JP4519092B2 - フライドベーカリー及びその製造方法並びに該フライドベーカリーを製造するための生地 - Google Patents

フライドベーカリー及びその製造方法並びに該フライドベーカリーを製造するための生地 Download PDF

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本発明は、フライドベーカリーの製造方法、詳しくは、優れた風味、食感が凍結・解凍後も維持される、冷凍耐性を有するフライドベーカリーの製造方法及び該製造方法により得られるフライドベーカリーに関する。
カレーパンに代表されるフライドベーカリーは、一般に、調理したカレー等のフィリング(具材)をベーカリー生地で包み、卵や水等を含有するバッターをつけ、さらにパン粉をつけ、ホイロ処理した後油ちょうして調理される。
これらのフライドベーカリーは、パンの風味と中身のフィリングの風味を外側の衣をフライすることにより、カリカリ感のある歯ざわりの中に閉じ込めて、美味しさをかもし出している。
ところで、これらのフライドベーカリーの表面のパン粉がカリカリとした食感を有しているのは、揚げたて又は焼きたてのものに限られ、油ちょう後常温で放置したり、冷凍したものを電子レンジで解凍したものは、カリカリ感を失ってしまう。これを防止するためには、常温で放置したり電子レンジで解凍した後再油ちょうすることが必要であった。しかしながら、再油ちょうする場合、揚げ油を用意しなければならず手軽にできないこと、火災の危険があること、生地を焦がしたり破裂させたりせずに行うには熟練が必要であること、二度油揚げすることになるため風味が油っぽくなる等の問題があった。
また、冷凍前の油揚げ、焼成を中途で停止した状態で冷凍して販売し、これを消費者が油ちょうすることにより、パン粉がカリカリとした食感を有するフライドベーカリーが知られている(非特許文献1)。しかしながら、かかるフライドベーカリーは、一般にかなりの大きさを有し、油ちょうするには相当な熟練を有するため、一般の消費者がこれを行うのは困難な場合が多い。
このため、再油ちょうすることなく、電子レンジで解凍等を行うだけでもカリカリ感を有するフライドベーカリーが求められていた。
かかる問題を解決するため、本発明者らは、まず、冷凍保存中や電子レンジ加熱中に生地から衣へ移行してくる水分に着目した。そして、かかる水分の移行がカリカリ感に影響を与えないようにするためには、生地とフィリングの合計100gに対してパン粉の付着量を概ね2g以上にすることが必要であることを見出した。次に、バッター液であるが、上記量のパン粉を生地に付着させ、かつ水分をパン粉に移行させないようにする必要があり、このためには、例えば澱粉を3質量%以上、特に10質量%以上含有させ、10〜20℃で2000mPa・s以上、好ましくは概ね2500〜4000mPa・sの粘度を有するバッター液を用いることが必要であることを見出した。しかしながら、このようにパン粉の付着量とバッター液を規定しても、冷凍したフライドベーカリーを電子レンジで解凍した場合、優れたカリカリ感のある食感は得られなかった。そこで、さらに検討した結果、油脂を含有するバッターを用いることにより、水分の移行を抑制でき、電子レンジ等で解凍した場合にも優れたカリカリ感を有する食感が得られることを見出した(例えば特許文献1)。
「しあわせ工房マザーヤマキ」ホームページ(http://www.rakuten.co.jp/s-koubou/861038/574665/) 特許第3468008号公報
しかしながら、油脂を含有するバッター液を用いるとパン粉のカリカリ感は得られるが、油ちょう後生地の表面に形成されたバッター層はクリスプ感の弱い食感となってしまう。すなわち、パン粉とバッター層が適度に硬くなり、かぶりついてから生地の中身に歯が到達するまでのカリッパリッとした食感、いわゆる自然な揚げたて感が失われてしまうことが判明した。これは、バッター中で油脂が乳化している場合、単に分散している場合のいずれも該当する。
したがって、本発明は、凍結した後電子レンジ等で解凍しただけで、カリカリ感と自然な揚げたて感をバランスよく有するフライドベーカリーの製造方法、及び該方法により得られるフライドベーカリーを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、生地を焼成又は蒸煮した後、これに粉末油脂をコーティングし、次いで油脂を含まないバッターをコーティングする工程を採用することにより、凍結し、電子レンジ等で解凍した後も、カリカリ感と自然な揚げたて感とのバランスがほどよく維持されるフライドベーカリーが得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、生地を焼成又は蒸煮した後、これに粉末油脂を含有する打ち粉をコーティングし、次いで油脂を含まないバッターをコーティングした後、パン粉を付着させて油ちょうするフライドベーカリーの製造方法であって、前記打ち粉は焼成小麦粉を含有することを特徴とするフライドベーカリーの製造方法を提供するものである。
また、本発明は、かかる製造方法により得られるフライドベーカリーを提供するものである。
また、本発明は、生地を焼成又は蒸煮した後冷凍して得られるものである上記フライドベーカリーを製造するための生地を提供するものである。
本発明の製造方法を用いれば、カリカリ感と自然な揚げたて感とのバランスがほどよく維持されるフライドベーカリーが得られる。特に、冷凍した後、再油ちょうすることなく、電子レンジ等で解凍したフライドベーカリーに対して有効である。
本発明に用いるフライドベーカリー用生地の原材料としては、小麦粉、ライ麦粉等の穀粉類;タピオカ澱粉、とうもろこし澱粉等の天然澱粉;酸変性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、架橋澱粉等の化工澱粉;圧搾生酵母、活性乾燥酵母、耐糖性酵母等の酵母類;食塩;ショートニング、マーガリン、バター、コンパウンドマーガリン等の油脂類;しょ糖、ぶどう糖、水あめ、転化糖、異性化糖、蜂蜜、クラフトオリゴ糖等の糖類;脱脂粉乳、ホエーパウダー、粉末チーズ、練乳、全乳等の乳製品;イーストフード;酵素;乳化剤;全卵、卵黄、卵白、これらの乾燥品等の卵類等が挙げられる。本発明の方法により得られるフライドベーカリーは、フィリングを内包していることが好ましい。かかるフィリングとしては、カレー、ハム、ソーセージ、グラタン、焼きそば、ホイップクリーム、カスタードクリーム、ジャム、サラダ、チョコレート、あんこ等が挙げられ、これらは常法に従って調理される。
フライドベーカリー用生地の主原料として小麦粉を用いる場合、生地を後記のように焼成するときは生地に十分な伸展性をもたせるために強力粉を用いることが好ましい。また、生地を蒸煮するときは、蒸煮条件や放冷条件を厳密に規定すれば強力粉のみを用いることもできるが、強力粉と薄力粉の混合物又は中力粉を用いることが好ましい。
本発明に用いるフライドベーカリー用生地は、ストレート法、中種法等によって混捏した後、必要に応じて上記フィリングを内包させ、ホイロ処理することにより得られる。
得られた生地は、焼成又は蒸煮処理される。焼成は、オーブンによる加熱が好ましい。オーブンは、連続式、バッチ式のいずれでもよく、例えば上火を160〜200℃、下火を140〜200℃で5〜10分間加熱することが好ましい。蒸煮は、連続式、バッチ式のいずれでもよく、必要に応じて加圧してもよい。一般に、95〜100℃で7〜12分間蒸煮することが好ましい。焼成又は蒸煮した後、室温程度まで冷却して打ち粉をコーティングする工程(以下、「打ち粉工程」という場合がある)に供することが好ましい。あるいは、凍結した後解凍して打ち粉工程に供してもよい。
打ち粉の主成分である粉末油脂に用いる油脂としては、融点が50〜90℃のものが好ましく、例えばラード、大豆油、綿実油、牛脂、魚脂、パーム油、菜種油、コーン油、MCT、これらの硬化油、分別油脂等が挙げられ、本発明においては、これらを1種以上用いることができる。かかる粉末油脂は、例えば、ベースとなる油脂とグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤を混合して乳化し、次いで冷却固化した後凍結粉砕したり、押出造粒したり、あるいは乳化したものを噴霧冷却造粒等することにより調製することができる。乳化剤は、HLBが5以上であることが好ましい。粉末油脂中の乳化剤の含有量は1〜20質量%であることが好ましい。かかる粉末油脂を含有する打ち粉を生地にコーティングすることにより、カリカリ感と自然な揚げたて感のバランスに優れたフライドベーカリーが得られる。
なお、粉末油脂は、デキストリンや乳糖、アラビアガム等の糖類等の賦形剤を用いて噴霧乾燥することによっても調製することができるが、これら糖類は吸水性が高い場合が多い。蒸煮工程後に吸水性が高い成分を含有する打ち粉をコーティングした場合、生地の水分を吸湿してダマになりやすく、バッター付着後の工程で衣の剥がれが生じる場合があるため、かかる調製方法は必ずしも好ましくない。
また、粉末油脂は基本的に油であるため、油脂を含まないバッターをはじきやすい。しかしながら、焼成小麦粉を粉末油脂と混合すると、油脂を含まないバッターとの馴染みが改善され、油脂を含まないバッターを打ち粉に均一に塗布することができる。打ち粉中の粉末油脂と焼成小麦粉との混合比は、2:1〜6:1が好ましく、3:1〜5:1が特に好ましく、4:1程度が最も好ましい。粉末油脂含有量が2/3未満であると油脂を含まないバッターとのなじみは向上するが、フライドベーカリー製造後の貯蔵性は低下し易くなる。
打ち粉の生地へのコーティング量は、打ち粉が外観上生地の全面を覆う状態になっていれば特に制限はないが、例えばフィリング18gの入った生地56gに対して、0.1〜1g、特に0.3〜0.8gが好ましい。打ち粉の生地へのコーティング方法に特に制限はなく、打ち粉に生地を浸漬させてもよいし、生地に打ち粉をまぶしてもよい。
油脂を含まないバッターは、実質的に油分を含まず、水に溶解又は分散する成分を溶解、分散させたものであり、打ち粉した生地をコーティングするものである。水に溶解・分散させる成分としては、例えば小麦粉等の穀粉類;天然澱粉、化工澱粉等の澱粉類;卵白又はその乾燥品等の卵類;食物繊維;カゼイン、大豆たんぱく質等のたんぱく質類;食塩等の調味料等が挙げられる。バッター液は、所定量のパン粉を生地に付着させ、かつ水分をパン粉に移行させないようにする必要がある。ここで、澱粉は、パン粉を生地に付着させ、かつ水分のパン粉への移行を防止する上で非常に有効である。例えば、澱粉を3質量%以上、特に10質量%以上含有させ、10〜20℃のいずれの温度でも2000mPa・s以上(C型粘度計で測定、以下同じ)とすることが好ましい。粘度の上限は、ゲル化するような粘度でない限り特に制限はない。なかでも、特に、概ね2500〜4000mPa・sの粘度を有するバッター液とすることが好ましい。これにより、生地又は生地とフィリングの合計に対するパン粉の付着量を増加させることができ、かつパン粉への水分の移行量を低減することができる。
澱粉質を配合すると、粘度の調整が容易でバッターの剥がれ改善効果が向上する。さらに、得られたフライドベーカリーは、カリカリ感や自然な揚げたて感のバランスが優れたものとなる。澱粉質のうち、化工澱粉を配合することがより好ましく、リン酸架橋澱粉を配合することが特に好ましい。粘度を2500〜4000mPa・sとするためには、澱粉質のバッター中の配合量は、3質量%以上、特に10質量%以上とすることが好ましい。
ここで、澱粉質の配合量を10質量%以上とすると、パン粉の付着量を増大させ、水分のパン粉への移行を防止する効果が高くなるが、油ちょう後のバッター層に歯切れの悪さ、いわゆるひきが生じる。リン酸架橋澱粉を配合すると、かかるひきを改善することができる。
また、α化澱粉を用いると、粘度の調整が容易でバッターの剥がれ改善効果が向上する。粘度の調整に、例えばキサンタンガム等の増粘剤を用いると、バッターがゲル状になり、生地とのなじみが悪くなりやすい。一方、α化澱粉は冷水でも溶解し、粘度を増大させることができる。そこで、例えば化工澱粉の一部をα化澱粉に置換すれば、増粘剤を用いることなく、あるいはキサンタンガム等の増粘剤の最小限の使用で、油脂を含まないバッターを適度な粘度に調整することができ、バッターの剥がれを低減でき、調理後の貯蔵性や食感に優れたフライドベーカリーを得ることができる。
油脂を含まないバッターの生地への付着量は、バッターが外観上生地の全面を覆う状態になっていれば特に制限はないが、例えばフィリング18gの入った生地56gに対して、概ね2〜10g、特に4〜8gが好ましい。油脂を含まないバッターの生地へのコーティング方法に特に制限はなく、浸漬、スプレー、刷毛による塗布等いずれの方法でもよい。
本発明に用いるパン粉は、ドライパン粉、生パン粉のいずれでもよく、水分含量、粒径等にも特に制限はない。パン粉の生地への付着量は、パン粉が外観上生地の全面を覆う状態になっていれば特に制限はないが、生地に対して2質量%以上、特に2.5質量%以上が好ましい。パン粉の生地への付着方法に特に制限はなく、パン粉に生地を浸漬させてもよいし、生地にパン粉をまぶしてもよい。
生地にパン粉を付着させた後、油ちょうを行う。油ちょうの方法に特に制限はないが、例えば、フィリング18gの入った56gの生地の場合、170〜210℃程度に加熱した油にパン粉をまぶした生地を入れ、片面0.5〜3分程度油ちょうし、裏返して同程度の時間再度油ちょうすればよい。用いる油にも特に制限はないが、例えば大豆白絞油等を用いることができる。なお、発酵を促進するため、油ちょう前にホイロ処理を行ってもよい。
油ちょうを行った後、油を切り、放冷等により室温程度まで冷却することにより、喫食に供することができる。また、長期保存するために、冷凍してもよい。本発明の製造方法により製造されたフライドベーカリーは冷凍耐性を有するため、冷凍後、電子レンジ等の適当な手段により解凍すれば、カリカリ感と自然な揚げたて感のバランスがとれたフライドベーカリーが得られる。本発明の製造方法は、冷凍後電子レンジで解凍するフライドベーカリーの製造方法に特に適している。
なお、本発明の製造方法は、生地を焼成又は蒸煮した後、打ち粉をコーティングする前に、焼成又は蒸煮した生地を冷凍・解凍する工程を有していてもよい。このような工程を設けることにより、フライドベーカリーの製造工程を分割することが可能であり、何らかの事情でフライドベーカリーの製造を一時中断せざるを得ない場合に特に有効である。冷凍後、解凍するには、電子レンジを用いることができる。
本発明の生地は、本発明のフライドベーカリーを製造するための中間品であり、冷凍されているので長期保存が可能であり、需要に応じて解凍してフライドベーカリーを製造するための次工程へ供することができる。
本発明の製造方法を用いて、生地としてのパン生地、フィリングとしてカレーを用いたカレーパンを製造すると、油脂を含むバッターを使用して作成したベーカリー製品の、パン粉以外の表面の食感が軟化した、ソフトな食感とは異なる食感のカレーパンが得られる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
表1に示す配合でストレート法でパン生地を調製した。NAM50Cミキサー(株式会社愛工舎製作所製)を用い、低速ミキシング2分→油脂投入→低速ミキシング5分→中速ミキシング3分、捏上目標23.0℃で混捏を行った。フロアタイムは設けなかった。次いで、生地を38gずつ手で分割し、これに、カレーフィリング(Pカレー2度炊き(オリエンタル酵母)18gを、手で包餡した。次いで、温度38℃、湿度60%設定(ドゥコンディショナーOBS−D4 株式会社オシキリ製)で45分間ホイロを行った。
Figure 0004519092
得られたパン生地を、コンベクションオーブン(コンビオーブンCM6 RATIONAL)を用い、連続蒸煮モードで100℃/10分間蒸煮した。加熱終了後10分間放冷し、−35℃設定のフリーザで60分間急速凍結した。後日解凍し、打ち粉工程に供した。
表2に示す配合で打ち粉を調製し、上記で得られたパン生地をコーティングした。打ち粉の付着量は0.5g/個とした。次いで、表3に示す配合で各原料を混合した後、キサンタンガムで10℃の粘度が3000mPa・sとなるように調製し、油脂を含まないバッターとした。これに、打ち粉が付着したパン生地を浸漬した。油脂を含まないバッターの付着量は6.0g/個とした。次いで、これにパン粉(富士パン粉株式会社製)を付着させた。パン粉の付着量は5.0g/個とした。
Figure 0004519092
Figure 0004519092
次いで、大豆白絞油を190℃に加熱し、パン粉の付着したパン生地をこれに投入し、1.5分間油ちょうした後裏返してさらに1.5分間油ちょうし、カレーパンを調製した。これをネット上で10分間静置して油切りした後、−35℃のフリーザで60分間急速凍結した。−18℃にて1ヶ月保存したカレーパンを、凍ったまま電子レンジの皿に載せ、ラップをかけずに500Wで60秒間/個加熱し、解凍した。油ちょう直後に対する解凍したカレーパンの風味、食感は、引きがわずかに増したものの、カリカリ感があり、衣全体に適度な硬さが残っており、自然な揚げたて感が保持されていた。また、油っぽさ、異臭もなく、優れた風味を有していた。これにより、本発明の方法により製造されたフライドベーカリーが冷凍耐性を有することが確認された。
表4に示す配合で中種法でパン生地を調製した。NAM50Cミキサー(株式会社愛工舎製作所製)を用い、低速ミキシング3分→中速ミキシング2分、捏上目標26.0℃で混捏を行った。次いで、温度28℃、湿度75%設定(ドゥコンディショナーOBS−D4 株式会社オシキリ製)で2時間15分間ホイロを行った。次いで、NAM50Cミキサーを用い、低速ミキシング3分→中速ミキシング2分→高速ミキシング3分→油脂投入→低速ミキシング3分→中速ミキシング2分→高速ミキシング4分で本捏を行った。室温(23℃)で1時間のフロアタイムを設けた。次いで、生地を30gずつ手で分割し、これに、カレーフィリング(Pカレー2度炊き(オリエンタル酵母)18gを手で包餡した。また、パンチマシーン(レオン自動機株式会社製)でパン生地を1分間撹拌後、生地30gずつを包餡成型し、これに、上記カレーフィリング18gを、包餡機(CN−500(レオン自動機株式会社製)又はAR−8(株式会社コバート製))で包餡した。次いで、生地の上下を反転した後、温度38℃、湿度60%設定(ドゥコンディショナーOBS−D4 株式会社オシキリ製)で40分間ホイロを行った。
Figure 0004519092
得られたパン生地を、電気オーブン(ニューコンポオーブンTMC−GG−21、三幸機械株式会社製)を用い、上火200℃、下火190℃、火力1にて7分間焼成した。焼成後、ラック上で30分程度放冷した後、−35℃設定のフリーザで60分間急速凍結した。後日解凍し、打ち粉工程に供した。
表2に示す配合で打ち粉を調製し、上記で得られたパン生地をコーティングした。打ち粉の付着量は0.5g/個とした。次いで、表5に示す配合で各原料を混合した後、キサンタンガムで10℃の粘度が3000mPa・sとなるように調製し、油脂を含まないバッターとした。これに、打ち粉が付着したパン生地を浸漬した。油脂を含まないバッターの付着量は6.0g/個とした。次いで、これに大きさが長径2〜12mm程度の範囲で、5〜7mmのものを主とするドライパン粉を付着させた。パン粉の付着量は5.0g/個とした。
Figure 0004519092
次いで、大豆白絞油を190℃に加熱し、パン粉の付着したパン生地をこれに投入し、1.5分間油ちょうした後裏返してさらに1.5分間油ちょうし、カレーパンを調製した。これをネット上で10分間静置して油切りした後、−35℃のフリーザで60分間急速凍結した。−18℃で1ヶ月保存したたカレーパンを、凍ったまま電子レンジの皿に載せ、ラップをかけずに500Wで40秒間/個加熱し、解凍した。油ちょう直後に対する解凍したカレーパンの風味、食感は、カリカリ感が油ちょう直後の場合とほとんど変わらず、自然な揚げたて感が保持されていた。また、油っぽさ、異臭もなく、優れた風味を有していた。これにより、本発明の方法により製造されたフライドベーカリーが冷凍耐性を有することが確認された。
(比較例1)
表6に示す配合で各原料を混合して乳化した後、キサンタンガムで10℃の粘度が3000mPa・sとなるように調製し、乳化バッターとした。実施例1において、油脂を含まないバッターを表6に示す乳化バッターに代え、また打ち粉を省略した以外は、実施例1と同様にしてカレーパンを調製した。なお、表6中、エマテックN−100Vは、乳化剤として用いる油脂である。
Figure 0004519092
(比較例2)
実施例1において、油脂を含まないバッターを上記乳化バッターに代えた以外は、実施例1と同様にしてカレーパンを調製した。
(比較例3)
実施例1において、打ち粉を省略した以外は、実施例1と同様にしてカレーパンを調製した。
(比較例4)
実施例1において、打ち粉として粉末油脂の代わりに薄力粉を用いた以外は、実施例1と同様にしてカレーパンを調製した。
(比較例5)
表7に示す配合で各原料を混合した後、キサンタンガムで10℃の粘度が3000mPa・sとなるように調製し、油脂を含むバッターとした。実施例1において、打ち粉を付着させる工程の後油脂を含まないバッターを付着させる代わりに、かかる油脂を含むバッターを添加して、パン生地に6.0g付着させた以外は、実施例1と同様にしてカレーパンを調製した。
Figure 0004519092
(比較例6)
実施例2において、打ち粉を省略した以外は、実施例2と同様にしてカレーパンを調製した。
(試験例1)
実施例1、2及び比較例1〜6で得られたカレーパンについて、衣のカリカリ感と自然な揚げたて感及びひきについて、担当者2名で官能評価を行った。結果を表8に示す。
◎評価基準
1点:非常に悪い。2点:やや悪い。3点:商品価値を有する最低限界。4点:良好。5点:非常に良好。
Figure 0004519092
(結果)
実施例1、2のカレーパンは、カリカリ感及び自然な揚げたて感とも優れていた。また、ひきについても良好であった。これに対し、比較例1〜6のカレーパンは、カリカリ感、自然な揚げたて感のいずれかが十分でなかった。また、特に比較例6のカレーパンは、ひきも十分でなかった。
本発明は、フライドベーカリー産業の分野で利用が可能である。

Claims (11)

  1. 生地を焼成又は蒸煮した後、これに粉末油脂を含有する打ち粉をコーティングし、次いで油脂を含まないバッターをコーティングした後、パン粉を付着させて油ちょうするフライドベーカリーの製造方法であって、前記打ち粉は焼成小麦粉を含有することを特徴とするフライドベーカリーの製造方法。
  2. 前記打ち粉中の粉末油脂と焼成小麦粉との混合比が、粉末油脂:焼成小麦粉=2:1〜6:1である請求項1に記載のフライドベーカリーの製造方法。
  3. 粉末油脂を構成する油脂が、ラード、大豆油、綿実油、牛脂、魚脂、パーム油、菜種油、コーン油、MCT、及びこれらの硬化油、分別油脂からなる群より選ばれる1種以上である請求項1又は2に記載のフライドベーカリーの製造方法。
  4. 油脂を含まないバッターが、α化デンプンを含有するものである請求項1〜のいずれか1項に記載のフライドベーカリーの製造方法。
  5. パン粉の付着量を、生地又は生地とフィリングの合計に対して2質量%以上とするものである請求項1〜のいずれか1項に記載のフライドベーカリーの製造方法。
  6. 油脂を含まないバッターの粘度が、10〜20℃のいずれの温度でも、2000mPa・s以上(C型粘度計)である請求項1〜のいずれか1項に記載のフライドベーカリーの製造方法。
  7. 油ちょう後に冷凍するものである請求項1〜のいずれか1項に記載のフライドベーカリーの製造方法。
  8. 生地を焼成又は蒸煮した後、打ち粉をコーティングする前に、焼成又は蒸煮した生地を冷凍・解凍するものである請求項1〜のいずれか1項に記載のフライドベーカリーの製造方法。
  9. 冷凍後の解凍を電子レンジで行うフライドベーカリーの製造方法である請求項又はに記載のフライドベーカリーの製造方法。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法により製造されるフライドベーカリー。
  11. 生地を焼成又は蒸煮した後冷凍して得られるものである請求項10記載のフライドベーカリーを製造するための生地。
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JP2003023987A (ja) * 2001-07-12 2003-01-28 Taiyo Kagaku Co Ltd フライ食品用品質改良剤
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