JP2002051718A - 揚げ物用衣組成物 - Google Patents

揚げ物用衣組成物

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JP2002051718A
JP2002051718A JP2000242568A JP2000242568A JP2002051718A JP 2002051718 A JP2002051718 A JP 2002051718A JP 2000242568 A JP2000242568 A JP 2000242568A JP 2000242568 A JP2000242568 A JP 2000242568A JP 2002051718 A JP2002051718 A JP 2002051718A
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mass
fried
composition
high protein
batter
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JP2000242568A
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Toshihiro Kojima
敏宏 小島
Satoshi Saito
学志 斎藤
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Nitto Flour Milling Co Ltd
Original Assignee
Nitto Flour Milling Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油ちょう直後の食感がクリスピーでサクサク
感があり、この食感の経時的変化が少なく、冷蔵・冷凍
保存後に電子レンジで加熱したり、油ちょうしても衣の
食感の劣化の少ない揚げ物用衣組成物を提供する。 【解決手段】 揚げ物用衣組成物として、粒度が20〜
80メッシュの難溶性粒状物質と、カードラン、キサン
タンガム、グアガム、グリロイド、プルラン及びカラギ
ーナンからなる群から選ばれた1種以上の増粘多糖類
と、高蛋白質粉粒体とを含有させる。前記難溶性粒状物
質が、ピーナッツ、アーモンド、カシューナッツ、コー
ングリッツ、米粉、小麦セモリナ、クラッカー粉及びド
ライパン粉からなる群から選ばれた少なくとも1種であ
ることが好ましい。また、前記増粘多糖類は、2種以上
含まれていることが好ましい。更に、前記高蛋白質粉粒
体が、卵白粉及び/又は小麦グルテンであることが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油ちょう直後の食
感がクリスピーでサクサク感があり、この食感の経時的
変化が少なく、電子レンジで冷えたフライ食品を再加熱
してもこの食感の劣化の少ない揚げ物用衣組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】唐揚げ、天ぷら、フリッター、コロッ
ケ、トンカツ等のフライ食品は、衣のサクサクとした食
感が美味しさの1つの要素となっている。この食感は、
揚げたてのときには比較的良好であるが、油ちょう後の
時間が経過するに伴って、具材の水分が衣に移行するな
どの理由から、サクサク感がなくなって劣化する傾向が
ある。特に、油ちょう済みのフライ食品を冷蔵又は冷凍
保存した後、電子レンジで再加熱して食する場合に上記
食感の劣化が顕著に起こる。
【0003】このようなフライ食品の衣の食感を改善す
るために、例えば以下のような技術が開示されている。
特許公報第2995489号公報(特開平4−8895
7号)には、粒度が32メッシュスルー80メッシュオ
ーバーの強力系硬質小麦粉砕物を5質量%以上含有する
ことを特徴とするフライ用衣ミックスが開示されてい
る。
【0004】特開平4−40870号公報には、コーン
グリッツ及び/又は小麦セモリナと、α化澱粉及び/又
はα化澱粉と、酵素失活小麦粉とを含有し、酵素活性の
存在する小麦粉は含有しないことを特徴とする電子レン
ジ、オーブン又は湯煎調理用の油ちょう済フライ食品用
衣材が開示されている。
【0005】特開平7−308173号公報には、蓄肉
又は魚介類に、米粉を50質量%以上含有する打粉を付
着させた後、蒸煮し、次いで衣付けし、続いて油ちょう
し、その後冷凍することを特徴とする冷凍唐揚の製造法
が開示されている。
【0006】特開昭63−233751号公報には、難
水和性粒状物質と、高蛋白質粉末と、穀粉および/また
は澱粉類と、着色料とを含有することを特徴とする唐揚
げ用ミックス粉が開示されている。
【0007】特開昭53−88338号公報には、強力
粉に植物性蛋白および膨脹剤を添加してなる混合物を主
体とした衣材料に水を1.5〜2.0倍加え混合したも
のを衣として使用することを特徴とする即席食品用揚げ
物の製造法が開示されている。
【0008】特開昭60−58051号公報には、高等
植物類、海藻類、微生物類、動物質類あるいは化学組成
物類を主成分とするゲル化剤と膨脹剤等を含有した混合
溶液等を作り、この混合溶液に食物材料等を浸漬その他
適宜の手段により表面を包被し、その後、前記包被層を
ゲル化処理及び発泡処理を同時に行い、気泡を含有した
コーテイング固化層を形成することを特徴とする天ぷら
等の衣製造法が開示されている。
【0009】特開平3−259054号には、カラギー
ナンを1〜20質量%含有することを特徴とする揚げ物
用打ち粉組成物が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、揚げ物の
衣の食感を改善するため、揚げ物用衣組成物に関する数
多くの技術が提案されているが、油ちょう後に時間が経
過した場合や、冷蔵・冷凍保存後に電子レンジや再度油
ちょうした場合における衣の食感の劣化防止に対して、
十分に満足できる技術は未だ見出されていないのが現状
である。
【0011】したがって、本発明の目的は、油ちょう直
後の食感がクリスピーでサクサク感があり、この食感の
経時的変化が少なく、冷蔵・冷凍保存後に電子レンジで
加熱したり、油ちょうしても衣の食感の劣化の少ない揚
げ物用衣組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の揚げ物用衣組成物は、粒度が20〜80メ
ッシュの難溶性粒状物質と、カードラン、キサンタンガ
ム、グアガム、グリロイド、プルラン及びカラギーナン
からなる群から選ばれた1種以上の増粘多糖類と、高蛋
白質粉粒体とを含有することを特徴とする。
【0013】本発明において、前記難溶性粒状物質が、
ピーナッツ、アーモンド、カシューナッツ、コーングリ
ッツ、米粉、小麦セモリナ、クラッカー粉及びドライパ
ン粉からなる群から選ばれた少なくとも1種であること
が好ましい。また、前記増粘多糖類として、カードラ
ン、キサンタンガム、グアガム、グリロイド、プルラン
及びカラギーナンからなる群から選ばれた2種以上を含
むことが好ましい。更に、前記高蛋白質粉粒体が、卵白
粉及び/又は小麦グルテンであることが好ましい。
【0014】そして、本発明の揚げ物用衣組成物がパン
粉付き揚げ物用衣組成物である場合は、前記難溶性粒状
物質を2〜50質量%、前記増粘多糖類を0.5〜5質
量%、前記高蛋白質粉粒体を2〜40質量%含むことが
好ましい。
【0015】また、本発明の揚げ物用衣組成物が天ぷら
用衣組成物である場合は、前記難溶性粒状物質を1〜1
0質量%、前記増粘多糖類を0.05〜0.5質量%、
前記高蛋白質粉粒体を1〜10質量%含むことが好まし
い。
【0016】さらに、本発明の揚げ物用衣組成物が唐揚
げ用衣組成物である場合は、前記難溶性粒状物質を2〜
50質量%、前記増粘多糖類を0.1〜1質量%、前記
高蛋白質粉粒体を2〜50質量%含むことが好ましい。
【0017】本発明によれば、粒度が20〜80メッシ
ュの難溶性粒状物質と、カードラン、キサンタンガム、
グアガム、グリロイド、プルラン及びカラギーナンから
なる群から選ばれた1種以上の増粘多糖類と、高蛋白質
粉粒体とを含有させたことにより、油ちょう後の衣のサ
クサク感を増大させると共に、油ちょう後の経時劣化
や、冷蔵・冷凍保存後に電子レンジで加熱したり、油ち
ょうした際にも衣の食感の劣化を顕著に低減させること
ができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の揚げ物用衣組成物は、難
溶性粒状物質、増粘多糖類、高蛋白質粉粒体を含有す
る。本発明においては、上記3成分を併用することが重
要であり、いずれか一つが欠けても目的とする衣組成物
が得られない。
【0019】本発明において難溶性粒状物質とは、水に
分散させたとき、表面の一部は溶けることがあっても、
内部まで完全に溶けることがない可食性の粒状物質を意
味しており、具体的には、ピーナッツ、アーモンド、カ
シューナッツ等のナッツ類の粉砕物、コーングリッツ、
米粉、小麦セモリナ、クラッカー粉、ドライパン粉など
が挙げられる。これらの中でも、コーングリッツ、米粉
が特に好ましい。また、その粒度は20〜80メッシュ
が好ましく、より好ましくは30〜70メッシュであ
る。粒度が20メッシュより大きいと食感が固くなり、
また、バッターを調製する際などの作業性が悪くなり、
80メッシュより小さいと衣のクリスピー感が減少す
る。
【0020】また、増粘多糖類としては、例えばカード
ラン、キサンタンガム、グアガム、グリロイド、プルラ
ン及びカラギーナンからなる群から選ばれた1種又は2
種以上が好ましく用いられる。
【0021】更に、高蛋白質粉粒体とは、加熱調理した
場合に容易に固化する熱凝固性のものを意味し、食品の
表面と難溶性粒状物質、及び難溶性粒状物質どうしを結
着し、衣を形成するために必要である。また、調理中に
発生する蒸気により衣が過度に湿っぽくなるのを防ぐ働
きがある。高蛋白質粉粒体としては、結着性を有する蛋
白質からなるものが使用され、例えば卵白粉、小麦グル
テン、全卵粉、カゼイン粉末、大豆蛋白質粉末等が使用
される。本発明においては、卵白粉及び/又は小麦グル
テンが特に好ましく用いられる。
【0022】本発明の揚げ物用衣組成物は、各種揚げ物
類における衣材料のうち、パン粉を除く材料、すなわち
打粉及び/又はバッターとして使用される。また、本発
明における揚げ物用衣組成物中の各材料の好ましい配合
割合は、衣組成物中のパン粉を除く全ての成分に対する
割合で記載されたものである。以下、好ましい配合割合
について、揚げ物の種類毎に説明する。
【0023】1)食材に打粉をするか又はしないでバッ
ターを付け、さらにパン粉を付けて油ちょうするコロッ
ケ、トンカツ、エビフライ等のパン粉付き揚げ物用衣組
成物の場合:パン粉付き揚げ物用衣組成物においては、
打粉及びバッター組成物の両方に難溶性粒状物質、増粘
多糖類及び高蛋白質粉粒体を含んでいてもよく、打粉又
はバッターのどちらか一方に上記3成分を含んでいても
よい。また、上記3成分のうち1又は2成分が打粉に含
まれ、残りの成分がバッター組成物に含まれていてもよ
い。なお、打粉を使用しない場合は、バッター組成物に
上記3成分が含まれる。
【0024】パン粉付き揚げ物用衣組成物においては、
前記難溶性粒状物質を2〜50質量%、前記増粘多糖類
を0.5〜5質量%、前記高蛋白質粉粒体を2〜40質
量%含むことが好ましく、前記難溶性粒状物質を5〜3
5質量%、前記増粘多糖類を0.5〜2.5質量%、前
記高蛋白質粉粒体を3〜30質量%含むことがより好ま
しい。
【0025】難溶性粒状物質が多すぎると油ちょう中に
衣がまとまらずバラバラに散ってしまい、増粘多糖類が
多すぎると衣がベタ付いて作業性が悪くなり、高蛋白質
粉粒体が多すぎると加水が増えて衣のまとまりが悪くな
る。
【0026】2)食材に打粉をするか又はしないでバッ
ターを付け、油ちょうする天ぷらやフリッターのような
天ぷら用衣組成物の場合:天ぷら用衣組成物において
は、上記パン粉付き揚げ物用衣組成物と同様に打粉及び
バッター組成物の両方に上記3成分を含んでいてもよ
く、打粉又はバッター組成物のどちらか一方に上記3成
分を含んでいてもよく、上記3成分のうち1又は2成分
が打粉に含まれ、残りの成分がバッター組成物に含まれ
ていてもよい。なお、打粉を使用しない場合は、バッタ
ー組成物に上記3成分が含まれる。
【0027】天ぷら用衣組成物においては、前記難溶性
粒状物質を1〜10質量%、前記増粘多糖類を0.05
〜0.5質量%、前記高蛋白質粉粒体を1〜10質量%
含むことが好ましく、前記難溶性粒状物質を2〜5質量
%、前記増粘多糖類を0.05〜0.3質量%、前記高
蛋白質粉粒体を2〜5質量%含むことがより好ましい。
【0028】難溶性粒状物質が多すぎると油ちょう中に
衣がまとまらずバラバラに散ってしまい、増粘多糖類が
多すぎると衣がベタ付いて作業性が悪くなり、高蛋白質
粉粒体が多すぎると加水が増えて衣のまとまりが悪くな
る。
【0029】3)食材に打粉をしてそのまま油ちょうす
る唐揚げ用衣組成物の場合:唐揚げ用衣組成物は打粉の
みからなるので、打粉(ブレッダー)に上記3成分を全
て含む。
【0030】唐揚げ用衣組成物においては、前記難溶性
粒状物質を2〜50質量%、前記増粘多糖類を0.1〜
1質量%、前記高蛋白質粉粒体を2〜50質量%含むこ
とが好ましく、前記難溶性粒状物質を3〜30質量%、
前記増粘多糖類を0.7〜1.0質量%、前記高蛋白質
粉粒体を3〜30質量%含むことがより好ましい。
【0031】難溶性粒状物質が多すぎると食感が固くな
り、打粉をまぶす際の作業性が悪くなり、増粘多糖類が
多すぎると衣がベタ付いて作業性が悪くなり、高蛋白質
粉粒体が多すぎると歯切れの悪い食感となる。
【0032】本発明の揚げ物用衣組成物中には、上記の
他に、コーンフラワー、米粉などの穀粉類や、コーンス
ターチ、ワキシースターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タ
ピオカ澱粉等の澱粉類や、酸処理澱粉、酸化澱粉、架橋
澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、油脂加工澱
粉、α化澱粉、β化澱粉などの化工澱粉や、大豆粉、大
豆蛋白、卵粉末等の蛋白素材や、大豆油、菜種油、オリ
ーブ油、パーム油などの植物油脂ならびにヘット、ラー
ドなどの動物油脂およびこれらの油脂を使用したショー
トニング、粉末油脂などの加工油脂等の油脂類や、大豆
レシチン、シュガーエステル、脂肪酸エステルなどの乳
化剤や、食物繊維、膨脹剤、調味料、香辛料、ビタミン
類、ミネラル類を添加してもよい。
【0033】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 試験例1(チルドコロッケ) ジャガイモ、タマネギ、ひき肉等を用いて常法により、
コロッケの具を作った。40gに小分けしたコロッケの
具に、表1に示す各種の揚げ物用衣組成物(バッター組
成物)に水を加えて調製したバッターを付け、パン粉を
付けた後、24時間冷蔵保存(5℃)した。なお、難溶
性粒状物質として粒度が30メッシュスルー60メッシ
ュオーバーのコーングリッツ、増粘多糖類としてカード
ラン及びキサンタンガム、高蛋白質粉粒体として大豆蛋
白質を用いた。
【0034】これらのチルドコロッケを175℃のサラ
ダ油中で4分間油ちょうして、各種のコロッケを得た。
そして、油ちょう直後の状態、及び油ちょうしてか
ら3時間経過した状態で、10名のパネラーに試食させ
て、衣の食感(サクサク感)及び外観(衣の剣立ち、揚
げ色)を評価した。評価は、非常に良いものを5とし、
逆に非常に悪いものを1として5段階で行い、10名の
パネラーの平均値で表した(以下の試験例において同
じ。)。この結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1に示されるように、難溶性粒状物質、
増粘多糖類及び高蛋白質粉粒体の3成分を併用した実施
例1は、油ちょう直後の状態でも、油ちょう後3時間経
過した状態でも良好な食感を有することが分かる。ま
た、外観も良好であることが分かる。
【0037】これに対して、難溶性粒状物質を使用しな
い比較例1、高蛋白質粉粒体を使用しない比較例2、増
粘性多糖類を使用しない比較例3、増粘性多糖類及び高
蛋白質粉粒体を使用しない比較例4は、油ちょう直後の
状態でも、油ちょう後3時間経過した状態でも衣の食感
が劣り、また、外観も劣ることが分かる。
【0038】試験例2(冷凍サケフライ) 30gのサケの切り身に、表2に示す各種配合の揚げ物
用衣組成物(バッター組成物)に水を加えて調製したバ
ッターを付け、パン粉を付けた後、1ヶ月間冷凍保存
(−20℃、以下同じ。)した。なお、難溶性粒状物質
として粒度が20メッシュスルー80メッシュオーバー
の米粉又は100メッシュスルーの米粉(微粉)、増粘
多糖類としてグリロイド及びグアガム、高蛋白質粉粒体
として小麦グルテンを用いた。
【0039】これらの冷凍サケフライを175℃のサラ
ダ油中で3分間油ちょうして、各種のサケフライを得
た。そして、油ちょう後20分間経過した状態で、試験
例1と同様に10名のパネラーに試食させて衣の食感を
評価した。この結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2に示されるように、粒度が本発明で規
定する範囲内にある難溶性粒状物質、増粘多糖類及び高
蛋白質粉粒体の3成分を併用した実施例2、3は、油ち
ょう後20分間経過した状態でも良好な食感を有するこ
とが分かる。特に増粘多糖類を2種類用いた実施例2
は、より食感がよいことが分かる。
【0042】これに対して、粒度が本発明で規定する範
囲外にある難溶性粒状物質を使用し、高蛋白質粉粒体を
使用しない比較例5、高蛋白質粉粒体を使用しない比較
例6、増粘性多糖類を使用しない比較例7は、油ちょう
後20分間経過した状態での衣の食感が劣ることが分か
る。
【0043】試験例3(冷凍エビ天ぷら) 20gのエビむき身に、表3に示す各種の揚げ物用衣組
成物(バッター組成物)に水を加えて調製したバッター
を付けて、175℃のサラダ油中で2分間油ちょうした
後、1ヶ月間冷凍保存した。なお、難溶性粒状物質とし
て粒度が20メッシュスルー80メッシュオーバーのピ
ーナッツ粉末、増粘多糖類としてカードラン及びグリロ
イド、高蛋白質粉粒体として卵白粉末を用いた。
【0044】これらの冷凍エビ天ぷらを電子レンジ又は
オーブンで再加熱して各種のエビ天ぷらを得た。そし
て、再加熱後10分間経過した状態で、試験例1と同様
に10名のパネラーに試食させて衣の食感を評価した。
この結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】表3に示されるように、難溶性粒状物質、
増粘多糖類及び高蛋白質粉粒体の3成分を併用した実施
例4、5は、再加熱後10分間経過した状態でも良好な
食感を有することが分かる。特に増粘多糖類を2種類用
いた実施例4は、より食感がよいことが分かる。
【0047】これに対して、難溶性粒状物質を使用しな
い比較例8、高蛋白質粉粒体を使用しない比較例9、増
粘性多糖類及び高蛋白質粉粒体を使用しない比較例10
は、再加熱後10分間経過した状態での衣の食感が劣る
ことが分かる。
【0048】試験例4(冷凍トンカツ) 70gの豚ロース肉に表4に示す各種の打粉をした後
に、各種のバッター組成物に水を加えて調製したバッタ
ーをそれぞれ付け、更に3メッシュの生パン粉を付けて
トンカツを製造した。そして、一つはそのまま1ヶ月間
冷凍保存し(以下、冷凍生トンカツという。)、もう一
つは、175℃のサラダ油中で5分間油ちょうした後、
1ヶ月間冷凍して(以下、冷凍油ちょう済みトンカツと
いう。)、各種の冷凍トンカツを製造した。なお、難溶
性粒状物質として粒度が30メッシュスルー60メッシ
ュオーバーのコーングリッツ及び/又は30メッシュス
ルー70メッシュオーバーの小麦セモリナ、増粘多糖類
としてキサンタンガム及び/又はグリロイド、高蛋白質
粉粒体として卵白粉末及び/又は大豆蛋白質を用いた。
【0049】こうして得られた各種の冷凍トンカツにつ
いて、冷凍生トンカツは175℃のサラダ油中で5分間
油ちょうし、冷凍油ちょう済みトンカツは電子レンジで
加熱した直後の食感を試験例1と同様にして評価した。
この結果を表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】表4に示されるように、打粉に難溶性粒状
物質、増粘多糖類及び高蛋白質粉粒体の3成分を併用
し、バッター組成物に難溶性粒状物質と増粘多糖類の2
成分を併用した実施例6、打粉に難溶性粒状物質を使用
し、バッター組成物に増粘多糖類と高蛋白質粉粒体の2
成分を併用した実施例7、打粉に高蛋白質粉粒体を使用
し、バッター組成物に難溶性粒状物質と増粘多糖類の2
成分を併用した実施例8、9は、1ヶ月間冷凍保存した
後油ちょうしても良好な食感を有することが分かる。ま
た、油ちょう後、1ヶ月間冷凍保存してから電子レンジ
で加熱しても良好な食感を有することがわかる。
【0052】これに対して、難溶性粒状物質を使用しな
い比較例11、増粘多糖類を使用しない比較例12は、
1ヶ月間冷凍保存した後油ちょうしても、油ちょう後1
ヶ月間冷凍保存してから電子レンジで加熱しても、食感
が劣ることが分かる。
【0053】試験例5(唐揚げ) 20gの鶏肉に、表5に示す各種の打粉(ブレッダー)
をした後、175℃のサラダ油中で3分間油ちょうして
唐揚げを製造した。なお、難溶性粒状物質として粒度が
20メッシュスルー80メッシュオーバーの米粉、10
0メッシュスルーの米粉(微粉)及び/又は30メッシ
ュスルー60メッシュオーバーのクラッカー粉、増粘多
糖類としてキサンタンガム、高蛋白質粉粒体として小麦
グルテン又は大豆蛋白質を用いた。
【0054】こうして得られた各種唐揚げについて、油
ちょう後30分間経過した状態の食感を試験例1と同様
にして評価した。この結果を表5に示す。
【0055】
【表5】
【0056】表5に示されるように、難溶性粒状物質、
増粘多糖類及び高蛋白質粉粒体の3成分を併用した実施
例10〜12は、油ちょう後30分間経過した状態でも
良好な食感を有することが分かる。
【0057】これに対して、難溶性粒状物質、増粘多糖
類及び高蛋白質粉粒体の3成分を併用しているものの、
難溶性粒状物質の粒度が本発明で規定する範囲から外れ
た比較例13、高蛋白質粉粒体を使用しない比較例1
4、増粘多糖類を使用しない比較例15は、油ちょう後
30分間経過した状態の衣の食感が劣ることが分かる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の揚げ物用
衣組成物によれば、特定の範囲の粒度を有する難溶性粒
状物質と、カードラン、キサンタンガム、グアガム、グ
リロイド、プルラン及びカラギーナンからなる群から選
ばれた1種以上の増粘多糖類と、高蛋白質粉粒体とを含
有することにより、油ちょう直後の状態でも、油ちょう
してから時間が経過しても衣のサクサク感が失われず、
一度油ちょうしたフライ食品を冷蔵・冷凍保存後に電子
レンジで加熱したり、あるいは油ちょうせずにそのまま
冷蔵・冷凍したフライ食品を油ちょうした際にも、衣の
サクサク感が失われず、良好な食感のフライ食品を製造
することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒度が20〜80メッシュの難溶性粒状
    物質と、カードラン、キサンタンガム、グアガム、グリ
    ロイド、プルラン及びカラギーナンからなる群から選ば
    れた1種以上の増粘多糖類と、高蛋白質粉粒体とを含有
    することを特徴とする揚げ物用衣組成物。
  2. 【請求項2】 前記難溶性粒状物質が、ピーナッツ、ア
    ーモンド、カシューナッツ、コーングリッツ、米粉、小
    麦セモリナ、クラッカー粉及びドライパン粉からなる群
    から選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の揚
    げ物用衣組成物。
  3. 【請求項3】 前記増粘多糖類として、カードラン、キ
    サンタンガム、グアガム、グリロイド、プルラン及びカ
    ラギーナンからなる群から選ばれた2種以上を含む、請
    求項1又は2に記載の揚げ物用衣組成物。
  4. 【請求項4】 前記高蛋白質粉粒体が、卵白粉及び/又
    は小麦グルテンである請求項1〜3のいずれか一つに記
    載の揚げ物用衣組成物。
  5. 【請求項5】 パン粉付き揚げ物用衣組成物であって、
    前記難溶性粒状物質を2〜50質量%、前記増粘多糖類
    を0.5〜5質量%、前記高蛋白質粉粒体を2〜40質
    量%含む請求項1〜4のいずれか一つに記載の揚げ物用
    衣組成物。
  6. 【請求項6】 天ぷら用衣組成物であって、前記難溶性
    粒状物質を1〜10質量%、前記増粘多糖類を0.05
    〜0.5質量%、前記高蛋白質粉粒体を1〜10質量%
    含む請求項1〜4のいずれか一つに記載の揚げ物用衣組
    成物。
  7. 【請求項7】 唐揚げ用衣組成物であって、前記難溶性
    粒状物質を2〜50質量%、前記増粘多糖類を0.1〜
    1質量%、前記高蛋白質粉粒体を2〜50質量%含む請
    求項1〜4のいずれか一つに記載の揚げ物用衣組成物。
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