JPH10150928A - 揚げ物の製造法及び保管法 - Google Patents

揚げ物の製造法及び保管法

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JPH10150928A
JPH10150928A JP8344397A JP34439796A JPH10150928A JP H10150928 A JPH10150928 A JP H10150928A JP 8344397 A JP8344397 A JP 8344397A JP 34439796 A JP34439796 A JP 34439796A JP H10150928 A JPH10150928 A JP H10150928A
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JP
Japan
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fried
flour
frying
food
oil
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JP8344397A
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Katsuyuki Kurata
勝行 倉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 揚げ種のジューシー感(柔らかく歯ごたえの
ある食感)と表面や衣にクリスピー性(サクサクした食
感)を持った経時安定性の優れた揚げ物や長期間保管し
冷凍品を電子レンジで加熱解凍しても揚げたての食
感、風味が保持できるフライ調理冷凍食品を製造する事
を目的とする。 【解決手段】 揚げ種に、蛋白質、リン酸塩、増粘剤、
有機酸類、グリシン、炭酸ナトリウムの一種、又は二種
以上をコーティングするか、又は、しないで、そのま
ま、1〜100mAで5〜15kVの微弱電流高電圧を
印加し乍ら、フライするか、又は、澱粉、小麦粉等で打
ち粉するか、又は、しないで、予め、揚げておいた揚げ
玉、パン粉、ミックス粉、衣液の一種、又は二種以上を
被覆させた後、1〜100mAで5〜15kVの微弱電
流高電圧を印加し乍ら、フライして得られた揚げ物を冷
却後、又は、凍結後、乾燥剤を同封して包装する事を特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は揚げ種に、蛋白質、
リン酸塩、増粘剤の一種、又は、二種以上をコーティン
グして、そのまま、微弱電流高電圧を印加し乍ら、フラ
イするか、又は、澱粉、小麦粉等を打ち粉するか、又
は、しないで、衣を被覆させた後、微弱電流高電圧を印
加し乍ら、フライする事によって、揚げ種のジューシー
感(柔らかく歯ごたえのある食感)と、表面や衣にクリ
スピー性(サクサクした食感)を持った経時安定性の優
れた揚げ物や冷凍品を電子レンジで加熱解凍しても揚げ
たての食感、風味が保持できるフライ調理冷凍食品を製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、揚げ物は揚げ種をそのまま、フラ
イするフライドチキン、フライドポテト等の素揚げ類、
揚げ種にミックス粉を付けて、フライする唐揚げ類、小
麦粉、澱粉等を打ち粉した後、ミックス粉を冷水で溶い
た衣液を付けて、フライするフリッター類や天ぷら類、
衣液とその表面にパン粉を付けて、フライするフライ類
等が製造されているが、製品の食感、風味等、品質上の
観点から、かき揚げ天ぷら以外の揚げ物はフライ温度が
比較的、高温(170〜200℃)で行われているの
で、フライ油の劣化が著しいと言う問題がある。一方、
“揚げ物は揚げたてがカラッとしていて一番うまい。”
と言われている様に、水分移動に伴う経時変化が激し
く、フライ後そのまま放置しておくとすぐにしなってし
まい商品価値が著しく低下する。又、フライ調理冷凍食
品を電子レンジで加熱解凍するとベトベトになってしま
い、同じく商品価値が低下する。フライ調理冷凍食品の
場合、この問題を解決する為に、オーブントースターに
よる加熱や再フライが調理方法としてマニュアル化され
ているがオーブントースターによる加熱は時間が長くか
かる欠点があり、再フライは焦げたり、油分含量が増加
したりする問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は揚げ種のジュ
ーシー感と表面や衣にクリスピー性を持った経時安定性
の優れた揚げ物や冷凍品を電子レンジで加熱解凍しても
揚げたての食感、風味が保持できるフライ調理冷凍食品
の製造法を提供する事を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する為、
本発明は揚げ種に蛋白質、リン酸塩、増粘剤の一種、又
は、二種以上をコーティングして、そのまま、1〜10
0mAで5〜15kVの微弱電流高電圧を印加し乍ら、
フライするか、又は、澱粉、小麦粉等を打ち粉するか、
又は、しないで、予め、揚げておいた揚げ玉、パン粉、
ミックス粉、衣液の一種、又は二種以上を被覆させた
後、1〜100mAで5〜15kVの微弱電流高電圧を
印加し乍ら、フライする事を特徴とする。ここで揚げ物
の揚げ種としては素揚げ類の場合、チキン、ポテト、サ
ツマイモ、春巻、ギョウザ、シュウマイ、タコヤキ、ア
メリカンドッグ等を挙げる事ができる。唐揚げ類の場
合、チキン、ポーク、ビーフ、マトン等の肉類、カレ
イ、ヒラメ、ワカサギ、アジ、サバ、クジラ等の魚類、
ポテト、サツマイモ等の芋類が挙げられる。フリッター
類の場合、エビ、イカ、タコ、ホタテ等の魚介類、天ぷ
ら類の場合、タマネギ、ニンジン、ゴボウ、ホウレンソ
ウ、シュンギク、インゲン、エンドウ、シシトウ、オク
ラ、ピーマン、レンコン、ナス、カボチャ、山菜、サツ
マイモ、シイタケ等の野菜・芋・キノコ類、エビ、イ
カ、キス、アジ、イワシ、アナゴ等の魚類を挙げる事が
できる。フライ類の場合、トンカツ、チキンカツ、ササ
ミカツ、メンチカツ、ハムカツ、ソーセージ等の肉類、
エビ、イカ、アジ、サケ、タラ、カニ、カキ、ホタテ等
の魚介類、野菜、コーン、クリーム、ビーフ、カレー等
のコロッケ類を挙げる事ができる。揚げ種にコーティン
グする蛋白質としては卵白、卵黄、カゼイン、グルテ
ン、ツェイン、大豆、藻類、酵母等が挙げられる。リン
酸塩としてはピロリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウ
ム、酸性ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、
ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン
酸ナトリウム等が挙げられる。増粘剤としては澱粉類、
寒天、ゼラチン等の食品やアルギン酸、カラギナン、ペ
クチン、タマリンドシードガム、アラビアガム、グァー
ガム、キサンタンガム、カードラン、カルボキシメチル
セルロースナトリウム、メチルセルロース等の食品添加
物を挙げる事ができる。コーティングは揚げ種をコーテ
ィング剤の一種、又は、二種以上を各々、0.1〜20
%含有した水溶液へ0〜50℃で1秒〜20時間浸漬す
れば良い。打ち粉としては澱粉、小麦粉、フライ用ミッ
クス粉等が挙げられる。衣の部分を形成する揚げ玉は通
常、市販されている小麦粉を主原料としたものは、経時
安定性に欠けるので澱粉を主原料としたものが、経時変
化が少なく、電子レンジ加熱耐性に優れ好ましい。原料
澱粉としてはコーン、ワキシー、ハイアミロース、小
麦、馬鈴薯、甘薯、タピオカ、葛、各種加工澱粉等を挙
げる事ができる。又、揚げ玉にクリスピー性を付与させ
る為には、これらに小麦粉、大豆粉、蛋白質、繊維質、
各種食品添加物等を適宜添加すれば良い。色、味につい
ては着色料、調味料を適宜加えれば良い。フライ条件は
130〜180℃で1〜3分である。又、揚げ玉原料は
そのままミックス粉として、衣液に使用できるし、揚げ
玉を衣液に分散させて使用しても良い。フライ類のパン
粉としてはドライ、ソフト、フレークス、赤パン粉等を
挙げる事ができる。ミックス粉は唐揚げ粉、フリッター
粉、天ぷら粉等、市販のものでも良いが電子レンジ加熱
耐性の観点からは小麦粉を主原料としたものより、澱粉
系を主原料としたものが好ましい。衣液はミックス粉を
冷水で溶いたもので良い。微弱電流高電圧の印加は絶縁
施工したフライヤー中に電極を配設し、1〜100mA
の電流で、5〜15kVの電圧を印加すれば良く、これ
によって低温フライが可能となり、経時安定性に優れ、
電子レンジ加熱耐性を持った揚げ物が製造できる事にな
る。又、微弱電流高電圧の印加の程度は感電の危険性、
電磁波障害等の問題から、電流は10〜20mA、電圧
は5〜10kVが望ましい。フライ油としては、菜種
油、大豆油、パーム油、コーン油、米油、紅花油、ゴマ
油、綿実油,マーガリン、ショートニング、ラード、バ
ター、硬化油、それらのブレンド油等が挙げられる。フ
ライ条件は、揚げ物の種類や微弱電流高電圧の印加の程
度によって異なるが、従来より約20℃低い温度でのフ
ライが可能となるので、大凡130〜180℃で1〜5
分である。
【0005】
【発明の実施の形態】一般的に蛋白質は熱や電気によっ
て、不可逆的変性を起こす事が知られているので、予
め、揚げ物の揚げ種を蛋白質でコーティングしておけ
ば、加熱・冷却プロセスを経ても、揚げ種の水分移動を
抑制する事ができる。又、蛋白質は揚げ種と衣の結着性
を向上させる効果がある。リン酸塩は、肉の細胞や組織
の結着性を高める作用があり、例えば、チキン、ポー
ク、エビ、イカ、ホタテ等に使用した場合、加熱による
収縮を抑える事ができる。増粘剤は蛋白質、リン酸塩の
コーティング量を増加させると共に熱や電気によって凝
固し、不溶化するものがあるので、蛋白質との併用によ
って、経時安定性に優れ電子レンジ加熱に対応できる揚
げ物が製造できる。揚げ種の水分移動を抑えるものとし
て、打ち粉があるが小麦粉より澱粉系の方が保水効果が
ある。唐揚げ類は、ミックス粉を付けるので打ち粉は必
要としない。揚げ物の衣となる揚げ玉、パン粉、ミック
ス粉はクリスピー性に優れ、疎水的で経時変化の少ない
ものが良く、前記した様に澱粉系を主原料としたものが
好ましい。パン粉についても予め、揚げておいた揚げ玉
とプレンドして使用すると良い。衣液は、ミックス粉を
対粉100〜200%の冷水で溶いた所謂、バッター液
で良い。フライ中の電場の印加はフライ温度の低下、フ
ライ時間の短縮、それに伴う、油の汚染防止、酸化抑
制、廃油量の削減等の効果がある。これは水や油の分子
集合体であるクラスターが電場印加によって細分化され
る為に熱電導が良くなり、水分の蒸発速度が高められる
結果であると考えられる。又、フライ中の電場の印加に
よって蛋白質、多糖類等の変性作用と同時に水分の表面
蒸発が活発になり、残存した水分子の挙動が固定化され
るので、経時安定性に優れ、電子レンジ加熱耐性を持っ
た揚げ物が従来より、約20℃低いフライ温度で製造で
きる。フライ装置としては絶縁施工し、油槽中に配設し
た電極に微弱電流高電圧が印加できる電場形成システム
を搭載したフライヤーが好ましい。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例(トンカツ)につい
て、詳細に説明する。市販の豚ロース肉(100g)を
卵白5%、粉末状大豆蛋白5%、ゼラチン1%、ピロリ
ン酸ナトリウム1%を含有した水溶液に20℃で1時間
浸漬した後、小麦粉をまんべんなく打ち粉し、市販のフ
ライ用ミックス粉を対粉160%の冷水で溶いたバッタ
ー液へどぶ漬けして、市販のドライパン粉を被覆させ
た。次に、絶縁施工し、微弱電流高電圧発生器と直結さ
せた放電板を底部に付設した30lのテーブル型フライ
ヤーに菜種油を入れ、温度を160℃に調節して、パン
粉付けしたトンカツを投入し、20mAの電流で8kV
の電圧を印加し乍ら、3分間フライしたところ、明るい
褐色をしたロース肉のジューシー感と衣にクリスピー性
を持った風味良好なトンカツが得られた。次に、得られ
た発明品とコーティング及び電場処理をしないで180
℃で3分間フライした従来法のトンカツとを常温(20
〜25℃)で放置したところ、従来品はロース肉が固
く、約4時間でしなった状態になったのに対し、発明品
は1日経ってもロース肉のジューシー感と衣のクリスピ
ー性を保持していた。又、前記、発明品と従来品とを−
40℃で急速凍結し、−20℃で1ケ月保存したものを
出力500Wの電子レンジに入れ、1分間加熱したとこ
ろ、従来品がへなへなになったのに対し、発明品は揚げ
たての食感、風味を保持していた。
【0007】
【発明の効果】以上、説明の通り、本発明によれば従来
法と比較して約20℃低いフライ温度で製造できるので
フライ油の劣化が少なくなり、廃油量が著しく、削減で
きる。そして、経時安定性の優れた揚げ物や、冷凍品を
電子レンジで加熱解凍しても揚げたての食感、風味が保
持できるフライ調理冷凍食品が提供できる。
【手続補正書】
【提出日】平成9年2月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 揚げ物の製造法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は揚げ種に、蛋白質、
リン酸塩、増粘剤の一種、又は、二種以上をコーティン
するか、又は、しないで、そのまま、微弱電流高電圧
を印加し乍ら、フライするか、又は、澱粉、小麦粉等を
打ち粉するか、又は、しないで、衣を被覆させた後、微
弱電流高電圧を印加し乍ら、フライする事によって、揚
げ種のジューシー感(柔らかく歯ごたえのある食感)
と、表面や衣にクリスピー性(サクサクした食感)を持
った経時安定性の優れた揚げ物や冷凍品を電子レンジで
加熱解凍しても揚げたての食感、風味が保持できるフラ
イ調理冷凍食品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、揚げ物は揚げ種をそのまま、フラ
イするフライドチキン、フライドポテト等の素揚げ類、
揚げ種にミックス粉を付けて、フライする唐揚げ類、小
麦粉、澱粉等を打ち粉した後、ミックス粉を冷水で溶い
た衣液を付けて、フライするフリッター類や天ぷら類、
衣液とその表面にパン粉を付けて、フライするフライ類
等が製造されているが、製品の食感、風味等、品質上の
観点から、かき揚げ天ぷら以外の揚げ物はフライ温度が
比較的、高温(170〜200℃)で行われているの
で、フライ油の劣化が著しいと言う問題がある。一方、
“揚げ物は揚げたてがカラッとしていて一番うまい。”
と言われている様に、水分移動に伴う経時変化が激し
く、フライ後そのまま放置しておくとすぐにしなってし
まい商品価値が著しく低下する。又、フライ調理冷凍食
品を電子レンジで加熱解凍するとベトベトになってしま
い、同じく商品価値が低下する。フライ調理冷凍食品の
場合、この問題を解決する為に、オーブントースターに
よる加熱や再フライが調理方法としてマニュアル化され
ているがオーブントースターによる加熱は時間が長くか
かる欠点があり、再フライは焦げたり、油分含量が増加
したりする問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は揚げ種のジュ
ーシー感と表面や衣にクリスピー性を持った経時安定性
の優れた揚げ物や冷凍品を電子レンジで加熱解凍しても
揚げたての食感、風味が保持できるフライ調理冷凍食品
の製造法を提供する事を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する為、
本発明は揚げ種に蛋白質、リン酸塩、増粘剤の一種、又
は、二種以上をコーティングするか、又は、しないで、
そのまま、1〜100mAで5〜15kVの微弱電流高
電圧を印加し乍ら、フライするか、又は、澱粉、小麦粉
等を打ち粉するか、又は、しないで、予め、揚げておい
た揚げ玉、パン粉、ミックス粉、衣液の一種、又は二種
以上を被覆させた後、1〜100mAで5〜15kVの
微弱電流高電圧を印加し乍ら、フライする事を特徴とす
る。ここで揚げ物の揚げ種としては素揚げ類の場合、チ
キン、ポテト、サツマイモ、春巻、ワンタン、ギョウ
ザ、シュウマイ、タコヤキ、アメリカンドッグ等を挙げ
る事ができる。唐揚げ類の場合、チキン、ポーク、ビー
フ、マトン等の肉類、カレイ、ヒラメ、ワカサギ、ア
ジ、サバ、クジラ等の魚類、ポテト、サツマイモ等の芋
類が挙げられる。フリッター類の場合、エビ、イカ、タ
コ、ホタテ等の魚介類、天ぷら類の場合、タマネギ、ニ
ンジン、ゴボウ、ホウレンソウ、シュンギク、インゲ
ン、エンドウ、シシトウ、オクラ、ピーマン、レンコ
ン、ナス、カボチャ、山菜、サツマイモ、シイタケ等の
野菜・芋・キノコ類、エビ、イカ、キス、アジ、イワ
シ、アナゴ等の魚類を挙げる事ができる。フライ類の場
合、トンカツ、チキンカツ、ササミカツ、メンチカツ、
ハムカツ、ソーセージ等の肉類、エビ、イカ、アジ、サ
ケ、タラ、カニ、カキ、ホタテ等の魚介類、野菜、コー
ン、クリーム、ビーフ、カレー等のコロッケ類を挙げる
事ができる。揚げ種にコーティングする蛋白質としては
卵白、卵黄、カゼイン、グルテン、ツェイン、大豆、藻
類、酵母等が挙げられる。リン酸塩としてはピロリン酸
カリウム、ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナト
リウム、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、
メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム等が挙げら
れる。増粘剤としては澱粉類、寒天、ゼラチン等の食品
やアルギン酸、カラギナン、ペクチン、タマリンドシー
ドガム、アラビアガム、グァーガム、キサンタンガム、
カードラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、
メチルセルロース等の食品添加物を挙げる事ができる。
コーティングは揚げ種をコーティング剤の一種、又は、
二種以上を各々、0.1〜20%含有した水溶液へ0〜
50℃で1秒〜20時間浸漬すれば良い。但し、衣と揚
げ種との結着性がさほど問題とならない揚げ物やフライ
中に電場を印加する場合は、コーティング処理を省略し
ても良い。打ち粉としては澱粉、小麦粉、フライ用ミッ
クス粉等が挙げられる。衣の部分を形成する揚げ玉は通
常、市販されている小麦粉を主原料としたものは、経時
安定性に欠けるので澱粉を主原料としたものが、経時変
化が少なく、電子レンジ加熱耐性に優れ好ましい。原料
澱粉としてはコーン、ワキシー、ハイアミロース、小
麦、馬鈴薯、甘薯、タピオカ、葛、各種加工澱粉等を挙
げる事ができる。又、揚げ玉にクリスピー性を付与させ
る為には、これらに小麦粉、大豆粉、蛋白質、繊維質、
各種食品添加物等を適宜添加すれば良い。色、味につい
ては着色料、調味料を適宜加えれば良い。フライ条件は
130〜180℃で1〜3分である。又、揚げ玉原料は
そのままミックス粉として、衣液に使用できるし、揚げ
玉を衣液に分散させて使用しても良い。フライ類のパン
粉としてはドライ、ソフト、フレークス、赤パン粉等を
挙げる事ができる。ミックス粉は唐揚げ粉、フリッター
粉、天ぷら粉等、市販のものでも良いが電子レンジ加熱
耐性の観点からは小麦粉を主原料としたものより、澱粉
系を主原料としたものが好ましい。衣液はミックス粉を
冷水で溶いたもので良い。微弱電流高電圧の印加は絶縁
施工したフライヤー中に電極を配設し、1〜100mA
の電流で、5〜15kVの電圧を印加すれば良く、これ
によって低温フライが可能となり、経時安定性に優れ、
電子レンジ加熱耐性を持った揚げ物が製造できる事にな
る。又、微弱電流高電圧の印加の程度は感電の危険性、
電磁波障害等の問題から、電流は10〜20mA、電圧
は5〜10kVが望ましい。フライ油としては、菜種
油、大豆油、パーム油、コーン油、米油、紅花油、ゴマ
油、綿実油,マーガリン、ショートニング、ラード、バ
ター、硬化油、それらのブレンド油等が挙げられる。フ
ライ条件は、揚げ物の種類や微弱電流高電圧の印加の程
度によって異なるが、従来より10〜20℃低い温度で
のフライが可能となるので、大凡130〜180℃で1
〜5分である。
【0005】
【発明の実施の形態】一般的に蛋白質は熱や電気によっ
て、不可逆的変性を起こす事が知られているので、予
め、揚げ物の揚げ種を蛋白質でコーティングしておけ
ば、加熱・冷却プロセスを経ても、揚げ種の水分移動を
抑制する事ができる。又、蛋白質は揚げ種と衣の結着性
を向上させる効果がある。リン酸塩は、肉の細胞や組織
の結着性を高める作用があり、例えば、チキン、ポー
ク、エビ、イカ、ホタテ等に使用した場合、加熱による
収縮を抑える事ができる。増粘剤は蛋白質、リン酸塩の
コーティング量を増加させると共に熱や電気によって凝
固し、不溶化するものがあるので、蛋白質との併用によ
って、経時安定性に優れ電子レンジ加熱に対応できる揚
げ物が製造できる。揚げ種の水分移動を抑えるものとし
て、打ち粉があるが小麦粉より澱粉系の方が保水効果が
ある。唐揚げ類は、ミックス粉を付けるので打ち粉は必
要としない。揚げ物の衣となる揚げ玉、パン粉、ミック
ス粉はクリスピー性に優れ、疎水的で経時変化の少ない
ものが良く、前記した様に澱粉系を主原料としたものが
好ましい。パン粉についても予め、揚げておいた揚げ玉
とプレンドして使用すると良い。衣液は、ミックス粉を
対粉100〜200%の冷水で溶いた所謂、バッター液
で良い。フライ中の電場の印加はフライ温度の低下、フ
ライ時間の短縮、それに伴う、油の汚染防止、酸化抑
制、廃油量の削減等の効果がある。これは水や油の分子
集合体であるクラスターが電場印加によって細分化され
る為に熱電導が良くなり、水分の蒸発速度が高められる
結果であると考えられる。又、フライ中の電場の印加に
よって蛋白質、多糖類等の変性作用と同時に水分の表面
蒸発が活発になり、残存した水分子の挙動が固定化され
るので、経時安定性に優れ、電子レンジ加熱耐性を持っ
た揚げ物が従来より、10〜20℃低いフライ温度で製
造できる。フライ装置としては絶縁施工し、油槽中に配
設した電極に微弱電流高電圧が印加できる電場形成シス
テムを搭載したフライヤーが好ましい。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例(トンカツ)につい
て、詳細に説明する。市販の豚ロース肉(100g)を
卵白5%、粉末状大豆蛋白5%、ゼラチン1%、ピロリ
ン酸ナトリウム1%を含有した水溶液に20℃で1時間
浸漬した後、小麦粉をまんべんなく打ち粉し、市販のフ
ライ用ミックス粉を対粉160%の冷水で溶いたバッタ
ー液へどぶ漬けして、市販のドライパン粉を被覆させ
た。次に、絶縁施工し、微弱電流高電圧発生器と直結さ
せた放電板を底部に付設した30lのテーブル型フライ
ヤーに菜種油を入れ、温度を160℃に調節して、パン
粉付けしたトンカツを投入し、20mAの電流で8kV
の電圧を印加し乍ら、3分間フライしたところ、明るい
褐色をしたロース肉のジューシー感と衣にクリスピー性
を持った風味良好なトンカツが得られた。次に、得られ
た発明品とコーティング及び電場処理をしないで180
℃で3分間フライした従来法のトンカツとを常温(20
〜25℃)で放置したところ、従来品はロース肉が固
く、約4時間でしなった状態になったのに対し、発明品
は1日経ってもロース肉のジューシー感と衣のクリスピ
ー性を保持していた。又、前記、発明品と従来品とを−
40℃で急速凍結し、−20℃で1ケ月保存したものを
出力500Wの電子レンジに入れ、1分間加熱したとこ
ろ、従来品がへなへなになったのに対し、発明品は揚げ
たての食感、風味を保持していた。
【0007】
【発明の効果】以上、説明の通り、本発明によれば従来
法と比較して相当低いフライ温度で製造できるのでフラ
イ油の劣化が少なくなり、廃油量が著しく、削減でき
る。そして、経時安定性の優れた揚げ物や、冷凍品を電
子レンジで加熱解凍しても揚げたての食感、風味が保持
できるフライ調理冷凍食品が提供できる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年12月9日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 揚げ物の製造法及び保管法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は揚げ種に、蛋白質、
リン酸塩、増粘剤、有機酸類、グリシン、炭酸ナトリウ
の一種、又は、二種以上をコーティングするか、又
は、しないで、そのまま、微弱電流高電圧を印加し乍
ら、フライするか、又は、澱粉、小麦粉等を打ち粉する
か、又は、しないで、衣を被覆させた後、微弱電流高電
圧を印加し乍ら、フライして得られた揚げ物を冷却後、
又は、凍結後、乾燥剤を同封して包装する事によって、
揚げ種のジューシー感(柔らかく歯ごたえのある食感)
と、表面や衣にクリスピー性(サクサクした食感)を持
った経時安定性の優れた揚げ物や長期間保管した冷凍品
を電子レンジで加熱解凍しても揚げたての食感、風味が
保持できるフライ調理冷凍食品を製造する方法及び保管
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、揚げ物は揚げ種をそのまま、フラ
イするフライドチキン、フライドポテト等の素揚げ類、
揚げ種にミックス粉を付けて、フライする唐揚げ類、小
麦粉、澱粉等を打ち粉した後、ミックス粉を冷水で溶い
た衣液を付けて、フライするフリッター類や天ぷら類、
衣液とその表面にパン粉を付けて、フライするフライ類
等が製造されているが、製品の食感、風味等、品質上の
観点から、かき揚げ天ぷら以外の揚げ物はフライ温度が
比較的、高温(170〜200℃)で行われているの
で、フライ油の劣化が著しいと言う問題がある。一方、
“揚げ物は揚げたてがカラッとしていて一番うまい。”
と言われている様に、水分移動に伴う経時変化が激し
く、フライ後そのまま放置しておくとすぐにしなってし
まい商品価値が著しく低下する。又、フライ調理冷凍食
品を電子レンジで加熱解凍するとベトベトになってしま
い、同じく商品価値が低下する。フライ調理冷凍食品の
場合、この問題を解決する為に、オーブントースターに
よる加熱や再フライが調理方法としてマニュアル化され
ているがオーブントースターによる加熱は時間が長くか
かる欠点があり、再フライは焦げたり、油分含量が増加
したりする問題がある。更に、上市されているレンジ対
応、フライ調理冷凍食品の食感、風味等に関する保存性
に及ぼす保管温度の影響は大きく、比較的、完成度の高
い商品でさえ、−20℃で1カ月が限度であると言われ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は揚げ種のジュ
ーシー感と表面や衣にクリスピー性を持った経時安定性
の優れた揚げ物や長期間保管した冷凍品を電子レンジで
加熱解凍しても揚げたての食感、風味が保持できるフラ
イ調理冷凍食品の製造法及び保管法を提供する事を目的
とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する為、
本発明は揚げ種に蛋白質、リン酸塩、増粘剤、有機酸
類、グリシン、炭酸ナトリウムの一種、又は、二種以上
をコーティングするか、又は、しないで、そのまま、1
〜100mAで5〜15kVの微弱電流高電圧を印加し
乍ら、フライするか、又は、澱粉、小麦粉等を打ち粉す
るか、又は、しないで、予め、揚げておいた揚げ玉、パ
ン粉、ミックス粉、衣液の一種、又は二種以上を被覆さ
せた後、1〜100mAで5〜15kVの微弱電流高電
圧を印加し乍ら、フライして得られた揚げ物を冷却後、
又は、凍結後、乾燥剤を同封して包装する事を特徴とす
る。ここで揚げ物の揚げ種としては素揚げ類の場合、チ
キン、ポテト、サツマイモ、春巻、ワンタン、ギョウ
ザ、シュウマイ、タコヤキ、アメリカンドッグ等を挙げ
る事ができる。唐揚げ類の場合、チキン、ポーク、ビー
フ、マトン等の肉類、カレイ、ヒラメ、ワカサギ、ア
ジ、サバ、クジラ等の魚類、ポテト、サツマイモ等の芋
類が挙げられる。フリッター類の場合、エビ、イカ、タ
コ、ホタテ等の魚介類、天ぷら類の場合、タマネギ、ニ
ンジン、ゴボウ、ホウレンソウ、シュンギク、インゲ
ン、エンドウ、シシトウ、オクラ、ピーマン、レンコ
ン、ナス、カボチャ、山菜、サツマイモ、シイタケ等の
野菜・芋・キノコ類、エビ、イカ、キス、アジ、イワ
シ、アナゴ等の魚類を挙げる事ができる。フライ類の場
合、トンカツ、チキンカツ、ササミカツ、メンチカツ、
ハムカツ、ソーセージ等の肉類、エビ、イカ、アジ、サ
ケ、タラ、カニ、カキ、ホタテ等の魚介類、野菜、コー
ン、クリーム、ビーフ、カレー等のコロッケ類を挙げる
事ができる。揚げ種にコーティングする蛋白質としては
卵白、卵黄、カゼイン、グルテン、ツェイン、大豆、藻
類、酵母等が挙げられる。リン酸塩としてはピロリン酸
カリウム、ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナト
リウム、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、
メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム等が挙げら
れる。増粘剤としては澱粉類、寒天、ゼラチン等の食品
やアルギン酸、カラギナン、ペクチン、タマリンドシー
ドガム、アラビアガム、グァーガム、キサンタンガム、
カードラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、
メチルセルロース等の食品添加物を挙げる事ができる。
有機酸類としては、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酢
酸、乳酸、アジピン酸、及びその塩類等が挙げられる。
コーティングは揚げ種をコーティング剤の一種、又は、
二種以上を各々、0.1〜20%含有した水溶液へ0〜
50℃で1秒〜20時間浸漬すれば良い。但し、衣と揚
げ種との結着性がさほど問題とならない揚げ物やフライ
中に電場を印加する場合は、コーティング処理を省略し
ても良い。打ち粉としては澱粉、小麦粉、フライ用ミッ
クス粉等が挙げられる。衣の部分を形成する揚げ玉は通
常、市販されている小麦粉を主原料としたものは、経時
安定性に欠けるので澱粉を主原料としたものが、経時変
化が少なく、電子レンジ加熱耐性に優れ好ましい。原料
澱粉としてはコーン、ワキシー、ハイアミロース、小
麦、馬鈴薯、甘薯、タピオカ、葛、各種加工澱粉等を挙
げる事ができる。又、揚げ玉にクリスピー性を付与させ
る為には、これらに小麦粉、大豆粉、蛋白質、繊維質、
各種食品添加物等を適宜添加すれば良い。色、味につい
ては着色料、調味料を適宜加えれば良い。フライ条件は
130〜180℃で1〜3分である。又、揚げ玉原料は
そのままミックス粉として、衣液に使用できるし、揚げ
玉を衣液に分散させて使用しても良い。フライ類のパン
粉としてはドライ、ソフト、フレークス、赤パン粉等を
挙げる事ができる。ミックス粉は唐揚げ粉、フリッター
粉、天ぷら粉等、市販のものでも良いが電子レンジ加熱
耐性の観点からは小麦粉を主原料としたものより、澱粉
系を主原料としたものが好ましい。衣液はミックス粉を
冷水で溶いたもので良い。微弱電流高電圧の印加は絶縁
施工したフライヤー中に電極を配設し、1〜100mA
の電流で、5〜15kVの電圧を印加すれば良く、これ
によって低温フライが可能となり、経時安定性に優れ、
電子レンジ加熱耐性を持った揚げ物が製造できる事にな
る。又、微弱電流高電圧の印加の程度は感電の危険性、
電磁波障害等の問題から、電流は〜20mA、電圧は
5〜10kVが望ましい。フライ油としては、菜種油、
大豆油、パーム油、コーン油、米油、紅花油、ゴマ油、
綿実油,マーガリン、ショートニング、ラード、バタ
ー、硬化油、それらのブレンド油等が挙げられる。フラ
イ条件は、揚げ物の種類や微弱電流高電圧の印加の程度
によって異なるが、従来より10〜20℃低い温度での
フライが可能となるので、大凡130〜180℃で1〜
5分である。食感、風味等に関する保存性を高める為に
は包装、保管に際して、乾燥剤を同封する事が好まし
く、この場合、乾燥剤としては市販されている粒状の酸
化カルシウム、二酸化ケイ素等が良い。
【0005】
【発明の実施の形態】一般的に蛋白質は熱や電気によっ
て、不可逆的変性を起こす事が知られているので、予
め、揚げ物の揚げ種を蛋白質でコーティングしておけ
ば、加熱・冷却プロセスを経ても、揚げ種の水分移動を
抑制する事ができる。又、蛋白質は揚げ種と衣の結着性
を向上させる効果がある。リン酸塩は、肉の細胞や組織
の結着性を高める作用があり、例えば、チキン、ポー
ク、エビ、イカ、ホタテ等に使用した場合、加熱による
収縮を抑える事ができる。増粘剤は蛋白質、リン酸塩の
コーティング量を増加させると共に熱や電気によって凝
固し、不溶化するものがあるので、蛋白質との併用によ
って、経時安定性に優れ電子レンジ加熱に対応できる揚
げ物が製造できる。有機酸類はPH調整、制菌作用、保
水効果等がある。グリシンは制菌作用の他に甘味、旨味
等の呈味効果があり、炭酸ナトリウムは素材を弱アルカ
リ性にするので、肉類に対する軟化作用と衣との結着性
を高める効果がある。揚げ種の水分移動を抑えるものと
して、打ち粉があるが小麦粉より澱粉系の方が保水効果
がある。唐揚げ類は、ミックス粉を付けるので打ち粉は
必要としない。揚げ物の衣となる揚げ玉、パン粉、ミッ
クス粉はクリスピー性に優れ、疎水的で経時変化の少な
いものが良く、前記した様に澱粉系を主原料としたもの
が好ましい。パン粉についても予め、揚げておいた揚げ
玉とプレンドして使用すると良い。衣液は、ミックス粉
を対粉100〜200%の冷水で溶いた所謂、バッター
液で良い。フライ中の電場の印加はフライ温度の低下、
フライ時間の短縮、それに伴う、油の汚染防止、酸化抑
制、廃油量の削減等の効果がある。これは水や油の分子
集合体であるクラスターが電場印加によって細分化され
る為に熱電導が良くなり、水分の蒸発速度が高められる
結果であると考えられる。又、フライ中の電場の印加に
よって蛋白質、多糖類等の変性作用と同時に水分の表面
蒸発が活発になり、残存した水分子の挙動が固定化され
るので、経時安定性に優れ、電子レンジ加熱耐性を持っ
た揚げ物が従来より、10〜20℃低いフライ温度で製
造できる。フライ装置としては絶縁施工し、油槽中に配
設した電極に微弱電流高電圧が印加できる電場形成シス
テムを搭載したフライヤーが好ましい。本発明の揚げ物
を乾燥剤を同封して包装すると雰囲気中の湿度が低下
し、表面の乾燥状態が保持されるので、食感、風味等に
関する保存性が向上する。特に電子レンジ対応のフライ
冷凍食品の場合、保管する温度による影響が大きく乾燥
同封の効果が顕著である。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例(トンカツ)につい
て、詳細に説明する。市販の豚ロース肉(100g)を
卵白5%、粉末状大豆蛋白5%、ゼラチン1%、ピロリ
ン酸ナトリウム1%を含有した水溶液に20℃で1時間
浸漬した後、小麦粉をまんベんなく打ち粉し、市販のフ
ライ用ミックス粉を対粉160%の冷水で溶いたバッタ
ー液へどぶ漬けして、市販のドライパン粉を被覆させ
た。次に、絶縁施工し、微弱電流高電圧発生器と直結さ
せた放電板を底部に付設した30lのテーブル型フライ
ヤーに菜種油を入れ、温度を160℃に調節して、パン
粉付けしたトンカツを投入し、20mAの電流で8kV
の電圧を印加し乍ら、3分間フライしたところ、明るい
褐色をしたロース肉のジューシー感と衣にクリスピー性
を持った風味良好なトンカツが得られた。次に、得られ
た発明品とコーティング及び電場処理をしないで180
℃で3分間フライした従来法のトンカツとを常温(20
〜25℃)で放置したところ、従来品はロース肉が固
く、約4時間でしなった状態になったのに対し、発明品
は1日経ってもロース肉のジューシー感と衣のクリスピ
ー性を保持していた。又、前記、発明品と従来品とを−
40℃で急速凍結し、−20℃で1ケ月保存したものを
出力500Wの電子レンジに入れ、1.5分間加熱した
ところ、従来品がへなへなになったのに対し、発明品は
揚げたての食感、風味を保持していた。更に、急速凍結
した発明品と市販の粒状生石灰乾燥剤(20gパック
品)をバリヤー性の優れた合成樹脂製の包材で包装し、
−20℃で3ケ月保管したものを、上記電子レンジで同
様に加熱解凍したところ、乾燥剤を入れない対照品がへ
なへなになったのに対し、乾燥剤を同封した発明品は揚
げたての食感、風味を保持していた。
【0007】
【発明の効果】以上、説明の通り、本発明によれば従来
法と比較して相当低いフライ温度で製造できるのでフラ
イ油の劣化が少なくなり、廃油量が著しく、削減でき
る。そして、経時安定性の優れた揚げ物や、長期間保管
した冷凍品を電子レンジで加熱解凍しても揚げたての食
感、風味が保持できるフライ調理冷凍食品が提供でき
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揚げ種に蛋白質、リン酸塩、増粘剤の一
    種、又は、二種以上をコーティングして、フライする事
    を特徴とする揚げ物の製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のコーティングした揚げ
    種に澱粉、小麦粉等を打ち粉するか、又は、しないで、
    衣を被覆させて、フライする事を特徴とする揚げ物の製
    造法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の衣が予め、揚げておい
    た揚げ玉、パン粉、ミックス粉、衣液の一種、又は、二
    種以上である事を特徴とする揚げ物の製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1及び請求項2に記載のフライ中
    に1〜100mAで5〜15kVの微弱電流高電圧を印
    加する事を特徴とする揚げ物の製造法。
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