52.3質量部、小麦粉25.0質量部、食塩11.1質量部、グルタミン酸ナトリウム2.1質量部、香辛料1.4質量部を混合して調製した。
液状バッターを、水3.95質量部、鶏卵0.63質量部、澱粉1.29質量部、小麦粉1.24質量部、食塩0.27質量部、グルタミン酸ナトリウム0.05質量部、香辛料0.03質量部、キサンタンガム0.02質量部を10℃となるように混合して調製した。
ゼラチン水溶液を、新田ゼラチン社製の豚皮酸処理抽出ゼラチン(100Bloom)0.14質量部を、予め0.42質量部の水で10分間以上膨潤させ、70℃以上の湯2.24質量部を加えて完全に溶解させて調製した。
上記得られた液状バッターに、20〜30℃に調整した上記ゼラチン水溶液を、混合後の温度が10℃程度を維持するように温度制御しながら混合し、ボールに移して10℃で60分以上静置してゲル化させ、ゲル状バッターを調製した。このゲル状バッターのゲル強度を実施例1と同様に測定したところ、14gfであった。また、40℃における粘度は1200cpsであった。
上記調製したピックル液55gと、鶏肉を略同じ形状で1個あたり約23〜30gとなるように切断したカット鶏肉10個とを、減圧下35分間混合した後、ピックル処理した鶏肉と、上記調製した打ち粉10gとを4分間混合した。次いで、環境温度10℃において、鶏肉と上記調製したゲル状バッターとを、不定形のゲル状バッターの小塊が各鶏肉に2以上付着するように目視で観察しながら手で適当に混合し、不定形のゲル状バッターの小塊が2以上不連続に付着したから揚げ用具材を調製した。得られた各具材は、10℃の環境下で1分間静置した後、180℃の揚げ用油に各例それぞれ別個に一度に投入し、50秒間油ちょうした後、105℃のスチームオーブンにて7分間加熱し、終了後直ちに−35℃で凍結し、1時間経過後、再度180℃の揚げ用油で4分間油ちょうし、鶏肉から揚げを調製した。ここで、前記1分間静置後における鶏肉表面に付着した不定形のゲル状バッターの小塊の状態は、ほとんど変化が無かった。
得られたから揚げについて、実施例1と同じ基準で、パネル試験を行ったところ、不定形の細かな突起状凹凸感の状態の評価は4.6点、衣の不均一状態の評価は4.2点であった。
実施例8のから揚げは、ピックル処理及び打ち粉処理の前処理をしているので、不定形の細かな突起状凹凸感の状態及び衣の不均一状態に加え、実施例1〜7のから揚げに比して、突起が少ない部分での衣のはがれが少なく、突起の多い部分と自然に連続する外観の点で優れていた。

Claims (6)

  1. 少なくとも澱粉及び/又は小麦粉と、水と、ゲル化剤とを含み、10℃におけるゲル強度が5〜65gfのゲル状バッターと、複数のから揚げ用具材とを準備する工程(A)、
    前記ゲル状バッターと前記複数のから揚げ用具材とを、該具材表面に、少なくとも2以上の不定形ゲル状バッター小塊が不均一に付着するよう混合する工程(B)及び、
    工程(B)で調製したゲル状バッター小塊を不均一に有するから揚げ用具材を油ちょうする工程(C)を含むことを特徴とするから揚げの製造方法。
  2. フライヤーに移送するための移送手段に、少なくともバッター処理した複数のから揚げ用具材を複数載置し、フライヤーに移送して油ちょうする工程を含むから揚げの製造方法であって、
    少なくとも澱粉及び/又は小麦粉と、水と、ゲル化剤とを含み、10℃におけるゲル強度が5〜65gfのゲル状バッターと、複数のから揚げ用具材とを準備する工程(A)、
    前記ゲル状バッターと前記複数のから揚げ用具材とを、該具材表面に、少なくとも2以上の不定形ゲル状バッター小塊が不均一に付着するよう混合する工程(B)、
    工程(B)で調製したゲル状バッター小塊を不均一に有するから揚げ用具材を、フライヤーに移送するための移送手段に複数載置する工程(B-1)及び、
    工程(B-1)で載置したから揚げ用具材を、ゲル状バッター小塊が付着した状態を維持する条件でフライヤーに移送し、油ちょうする工程(C-1)を含むことを特徴とするから揚げの製造方法。
  3. 工程(B-1)において、ゲル状バッター小塊が付着した状態を維持する条件が、移送環境温度0〜20℃の条件である請求項2記載の製造方法。
  4. ゲル化剤がゼラチンを含む請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 工程(A)で準備するから揚げ用具材が、ピックル処理、液状又はペースト状のバッター処理、及び打ち粉処理の少なくとも1の前処理を施した具材である請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
  6. 工程(C)又は工程(C-1)の後、得られたから揚げを凍結する工程(D)を含む請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法。
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