JP2004329071A - 揚げだねのコーティング方法およびそれを用いた揚げ物の製造方法 - Google Patents

揚げだねのコーティング方法およびそれを用いた揚げ物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】食感を長持ちさせることができる揚げ物、特にチルド流通対応のパン粉付け揚げ物になるコーティングされた揚げだねの提供。
【解決手段】パン粉と油に、アルファー化澱粉、動植物性蛋白、乳化剤、増粘剤、穀粉のいずれか1種または2種以上が混合されているコーティング剤に、打ち粉をした又はそのままの状態の揚げだねを浸漬し付着させた後に、油を冷却硬化させ揚げだねの表面に油パン粉層を均一に付着させる揚げだねのコーティング方法。上記のコーティング剤は、コーティング時の粘度の上限が20,000mPasであり、かつ、粘度の下限が900mPasである。上記の方法でコーティングされた揚げ物の食感を長持ちさせることができる揚げ物用揚げだね。その揚げだねにバッター、パン粉の順に付着させ油ちょうすることを特徴とする揚げ物、好ましくは0℃ないし10℃のチルド帯で流通させる揚げ物の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業の属する技術分野】
本発明は、揚げ物の食感を長持ちさせることができる揚げ物用揚げだねのコーティング剤、それを用いたコーティング方法、および、そのコーティング方法を用いたチルド流通対応のパン粉付け揚げ物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンビニエンスストアーやスーパーなどで販売される弁当、惣菜には、フライなどの揚げ物のメニューが多く用いられている。これらの弁当や惣菜は、容器やフィルム等で覆われた状態で、常温または冷蔵で保存、流通される場合が多く、その間に、揚げだねや他の食材から水分移行による食感(特に揚げもの特有の揚げたてのサクサク感)が失われるという問題があった。
【0003】
揚げ物を長時間サクサクした状態に保たせるために衣中に油を含有させる様々な試みがなされている。また、食感の改善や揚げだねとの結着性を向上させるためにアルファー化澱粉、動植物性蛋白、乳化剤、増粘剤、穀粉をバッター中に配合する工夫もなされている。また、油を染み込ませたパン粉を使用する試みもなされている。またこれらの製造方法として下記のものが例示される。
【0004】
特許文献1には、融点が40℃以下の油脂が30〜70重量%、タンパク質、糖類、穀粉、乳化剤、の中から選ばれた1種または2種以上のものが70〜30%の割合で混合され、前記タンパク質、糖類、穀粉、乳化剤が前記油脂の連続相に均一に分散されたペースト状または半固形状のバッターミックスが開示されている。なお、この発明では、パン粉の記載は無い。また、使用時には加水(4倍)すること、加水する前に水を混合してエマルションにすることが記載されており、油の水バリア性を有効に生かせているとはいえない。
【0005】
特許文献2では、バッターを付着させた後に油を含浸させたパン粉を付着させさらにバッター,パン粉付けを行い油ちょうする方法が開示されている。この発明は、α化澱粉と、植物性蛋白質と、水とを含むバッター液により、フライの具を被覆した後、液状油脂を吸収させた1次パン粉を付着させる工程と、前記一次パン粉を付着させたフライの具に、前記バッター液を被覆させた後、2次パン粉を付着させる工程との少なくとも2工程を行った後、加熱処理をすることを特徴とするフライ類の製造方法である。この方法では、油バリア層内層に水を多く抱えることになり構造的に不利である。
【0006】
特許文献3には、パン粉と油脂が混合されている嵩重量 0.7g/ml以上のペースト状の揚げ物用食品素材が開示されている。この発明は、一次バッター、食品素材、二次バッター、パン粉の順番が必要であり、食品素材の塗布工程において工業化が困難であるという問題点がある。
【0007】
特許文献4には、揚げだねに油をコーティングする方法が開示されている。この発明は、油調済みのフライ類を冷凍保存後、これを電子レンジで解凍してそのまま食しうるフライ類の製造方法において、a)フライ用の具材表面に食用油を常温下につける工程、b)該油付きの具材の表面にα化処理した小麦粉を打ち粉としてまぶす工程、c)バッター粉を水と食用油との混合溶液に溶解分散させしめて得られるバッター液を、上記の打ち粉をまぶした具材の表面に施す工程からなる方法である。この発明では、液状油に付けるだけであるのでごく少量しか具材表面には付着しない。バッターに水分(粉:油:水=1:2:2)を多く含み水分の吸着、バリア性能は劣る。
【0008】
その他、食感の改善や揚げだねとの結着性を向上させるためにアルファー化澱粉、動植物製蛋白、乳化剤、増粘剤、穀粉をバッター中に配合する工夫は広くなされている。
【0009】
【特許文献1】
特許公報2914307号公報
【特許文献2】
特開平6−339345号公報
【特許文献3】
特開2003−61604号公報
【特許文献4】
特許公報2711998号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ハンドリングが良い揚げだねのコーティング方法の提供、食感を長持ちさせることができる揚げ物になるコーティングされた揚げだねの提供、チルド流通対応のパン粉付け揚げ物の製造方法の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、パン粉と十分な油(揚げ種の表面に塗布する食品素材の25%〜30%の油)を衣中に簡単に配置できるようにするために検討した結果、あらかじめ油にパン粉と副資材を混合したコーティング剤を作成しておき、製造時にその混合物を溶解し揚げだねに付着させることで簡単に揚げだねのコーティングが完了でき、これまで提案されているバッター、油含有パン粉、バッター、パン粉の製造工程より工程を減らすことができることを見いだし、本発明に至った。
【0012】
本発明は、以下の揚げだねのコーティング方法を要旨としている。
(1)パン粉と油に、アルファー化澱粉、動植物性蛋白、乳化剤、増粘剤、穀粉のいずれか1種または2種以上が混合されているコーティング剤に、打ち粉をした又はそのままの状態の揚げだねを浸漬し付着させた後に、油を冷却硬化させ揚げだねの表面に油パン粉層を均一に付着させる揚げだねのコーティング方法。
(2)上記のコーティング剤が、コーティング時の粘度の上限が20,000mPasであり、かつ、粘度の下限が900mPasである上記(1)の揚げだねのコーティング方法。
すなわち、パン粉と油に、アルファー化澱粉、動植物性蛋白、乳化剤、増粘剤、穀粉のいずれか1種または2種以上が混合されている、コーティング時の粘度の上限が20,000mPasであり、かつ、粘度の下限が900mPasであるコーティング剤に、打ち粉をした又はそのままの状態の揚げだねを浸漬し付着させた後に、油を冷却硬化させ揚げだねの表面に油パン粉層を均一に付着させる揚げだねのコーティング方法。
【0013】
また、本発明は、以下の揚げ物用揚げだねを要旨としている。
(3)上記(1)または(2)の方法でコーティングされた揚げ物の食感を長持ちさせることができる揚げ物用揚げだね。
すなわち、パン粉と油に、アルファー化澱粉、動植物性蛋白、乳化剤、増粘剤、穀粉のいずれか1種または2種以上が混合されているコーティング剤、好ましくはコーティング時の粘度の上限が20,000mPasであり、かつ、粘度の下限が900mPasであるコーティング剤に、打ち粉をした又はそのままの状態の揚げだねを浸漬し付着させた後に、油を冷却硬化させ揚げだねの表面に油パン粉層を均一に付着させる揚げだねのコーティング方法でコーティングされた揚げ物の食感を長持ちさせることができる揚げ物用揚げだね。
【0014】
本発明は、以下の揚げ物の製造方法を要旨としている。
(4)上記(3)の揚げだねにバッター、パン粉の順に付着させ油ちょうすることを特徴とする揚げ物の製造方法。
すなわち、パン粉と油に、アルファー化澱粉、動植物性蛋白、乳化剤、増粘剤、穀粉のいずれか1種または2種以上が混合されているコーティング剤、好ましくはコーティング時の粘度の上限が20,000mPasであり、かつ、粘度の下限が900mPasであるコーティング剤に、打ち粉をした又はそのままの状態の揚げだねを浸漬し付着させた後に、油を冷却硬化させ揚げだねの表面に油パン粉層を均一に付着させる揚げだねのコーティング方法でコーティングされた揚げ物の食感を長持ちさせることができる揚げ物用揚げだねにバッター、パン粉の順に付着させ油ちょうすることを特徴とする揚げ物の製造方法。
(5)揚げ物が0℃ないし10℃のチルド帯で流通させる揚げ物である上記(4)の揚げ物の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の揚げだねを浸漬し付着させるためのコーティング剤に用いる油脂は、食用油脂であって、作業中には流体で、冷却して速やかに固体化する、例えば0℃以上、好ましくは工場室温15℃付近の温度で固体化する油脂が好ましいものとして例示される。具体的には、固形脂と液状油を単独または混合して、調製する。このような油脂としては、パーム油、パーム分別油、豚脂、牛脂、植物油(菜種、大豆、とうもろこし、サフラワー、ひまわり、綿実、オリーブ、米、パームオレインなど)および、それらの水素添加脂などを利用することができる。さらに、コーティング温度にあわせて上昇融点が0〜50℃であり、コーティング温度±5℃でコーティング剤の粘度の上限が20,000mPasであり下限が900mPasとなるように油脂を調製することが好適である。ここで、粘度は、BM型粘度型(ローターNo.3)で測定することができる。
コーティング温度に特に制限はないが、作業環境温度(例えば15℃)での作業とコーティング直後の揚げだねの温度上昇など衛生面を考慮すると15〜45℃が最適である。
【0016】
本発明の上記のコーティング剤に用いるパン粉としては、パン、クラッカー、ビスケットなどの穀粉原料を焼成し、粉砕したものを用いることができる。コーティング剤の流動性を増すには20〜40メッシュパス程度の粒度が最適である。
【0017】
また、本発明の上記コーティング剤に用いる油、パン粉以外の材料(副資材)のうちアルファー化澱粉は、コーン、ワキシーコーン、小麦、タピオカなどを原料とする澱粉をアルファー化したものを使用できる。動植物性蛋白は、卵白、乳、大豆、小麦、血清、エンドウ由来などの蛋白素材を使用することができる。増粘剤は、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナン、寒天、ジェランガム、ローカストビーンガムなどの増粘多糖類、ゼラチンなどが例示できる。穀粉は、小麦、大豆、米、コーンなどの粉砕物、及びその加熱、膨化処理などの物理処理品が例示できる。これらは、コーティング剤の付着性を高め、サクサク感を維持するうえで有効であり、加熱せずに吸水する効果が高い卵白、アルファー化澱粉が特に望ましい。乳化剤は、油溶性の乳化剤が好ましい。グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどが例示できる。乳化剤は、油脂結晶を微細化し、冷却すると速やかに流動性を失わせる効果を付与する。これらの助剤は、1種または2種以上を組み合わせて使用する。さらに必要に応じて、食塩、糖類、カルシウム製剤、食物繊維、生澱粉等を組み合わせる事ができる。
【0018】
【表1】
Figure 2004329071
【0019】
以下、本発明の上記のコーティング剤を例に、具体的に記載する。本コーティング剤の上昇融点は39〜43℃であり、コーティング時には粘度が900〜20,000mPasであり、通常のバッターと同様な作業性がありハンドリングが良い。コーティング温度は35℃±5℃で制御でき、コーティング剤に浸漬するだけで作業が終了する。コーティング剤を付着させた後はコーティング剤が30℃以下になればコーティング剤が揚げだねからしたたらなくなり、さらに冷却することで固体化し揚げだねと一体化するためその後の取り扱いも、油含有パン粉が脱落するようなこともなく容易である。その簡便性から揚げだね(具材)が温まらないうちにコーティングを終えることができ、作業効率を上げると共に衛生状態を良好に保つことができる
【0020】
本発明の揚げだねを浸漬し付着させるためのコーティング剤は、パン粉と油脂が混合されているコーティング時になめらかなペースト状のもので、均一な状態にして用いることができる。そのため、十分な油による水バリア層を具材の直近に配置できる。サクサク感を維持させるためには、揚げだねの重量に対して25〜60%のコーティング剤が必要(油として15%〜36%)であり、本発明の方法以外の方法で十分な量の油を具材の直近に簡単に付着させることは困難である。パン粉があることで食感を改善し、油ちょうの前後で油層を揚げだね直近に保持する。油脂とパン粉だけでも結着性、付着量が十分であるが、さらに、α化でんぷん、卵白で結着性、付着量と食感維持効果を向上することができる。
【0021】
本発明で用いるコーティング剤中にはパン粉、澱粉由来の水が少量含まれるだけで、油が大部分を占めるため水バリア性に優れ、揚げだねの水分移行による衣の水分上昇を効率的に抑えることができる。パン粉、澱粉、卵白は具材への結着性を高めると共に、保水性が高く不要な水分を吸着する。また、油っぽさも抑える作用がある。さらに、水がないにもかかわらずバッターのように容易に揚げだねに付着させることができる。また、水分が少ないので微生物の繁殖も抑えられ、コーティング剤を作り置きできる。
【0022】
本発明の揚げ物に用いられる揚げだね(具材)は、トンカツ、エビフライ、魚介フライ、チキンカツが例示される。喫食前の保存中にカットされていると、揚げだねの断面が露出するため、揚げだねの劣化が早まるので、揚げだねが露出するようにカットされていない揚げ物である一口カツなどが好ましいものとして例示される。
打ち粉はなくても実施可能だが、使用したほうが結着性が良くサクサク感が保持される。
【0023】
本発明で用いるコーティング剤を揚げだねに付着させる装置は、連続生産の場合、恒温装置、撹拌装置がついたコンベア型バッタリング装置、フライヤーなどがあり、バッチ生産の場合、温度調整機能がついた油槽に揚げだねを籠に入れて浸漬して引き上げる、トングでつまんでくぐらせるなどがある。浸漬時間は数秒から10秒程度であり、揚げだねの表面に絡まれば良い。付着量は、揚げだねの温度、コーティング剤の温度や、改良剤の滴らせ方で決まってくる。表2に、表1の組成のコーティング剤の温度と、揚げだね温度、コーティング剤付着量の関係を示す。揚げだね温度が高い場合や、コーティング剤の温度が高い場合、付着量は少ない。付着量は好ましくは25〜60%、さらに好ましくは30〜50%がよく、肉の温度に応じて、コーティング温度を適宜調整することができる。揚げだねは衛生上から10℃以下が望ましく、0℃以下程度で、場合によっては凍っていて、ある程度硬さがあるほうが作業をしやすい。
【0024】
【表2】
Figure 2004329071
【0025】
コーティング剤を付着させた後コーティング剤を冷却することで固体化し揚げだねと一体化させる。冷風を当て硬化させる(例えば、−18℃の冷風で5分程度で硬化)、室温で放置する(15℃で数時間で硬化)、装置としては、コンベア型送風冷凍装置を使用する等の冷却手段を採用する。また、この段階で冷凍保管をすることができる。揚げだねは表面にコーティング剤が均一に付着した状態であり、この層が凍結乾燥を防止する機能がある。
【0026】
コーティング剤が均一に付着した揚げだねを用いて、バッター、パン粉の順に付着させ油ちょうして揚げ物を製造する。その場合のバッターは特に制限はない。パン粉にも特に制限はない。油ちょう前の段階で、冷凍保管することができる。油ちょうは通常の方法でよい。
【0027】
油ちょうして得られた揚げ物は、常温流通に比べて0℃ないし10℃のチルド帯で流通させるとサクサク感の保持効果が持続することが分かった。プラスチック容器内の水蒸気の絶対量が少ないこと、温度による変動が少ないためであると考えられる。喫食時のレンジアップには特に制限はない。冷蔵や冷凍で保存してからマイクロウエーブ等で再加熱して喫食しても、揚げ衣のサクミを保持することができる。
【0028】
【作用】
本コーティング剤の特徴は、コーティング剤でコーティングして調理した揚げ物は長時間冷蔵保存してもサクサク感を維持することである。衣中に十分な油があれば食感が保持できる。油によって水と衣がなじむのを防ぐ、油による水バリア層を採用するものである。
【0029】
▲1▼ハンドリングが良い。改良剤はコーティング時には粘度が900〜20,000mPasであり、通常のバッターと同様な作業性がありハンドリングが良い。流動性が少ない場合は肉に手作業などで塗りつける必要があるが、本発明ではコーティング剤に浸漬するだけで作業が終了する。
▲2▼十分な油による水バリア層を具材の直近に配置できる。パン粉があることで食感を改善し、かつ、油層を揚げだね直近に保持する。
▲3▼コーティング剤に水が少ない。パン粉、澱粉由来の水が少量含まれるだけで、衣の水分上昇を効率的に抑える。
【0030】
【実施例】
本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0031】
実施例1
肉(0℃)→(打ち粉)→改良剤(30〜40℃)→バッター→パン粉→油ちょう→冷蔵(24hr、容器内10℃)→レンジ
【0032】
表3に記載したとおり固形脂、液状油、乳化剤、パン粉、でん粉、コーングリッツなどからなる原料をミキサーに投入し、撹拌することにより、ペーストもしくは液状のコーティング剤を製造した。パン粉はブレダーパン粉(20メッシュ)、でん粉はα化コーンスターチを使用した。
【0033】
0℃に保った一枚30gの豚ロース肉を打ち粉をまぶし、40℃に保持し緩やかに撹拌している表3に示した配合のコーティング剤が満たされたコーティング槽に入れ、表面を肉に対して10−80%コーティングした。槽より肉を取り出し−18℃の冷風中に15分間置き、コーティング剤を凝固させた。コーティングが終了した肉を表4の配合のバッター液に浸漬し、生パン粉を付けた。170℃のフライ用油(昭和キャノーラ油)で5分間フライし、一口トンカツを製造した。
【0034】
評価は1口トンカツを5℃で24時間、蓋付きのポリプロピレン製の容器中で保存した後、業務用電子レンジ(1500W)で20秒マイクロウエーブ加熱した。これを専門パネラー12名で試食評価した。結果を表5に示す。
【0035】
【表3】
Figure 2004329071
【0036】
【表4】
Figure 2004329071
【0037】
【表5】
Figure 2004329071
【0038】
コーティング剤の付着量が多くなると、比較例1、3では、両面をコーティングすることができず、その他は、特に80%以上の付着量でパンクする傾向がみられた。比較例2、4、5は実施例1に比べて食感、油っぽさともに評価が低かった。
比較例2では付着量が40%以上に関しては浸漬するだけでは付着せず、塗り付ける必要があった。さらに油ちょう後には、ロース肉からコーティング剤が流失していた。比較例1では、コーティング剤中の固形分の分離が非常に速く、工業的な連続生産には向いていないと考えられた。
【0039】
実施例1−1〜6に関しては30〜40℃の温度条件下では、浸漬するだけでもコーティング剤の付着量を安定させることが出来、−18℃の環境下では15分で凝固するため、ライン製造に極めて適していると考えられる。
【0040】
実施例2
メンチカツ用パテ、コロッケ用パテ、エビ、白身魚に打ち粉をし、実施例1で使用したコーティング剤を40〜50%付着させた後、冷却して、コーティング剤を凝固させ、表2の配合のバッターに浸漬し、パン粉付け、フライし、揚げものを製造した。
評価は揚げものをチルド温度帯で24時間と48時間、蓋付きのポリプロピレン製の容器中で保存した後、業務用電子レンジ(1500W)で20秒マイクロウエーブ加熱した。これを専門パネラー12名で試食評価した。結果を表6に示す。
【0041】
【表6】
Figure 2004329071
【0042】
実施例3
実施例1で使用したコーティング剤を豚ロース肉に約40%付着させたのち、冷却して、コーティング剤を凝固させ、表2の配合のバッターに浸漬し、パン粉付け、フライし、トンカツを製造した。また、フライ後の保存条件としては、▲1▼チルド温度帯(4℃)でカットなし▲2▼チルド温度帯(4℃)で2cm幅にカット▲3▼20℃でカットなしで24時間と48時間、蓋付きのポリプロピレン製の容器中で保存したのち、業務用電子レンジ(1500W)で20秒マイクロウエーブ加熱した。これを専門パネラー12名で試食評価した。またトンカツの表面部分のパン粉を剥がし、水分値を測定した。
【0043】
比較例6として、コーティング剤を付着させない他は、実施例3と同様に製造、評価した。実施例3、および比較例6の結果を表7に示す。
【0044】
【表7】
Figure 2004329071
【0045】
【発明の効果】
本発明により、ハンドリングが良い揚げだねのコーティング方法を提供することができる。また、食感を長持ちさせることができる揚げ物になるコーティングされた揚げだねを提供することができる。さらにまた、チルド流通対応のパン粉付け揚げ物の製造方法の提供することができる。

Claims (5)

  1. パン粉と油に、アルファー化澱粉、動植物性蛋白、乳化剤、増粘剤、穀粉のいずれか1種または2種以上が混合されているコーティング剤に、打ち粉をした又はそのままの状態の揚げだねを浸漬し付着させた後に、油を冷却硬化させ揚げだねの表面に油パン粉層を均一に付着させる揚げだねのコーティング方法。
  2. 上記のコーティング剤が、コーティング時の粘度の上限が20,000mPasであり、かつ、粘度の下限が900mPasである請求項1の揚げだねのコーティング方法。
  3. 請求項1または2の方法でコーティングされた揚げ物の食感を長持ちさせることができる揚げ物用揚げだね。
  4. 請求項3の揚げだねにバッター、パン粉の順に付着させ油ちょうすることを特徴とする揚げ物の製造方法。
  5. 揚げ物が0℃ないし10℃のチルド帯で流通させる揚げ物である請求項4の揚げ物の製造方法。
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