JP2619743B2 - 即溶解性グルコマンナン組成物 - Google Patents

即溶解性グルコマンナン組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グルコマンナンの水和
溶解に必須の工程である数10分に及ぶ撹拌、及び膨潤
を不要ならしめる即溶解性グルコマンナン組成物、及び
その製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】(a)撹拌及び膨潤に関して: グルコマンナンは、別にコンニャク精粉とも呼ばれ、コ
ンニャク芋から乾燥粉末に精製して、加工食品の原料に
使用される。主に原料として使用されるコンニャクの製
造では、水中撹拌、静置膨潤、凝固剤添加混練、
成型、加熱、仕上げ等の工程を主流とし、これは
グルコマンナン特有の水分包括能、及び不可逆的凝固、
更に弾性の確保等が目的である。また、その他加工食品
に補助原料として使用する場合でも、前記、及び
の工程を経て適量を主原料に添加する等、いずれもグル
コマンナンの溶解には、数10分に及ぶ撹拌、及び膨潤
を図る工程が必須条件であり、然もその所要時間は60
〜120分にも及ぶため、グルコマンナンの特性活用を
阻む欠点となっていた。更に、工業用の場合、例えば、
粉塵飛散防止、又は緑地保全関連の保水目的等、特に工
場外の場所や現場等での、前記の撹拌及び膨潤工程は、
所要時間の外に専用機器等を別途に必要とするため、グ
ルコマンナンの特性活用において支障があった。
【0003】(b)凝固剤の添加方法に関して: 凝固剤を有効に作用させるため、グルコマンナン溶液が
十分に膨潤して粘度変化が認められなくなった膨潤物
に、強力に素早く混練する。ここで該膨潤物の平衡状態
が乱れ粘度も変化するが、再び、粘度変化が認められな
くなるまで混練して平衡状態にする必要があり、膨潤完
成後に凝固剤を添加する方法は、再現性の結果が容易に
得られなかった。また、膨潤物の平衡状態を乱し凝固剤
を添加し混練する前記方法は、均質な混和に至らずしか
も気泡を呼び込み、離水原因となった。このように凝固
剤添加時期、及び方法が不適切の為に、凝固完成には、
コンニャク原料の3〜6重量%の凝固剤を使用するが、
その2重量%を越える部分が過多であり、凝固剤のpH
は11.0を超え、食品に不適な障害や嫌忌臭等、不都
合な問題を伴う原因になっており、この点の解決が強く
望まれていた。
【0004】(c)貯蔵変性に関して: グルコマンナンは、コンニャク芋の品種別、産地別、又
は粉末原料の製造方法及び貯蔵方法、その経過年数など
から、粉末原料を水和溶解する時点での数10分に及ぶ
撹拌と膨潤時間、及び以後の粘度、更に水分保持能、ゲ
ル能等が異なり、使用水の適正倍率をその都度調整する
必要がある等、加工食品及び工業用に使用する場合、希
求する物性の再現性に難点があり、グルコマンナンの特
性活用を阻む原因の一つであった。
【0005】(d)嫌忌臭に関して: グルコマンナンは、貯蔵期間が6〜8カ月を経過する頃
から、トリメチルアミン臭といわれる魚臭ににた臭いが
発生し、さらに凝固剤に接触すると嫌忌臭を生成するた
め、加工食品の補助原料に活用し得なかった。
【0006】(e)工業用の撹拌及び膨潤に関して: グルコマンナンを工業用に使用する場合、例えば粉塵飛
散防止剤、保水剤、その他散水用等、多量の水和溶液を
必要とし、数10分に及ぶ撹拌、及び膨潤工程を取り入
れる機器及び設備がない現場では、その有効性を活用す
ることができなかった。
【0007】(f)溶解性に関する特許文献に関して: グルコマンナンの溶解性に関連する特許文献としては、
次に掲げるものがある。
【0008】(イ)特公昭61−52667号公報(ダ
イエタリーファイバーの顆粒剤及びその製造法で、ゲル
化していない顆粒を押し出し型造粒方法により、服用に
供する顆粒剤として製造する方法)、(ロ)特開昭63
−18534号公報(易溶性グルコマンナンの製造法
で、コンニャクマンナンに水を加え、膨潤させてゾル形
成の後、アルコールにより湿式粉砕して乾燥する方法。
80メッシュ通過の粉末は、水和撹拌により1時間30
分〜2時間30分の後、完全溶解し均一な水溶液にな
る)、そして(ハ)特公昭63−65229(即溶性グ
ルコマンナンの製造法で、コンニャクマンナン粒子をア
ルカリ性の水中で撹拌しつつ、水洗いした中和沈殿物を
冷凍乾燥の後20〜40メッシュの粒子に仕上げる方
法)。
【0009】しかしながら、これら文献(イ)〜(ハ)
に開示の方法は、いずれも、グルコマンナン粒子が20
〜100メッシュの製品である為、水和溶解時の数10
分に及ぶ撹拌、及び膨潤を図る工程が必須であり、上記
文献に該工程を不要とする説明はない。
【0010】(ニ)特公昭63−65297(蒟蒻粉の
製造方法で、コンニャク芋を−196℃程度の液体窒素
中に浸漬して瞬間凍結し、−50℃以下の超低温窒素ガ
ス雰囲気中で微粉末に粉砕する方法)。
【0011】しかしながら、文献(ニ)に開示の方法に
よる低温脆性の状態において、200メッシュ通過の微
粉末グルコマンナンを得ることは可能であるが、該微粉
末は水和溶解時に凝集し、いわゆるママコを生成するた
め、これを解消する処置を微粉末原料の段階で構ずる必
要があった。
【0012】以上の如く、グルコマンナンは各種の製造
法により、粉末や顆粒状に精製されるが、その水和溶解
時における数10分に及ぶ撹拌、及び膨潤を図る工程
は、グルコマンナンの多様化利用を阻む欠点であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前項記載の従来技術の
背景下に、本発明は、主として、下記の課題を解決する
ことを目的とする。
【0014】(a)グルコマンナンを有効成分とする粉
末原料が、水和溶解時に凝集する、いわゆるママコの生
成を解消して数10分に及ぶ撹拌、及び膨潤を不要なら
しめる。
【0015】(b)グルコマンナン溶液が膨潤した後、
凝固剤を混練する方法は、膨潤物の平衡状態を乱すた
め、再現性の結果が容易に得られなかった欠点を解消す
る。
【0016】(c)グルコマンナン粉末(精粉)の等
級、及び貯蔵などに関係なく、使用目的ごとの水使用量
を適正倍率により適応させて、希求の物性を容易に再現
する原料に精製する。
【0017】そして、前記(a)〜(c)とともに、
(d)該粉末原料の貯蔵経過に伴い発生する、魚臭に似
たトリメチルアミン臭の解消、等。
【0018】
【課題を解決するための手段】グルコマンナンは、水中
に投入すると粒子が沈殿し、徐々に膨潤が進みながら凝
集する。これを回避するため、撹拌を凡そ30〜50分
続け、粘度が上昇し水溶液が平衡状態になった時点で静
置して膨潤を図るが、この間に於ける粘度上昇に至る経
過は、グルコマンナンの粒子が小さいものから溶解し、
順次大きい粒子の表面が溶解することにより進行する。
即ち、200メッシュ通過の微小粒子は、水に接触と同
時に溶解するが、この時点で沈殿する凡そ99%の粒子
は、30〜150メッシュである為、水溶液の粘度が上
昇するまで撹拌を続けて粒子の沈殿を防ぎ、次いで、静
置膨潤が必須工程となる。
【0019】しかして、本発明者は、残り1%程度の2
00メッシュ通過の微粒子は、水に接触すると直ちに溶
解する点に着目し、全ての粒子を200メッシュ通過に
微粉末化して、課題を解決する研究を続けた結果、即溶
解性グルコマンナン顆粒の製造法に関する本発明を完成
した。
【0020】以下、この製造法について詳細に説明す
る。
【0021】グルコマンナンの微粉末化の方法には特別
の制限はなく、いすれの方法でもよく、例えば前掲特公
昭63−65297号公報記載の方法によることができ
る。即ち、乾燥した蒟蒻芋を、−196℃程度の液体窒
素中に浸漬して瞬間的に凍結し、これを−50℃以下の
超低温窒素ガス雰囲気中で微粉末化する方法である。こ
のような方法により市販のコンニャク精粉を200メッ
シュ通過の微粉末に精製する。
【0022】次いで、該微粉末が単独で水和溶解する時
点に凝集する、いわゆるママコの生成を解消するため、
水に接触すると即溶解する多糖類粉末と該微粉末とを、
あらかじめ十分に混和した後、流動槽式造粒機を用いて
造粒するが、ここで多糖類粉末と該微粉末との混和が不
十分の時は、顆粒の粒度も揃わず水和時にママコを生成
するので注意を要する。
【0023】なお、このような多糖類粉末としては、グ
アーガム、デンプン、セルローズ、イヌリン、キチン、
グリコーゲン、及びペクチン、寒天、カラギーナン、ア
ルギン酸、トランガム、カラヤガム、アラビヤガム、さ
らに、カードラン(武田薬品製)等の他に、デキストリ
ン等の多糖類の粉末を挙げることができる。また、これ
らの多糖類粉末は併用しても良いことはもちろんであ
る。
【0024】次に、コンニャク精粉の微粉末と多糖類粉
末との混和物は、流動槽式造粒機の熱気流を60〜80
℃域から45〜55℃域に変動する中で、例えばグアー
ガム0.2〜5%水溶液をバインダーとしてスプレーし
て造粒し、次に0.2〜5重量%の界面活性剤をスプレ
ーし、さらに、30〜40℃域で乾燥して顆粒状に造粒
する。
【0025】なお、このような界面活性剤にも特別の制
限はなく、本発明の方法によって製造される即溶解性グ
ルコマンナン顆粒の用途を考慮して適宜決定することが
できる。例えば、食品用途の場合は、食用に適するレシ
チン、モノグリセリド、シュガーエステル、ソルビタン
脂肪酸エステル、プロピレングリコール酸エステル等の
界面活性剤を挙げることができる。
【0026】また、このようにして得られる顆粒のサイ
ズは、例えば20〜80メッシュの範囲に分布するが、
用途に応じて適当な粒度の顆粒を篩分などにより選別す
る。
【0027】以上に説明した本発明に拠ることにより、
こんにゃく芋の品種別や生産地別、及び粉末原料の製造
や貯蔵方法、その経過年数等によって物性が変化、或は
劣化して生じる様々な障害により、再現性の結果が容易
に得られなかった問題点を解消し、あわせて魚臭に似た
トリメチルアミン臭を解消することができる。
【0028】付言すると、本発明の顆粒状の組成物に
は、使用目的に必要な調整剤等、有効性を妨げない限り
含有させてもよく、このような調整剤の例は、界面活性
剤、湿潤剤、高分子水分吸収剤、その他各種の調整剤が
挙げられる。また、本組成物の有効成分であるグルコマ
ンナンについては、コンニャク芋から製造されるもので
あればよく、その種類及び製造法、品質等級、その他区
別なく使用することができる。
【0029】本発明者は、また、グルコマンナンの微粉
末は使用目的によっては、凡そ160〜200メッシュ
通過の中から選び、水に接触すると即溶解する、上に説
明した多糖類粉末を予め十分に混和した後、顆粒状に造
粒せずとも使用することもできることを見い出し、粉末
状の即溶解性グルコマンナン組成物に関する本発明を完
成した。
【0030】この粉末組成物は、顆粒状に造粒する必要
がないので、水および界面活性剤は不要である。
【0031】本発明に係わる顆粒状および粉末状組成物
には、いずれも、さらに所望によりまたは必要に応じ、
前記各種調整剤の他、例えば保護コロイド剤、アルカリ
剤、防臭剤等、及び/又は食品以外の使用目的では、例
えば各種の肥料系、薬物系等の物質を含有させることが
できる。また、増粘剤、ゲル化剤、糊料として使用し得
る高分子物質でも、水に接触すると即溶解する物性を有
し、或は即溶解性に精製されているものを含有させるこ
とができ、例えば次の中から選択することができる。す
なわち、アラビヤガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリ
ウム、キチン、カラギーナン、カラヤガム、グアーガ
ム、キサンタンガム、ペクチン、寒天、α化澱粉、ロー
カストビーンガム、トラガントガム、サイリュームシー
ドガム、カルボキシメチルセルローズナトリウム、メチ
ルセルローズ、澱粉グリコール酸ナトリウム、澱粉燐酸
エステルナトリウム、カルボキシメチルセルローズなど
の多糖類及びその誘導体、ポリアクリル酸ナトリウムな
どの合成高分子物質等である。これらは、単独で又は2
種以上組み合わせて適宜の量で使用される。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。
【0033】実施例1(顆粒状即溶解性グルコマンナン
組成物の製造) グルコマンナンである市販のコンニャク精粉を20Kg
採り、前掲特公昭63−65297号公報記載の蒟蒻粉
の製造方法により、200メッシュ通過の微粉末18.
7Kgを製造した。その4Kgに粉末状グアーガム(ソ
マール社製)2Kgを加えた合計6Kgの粉末混合物を
手動により約2分間混和して均質化を図った後、流動槽
式造粒機(フロイント社製FL40型)の熱気流中に、
該混合物を浮遊する状態で流動させながら、0.5%グ
アーガム水溶液900mlをバインダーとしてスプレー
し、約22分間造粒した。熱気流は始め72℃から順次
46℃に変動し、次に、界面活性剤(モノグリセリド)
30gを水70gと共にスプレーし、更に38℃で約1
5分間乾燥して、80メッシュ通過の顆粒状に造粒し
た。
【0034】このようにして得られた顆粒は、コンニャ
ク粉末特有の臭、及び静電気の発生もなく、取り扱いが
容易で、且つ、粒揃いが美麗であった。
【0035】本実施例の熱気流温度及び所要時間を下記
第1表に、その粒度分布を下記第2表に示す。
【0036】比較例1(通常の顆粒製造) 実施例1と同様の方法で、市販のコンニャク精粉(20
〜80メッシュ)5.5Kg及びグアーガム0.5Kg
の合計6Kgを用いて顆粒状に造粒した。但し、流動槽
の熱気流温度を、始め80℃で20分間、次に48℃で
15分間とし、この間バインダーとして0.5%グアー
ガム水溶液1,000mlをスプレーし、次に、実施例
1におけると同じ界面活性剤30gを水70gと共に、
熱気流40℃中でスプレーし、15分間乾燥して顆粒状
に造粒した。
【0037】本比較例の造粒物は、約90.4%が12
〜42メッシュであった。また、水和溶解には撹拌を続
け、膨潤を図る工程が必要であったが、これはコンニャ
ク精粉の粒度が通常のものであった為である。
【0038】なお、本比較例の熱気流温度及び所要時間
も第1表に、そして得られた顆粒の粒度分布を第2表に
示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】実施例2(コンニャクの製造) 実施例1において製造した80メッシュ通過の顆粒40
gを25倍の水1,000mlに投入しながら、かき混
ぜて分散し、Ca(OH)の1%水懸濁液50mlを
添加し、溶液を平衡状態とした後、プラスチック製の袋
に120gを封入し、外寸法が9.5×6.5×2.0
cmの成形器8個に詰めて成形し、92℃の熱水中で4
0分間加熱して凝固を完成することで、コンニャクを作
成した。
【0042】本発明に係わる顆粒状即溶解性グルコマン
ナン組成物の効果は、本実施例からも明らかである。す
なわち、本実施例は、数10分に及ぶ撹拌、及び膨潤を
解消し、更に凝固剤の添加時期が水和溶解の直後である
為、気泡の呼び込みがなく、また凝固剤使用量を通常よ
り1/3強減少した結果、凝固完成後のpHは8.0で
コンニャク特有の嫌忌臭も解消した。更に、本実施例の
所要時間は約1時間であった。下記第3表にコンニャク
製造の各工程における所要時間を示す。
【0043】比較例2 比較例1におけると同じ市販のコンニャク精粉27g
を、40倍の水(1,080ml)に投入し、撹拌を約
30分間続けた後、静置して約60分間膨潤を図り、次
いで凝固剤として、Ca(OH)の1%水懸濁液80
mlを添加して約1分間混練し、以下、実施例2におけ
ると同様に成形して加熱して凝固を完成することで、コ
ンニャクを作成した。
【0044】本比較例における所要時間は約2時間半で
ある。また、本比較例の凝固剤添加時期は、溶液の膨潤
を図った後であるため、気泡を呼び込み、しかも凝固剤
は均質な混和に至らないため、コンニャク原料の3重量
%の凝固剤を使用する通常の使用方法によった。更に、
得られた製品のpHは11.2でコンニャク特有の嫌忌
臭を伴っていた。下記第3表に各工程における所要時間
を示す。
【0045】
【表3】
【0046】実施例3(粉末状組成物とその使用例) (a) 粉末状組成物: 160メッシュ通過のグルコマンナン微粉末21g、デ
キストリン「パインテックス」(松谷化学製)5.4
g、ワキシーデンプン2.5gおよびカードラン(武田
薬品製)0.6gを十分混和して粉末状即溶解性グルコ
マンナン組成物を調製した。
【0047】(b) 野菜フライへの使用: 160メッシュ通過のグルコマンナン微粉末21g、デ
キストリン「パインテックス」5.4g、ワキシーデン
プン2.5g、カードラン0.6gおよびCa(OH)
0.5g(合計30g)を混合し、これを20℃の水
550gに投入し、泡立器で約2分間手動撹拌して、マ
マコの生成がない糊状の水和物を約580g調製した。
(糊状水和物)
【0048】また、小麦粉20g、生卵白10gに20
℃の水50gを注入し、泡立器でかきまぜ、これにグラ
ニュー糖10g、食塩1g、グル曹(MSG)2gおよ
びみりん7gを調味料として添加してフライの衣を約1
00g調製した。(フライの衣)
【0049】さらにまた、さくらエビ50g、細切りに
したニンジン20gおよび同じく細切りにしたピーマン
10g(合計80g)を混ぜ合わせてフライの材料を用
意した。(フライの材料)
【0050】次いで、上記糊状水和物およびフライの衣
から各50gを分取して混合し、上記フライの材料80
gにからませ、これを円盤状に成形したもの(厚さ約1
cm、直径約7cm)6個をベニ花油を揚げ油として1
60℃でフライにした。
【0051】このものは、まずフライの衣の調製が容易
であり、フライの材料と衣の結着が良く、野菜フライ特
有の油の飛びはねが押えられた。なお、10時間後の物
性は、衣が硬化せずに良好な食感が維持されていた。
【0052】(c) こんにゃく様製品の作成: 前記糊状水和物から約120gとり、ラップに包み、セ
ロテープで止めた。これを全部で3個作り、沸騰水中で
約30分間加熱して凝固させ、こんにゃく様の製品を作
成した。
【0053】このようにして作成したこんにゃく様の製
品は、透明感がありかつ臭いがなく、こんにゃく原料が
主原料であるにも拘わらず、従来のこんにゃく製品には
存在しない硬質クラゲ様の食感を呈した。これは、即
ち、微粉末グルコマンナンによる独特の結果であること
を確認した。
【0054】
【発明の効果】本発明の顆粒状即溶解性グルコマンナン
組成物によれば、グルコマンナンの溶解に必須である例
えば数10分に及ぶ撹拌、及び60分を要する静置膨潤
時間を解消できる。即ち、200メッシュ通過の微粉末
グルコマンナンと、水に接触すると即溶解する多糖類の
粉末とをあらかじめ混合してからませ、さらにバインダ
ーとして、多糖類の水溶液をスプレーし、顆粒状に造粒
した結果、(a)水に溶解する時点に凝集する粉末特有
のいわゆるママコの生成を解消し、(b)水に投入後、
分散させるだけで即溶解し、膨潤工程を解消でき、また
(c)凝固剤の添加時期及び方法を、グルコマンナン溶
液が十分に膨潤した後、溶液の平衡状態を乱しながら混
練する方法から、初めの水和時に添加する方法に改善し
た結果、必須工程であった混練を不要とすることができ
る。このようなメリットのえられることは、本発明の粉
末状即溶解性グルコマンナン組成物についても同様であ
る。
【0055】その結果、製品に気泡の導入もなく、かつ
再現性の結果が容易に得られるようになるなど作業性を
著しく改善し、従来にないテクスチュアの食感的にも好
ましい物性を、加工食品製造へ提供するに至り、主原料
は又は副原料として例えば、めん製品では、腰が強くい
わゆる、のびないうどんやラーメン、また水産練製品で
は製品が硬くならず、然も離水が解消されるなど、その
使用範囲を拡大した。さらに、工業用にグルコマンナン
の特性を活用する場合でも、例えば、粉塵発生及び飛散
防止、又はゴルフ場、公園、堤防や道路の路肩斜面等そ
の他、緑地保全などに必要なグルコマンナンの大量溶解
も容易になり、水の扱いと同様な利便性と共に、グルコ
マンナンの新規利用を拡大するに至った。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 160メッシュ通過の微粉末グルコマン
    ナンおよび多糖類粉末を前者5〜98重量部対後者1〜
    90重量部の割合で含有することを特徴とする粉末状即
    溶解性グルコマンナン組成物。
  2. 【請求項2】 200メッシュ通過の微粉末グルコマン
    ナン5〜98重量%と、多糖類より選択した1挿以上の
    粉末1〜90重量%とをあらかじめ混合し、次に流動槽
    式造粒機により、その熱気流中を浮遊する状態の該混合
    物に、多糖類より選択した1種の0.2%〜5%水溶液
    をバインダーとしてスプレーして造粒し、次に界面活性
    剤を0.2〜2重量%スプレーして乾燥し、顆粒状にす
    ることを特徴とする顆粒状即溶解性グルコマンナン組成
    物の製造法。
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