JPH09206015A - バッター液、マイクロ波調理用冷凍油揚げ食品及びその製造法 - Google Patents

バッター液、マイクロ波調理用冷凍油揚げ食品及びその製造法

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JPH09206015A
JPH09206015A JP8012532A JP1253296A JPH09206015A JP H09206015 A JPH09206015 A JP H09206015A JP 8012532 A JP8012532 A JP 8012532A JP 1253296 A JP1253296 A JP 1253296A JP H09206015 A JPH09206015 A JP H09206015A
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麻里子 平出
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敦 井ノ上
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健治 松尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】油揚げ食品を油ちょう調理した後の冷凍等にお
ける保存時において、油ちょう直後のコロモのクリスピ
ーな食感の低下を軽減することができ、特に天ぷら、フ
リッター等に有用なバッター液、並びに冷凍保存時及び
マイクロ波調理時におけるコロモのクリスピー感の低下
を防止したマイクロ波調理用冷凍油揚げ食品及びその製
造法を提供すること。 【解決手段】小麦粉、デンプン及び水を含む油揚げ食品
用バッター液において、該バッター液が、融点30℃以
上の油脂含有物を、粒状及び/又はフレーク状として含
有している油揚げ食品用バッター液、このバッター液を
用いて油ちょう、冷凍したマイクロ波調理用冷凍油揚げ
食品とその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油ちょう後の保存
期間、特に冷凍保存期間において、天ぷらやフリッター
等の油揚げ食品のクリスピー感等の低下を軽減すること
ができるバッター液、その製造法、並びに電子レンジ等
のマイクロ波調理器による解凍調理後においても油揚げ
食品のクリスピー感を保持することが可能なマイクロ波
調理用冷凍油揚げ食品、並びにその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に油揚げ食品の食感には、コロモの
サクサク感及び具材自体の食感がミックスされた食感が
望まれており、通常油ちょう調理直後の油揚げ食品にお
いてはこのような食感が得られている。
【0003】近年冷凍技術の発達に伴い種々の冷凍食品
が開発されており、前記油揚げ食品においても種々のも
のが提案されている。このような冷凍油揚げ食品には、
電子レンジ等のマイクロ波調理器により手軽に調理する
ことが可能なものが知られており、市販されている。
【0004】しかしながら、油揚げ食品、特に冷凍油揚
げ食品においては、具材の水分等が保存期間中にコロモ
に移行し、更にマイクロ波調理器により調理する場合に
は、マイクロ波照射時に発生する蒸発水分をコロモが吸
収し、油ちょう調理直後のコロモのクリスピーな食感が
著しく低下するという問題が生じる。そこで、このよう
な問題を解決するために、種々の提案がなされており、
バッター液の成分を種々調整する方法、バッター液中に
油脂をエマルジョンとして含有させる方法、更には冷凍
前に行う油ちょう処理を真空下、低温度で行う方法(特
開平6−253753号公報)等が提案されている。
【0005】しかし、油揚げ食品の中でも天ぷらやフリ
ッター等のバッター液のみでコロモを形成するものの場
合、前述の水分吸収や水分移行の問題を特に受け易く、
これらの冷凍油揚げ食品やマイクロ波調理を意図した冷
凍油揚げ食品においては油ちょう調理直後のクリスピー
な食感が得られることが少ないのが実状である。
【0006】また、一般にバッター液としては、様々な
組成の組合わせが提案されており、中でも小麦粉とデン
プンとを組合わせたバッター液については古くから知ら
れている(特開昭56−92751号公報等)。しか
し、そのほとんどは、油揚げ食品を製造する際の具材へ
の付着性や作業性、更には油ちょう調理直後の食感改良
を目的としたものがほとんどである。
【0007】従来、融点の高い粉末状やビーズ状の油脂
を、揚げギョウザ、揚げシュウマイ、春巻、揚げパイ等
の生地に均一分散させて、これらの油揚げ食品の生地の
食感をクリスピーで歯切れの良いものに改良する技術が
提案されている。しかし、このような固形の油脂を液状
であるバッター液中に固形の状態で含有させることにつ
いては全く知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、油揚げ食品を油ちょう調理した後の冷凍等における
保存時において、油ちょう直後のコロモのクリスピーな
食感の低下を軽減することができ、特に天ぷら、フリッ
ター等のバッター液自体がコロモとなる油揚げ食品であ
ってもクリスピー感の低下を防止することができる油揚
げ食品用バッター液を提供することにある。
【0009】本発明の別の目的は、冷凍保存時及びマイ
クロ波調理時におけるコロモのクリスピー感の低下を防
止し、特に天ぷら、フリッター等のバッター液自体がコ
ロモとなる油揚げ食品において有用なマイクロ波調理用
冷凍油揚げ食品及びその製造法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、小麦
粉、デンプン及び水を含む油揚げ食品用バッター液にお
いて、該バッター液が、融点30℃以上の油脂含有物
を、粒状及び/又はフレーク状として含有していること
を特徴とする油揚げ食品用バッター液が提供される。ま
た本発明によれば、前記バッター液の製造法であって、
小麦粉、デンプン及び水を含むバッター液を冷却し、該
冷却されたバッター液中に、液状である融点30℃以上
の油脂含有物を滴下し、該融点30℃以上の油脂含有物
を粒状及び/又はフレーク状に固化させてバッター液中
に含有させることを特徴とする油揚げ食品用バッター液
の製造法が提供される。更に本発明によれば、前記バッ
ター液を接触・付着させた油揚げ食品用基材を油ちょう
し、冷凍してなることを特徴とするマイクロ波調理用冷
凍油揚げ食品が提供される。また本発明によれば、油揚
げ食品用基材に、前記バッター液を接触・付着させ、1
50〜190℃の油温で第1段目の油ちょう処理をした
後、該第1段目の油温より低く、且つ135℃以上の油
温で第2段目の油ちょう処理を行い、次いで冷凍するこ
とを特徴とする前記マイクロ波調理用冷凍油揚げ食品の
製造法が提供される。
【0011】
【発明の形態】本発明のバッター液は、天ぷら、フリッ
ター等の油揚げ食品に用いるものであって、冷凍等の保
存時やマイクロ波調理時におけるコロモのクリスピーな
サクサク感の低下を防止するように作用し得る。このバ
ッター液は、小麦粉、デンプン、水、並びに粒状(球状
である粉末状や不定形の粒状のいずれであっても良い)
及び/又はフレーク状の形態で融点30℃以上の油脂含
有物を必須成分として含有する。好ましくは、デンプン
としてはハイアミロースデンプンを含有させるのが望ま
しく、更には糖類及び/又はデンプン分解物や揚げ玉等
を含有させるのが好ましい。
【0012】本発明のバッター液に用いる油脂含有物
は、油揚げ食品のコロモからの効率的な水分除去を良好
にするよう作用しうる成分であって、油脂含有物の油脂
としては、融点30℃以上、好ましくは融点30〜60
℃の食用油脂であれば良く、具体的には例えば綿実油、
大豆油、ピーナッツ油、コーン油、サフラワー油、パー
ム油、パーム核油、カカオ脂、菜種油等の植物油脂;ラ
ード、牛脂、魚油等の動物油脂;これら動植物油脂の水
素添加された硬化油、分別油、分別硬化油又はこれらの
混合油脂等を挙げることができる。油脂含有物には、前
記融点30℃以上の油脂の他に、必要に応じて乳化剤等
を配合することもできる。乳化剤としては、HLBが7
以下のものであれば特に限定されるものではないが、グ
リセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エス
テル、レシチン又はこれらの混合物等を挙げることがで
きる。この乳化剤を配合する場合の配合割合は、油脂含
有物中の油脂と乳化剤の合計量に対して、0.1〜10
重量%の範囲が好ましい。
【0013】前記油脂含有物は、バッター液中におい
て、粒状及び/又はフレーク状の形態として含有させる
必要がある。その粒径は、好ましくは0.2〜5mm程
度が望ましいが、特に限定されるものではない。このよ
うに油脂含有物を固形状態で含有させるには、油脂含有
物を、凍結粉砕、押出し造粒、噴霧冷却造粒等して所望
の粒状又はフレーク状に成形し、含有させることができ
る。この際含有させるバッター液の液温は、当然油脂含
有物の融点未満に調整しておく必要がある。また、特に
簡易で好ましい方法としては、所定の油脂含有物を配合
していないバッター液を、あらかじめ油脂含有物の融点
よりも好ましくは−10℃以上、特に好ましくは−20
℃以上低い液温に冷却しておき、該冷却されたバッター
液中に、溶融した液状の油脂含有物を所望量滴下し、冷
却されたバッター液中で油脂含有物を粒状及び/又はフ
レーク状に固化させてバッター液中に含有させる方法等
を挙げることができる。このように液状の油脂含有物を
冷却したバッター液中で固化させた場合、ほとんど粉末
状の油脂含有物とさせることができる。
【0014】前記油脂含有物のバッター液中の含有割合
は、バッター液全体に対して、2〜30重量%、特に5
〜20重量%が好ましい。2重量%未満では、所望の効
果が得られ難く、30重量%を超えるとコロモを形成さ
せることができず、油ちょう中に散ってしまったり、ま
た油っぽくなりコロモとして好ましくなくなる恐れがあ
るので好ましくない。
【0015】本発明のバッター液に用いる小麦粉として
は、薄力粉、中力粉、強力粉のいずれであっても良い
が、好ましくは薄力粉を含んでいるのが望ましい。小麦
粉の配合量は、バッター液全量に対して、10〜45重
量%、特に10〜30重量%が好ましい。
【0016】本発明のバッター液に用いるデンプンとし
ては、種子起源、根茎起源のいずれのデンプンを使用す
ることができ、例えば米デンプン、馬鈴薯デンプン、タ
ピオカデンプン、小麦デンプン及びこれらの化工デンプ
ン等を用いることができる。好ましくは所望効果の更な
る向上のためにいずれかのハイアミロースデンプンを用
いるのが望ましい。この際、ハイアミロースデンプンと
は、アミロース含量が25%以上のデンプンを意味し、
特に好ましくはアミロース含量が30%以上のハイアミ
ロースデンプンの使用が望ましい。
【0017】デンプンの配合割合は、ハイアミロースデ
ンプンの配合割合も含めて、バッター液全量に対して、
5〜30重量%、特に5〜20重量%が好ましい。5〜
30重量%の範囲外では、所望の効果が得られない恐れ
があるので好ましくない。
【0018】本発明のバッター液に用いる水は、通常の
水であれば良く、その配合割合は、バッター液全量に対
して、35〜70重量%、特に40〜65重量%である
のが好ましい。
【0019】本発明のバッター液には、更に所望の効果
を向上させるために、糖類及び/又はデンプン分解物を
配合することもできる。糖類及びデンプン分解物として
は、単糖類、少糖類、多糖類のいずれであっても良い
が、好ましくは平均重合度4程度のオリゴ糖、DE30
〜2のデキストリン等を挙げることができる。糖類及び
/又はデンプン分解物を配合する場合の配合割合は、バ
ッター液全量に対して、3〜25重量%、特に5〜20
重量%であるのが好ましい。
【0020】本発明のバッター液には、凍結保存時の食
感の変化を生じにくくし、保存期間を1〜2月程度延長
させる所望の効果を向上させるために、揚げ玉を配合す
ることもできる。揚げ玉としては、通常小麦粉を主成分
とするものを粒状に成形し油ちょう処理した揚げ玉であ
れば特に限定されるものではない。好ましい揚げ玉の構
成材料成分としては、小麦粉、デンプン、糖類、乳化剤
と油と水とからなる乳化物、カルシウム等を挙げること
ができる。これらの具体例としては、前述の各成分で列
挙したものを好ましく挙げることができる。また前記乳
化物は、好ましくは水:油を重量比で7:3程度とし、
乳化物となるように乳化剤を適量添加したもの等を挙げ
ることができる。各成分の好ましい配合割合は、小麦粉
20〜35重量%、デンプン15〜30重量%、糖類1
0〜15重量%、乳化物20〜55重量%を合計量10
0重量%となるように配合するのが望ましい。揚げ玉の
粒径は、1〜6mm程度が好ましい。揚げ玉を配合する
場合の配合割合は、バッター液全量に対して、2〜40
重量%、特に5〜30重量%であるのが好ましい。
【0021】本発明のバッター液には、必要に応じて前
記各成分の他に、調味料、着色剤、香料、増粘剤、卵
白、卵黄、食物繊維等を含有させることもできる。ま
た、バッター液自体は、通常エマルジョンではないが、
エマルジョンとすることも可能である。
【0022】本発明のバッター液を調製するには、融点
30℃以上の油脂含有物を、粒状及び/又はフレーク状
として含有させるように各成分を撹拌混合する方法によ
り得ることができるが、好ましくは、前述の冷却したバ
ッター液中に液状の融点30℃以上の油脂含有物を滴下
して調製する方法により得ることができる。
【0023】本発明のマイクロ波調理用冷凍油揚げ食品
は、前述のバッター液を接触・付着させた油揚げ食品用
基材を油ちょうし、冷凍したものである。油揚げ食品用
基材は、野菜類、肉類、魚介類又はこれらの加工品等の
油揚げ食品の具材として使用されているものであれば特
に限定されるものではない。特に、天ぷら、フリッター
の基材が好ましい。
【0024】油揚げ食品用基材に、バッター液を接触・
付着させるには、目的とする油揚げ食品の通常のバッタ
ー液の付着方法により行うことができる。例えばバッタ
ー液中に基材を通したり浸漬させる方法、バッター液と
基材とを混合する方法、バッター液を塗布する方法等に
より行うことができる。また、フライ類を製造する場合
には、バッターを付着させた後、常法によりパン粉等を
更に接触・付着させることもできる。
【0025】バッター液を接触・付着させた油揚げ食品
用基材を油ちょうするには、通常の150〜190℃程
度の油温において油ちょうすることにより行うことがで
きるが、前記バッター液の効果を十分に発揮させ、且つ
こげ目が生じないように油ちょうするには、150〜1
90℃の油温で第1段目の油ちょう処理をした後、該第
1段目の油温より低く、且つ135℃以上の油温で第2
段目の油ちょう処理を行う方法が好ましい。第1段目の
油ちょう時間は、油温に応じて設定することができる
が、好ましくは15〜90秒の範囲である。第2段目の
油ちょうは、第1段目の油温より低く、好ましくは15
〜65℃程度低い温度で(但し135℃以上である必要
がある)油ちょうする。第2段目の油ちょう時間も油温
に応じて設定することができるが、好ましくは90〜2
40秒の範囲である。この際第1段目と第2段目の油ち
ょう処理は、連続的に行っても、また第1段目の油ちょ
う処理終了後、一旦油ちょう物を油から揚げ、第2段目
の油ちょう処理を行っても良い。また、第3段目以降の
油ちょう処理を行うこともできるが、工程が煩雑化し、
更には2回の油ちょう処理で前記バッター液の特性を十
分に引き出せるので2回油ちょうが望ましい。
【0026】油ちょう処理した後の冷凍は、直ちに行う
のが好ましく、その温度は、好ましくは−10℃以下で
行なうことができる。この際冷凍温度の下限は特に限定
されるものではない。また冷凍処理後の冷凍保存も−1
0℃以下、特に−18℃以下で保存するのが好ましい。
【0027】本発明のマイクロ波調理用冷凍油揚げ食品
は、公知の電子レンジ等のマイクロ波調理器を用いて調
理することができ、好ましくは30〜100秒間の電子
レンジ調理等を行なって食することができる。
【0028】
【発明の効果】本発明のバッター液は、融点30℃以上
の油脂含有物を、粒状及び/又はフレーク状として含有
しているので、油揚げ食品を油ちょう調理した後の冷凍
等における保存時において、油ちょう直後のコロモのク
リスピーな食感の低下を軽減することができ、特に天ぷ
ら、フリッター等のバッター液自体がコロモとなる油揚
げ食品であってもクリスピー感の低下を防止することが
できる。また、本発明のマイクロ波調理用冷凍油揚げ食
品は、前記バッター液を使用しているので、1か月を超
える長期間に及ぶ冷凍保存においても、且つマイクロ波
調理時の蒸発水分の発生によっても油ちょう直後のコロ
モのクリスピーな食感の低下を軽減し、良好なコロモの
サクサク感及び具材の食感を得ることができる。更に本
発明のマイクロ波調理用冷凍油揚げ食品の製造法では、
特定の2段階の油ちょう処理を行うので、前記バッター
液の特性を十分に引き出したマイクロ波調理用冷凍油揚
げ食品を製造することができる。
【0029】
【実施例】以下本発明を実施例及び比較例により更に詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0030】
【実施例1】小麦粉80重量部及び米デンプン40重量
部を、水220重量部と混合しながらケーキ用ミキサー
により3分間撹拌混合した。撹拌混合を続けながら、パ
ーム由来の粒状油脂(融点50℃)60重量部を徐々に
ゆっくり添加して、天ぷら用バッター液を調製した。こ
のバッター液は、粒状の油脂が固形粒状のまま分散され
ている状態であった。
【0031】次いで、棒状にカットしたニンジン及びタ
マネギと、適度に細断したホウレン草とを、これら具材
の40容量%程度の前記調製した天ぷら用バッター液に
十分混合してバッター液を付着させた。続いて油温16
0℃で4分間油ちょう処理した後、−18℃で凍結さ
せ、冷凍かき揚げ天ぷらを製造した。得られたかき揚げ
天ぷらの食感を、油ちょう直後、凍結1日後、凍結3月
後にそれぞれ8名のパネルにより評価した。凍結後のか
き揚げ天ぷらについては、市販の電子レンジで60秒間
解凍した後の食感を評価した。結果を平均値として表1
に示す。尚、評価は、5点満点とし、以下に基づいて行
った。 5点:とてもサクサクする、 4点:少しサクサクする、 3点:普通、 2点:あまりサクサクしない、 1点:全くサクサクしない
【0032】
【実施例2】小麦粉80重量部及び米デンプン40重量
部を、水220重量部と混合しながらケーキ用ミキサー
により3分間撹拌混合した後、10℃に冷却した。一
方、あらかじめパーム由来の粒状油脂(融点50℃)を
容器に入れ50℃の温水中で液化させた。この液化させ
た油脂を、前記10℃に冷却した混合物中に撹拌しなが
ら徐々に滴下し、混合物中において粒状に固形化させ、
分散させて天ぷら用バッター液を調製した。得られた天
ぷら用バッター液を用いて、実施例1と同様にかき揚げ
天ぷらを製造し、各評価を行った。結果を表1に示す。
【0033】
【実施例3】棒状にカットしたニンジン及びタマネギ
と、適度に細断したホウレン草とを、これら具材の40
容量%程度の実施例2で調製した天ぷら用バッター液に
十分混合してバッター液を付着させた。続いて油温17
0℃で30秒間一段目の油ちょうをした後、一旦油から
引き上げ、続いて150℃で150秒間2段目の油ちょ
うを行ってかき揚げ天ぷらを製造した。得られたかき揚
げ天ぷらについて、実施例1と同様に凍結処理を施し、
各評価を行った。結果を表1に示す。
【0034】
【実施例4】米デンプン40重量部の代わりに、トウモ
ロコシ由来のハイアミロースデンプン(アミロース含量
50%)40重量部を用いた以外は、実施例1と同様に
天ぷら用バッター液を調製した。得られた天ぷら用バッ
ター液を用いて、実施例3と同様にかき揚げ天ぷらを製
造し各評価を行った。その結果を表1に示す。
【0035】
【実施例5】米デンプン40重量部の代わりに、トウモ
ロコシ由来のハイアミロースデンプン(アミロース含量
50%)40重量部を用い、更に平均重合度4のオリゴ
糖60重量部を添加した以外は、実施例1と同様に天ぷ
ら用バッター液を調製した。得られた天ぷら用バッター
液を用いて、実施例3と同様にかき揚げ天ぷらを製造し
各評価を行った。その結果を表1に示す。
【0036】
【実施例6】米デンプン40重量部の代わりに、トウモ
ロコシ由来のハイアミロースデンプン(アミロース含量
50%)40重量部を用い、更にデキストリン60重量
部を添加した以外は、実施例2と同様に天ぷら用バッタ
ー液を調製した。得られた天ぷら用バッター液を用い
て、実施例3と同様にかき揚げ天ぷらを製造し各評価を
行った。その結果を表1に示す。
【0037】
【実施例7】あらかじめ小麦粉:卵白カルシウムを重量
比で9:1に混合し、粉体重量の50重量%に相当する
水を加えて十分混合した後、粒径1〜6mm程度となる
ように160℃の油に滴下して油ちょうし揚げ玉を調製
した。得られた揚げ玉45重量部、小麦粉80重量部、
トウモロコシ由来のハイアミロースデンプン(アミロー
ス含量50%)40重量部及び平均重合度4のオリゴ糖
40重量部を、水220重量部と混合しながらケーキ用
ミキサーにより3分間撹拌混合した。撹拌混合を続けな
がら、パーム由来の粒状油脂(融点50℃)60重量部
を徐々にゆっくり添加して、天ぷら用バッター液を調製
した。このバッター液は、粒状の油脂が固形粒状のまま
分散されている状態であった。得られた天ぷら用バッタ
ー液を用いて、実施例1と同様にかき揚げ天ぷらを製造
し、各評価を行った。結果を表1に示す。
【0038】
【実施例8】ハイアミロースデンプンの配合量を1/2
量である20重量部とした以外は、実施例5と同様にバ
ッター液を調製した後、かき揚げ天ぷらを製造し各評価
を行った。結果を表1に示す。
【0039】
【実施例9】オリゴ糖の配合量を1/2量である30重
量部とした以外は、実施例5と同様にバッター液を調製
した後、かき揚げ天ぷらを製造し各評価を行った。結果
を表1に示す。
【0040】
【実施例10】パーム由来の粒状油脂60重量部の代わ
りに、パーム由来の粒状油脂60重量部とW/O型乳化
剤(商品名「エマルジーMS」理研ビタミン社製、グリ
セリン脂肪酸エステル)0.6重量部との混合物を用い
た以外は実施例5と同様にバッター液を調製した後、か
き揚げ天ぷらを製造し各評価を行った。結果を表1に示
す。
【0041】
【比較例1】パーム由来の粒状油脂60重量部を用いな
い以外は実施例1と同様にバッター液を調製した後、か
き揚げ天ぷらを製造し各評価を行った。結果を表1に示
す。
【0042】
【比較例2】パーム由来の粒状油脂60重量部の代わり
に、大豆白絞油60重量部を用いた以外は実施例1と同
様にバッター液を調製した。このバッター液は、大豆白
絞油が液状のままバッター液中に存在するものであっ
た。得られたバッター液を用いて実施例1と同様にかき
揚げ天ぷらを製造し各評価を行った。結果を表1に示
す。
【0043】
【比較例3】米デンプン40重量部の代わりに、トウモ
ロコシ由来のハイアミロースデンプン(アミロース含量
50%)40重量部を用いた以外は、比較例1と同様に
天ぷら用バッター液を調製した。得られた天ぷら用バッ
ター液を用いて、実施例3と同様にかき揚げ天ぷらを製
造し各評価を行った。その結果を表1に示す。
【0044】
【比較例4】米デンプン40重量部の代わりに、トウモ
ロコシ由来のハイアミロースデンプン(アミロース含量
50%)40重量部を用い、更に平均重合度4のオリゴ
糖60重量部を添加した以外は、比較例1と同様に天ぷ
ら用バッター液を調製し、かき揚げ天ぷらを製造して各
評価を行った。その結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越川 嘉 千葉県船橋市日の出2丁目19番1号 株式 会社ニチレイ食品開発研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦粉、デンプン及び水を含む油揚げ食
    品用バッター液において、該バッター液が、融点30℃
    以上の油脂含有物を、粒状及び/又はフレーク状として
    含有していることを特徴とする油揚げ食品用バッター
    液。
  2. 【請求項2】 前記デンプンが、ハイアミロースデンプ
    ンを含有することを特徴とする請求項1記載のバッター
    液。
  3. 【請求項3】 更に糖類及び/又はデンプン分解物を含
    有することを特徴とする請求項1又は2記載のバッター
    液。
  4. 【請求項4】 更に揚げ玉を含むことを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項記載のバッター液。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のバッター液の製造法であ
    って、小麦粉、デンプン及び水を含むバッター液を冷却
    し、該冷却されたバッター液中に、液状である融点30
    ℃以上の油脂含有物を滴下し、該融点30℃以上の油脂
    含有物を粒状及び/又はフレーク状に固化させてバッタ
    ー液中に含有させることを特徴とする油揚げ食品用バッ
    ター液の製造法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4項のいずれか1項記載のバ
    ッター液を接触・付着させた油揚げ食品用基材を油ちょ
    うし、冷凍してなることを特徴とするマイクロ波調理用
    冷凍油揚げ食品。
  7. 【請求項7】 油揚げ食品用基材に請求項1〜4項のい
    ずれか1項記載のバッター液を接触・付着させ、150
    〜190℃の油温で第1段目の油ちょう処理をした後、
    該第1段目の油温より低く、且つ135℃以上の油温で
    第2段目の油ちょう処理を行い、次いで冷凍することを
    特徴とする請求項6記載のマイクロ波調理用冷凍油揚げ
    食品の製造法。
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