JP3014040B2 - 食物繊維パン及びその製造法 - Google Patents

食物繊維パン及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パン製造法の改良
に関し、更に詳しくは、従来のパン製造法において、必
須の工程である水の使用方法を改善した、優れた品質の
パンの製造法、及びこのような方法によって得られる食
物繊維パンに関する。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、パンは、従来、小麦粉又は
その他の穀粉を主原料とし、これにイースト及び食塩を
添加して生地を作り、発酵後焙焼し又は蒸し加熱するこ
とで製造されている(日本食品工業学会編「新版食品工
業総合事典」(株)光琳平成5年発行)参照)。
【0003】このような製造法には、直捏法と中種法が
あり、また最近では液種法(バッチ法及び連続製パン
法)などが提案されている。さらにこのような製造法を
部分的に変更した方法、例えば強力なミキサーや生地改
良剤を用いて発酵時間を短縮する方法もある。
【0004】しかしながら、このような製造法により、
原料に水を加えて混捏して生地を作り、発酵後焙焼する
一連の工程で製造されるパンは、使用水分の大半を消失
した軽いパンとして完成する。従って、製造直後から急
速に硬化が進み、もろい物性になる。これをカバーする
ために砂糖や脂肪分を利用するが、これによってクリー
ミング性は得られるものの弾力性に欠ける。例えば、製
造翌日にはもろい物性となり、また食感的には、咀嚼す
るほどネト食感を生じる。そのため、パンは焼きたてに
限り美味しく、店頭では、自然冷却後には早くも菓子の
領域に置かれるとする認識が定着している。また、この
ようなパンは、再加熱しても、その本来の食感には戻ら
ず、もろくなる。さらに、電子レンジによる加熱では焼
きたての食感は失われてネトつく。そのため、特に食パ
ンでは、トースターで焙焼するが、物性は更にもろくな
るので、これにはバターやジャムなどを塗って食用す
る。このように、生地の作成に当たり、水(自由水)を
用いる従来の製造法によるパンは、結果的に食用時の欠
点が改善されていない。
【0005】さらに、食物繊維活用の試みとして、原料
に食物繊維を使用してパンを製造する場合は、パンのク
リーミング性が焙焼によって喪失するという欠点があっ
た。また、市販こんにゃくの原料であるコンニャク精粉
を小麦粉に混合してパンを製造することが試みられた
が、パンの物性上に使用効果が得られていない。また、
コンニャク精粉を水と撹拌混合したのち、膨潤(100
分以上)し、次に凝固剤を添加し混練して糊とし、これ
を成型して加熱して不可逆的ゲルを完成した食品が市販
こんにゃくであるが、この成型加熱前の糊をパンの原料
に添加する試みでは、まず、パンの原料群に水(自由
水)を添加してなじませた後、糊を適量添加して混捏し
てパン生地とする方法が提案されている。しかし、これ
らの方法によるパンでは、コンニャク精粉の使用目的や
使用結果の確認に及ばず、洋風の食品であるパンに純日
本的こんにゃくを共用して得られる物性は、食文化拡大
の扉を開くに至らず、ファイバーブレッドの活用には進
展が見られていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】パン生地の製造に必須
である水の使用は、生地の膨張効果を高め、なお原料成
分を均質にするため不可欠である。そのため、焼きたて
のパンは水分が消失し、芳香及び食感がともに良好であ
り、世界の主食として今日に至っている。反面、大量製
造に伴い製造の翌日にまでわたり食用されるパンは、硬
化したり、芳香も失うなど、また食感ではネトを伴うな
どの問題点があり、これらはパンの宿命的な欠点とし
て、未解決である。
【0007】これを補うために各種の食品添加物を使用
するが、これによってもなお、パン製造の技術開発は手
ずかずのままといっても過言でないのが現状である。例
えば、パンの膨張効果と食用時の歯ぎれをよくする目的
からミヨウバン(硫酸アルミニウムカリウム)が使用さ
れ、また、粘度調整の目的からメタリン酸ナトリウム、
ピロリン酸塩、ポリリン酸塩などが用いられて歯切れを
向上させようとしている。さらに、パンの老化防止の目
的には、グリセリン脂肪酸、プロピレングリコール脂肪
酸、ソルビタン脂肪酸などのエステルが添加使用されて
いる。しかしながら、今後、食パンをはじめ各種のパン
が簡便常食として増加する時、上記の食品添加物を無用
とすることが必要であるからである。
【0008】本発明者は、前記のような食品添加物を使
用せずとも、なお、クリーミング性を保持し、物性硬化
が防止され、食用時のネト食感も解消された高品質なパ
ンの製造の技術開発を目標に鋭意研究を続けた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前項記載の
課題を解決すべく鋭意研究の結果、従来のパン製造法に
おいて、パン生地の作成に使用する水として、通常の水
(自由水)の代わりにグルコマンナンの水和ゲルに含ま
れる水(結合水)を使用することで、前記のような食品
添加物を使用せずとも、高品質のパンが得られることを
見い出し、このような知見に基づいて本発明を完成し
た。
【0010】すなわち、本発明は、小麦粉又はその他の
穀粉を主原料とし、これにイースト及び食塩を添加し、
さらに必要に応じて糖類、油脂、乳製品その他の副原料
を添加して生地を作り、発酵後焙焼し又は蒸し加熱する
パンの製造法において、該生地の作成に使用する水とし
て自由水の代わりにグルコマンナンの水和ゲルを使用す
ることを特徴とする食物繊維パンの製造法、及びこのよ
うな製造法であって、イーストの代わりに合成膨張剤を
使用し、従って発酵工程のない食物繊維パンの製造法、
並びにこれらの製造法によって製造されたことを特徴と
する食物繊維パンに関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。
【0012】本発明の食物繊維パンの製造方法は、パン
生地を作成する水として、従来使用されている普通の水
(本明細書においては、自由水ということがある)の代
わりにグルコマンナンの水和ゲルを構成する水(本明細
書においては、結合水ということがある)を使用する、
換言すれば、グルコマンナンの水和ゲルそのものを使用
する、ことを除いては、全て従来のパンの製造法に準ず
ることができる。
【0013】従って、本発明について、小麦粉又はその
他の穀粉を原料とし、これにイースト及び食塩を添加
し、さらに必要に応じて糖類、油脂、乳製品その他の副
原料を添加して生地を作り、というときの原料は、従来
法によるパン製造の原料のことで、イーストフードなど
もここにいうその他の副原料に含まれる。
【0014】本発明の最大の特徴の1つは、パン生地を
作成する水としてグルコマンナンの水和ゲル(の結合
水)を使用することである。そこで、以下、これについ
て詳細に説明する。
【0015】周知のように、グルコマンナンの水溶液
は、これにCa(OH)2などのアルカリ性化合物などの凝
固剤を加えるとゲル化してグルコマンナンの水和ゲルと
なり、この水和ゲルを加温すると不可逆的弾性ゲルとな
り、日本の伝統的な食品である食用のこんにゃくができ
る。グルコマンナンの水和ゲルは、従来、例えばこのよ
うな場面に現れている。
【0016】本発明のグルコマンナンの水和ゲルの作成
に用いるグルコマンナンは、これには特別の制限はな
く、グルコマンナンを主成分とするいわゆるコンニャク
精粉の形のものなど、凝固して水和ゲルを形成するもの
であれば、いずれも使用できることは勿論である。グル
コマンナンの粒度は、膨潤時間を不要ならしめるなどの
見地から、160メッシュ通過が好ましく、さらに好ま
しくは180メッシュ通過である。グルコマンナンに
は、多糖類その他の副原料を併用することもできる。な
お、これらについては、本発明者の発明に係わる特開平
5−38263を参照のこと。
【0017】グルコマンナンの微粉末と撹拌して水和ゲ
ルを作成すべき水の量は、パン原料と容易に混和しかつ
平衡状態になりやすい量であって、更に発酵工程で生地
の膨張を阻害しないことなどの見地から、グルコマンナ
ン1重量部当たり約20〜80重量部、好ましくは約3
0〜60重量部である。
【0018】凝固剤は、これにも特別の制限はなく、従
来食用こんにゃくの製造に使用されているものを使用す
ることができる。凝固剤としてCa(OH)2などのアルカ
リを使用するときは、グルコマンナンに対して、そのネ
トを防止しかつ凝固するための適量であって、かつ嫌気
臭を防止することなどの見地から1〜5%、好ましくは
2〜3%の量で使用する。アルカリ剤は1種を単独に、
または2種以上を別々に若しくは混合物として使用する
こともできる。
【0019】グルコマンナンの水和ゲルは、グルコマン
ナンの微粉末を所望による多糖類などの副原料とともに
水と例えば2〜3分間撹拌混合し、グルコマンナンを膨
潤溶解させた後に、この溶液に凝固剤を適当濃度の水溶
液、懸濁液などとして添加混合して凝固させることで作
成する。
【0020】あるいはまた、グルコマンナンの水和ゲル
は、グルコマンナン及び所望による副原料並びに凝固剤
を予め粉体混合したものを水と撹拌混合して作成するこ
ともできる。粉体混合物は、水と撹拌混合し、混練を続
けると数分後に糊となる。この糊においては、グルコマ
ンナンは十分に膨潤した状態ではなく、半数程は粒子の
まま水和が進む。そこで、静置時間を置くと、次第に膨
潤が進み、遂には完全に膨潤する。グルコマンナンの水
和ゲルのこのような作成法によるときは、凝固剤の懸濁
液を別途調製しておいてこれを使用することは不要とな
る。
【0021】このようにして作成したグルコマンナンの
水和ゲルは、小麦粉などの粉体パン原料に水(自由水)
の代わりに直接に添加して混捏してパン生地を作成す
る。グルコマンナンの水和ゲルの使用量は、パン生地の
膨張効果を妨げず、また得られるパンの弾力性を保持
し、更に老化を防止することなどの見地から粉体原料1
重量部に対して0.4〜1.5重量部とすることがで
き、食パンの場合例えば0.8重量部とすることができ
る。
【0022】このようにして作成したパン生地は、以後
従来法に従って処理してパン製品とする。
【0023】パン生地は、イーストを使用する発酵によ
って膨張させるかわりに、ベーキンギパウダーなどの合
成膨張剤を使用して膨張させて抱気性を付与し、パン製
品とすることも行われている。本発明のグルコマンナン
の水和ゲルをパン生地作成用の水として使用する効果
は、このような製法によるパンにおいても奏される。従
って、このようなパン製造法も、本発明の範囲に含まれ
る。
【0024】更にまた、上に説明したパン製造法と原理
的には全く同じ製造法により作成される中華まんじゅう
などのまんじゅうの皮も、本発明のパンに含めるものと
する。従って、このような、まんじゅうの製造法及びこ
れによって製造されるまんじゅうも、その皮の関係で、
本発明の範囲に含まれる。
【0025】更に、内包あんにもグルコマンナンの水和
ゲルを配合することにより中華まんじゅうの低カロリー
化が図られるが、このような、外皮及び内包あんの双方
にグルコマンナンの水和ゲルを使用した中華まんじゅう
も本発明の範囲に含まれる。
【0026】従来、健康志向の観点から食物繊維のグル
コマンナンをパンに配合することが試みられているもの
の、パンの品質を低下させずに配合することは成功をみ
ていない。
【0027】本発明に従ってパン生地の作成の水として
グルコマンナンの水和ゲルに含まれる形態の水(結合
水)を使用するときは、必然的に食物繊維のグルコマン
ナンも製品のパンに取り込まれ、しかもこういう形で取
り込まれて初めてグルコマンナンは製品の品質の保持、
向上に効果を発揮するのである。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に説明する。
【0029】実施例1(食物繊維パン) 160メッシュ通過のグルコマンナン微粉末10g、デ
キストリン5g及びCa(OH)20.25gの合計15.
25g(原料A群)を計取して、水(20℃)400g
に加え約2分間撹拌して糊状の水和ゲルとした。これの
180gを、強力小麦粉200g、ドライイースト3
g、食塩3g、グラニュー糖10g及び無塩バター20
gの合計236g(原料B群)に添加し混捏して416
gのパン生地を得、次に、これをステン製バット2個に
分けて入れ、恒温器(35℃)中で60分発酵させた
後、取り出してガスぬきした後、再びバットに入れて4
0分発酵させた後、成型して形を整え、表面上部に砂糖
水でかき混ぜた卵黄を塗り、再び10分発酵させた後、
オーブン(150℃)で15分焙焼することでパンを試
作した。
【0030】このパンは、パン内部の架橋構造がランダ
ムに構成されており、引き裂いたときの内部の形状は一
方向には揃わず、弾力的に優れた物性を保持し、自然放
冷60分後に計量したところ、380gであった。ま
た、製造の翌々日の物性は、クリーミング性を保持し、
且、弾力性があり、パンの切り口を指先で押さえたが、
指先を離すと直ぐに復元した。さらに、ジャムやバター
を塗らずに食用したが、これまでになく好ましく、トー
スターで焙焼する必要もなかった。
【0031】実施例2(食物繊維パン) 160メッシュ通過のグルコマンナン微粉末を市販の通
常のコンニャク精粉に置き換えた以外は実施例1におけ
る原料A群と全く同じ混合物を、水(20℃)600g
に加え、約30分間撹拌してグルコマンナンの粒子が沈
殿しない粘度にした後、約6時間静置して糊状の水和ゲ
ルとした。これの180gを実施例1における原料B群
と同様の混合物236gに添加混捏して416gのパン
生地を得、以下実施例1におけると同様の工程でパンを
試作した。
【0032】このパンは、自然放冷後計量したところ、
400gであった。また、このパンは、実施例1の製法
に対し、160メッシュ通過のグルコマンナンを通常の
コンニャク精粉に置き換え、これに伴い水量を多くし、
静置膨潤時間を設けて水和ゲルを作成した以外は、原料
構成等に何等の変更もなく、また、得られたパンも、実
施例1におけるパンの好ましい物性を再現していた。
【0033】因みに、実施例2におけるようなグルコマ
ンナンとしてコンニャク精粉を使用するパンの試作で
は、次の理由からグルコマンナン特有の嫌忌臭が製品に
残存することがある。
【0034】すなわち、グルコマンナンが水和膨潤して
コロイド状態となり、アルカリ凝固剤であるCa(OH)
2、及びCa(OH)2の水懸濁液との完全接触が不能の部
分が存在することがあり、その場合その部分は不可逆的
凝固に至らず、ネト又は嫌忌臭発生の原因となる。
【0035】これらの解消には、小麦粉の主原料(実施
例2でいうと、原料B群)とグルコマンナンの水和膨潤
物(実施例2でいうと、約6時間静置して得られた糊状
の水和ゲル)を混和する時点の前に、約1〜2分間グル
コマンナンの水和膨潤物を混練し、グルコマンナンが水
と接触する状態のように、Ca(OH)2との完全接触を
図る必要がある。
【0036】然して、グルコマンナンとしてコンニャク
精粉を使用する場合は、製品にネト又は嫌忌臭が伴わな
いようにするためには、グルコマンナンの水和ゲルを小
麦粉等の主原料に混和するときに、このような追加の工
程が必要となるがこの点を除けば、例えば160メッシ
ュ通過のグルコマンナン微粉末使用と同様の好ましい物
性を得ることができるのである。
【0037】実施例3(中華まんじゅう) 実施例1における全く同様にして作成した水和ゲルから
200gをとり、これを、中力小麦粉200g、ドライ
イースト2g、砂糖6g及び食塩2gからなる合計21
0gの、外皮部の原料に混練してまんじゅうの皮の生地
410gを作成した。別に、市販の小豆生あん150g
に植物性油脂20g及びすりごま2gを加え、加熱して
練りあげて130gの内包あんを作成した。皮生地40
gで内包あん20gを包んだもの(重量60g)を6個
作り、底にパラフィン紙を敷いてセイロに並べ温度35
℃、湿度75%の恒温器で60分間発酵させ、次に蒸し
器で30分蒸しあげ、まんじゅう(あんまん)6個を
得、これを自然放冷の後、−20℃に急速冷凍した。1
週間後、この冷凍物を電子レンジで2分間加熱して食用
したが、芳香を保持したまま膨張した、良好な歯切れ食
感を有し、蒸したての美味しさであった。
【0038】この場合において、内包あんとしてグルコ
マンナンの水和ゲルを加えて作成した内包あんを使用す
ることができる。
【0039】また、この場合において、例えば、豚ひき
肉や香辛料を加え、また水漬けした竹の子やネギのみじ
ん切りをラードで炒め、調味料として、しょうゆう、砂
糖、食塩、酒、MSG、その他を加えて作成した内包あ
んを前記皮生地で包んだ以外は同様にして処理すれば中
華まんじゅう(肉まん)が完成する。
【0040】更にまた、前記あんの材料にグルコマンナ
ンの水和ゲルをからめて炒めたものを内包あんとするこ
ともできる。
【0041】グルコマンナンの水和ゲルを使用して作成
した内包あんの中華まんじゅうは、低カロリーのヘルシ
ーなものとなり、この見地から好ましいことはもちろん
である。
【0042】これらのまんじゅうは、ネト防止、膨張効
果、弾力性の保持、歯ぎれ効果等の目的から使用される
食品添加物(乳化剤、ミヨウバン、メタリン酸ナトリウ
ム、アスコルビン酸、その他)を排除しても何等の欠陥
もなく、好ましい物性を再現した。
【0043】
【発明の効果】本発明により、パン生地の作成に使用す
る水としてグルコマンナンの水和ゲル(に含まれる水
(結合水))を使用するときは、最終的に焙焼を必須と
する工程により製造されるパンにおいても、老化防止、
弾力性保持、ネト食感の解消、歯ぎれ向上などの有用な
効果を確認することができる。そのため食品添加物(乳
化剤、ミヨウバン、メタリン酸ナトリウム、乳酸ナトリ
ウム、アスコルビン酸、その他)による老化防止、ガス
発生効果、歯ぎれ向上、弾力性の保持などが不要となっ
た。更に、パンの弾力性が失われたり、老化の急速な進
行から歯ぎれのよい食感が失われるなどを改善した。
【0044】また、健康志向の高まる今日、本発明は、
ダイエタリーファイバーの活用による摂取カロリーの低
減にも及び、さらに本発明によるパンの実現が、食品添
加物を除外した本格的健康食品を提供するところとな
り、パンは重量感(米の炊飯物と同様)と共に、低カロ
リーの満足感を新規に定着せしめるに至った。本発明の
パンに重量感のもたらされる理由は、その製造に使用さ
れる水がグルコマンナンの結合水であって、グルコマン
ナンに包接されているために製造工程における焼成時に
おいても、また製造後においても、消失し難いからであ
る。
【0045】本発明によって、従来の食品添加物使用に
よる軽量物性の品形重視のパンから、ファイバーブレッ
ドの常食パンが実現した。これにより、パン製造者の都
合から名目だけのまずいパンが市場に提供されてきたと
ころがまさに改善される契機ともなる。
【0046】加えて、簡便食の蒸しパンも、中華風をふ
くめ、以上と同様の有用性を市場に提供することが可能
となり、その経済効果は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A21D 2/18 A23L 1/30 - 1/48 A21D 13/00 WPI(DIALOG)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】小麦粉又はその他の穀粉を主原料とし、こ
    れにイースト及び食塩を添加し、さらに必要に応じて糖
    類、油脂、乳製品その他の副原料を添加して生地を作
    り、発酵後焙焼し又は蒸し加熱するパンの製造法におい
    て、該生地の作成に使用する水として自由水の代わりに
    グルコマンナンの水和ゲルを使用することを特徴とする
    食物繊維パンの製造法。
  2. 【請求項2】イーストの代わりに合成膨張剤を使用し、
    従って発酵工程のない請求項1記載の食物繊維パンの製
    造法。
  3. 【請求項3】グルコマンナンの水和ゲルが160メッシ
    ュ通過のグルコマンナン微粉末を使用して作成されたも
    のであることを特徴とする請求項1又は2に記載の食物
    繊維パンの製造法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の製造法に
    より製造されたことを特徴とする食物繊維パン。
  5. 【請求項5】生地の作成に際し、水の代わりにグルコマ
    ンナンの水和ゲルを使用した外皮部で、グルコマンナン
    の水和ゲルを使用して作成した内包あんを包み、発酵工
    程に付して製造されたことを特徴とする中華まんじゅ
    う。
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