JP3208341B2 - 揚げ物用衣材 - Google Patents

揚げ物用衣材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は天ぷら、フライなど
の揚げ物用の衣材に関し、更に詳しくは食感に優れ、し
かも優れた食感を長時間維持する衣が得られる衣材に関
する。
【0002】
【従来の技術】衣をつける揚げ物には、具材にまぶし
粉をまぶして揚げるか又はから揚げ用バッター液をつけ
て揚げるから揚げ、具材にまぶし粉をまぶすか又はま
ぶさずに小麦粉の溶き液をつけて揚げる天ぷら、具材
にまぶし粉をまぶすか又はまぶさずにバッター液をつ
け、その上にパン粉をつけて揚げるフライ、カツレツ、
コロッケなどがある。
【0003】従来これらの揚げ物で、まぶし粉には主に
小麦粉、澱粉が使用されているし、バッター液には小麦
粉を主体にし、米粉、コーンフラワー、澱粉、天然ガ
ム、卵白、ベーキンパウダーなどが必要に応じて用いら
れている。
【0004】このような揚げ物の衣としては、一般にサ
クサクした食感が好まれ、更に近年ではソフトで口当り
が良いことが求められるし、この食感が長時間維持され
ることは永年の命題である。揚げ物は元来、揚げること
により衣は乾燥されてカリッとした食感となるが、具材
は加熱調理される程度で水分を多く含む状態にあるの
で、揚げ物を放置すると具材の水分が衣に移行して短時
間の内に、カリッとしていた衣に粘りがでて、グシャと
した歯切れの悪い好ましくない食感になってくる。例え
ば、弁当の惣菜に揚げ物を使用した時によく見られると
ころである。
【0005】揚げ物の食感改善には多くの方法が提案さ
れている。例えば、粉末状エチルアルコールを配合する
(特開昭57−33561号)、低粘性加工澱粉と膨剤
を含む天ぷら粉を衣材に用いてシャキッとした軽い食感
が得られる(特開平4−8253号)、可溶性ゼラチン
で被覆した具材に低粘性加工澱粉を含む衣材を用いた天
ぷらは電子レンジで加熱してもシャキッとした軽い食感
が得られる(特開平4−8255号)、酢酸でんぷんを
含有する衣組成物を用いてソフトでサクサクとした歯も
ろい食感が得られる(特開平4−131057号)など
の提案がある。
【0006】また、揚げたての食感を長時間維持する方
法も提案されている。特開平4−11858号にはα化
米粉とロースト小麦粉からなるフライバッター用粉、特
開平7−67565号には小麦粉、化工澱粉と卵白、卵
黄、植物蛋白、粉末油脂、膨張剤、増粘多糖類のうちの
3種類以上からなる揚げ物用衣材が開示されている。
【0007】しかし、これらはいずれもソフトで口当り
が良くてサクサクした食感を有し、しかもこの食感を長
時間維持すると言う観点に於て、充分満足されるに至っ
ていない。
【0008】一方、特開平4−210563にはリン酸
架橋澱粉を含む混合粉を用いるレトルトフライ食品の製
造法が開示されているが、製造されるフライ食品がフラ
イ後レトルトで加圧加熱する特殊なものであり、ここで
使用される架橋澱粉はその膨潤度が原料澱粉の1.1〜
2倍、好ましくは1.4〜1.6倍と加熱により殆ど膨
潤しない架橋澱粉である。かかる架橋澱粉を通常の揚げ
物に用いると非常に硬くなって口当りの悪い衣になる。
【0009】
【本発明が解決しようとする課題】本発明が解決しよう
とする課題は、揚げ物の製造に用いる衣材として、従来
法では充分満足されるに至っていないところのソフトで
口当りが良くてサクサクした食感を有し、しかもこの食
感を長時間維持する衣が得られる揚げ物用衣材の提供に
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明らは上記課題を解
決すべく鋭意検討した結果、特定の架橋澱粉を用いるこ
とにより上記課題が解決されることを見いだし本発明を
完成するに至った。
【0011】即ち、膨潤度が4〜15で、且つ、溶解度
が10重量%以下である架橋澱粉を20重量%以上含有
する揚げ物用衣材により本発明の課題は達せられる。
【0012】本発明に於いて揚げ物とは何らかの方法で
具材(種)に衣をつけて油揚げした物を指称し、例え
ば、から揚、天ぷら、フライ、カツレツ、コロッケなど
で、これらにまぶし粉として、或は天ぷらの衣液やフラ
イのバッター液にして使用する衣材である。
【0013】本発明で使用する架橋澱粉はトリメタリン
酸塩、ヘキサメタリン酸塩、オキシ塩化リン、エピクロ
ロヒドリンなどの従来から使用されて来た架橋剤を用い
て澱粉を架橋することによって得られ、その架橋の程度
を加熱糊化した時の膨潤度が4〜15で、且つ、溶解度
が10重量%以下になるように架橋した澱粉を指称す
る。膨潤度が4より小さくなると得られた衣の食感が硬
くなり、膨潤度が15を越えて大きくなった場合、或は
溶解度が10重量%を越えて多くなった場合には好まし
い食感が得られ難くなるだけでなく、食感の劣化が早く
なる。
【0014】
【発明の実施形態】本発明の架橋澱粉は膨潤度が4〜1
5で、且つ、溶解度が10重量%以下であることを要す
るが、この条件を満たす限りに於いては架橋処理と他の
加工処理を組み合わせたものも同様に本発明の効果を発
揮して本発明に包含される。組み合わせる加工処理の方
法によっては補足した性質も得られる。例えば、漂白処
理を組み合わせるとより白度のよい衣材が得られるし、
α−化処理を組み合わせると冷水で膨潤して粘性を生
じ、バッター液の粘性付与にも寄与するので、架橋澱粉
の必要量をα−化処理した架橋澱粉とα−化処理してな
い架橋澱粉を適宜組み合わせて使用すれば、所望のバッ
ター液の粘性が得られると共に、本発明の効果を有する
揚げ物が得られる。
【0015】架橋処理と他の加工処理を組み合わせた架
橋澱粉の中で、特にアセチル基又はヒドロキシプロピル
基などの官能基を付与した架橋澱粉は、揚げ物を製造す
る際にまぶし粉をして使用する場合は同様の効果を有す
るが、まぶし粉をせずに使用すると効果が顕著でない場
合も見られるなど、衣材の使用方法によって多少効果が
異なる。その点官能基が付与されていない架橋澱粉は、
いずれの使用方法に於いても顕著な効果を有する衣材が
得られてより好ましい。尚、官能基を付与した架橋澱粉
とは、澱粉に架橋処理をする前、架橋処理をした後或は
架橋処理と同時に無水酢酸、酢酸ビニールモノマー、プ
ロピレンオキサイドなどを用いて常法に従ってアセチル
基又はヒドロキシプロピル基などの官能基を付与した架
橋澱粉を指称する。一方、官能基が付与されていない架
橋澱粉とは、これらの官能基を付与する処理がされてい
ない架橋澱粉を指称し、官能基を付与する処理以外の処
理を組み合わせた架橋澱粉は官能基が付与されていない
架橋澱粉に包含される。
【0016】架橋澱粉を製造する際に用いる原料澱粉と
しては、市販の澱粉、例えば、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱
粉、サゴ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスター
チ、小麦澱粉、米澱粉、甘藷澱粉などいずれも使用でき
る。しかし、澱粉の種類によって架橋の程度を同じにし
ても膨潤度と溶解度は異なってくる。例えば、澱粉粒子
の大きい馬鈴薯澱粉では架橋度のわりに膨潤度が大きく
なり、アミロース含量の高いハイアミロースコーンスタ
ーチは未処理の状態でも膨潤度は低いが、溶解度は高
い。また、官能基を付与すると膨潤度は高くなるし、α
−化処理を組み合わせると膨潤度も溶解度も幾分高くな
る。従って、上述の膨潤度と溶解度の範囲になるよう
に、それぞれの澱粉及び組み合わせる加工処理に合わせ
て架橋の程度を選ぶ必要がある。
【0017】本発明で使用する架橋澱粉は特定の膨潤度
を有するだけでなく、特定の溶解度を有するものである
ことが必要である。単に特定の膨潤度を有するだけの澱
粉は架橋澱粉以外の加工澱粉、例えば、湿熱処理澱粉、
老化加工澱粉、乳化剤処理澱粉などでも得られるが、こ
れらの加工澱粉では本発明が必要とする溶解度は得られ
ず、従って、本発明の効果は得られない。
【0018】尚、本発明で述べる膨潤度、溶解度は以下
の方法に従って測定される。
【0019】<膨潤度、溶解度>乾燥物換算で試料1.
0gを脱イオン水100mlに分散し、90℃で30分
間加熱後30℃に冷却する。次いで、この糊化液を遠心
分離(3000rpm、10分間)してゲル層と上澄層
に分け、ゲル層の重量を測定してこれをAとする。次い
で、重量測定したゲル層を乾固(105℃、恒量)して
重量を測定してこれをBとし、A/Bで膨潤度を表す。
一方、この時の上澄液に含まれる全糖量をフェノール硫
酸法で測定し、その容量と合わせて溶解度を算出する。
【0020】本発明の衣材は上述の架橋澱粉のみを衣材
として用いることもできるが、少なくとも20重量%以
上、より好ましくは40重量%以上含有する衣材にして
用いることにより本発明の効果を発揮する。該架橋澱粉
が20重量%に満たない含量の衣材では好ましい食感が
得られ難いし、好ましい食感の持続効果も乏しくなる。
【0021】本発明に於ては好ましい態様として、上述
の架橋澱粉を20重量%含有すると共に大豆蛋白を3〜
20重量%含有する揚げ物用衣材が挙げられる。大豆蛋
白をこの範囲で併用することにより、口当たりがより細
かくて滑らかとなり、より好ましい揚げ物が得られる。
ここで用いる大豆蛋白は全脂大豆、脱脂大豆或は脱脂大
豆を原料として蛋白含有率を高めた大豆蛋白を指称し、
具体的には全脂大豆粉、脱脂大豆粉、加熱処理した全脂
大豆粉、脱脂大豆粉、脱脂大豆をエクストル−ダ−で処
理した粒状大豆蛋白、脱脂大豆を洗浄して蛋白含有率を
上げた濃縮大豆蛋白、脱脂大豆より蛋白を分離した分離
大豆蛋白などが挙げられる。
【0022】本発明は特定の架橋澱粉を20重量%以上
含有する揚げ物用衣材、好ましくは更に大豆蛋白を3〜
20重量%含有する揚げ物用衣材に関し、この衣材に於
いて架橋澱粉及び大豆蛋白以外は、通常揚げ物食品の衣
材に使用されている材料を用いることができる。具体的
には小麦粉、コーンフラワー、米粉、α−化米粉などの
穀粉、タマリンド種子ガム、キサンタンガム、グアーガ
ム、カラギーナンなどの天然ガム、前述の架橋澱粉以外
の澱粉、ベーキングパウダー、重炭酸ソーダなどの膨張
剤、大豆蛋白以外の卵白、卵黄、ガゼインなどの蛋白
質、澱粉分解物、還元澱粉分解物などのデキストリン、
大豆油、マーガリン等の油脂類、レシチン、シュガーエ
ステルなどの乳化剤、β−カロチン、エンチイエローな
どの色素、みりん、醤油、グルタミン酸ソーダ、核酸系
調味料などの調味料、ビタミンE、食塩などが挙げら
れ、必要に応じて適宜用いることができる。
【0023】尚、架橋澱粉以外の澱粉とは本発明の条件
を満たさない澱粉及び加工澱粉を指し、例えば、コーン
スターチ、小麦澱粉、米澱粉などの未処理澱粉及び油脂
加工澱粉、次亜塩素酸ソーダ処理澱粉、酸処理澱粉、α
−化澱粉、本発明の条件を満たさない架橋澱粉、エーテ
ル化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化架橋澱粉、エス
テル化架橋澱粉などの加工澱粉が挙げられる。
【0024】本発明の衣材は揚げ物の製造に於いて、ま
ぶし粉として用いることもできるし、水溶きして天ぷら
の衣液、フライのバッター液として用いることもでき
る。まぶし粉として用いる場合は架橋澱粉単独、好まし
くは架橋澱粉に大豆蛋白を3−20重量%混合して用い
ることもできるし、或は架橋澱粉が20重量%以上、好
ましくは更に大豆蛋白が3〜20重量%含有するように
必要に応じて上述の他の衣材料を混合してまぶし粉とす
る。衣液やバッター液にして用いる場合には、所定量の
架橋澱粉、好ましくは更に所定量の大豆蛋白と、必要に
応じて上述の他の衣材料を予めプレミックスして、適量
の水を加えて衣液やバッター液にするか、適量の水にこ
れら衣材料を順次加えて均一に分散させて衣液やバッタ
ー液を調製して使用する。
【0025】本発明の衣材を用いる揚げ物の具材(種)
は特に制約はなく、一般に揚げ物に使用される具材、例
えば、玉ねぎ、人参、いも類、ごぼう、ピーマンなどの
野菜類、エビ、イカ、貝柱、小魚、白身の魚などの魚介
類、鶏肉、豚肉、牛肉などの鳥獣肉類の他、椎茸、ゆで
卵、海苔などが使用できるし、衣材だけを揚げて作られ
る揚げ玉にも使用できる。
【0026】本発明の衣材を用いて得られる揚げ物はソ
フトで口当りが良くてサクサクした食感の衣となり、こ
の揚げ物は常温で長時間放置しても揚げたての食感を維
持する。また、この揚げ物を冷凍保存した後、電子レン
ジ或はオーブンで再加熱してもこの好ましい食感が得ら
れ、これを放置しても冷凍保存しないものに較べると多
少維持時間は短くなるものの従来品に較べるとより永く
好ましい食感を保っている。
【0027】
【実施例】次に、実施例、参考例を挙げ、本発明を更に
詳細に説明する。尚、以下の例で%は重量%を、部は重
量部を表す。
【0028】
【参考例1】水120部に硫酸ソーダ10部、市販の小
麦澱粉100部を加えたスラリーを4点調製し、撹拌
下、約3%の苛性ソーダ水溶液でpH11.1〜11.
3に維持しながら、エピクロロヒドリンを1.3部、
0.7部、0.06部、0.01部それぞれ加え、41
℃で12時間反応した後、塩酸で中和し、水洗、脱水、
乾燥して試料No.1、2、3、4の架橋澱粉を得た。
これらの物性を表1に示す。
【0029】
【参考例2】参考例1に於いて、小麦澱粉を馬鈴薯澱粉
に替え、エピクロロヒドリンをトリメタリン酸ソーダ
0.07部に替えた他は同様に処理して試料No.5の
架橋澱粉を得た。その物性を表1に示す。
【0030】
【参考例3】参考例に2に於て、馬鈴薯澱粉をタピオカ
澱粉に替え、トリメタリン酸ソーダの添加量を0.3部
と0.1部とした他は同様に処理して試料No.6及び
7の架橋澱粉を得た。その物性を表1に示す。
【0031】
【参考例4】市販の春雨を微粉砕した粉末を60メッシ
ュの篩いを通して試料No.8の老化加工澱粉を得た。
その物性を表1に示す。
【0032】
【参考例5】参考例1で得た試料No.2の架橋澱粉1
00部を水120部に分散し、これをドラムドライヤー
でα−化、乾燥し、粉砕して60メッシュの篩いを通し
て試料No.9のα−化架橋澱粉を得た。その物性を表
1に示す。
【0033】
【参考例6】水120部に硫酸ソーダ20部、小麦澱粉
100部を加えたスラリーを調製し、撹拌下約3%の苛
性ソーダ水溶液40部、トリメタリン酸ソーダ0.2
部、プロピレンオキサイド5部を加えて41℃で20時
間反応した後、硫酸で中和し、水洗、脱水、乾燥して試
料No.10の官能基(ヒドロキシプロピル基)を付与
した架橋澱粉を得た。その物性を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【実施例1】下記配合の衣材100部に水150部を加
えてバッター液を調製し、鶏のもも肉にこのバッター液
をつけ、180℃で3分間油で揚げて鶏のから揚げを製
造した。
【0036】 <衣材の配合組成> 小麦粉(薄力粉) 25部 試料No.1−8の架橋澱粉又は老化加工澱粉 67部 ライスターNE(松谷化学工業社製のα−澱粉) 3部 グルコ−ス 1部 食塩 3部 香辛料 1部
【0037】得られた鶏のから揚げを室温に12時間放
置し、下記基準に従って食感を評価してその結果を用い
た試料No.と共に表2に示す。
【0038】 <評価基準> ソフトさ; ◎:ソフトである ○:かなりソフトである △:やや硬い ×:硬い サクサク感;◎:もろく、サクサクしている ○:かなりもろく、かなりサクサクしている △:やや粘りがあり、やや歯切れが悪い ×:粘りがあり、歯切れが悪い 口当り; ◎:細かくて滑らかな口当り ○:かなり細かくて、かなり滑らかな口当り △:やや荒く、ややざらざらした口当り ×:荒く、ざらざらした口当り
【0039】
【表2】
【0040】
【実施例2】実施例1に於て、架橋澱粉として試料N
o.3を用い、この架橋澱粉、小麦粉、α−澱粉を表3
に示す割合(部で表す)とし、グルコース、食塩、香辛
料は実施例1と同量配合した衣材を使用した他は同様に
して鶏のから揚げを製造し、同様に評価してその結果を
表3に示す。尚、α−澱粉としては松谷化学工業社製
「ライスターNE」を同じ程度のバッター粘度を得るた
めに使用した。
【0041】
【表3】
【0042】
【実施例3】架橋澱粉として試料No.6を用い、この
架橋澱粉、小麦粉、分離大豆蛋白を表4に示す割合(部
で表す)で使用し、これらと食塩8部、グルコース2
部、グルタミン酸ソーダ1部、香辛料1部を混合してか
ら揚げ用衣材とし、これらを鶏肉にまぶして揚げて鶏の
から揚げを製造した。得られたから揚げを実施例1に従
って評価し、その結果を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】
【実施例4】蒸したジャガイモをつぶし、炒めた牛肉ミ
ンチ、玉ねぎ、塩、胡椒、調味料を混ぜ、成形してコロ
ッケ種を作った。試料No.6の架橋澱粉70部、小麦
粉20部、分離大豆蛋白10部、キサンタンガム0.1
部に水200部を加えてバッター液を調製し、先に用意
したコロッケ種につけ、パン粉をまぶして180℃で油
で揚げた。得られたコロッケの半量は室温に12時間放
置し、半量は冷凍して保存して30日後に電子レンジで
再加熱して評価した。両者ともソフトで口当りが良く、
サクサクした食感を有する好ましいものであった。
【0045】
【実施例5】試料No.2の架橋澱粉50部、市販のバ
ッター用油脂加工澱粉「バッタースタ−チ#0」(日本
食品化工社製)46部、加熱処理した脱脂大豆の粉末4
部に水150部を加え、撹拌均一化してバッター液を調
製した。市販のトンカツ用豚ロ−ス肉にこのバッター液
をつけ、更にパン粉をつけて160℃で5分間揚げてト
ンカツを得た。得られたトンカツの半量は室温に12時
間放置し、半量は冷凍して保存して30日後に電子レン
ジで再加熱して評価した。両者ともソフトで口当たりが
良く、サクサクした好ましい食感を有していた。
【0046】
【実施例6】試料No.7の架橋澱粉60部、試料N
o.9のα−化架橋澱粉10部、小麦粉24部、分離大
豆蛋白4部、食塩1部、膨張剤1部を混合して天ぷら用
衣材を調製した。この衣材100部に水150部を加え
て衣液を作り、皮をむいたエビに天ぷら用衣材をまぶ
し、更にこの衣液をつけ、170℃で2分30秒揚げて
エビの天ぷらを得た。得られた天ぷらの半量は室温に1
2時間放置し、半量は冷凍して保存して30日後に電子
レンジで再加熱して評価した。両者ともソフトで口当た
りが良く、サクサクした好ましい食感を有していた。
【0047】
【実施例7】適度の大きさに裁断したカボチャに試料N
o.10の架橋澱粉を衣材としてまぶし粉をし、更に試
料No.10の架橋澱粉28部、小麦粉30部、コーン
フラワー30部、試料No.9のα−化架橋澱粉5部、
分離大豆蛋白5部、食塩1部、膨張剤1部を混合して調
製した天ぷら用衣材100部に水150部を加えた衣液
をつけ、175℃で1分30秒揚げてカボチャの天ぷら
を得た。得られた天ぷらの半量は室温に8時間放置し、
半量は冷凍して保存して30日後に電子レンジで再加熱
して評価した。両者ともソフトで口当たりが良く、サク
サクした好ましい食感を有していた。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膨潤度が4〜15で、且つ、溶解度が10
    重量%以下である架橋澱粉を20重量%以上含有するこ
    とを特徴とする揚げ物用衣材。
  2. 【請求項2】架橋澱粉が官能基を付与していない架橋澱
    粉である請求項1に記載の揚げ物用衣材。
  3. 【請求項3】架橋澱粉が官能基を付与されている架橋澱
    粉である請求項1に記載の揚げ物用衣材。
  4. 【請求項4】架橋澱粉の含量が40重量%以上であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の揚げ物用衣材。
  5. 【請求項5】架橋澱粉と共に大豆蛋白を3〜20重量%
    含有することを特徴とする請求項1に記載の揚げ物用衣
    材。
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