JP3541096B2 - バッター液、マイクロ波調理用冷凍油揚げ食品及びその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油ちょう後の保存期間、特に冷凍保存期間において、天ぷらやフリッター等の油揚げ食品のクリスピー感等の低下を軽減することができるバッター液、その製造法、並びに電子レンジ等のマイクロ波調理器による解凍調理後においても油揚げ食品のクリスピー感を保持することが可能なマイクロ波調理用冷凍油揚げ食品、並びにその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に油揚げ食品の食感には、コロモのサクサク感及び具材自体の食感がミックスされた食感が望まれており、通常油ちょう調理直後の油揚げ食品においてはこのような食感が得られている。
【0003】
近年冷凍技術の発達に伴い種々の冷凍食品が開発されており、前記油揚げ食品においても種々のものが提案されている。このような冷凍油揚げ食品には、電子レンジ等のマイクロ波調理器により手軽に調理することが可能なものが知られており、市販されている。
【0004】
しかしながら、油揚げ食品、特に冷凍油揚げ食品においては、具材の水分等が保存期間中にコロモに移行し、更にマイクロ波調理器により調理する場合には、マイクロ波照射時に発生する蒸発水分をコロモが吸収し、油ちょう調理直後のコロモのクリスピーな食感が著しく低下するという問題が生じる。そこで、このような問題を解決するために、種々の提案がなされており、バッター液の成分を種々調整する方法、バッター液中に油脂をエマルジョンとして含有させる方法、更には冷凍前に行う油ちょう処理を真空下、低温度で行う方法(特開平6−253753号公報)等が提案されている。
【0005】
しかし、油揚げ食品の中でも天ぷらやフリッター等のバッター液のみでコロモを形成するものの場合、前述の水分吸収や水分移行の問題を特に受け易く、これらの冷凍油揚げ食品やマイクロ波調理を意図した冷凍油揚げ食品においては油ちょう調理直後のクリスピーな食感が得られることが少ないのが実状である。
【0006】
また、一般にバッター液としては、様々な組成の組合わせが提案されており、中でも小麦粉とデンプンとを組合わせたバッター液については古くから知られている(特開昭56−92751号公報等)。しかし、そのほとんどは、油揚げ食品を製造する際の具材への付着性や作業性、更には油ちょう調理直後の食感改良を目的としたものがほとんどである。
【0007】
従来、融点の高い粉末状やビーズ状の油脂を、揚げギョウザ、揚げシュウマイ、春巻、揚げパイ等の生地に均一分散させて、これらの油揚げ食品の生地の食感をクリスピーで歯切れの良いものに改良する技術が提案されている。しかし、このような固形の油脂を液状であるバッター液中に固形の状態で含有させることについては全く知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、油揚げ食品を油ちょう調理した後の冷凍等における保存時において、油ちょう直後のコロモのクリスピーな食感の低下を軽減することができ、特に天ぷら、フリッター等のバッター液自体がコロモとなる油揚げ食品であってもクリスピー感の低下を防止することができる油揚げ食品用バッター液を提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、冷凍保存時及びマイクロ波調理時におけるコロモのクリスピー感の低下を防止し、特に天ぷら、フリッター等のバッター液自体がコロモとなる油揚げ食品において有用なマイクロ波調理用冷凍油揚げ食品及びその製造法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、小麦粉、デンプン及び水を含む油揚げ食品用バッター液において、該バッター液が、融点30℃以上の油脂、又は該油脂と乳化剤との混合物からなる融点30℃以上の油脂含有物を、粒状及び/又はフレーク状として含有していることを特徴とする油揚げ食品用バッター液が提供される。
また本発明によれば、前記バッター液の製造法であって、小麦粉、デンプン及び水を含むバッター液を冷却し、該冷却されたバッター液中に、液状である融点30℃以上の油脂、又は該油脂と乳化剤との混合物からなる融点30℃以上の油脂含有物を滴下し、該融点30℃以上の油脂含有物を粒状及び/又はフレーク状に固化させてバッター液中に含有させることを特徴とする油揚げ食品用バッター液の製造法が提供される。
更に本発明によれば、前記バッター液を接触・付着させた油揚げ食品用基材を油ちょうし、冷凍してなることを特徴とするマイクロ波調理用冷凍油揚げ食品が提供される。
また本発明によれば、油揚げ食品用基材に、前記バッター液を接触・付着させ、150〜190℃の油温で第1段目の油ちょう処理をした後、該第1段目の油温より低く、且つ135℃以上の油温で第2段目の油ちょう処理を行い、次いで冷凍することを特徴とする請求項6記載のマイクロ波調理用冷凍油揚げ食品の製造法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のバッター液は、天ぷら、フリッター等の油揚げ食品に用いるものであって、冷凍等の保存時やマイクロ波調理時におけるコロモのクリスピーなサクサク感の低下を防止するように作用し得る。このバッター液は、小麦粉、デンプン、水、並びに粒状(球状である粉末状や不定形の粒状のいずれであっても良い)及び/又はフレーク状の形態で融点30℃以上の油脂、又は該油脂と乳化剤との混合物からなる融点30℃以上の油脂含有物を必須成分として含有する。好ましくは、デンプンとしてはハイアミロースデンプンを含有させるのが望ましく、更には糖類及び/又はデンプン分解物や揚げ玉等を含有させるのが好ましい。
【0012】
本発明のバッター液に用いる油脂含有物は、油揚げ食品のコロモからの効率的な水分除去を良好にするよう作用しうる成分であって、油脂含有物の油脂としては、融点30℃以上、好ましくは融点30〜60℃の食用油脂であれば良く、具体的には例えば綿実油、大豆油、ピーナッツ油、コーン油、サフラワー油、パーム油、パーム核油、カカオ脂、菜種油等の植物油脂;ラード、牛脂、魚油等の動物油脂;これら動植物油脂の水素添加された硬化油、分別油、分別硬化油又はこれらの混合油脂等を挙げることができる。油脂含有物には、前記融点30℃以上の油脂の他に、必要に応じて乳化剤を配合することもできる。乳化剤としては、HLBが7以下のものであれば特に限定されるものではないが、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、レシチン又はこれらの混合物等を挙げることができる。この乳化剤を配合する場合の配合割合は、油脂含有物中の油脂と乳化剤の合計量に対して、0.1〜10重量%の範囲が好ましい。
【0013】
前記油脂含有物は、バッター液中において、粒状及び/又はフレーク状の形態として含有させる必要がある。その粒径は、好ましくは0.2〜5mm程度が望ましいが、特に限定されるものではない。このように油脂含有物を固形状態で含有させるには、油脂含有物を、凍結粉砕、押出し造粒、噴霧冷却造粒等して所望の粒状又はフレーク状に成形し、含有させることができる。この際含有させるバッター液の液温は、当然油脂含有物の融点未満に調整しておく必要がある。また、特に簡易で好ましい方法としては、所定の油脂含有物を配合していないバッター液を、あらかじめ油脂含有物の融点よりも好ましくは−10℃以上、特に好ましくは−20℃以上低い液温に冷却しておき、該冷却されたバッター液中に、溶融した液状の油脂含有物を所望量滴下し、冷却されたバッター液中で油脂含有物を粒状及び/又はフレーク状に固化させてバッター液中に含有させる方法等を挙げることができる。このように液状の油脂含有物を冷却したバッター液中で固化させた場合、ほとんど粉末状の油脂含有物とさせることができる。
【0014】
前記油脂含有物のバッター液中の含有割合は、バッター液全体に対して、2〜30重量%、特に5〜20重量%が好ましい。2重量%未満では、所望の効果が得られ難く、30重量%を超えるとコロモを形成させることができず、油ちょう中に散ってしまったり、また油っぽくなりコロモとして好ましくなくなる恐れがあるので好ましくない。
【0015】
本発明のバッター液に用いる小麦粉としては、薄力粉、中力粉、強力粉のいずれであっても良いが、好ましくは薄力粉を含んでいるのが望ましい。小麦粉の配合量は、バッター液全量に対して、10〜45重量%、特に10〜30重量%が好ましい。
【0016】
本発明のバッター液に用いるデンプンとしては、種子起源、根茎起源のいずれのデンプンを使用することができ、例えば米デンプン、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、小麦デンプン及びこれらの化工デンプン等を用いることができる。好ましくは所望効果の更なる向上のためにいずれかのハイアミロースデンプンを用いるのが望ましい。この際、ハイアミロースデンプンとは、アミロース含量が25%以上のデンプンを意味し、特に好ましくはアミロース含量が30%以上のハイアミロースデンプンの使用が望ましい。
【0017】
デンプンの配合割合は、ハイアミロースデンプンの配合割合も含めて、バッター液全量に対して、5〜30重量%、特に5〜20重量%が好ましい。5〜30重量%の範囲外では、所望の効果が得られない恐れがあるので好ましくない。
【0018】
本発明のバッター液に用いる水は、通常の水であれば良く、その配合割合は、バッター液全量に対して、35〜70重量%、特に40〜65重量%であるのが好ましい。
【0019】
本発明のバッター液には、更に所望の効果を向上させるために、糖類及び/又はデンプン分解物を配合することもできる。糖類及びデンプン分解物としては、単糖類、少糖類、多糖類のいずれであっても良いが、好ましくは平均重合度4程度のオリゴ糖、DE30〜2のデキストリン等を挙げることができる。糖類及び/又はデンプン分解物を配合する場合の配合割合は、バッター液全量に対して、3〜25重量%、特に5〜20重量%であるのが好ましい。
【0020】
本発明のバッター液には、凍結保存時の食感の変化を生じにくくし、保存期間を1〜2月程度延長させる所望の効果を向上させるために、揚げ玉を配合することもできる。揚げ玉としては、通常小麦粉を主成分とするものを粒状に成形し油ちょう処理した揚げ玉であれば特に限定されるものではない。好ましい揚げ玉の構成材料成分としては、小麦粉、デンプン、糖類、乳化剤と油と水とからなる乳化物、カルシウム等を挙げることができる。これらの具体例としては、前述の各成分で列挙したものを好ましく挙げることができる。また前記乳化物は、好ましくは水:油を重量比で7:3程度とし、乳化物となるように乳化剤を適量添加したもの等を挙げることができる。各成分の好ましい配合割合は、小麦粉20〜35重量%、デンプン15〜30重量%、糖類10〜15重量%、乳化物20〜55重量%を合計量100重量%となるように配合するのが望ましい。揚げ玉の粒径は、1〜6mm程度が好ましい。揚げ玉を配合する場合の配合割合は、バッター液全量に対して、2〜40重量%、特に5〜30重量%であるのが好ましい。
【0021】
本発明のバッター液には、必要に応じて前記各成分の他に、調味料、着色剤、香料、増粘剤、卵白、卵黄、食物繊維等を含有させることもできる。また、バッター液自体は、通常エマルジョンではないが、エマルジョンとすることも可能である。
【0022】
本発明のバッター液を調製するには、融点30℃以上の油脂含有物を、粒状及び/又はフレーク状として含有させるように各成分を撹拌混合する方法により得ることができるが、好ましくは、前述の冷却したバッター液中に液状の融点30℃以上の油脂含有物を滴下して調製する方法により得ることができる。
【0023】
本発明のマイクロ波調理用冷凍油揚げ食品は、前述のバッター液を接触・付着させた油揚げ食品用基材を油ちょうし、冷凍したものである。油揚げ食品用基材は、野菜類、肉類、魚介類又はこれらの加工品等の油揚げ食品の具材として使用されているものであれば特に限定されるものではない。特に、天ぷら、フリッターの基材が好ましい。
【0024】
油揚げ食品用基材に、バッター液を接触・付着させるには、目的とする油揚げ食品の通常のバッター液の付着方法により行うことができる。例えばバッター液中に基材を通したり浸漬させる方法、バッター液と基材とを混合する方法、バッター液を塗布する方法等により行うことができる。また、フライ類を製造する場合には、バッターを付着させた後、常法によりパン粉等を更に接触・付着させることもできる。
【0025】
バッター液を接触・付着させた油揚げ食品用基材を油ちょうするには、通常の150〜190℃程度の油温において油ちょうすることにより行うことができるが、前記バッター液の効果を十分に発揮させ、且つこげ目が生じないように油ちょうするには、150〜190℃の油温で第1段目の油ちょう処理をした後、該第1段目の油温より低く、且つ135℃以上の油温で第2段目の油ちょう処理を行う方法が好ましい。第1段目の油ちょう時間は、油温に応じて設定することができるが、好ましくは15〜90秒の範囲である。第2段目の油ちょうは、第1段目の油温より低く、好ましくは15〜65℃程度低い温度で(但し135℃以上である必要がある)油ちょうする。第2段目の油ちょう時間も油温に応じて設定することができるが、好ましくは90〜240秒の範囲である。この際第1段目と第2段目の油ちょう処理は、連続的に行っても、また第1段目の油ちょう処理終了後、一旦油ちょう物を油から揚げ、第2段目の油ちょう処理を行っても良い。また、第3段目以降の油ちょう処理を行うこともできるが、工程が煩雑化し、更には2回の油ちょう処理で前記バッター液の特性を十分に引き出せるので2回油ちょうが望ましい。
【0026】
油ちょう処理した後の冷凍は、直ちに行うのが好ましく、その温度は、好ましくは−10℃以下で行なうことができる。この際冷凍温度の下限は特に限定されるものではない。また冷凍処理後の冷凍保存も−10℃以下、特に−18℃以下で保存するのが好ましい。
【0027】
本発明のマイクロ波調理用冷凍油揚げ食品は、公知の電子レンジ等のマイクロ波調理器を用いて調理することができ、好ましくは30〜100秒間の電子レンジ調理等を行なって食することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明のバッター液は、融点30℃以上の油脂含有物を、粒状及び/又はフレーク状として含有しているので、油揚げ食品を油ちょう調理した後の冷凍等における保存時において、油ちょう直後のコロモのクリスピーな食感の低下を軽減することができ、特に天ぷら、フリッター等のバッター液自体がコロモとなる油揚げ食品であってもクリスピー感の低下を防止することができる。また、本発明のマイクロ波調理用冷凍油揚げ食品は、前記バッター液を使用しているので、1か月を超える長期間に及ぶ冷凍保存においても、且つマイクロ波調理時の蒸発水分の発生によっても油ちょう直後のコロモのクリスピーな食感の低下を軽減し、良好なコロモのサクサク感及び具材の食感を得ることができる。更に本発明のマイクロ波調理用冷凍油揚げ食品の製造法では、特定の2段階の油ちょう処理を行うので、前記バッター液の特性を十分に引き出したマイクロ波調理用冷凍油揚げ食品を製造することができる。
【0029】
【実施例】
以下本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
【実施例1】
小麦粉80重量部及び米デンプン40重量部を、水220重量部と混合しながらケーキ用ミキサーにより3分間撹拌混合した。撹拌混合を続けながら、パーム由来の粒状油脂(融点50℃)60重量部を徐々にゆっくり添加して、天ぷら用バッター液を調製した。このバッター液は、粒状の油脂が固形粒状のまま分散されている状態であった。
【0031】
次いで、棒状にカットしたニンジン及びタマネギと、適度に細断したホウレン草とを、これら具材の40容量%程度の前記調製した天ぷら用バッター液に十分混合してバッター液を付着させた。続いて油温160℃で4分間油ちょう処理した後、−18℃で凍結させ、冷凍かき揚げ天ぷらを製造した。得られたかき揚げ天ぷらの食感を、油ちょう直後、凍結1日後、凍結3月後にそれぞれ8名のパネルにより評価した。凍結後のかき揚げ天ぷらについては、市販の電子レンジで60秒間解凍した後の食感を評価した。結果を平均値として表1に示す。
尚、評価は、5点満点とし、以下に基づいて行った。
5点:とてもサクサクする、
4点:少しサクサクする、
3点:普通、
2点:あまりサクサクしない、
1点:全くサクサクしない
【0032】
【実施例2】
小麦粉80重量部及び米デンプン40重量部を、水220重量部と混合しながらケーキ用ミキサーにより3分間撹拌混合した後、10℃に冷却した。一方、あらかじめパーム由来の粒状油脂(融点50℃)を容器に入れ50℃の温水中で液化させた。この液化させた油脂を、前記10℃に冷却した混合物中に撹拌しながら徐々に滴下し、混合物中において粒状に固形化させ、分散させて天ぷら用バッター液を調製した。得られた天ぷら用バッター液を用いて、実施例1と同様にかき揚げ天ぷらを製造し、各評価を行った。結果を表1に示す。
【0033】
【実施例3】
棒状にカットしたニンジン及びタマネギと、適度に細断したホウレン草とを、これら具材の40容量%程度の実施例2で調製した天ぷら用バッター液に十分混合してバッター液を付着させた。続いて油温170℃で30秒間一段目の油ちょうをした後、一旦油から引き上げ、続いて150℃で150秒間2段目の油ちょうを行ってかき揚げ天ぷらを製造した。得られたかき揚げ天ぷらについて、実施例1と同様に凍結処理を施し、各評価を行った。結果を表1に示す。
【0034】
【実施例4】
米デンプン40重量部の代わりに、トウモロコシ由来のハイアミロースデンプン(アミロース含量50%)40重量部を用いた以外は、実施例1と同様に天ぷら用バッター液を調製した。得られた天ぷら用バッター液を用いて、実施例3と同様にかき揚げ天ぷらを製造し各評価を行った。その結果を表1に示す。
【0035】
【実施例5】
米デンプン40重量部の代わりに、トウモロコシ由来のハイアミロースデンプン(アミロース含量50%)40重量部を用い、更に平均重合度4のオリゴ糖60重量部を添加した以外は、実施例1と同様に天ぷら用バッター液を調製した。得られた天ぷら用バッター液を用いて、実施例3と同様にかき揚げ天ぷらを製造し各評価を行った。その結果を表1に示す。
【0036】
【実施例6】
米デンプン40重量部の代わりに、トウモロコシ由来のハイアミロースデンプン(アミロース含量50%)40重量部を用い、更にデキストリン60重量部を添加した以外は、実施例2と同様に天ぷら用バッター液を調製した。得られた天ぷら用バッター液を用いて、実施例3と同様にかき揚げ天ぷらを製造し各評価を行った。その結果を表1に示す。
【0037】
【実施例7】
あらかじめ小麦粉:卵白カルシウムを重量比で9:1に混合し、粉体重量の50重量%に相当する水を加えて十分混合した後、粒径1〜6mm程度となるように160℃の油に滴下して油ちょうし揚げ玉を調製した。得られた揚げ玉45重量部、小麦粉80重量部、トウモロコシ由来のハイアミロースデンプン(アミロース含量50%)40重量部及び平均重合度4のオリゴ糖40重量部を、水220重量部と混合しながらケーキ用ミキサーにより3分間撹拌混合した。撹拌混合を続けながら、パーム由来の粒状油脂(融点50℃)60重量部を徐々にゆっくり添加して、天ぷら用バッター液を調製した。このバッター液は、粒状の油脂が固形粒状のまま分散されている状態であった。得られた天ぷら用バッター液を用いて、実施例1と同様にかき揚げ天ぷらを製造し、各評価を行った。結果を表1に示す。
【0038】
【実施例8】
ハイアミロースデンプンの配合量を1/2量である20重量部とした以外は、実施例5と同様にバッター液を調製した後、かき揚げ天ぷらを製造し各評価を行った。結果を表1に示す。
【0039】
【実施例9】
オリゴ糖の配合量を1/2量である30重量部とした以外は、実施例5と同様にバッター液を調製した後、かき揚げ天ぷらを製造し各評価を行った。結果を表1に示す。
【0040】
【実施例10】
パーム由来の粒状油脂60重量部の代わりに、パーム由来の粒状油脂60重量部とW/O型乳化剤(商品名「エマルジーMS」理研ビタミン社製、グリセリン脂肪酸エステル)0.6重量部との混合物を用いた以外は実施例5と同様にバッター液を調製した後、かき揚げ天ぷらを製造し各評価を行った。結果を表1に示す。
【0041】
【比較例1】
パーム由来の粒状油脂60重量部を用いない以外は実施例1と同様にバッター液を調製した後、かき揚げ天ぷらを製造し各評価を行った。結果を表1に示す。
【0042】
【比較例2】
パーム由来の粒状油脂60重量部の代わりに、大豆白絞油60重量部を用いた以外は実施例1と同様にバッター液を調製した。このバッター液は、大豆白絞油が液状のままバッター液中に存在するものであった。得られたバッター液を用いて実施例1と同様にかき揚げ天ぷらを製造し各評価を行った。結果を表1に示す。
【0043】
【比較例3】
米デンプン40重量部の代わりに、トウモロコシ由来のハイアミロースデンプン(アミロース含量50%)40重量部を用いた以外は、比較例1と同様に天ぷら用バッター液を調製した。得られた天ぷら用バッター液を用いて、実施例3と同様にかき揚げ天ぷらを製造し各評価を行った。その結果を表1に示す。
【0044】
【比較例4】
米デンプン40重量部の代わりに、トウモロコシ由来のハイアミロースデンプン(アミロース含量50%)40重量部を用い、更に平均重合度4のオリゴ糖60重量部を添加した以外は、比較例1と同様に天ぷら用バッター液を調製し、かき揚げ天ぷらを製造して各評価を行った。その結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
Claims (7)
- 小麦粉、デンプン及び水を含む油揚げ食品用バッター液において、該バッター液が、融点30℃以上の油脂、又は該油脂と乳化剤との混合物からなる融点30℃以上の油脂含有物を、粒状及び/又はフレーク状として含有していることを特徴とする油揚げ食品用バッター液。
- 前記デンプンが、ハイアミロースデンプンを含有することを特徴とする請求項1記載のバッター液。
- 更に糖類及び/又はデンプン分解物を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のバッター液。
- 更に揚げ玉を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のバッター液。
- 請求項1記載のバッター液の製造法であって、小麦粉、デンプン及び水を含むバッター液を冷却し、該冷却されたバッター液中に、液状である融点30℃以上の油脂、又は該油脂と乳化剤との混合物からなる融点30℃以上の油脂含有物を滴下し、該融点30℃以上の油脂含有物を粒状及び/又はフレーク状に固化させてバッター液中に含有させることを特徴とする油揚げ食品用バッター液の製造法。
- 請求項1〜4項のいずれか1項記載のバッター液を接触・付着させた油揚げ食品用基材を油ちょうし、冷凍してなることを特徴とするマイクロ波調理用冷凍油揚げ食品。
- 油揚げ食品用基材に請求項1〜4項のいずれか1項記載のバッター液を接触・付着させ、150〜190℃の油温で第1段目の油ちょう処理をした後、該第1段目の油温より低く、且つ135℃以上の油温で第2段目の油ちょう処理を行い、次いで冷凍することを特徴とする請求項6記載のマイクロ波調理用冷凍油揚げ食品の製造法。
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