JP2003325096A - イーストドーナツの製造方法 - Google Patents

イーストドーナツの製造方法

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JP2003325096A
JP2003325096A JP2002325903A JP2002325903A JP2003325096A JP 2003325096 A JP2003325096 A JP 2003325096A JP 2002325903 A JP2002325903 A JP 2002325903A JP 2002325903 A JP2002325903 A JP 2002325903A JP 2003325096 A JP2003325096 A JP 2003325096A
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dough
donut
yeast
donuts
flour
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JP2002325903A
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English (en)
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Hirokazu Osei
博和 於▲勢▼
Yasuhiro Nishimura
靖広 西村
Hirohiko Saito
裕彦 齋藤
Tei Hinenoya
禎 日根野谷
Yoshiaki Hishikawa
佳昭 菱川
Shuichi Murata
修市 村田
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Okumoto Flour Milling Co Ltd
Original Assignee
Okumoto Flour Milling Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 電子レンジで温めた後でも、さっくりと
した食感を有するドーナツの製造方法の提供。 【解決手段】 ドーナツ生地を分割・成型に付する工程
と、次いでホイロに付する工程と、次いで焼成または蒸
しに付する工程と、次いでインジェクションに付する工
程と、次いでバッター付けおよびパン粉付けに付する工
程、および、フライに付する工程を含むことを特徴とす
るイーストドーナツの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イーストドーナツ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カレードーナツ、あんドーナツ、クリー
ムドーナツ、ミートドーナツなどのフィリング入りのイ
ーストドーナツは、通常、ドーナツ生地でフィリングを
包餡後、バッター付けおよびパン粉付けに付する工程、
ホイロに付する工程、および、フライに付する工程によ
り製造されている。しかしながら、この製造方法では、
(1)ドーナツのボリュームが不足する、(2)生地の
ネチャつき、口溶けが悪い、(3)フィリングと生地と
の間に大きな空洞が生じる、(4)フィリングが中央に
入らず下に沈む、(5)やわらかいフィリングが包みに
くい、(6)フィリングの下面の生地が浮き悪く、吸油
が多い、(7)油切れが悪く、手に油がつく、(8)パ
ン生地のダメージが大きく、旨みがでない、などといっ
た問題点を有している。
【0003】近年、消費者の高品質志向、揚げたて志向
により、消費者は、食感、風味が優れたドーナツを求め
るようになってきたため、上記の従来のドーナツには満
足していない。さらに、消費者は、製造直後のドーナツ
を食することができるとは限らない。製造後または購入
後、数時間後あるいは1〜2日後に食することもあり、
揚げたての食感、風味が優れたドーナツを食したいとい
う消費者のニーズには未だ充分に応えられていないのが
実状である。このような状況から、店頭で電子レンジで
温める販売形態を取っている所も見受けられる。また、
消費者は、ドーナツを揚げたてのようにおいしく食べる
ため電子レンジで温めることを試みるが、従来の製造方
法で製造したドーナツは電子レンジで温めるとべっとり
とし、揚げたてのさっくりとした食感が失われるという
問題点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電子レンジ
で温めた後でも、さっくりとした食感を有するイースト
ドーナツの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の問題点を解決する
ために、本発明者らはイーストドーナツの製造方法につ
いて鋭意検討した結果、(1)ドーナツ生地を分割・成
型に付する工程、(2)ホイロに付する工程、(3)焼
成または蒸しに付する工程、(4)インジェクションに
付する工程、(5)バッター付けおよびパン粉付けに付
する工程、および(6)フライに付する工程からなる製
造方法により製造したドーナツが上記の問題点を解決で
きることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成さ
せるに至った。
【0006】すなわち、本発明は、(1) ドーナツ生
地を分割・成型に付する工程と、次いでホイロに付する
工程と、次いで焼成または蒸しに付する工程と、次いで
インジェクションに付する工程と、次いでバッター付け
およびパン粉付けに付する工程、および、フライに付す
る工程を含むことを特徴とするイーストドーナツの製造
方法、(2) 焼成または蒸しに付する工程とインジェ
クションに付する工程との間に冷凍する工程を含むこと
を特徴とする前記(1)に記載のイーストドーナツの製
造方法、(3) インジェクションに付する工程とバッ
ター付けおよびパン粉付けに付する工程との間に冷凍す
る工程を含むことを特徴とする前記(1)または(2)
に記載のイーストドーナツの製造方法、(4) バッタ
ー付けおよびパン粉付けに付する工程とフライに付する
工程との間に冷凍する工程を含むことを特徴とする前記
(1)から(3)のいずれかに記載のイーストドーナツ
の製造方法、(5) 前記(1)から(4)のいずれか
に記載の製造方法により製造されたイーストドーナツ、
(6) イーストドーナツがカレードーナツ、あんドー
ナツ、クリームドーナツ、ミートドーナツであることを
特徴とする前記(5)に記載のイーストドーナツ、
(7) 電子レンジで温めた後、揚げたてのさっくり感
を有することを特徴とする前記(5)または(6)に記
載のイーストドーナツ、(8) 包装状態のまま電子レ
ンジで温めた後、揚げたてのさっくり感を有することを
特徴とする前記(5)または(6)に記載のイーストド
ーナツ、に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、生地原料として
は、少なくとも小麦粉と油脂とイーストが用いられ、そ
の他に小麦粉以外の穀粉、糖類、食塩、卵、乳製品、澱
粉、乳化剤、イーストフードなどを適宜選択して使用す
ることができる。
【0008】通常イーストドーナツとは、小麦粉などの
穀粉、油脂、砂糖、食塩、膨張剤など、またはこれらの
プレミックスと、卵、イーストおよび水などを混合・混
捏し調製したドーナツ生地をフライ処理したものなどを
いうが、本発明のイーストドーナツもそのようなイース
トドーナツを含む。
【0009】本発明におけるドーナツ生地は、通常、ド
ーナツの原料として使用される、小麦粉などの穀粉、油
脂、砂糖、食塩、膨張剤など、またはこれらのプレミッ
クスと、卵、イーストおよび水を混合・混捏し、調製す
ることにより製造される。
【0010】上記のようにイーストドーナツ生地の原料
としては、小麦粉などの穀粉、油脂、砂糖、食塩、膨張
剤など、またはこれらのプレミックスと、卵、イースト
および水などが用いられるが、所望により、乳製品、澱
粉類、砂糖以外の糖類、乳化剤、イーストフード、ナッ
ツ類、香料、香辛料、添加剤などを用いることもでき、
このような原料として市販のものを使用することができ
る。
【0011】プレミックスとしては、小麦粉などの穀
粉、砂糖、油脂、食塩、膨張剤、その他所望により、乳
製品、澱粉類、砂糖以外の糖類、乳化剤、イーストフー
ド、ナッツ類、香料、香辛料、添加剤などがあらかじめ
混合調製されたものが挙げられる。プレミックスの一
部、あるいは全部をイーストドーナツ生地作成時に使用
することができる。
【0012】本発明に用いられる小麦粉は、ドーナツに
通常用いられるものであればいずれでもよい。イースト
ドーナツでは強力粉を主体に、所望により、中力粉、薄
力粉あるいはその他の穀粉を適当量加えるのが好まし
い。その他の穀粉には、例えば、大麦粉、ライ麦粉、米
粉、玄米粉、大豆粉、甘藷粉、ポテトフラワー、コーン
フラワー、大豆粉などが挙げられる。また、加工の形態
は、未処理、α化処理、その他の化学的、物理的処理を
問わず使用することができる。例えば、小麦粉、大麦
粉、ライ麦粉、米粉、玄米粉、大豆粉、甘藷粉、ポテト
フラワー、コーンフラワー、大豆粉などの粗粒粉を用い
ることもできる。
【0013】油脂、砂糖、食塩、膨張剤、イースト、卵
についても、一般にドーナツに用いられている油脂、砂
糖、食塩、膨張剤、イースト、卵であるならば、種類を
問わず使用することができる。
【0014】所望により、乳製品、澱粉類、砂糖以外の
糖類、乳化剤、イーストフード、ナッツ類、香料、香辛
料、添加剤などを用いることができる。一般にイースト
ドーナツに用いられている乳製品、澱粉類、砂糖以外の
糖類、乳化剤、イーストフード、ナッツ類、香料、香辛
料、添加剤などであるならば、種類を問わない。また、
配合量は、特に限定されず、ドーナツの種類に応じた配
合量を適宜選択することができる。
【0015】油脂としては、例えば、バター、マーガリ
ン、ショートニング、サラダオイル、牛脂、豚脂、ヤシ
油、パーム油、パーム核油、大豆油、ナタネ油、綿実
油、サフラワー油、落下生油、米糠油などが用いられ
る。配合量は、特に限定されない。卵原料としては、例
えば、全卵、卵白、卵黄のいずれでもよく、また、液
卵、粉末卵なども用いられる。配合量は、特に限定され
ない。イーストとしては、イースト発酵食品の製造に一
般に用いられているものであれば、生イースト、乾燥イ
ーストのいずれでも用いることができる。例えば、レギ
ュラー酵母(オリエンタル酵母(株)製)、サッカロマ
イセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)に属
するFREM P−17271などが挙げられる。イー
ストの配合量は、炭酸ガス発生量などにより適宜選択す
ることができる。
【0016】乳製品としては、例えば、牛乳、全脂粉
乳、脱脂粉乳、練乳などが挙げられる。澱粉類として
は、例えば、α化澱粉、架橋澱粉、加工澱粉、馬鈴薯澱
粉、コーンスターチ、小麦澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱
粉などが挙げられる。砂糖以外の糖類としては、例え
ば、ブドウ糖、果糖、乳糖、水飴、異性化糖などの単糖
類または多糖類などが挙げられる。乳化剤としては、レ
シチン、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール酸などの通常食品に使用され
るものが挙げられる。イーストフードとしては、L−ア
スコルビン酸、アンモニウム塩、カルシウム塩、酸化
剤、酵素剤などが挙げられる。添加剤としては、アビセ
ラーゼ(エキソ−1,4−β−グルカナーゼ)などが挙
げられる。また、グルテンなどの小麦粉由来の蛋白質を
用いることもできる。さらに、チーズ、野菜などのペー
ストやパウダー、豆腐、豆乳、おから、抹茶、ココアな
どを添加することもできる。上記、乳製品、澱粉類、砂
糖以外の糖類、乳化剤、イーストフード、添加剤などの
配合量は、特に限定されず、ドーナツの種類に応じた配
合量を適宜選択することができる。
【0017】以下、本発明の製造方法について説明す
る。本発明によればイーストドーナツは、例えば、小麦
粉などの穀粉、油脂、砂糖、食塩、膨張剤など、または
これらのプレミックスと、卵、イーストおよび水などを
混合・混捏することにより製造したドーナツ生地を分割
・成型する工程に付し、分割・成型する工程に付した生
地をホイロ工程に付し、ホイロ工程に付した生地を焼成
または蒸し工程に付し、所望によりこれをさらに冷凍工
程に付し、焼成または蒸し工程に付したまたは所望によ
り冷凍工程に付した生地をインジェクション工程に付
し、所望によりこれをさらに冷凍工程に付し、インジェ
クション工程に付したまたは所望により冷凍工程に付し
た生地をバッター付けおよびパン粉付け工程に付し、所
望によりこれをさらに冷凍工程に付し、そして、バッタ
ー付けおよびパン粉付け工程に付したまたは所望により
冷凍工程に付した生地をフライ工程に付することを特長
とする製造方法により容易に製造される。以下、本発明
の製造方法を詳細に説明する。
【0018】まず、小麦粉などの穀粉、油脂、砂糖、食
塩、膨張剤など、またはこれらのプレミックスと、卵、
イーストおよび水などを混合・混捏し、ドーナツ生地を
調製する。混合・混捏に際し、ミキサーを用いることも
できる。ミキサーへの原料の投入の順序、混合時間など
は常法に従うことができる。例えば、低速で1〜2分間
および中高速で4〜6分間のミキシングを行うことがで
きる。ミキシングの途中でチーズ、野菜などのペースト
やパウダー、豆腐、豆乳、おから、抹茶、ココアなどを
適量加えることができ、バリエーションに富んだ風味の
ドーナツ生地とすることもできる。ミキサーとしては、
製パン製菓用の縦型ミキサー(フックを使用)、横型ミ
キサー、スパイラルミキサーなどが挙げられる。混捏
は、特に限定されず、例えば、小麦粉などの穀粉類の全
量および副原料を一度に混捏したものを発酵させる直捏
法、または全穀粉類に対して50〜100重量%の穀粉
類、イースト、一部の水などを混捏して発酵させた後、
残余の原料を加え、再混捏して再発酵させる中種法など
が挙げられる。捏ね上げ温度は、特に限定はされない
が、好ましくは、約24℃から約30℃、より好ましく
は、約25℃から約27℃で行う。
【0019】次いで、所望によりフロアーを行う。フロ
アータイムで、ドーナツ生地の一次発酵が行われ、ドー
ナツ生地が約2倍から約2.5倍に膨らむ。フロアータ
イムは、特に限定はされないが、好ましくは約20分か
ら約40分、より好ましくは約25分から約35分とす
る。フロアーにより、混捏により傷んだ生地を修復する
ことができる。
【0020】次いで、ドーナツ生地を分割・成型する。
捏ね上がった生地は、適当な大きさに分割し、成型す
る。ドーナツ生地の分割は、ドーナツの種類に適した大
きさに分割すればよい。ドーナツ生地は、ドーナツにイ
ンジェクションするフィリングの種類にもよるが、約3
5gから約60g、好ましくは約40gから約55gに
分割する。分割工程の後、公知方法に従ってベンチタイ
ムを行ってもよい。丸めなどのドーナツ生地の成型は、
ドーナツの種類に適した形に成型すればよい。例えば、
丸型、小判型などに成型することができる。
【0021】次いで、ホイロ(発酵)を行う。成型生地
をスクリーンなどに並べ、ホイロを行う。ホイロの温度
は、特に限定されないが、好ましくは、約35℃から約
42℃、より好ましくは約38℃から約40℃に設定す
る。ホイロの湿度は、特に限定されないが、好ましくは
約50%から約70%、より好ましくは、約55%から
約65%に設定する。ホイロの時間は、特に限定されな
いが、約30分から約40分とるのが好ましい。
【0022】次いで、ドーナツ生地を焼成または蒸す。
焼成または蒸しの時間は、特に限定されず、ドーナツの
形、大きさなどにより適宜選択することができる。ま
た、焼成または蒸しの温度も、特に限定されず、ドーナ
ツの形、大きさなどにより適宜選択することができる。
焼成または蒸しは公知方法により行うことができる。焼
成または蒸し工程の後、公知方法に従って冷却してもよ
い。
【0023】次いで、所望により、焼成または蒸したド
ーナツ生地を冷凍する。冷凍温度および冷凍時間はドー
ナツの種類、大きさなどにより、適宜選択することがで
き、特に限定されない。冷凍工程の後、公知方法に従っ
て解凍を行ってもよい。冷凍によって焼成または蒸した
生地を市場に広く流通させることができる。
【0024】次いで、ドーナツ生地にフィリングをイン
ジェクションする。すなわち、フィリングをドーナツ生
地に詰める。フィリングとは、ドーナツの中に詰め込ま
れている餡などをいい、例えば、カレードーナツでは通
常のカレー、きのこカレーなどの他の食品入りのカレー
など、あんドーナツでは粒あん、こしあん、抹茶あん、
桜あん、栗あん、チョコレートあん、コーヒーあん、ミ
ルクあん、イチゴあん、バナナあん、メロンあんなど、
クリームドーナツでは、ミルククリーム、カスタードク
リーム、チョコカスタードクリーム、チョコレートクリ
ーム、コーヒークリーム、ヨーグルトクリーム、キャラ
メルクリーム、イチゴクリーム、マロンクリーム、チー
ズクリーム、アイスクリーム、シャーベット、ヨーグル
トなど、ミートドーナツではひき肉などの炒めたものな
どが焼成されたまたは蒸したドーナツ生地などに詰め込
まれる。その他のフィリングとしては、ツナ、ソーセー
ジ、チーズ、たまご、ジャム類、スイートポテト、バナ
ナ、リンゴなどが挙げられるが、これらに限定されな
い。インジェクションとは、フィリングを焼成または蒸
したドーナツ生地などに詰めることをいう。インジェク
ションは、通常、常法により行うことができる。
【0025】次いで、所望により、インジェクションし
たドーナツ生地を冷凍する。冷凍温度および冷凍時間
は、ドーナツの種類、大きさなどにより適宜選択され、
特に限定されない。冷凍工程の後、公知方法に従って解
凍を行ってもよい。冷凍によってインジェクションを行
った生地を市場に広く流通させることができる。
【0026】次いで、バッター付けおよびパン粉付けを
行う。バッターとは、ドーナツ生地とパン粉の接着性を
高めるために使用する、水で溶いた小麦粉をいう。バッ
ター処理は、通常生地を水で溶いた小麦粉層をくぐらせ
ることにより行うことができる。バッターで用いる小麦
粉およびパン粉の種類は、特に限定されない。また、バ
ッターおよびパン粉の量は製造されるドーナツにおける
適量を用いることができる。
【0027】次いで、所望により、バッター付けおよび
パン粉付けを行ったドーナツ生地を冷凍する。冷凍温度
および冷凍時間は、ドーナツの種類、大きさなどにより
適宜選択され、特に限定されない。ドーナツ生地を冷凍
することにより、輸送手段の簡便化が図られ、また、例
えばベーカリーショップ、ドーナツショップなどの店頭
で手軽に揚げたてのドーナツを提供することができる。
【0028】最後に、ドーナツ生地をフライ処理する。
フライ処理は、通常ドーナツ生地を油で揚げることによ
り行うことができる。油の種類、フライ装置などについ
ては特に限定されない。油の温度は特に限定されない
が、好ましくは約170℃から約190℃、より好まし
くは約180℃から約185℃に設定する。フライ時間
は生地の重量、形、フライの方法によっても異なるが、
約1分30秒から約4分行うのが好ましい。フライの方
法には、反転式、潜行式などが挙げられるが、これらに
限定されない。例えば、反転式の場合では、油中にドー
ナツ生地を落とした後、油面上に生地を自然に浮かび上
がらせてフライする方法であり、フライの途中で生地を
反転させ、片面ずつフライする。ドーナツの生地の重
量、形などにより一概にはいえないが、片面のフライ時
間は約1分〜約1分30秒、総フライ時間は約2分〜約
3分行うのが好ましい。例えば、潜行式の場合では、油
中にドーナツ生地を落とし、網などで油面上に生地が浮
かばないように、沈めたままフライする方法であり、フ
ライ時間は約1分30秒〜約2分が好ましい。なお、冷
凍したドーナツ生地をフライする場合においては、解凍
は特に必要ない。冷凍生地は製造後、冷凍保存期間の
後、解凍され、あるいはそのまま直ちにフライされる。
【0029】以上の製造方法により製造されたドーナツ
は、電子レンジで温めてもドーナツおよびパン粉ともに
さっくりとした食感を有する。電子レンジで温める時間
は、特に限定されない。また、ドーナツを電子レンジ耐
熱性の包装紙に包んだまま温めることもできる。電子レ
ンジ耐熱性の包装紙の種類は特に限定されない。例え
ば、特開2001−019062、特開平11−320
774などが挙げられる。ドーナツを電子レンジ耐熱性
の包装紙に包んだまま温めた場合においても、本発明の
製造方法においては、ドーナツおよびパン粉ともにさっ
くりとした食感を有するドーナツが得られる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、以下の
開示は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明の技術
的範囲を何等限定するものではない。
【0031】 実施例 [イーストドーナツの配合] 強力粉(ヘルメス:奥本製粉株式会社製) 70重量部 薄力粉(マーキュリー:奥本製粉株式会社製) 30重量部 グラニュー糖 8重量部 食塩 1.6重量部 ショートニング 2重量部 脱脂粉乳 2重量部 卵 10重量部 イースト 4重量部 イーストフード 2重量部 ベーキングパウダー 1重量部 水 43重量部
【0032】[工程] 混捏:常法による。 捏ね上げ温度:26℃ 発酵:28℃、35分 分割:50g ベンチタイム:20分 成型:きれいに丸めて、少し押圧。 ホイロ:38℃、RH(相対湿度)65%、40分 焼成:180℃、12分 冷却:25℃、60分 インジェクション:インジェクター使用。フィリングは
(1)カレーフィリング、(2)クリームコロッケの具
の2種を各々30g充填。即、次工程に進むものと、冷
凍工程から凍結保存を一週間行い、解凍工程を施し、次
工程に進むものを作製。 バッター付け:バッターはスペシャルバッター(奥本製
粉株式会社製)100重量%に対して冷水300重量%
を加えて攪拌混合したものを使用。 パン粉付け:生白パン粉使用。即、次工程に進むものと
冷凍工程から凍結保存を一週間行い、解凍工程を施し、
次工程に進むものを作製。 フライ:180℃、1分30秒(潜行式)
【0033】比較例1 [イーストドーナツの配合]実施例と同じ。 [工程]混捏からベンチタイムまでは実施例と同じ。 成型:(1)カレーフィリング、(2)クリームコロッ
ケの具、各々30gをイーストドーナツ生地で包んだ。
フィリングを包んだものを水に浸漬し、パン粉を付け
た。 ホイロ:実施例と同じ。 フライ:180℃、2分(潜行式)
【0034】比較例2 [イーストドーナツの配合]実施例と同じ。 [工程]混捏からベンチタイムまでは実施例と同じ。 成型:(1)カレーフィリング、(2)クリームコロッ
ケの具、各々30gをイーストドーナツ生地で包んだ。
実施例と同じバッター液を付け、パン粉を付けた。 ホイロ:実施例と同じ。 フライ:180℃、2分(潜行式)
【0035】実施例により製造されたイーストドーナツ
は内相のキメが均一であり、フィリングと生地の間に空
洞がなく、ボリュームが大きい。食感は口溶けがよく、
吸油が少なく、油のベタツキがない。また、電子レンジ
で再加熱しても油のベタツキがなく、表面がさっくりと
した揚げ立ての食感であった。また、インジェクション
後、冷凍し、解凍後に次工程に進めたもの、パン粉付け
後に冷凍し、解凍後に次工程に進めたものも上記の結果
と同様に良好な製品が得られた。
【0036】比較例1により製造されたイーストドーナ
ツにおいては、内相はフィリングの下部のキメが詰まっ
ており、フィリングと生地の間に空洞が生じた(特にフ
ィリング(2)が大きかった)。ボリュームは実施例よ
り小さく、フライ後30分で底部がやや縮んだ。食感は
フィリング下部の口溶けが実施例と比較して、明らかに
劣り、吸油が多く、表面が油でベタツク。電子レンジで
再加熱すると油のベタツキがさらに増し、表面のさっく
り感はなかった。
【0037】比較例2により製造されたイーストドーナ
ツにおいては、内相はフィリングの下部のキメが比較例
1よりはましであるが詰まっており、フィリングと生地
との間に空洞が生じた(特にフィリング(2)が大きか
った)。ボリュームは実施例より小さい。食感はフィリ
ング下部の口溶けが実施例と比較して劣り、吸油が多
く、底面が油でベタツク。電子レンジで再加熱すると底
部の油のベタツキがさらに増し、表面のさっくり感は実
施例より劣った。
【0038】また、フィリングに用いたクリームコロッ
ケの具は通常のドーナツ用のフィリングとしては柔らか
いものであるが、比較例1および2ではフライ中にフィ
リングの噴出しが認められたが、実施例において噴出し
は全く認められなかった。
【0039】
【発明の効果】本発明のドーナツの製造方法は、従来の
技術では困難であった、電子レンジで温めた後でもドー
ナツおよびパン粉ともにさっくりとした食感を有し、味
覚、風味ともに優れたドーナツを製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 裕彦 大阪府大阪市淀川区三国本町1丁目15番4 −1210 (72)発明者 日根野谷 禎 千葉県浦安市北栄4−13−10 セントラル メゾン浦安904 (72)発明者 菱川 佳昭 京都府相楽郡木津町兜台1丁目2−14− 506 (72)発明者 村田 修市 大阪府高石市千代田6−5−3 Fターム(参考) 4B032 DB24 DP37 DP40

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドーナツ生地を分割・成型に付する工程
    と、次いでホイロに付する工程と、次いで焼成または蒸
    しに付する工程と、次いでインジェクションに付する工
    程と、次いでバッター付けおよびパン粉付けに付する工
    程、および、フライに付する工程を含むことを特徴とす
    るイーストドーナツの製造方法。
  2. 【請求項2】 焼成または蒸しに付する工程とインジェ
    クションに付する工程との間に冷凍する工程を含むこと
    を特徴とする請求項1に記載のイーストドーナツの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 インジェクションに付する工程とバッタ
    ー付けおよびパン粉付けに付する工程との間に冷凍する
    工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の
    イーストドーナツの製造方法。
  4. 【請求項4】 バッター付けおよびパン粉付けに付する
    工程とフライに付する工程との間に冷凍する工程を含む
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のイ
    ーストドーナツの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の製造
    方法により製造されたイーストドーナツ。
  6. 【請求項6】 イーストドーナツがカレードーナツ、あ
    んドーナツ、クリームドーナツ、ミートドーナツである
    ことを特徴とする請求項5に記載のイーストドーナツ。
  7. 【請求項7】 電子レンジで温めた後、揚げたてのさっ
    くり感を有することを特徴とする請求項5または6に記
    載のイーストドーナツ。
  8. 【請求項8】 包装状態のまま電子レンジで温めた後、
    揚げたてのさっくり感を有することを特徴とする請求項
    5または6に記載のイーストドーナツ。
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